麻布大学が獣医学系で国内初のVR活用教育を開始、獣医外科学実習の授業に採用

麻布大学が獣医学系で国内初のVR活用教育を開始、獣医外科学実習の授業に採用

麻布大学は11月30日、獣医学系大学で初の仮想現実(VR)技術を採用した教育を開始したと発表した。同獣医学部獣医学科 小動物外科学研究室 高木哲准教授の開発によるシステムを利用。獣医外科学実習の授業において、360度カメラで撮影したVR動画をゴーグル型VRヘッドセットで視聴することで、高い臨場感をもって外科手術の基礎などを体験できる。

1890年創設の麻布大学は、今年2020年には学園創立130周年を迎え、獣医系大学としては2番目に長い歴史を持つ大学。獣医外科学実習は、外科手術に必要な器具・機材、減菌・消毒法の手技について基本的な技術を習得し、外科手術の基礎を学び、実践する授業という。VRを採用した教育は医学・医療系で利用されている例があるものの、獣医学系においては、国内でまだ例のない先進的な取り組みとしている。

開発したシステムは、VRヘッドセットにiPhoneを装着してVR動画を視聴するというもので、24セットを導入。360度カメラにより撮影した3D動画を同時に24名の学生が視聴可能で、学生はVR技術の特性を活かした没入感のある、高い臨場感の3D動画で手術や処置の手技を学べる。全学生がベストポジションで視聴できるため、実習に効果的な事前学習が行える。

またVRヘッドセットを装着し頭を上下・左右に向きを変えると、連動して動画の視点が変わるので、様々な角度の視点から手術の様子などを確認できる。そのため、手元だけでなく、全体の様子や雰囲気も把握でき、一般的な動画では実現できない教育効果を得られるとしている。

麻布大学が獣医学系で国内初のVR活用教育を開始、獣医外科学実習の授業に採用

同システムは、同時に多数の学生が視聴できるため、同学の獣医学科(定員120名)において、教育の効率と質の向上に役立つという。学生によるアンケ―ト結果も満足度が高く、教育効果の向上が期待できるとしている。さらに、動物を使用した手術(手技)などを何度も繰り返して実施する必要がないため、動物個体の負担を軽減できるとした。

麻布大学は、私立大学として動物学分野の研究に重点を置くトップクラスの実績を基盤に、新たな人材育成に積極的に取り組んでおり、今後は、これまでの経験を活かしてより質の高いVRコンテンツの制作を目指すとしている。なお、VRを活用した獣医学教育の整備の一部は、文部科学省科学研究費(JP18K19256)の助成を受けて実施しているという。

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Googleの最新ARアプリにスター・ウォーズ「マンダロリアン」登場

Google(グーグル)は、Disney(ディズニー)、Lucasfilm(ルーカスフィルム)と組んで、スター・ウォーズのストリーミングドラマシリーズ「The Mandalorian(マンダロリアン)」を拡張現実(AR)に取り込む。米国時間11月23日、グーグルは新しいAndroid ARアプリ「The Mandalorian AR Experience」を公開した。アプリはシリーズシーズン1のハイライトシーンをARで表示し、ファンはMandalorianの足跡をたどって、Child(チャイルド)を見つけたり、Force(フォース)を操ったりできるとPlay Storeのアプリ説明に書かれている。

ユーザーはMando(マンドー)、Din Djarin(ディン・ジャリン)、Childなどと同じ道を通って、キャラクターと触れ合ったりシーンを作って友だちとシェアすることもできる。

新しいARコンテンツは11月23日から毎週月曜日に公開され、2021年10月31日までほぼ1年続く。これは過去にグーグルが行った他の「スター・ウォーズ体験」よりも長期間にわたるプロモーションだ。

画像クレジット:Google/Lucasfilm

アプリそのものはグーグルのデベロッパープラットフォームを使って拡張現実体験のARCoreを作成し、ユーザーの周囲と相互に作用するシーンを構築している。こうした没頭性の強いデザインによって、ユーザーは自分のアクションに基づく新たなエフェクトを体験できる。アプリはグーグルの新しいARCore Depth APIを活用することでオクルージョンも可能になった。これによってスマートフォンのカメラを通して見た景色にARシーンがより自然に溶け込む。

しかしながら、このアプリはグーグルの最新AR技術のショーケースであるため、どのAndroidデバイスでも動くわけではない。

同社によると、アプリは「一部の5G Androidデバイス」のみで動作し、5G Google PixelおよびGoogle Play Services for ARのアップデートを済ました一部の5G Android機が対象だ。自分のAndroidスマートフォンが対応しているかどうかは、Google Developersウェブサイトにあるリストで調べられる。他の機種にも将来対応する可能性がある、とグーグルはいう。

画像クレジット:Google/Lucasfilm

この体験には5G対応Android端末が必要ではあるが、アプリの利用にアクティブな5G接続は必要ないとグーグルはいう。つまり、必要なのは5Gそのものではなくそこに使われているテクノロジーということだ。

グーグルは過去数年間に幾度となくルーカスフィルムと組んでプロモーショナルマーケティングキャンペーンを行ってきた。これは単なる広告とは捉えられておらず、それは両社ともにそれぞれのサービスやテクノロジーを紹介する場を得られるからだ。たとえば、グーグルは2015年にGmail、マップ、YouTube、Chromeなどのアプリをユーザーがスター・ウォーズ風に改造(未訳記事)できるツールを提供した。また、スター・ウォーズコンテンツを取り込んだAR(未訳記事)とVR(未訳記事)の両方を過去数年間に提供している。

The Mandalorian AR ExperienceはPlay Storeで無料ダウンロードできる。

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タグ:GoogleLucas FilmStar Wars

画像クレジット:Google/Lucasfilm

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

​中国のスマートフォン大手OppoがAR推進を強化

OPPOは深圳で毎年開催されているイノベーションオープンデーで最新のARヘッドセットを披露した

世界中のテック企業は、5G接続によって可能になる「次の大きな大物」をいまなお特定しようとしている。OPPOなどの一部の企業は、それが拡張現実になることに賭けている。

中国のスマートフォン企業である同社は、米国時間11月17日に深圳で行われた数百人の記者、アナリスト、パートナーが集まったイベントでARの進展を披露した。ブランドカラーである緑のストロボが光る中、一般的なメガネよりも少々分厚いヘッドセットを手に​副社長のLiu Chang(劉暢、リュー・チャン)氏は「OPPO AR Glass 2021」を発表した。

このヘッドセットは​まだコンセプト段階だのものだが、魚眼カメラが搭載されており、ミリ秒単位で手の動きを追跡し3メートル離れたところから90インチのスクリーンを見るような体験をシミュレートできるという。

このコンセプトモデルは、OPPOが2019年に発表したARを含む未来的な技術に500億元(76億2000万ドル、約7900億円)を投じるという3年間におよぶ計画の結果だ。

​XiaomiからHuawei(ファーウェイ)まで、スマートフォンメーカーはARを採用し、スマホにテザリングし、そのコンピューティングパワーを利用するヘッドセットを設計している。​例えばOPPO AR Glass 2021は、Snapdragon 865チップセットを搭載したOPPO Find X 2 Proにリンクするようになっている。

​OPPOのARグラスの発売時期はわかっていないが、同社はビデオストリーミングサイトiQiyiのようなコンテンツプロバイダとの連携や、開発ツールを広く利用可能にするための開発者イニシアチブのローンチまで、マスマーケットでの採用に必要なエコシステムの構築を積極的に進めている。

同じイベントで、OPPOは既存の折り畳み式スマホに代わるかもしれない「スクロールする」OLEDスクリーンを備えたコンセプトフォンも披露したが、同社はこのディスプレイメーカーがどこなのか明らかにしなかった。

 

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(翻訳:TechCrunch Japan)

新型コロナ時に不可欠なVRのトレーニング施設を製造工場の現場にもたらすTransfrが12億円調達

新型コロナウイルスにより米国全体で何百万人もの労働者が職場を追われた。企業が業績を回復するためには、良く練られた、持続可能な方法で従業員に再びスキルを身につけてもらう必要がある。ただし、トレーニングと採用は企業にとって数十万ドル(数千万円)の費用がかかる可能性があり、不安定な時期には正当化が難しい多額の投資になる。

Transfr(トランスファー)の創業者であるBharani Rajakumar(バラニ・ラジャクマール)氏にとって、職場を追われた労働者のジレンマは仮想現実テクノロジーを使う完璧なケースだ。Transfrは仮想現実(VR)を活用して、トレーニングのために製造工場の現場や倉庫のシミュレーションを作る。同社のプラットフォームの入門レベルでは、労働者には安全かつ効果的に作業を学ぶ方法が提供され、企業には大人数のスキルアップのニーズに対するソリューションが提供される。

Transfrはその中核に「教室からキャリアへのパイプライン」を構築しているとラジャクマール氏はいう。企業は必要なトレーニングに影響力を持っており、学生は職業訓練学校、現場、トレーニング施設内で入門レベルの従業員になることができる。以下は、研修生の体験についての同社のプレゼンテーションだ。

Transfrのコアテクノロジーはソフトウェアだ。ハードウェアに関しては、同社はFacebook(フェイスブック)のOculus QuestヘッドセットとOculus for Businessを使用している。これは一般的な顧客が店舗で入手できるハードウェアではない。

