ドローンのスタートアップがドバイのブルジ・ハリファ・タワーを上空からHD撮影

ロボット工学といっても、ダンスもできる人型ロボット軍用ロボット犬の開発ばかりではない。TBS(Team BlackSheep)はHDビデオカメラを装着した強力なドローン、Discovery Proをドバイのブルジ・ハイファ・タワーの上(真上だ!)に飛ばすことに成功した。

通常のドローンはだいたい高度50mで自動制御が働いて地上に戻ってくる。 このチームのTBS Discoveryは行動半径が3kmもある。TBSチームはUAEに遠征してドローンを飛ばし、ドバイの息を呑むような空撮に成功した。

ドローンは上へ上と飛行し、830メートルのブルジ・ハイファのてっぺんにそびえる塔の真上に辿り着いた。TBSのドローンは椰子の葉をかたどった埋立地のパームアイランドなどドバイの有名スポットをたくさん撮影している。.

私はドローンもHDビデオも都市の景観も好きなのでこのビデオには三重に興奮させられた。小さなスタートアップのチームが800m以上の高度にドローンを飛ばして鮮明なビデオを撮影することに成功したというのも驚くべきことだ。

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物体をスキャンしてコピーしたり、ファックス風に転送する3D複合機のZeus登場

未来は既にそこにあるが、まだそれが広まっていないだけなのだそうだ。「未来を実現した」と宣伝しているのはZeusというマシンだ。3Dプリンターの一種で、物体をスキャンしてコピーしたり、インターネット経由で他のプリンターに物体を「ファックス」することができる。3D版の「複合機」とでも呼ぶべきものだろう。

製作したのはAIO Roboticsで、価格は2499ドルだ。プリント可能なサイズは8インチ×6インチで高さが5.7インチだ。スキャンできるのは高さ5インチまでとなっている。操作は前面の7インチタッチスクリーンで行う。射出パーツは交換可能になっている。システム的には非常にシンプルなものと言って良いだろう。印刷精度は80ミクロンで、スキャンは125ミクロンとなっている。

現在、安い3Dプリンターは200ドル程度となっていて、また3Dスキャナーも同程度の価格となっている。しかしそれらを組み合わせて、イメージ通りの出力を得ることは難しい。またプリンター間でデータを共有するのにも手間がかかることが多い。Zeusはそうした中にソリューションを持ち込むもので、確かに需要のあるところだろう。もちろん関連技術が急速に進化発展している中、さまざまな競合機種が登場してくることになるのだろうとは思う。

Zeusは現在プレオーダーの受け付け中だ。出荷は夏頃を予定しているとのこと。物体を手軽に複製できるというのは、デザイナー、アーティストやメーカーにとって非常に魅力的なことだと思う。すごい時代になったものだと、つくづく感じてしまうのだ。

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(翻訳:Maeda, H


Autodesk、オープンソースの3Dプリンティング規格、Sparkを発表―3DプリンターのAndroidを狙う

Autodeskが個人向け3Dプリンティングの分野に本格的に参入する戦略だということは3Dモデリング・ソフトウェアのTinkercadを買収し、アマチュア・モデラーがスマートフォン上で3D作品を作れるアプリをリリースしたことでも明らかになっていた。Autodeskは、こうしたソフトで作った作品を出力できるエコシステムを作ろうと、Sparkと呼ばれる3Dプリンティング・プラットフォームを発表した。

このプロジェクトには2本の柱がある。まず第一にプラットフォームとしてのSparkはユーザーが3Dオブジェクトをデザインし、3Dプリンタに送信するレンダリングのためのデータを準備する。Autodeskは多くのサードパーティーの3Dプリンター・メーカーがSpark標準の3Dプリンタを開発することを狙っている。次の柱として、AutodeskはSparkプラットフォームの参照機となる3Dプリンタを開発中だ。価格は5000ドル程度になるという。Sparkはオープンソースで、すべての技術的詳細が無償公開される。

Autodeskのブログ記事によれば、

Sparkは3Dプリンティングのプラットフォームだ。これによってハード、ソフト、素材のメーカー、製品デザイナーが利益を受ける。Sparkは新しい効率的な方法で3D作品をビジュアル化し、3Dプリンタのためにレンダリング・データを準備する。これによって無駄な試行錯誤が避けられ、3Dプリンティングに用いられる素材も大幅に拡大する。Sparkプラットフォームはオープン・プロジェクトであり、そのテクノロジーはすべての部分が誰でも無償で利用できる。

Autodeskはデスクトップ3Dプリンター分野に参入する必要に迫られていた。3Dプリンタの2大トップメーカーの一つ、StratasysはMakerBotの買収によって順調に売上を伸ばしている。もう一方の3D Systemsもホーム分野への参入に熱心だ。その理由は、産業用3Dプリンタはきわめて高価な装置であり、販売にもサポートにも多大なコストがかかるからだ。個人向けのデスクトップ3Dプリンターは、インクジェット・プリンターと同様のコモデティーであり、スケールさせることさえできれば有利なビジネスになる。

AutodeskはSpark規格が事実上の標準として普及し、いわば3Dプリンティング版のAndroidとなることを望んでいるようだ。実際、現在の3Dプリンティングには標準がまったく欠けている。互換性、安定性をもたらす試みはユーザーに歓迎されるだろう。

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折りたたみ式電動アシスト自転車Gi-Bikeはスタイルも未来的

