空気の質を測定するAirBoxLab, 表示はスマートフォン(iOS, Android)へ

Indiegogoで資金を集めているフランスのパリのAirBoxLabは、空気中のVOCやCO2(二酸化炭素)、CO(一酸化炭素)、微粒子物質(PM, particulate matter)などの量を教えてくれる。気温と湿度(相対湿度)も分かるが、中心的な機能は主に室内の空気の汚染度を知ることだ。

空気中の有害成分(ホルムアルデヒド、ベンゼン、エチレングリコール、アセトンなど)を知ることは、いずれ地域の環境改善運動にも結びつく。そして、より健康的な地域社会を作っていくことに貢献する。

AirBoxLabは下図のような筒状のデバイスで、各種のセンサーを満載している。このデバイスによる空気の測定結果は、スマートフォンやタブレットの画面にチャートやグラフで表示される。情報が多く集まるとパターン認識と機械学習の機能により、異常時にはプッシュ通知をくれるようになる。それによって、汚染源…何かがこぼれていた!…を見つけて排除したり、窓を開けて換気をしたりできる。

空気の質をモニタする機能は、たとえばWithingsの体重計Smart Body Analyzerなどにもある。でもそれらはCO2とその経時変化量だけ、というものがほとんどだ。AirBoxLabは測定物質の種類が…たぶん必要十分に…多いだけでなく、ユーザにアクションをうながす(窓を開けろ!)。その意味では、iPodの設計者が独立して作った冷暖房モニタNestに似ている。こちらも単に温湿度を表示するだけでなく、冷暖房機器の最適利用をうながす。

昨年4月にKickstarterに登場して資金募集に成功したAir Quality Eggも、類似のプロジェクトだ。こちらは目標額を大幅に超える14万ドルあまりを獲得した。この製品は、空気の質に関するクラウドソースなコミュニティデータベースを作ることが最終目標だった。AirBoxLabもやはり、全ユーザからデータを集めてコミュニティの情報源を作ることをねらっている。両者を比べると、AirBoxLabは一般的な消費者製品、というふうで、一方EggはDIYマニアやテクノロジおたくをねらっていたようだ。

AirBoxLabの目標額は10,000€(約US$13,000)だが、今その半分強が集まっている。予約購入を兼ねた投資額は129€(約US$168)およびそれより上だ。最終小売価格はこれより40€高くなる。発売予定は今年の9月で、情報を表示させて見るための、iOSとAndroid用のアプリも提供される。ただしぼくの唯一の心配は、自分が呼吸する空気の質を毎日調べるのは、人を元気づけるいうよりむしろ、気持を滅入(めい)らせるのではないだろうか。環境を変える努力はできるが、それにも限界がある。でも一方、人間はつねに熾烈な好奇心を持っている生き物だから、夜安心して眠れなくなるかもしれないと分かっていても、この製品を買ってみたくなる人が、けっこう多いかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


モーションコントロール腕輪MYOがTwitter上で用途募集キャンペーン

近く、機器や玩具、コンピュータなどをモーションコントロール(動きで制御)する腕輪…腕にはめたバンド…MYOアームバンドを発売するThalmic Labsが、この製品を5名に無料進呈するキャンペーンを実施する。それは”#ifihadMYO”と名付けられたTwitter上の無料提供キャンペーンだが、Googleがこの前#ifihadGlassというGoogle Glassのためのキャンペーンをやったばかりだから、ちょっとしたデジャビュ(既視感)のようでもある。

Google GlassもThalmicのMYO(マイオ)も、その作者を悩ませる点では似ている。どちらも常軌を逸した新製品で、消費者製品としては類似の前例がない。しかもその消費者から見ると、これを何に利用できるのか、さっぱり分からない。そういう製品には、Twitter上の#ifhad(もしも持っていたら何をするか)無料提供キャンペーンが似合っている。なぜかというと、まさにその製品の存在理由を、クラウドソースに求めるからだ。キャンペーンがきっかけで。デベロッパや消費者が想像力に点火し、メーカー自身が…そして担当の広告代理店さえも…考えもしなかったような斬新な用例を提供してくれる。

Thalmicの入賞者決定過程には、Googleの場合よりも透明性がある。つまり、すべての応募作品をWebサイト上でライブでストリーミングし、それらに対し見た人の投票を求めるのだ。ただし、それだけで入賞作が決まるのではない。最終的にはThalmic Labsの審査員たちが決定する。

もうすでに、応募がいくつかある。ラジコンカーの操縦、子どもにプログラミングを教える、Google Glassと併用する、ジェスチャーによるパスワードでドアのロックを管理、など。全体として、かなり良いアイデアが集まり始めているようだ。締め切りは8月31日だから、もっともっと集まるだろう。予約注文はすでに3万を超えているので、期待と人気があることは確かだ。このコンテストで、製品の多様な用途という最重要の商品価値が生成されるのだから、それもまた、グッドアイデアだね。

〔訳注: デモなどは、YouTube上で[Thalmic Labs MYO]で検索すると、いろいろあります。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、Bing For Schoolsをアナウンス。より安全かつ効果的な検索環境提供を目指す

Bingは、学校生徒世代に対するアピール力を高めようとしているようだ。発表されたのは、K-12を対象とするオプトインプログラムで、名前をBing For Schoolsという。年内にもスタートさせる予定となっている。Bingを学校向けに特化したもので、検索結果に広告は一切表示されず、プライバシー面での強化がなされており、そしてアダルトコンテンツのフィルタリングをより厳格にしたSafeSearchを提供する。

繰り返しになるが、Bing For Schoolsは学校側からの申込みによってオプトインにより適用される。つまり都合に応じて標準の、学校用に調整されていないBingを利用することもできるわけだ。オプトインに申し込むことにより、当該学校のネットワークを利用してBing.comにアクセスすると、生徒たちの利用に適した形に調整されたBingにアクセスするようになる。申し込むことにより、無料で利用することができる。

