メタのVRプラットフォームHorizon Worlds、2021年12月正式公開から月間ユーザー数が10倍の30万人に

MetaのVRプラットフォームHorizon Worlds、2021年12月正式公開から月間ユーザー数が10倍の30万人に米Meta(メタ:旧Facebook)のVRプラットフォーム「Horizon Worlds」が、昨年12月から月間ユーザー数が10倍の30万人にまで成長していることが、海外テックメディアのThe Vergeによって報告されています。

2021年10月に社名の変更と、VR技術を活用した「メタバース」への注力を発表していたMeta。またこれにともない、VRヘッドセット/プラットフォーム「Oculus」もMetaへと変更されています。

またMetaは2019年から、3DアバターによるVR「Facebook Horizon」をベータ版として展開していました。さらに昨年12月上旬からはアメリカとカナダにてHorizon Worldsとして、正式にサービスをローンチしています。

そして同社チーフプロダクトオフィサーであるChris Cox(クリス・コックス)氏によれば、Horizon Worldsの月間ユーザー数は現在は30万人まで拡大しているとのこと(Horizon Workroomsは含まない)。またそのワールドも1万個作成され、クリエイター向けフェイスブックグループは2万個以上に増えていることも報告されています。

Horizon Worldsでは先日、パーソナルスペースを強化しハラスメントを防止する機能が導入されました。また2022年後半には、Horizon Worldsをモバイル向けに展開することも明かされています。

ベータ版が終了し公式サービスになったことでのユーザー数の増加も加味する必要はありそうですが、それでもMetaによるメタバースへの取り組みは、一部では好調は滑り出しをみせているといってよさそうです。

(Source:the VergeEngadget日本版より転載)

自らもメタバースの住人で専用デバイスも開発、Shiftall岩佐氏に聞く「メタバース周りの現状」

Shitallは2022年1月、CESでVRヘッドセット「MeganeX」、ウェアラブル冷温デバイス「Pebble Feel」、メタバース対応音漏れ防止機能付きマイク「mutalk」を発表した。

「メタバース」というキーワードが飛び交っている。デジタルにおける新たなフロンティア、コロナ禍で閉鎖的な現在を生活的にもビジネス的にも変えてくれるかもしれない「メタバース」に大きな注目が集まっている。

Facebookが社名を「Meta」に変更し、メタバースという単語をちりばめることでアピールする新サービス、アプリが昨秋以降、急増していく中で、2022年春における「実際のところ」はどうなのだろうか?

作りたいものを作る!Shiftall(シフトール)のCEO岩佐琢磨氏は、新卒でPanasonicに勤めていたが、独自製品をスピード感を持って開発したいという想いを持って同社を退職。ハードウェアスタートアップCerevoを立ち上げた。

先に開催されたCESでも新製品を発表し、理想や概念ではなく実務として「メタバース」に取り組んでいる​​岩佐琢磨氏。

「当事者」である岩佐氏に、日本そして海外でのメタバースの現状やShiftallがそれにどのように関係してくるのか。また、考えるメタバースの楽しさ、ビジネス、将来について話を伺った。

日本と海外でのメタバースに対する温度差

2018年に、PCレス、ゴーグル単体でVRを楽しめるOculus Goが発売され、2019年に6軸センサー搭載のOculus Quest、2020年にその後継モデルとなるOculus Quest 2(現MetaQuest)が発売されても、一部の人たちを熱心なユーザーは生んだものの、それ以上、一般層にまで浸透しなかったVR。

しかし、Questを販売しているFacebookが、社名をMetaへ変更され「VR」ではなく「Metaverse(メタバース)」という言葉が使われ始めてから、ITと親しいウェブメディアだけでなく、マスメディアでも取り上げられるようになり、盛り上がっている。

そのような状況において、2022年1月に米国で行われた世界最大級の電子機器の見本市CESに参加した岩佐氏は「メタバース関連のアイテムに、あまり盛り上がりが見られなかった」という。

「例年、多くのブースを出す中国から企業が参加できなかった点が大きい。また、メディカル分野のスタートアップが多い韓国からの出展が多かったことなどから、ヘルステックやメディテックが目立っていました。メインはオートモーティブ関連の出展でした」。

国内の報道を日常的に見ていると「メタバース関連がメインではないのか」と感じてしまうが、岩佐氏は「例年に比べて、VRやAR関連の出展は増えていたけれども、現地(米国・ラスベガス)はそれほどヒートアップしていませんでした。日本国内と海外で、メタバースに対する温度感の差が激しい印象です」と語る。

メタバース界隈とインターネット黎明期の共通点

メタバースに関する岩佐氏の話で興味深い点は、同氏がインターネット黎明期とメタバースの現状に共通点を見出していることだ。

「今、ごく一部の人たちがVRChatの中でわいわいと楽しく過ごしています。それって国内でインターネット接続が一般化して、ホームページを作って情報を発信するようになった人が登場し始めた1997~98年の感覚に似ています。HTMLタグを駆使してホームページを作って、CGIを組んでカウンター作ったり『キリ番ゲット』などとインターネットというサービスを楽しんでいたときのノリに近いものが、現在のメタバースにはあります」と岩佐氏はいう。

当時、そのノリに対して、周囲から「何が楽しいんだろうか」と冷ややかな目がよせられることもあったが、現在、メタバース世界を楽しんでいる人たちに対する目もそれに近いものがあるという。

やがて、ホームページをWYSIWYGで作れるホームページ・ビルダーが登場し、わざわざホームページを作らなくても簡単にブログを始められる仕組みが生まれ、女子高生たちはかわいらしいアバターをアメーバピグの中で作っていくようになる。

そしてYouTube、Instagram、ブログ、TikTokなど、人気配信者(ブロガー、ティックトッカーなど呼び方はそれぞれ)が、やがてインフルエンサーと呼ばれ社会に対する影響力が大きくなっていく。

メタバースでも同じように、HTMLタグよろしくBlenderやUnityで手作りしている状況だが、pixivが提供しているVRoid(ブイロイド)のように、マウス操作だけで髪の毛を伸ばしたり、目を大きくしたりできるツールが登場してきており「ワールドすら、近いうちにそれほど知識がなくてもGUIベースで誰もが作れるようになるのではないかと考えている」と岩佐氏は考えている。実際、取材後の2月15日にクラスターは、誰でも簡単に自分の想像したメタバース空間を創造できる新機能「ワールドクラフト」のリリースを発表している。

「ブログから始めて起業したり、有名になった人が生まれたように、メタバース上のワールドを舞台にして人気になり、稼ぐ人が生まれてくるときが来ると思います。すでにその兆しは見えています。堀江さんや三木谷さんが、『これからはホームページでビジネスが回る。数兆円規模の市場になる』と予測したときと同じフェーズに、メタバースもさしかかっています」と岩佐氏はいう。世界を変えるような、次なるビジネスの芽がすでにメタバースの世界に誕生し始めようとしている。

そしてそれを裏づける出来事も生じている。

ShitallのCEO岩佐琢磨氏

調達金額でわかる加速する注目度

2021年、メタバースをめぐる資金調達の流れを振り返ってみたい。中国のVRヘッドセットメーカーPico Technologyが約40億円を調達したのが3月のことだ。Epic Gamesは4月に約1000億円、ソーシャルVRサービスを提供するVRChatは6月に約80億円を調達した。

