料理材料及びレシピの宅配サービスを提供するBlue Apron、300万ドルの資金を追加調達

blue apron新しい料理を試してみたいと思っても、買い物や作り方を調べたりするのが面倒で諦めてしまうこともある。そういう面倒をなくして、料理を楽しむ手助けをするためのBlue Apron(ブルー・エプロン)というサービスが、シリーズAにて300万ドルの資金を調達したとアナウンスした。

サービスの内容はというと、1週間に最高3品目分の料理素材と作り方を、1品あたり9ドル99セントで送ってくるというものだ。昨年秋に紹介したときには、アメリカ北東部限定のサービスだった。現在はアメリカ国内の50%をカバー(西海岸地域はまだ対応していない)しており、毎週6000件をデリバリーしているのだそうだ。また、新たにベジタリアンオプションというのもできた。

共同ファウンダー兼CEOのMatt Salzbergによると、対応地域およびメニューバリエーションも増やしていく予定なのだそうだ(それほど遠くないタイミングで全米対応としたいとのこと)。ただ、こうしたサービスというのは規模を拡げるのがなかなか大変そうだ。食事サービスの面とロジスティクスサービスの両面を実現していく必要があるわけだ。Salzbergも、「もちろんいろいろなスキルが必要になってきます。サプライヤーとの協力関係も非常に大事です。利用者の方々に毎週新しいレシピを提供します。それを全米規模で行うというのは、かなりチャレンジングな仕事ではあります」と述べている。

しかし困難に立ち向かう価値は、間違いなくあるサービスだと思う。多忙な人びと(外食が好きでなかったり、忙しい中でもコンビニ弁当のようなものばかりを食べたくはない人)にとって、確かに役立つサービスだ。

出資したのはFirst Round Capital、Bessemer Venture Partners、Dave Tischなど。以前行ったシードラウンドでは90万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:Maeda, H)

Firefox 19がHTML5だけによるPDFビューワを搭載, Androidバージョンはテーマをサポート

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長く待たされたが、やっとFirefoxブラウザの本体がPDFビューワを内蔵した。それまではベータだけだったが、今日(米国時間2/19)のFirefox 19安定版のローンチ(Windows, Mac, Linux)により、そのHTML5によるPDFビューワが一般的に可利用となる。このPDFビューワはPDF.jsと呼ばれる研究プロジェクトから生まれ、HTML5の標準APIを使ってブラウザが迅速に標準のPDFファイルを描出する。Foxit ReaderSumatra PDFなどのプラグインはもう要らない。

GoogleのChromeにはかなり前からPDFビューワがあり、それに比べるとMozillaはかなり時間がかかった。いずれにしてもそれは、Firefoxの機能として大歓迎であり、またその出来栄えも良い。ただしプラットホームによってはフォントのレンダリングがややおかしい場合もある。

Firefox 19に加わったそのほかの機能は、その多くがデベロッパ向けで、たとえばCSSの@page成分のサポートや、内蔵デバッガ(ブラウザやアドオンのデベロッパ向け)のアップデートなどだ。リリースノートの全文は、ここで読める。

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Android用Firefox 19

Android上のFirefoxに関してMozillaは、CPUの性能要件を600MHzへ下げた。Firefoxのチームによると、これにより、LG Optimus One、T-Mobile myTouch 3G slide、HTC Wildfire SとZTE R750などおよそ1500万あまりのデバイスで動くようになった。.

さらにまた、モバイルバージョンがテーマをサポートすることになったので、モバイルブラウザのカスタマイズがある程度できる。中国語は、繁体と簡体の両方をサポートするようになった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft、Outlook.comの正式運用を開始。アナウンス後12時間で150万件のアカウントが誕生

6087.SUMMARY_Outlook_300x166_for outlook.com.jpg-550x0Microsoftが、これまでベータ版で提供してきたOutlook.com正式公開を行った。膨大な数にのぼるHotmail利用者も、Outlook.comに順次移行させる。Microsoftによる移行作業は夏までに完了する見込みだとのこと(システム側による移行ではなく、自分で移行することも可能)。全体の移行が完了した時点でHotmailのインタフェースを終了させることになる。Microsoftのプロダクトマネジメント部門シニアディレクターであるDharmesh Mehtaによると、Outlook.comが公開されて最初の12時間で、150万件のアカウントが作成されたとのこと。

「正式版を公開した最初の12時間で、150万のアカウントが作成されました。Hotmail利用者の方々に正式オープンした旨の通知を行う前に、多くの人びとがOutlook.comを使い始めてくれたのです。Outlook.comをご覧になって、気に入って頂いたのだと思います。多くの方にOutlook.comの利用を開始してもらい、大変嬉しく思っています」とのことだ。

上の発言でもわかるように、言及されている150万というのは新規利用者と、あるいはGmailなどの他サービスからの乗り換え組、そしてHotmailからのアップグレード組を含む数字だ。正式公開のニュースが流れて直ちに多数の利用者がアカウントを開設するという動きを見せたそうだ。すなわち、Hotmailの利用者が本当に新しいインタフェースを好んで移行するのかどうかは、まだ今後の動きをみなければなんとも言えないことになる。ただ、多くの人が新しいメールサービスの登場に注目していることは間違いないと言えそうだ。

HotmailからOutlook.comへの移行についてはこちらの記事(英文)もご参照頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H)

アカウントハイジャックは2011年ピーク時の0.3%に減少とGoogleは主張

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Googleが今朝(米国時間2/19)ポストしたやや自己満足的なアップデートによると、ハッカーたちがGoogleのユーザのアカウントに危害を加えることは、今や相当難しくなりつつあるそうだ。Googleは曰く、“このようなアカウントハイジャックは2011年にピークに達したが、今ではその発生件数を往時の0.3%にまで削減できている”。

Googleによると、スパムフィルタの性能向上とともにスパマーたちは2010年ごろ、そのバリヤーをくぐり抜ける唯一の方法はユーザが信用する本物のアカウントを使うことだ、と悟った。そしてそのためには、既存のアカウントをハックして、そこからスパムを送るのだ。しかし今ではGoogleが、ブラックマーケットで入手できるデータを使って、そのような犯行を絶えずチェックしている。その中にはたとえば、“一人の犯行者が、盗んだパスワードを使って毎日々々、数週間にもわたって、およそ100万のアカウントに侵入を試みる”、といった犯行もある。

“We’ve seen a single attacker using stolen passwords to attempt to break into a million different Google accounts every single day, for weeks at a time.”

