CES、結局DISH Hopperを「ベスト・オブ・CES」に。CNETの賞パートナー契約を解除

CESは今日(米国時間1/31)プレスリリースを発行し、結局DISH Hopper(Slingテクノロジー内蔵)を「ベスト・オブ・ショウ」にすると発表した。同製品は既に受賞を決めていたRazer Edgeと共に2013年最優秀賞の座を分け合う。この決定は、CNETが親会社のCBSから、同製品を候補から外すよう指示されたことを公表したのを受けたものだ。現在CBSはHopperの機能に関してDISHと係争中。

受賞者決定の報告と共にCESは、「近々」ベスト・オブ・CESの新スポンサーを募集することを発表した。CNETとの関係が今後もCESにとって有益であるという確信が持てないためだ。

「CESは、ベスト・オブ・CESアワードに関してCNETと長年有意義な関係を続けてきた」とCEA(全米家電協会)のKaren Chupkaイベント・カンファレンス担当上級副社長は語った。「しかし、現在のスポンサー関係を続けることによって、同社の新しいレビュー方針がわれわれのブランドにマイナスイメージを与えることを懸念している。国際的CESで紹介された「ベスト・オブ・ベスト」製品を見つけ出すための新しいアイディアに期待している」

DISH Hopper with Slingは、放映後24時間以内の番組をCM無しで録画・再生できる。これがCBSのDISH訴訟の争点となっている。CEAは他のテクノロジー関連団体と共同で、Hopperに関してDISHを支持する短い声明を発表した。同社はCNETおよび親会社が下した編集上の決断から距離を置くことを明確に望んでいた。CNETの決定は、他のメディア(本誌を含む)やテクノロジー業界ウォッチャー等から激しく非難された。

リリース文のGary Shapiroによる声明で、CEAはDISH Hopperにを強く支持することを明らかにしている。

高い報道規範で知られるテレビ局の「ティファニー」が、自社が嫌う技術を好意的に紹介することを記者全員に対して禁止したことにショックを受けている。われわれはDISH Hopperビデオレコーダーが、〈ソニー・アメリカ対ユニバーサル・シティー・スタジオ〉訴訟の最高裁決定によって完全に守られていると信じている。単純な事実として、テレビを見やすくすることは法に反さない。 イノベーションと消費者を味方しているだけだ。

CNETへの影響は、すでにGreg Sandovalの退社という形で表われている。彼は辞職の理由を、CBSの編集権の独立に関する約束を信じられなくなったためであると述べた。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Apple、3月より欧州地域でのMac Pro販売を停止

Image (1) MacPro_3D_Box_34Whit49c4ea2009c5a-620x465.jpg for post 169301AppleのMac Proは、永らく業界ウォッチャーや評論家の議論の対象となっていた。そしてついにヨーロッパでの販売停止が決まった。但し、これはMac Proの売上げがどうこうというような話ではない。9to5Macによると、既存モデルがヨーロッパで導入された消費家電を対象とする新規格を満たしていないということらしい。

この新規格は3月1日から発効する。規格を満たしていないプロダクトについては、今後販売ができなくなる。但し在庫については適用が除外となっており、まだしばらくの間は流通に流れ、消費者のもとに届けられることとなる。

もちろん、Appleが新たなMac Proを開発すれば、再度ヨーロッパでも販売することができるようになる。Mac Proは昨年にも製品アップデートが行われているが、ほんの小さなものだった。同機種に関してみれば、ラインアップを充実するよりも、サプライチェーン側の都合を押し付けたような感じがするほどだ。ちなみにTim Cookは2013年後半に新しいMac Proをリリースするとしているので、ヨーロッパの人びとはしばらくMac Proが入手できなくなるという可能性があるわけだ。

既存モデルがヨーロッパで販売できなくなったことにより、Appleの製品開発サイクルに変更が加えられるのではないかという見方もある。しかし前四半期におけるMacの売上げは減少しており、このような中でごく一部の人をターゲットとしているMac Proのリリースサイクルを早めるということはないのではなかろうか。規格改訂があったとは言え、Appleにとっての優先度は低いものと思われる。

アップデートLoopの取材に対しApple社も、3月1日からヨーロッパ地域におけるMac Proの販売ができなくなることを確認している。

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(翻訳:Maeda, H)

クラウド上にファイルシステムの鏡像ができるストレージデバイスTransporterがいよいよ本番生産へ

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Connected Dataという新しい会社が、Transporterという名前の、インターネットに接続されるストレージデバイスでもって、クラウドストレージのあり方/使い方を変えようとしている。Kickstarterで最初の資金を獲得した同社は、今後の本格生産に備えて600万ドルのシリーズA資金をこのほど調達した。幹事投資会社はFloodgate、これにNorthgate Capitalが参加した。

Connected Dataのチームは、前にDroboにいた人たちだ。ここは大容量のストレージシステムとそれらのためのラックなどを作っていた。彼らがすでに持っていたストレージ市場に関する知識と、インターネットのクラウド的利用が合体して、新製品Transporterができた。

インターネットにはEthernetやWiFiで接続し、分かりやすいインタフェイスにより、ファイルをほかの人たちとも共有できる。ファイルへのアクセスはコンピュータ上の通常のファイルシステムのように、あるいはまたブラウザからWeb上のストレージサービスのように行える。

Transporterが独特なのは、ファイルをクラウド上で共有できるだけでなく、すべてのファイルがデバイス上にセキュアに保存されることだ。そして、許可を与えた人たちだけが共有的にアクセスできる。だから、ファウンダたちの主張では、Dropboxのような単なるクラウドストレージサービスよりも安全である。後者では、別途どこかにバックアップしていないかぎり、すべてのデータがクラウド上の、ユーザコントロール/管理の届かない、どこか知らない一箇所にだけ保存される。

セキュリティとプライバシーに加えて、Connected Dataのチームの主張ではコストも低い。Transporterの費用はそれを買う最初の費用だけ。クラウドストレージサービスは、今後大容量を保存したり転送したりしていると、軽いとは言えない月額費用になる。Transporterでは、その種の経時費用がいっさい発生しない。

12月にKickstarterの資金募集を立ち上げたが、そこで千台あまりの予約が集まり、また目標額10万ドルの2.5倍が集まった。Transporterには市場がある、という確信が得られた。また、顧客からのフィードバックが得られたことも、貴重だった。

たとえば同社は、ローカルストレージのないストレージデバイス(==クラウドオンリー)があってもいいのではないか、と考えていたが、Kickstarterの支援者も、その約1/4はディスクドライブのない製品を求めた。また、Androidのサポート(Androidアプリ)が、多くの人びとの要望であることも分かった。この二つは、プライオリティリストの上位に格上げされた。