そして、Pico Technologyは、8月にTikTokを運営するByteDanceに約840億円で買収される。それだけの価値があると認められたわけだ。

岩佐氏は「2021年7月以前と8月以降では、参入してきた人(企業)に変化が見られる」という。

というのも、それまでは多くても調達額は数十億円程度だったが、数百億円、数千億円という話が聞かれるようになったからだ。

Nianticが11月にARメタバースに355億円を調達。VRイベント「バーチャルマーケット」を提供するHIKKYもは2月8日にシリーズAで70億円を調達、12月には韓国ネイバー傘下のメタバースプラットフォームZepeto(ゼペット)が、ソフトバンクグループから約171億円を調達している。すでに、KDDIの資本が入っているクラスターもあり、3大キャリアがそれぞれメタバースに関連した武器を持っている状態だ。「年末近くにはソーシャルVR「Rec Room』が約164億円の調達に成功しています。どうも札束で殴り合いをしているように感じます」岩佐氏はいう。

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メタバースへのアプローチは2種類

岩佐氏が語る「メタバース」は、あくまでも「VRの世界で、コミュニケーションを取るVR SNS」を対象にしている。「『フォートナイト』も『どうぶつの森』もメタバースだと主張する人がいますが、メタバースという言葉が乱用されているのではないでしょうか。他者とコミュニケーションを取るために、VRゴーグルをかぶって入る空間がメタバースだと感じています」。

その上で「『メタバース』に対して2つのアプローチがあることを認識している」と岩佐氏はいう。1つ目がゲームからのアプローチとなる。「他者とコミュニケーションを取れるSNS要素があることを理由に、『フォートナイト』や『Roblox』などは、自分たちもメタバースだと称しています。ゲームをしていない時間でもその空間にとどまれるような工夫もしている、と」。

そして2つ目のアプローチはSNSとなる。「VRChatはSNSからのアプローチ。ゲームもできるけど、バーチャル空間でも現実世界と同じように過ごすことを目指しており、いろいろな試みがなされています。決して朽ちないけれども、もう用済みになってしまった『廃墟』巡りをしたり、誕生日パーティーを開いたり、メタバースの中にお墓を作ったり……。リアルのようでいて、リアルではない楽しさがあります」と岩佐氏は語る。

さらに岩佐氏は「瞬時に世界中の人とつながれるから、国境がないように考えるかもしれないけれど、アバターのデザイン、コミュニケーションの取り方、人との距離などで、国民性が出ます。その様子を見るのも、メタバースの楽しみ方の1つですね」という。

メタバースの世界にいる状態なのに、現実世界においても布団で寝てしまうこともあるという岩佐氏。それほど長くいるのに必要なものをShitallで生み出してきた。次回は「メタバース住民必見」のメタバース向け製品を紹介したい。

HIKKY、5年以内に世界100都市をメタバース化する「パラリアルワールドプロジェクト」発足

大規模VRイベント「バーチャルマーケット」をはじめVRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは2月17日、5年以内に世界100都市をメタバース化しオープンメタバース上で提供する「パラリアルワールドプロジェクト」の発足を発表した。実在する都市のメタバース化・パラリアル化を通じて、人々の創造力がより一層発揮される社会の実現を目指す。

HIKKYが提唱するパラリアルとは、「パラレルワールド」(並行世界)と「リアル」(現実世界)を合わせた造語で、リアルとメタバースに並行して存在することを指すという。パラリアルワールドプロジェクトでは、現実世界に実在する都市をメタバース上の都市として解釈し直すことで、現実の良さとメタバースならではの表現を両立させ、新たな都市をデザインする。

HIKKYは2021年、渋谷と秋葉原をVRイベント「バーチャルマーケット2021」においてメタバース上で再現した。ここで使われたパラリアル渋谷とパラリアル秋葉原の常設化を皮切りに、2022年度中には大阪とニューヨークをメターバス化してパラリアルの都市として再現する。その後5年以内に世界100都市をメタバース化し「誰もが自由に解釈し、自由に利用できるパラリアル都市」をオープンメタバースの場で提供することを目指す。


メタバース空間への出店、メタバース都市のイベント・広告ジャック

パラリアルワールドでは、パラリアル都市にメタバース店舗を設けることが可能。出店する店舗は、実在の店舗を模したデザイン以外にも、物理法則を無視したメタバースならではのデザインも採用できる。また、都市全体を丸ごとジャックするような超大型イベントについても、機材や時間、人員といった要因にとらわれずに開催可能。

VR法人HIKKY、5年以内に世界100都市をメタバース化する「パラリアルワールドプロジェクト」発足

メタバース観光地とメタバース旅行

物理的な距離の影響を受けないメタバースでは、家から出ずに遠く離れた観光地を訪れることも可能。パンデミックや震災の影響を受けやすい観光業界の支援を目的としているという。

パラリアルワールドの未来

同社は、パラリアルワールドの未来として、メタバース空間上行政手続きを行えるようにすることで移動・行列などから高齢者層など人々を開放することや、どこからでもアクセス可能なメタバースの特徴を活かし教育の地域格差やパンデミック時に失われる教育機会の補填といった教育問題の課題解決を挙げている。

 

「YouTubeの将来を語るうえでメタバースに触れないわけにはいきません」YouTubeがメタバース参入検討、Web3も示唆

「YouTubeの将来を語るうえでメタバースに触れないわけにはいきません」YouTubeがメタバース参入検討、Web3の可能性も示唆

YouTubeは2月18日、日本版YouTube公式ブログのエントリー「2022年の展望:コミュニティ、コラボレーション、コマース」を公開した。「クリエイター向け」「視聴者向け」「パートナー向け」に2022年の展望を掲載しており、新たなサービスやツールのリリースを予定していることを紹介。Web3、メタバースについても触れている。

Web3については、クリエイター向けの話題の中で「Web3もまたクリエイターに新たな機会をもたらします」と紹介。「ブロックチェーンやNFTのような新しいテクノロジーによって、クリエイターはファンとより深い関係を築くことができるようになるでしょう」としている。「このような新しいテクノロジーには、責任を持って取り組むべきことが沢山ありますが、同時に素晴らしい可能性も秘めていると考えています」という。「YouTubeの将来を語るうえでメタバースに触れないわけにはいきません」YouTubeがメタバース参入検討、Web3の可能性も示唆

メタバースについては、視聴者向けとして採り上げている。「より没入感の高い視聴体験をどうすれば提供できるか」を考えているという。まずはゲームへの適用を検討しており、「ゲームにもっとインタラクションを持たせ、よりリアルな体感を導入することを目指します」としている。

凸版印刷、アバターの真正性を証明する管理基盤AVATECTを開発、メタバースでのアバター不正利用やなりすまし抑止

凸版印刷、アバターの真正性を証明する管理基盤AVATECTを開発、メタバースでのアバター不正利用やなりすまし抑止

凸版印刷は2月18日、メタバースへの社会的な関心の高まりを受け、自分の分身として生成されたアバターに対し、唯一性を証明するアバター生成管理基盤「AVATECT」(アバテクト)を開発したと発表した。2月より試験提供を開始する。