[“一人の犯行者が、盗んだパスワードを使って毎日々々、数週間にもわたって、およそ100万のGoogleアカウントに侵入を試みるところを、われわれは見た。”]

Googleはこの問題の重大性に気づき、セキュリティ努力を強化して、今では誰かがシステムにログインするたびに“複雑なリスク分析”を実行している。一回のログインに際して調べる変数は120種以上、そしてその結果によっては、ユーザに電話番号などほかの情報を求めることがある。それらすべてに合格してやっと、ログインが認められる。

Googleはユーザに、2要素認証システムなどの付加的セキュリティ機能を利用することと、強力なパスワードを選ぶことをすすめている。しかしそれをしない人が圧倒的に多いから、今でも、アカウントハイジャックにやられやすいアカウントは少なからず存在するだろう。ビッグサイトGoogleにおいて、”0.3%”の実数は、相当大きいはずだ。

[2011のピーク時の0.3%に減少(2012/6月)]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、マルチタッチ用に位置決め可能な超高精度「触覚フィードバック」の特許を申請

5年近く前に「触覚フィードバック」が携帯電話のバズワードになった時、多くの人がスマートフォンのガラス面から浮き出たキーボードを指で押すところを想像した。実際にわれわれが手にしたのは、ソフトウェアキーにタッチした時、何かしら微かに振動するデバイスだった。しかし今日(米国時間2/10)Appleが申請した特許(AppleInsiderが発見した)は、そんな未熟なデザインを改善しようとしている。

触覚フィードバックの精度を高めるために、Appleの特許申請済みシステムは、振動フィードバックに最低2つの作動装置を用いる。一台がパルスを送りだし、もう一台が特定の位置に2番目の振動を作り出して位置を特定できるようにする。こうすることによって、マルチタッチデバイスで、画面上のどのバーチャルボタンに対しても位置付きフィードバックを返すことができる。これは、通常ホームボタンの下などの決められた位置に置かれた数個の作動装置による方式とは異なる。

触覚フィードバックは、主要Android機のほぼ全機種が採用しているにもかかわらず、Appleは未だに使っていない。実際、多くの消費者にとって、キーに対する触覚レスポンスはAndroid特有の機能だと思われているだろう。しかしAppleの方式は、あたかも振動が特定のキー位置から来ているかのような反応を返すことが可能だ。つまり理論上、どの既存システムよりも、上に書いたSF的「触覚フィードバック」の理解に近い。

本特許は、Appleが2009年の申請以来数多く保有している触覚フィードバックの特許に続くものだ。同社はこのテクノロジーを自社デバイスで実際に使うことに関して、未だに控え目な態度を続けているが、恐らくそれにはもっともな理由がある。バッテリー消費の問題に加え、現行の実装は雑で、体験全体の価値を大して高めない。しかし、Appleがライバルより「遅く」導入した他の機能と同じように、ひとたびAppleがユーザー体験に役立つことを保証できれば、今後のiPhoneやiPadでこの機能が使われるのを見ることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

2010 Disrupt勝者QwikiがiPhoneアプリをリリース, 最初の週で12万ダウンロード

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2010年のTechCrunch Disruptで優勝したQwikiが、ほぼ1週間前にローンチしたiPhoneアプリは、最初の6日間で12万5000回ダウンロードされ、27000のQwikiが作られた。

サービスのQwikiと情報コンテンツのフォーマットとしてのQwiki、後者は、単純化して言うと、写真やビデオや音楽など多様な部品的マルチメディアコンテンツを、一本のビデオにまとめたものだ。同社はマルチメディア検索エンジンとしてスタートし、Disrupt優勝時にはユーザが指定したトピックを軸に、ビデオ主体のマルチメディアプレゼンテーションを作るサービスだった。しかしその後、情報を消費するサービスから、パーソナルなストーリー作り*へとサービスのタイプを変えた。〔*: “自分の記憶の中にある雑多なものすべてを一本のムービーにまとめる”…マルチメディアビデオ統合を、同社はこう表現している。〕

先週CEOのDoug Imbruceがメールで語ったところによると、12月に非公開ベータでローンチした新バージョンのQwikiは、“このテクノロジプラットホームの構築に費やしたこれまでの年月の究極の成果”だ。また昨年春には、ニュースをパブリッシュするプラットホームをQwikiのエクステンションとしてリリースした。“今のQwikiは、ぼくの義妹にとってABC…幼児がおぼえたばかりの文字…が強力であるように強力だ”。

すでに企業が、Qwikiの試用を開始している。Qwikiの広報がぼくに言ったところによると、中でも有名な企業は、WeAreBigBeat(レコード会社Big Beat)、Lucky Magazine、Smith Hotelsなどで、それぞれのフォロワー数は1000から1500だ(Qwiki自身は3210)。

QwikiのiPhoneアプリはまだスタートしたばかりだが、このダウンロード数から見ると、その将来はかなりのものだろう。Appleもこのアプリを影ながら支援していて、ローンチ直後にはApp Storeでよく目立つように紹介された。Qwikiのダウンロードはここで。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AWS、OpsWorksをリリース―Chefと連動してアプリ公開のライフサイクルをクラウド上で効率化する画期的サービス

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AWS(Amazon Web Services)はトラフィックの規模に応じて自由にスケールさせながらアプリの配信を管理するOpsWorksOpsWorksという新サービスをスタートさせた。

より興味が持たれるのは、新しく生まれつつ在るPasS(Platform as a Service)分野に破壊的革新をもたらす可能性があることだ。DevOps〔開発者が同時に運用者であるシステム〕の運用管理ツールの分野ではChefとPuppetが激しく競争しているが、そのインフラは次第に複雑さを増している。