Transfrは、サービスとしてのソフトウェア(service-as-a-service)のライセンス料を企業に請求することで収益を上げている。ライセンス料は、従業員の規模によっては最大1万ドル(約100万円)になる。

Transfrは、メンターによるVRトレーニングプログラミングとして始った。以下に示すように、同社はバーテンダーから手術スキルまであらゆるコースを提供している。

職場を追われた労働者の訓練へと移行したのは、入門レベルの従業員との関係において誰が購買力を持っているかを理解したからだとラジャクマール氏はいう。つまり、より高度なスキルを持つ労働者から最も多くを得たのは企業だったのだ。

仮想現実は新型コロナのパンデミックにより全体として盛り上がり(未訳記事)を見せ、評価を上げたが、まだEdTechの創業者の間では広く採用されていない。 ラジャクマール氏は仮想現実がこのセクターにとって革命的になる可能性があると考えている。同氏は2017年にサンフランシスコで開催されたゲームの会議に参加したときに初めて仮想現実に触れた。

「ゲームとポルノがこのテクノロジーの2大産業だとは思いません」と同氏は述べた。「これが教育と学習にどう役に立つのか、誰も理解していないと思います」。

理科の授業で使える仮想現実シミュレーションを学校に提供しているLabster(ラブスター)は、2020年3月以来プロダクトの使用量が15倍に増加した。同社は8月にアジアに進出に向け資金調達を行った。

LabsterのCEOで共同創業者のMichael Jensen(マイケル・ジェンセン)氏は、Transfrのゲーミフィケーション(ゲームの要素を他の分野で活かすこと)とシンプルなUXは採用に向いていると述べているが、開発コストが同社の規模を拡大する上で最大の障壁になる可能性があると述べた。

「今日でも、安定していて洗練されたVRアプリケーションを開発するにはコストがかかりすぎます。当社を含むすべてのプレーヤーは、真に成功するために、再利用性、テスト可能性、スケーラビリティについて考える必要があります」

Transfrは作業シミュレーションのカタログを作成することでコストを削減しようとしている。「Transfrバーチャルリアリティトレーニング施設」といったところだ。同じ教材をさまざまな顧客が再利用できるため、新しい顧客ごとにゼロから始める必要がない。毎月、需要のある新しい仕事をトレーニング施設に追加し、拡大を続けている。3月以降、Transfrの顧客は4倍になった。

ただし最も注目すべきは、アラバマ州でのTransfrの最近の仕事だ。同社はアラバマ州全体のイニシアチブを支援している。同社のソフトウェアがスキル取得の目的でコミュニティカレッジシステムや産業労働者委員会で使用されている。そうした大規模な契約があって初めて、Transfrは労働者を訓練するという使命のために成長することができる。ラジャクマール氏は来年、2021年には10〜15の同様の契約を締結したいと考えている。

これは野心的な目標だ。達成に向けた資金調達の価値がある目標でもある。Transfrは米国時間11月19日、Firework Venturesがリードするラウンドで1200万ドル(約12億5000万円)を調達したと発表した。この資金は主に、Transfrのバーチャルリアリティシミュレーションのカタログ作成のために使用される。同社はまだ利益を上げていないが、ラジャクマール氏は、もっとゆっくりとした成長率で進むならば利益を計上できる「可能性がある」と述べた。

「新型コロナの前であれば、人々は当社のことを労働者の訓練に取り組む『善きサマリア人』だといったでしょう」と同氏は述べた。「新型コロナ後の世界で人々は、当社が不可欠だと言っています」。

関連記事:VR理科実験用ソフトでアジアに進出するLabster

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タグ:Transfr資金調達

画像クレジット:wacomka / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ももクロもVR接客、HIKKYとBEAMSがxR領域で業務提携しVRイベント「バーチャルマーケット5」初出展

「ももクロ」がVR接客、HIKKYとBEAMSがxR領域で業務提携しVRイベント「バーチャルマーケット5」初出展

VR法人「HIKKY」とBEAMS(ビームス)は11月19日、xR(空間拡張技術)領域での業務提携契約を締結したと発表した。HIKKY主催のバーチャルイベント「バーチャルマーケット5」(Virtual Market5)にビームスが初出展し、「ゴジラ」とのコラボ、「ももいろクローバーZ」とのコラボを実施する。

今回の提携により、HIKKYのxRを用いたイノベーション企画、VRイベント制作の知見と、ビームスのファッションとカルチャーにおける企画力を組み合わせ、VRとリアルで広がるファッション業界の新たな価値の創造を目指す。その第1弾として、HIKKY主催のバーチャルイベント「バーチャルマーケット5」(Virtual Market5)にビームスが初出展する。

「ももクロ」がVR接客、HIKKYとBEAMSがxR領域で業務提携しVRイベント「バーチャルマーケット5」初出展

バーチャルマーケットとは、VR空間上にある会場で、出展者と来場者が、アバターなどのさまざまな3Dアイテムや、リアル商品(洋服、PCなど)を売り買いできるイベント。VR機器やPCから気軽に誰でも参加でき、開催期間中は24時間運営されていることから、日本はもとより世界中から70万人を超える来場者が集まる、世界最大級のバーチャルイベントとなっている。

「ももクロ」がVR接客、HIKKYとBEAMSがxR領域で業務提携しVRイベント「バーチャルマーケット5」初出展

  • 名称:バーチャルマーケット5(Virtual Market5)
  • 主催:VR法人HIKKY
  • 開催期間:2020年12月19日~2021年1月10日(計23日間)
  • 公式サイト:https://www.v-market.work/v5/lp
  • 会場:特設会場(バーチャル空間)後日URL発表

バーチャルマーケット5では、東京・原宿にある実店舗BEAMS HARAJUKUをベースにデザインしたVR店舗において、リアル商品と3Dモデル商品の販売、人気コンテンツとの多数のコラボレーション、リアル店員によるバーチャル接客などのコンテンツを用意する。

また、2016年に行われたBEAMSと「ゴジラ」の大人気コラボレーションが期間限定でバーチャルマーケットに登場。人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」とBEAMSとの最新コラボ商品の販売に加え、ももクロメンバーが、それぞれをイメージしたバーチャルマーケット公式アバター「Vケットちゃん」の姿で、 BEAMSのバーチャルショップにお忍びで登場する。ももクロ本人たちによるバーチャル接客を体験できるシークレットチャンスとなっている(日時非公開)。

この他にもバーチャルマーケット5の開催期間内にBEAMSバーチャルショップで開催予定のコンテンツを用意しており、詳細は追ってプレスリリースで発表予定としている。

「ももクロ」がVR接客、HIKKYとBEAMSがxR領域で業務提携しVRイベント「バーチャルマーケット5」初出展

バーチャルマーケット5では国内外から通信、メーカー、小売り、アパレル、エンタメなど、様々な業種から有名企業の出展が決定済み。出展企業は自社ブランドと親和性の高いデザインや仕掛けを施した特別ブースを展開予定という。ブース内では、さまざまな商品の売買や、接客を受けるなどのコミュニケーションを楽しめる。

HIKKYは、バーチャル世界の生活圏・経済圏を発展させ、クリエイターがより活躍できる場を支えていく企業。「人の創造性を既存の価値観から解き放つ」を掲げ、エンタテインメントVRを牽引する注目のクリエイター達をメンバーとして、業界の発展やクリエイターの発掘・育成を目標に2018年に設立。VR/AR領域において大型イベントの企画・制作・宣伝、パートナー企業との合同新規事業開発を主業務としている。

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GoogleがExpeditions VRアプリを終了しツアーをArts & Cultureに移行

Google(グーグル)は米国時間11月14日、Expeditionsのサポートを終了すると発表した(9to5Google記事)。またVRコンテンツ用のアプリも2021年6月にはPlay StoreとApp Storeからも削除されるという。「ExpeditionsでGoogle Arts and Cultureを拡張する」というやや紛らわしいタイトルのブログ記事では、同社はプロジェクトのためにキャプチャされた360度のツアーは存続するが、Google Arts & Cultureに移動すると伝えている。

プログラム管理、教育担当ディレクターのJennifer Holland(ジェニファー・ホランド)氏によると、この決定は学生や教育者がコンテンツをより利用しやすくするために行われるという。

「教室で学生を引き込むことは、近年はまったく異なる意味を持つようになりました。世界中の学校が教育をゼロからハイブリッドな世界へと根底から見直す中で、私たちもその時々の状況にあわせてツールを調整し、同時に未来のために構築する方法について深く考えてきました」と、ホランド氏は伝えている。​「VRヘッドセットを使った没入体験はすべての学習者が利用できるとは限らず、ハイブリッド学習への移行がExpeditionsを効果的に利用する上での課題となっていると認識しています」。

このコンテンツはArts & Cultureのミュージアムツアーやその他のコンテンツと一緒に提供され、すべてのユーザーが無料で利用できる。​これは少なくとも、大規模な学校閉鎖の一因となった新型コロナウイルスの世界的流行に直面しながら、子どもたちの教育を維持しようと奮闘してきた教師と保護者にとって小さな勝利である。

注目すべきは、グーグルが不運なVRプラットフォームであるDaydreamのサポートを終了すると発表してから、およそ1カ月後にこのニュースが発表されたことだ。​4年前に立ち上げられたこのプロジェクトは低コストのVR体験をを提供するため取り組みだったが、その潜在能力を発揮することはできなかった。