そこでTransporterの製品は三種類: ディスクレスが199ドル、容量1TBが299ドル、2TBが399ドルだ。すでに流通チャネルとしては、Adorama、Amazon.com、B&H Photo、Datavision、J&R、New Egg、PC Mallなどが決まっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

知り合いをすべて覚えるアプリEvernote Hello 2.0リリース―名刺スキャンや音波近接通信など新機能盛りだくさん

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今日(米国時間1/31)、Evernoteは知り合いについての情報をすべて覚えてくれるアプリHelloのiOS版の能力を大幅に強化した2.0を発表した。最初のバージョンは2011年の12月に発表されている。

Hello 2.0アプリには名刺のスキャニングや近くのEvenoteと音を使ってデータ交換するEvernote Connectなど新機能満載だ。今週私はEvernoteのCEO、フィル・リビンにインタビューしたが、「Helloはアドレス帳に革命を起こすというのが当初の目的だ。今回はその目標にさらに近づくために使いやすさと機能を充実させた」と説明してくれた。

「どうも私自身、人の顔や名前、会った場所などを覚えるのが苦手だ。努力しても治らない。それまで使っていたアドレス帳はアルファベット順に記録する―しかしわれわれは知り合いをアルファベット順に記憶していない。必要なのはコンテキストだ。つまり、どこで会ったのか、どんな話をしたのかという情報だ」とリビンは言う。

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バージョン1で得た教訓をフィードバック

EvernoteのHello 1.0はそのような問題のソリューションとして開発されたが、1.0にはいくつかの問題があった。たとえばこのアプリは会った相手に連絡先情報を入力してもらうようデザインされていたが、残念ながらこの機能にはあまり実用性がなかった。「初対面の相手に携帯を渡していろいろ入力してくださいなどと頼めるものではないよと言われた」とリビン。Helloの目指すところには賛成するものの実装には懐疑的なユーザーが多かった。

そこでHello 2.0では「ユーザーは会った人々の連絡先情報を自分で入力するのもイヤだし、携帯を相手に渡して入力させるのも気が進まない」という事実をベースに開発を進めた。その結果が名刺スキャナーだ。Hello2.0では名刺スキャナーの他に、カレンダーの予定からも連絡先情報をインポートできる。またメールアドレスを入力するとアプリはFacebookとLinkedInを検索して姓名など当てはまりそうな候補を検索してくれる。

Evernote Connectも非常に印象的な新機能だ。複数のユーザーが同じ部屋でHello 2.0アプリを作動させている場合、それらのiPhone同士で連絡先情報を簡単に共有することができる。なんとスピーカーから発するメロディーで情報をやり取りできるのだ。これからは会議を始めるときにこのタラララという音をよく耳にすることになりそうだ(ビデオ参照)。

新テクノロジーの実験室としてのアプリ

「しかしアプリの重要性は目に見えている部分だけではない」とリビンは指摘する。「Evernote Foodやこの Evernote Helloは新しいテクノロジーを実験し、イノベーションのテストベッドとする役割も大きい。それらのイノベーションは成功すればEvernoteの本体の機能として取り入れるつもりだ。たとえばHelloには画像から自動的にテキストを認識するテクノロジーや新しいオーディオ近接通信技術をテストしたりする役割がある。また人物をアルファベット順に整理するのではなく、ほぼ同時にほぼ同じ場所で会った人々をひとまとめにグループ化するUIなども実験されている。Helloには5、6種類の重要なアイディアが投入されている。うまく行くようなら将来すべてEvernote本体に取り込む」とリビンは説明する。

「われわれは人物の整理に新機軸を考えている。しかしだからといってEvernoteにはFacebookの向こうを張るつもりはまったくない。われわれのDNAにはソーシャル化は含まれていないからだ。われわれはソーシャル・サービスではないし、今後もそういう方向に動くつもりはない。ソーシャル・ネットワークもソーシャル・グラフも作るつもりはない。Evernoteはユーザーの「外部脳」であり、ユーザーの知的能力を補完、強化するのがわれわれの役割だ」とリビンは言う。

Hello 2.0のでもビデオ。

〔また今日、EvenoteはiPad向け手書きアプリPenultimateを無料化した。TechCrunch記事(英語)〕

Helloのスクリーショット
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

共和党上院議員曰く「ビデオゲームは銃よりも大きい問題だ」

狂気の国から今入ったニュース。共和党のラマー・アレキサンダー上院議員は「ビデオゲームは銃よりも大きい問題だ」と言った。発言の全文および、同氏がNBCニュースで、チャック・トッド氏から銃所有者の身元調査ついて質問された時のビデオを下に貼った。

「ビデオゲームは銃よりも大きい問題だと思う。なぜならビデオゲームは人々に影響を与えるからだ。しかし、憲法修正第1項はわれわれがビデオゲームに対してできることを制限している。同様に憲法修正第2項はわれわれが銃に対してできることを制限している」

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(翻訳:Nob Takahashi)

閲覧320万回:Facebookのシェリル・サンドバーグが「最高のシリコンバレー文化」と絶賛したNetflixの企業カルチャー・ガイドとは?

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Facebookのナンバー2、COOのシェリル・サンドバーグが最近、Netflixの企業カルチャーを説明する文書を「シリコンバレーから生まれた最高の文書の一つ」と絶賛した。この文書はブレットがふんだんに振りまかれたパワーポイント・ファイルだが、Slideshare.netですでに320万回も閲覧されている。たしかにシリコンバレーのカルチャーに大きな影響を与えているようだ。

この文書は単に1企業の経営手法の説明にとどまらない。ここに見られる個人の創造性を信頼することで不確実性の時代に対処していこうとする哲学は上位下達の20世紀型組織原理と驚くべき対照をなしている。インターネットに代表される絶えざるイノベーションの波が企業を洗い続けるかぎり、Netflix文書は進路を占う水晶玉として役立つことだろう。

いくつかの重要な点を要約して紹介してみたい。

創造性こそもっとも重要

伝統的なビジネスでは最良のものは他より2倍優れています。しかし創造性が支配的であるようなビジネスでは最良のものは他より10倍優れているのです。

テクノロジー産業では時代遅れになることが何より恐ろしい。インターネットの接続速度が日一日と高速化していく中、NetflixはDVDの郵送レンタルサービスから即座にコンテンツを再生できるストリーミング・サービスにビジネス・モデルを敢然として飛躍させた。

ビデオのストリーミング・モデルの次に起きる変化は今はまだ分からない。しかし現在のさまざまな問題に対して創造的な解決方法を案出することの価値はこの上なく高い。

イノベーションの影響が今日ほど大きい時代はない。Microsoftのフラグシップ・プロダクト、OfficeはGoogleの無料のオンライン生産性ツール、Googleドキュメントによって大打撃をうけつつある。これはMicrosftがユーザーが大部分の時間をどこで過ごしているか(もちろんインターネットだ)認識するのが遅れたためだ。