凸版印刷は、写真1枚で3Dアバターを自動生成できる同社サービス「MetaCloneアバター」や、構築したメタバースの中で様々なビジネスを行う事業者などに向けて、AVATECTの試験提供を実施。複数のメタバース事業者間における同一アバターの行動分析や、それに伴うプライバシー保護の有用性の検証を経て、2022年9月までにアバター管理事業を開始し、2025年度までにメタバース関連事業として100億円の売り上げを目指す。

昨今、メタバース市場への関心が高まる一方、本人の許可や確認のない映像などによりアバターが生成されてしまう危険性や、アバターのなりすまし・不正利用がメタバース普及の大きな課題になっているという。また凸版印刷は、メタバース上でアバターの行動に対する倫理規定が進んでおらずディープフェイクのようなリスクが生じる危険性があると指摘。

凸版印刷は、メタバース普及に伴うそれらセキュリティリスクを低減させるため、アバターの出自や所有者情報を管理すると同時に、NFTや電子透かしによってアバターの唯一性・真正性を証明できるアバター生成管理基盤として、AVATECTを開発した。

アバターに関するメタ情報を管理

アバターを生成した際に「モデル情報」(氏名・身体的特徴・元となる顔写真など)、「モデルが当該アバター生成に対して許諾しているか(オプトイン)の情報」「アバター生成者(もしくは生成ソフトウェア、サービス)情報」「アバター生成日時情報」「現在のアバター利用権情報」などを、メタ情報として記録。「アバター生成管理基盤」に、アバター本体とメタ情報を紐づけて保管する。

NFT化と電子透かしで唯一性と真正性を証明

生成したアバターをNFT化することで、アバターに唯一性を示す情報を付与する。一方、NFT化だけではアバターの不正コピーや二次加工は防止できないため、AVATECTでは、目視では判別できない情報「電子透かし」を埋め込むことで、オリジナルかコピーされたものかを判別できるようにし、アバターの真正性を証明する。凸版印刷、アバターの真正性を証明する管理基盤AVATECTを開発、メタバースでのアバター不正利用やなりすまし抑止

アバターの本人認証(2022年度実装予定)

凸版印刷が提供する「本人確認アプリ」との連携により、アバターの登録やメタバースへのアバターのアップロードロード権限を、本人確認された利用者のみに限定することを実現する。またこの本人確認アプリでは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が提供する公的個人認証システムと連携し、マイナンバーカードを使って本人確認を行う。

将来的には、メタバース内で提供される会員入会申込みやオンライン決済のような本人確認が必要なサービスにおいて、アバターと本人確認された利用者を紐づけることで、サービス事業者が本人確認書類の確認プロセスを経ずにサービス提供を行えるようにする。

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

エイベックス・テクノロジーズは2月16日、ウェブカメラとPCだけでVRM形式3Dキャラクターモデル(アバター)を全自動で動かして遊べるPC用ソフト「RiBLA Broadcast (β)」の無料提供を開始した。創作物の総合マーケット「BOOTH」(ブース)上で公開している(ダウンロードにはpixiv IDが必要)。対応OSはWindows10以降、macOS 10.15.7以降(10.12以前は動作しない)。

合わせて、RiBLA初のオリジナルキャラクターのアバターを無償配布し、キャラクターグッズの予約販売も行っている。PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

RiBLA Broadcast (β)は、ウェブカメラの撮影映像を基に、VRM形式アバターを操作できるというVtuberツール。ユーザーの動作・表情の情報をカメラ映像から自動で取得しており、骨格推定・AIによる表情認識を行っているため、専用のトラッキング機材を導入することなく、初期コストなしで全自動でアバターを動かせる。表情切り替えや細かな動きの調整については、手動でも行える。

また、任意のVRM形式アバターをドラッグ&ドロップですぐに導入できるほか、背景としてクロマキーや好きな画像を設定可能。

このほか、オープンソースソフトウェアの配信ツールOpen Broadcaster Software(OBS)と組み合わせることで、YouTubeやTwitchなど動画配信プラットフォームでの生配信に利用できる。

無償提供のオリジナルキャラクターは、「生駒ミル」(いこまみる)、「九条フレカ」(くじょうふれか)の2種類で、イラストレーターのkonomi(きのこのみ)氏がデザインしている(九条フレカは後日公開)。フォーマットはVRM形式で、今後もラインナップを追加予定という。

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

画像左側キャクターが九条フレカ(くじょうふれか)で、右側が生駒ミル(いこまみる)。キャラクターデザインは、konomi(きのこのみ)氏が担当している

またこれらアバターは、RiBLA Broadcast (β)以外にも、3Dモデルを扱えるソフトウェアやVR向けSNSなど、様々なサービス・用途で利用可能。


©Avex Technologies Inc.

マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

[原文へ]

(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

Republicのメタバース不動産部門が分離独立、Everyrealmにリブランド

2021年にメタバースプラットフォームの上位4社で5億ドル(約580億円)以上の不動産が売却されたことがデータで明らかになっている。DecentralandやSandboxのような仮想世界の土地の区画に権利を主張するために集まっている多くの投資家の中には、従来の不動産会社が含まれている。メタバースブームにおいて、どのプラットフォームやユースケースが勝利を収めるのか、重要な疑問が残るが、1つはっきりしていることは、メタバースに資本が急速に流入しており、いわば「非現実的な不動産」も例外ではない、ということだ。

代替資産クラウドファンディングプラットフォームのRepublic(リパブリック)は、Janine Yorio(ジャニン・ヨリオ)氏が2020年6月から率いるRepublic Realm部門を通じて、メタバース不動産物件への投資を積極的に行ってきた。そして現在、ヨリオ氏はRepublic Realmを独立させ、Everyrealm(エブリリアルム)という私企業にしたが、Republicは少数株主として残るとヨリオ氏はTechCrunchとのインタビューで述べた。

関連記事:デジタル証券の第二取引市場を目指す投資プラットフォームRepublicが171億円超を追加調達

Everyrealmは「メタバースのエコシステム全体へのゲートウェイ」になることを望んでいるという。同社は25の異なるメタバースに投資しており、現在3000以上のNFT(非代替性トークン)を所有しているとヨリオ氏は話した。

「当初はメタバースに投資していましたが、今ではそれ以上のことをするようになりました。自社をメタバースコンテンツの開発者だと考えていて、ただ受動的に投資して他の人が何かを作るのをじっと待っているわけではありません」と同氏は話す。例えば、2週間前にDecentralandで小売店のコンセプトを立ち上げたが、これは他のメタバースプラットフォームにも拡大する予定だという。実際、この店舗では1万点のバーチャルアイテムが1時間で売り切れたと同氏は付け加えた。

Everyrealmはまた、Somnium SpaceメタバースでRealm Academyというバーチャルキャンパスを運営しており、ユーザーはオンラインコースを通じてWeb3のコンセプトについて多くを学ぶことができる。同氏によると、初回のクラスには1000ドル(約11万6000円)を支払った生徒500人が参加しているとのことだ。

ヨリオ氏は、このような例は、ユーザーがメタバースでの体験に喜んでお金を払うことを証明していると話す。また、同氏はEveryrealmが販売した資産がOpenSeaのようなセカンダリーマーケットのプラットフォームでどのように評価されているかも牽引力の指標として見ている。