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Google

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

NianticはARの未来のためによりスマートな世界地図を構築したいと訴える

Niantic(ナイアンティック)は、一般消費者向けのコンピューター技術がどこへ向かっているかを理解しているとの確信を持ち続けている。すなわちそれは、すなわち拡張現実(AR)だ。

「Pokémon Go」の技術面を支えるこのゲーム開発スタートアップは、同じ方向性に賭けるApple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Snap(スナップ)といった企業と良い仲間になっているが、なんとか彼らに抜きん出ようと、基礎的なARインフラストラクチャーをいち早く構築してサードパーティーの開発企業を呼び込みたいと願っている。企業規模でははるかに劣る彼らにとって、これは非常に大きな賭けだ。

Nianticの実験の資金は、いまも2016年にファーストパーティーとしてヒットしたPokémon Goによって支えられている。調査会社SonsorTower(センサータワー)の見積もりでは、2020年は最高益を記録するようだ。同社の報告によれば、Pokémon Goは2020年初めから10億ドル(約1050億円)の収益を生み出していることが示唆されている。2019年から著しく増加しており、世界的パンデミックが社会に与えた影響を思うと驚くべきことだ。この収益によってNianticは、Escher Reality(エッシャー・リアリティー)、Matrix Mill(メイトリックス・ミル)、そして最近では6D.ai(シックスディー・エーアイ)といった中小のARスタートアップを買収するなど、ARインフラ分野の企業買収に最も積極的な企業に数えられるようになっている。

特に最後の6D.aiは、Nianticがその拡張現実プラットフォームで次に何を目指しているかを示す信号の役割を果たしている。6D.aiは、古くからの顧客であるAirbnb(エアビーアンドビー)などの企業とクラウド型のARマッピングソフトウェアを開発していた。この技術は、スマートフォンを向けるだけで、その空間の3D情報をすばやく取得できるというものだ。買収により、Nianticは自社の開発者用プラットフォームにこの技術を統合し、それを応用して、空間内の地理的形状をすばやく把握するだけでなく、周囲の状況から類推して3Dメッシュに含まれるオブジェクトが何なのかを特定できるようにする独自の意味論的理解を進歩させようとしてきた。

 

「最終的に私たちは、AR体験におけるこのビジョンを持つに至りました。それを本物の魔法にするためには、すべてを組み合わせなければなりません」と、Nianticのエンジニアリング上級ディレクターJoel Hesch(ジョエル・ヘシュ)氏はTechCrunchに語った。「コンテンツが適正な位置に見えて、同じ場所にいる他の人たちとも同じ体験ができるようにするには、正確な位置情報が必要です。オクルージョンや物理的な相互作用などのためには、地形情報が必要です。また、自分のキャラクターがはっきりとわかりやすい方法で世界と関わり合いを持つには、そこにある物が何であるかを意味論的観点から知る必要があります」。

彼らはその技術を作り上げてきたわけだが、同時にユーザーにそれを試すよう推奨もしてきた。NianticはPokémon Goのプレイヤーに特定の名所や目的地にある動画を積極的にキャプチャーするよう促している。そこで得られた視覚データをフィードバックしてモデルを強化し、後に続くユーザーの体験を改善する。iPhone 12 ProのLiDARセンサーのような高度な技術をユーザーが使えるようになったことで、Nianticはさらに質の高いデータを取得できるようになるだろう。

このデータ収集の最終的なゴールは、常に最新の状態を保つ世界の3Dマップだと同社は話す。彼らの最新技術では、スキャンしたマップの中にどんな種類の物やシーンがあるかを覗き見て、建物や池や空を区別できる。だが本当の課題は、より高度な地理的洞察力のあるGoogle Maps APIと比較した場合の、これらのデータの利便性だ。それによって実用性が証明される。

 

同社は2018年からReal World Platform(リアルワールドプラットフォーム)を提唱しているが、アップルが2017年に初めてARKitを発表してこの分野に大きな注目を集めて以来、スマートフォンベースのARを支える彼らの情熱はしぼんでしまったのか、公式な拡大は鈍化している。「私たちは主にファーストパーティーのゲームとアプリケーションに重点を置いてきましたが、このプラットフォームを拡張して、より多くの人が使えるようにしようと張り切っています」とヘシュ氏は話している。

NianticとARの未来を強く信じるその他の企業にとって、最も手堅い賭けは、粛々と研究開発を進め、この技術から一般消費者向けのヒット商品が数多く生み出されるようになったときに、他社に数年分の差が付いているよう目指すことだろう。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:NianticポケモンGO拡張現実

画像クレジット:Nigel Sussman

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(翻訳:金井哲夫)

バーチャルYouTuberの人数が1万3000人突破、人気1位はファン数286万人のキズナアイ

バーチャルYouTuberの人数が1万3000人突破、人気1位はファン数286万人のキズナアイ

ユーザーローカル バーチャルYouTuberランキング」提供のユーザーローカルは11月9日、バーチャルYouTuberの人数が同日1万3000人を突破したと発表した。同社運営のバーチャルYouTuberランキングに申請があったVTuberと、主要VTuberのチャンネル数をもとにカウントしている。

YouTube上でCGキャラクターが動画配信を行うバーチャルYouTuber(VTuber)は、2017年12月から増え始め、2018年3月1000人、2018年9月5000人、2020年1月1万人というペースで増加してきたという。

  • 2018年3月19日:1000人
  • 2018年9月12日:5000人
  • 2020年1月15日:1万人
  • 2020年5月24日:1万1000人
  • 2020年8月17日:1万2000人
  • 2020年11月10日:1万3000人

バーチャルYouTuberの人数が1万3000人突破、人気1位はファン数286万人のキズナアイまた、11月9日時点におけるVTuberトップ10(VTuber 1万3000人中)と、その現在のファン数は以下の通り。

ファン数トップ10 (VTuber 1万3000人中)

  1. キズナアイ:286万人(ゲームchは153万人)
  2. ガウル・グラ:126万人
  3. 戌神ころね:104万人
  4. 白上フブキ:101万人
  5. 輝夜月:99万人
  6. 兎田ぺこら:88万人
  7. 湊あくあ:80万人
  8. 桐生ココ:78万人
  9. 宝鐘マリン:76万人
  10. 赤井はあと:73万人

2007年8月設立のユーザーローカルは、早稲田大学の研究をもとに生まれた、人工知能・ビッグデータ分析に特化した技術ベンチャー企業。「ビックデータ×人工知能で世界を進化させる」を経営理念として掲げている。

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ウェブ解析ツールを手がけるユーザーローカルがマザーズ上場へ
解析ツールのユーザーローカル、YJキャピタルとEast Venturesから約2億6000万円の資金調達

カテゴリー: VR / AR / MR
タグ: ユーザーローカルVTuber(用語)日本

生徒同士が「つながり」を感じられるVR英語教育のImmerseが約1.6億円を調達

生徒同士が「つながり」を感じられるVR英語教育のImmerseが約1.6億円を調達

教育機関を対象にリアルタイムのVR英語学習プラットフォームを提供するImmerse Inc.(イマース)は、第三者割当増資により150万ドル(約1.6億円)の資金調達を発表した。引受先は、Eagle Venture Fund II(Eagle Venture Fund)。

Immerseによると、VRは、教育者の学習ツールの選択肢として現在認知が進んでいないものの、「生徒同士がつながっているように感じ、触発され、これ以上ない面白い学習体験を与えられる唯一のもの」としている。Immerseチームは、このシンプルで効果的なプラットフォームが学習機関に行き届くようサポートするとしている。

今回の資金調達により、Immerseのアメリカ人講師による英語レッスンの提供に止まることなく、高校・大学・英会話スクールなど英語教育機関に所属する英語講師がimmerseをライセンス利用できる「VR英語教育・学習プラットフォーム」を提供。より多くの教育機関で導入・活用してもらうことで、コーポレートミッションの「バーチャル・リアリティで、英語の教え方と学び方を変える。」を実践していく。

また、2020年10月発売の「Oculus Quest 2」にも2020年内をめどに対応。よりリッチなVR英語学習体験を学習者に与えることで、VR空間内で留学のようなタスクベースの英語教育を一般化させることを目標に、事業のサービス開発・販売拡大を目指す。

生徒同士が「つながり」を感じられるVR英語教育のImmerseが約1.6億円を調達

Immerseは、VR技術で実際に英語を使うシーンを再現したVR英語教育・学習ツールの「immerse」を開発している米カリフォルニア州アーバインシティのスタートアップ企業。これまで日本の高校・大学機関をはじめ世界中の教育機関・法人に、アメリカ人ネイティブ講師によるシームレスなVR英語学習体験を提供してきた。

VR技術により数十種類の現実に近い英語利用シーン(空港、オフィス、会議室、レストランなど)の中で現実に近い英会話を学習することで、英語学習への集中力と教育効果を高めるという。

またネイティブのアメリカ人講師とVR世界で実際に話すことで、より相互的でリアルな学習体験でき、留学に近い英語力上達の効果が期待できるとしている。

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タグ: EdTechImmerse資金調達

AmazonがQRコード搭載の商品配達箱で使えるARアプリをリリース

Amazon(アマゾン)は、「インターラクティブでシェア可能な」AR(拡張現実)エクスペリエンスを提供しようと、商品配達の箱に記載されたQRコードと連携する新たなARアプリを静かに立ち上げた。アプリはシンプルに「Amazon Augmented Reality」という名称で、同社は「Amazonの箱をリサイクルゴミ箱に入れる前に再利用する面白い方法」と説明している。