プレスリリースによると、このサービスはリソース・プロビジョニング、コンフィグレーション管理、アプリケーション公開、ソフトウェアのアップデート、利用状況のモニタとアクセス管理などを含めたアプリの全ライフサイクルを管理するという。AmazonのCTO、Werner Vogelsによれば、AWS OpsWorksはベルリンのPeritor社(Scalariumの開発元で、AWSが2012年に買収)の開発によるものだという。

OpsWorksはデベロッパーに多層のレイヤーを提供する。レイヤーはデベロッパーが公開しようとする各種のAWSインスタンスの設計図の役割を果たす。レイヤーは特定のインスタンスのコンフィグレーションを設定したり、関連するAWSのリソース、たとえばElastic IPアドレスを取得したりするのに用いられる。デベロッパーはこれによってAWSのクラウド環境を容易に動的に管理できる。新サービスはRuby、PHP、HAProxy、Memcached、MySQLをサポートしている。さらにデベロッパーカスタム・レイヤーを開発して利用することができる。OpsWorksはChefと連動しており、必要に応じて特定のイベントに関連づけられたChefのレシピ〔運用自動化のスクリプト〕を呼び出すことが可能だという。

デベロッパーはOpsWorksは異なるレイヤーに自由にインスタンスを割り当てることができる。.

またOpsWorksではあらゆる面で処理の自動化が図られている。たとえばこのサービスはアプリの定義して公開する。デベロッパーはOpsWorksにソースコードの場所を教えておくだけで、後はこのサービスがデータベースのコンフィグレーションなどの作業を自動的に進めてくれる。

OpsWorksは非常に大きな影響を与える可能性がある。Hacker Newsのコメント欄にもあったが、Herokuを置き換える可能性もある。またOpsWorksがChefと連動する点については、Puppetに与える影響が注目される。

いずれにせよ、PaaS/DevOps市場は急速な拡大、進歩を続けており、OpsWorksの出現でアプリの公開管理の自動化とスピードアップはいっそう進むことになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

CodecademyがTwitter, Evernote, Boxらと提携してAPIレッスンをよりリアルに拡充

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今はプログラマにとって良い時代だ。そう言える理由はいくつかあるが、その一つが公開されているAPIの多さだ。それらのAPIを利用するとプログラマは、高度な機能を比較的短時間で容易に自分のアプリケーションへ実装できる。

すべての人にプログラミングを教えることをミッションとするCodecademyも、JavaScript、Rubyに続いてWebアプリケーション/サービスのAPIを次なる学習言語として取りあげた。そして今日(米国時間2/19)Codecademyは、APIを利用するプログラミングの新しいレッスンを、既存のWeb企業数社との提携により提供する、と発表した

CodecademyがAPIのレッスンを開始したのは先月だが、今回の提携事業により、いくつかの有名大手WebサービスのAPIが教材として加わる。それらの新しいAPIプログラミングレッスンに加わるのは、TwitterEvernoteBoxGiltなどのサービスだ。そのほかの、全パートナーの名前を列挙すると: WePay、Microsoft SkyDrive、23andme、Mashape、Ordr.in、Firebase、Easypost、Github、MailChimp、そしてDwollaとなる。

これだけのAPIを使いこなせたら、すごいことができるだろう。Codecademyの協同ファウンダZach Simsはこう言う: “Codecademyでレッスンを開始してからわずか数分後に、ユーザはいくつかのすばらしいことができるようになる”。たとえばTwitterのAPIを使えば、自分が今書いているプログラムからツイートを読んだり自分のツイートを作ったりできる。WePayやDwollaのAPIでは、たとえば送金をしたり請求書を作ったりできる。

APIプログラミングを加えたことは、Codecademyのすてきなアップデートだ。同サイトは2011年8月のローンチ以来着実に成長し、今ではスタッフが17名、獲得したベンチャー資金は1250万ドルになる。このアップデートによってCodecademyは、単純に初心者にプログラミングの初歩を教えるだけでなく、従来的なプログラミング言語でプログラムを書ける人たちにも、新しいプログラミング技法を身につけさせることが、できるようになった。

APIレッスンの全容は、ここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

3Dプリンティング・ペン、3Doodler、Kickstarterの目標を数時間で達成

3Dプリンティングは複雑、だがもし3Doodlerが何かの兆しであるなら、おそろしく単純にもなる。玩具デザイナーのチームが作った3Doodlerは、先端に簡単なプラスチック押出機が付いたペンだ。ボタンを押すとプラスチックの細い糸が出てほぼ一瞬で硬化する。このペンを使ってプラスチック画をかくこともできるし、少量のプラスチックで3D作品を作ることさえ可能だ。

75ドルのプレッジ(投資)でペンが手に入り、ABS/PLAプラスチックを使用できる。Makerbotが使っているのと同じ材料だ。プラスチックは自動的に送り出され、1本のプラスチックから数十個の作品が作れる。

ファウンダーのPeter DilworthとMax Bogueは、経験ある玩具デザイナーだ。DilworthはMITのメディアラボで、BogueはアジアのWowWeeで働いていた。二人は自分たちのアイディアでおもちゃをデザインするために勤めを辞め、これが最初の商品になる。

私は先週このプロトタイプ版を見たが、非常に魅力的だった。おもちゃとして面白いし、ちょっとしたプラスチック作品のプロトタイプにもかなり便利そうだ。ものの数分で、小さなワイヤフレームの立方体を作ったり、TCのロゴをかくことができた。上のビデオのようにちょっとした3D画をかくのも楽しい。ちなみにこれはBohn Jiggsと韻を踏む有名インターネットブロガー。

プロジェクトの資金調達目標はすでに達成済みで、これは人気商品になりそうだ。楽しく、賢く、3Dプリンティングの基本を面倒なプログラミングやCADなしに学ぶことができる。ABS押出しファンのためのLOGOプログラミング言語と考えればいい。それは結構奥が深く、かなり正確だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Apple、Facebookと同じハッカー集団の標的にされたことを発表。対策ソフトウェア公開へ

Appleは、最近Facebookネットワークのセキュリティー侵害を試みたのと同じグループから攻撃を受けたことを発表した。同社は、「少数の」従業員のMacが影響を受けたが「Appleからいかなるデータが流出した形跡もない」と言っている。ロイターの報道による。Appleは、顧客が同じ方法で攻撃されることを防ぐためのソフトウェアを公開予定であると言っている。

