セールス向けオンラインミーティングツール「Demodesk」が約2億5000万円を調達

米国時間10月23日、ドイツ・ミュンヘンを拠点とするDemodeskは230万ドル(約2億5000万円)のシード資金を調達したと発表した。同社はオンラインのセールスミーティングの変革を目指す、アーリーステージのスタートアップだ。

画像:Kelvin Murray / Getty Images

投資したのは、GFC、FundersClub、Y Combinator、Kleiner Perkins、そして匿名のエンジェル投資家グループ。DemodeskはY Combinatorの2019年冬学期に参加していた。

CEOで共同創業者のVeronika Riederle(ヴェロニカ・リーデル)氏は「同社のセールスに特化したミーティングツールは、Zoom、WebEx、GoToMeetingなどの汎用的なツールとは異なる」という。「我々は顧客と対面して話す、初のインテリジェントなオンラインミーティングツールを作っている。インサイドセールスやカスタマーサービスに適したツールだ」と説明する。

「画面共有のユニークなアプローチが技術的なポイントのひとつだ」とリーデル氏は語っている。ミーティングソフトウェアはたいていダウンロードが必要だが、Demodeskでは必要ない。リンクをクリックするだけで参加できる。オンラインになった両者がライブの画面を見ながら会話をすることができる。一方的に見せて説明するのではない。

さらに、セールスでスライドプレゼンテーションを使う場合、顧客とセールス担当者には同じライブ画面が表示されるが、プレゼンテーションのノートはセールス担当者にだけ表示される。

リーデル氏は、同社のツールはカスタマーサービスからITのヘルプデスクまでさまざまな場面に使えるが、開発の現段階ではセールスの場面に集中し、その後時間をかけて対象を広げていきたいという。サービスの利用形態はサブスクリプションで、1ユーザー/1カ月あたり19ドル(約2000円)から利用できる。

同社には、Y Combinatorに参加した時点ですでに動作している製品があって有料の顧客がいた。しかしリーデル氏は、Y Combinatorに参加した経験がビジネスの成長に役立ち、100社以上の顧客を獲得できたという。「YCは我々にとってきわめて重要な機会だった。創業者や将来の顧客のネットワークにすぐに参加できたことはとても有意義で、我々が本当の意味でビジネスを発展させる基盤となった」。

同氏はCTOのAlex Popp(アレックス ・ポップ)氏とともに2017年にドイツ・ミュンヘンで同社を創業。今回のシードラウンド以前は、ほぼ自力で会社を立ち上げた。約2億5000万円を調達したことで、人を雇い、製品をさらに発展させ、顧客ベースを広げるためのセールスとマーケティングを進めていくことになるだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

AWS S3の膨大な公開データを検索できるQuilt Dataが脱ステルス,無料利用も可

Quilt Dataを創ったKevin Moore(ケヴィン・ムーア)氏とAneesh Karve(アニッシュ・カーヴ)氏はこれまでの4年間、AWS S3のストレージ上にある大量のデータを素早く検索するプラットホームの構築に努めてきた。それはデータサイエンティストたちにS3のバケット内にデータを見つける方法を提供し、さらにそのデータを企業が利用できる形にパッケージすることが目的だ。米国時間9月19日、同社は無料のデータ検索ポータルとしてステルスを脱し、その企業向けサービスを提供するだけでなく、S3の23のリポジトリに存在する3.7PB(ペタバイト)の公開データへの貴重なアクセスを提供する。

それらの公開データに含まれるのは、一般的に利用できるAmazonのレビューのデータや衛星画像、およびそのほかの価値ある一般公開情報だ。使い方はそのほかの検索エンジンと同じくクエリを入力するだけだが、それはウェブや企業のデータリポジトリを検索するのではなく、AWSのS3ストレージに結果を見つける。

検索結果には、探していたデータだけでなく、データサイエンティストたちが機械学習のモデルの構築のために使う標準的なワークスペースであるJupyterノートブックなど、そのデータに関する情報も含まれる。データサイエンティストたちはこれを、自分の機械学習モデルを作るためのベースとして利用できる。

公開データには100億あまりのオブジェクトも含まれ、データサイエンティストにとってはありがたいリソースだが、Quilt Dataがこのデータのアクセスを提供するのは純粋な愛他主義からではない。それはQuilt Dataのプラットホームにできることを広くいろんな人に見せたいからであり、それによって企業に同社プロダクトの商用バージョンを使ってもらいたいからだ。

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Quilt Dataの検索結果と見つかったデータに関するデータ(画像提供:Quilt Data)

Quilt Dataは無料で利用できるが、Amazon Marketplaceで継続購入してもいい。その場合の料金はS3の1つのバケットにつき月額550ドルだ。優先的なサポートやカスタマイズ、教育・研修などのサービスが付随するエンタープライズバージョンもある。こちらは、S3の1つのバケットにつき月額999ドルだ。

同社は2015年に創業され、Y Combinatorの2017年夏季を受講した。これまでY CombinatorやVertex Ventures、Fuel Capital、Streamlined Ventures、そしてそのほかの匿名の投資家から420万ドルのシード資金を調達している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

デジタル契約プラットフォームのIroncladが約54億円を調達

米国時間9月17日、法務部門が契約のワークフローを管理しやすくすることを目指すスタートアップのIroncladが、シリーズCで5000万ドル(約54億円)を調達したと発表した。このラウンドはY Combinator Continuityが主導し、Emergence Capitalや、これまでも投資してきたAccelとSequoia Capitalなどが参加した。Crunchbaseによれば、このラウンドでIroncladのこれまでの調達額の合計は8300万ドル(約90億円)になった。Ironcladは、Y Combinatorの2015年夏学期に参加していた。

Ironcladはこの資金調達に加え、Workflow Designerというツールも発表した。このツールを使うと、それぞれの業務のプロセスやタイムラインに基づいて簡単にオリジナルのワークフローを作ることができる。ワークフローのセットアップはわかりやすそうだ。既存の契約書にタグ付けした後、該当する書類の内容に応じてプロセスをセットアップできる。例えば、契約が一定の金額を超えたら、支払の条項を追加したり金額によって承認プロセスをセットアップしたりする。

Workflow Designerは、契約のライフサイクルを管理し法的書類の共同作業をする同社の既存のツールを補完する。

Ironcladは、今回の資金を使って新たな地域に進出し、製品を発展させるという。

Ironcladの共同創業者でCEOのJason Boehmig氏は「このラウンド、そして我々の継続的な成長は、世界中のあらゆる企業に対する契約業務の効率化に大きなチャンスがあることの表れだ。今回参加した新しい投資家は、後期ステージの企業の経験をより深いものにし、クラウド企業の将来についてのビジョンをもたらしてくれる。新たな資金で、契約業務にかかる時間を85%短縮するWorkflow Designerのような革新的な製品の開発をさらに進める」と述べている。

画像:peepo / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

旅をしながら働く「世界中の」デジタルノマドに医療保険を提供するSafetyWing、約3億7000万円を調達

SafetyWingのCEO、Sondre Rasch氏

場所に縛られずに旅をしながらIT業界で働くデジタルノマド向け医療保険「SafetyWing(セーフティーウイング)」を開発するSafetyWingが350万ドル(約3億7000万円)をシードラウンドで調達した。引受先はリードのbyFounders、そしてCredit Ease Fintech FundやDGインキュベーションを含む。

SafetyWingは2018年冬季のY Combinator出身のスタートアップだ。同社が提供するSafetyWingは月額(4週間、28日)37ドル(米国では68ドル)の保険料で、北朝鮮などの一部の国を除いた約180ヵ国で使える医療保険を提供する。これは年齢が18歳から39歳の場合であり、他の年齢層は値段が変わってくる。東京海上と提携し、プランを運営している。

「デジタルノマド向け」のため、すでに旅の途中でもSafetyWingに登録することができ、サブスクのように、終了日を設定しない限りは28日ごとに更新されていく仕組みだ。90日ごとに、母国でも30日間(米国では15日間)は保険が適応され、生後14日から10歳までの子供も、追加料金なしで、大人1人につき子供1人、家族単位だと子供2人まで、追加コストなしでSafetyWingがカバーする。

TechCrunch Japanでは4月にSafetyWingのCEO、Sondre Rasch氏をサンフランシスコで取材したが、その際に同氏は「5年から7年ほど前からデジタルノマドの数は急速に増えてきた」と話した。SafetyWingが算出した数字によると、この世界には「2500万人ほど」のデジタルノマドが存在し、2035年には10億人ものデジタルノマドが存在するというアナリシスもある。

Rasch氏はビデオチャット、Slack、Dropbox、Google Docsなどのツールの台頭が、デジタルノマドたちのフレキシブルなワークスタイルを可能にしたと述べていた。今後、ホテルを賃貸できる「Anyplace」や、日本でいうところの「ADDress」や「OYO LIFE」のようなサービスの増加に伴い、デジタルノマドというワークおよびライフスタイルという選択肢はより多くの人に選ばれるようになるのではないだろうか。

TechCrunchのSteve O’Hear記者の取材に対しRasch氏は、競合は多くないものの、オーストラリアのWorld Nomadsは「類似した」サービスを提供していると説明した。「最大の違いは、我々のサービスがデジタルノマドやリモートワーカーに特化したものだということだ」(Rasch氏)

Rasch氏は以前、新プロダクトである「グローバルセーフティネットをオンラインで実現する」ためのアドオンを2019年中にリリースする予定だと明かしていた。SafetyWingはフルタイムのリモートワーカーを世界中に抱えており、同社オフィスが存在しない国で働く社員にも福利厚生を充分に与えたいが、Rasch氏いわく「あまり良いオプションがない」。新プロダクトは同様な悩みを抱える企業に向けてのものとなるようだ。

ニュースレター有料購読サービスの「Substack」が16.5億円を調達

ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)は、ニュースレターには今も大きな勝機があると考えているようだ。同社はSubstackのシリーズAを主導し、1530万ドル(約16億5000万円)を調達した。