タイムマシンで未来へ行ったときには、必ずおみやげを持って帰ることにしている。Ramboナイフとか、In The Aeroplane Over The Sea日本語〕のCDとか、それにGi-Bikeも。

作者は養子としてニューヨークに来たAgustin AgustinoyとEric SevilliaとLucas Toledo。Gi-Bikeは折りたたみ式の電動アシスト自転車で、シンプルでポータブルで安価な都市型乗り物をねらっている。Toledoがアルゼンチンのコルドバへ行ったとき公共交通機関がストでひどい目に遭い、それでGi-Bikeを思いついた。

“通勤でも、乗り物は他に頼っちゃだめだ、と痛感したんだ。乗り物に関しても、個人の独立宣言が必要だ。いろいろ研究した結果、全世界的に通用する効率の良い乗り物は自転車だ、という結論に達した”、と彼は言う。

特長(特徴)はとっても多い。まず、折りたたむのも開くのもわずか1秒。チェーンではなくカーボンベルトで駆動。電動アシストは一回充電すると40マイル有効。GPS装置は自転車が一定の範囲外に出たら自転車を自動的にロックする(盗難防止)。携帯の充電ができる。電動自転車(ニューヨークでは違法)ではなく、あくまでも電動アシスト自転車である。

Kickstarterの支援者には2995ドル、定価は3390ドルの予定だ。重量は37ポンド(約17キログラム)で、タイヤとリムはMinority Report的だ。

“未来の自転車と呼びたいけど、身内ではTesla自転車と呼んでる”、とToledoは言う。

CEOのToledoは元エコノミストで、リーンスタートアップと資本トレードの経験がある。CTOのAgustinoyは電子工学専攻の工業デザイナー、Sevilliaは家族やスタートアップを対象とする経済アドバイザーだ。彼らが作った夢の自転車は、ご覧のように曲線が多くて、まるで野獣のようだ。

資金募集目標額は40万ドル、今20万まできている。発売予定は来年の3月だ。

電動アシスト自転車は今やありふれているが、でもこれはなかなか巧妙にできているし、スタイルも良いから、レア感がある。Riideと同じように、知る人ぞ知るというタイプの自転車で、フレームに秘密があり、電池は強力だ。見るからにクールだから、ぜひ乗ってみたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


99ドルのFirefox OSスマートフォンOpen CがZTEから発売

オープンソースで、ロックされてなくて、1か月の電話料金よりも安いスマートフォンを欲しい人、この記事を読んでね。携帯電話器の有力メーカーZTEが、初めてのFirefox OS機をEbayでわずか99ドルで売っている。一流メーカーのしっかりした製品で、本当にオープンなOSの機種が欲しかった人には、絶対おすすめだ。

その前には昨年合衆国でリリースされたZTE Openという機種があった。今度の新機種Open Cは、それよりやや高規格になり、お値段も20ドル高くなった。

スペックもまあ、お値段相当で、カメラ3mp、プロセッサ1.2GHz、メモリ4GBは、いくつかのアプリには十分だろう。Rushのディスコグラフィなら全部載るかもしれない。むしろ呼び物はFirefox OSで、Androidとは違い、完全にオープンソースだ。このOSはMozillaのおそらく最後の力作になるかもしれないが、失敗したUbuntuフォーンのように、オープンソースコミュニティのアイドルになっている。

このOpen Cという機種はFirefox OSの最新バージョンが載っていて、適応型アプリ検索(adaptive app search)という機能がある。たとえば”Cafe”と入力すると、カフェを見つけるためのアプリを教えてくれる。そのほか、メジャーなスマートフォンOSにある機能はだいたいすべてある。ないものといえば、ライセンス料金と、Androidにつきまとう“見せかけ的なオープン性”だ。Googleの一種の閉鎖性により、メーカーによってGoogle PlayのストアやそのほかのAndroidのプロプライエタリな機能を使えなかったりする。中国のように、オープンソースのスマートフォンに人気があるけど、Googleのサービスの多くが使えないというところでは、Firefox OSがぴったしだ。99ドルという価格は、世界中どこへ言ってもお買い得だろう。

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なぜAppleはBeatsを欲しがるのか

世界最強のブランドが別のやはり強力なブランドを買うのは、そんなに驚くべきことではない。Beatsへの巨額な投資に意味があるとすればそれは、オーディオファンたちの馬鹿笑いや一部のApple通たちの不満顔を超えたところの、どこかにある。

まず理解すべきなのは、利益の出にくいハードウェアの世界でBeatsが、ハードウェアスタートアップとして成功していることだ。Beatsの競合他社は、その多くが、せいぜい等外者であり、同社と同じぐらいの知名度のある企業は、ぼくの知るかぎりない。ヘッドフォン市場のローエンドには南極海のオキアミのように多数の企業がうじゃうじゃといるが、彼らは某国製の安物を自己ブランドで高く売っているだけだ。ハイエンドはどうか。AppleはBoseやGradoを買っても良かったかもしれないが、Appleが望むスケールに対応できるのはBeatsだけだ。Beatsなら日産数千台ぐらいは楽勝だし、製品のクォリティもAppleのそのほかのアクセサリ製品と肩を並べうる。

Beatsは、確実に買収されるだろうか? 情報筋は、まだ不確定要素がある、と言っている。つまり明確な否定ではなくて、ゆがんだ微笑を伴う戸惑いだ。情報筋のそんな反応自体が、興味深い。