Appleの発表は、先週金曜日にFacebookが、中国で活動中のハッカーの標的にされたニュースに続くものだ。Facebookは攻撃によって侵害されたユーザーデータはないと報告している。Appleは警察と協力してハッキングの出所を探すと共に、同社顧客向けに未確認襲撃者が使ったマルウェアからMacを守るためのソフトウェアを公開する予定だ。

Apple、Facebook両社にとって、自社への攻撃に関する情報源となっている今のゴールは、メディアより早く情報を公開し、保有データのセキュリティー保全に全力を尽していることを顧客に知らせて安心させることだ。恐らくSony PlayStationネットワークの侵入被害と、攻撃に関するその後の情報提供の「遅さ」が招いた批判と訴訟いう実地教育が、サイバーセキュリティーの脅威に曝された両社が透明性を高めた理由の一つだろう。

Appleがセキュリティー侵害を認めることは稀だ。同社は2010年に顧客からの苦情に応じて400件のiTunesアカウントが襲われたことを認めた。しかし、この種の機先を制した行動から、今回はレベルの違うセキュリティー侵害が起きていることが伺われる。プラス面としては、ユーザーデータの流出がなかったらしいこと、およびこれで警察当局は犯人を追跡するために、業界の巨人2社とその膨大な人員の協力を得られることだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

苦難の2012年を終え、HTCが最新スマートフォンHTC Oneで逆襲へ

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HTCが2012をもっと良い年であればよかったのにと考えていることに疑いはない。悩めるスマートフォン会社は、ライバルのSamsungとAppleが次々と節目を通過する中、四半期毎に残念な結果を繰り返してきた、

CEO Peter Chouは、最悪の時は過ぎ、自らが率いる会社を好転させられると信じている。今、ここニューヨークで(同時にロンドンでも)、HTCは同社の未来を担う新製品、HTC Oneをつい先ほど発表した。

はっきり言って、この数週間に異常なほど出回ったリークでネタバレしていた以上のものは殆どないが、それでもJelly Beanを塔載したOneは、驚くほど良くできた端末だ。HTC Oneの4.7インチ 1080p(ピクセル密度468 ppi)ディスプレイは白と黒で縁取らたタテヨコどちらの位置でも使え、BlackBerry Z10と似てなくもないい。もちろん、中身もなかなかのものだ。スマートでなめらかな曲面のアルミニウム製ユニボディーシャシーの中には、Qualcommの4コアSnapdragon 600チップセット1.6GHzクロック、RAM 2GB、および32または64GBの内蔵フラッシュメモリーが収まっている。

しかし、Oneのハードウェアからは、何か抑制されたものを感じる。4.7インチ1080pディスプレイは、同社の最大ではなく(同社のDroid DNAがその称号を持つ)、チップセットもQualcommの最速版ではない。このところHTCやSamsungなどの会社は、デバイスのスペックシートで争うよりも、差別化機能に力を入れるようになり、Oneもその例に漏れない。

同社はモバイル機の音質にこだわり、前面スピーカーペアと独自のアンプを加え、妙な名前まで付けた(”Boomsound” って?)。さらにHTCは、Oneのカメラにも力を入れ、”Ultrapixel”と称するセンサーを載せてメガピクセル競争から完全な脱却をはかっている。f 2.0のレンズは 「ライバルより300%明るい」と同社は豪語している。赤外線とHTCブランドのPeel社製リモコンアプリでリビングルームでの利用も考えられている。

もちろん、ハードウェアはHTCのOneに対するビジョンの一部でしかない。

もちろん、ハードウェアはHTCのOneに対するビジョンの一部でしかない。リークしたスクリーンショットにあった通り、改善された最新のSense 5のUIは、これまでのHTCのUIの中で最もすっきりして目障りなところがない。これまでのけばけばしくて凝りすぎたインターフェースとは一線を画すものだ。

GoogleのRobotoフォントがSenseのアイコンとウィジェット全般で使われており、Jelly Beanの寒色デジタル風デザインとマッチしている。しかし、最大の新機能はBlinkFeed。これは無数の情報ソース(ESPN、AOLのメディアサイト、The Verge、Reuters等々)からコンテンツを集め、デバイスのホーム画面に流すものだ。

なお画面をスワイプすることによって、BlinkFeedの左側に標準のホーム画面があと4枚(これがハードの制限)ある。良くも悪くもこの機能をオフにすることはできない。設定画面でコンテンツのソースを減らすことはできる。

HTCによると、Oneは3月以降最終的に世界185社以上のキャリアーで利用可能となるが、米国内ではAT&T、Sprint、およびT-Mobileが同機をサポートする。Verizonファンは残念。VerizonがOneに対応しないという正式発表はないが、Droid DNAが未だに比較的新しい商品であることを考えれば大きなショックではない。

大型イベントは今も続行中。実際に使ってみてのレポートは後ほど。

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(翻訳:Nob Takahashi)

TwitterはTwitter Cardテクノロジーを利用した新しいマーケティング・ツールをテスト中

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Twitterはダイレクト・マーケティングで見込顧客を獲得する新しい広告ツールをテスト中だ。

Twitterのスモール・ビジネス・ガイドをPRするこのツイートが新しい広告ユニットのサンプルだ。詳細表示窓にサムネール画像だけでなく、Twitterのユーザーがログインしている場合、“Getit now”(今すぐ入手) というボタンも表示される。ユーザーがこのボタンをクリックすると、電話番号やメールアドレスを尋ねられることなく「Twitterの広告部門が連絡します」というメッセージを受け取る。そこで広告主にとって興味がありそうなアカウントのリストが購入できるということのようだ。

Twitterによると、この機能はツイートに写真、画像、ビデオなどのマルチメディア情報をエンベッドするTwitter Cardsテクノロジーを利用したものだという。この広告ツールは現在まだテスト中だ。今後内容も大きく変わる変わるかもしれないし、ついに陽の目を見ない可能性さえある。しかし広告主にとっては相当に魅力的なプロダクトだろうと思われる。新しい広告方式は、広告キャンペーンの成果の測定に関して、従来のリツイートや自社サイトのトップページへのクリックスルーなどより意味のある新しい方法を広告主に提供するものだ。