App Storeのスクリーンショットにあるように、それぞれの箱がAR体験ができるユニークなアクティビティを提供する。たとえば、とあるスクリーンショットには、白く印刷されたカボチャに顔を描き、それをジャック・オー・ランタンに変化させる様子が示されている。そしてQRコードをスキャンすると、カボチャがARのオブジェクトとして飛び出す。別のスクリーンショットでは、犬の画像にARのカボチャとコウモリのウィングを重ねている。もう1つのスクリーンショットでは、QRコードがスキャンされAmazonの箱が小さな青いARの車になっている。

アプリを紹介するビデオでは、Amazonのスマイルロゴ、QRコードがスキャンされるとふざけた感じで飛び出してくるARのコーギー犬などアニメーション化されたキャラクターも登場している。

TrueDepth対応iPhoneであれば「セルフィー」モードのような機能を使えるよう顔の動きを追跡するために端末のカメラをアプリは使う、とAmazonは説明している。

数日前にiOS App StoreGoogle Playにデビューしたこのアプリは、新たなQRコードを搭載しているAmazonの箱でのみ使える(しかし使える箱がない場合、こちらで体験をテストできる)。

ただ、立ち上げにあたってアプリはカボチャのARエクスペリエンスだけにフォーカスしている。パンプキンに顔を描いてスキャンしARにすると、他のボタンを押して帽子を被せたり、色を変えたりといったふうにカボチャをさらにデコれる。またユーザーのセルフィー画像にカボチャを持ってきてユーザーの顔をカボチャにするようにカメラを切り替えることもできる。そしてアプリのカメラボタンを押してその様子を撮り、オリジナル写真をソーシャルメディアでシェアできる。

QRコードを搭載した箱は配達に使用され始めたばかりで、まだAmazon利用者の手元には届いていないと推測する。この箱はまた、同社が展開している「Less Packaging、More Smiles」キャンペーンの一環として材料をあまり使わずに作られている。

AmazonはこれまでもARに取り組んでいて、直近のものでは新しいARショッピング機能がある。この機能では、Amazonショッピングアプリのユーザーが購入を考えている複数の家具や装飾品を自分の部屋にARで同時に配置することができる。また同社は数年前、ARKitを使って構築されたAR Viewという機能を搭載したARショッピングのシンプル版をiOSアプリで立ち上げた。実際のアイテムの代わりにプロダクトのベーシックなスティッカーを部屋に置くのにARを使う「ショッピングできるスティッカー」も試行した。

ただ、最新のAR View機能立ち上げで同社はAppleのARKit最新バージョンをサポートする準備を済ませていて、同社はその他の使い方を模索したかったのかもしれない。箱をスキャンするARアプリは、さらなるARプロダクトを消費者が欲するかを試すものとなりそうだ。しかしAmazonはこのアプリを広範にわたる研究データを収集するためには使わないようだ。App Storeにある説明は、Amazonの新しいAR Playerにあるテクノロジーを使って処理される全ての情報はデバイスに保存され、「Amazonによって保存、処理、あるいは共有される」ことはないとしている。

このアプリはiOSAndroid用が用意され、無料でダウンロードできる。

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画像クレジット:Amazon

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(翻訳:Mizoguchi

VR/AR/MR企画・開発のSynamonが2.5億円を調達、人材採用・先端技術活用の価値創出を推進

VR/AR/MR企画・開発のSynamonが2.5億円を調達、人材採用・先端技術活用の価値創出を推進

VR/AR/MR領域に対するプロダクトの企画・開発を手がけるSynamon(シナモン)は10月9日、第三者割当増資として約2.5億円の資金調達を発表した。引受先は、三井住友海上キャピタル、KDDI設立の「KDDI Open Innovation Fund 3号」、ロゼッタ、三井不動産設立のCVCファンド「31VENTURES Global Innovation Fund 1号」。また同ラウンドの資金調達は継続し、年内での最終クローズを予定している。

またSynamonは、グローバル・ユビキタスなオフィス、海外旅行、ビジネスイベントのためのVRシステム開発を目指し、ロゼッタと資本業務提携を実施したと明らかにした。

今回調達した資金は、多様なニーズに対応するための技術開発・要件定義や提案内容のレベル向上・組織体制の強化を目的とした採用推進と、関連技術の多様化・高度化に対応するための研究開発および先端技術を活用しての価値創出の推進という観点に対して充当し、事業推進を加速させる。

Synamonは2016年8月の創業から現在までVRをはじめXR技術の社会実装、当たり前に使われている社会を目指し事業展開を推進。2020年8月から5期目となり、昨今のニューノーマルやDX化を推進する社会情勢も背景に、最新テクノロジーの活用を目指した問い合わせを様々な業種、業態の企業から受けているという。

Synamonは、これら様々な用途や要望に応えるべく、単なるプロダクト提供にとどまらず、今までにない新たな価値創出・提供に向け二人三脚で取り組みを進めていけるパートナーとして、顧客とプロジェクトを推進しているとした。

カテゴリー: VR / AR / MR
タグ: Synamon資金調達日本

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Oculus Quest 2には狭い日本家屋の間取りを大幅変更するだけの価値がある

Facebookは米国時間9月16日、VR空間を自由に移動できる6DoF対応スタンドアローン VRデバイス「Oculus Quest 2」を発表、同日より先行予約を開始した。発売日は10月13日で、価格は64GBモデルが3万7100円、256GBモデルが4万9200円となっている。

ちなみに前モデルのOculus Questは64GBモデルが4万9800円、128GBモデルが6万2800円だったので、基本スペックが進化したうえに、大幅値下げが実施されたことになる。FacebookによればOculus Questは想定以上に売れ行きが好調だったとのことだが、一般層に普及させるためにもう一段階ギアを上げてきたように思う。

今回発売に先駆けてOculus Quest 2の実機を借用したので、スペック上の変更点と実際のVR体験についてチェックしていく。

Oculus Quest 2の価格は64GBモデルが3万7100円、256GBモデルが49万200円

スペックを着実に進化させつつ巧妙にコストカット

最初にOculus Quest 2の変更点を列挙しておこう。

スペックアップしたところ

  • プロセッサーを高速化:Snapdragon 835→Snapdragon XR2
  • メモリを大容量化:4GB→6GB
  • ストレージを大容量化:最大128GB→最大256GB
  • ディスプレイを高解像度化:片目あたり1440×1600ドット→1832×1920ドット
  • ディスプレイを高速化:72Hz→72Hz/90Hz(90Hzはアップデートで対応)
  • 小型・軽量化:571g→503g
  • コントローラーをより握りやすく形状変更
  • 低価格化

スペックダウンしたところ

  • ディスプレイパネルの方式を変更:OLED→LCD
  • IPD(瞳孔間距離)調整機構::無段階から3段階に簡略化
  • イヤフォン端子の数を減少:左右にひとつずつ→左にひとつ
  • よりフィット感の強いストラップは別売りに

補足しておくと、Snapdragon XR2は処理性能的にはSnapdragon 865相当のプロセッサーだ。Oculus Questと比較するとOculus Quest 2はCPU、GPU性能が約2倍に向上していることになる。

ディスプレイはピクセル数が50%増加。リフレッシュレートも将来的なアップデートとソフトウェアのサポートにより72Hzに加えて90Hzに対応する予定だ。

変更点を総括すると、基本スペックを着実に進化させたうえで、ユーザー体験に大きな影響のない部分については大胆にコストカットしたという印象だ。もちろんすべてが進化したニューモデルを作ることもできただろう。しかり、多くの人にとって重要な「低価格」を実現するために、絶妙に設計されたデバイスだと筆者は考える。

左がOculus Quest、右がOculus Quest 2。並べてみると、ヘッドセットの本体部分がひと回り小さくなっているのがわかる

底面にボリュームボタンとマイクを配置

左側面には3.5mmイヤフォン端子とUSB-C端子を用意。Oculus Questは左右にイヤフォン端子が装備され、ケーブルが短い左用、右用のイヤフォンを装着できたが、Oculus Quest 2は右側のイヤフォン端子が廃止された

右側面には電源ボタンと電源インジケーターが配されている

ボタン、レバー、スティックの数と大まかな位置は同じだが、人間工学に基づきより握りやすい形状になっている

処理性能の向上は体感しにくい、格子模様はほぼ見えない

処理性能の向上は正直あまり体感できない。Oculus QuestとOculus Quest 2は相互互換で、現時点でOculus Quest 2専用のVRコンテンツは存在しない。Oculus Questは2019年5月に発売されたばかりで、数多くの台数が出荷されている。しばらくは、ソフトウェアデベロッパーはOculus Questでスムーズに動作することを前提にVRコンテンツを作成するはずだ。Oculus Quest 2の性能を最大限に引き出すVRコンテンツがリリースされるのは当分先の話だろう。

Oculus Quest 2のホーム画面。構成や機能はOculus Questと基本的に同じだ

「バーチャル環境」と呼ばれるテーマはOculus Questが、Quest Dome、Passthrough、Classic Home、Cyber City、Space Station、Winter Lodgeの6つ。対してOculus Quest 2は、Bubbles、Desert Terrace、夢幻館が追加されている