Beatsは、マーケティングの奇跡だ。同社はパートナーシップの失敗という灰の中から、何度も何度も蘇生してきた。最初はMonster Cable、次はHTC。HPのラップトップのパッケージの中に閉じ込められそうになったが、生きて脱出できた。オーディオのグルを自称する連中からの、執拗なあざけりにも耐えてきた。

一言で言うとBeatsとは、高価な人気ブランドであり、しかし消費者から見て価格と価値はつりあっている。高すぎる感はなく、自分のワードローブのおしゃれアイテムにヘッドフォンも必要なら、それはBeatsになる。なぜか? 皮肉屋はスタイルのせいだ、と言う。現実派はブランドイメージとデザインが良い製品がBeatsのほかにない、と言う。ヤングアダルトやティーンに対するマーケティングがきわめて難しい、と疫病の流行のように言われているこの時代に、Beatsだけはマーケティングに何度も何度も成功している。

Appleが1999年に、MP3プレーヤーでメディアシンクシステムでもあるSoundJam MPを買収したときもやはり、それに重要な意味があるとは思われなかった。同社はデスクトップ用の簡単な音楽プレーヤーを作っていて、市場ではほとんど無名だった。というか1999年には、MP3自体も、あやふやな存在だった。Napsterが1999年6月にローンチしたが、すぐに死んだ。そんなとき、Appleが、そんな二流のMP3プレーヤーアプリケーションを欲しがるとは、誰も思わなかった。

2001年1月1日に、SoundJam MPはiTunes 1.0に変身した。

2013年にBeatsは、高価格のヘッドフォンの市場の64%を専有していた。どんな経営者でも陶酔するようなマーケットシェアだ。昨年の時価総額が10億ドルだったから、30億ドルの買値でも安い。

でもなぜ、AppleはBeatsが必要なのか? 若い音楽ファンをAppleの重要な顧客層の一部にしたいのかもしれない。安定的に売れる製品が、もっとほしいのかもしれない。Lobotの強化バージョンのような、低音が重厚に響くヘッドフォンを、連中は好きなのかもしれない。Dreに会いたいのかもしれない。

でも唯一確実なのは、この買収には明確なねらいがある、ということだ。われわれがまだ、それを知らないだけである。

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複数の3Dプリンタをネットワーキングしてジョブ共有化するPrintToPeer, エンジンはRaspberry Pi

カナダのカルガリーでクラウドファンディングされたPrintToPeerは、一つの建物内や世界各所にある3Dプリンタをネットワーキングする。そんなものは必要ない、という読者も多いと思われるが、昔のレーザプリンタのことを思い出してみよう。高価で電力を食いメンテナンスのたいへんなプリンタが一台だけ地下の機械室などにあって、一日中、プリントジョブの待ち行列ができていた。安価なプリンタのネットワーク、という発想はなかった。

ファウンダは、そんな昔を知らない20代のTom BieleckiとJames Thorneだが、彼らはバンクーバーのアクセラレータGrowLabで孵化した。そのシステムは、Raspberry Piを使ってジョブをプリンタに送る。

“そのRaspberry Piを3DプリンタにUSBでつなげば、すぐに使えるようになる”、とBieleckiは語る。

“3Dプリンタは扱いづらいし遅い。でもこのシステムを使えば、大量のプリントでも苦にならなくなる。ぼくたちは、自動化と抽象化の鬼なんだ。今回は、3Dプリンタという一見ばらばらな機械群を、共通のプラットホームで束ねたんだ。それによってソフトウェアデベロッパが、実用ユーザのためのアプリケーションを作れるようになる。ぼくたちのAPIを、いろんなデベロッパが使いこなして、おもしろい体験を作り出してくれることを、心待ちにしている”。

といっても、対応機種はMakerbotとMarlinの3Dプリンタで、それらに(というかRaspberry Piに)、今多くの3Dプリンタで使われているSTLのオブジェクトファイルを送信する。するとシステムがオブジェクトのデータをスライスしてプリンタに送る。プリンタマネージャが各プリンタの稼働状況を表示するとともに、各プリンタのジョブが終わったら通知する。ぼくも3Dプリンタを使っていて、いちいち二階に上がって行って状況をチェックするのはいやだから、プリンタマネージャを使えるだけでもこのシステムはありがたい。

PrintToPeer自身はオープンソース化されるが、Raspberry PiとカメラとSDカードに焼かれたソフトウェアのセットは、140ドルで買う。同社は今、このプラットホームで何かをするデベロッパを求めている。彼らのお値段は15000ドルだ。

“3DプリントにDRMという鍵をかけて、高い塀で囲まれた庭に閉じ込めている企業もある。でも、そんな企業に消費者はそっぽを向くだろう。顧客に選択の自由を与えないのは、よそへ行かれるのが怖いからだが、われわれはそんな状況をイノベートしたい。そして豊かなユーザ体験を作り出したいのだ”、とBieleckiは述べる。

“3Dプリンタはハードウェアに話題が集中して、ソフトウェアのことは忘れ去られていた。でもそれでは、使いやすい環境がいつまでたってもできない。たとえば3Dプリンタが学校で使われるようになったら、それらをネットワーク化して共有することが必須になるはずだ”。

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日本で3Dプリンターでピストルを製造した男が逮捕―何で作ろうと銃は銃

5月8日、日本の警察は川崎市に住む27歳の大学職員、居村佳知(いむら・よしとも)を銃刀法違反の容疑で逮捕した。これは居村容疑者が3Dプリンターで製造したZig Zagガンという一種のリボルバー・ピストルを組み立てて発射するビデオを自らアップロードしたことがきっかけだった。居村容疑者は自宅に500ドル相当の3Dプリンターを持っていたという。

問題のビデオがアップロードされたのは25週間前だった。 このビデオには銃の組み立てと空砲の発射が録画されている。居村容疑者はこう書いている(原文英語)。

It is the first 3D printer revolver in the world which can discharge the live cartridge made in Japan. In order to protect the law of Japan, the bullet for motion picture photography is used.
Please make in the United States. !! -
実弾を発射できる世界最初の3Dプリンターで出力されたリボルバーが日本で作られた。日本の法律を守るため、弾薬は映画用の空砲を使っている。
アメリカで製造してください!!