もちろんソーシャル・ターゲティング広告の常で、ユーザーの一部からは不満が出るだろうが、少なくともこのサンプルのツイートは私にはさほど目障りには感じられなかった。

私はTwitterに詳細を問い合わせ中だ。回答があればアップデートする。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

きゃりーぱみゅぱみゅ、ハングアウトのライブチャットの希望者を募集中―GoogleがA-Popスター週間を開催

Kyary Pamyu Pamyu

Googleは今日(米国時間2/18)、来る3月8日からA-ポップ・スター・ウィークを開催すると発表した。このイベントはGoogle+のハングアウト上でC-、J-、K-ポップのスター歌手(それぞれ中国、日本、韓国を表す。念のため)がファンとチャットするというもの。

登場するのは、きゃりーぱみゅぱみゅ、 2PMflumpoolワン・リーホン(王力宏)などだ。現在、 参加スターはYouTubeビデオでイベントを告知し、質問を募集している。イベントの日程はYouTubeに新設された Asian Pop Channelに掲載されている。またミュージックビデオ20本と新曲も紹介されている。

質問はGoogle+に投稿すること。イベントが近づいた時点でハッシュタグが発表される予定。それぞれのAポップスターは熱烈なファン5人を選んでHangoutでライブビデオチャットを行う。

GoogleはハングアウトをSkypeその他のビデオチャットの対抗馬とすべく、さまざまなセレブリティを動員した一連のイベントを実施中だ。 先週はオバマ大統領が一般教書演説の後、Google+で数人のブロガーによる共同インタビューに40分にわたって答えた。また1月には迷言という点ではユーモアニュースサイトのOnionによるパロディーのRedditセッションほど笑わせるものではなかったが、 バイデン副大統領が一般公開ハングアウトに登場して物議をかもした。エンタテインメント系ではスティーブン・スピルバーグ、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットヴィンス・ヴォーン、オーエン・ウィルソンも出演している。

A-ポップスター・ウィークのスケジュールは以下のとおり。

3/8 Shinee (K-Pop)

3/9 ワン・リーホン(王力宏) (C-Pop)

3/10 Super Junior (K-Pop)

3/11 きゃりーぱみゅぱみゅ (J-Pop)

3/12 flumpool (J-Pop)

3/13 2PM (K-Pop)

3/14 Mayday (C-Pop)

きゃりーぱみゅぱみゅの写真は本人の公式Google+アカウントから

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

データセンターが通信事業を行うプラットホーム2600hz, ついに19世紀型電話会社の終焉へ

2600hzlogo

2600hzは、データセンターで本格的な通信事業をやろう、という動きの一環だ。別の言い方をするとそれは、われわれの世の中を過去100年あまり支配してきた電話システムを分解して、墓場へ送ることだ。そのために2600hzなどの企業が今、クラウドから提供するリッチな機能によって、これまでの主流だった(固定でもモバイルでも)電話会社の機械的システムを陳腐化しようとしている。そう、携帯も含めて、これからは専用電話機/電話回線というものが、要らなくなる。

2600hz社は、ソフトウェアをオープンソースにしているので、誰もが電話サービス(のような音声通信サービス)や、そのほかのWebアプリケーションを構築できる。それは仮想化をベースとする技術なので、どんな種類のインフラストラクチャの上でも動く。

2600hzのチームによると、同社の提供物は、高価なプロプライエタリなIP製品(専用ハードウェアと専用ソフトウェアのセット)と、第一世代オープンソーステクノロジの中間ぐらいに位置している。高価なプロプライエタリの代表格がたとえばBroadSoftで、それらはワンセットの私企業製品だ。一方Asteriskなどはオープンソーステクノロジの代表格で、顧客が自力で音声サービスを構築できるようなPBXソフトウェアを提供している。中小企業での小規模な採用が多いが、スケーラビリティの乏しさがよく批判される。

これらに対して2600hzのKazooプラットホームは、一連のオープンなAPIからできていて、顧客はそれらを使って、音声などのシンプルなサービスを提供したり、ルーティングのような複雑な機能を実装でき、ユーザ数数万までのスケーラビリティを持つ。主に、2600hzが再販業者に売って、後者がエンドユーザにサービスを売る、という形だ。再販業者はたとえば、通信企業のネットワークを使ってSMSサービスを提供したりする。

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2600hzのソフトウェアはデータセンターで動かされ、単純な電話交換機以上の機能を発揮する。電話交換機は、でっかい無味乾燥な建物に収められていた(いる)巨大なハードウェアで、19世紀のシステムだ。そういう伝統的な電話システムはユーザに分単位で課金するが、データセンターモデルでは時間ではなくデータの使われ方で料金が決まる。2600hzのソフトウェアはどんなデータセンターでも動かせるから、顧客はサービス質や料金などで通信企業のネットワークを選ぶことができる。たとえば2600hzのソフトウェアを使って非公開のビデオネットワークを開発している企業は、合衆国向けにはAT&Tのネットワーク、ドイツではVodafoneを使える〔AT&T等の電話サービスではなく物理ネットワーク〕。

通信企業も、2600hzのソフトウェアを使って自分のネットワークをプログラマブルにできる。つまり、電話に限定されず、オープンなAPIを使って独自のサービスを提供する。今の通信企業のインフラは、70年以上も経っている古いものが多いが、それらを自社のデータセンターにおいて、2600hzのソフトウェアでリプレースできる。あるいは、そのほかのデータセンターを使ってネットワークの供用域を拡大することもできる。

既存の通信企業は、その大きな物理ネットワークが今後も利用価値があり、したがって2600hzは彼らと共存する。デベロッパたちがそのネットワークにフィードし、全体として善循環が形成される。

以上はきわめてクールだが、BroadSoftなど既存の企業は脅威だ。彼らのサービスは高価だが、自分のプラットホームを作ることに関心のない顧客のニーズにはマッチしているからだ。