Substackは2年前にニュースレターを有料購読ビジネスにする企業として設立され、その後ポッドキャストとディスカッションスレッドにも対応した。CEOのChris Best(クリス・ベスト)氏が語るように、ライターやクリエイターが自分自身の「パーソナルメディアの帝国」を運営することを目指している。

Substackを利用しているライターには、Nicole Cliffe(ニコール・クリフ)氏Daniel Ortberg(ダニエル・オートバーグ)氏Judd Legum(ジャド・レガム)氏Heather Havrilesky(ヘザー・ハバイルズキー)氏Matt Taibbi(マット・タイービ)氏などがいる。同社のプラットフォームで発行されているニュースレターには5万人の有料購読者がいて(10月には2万5000人だった)、最も人気のある書き手はすでに相当な金額を稼いでいるという。

自身がブロガーでありニュースレターのライターでもあるAndreessen HorowitzのAndrew Chen(アンドリュー・チェン)氏は、Substackの取締役を務めている。チェン氏の考えによれば、Substackは古いものと新しいものを組み合わせていて、ライターは以前から存在する「熱心なオンラインコミュニティ」にリーチしつつ、読者から直接お金を集めることのできる「マイクロアントレプレナーシップを実現する新しい方法」を追求できるという。「この2つが両立すれば特別なことになる」とチェン氏は言う。

Substackがかつて参加したY Combinatorも資金調達に加わった。

Substackのメンバーは、共同設立者であるベスト氏、CTOのJairaj Sethi(ジャラジ・セティ)氏、COOのHamish McKenzie(ヘイミッシュ・マッケンジー)氏の3人で、ベスト氏の家のリビングで仕事をしているという(その3人が上の写真だ)。新たに資金を調達したが、ベスト氏とマッケンジー氏は慎重に成長していきたいと語る。

マッケンジー氏は「我々は信頼性と安定性のあるSubstackから収入を得るライターのことを考えている。そこを逸脱して多くのスタートアップが陥りがちな誤りをすることのないようにしたい」と言う。

とはいえ、同社はリビングを出てチームを大きくする予定だ。ベスト氏は、クリエイターが同社のプラットフォームを最大限に活用し、ビデオなどほかのフォーマットにも展開できる「ライターの成功」ツールをさらに構築する計画であると語った。

マッケンジー氏は、Substackが成長しても「読者との関係を自分で所有したい人々」のためのサブスクリプション製品に取り組み続けていくと言う。ベスト氏は、こうしたアプローチによって「くだらない暴言、注目、中毒性」を狙ってオンラインニュースを発行する意欲が削がれると述べている。「これは文化を創造するのに適したモデルだ」とも付け加えた。

ニュースレターのブームが飽和するかどうかはともかくとして、新しいニュースレターが読者を獲得するのは難しい。ほとんどの読者にとって購読するニュースレターの数にはおそらく限りがあると、Best氏は認める。しかし同氏はこう語る。「そうだとしても、ニュースレターは成功するモデルになり得る。有料購読の魅力は、何百万人もの読者を獲得しなくてもいいということだ」。

画像:Substack

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(翻訳:Kaori Koyama)

Y Combinator社長からAI研究組織CEOに転身したサム・アルトマンの挑戦

今年の初め、起業家で投資家のサム・アルトマン(Sam Altman)氏は、Y Combinatorの社長という注目される役職を離れOpenAIのCEOとなった。OpenAIは2015年の末にハイテク業界の最も著名な人たちによって設立されたAI研究組織である。この組織が目指すのは、創業者の1人であるイーロン・マスク(Elon Musk)氏がニューヨークタイムズへ回答したように、人工知能が「安全な方法で開発され、人類にとって有益なものであること」を確実にすることだ。

この動きは多くの意味で興味深いものである、なにしろ汎用人工知能(あるいは機械が人間に並べるくらい賢くなる能力)はまだ存在しておらず、AIのトップ研究者たちでさえ、それがいつになるのかについてはっきりとはとても言えないのだから。アルトマン氏のリーダーシップのもとで、もともとは非営利組織だったOpenAIは、「これからの数年のうちに大規模クラウドコンピューティング、才能ある人材の確保、そしてAIスーパーコンピューターの開発に対して数十億ドル規模の投資をする必要がある」というコメントを発しつつ、利益を目指す企業として組織変更を行った。

OpenAIが、それほどまでに多額の資金を集めることができるかどうかはまだわからないが、私たちはもしそれが実現されるとしたら、アルトマン氏自身の力によるものだろうと予想している。5月16日夜にステージ上で行われた、YCの進化からOpenAIでのアルトマン氏の現在の仕事までを網羅した拡大インタビューは、観衆をあっという間に魅了する力があった。

例えばYCでは、リーンネスと「ラーメン代がまかなえる利益率」が、一般的なアクセラレータープログラムの卒業生たちが目指すゴールだった時代もあったことを語り合った。しかし最近のゴールはすぐにでも数百万ドル、あるいは数千万ドルをベンチャーファンドから調達することになっているように思える。

「もし私が市場をコントロールすることができるなら、明らかに自由市場は勝手に進んで行きますが、私はYC企業たちには調達しようとしている金額や評価額を上げさせないでしょう」とアルトマン氏はこの小さな業界向けイベントの中で聴衆に語りかけた。「一般的に、それはスタートアップにとって良くないことだと思っているのです」。

アルトマン氏はまた、個人的だったり時に陳腐だったりする質問を投げかけられても率直に答えていた。さらには、このイベントのためにたまたま街にいた母親との、長期にわたる親密な関係についての話まで提供してくれた。彼は、彼女が「絶対に」信頼しているほんのひと握りの人々の一人だと語っただけでなく、その小さな輪の外の人々からの率直なフィードバックを得ることが、時間とともに難しくなっていることを認めた。「キャリアのある時点になると、人びとがあなたの気分を害したくないと思ったり、あなたが聞きたくないような話をしたくないと思ったりするようになります。もちろんこの時点で私が手にしているものは、フィルターがかけられ事前に計画されたものであることを、私ははっきりと意識しています」。

確かに、アルトマン氏は、多くの人たちよりは動き回れる範囲が大きい。このことはアルトマンがY Combinatorを5年にわたって運営したやり方(基本的に何度も規模を拡大した)から明らかなだけではなく、OpenAIについての彼の議論の仕方からも、彼の現在の思考が一層大胆なものであることは明白である。確かに、木曜日の夜にアルトマン氏が語ったことは、もし他の誰かが語ったならば、単なるたわごととみなされるようなものが多かった。アルトマン氏が語ることで、聞く者が驚かされることになるのだ。

例えば、OpenAIがどのように収益を上げることを計画しているのか(私たちは、成果の一部にライセンスを設定するのかを知りたいと思っていた)という質問に、アルトマン氏は「正直な答は『まだ何もない』ということです。私たちはいかなる収益も上げたことがありませんし、現段階では収益を上げる計画もありません。一体どうすれば、いつの日か収益を上げられるようになるのかがわからないのです」と答えている。

アルトマン氏は続けて、次のように述べた「私たちは投資家の皆さんに『もし汎用人工知能を開発できたら、それに対して投資家の皆さんにリターンを行う方法を考えて欲しいと依頼するつもりです』という、厳しくない約束をしているのです」。聴衆が爆笑したときに(なにしろ彼が真剣なのだとは思えなかったのだ)、アルトマン氏はこれはまるでドラマの「シリコンバレー」のエピソードのように聞こえるかもしれないと言いつつも「もちろん笑っていいんですよ。全然構いません。でも、それは本当に私が信じていることなのです」と付け加えた。

またアルトマン氏のリーダーシップの下で、OpenAIは投資家に最大100倍の利益を還元してから余剰利益を他に分配する、「上限利益」(capped profit)企業となったが、それは何を意味するのかという質問も行われた。私たちはその100倍という数字がとても高い目標であることに注目している。なにしろ旧来の営利企業に投資する投資家たちが、100倍近いリターンを得ることなどは滅多にないからだ。例えば、WhatsAppに対する唯一の機関投資家であるSequoia Capitalは、Facebookに220億ドルで売却したときに、同社が投資していた6000万ドルの50倍のリターンを得たと報じられた。素晴らしいリターンだ。

しかしアルトマン氏は、「上限利益」が、ちょっとしたマーケティング上の工夫であるという意見に反論し、なぜこれが理にかなっているのかについて改めて強調した。より具体的に言えば、彼は汎用人工知能がもたらす機会はとてつもなく巨大であり、もしOpenAIがなんとかこの扉をこじ開けられたとするならば、おそらく「光円錐内の宇宙の、すべての未来の価値を取り込むことができてしまいます。そうなったときに、特定の投資家のグループだけがその価値を独占することは正しいことではありません」と語った(光円錐というのは相対論の中に出てくる用語だがここでは「未来の人類に手の届く全宇宙」といった程度の意味)。

彼はまた、将来の投資家たちは、投資に対するリターンがさらに低く抑えられることになると語った。これは基本的に、リスクをとってくれた初期の投資家たちに、OpenAIが報いたいと思っているからだ。

インタビューを終える前に、私たちはアルトマン氏に対して、AI研究者たちによるさまざまな批判を投げかけてみた。これらの批判は今回のインタビューに先立って行われたもので、特にOpenAIは定性的なものへ注力しており、既に証明された成果の中での根本的な飛躍を目指しているものではないというもの、そしてその「安全」な汎用人工知能を発見するという使命は、不必要に警戒心を煽り、研究者たちの仕事をより難しくしてしまうというものだ。

アルトマン氏はそれぞれの点に対して熱心に回答した。彼はそれらの意見をまったく否定することはしなかった。例えば、OpenAIに対する最も人騒がせな意見に関しても「その中には共感できる部分もあります」と述べた。