このBing For Schoolsプログラムで他にどのような内容が提供されるのかについて、まだ詳細は明らかになっていない(詳細は現在詰めているところであるようだ)。しかし学業目的でコンピューターを触っているときに、広告で気を逸らしてしまったり、あるいは情報を勝手に渡されてしまったりすることを防ぐことも主目的のひとつとしている。SafeSearch機能も厳格化し、利用に際して簡単に設定を変えたりできないようにもする。もちろん、既存サービスの「制限」を持ち込むことのみがプログラムの目的であるわけではない。クリティカルシンキングのための、デジタルリテラシーについての教材なども提供していこうと考えているそうだ。

プログラムは無料で提供され、何かしらの見返りを予定するものではない。ただ、このプログラムを利用してもらえれば、アメリカの教育機関におけるBingの利用率が高まることに繋がる可能性もあるわけだ。生徒たちをBingに親しませることにより、プログラムから離れてもBing等、マイクロソフトの提供する環境を使い続けるようになる可能性もある。つまり、このBing For Schoolsは、未来を担う子供たちへの投資となるという意味だけでなく、Bingを運営するMicrosoftにとっての投資となる意味もあるわけだ。

BingのライバルであるGoogleも、「Search Education」や「Google Scholar」など、さまざまな教育関連ツールを提供している。しかし今回発表されたMicrosoftの取り組みは、より早い段階からの学生取り込みに寄与することができるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


SonyのSmartWatch 2はなかなか有望―PebbleやMetaWatch Strataと比較してみた

Sonyが出した最初のスマートウォッチはあまり評判にならなかった。私にしてもPebbleがKickstarterで資金調達に大成功して話題になったときにようやく思い出したくらいだ。しかしSonyは今日(米国時間6/25)、改良を施した後継のSmartWatch 2を発表した。

SmartWatch 2はPebbleや同じくKickstarterで資金を調達したMetaWatch Strataのライバルとなる。そこでこの両者と比較しながらSmartWatch2を検討してみよう。

プラットフォームのサポート

PebbleとMetaWatchはiOSとAndroidの両方をサポートしているが、SmartWatch 2は今のところAndroid携帯としか接続できない。Smartwatchの前のバージョンは自社のXperiaしかサポートしていなかったが、今回のアップデートで対象Androidデバイス一般に拡大された。これで実用性は少なくとも1000倍は向上した。なるほどiPhoneはサポートされていないが、実はiOSの課する制限のせいで、ライバル製品のiPhone用アプリはAndroid版より機能が限定されていた(iOS 7では改善された)。

バッテリー

バッテリー駆動時間はスマートウォッチ全般にとってもっとも重要な要素の一つだ。PebbleとMetaWatchは数日間もつことを当初からセールスポイントにしている。1回の充電でPebbleは「1週間以上」、MetaWatchでは「Strataが5日から7日」もつとしている。私の体験では、どちらも実際にはその下限だった。Pebbleの場合には下限(1週間)をやや下回ることあった。

.Sonyは「SmartWatch 2のバッテリー駆動時間はスマートウォッチの中で最長」と大胆な主張をしている。「Strategy Analyticsによって2013年6月13日に実証された」というのだが、節約して5日から6日という長さが本当に世界最長なのか疑問なしとしない。しかしライバルと同レベルのバッテリー駆動時間を確保していることは確かなようだ。

接続性

MetaWatch StrataはBluetooth 4.0のみだが、PebbleはBluetooth 2.1+EDR、4.0 Low Energy (LE) で接続する。これによってiOSとの接続では通知機能が拡張される。SonyのSmartWatch 2はBluetooth 3.0を使う。SmartWatch 2にはNFC機能があるがライバル2種にはない。NFC機能の有無はやはり軽視できない差だろう。

ディスプレイ

SmartWatch 2のみカラー・モニタを装備している。サイズは1.6インチ、220 x 176ピクセルだ。Pebbleはモノクロ、1.26インチ、144x 168ピクセル、MetaWatch Strataは一番小さく、モノクロ、1.16インチ、96×96ピクセルだ。StrataもPebbleも夜間用照明はあるもののバックライトはない。SmartWatch2はバックライト・モニタなので暗い環境でもはっきり見える。

しかもMetaWatch Strataは照明の具合によっては反射で画面がまった判読jできなくなることがある。Pebbleはおおむね場合、画面がはっきり見える。Sonyは「日光が当たっていても読める」としているが、直射日光が当たるような環境ではeインク以外の画面の視認性は悪いはずだ。

防水性

SmartWatch 2は「防滴性」がある。つまり小雨の中を歩いたり、顔を洗ったりしても大丈夫だという程度の防水性だ。Sonyでは水泳、入浴、魚釣りなどはしないよう求めている。また付属の時計バンドは防滴でも防水でもない。

Pebbleは海水、真水とも5気圧の防水仕様だ。水泳程度なら問題ない。Strataも同様に5気圧防水だ。この点では両者ともSmartwatchに明らかに勝っている。

アプリ

Pebbleはデベロッパー向けにAPIを公開しているが、実際のアプリの数はまだ少ないし、機能も限定されている。現在のところPebbleは時計機能以外には通知、デバイスでの音楽の再生コントロールくらいしかできない。MetaWatchではメール、カレンダー、Facebook、Twitterのアップデートが通知される計画だが、まだ実装されていない。サードパーティ・アプリについてはまったく情報がない。その他音楽再生、株価、カレンダーなど若干のウィジェットが用意されている。

SmartWatch 2は音声通話のコントロール(Pebbleにもあり)、通話ログ、メール、Gmail、Facebook、Twitter、その他の通知機能に加えて音楽再生のリモコン、カレンダー、天気、その他のアプリがデフォールトでインストールされている。スマートフォンのカメラのリモコン機能も面白い。Sonyはデベロッパーをアプリ開発に誘い込むためにも、さまざまなアプリをサンプルとして用意したのだろう。

充電

小さなことだが、SmartWatch 2はmicro USBで充電できる。PebbleとMetaWatch Strataが独自の規格のケーブルを使っているのに比べて優れた点だ。