ただし、両者のソフトウェアのバージョン、ランタイムバージョン、OSバージョンが異なるので、Oculus Questに新しいソフトウェアが提供されたときに、未収録のバーチャル環境が追加される可能性がある

ゾンビを倒すガンシューティング「ARIZONA SUNSHINE」。画像で見るとポリゴン数を軽減し、テクスチャーも粗いことがわかる

しかし、Oculus Quest 2をかぶれば、片目あたり1440×1600ドットから1832×1920ドットへとピクセル数が50%増えたことの恩恵はすぐにわかる。「格子模様」がほとんど見えなくなっているのだ。

まだ現実と錯覚するほどの解像度には達していないが、VR空間内での没入感を大きく阻害する格子模様をほぼ除去できたのは大きな成果だ。

VRアドベンチャーゲーム「東京クロノス」。このような3D CGキャラクターは、格子模様が消えることでグラフィック品質が大きく上がる

 

DMM.comのVR動画の臨場感も大きく向上する

Oculus Quest 2のスペックダウンしたところとして「よりフィット感の強いストラップは別売りに」を挙げたが、布製ストラップの装着感については満足している。上のストラップを適切なテンションに調節すれば、ヘッドセット前方が重すぎるということはない。せっかく安くなったOculus Quest 2なのだから、標準の布製ストラップのかぶり心地を自分で試してから、「Quest 2 Eliteストラップ」(6800円)の購入を検討すればいいだろう。

適切なテンションに調整すれば、Oculus Quest 2の装着感は決して悪くない。ただ、跳んだり、しゃがんだりを繰り返すようなVRコンテンツをプレイする際には、サポート力が高い「Quest 2 Eliteストラップ」のほうが安心だろう

日本家屋の間取りを大幅に変更するだけの価値はある

VRデバイスを持っていないのなら、Oculus Quest 2はいますぐ買うべきガジェットだ。ケーブルから解放されたスタンドアローンVRの最新にして、最安のOculus Quest 2にはそれだけの魅力がある。もちろん中古市場に放出されるであろう前モデルを格安で手に入れるのもひとつの選択肢だ。

Oculus QuestからOculus Quest 2に買い替えるかどうかについては悩ましい。現時点ですぐに受けられる恩恵は格子模様の除去ぐらいなので、わざわざ買い替える必要はないかもしれない。しかし、PC用VRデバイスとしても使うのなら話は別。PC用VRデバイス「Oculus Rift S」の片目あたりの解像度は1280×1440ドット。Oculus Quest 2のほうがより高画質でPC用VRコンテンツを楽しめる。

日本家屋でVR用スペースを確保するのは難しい。しかし、Oculus Quest発売以来多くのVRコンテンツが登場し、Oculus Quest 2のローンチタイトルとして14本が発表された。部屋の間取りを大幅に変更するだけの価値はあるはずだ。

カテゴリー:VR/MR/XR
タグ:OculusOculus Quest

グーグルがDaydreamのサポートを打ち切りへ、VR白昼夢から完全覚醒か

Google(グーグル)のモバイルに特化したバーチャルリアリティプラットフォーム「Daydream」が、同社の公式サポートを失っているとAndroid Policeが報じている。同社はもはやDaydreamソフトウェアのアップデートを行わないことを確認しており、TechCrunchはこれを受けて「DaydreamはAndroid 11でも動作しない可能性がある」と指摘した。

この動きは、VR分野における同社の動きを追跡してきた人にとっては驚くべきことではない。2016年と2017年に積極的な製品ロールアウトを行った後、同社はすぐにVRへの取り組みを放棄したが、DaydreamはサムスンのGear VRのように、ユーザーがヘッドセットのホルスターに互換性のある電話をセットしてスマートのディスプレイと動画処理能力を活用してVR体験を提供することを可能にしていた。

Apple(アップル)がARKitを発表(未訳記事)した後、グーグルはVRから大きく方向転換し、同社の特殊なARプラットホームTangoをARCoreに変えた(未訳記事)。ただし、このAR開発プラットフォームもここ数カ月あまり注目されていない。

グーグルがDaydreamの公式サポートから手を引いたのは、自社のViewヘッドセットの製品アップデートが何年もなく、コンテンツエコシステムへの投資がほとんどなかったためで、Lenovoのサードパーティの取り組みである独立型ゴーグルのMirage Solo(未訳記事)チャンスを台なしにしてしまったからだ。

Daydreamが簡単には勝てないことが明らかになると、レノボもこの取り組みを放棄してしまった。グーグルのハードウェアビジネスは、検索や広告のビジネスに比べれば売上規模も低いため、何の意味があるのかは明らかではなかった。しかし、VRはニッチなテクノロジーとしてごく一部の人に熱狂的な支持を集めることになった。

グーグルはVRに努力する価値がないと判断したが、Facebook(フェイスブック)は倍返しを続けた。2020年にはOculusから非常に優れたハードウェアが登場しているとはいえ、グーグルを責めるのは難しいだろう。VRの未来がどのようなものになるのかは、まだ明らかではないからだ。

しかし、Daydreamがその一部ではないことも明らからだ。

VR/AR/MR
Google、Daydream、Tango、ARCore

画像クレジット:Google

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(翻訳:TechCrunch Japan)

XR Techスタートアップのバルスが10月2日〜4日開催の「TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020」の6ステージをVR配信へ

リアルとバーチャルの融合で新たな体験の創造を目指すXR Techスタートアップのバルスは、自社開発の配信視聴アプリ「SPWN」(スポーン)を活用して10月2日~4日に開催される「TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020」の6ステージを「SPWN」アプリで配信することを発表した。スマートフォンの中にフェスやイベントのようなバーチャルライブ空間が出現する配信視聴アプリで、iOS版Android版が用意されている。具体的には、HOT STAGE、SMILE GARDEN、SKY STAGE、LOFT STAGE、CG labo、バーチャルTIFの6ステージとなる。チケット代金は1日券が6900円、3日間通し券が1万7900円。先行販売限定だった2万5000円のTシャツ&特典付き3日間通し券は売り切れとなっている。

また同社では、「SPWN portal」と呼ばれるサイトでブラウザ経由での配信も手掛けている。2020年4月20日のサービスを立ち上げ以来、累計で420件のイベントを実施。チケットやグッズの購入件数を含む総取引数は14.2万件となり、7.5万人の会員にオンラインイベントに参加したという実績がある。今回は、SPWNアプリ、SPWN portal経由で、TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020を楽しむことができる。

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ: バルスXRTech

ファンケルが銀座本店のリニューアルオープンに伴い「ARメイクアップシミュレーター」採用

ファンケルが銀座本店のリニューアルオープンに伴い「ARメイクアップシミュレーター」採用

理経は9月29日、同社提供のモーションポートレート製「ARメイクアップシミュレーター」について、ファンケルが採用および実店舗にてサービスを開始したと発表した。

ファンケルは、銀座本店のリニューアルオープンに伴い、店頭での集客促進のため、よりリアルなメイク体験ができるモーションポートレートの「ARメイクシミュレーション」を採用。ファンケルの自然派の色を再現できるソリューションであることと、費用対効果がサービス選定の決め手となったという。

ARメイクソリューションは、タブレットを用いてメイクアップを試せるシミュレーター。質感・色再現性の高いAR技術、ずれや歪みのない精度の高いシミュレーションに加えて、商品情報との密な連携が可能。

また同ソリューションでは、独自の顔認識技術により顔の各パーツを正確に認識し、鏡の前でメイクアップを行なっているようなリアリティの高いシミュレーションを実現可能。シミュレーター上で簡単に何度でも試せるため、限られた時間内でバリエーション豊富な提案を行える。

このほか、幅広い客層を集客できるよう英語・中国語(簡体字、繫体字)にも対応。顧客のニーズに応じて、パーソナルカラー診断からその人にあったメイクを提案するといった追加機能も採用している。

理経は、コロナウイルスによる店舗での接客の影響を考慮し、スマホアプリなどでのメイクアップシミュレーションの展開や、人体計測3dMDシステムデータをモーションポートレートの技術に融合したソリューションの提供も視野に入れ、化粧品業界に提案していくという。

モーションポートレートは、1枚の写真から3D顔モデルを自動生成するモーションポートレート技術を応用し、メイクアップ・メガネ・カラコン・ヘアスタイルマッチなど様々な試着シミュレーションをソリューションとして提供。また、広告・キャンペーンでの利用、ゲーム向けのミドルウェア提供など、エンターテイメント分野を中心に、幅広く技術提供を行っている。

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Oculus Questの非公式アプリストアがOculusの創設者Palmer Luckey氏の支援を受ける

Facebookは昨年、当時発売間際だった「Quest」ヘッドセットのリリースに向けて、Oculusストアで販売されていたコンテンツをより厳選していくと発表し一部のVRデベロッパーの怒りを買った。PCストアフロントでのセルフサービスに慣れていた開発者らは、思わぬ形で彼らのVRアプリが十分ではないと言われる立場に追い込まれた。