それでもアルトマン氏は、たとえ不毛と思う人がいたとしても、人工知能の潜在的な社会的影響について考え、そしてメディアと話し合うために、よりよい議論がなされるべきだと主張した。「OpenAIは恐怖を煽って商売につなげていると言って批判している同じ人が、一方では『Facebookはこれをやらかす前に考えておくべきだったんじゃないか?』と言っています。何かをやってしまう前に、私たちも考えたいと思っているのです」。

インタビュー全体は以下から見ることができる。会話の前半は、主に(現在も会長を務める)YCでのアルトマン氏の経歴に集中している。OpenAIに関する詳細な話は26分付近から始まっている。

画像クレジット: Sara Kerr / StrictlyVC

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(翻訳:sako)

メッセージングAPIツールのSendBirdが第2次シリーズBで累計約133億円調達

米国時間5月6日、数行のコードを追加するだけでアプリにメッセージング機能を組み込める技術を開発、販売しているスタートアップのSendBirdが、第2次シリーズBで5000万ドル(約55億3000万円)を調達したことを発表した。同社が2月に調達した5200万ドル(約57億5000万円)に、さらに追加されたことになる。

新たな調達を主導したのはTiger Global Managementで、第1次シリーズBを主導した投資会社のIconiqからも多額の資金を得ている。Crunchbaseのデータによれば、調達した資金は今回までの合計で1億2000万ドル(約133億円)を超える。

これはシリーズBレベルの企業としては巨額の資金調達だ。このように多額の資金が投資される背景には、アプリ内でのユーザー間メッセージングには巨大な需要があり、市場が急速に成長していることがあると考えられる。メッセージング機能をAPIサービスとして提供すれば、開発者はスクラッチからビルドすることなく自分のアプリにその機能を組み込むことができる。これはコミュニケーションにおけるTwilioや支払いにおけるStripeと同様の価値提案だ。

SendBirdのCEOであるJohn Kim氏は2月に実施した最初のシリーズBの際に、同社はアプリ内メッセージングの機能を開発者が簡単に組み込めるようにすることを目指すと語っていた。

とても柔軟で完全にカスタマイズ可能なホワイトラベルのメッセージング機能です。フルマネージドのインフラストラクチャを提供しています。つまり、モバイルアプリやWebサイトにログインすれば、弊社のメッセージング機能を利用できます。

Kim氏は、今回の追加資金調達は同社が市場に進出する戦略を加速するタイミングで実施したものだという。同氏はTechCrunchに対し「マーケティングとセールスからスタートした後、事業における重要な分野のリーダーを雇用し、そのリーダーたちを中心としたチームを構成することで、私たちは市場進出の推進力を得てグローバルなプレゼンスを拡大しています。このプロセスを加速させるために、シリーズBでは私たちがターゲットとする市場に対してこれまで多額の投資をして強い関係を持っている新たな投資家の協力を得ました」と語っている。

SendBirdは2013年に韓国で設立され、現在の従業員数は100人以上、本社はカリフォルニア州サンマテオにある。同社は2016年のY Combinator冬クラスに参加していた。

画像:Tim Robberts / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

オンライントレーニングのPluralsightがGitPrimeを約190億円で買収

米国時間5月1日、PluralsightGitPrimeを現金1億7000万ドル(約190億円)で買収すると発表した。Pluralsightはウェブ開発、IT資格、セキュリティトレーニングなどのテーマに特化したオンライントレーニングプラットフォームで、GitPrimeは開発チーム向け生産性向上ツールのプラットフォームだ。

GitPrimeはコードのプロジェクトで使用する分析ダッシュボードのようなものだ。GitHubやBitbucketといったサービス上でチームのコードリポジトリを監視して、ユーザーごとのコードのコミット、チケットのアクティビティ、プルリクエストなどへのチームメンバーの取り組みを追跡する。こうしたデータを一目でわかるように視覚化することで、ボトルネックを特定し、どうすればチームの効率が最もよくなるかを明らかにするのに役立つ。

GitPrimeはY Combinatorの2016年冬クラスに参加していた。Crunchbaseによれば、直近のラウンドはシリーズAで1050万ドル(約11億7000万円)だった。

Pluralsightは2018年5月に上場した。同社によればこれがIPO後の初の買収で、来週中に手続きが完了する見込みだという。

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(翻訳:Kaori Koyama)

パフォーマンスレビューをアップデートするLatticeが16億円超を調達

Sam Altman氏の弟、Jack Altman氏も起業家だ。

Teespringの事業開発担バイスプレジデントとしての経歴を持つJack Altman氏。彼のスタートアップで企業の目標設定を最新のアプローチで手助けするLatticeは、シリーズBラウンドで1500万ドル(16.7億円)の資金調達を実施した。 Shasta Venturesがリードしたラウンドには、Thrive Capital、Khosla Ventures、そしてY Combinatorが参加した。

兄のSam Altman氏はつい最近までY Combinatorのプレジデントを務めていた。

Reddit、Slack、Coinbase、Glossierなどの急成長している企業で使用されているLatticeは、人事担当者が社のチームに関する状況を把握するのに役立つ。 同社は2015年に設立された。Jack氏とEric Koslow氏は、多くの起業家のように、自分たちの経験を基にLatticeの構想を思いついた。

「四半期ごとの目標設定(OKR)では、それらを書き出して指導者がチェックした後、『棚に座っても何も起こらない』ということに気が付いた」とJack氏はTechCrunchに語った。

SaaSビジネスであるLatticeは、スタートアップや大企業の特有の文化、管理慣行、および従業員の関与に対するさまざまなアプローチに対応する、柔軟なプラットフォームだ。

GmailやSlackなどのプラットフォームから着想を得たこの製品は、消費者を念頭に置いて設計されている。 チームは、Latticeでは、既存のHRプラットフォームが時代遅れになっていると感じるUIやUXをを持っている、と同社は説明する。

この製品により、従業員やそのマネージャーが、エンゲージメントに関するアンケートを行うこと、フィードバックを共有すること、1対1のミーティングをセッテイングすることなどを簡易化し、結果、会社の目標設定プロセスを全面的に見直すことができる。年に1度ではなく、毎週の従業員に対するパフォーマンスレビューを推奨し、可能とする。

Latticeは現在、顧客数が1200人、従業員数が60人で、2019年第1四半期に初めてキャッシュフローがブレークイーブンに。調達した資金を基に、サンフランシスコに拠点を構えるLatticeはプロダクト開発を加速させる。

Latticeはこれまでに、 SV Angel、Marc Benioff、Slack FundとFuel Capital、Sam Altman、Elad Gil、Alexis Ohanian、Kevin Mahaffey、Daniel Gross、そしてJake Gibsonから資金を調達。同社はY Combinatorのスタートアップ・アクセラレーターを2016年に完了している。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

[US版TechCrunchの記事はこちら]

旅をしながらIT業界で働く「世界中の」デジタルノマドに医療保険を提供するSafetyWing

Safety Wingのco-founder、Sondre Rasch氏

急増するデジタルノマド、足りていなかった「医療保険」

旅をしながら遠隔勤務で仕事をする主にフリーランスのデジタルノマドはこの世界に「2500万人ほど」存在する。そう語るのはデジタルノマドに医療保険を提供するスタートアップSafetyWingの共同創業者、Sondre Rasch氏。数字は同社が算出したものだ。

32歳の彼自身も、もともとはデジタルノマドで、ノルウェー国会ストーティングで政策顧問として務めた後、サンフランシスコを拠点とするまでは様々な国の都市で働いていた。

彼自身、「2ヵ月に一回、国に戻って行わなければならなかった」ノルウェーの旅行保険の更新が面倒で、「自分たち自身が欲しかった」からこそ、SafetyWingの1つ目のプロダクトである、デジタルノマド向け医療保険「SafetyWing」を開発するに至った。

ちなみに、Rasch氏が以前に立ち上げたKonsusは2016年冬季、SafetyWingは2018年冬季のY Combinator出のスタートアップだ。

デジタルノマド向け医療保険「SafetyWing」とは

SafetyWingは月額(4週間、28日)37ドル(米国では68ドル)の保険料で、北朝鮮などの一部の国を除いた約180ヵ国で使える医療保険を提供する。これは年齢が18歳から39歳の場合であり、他の年齢層は値段が変わってくる。

SafetyWingは巨大保険会社である東京海上と提携し、プランを運営している。Deductibleは250ドル、上限額は25万ドル。外来や処方箋はカバーするが、予防治療や特病などは対象外となっている。旅行保険も兼ねているので、旅行中断や、荷物紛失、政治的理由による避難などもカバーする。

「すでに旅の途中」でもSafetyWingに登録することができ、サブスクのように、終了日を設定しない限りは28日ごとに更新されていく。また、90日ごとに、母国でも30日間(米国では15日間)は保険が適応される。生後14日から10歳までの子供も、追加料金なしで、大人1人につき子供1人、家族単位だと子供2人まで、追加コストなしでSafetyWingがカバーする。

SafetyWingの利用者の国籍を多い順にランキングにすると、1) アメリカ、2) カナダ、3) UK、4) オーストラリア、5) ドイツ、6) ノルウェー、7) ブラジル、8) スペイン、9) フランス、10) イタリア。

旅先に選ばれる国のランキングは、1) タイ、2) インドネシア、3) ベトナム、4) マレーシア、5) スペイン、6) アメリカ、7) UK、8) メキシコ、9) カンボジア、10) 日本。

デジタルノマドに適した国や都市に関してより詳しく知りたい方は、短期で不動産をレンタルするスペインのスタートアップSpotahomeがリリースしているランキングや、デジタルノマドが次の目的地を見つける際に利用する代表的なサイトNomad Listを覗いてみてほしい。

今後も増加が見込まれるデジタルノマド、SafetyWingの今後の展開は

Rasch氏の実感では、5年から7年ほど前からデジタルノマドの数は急速に増えてきたという。

「テクノロジーの発展によりオンラインで働くことが容易になった」(Rasch氏)。

ビデオチャット、Slack、Dropbox、Google Docsなどのツールの台頭が、デジタルノマドたちのフレキシブルなワークスタイルを可能にした、と同氏は話す。