メタバースにおけるコンテンツ開発は、そのインタラクティブかつ無限の性質から「ほとんどの場合、ビデオゲームよりもさらに複雑」だと、ヨリオ氏は指摘する。

「これらのプラットフォームがスタートし、成熟するのを待つ間、我々はオンラインコミュニティを構築し、メタバースとは何か、またメタバースでどのように仕事を得ることができるか人々を教育し、彼らが実際に構築者になれるようにしたいのです。というのも、 Web3はコンテンツクリエイターがコンテンツ消費者になることが目的だからです」。

Everyrealmは独立企業となり、成長資金として6000万ドル(約69億円)を調達した。同社によると、これは女性のCEOが率いる企業のシリーズA調達としては最大規模だという。Andreessen HorowitのArianna Simpson(アリアナ・シンプソン)氏が新規投資家としてこのラウンドをリードし、ベンチャー企業のCoinbase Ventures、Lightspeed、Dapper Labs、さらにParis Hilton(パリス・ヒルトン)氏、Lil Baby(リル・ベイビー)氏、Nas(ナス)氏といった有名エンジェル投資家を含む新旧の投資家が参加した。

画像クレジット:Vadmary / Getty Images

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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Nariko Mizoguchi

ガートナー「2026年までに25%の人々が1日1時間以上をメタバースで過ごす」

ガートナー「2026年までに25%の人々が1日1時間以上をメタバースで過ごす」

ガートナージャパン(Gartner)は2月9日、メタバースに関する展望を発表した。2026年までに、25%の人々は、仕事、ショッピング、教育、SNSやエンターテインメントなどで、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになるとGartnerは予測している。メタバースのハイプ(過剰な期待)は、デジタル・ビジネスを拡張する新たなビジネスモデルに移行するきっかけになるという。

Gartnerは、メタバースについて、仮想的に拡張された物理的現実とデジタル化された現実の融合によって創り出される、集合的な仮想共有空間と定義。メタバースは、継続的な没入感(イマーシブ・エクスペリエンス)を提供し、タブレットからヘッドマウントディスプレイまで、デバイスに依存せず、様々なデバイスからアクセス可能としている。

同社アナリストのマーティ・レズニック氏は、「ベンダーは、ユーザーがデジタル化された世界で生活を体験するための空間やサービスをすでに構築している。仮想クラスルームへの出席から、デジタル空間上の土地の購入、仮想住宅の建築に至るまで、これらの活動は現在、別々の環境で行われている。将来的には、様々なテクノロジーやエクスペリエンスにまたがる単一の環境、すなわちメタバースの中で行われるようになる」としている。

デジタル通貨とNFT

また、メタバースは単一のベンダーが所有するものではなく、デジタル通貨とNFT(非代替性トークン)によって実現される、新たなデジタル・エコノミーになると予想。メタバースは、消費者が日々接するあらゆるビジネスに影響を与えるという。

2026年までに、世界の組織の30%がメタバースに対応した製品やサービスを持つ

さらに、メタバースは、働き方にも影響を及ぼすと予測。企業は、仮想オフィスに没入型ワークスペース(没入型テクノロジを利用した仮想オフィス)環境を導入することで、従業員により良いエンゲージメント、コラボレーション、つながりの機会を提供できるとしている。また、メタバースがフレームワークを提供するため、ビジネスの実行においても独自のインフラを構築する必要はない。

さらに、この1年半の間に人気を得た仮想イベントは、今後従来以上にコラボレーティブで没入感のあるつながりの機会やワークショップを提供するという。

企業は、デジタル・ビジネスからメタバース・ビジネスに移行することで、自社のビジネスモデルを、これまでとはまったく違うやり方で拡大・強化できるようになる。2026年までに、世界の組織の30%がメタバースに対応した製品やサービスを持つようになるだろう。

ただし多額の投資は時期尚早、学習・検証・準備するために時間を割くべき

ただし、メタバース・テクノロジーの採用は始まったばかりで部分的であるため、Garnterは、特定のメタバースに対する多額の投資については注意を促している。レズニック氏は、「どの投資が長期的に有効なのか判断するのは時期尚早だ。プロダクト・マネージャーは、競争力を高めるためにメタバースを学習・検証・準備するために時間を割くべき」としている。

メガトレンドの1つ

同社アナリスト亦賀忠明氏は、「メタバースは、従来型の仮想空間を『超えた』もの。リアルの物理空間とバーチャル仮想空間を融合した、フルデジタル化された環境を指す。『メタバースはアバターで参加する仮想空間である』というように単純に捉えるべきではない。

メタバースは、『これから』の話であるため、今すぐに成熟した完璧なメタバースが登場するわけではない。メタバースは将来に向けたビジョン。すべての企業は、メタバースを2030年、またそれ以降に訪れるであろう『New World』に向けた1つのメガトレンドと捉え、インターネット初期と同様これからの将来を展望し、可能性とリスクを洞察することが重要」としている。

同じくアナリストの針生恵理氏は、「メタバースは、デジタル・ワークプレースの議論と実践を新たなステージへとシフトするきっかけをもたらす。メタバースによって、企業は、VR・AR・MRといった単なるテクノロジー採用を超えた、新たなワークプレースを模索していくことになる」と話している。

画像クレジット:Giu Vicente on Unsplash

アップルのVR/ARヘッドセットに搭載されるOSは「realityOS」か?ソースコードがリーク

MacRumorsの報道によると、Apple(アップル)が開発中と噂されているVR/ARヘッドセットに搭載されるOSは「realityOS」と呼ばれるかもしれないという。この用語は、最近のGitHubのオープンソースコードやApp Storeのアップロードログで複数の情報源によって発見された。iOS開発者のRens Verhoeven(レンス・バーホーベン)氏は、「Appleの『realityOS』がApp Storeのアップロードログで何をしているんだ?」とツイートしている。著名な開発者であるSteve Troughton-Smith(スティーブ・トロートン=スミス)氏は、「これは少なくとも、[realityOSが]1)独自のOSとバイナリを持ち、2)realityOSシミュレータを持っていることを裏付けるものだ」と述べている

このようなOSの存在は、2017年にBloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏が「rOS」として初めて報じたもので、Appleの社内では「Oak」と呼ばれているという。「OS」とつける命名法は、AppleのOSである「iOS」「macOS」「iPadOS」「tvOS」「watchOS」の名前を考えれば、理に適っている。

AppleによるAR/VRヘッドセットの開発は、何年も前から噂されていた。Appleは2017年にVR企業のVRvanaを買収し、同技術を追求していることを示唆していた。The Informationは2019年に、AR/VRの混合型ヘッドセットが2022年に登場し、ARグラスは2023年に発売されるだろうと報じた

しかし、Bloombergによる最新の噂では、オーバーヒートなどの開発上の問題から、ヘッドセットは2023年まで遅れるとされている。アナリストのMing-chi Kuo(ミンチー・クオ)氏によると、これらの製品は、M1 Macと同等のコンピューティングパワーを備え、テザリングを必要としないスタンドアロン型になる可能性があると言われている。