Zig Zagがテレビで放映されたことが大きな懸念をもたらしたようだ。警察の家宅捜索で5丁の3Dプリンターで制作されたピストルと安い3Dプリンターが見つかったという。

日本では銃刀法により、銃の所持は事実上禁止されている

明らかに日本の警察は3Dプリンターで出力された銃も銃刀法違反だという見解だ。もっと伝統的な工具を作って銃を製造した場合と何ら変わるところはないというわけだ。素材や製造工程がどうであれ、銃は銃だ。

via 3dprint

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家庭用真空調理ヒーターのAnovaがバージョンアップへ―Kickstarterですでに50万ドル集まる

昨日のMellowにつづいて、真空(低温)調理器の話題だ。

私が以前にレポートしたAnovaが真空調理用ヒーターのバージョンアップを発表した。鍋にこのヒーターを取り付けると、湯音を指定の温度に精密に温度をコントロールして調理ができる。AnovaのKickstarterプロジェクトは目標額10万ドルをはるかに越して50万ドルに達している。

現行の第一世代のAnovaは、タイマーや温度設定をすべてデバイスの中で行うものだった。 新システムではスマートフォンから専用アプリを通じて詳細なコントロールができるようになる。また外出先からリモートで調理をスタートさせることもできる。昨日紹介したMellowとは異なり、Anovaはユーザーの手持ちの鍋にクリップで取り付ける方式。またMellowと違って食材を入れるプラスチック・バッグは真空にする必要はなく、市販のジップロックでよい。

新しいAnovaは市販予定価格は169ドルと業務用真空調理器はもちろん、400ドルのMellowとくらべても大幅に安い。開発者のJeff Wuはこの種のデバイスを以前から作っており、最初に完成させたのは2013年だった。

家庭用真空(低温)調理器市場は現在立ち上がりかけているところで、まだまだ大きなチャンスがある。本来なら大手家電メーカーから製品が出ていてもいいはずなのに、私は一つも見つけられないでいる。デバイスのスタートアップを狙っている起業家には絶好の時期だ。低温調理の柔らかいステーキのファンとしては、この市場がさらに活気づくことを期待したい。


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Arduinoプロジェクトにタッチ/ジェスチャーコントロールを加えられるHover

Arduinoハッカーたちよ、喜べ: これからはきみのちっちゃな電子工学プロジェクトにタッチやジェスチャーによるコントロールを加えられるのだ。過去のプロジェクトでも急に、魅力的で抗しがたいユーザ体験を提供できるようになるだろう。そのHoverと呼ばれる製品は要するにお値段39ドルのPCB製品で、その上に容量性(コンデンサ方式)のタッチコントローラが乗っている。

しかも、使われているセンサはジェスチャーにも反応するので、手を上にかざすことによっても機能する。つまり、Kinect的なモーションコントロールや対話的操作ができてしまうのだ。Arduinoにくっつけて使うから、対話を扱うためにそれ自身が強力な処理能力を持つ必要がない。だから小型化できて、どんなプロジェクトにも容易に埋め込める。

Emran MahbubとJonathan Liが作ったこの製品は数週間後に発売され、何もしなくてもすぐ使える状態で提供されるようだ。現時点でユーザを特定するのは困難だが、たとえばジェスチャーを使う音楽玩具とか、タッチで制御するロボットなどが思い浮かぶ。とてもしっかりした、クールな技術製品だ。

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スマートフォンからコントロールできる真空調理器、Mellowが予約受け付け中


真空パックした素材を温水で長時間加熱する低温調理法あるいは真空調理法は肉や野菜を驚くほど柔らかくする料理手法だ。これまでは主に業務用として利用されてきたが、最近Anovaのように手頃な価格の家庭用の製品も出始めている。

ここで紹介するMellowはいわば「スマート低温調理ポット」だ。スマートフォンのアプリから自動的にコントロールでき、素材と分量に応じて最適なタイミングで調理ができる。

この調理器には予約した調理開始時間まで5℃で素材を保存するための冷蔵機能もある。調理が開始されると水温を最高90.5℃まで上げ、熱した水を真空パックした食材の周囲に循環させる。Mellowには真空シール機能も含まれており、繰り返し利用できる真空バッグも付属している。内蔵の秤が素材の重量を測り、素材の種類にしたがって適切な調理時間が設定される。ユーザーは材料をMellowに入れ、アプリからスタートボタンを押すだけで理想的に調理されたステーキが食べられる。

このアプリは調理開始時間を予約でき、調理が完了したら通知を受け取れる。さらに新しいレシピをユーザーに提案してくれる。

Mellowは現在予約受付中で価格は400ドルだが、値段に見合う価値があるだろうと思う。しゃれたデザインのプログラマブルな大型コーヒーメーみたいに見えるが、このコンパンクトな筐体に驚くほど多くの機能が詰め込まれている。正しく低温調理されたステーキやチキンは驚くほど柔らかく、野菜は不思議に歯切れよく調理され、すばらしい味わいを楽しめる。

