マレーシアのAerodyneグループがDrone Fundと提携、2号ファンドの最大出資先に

マレーシアを拠点とするAerodyne(エアロダイン)グループは3月11日、投資家の千葉功太郎氏が設立したDrone Fund(千葉道場ドローン部2号投資事業有限責任組合)からの出資を受け入れ、資本提携を結んだことを発表した。これにより同社は、Drone Fundの2号ファンドとしては最大級の出資先となる。今回の提携にいって、2号ファンドの出資先企業のハードウェア、ソフトウェア、サービスなど、幅広い分野で連携していくとのこと。

写真右上が千葉功太郎氏、その左がKamarul A. Muhamed氏

Aerodyneグループは、ドローンを活用してさまざな点検やモニタリングのサービスを提供している企業。具体的には、広域にまたがって設置される電線網や通信鉄塔などのインフラ設備をはじめ、火力・風力発電施設やプランテーション、工事現場などで利用されている。ドローンが集めたデータは、解析してクラウドに集約される。点検対象設備は25万点超、年間を通して4万回以上の飛行実績がある。

現在23カ国で事業を展開しており、日本では2018年よりエアロダインジャパンを設立している。

2号ファンドの出資先としてはAerodyneグループのほか、急速充電とエネルギー密度を両立させたキャパシタ(蓄電池)を開発中のスペースリンク、大気計測装置の開発・製作・販売などを手がけるメトロウェザー、空飛ぶクルマ(エアーモビリティ)の開発・製造・販売を手がけるSkyDriveなどがある。また2号ファンドのLPには、プロサッカー選手の本田圭佑氏が率いるKSK ANGEL FUNDのほか、みずほ銀行、KDDI、セガサミーグループ、マブチモーター創業家一家などが名を連ねている。

Y CombinatorのSam Altman社長が会長へ、後継者の計画はなし

シリコンバレーの多産なアクセラレーターY Combinatorの、著名な社長Sam Altman氏(写真中央)が社長を退いたことを、同社が米国時間3月8日に公開したブログ記事が共有している。

Altman氏は会長職へ移行し、YCの他のパートナーたちが昇格して彼の日常業務を引き受けるとAxiosが報じている。情報筋によると、Altman氏の後継者を立てるは予定はない。YCの中核的な事業は目下、CEOのMichael Seibel氏が率いている。彼は2013年に非常勤のパートナーとしてYCに加わり、20016年にトップの座に着いた。

このニュースが流れた今同社は、一連の変革の真っ最中だ。しかももうすぐ、3月18日と19日にはサンフランシスコで、200あまりの企業から成る最新のバッチのデモが行われる。上述のブログ記事でYCは、本誌TechCrunchが今週初めに報じた本社のサンフランシスコ移転の件をはじめ、変化の一部について詳説している。

それによると、「YCをその都市〔サンフランシスコ〕へ移すことを検討しており、目下スペースを探している。最近の5年間で新しいスタートアップたちの重心が明らかに変わり、マウンテンビューのスペースに愛着はあるものの、そこに固執するロジスティクス上のトレードオフにそれだけの価値があるかを再考している。とりわけ、バレーは社員の通勤が難しい。また、ベイエリアの同窓生たちに近い場所にいたいのだが、その圧倒的多くがサンフランシスコで生活し仕事をしている」。

本社を北へ移すだけでなく、最近のYCは参加者が大幅に増えているので、次のデモデーではステージを2つ使う。そして、ポートフォリオ企業への初期投資の額も増やす

Altman氏は2011年にパートナーとしてYCに加わり、2014年に社長に指名された。今後の彼は、調査研究企業OpenAIの共同会長職など、他の努力に傾注する。AltmanはYCの共同ファウンダーPaul Graham氏を継ぐ、同社2代目の社長だった。Graham氏は今、YCのアドバイザーだ。

関連記事: The Silicon Valley exodus continues主要VCの脱シリコンバレー傾向(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソフトバンクがラテンアメリカで50億ドル規模のファンドを設立

ソフトバンクグループ(以下SBG)は3月7日、ラテンアメリカ市場に特化したテクノロジーファンド設立したと発表。規模は50億ドルで、SBGは20億ドルを拠出する予定だ。

「ソフトバンク・イノベーション・ファンド(仮称)」と命名されたこのファンドでは、アルゼンチンやブラジル、チリ、コロンビア、メキシコなどラテンアメリカ全域で、Eコマース、デジタルファイナンスサービス、ヘルスケア、運輸業、保険業といった領域のスタートアップに投資する。

SBGは同日、「ソフトバンク・ラテンアメリカ・ローカル・ハブ(仮称)」を設立することも併せて発表している。このグループでは、ソフトバンクのポートフォリオ企業のラテンアメリカへの進出を支援し、事業展開地域の拡大をサポートするのだという。

「ラテンアメリカで育った私は、人々がもたらす創造性と情熱を直に見てきました。数多くの革新と創造がこの地域で起きており、ビジネス機運はかつてないほど高まっています。ソフトバンク・イノベーション・ファンドは、産業を再定義し、多くの人々に新たな経済機会を創出しようとしているラテンアメリカ企業へ投資していきます」

そうコメントしているのは、新たなファンドの投資、運営の全体統括の責務を担うSoftBank Latin AmericaのCEOに就任したマルセロ・クラウレ氏。同氏は、現任のSBG取締役副社長 COO、SoftBank Group InternationalのCEO、Sprint CorporationのExecutive Chairmanのポジションも継続して務めることとなる。

SBGいわく、ラテンアメリカ市場の特異性と急速な経済発展は、世界の10%を占める人口と世界全体の8%(インドの2倍、中国の2分の1)に相当するGDPに伴うものだという。

ラテンアメリカには3億7500万人のインターネットユーザー、そして2億5000万人のスマホユーザーが存在する。また、Eコマースの売上高が、2015年の298億ドルから2018年には540億ドルに増加するなど、消費者行動がオンラインショッピングに大きくシフトしているという。

加えて、“その地域に足りていないもの”に関してもSBGにチャンスをもたらすだろう。銀行業務はオンラインが主流となりつつある一方、ラテンアメリカでは人口のおよそ7割である約4億人が銀行口座を開設していない。

ソフトバンクはこれまで、ラテンアメリカでは、ブラジルの配車サービス会社99(結局はソフトバンクも支援しているDiDi(滴滴出行)に買収されたが)や、同じくブラジルの配送アプリLoggiなどに投資してきた。

Netflixスターの片づけエキスパート「こんまり」が40億円超の資金調達へ

Marie Kondo(近藤麻理恵)。今年Netflixの番組「Tidying Up」で数百万人の視聴者の心を掴んだ女性が、4000万ドル(約44.6億円)の資金を調達すべくベンチャーキャピタルと交渉中だ。彼女のブランド、書籍、TV番組などを管理する会社であるKonMariのスケールアップを目指す。

このニュースを最初に報じたのはThe Informationで、意外にもこれは、こんまりにとって初めてのベンチャー資金導入ではないと同誌は書いている。2018年にこんまりは「数百万ドル台の低いほう」の調達ラウンドを一流VCファンドのSequoia Capitalのリードで完了したが、詳細は報じられたことがながんた。同社広報はTechCrunchへのメールで、現時点でこんまりは資金調達についてコメントできないと言った。