職の安定より新たな発見を優先

多くの社員がわれわれの企業文化を好み、長期間働いています。彼らは親切であり、変化を好むことによって高い成果を挙げている人々です。しかし成果を挙げることより職の安定を好む人々もいます。彼らはわれわれの企業文化を嫌います。

政治的観点からはこの原則がもっとも興味あるものだろう。主要なインターネット企業には組合が一つもない。にもかかわらず、満足を与える職場として常にトップにランクされている。

創造的な大企業は、従業員が求めるものは高い給与と職の安定だという伝統的な考えを打破した。挑戦しがいのある楽しい職場環境こそ従業員を引き止める最強の要素なのだ。リスクを恐れないことはテクノロジー企業のファウンダーたちの著しい特徴だが、そのファウンダーたちは従業員に同様の「〔不思議の国のアリスのように〕ウサギ穴に飛び降りる」勇気を求める。テクノロジー・ビジネスでは何事も不確実であり、失敗は即座に厳しい結果として返ってくる。ある種の人々にとっては決して天国のような環境とはいえない。

従業員の間違った行動は何らかの理解不足に基づく

管理職の皆さん。皆さんの部下が何かバカげたことをした場合、いきなり彼らを責めてはいけません。逆に彼らが正しい行動ができるような環境を作れていないのではないかとチェックしなければなりません。自分の働くコンテキストをよく理解した社員は高い成果を挙げます。

ヒエラルキーに基づく20世紀型経営スタイルは、個人的な意見の相違は命令によって圧服させねばならないとする権威的哲学の産物だった。王様以下、公爵、將軍から軍曹に至るまで上位下達のシステムが構築され、誰もが直属の上司の命令に従わねばならない。そこには意見の相違を会話によって解決するという考えはない。

たとえばヒエラルキー経営のゴッドファーザーともいうべきフレデリック・テイラーはこう書いてる。「もし2人の職長が意見の相違を解決できない場合は、問題をその上司に報告して決定を仰ぐべきである。もし上司である職場監督が解決できない場合、副工場長に問題の解決を委ねるべきである」。

Netflixの企業文化は「社員は予め示された基準にしたがって定型的な作業を繰り返す」という哲学の正反対だ。社員がバカげた対応をするのはほとんどの場合、コミュニケーションの不足、自分がやっていることの背景に対する理解の不足が原因だ。Netflixの人間性に対する考え方は権威主義的な20世紀の経営学とはまったく異なる。

休暇は無制限

Netflixの休暇および勤怠に関する規則:そういうものはありません。

Netflixの経営哲学のうちでももっともラジカルなのが「休暇は無制限」だろう。Netflixの社員は自分が適当と判断する時期と期間、カリブ海にサーフィンに行くことができる。また出張旅費の請求や精算に関しても、官僚的な規則を並べ立てるかわりにわずか5語ですませている。「Netflixの利益になるように行動してください」。

インターネット企業は人間性に対して伝統的経営学とはまったく異った見方をする。シェリル・サンドバーグはNetflixの短いパワーポイント・ファイルの中にイノベーティブな経営に必須な哲学を見出したのだろう。

文書の全文を以下にエンベッドしておく。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Facebook、利用者毎売上げは地域により大きな隔たり。北米が一番で対欧州比で3-4倍、対アジア比ではほぼ6倍(しかし米国内の利用者増加率は頭打ち)

fb-earthFacebookの利用者は、ホームであるアメリカの外で大きく伸びている。但し、少々問題もあるようだ。アメリカ国内での利用者に比べて海外の利用者は「稼ぎ」が悪いのだ。第4四半期についての報告(PDF)によると、この四半期のアメリカおよびカナダにおける利用者毎利益(ARPU)は4.08ドルだったとのこと。これがヨーロッパでは1.71ドルとなり、アジアでは0.69ドル、さらにその他の地域では0.56ドルにまで落ち込んでしまうのだ。アメリカでの成績に比べると、あまりに低い数値となってしまっている。

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利用者毎の広告売上げについても同じことが言える。アメリカでの広告売上げは639ドルで、ヨーロッパは約半分の374ドル、そしてアジアが168ドルで、他地域は156ドルということになっているのだ。

全体として見ると、アメリカおよびカナダがFacebookの売上50億ドルのうち半分の25億ドルほどを賄っていることになる。ちなみに両国の利用者数の割合は全体の18%に過ぎない。

これは、利用者数が増加傾向にある国が、アメリカほどに裕福ではないことによるものだ。また、アクセスに用いているデバイスの性能によって受信できない広告もある(スマートフォンやPC向けの広告で、フィーチャーフォンでは表示されないケースもある)。さらにFacebook上のゲームでクレジットを購入するなどという消費習慣もないケースが多い。Facebook Giftで15ドルの出費など考えることすらできないという人もいるのだ。こうした利用者が増えていく中、今後どういった収益構造を構築していくのかは大きな課題だ。

「ヨーロッパの、あまり豊かではない国々でも利用者が増加しつつあります。サービスに出費することはあまりなく、そのおかげでFacebook全体の平均的売上額を押し下げる方向に作用しています」とFacebook CFOのDavid Ebersmanは言っている。また、ゲームやゲーム売上の点では、アメリカや、他の成熟市場においても成長が鈍化しつつあるようだ。「従来の市場においても、利用者数が大いに伸びているという状況にはありません」とのこと。

Facebookの月間アクティブ利用者数は10億5600万程度だ。そしてQ4ではアメリカの月間アクティブ利用者数が1億9300万ということになった。Facebook全体の18%程度をアメリカが占めるということになるわけだ。

この四半期における増加数は400万で、一昨年同四半期との比較で7.8%の伸びを示したに過ぎない。成長率についていえばアメリカ以外の方が高いものとなっている。ヨーロッパの月間アクティブ利用者数は2億6100万人で、増加数は800万。一昨年同四半期比較で10.5%増となっている。アジアでの増加数は2100万で、総利用者数は2億9800万となった。また、その他の地域を見ると昨年における成長率は40.6%となっている。Q3からの増加数は1600万で総利用者数は3億400万だ。一昨年同四半期比の成長率は35%とのことだ。

開発途上国でもスマートフォンの普及が始まっている。この流れにのって利用者を増やしていけるかどうかが、まずはひとつの課題だ。そしてさらに、そうした利用者にアクティブに使ってもらい、そしてそこから利益を上げていくことが、今後の大きな課題となる。

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(翻訳:Maeda, H)