SideQuestの共同創設者であるShane Harris(シェーン・ハリス)氏もそうした開発者の1人だ。自身のアプリが却下された後、回避策を練るべく奮闘した。同氏と妻のOrla(オルラ)氏は、面倒な手続きを省き、Facebookのストアでタイトルが入手できなくてもQuestデバイスにアプリを簡単にサイドロードできるソフトウェアプラットフォームの構築を開始した。SideQuestにアクセスするためにデバイスをジェイルブレイクする必要はなく、ヘッドセットを「開発モード」に変えるだけでよい。プラットフォームはすぐに軌道に乗り、開発者は自分の作品をテストすることができ、ユーザーはFacebookの洗練されたアプリストアよりも実験的で、完成度の低い作品を試すことができた。

プラットフォームのヒット作には、既存のPC VRタイトルの作業進行中Questポートの他、人気のVirtual Desktopアプリのような、Oculus Storeで売られているタイトルへのアドオンや全く新しい作品が含まれる。共同創設者であるオルラ氏によると、過去6ヶ月で800の新しいアプリがストアでリリースされたとのことだ。

アプリの利用率が大きなマイルストーンを達成し、毎月何十万人もの訪問者をサイトに集めるようになると、夫婦共同創設チームはチームを拡大するための資金を探し始めた。ベルファストを拠点とする両氏は、遠隔地ではあるが、最終的に最新クラス向けのBoostVCアクセラレーターに参加することを選び、その標準的な条件で50万ドル(約5270万円)を調達した。両氏はThe FundやOculusの創設者であるPalmer Luckey(パルマー・ラッキー)氏からも小切手を受け取った。チームは総額65万ドル(約6850万円)を調達し、その資金をエンジニア、コミュニティマネージャー、デザイナーの育成に使用している。

創設者のシェーン/オルラ・ハリス氏写真:SideQuestにて

Facebookを去ってから一握りのVRスタートアップをエンジェル投資家として支援してきたラッキー氏によると、SideQuestのソフトウェアはFacebookによる買収前に彼のチームが開発していた初期の開発者向け製品と同じ道をたどり、よりオープンなOculusプラットフォームを推進しているという。「HMDメーカーがVRのエコシステムを抑圧したり、VRヘッドセットで何を実行するかを一方的にコントロールしたりすべきではありません。またSidequestを見ているとOculus Shareの精神が見えてきます」と同氏は声明で述べている。

SideQuestは、FacebookとOculusとの関係性を維持するために最善を尽くしている。

しかしこれは同社のデベロッパー規約に従うことを意味しており、収益化の道を明らかに複雑にしている。ほとんどのアプリストアは、有料アプリの売上の一定割合を課金することで収益を得ているが、これはFacebookからの反発を受けるだろうと両氏は指摘する。SideQuestチームは収益への道として、主にストア内の有料プロモーションに頼ることになる。この道を歩むことで、将来的にどのようなサービスを提供するかについて創造的になる必要性に直面しているが、同時にアプリのダウンロード収益の全額を稼ぐ開発者にとって、ストアフロントがより魅力的になったとも両氏は捉えている。

広告収入の増加により、同社は今年初めにアダルト関連アプリをストアから削除するなど、ユーザーとの間で論争の的となっている決定を下す必要に迫られた。チームは、ストアに投稿されたすべてのコンテンツをテストし、NSFWと見なされたり、著作権を侵害したりするアプリを全て拒否している。SideQuestチームはユーザー向けストアにどのアプリを表示するかを管理しているが、アプリはストアからダウンロードされていないデバイスにAPKファイルをサイドロードする手段としても利用できる。

夫婦デュオはFacebookチームとの友好的な関係を維持するため努めていると述べているが、SideQuestによるQuestの仕事をFacebookがブロックすれば、それはほぼゲームオーバーを意味すると指摘し、この良好な関係にも非常に多くのリスクがあると認めている。

Appleのような巨大なアプリストアが規制当局の注目を集める中、ホビイストのマーケットプレイスが背景で運営されることは、FacebookがVRへの取り組みを強化する上で、予期せぬ長期的な利益をもたらす可能性がある。同スタートアップの創設者らは、自分たちの製品は関係者全員にとってポジティブな影響をもたらすものだと考えており、SideQuestは新進のVR開発者に対して、デモを改善させたり、ユーザーからのフィードバックを得たりと、プレリリース段階でこれまでになかった方法で支援提供をしているとのことだ。会談の中でシェーン氏は、SideQuestストアで人気のパズルアプリ、Cubismが最近公式Oculusストアに 「卒業」 したことを誇らしげに言及し、同時にこのアプリの開発者がSideQuestのためだけに、同ゲームの実験モードを特別にリリースしたことも明かしてくれた。

関連記事:Facebookの新VRヘッドセットOculus Quest 2は秀逸、布製ベルトとFbアカウント必須が懸念事項か

カテゴリー:VR / AR / MR

タグ:Oculus Oculus Quest

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(翻訳:Dragonfly)

外科手術や医療機器の訓練にVRを利用するOsso VRが約15億円調達

医療業界にも遠距離学習がやってきたようだ。

新型コロナの時代になりリモートワークが日常化してからは、どのような業界でもトレーニングや教育サービスを提供できるツールが投資家の関心を集めている。

Osso VRが提供しているような仮想現実のツールは、投資家からの資金調達が急速に進んでおり、カリフォルニア州パロアルトを拠点とするバーチャルリアリティ配信プラットフォームがこのほど1400万ドル(約14億6000万円)の資金調達を行い、その列に加わった。

この資金は、ヘルスケア大手Kaiser Permanenteの投資部門が率いる一群の投資家たちからのものだ。Kaiser Permanenteは、介護施設や介護サービスのネットワークを全国に展開している。今回のOsso VRへの投資にはSignalFireやGSR、Scrum Ventures、Leslie Ventures、OCA Venturesなど新旧さまざまな多様な投資家たち参加している。

Ossoは医療機器メーカーや医療ネットワークが、技術者の立ち会いを必要としないトレーニングツールを採用するようになったことにより、パンデミックの間にその利用が急増しています。

同社の創業者であるJustin Barad(ジャスティン・バラッド)博士によると、医療機器教育サービスの市場だけでも現在の市場規模は30億から50億ドル(約3100億〜5200億円)で、急速に成長しているという。

Industrial Light and MagicやElectronic Arts、Microsoft、Appleなどのチームを要するOsso VRは、トレーニング用の一般的な教育コンテンツを制作し、Johnson & Johnsonのような企業向けに特定のバーチャルリアリティ教育ビデオを制作している。これらの制作物は、血管外科手術の説明ビデオからロボット手術のトレーニングのヒントや技術まで、多岐にわたっている。

Kaiser Permanente VenturesのAmy Belt Raimundo(エイミー・ベルト・ライムンド)氏は、戦略的投資家たちの投資の決定は必ずしもKaiser Permanenteの利用に結びついたものではなく、必ずしも従業員が何を求めているかに基づいているわけではないと述べている。

「投資は弊社自身のデプロイメントや顧客との契約に結びついているものではなく、Kaiser Permanenteの中にも同じ兆候があることを見ている。つまり同社にも、Ossoの技術を使うことに関心のある社員たちがいる。「そこで我々は、Osso VRの利用を検討していると発表した。そしてそれを契機に、投資と商用化の決定が互いにシグナルを発していたのは、そこに満たされていないニーズがあることを示していたからだ」とベルト・ライムンド氏は語る。

Osso VRは現在、約30社の顧客抱えておりだが、そのうち12社は医療機器分野の企業だ。同社はOculus Questヘッドセットを使用しており、20カ国にある20の教育病院に配備されている。最近の実証研究によると、Osso VRを使って訓練を行った外科医は、手術全体のパフォーマンスが230%も向上したと、同社は声明で述べている。

バラッド博士によると、同社の目標は、ActivisionやBlizzardなどのゲーム開発企業で多くのゲームを開発してきた人たちとプログラマーとしての生涯契約を結び、ヘルスケアを誰にでもできる技術にすることだ。「これにより患者の結果が良くなり、教育へのアクセスとその向上を万人のものにする。今やテクノロジーは成熟期に達しており、VRはプラットフォームへと成長した。これからは、もっと大きなヘルスケアの問題に取り組めるだろう」と博士はいう。

カテゴリー:VR / AR / MR

タグ:Osso VR

画像クレジット:wacomka / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

VRベースの製品デザイン&コラボプラットフォーム開発する英国拠点のGravity Sketchが3.8億円を調達

英国・ロンドンを拠点にVR(バーチャルリアリティ)を活用したプロダクトデザインとコラボレーションのプラットフォームを展開するGravity Sketch(グラビティ・スケッチ)が、370万ドル(約3億8600万円)の資金調達を明らかにした。

このシードラウンドはKindred Capitalがリードし、Point Nine Capitalと既存投資家であるForward Partnersが参加した。これにより同社が調達した総額は540万ドル(約5億6300万円)となった。なお同社は以前、InnovationRCA(英王立美術院の起業家支援プログラム)とJames Dyson Foundation(ジェームズダイソン財団)から助成金を受けていたこともある。

Oluwaseyi Sosanya(オルワセイ・ソサンヤ)氏、Daniela Paredes(ダニエラ・パレデス)氏、Daniel Thomas(ダニエル・トーマス)氏が2014年に設立したGravity Sketchは、物理的な製品の設計、開発、市場投入の方法を変えたいと考えいる。具体的には、分野を超えたチームに3Dデザインソフトウェアを提供し、3Dでのリアルタイムコラボレーションが可能なVRを含め、よりスムーズな方法で「作成、コラボレーション、レビュー」ができるようにする。このアイデアは、特にグローバルに分散しているチームや遠隔地にいるチームの開発サイクルを加速させるのに役立つという。