結論

これらのスマートウォッチのどれかがすぐにも大ブレークすることはなさそうだ。しかしSonyの新製品は改良の努力が十分に見てとれる。またPebbleとMetaWatchという先行のライバルの欠点をよく研究している。現時点での購入者はアーリーアダプター層に限られるだろうが、Smartwatch2は少なくとも納得のいくプロダクトになっている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


批判や悪評の多いiOS 7のアイコン, しかし一般ユーザには圧倒的に好評

iOS 7は、ブログや評論家やTwitter上などでは好悪両様の評価をされているが、でもInput Factoryが作ったモバイルの集票ツールPolarで行った消費者調査によると、一般ユーザにはきわめて好評である。たとえばシステムアイコンの好感度では、およそ2対1でiOS 7の方がiOS 6よりも好まれている(回答者総数46401)。

これらの数値はWWDCで発表されたiOS 7のすべてのアイコンに集まった票の総数を表しているが、おもしろいのは、単にiOS 7のアイコンが好きというだけでなく、こっちを選ぶという強い選好度を表していることだ。たとえば電話のアイコン(上図)では、80%がiOS 7を選び、残る20%が旧デザインを選んでいる。メッセージアプリのアイコンにいたっては、84%対16%でiOS 7の圧勝だ。

iOS 6はリマインダ、Safari、ゲームセンター、カメラ、電卓などでは勝っているが、でもそれらのiOS 7との差はいずれも微差だ。

iOS 7はまだ出てから間もないし、これまではOSの新バージョンに採用された新機軸に関しては賛否の分裂があった。FacebookのWebサイトやモバイルアプリの小規模なデザイン変更も、大騒ぎを巻き起こしたが、しかしFacebook上のユーザのエンゲージメントやユーザ数の増加率に、そのことが負の影響を及ぼすことはなかった。

今後もiOS 7のUIのデザイン、とくにアイコンをめぐっては、当分のあいだ激しい論争が続くだろう。でも今回の調査結果が示すのは、一般ユーザの多くが感じていることと、少数のうるさい連中の意見や批判とは、それぞれ別世界のものであることだ。Polarで投票した人たちの多くは、新デザインを断固支持しているようだ。今後もっと大規模で本格的な消費者調査をやっても、彼ら一般消費者に意見や感想を表現する機会を与えた場合の結果は、今回のPolarの結果とほぼ同じになるだろう、とぼくは感じる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、iOS 7ベータの新バージョンを配布。iPadサポート、ボイスメモ復活

Appleは今日(米国時間6/24)iOS 7の新しいベータ版をデベロッパー向けに公開した。ビッグニュースはiPadバージョンが入ったことだ。AppleがiOS 7を発表した時、iPad版はiPhoneの数週間後になると言っていたが、あの約束は守られた。iPad版はiOSデベロッパーとして登録していればデベロッパーチャンネルを通じて入手できる。

他に新ベータのユーザーから報告された情報としては、ボイスメモの復活がある。最初のベータでは落とされていたが、記事によるとAppleは先のバージョンでは準備ができていなかっただけなので今回入ったのは当然とのこと。インターフェースとアイコンは全面変更され、予想通り、前バージョンの画面を支配していたスキューモーフィックなマイクはなくなり、コントロールやUIはフラット化された。9to5Macによると、Siriに新しい声が加わり、コントロールセンターなどに細かい修正が入った。BGRに新しいボイスノートのインターフェースの画像がある。

iPad版iOS 7ベータには、iPhone版とはインターフェースが異なる部分ある。一般にAppleは、タブレットの大きい画面用に様々な要素を仕立て直すが、今回もそれは変わらない。9to5Macに届いたスクリーンショットを何枚か載せておく。サイトに行けばAppStoreの画面なども見られる。


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(翻訳:Nob Takahashi)


犬と遊んでやる時間がないとお嘆きのあなた, お遊びロボiFetchはいかが?

このプロジェクトがKickstarterで資金募集に成功したら、犬を飼ってる人は全員、“取って来い!”遊び(fetch)から解放される。あなたの、腕の筋肉痛は治り、手がよだれでヌルヌルになることもない。このiFetchと名付けられたプロダクトは要するに、いちばん簡単なピッチングマシンであり、全自動の機械だが、遊び好きのワンちゃんが大好きになるツールだ。これで犬が遊ぶようになるためには、最初にちょっとコツがあるんだけど。

iFetchは単純なマシンで、犬がボールを入れるとそれを遠くに投げる。犬はそのボールを追いかけて、くわえて帰る。もう一度遊ぶためにはボールを自分でマシンに投入しなければならない、と犬が学習したら、サイクルは完全自動で無限ループになる。犬から見たら、われわれ人間は、肉と骨でできたiFetchにすぎない…疲れて、動かなくなることもある。

でもiFetchなら、AC電源があれば動く。単二の電池を6つ、でもよい。蛋白質も炭水化物も栄養剤も要らない。腕を痛めないし、手などが汚れるのを気にせずに済むし、ボールが飛ぶ距離は10、20、30フィートの三段階から選ぶ。テキサス州オースチンのHamills家のご家族が考えたこのプロジェクトは、使うボールが小さいので中型〜小型犬向きだ。大型犬に使ったらボールで喉が窒息するかもしれない。

ぼくと犬とのつきあいは長いし広いが、取って来い!遊びにまったく関心を示さない犬もいる。そんな犬を、iFetchが改宗させることはありえないだろう。逆にそれが大好きな犬は、iFetchを好きにならないはずがない。ファウンダのHamillsは、子ども(人間の子ども)を遊ばせるのにもよい、と言っている。手抜き子育てが可能だし、犬も子どもも両方いる人にとっては、子どもと犬を競争させる遊び方もある。