これまでに5000人以上のデジタルノマドがSafetyWingに登録してきた。だが、「まだまだ序章にすぎない」(Rasch氏)

2035年には10億人ものデジタルノマドが存在するというアナリシスもあり、「どこからでも働けるのであれば、住み心地がよく生活費の安い都市に引っ越すのは当然だ」と語るRasch氏は、今後SafetyWingの更なる需要拡大を見込んでいる。

そして、SafetyNestは今後、SafetyWingにアドオンを追加していく一方で、「グローバルセーフティネットをオンラインで実現する」ため、新しいプロダクトを開発している最中だ。

Rasch氏いわく「世界中で使える健康保険」。SafetyWingはフルタイムのリモートワーカーを世界中に抱えており、同社オフィスが存在しない国で働く社員にも福利厚生を充分に与えたいが、「あまり良いオプションがない」とRasch氏は話す。

同様な悩みを抱えるスタートアップに向け、この新プロダクトを2019年中にリリースする予定だ。

「このプロダクトであらゆる国のユーザーを獲得していく。インターネットに国境がないからこそ、プロダクトもボーダーレスでなければならない」(Rasch氏)

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(8)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)※この記事

ミッションステージ

AllSome
東南アジアのオンライン販売者のための仮想倉庫とフルフィルメントサービス。その仕組は以下のようなものだ。顧客は自らの在庫をAllSomeの倉庫に対して出荷する。そしてAllSomeは品質保証、保管、ラベリング、梱包および出荷を処理する。AllSomeの創業者は、同社の収益性は高いと述べている。

BearBuzz
BearBuzzは、インフルエンサーのための広告マーケットプレイスを構築している。これにより現在の面倒な交渉よりも、はるかに迅速にものごとを進めることができる。彼らは広告フォーマットを標準化しており、画像と音声認識を介してビデオ広告を自動的に検証することができる。チームは、これらのより迅速なコネクションを推進し、広告費用の25%を受け取ることで、より大きな売上を立てることを計画している。

Point
お得な報奨システムと優れたユーザーエクスペリエンスを備えたデビットカードを提供するデジタル銀行。同社は来月、バーチャルなデビットカードと当座預金口座で稼働を始める予定だ。

MyScoot
インドの都会に住むミレニアル世代が同社のプラットフォームを使ってホームイベントを開くことで、友人と出会える支援をしたいと考えている。ユーザーはサービスを検索し、イベントに出席するための支払いを行う。MyScootは、バックグラウンドチェック、ピアレビュー、および彼らが「社会的信頼スコアリングアルゴリズム」と呼んでいるものを通じて、参加者にとって安全なものであり続けるように努力している。彼らのアプリを通して1000以上の予約が行われてきた。ユーザーの60%が最初のイベントのあとでも再び利用している。

Memfault
組み込みハードウェア企業のエンジニア向けツールの開発者は、そのツールはモバイルエンジニア向けのツールと同じくらい優れていると言う。Memfaultは、デプロイ、モニター、そして解析に使用される。これまでのところ、彼らは4社の顧客から、毎月定期的に5500ドルの収益を上げている。

Board
住宅購入者が買いたい家を押さえられるように、全額現金オファーを行う住宅ローン会社。現金購入者は入札で勝つ確率が4倍高く、住宅ローンによる購入者と比較して物件の購入価格をしばしば何十万ドルも安く抑えることができる。彼らは世の中の80%を占める住宅ローンが必要な人々のための現金購入者となることを狙っている。人びとにそうした巨額なローンの承認を与えることで、ローンの2%を請求する。

Portal Entryways
車椅子利用者のためにドアを自動的に開き、通過するまでそれを開いたままにする。既存のアクセシビリティボタンの多くは手の届かない場所にあるか、またはあまりにもドアから遠すぎて役に立たない。Portalは利用者の電話にインストールされたアプリを使って、こうした既存のボタンを制御して(Portalによって変更されたハードウェアである)、実質的にそのボタンを押した効果を得ることができる。大学やショッピングモールのように、ドアがたくさんある公共の場所に最初は焦点を合わせている。TechCrunchでもPortal Entrywaysについて記事を書いている

Blueberry Medical
家庭に即座に医療を提供する、小児遠隔医療会社。コンスタントな連絡、小児科医との24時間365日の対話、自宅での検査キットなどを合計月8ドルで提供する。彼らは有料の消費者向けパイロットプログラムを終了したばかりで、直接患者と会わなくても84%の問題は解決することができたと述べている。彼らはERへの訪問回数を減らすために、保険会社と提携した。

Maitian.ai
次世代の自動販売機を開発している。それを使うことでホテルのミニバー冷蔵庫の記録が自動的に行われ、平均的な自動販売機よりはより親しみやすいやり方で食品を販売することも可能にする。ユーザーは自分のクレジットカードをスワイプして、自動販売機の扉を開き欲しいものを選ぶ。チームは東南アジアに焦点を当てており、2カ所でローンチを行った。

Emi Labs
人事部の担当者のために、低スキル労働者の採用プロセスを自動化する仮想アシスタントを開発している。このスタートアップはBurger KingとPwCを顧客として抱えているが、その市場規模は24億ドルと見積もられている。AIを使用して採用プロセスをパーソナライズすることで候補者の体験も向上させる。

Latchel
施設管理者のための保守プラットフォームを開発している。保守要求を受け付け、問題を解決するために請負業者を派遣することで施設管理者の時間を解放する。施設管理者に対して1施設あたり1カ月で最大10ドルを課金する。また請負業者が仕事を引き受けた際には10%の紹介料を請求する。

Alpaca
従来のソフトウェアに代わる無料株取引のためのAPIを開発している。創業者たちによれば、Alpacaの手数料なしの株取引APIは、開発者を理解している最初で唯一のブローカーディーラーである。そして顧客はリアルタイムマーケットデータを無料で扱うシステムを開発し取引を行うことができる。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

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Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(7)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、当日に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)※この記事
・Part 8:ミッションステージ(4)

ミッションステージ

Gordian Software
旅行予約会社が座席選択を行ったり、バッグを販売するためのAPI。現在、Gordianは収益性が高く月に6万5000ドルを稼いでいる。オンライン旅行会社に対して、座席選択、旅行カバン、その他の補助的な商品を販売するために役立つツールを販売している。lastminute.comを含む3つの主要なサイトでパイロットプロジェクトを実施中である。

Shiok Meats
科学者のチームによって創業された、細胞ベースのきれいなエビ肉プロバイダー。市場に出ている他のエビと比較して、Shiokは彼らの細胞ベースのエビ肉は、よりサスティナブルで通常のエビと同じ味がすると言っている。このエビの肉は、ビールを醸造するのと同様にバイオリアクター内で育てられる。スタートアップはアジア太平洋地域のエビ市場をターゲットにしているが、同社はそこに250億ドルの価値があると述べている。

Hatch
Hatchはフランチャイズビジネスとその顧客の間のやり取りが続くようにしながら、それによって売上を伸ばして行くことを目指している。チームは、ショートメール、電子メール、そして自動音声を使って顧客の売上を伸ばすことに集中している。そうした顧客には、Jeep、Ashley Homestore、Rent-A-Centerなどが含まれている。同社は収益性が高く、月額11万9000ドルを稼いでいる。

Bot Orange
WeChat上に構築され、販売、マーケティングなどを統合した顧客コミュニケーションシステム。WeChatは現在、顧客を管理するためのツールを企業に提供していない。Bot Orangeはアプリ内で顧客管理ツールとなり、他のサードパーティ製ツールを使うことなく、ビジネスがさまざまなチャンネルを管理できるようにする。

Postscript
Postscriptは、オンラインコマースブランドと協力して、SMSを介してスマートフォンで顧客に連絡をとる。スタートアップはSMSを使ったMailchimp(電子メールを使った広告プラットフォーム)になりたいと考えているが、モバイルに堪能なミレニアル世代の消費者と徐々に消費者直販とサブスクリプションモデルに注力しつつある企業の間の会話を自動化する。TechCrunchにおけるPostscriptの記事はこちら。

Tailor-ED
スタンフォード大学の卒業生2人が立ち上げたこのスタートアップは、生徒たちのグループに短いクイズを送って、その生徒に最適なレッスンプランを見つけ、教師が個別のレッスンプランを作成するのを支援する。過去4週間で、2500人の学生がTailor-EDからレッスンを受け取った。フリーミアムモデルの下で事業を展開している同社は、15億ドル規模の市場をターゲットにしていると語っている。

Wallet Africa
アフリカのデビットカードでは、Netflixのような国際サービスへの支払いが行えないことがよくある。Wallet Africaは、Visaとのパートナーシップを通じて、これらのオンライン購入の多くをサポートする、デジタル銀行を構築している。チームは現在、毎月350万ドルの購入を処理している。

AuroraQ
「実用的な」量子コンピュータの開発者。創業者は量子物理学の博士号を持っており、AuroraQは「量子コンピューティング界のDellになる」になると発言している。量子コンポーネントレベルから統合されたコンピューターを作成することで、はるかに安いコストで組み立てられるはずだからだ。

Probably Genetic
消費者直販のDNAテストを売っている。その目的は稀な遺伝病を持っているにもかかわらず診断を付けられていない1500万人の米国人の1人かどうかを判断する手助けをするためだ。共同創業者らによれば、診断を受けるまでには平均7年以上かかっているということである。Probably Geneticはその状況を、12週間のうちにローンチする予定の、1200ドルのテストで変えることを望んでいる。

Viosera Therapeutics
AIを使用することで、癌やバクテリアの薬剤耐性を予測して阻止する。スタートアップがMRSAに感染したマウスをそのソリューションで治療したところ、感染したマウスの100%を治癒させることができた。同社は当初、その創薬プラットフォームを使いMRSA患者をターゲットにする予定だ。Vioseraは、今後6カ月以内に臨床試験を始めていると述べている。