もしこの話が本当であれば、開発者がこのOSにすでにアクセスしている、あるいは近くアクセスできるようになることを示唆していることになる。しかし、トロートン=スミス氏が警告しているように、これらの情報は「誰かが偽のアカウントから行ったプルリクエストの残骸である可能性もある」ので、リークは適当な懐疑心をもって受け止めてほしい。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

VRイベント「バーチャルマーケット」のHIKKYがシリーズA調達を70億円で完了、メディアドゥと提携し「メタバースと読書」追求

VRイベント「バーチャルマーケット」のHIKKYがシリーズA調達を70億円で完了、メディアドゥと提携し「メタバースでの読書」追求

「バーチャルリアリティマーケットイベントにおけるブースの最多数」としてギネス世界記録に認定された

世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」をはじめVRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは2月8日、シリーズAラウンドのセカンドクローズとして、第三者割当増資による5億円を調達したと発表した。引受先はメディアドゥ。シリーズAラウンドにおける調達総額は、2021年10月のNTTドコモを引受先としたファーストクローズの65億円を含め、70億円で完了したことになる。

またHIKKYとメディアドゥは、2022年1月18日に資本・業務提携を締結した。

メディアドゥは、2200社以上の出版社・150店以上の電子書店と取引があり、電子書籍流通において国内トップシェアという。「本との出会い方」や「読書の仕方」について、両社はメタバース空間を通し新たな幅広い体験に昇華させるとしている。同メタバース空間では、ユーザー同士やクリエイターとファンなどのコミュニティを創出し、ファンアートなどを介した交流やIPコラボの可能性を拡大予定。また、メディアドゥグループが取り組む世界最大級のアニメ・マンガコミュニティ&データベース「MyAnimeList」(マイアニメリスト)を通じたシナジーも追求する。

調達した資金についてHIKKYは、スマートフォン・PCブラウザー上で動くVRコンテンツ自社開発エンジン「Vket Cloud」(ブイケットクラウド)を中心としたVR関連サービスの開発体制の強化、同エンジンを用いたオープンメタバースの開発・運営、バーチャルマーケットやVket Cloudを含むVRサービス事業の国内外への拡大、新規事業であるVRコンサルティング業務、組織基盤強化などにあてる方針。

資金調達の目的と今後の展開

  • オープンメタバースの開発、およびサービスの提供
  • Vket Cloudエンジンの開発体制の強化
  • バーチャルマーケット事業の開発体制の強化
  • 海外展開を含めた事業拡大
  • 新規事業であるVRコンサルティング業務
  • 人材採用強化

HIKKYが掲げるオープンメタバースとは、「プラットフォームの壁を超えて人々が行き交う環境」「オープンワールドにおける大人数での体験やコミュニケーション」などを実現するサービスという。

HIKKYが掲げるオープンメタバース

  • プラットフォームの壁を超えて人々が行き交う環境
  • オープンワールドにおける大人数での体験やコミュニケーション
  • 独自ドメインでのオリジナルのコンテンツ展開
  • デバイスフリー&アプリレスでの簡単なアクセス
  • リアルとバーチャルを融合した体験の提供

今後HIKKYは、バーチャルマーケット事業によってつながった数多くのクリエイター、パートナー企業の力を借りながら、Vket Cloudを用いたオープンメタバースの開発・サービス展開を行う。また、オープンなメタバースにおいて、これまでの社会では評価されることのなかったあらゆる人の創造性やコミュニケーションが新しい価値として認められ、新たなイノベーションを生み出すべく様々なサービスを提供するとしている。

Meta、ハラスメント対策としてVR空間Horizon Worldsなどに「境界線」機能を追加

Metaは、バーチャルリアリティ空間「Horizon Worlds」と「Horizon Venues」でのハラスメント対策として「パーソナルバウンダリー(境界線)」という機能を展開する。各アバターには半径2フィート(約61cm)のバブルがあり、互いに4フィート(約122cm)前後まで近づくことができなくなる。

画像クレジット:Meta

もし誰かがあなたのパーソナルスペースに入ろうとしたら、近づきすぎた時点でその人の前進は止まる。しかし、MetaはThe Vergeに対して、アバターが互いの間を行き来することは可能であり、ユーザーが隅や出入り口に閉じ込められることはないだろうと語っっている。

このパーソナルバウンダリー機能は、ユーザーが無効にすることはできないもので、Metaがハラスメント対策として以前追加した、他の人のパーソナルペースに入るとアバターの手が消えるという機能をベースにしている。Metaが12月にHorizon Worldsを米国とカナダの18歳以上の全員に公開する直前、ベータテスターが自分のアバターが見知らぬ人に体を触られたと述べていた

いずれは、パーソナルバウンダリーの半径を変更できるようになるかもしれない。ユーザーは他のアバターとハイタッチや拳を突き合わせることはできますが、そのためには腕を伸ばす必要がある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のKris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Meta

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(文:Kris Holt、翻訳:Katsuyuki Yasui)

イマクリエイトと東京大学が医学生用VRシステム共同開発、実際に体を動かしながらの実習をバーチャルトレーニングで支援

皮下注射の様子。手本となる医師の動きに重なるように手を動かして手技を習得できる

皮下注射の様子。手本となる医師の動きに重なるように手を動かして手技を習得できる

XRシステムの研究・開発を行うイマクリエイトは2月1日、東京大学医学部附属病院クリニカルシミュレーションセンターと共同で、「現実のように実際に自らの身体を使いながら行う実習」を目指した医学生向けのバーチャルトレーニング・システムを開発した。

これは、皮下注射、静脈採血、末梢静脈カテーテル挿入の3つの穿刺(針を刺すこと)手技をトレーニングできるというもの。消毒、患者への声かけ、穿刺、片付けなどを、実際に自分の体を動かして学習する。正しい位置での消毒や穿刺、正しい注射針の角度など、適切な手段を踏まなければ先に進めない仕組みだ。手本となる医師の動きに重なるように手を動かして手技を習得できる。また手技だけでなく、どのタイミングで患者に声をかけるかなどのコミュニケーションも学べる。

患者の体に針を刺す穿刺手技など患者への侵襲性が高い学習には、当然のことながら十分な訓練が必要となる。だが模擬腕を使ったトレーニングでは、同時に学習できる学生の数が限られ、機器の消耗品の補充が必要になるなどの手間がかかる。それをXRにすることで、いつでも何度でもトレーニングできる環境を整えようというのが、このシステムの目的だ。

静脈採血の様子。手本を非表示にして手技を習得できたかを確認

末梢静脈カテーテル挿入の様子。手本の手が見えている

イマクリエイトは、2021年4月にも、新型コロナワクチン接種のためのトレーニングシステム「VR注射シミュレーター」を開発している。「見る」ではなく「する」XR、いわゆる「Doable XR」の研究を重ね、「世界唯一のXR物理トレーニング技術」を有しているという。

OBS経由でZoomビデオ会議に利用可能、PCとウェブカメラだけでVTuber用アバターが使えるシステムが無償公開

ユーザーローカルは1月28日、ウェブカメラの映像を基にPC用ウェブブラウザー上にVTuberで使われるVRMキャラクターを表示する「ユーザーローカルWebcam VTuber」の無償提供を開始した。ソフトウェアをインストールするといったことは必要ない。利用者によるオリジナルVRMモデルのアップロードをサポートするほか、オープンソースソフトウェアの配信ツールOBS(Open Broadcaster Software)やHDMIキャプチャーと組み合わせることで、YouTubeでの配信やZoom通話に利用できる。