古いIEでも無事動くか?–Webサイトの互換性テストサービスmodern.IEをMicrosoftが立ち上げ

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Microsoft自身がいくら変えたいと思っていても、いまだに古いバージョンのInternet Explorerを使っている人は多い。そのためデベロッパは、自分のWebアプリケーションが、たとえばIE7やIE8で無事に動くよう、テストや手直しに余計な時間をかけなければならない。IE9とIE10は、Microsoftが懸命にHTML5やCSS3などの標準規格の忠実な実装に努力した。そして、今や古いIEの問題を自覚した同社は、“デベロッパが自分のサイトをInternet Explorerとそのほかの現代的ブラウザで確実に動くようにするための努力を容易にするために”、modern.IEと呼ばれるツール的サイトを今日(米国時間1/31)ローンチした。

MicrosoftのInternet Explorer担当ゼネラルマネージャRyan Gavinが昨日ぼくに語ったところによると、modern.IEにはいくつかの無料のツールとリソースが含まれていて、たとえばスキャナーは、サイトを現代的なブラウザやレガシーのIEに対して非互換にしかねない、よくある問題をチェックする。そのスキャナーは、デベロッパが使ったライブラリやフレームワークにある、よくありがちな問題を、個々のページごとにチェックする。そして対策を推奨し、またそのフレームワークのどのバージョンなら互換性が高いかをアドバイスする。たとえばjQueryならどれ、とか。

Microsoftは、この、ライブラリやフレームワークの問題が意外と大きいことを知った。上位5000の繁盛サイトの40%以上が、古いバージョンのフレームワークやライブラリを使っていて、そのことがIEの最新バージョンやそのほかの現代的ブラウザとの非互換性を招いている。また、これら5000のサイトの20%はベンダ固有のプリフィクス(-moz、-ms、-webkit、などなど)を使っていて、それも非互換性の原因になっている。これらのサイトの大半がブラウザ検出を用いており、しばしば、IE9やIE10と非互換なサイトをサーブしている。彼らは、IEのこれら新バージョンがもはや、レガシーのブラウザとは呼べないものであることを、認識していない。

また、スキャナーにかけることによってばれて欲しくないサイト固有の問題を抱えるところでは、Microsoftとデベロッパが直接協力して対策に当たる。

modern.IEにはこのほか、jQuery Foundationの理事長Dave MethvinとMicrosoftのテクニカルエヴァンジェリストRey Bangoが書いた20のベストプラクティスチップや、MicrosoftがBrowserstackとの提携で来年全デベロッパに提供する3か月の無料サービスの告知などがあり、デベロッパたちはここで、自分のサイトが多種類のブラウザとオペレーティングシステムの上でどう見えるかを、容易に知ることができる。modern.IEのユーザ登録は、Facebookの認証情報でできる。また、BrowserstackのChrome用とFirefox用のプラグインもあり、それを使うとMacやWindows、Linuxなどの仮想マシンイメージに対してサイトを手早くテストできる。WindowsとIEの古いバージョンでのテストを、デベロッパがローカルに行うことも可能だ。なおBrowserstackはとても便利なツールであり、その上で、ブラウザの種類とオペレーティングシステムの種類、そのどんな組み合わせでもテストできる。

Gavinによれば、modern.IEの中心的な目的は、あくまでもレガシーブラウザに対するテストだ。IE9よりも前のいわゆるレガシーバージョンのInternet Explorerが、デベロッパを苦しめたことを、彼も認めている。Gavin は今日のブログ記事で、“modern.IEは、デベロッパがテストに費やす時間を少なくし、すばらしいサイトの構築に多くの時間を割けるようにするための、弊社のこれからの継続的取り組みの、一環にすぎない”、と述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

二人の引きこもりっぽい学生がForever Aloneを何千個も売った, というお話

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ニューヨークのQueens Collegeの学生Matt SconceとPhil Malenが、ちょっと変わったアイデアを着想した。Forever Aloneの彫像を作って売ろう!

Matt Sconeは彫刻家のHanning Sadenと一緒に、今や有名なForever Aloneの顔の3Dモデルを作った。それは、“ぼっち”(ひとりぼっち)であることを表す、悲しい目をした怪人で、自分のことを指すだけでなく、誰かがぼっちであることを表すためにも使う。その顔は、はっきり言ってとっても醜いが、なんか、心に刺さる部分もある。彼らは、それを自分たちで作ろうというのだ。最初は30個だけ作って、80ドルで売った。

“夏休みに思いついたんだけど、自分で何かを作ってそれが売れたら、すごくクールだろうな、と思ったんだ”、とMattは語る。“二人ともRedditのファンだったから、Forever Aloneの人気をよく知っていた。彫像を作るならこれだ、とひらめいた”。

二人は3Dのモデルを作り、プリントし、鋳型を作った。ほんの少しだけ作って終わらせるつもりだったが、インターネットの神様が、そうはさせなかった。BoingBoingが記事を載せ、そのオンラインストアで売った。それを今度はThinkGeekが取りあげた。今では彼らはアジアの某国にアウトソースして、首から上の小さな彫像を数千というロットで作り、需要に応えている。一体30ドルで、飛ぶように売れている。

これまでに、たぶん、2000ドルぐらい稼いだ。Twitterで一か月、話が広がるとそんな結果になる。おかげでMattは、ビジネスのコツをつかんだ。それは、ある特定の人びとの心をとらえること。たとえば、猫好きとか、プラスチック製のフィギュアのファンとか。

Forever Aloneを選んだのには、ネットの人気(ミーム, meme)のほかにも理由があったのか?

“ミームは、おかしかったり、個人的なレベルで関心を持てたりするから、おもしろい。自分が好きなものを同じく好きな人を、見つけようとするから、ミームはつながりを作る”、と彼は言う。

二人とも一匹狼、つまり、同じくForever Alone(ぼっち)か? Mattは、そうだ、と言った。

“完全にそのパターンだから、なさけないよね。WoWをやってるか、でなければRedditにいる、引きこもりのゲームおたくだよ”。





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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ユーザ数1800万を超えた斬新なプレゼンツールのPrezi, アジアでの成長をねらう

人びとの心を打つ新しいプレゼンテーション方式を作ろうとして苦労していたブダペストのPreziも、今では大きく成熟した。本社をサンフランシスコに置き、社員は100名を超える。Microsoft PowerPointやKeynoteのオルタナティブとして人気を博し、今ではTwitterのファウンダJack Dorseyが同社のアドバイザーだ。

先週ミュンヘンで行われたDLDカンファレンスで、Preziの協同ファウンダでCEOのPeter Arvaiをつかまえ、インタビューができた(上のビデオ)。彼は、昨年の10月にユーザ数1500万と発表したが、今では18000万だ、と明かした。今後の2年間は、毎月200万ずつ増えるペースだ、という。つまりその成長曲線は直線ではなく指数関数的だ。

今同社が重視しているのがアジア市場だ。アジアの人たちはとくに、Preziの軽さ(ツールの構造もビジネスモデルも)を気に入っている。つまり、デスクトップソフトが要らない。アジアではすでに、Preziのハウツー本が5種類出版されている〔日本では2種類〕。