「Tidyin Up with Marie Kondo」(近藤麻理恵と片付けよう)は、2019年1月1日にNetflixでデビューし、ほぼ瞬時に大人気となった。こんまりのキャッチフレーズ 「Does it spark joy?」(ときめくか?)と効率的な片付けと整理の方法がインターネットにブームを呼んだ。こんまりメソッドは、カテゴリー別の片付けを推奨する。衣類、書籍、紙類、その他の品物、思い出の品などだ。 「ときめくものだけを残して、そうでないものは捨てる。いままでの働きに感謝して、手放しましょう」とこんまりは自身のウェブサイトで説明している

The Informationの記事によると、こんまりは出版記事やその他のデジタルコンテンツなどを通じて、自身のパーソナルブランドをさらに広めるために追加の資金調達も考えているという。おそらくVCにとっての問題は「こんまりがときめかせてくれるかどうか」だろう(すみません、書かずにいられなかったもので)。

KonMariは2015年に、こんまりと夫の河原 巧氏が設立した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

総額30億円超を目指すグリーの「GFR Fund Ⅱ」、北米でVR/ARやAI、eSportsに出資

グリーは3月7日、新ファンド「GFR Fund Ⅱ」について発表した。同ファンドは、北米に設立したGREE Capital Partners, LLCを通じて2018年12月に設立。運用期間は、初回クロージング日から原則10年間となる。

出資者は、グリー、ミクシィなど、国内外の事業会社および機関投資家など。1700万ドル(約19億円)のコミットメント総額(約定総額)で、2019年1月30日に初回クロージングを完了。同ファンドでは2019年12月末まで引き続き出資者を募集をし、コミットメント総額が3000万ドル(約33.5億円)に達するまで拡大する予定とのこと。

2016年4月に設立した「GVR Fund」(現・GFR Fund Ⅰ)は、VR/AR領域のほか、AIなどを含む最先端技術を持つスタートアップなど22社に対して投資を実行。今回のGFR Fund IIでは、北米を中心にVR/AR領域に継続して投資していくだけでなく、eSports、ストリーミング、AI、ブロックチェーンなどに投資分野を拡大していく。同ファンドは2019年1月から投資を始めており、すでにGLG GamingFanAIなどにに対して投資を実行済みだ。

GLG GamingはeSportsプレーヤー向け動画サイト「ProGuides」、FanAIはスポーツチームおよび広告主向けデータ分析ツールをそれぞれ提供しているスタートアップ。

注目のコスメブランドGlossierからインスタ映えする新ラインが登場

主張しすぎないコスメのラインアップでミレニアル世代のインスタグラマーからカルト的な人気を誇るGlossier(日本未発売)が、初のスピンオフブランドとなるカラフルな「Glossier Play」を発売した。

美容ブログ「Into The Gloss」で人気を博したEmily Weiss氏は、トップクラスのD2C投資家であるForerunner Ventures、Index Ventures、IVPから合計9,200万ドルのベンチャーキャピタル資金を調達し、創業者兼CEOとしてGlossierをおよそ4億ドルのビジネスにまで成長させた。AIを利用したパーソナルスタイリングサービス、Stitch Fixの創業者Katrina Lake氏とForerunner Venturesの創業者兼ジェネラルパートナーKirsten Green氏が、同社の取締役に就いている。

Weiss氏は2014年に、クリーンなスキンケアと自然な美しさを提唱するGlossierを創業した。現在までにWeiss氏自身の持つ繊細でナチュラルな雰囲気を再現するかのような、すっぴん風メイクのための製品ラインアップを揃えて、D2Cビジネスを加速させている。1970年代のノスタルジアからインスパイアされたGlossier Playは、同社としては初めて鮮やかな発色やグリッターを取り入れた、テンションの上がる製品ラインだ。

Glossier Playブランドとして初めて登場したラインアップには、カラーアイライナー(15ドル)、ハイライター(20ドル)、マルチユースのグリッタージェル(14ドル)、「ビニールリップ」(16ドル)などがある。新製品がセットになった「The Playground」(60ドル)もある。

インスタグラムを活用した広告キャンペーンには、人気インスタグラマーのDonté ColleyとミュージシャンのTroye Sivanが起用されている。この新ラインのGlossier Play、そして今後のスピンオフブランドをもってすれば、Glossierはエスティローダーやロレアルといった既存の化粧品ブランドと戦えることになるだろう。化粧品市場は2024年までに7,500億ドルの規模になると推定されている。

ニューヨークに本社を構えるGlossierの従業員数は200人。同社のソーシャルメディアのフォロワーが200万人近くいて、しかもその数が増え続けていることを考えれば、従業員数は相当少ない。同社はTechCrunchに対し、2018年の年間売上高は1億ドルを超え、100万人の新規顧客を獲得したと語っている。 Glossierは、スキンケア、メイクアップ、ボディケア、フレグランスのカテゴリーにわたって計29種類の製品を販売している。

Glossierは、2019年中にさらに新ブランドを立ち上げる予定はなく、同社はブランドインキュベーターではないと明言している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

スタートアップ資金調達を効率化「smartround」にエンジェル投資

スタートアップと投資家向けに、資金調達管理プラットフォームを提供するスマートラウンドは3月6日、自社開発の「smartround」ベータ版を一部利用する形で、エンジェル投資家20人あまりから資金調達を実施したと発表した。投資家らからの第三者割当増資と日本政策金融公庫からの融資を合わせて、総額5500万円を調達したという。

今回、出資に参加した投資家は以下の通り、そうそうたるメンバーだ。

赤坂優氏、朝倉祐介氏、有安伸宏氏、伊藤英佑氏、漆原茂氏、海老根智仁氏、荻原国啓氏、片尾英和氏、久保泰一郎氏、佐藤裕介氏、島田亨氏、杉山全功氏、関喜史氏、孫泰蔵氏、高梨大輔氏、高野秀敏氏、中川綾太郎氏、三木寛文氏、山木学氏、脇丸俊郎氏 ほか

smartroundはスタートアップとその投資家向けに特化したファイナンス管理基盤だ。スタートアップ向けには、ファイナンスに詳しくない起業家のために、ガイドに沿って必要事項を入力するだけで、適切な資金調達ラウンドを準備し、増資をシミュレーション・実行できる機能を用意。増資実行後も株主への情報共有やコミュニケーションをサポートする。

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    資金調達ラウンドの計画
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    資本政策のシミュレーション
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    ライブラリの管理

投資家には、投資案件・投資先企業の管理を、抜け漏れの起きやすいスプレッドシートに代えてクラウド上で行えるようにした。スタートアップが自社用の画面で入力したマスターデータを、権限を付与される形で投資家・株主が共有でき、必要な情報を入力する手間なく集計・管理することができる。

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    スタートアップ一覧
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    会社情報
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    資金調達ラウンドへの参加

スマートラウンドでは、今回の資金調達により、商用サービスのローンチと機能改善、利用者拡大と、人材の強化を図る。

スタートアップと投資家に向け、ファイナンス業務の効率化を支援するサービスとしては、投資家向け未上場株の管理ツール「FUNDBOARD」がある。FUNDBOARDを提供するケップルは、2018年4月に3000万円を調達、同年12月には日本経済新聞社と資本業務提携を締結している。