Upsolve
低収入の個人がより簡単に破産を申請できるように支援したいと考えている。この非営利サービスは、非低所得家族を破産弁護士に対して紹介した際に紹介料を受け取り、それを使ってサービスを無料で提供することができている。同社によれば、医療費、レイオフ、略奪ローンは低所得世帯を悲惨な状況に追いやる可能性があるとし、過去6カ月間で彼らの非営利団体は顧客を2400万ドルの負債から軽減したと述べている。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

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Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(6)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)※この記事
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

ミッションステージ

Gerostate Alpha
野心的な目標である人間の老化に取り組んでいる。3人の共同創業者はすべてバック研究所の学者であり、そこで老化の研究を何年も費やして来た者たちだ。彼らは創薬のために独自のプラットフォームを用いて、9万の化合物を素早く解析し、さらに研究を行う150の物質を特定した。

Trestle
元Stripeの従業員と、Y Combinator卒業生の仲間によって設立されたTrestleは、各従業員のプロファイルを含む、使いやすいイントラネットのホームページを企業に提供する。従業員たちの孤立感を減らし互いの生産性を高めることを目指して、同社はすでにBrex、Plaidなどへの導入が進んでいる。

Green Energy Exchange
消費者に対してエネルギー入手先の選択肢を与えようとしている。この仮想ユーティリティ会社は、消費者が、再生可能エネルギーがやって来る場所(少なくともそれが合法な12の州の中から)を選べるようにする計画を進めている。創業者は、以前は数十億ドル規模の大規模なエネルギー会社を経営していたが、現在は太陽並びに風力発電家と直接提携を行うことで、Netflixに支払いを行うくらい簡単に、エネルギーサプライヤーを選べるようにしたいと考えている。スタートアップは来月テキサス州でローンチする予定だ。

rct studio
2017年にBaiduに買収されたAIスタートアップであるRavenを支えていた、YCの卒業生のチームが率いるrct studioは、没入型のインタラクティブフィルムのためのクリエイティブスタジオである。このプラットフォームはリアルタイムで「テキストをレンダリング」するエンジンを提供する。例えば「男がソファに座っている」という文章から、ソファに座っている男性の3Dイメージを生成する。このエンジンは主流である3DエンジンのUnityやUnrealをサポートし、同時に、没入的で自由度の高いエンターテイメント体験を作り出す、Morpheus Engineという名の映像プロフェッショナルのためのクリエイティブツールもサポートされる。

CredPal
アフリカ向けのクレジットカード会社を設立しようとしている。これによって正式なクレジットカードを持つことができない、アフリカの見捨てられた2億人の中産階級を支援しようとしているのだ。同社は、次世代のアメリカン・エキスプレスになって、アフリカの消費者たちが商品を購入する手段をより便利で自由にできることを望んでいる。

Calii
ラテンアメリカの消費者たちを果物や野菜の生産者に直接つなげることで、お金を節約できるように支援している。仲介者を排除することで、消費者は多額の現金を節約できると創業者は語る。このラテンアメリカの企業は、中国の巨大なPinduoduoのビジネスモデルを採用し、それを他の地域にも適用しようとしている。ちょうどRappiとGrin(南米のレンタルスクーター業者たち)が行ったように。

Nabis
大麻の出荷および物流事業に取り組んでいて、供給業者と協力して商品を小売業者に確実に発送している。FedExが大麻を発送することは違法であるため、Nabisは間隙を突いて急成長し、売上の一部を手数料として受け取りながら出荷とコネクションを手助けしている。時間どおりの配送率が98%にも及ぶため、供給業者は喜んでその手数料を払いたがるのだ。

Nettrons
人の手を借りることのないAIによるタレント・ソーサー(ソーサーとは採用候補者を探し出す職種)によって、採用プロセスの効率化を狙う。同社はこれまでに3社から有償で仕事を請け負い、6件の採用につなげた実績がある。2人のエンジニアによって起業されたNettronsは、彼らのターゲット市場は10億ドルの価値があると語っている。

Fuzzbuzz
ファジングは、バグを見つけるためにコードに対して膨大な量の無効データを投入するプロセスである。Fuzzbuzzは開発者によるファジングプロセスを簡素化することを狙っている。長く複雑な設定を、簡単な場所は自動化し、Jira、Github、そしてSlackといった既存のサービスと接続するプロセスへと転換する。

Interprime
スタートアップに「Appleレベル」の財務サービスを提供する。Interprimeによれば、スタートアップはそれを管理する方法がないのに多額の資金を集めているという。同社は、この巨額の投資を管理することで、ビジネスの手助けをしようとしているのだ。彼らは、監督するすべての投資に対して0.25%の顧問料を受け取る。これまでのところ、彼らがサービスを提供している資本金の総額は1000万ドルである。

Taali Foods
新しい健康的なスナック食品を作成しようとしている。手はじめは、スイレンの種から作られたポップコーンの代替品である。作り出されるスナックは、人工香料や、人工成分、あるいは防腐剤を使わず、シリアルスナック愛好者に、通常のポップコーンより67%少ない脂肪と20%少ないカロリーというより健康的な選択肢を提供する。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

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Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(5)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)※この記事
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

ミッションステージ

WeatherCheck
保険会社ために気象被害額を計算する。同社はローンチ以来、保険会社の全体の請求処理費用を削減する手助けをして、すでに5カ月のうちに年間予約で470万ドルを確保している。このサービスを利用するためには、保険会社は管理する資産に関するデータをアップロードする必要がある。WeatherCheckは天気を監視し、例えば資産がひょうで損傷した場合などに保険会社に通知を送信する。

EatGeek
創業者たちは、彼らの直前のスタートアップをGrubHubに売却した後、レストランがもっと大規模なケータリング注文を受け付けることができるようにしたいと考えていた。ほとんどのレストランは、イベントへのケータリングを狙う人たちには焦点を当てていない。EatGeekは特にそうした大規模なオーダーを求めている観客たちに対してレストランを結びつける。店舗はシステムを通過するすべての注文に対して20%の手数料を負担しなければならない。

Avo
分析機能を実装する際の人的ミスを防止する。同社によれば、人間は分析機能の実装が苦手なのだという。エンジニアとデータサイエンティストで構成される彼らのチームは、以前Sequoia Capitalに支えられ1億人のユーザーを獲得した、QuizUpを構築したチームだ。Avoはさまざまな企業の中で用いられているが、その中にはSkip Scootersも含まれている。

Adventurous Co
拡張現実スカベンジャーハント(モノ集め競争)を開発している。これは実際の俳優と提携し、モバイルアプリを使って、通常の画面で遊ぶものよりもはるかに魅力的な対話型家庭ゲームを生み出すことができる。1人あたり15ドルで45~60分の体験が行える施設をサンフランシスコでローンチした。Adventurousに関しては、ここでも記事にしている

Globe
「デリバティブのためのCoinbase」とも自称するこのスタートアップは、高頻度トレーディングをサポートする、暗号通貨デリバティブ取引所を構築した。このプラットフォームにより、暗号通貨保有者はグローバル市場とビットコインを使って取引を行うことができるようになり、機関投資家が利用するデータへのアクセスも可能になる。

XGenomes
時間とお金を節約できる低コスト高効率のソリューションで、DNAシーケンシングを変革することを目指している。同社のソリューションは、スライドガラス上に検体を置き、個々のシーケンスを識別したうえで、機械学習を利用して高解像度の写真をつなぎ合わせて画像を完全なDNAシーケンスへと組み上げる。オックスフォードとハーバードのチームは、XGenomesが現在ターゲットにしている市場は、65億ドルを超えていると言っている。

Habitat Logistics
消費者向けモバイルアプリを持っていないスタートアップだが、レストランのデリバリーを手助けすることを狙っている。競合他社との違いは何だろうか?同社は、顧客の家から10分以内にあるレストランからのデリバリーのみを引き受けることで、長距離デリバリーに必要な時間を不要にする。レストランはデリバリーが必要になった時点でHabitatに通知を送り、それを受けて会社はデリバリーのためのドライバーを派遣する。Habitatによれば、毎月17%の成長を見せており、1回の配達ごとにレストランに課金することで、現在月額11万ドルの収益をあげている。

WorkClout
製造業者がまとまった製品を製造する際の、生産管理を支援するソフトウェアを開発している。チームによれば、全製造業者の56%が、まだ紙とExcelで管理を行っていると言う。WorkCloutは非能率を見つけてワークフローを改善する作業をはるかに簡単にする。チームはまずパッケージ製造分野の顧客に焦点を当てており、次に食品および飲料会社と繊維製造会社に取り組むことを目指している。

PadPiper
月決めの住居と適切なルームメイトを見つけるためのマーケットプレイス。同社は、インターンが住むための適切な場所を探すことを支援し、同時に適切なルームメイト探しも支援する。インターンのための住居探しマーケットに対する支援を求めている大企業と提携している。創業者たちは、かつて学業上の理由から5年間で35回引っ越しをしなければならなかったが、その際にCraigslistやその他のオプションにはがっかりしたと述べている。PadPiperの月の収益は1万ドルで、毎週37%成長しているという。

DevFlight
オープンソースソフトウェアのビジネスモデルを改革したいと考えている。彼らが構築しようとしているマーケットプレイスは、オープンソース開発者と企業の橋渡しをするものだ。DevFlightは、企業ならびに開発者と協力して、両者がプロジェクトのスコープに対して理解できるような計画を策定する。DevFlightは取引に対して25%の手数料を請求する。

Handle.com
未払いの建設請求書の回収プロセスを自動化する。顧客の支払いが遅れると、建設会社はしばしば自分の仕事に対してお金を支払うことを余儀なくされる。Handleによれば、未払いの建設請求書は、毎年1040億ドルにも及ぶ。Handleは6週間前にローンチし、現在月に2万2800ドルの収益を得ている。創業者たちは以前、Andreessen Horowitzが支援するTenfoldという会社を起業した者たちだ。