それに、社名はどうだろう? ハッカーたちが2600hzという名前を見たら、それは通信企業のネットワークの上で無料通話のできる周波数のことか?と思う。それは、若き日のSteve WozniakやSteve Jobsの得意技だった。Wozniakはある日、Henry Kissingerのふりをしてローマ法王に電話をしたことがある。ただしそのとき法王は昼寝をしていて、電話に出られなかった。

電話、というか音声通信にインターネットを使う人は、これからもますます増える。そしてその費用は次第に、低減する。最終的には通話料は無料になり、Wozらの時代のハッカー文化がついに世の中を支配するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ますます好調のAmazon。目指すのは「帝国」ではなく「世界」

amazon hidden empire編集部注本稿寄稿者のJohn Geraciはイノベーション・エージェンシーのfaberNovelのマーケティング部門を率いている。企業向けに事業創設のためのコンサルティングサービスを提供している。Twitterアカウントは@johngeraci

2年前、faberNovelから「Amazon.com: The Hidden Empire」という資料をリリースしている。ひとつのスタートアップとして始まったサービスが、17年間でいかにして世界を代表するEコマースサイトになったのかを示したものだ。資料は多くの人に見ていただき、そして多くの議論を巻き起こした。

資料のタイトルを「Hidden Empire」としたのは、当時の段階でAmazonはまだ「誰もが認める巨人」というわけではなかったからだ。もちろん大勢の人が書籍を購入するのにAmazonを利用していた。しかし2011年当時、IT業界の「巨人」といえばApple、Google、そしてFacebookを指すものだったのだ。「巨人」たちはビジョナリー・カンパニーとして君臨していた。Amazonは当時、まだ「本および小物」の店という存在に過ぎなかった。

2年のうちに状況は大きく変化した。

資料をリリースしてからも、Amazonは進化を続けて、常に話題の中心として成長を続けてきた。ライバルとしての小売店群を徹底的に蹴散らしてきた。そのような状況をうけ、faberNovelは「Amazon.com: The Hidden Empire」の改訂版をリリースした。最新の動向をまとめてあり、きっとお読みになる方のお役に立つものと思う。以下に、2013年版のハイライトを記しておこう。

  • Kindleが大成功となった。低価格デバイスを広く提供することで、Appleに対する挑戦者としての地位も獲得した。
  • 当日配送やピックアップ・ロッカーサービスの実現により、他の小売サイトなどのみではなく、地域の小売店舗とも直接的競合関係に入った。
  • Amazon SupplyによりB2B分野にも進出している。その他でも企業ユーザーの獲得に動いていて、どうやら成功しつつあるようだ。
  • Amazonは常に、新しい、そして影響度の高いビジネスモデルを開発し続けている。たとえば生徒に対する教科書レンタルサービスなども手がけて、将来の可能性を探り続けている。
  • Amazonは、あらゆるものを(anything)、どこにでも(anywhere)、そしていつでも(anytime)提供できるようになりつつある。
  • Bezosはこれからのスティーブ・ジョブズとなるのだろうか。外見的魅力で言えばジョブズが上だろう(申し訳ない)。しかしビジョナリーとしての存在感は増しつつあると思う。

ビジネスを展開するにあたって、Amazonとどのような位置関係を築くべきだろうか。あらゆる場所にAmazonありという時代になりつつある。ぜひ、私たちの資料もご覧頂き、ご意見をお聞かせ願えれば幸いだ。

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(翻訳:Maeda, H)

3DマウスMycestroはコンピュータをミニオーケストラのように“指揮する”

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Kickstarterには、われわれが思いつくようなものはすべて出尽くしてしまった、と思いがちな今日このごろだが、でもこのMycestroのようなものを見ると、これまで見てきたものは氷山の一角に過ぎない、と思い知らされるのだ。これは指サックのように指を挿入して使う3Dマウスで、マルチタスク(複数同時並行作業)をコントロールするときには威力を発揮しそうだ。

今のパソコンの使い方は、デスクトップでもラップトップでも、手がひっきりなしにキーボードとトラックパッドあるいはマウスのあいだを、行ったり来たりしている。二つを、同時並行的には使えない。それは、Mycestroを知ってから考えると、相当な量の運動量の浪費だ。すでにMycestroは、プロトタイプは完成しているようだから、あと必要なのは本格生産のための資金だけだ。

発明者でファウンダのNick Mastandreaは、長年このアイデアを温めてきた。数年前にEngadget誌に載ったこともあるが、そろそろ製品化の頃合いだ。Ksで79ドル出資すると一つもらえる。色を指定するなら、99ドルだ。発売予定は、すべて順調なら今年の10月である。

下のビデオが機能の一部を紹介しているが、たとえばタッチボタンは、3D技術と空間認識機能のおかげで、非常に少ない動きでコンピュータの画面上をナビゲートできる:

以下は、この3Dマウスのスペックだ:

- 無線補聴器の大きさ。
- 軽い、重さを感じない。
- 内蔵電池はUSBで充電可。
- 電池寿命は平均8時間。
- クリップのサイズは2種類(取り替え可能)。

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まったく新しいマウスの使い方に慣れなければならない、という問題は確かにある。コーヒーショップや電車の中などで使っていたら、みんながあなたをいぶかしげな目で見るだろう。Mycestro(〜マエストロ)という名前には理由がある。あなたがそれを使っている様子は、まるで小さなオーケストラを指揮している状態に似ているだろう。つまり、第三者が見ると、あなたは“へんな人”になる。そんなの平気だ、と言える人にとっては、この3Dマウスから得られる利益は計り知れない。

Bluetoothを使うので、コンピュータから離れられる距離は最大30フィート。したがってプレゼンなどにも向いている。そのタッチ技術はGoogleのProject Glassに似ていて、後者ではそのウェアラブルデバイスの側面をタップしてマウスやトラックパッド的な操作をする。iPadやiPhoneでも使えるし、年内にはAndroidにも対応する。ソファなどに寝そべった姿勢で、タブレットが自分の手先よりもやや遠くにあるとき、この3Dマウスなら十分にコントロールできる。運転中でも、使えるかもしれない。

下のデモは、インターネットテレビをコントロールしている様子だ:

Xbox Kinectにもやや似ているが、こちらはなにしろ小さくて手の中に入る。しかもセットアップ不要だ。

Ksでの募金はあと38日あるが、今のところ、目標額10万ドルに対して39735ドル集まっている。見た目の奇異感を克服できて、自分の手に実物がなくてもその便利さを想像できる人がたくさんいたら、目標額は達成できるだろう。なお、左利きの人用は、やや生産が遅れるそうだ。なお、ぼくは左利ききだけど、マウスやトラックパッドは右手で使っている。

なにもない空中で、あなたの手が複雑な動きをしていたら、まわりから変人と思われるかもしれないが、そんなことを言えば、Bluetoothのヘッドセットもそれと似たようなものだ。コンピュータの、まったく新しい制御方法を、経験してみるのも悪くないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ハッカー、バーガーキングのTwitterを乗っ取る

40分ほど前、 ハッカーがバーガーキング公式Twitterアカウントを乗っ取り、ブランディング写真にマクドナルドのフィシュナゲットを載せた上「バーガーキングはワッパーの大失敗によりマクドナルドに身売りしました」と書いた。

削除される前にご覧になることをお薦めする。[訳注:既に同アカウントは非公開]

最後の公式ツイートは2月17日深夜0時で、ハッキングは18日の00:01に始まった。

Screen Shot 2013-02-18 at 12.52.28 PMアカウントは、バーガーキングの公式ウェブサイトに置かれていたと見られる行方不明になったプレスリリースにもリンクされており、かなり大胆で広い範囲にわたるハックであることを匂わせている。このハックはAnonymousグループの犯行のようで、#OPMadCowと呼ばれている。

ユーザーらが飛びついて反応をツイートする一方で、ハッカーらは “新製品 BK(℠) バスソルトをお試し下さい! 99% 純MDPV含有! ビッグマックを買えば1グラム無料サービス! @dfnctsc @tshyne @mcdonalds.” などと書き込んでいる。TShyneはミュージシャンであり「イノベーター」。

バーガーキング広報に連絡を取っているところだが、彼らが「アイムラビングイット」という気分でないことは予想できる。

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(翻訳:Nob Takahashi)

フィリピン発の簡易サイトビルダーInfinite.ly, 途上国市場を目指す

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モバイル、HTML5、といった新しい動向とともに、このところ、アプリやサイトの制作を簡易化し大衆化するツールがまた続々と登場している。今回ご紹介するフィリピンのInfinite.lyも、その一翼だ。

同社はWix.comなどと同じく、今からHTMLなどを勉強するのは面倒、という人たちに、ドラッグ&ドロップによる簡易なWebサイト制作方法を提供する。

ユーザはまず、提供されているテンプレートの中から気に入ったのを選び、それをカスタマイズしていく。そして完成したら、通常バージョンとモバイルバージョンを同時にパブリッシュできる。Facebookの統合も可能だが、その機能は別のタブにしなければならない。私はモバイルで試してみたが、工程全体がとても迅速で円滑だ。

ドメイン登録サービスと提携しているので、ユーザはこのツールの中から自分のドメインをサインアップできる。

Infinite.ly screenshot

ライバルのWixは昨年の10月に、サードパーティのデベロッパ向けにSDKの提供を開始した。つまりサードパーティデベロッパの力を借りて、Wixの内容を一層充実させようという腹だ。そのときWixにはすでに、2500万のユーザがいた。

Infinite.lyのファウンダLuis Buenaventuraは、Wixのような強敵は多いけど、フィリピンなど途上国はまだこれからだ、と言う。今後はフィリピンの大手銀行に口座を開き、彼らと提携して中小企業の顧客を紹介してもらう戦略を考えている。

Infinite.lyのチームは正社員が4名、フィリピンの投資家Winston Damarilloからの50万ドルのシード資金により、2010年に創業した。Damarilloはロサンゼルスのクラウドインフラ企業Morphlabsと、フィリピンのソフトウェア開発企業Existのオーナーでもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

中国、世界スマートデバイス市場でアメリカを抜く


昨年11月、モバイルアプリサービス会社のFlurryは、2013年第1四半期中に中国がiOSとAndroidのインストール数で米国を上回るだろうと発表した。今日(米国時間2/18)Flurryはそれが現実になったことを伝えた。中国は米国を抜き、AndroidとiOSのスマートフォンおよびタブレットのアクティブ数世界一の国となった。一年前に同国はスマートデバイス市場で最も成長の早い国になった

本レポートのために、Flurryは世界中のアプリケーション27万5000種から集めた毎日の匿名アプリセッション記録24億件からなるデータセットを分析した。同社は、世界スマートデバイスの90%以上での活動状況を正確に測定していると言っている。

今年1月、米国と中国はスマートデバイスのインストール数において、それぞれ2.22億台対2.21億台という僅差で争っていた。Flurryは今月末までに米国が2.30億台、中国が2.46王億台になるだろうと予測している。

重要なのは、中国の人口(13億人、米国は3.1億人)を踏まえると、ひとたびこのシフトが起こった後、米国がリードを奪い返すことはないだろうということだ。同レポートも、今後中国に挑戦できる国はインドだけだと言っている。インドの人口は12億人を超えたところだ。しかし中国におけるスマートデバイスのインストール数は、現在アクティブデバイスがわずか1900万台のインドよりも桁違いに多い。

アクティブiOS、Androidデバイス数の国トップ10の中では、米国と中国が圧倒的で、いずれも第3位の英国を5倍以上上回っている。Flurryによると両国とも急成長を続けている。米国は2012年1月から2013年1月の間に5500万台デバイスが増えた。同時期に中国は1.5億台を加えた。この期間がホリデーシーズンでなければ、中国はもっと早く米国を抜いていただろう。

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Flurryは、この最速成長スマートデバイス市場の、2012年1月から先月までの1年間についての最新情報も載せている。中国の71機種、209%という数字は、もはや成長率という意味では最大ではない。

この一年間で、中国以上の速さで伸びたのは、コロンビア、ベトナム、トルコ、ウクライナ、およびエジプトの国々だ。

ブラジル、ロシア、インド、および中国は、〈最速〉成長ではないものの、過去1年間で著しい数のデバイスを増やした。ブラジルが1150万、ロシア1200万、インド1240万、中国1.495億台の増加だった。