同社CEO兼共同創業者であるソサンヤ氏は「時間枠が短縮され、消費者はより早く、より多くの機能を備え、より持続可能な生産を求めるようになっているため、コラボレーションの重要性はますます高まっています」と説明する。続けて「また、グローバルに分散した設計・エンジニアリングチームを持つ多国籍企業が急増しており、かつて同じ場所にいたときと同じ精度で製品を提供するは常にネットワークに接続している必要があります。大企業にサービスを提供する中小規模の設計事務所も、ビジネスを獲得するためにはこのアプローチを採用しなければなりません。Gravity Sketchのサービスを利用すれば、国内の顧客ほど頻繁に顔を合わせることができない国際的な顧客から仕事を得られるだけでなく、高い品質でアイデアなどを引き渡せます」と語る。

現在では、製品サイクルの高速化やリモートワークによるプレッシャーに加え、製品設計プロセス自体が常に最適であるとは限らない。また、異なる専門分野やソフトウェアツールを持つ複数のチームが関与し、2Dから3Dへの移行が進められている。「物理的な製品を設計する場合は、3Dでオブジェクトを想像します」とソサンヤ氏。「しかし長年にわたり、私たちはそのアイデアを2D、またはラフな物理モデルを通して再現しなければなりませんでした。すべての物理的な製品は2Dのスケッチから始まり、それをデジタル3Dモデルに丹念に書き起こし、標準的な製造プロセスを経て製造されるのです」と説明する。

Gravity Sketchはこの作業を軽減するために、最初のスケッチの段階からデザイナーをデジタル3D空間に連れて行き、初期のアイデアとそれがどのように発展していくかをコントロールできるようにする。また、デザインチーム全員が同じVR空間に参加することで、時間とリソースを消費する前にデザイナーの視点からデザインを完全に理解することができるという。

「デザイナーはアイデアの段階で、すべての関係者をより正確にその内容を共有できます」と同氏は説明する。「VRを使えば、誰もが3Dで考えているという現実を利用して、すべての設計プロセスに存在する2D化作業を省略できるので、ユーザーは3Dで考え、3Dで作成することができます。これは3DのZoom会議のようなもので、誰もが自分の視点からまだ実現されていない製品を理解するのに役立ちます」と主張する。

さらに、Gravity Sketchで作成されたコンテンツは、デザインの制作工程全体をさらに発展させることができるという。具体的には、同社のデザインは市販のほぼすべてのCADツールに100%の精度で取り込めるそうだ。

現在、Ford(フォード)、日産、Reebok(リーボック)などの世界的な企業がGravity Sketchを使用しており、世界中の60大学や5万人以上のクリエイティブな専門家が使用している。

Gravity Sketchは今回の新たな資金提供によりプラットフォームをスケールアップし、「ハードウェアに完全に依存しない」ものを開発することを明らかにしている。現在、さまざまなVRのハードウェアで動作し、iPad、モバイル、デスクトップ用にベータ版が用意されている。

画像クレジット:Gravity Sketch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Facebookの新VRヘッドセットOculus Quest 2は秀逸、布製ベルトとFbアカウント必須が懸念事項か

Facebook(フェイスブック)のバーチャルリアリティ(VR)の夢は、同社にとって頭痛の種となっていた。CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の後押しで、同社はOculusに数十億ドルを費やし、ビジネスに巨大な複雑さを加えてきた。

一方で、設立チームに関する無数の問題、大規模な知的財産訴訟、サプライチェーンの問題、そして満足できないユーザーベースに直面していた。しかし、そういった苦労に涙を流しながらも、ある産業を強制的に成立させようとしたときに何が実現できるのかを、Facebookはテック業界に奇妙なほど痛烈な視線を投げかけている。

Facebookは、VRが我々が必要としている技術であることを誰かに確信させただろうか?そうではない。しかし、FacebookがOculus VRを買収してから6年が経過したいま、同社は意味のある完成度を感じるデバイスをリリースした。要するに新しいQuest 2ヘッドセットは、夢に十分な投資と技術者の才能を投入することで、やりがいのあるエコシステムを構築できることを示す素晴らしいハードウェアになった。発売以来、FacebookがQuestのソフトウェアを改善してきたとはいえ、ゲーム以外のプラットフォームがもっと多様になってほしいところだ。

Quest 2の特徴

  • 価格:3万7180円(64GB)、4万9280円(256GB)
  • デザイン:ツートンカラーの新デザイン
  • プラットフォーム:より強力なSnapdragon XR2プラットフォーム
  • メモリー:6GB(初代Questは4GB)
  • ヘッドセット重量:503g、前世代より10%軽量化
  • 本体サイズ:幅142.5×奥行き191.5×高さ102mm(ストラップ折り込み式)
  • ファストスイッチ液晶:72hz/1832×1920ピクセル(片目)
  • 音声入出力:スピーカーとマイクを内蔵
  • バッテリー駆動時間:2〜3時間
  • IPD(瞳孔間距離):58mm、63mm、68mmの3つの設定で調整可能
  • コントローラー:再設計された新コントローラ

前モデルが発売されてから約18カ月後が経過し、ほとんどのユーザーは今回のアップデートはマイナーなスペックアップだと考えていたかもしれないが、Quest 2は真のメジャーアップグレードであり、あらゆる面で進歩を遂げている。より軽く、より小さく、より強力で、 使いやすく、より安くなっているし。64GBモデルは3万7180円で購入できる。会社がPC専用ヘッドセットのOculus Riftのラインを終了させ、32GBモデルが1万9300円(当初は2万3800円)のOculus Goヘッドセットを終了させた数カ月後には、ある意味でQuest 2はメインストリームの成功に向けての最終製品のように感じられる。

私はオリジナルのQuestを徹底的に楽しんだが、その限界が目の前に迫っていた。ヘッドセットに搭載されているQualcomm(クアルコム)のSnapdragon 835の老朽化が原因でゲームが制限され、デバイスの有機ELディスプレイはピクセル化しすぎているように感じた。

FacebookはありがたいことにCPU、GPUとディスプレイの両方に実質的なアップデートを提供しており、Quest 2について私はあまり不満がない。Quest 2は、最近発売されたQualcomm XR2プラットフォームを採用しており、Snapdragon 835よりも安定した性能を実現している。Oculusの性能がどれだけ優れているかについてはちょっと不安だったので、QualcommのXR責任者であるHugo Swart(ヒューゴ・スワート)氏に電話をして詳細を説明してもらった。

スワート氏は、Quest 2上のXR 2チップセットの個々の実装については言及しなかったが、第1世代のQuestと比較して、同チップセットを支えるチップセットの大まかな比較を示してくれた。ハイレベルなのはやはり、XR 2はSnapdragon 835よりはるかに強力であり、CPUとGPUのパフォーマンスに関しては2倍の向上を果たしている。開発者にとって、これはタイトルの視覚的な複雑さを2倍できることを意味し、PC体験をより簡単にスタンドアロンのヘッドセットに移植することを可能にするだろう。

興奮しすぎる前に言っておくと、Quest 2のタイトルがこの性能をフルに活用する可能性は低いと思われる。2倍のパワーを持つチップセットを持つということは、実際には2つのことを意味するからだ。それは、2倍の複雑な処理が可能であることと、約半分の電力を使用しながら前世代と同じくらいの複雑な処理が可能ということになる。特にXR2がより高解像度のディスプレイを搭載していることを考えると、Facebookは開発者には前者のフル活用よりも、電力消費を抑える後者に焦点を当てるように働きかけるだろう。

その理由の1つは、完全な後継機を18カ月後に発売したこと、そして最新版をプレイしたいアーリーアダプターを怒らせないようにしたことだが、同時にOculusが複雑なソフトウェアよりもフォームファクターを最適化した結果でもある。Oculusはこのデバイスの重さを数グラム減らしたが、その一部はバッテリーのサイズを小さくしたことによるものだ。Oculusによると、Quest 2のバッテリーは設計し直され、18%小型化、29%軽量化されているとのこと。

新しいディスプレイは有機ELから、同社がOculus Rift Sで使用していたファストスイッチLCDタイプに変更された。仕様上のリフレッシュレートは72Hzだが、Oculusによると90 Hzに達する予定だという。ユーザーが最も顕著に違いを感じるのは、変更されたピクセルレイアウトではなく、前モデルよりも多くのピクセルを備える強化された画面な鮮明だろう。実際には50%以上のより多くのピクセルを表示できる。実際の使用でも、新しいディスプレイは顕著に鮮明になり、テキストの小さな段落を読むような苦痛なVR体験がずっと少なくなった。

ディスプレイのもう1つの興味深い変更点は、IPD(瞳孔間距離)がどのようにシフトされているかということだ。Quest 2の初期のリークでは「ユーザーごとに異なる顔の形を考えると、レンズ間の距離をうまく調整できないのではないか」というのが大きな懸念事項だった。Questは複数のIPD調整を可能にしていたが精度は低く、Quest 2では別の方法で調整を実現している。ボタンやダイヤルの代わりに、ユーザーはレンズを物理的に引き離して、58mm、63mm、68mmの3つの設定のうちの1つに設定することになる。