Mellowを開発したのはCatarina ViolanteとZe Pinto Ferreiraのポルトガル出身のチームで、現在はイギリスを本拠として各種のキッチンウェアを製造販売している。

〔日本版:記事中で紹介されているAnovaはユーザーが手持ちの鍋にセットする電気ヒーターで25℃から99℃まで正確に水温を設定できる。価格は199ドルでAmazon USからも購入できるようだ。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)</P


Unglue.itは、著者が一定金額を得たら電子書籍を無料にするサービス

本を無料で配ることは、Cory Doctorowのように奇特な人たちにとっては簡単なことだが、われわれ貧乏ライターはどうすればいいのか。クリエイティブ・コモンズで本を公開する精神は気高いが、物書きは稼がねばならない。

それをやるのがunglue.itだ。これは著者が電子書籍を掲載し、一定金額を得た後は無料で配布するサービスだ。本はいくらで売ってもよいし、読者はいくら寄付してもよい。一定レベルに達すると、その本は無料になる。

同サービスはつい最近新しい機能、Thanks-for-Ungluing を追加し、”unglued”[無料化]された後も著者に寄付できるようにした。

著者のJohn Sundmanは最新作 “Biodigital” を、子供向けの未就学児に算数を教える本と共に同サービスで公開した。

クリエイティブ・コモンズに作品を加えるという考えは、依然として極めて説得力がある。あらゆるデジタルコンテンツは無料であるべきだという期待も一部に存在する(そして海賊行為のおかげで、実際そうであることも多い)。そしてそれと戦う必要はないが、代わりに少額支払いを可能にすることでダメージを軽減することはできる。個人的に私は自分の著作を無料で公開するのが好きだ。しかし、対価を得られる見込みもまた魅力的である。結局これが、Unglue.itの解こうとしている問題であり、作品の質やデザインに問題がなければ、自営ライターにとって非常に面白いツールになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ネットワークカメラの多機能化(いろんなアプリ、そしてデベロッパ用APIも)で飛躍したいEvercam

プログラマという人種は、自分のオフィスという穴蔵に引きこもるのが好きだ。そこで、彼等にとっては自分専用のカメラが使えるとありがたい。外を見なくても、今ピザの配達が到着したことが分かる。そのために生まれたのが、Evercamだ。

このシステムの使い方は三通りある:

1)自分のネットワークカメラをシステムにつなぎ、Evercamの“アプリ”を自分のスマホに加える。たとえば、Big Red Buttonアプリ(下図上左2)なら赤い大きなボタンを押すとスナップ写真を撮ったり、一定時間のビデオを撮れる。

2)デベロッパはこのシステムの、アプリではなくAPIを使って自分が作るアプリにカメラ機能を持たせられる。

3)さらに、カメラのメーカーがカメラにこのシステムを統合すると、カメラがEvercamの機能を持つ。

作者のVinnie QuinnとMarco Herbstは、大学でウィスキーを売ることからビジネスを始めた(本当に!)。次は2000年にJobs.ieを作り、2005年にそれを売ったあと、CCTVのホスティングサービスCamba.tvを作り、Cambaが進化してEvercamになった。

Evercamは最近50万ユーロのラウンドを終え、来年はシリーズAの調達を予定している。

DropcamやSensr.netなどはカメラをホストするが、デベロッパ指向でない。Milestoneなどはデベロッパ向けのカメラプラットホームだが、自分ではホストしない”、とHerbstは言う。“うちは、両方やる。カメラに関してTwilio的な経験を提供するのだ”。

[ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。]

“カメラのプロジェクトは難しい。監視ビデオの市場は、昔のアナログの連中もまだ健在だから、競争が激しくて、儲からない”。

だからネットワークカメラを将来的には、監視カメラではなく、“ソーシャルメディアカメラ”や“マーケティングカメラ”、“企業情報カメラ”などに変えていきたいのだ。無脳な監視カメラから、多方面に有脳なカメラに。彼等は今日(米国時間5/5)のTechCrunch DisruptでTC Disrupt Battlefieldに出場する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


[今週のロボット]清掃集団、窓ふきロボット、インタラクティブUIロボット

親愛なる人類の皆さん、おはよう。今日の良き日を楽しんでおられるだろうか。ロボットなんか怖くないって?そうだろう、そうだろう。というわけで今週も、TIDWRTWHUFOO(Today In Dystopian War Robots That Will Harvest Us For Our Organs[人間の臓器を摘出する暗黒時代の戦闘ロボット])シリーズの時間がやってきた。

最初のロボットは、Avidbots。散らかった床を片付けるクリーニング集団だ。あるいはあなたを吸い込んでピンクのドロドロに変えてしまうかもしれないが。

Avidbotsは、集団行動によって部屋のどこが一番汚いかを探し、もしかしたら隠れている何かを見つけて食べてしまうかもしれない。ロボットたちは協力して働き、世界中の倉庫で怠惰な人間たちを置き換えるかもしれない。

次は、Justinという名前のチャーミングなロボットで、こちらは窓をきれいにしてくれる。どうして?あなたが走るところをもっとよく見たいから!