500 Startups Japanが50億円の新ファンドでCoral Capitalに生まれ変わる

500 Startups Japanのメンバーが独立する。このVCは2015年に3000万ドル(約33.5億円)のファンドを発表し、そして今回そのフォローアップがCoral Capitalと呼ばれる4500万ドル(約50億円)のファンドだ。

James Riney(ジェームズ・ライニー)氏と澤山陽平氏が仕切るCoralは、500 Startups Japanと同様、この米国VCが日本で行う事業を継続する。500 Startups Japanはすでに40件あまりの投資を行っており、その中にはカケハシ、衛星通信のインフォステラSmartHR日本語版記事)、American Expressに買収されたポケットコンシェルジュなどがいる。

本誌のインタビューでライニー氏はこう述べた。「Coral(サンゴ)は海洋生態系の中で基盤的な役割を担っている。われわれは日本のスタートアップのエコシステムにおいて同様の基盤的役割を提供したい。そこで、それを象徴する名前にした」。

このファンドのLPには、500 Startups Japanを支援しているみずほ銀行や三菱地所、ソフトバンクのCEO孫正義氏の弟でMistletoeのファウンダー孫泰蔵氏、新生銀行らがおり、非公表の機関投資家たちもいる。その機関投資家たちは、ライニー氏によるとLPの半分近くを占める。ファンドの資金調達は2年半で完了し、関心を示した一部の将来的投資家を断らざるをえなかった。

ライニー氏によると、セクハラを認めて2017年に退陣した創設パートナーDave McClureの一件は「Coralの創設にあたって重要な考慮事項ではなかった」という。

「Coralはそれよりもずっと前からあたためていた企画だからね」と彼は説明した。

Coral Capitalの創設パートナーであるジェームズ・ライニー氏と澤山陽平氏はこれまで500 Startups Japanを率いていた。

ライニー氏によると、Coralが500 Startups Japanの投資とバッティングすることはないし、Coralをやりながらそのポートフォリオの管理も継続する。

理屈の上では、500 Startups Japanからの継続という計画になり、全体として、スタートアップの初期段階の投資が主力になる。彼のこれまで4年間の経験では、安定した仕事を辞めてスタートアップを始めるファウンダーが多く、それが日本の場合はうまくいっている。

インタビューで彼は曰く、「今のキャリアに深入りすればするほど、自分の業界を抜本的に変えるには起業家精神しかない、と思えてくる人が多い。日本人はリスクを避けようとする気持ちの方が一般的に強いが、そういう人たちにおいてはリスク回避よりも起業指向の方が強くなるんだ」。

彼は、Coralの誕生が日本におけるスタートアップ文化をプッシュし続けていくための機会になる、と見ている。これまで圧倒的に企業社会で、仕事は会社でするもの、という慣行の強かった日本では、ファウンダーたちの初期段階の資本獲得の機会が不在だったのだ。

「ここではわれわれにやれることがたくさんあり、日本でわれわれが作り出すインパクトは、シリコンバレーなどよりずっと強いものになるだろう」と彼は展望している。

「今ではどこの企業にもスタートアップの計画はあるが、シードや初期段階を強力に引っ張れるところはほどんどない。彼らが比較的安心してやれるのは、後期段階の投資だ。スピンオフする勇気のある企業に投資する投資家も、昔からいないことはないが、他の国に比べるとあまりにも少なすぎる」と彼は付け加えた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

500 Startups JapanからCoral Capitalへ、ジェームズ&澤山氏の新しい挑戦

2号ファンドは50億円超を組成

「いつかは自分たちのファンドを作りたかった」とFounding Partnerの澤山陽平氏。澤山氏はJames Riney(ジェームズ・ライニー)氏とともに、米国発祥のベンチャーキャピタル(VC)の日本向けファンド「500 Startups Japan」を3年前に立ち上げた。

左から、小林恭子氏(Executive Assistant)、澤山陽平氏(Founding Partner)、James Riney氏(Founding Partner/CEO)、吉澤美弥子氏(Senior Associate)、津田遼氏(Talent Manager)

その両名と500 Startups Japanのメンバーは3月5日、新VCファンドとしてCoral Capital(コーラル・キャピタル)を設立し、Coral Capital II, L.P.(Coral Capital 2号ファンド)を組成。約2カ月半の一次募集で、ファンド総額(出資約束金額の総額)が当初目標である50億円に達したという。同ファンドは、シードステージの日本のスタートアップ企業を投資対象とする。

主な出資者は、みずほ銀行、三菱地所、電源開発(J-POWER)、新生銀行などの事業会社、日本や米国シリコンバレー、香港、シンガポールの個人投資家またはその運用ファンド、機関投資家となっている。ジェームズ氏によると「シリコンバレーのVCは機関投資家から資金を集めることが多いですが、日本ではほとんと事業会社からの調達でした。しかしCoral Capital 2号ファンドでは、ほぼ半分が機関投資家からの出資です。起業やイグジットを経験したエンジェル投資家なども含まれており、機関投資家が純投資として出資しているのが特徴です」と語る。

Coralとはサンゴ礁のことで、海の生物を下支えするサンゴ礁のように、スタートアップ業界で起業家を支える存在を目指すという意味が込められている。ジェームス氏は500 Startups Japanの設立当時を振り返り、「当時、日本に興味を持っているシリコンバレーのVCはほとんどなく、中国などを見ていました。しかし、日本にも有望なスタートアップが多数存在していたので、シリコンバレーの手法を日本に持ち込めば活性化するのではと考えました」という。

これまでの500 Startups Japanの活動を振り返ると、JKISSと呼ばれるシード資金調達のための投資契約書をオープンソースで無償公開。

人工衛星向けアンテナシェアリングプラットフォームを開発するインフォステラの総額8億円のシリーズAラウンドの資金調達をまとめた。このラウンドではエアバスの投資部門であるAirbus Venturesがリード投資家として参加するなど国内では相当珍しい資金調達となった。

クラウドで労務管理サービスを提供するSmartHRのシリーズBでの15億円の調達を、SPV(Special Purpose Vehicle)という日本では珍しい手法で組成したこともある。SPVは、特定の企業やプロジェクトなどに資金を投資する目的で専用のファンドなどを組成する手法で米国では一般的なもの。500 Startups Japanはこの手法を日本に持ち込んだわけだ。

そのほか、500 Startups Japanが最初に投資したレストランの予約・決済サービスを提供するポケットコンシェルジュが、2019年1月にアメリカン・エキスプレスに買収されたのも記憶に新しい。

投資以外の活動としては、500 Startups Japanで専任の採用担当を置き、合同の採用イベントを開催。設立間もないスタートアップは人材集めに苦労することを多いが、こういったイベントでの出会いで優秀スタッフを採用できた企業もある。来場者は30代が中心でエンジニアは2割ほど。「コミュニティーの強さには自信がある」と澤山氏。「500 Startups Japanでイベントの写真などをアップするのですが、参加者は子供連れの人も多い」と続ける。500 Startups Japanでは若手起業家はもちろんだが、30代、40代のキャリアを積んだ人材の起業を積極的に支援していることもあり、コミュニティのイベントには家族連れが多くなるそうだ。

500 Startups Japanがこれまで手がけてきたこれらの活動が、そのままCoral Capitalに引き継がれる。「500 Startups Japanのままではいけないのか?」という問いには「自分たちでやってみたい気持ちが強く、既存LP(リミテッドパートナー)からの支援もあったので、Coral Capitalを立ち上げることにした」と澤山氏。続けて、「米国の500 Startups本体はどちらかというとアクセラレーター的な傾向が強く、Japanとは支援方法が異なると感じていた」とも話す。また「とはいえ、500 Startupsとは袂を分かつわけでなく、これからも良好な関係を続けていく。もちろん、500 Startups Japanで組成したファンドについては今後もしっかりサポートしていく」とのこと。ジェームズ氏は「500 Startups JapanがリブランドしたのがCoral Capitalと考えてほしい」と答えてくれた。