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中国の益々大きくなる存在感は、モバイル業界を大きく揺るがす可能性を秘めている。Appleは、バランスシート上で数年来「アジア大平洋」グループにまとめられていた中国を独立させた。Appleは1月に、中国の売上は前四半期から67%増加して68億ドルになったと発表した。これは日本の売上44億ドルよりも多い。しかし中国では売上に関してAndroidがiOSをリードしている。複数のレポートによると、Androidはスマートフォン売上の3/4近くを占めており、その23%はSmasungによるものだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

WebKitの独占状態の是非

icon-goldOperaが自前のレンダリングエンジンの開発を停止し、オープンソースのWebKitエンジンを採用することにしたというニュースは各所から大いに注目を集めた。WebKitはGoogleのAndroid向けブラウザでも、またAppleのiOS向けブラウザにも採用されている。すなわちモバイル環境においては、既に事実上の標準の地位を獲得している。そしてさらにその触手をデスクトップ環境にも伸ばしつつあるところだ。既にChromeは、Tridentを採用しているMicrosoftのInternet Explorerや、MozillaのGeckoを採用しているFirefoxと比べてかなりのリードを獲得している。こうした状況の中で、頭に浮かぶ疑問がある。各社が独自のエンジンを開発して、競い合う環境の方が良いのか、それともWebKitを標準として各社に採用してもらう方向が望ましいものなのだろうか。

WebKitはオープンソースのプロジェクトであるので、誰でも開発に参加することができる。Google、Apple、Mozilla、Microsoft、Opera、あるいはブラウザ関連のさまざまな企業が参加しているので、標準的に採用される技術を即座に実装することができる。レンダリングエンジンが統一されることで、開発者の苦労は大いに低減されることとなる。レンダリングエンジンの違いによる細々とした表示スタイルの違いに頭を悩ませないで済むようになるわけだ。

Hacker Newsのスレッドにも多くのコメントが寄せられている。WebKitの開発に集中することで、多くのイノベーションが生み出されるのであれば、WebKit独占の状態は開発者にとっても利用者にとっても良いものとなる可能性があるという論調もみてとれる。

こうした独占に向けた流れに抵抗する筆頭はMozillaだ。これまで独自のGeckoエンジンおよび、その後継となるServoに多大なリソースを割いてきた。Mozilla CTOのBrendan Eich曰く、Mozillaの存在意義をかけて独占には抗っていくつもりだとのこと。また、MozillaエンジニアのSteve Finkは、モバイルかデスクトップかを問わず、WebKit独占を許してしまえばイノベーションが阻害され、少数企業によるプラットフォーム独占を惹起してしまうと述べている。そのような状況になれば、結局は各社利益を追求する迷惑な混乱に支配されてしまうことになるとも述べている。

しかしWebKitはオープンソースであるので、もし開発が滞ったりあるいは特定のステークホルダーが開発を政治的理由によって妨害するようなことがあれば、即時に開発の道筋を分岐させることができるので、独占による悪影響などはないと考える人もいる。

From Google's Chrome Launch Comic Book

但し、ウェブの世界ではこれまでにも「独占の弊害」を経験したことがある。IE5やIE6の時代(Netscapeが舞台を去り、そしてIEは6のリリースが2001年で、IE7が登場したのは2006年だった)には、完全に「停滞」状況になっていた。そうした状況の中、2004年あたりからはFirefoxがスタートし、そしてWebKitをベースとしたGoogleのChromeも2008年に登場してきたのだった。Chromeのミッションはレンダリングエンジンの標準化を試み、そしてJavaScriptの高速化を行うということだった。独占を崩す存在が登場してきたことにより、ウェブプラットフォームは現在のような応用環境に進化したのだとも言えるだろう。

「ウェブ」が今後戦っていく相手は?

Operaは、「独占状態は良くない」と主張しつつ、その言葉とは正反対にも見える道を歩むことになった。Operaもそれなりのシェアを獲得しているにも関わらず、「多くの開発者たちがWebKitのみをターゲットに開発をしているという現状があります」と述べ「先頭に立って独自の道を追求していくことにメリットは少ないと判断しました」とのこと。

Operaの選択した方向は興味深いものだ。結局のところ、ウェブ技術は各社のレンダリングエンジンの違いで競っていくのではないと判断したわけだ。今後の競合相手はネイティブアプリケーションであると判断したわけだ。Operaは「閉鎖的な“アプリケーション”に対抗して、オープンなウェブ技術を推し進めていくつもりだ」とのこと。その戦いを効率的・効果的に進めていくためにWebKitの採用を決めたということだ。

開発者と利用者の着眼点の違い

理想を言えば、さまざまなベンダーが「標準」に則った開発を行って、レンダリングエンジンの違いによる差異などを意識しないで済むというのが良いのだろう。同じコードは同じように表示されるべきだろう。しかし、「標準」を意識しつつも実装により細かな違いがあり、同じような表示を実現するなどということはできなかった。

但し、たいていの利用者はレンダリング方式の違いによるウェブページやウェブアプリケーションの見え方にはほとんど意識を払わなかった。利用者は利用可能な機能(ブックマーク、プラグイン、タブなど)によってブラウザを選択していただけなのだ。そうした機能の多寡や使い勝手によって、利用者はブラウザを切り替えてきたのだ(もちろんあまりに速度が遅いものなどは排除されることになる)。

Mozillaは、魅力的な機能を提供していくためには、ブラウザ全体を自ら手がけていく必要があると述べている。今やWebKitに対する唯一の対抗勢力と言っても良い存在になったMozilla陣営は、自らの言葉を証明するために、利用者にとって真に魅力的な機能を提供していく必要がある。

個人的には、「標準」に基づいた競合がある方がイノベーションサイクルも早まると考えている。ウェブ技術というのは、まだひとつのエンジンに集約してしまうような枯れた技術ではないと思うのだ。レンダリングエンジンが複数存在すれば、余計な作業も増えるだろうし、迷惑に感じられることすらあるかもしれない。しかし将来的にきっと実を結ぶ、「若い時の苦労」になると思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H)