Justinを作ったのは、ドイツの宇宙エンジニアリングセンター、DLRだ。Justinは本来宇宙で清掃活動するために作られたが、DLRは彼をこの地球に年季奉公に出したようで、ここであらゆる清掃作業に精を出している — それに飽きてわれわれを破壊するまで。

そして最後にご紹介するのは、インタラクティブなUI要素として働く小さくてクールなロボットたちだ。彼らは、人間の意思を素早く察し、あなたがステレオのスイッチを入れようとしたり、分子を操作しようとしたとき「現れる」。彼らをインタラクティブ平面上であちこちに動かすと、シミュレーションマップ上の位置をリアル世界で再現する。他に何ができるって?未来のロボット攻撃の統合だ!

ではまた来週のTIDWRTWHUFOOで会いましょう!

via Spectrum.ieee.org

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


50歳を迎えたBASIC

50年前。すなわち1964年の今月、新しい世代のコンピュータ言語が生まれた。

そういうと、多くの人がUnixの誕生や、今でも人気のコンピュータ言語のことかと思うかもしれない。しかし今日の話題はそうではない。1964年5月1日に、BASICというプログラミング言語がダートマス大学で産声をあげたのだ。この日から、歴史の流れは大きく変わることとなった。

新言語を生み出したのはジョン・ジョージ・ケメニーとトーマス・E・カーツ、そして学生プログラマのグループだ。Beginner’s All-Purpose Symbolic Instruction Code(BASIC)という言語を生み出したのだ。コンピュータの仕組みを学習させるのに最適で、メインフレームコンピュータでは必要な制御機能などが無用となっていた。「EBCDIC ARRAY E [0:11]」といったコマンドは無用となり、単純に「HELLO」と開始の挨拶を送れば「READY」と応えてくれるものだった。

BASICは、確かに誕生当初より初心者に親切な言語であった。分かりやすい言語構造を持ち、プログラムの各行には行番号が付される。言語構造的にリニアな思考を促すようにもなっていた(最近は流行らないのかもしれないが)。最近ではBASICの人気はなくなってしまい、初心者用ということでは他の言語が使われるようにもなっている。しかしダートマスがその後に生まれた何百万というプログラマにさまざまな影響を与えたことは間違いない。

初期のBASICにはいろいろな不備もあったが、徐々になんでもできる言語へと発展していった。最初期のホームコンピュータは標準でBASICを搭載しており、筆者自身もダートマスBASICをフェラーリ化したようなTurbo Basicでいろいろとプログラムを組んだものだった。ウェブ時代になってBASICを見ることも少なくなったように感じるが、しかしまだまだOS Xでも、Windowsでも、あるいはLinux上にても現役の処理系だ。ほとんどの人が知らないかもしれないが、AndroidiOSで動作するものもある。

多くのプログラマーが以下のコードを打ち込んで実行した経験があるのではないかと思う。最初に触れた言語がBASICだったという人も非常に多いのだ。

10 PRINT “HELLO WORLD”
20 GOTO 10

「HELLO WORLD」の部分をお下品な言葉にして叱られたりしたこともあった。PRINT行でセミコロンを付ける付けないまた出力結果が変わって面白さを感じさせられることもあった。

BASICについて、もう少しく淡しい記事がこちらにある。また、ダートマス大学もこちらに記念ページを解説している。さらにオリジナルのマニュアルも公開されている。

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(翻訳:Maeda, H


脳の機能を改良するウェアラブルHaloが$1.5Mを調達, 神経科学の新分野だが学会もすでにある

専門医でもないしろうとが、脳に直接電流を通すのは、こわいと思う人が多いだろう。しかしHalo Neuroscienceは、まさにそのために100万ドルあまりの資金を獲得した。“脳の機能を増強する”ウェアラブルをこれから作ろうとしている同社は、Andreessen HorowitzのMarc AndreessenとSoftTech VCのJeff Clavierが率いるラウンドにより、150万ドルを調達したのだ。

まずご理解いただきたいのは、これがOne Flew Over The Cuckoo’s Nestのシミュレータではないことだ。CEOのDan Chaoは、次のように書いている:

Haloの技術は一連の非侵襲的で低エネルギーの、電池駆動の刺激による神経系への物理療法により、認識能力を向上させる。Haloはneuromodulation学会応用例)と呼ばれる分野の医療技術であり、最近では電磁波や赤外線、超音波、物理的な刺激などを利用する研究が行われている。

そのお金は、何に使うのか? 同社はIPの問題や、FDAに対する安全性上の課題をクリアして、利用者がヒマラヤの雪男に追われる幻覚を見たりしないようにする必要があるのだ。

スタンフォードで神経科学を専攻したDan Chaoと、エンジニアのBrett Winger、消費者向けモバイルハードウェアのベテランSarvaの三名が作った同社は、しっかりした知的基盤があるように思える。

Sarvaはこう言う:

“Haloは、病気の人や健康な人の脳を刺激して、脳の働きを良くする技術だ。学習の加速や体の動きのコントロールなど、とても多様な効果がある。それらの中でうちが何に特化するかはまだ明確でないが、このneuromodulationという分野は将来性がとても大きい。脳の状態をセンスしたり“読み取る”だけでなく、電磁波などを使って脳への“書き込み”を行うのだ”。

まだ一般的には突拍子もない話であることは、Sarvaも認める:

“DanとAmolは長年、神経科学畑にいるから、この傍流的な技術のことは2002年ごろから知っている。でも当時は、誰も信じなかった! ぼくらもね。自分たちで試してみて、やっと信じられるようになったんだ”。