なお神戸市が500 Startupsを共同で進めている「500 KOBE ACCELERATOR」については、「500 Startups Japanの設立前から神戸市と500 Startupsが進めていた取り組みなので、500 Startups Japanはこれまでサポートとして関わってきました」と澤山氏。詳細は決まっていないとのことだが、500 KOBE ACCELERATORへの影響は特にないとのこと。

シリコンバレーのVCの手法を日本に持ち込みつつ、日本に根ざしたスタートアップ支援活動を進めるCoral Capital。Coral Capital 2号ファンドも順調に推移しているので、今後どのようなスタートアップが輩出されるのか楽しみだ。

エアアジアが6000万ドル規模のスタートアップ向けファンドを立ち上げ

格安航空会社のAirAsia(エアアジア)がVCゲームに参入しようとしている。世界中のスタートアップに投資するベンチャーキャピタルファンドを明らかにした。

エアアジアは今日、独立して運営されることになる、旅行、ライフスタイル、フィンテック、ロジスティックなどの分野の世界中のスタートアップに投資する6000万ドルのファンドRedbeat Capitalを発表した。対象となる可能性のあるスタートアップにとってのこのファンドのセールスポイントは、エアアジアの東南アジアにおける事業を利用できるチャンスがあることだ。エアアジアは毎年、乗客9000万人を運んでいる。

ファンドの規模は6000万ドルを目標としているが、これまでにいくら確保したのかは明らかにしていない。このファンドはほとんどサンフランシスコと東南アジアのスタートアップに注入されることが予想され、ディールフローやアイデア交換で500 Startupsに協力を仰いでいる。

エアアジアは財政危機に伴う株価下落でこのところ苦しんでいたが、それでも企業価値は20億ドル以上ある。グループCEOのTony Fernandes氏によると、Redbeat Capitalはエアアジアのフォーカスを広げ、単なる航空会社以上の存在になるという野心的な戦略の一部だ。

「私はエアアジアを今後5年以内に人を運搬するだけの会社から何か違うものにすると決めた。これは、私がエアアジアを興したときと同じく、全体的なトランスフォーメーションにおいて重要なステップだ」と Fernandes氏はTechCrunchとのインタビューで語った。

「我々の最初のトランスフォーメーションは、ウェブを使う低コストの航空会社であるということで、我々のカルチャーはこれまで常にテックの中にあった」と彼は加えた。「そして今、我々はすでに構築したプラットフォームを使いながら第二ステージに向かっている」。このプラットフォームにはBigPay支払いサービス、BigLifeアプリ、そしてロジスティック事業が含まれる。

しかしこれは、少なくともFernandes氏によると、コーポレートファンドではない。

Redbeat Capitalは出資者から資金を調達している。出資者について詳細を語ることは断ったが、Fernandes氏はRedbeat Capitalが投資収益をあげることとエアアジアを下支えする両方のバランスをとることになる、と語った。エアアジアはすでにコーポレート投資のRedbeat Venturesを抱えているが、これがインキュベーターと、会社とつながる金融商品に変わる。その一方でポートフォリオはRedbeat Capitalとなる、と説明する。

「単にエアアジアの一部門としてではなく、もう少し独立性を持たせたかった。それが実行可能かどうかみていた」とFernandes氏は付け加えた。

ディールに関しては、Fernandes氏は「ポストシード」とだけしか語らなかった。ファンドは必要に応じて最大500万ドル、平均100万ドルの資金を提供できるとのことだ。

シリコンバレーは初めて投資を行う人にとっては食い込みにくいマーケットだ。にも増して、エアアジアは米国で事業を展開しておらず、カリフォルニアではあまり名が知られていない。しかしRedbeat Capitalが東南アジアへの珍しい玄関口を提供し、そこからインドや中国も視野に入ることになるとFernandes氏は確信している。

「インドや中国で競争するのはお金がかかる。しかし東南アジアはまさに今始まろうとしている。我々と戦略を展開し、相互利益のために我々のデータベースやプラットフォームを使う企業を探している」と語った。

エアアジアは、そうした企業がこの地域でユーザーを獲得したりマーケティングを行ったりする(この2つは最もコストがかかる)のをサポートするためにエアアジアのプラットフォームや顧客ベースを活用する用意がある、とも彼は説明した。

東南アジアをめぐっては楽観論が多くみられる。Googleがシンガポール政府投資公社と共同で出した最新のレポートでは、この地域のデジタル経済は2025年までに3倍の2400億ドル規模に到達すると予測している。

これは500 Startupsの動きを反映したものでもある。500 Startupsは東南アジアで資金を運用していて、直近でも新たなグローバルファンドを育成中だ。

「東南アジアは米国よりも多くのインターネットユーザーを抱えている。これは起業家にとって大きなチャンスだ。エアアジアのような業界大手が500 Startupsとの提携を通じてシリコンバレーとの架け橋を築くというのは、グローバル展開を目指している多くのスタートアップにとってエキサイティングなことだ」と500 StartupsのCEO、Christine Tsaiは声明で述べた。

それでも、Redbeat Capitalがコーポレート投資と収益目的のディールとの間で、かなり異なる需要のバランスを取ることができるのかは未知数だ。大企業のファンドは収益目的にあまりフォーカスしない傾向にあり、一般的に投資収益率に基づいて親会社内の“イノベーション”を促進するのにフォーカスしている。もちろん、専門ファンドは資金とそれにプラスしたものを出資者に返すために存在している。

それでも、音楽、英国のサッカー、フォーミュラ1レースなど幅広くビジネスの興味を持っているFernandes氏は性格的にチャレンジに向いている。ただ、彼は直接は関わらない。このベンチャーはエアアジアのデジタル戦略を率いるグループのCEO、Aireen Omar氏がトップに就く。しかし彼女の上司が常に監視している。

「慣習にとらわれないが、早期に結果を出すことが望まれる」とFernandes氏は語った。

イメージクレジット: Marcio Rodrigo Machado/S3studio / Getty Images (Image has been modified)

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

ゲイツやベゾスが率いるファンドが世界の地熱発電プロジェクト開発に投資

Breakthrough Energy Venturesは、ジェフ・ベゾス氏、ビル・ゲイツ氏、ジャック・マー氏らの億万長者が出資した投資会社で、社会を脱炭素化するテクノロジーを開発する企業に投資している。このほど同社は、地熱プロジェクト開発会社のBaseload Capitalに1250万ドル(約14億円)を投資した。

Baseload Capitalは、スウェーデンの親会社 Climeonが開発した技術を利用した地熱発電所を開発するための資金を提供するプロジェクト投資会社だ。

Googleの親会社であるAlphabet(アルファベット)からのスピンオフで最近の調達ラウンドで1600万ドル(約18億円)を集めたDandelion Energyと同じく、Climeonは地熱エネルギーを利用するための標準化された機械を作っている。しかしDandelionが消費者をターゲットにホームヒーティングを提供しているのに対して、Climeonは地熱エネルギーを電気に変換する。

同社のモジュールはおよそ2メートル立方の機械で、150キロワットの電力を供給する能力を持つ。これはヨーロッパの約250世帯を賄うのに十分だと同社の広報担当者は言っていた。