実はiFetchは、すでにKickstarterの目標額に達しているから、約束の2013年1月にはきっと発売されるだろう。予約のための出資額は60ドルからで、ボール3つとACアダプタが付く。買う気になった人に、一つだけご注意: “ほどほど”という言葉を知らない遊び好きのダックスなどを飼っていて、しかも夏の暑い日などは、iFetchの電源を入れっぱなしにしないこと。iFetchは疲れないが、遊び好きなワンちゃんは違う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MicrosoftはNokia買収の一歩手前まで行っていた(WSJ報道)

MicrosoftとNokiaはここ数年かなり親密で、フィンランド企業がスマートフォンのOSにWindows Phoneを選んだことを発表をした時点で、多くの人々がこれを買収の前兆だろうと憶測した。そして、Wall Street Journalによると、実際その方向に話は進んでいたようだが、その後交渉は決裂した。

WSJによると、交渉は今月に入るまで行われれていたが、もはや復活が不可能な段階まで関係は破綻しているという。つまり、MicrokiaもNokrosoftも当分ないという意味だ。それまでの交渉は非常に順調だったが、両社が直面する財務的問題のために結局物別れに終った。

Microsoftが求愛をやめたと記事は伝えている。Nokiaは苦戦を続けており、Windows Phone計画も同社の継続的損失を建て直すには至らなかった。Nokiaは前四半期にアナリスト予測に届かず、経常損失も出したが、1年前よりはずっと小さかった。しかし、同社の端末売上は前期、前年同期いずれからも減少していた。

基本的にMicrosoftとNokiaの交際期間は長かったため、Microsoftにはこの結婚が両者いずれにも幸運をもたらさないであろうことを知る十分な時間があった。実際、ここ数年のNokiaの業績とモバイルプラットフォームとしてのWindows Phoneの実態を知る者にとっては、合併が検討されていたことも、それが破談になったことも、どちらも驚くに値しないだろう。

残るはMicrosoftがスマートフォンで次に何をするかだ。果たしてSurface方式に自社独自のプロジェクトを立ち上げて活生化させるのか、それともモバイルOSに火をつけてくれそうなNokia以外の誰かを見つけるのだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi)


消費者向け3DプリンタのMakerBotを工業用3DPの雄Stratasysが買収

今日(米国時間6/19)、本誌が前に報じたように、工業用3Dプリンタの大手Stratasysが、消費者向け3DプリンタのリーダーMakerBotを買収したと発表した。買収価額の4億300万ドルは、現在の株価に基づいてStratasysの株で支払われる。これにより、業務用3Dプリントのリーダーとデスクトップ3Dプリントの新進リーダーが結婚するわけだが、両社はプレスリリースで、これにより、あらゆる分野における3Dプリントの採用が加速される、と述べている。

買収の条件として、MakerBotの企業としての独立性は維持される。すなわち今回の買収は、いわゆる持ち株交換方式らしい。M社はS社の子会社として消費者/デスクトップ市場をターゲットとし、S社はこれまでと同じく業務用分野を対象とする。

MakerBotは2009年に創業され、今日まで22000台あまりの3Dプリンタを売った。そのうちの11000は、昨年9月発売の最新機種Replicator 2だ。今回の買収は、M社の上昇機運のさなかに行われたことになり、その経過はさぞかし順調だったものと思われる。

Stratasysは、本誌の読者にはなじみが薄いと思われるが、この前報じた買収交渉の記事を読んで、その名前を知った方もおられよう。われわれ一般人にとって無名とはいえ、同社は3Dプリンタの世界ではすでに有名企業である。同社の製品は、各種のプロトタイプやコンセプト、コンポーネント、部品、などなどを高精度実物大で3Dプリントし、それらを企業顧客が業務用〜商業目的で使用している。すでに公開企業であり、2012年にはObject Ltd.と合併して業容を拡大した。本社はミネアポリスとイスラエルのレホヴォトの両方にある。

これまでの動きを見ると、Stratasysには3Dプリントの世界を支配したいという意思があるようだ。このパズルにおいてMakerBotは、消費者向け製品という名の大きなピースだ。またMakerBotとしては、Stratasysの豊富な経験から学ぶものが大きいし、今後の新しい技術導入も可能だ。S社の技術力やマーケティング〜営業力から得るところも大きいだろう。

MakerBotは4年前の発足以来、ハードウェアとソフトウェアのアップデートを一貫して真摯に行っている。つい先週にも、最終プリント物の品質向上のために、ファームウェアと設計ソフトの更新を行った。消費者向け3Dプリンタのメーカーとしては、最近新製品のテストを行ったForm Labsをはじめとして、競合他社も多いが、その中でMakerBotはリーダーの位置につけており、また今回のStratasysとの合体で、成長のために吸収する栄養成分がぐんと増えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、スパイ活動に関する報道禁止令に反抗。ただしたとえ成功しても詳細は闇の中

約束通り、Googleは国家安全保障局が監視しているユーザー数の公表に関する政府の報道禁止令と戦っている。Facebook、Microsoftと異なり、GoogleとTwitterは、ユーザーデータに対するスパイ令状の回数公表に関する政府との取引を公然と拒否している。データには議論を呼んでいる外国諜報活動偵察法(FISA)に基づく要求回数(詳細ではない)も含まれている。

「国家安全保障に関する要求と、犯罪に関する要求をひとくくりにすることは ― 一部の企業はそうしているが ― 当社ユーザーにとって一歩後退である」と、嘆願書に続く公開声明でGoogleは 説明した

残念ながら、Washington Postが共に指摘したように、たとえGoogleの望みが達成されたとしても、圧力に関する懸念の大部分は謎のままだ。Googleの透明性レポートによって、裁判所命令と影響されるユーザー数は公表されるが、どんなデータが渡されたかはそこに含まれない。果たして政府は、Edward Snowdenの言うように、メールを読めるのか、あるいはGchatやGoogle Voice通話を傍受できるのだろうか?