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Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(4)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)※この記事
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Pyxai
雇用者側には、求職者のソフトスキルとカルチャーフィットを面接で判定するための、スケーラブルな方法は存在していない。Pyxaiは求職者に対して30分間のクイズを与えて自然言語処理を使って分析し、彼らができることと、既存のスタッフとうまく溶け込めるかどうかを評価する。履歴書そのものの重要性を減らすことで、採用時における差別が減る可能性がある。Pyxaiは1回のスクリーニングにつき6ドルを請求する。同社は3600万件ものナレッジジョブの求人プロセスの一部となることを望んでいる。

Mage
世界最大のトレーディングカードゲームであるマジック・ザ・ギャザリングのカードを売買するために作られた専用アプリ。GOATが靴の転売に対して行ったことをMagicに対して行うことを目指して、彼らのアプリは、カードのスキャン、認識、および価格設定を行い、ユーザーがそれらを一覧表示することを助ける。同社は、彼らの平均的な顧客はマジックのカードに毎月120ドルをつぎ込むと言う。

Geosite
衛星画像を必要とする企業は、40のプロバイダからそれらを集めて手動でコンテンツをダウンロードし、それを自社のシステムにアップロードする必要がある。Geositeは、すぐに使用可能な空間画像のマーケットプレイスである。顧客は年会費を払う。Geositeはすでに米空軍と300万ドルの契約を結んでいる。

Community Phone
より親しみやすいワイヤレス通信事業者を目指し、積極的なカスタマーサービス体験に焦点を当てつつ、3つの既存ワイヤレスネットワークを集約する。共同創業者のジェームズ・グラハム氏は、現在年間収益は23万ドルに達しており、利益率は45%であると述べている。

Superb AI
人工知能を構築するには、正確にラベル付けされたトレーニングデータが必要だが、Mechanical Turkのようなサービスは、遅くて不正確である可能性がある。Superb AIは、10倍のスピードアップを実現するためにラベリングプロセスを助けるAIを構築し、独自の社内AIアルゴリズムを作成している。過去7カ月間ですでに100万ドルの収益を上げている。ほとんどの企業にとって、Google、Facebook、およびその他の大手テック企業のAIについて行くには、Superbが提供するようなトレーニングデータの生成支援が必要になる。

Termius
デスクトップとモバイルで動作するSSHクライアントを開発していて、すでにディズニーとNASAの従業員を含む1万1000の有料顧客を抱えている。フリーミアムのビジネスモデルのおかげで、アプリストアの「SSH」カテゴリでは第1位にランクされている。次には、Termiusは対象をチームに拡大して完全なコラボレーションプラットフォームになりたいと考えている。

Verto FX
アフリカの企業が国際企業と仕事をする際に必要な外貨を、手に入れることを助ける。彼らは現在18通貨の交換を支援している。同社は5カ月間のプライベートベータ版で2600万ドルの取引高を経験しており、月あたりの収益は3万ドルだった。共同創業者のアンソニー・オドゥオル氏とオーラ・オヤタヨ氏は、どちらも大手銀行向けのテクノロジープラットフォームを構築した経験がある。

Inito
このアプリは、あなたの携帯電話に差し込むハードウェアドングルを使って、妊娠に関連するホルモンを測定する。Initoは、ホルモンテストを実行し、状態の診断および処置のためにそのデータを利用する。そしてIVFやIUIなどの人工授精手続きを計画する手助けをする。

Woke
新興eコマースブランドの広告キャンペーンに対する資金を提供しその成長を助け、見返りに利益の一部を受け取る。1カ月のうちに、彼らはその売上の利益の50%を彼らに対して支払う商人たちと協力した。

PNOE
彼らはフィットネス施設用の小型の呼気分析装置を開発し、アスリートに対して心臓や代謝的健康についての情報を提供している。その価格は6000ドルであり、価格が6万ドルにも達する大型の類似製品を置き換えることを狙っている。収益は月に40%成長している。フィットネス施設の後には、彼らは心臓病や肥満、そして呼吸問題を助けるために医療センターに装置を持ち込むことを目指している。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

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Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(3)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)※この記事
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

GoLinks
長く複雑なURLで、社内のツールにアクセスするのは困難である。GoLinksは、例えばRedditやLyftといった利用者にとって短くて覚えやすいリンクを作成する。そのツールはシングルサインオンに準拠したURLをプログラムで生成し、チームは分析のダッシュボードを手にする。従業員たちが新しいコンピューターをセットアップしたり、旅行中に仕事をしたりする際にも、GoLinksがあれば閉め出されることはない。

Allure Systems
ファッションブランドは、モデルや写真家に年間80億ドルを支払っている。Allure SystemsはAIを使用して、ショッピングサイト用のアパレル画像をプログラム的に作成する。この技術は、ジャケットの写真を1枚撮れば、さまざまなサイズのさまざまなモデルによる、さまざまなポーズでそれを見せることができる。ショッピングのコンバージョン率を14%向上させることで、チームはすでに年間140万ドルの収益を確保している。1件あたりのSaaS契約は平均年間20万ドルを超えている。

Spiral Genetics
治療を助けるために開発された、人間のゲノムデータの大規模なセットを比較するソフトウェア。創業者のアディナ・マングバット氏は、既存のソフトウェアは今後数年間で直面するゲノムデータの大規模分析はできないと言う。これまでのところ彼らは25万ドルの収益を生み出しており、さらに100万ドルぶんの基本合意書を得ている。

Rune
FortniteやPUBGなどのモバイルゲームのプレーヤー向けの、ボイスチャットと自動化されたフレンド/チームファインダー。ローンチから10日で5000人のユーザーが1日平均30分をプラットフォームで過ごすようになったと同社は述べている。フレンド関係はRune内で扱われ、ユーザーはゲームからゲームへ渡り歩くことが可能だ。

Truora
ラテンアメリカ向けに、1回3ドルで迅速で信頼性の高い信用調査を提供する。また、顧客から従業員による詐欺の報告を収集して、貴重なデータベースを生成しており、それに対して雇用者たちは有料でアクセスする。すでにUberやRappiをはじめとする、地域のトップマーケットプレイスがこのサービスを利用している。

Aura Vision
実店舗向けのGoogle Analyticsのようなものである。店舗内の「任意のカメラ」からビデオフィードを取得して、Auraは顧客の年齢、性別、およびどのくらい滞留したかの情報を提供する。同社によれば、この手法は匿名で行われ顔認識を必要としない。同社の創業者たちは、店舗に対して年平均9600ドルの料金を請求すると言っている。

GeoPredict
石油およびガスの産出用土地販売から仲買人を排除すること、そしてAIと過去データを利用して土地の評価を助けることを目的としている。彼らは先週およそ10万ドルの取引を行い、5%の手数料を得た。

Union Apartment
もし留学生が、まだ現地の言葉を話すことができす、現地に友人もおらず、そして銀行口座も持っていなければ、住居探しは困難なものになる。Union Apartmentは、留学生のための家具付きの共同生活アパートメントを提供する。最初は中国からの学生を受け入れるところから始める。単なる住居を提供する以外にも、Union Apartmentはカラオケナイトのようなイベントを開催したり、銀行手続きを手伝うなどのサービスを提供する。2月にはすでに13万ドルの売上総利益を挙げており、潜在的には240億ドルの売上総利益が生み出される可能性がある。

jet.law
雇用訴訟に対してフラットな弁護士費用を請求する。これまでのように事後作業時間に対して請求を行うのではなく、既存の法廷の記録を用いて作業量を見積もり、どれくらい事前請求を行うかを計算するのだ。共同創業者のジェシー・アンルー氏は、以前は大企業訴訟を手がけており、もうひとりの共同創業者であるカイル・ハリス氏はAppleで製造設計エンジニアを努めていた。

Friendshop
Friendshopでは、お得な割引をしてもらうために、友人たちを誘うことができる。Friendshopは、240億ドル規模の中国のグループ買い会社であるPinduoduoの、米国版になりたいと考えている。そして、そのバイラル性によってFriendshopのブランドが美しく成長した後には、他の消費財ビジネスに進出することを計画している。

Pulse Active Stations Network
インドの健康キオスク機械。駅に設置することが意図されている。共同創業者のジョギンダー・タニケラー氏によれば、インドでは多くの地域で医師の定期的な検診を受けていないため、回避可能だった死を迎えるものが60万人もいる。「しかし、誰でも電車には乗ります」と彼は言う。彼らの駅ナカのキオスクは21種類の健康パラメータを検査する。同社は先月、2万8000ドルの収益を上げた。テストごとに1ドルを請求することで、タニケラー氏は各マシンは3か月以内に費用回収が可能だと述べている。将来的には、キオスクは保険を売ることもできるようになり、ユーザーを医師へ紹介することも可能になるだろう。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

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Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(2)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)※この記事
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Mudrex
プログラミングの知識がなくてもアルゴリズムトレーディングを実行できるようにする仕掛け。当初は暗号通貨のトレーディングから始まる。3月11日の週に彼らは、15万ドルぶんのトレーディングを行った。彼らは、トレーディングモデルの構築を行うことができる、ドラッグ&ドロップ式のインターフェイスのアクセスに対して年間300ドルを課金する。作成したモデルは過去のトレーディングデータを使ってテストすることができる。

Brain Key
3D MRIデータを用いた脳疾患の診断。多くの医師が診断のためにMRIから得られた2Dスライスを使用しているが、Brain Keyは、3Dでデータを分析し、パーキンソン病のサブタイプを専門家より35%正確に識別することができると述べている。彼らは2年以内に世界中の病院で採用されることを目指している。

Switchboard
もしトラックがどこにあるのかわからないのなら、出荷する必要がある貨物と、利用できるトラックの効率的なマッチングを行うことはとても困難である。Switchboardのトラック搭載センサーは、トラックの位置、目的地、その他のデータをリアルタイムに収集する。Switchboardのトラック貨物マーケットは3カ月前にローンチされ、すでにより多くの収益源を開拓できる可能性があるデータを収集している。