Preziは、PPのようにスライド的にでなく、地図のように、あるいはグラフ(グラフ構造のグラフ)のようにプレゼンを構成する。始まりから終わりまで、という線型の構成でなくてもよい。また出先でラップトップがないときは、iPhoneやiPadでも利用できる。

同社は2009年に、ハンガリーのデザイナーAdam Somlai-FischerとPeter HalacsyとPeter Arvaiが創業した。資金は、シリーズAをSunstone Capitalから、シリーズBの1400万ドルをAccel Partnersから調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookは、2012年60月以来スパマーを37%撃退した

偽の友達リクエストを受け取ったことのある人なら、Facebookにスパマーがいることをご存じだろう。しかし、Facebookは彼らとの戦いに勝利しつつある。Facebookの推定によると、月間ユーザー数の中に「好ましくない」ユーザー、即ちスパマー・アカウントが占める割合は、2012年6月の1.5%から0.9%に減少した。これは、昨年中頃まで1500万人以上いた問題児たちが37%減って950万人程度になったことを意味している。

Facebookはこれらの数値を、2012年Q4決算報告書23ページに埋もれさせている。そこには「好ましくないアカウント」が、「スパム行為等、本サービスの利用規約に違反する目的で使われることを意図していると当社が認めたユーザープロフィール」と定義されている。Facebookのバイラルな特性と様々なコミュニケーション手段を考えれば、スパマーの追放は不可決だ。

彼らは生き延びることが許されると、偽の友達リクエストやつながっているユーザー全員をタグ付けした写真、詐欺的なイベント招待状など、通知を発生させるあらゆる方法をサイトに蔓延させ。しばしばこうしたスパマーは、フィッシング手法を使って他のユーザーからFacebookのログインパスワードの盗み出す。その後、スパマーは何も知らないユーザーのアカウントを使ってその友達を攻撃し始める。

Facebook Spam Friend Request

しかしFacebookには、その一歩先を行くことに特化した専門家集団がいる。最近私が上に貼った2つの友達リクエストを受け取ったことを考えると、彼らの仕事は山ほどありそうだ。個人的には、6人以上タグ付けされていて一人も顔の写っていない写真に対する厳格なフィルターが役に立つと思う。無料の航空券や安い靴を宣伝する10人以上タグ付けされたスパム写真をまだ頻繁に見かける。しかし聞くところによると、セキュリティーチームのメンバーはしばしばスパマーのふりをして秘密のハッカーフォーラムに潜入し、Facebookの自動セキュリティーシステムを出し抜く最新技術を学んで、そうした抜け穴を防いでいるそうだ。

これは、Facebookの残る10億5500万人のアカウントが実在する人間であるという意味ではない。同社は月間ユーザーの1.3%が「誤って分類された」、即ち企業や組織やペットのために誤って作成された個人アカウントであると推定している。それでも、総ユーザー数の2.4%だった2012年6月に比べると数は減ってきているので、世界は賢くなりつつある。ここでの教訓。もしFacebookでスパマーを見つけたら通報すること。そして、子猫のためのプロフィールを作らないこと。Mr. ウィスカーズには公式Facebookページを作ってあげよう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

インフォグラフィックが検索にかかるようにするには?–マレーシアのPiktochartが名案を提供

piktochart_logo

個人的な好き嫌いはあるようだが、でもインフォグラフィックは強力なマーケティングツールだし、とくにPinterestやFacebookのようなヴィジュアル優先のWebサイトでは効果が高い。しかし情報を画像で提示するとSEOの効果が失われる。そこで、マレーシアのPiktochartが、自分たちのWebアプリケーションを改作して、対話的で検索フレンドリーなインフォグラフィックを作れるようにした。

改作によりインフォグラフィックにリンクを挿入できるようになり、しかもコンテンツを多層化してそれぞれの層に表示変え用のタブを付けられる。インフォグラフィックそのものはPiktochartのWeb上のエディタを使って作成するので、テキストや画像やアイコンなどはドラッグ&ドロップで貼り付けられる。有料バージョンは100種類以上のテーマを提供しており、さらにそれらをカスタマイズしてフォント、背景、色などを変えられる。インフォグラフィックやそのほかのプレゼンテーションはクラウド上でホスティングされ、Piktochartから直接、 Facebook、Twitter、Google+、Pinterestなどへ共有できる。

Piktochart

2012年3月にローンチしたPiktochart(有料版のPro)には、5000あまりの小企業や教育機関の有料ユーザがいる。無料バージョンのユーザは17万だ。12月に同社は、マレーシア政府のCradle Fundから14万ドルの助成金をもらった。その前は、Chinacceleratorからの投資を得ていた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、今の気分や読んでいる本を絵文字で表す方法をテスト中

Facebookは、もっともっと表現力を豊かにしようとしている。今日(米国時間1/30)からテストが始まったステータスエディターでは、読んでいる、聴いている、食べている等、「今何をしているか?」を表す絵文字を選択できる。次に説明文を追加して、「49ersがスーパーボールに行く --気分はサイコー :)」などとしてシェアできる。

feeling

この新しいビジュアル行動シェア型ステータスエディターは、人々をもっと頻繁にシェアするよう促すかもしれない。現在Facebookは、新しい標準近況アップデート・プロンプトを多数テストしている。「Joshさん、調子はどう?」とか、少々薄気味悪い「Joshさん、気分はどう?」などだ。

ビジュアル近況アップデートは、Facebookが、Lineをはじめとする絵文字メッセージングアプリや、GetGlueなどのメディア消費共有アプリ、さらにはスマイルマーク満載のPathなどの追撃をかわすのに役立つかもしれない。

これはユーザーにとって楽しいだけでなく、広告主にとっても大きな意味を持つ可能性がある。文字だけで書く代わりに現在の状況を選択することによって、Facebookは構造化されたデータを手に入れられる。これを使えば、よくテレビや映画を見たり、音楽を聞いたり、外食したりするユーザーに広告主がリーチしやすくなる。

watching

Facebookは詳細について何も明かさなかったが、こう言っていた。

これは人々が、自分のしていることや、感じていることをFacebookの書き込みでビジュアルに表現するための、一方法にすぎない。これはグラフ検索には組み込まれていない。人が自分の行動をもっとビジュアルな方法でシェアすることに興味を持っているかどうかを調べる小さなテストである。

これは非常に人気を呼ぶと思う。混み合ったニュースフィードの中で、あなたの近況ステータスを目立たせてくれるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Facebook Q4、売上40%増の15.9億ドル。株価は時間外取引で微落

Facebookは、2012年第4四半期の売上を前年比40%増の15.9億ドルと発表した。モバイル売上は全売上の23%への増え、モバイルの月間アクティブユーザー数は前年比57%増の6.8億人へと増加した。