さらに、果たして政府は、無数のユーザーに影響を及ぼす検索ログ等の膨大なデータを要求できるのだろうか。影響を受けたユーザーの総数が公表されれば、それは重要な情報源や監視の方法を公開することに等しい。

憲法修正第1条に規定された権利を掲げ、嘆願書にはこう書かれている「Googleの評判とビジネスは、メディアの不正確あるいは誤解を招く報道によって損われている・・・Googleはそれらの主張に対して、一般論以上の回答をする必要がある」

GoogleによるFISA要求詳細の公開を許すことが、同社の評判修復に役立つことを楽観できる理由がある。Facebookの報告によると、政府から要求された9000~1万件の依頼によって、影響を受けたユーザー数は、わずか1万8000~1万9000人だった。これは、政府が1回の要求で全ユーザーの行動をまとめて監視できるという説に疑問を投げかけるものだ。このため、何が提出されているかはわからないものの、大多数のユーザーは自分が標的になっていないと安心できる。

私はGoogleの立場に同情的だ。おそらく彼らは、すべてを公表するか、一切覗き見をやめるかのどちらかにしたいはずだ。しかし、たとえ最良の展開になったとしても、一般市民は依然として蚊帳の外だ。

Googleの嘆願書の全文は以下で読める。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Androidゲーム専用機は発売予定日後ろ倒しの常習犯, 今度はGameStickが7月を8月に変更

いろいろなAndroidゲーム機がそろそろ市場に登場するが、あとちょっと煮詰め方が足りないと自称するものが今、少なくとも一ついる。それはOuyaの好敵手と言われるGameStick、USBスティックの形をした持ち運びに便利なデバイスで、HDMIでテレビにつないで遊ぶマシンだが、発売予定日がさらに一か月延びて8月になった。それは、UIをもっと練り上げないとだめだ、と彼らが感じたかららしい。

新しいアイデアで期待を集めている3DジェスチャコントローラLeap Motionも、ユーザ体験を磨くために発売が遅れると発表したから、また同じことの繰り返しだ。しかしもちろん、本人たちが納得いかないものを出すわけにはいかないし、成功のためには初期のドジは大禁物だ。

GameStickの場合、遅れの発表はこれで二度目だ。とりわけKickstarter上のプロジェクトは、開発期間を短く言う傾向がある。Ouyaも3週間の遅れを発表したが、そのときの理由は小売サイドからの(予想より大きな)需要に対応するためだった。BlueStacksのGamePopは、今のところ遅れを発表していないが、でも発売日が“今年の終わりごろ”と漠然としているため、最後の磨き上げのための時間も、稼ぎやすいのだろう。

これらのAndroid製品が船出していく先は、まだ海図すらない未開の海だ。中途半端なものを出すより、たっぷりと遅れた方が良い。彼らをAppleやSamsungと同一視することはできないし、この二つの巨人たちすら、発売予定をずらしたことがある。遅れの発表があるうちは、元気な証拠。何も話が聞こえてこなくなったら、そのときは、やばい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


気象情報はWazeの次に買収の対象になりそうなクラウドソース・サービス

Wazeが10億ドルでGoogleに買収されたとことは、有用なクラウドソースのデータをリアルタイムで大量に収集することに成功したスタートアップには同様のエグジットの可能性があることを強く印象づけた。

カーナビ用の交通データほどその応用の成果が直接的ではないものの、次に大きな可能性がある分野は気象情報だ。クラウドソースを利用して地上の正確な気象状況をピンポイントで収集し、予報や共有に役立てようとするアプリがすでにいくつか存在する。

カナダのモントリオールのスタートアップ、SkyMotionもその一つだ。最近v4.0がリリースされたが、このバージョンではクラウドソースで気象情報が共有できるだけでなく、その情報を企業が利用できるAPIもサポートされた。企業はSkyMotionのユーザーが投稿する気象データをリアルタイムで自社のアプリやウェブサイトなどで利用できる。通常の気象情報が特定の観測地点から情報だけをベースにしているのと異なり、多数のSkyMotionユーザーからのリアルタイムの天気情報には大きな価値がある。

SkyMotionによれば20万人のユーザーが天気情報を投稿している。アプリをダウンロードしたユーザーの50%以上が実際にアプリを使い始め、65%のユーザーが月間15回から200回も天気を投稿する。現在アプリのダウンロード総数は50万回弱で、このペースなら今年中に100ダウンロードが達成できそうだという。

クラウド気象サービスに挑戦しているのはSkyMotionだけではない。ポルトガルのスタートアップが提供するWeddarもクラウドソースの気象サービスだが、人間的な要素を取り入れているところがユニークだ。Weddarでは下のスクリーンショットのように天気を「凍える、涼しい、ちょうどよい」などと感覚で報告する。アプリを開くとヨーロッパ各地の現在の天候が一目でわかる。

クラウドソースの気象情報には大手のインターネット企業も強い関心を示している。天気予報はそれ自体で訪問者に対するサービスになるだけでなく、地図や交通状況など他のローカル情報と組み合わせることである特定の地点の正確な環境をリアルタイムで特定できる。これにはショッピングや広告の価値を大きく改善する役割が期待できる。天気は一般消費者の消費パターンに大きな影響を与えるし、したかがってマーケティング、広告にも本質的に関連してくるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


カナダのスタートアップがAndroid向け高速ソフトウェア・キーボード、Minuumを発表

カナダのトロントのスタートアップ、Whirlscapeが開発中の革新的でスーパー・シンプルなソフトウェア・キーボード、Minuumが話題になっている。このプロダクトはIndiegogoで資金を調達し、Android向けベータ版のリリースに漕ぎ着けた。Indiegogoの出資者もその成果を実際に試してみることができるようになった。

上のデモビデオでこのアプリの動作の概要は分かるだろう。キーボードは標準的なQWERTYレイアウトを一行に圧縮したもので、目的のキーの付近のキーをタップしていくと候補の単語が表示される。

非常に不正確な入力から高い確率で正しい候補が表示されるところがセールスポイントだ。スワイプすると次の候補が表示される。デフォールト状態ではスペースバーも表示されない。ともかくシンプルさを最優先したUIだ。ジェスチャーで、大文字、数字、記号など各種のキーボードに素早く切り替えることができる。