Shef
2カ月前、カリフォルニア州は家庭で調理された食品の販売を合法化する国内初の法律を可決した。Shefは、家庭のシェフが近くの顧客を見つけることができるマーケットを作る。Shefによる食事は、通常のフードデリバリーが1食あたり20ドル程度であるのに比べて、1食あたり6.50ドル程度の価格である。スタートアップは売上の22%を手数料として徴収する。このマーケットプレイスを、住居者への特典として提供している大規模な不動産会社との取引のおかげで、同社の売上は毎週50%増加している。Shefは家庭料理のAirbnbになりたいと思っている。

Qwest
クラブやバーなどで、行列をとばして入場するために支払いを行えるようにする。現在2都市の10店舗と提携しているが、今年は6都市の100店舗と提携できるだろうと同社は述べている。彼らは音楽祭やスポーツイベントのようなイベントへの拡大を目指している。

Circumvent Pharmaceuticals
アルツハイマーと同様の神経変性疾患であるバッテン病には十分な治療法が存在していない。Circumventは、同社の治療法は病気が原因となって失われてしまった酵素を置き換えることができると述べていて、すでにその有効性がマウスでは示されている。もし稀な病気を治療するために適用される優遇措置で迅速に承認を受けることができるならば、Circumventは保険でカバーされる10万ドルでその薬を売ることを望んでいる。そのハードルをクリアした後にCircumventは、はるかに大きな利益を生み人類に対する大きな福音をもたらす、アルツハイマーの治療法に取り組むだろう。

Withfriends
バー、劇場、理髪店のような小規模ビジネスのための会員プログラム。これまでのところ、彼らはプラットフォーム上に80の小規模ビジネスを抱えており、5000人以上のメンバーから40万ドルの収益を得ている。POSマシンにうまく統合することで、顧客の15%が会員になったという。

Askdata
会社のデータは見つけたり理解したりするのが難しいため、技術者以外の従業員が利用することはめったにない。Askdataは、並べた単語をSQLクエリに変換する内部データ用の自然言語検索エンジンを提供している。データを便利にアクセスできるようにすることで、企業のより良い決定に役立つかもしれない。

Modern Labor
受講者に1万ドル(月2000ドルずつで5カ月)を提供した上で同時にプログラミング教育を施す。受講者は引き換えにその後2年間収入の15%を支払う。創業者のフランシス・ラーソン氏によると、Modern Laborの最初の学生グループが現在このプログラムを使って学習しており、1万人が待機者リストに入っているそうである。

NALA
アフリカでのモバイル決済には、インターネット接続と上の写真のような複雑な46桁のコードの入力が必要になる場合がある。NALAは、インターネットの利用時間を買って友人や商店に簡単に支払いを行えるようなモバイルマネーアプリを開発した。これで年間3000億ドルに達するアフリカのモバイルペイメントを獲得したい考えだ。共同創業者のベンジャミン・フェルナンデス氏は、NALAは競合他社よりも7倍速く、5000人のアクティブユーザを抱えていると語る。NALAは、インターネット利用時間と請求書の支払いや貯蓄の利息、さらに見込み客を保険会社や他のサービスへと紹介することから手数料を稼ぐ。

Vice Lotteries
宝くじからなるべく「損失を取り除こう」とする宝くじプラットフォーム。特徴的なのは、プレイヤーが賭け過ぎることができないように、賭け金の限度がプレイヤーの資産額によって決まることだ。創業者のマシュー・カーティス氏は、彼らのモデルは現在合法ではないが、積極的にそれを変えようとしていると語る。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

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(翻訳:sako)

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Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以前はマウンテンビューのコンピューター歴史博物館で開催されていたこのYC Demo Dayは、今回からはサンフランシスコの巨大な倉庫へと場所を移して開催された。1日目のピッチと同じように、2日目も「パイオニア」と「ミッション」の2つのステージに分かれて同時にピッチが進行した。お急ぎの読者のために、私たちが選んだ初日のトップ10のまとめも行っている。またここでは、2日目の中のお気に入り9社をチェックすることもできる

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)※この記事
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

YSplit
ルームメイトや愛する人との間で光熱費や月々に発生する支払いを、一人が立て替えて他の人たちから回収する作業はとても苦痛だ。YSplitは仮想デビットカードを提供することで自動的に請求書を分割し、ユーザーたちの銀行口座から現金を集めることを容易にする。2%の手数料を請求することで、YSplitは米国内の2600万軒のシェアハウスに対して、堅実なビジネスを構築することができた。

The Juggernaut
南アジアに関連したストーリーに焦点を当てた定期刊行物。彼らはフリーランスの作家を雇い、1日に1つのストーリーを発行し、そしてユーザーに対しては月5ドルを請求する。ここですでに、The Juggernautについての記事を書いている。

Searchlight
リファレンスチェックを行うことで間違った採用を回避することは可能かもしれないが、それでも多くのビジネスがインタビューサイクルの最終段階までそれを行わなかったり、詳細なチェックが不足していたりする。Searchlightはレファレンスチェックをサービスとして提供する。求職者は自分に対する推薦文の発行を依頼するために、レファレンス対象者を招待する。それらの推薦文をSearchlightが集めて編集し、求職者のワークスタイル、理想とする環境、そしてスキルセットなどをまとめた報告書を作成する。1件の仕事に対して平均250ドルを売り上げているSearchlightは、米国国内で1年の間に行われる3000万件のスキル重視採用のすべてに関わりたいと考えている。

Allo
地元の親たち同士をつなぎ、「カルマ」ポイントシステムを通じて、ベビーシッターやちょっとした用足しなどを頼めるようにすることで、お互いが助け合えるようにする。平均的なユーザーは週に12回ほどの利用を行っている。

Coursedog
大学は教員たちをコースや教室へ割り振るために、フルタイムのスケジュール管理者を雇用している。Coursedogは、学校のデータに接続することで、この面倒な仕事を排除しプロセスの自動化を行う。Coursedogに対しては、すでに8つの大学が、3年契約に対してそれぞれ10万ドル以上の支払いを行っている。次に狙っているのは、キャンパス内のスペースの予約プロセスと、インストラクターならびに授業料の支払いプロセスの近代化である。

AI Insurance
保険金請求のためのクラウドベースのソフトウェア。さまざまなデータを、ファイルキャビネットではなくクラウドへ送り込むことによって、顧客は「1件の保険金請求当たり、莫大な時間を節約できます」と創業者たちは主張している。彼らの目標は、十分な請求データが得られたら、次はAIを使用して最終的に請求にかかるコストなどを判定することだ。

Nebullam
屋内で作物を栽培すれば、天候に左右されないことで、単位面積あたりの食糧生産量が増える可能性がある。だが問題は人件費の高さと高額な機器の回収期間の長さである。Nebullamは、屋内農業のJohn Deere(世界最大の農業機械メーカーのブランド)になりたいと考えている。同社は収穫を最大にしそして費用を最小にすることができる、屋内栽培棚やその他の機器を販売する。農場育ちのCEOを擁する同社は、すでに機器のコストを3年で回収することを可能にしている(業界標準は7年である)。

Pronto
ラテンアメリカの小都市でのライドシェアリング。共同創業者のミゲル・マルティネス・カノ氏は、Uberモデルはこうした小都市では機能しないと述べている。なぜなら乗客になるひとたちはクレジットカードを持たず、現金での支払いを希望するからだ。ドライバー側は月額59〜99ドルのサブスクリプションフィーを支払う。現在は月に6万2000回の乗車が行われている。

LEAH Labs
人びとは飼い犬の化学的治療に、たとえそれがその生命を一時的に伸ばすだけで、病気の治療にはならないとしても年間5億ドルを費やしている。LEAH Labsは、強力な新しい治療法であるキメラ抗原受容体発現T細胞(Car T細胞)を用いて、犬のB細胞リンパ腫を治療したいと考えている。最近、Car T細胞を扱う会社たちのエグジットは200億ドルに達しているが、大手企業の中で犬に焦点を当てているものはいない。LEAH Labsは食品医薬品局(FDA)ではなく農務省(USDA)の管轄であるため、承認を得るための投資は少なくて済む。このことにより治療費を5000ドルに抑えることが可能になった。

Balto
ファンタジースポーツリーグのマネージャーたちが、自分たちの仕事からお金を稼ぐためのプラットフォーム。ファンタジースポーツ賭博はより多くの州で合法化に向かって動いているので、彼らは他の方法ですでに賭けをしている観客を捕らえたいと思っている。

【訳注】ファンタジースポーツとは現実世界の選手を選んで仮想的なチームを作り、現実世界の成績に連動して仮想チームの勝敗などが決まる「遊び」の要素が強いゲーム。これまでもアナログな遊びや賭けが行われて来たが、プラットフォーム化を行うものが出始めている。

Visly
開発者たちは、iOS、Android、ウェブ向けに同じ製品をリビルドするために、膨大な時間を費やしている。Vislyは、この作業を単純化するためのツールを利用しているのは開発者のわずか15%に過ぎないと言う。VislyのクロスプラットフォームUI開発スイートにより、さまざまなデバイス用に一貫したアプリケーションをすばやく簡単に作成できる。CEOはFacebookでYogaと呼ばれる類似のバージョンに取り組んでいたが、それがウェブとの互換性を達成することはなかった。Vislyは、開発者たちが他のオペレーティングシステムへの移植ではなく、発明そのものに集中することができるように、移植性の問題を解決したのだ。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

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(翻訳:sako)

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Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップを一挙紹介

Y Combinator(YC)のインキュベータークラスは巨大なものになった。200社以上の企業を抱えた2019年の冬クラスは、これまでのYCで最大の規模である。一方で、インキュベーターはその本社をマウンテンビューからサンフランシスコに移す準備をしている。

実際それはとても巨大である。そのためYCは、デモデーを開催する方法を変更する必要に迫られた。すべてのピッチを1つのステージで行うのではなく、並行して行われる2つのステージに分割したのだ。それぞれ「パイオニア」ステージと「ミッション」ステージという名前が付けられている。このため、たとえ建物の中にいたとしても、すべてのピッチを1人で直接見ることはできなかった。

私たちはその場に参加し、それぞれのクラスの話を聞きながら見たもののメモを持ち寄った。以下に紹介するのは米国時間3月18日にピッチが行われた86社のスタートアップだ。2日目の記事はまた別途!