2011年創立のClimeonは、自社技術を利用した発電所を作るための特別目的事業体としておよそ1年前にBaseload Capitalを設立した。Baseloadは、出資先企業から株式を譲り受けることと引き換えに負債金融を行う。

Breakthrough Energy Ventures はBaseload Capitalへの投資を通じて、全世界の小規模発電所の開発資金提供を支援している(すでにBaseloadは、日本で開発中のプロジェクトに向けに特別目的事業体を結成した)。

ClimeonとBaseload Capitalは3つの主要産業に焦点を当てている。地熱、流通、および重工業だ。「われわれは海運業者に機械を販売してエンジンの廃熱を電気に変えているほか、おなじく大量の廃熱を出す鉄鋼業、さらには地熱発電所を開発、運用する企業にも販売している」とClimeonの広報担当者がメールに書いた。「対象は新たに設立されたSPVでも、既存のエネルギー会社でもよい。たとえば米国では、既存の地熱発電所でわれわれのモジュールが使用されている」

同社の説明によると、そのモジュラーユニットを使うと施設のスケールアップや廃止が容易になるという。モジュールの価格は35万ユーロ(約4450万円)で、ほかにClimeonの発電所管理ソフトウェア利用料としてモジュール毎に年間5000ユーロ(約64万円)を支払う。

現在約8800万ドル(約98億5000万円)の受注残高があると同社は言っている。

Baseload Capitalへの投資は、Breakthrough Energyにとって地熱業界への2番目の取組みとなる。昨年同社はFervo Energyに投資し、既存技術を利用して1キロワット時5~7セントのコストで生成する地熱発電所の開発促進を支援した。

「低音地熱電力のようなベースロード資源はエネルギー情勢を変えるものだと確信している。Baseload Capitalは、Climeonの革新的技術とともに、温室効果ガスのない電気を大規模かつ経済的、効率的に生み出す潜在能力をもっている」とBreakthrough Energy VenturesのCarmichael Robertsが声明で述べた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

国際物流支援のFlexport、SoftbankのVision Fund等から10億ドル調達

サンフランシスコに本拠を置く物流支援のスタートアップ、FlexportはSoftBankのVision Fundがリードするラウンドで10億ドルを調達したことを発表した。同社は5年半前に設立されたスタートアップで、海上、航空双方の分野で国際的物流を助けるフルサービスのフォワーダーだ。

Founders Fund、DST Global、Cherubic Ventures、Susa Ventures、SF Expressなど当初からの投資者はすべて今回のラウンドにも参加している。同社のポストマネー会社評価額は32億ドルとなったという。

最初に記事を掲載したForbesによれば、Flexportには昨年4億71700万ドルの収入があった。これは2017年の2億4480万ドルから大きくアップしている。 同社はこの原因の一つとして、一部の顧客が国際的サプライチェーンを維持するために年間1000万ドル以上をFlexportに支払ったことを挙げている。

Flexportは急激に成長しており、会社概要のアップデートが追いついていないようだ。同社のサイトの会社概要では社員は600人とされているが、CEOのRyan Petersenは、Forbesのインタビューに対して「世界各地の11箇所のオフィスと4箇所の倉庫で合計1066人が働いている」と述べている。

先週、AxiosはFlexportがSoftBankがリードするラウンドで会社評価額30億ドル程度の資金調達を行う交渉を進めていると報じた。

Crunchbaseによると、直近のラウンドは 2018年の4月に実施されており、過去5回のラウンドで3億500万ドルを調達している。

Flexportの当面のライバルは多数のオンライン・フォワーダーだ。これらのマーケットプレイスでは簡単に最安の運送手段を発見でき、運送の予約や追跡をモニターするサービスも提供している。しかしFlexportの本当の目標は、単なるフォワーダーに留まらず、DHL、FedEx、UPSのような巨大ロジスティクス企業と直接対決できるようになることにあるようだ。たとえば2017年末、同社は航空機をチャーターして独自の空輸サービスを開始したことを発表している。Forbesの記事でPetersenが世界4個所で独自の倉庫を保有していることを明かしたのも興味深い。

画像:anucha sirivisansuwan / Getty Images

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建設テック向けに投資枠50億円、JAPAN CON-TECH FUNDが始動

カシワバラ・コーポレーションは2月21日、建設系ITスタートアップに投資する「JAPAN CON-TECH FUND」を3月より開始すると発表した。当初の投資枠は50億円。今回の発表に合わせて専用サイトで支援を希望する企業を募集する。さらに、国内外の建設テック情報を発信するウェブメディア「CON-TECH MAG」も開設した。

同社は、山口県岩国市で1949年に創業した建設会社。マンションの大規模修繕事業、リノベーションデザイン事業、ライフライン事業などを手がけている。現在は、岩国市と東京に本社がある。

国土交通省発行の「平成30年度 建設投資見通し」では、建設業界の市場規模は57兆円。これは自動車産業市場に次ぐ規模だが、労働環境の問題などで若い職人が育っておらず、慢性的な人手不足。そして、それに伴う労働環境の悪化という、負のスパイラルとなっている。同社はこの問題をスタートアップの力を借りて解決することを目指す。なお、投資だけでなく、さまざまな建設現場を新技術の実証実験や導入支援のために提供するという。

建設テックはコンテック(Con-Tech)とも呼ばれる造語で、ITの力で建設業界の問題を解決することを目指す分野。国内では、建設現場と職人のマッチングアプリや職人向けプリペイドカードを提供中の助太刀、建設職人向けの情報サイトや工具防犯登録サービスを提供する職人さんドットコム、クラウド施工品質管理システム「ANDPAD」を開発するオクトなどがある。

また先日、米国シリコンバレー発祥のベンチャー・キャピタルであるDCMベンチャーズから約10億円の資金調達を発表したユニオンテックも建設テックの一翼を担う企業だ。

サムライインキュベート6号ファンドは34.5億円、ペット用ジビエ肉、バーチャルアドレスに投資

サムライインキュベートは2月22日、同社運営のファンド「Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合」で34.5億円の組成を完了したことを発表した。当初目標だった30億円を超える規模になったとのこと。

写真左から3番目が、サムライインキュベート代表取締役の榊原健太郎氏

同社は、創業時のスタートアップに特化したベンチャー・キャピタル(VC)。最近では大企業のオープンイノベーション戦略への参画も増えており、サッポロホールディングスと「スタートアップ共創型ビジネスコンテスト」、日本郵便と「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2018」、京浜急行電鉄と「京急アクセラレータープログラム第2期」などを開催している。

6号ファンドの投資テーマは、物流、ヘルスケア、リテールテック、フィンテック、建設、MaaSなどの領域で、日本、イスラエル、アフリカ大陸などでスタートアップを支援する。1社総額で5000万円程度の投資を実施予定とのこと。同ファンドはすでに始まっており、国内ではペット用国産ジビエ定期便サービス「Forema」(フォレマ)、アフリカ・ケニアでは住所がない人向けにバーチャルアドレス発行サービスを展開する「MPOST」に出資している。

Foremaは、犬や猫などのペット向けに鹿肉や猪肉などのジビエ食材を提供するサービス。国産かつ人間と同じ衛生基準で処理しているのが特徴。1カ月限定のお試し便は、税別月額980円+送料950円、内容量は500グラム。