同社はアナリストを予測を上回ったが、株価は時間外取引で最大8%下落した。現在の株価は0.3%安の31.15ドル。

アナリストは、売上を34%増、15.2億ドルと予測していた。Bloombergのアナリスト調査での予測中央値にによる

Facebookは、純利益とEPS(1株当たり利益)でもアナリスト予測を上回り、純利益は予測平均4580万ドルに対して6500万ドル、EPSは17セント、予測は15セントだった。2011年の同期、Facebookの純利益は3.02億ドル、売上は11.31億ドルだった。

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売上の内訳に関して、Facebookには広告と支払いという2つの主要収益源がある。広告売上は13.3億ドル、前年比41%増だった。支払い売上は2.56億ドルだったが、今期Facebookが会計方針変更のため、通常の3ヵ月ではなく4ヵ月分の売上を計上したことを考慮すると、実質的には横ばいだった。

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Facebookの株価は今年に入ってから17%上昇し、これは同社のモバイル広告への積極的取り組みの効果を期待するものだった。現在モバイルプラットフォームは、同社売上の23%を占め、第3四半期の14%から増加した。前期以来Facebookは、モバイルニュースフィードへのスポンサー記事掲載とアプリのインストール広告を強く押し出している。広告プラットフォームのKenshooが今月本誌に伝えたところによると、Facebook上での広告費は20%がモバイルに注ぎ込まれている

Facebookは、ウェブからモバイルへと急速にシフトする消費者行動に対処すべく、同社が迅速に動いていることを投資家に納得させることがまだ必要だ。今期初めて、Facebookのモバイル日間アクティブユーザー数がウェブを上回った。しかし、モバイルの売上は未だにウェブの1/3以下だ。

一方同社は、2012年後半に多くの新たな取り組みを開始しており、ようやくその効果が見え始めるかもしれない。昨年8月Facebookは、タイプアヘッド広告の中で、スポンサー付結果と呼ばれる一種の検索ベース広告を2ヵ月間の試行の後にスタートさせた。

昨年はギフトも開始した。友達や家族が駆け込みでクリスマスプレゼントを贈るホリデーシーズンが、このサービスに最高の四半期をもたらすことは予想できる。Facebookはこれに関して小規模な販促を行い、 クリスマス直前のニュースフィードでプロモーションを展開した。「ギフト」が貸借対照表上で「広告」「支払いおよびその他の料金」どちらの項目に分類されるのかは不明だ。

またFacebookは、プラットフォームに関するデベロッパーとのつきあい方を一部方針転換し、月間および日間アクティブ利用よりもアプリインストール当たりの売上に重点を置くようになった。これが低調な支払いおよび料金売上に歯止めをかけるかどうかは不明だ。第3四半期の同売上は1.76億ドルと前年同期からわずか0.2億ドルの増加だったが、これはデベロッパーが、急成長中で利益性の高いAndroidおよびiOSプラットフォームに移行したためだ。

Facebook Q4 2012 Earnings

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(翻訳:Nob Takahashi)

Microsoft Office 2013のWindows優先は裏目に–サードパーティの機会が増大

New Office 365 Logo - Orange.png (1888×654)

Microsoftが、最新版のMicrosoft Office 2013をSurfaceタブレットのWindows RTにしか提供しないので、多くのCIOたちが困っている。この、クロスプラットホーム性を欠く姿勢によりMicrosoftは、より明確で完全なモバイルのワークフローを提供するサードパーティのベンダたちに、大きなチャンスを与えている。

ThinkJarのファウンダでアナリストのEsteban Kolskyの説では、OutlookはMicrosoftの最有力アプリケーションの一つだが、同社はSurfaceやそのほかのモバイル製品向けにそれをリリースする気配がない。それどころかMicrosoftは、Office365をクラウドに置いて事足れりとしている。しかしそれは、現状では、Microsoft Officeのデスクトップバージョンの20〜30%の機能しかない。Office365については、本誌のSarah Perezが、昨日(米国時間1/30)記事を書いている

またForrester ResearchのアナリストPhil Karcherによると、MicrosoftはWindows RTとWindows Phone向けにモバイルアプリの完全なスイートを提供しているが、iOSとAndroid製品向けにはLyncとOneNoteがあるだけだ。SharePoint 2013へのアクセスはiOSとAndroidでも良くなったが、かんじんの、メインのオフィス生産性アプリケーション(Word、Excel、PowerPoint)のモバイルバージョンがない。Microsoftがほかのプラットホームに城を明け渡すのは時間の問題、とKarcherは見ている。

しかしKarcherはまた同時に、Microsoftと競合するサードパーティたちにも問題がある、と見ている:

Google Driveのエディティング機能はAndroidデバイスでは多いがiOSでは少ない。iOSにエディティング機能が導入されたのは、やっと昨年の9月だが、それはdocsだけでスプレッドシートやプレゼンテーションにはない。IBMのDocsはiOSもAndroidもネイティブアプリがあり、機能も完全に揃っている。たとえば、これらのモバイルデバイスからコラボレーションによるドキュメントの編集ができる。しかしユーザの大きな不満は、ドキュメントの形式が独特でほかのアプリとの互換性がないことだ。オフィス生産性全般に関しては、GoogleとAndroidがモバイルの人気プラットホーム上にネイティブアプリを提供して、Microsoftの牙城を脅かしている。しかしモバイルのサポートでいちばん早かったというアドバンテージは、長くは保(も)たないと私は思う。

ZohoのエヴァンジェリストRaju Vegesnaは、Officeのそのような現状は、Windows Phoneの貧しいマーケットシェアも影響している、と言っている。とりわけ、デスクトップの重要性が薄れたことが大きい:

Windows Phoneのシェアは5%足らずを維持し、OfficeのiOSとAndroidバージョンはない。当然ユーザは、それに代わるものを求める。忘れてならないのは、モバイルにおけるシェアの方が、将来的にはデスクトップのマーケットシェアよりも重要であることだ。インドなどの国では、デスクトップユーザの10倍のモバイルユーザがいる。

Office365がもっと地位を固めれば、それが一つの節目になるだろう。今のOfficeが抱える最大の問題が、ポータビリティ(可搬性)だ。これからは、どんなドキュメントでも、デバイスやOSの種類を問わずふつうに開けて、モバイルを含めいつでもどこでも、シームレスなワークフローが得られないと、仕事にならない。

でも、そのシームレスなワークフローを一社だけでまかなっているところはない。今は、複数のベンダのいろんなツールを組み合わせて使わざるをえない。たとえばIBM DominosはIBM Travelerを統合してメールをモバイルにプッシュしている。IBM Docsは OpenSocialを利用してクリーンなWeb体験を提供している。しかし、少なくとも私が知っているIBMの顧客は、SAPのAfariaでモバイルデバイスを管理している。自分なり(〜自社なり)のワークフローを確保するために行うアプリの混成的な編成が、これからますます、このように多様化するのだろう。