WhirlscapeはこれまでIndiegogoで8万7000ドルを調達した。今日(米国時間6/18)、このベータ版が1万人の出資者に届けられた。前回の出資のチャンスを逃した読者はMinuum.comを訪問して次回の資金調達ラウンドに申し込んで次のバージョンを入手することができる。Whirlscapeは今年中のリリースを目標にウェアラブル・デバイス向けのSDKも開発中だ。 また Minuumは理論的にはThalmic’s MYOのようなモーション・コントローラーとも協調して作動するようにできるはずだ。

最近さまざまな新しいソフトウェア・キーボードが現れている。モバイル・ユーザーは依然として効率的な新しいキーボードを求めている。Minuumのユニークなアプローチに対するユーザーの反応に注目したい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


今日生産される研究論文の膨大な量は個人が正しく選別すること不可能, そこでSciencescapeがお助けに

トロントのSciencescapeは、協同ファウンダのSam Molyneuxが、癌の研究者という将来性あるキャリアを捨ててまで取り組もうとした、ある重要な問題を扱う。それは、学術研究、医学研究、科学研究など学問研究の全分野に関わる、とても大きな問題だ。学問研究のあり方全体が今や古い、抜本的な改革が必要だ、とSciencescapeは考えるのだ。

Sciencescapeがまず取り組むのは、科学研究における、コンピュータの登場以降起こった、研究量の爆発的な増大だ。その膨大な量を、研究者や学生にとって把握可能、理解可能、選別可能、そして管理可能にすること。それによって将来の学問研究が本当に有意な、“進歩”の名に値するものになること。Sciencescapeがねらうのは、専門誌等の上で日々増大する研究文献 を、有意な情報として研究者のもとへ流してやる、一種の“配管業”だ。

Sciencescapeによると、最近では1年に発表される研究論文の量が220億篇に達する*。またビジネスとしての学術研究の規模は、年商で450億ドルにもなる*。この大量の情報を研究者がふるいにかけるためのツールは、Pubnet.orgなどをはじめとしてすでにあるが、それらはどれも、非効率的であるという烙印をユーザから押されている。〔*: 原文におけるファウンダSam Molyneuxのコメント: “Slight misquote – The numbers were actually 22 million papers in biomedicine and $45 billion size for the life sciences tools market during my talk.” …220億ではなくて2200万だ。それでも、むちゃ多いが。〕

今の研究者や学者や学生には、重要な情報を逃している、あるいは、大地を塗り替えるかもしれないほどの重大な研究動向を、まるまる見過ごしている、といった危険性がつねにつきまとっている。Molyneuxは曰く、学問研究においては新分野の開拓が重視されるが、学生や研究者はつねに、車輪を再発明する、あるいは、文献の量があまりに多いので画期的な論文を見逃す、というリスクを抱えている。このリスクを避けるためにSciencescapeは、続々新登場する研究論文にAIベースの整列アルゴリズムを適用し、主題別にフィルタされたインテリジェントなフィードをユーザである研究者たちに提供する。‘主題’は、特定の研究者たち、遺伝子、障害、などなど、さまざまだ。

Sciencescapeのエンジンはもっぱら自然言語処理によりコンテンツをリアルタイムで集めるが、まず生物医学の研究分野からスタートする。Molyneuxによれば、他分野への拡張も迅速に行いたい、今後の対象分野としては法律なども候補にあがっている、という。そのシステムは重要な研究を集めるだけでなく、グラフやチャートを駆使してその分野の最新研究動向を視覚化する。またユーザに提供したコンテンツには、共有やブロードキャストのオプションがあるので、ソーシャルネットワークなどでの一般公開も可能だ。

Sciencescapeのような、特定学術分野の“蛸壺”を超えた学術情報サービスには今、投資家や研究者コミュニティの関心が集まっている。そう言う意味では、タイミングの良い登場だった。類似のサービスの中では、ResearchGateが3500万ドルを調達しMendeleyはElsevierに巨額で買収されている。Sciencescapeすでに初期の資金として110万ドルを確保し、事業の急速な拡大を志向している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


「真実は明かされつつある、止めることはできない」:NSA内通者エドワード・スノーデンは語る

最も有名な逃走者にして元NSAの内部告発者、Edward Snowdenが、GuardianブログのライブQ&Aセッションで読者の質問に答えた。Snowdenは、国家安全保障局(NSA)によるベライゾンの全通話記録 に関する極秘裁判所命令をリークして以来、国際的に有名/悪名を轟かせている。

Snowdenは香港の隠れ家から姿を消して以来、初めてこのオンラインQ&Aに登場した。全テキストはこちらで読める。本誌が選んだ発言を以下に載せる。

情熱、高潔なる情熱

「これだけは言える。米国政府が私を投獄あるいは暗殺してもこれを隠蔽することはできない。真実は明かされつつあり、止めることはできない」

ハイテク企業の否定について

「彼らの否定発言は何度も訂正され、誤解を招きやすい表現や、各社を通じて同一、特定の表現が使われていることが、徐々に明らかになってきた・・・彼らがプログラムの詳細について沈黙を守ることは法的に受け入れざるを得ないが、倫理的責任は逃がれられない。例えば、もしFacebookやGoogle、Microsoft、Appleが、諜報機関への協力を拒否したら、政府はどうすると思う? 閉鎖する?」

内通者の告発について

「私は、正当な軍事目標に対する米国の行動を一切暴露していない。NSAが大学、病院、私企業などの民間インフラをハックしたことを指摘しただけであり、それは危険だからだ。これらの露骨で侵略的な犯罪行為は、標的によらず正しくない・・・私は中国政府とは接触していない。GuardianとWashington Postとがそうであるように、私はジャーナリストとしかやりとりしていない」

「あと、私がディック・チェイニー元副大統領のような人々から裏切者呼ばわりされていることを忘れてほしくない・・・ディック・チェイニーから裏切者と呼ばれることはアメリカ人として最高の栄誉だ」