定期便はジビエ肉1.8〜2キロのセットで税別月額4360円+送料950円。定期便の内容は月替わりだが、例えば鹿肉部位混合切り落とし500g、鹿肉部位混合切り落とし250g×2、猪肉混合切り落とし250g、猪ミンチ250g、鹿ハツ350gなどがそれぞれパック詰めされ冷凍状態で届く。なお送料については、北海道と沖縄のみ別途500円加算される。

ペットにとっては、高タンパクで低カロリーのジビエ肉によって健康維持に役立つ。一方、ジビエ肉の販売ルートを確立することで、残念ながら駆除されてしまった野生動物を商品として流通させることが可能になる。現在、農作物被害や森林被害を解決するために駆除される鹿や猪は1割未満しか食用として使われておらず、9割以上は破棄・埋蔵処分になっているとのこと。同社はこの問題を解決するために設立されたスタートアップだ。

MPOSTは、スマホなどを活用してバーチャルアドレス発行することで、ケニアの物流網構築を目指すスタートアップ。マサイ族で有名なケニアだが、郵便制度が発展途上のため正確な住所を持たない人が多い。そのため海外から荷物を発送する際は、これまでは私書箱が使われていた。MPOSTは「Mobile Post office」の意味で、スマホの位置情報を利用して確実に荷物を届ける仕組みを考案している。

6号ファンドに参加した企業や投資家は以下のとおり。

  • 京浜急行電鉄
  • 住友生命保険
  • セイノーホールディングス
  • セプテーニ・ホールディングス
  • ダイキン工業
  • 前田建設工業
  • マネックスグループ
  • 丸井グループ
  • モノフル
  • ロート製薬
  • FFGベンチャービジネスパートナーズ(FFGベンチャー投資事業有限責任組合第1号)
  • 千葉 功太郎氏

SoftBankとアブダビMubadala、新ファンド組成でさらに関係緊密化

日本のテクノロジー・コングロマリット、SoftBankとアブダビの国営ファンド、Mubadalaの関係は以前から密接かつ入り組んだものだったが、これがさらに強化されるようだ。

Financial Timesによれば、 Mubadalaがヨーロッパのスタートアップを支援するために立ち上げた4億ドルのファンドの半額についてSoftBankが出資にコミットしたという。

ベンチャーに投資に関心を持つ読者なら2017年にSoftBankが組成した巨大なVision FundにMubadalaが150億ドルの出資をコミットしたことを思い出すかもしれない。その直後、 Mubadalaはサンフランシスコにオフィスを開設し、同時に初期段階のスタートアップに投資する目的の4億ドルのファンドを組成した。SoftBankはこのファンドにも出資している。

この協力関係は合理的と見られていた。少なくとも理論的には、MubadalaのファンドはSoftBankが通常気付くくより早くシリコンバレーのスタートアップ業界で何が起きているかについて知り、その情報をSoftBankに提供できるはずだ。この動きはまた、MubadalaがVision Fundに投資した資金の動きを監視するにも好都合だ。

しかし今回の欧州向け新ファンドはいくつかの懸念を招いている。Finacial Timesは新ファンドが組成されたタイミングを「異例」と書いている。これはSoftBankの負債が1540億ドルに上る現状を指している。またFTの情報源は新ファンドは「SoftBankのテクノロジー投資が増大することによってMubadalaのVision Fundへの影響力も増大する仕組みであることをはっきりさせた」と述べている。

そうではあってもSoftBankにはアブダビとの関係をますます深める以外選択肢はなかったようだ。SoftBankの孫正義CEOは、今月これに先立って、「Vision Fundは990億ドルの資金のうち500億ドルをすでに投資している」と述べた。現在までの投資ペースからすると(先週には10億ドルをたった1社に投じている)、残る資金は2020年末までもたないことになる。

一方その一方で、Vision Fundに450億ドルをコミットして最大の投資家となっているサウジアラビアとSoftBankとの関係がかつてのように良好なものであるかどうかは明らかでない。SoftBankはVison Fund 2においてもサウジに最大の投資家となることを期待していた

昨年の10月3日にBloombergの記者がサウジのモハメド・ビン・サルマン皇太子(通称MBS)にインタビューしたとき、MBSは「Vision Fundにさらに450億ドルをコミットする用意がある」と述べていた。しかしインタビューの5日前にサウジ国籍の反体制派活動家、ジャマル・カショーギがイスタンブールのサウジ領事館に入ったのを最後に消息を断っていた。この後、カショーギの失踪とMBSの関与に国際的な注目が集中することになる。ビジネスリーダーの多くはサウジが10月中旬にリヤドで開催を予定していたカンファレンスへの参加をキャンセルした。孫正義CEOもその1人だったが、ファンドへの影響を考えたのか、イベンドの前日にリヤドを訪問して密かにMBSと会談している。

このキャンセルがMBSを怒らせたかどうかは不明だ。 その後CIAがカショーギの殺害を命じたのがMBSだと結論したこと、またこれに伴って国際的な非難がサウジに向けられたこと、などがSoftBankの資金集めにどんな影響を与えたかも分かっていない。

孫CEOは「さらにサウジから資金を得るつもりがあるかどうか?」という問題に答えることを避けた

その頃、SoftBankはMubadalaと協力してヨーロッパのスタートアップに500万ドルから3000万ドルの投資をするためのファンドを組成しようとしていると報じられた。

前述のサンフランシスコ・チームの役割と同様、新ファンドはVision Fundの資金をヨーロッパに流すパイプの役割を果たし、Mubadalaのチームが有望なポートフォリオを発見することが期待されている。

Mubadalaのヨーロッパ・ファンドはロンドン・オフィスをベースとして運営されるはずだ。Vision Fundは現在ロンドンに本社を置いておりサンフランシスコにもオフィスがある。近く上海、北京、香港にもおフォスをオープンさせる予定だ。

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技術シーズと共同創業者をマッチングする「Co-founders」、Beyond Nextが開設

独立系アクセラレーターのBeyond Next Venturesは、大学などの技術シーズ・研究者と経営人材とをマッチングするプラットフォーム「Co-founders」を開設。3月1日からの正式サービス提供に向けて、2月18日、事前登録受付を開始した。

Beyond Nextは2014年8月の創業以来、ファンドやアクセラレーションプログラム、社会人向けの起業家育成プログラムなどを通じて、大学・研究機関発の技術シーズに対する創業支援や投資に取り組んできた。

技術シーズの事業化にあたって、大きな課題のひとつが「経営幹部となる人材が見つからない」ということだ。Beyond Nextではこれまでにも、スタートアップの経営人材不足に対応できるよう、自社内にヘッドハンターと採用支援の専任担当者を抱え、1500名を超える経営人材候補の人材プールを構築。創業前後の研究開発型スタートアップへ経営者候補を紹介している。

Beyond Next Ventures代表取締役社長の伊藤毅氏は、「シリコンバレーをはじめ、欧米ではベンチャーキャピタル(VC)が投資先に人材を紹介するということが、VCの役割として一般化しており、ヘッドハンターを抱えて経営幹部人材を紹介することや、採用支援をすることがVCの機能となっている。日本でも、最近そうした動きがようやく現れてきたが、キャピタリストが自分の人脈で紹介するといったケースが多く、機能として提供できるところはまだ少ない」と説明する。

Beyond Nextは、これまでの取り組みによる実績やノウハウを集約し、今度はオンラインでもマッチングサービスとして提供することで、より多くの技術シーズ・研究者と経営人材との出会いを支援したい考えだ。