このデバイスを使うとMagnetoのような超能力を使えるようになる、と同社は言っていない。でも、同じハードウェアスタートアップでも、ドアをリモートで開ける、なんてのよりは、ずっとおもしろいし重要だ。最終製品の効能には、サイコキネシス(物体の念力移動)ぐらいは載るかもしれないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


怪獣のようなデザインの強力ワイヤレスルータLinksys WRT1900ACは大きな無線LANを作りたい小企業向け

世の中にはワイヤレスルータがあり、そしてまた、ワイヤレスルータだけど1.2GHzデュアルコアMarvel Armada SoCと256MB RAM搭載、USB 3.0サポート、4基の巨大アンテナでどんな環境でもワイヤレス接続を実現、というものもある。250ドルのLinksys WRT1900ACは後者だ。今ならここで当たるともらえる。

なぜ、こんなものを本誌の記事で取り上げるのか? ホームオフィスや小さなオフィスでネットワーキングしている人たちは、重装備をした経験がない。ふつうのワイヤレスルータと、Ciscoの31000ドルのマシンの中間に位置するような、本格的にプログラマブルでとっても強力なネットワーキングツール、しかもNASのセットアップやワイヤレスの管理が簡単で高速な接続ができるものを探すと、そんな製品はほとんどない。オフィス全体のネットワークを、必要なバックアップと子どもたちのためのフィルタリングと巧妙なネットワークマッピングツール常備でセットアップしたければ、ルータはこれを使うことになるだろう。

このルータで最初に気づくことは、サイズだ。取り外しできる4つのアンテナがケースから出っ張っているが、その長さが10インチ。こんなに長いのは、初めて見る。放熱用の孔がたくさんあるほか、ファンも内蔵しております。壁にも取り付けられるが、適地はたぶんオフィスのファイリングキャビネットの上だろう。電波到達距離は約300フィートで、複数のWiFiチャネルをサポートしている(2.4 GHz 802.11nと5 GHz 802.11ac)。最大スループットを得るためのアンテナ調整用のビームもある。デザインは今のLinksysの主流よりやや古い、シンプルなもので、2000年代半ばにお気に入りだったハードウェアを思い出すギークもいるだろう。

最良のスループットは5 GHz接続で得られる。ぼくのレンガ造りの家の一階で気になる減損はなく、屋根裏部屋でもスピードは安定している(ルータの真上約30フィート)。Airport Base Station Iでテストした結果は、before/afterともに理論値13Mbpsで実速は4Mbpsから6Mbpsに増加。すなわち、現用性能はとてもよろしい。

インタフェイス

Linksysは、インタフェイスがとても良い。プロセッサが強力だからセッティングもはやいし、システムリセットもスムース。古いルータでリブートすると1~2分かかったが、こちらはほんの一瞬だ。

ネットワークマップが、とっても快適。たいへんすばらしいツールで、自分のネットワーク上のおかしなIPアドレスを見つけたいとき、とても役に立つ。ぼくのBitcoin mining rigはRaspberry Piの自作だが、ローカルのIPアドレスをすべてスキャンするシェルスクリプトなんか書かなくても、このネットワークマップで簡単に見つかる。ネットワーク接続でトラブっているデバイスも、画面をちらっと見ただけで分かる。一定のIPアドレスを特定のデバイス用に予約する(DHCPのアップデートの影響を受けないようにする)ことも、このインタフェイスから簡単にできる。

メディアのプライオリティを設定できる。どのメディアデバイスのストリームを優先させたいのか、という設定だ。子どものためのフィルタリングは、有害Webサイトをロックする。パスワードの付与によるゲストアクセスは、最大50名までだ。スピードテストを内蔵しているから、スピード関連のトラブルシューティングの役に立つ。このテストは、このデバイスが自分の性能を誇示するためのおまけかもしれない。

結論

このルータは、お財布がさびしい人には向いていない。250ドルは、そこらに売っているワイヤレスルータよりもずっとお高い。でも、これだけのスピード性能と到達範囲とトラフィック管理機能があって250ドルは、お得な投資対象だ。ぼくも含めてみんな、WiFiルータなんてどれも同じ、と思っているが、こいつだけは違う。

このルータは、人気のTomatoやOpenWRTなど、オープンソースのファームウェアを収納している点でもおもしろい。昔のLinksysは逆だったから、同社の初期のルータにファームウェアをインストールするのは楽ではなかった。オープンソースになったからには、自分のネットワークのセキュリティやパフォーマンスを向上するために、いろんなDIYができるのだから、すばらしい。

このルータは、一体何者だろう? ぼくが経験したスピードのアドバンテージと、強力なインタフェイス、ワイヤレスの性能、そしてプロセッサ、以上を合わせてこれは、小さなオフィスやホームユーザで、何かヘビーデューティーなものを求めている人たち用だ。確かにお値段は高いけど、はっきり分かるパフォーマンスの向上がある。これまでずっとAirportの製品を使ってきたぼくなんかは、Appleのファイア・アンド・フォーゲットのインタフェイスが恋しいが。

〔ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


テディベアを「編み出す」3Dプリンター。カーネギーメロンとディズニーより登場

カーネギーメロン大学の研究者とDisney Researchが、布製のテディベア人形を作ることのできる3Dプリンターを開発した。製作にかかる時間は数時間だとのこと。3Dプリンターはついにサンタクロース的な役割も担い始めたのかもしれない。素材は毛糸で、糸を撚りあわせることで表面をフェルト状にして形を作り出す。