すべての人に完璧な体験を提供できるわけではないが、Oculus GoやOculus Rift Sにならって自動調整可能なIPDを完全に排除してくれたことはユーザーにとっては安心だ。

新しいコントローラは、素晴らしいアップデートが施されている。オリジナルのRiftタッチコントローラーのデザインから多くのヒントを得て、より大きなサムレスト(親指レスト)に改良されたのだ。そのほかの大きなアップグレードは、コントローラーのバッテリー効率が向上したことだ。Oculusによると、単三型電池1本で従来のQuestの4倍長持ちするという。コントローラーに関してはそれ以上の大きなアップデートはないが、コントローラーのツートンカラーに関しては、個人的にはあまり興味ははない。

ヘッドセットは、オリジナルの布で覆われた前モデルのボディーを見直し、新しくライトグレーと黒のツートンカラーのデザインで完全にハードシェル化されている。よりオモチャのような外観になったが、少し親しみやすく見える色が好きだ。初代Questよりもかなり小さく感じるし、実際に10%の軽量化は先代のヘビーユーザーにとってはメリットは大きいだろう。プラスチックシェルへの移行は、初代Riftと比べてRift Sのように安っぽく感じるのではないかと心配していたが、Quest 2では新しいデザインのヘッドセットハウジングが目玉になっている。

ヘッドストラップの腕にフィットするオンボードスピーカーは、またしてもまあまあだ。もちろん音は出るが、正直なところコンテンツに没頭することを真剣に考えるのであれば、高品質なインイヤーバッドの購入をお勧めする。

ヘッドストラップを調節可能な布製のものに再設計したことには満足していない。これは前世代よりも使い勝手が悪く、ヘッドセットの重さの再配分もうまくできない。ヘッドセットのベース重量とその包装サイズを減らすための変更だと確信しているしが、それが正しい選択だったとは思えない。Oculusは頭部を固定するための2種類のストラップを用意しており、6800円の「Quest 2 Eliteストラップ」の、PCヘッドセットの背面に小さな外部バッテリーを追加して再生時間を延ばす1万7600円の「Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き」がある。これらを使えば、ヘッドセットの重量をより最適に配分できる。

Quest 2のバッテリーの寿命については使用状況に応じて2~3時間とのこと。デバイスの利用頻度を光量するともう少し長く持つと思うが、今回のリリースでバッテリーのサイズが小さくなったことは少し残念に思える。

Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き(画像クレジット:Oculus)

Oculusのソフトウェアについて少し触れたい。これらのソフトウェアの改良は、既存のQuest所有者には明らかだ。アップグレードによってOculusのブラウザにハンドトラッキングやアップデートなどの項目が追加された。ナビゲーションからメディアコンテンツの視聴まで、ほとんどすべてが使いやすくなっている。

これらの改善はすべて、プラットフォームのいくつかの制限を強調している。ゲーム以外のコンテンツはまだ十分にはそろっていない。VRに興味を持つプラットフォームの多くはすでにVRに飽きてしまっており、別のアプリを維持する価値はないと判断しているのではないかと心配している。

個人的には、OculusがAndroidアプリのスクリーンを統合して、ゲームセッションとメディア視聴の間を受動的に行き来できるようにしてくれればいいのにと思う。Oculusのブラウザーはまずまずの出来だが、自分のスマートフォンでできることのいくつかをOculus上実行するためには、もう少し速いネイティブアクセスを期待したいところだ。なお、プラットフォームはその方向へ進む準備ができているようだ。

過去のハードウェアと比較して、このデバイスのオンボードでの明確な違いは、Facebookアカウントがヘッドセットを有効にするために必要になったことだ。Facebookは徐々にOculusを独立した組織ではなく、社内の一部門として扱うようになってきている。Facebookアカウントについては躊躇する人もいるかもしれないが、それほど驚くべき展開ではないだろう。

実際、かなりの数の人がFacebookを嫌っている。先週Netflixで公開された、まあまあなドキュメンタリー番組 「The Social Dilemma」 を見たあと、大衆文化がテクノロジー業界を取り巻く興奮と希望に回帰してきたとしても、ソーシャルメディア企業が社会に与える影響への注目が、Facebookへの嫌悪感を駆り立て続けるのではないかということがはっきりしてきた。これはOculusにとっては不利な点ではあるが、それがどの程度のものであるかは時が解決してくれるだろう。

Oculus Quest 2を買うべきか

初代Quest の発売からわずか1年余りでこのような刷新が行われるのは驚くべきことだが、新しいハードウェアは、Oculusが新しい方向性に向けて、よりアクセスしやすい単一のデバイスでビジョンを推進することに完全に焦点を当てていることを示している。

これはOculusが創業以来、VRのために行ってきた最も説得力のある議論であり、3万2978円のNintendo Switchとさほど変わらない、Oculus 2の3万7180円という価格設定は、より多くの人々にVRの道を開く可能性が高い。オリジナルのQuest所有者にとっては、このリリースはおそらく少しイライラさせられる。Facebookが初代Questの在庫を確保するのに苦労していたが、性能が大幅に向上したQuest 2ならすぐに手に入るからだ。

Quest 2は素晴らしいVRデバイスだが、私が悩んだのは素晴らしいヘッドセットが素晴らしいガジェットであるかどうかだ。今でも主にゲーマー向けであり、このVRヘッドセットは数週間にわたってメインストリームのユーザーを興奮させ、その後の人生をクローゼットで過ごす危険性もある。

画像クレジット:Lucas Matney

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(翻訳:TechCrunch Japan)

FacebookがARが日常生活になるスマートグラスを2021年に発売、Ray-BanブランドのLuxotticaともコラボ

Facebook Connectイベントでは、コンシューマー向けウェアラブルARデバイスを開発中であることが発表された。Facebook(フェイスブック)はARとVRに本格的に努力を集中し始めている。昨年までOculus Connectと呼ばれていたイベント名をFacebook Connectに変更したのもその表れだが、OculusデバイスもFacebook Reality Labsという新たなブランドの下に再編していくようだ。

今回のFacebook Connectイベント自体がバーチャル開催されたのはグッドタイミングだった。バーチャル登場したMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、「拡張現実(AR)メガネへの第一歩」として来年、かなりのAR能力を備えたスマートグラスをリリースする計画だと述べた。.

ザッカーバーグ氏はまた、Facebookは高級アイウェアとしてRay-Ban(レイバン)ブランドのLuxottica(ルックスオティカ)を発売すると述べた。ザッカーバーグ氏によればRay-Banとの提携によってコンシューマーが望むようなファッション性や多様な機能を提供することができるようになるという。

「プロダクトはまだここでお見せできるような段階になっていないが、開発と販売においてパートナーと複数年の提携契約を結び、来年スマートグラスを発表できることを報告できるのはうれしい」という。どんな機能を備えるのかなど具体的な内容はほとんど発表されなかったが、TechCrunchの取材に対して「現在開発中のプロダクトにディスプレイ機能は付属しない」と確認した。Google GlassよりもSnapが2016年にリリースしたSpectaclesに近いのだろう。

Facebookは以前から本体ソフトウェアに統合できるウェアラブルARグラスの開発を続けてきた。2018年には独自のARグラスを開発していることを確認し、ARプロダクトの責任者であるFicus Kirkpatrick(ファイカス・カークパトリック)氏は当時、TechCrunchの取材に対して「こうしたプロダクトが現実のものになるよう努力している」と答えている。

今月に入ると、現実の環境下でARグラスがどのように機能するかをテストするため、少数の特別に訓練された社員や契約社員がFacebookのキャンパス内をウェアラブルグラスを着用して歩き回るのが目撃されるようになった。これはFacebook Reality Labsが実行しているプロジェクトAria呼ばれるAR研究イニシアティブの一環だという。

今回のデモの一部ではないが、関連するARプロダクト開発の状況を示すビデオも公開されている。まだ理論的には可能性ではあるが、ビデオではARグラスが現実の光景の上にオーバーレイすることでナビゲーションを容易にしたり、ミュージックストアの店先で好みの音楽を推薦したり、出掛けに何か忘れ物をしたことを注意したりするようすが描写されている。
 
 Reality Labsの研究室内では解決できない問題も多い。外を歩き回るテスターが、こうしたプロダクトが必要とするのはどのようなセンサーなのか、収集すべきデータとすべきでないデータの判別などの問題について解決のヒントを与えるかもしれない。

Facebook自身もこのところプライバシー問題でさまざまな批判にさらされているが、Google Glassが消費者向けプロダクトとして成功しなかった理由がまさにここにあったことを想起しているかもしれない。

Reality Labsの責任者であるAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏は「我々はどんなARデバイスにせよ一般に販売される前に広範囲かつ入念なテストをテストを繰り返す」と強調した。ボズワース氏はARグラスに現在プロジェクトAriaで開発中のデバイスはまだプロトタイプの段階まで達していない。あくまで将来の製品開発の準備のためのの先行的研究だ」と述べた。このデバイスはHUD(ヘッドアップディスプレイ)も備えていないという。

【編集部追記】2019年9月のアップロードだが、Reality Labsのビデオには記事内で紹介されているシナリオがイメージ動画化されている。

Facebook Connect 2020

画像クレジット:Facebook

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(翻訳:滑川海彦@Facebook