Co-foundersでは、技術シーズ・研究者と経営者候補とをオンライン上でマッチングするだけでなく、研究者にはセミナーや個別相談を通じた、組織構築・採用コンサルティングなどを提供。経営人材にも経営者としてのキャリア構築支援を行い、オフラインでも創業チームづくりを支援する。

サービスの登録対象は、シーズの事業化に向けて創業メンバーや仲間を求める大学・研究機関所属の研究チームや、創業前後のスタートアップ。研究分野は、創薬・医療機器・再生医療・ヘルスケア、デジタルヘルスや人工知能、ロボット、食料、農業、バイオ、素材、エネルギー、宇宙などの「ディープテック」と言われる先端技術の領域が想定されている。

また、経営者候補の方は、技術系スタートアップの創業メンバー・アドバイザーなどとして創業チームに参画することに興味を持つ人を登録対象としている。

サービス開始後、当面はBeyond Nextが選抜した創業前後の技術シーズ・研究者約20チームに向けてマッチングサービスを提供。その後順次、掲載する技術シーズ・研究者と経営人材の登録を拡大していく予定だ。

同社のHR支援チームマネージャーで、Co-founderを立ち上げ、運営に携わる鷺山昌多氏によれば、北米でもネットサービスなどの領域では、経営者候補のマッチングサービスの例があるそうだが、ディープテックの領域ではあまり同種のサービスはないという。そこには日本特有の「アカデミアと経営人材との距離が遠い」という事情があると鷺山氏は話す。

「そのため技術シーズが芽吹きづらい。またこれは、起業家を志す人にとってももったいないことだ。Co-foundersは経営者候補のキャリアのつかみ方としても革新的なサービスだと考える。このサービスでの出会いが、0→1を作る画期的な事業を起こすための入り口となれれば」(鷺山氏)

Beyond Next Ventures 鷺山昌多氏(左)と中岡崇氏(右)。Co-founderを立ち上げ、今後の運営に携わる。

Co-foundersは研究者・経営人材ともに、無料で利用可能。プロフィール登録後、Beyond Nextによる審査を経て、利用できるようになる。伊藤氏はCo-foundersを「直接の収益化は考えていない」と述べ、「ポテンシャルのある経営人材が研究者と出会うことで、ファンド活動にもよい影響を与えると考えている」と話す。

「当社の投資先でない技術シーズ・研究者にも使ってもらう想定。それで(アカデミア発シーズの事業化という)エコシステムのためのインフラとなれば」(伊藤氏)

鷺山氏は「転職マッチングサイトは多数あるが、Co-foundersでも、経営者候補の人材が『有望ですてきな研究者に会いに行こう』とカジュアルな出会いからキャリアを開くようになってほしい。研究者と経営人材とのミートアップは、(ハイテクスタートアップ分野の)コミュニティにもつながると考えている」と話す。

またコミュニティという点では、伊藤氏も「これまでのスタートアップコミュニティなどではつながりにくかった地方の研究者にも、サービスを活用してほしい」と話していた。

XTechがM&A支援事業に参入、取締役に新卒の廣川氏を起用

左から西條晋一氏、廣川航氏

元サイバーエージェント役員の西條晋一氏が代表を務めるスタートアップ支援企業のXTech(クロステック)は2月18日、子会社のM&A BASEを設立し、IT領域に特化したM&A支援事業に参入したと発表。

設立の背景には昨今の日本企業によるM&Aが増加があり、XTechは「大企業の新規事業参入や人材獲得を目的としたスタートアップの買収、業界再編の加速などを背景にM&A市場は今後も大きく伸びる見込み」だと説明している。だが比較的新しい産業であるIT領域では、M&Aを行う上で必要となる「売り手と買い手の情報やPMIまで想定したアドバイスができる人材などM&Aの基盤」が不足していると考え、M&A BASEを設立するにいたった。

M&A BASEでは、IT領域のスタートアップや大企業に対し、専門知識を持つスタッフがM&Aに関するアドバイザリー、仲介、デューデリジェンスやPMI(Post Merger Integration/M&A後の統合プロセス)の支援、M&A戦略の立案などの支援事業を行う。

西條氏は「これまでIT領域のM&Aでは、IT領域の特殊性によるマッチングの難しさや、M&A成立後のPMIが上手くいかないといった課題があった」と説明している。その課題をクリアするのがM&A BASEのミッションだ。

代表取締役は西條氏、取締役は2018年8月にXTechに参画した、同社の新卒第一号、廣川航氏が務める。廣川氏は2019年3月に慶應義塾大学商学部を卒業予定。大学進学後は、スタートアップやベンチャーキャピタル、ヘッジファンド、監査法人子会社のスタートアップ支援企業などでリサーチ業務に従事してきた。

XTechは2018年10月に地球の歩き方T&Eを買収、9月には子会社のXTech HPを通じてエキサイトの普通株式を公開買付け(TOB)により取得すると明かし、翌月には成立したと発表。西條氏は12月よりエキサイトの代表取締役社長に就任した。また同社は2019年2月、ミクシィと上場企業買収も見据えたM&A包括連携協定を締結したと発表している。

社会課題解決を目指すインパクト投資が“使命”のミッション・キャピタル、遺伝子・自動運転領域に出資

ミッション・キャピタルのマネージング・パートナー、金武偉氏

マネージング・パートナーの金武偉氏が率いるミッション・キャピタルは2月15日、社会課題解決型のインパクト投資1号ファンドにおいて、総額約2億円の投資実行を終了したと発表。出資先はアメリカ発遺伝子系ベンチャーのジェノプランならびに自動運転などの技術で知られるZMPだ。

ミッション・キャピタルは2018年8月の創業。社会課題解決型のインパクト投資を専門テーマにする独立系ファンド運営会社だ。

その代表の金氏は1979年に京都で生まれた。16歳で外交官を目指し渡米、高校と大学をアメリカで履修後、大学院留学の学費を稼ぐため、東京でゴールドマン・サックス証券に入社。一時、JP モルガン証券に転籍後、アメリカ東海岸のロースクールに通った。

卒業後はニューヨーク州で弁護士資格を取得し、サリヴァン・アンド・クロムウェル法律事務所に入所。約5年間、国際案件に携わった。その後、ユニゾン・キャピタル投資チームに参画し、日韓投資案件に従事。そして2014年、「ベンチャーの勃興」があり、以降は国内外複数のAIやIoT関連のベンチャーを経営してきた。

並大抵ならぬキャリアバックグラウンドを持つ金氏だが、「すごく勉強して必死に生きてきたわりには、味気のない人生だと思った」と感じたこともあったのだという。その上で、「自分よりも優れた人間はいるのでは。自分とは何なのか」と自問自答し、「良いことをしながらお金持ちになりたい」という結論にいたった。

2011年、金氏がまだニューヨークで弁護士をしていたころに、社会的インパクト投資が欧米ではよく知られるようになってきたのだという。

「社会問題を直接的に解決し、かつ投資家のリターンが上がるビジネスモデルを知った。ビジネスモデルとテクノロジーのイノベーションでそのようなことができるようになった。実際に社会を良くしているのに、リターンが上がる」(金氏)

「2011年以降、自分はまだ準備不足だと思い続けていた」という金氏だが、2018年に独立した後、色々なベンチャーからの誘いもあったものの、インパクト投資を「今すぐ」始めるよう周りから背中を押され、8月にミッション・キャピタルを創業した。