暗号化は有効、そこそこは

「暗号化は有効。正しく実装された強力な暗号化システムは、頼りになる数少ない方法の一つだ。残念ながらエンドポイント・セキュリティーは弱すぎるので、しばしばNSAに破られる」

背景政府の監視を逃がれるためのアプリケーションにはいくつか人気製品があるが、どれも完璧ではない。例えばAppleは、iMessageやSMSでは、送り手と受け手だけがそれぞれの端末でデータを復号できるので(エンドツーエンド暗号化)、NSAに耐性があると主張している。エンドツーエンド暗号化は、送り手と受け手とで異なるサービスを利用している場合、NSAに傍受されても解読が難しい。セキュリティーの高いネットサーフィンをするなら、人気の匿名ブラウザー、TORが 充実したハウツーブログ記事を用意している。しかし、もしSnowdenを信じるなら、NSAはたとえ暗号化サービスを利用している人々であっても、その殆どを見つける手段を持っている。

主要メディア:ガールフレンド > 大規模な監視

「残念なことに主要メディアは、私が17歳の時に言ったことや、どんなガールフレンドなのかの方が、この人類史上最大の疑わしい監視行為よりもずっと関心があるようだ。

励ましの言葉:TechCrunchはSnowdenのガールフレンドの写真を載せたことはない(もちろんリンクを貼るつもりもない)。

信じていた希望。今は・・・

「オバマ大統領は、公約に掲げた問題を解決することを約束しわれわれはそれを信じた。多くのアメリカ人も同じように感じた。残念なことに、権力を得たわずか後に、彼は組織的法律違反調査の門を閉ざし、プログラムの乱用を拡大し、グァンタナモで見られるような人権侵害を終らせるために政治資金を投じることを拒んだ」

NSAと令状なき監視

「NSAはいくつかの理由で『国内』というずるい表現を使っている。真実は、FISA[外国諜報活動偵察法]の改訂案とその702項を根拠に、アメリカ人の通信は日々収集および監視されている・・・令状は簡単に判を押す信頼できる判事に送るための様式にすぎない」

いや、彼はスパイではない、本当に

「考えてみてほしい。もし私が中国のスパイならなぜ直接北京に飛ばないのか。今頃豪邸で不死鳥を飼って暮らしているだろう」

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、ツイートの分析データを全ユーザーに無料で提供

Twitterは、ユーザーのツイートに関する相当詳しい実績、分析データをAdsダッシュボードで提供開始した(TNWより)。これは、より多くの人々(個人を含む)にTwitterのAdsプラットフォームを認知させ使用させることが目的と思われる。新しい無料分析ダッシュボードを使うと、誰でも自分のツイートに関するお気に入り、リツイート、返信の数などの実績データを見ることができる。「Best/Good/All」に分けたランキングも表示できる。

私がかなりダメなTwitterユーザーであることを教えてくれたのはともかくとして、サードパーティーのツール等を使わずにリーチやエンゲージメントの状況を知りたい人には最適のツールだ。Twitterについて知っていると思っていたこと、例えば、お気に入りや返信の数では良い成績のツイートが、リツイートに関しては全くダメ、あるいはその逆の場合等を明らかにしてくれる。

全データはCSVでダウンロードできる。また、ツイート中のリンクを何人がクリックしたかもわかるので、Twitterによるエンゲージメント促進効果を正確に測定したい人にとっては実に有用だ。これらすべてがマーケターにとって宝の山に見えるが、私のダッシュボードに集計されたデータにはいくつか不足している点もあった。

これらは以前、Twitterに広告の出稿を予定している企業ユーザーに提供されてきたものだが、広告部門が持っているデータを全員が利用できるようにするのは、全体の売上計画に好影響を与える良い方法だ。個人ブロガーや「ソーシャルメディア専門家」たちは、安定的収益という意味ではさほど大きくはないが、積み重なればTwitterの売上増につながるだろう。

本機能を利用するには、ads.twitter.com に行ってTwitter認証した後、ページ上部の「Analytics」をクリックすればよい(Twitterの広告サインアップ手続きは必要ない)。
[訳注:訳者のアカウントには 「Analytics」が表示されなかったので、まだ全員に行き渡っていないのかもしれない]

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(翻訳:Nob Takahashi)


社会貢献を強調するApple, アプリは世界を変えると中編ビデオで訴える

Appleが今日ポストした、かなり長い、10分近くのビデオは、同社のプラットホーム向けのアプリが世界中で利用され、人びとの生活に大きな変化をもたらしている、と訴求している。それは、これまでのAppleのコマーシャルとはずいぶん違う視点だ。これまでは、平均的な消費者の生活が、アプリによってちょっと便利になりますよ、といった軽い短編ばかりだった。

このビデオはもっと視野が大きくて、一部の人びとの生活に重要な変化が訪れることを描いている。テーマとしては同社の最新のテレビコマーシャル“Our Signature”と同類だが、後者のようなAppleの製品作りにおける指導的原理ではなく、実際のケーススタディを強調している。そしてもちろん、サードパーティのデベロッパに光を当てている。彼らの、少数民族文化の保存努力や、医療技術の大きな進歩への貢献など、取りあげるにふさわしいものを、あらためて取りあげているのだ。便利なお買い物リストを簡単に作れますよ、という世界ではなくて。

(出典: 9to5Mac)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleの電子書籍シェアは20%。OS X版iBooksは追い風になるか

Appleが秘かに米国内での電子書籍市場シェアを伸ばしていたことが、現在進行中の電子書籍価格協定訴訟の証言で明かされた。現在同社は米国内電子書籍販売の20%を占めているという(MacRumors発)。これはかつて市場ウォッチャーが推測していた数字の約2倍であり、Amazonの圧倒的な力とは比較にならないものの、Appleがデジタル書籍分野でかなりの位置を占めつつあることを示している。