カーネギーメロン大学のHuman-Computer Interaction Instituteに所属するScott E. Hudsonによるリサーチペーパー(PDF)に詳細な仕組みが記述されている。この論文によれば、世に普及しつつあるプラスチック素材を使う3Dプリンターのように、どのような形のものでも作り出すことができるようだ。縫いこんだ糸を、針を使って形を整えていくような仕組みとなっている。

上に掲載しているビデオを見ればわかるように、できあがりは完全に立体的なテディベアとなるわけではないらしい。片面が平面となった、ブローチのような形状のものができあがる。しかし繊維素材はあとで組み合わせるのも簡単だ。すなわちいくつかのパーツを組み合わせるという手法を使えば、ふつうのぬいぐるみのような形も作れるし、服やキルトのようなものを作ることもできるだろう。

もちろん糸を撚ってフェルト化したものなので、一般のぬいぐるみなどと比べれば、耐久性には劣る面もあるだろう。しかし毛糸の柔らかさが、身につけたり、あるいは抱きしめたときの良い感触を与えてくれるというメリットもある。

「素材的には、肌に接するようなところで使うのに適しているように思います」とHudsonは言っている。「3Dプリントで使える素材のバラエティを増やしていくことで、可能性を広げていくことに繋がると考えています」。

プリンター制御に使っているのは標準的なオープンソースソフトウェアだ。上のビデオから一目瞭然であるように、子供向けプロダクトの可能性を拓くものということができよう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


MITのBitcoinクラブ、在学生全員にBTC 100ドル分を配布

Bitconがもらえる! そう、MITの学生は全員bitoinをもらえる。MITの大志ある学生たち、コンピューターサイエンス学科2年生のJeremy RubinとMBA候補Dan Elitzerの2人は、50万ドル以上の募金を集め、MITの学部生4528人全員が100ドル相当のBTCを配ろうとしている。なぜか? 2人はMITの学生たちに暗号化通貨を教育し、来年までにキャンパス内の全店舗でBitcoinを使えるようにしたいからだ。

ElitzerはMITのBitcoinクラブの代表で、教育の機会を作ると共に、店舗がBitcoinを採用してMITの誰もがキャンパス内で使えるよう努力している。

「Bitconやその他の暗号化通貨は、個人データが新たなデジタル資産区分になる道を拓くものだ。MIT Bitcoinプロジェクトは、様々なデジタル資産区分を研究する基盤を提供する実に興味深い試みだ」と、支援者の一人で、MIT Kerberos & Internet Trust Concortium理事長のThomas Hardjonoがリリース文で語る。

学生たちがBitcoinを受け取るのは今年の秋で、それまでにキャンパスがBitcoin対応する時間は十分にあるはずだ。目標は、キャンパスにおけるBitcoin利用の試験台を作り、技術インテリ上流階級の間で流行させることだ。学生たちが怪しげなDogecoinにひっかからないためにもなるだろう。

もう少し詳しい説明はこちらで読める。果たしてこの秋、Bitcoinはケンブリッジのオタクたちの選ばれた通貨になるのだろうか。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Raspberry Piを利用して作ったDIY携帯電話の「PiPhone」

小さなコンピューターであるという観点から見れば、Raspberry Piも携帯電話も同じ仲間だ。と、いうことは、店でいくつかのパーツを買ってくれば、Raspberry Piをもとに自前の携帯電話が作れるのではないだろうか。そんなことを考えたのがDavid Huntだ。Raspberry PiにGSMモジュールおよび小さなTFTスクリーン、そしてバッテリーモジュールを加えて完璧にDIYな携帯電話を作ってしまった。

製作にかかった費用は158ドルほどだったとのこと。大きなパーツとしては、GSMモジュールが48ドルで、Raspberry Piとスクリーンがそれぞれ40ドルだ。独自に実装した電話機能にて、電話をかけたりあるいは受けることができる。昨今のスマートフォンではプライバシーがいろいろと盗み出されているようだと心配している人に最適なのかもしれない。

驚かされたのは、製作にあたってはハンダ付けなどの作業が無用だったという点だ。また回路設計等の知識も必要ないのだそうだ。ショップで購入してきたパーツをそのまま組み合わせればできあがると言っている。製作時間も1時間未満であったそうだ。但しオーバーヒートの可能性があり(実際、かなり熱くなったそうだ)、ケースに入れて見栄えをよくすることは諦めたらしい。雨の日には利用を諦めた方がよさそうだ。

構成パーツの中で最も複雑なのはGSMモジュール部分だ。小さい外見で変復調の役割を果たす。作者のHuntは次のように言っている。

裏返したところで見えるのはSim900 GSM/GPRSモジュールです。標準のATコマンドを利用して電話の発着呼や切断、テキストメッセージやデータの送受信などを行います。コンパクトながら非常によくできたモジュールです。基板の下の方にはSIMカードがあって、これによりGSMネットワークに繋がっているのです。普通に販売されているプリペイドSIMカードを使っています。近所の店で買ってきたのですが、10ユーロでした。

とても簡単に作ることができたという話ではあるが、しかしほんの数年前まではこのようなものを自作することなど不可能だった。今や、エレクトロニクスデバイスのほとんどが自作可能な時代になっているのだろう。身の回りで、面白いDIYプロジェクトがあればぜひ教えてもらいたい。

via RaspberryPi.org

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(翻訳:Maeda, H