〔参考記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Blackberry Z10発表―BB10 OS初の強力なハードウェアだが、BB復活にはアプリの充実が急務〔抜粋〕

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この製品はBlackBerryの新たな始まりであると同時にRIMの終わりをも意味する(Research in Motion Limitedは正式にBlackberry Limitedに社名を変更した)。同社は今日(米国時間1/30)、最新のモバイルOS、BB10を搭載したスマートフォンを発表した。私はフラグシップモデルのBlackBerryZ10を1週間に渡ってテストすることができたので、その結果を詳しく報告したい。

実際に使ってみた体験から新しいBlackBerryは長足の進歩を遂げたと確言できる。しかし同時にBlackberry復活に向けての今後の道のりも非常に長いものになりあそうだ。現行ユーザーを維持し、さらには流出したユーザーを取り戻せるかは早期にアプリ・エコシステムの確立ができるかどうかにかかっている。

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  • 4.2インチ、1280 x 768ディスプレイ(356ppi)
  • デュアルコア1.5 GHz CPU、2GB RAM
  • 16GB内蔵メモリー、MicroSDカードで32GBまえ拡張可能
  • 1800 mAhバッテリーはユーザー側で交換可能
  • 8MPリアカメラは1080p HDビデオ録画も可能。フロントカメラは2MP、ビデオは720p
  • OSはBlackBerry 10

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z10-rearZ10のハードウェアは過去のシリーズと比較してドラスティックな変貌を遂げた。過去のBlackberryとの共通点は、BlackBerry PlayBookを例外として、ほとんどないに等しい。これは良いことだと思う。ハードウェアはフレッシュな感覚で、Android各機種ともiPhoneともはっきり異なったデザインだ。

Z10のディスプレイ側には物理的ボタンがまったくない。すべての操作はBB10 OSのジェスチャーで実行される。スリープ/電源ボタンはデバイスの上側の中央に設けられている。ボリューム・コントロールは右側面にある(このボタンがカメラのシャッターも兼ねる)。ポートはmicroHDMI、micro USB、 充電プラグの3つが用意されている。また3.5mmのヘッドフォンジャックが上の左側にある。

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BlackBerry 10は完全に新しいモバイルOSだ。いくつか特徴的な部分を紹介してみよう。

ナビはすべてジェスチャー・ベース

BB10の操作はすべてタッチ・ジェスチャーによって行われる。上にスワイプでスリープから復帰、右にスワイプでBlackBerry Hubの最新情報チェック、左スワイプでホームスクリーンと実行中のアプリの表示、などという具合だ。iOSやAndroidで慣れた動作系とはまったく異なるが、直感的な操作性は非常に良い。

ジェスチャーを覚えるのに私はまったく時間がかからなかった。しばらく使った後でiOSやAndroidに戻るとある面では苦痛に感じた。

ただし理想的とまではいえない。スワイプでスリープから復帰する操作はそのつもりがないのに実行されることが多く、ハードウェアのアンロック・ボタンがないのも不安だ。また通知ハブからホームスクリーンに戻るのにいちいち上にスワイプしなければならないのも不満だ。そこから左にスワイプしてやっとアプリにたどり着くことになる。

アカウント管理

BlackBerry 10のいちばん優れているところはさまざまなサービスのアカウントの管理が集中してできることだろう。Facebook、Twitter、Foursquare、Evernoteその他のサービスへのログインや設定管理がOSレベルで一括してできる。

BlackBerryハブ

このハブ機能もBB10で新たに導入された。さまざまな通知を一箇所でまとめて表示できる。新着メール、テキストメッセージ、Twitterの@メンション、その他サードパーティー製アプリの通知がなどが表示される。もちろん便利ではあるが、Androidのプルダウン通知ページなどと較べた使い勝手は好みが分かれるだろう。

BBM

BBMにはボイスチャット、ビデオチャット機能がサポートされている。Wi-Fiでも携帯無線網でも作動し、私のテストでは快適dだった。モバイルOSに統合されたメッセージ・プラットフォームとしてはBBMは依然もっとも優れたプロダクトの一つだと思う。信頼性ではiMessageをはるかに上回る。ビデオと音声が追加されて現代化したのは大歓迎だ。

The Bottom Line

Z10のリリースでBlackBerryはとうとう最新のAndroidやiPhoneと競争できるレベルのモバイル・プラットフォームとなった。長い間消滅の危機が言われてきた会社としては大きな達成だといわねばならない。しかしいったんAndroidやiPhoneに流出してしまったユーザーを呼び戻すのは大変なことだ。

BlackBerry 10とZ10が復活を遂げるためにはある種のシンデレラ物語が必要だ。Z10は非常によくできたデバイスであり、部分的には他をしのぐ機能も備えている。しかしBlackBerryを捨ててAndoroidやiPhoneに移ってしまったユーザーを呼び戻せるほどの画期的なメリットがあるかと言われれば答えに苦しむ。セキュリティに敏感な大企業のIT部門はBlackberryに依然魅力を感じているだろうし、新製品はBlackBerryからの流出を押さえる効果はあるだろう。しかしBlackBerryが必要としているのはユーザーの減少の防止ではなく、増加だ。それを達成するためのハードルは依然として高い。.

Z10のリリースを機にRIMはBlackberryに社名を改めた。しかしこの沈みかかった船を救うにはアプリのエコシステムの確立がなんとしても必要だ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Dropboxでドキュメントをダウンロードせずにプレビューできるようになった―バーチャル写真アルバム機能も追加

Dropbox Photo SHaring

今日(米国時間1/30)、Dropboxはアップロードしたファイルを直接プレビューできる機能をリリースした。ユーザーはいちいちファイルをダウンロードしなくてもファイルの内容をすぐに確認できる。また、ウェブ版のDropboxには写真タブが追加され、アップロードした写真の閲覧、共有がより簡単になった。

プロダクト・マネージャーのChrisBeckmannによれば、「われわれは保管の対象を各種のファイルと考えることを止めてユーザーの所有するコンテンツと考える方向に動きつつある。今回リリースされた2つの新機能もこの考えに基づくものだ」と説明した。

それぞれの機能を詳しく見てみよう。

ドキュメントのインスタント・プレビュー

Dropboxのドキュメント・プレビュー機能を利用すると、内容を確認できるポップ窓が表示される。これまで、たとえば同僚とWordを共有しようとした場合、必要なファイルを選ぶためには、いちいちファイルをダウンロードして開いてみる必要があった。新機能のおかげで、Word、PowerPoint、PDFなど多くのポピュラーなファイルがダウンロードせずにプレビューできるようになった。DropboxではExcelのプレビュー機能も開発中だという。