なお1日目の有望10社に関するまとめ記事は「Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社」を別途参照してほしい

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)※この記事
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Career Karma
今後数年間で何億人もの人びとが転職する必要がある。Career Karmaはそうした人びとにレベル分けテストを課した上で、コーディングブートキャンプやその他のトレーニングプログラムへと送り込む。すると、そうしたトレーニングプログラム側から生徒1人あたり1000ドルが、スタートアップへキックバックされるという仕組みだ。収入を分け合う提携方式の人気が高まる中で、多くのスキルトレーニング企業が、最も可能性の高い生徒を入学させるために、喜んで支払いを行っている。

VanGo
子供や10代の若者を対象にしたオンデマンド配車サービス。創業者によれば「お母さんたちは他のお母さんたちを信頼している」ので、サービスを提供しているドライバーの85パーセントが母親であり、かつドライバー全員が女性である。彼らは、子供の親たちを助ける他の分野にも拡大する計画を立てている。

Team Mobot
シミュレートされたユーザーインターフェーステストは、すべてのバグを捕らえるわけではなく、技術に精通していない企業にとっては難しいものだろう。Team Mobotは、実際のデバイス上であらゆるアプリのUIを物理的にテストすることで、QAテストを実行してバグを発見する、一群のロボットを提供している。Team Mobotのロボットたちは時間が経つにつれて学習し正確さが向上する。スタートアップは次はIoTや医療機器産業への進出を狙っている。

Bento Club
オフィスワーカーのためのより安価なランチのデリバリー。顧客はリストから選ばれたレストランに事前に注文を行う。Bentoは店からランチを集め、顧客のオフィスから1ブロック以内に設置されたピックアップ場所へ全ての注文を配送する。顧客の38%が紹介によるものだ。

Basilica
人工知能システムを構築しようとしているほとんどのチームは、十分なデータを持っていない。そしてそうしたデータは、収集コストが高くなる可能性がある。Basilicaによれば、同社のトランスファーラーニング手法により、企業は100万個ではなく、わずか1000個のデータポイントで正確なAIを作成できると言う。Basilicaは、各産業分野向けの効率を向上させるために、顧客全体のデータを使うことでネットワーク効果を生み出す。

Keynua
ラテンアメリカでは、文書への署名を行うためには、面倒な本人確認が必要である。あなたがKeynuaを使用して、文章へ口頭で同意している短いビデオを撮影すると、相手は既存の動画を用いて、あなたの身元を確認する。このチームの以前の製品(Cinepapaya)は、2016年にFandangoに買収された。

Lumos
医師たちは医療情報を見つけるためには専門的なツールよりもGoogleを使うことが多いが、Googleの検索結果は広告に溢れている上に、結果の大部分が医師向けではなく患者向けである。Lumosは、医師のための医療用Q&A検索エンジンを、月額15ドルで提供する。ペンシルベニア大学での実験では、ローンチから一週間以内に、医学生の半数が毎日Lumosを使うようになったことが観察された。Lumosは、医師たちが信頼する研究や情報を理解し、治療中の重要な意思決定の時点でそうした情報へのアクセスを可能にすることで、より多くの潜在的ビジネスチャンスがあると言う。

Traverse Technologies
Traverseは、ソフトウェアを用いて、風力や水力発電に向く候補地を特定する。そして同社はその場所を買い、転売を行う。彼らは75万ドルで購入した小区画は、500万ドルで転売可能だと見積もっている。現在約5000万ドル相当の引き合いを受けている。

Basement
親しい友人同士のためのソーシャルネットワーク。公開の場所で投稿を行うソーシャルネットワークは、個人的なものとは感じられず、必然的に個人的な情報共有をためらうような、縁の薄い知人が増えて行ってしまう。Basementは、大学生や大学院生たちが、ただ本当に親しい友人たちだけを追加するようにデザインされている。Instagramスタイルの投稿ツールを提供しているが、WhatsAppチャットのような親密さを感じるコメントスレッドへとつながる。Basementは、ユーザーが不適切な人びと友達にならないようにユーザーに強制する必要があるだろうが、Facebookが実現したいと考えていることを実現できるチャンスがある。

CosmicJS
気軽に使えて簡単に管理できる、WordPressのようなCMSである。すでにKFC、MLB、およびDailymotionが顧客であると、同社は語っている。現在、毎月の定期収入でおよそ1万ドルを稼いでいるが、それが毎月15%成長していると彼らは語っている。

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(翻訳:sako)

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ(4)

Y Combinator(YC)の企業を抱えた2019年の冬クラスは200社以上が参加し、これまでのYCで最大の規模になった。私たちはその場に参加し、それぞれのクラスの話を聞きながら、見たもののメモを持ち寄った。以下に紹介するのは米国時間3月18日にピッチが行われた86社のスタートアップだ。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)※この記事
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Volk Wireless
Androidスマートフォンに無料のデータプランを提供する。ただし携帯キャリアは関与しない。共同創業者たちは、携帯電話ネットワークを構築し接続を共有するために、長距離ワイヤレスハードウェアを利用していると言う。共同創業者のGreg Hazel氏はかつてBittorrentのチーフアーキテクトであり、同じく共同創業者のStraya Markovic氏は、メッシュメッセージングプラットフォームFirechatのリードエンジニアだった。

Nowports
配送コンテナには、ルーティングと追跡の効率が悪いことが理由の一部として、紛失または遅延が起きている。Nowportsは、ラテンアメリカ向けのFlexportで、工場から、トラック、ボート、倉庫、小売店へと向かう商品パレットの配送を支援する。第3世代の貨物運送業者によって始められたNowportsは、米国の会社が地元の事情に疎い点を突いて、成功することができた。

Flower Co
より安価な、会員制のマリファナ販売ならびに配送。現在700人のメンバーに、1カ月あたり20万ドルのマリファナを販売している。年会費として100ドルを徴収し、製品販売から10%の手数料を受け取る。

Middesk
企業のパートナーたちが税金を支払っているのか、破産申請したのか、あるいは訴訟に巻き込まえているかを知ることは難しい。そのため、企業は回収不能な不良債権のために年間1200億ドルを損金処理している。Middeskは、B2B取引融資、投資、買収などのために、悪い会社から良い会社を選別するための詳細な調査を行う。顧客に安心感を与えることで彼らは報酬を得る。Middeskは幅広い取引に関与している。

Eclipse Foods
植物から乳製品を作り出す。彼らはその製品は動物から作られたものと「区別がつかない」と主張している。彼らのテストによれば、消費者の70%が、彼らの製品と主要な競合他社との違いを見分けることができなかった。共同創業者は、以前はHampton Creekの研究開発部長であり、Good Food Institute(植物由来の食肉/乳製品代替品に焦点を当てた非営利団体)のイノベーションスペシャリストだった人物だ。

Enemy on Board
Enemy On Boardは、「League Of Legends」というゲームの興奮をMafiaの戦略を組み合わせることでTwitch時代のために作られたゲームとなった。 5人のプレイヤーがチームを組んでミッションを遂行するが、そのうちの2人は密かにそれを妨害しようとしている。ゲームのベータ版の公開は6月に予定されているが、テスターたちはすでに1日あたり平均61分を費やしており、人びとは2000時間以上をTwitch上での視聴に費やしている。かつてLeague Of Legendsに関わっていたEnemy On BoardのCEOは、マイクロトランザクションを通じて、次の大ヒットフリーミアムゲームを構築できると信じている。

Modoo Technology
胎児の心拍数や動きを測定し、健康状態をモニタリングするためのウェアラブルである。2017年から中国国内で200ドルで販売されており、2018年の売上高は340万ドルだった。同社は最近、買い切りを行いたくないひとのための月額制サブスクリプションも開始した。

Our World In Data
世界のリーダーたちは、決定を下すためにCO2排出量や子供の死亡率などの問題に関する、アクセスしやすくて理解しやすいデータを必要としている。Our World In Dataは有料のジャーナル記事に埋め込まれた研究結果や専門用語から貴重な結果を引き出して、オープンアクセス可能なウェブサイトにまとめている。その結果として、多くの問い合わせに対してGoogleのトップランキングに上がるようになっている。すでに100万人のユーザーがいる。そのオックスフォード大学のチームは、ウェブのために研究データを最適化することが、より良い世界的な政策につながると信じている。

Encarte
すべてのeコマースストアに、ワンクリックチェックアウトを提供できるブラウザ拡張機能。現在50万件以上のShopifyストアをサポートしている。データをクラウドではなくローカルに保存し、すべてのトラッキング番号を追跡する。彼らはまた、「仮想eコマースクレジットカード」も開発している。特徴はパーソナライズされたプロモーションが可能になる点だ。

Atomic Alchemy
心放射図やPET/CTは異常を視覚化するために放射性薬剤を必要とする。しかし、この放射性薬剤の生成に必要な原子炉のうち、6つに5つは今後10年で停止する予定である。Atomic Alchemyは、放射性薬剤を生成するために、小型で個人所有が可能な原子炉を製造している。スタートアップはすでに5000万ドルから1億ドルの価値があると推定される引き合いを受け取っていて、2024年までに運用可能になることを望んでいる。

Jetpack Aviation
飛行オートバイを製造している。同社は、そのジェットバイクを使えば、10分でサンフランシスコからマウンテンビューに移動することが可能であり、1台ぶんの車庫に納まるという。彼らは本格的なプロトタイプが、年末までに完成すると見積もっている。これまでに9件の事前注文を受けているが、その価値は約410万ドルに相当する。同社の創業者たちは、以前FAA認定を受けた飛行装置(ジェットパック)である、JB10を開発した人たちだ。以前TechCrunchでもJetpack Aviationを取り上げている

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