Webcam VTuberは、ウェブカメラを搭載したPCのウェブブラウザーで「ユーザーローカルWebcam Tuber」サイトにアクセスするだけで利用可能なサービス。

同サービスでは、AIアルゴリズムによってカメラ映像から利用者の顔の動きやまばたきを読み取り、画面内のVRMキャラクターにリアルタイム反映させる。ハンドトラッキングにも対応しており、腕や手のひら、指の動きを3Dモデルに反映できる。なお、AIによる顔のトラッキングや骨格推定はすべてウェブブラウザー内でのみ行われ、利用者のカメラ映像がインターネット上に送信されることはない。

顔の表情は「笑顔」「困り顔」「怒り顔」などがプリセットされており、画面上の表情アイコンやショートカットキー(1~5の数字)により変更可能。キャラクターアバターも複数モデルに切り替え可能で、利用者によるオリジナルVRMモデルのアップロードにも対応する。

動画配信ツールOBSなどで画面合成して配信したい場合、背景をグリーンバックに変更する必要がある。画面上の操作ボタンは非表示にできる。配信中のキャラクターのサイズ変更は、ショートカットキーとして「i」(ズームイン)、「o」キー(ズームアウト)を利用する。

対応OSは、Windows、Mac(M1以降推奨)、対応ブラウザーはChrome、Firefox。利用マニュアルも同時に配信している。

NICTのホログラムプリント技術を応用、多人数がフォトリアルな画像を裸眼立体視できる透明ARディスプレイ開発

NICTのホログラムプリント技術を応用、多人数がフォトリアルな画像を裸眼立体視できる透明ARディスプレイ開発

透明ARディスプレイ(左)とモデル本人(右)

情報通信研究機構(NICT)は1月31日、ホログラフィックフィルム1枚と複数のプロジェクターのみで構成される簡便な透明ARディスプレイで、フォトリアルな顔の3D表示を実現させたと発表した。これはNICTのホログラムプリント技術を応用したシステムで、3Dメガネを使わず裸眼で3D画像を見ることができる。

NICTは、2016年にすでに透明スクリーンに3D画像を投影する技術を開発している。コンピューターで設計した光の波面をホログラムとして記録できるNICT独自のホログラムプリンター「HOPTEC」で光学スクリーンを製作し、大型のプロジェクターで映像を投影するというシステムだったが、今回はそれよりもずっと簡素な構造になった。

ホログラムプリント技術(HOPTEC)

ホログラムプリント技術(HOPTEC)。NICTが開発している、計算機合成ホログラムを光学的に再生し、再生された波面をホログラム記録材料に物体光としてタイリング記録するホログラム露光技術。HOPTECにより、デジタルに設計した光学機能をホログラフィック光学素子として透明なフィルムにプリントできる

透明AR(Augmented Reality)ディスプレイシステム

透明AR(Augmented Reality)ディスプレイシステム

透明ARディスプレイは、対角35cm、水平視野角60度、垂直視野角10度というもので、3Dメガネなどを用いることなく、多人数が裸眼で立体映像を見ることができる。投影は、安価な小型プロジェクターを30台を使って行われ、フルカラーでの表示が可能。投影される画像は、凸版印刷が所有する高精度の人体測定が可能な装置「ライトステージ」(南カリフォルニア大学開発)で作られた。

高精細な顔計測データから成る映像を透明ARディスプレイ上に3D表示した様子

高精細な顔計測データから成る映像を透明ARディスプレイ上に3D表示した様子

このNICTと凸版印刷の共同研究は、NICTが3D投影技術を、凸版印刷が人体の高精細な計測によって生み出されるデジタルコンテンツを提供するという形で今後も進められる。そもそも、「3Dコンテンツを使用した新しいコミュニケーションの可能性」を目指して行われてきた研究だが、デジタルツインや仮想キャラクターといった使い方だけでなく、「人体を3D表示させた手術トレーニングや手術支援」など、医療をはじめとする様々な分野での適用を進めてゆくという。さらに、3Dコンテンツの高精細化、システムの簡素化、柔軟性を高め、CAD、BIM、点群データなど各種3Dデータに対応させることにより、建設や教育分野にも貢献できる技術開発を目指すとしている。

バーチャル空間プラットフォームXR CLOUDを手がけるmonoAIが7.5億円調達、メタバース市場拡大見据え開発・事業強化

バーチャル空間プラットフォームXR CLOUDを手がけるmonoAIが7.5億円調達、メタバース市場拡大見据え開発・事業強化

monoAI technology(monoAI)は1月31日、総額7億5000万円の資金調達が完了したと発表した。引受先は、Sony Innovation Fund、GMCM VENTURES PTE. LTD.、きらぼしキャピタル夢・はばたき1号投資事業有限責任組合、アドウェイズ、イグニス、個人投資家。累計調達額は15億2500万円となった。メタバース市場のさらなる拡大を見据え、monoAI独自技術によるバーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD」(エックスアールクラウド。Android版iOS版)の開発と事業強化を推進する。

monoAIのXR CLOUDは、標準時には1000人の同時多接続サービスを提供、企業ニーズに応じて順次同時接続10万人規模まで拡大提供可能というプラットフォーム。iOS・Android・Windows・MacOSに対応し、マルチデバイス環境でバーチャルイベントが展開できる。

2013年1月設立のmonoAIは、「先進技術で、エンタメと社会の未来を創造する。」を理念とし、ゲームの技術をベースにエンターテインメントから仮想オフィス、バーチャル展示会といったソリューションまで、幅広いコンテンツを提供。通信・AI・ゲームエンジンを駆使したサービスで、バーチャルとリアルのパフォーマンスを最適化し、社会に貢献するとしている。

また、独自開発のXR開発プラットフォームとテンプレートを活用することで、顧客の依頼から最短1週間で個別の企業ニーズにカスタマイズしたメタバース上で展開するイベントを企画・制作・開発および運営サービスを提供可能。顧客は、XRやITに関する技術的な知識を特に必要としないとせず、就職セミナー、新商品発表会、自社開催の会議・カンファレンスなどの用途で活用されているという。

なお同社は、阪急阪神ホールディングスが3月12~13日に開催する「JM梅田ミュージックフェス(β)」において、XR CLOUDを提供。大阪・梅田の街をバーチャル3D空間に忠実に再現したJM梅田(Japan Multiverse 梅田)で実施されるオンライン音楽祭というもので、XR CLOUDおよびメタバース領域のノウハウで協力している。

韓国NAVER Zがメタバースクリエイター向けの約115億円ファンドを設立

韓国のインターネット複合企業NAVER Group(ネイバーグループ)は、若いユーザーをターゲットにした最もホットなインターネットトレンドに乗り続けている。メッセージサービス大手のLINE人気の自撮りアプリSnowを手がけたのも同社だ。そして今、RobloxやEpic Gamesなどの大手ゲーム会社で話題になっているメタバースという最新のコンセプトに向かっている。