ニュース全体はAppleにとってマイナスの内容で、同社は政府の主張から自らを守り、iBookstoreに失敗の絡印が押されないよう戦う必要がある。しかしiBookビジネスにとっては良いニュースだ。この秋Mac版iBooksアプリが次期OS X、10.9 Marvericksで提供され、デスクトップでも電子書籍がサポートされれば、さらに成長が見込める。

iBooksがデスクトップにやってくれば消費者も喜ぶ。クロスプラットフォーム戦略は、Amazon、Nook、Koboなどが大きな成果を上げている。MacがサポートされてもAppleデバイスを使っていない人々は取り残されるので、どれほど利用が伸びるのかは不透明だ。しかしiBooks成長の陰に、益々大きくなるAppleの教育界での存在があることは想像できる。iBooksに関連するプロモーションでは、教科書が大きくとりあげられている(WWDCでのOS X版iBooksの展示でも同様だった)。

Mac版iBooksが革命を起こすとしても、それはiPadで読んでいた本の続きを読めるからではない。モバイル端末よりパソコンで本を読みたいと思う人は殆どいないからだ。しかし、教育市場での意味は大きい。インタラクティブ教科書は、様々な面でiOSよりもOS Xで使う方が理にかなっている。長文のメモを取ったり、複数のウィンドウで別々の本を開いたり、複数の情報ストリームを得られることなどパソコンが有利な点は多い。

iBooksは、消費者向け電子書籍プラットフォームの押さえとしてもよくできているが(Appleはより完全なエコシステムを主張できる)、真の永遠の価値は恐らく教育にある。そこではAppleが他のプラットフォームに対して確実に優位性をもっている。他社は電子教科書を作っているだけだが、Appleはそれを正しく実行し、すばやく広げるための教育の血統を持っている。おそらくそれがiBookstoreの成長を支えているのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


iOS 7でAppleはQRコードを容認 ― ただし目的達成の手段としてのみ

AppleはWWDCのキーノートで、近距離無線通信(NFC)を一笑に付したが、同じくらい(それ以上?)に冷笑されている技術であるQRコードを、こっそりと採用した。AppleはiOS 7にQRコードリーダーを内蔵した。そう、OSレベルで。しかしそのやり方には、QRコードの存在は少々目障りであり、自社テクノロジーを推進するのに都合のよい道具ではあるが本気で持ち上げたり推奨するつもりはない、という明確なメッセージが表れている。

iOS 7のQRコードリーダーはPassbookアプリに内蔵されている。サービス全体を説明するためのPassbookカードには、新たにコードスキャン機能が組み込まれている。Passbookの初期画面からワンタッチで利用でき、iPhoneのカメラを使って印刷あるいはウェブに表示された四角いバーコードを読み取ると直ちに認識する。しかし、次に起こることを見ればAppleが全面的にQRコードに改宗していないことがわかる。

あらゆるQRコードを平等に扱い、どんな情報でも実行するリーダーを作ることは十分簡単だっただろうが、Appleは汎用ツールを欲しくなかった。だからPassbookアプリのQRコードリーダーは、Passbookのパスにリンクしていないコードをスキャンしようとすると、その目的に関する非常に明快なメッセージを発信する。親切なタレコミ人が送ってくれたスクリーンショットが上にある。

統合の目的は明白だ。Appleはこれを、ユーザーがPassbookコンテンツをできるだけす早く簡単にライブラリーに追加できる方法の一つと考えていて、そのための障壁はできるだけ減らしたい。しかし、QRコードそのものは目的を達成するための手段にすぎない。究極の目的はユーザーがPassbookをもっと使うようになることであり、QRコードは単なる道具だ。実際、QRコードを厳密にPassbookパスだけに制限することは、汎用技術として利用しようとするとはるかに有害だ。大量のiOSユーザーがQRコードをPassbookと関連づけようとするだろうから、その種のコンテンツ提供していないコードには不満さえ感じるだろう。

これを、AppleがメインのカメラアプリでQRコードをサポートする前兆と考える向きもあるだろうが、期待しない方が良い。Appleは自らの目的に合致する技術を選り好みするので、もっと良い方法が見つかるか、Passbookが十分な勢いを得るために必要なくなれば、捨てられるかもしれない。少なくとも、これでQRコードがブームになることはない。Appleは永遠にこれを、Passbookを補助する下位ブランド技術として扱うだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Apple経営陣、昨年の組織変更を反影してWWDCでの息はぴったり

昨日行われたAppleのWWDCキーノート講演は、私にあることを印象づけた。経営陣たちがかつてないほど、CEO Tim Cookに安心感を持ち、息が合っているように感じたことだ。昨日のAppleほど、キーノートやイベントがスムーズに進行することは稀であり、アンサンブル・キャスト方式(複数の幹部がそれぞれ機能説明や発表を行う)がこれほど無理なく安心感を与えながらテンポ良く進み、成功することもめったにない。

Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長で、iOSおよびOS Xの責任者であるCraig Federighiが、iOS、OS Xに関するこの日最大のニュースと共に、今年のキーノートのスポットライトを奪ったと指摘する向きもある。Federighiは間違いなくこのショウのスターとして際立っていたが、全幹部が魅力的かつ安心感のあるプレゼンテーションを行ったという事実は、決して普通のことではない。

これは、Appleが昨年末に会社のトップ組織を入れ替え、Scott ForstallとJohn Browettが会社を去り、Jony Ive、Eddy Cue、Federighi、およびBob Mansfieldが新たな役職について以来、初のイベントだった。Federighiは、Forstallの職務を引き継いだのに加え、AppleのデスクトップOSの開発を率いている。

Appleは、社内の工業デザイン部門とソフトウェアデザイン部門の新しいレベルの協調関係について明言していたが、その証拠はiOSとOS Xの新しいソフトウェアだけでなく、発表のテンポとやり方にも表れていた。CookがAppleを率いるようになって以来、経営チームが最も団結していたと言ってもよい。ともあれ、この新たに再編されたより結束の強いと思われるApple経営チームから、まだまだ多くのイノベーションが生まれることを予感させるエネルギーがそこには漂っていた。

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(翻訳:Nob Takahashi)