ミッションキャピタルは地方優良企業の内部留保資金やファミリーオフィス資産を預かり、従来型のベンチャーキャピタルおよびプライベートエクイティファンドに求められる投資利回り(IRR15〜20%)の超過を目指す、高リターン重視のインパクト投資を展開している。

「真のインパクト投資を行なっているファンドは無いと考えている。本当に良いことをやっていて、本当にリターンが上がる。それを証明してみせますよ、というのがミッション・キャピタルだ」(金氏)

金氏は「ある2つの条件」が充足している場合は投資を実行するファンドを作りたかったのだという。1つ目の条件は、会社自体が、実在する大きな社会課題を解決しに行くことが定款としてあること。2つ目は、IRRが15から20%、もしくはそれ以上であること。

「(日本では)現在、インパクト投資ではESG(環境/Environment・社会/Social、ガバナンス/Governance)SRI(社会的責任投資/Socially Responsible Investment)やCSR(企業の社会的責任/Corporate social responsibility)がごちゃまぜになってしまっている。何となく良いことをしていればインパクト投資、というのは間違っている。欧米だと、会社の存在目的自体が、実在する大きな社会問題の解決にあるべきだ、というのがインパクト投資の定義。僕はそれがやりたいと考えている」(金氏)上記に加えてリターンを上げられることが重要であり、でなければ「投資」でなく「寄付」になってしまうのでは、と同氏は加えた。

ミッション・キャピタルでは今後、引き続き、社会的インパクトと高リターンの両立を重視しつつも、将来的には国内外のソーシャルインパクトボンド(SIB)から上場株式まで、様々なインパクト投資機会を投資家へ提供して行くという。金氏は2号ファンドでは30億規模を目指す、と話していた。

 

東大OBの上場起業家が後輩を支援する応援ファンド、1号案件は電子トレカの「whooop!」

写真左から2番目がventus代表取締役CEOの小林泰氏、中央が取締役COOの梅澤優太氏。2人とも現役の東大生だ

東大出身の起業家をより多く誕生させたいーー。そんな背景から2018年11月に設立された「東大創業者の会応援ファンド」。東大OBの先輩起業家と後輩スタートアップをつなぐ同ファンドの1号案件が明らかになった。

電子トレカサービス「whooop!」を展開するventusは2月14日、東大創業者の会応援ファンドを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明かしている。増資は2019年1月に行ったもので、調達額は500万円。ventusにとっては2018年5月以来の第三者割当増資による資金調達だ。

東大創業者の会応援ファンドでは東大出身者(在学/中退/卒業)が起業した設立5年以内のスタートアップを対象に、原則として一律500万円を出資する。何と言っても最大の特徴は「東大OBの上場起業家から事業支援を受けられる」点だ。

中心となる先輩起業家は以下のメンバー。出資金額だけを見ると少額だが、時価総額ベースで合計7000億円を生み出した先輩たちの手厚いアドバイスとネットワークはかなり希少価値が高いと言えるだろう。

  • ユーグレナ代表取締役社長 出雲充氏
  • ホットリンク代表取締役社長 内山幸樹氏
  • ミクシィ取締役会長執行役員 笠原健治氏
  • エルテス代表取締役 菅原貴弘氏
  • Gunosy取締役ファウンダー 福島良則氏
  • マネックスグループ取締役会長 松本大氏
  • スター・マイカ代表取締役社長 水永政志氏
  • エボラブルアジア代表取締役社長 吉村英毅氏

もともと2010年に東大出身で株式上場を果たした有志数名を中心に東大創業者の会がスタート。それ以降は上場を目指す同大出身の若手起業家も集まるようになり、現在は上場経験者10名以上、上場準備中の起業家も含めると20名規模のコミュニティが形成されているという。

東大創業者の会応援ファンドは後輩起業家を支援したいという想いを形にするべく、大学発ベンチャーへ出資を行っているAngel Bridgeと共同で設立したファンド。現在のファンド規模は1.3億円(今後増額予定)で、これから数年間で東大出身の後輩起業家が運営する創業期のスタートアップ20〜30社に出資をしていく計画だ。

今回同ファンドから出資を受けたventusは、電子トレカを通じてスポーツチームやアスリートとそのファンをつなぐ「whooop!」を2018年10月に正式公開。現在国内外の約50チームに導入されている。

同社では調達した資金や先輩からのサポートを基に組織体制の強化や事業の拡大を目指す。2019年4月を目処に「whooop!」の大型アップデートも計画中とのことだ。

プログラマー起業家支援に特化したMIRAISEファンド、元スカイプジャパン代表の岩田氏が立ち上げ

MIRAISE(ミレイズ)は2月13日、プログラマー起業家に投資するファンド「MIRAISE1号投資事業有限責任組合を組成したことを発表した。

同社は、元スカイプジャパン代表取締役で欧州の独立系ベンチャーキャピタルであるATOMICOのパートナーを務める岩田真一氏が設立。プログラマー出身の岩田氏が、プログラマーとしてはもちろん、起業家、投資家としての経験、人脈を生かして、テクノロジー起業家への資金面、ビジネス面、人材面、グローバル展開についてサポートしていくとのこと。

MIRAISEの岩田真一氏

シリコンバレーなどで起業するスタートアップは、優れたプログラマーやエンジニアが創業者、もしくは創業メンバーにいることが多い。一方、日本では起業家=エンジニアのケースがまだまだ少なく、プログラマー起業家やソフトウェアのコア技術に特化するファンドの必要性を感じていたという。

岩田氏は、P2P技術を利用してサーバー不要のグループウェアなどを開発していたスタートアップ、アリエル・ネットワークの創業メンバーであり、その後に入社したスカイプでは初期メンバーとして日本代表を務めた経験がある。そして直近の7年は、投資家としてスタートアップエコシステムに関わってきた。

現時点でのファンド出資者は、東京理科大学インベストメント・マネジメント、P2Pの送金サービスなどを提供しているTransferWise社の共同創業者であるTaavet Hinrikus(ターヴェット・ヒンリクス)氏を含む国内外の個人投資家。ファンドの規模は非公開だが、2019年内に10億円程度を目指すとのこと。

メンター陣には、坂本孝治氏(TBM取締役/COO)、Zach Tan氏(PROWLER.io、元Infocomm)、三島 健氏(JTB Web販売部戦略統括部長、元Expedia北アジアCEO)、松村映子氏(連続起業家)、首藤一幸氏(東京工業大学准教授)、海野弘成氏(Incrementsファウンダー/CEO)、尾下順治氏(AXEL MARK CEO)、佐々木康弘氏(Takramディレクター/ビジネスデザイナー)が名を連ねる。

ファンドの投資先としては現時点で、Pegaraといまチカの国内2社と、エストニアのAIスタートアップの計3社が決まっている。

Pegaraは、AI(機械学習・深層学習)の計算に使うGPUクラウドサービス「GPU EATER」を提供しているスタートアップ。GPU EATERは、初期料金が無料で秒単位の従量課金制サービスとなっており、AWSのGPUインスタントコストを最大80%削減できるという。

いまチカは、「いま近くのいいお店を探す、集めるアプリ」を提供しているスタートアップ。現在地もしくは指定した地域の近くにある、レストランやカフェはもちろん、病院や駐車場なども検索できる。該当地域で開催されるイベントや利用できるクーポンの情報までをまとめて調べられるのが特徴だ。また店舗向けには、QRコードを利用した電子スタンプなどのサービスを提供している。