3DアバターアプリZepetoを運営するNAVERの子会社であるNAVER Zは、クリエイターがスマートフォン、PC、VR機器向けに2Dおよび3Dコンテンツを開発できるプラットフォームUnityを搭載した新開発のプラグインを宣伝するため、今後数カ月内に1億ドル(約115億円)のファンドを設立する。

リリースから4年となるZepetoは、エンターテインメント、ゲーム、ソーシャルネットワーキングを融合させた体験を提供している。ユーザーは、自撮りした写真を3Dアバターに変換したり、デジタル空間をデザインしたり、他のユーザーと交流したりすることができる。NAVER Zの最高戦略責任者であるRudy Lee(ルディ・リー)氏はTechCrunchに、Zepetoの月間アクティブユーザー数は2020年5月の1000万人から1月時点で2000万人に増加したと語った。

同アプリの登録ユーザーは1年半前からほぼ倍増して2億9000万人となり「ワールド」という、Robloxの「エクスペリエンス」に相当するユーザー生成型の仮想空間での平均セッション時間は30分だという。

Zepetoは世界中にユーザーを抱えているが、特に韓国と中国の10代から20代前半の女性に人気がある。ターゲット層を考えれば、GucciRalph Laurenなどのデザイナーブランドや、BlackpinkやSelena Gomezといったセレブが、Zepetoを使って自社ブランドのデジタル体験を構築しているのは当然だろう。現実の世界ではほとんどの人にとって法外に高価なデザイナーズアクセサリーが、Zepetoの仮想世界では突然手ごろな値段になる。

1億ドルのクリエイターファンドは、Zepetoがサポートする「メタバース」体験を多様にすることを可能にする。NAVER Zは、Zepeto上で3D体験を生成するUnityプラグインを使用する有望なスタジオに出資する予定だ。また、プラグインを使用するZepetoの非常に有望なクリエイターには、再生、訪問、アクティブユーザーなどのパフォーマンス指標に基づいて、現金報酬を提供する。

この取り組みは、ソフトバンクビジョンファンド IIが主導し、Mirae Asset、大手のKポップタレント事務所、およびその他の投資会社が参加した、Naver Zの2021年の1億9000万ドル(約219億円)という大型のシリーズBラウンドのおかげだ。

多くのバーチャルエンターテインメントプラットフォームと同様、Zepetoは収益化をアイテム販売に頼っている。2018年の立ち上げ以来、20億個のアイテムを販売し、2020年半ばの販売数は6億個だった。売上最多のクリエイターの2021年の粗利益は50万ドル(約5800万円)だった。

画像クレジット:Zepeto

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

Oculusで人気のVRオープンワールドRPG「A Township Tale」開発元のAltaがシード資金14.2億円調達

バーチャルリアリティ(VR)のメタバーススタジオであるAlta(アルタ)は、Makers Fund(メーカーズ・ファンド)とAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が共同主導したシードラウンドで、1240万ドル(約14億2000万円)の資金を調達したことを、米国時間1月26日に発表した。他にもPioneer Fund(パイオニア・ファンド)、Boost VC(ブーストVC)、muru-D(ムルD)、Thomas Rice(トーマス・ライス)などの投資家が参加した。

この資金は、独自のコンテンツやIPのさらなる開発、チームの拡大、新しいプラットフォーム向けゲームの展開に使用する予定であると、Altaの共同創業者兼CEOであるTima Anoshechkin(ティマ・アノシェチキン)氏はTechCrunchに語った。今回の資金調達により、同スタートアップの企業価値は6200万ドル(約71億円)になるという。

アノシェチキン氏とJoel van de Vorstenbosch(ジョエル・ファン・デ・フォルステンボス)氏、Boramy Unn(ボラミー・ウン)氏によって2016年に設立され、現在はシドニーとサンフランシスコに拠点を置くスタートアップ企業は「A Township Tale」を制作するVRゲーム開発会社としてスタートしたと、アノシェチキン氏は語る。A Township Taleは、すべてのユーザーが自分独自の中世ファンタジー的な仮想世界を持ち、他のユーザーと共有できるVRオープンワールドRPGだ。

Altaは2021年半ばに、Oculus Quest 2(オキュラス・クエスト2)向けに最初のVRゲームを発売して人気を博した。発売後、このゲームはOculusのチャートで7週間以上にわたって1位を獲得し、同プラットフォームの歴史的なエンゲージメント指標を生み出したと、Altaは述べている。さらに、このスタートアップの収益は、開始当初から10倍になったと、アノシェチキン氏は収益の具体的な数字を示さずに語った。Altaには現在、約50万人のユーザーがいると、同氏は付け加えた。

「Altaは、人々を結びつける世界を創造するという1つの探求から始まりました」と、アノシェチキン氏は語る。「今回の資金調達は、主力ゲームの成長だけでなく、そのビジョンを拡大するために役立ちます。また、これによって私たちはチームを拡大し、協力し合える新たな機会やパートナーシップを作り、VRやその他のプラットフォームを問わず、世界クラスの技術を開発し続けることができます。いつ、どこでプレイしていても、私たちの体験は常に魅力的で、シームレスで楽しいものになるでしょう」。

アノシェチキン氏によれば、Altaの次の目標は、メタバースの要素を取り入れながら、複数のプラットフォームで仮想世界のネットワークを拡大・構築することだという。同社の技術が他の競合他社と異なる点は、プロシージャル生成に大きく依存していることだ。プロシージャル生成とは、コンピュータのアルゴリズムと人間が作成した素材データを組み合わせ、大量のコンテンツをシームレスに自動生成する方法で、これによって同社の仮想世界は構築されると、アノシェチキン氏は説明する。

Altaでは、早ければ年内にも新たな資金調達を行い、全世界で人員を増強することを計画していると、AltaのCOOであるAllison Howard(アリソン・ハワード)氏は述べている。同社は現在、オーストラリアと米国にオフィスを構えているが、近い将来に欧州とアジアのより多くの国に参入する計画を持っていると、ハワード氏は付け加えた。

ここ数年、VR技術のエコシステムは着実に成長してきた。消費者向けVR市場は、2020年の26億ドル(2980億円)から、2023年には50億ドル(約5730億円)以上に達すると予測されている。

「私たちは2年前から、深い没入感のある空間を構築して協力しながら探索するというAltaの魅力的なビジョンのファンであり、ティマと彼のチームが最初の大きなマイルストーンを達成したことに引き続き感銘を受けています。それは、洗練された高度にシステム化されている世界を創造し、それがまだ出来たばかりの段階から、コミュニティに愛されているということです」と、Altaの取締役会に参加することになったMakers Fundの創業パートナーであるJay Chi(ジェイ・チー)氏は語っている。

「このチームは、高い技術力と決断力を持ち、熱心なコミュニティが成長できるような魅力的な体験を構築することに情熱を注いでいます。これは、ゲームとソーシャルプラットフォームがますます交差するという我々の確信と完全に一致しています。特にこの2年間で、VRの普及とともにメタバースの成長を目の当たりにしてきた私たちは、このコミュニティに貢献し、成長し続けるAltaとパートナーを組めることに興奮しています」と、a16zのパートナーであるAndrew Chen(アンドリュー・チェン)氏は述べている。

画像クレジット:Alta

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(文:Kate Park、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【コラム】いずれメタバースは、あなたをモニターし行動を操作する世話役AI「ELF」で埋め尽くされる

メタバースはマーケティング上の誇大広告に過ぎないという人もいれば、社会を一変させると主張する人もいる。私は後者に属するが、多くの人が提唱しているようなアバターで埋め尽くされたアニメの世界について言っているのではない。

むしろ、社会を変えるような真のメタバースは、現実世界上の拡張レイヤーであり、10年以内にショッピングや社交からビジネスや教育まで、あらゆるものに影響を与え、私たちの生活の基盤になると考えている。

関連記事:【コラム】Web3の根拠なき熱狂

また、企業が管理するメタバースは社会にとって危険であり、積極的な規制が必要だと考えている。なぜなら、プラットフォームのプロバイダーは、SNSが古いと感じるようなやり方で消費者の操作が可能になるからだ。多くの人は、データ収集やプライバシーに関する懸念に共感しているが、メタバースで最も危険なテクノロジーであろう人工知能を見落としているのではないか。

実際、メタバースのコアテクノロジーを挙げろといわれれば、たいてい人はアイウェアを中心に、グラフィックエンジンや5G、あるいはブロックチェーンなどを挙げるだろう。しかし、それらは私たちの没入型未来の仕組みに過ぎない。メタバースにおいて糸を操り、私たちの体験を創造(操作)するテクノロジーはAIなのだ。

人工知能は、私たちのバーチャルな未来にとって、注目を集めるヘッドセットと同じくらい重要な存在になるだろう。そしてメタバースの最も危険な部分は、他のユーザーと同じような見た目で、他のユーザーと同じように行動するが、実はAIによって制御された模擬人格である課題志向の人工主体だ。彼らは私たちに「会話的操作」を行い、人工主体が本物の人間でないことに気づかないうちに、広告主に代わって私たちをターゲットにするだろう。

特に、AIアルゴリズムが表情や声の抑揚を読み取って私たちの感情状態を監視しながら、私たちの個人的な興味や信念、習慣や気質に関するデータにアクセスするようになると危険だ。

SNSにおけるターゲット広告が操作的だと思うかもしれないが、これはメタバースで私たちに関わる会話型エージェントの比ではない。彼らは人間のどんな販売員よりも巧みに私たちに売り込み、単にガジェットを売るだけでなく、最も資金を支払った人のために政治的プロパガンダやターゲットとなる誤報を押し付けてくるだろう。

そして、これらのAIエージェントは、メタバースにおける他の人と同じように見え、同じように話すので、広告に対する私たちの自然な懐疑心は働いてくれない。これらの理由から、私たちはAIによる会話エージェントを規制する必要がある。特に、AIが私たちの顔や声の情緒にアクセスでき、私たちの感情をリアルタイムで私たちに対して利用することが可能になる場合だ。

これを規制しないと、AIドリブンのアバターの形をした広告は、あなたが疑っているのを察知して、文章の途中で戦術を変え、あなた個人にインパクトを与える言葉や画像にすばやく照準を合わせてくるだろう。2016年に書いたように、AIが学習して世界最高のチェスプレイヤーや囲碁の棋士に勝てるなら、消費者を揺さぶることを学習して私たちの利益にならないものを買わせる(そして信じさせる)のは朝飯前だ。

しかし、私たちに向かってくるすべてのテクノロジーの中で、メタバースにおいて最も強力かつ精緻な強制力を持つことになるのは、私が「エルフ」と呼ぶものだ。この「デジタル生活促進者(electronic life facilitators、ELF)」は、SiriやAlexaのようなデジタルアシスタントの自然な進化形だが、メタバースでは姿なき声にはならない。消費者ごとにカスタマイズされた擬人化された人格になるだろう。

プラットフォームのプロバイダーは、これらのAIエージェントを仮想ライフのコーチとして販売し、あなたがメタバースを探索している間、1日中しつこく付きまとう。そして、メタバースは最終的に現実世界の拡張レイヤーとなるので、デジタルエルフは、あなたが買い物をしていても、仕事をしていても、ただぶらぶらしているだけでも、どこにいてもあなたと一緒にいることになる。

そして上記のマーケティングエージェントのように、これらのエルフたちは、あなたの顔の表情や声の抑揚、そしてあなたの生活の詳細なデータ履歴にアクセスし、あなたに行動や活動、製品やサービス、さらには政治的見解に至るまでをそっと促すようになる。

そして彼らは、今日のような粗雑なチャットボットではなく、身近な友人、親切なアドバイザー、気遣いのできるセラピストのような、人生において信頼できる人物として認識されるようになるキャラクターとして具現化される。しかも、友人にはできないような方法で自分のことを知り、血圧や呼吸速度に至るまで、自分の生活のあらゆる面を(信頼できるスマートウォッチを通じて)モニタリングする。

そう、これは不気味だ。だからこそプラットフォームのプロバイダーは、付きまとってくる人間サイズのアシスタントというよりも、あなた自身の「人生の冒険」の魔法のキャラクターのように見える、無邪気な特徴と物腰を持つ、かわいくて脅威を感じさせないエルフを作るのだろう。これが私が「エルフ」という言葉を使って表現した理由だ。エルフは、あなたの肩越しにいる妖精、あるいはグレムリンやエイリアンのような見た目かもしれないからだ。こうした小さな擬人化したキャラクターは、耳にささやいてきたり、私たちの前に飛び出して、こちらに注目して欲しい拡張世界のものに注意を引かせたりすることができる。

これが特に危険な点だ。規制がなければ、こうした「人生のお世話役」はお金を払った広告主に乗っ取られ、現在のSNSのどんなものよりも優れた技術と精度であなたをターゲットにすることになるだろう。そして、今日の広告とは異なり、これらの頭の良いエージェントは、かわいい笑顔やくすくすした笑いとともにあなたの周りを付きまとい、一日をガイドすることになるのだ。

このようなことが実際にどのように起こるのか、ポジティブな面もネガティブな面も伝えるために、2030年以降にAIが私たちの没入型ライフをどのように導いていくのかを描いた短いストーリー、「Metaverse 2030」を書いた。

最終的に、VR、AR、AIの技術は、私たちの生活を豊かにし、向上させる可能性がある。しかしこれらが組み合わさると、イノベーションは特に危険なものになる。これはこのような技術に共通する強力な特性、つまりコンピュータで作られたコンテンツがたとえ意図的に作られた捏造であっても、本物であると信じさせることができるという特性が理由だ。この強力なデジタル欺瞞能力こそが私たちがAIを活用したメタバースを恐れるべき理由であり、それが宣伝目的でユーザーにサードパーティアクセスを販売する強力な企業によって管理されている場合には特にそうなのだ。

メタバースの技術に問題が根付いてしまって元に戻せなくなる前に、消費者や産業のリーダーが意義のある規制を推進してくれることを期待して、私はこれらの懸念を提起したいと思う。

編集部注:本稿の執筆者Louis Rosenberg(ルイス・ローゼンバーグ)氏は、仮想現実と拡張現実のパイオニアであり、Unanimous AIのCEO。

画像クレジット:TechCrunch/Bryce Durbin

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(文:Louis Rosenberg、翻訳:Dragonfly)