ドキュメント・プレビューはDropboxの全ユーザーに対し、数ヶ月かけて順次公開される予定。下のスクリーショットはPDFファイルのプレビューのようす。

Dropbox Quick Start

写真タブ

Dropboxに追加された写真タブは、写真のブラズを容易にする。アップロードされた写真を日や月で自動的にグループ化するだけでなく、写真タブ内ではファイルは単なるファイルではなく写真として認識され、ユーザーがさまざまな操作を直接行うことができる。

また写真の共有も容易になった。以前は、写真は一枚ずつ共有するか、もし複数の写真を一括共有しようとするなら、新しいフォルダを作ってそこに写真を集め、フォルダを共有するしかなかった。これが写真タブでは複数の写真を選択してバーチャル写真アルバムを作成し、そのアルバムをFacebook、Twitterで公開したり、メールで共有したりできる。

このバーチャル・アルバム機能はウェブ版のDropbox、iOSアプリに近く追加される予定だが、Androidアプリではすでに利用可能になっている。昨年12月にDropboxは写真アプリのデベロッパー、Snapjoyを買収した。今回ローンチされたDropboxの写真機能は以前にSnapjoyが提供していたものによく似ている。SnapjoyチームはDropboxのために熱心に仕事を始めているようだ。

Dropbox Photo Tab

写真処理に関する新しい機能の開発はDropboxがメディア機能に力を入れていることの表れだ。Dropboxは昨年発表したカメラ・アップロード機能について「信じられないほどの大成功だった」と述べている。この機能はモバイル・デバイスで写真をを撮影すると自動的にユーザーのDropboxにアップロードされるというもの。すでに何十億枚もの写真がDropboxにアップロードされている。今日のアップデートで、ユーザーはネコにせよ風景にせよ、写真の共有がもっと簡単にできるようになった。

今朝のアップデートで Dropboxの将来の計画も見えてきた。ユーザーはクラウド上のファイルをプレビューするだけでなく、ダウンロードせずに簡単な修正が加えられたら便利だと思っている。将来Dropboxでは、たとえばWordファイル中のテキストを修正するなど、簡単な編集も可能になるかもしれない。またDropboxは昨年12月に人材採用を目的としてAudiogalaxyという音楽のスタートアップを買収した。これからするとオーディオ・ファイルをプレビュー再生できるようになる日も近そうだ。

[訂正:Dropboxは当初、ドキュメントをプレビューする新機能の名前をQuick Startとしていた。スクリーショットでもわかるように、デモでもその名前が使われていたが、その後、名称は正式に「ドキュメント・プレビュー(Document Preview)に改められた。]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

決算で予想を上回ったAppleの株価が下落し, 下回ったAmazonが上がったのはなぜか?

[筆者: Howard Lindzon]
Screen Shot 2013-01-29 at 10.13.36 PM


編集者注記: Howard LindzonはStockTwitsの協同ファウンダでCEOだ。ここはトレーダーや投資家のためのソーシャルネットワークで、アイデアや情報をリアルタイムで共有し合っている。彼の履歴はここ、Twitter上では@howardlindzonへ。

この質問への答をぼくが持っていたら、人生は最高だ。その答への反応が前もって分かっていたら、最高のそのまた上だね。

AmazonとAppleの決算報告直後の株価が互いに逆方向に動いたのは、予想と見通しの問題だ。ウォール街はAppleに対する予想が高すぎ、Amazonに対しては‘別の’予想を持っていた。ウォール街がAppleに期待したのは、‘粗利率’の伸びだ。Amazonに対しては‘利益額’の伸びを期待しなかった。馬鹿げて聞こえるかもしれないが、Appleの決算報告で利益が低く粗利率が大きかったら、株は急騰したかもしれない。今日のAmazonの決算報告で記録的な利益が発表され、利益率は低下傾向を維持していたら、ウォール街は恐慌になったかもしれない。

市場の言葉は独特だから、一般人には理解しづらい。でもそれが、ウォール街の流儀なのだ。スペイン語も中国語も簡単に学べる言語だったら、今ごろはすべてのアメリカ人がそれらを喋れるだろう。株式市場を動かしている大きな要因は、需要/供給、企業の収益、予想、そしてムードだ。しかし金融メディアは見だしネタを求める。ぼくは25年間、投資や株の売買をやってきたが、結局、生き残るコツは恥ずかしいほど平凡、リスク管理だ。最良中の最良と言われるものは、つねに50%の確率で最悪だ。

AppleとAmazonは、最近の少なくとも10年株を持ってた人にとっては、すばらしい投資先だった。Appleはこのところずっと、ウォール街の醜いアヒルの子だった。Appleに関しては、ムードが冷えていた。あの、世界最大で世界でもっとも稼ぐ企業が今や、海図なき海を航行している。ウォール街は突然、Appleの収益や利益率や成長率を予測する方法を失い、お手上げになった。ましてや、これから1年先のムードなんて闇の中だ。でも、でも、…、彼らはトライするだろう。そして、必ず何らかの予想を立て、スプレッドシートに向かう。

Appleを持ってる人(ぼくも)は現金残高や収益〔の健全さ〕を見て、市場は操作されているかまたは壊れていると宣言する(ぼくはしない)。ウォール街は、今のAppleの利益額を織り込まなくなった。先行き見通しが、良くないのだ。Appleでは成長率が数値で低下率を表せるほどまでに鈍化したが、でもこの大きさの企業ならありえることだ。しかしウォール街は、成長の鈍化とGoogleやSamsungから仕掛けられる競争が、ダメージになることを懸念している。Appleはこれまでウォール街に、とってもたくさんのサプライズを与えてきたから、Appleに関しては(Jobs語の)マジックが規準になってしまった。そのAppleがだるくなった今、彼らは安全な逃げ場を求める。

一方Amazonは、ウォール街のアナリストたちの‘利益(額)’指向からすり抜けることができた。Jeff Bezosは手品のような手口で、ウォール街の目が売上の伸びとマーケットシェアとクラウドと、そして今日の発表の…利益率に行くように仕向けた。Amazonは24.1パーセントの利益率を報告し、そしてそれはウォール街をハッピーにする数字だった。

来四半期は、変わるかもしれない。でもぼくは、AppleとAmazonの粗利率方向に視線を維持するだろう。利益額がまた持て囃されるようになるまでは。…ということだな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

KDDI∞Labo 4th MEETing、最優秀賞はソーシャルチケットサービスのtixee — ∞Labo第4期の募集も開始

本日、渋谷ヒカリエでKDDIのインキュベーションプログラムであるKDDI∞Labo 4th MEETingが開催された。今回イベントに登壇したのは∞Labo第3期に参加した5チームで、それぞれ3カ月間の成果を発表した。

KDDI∞Labo第3期参加チームのサービス概要は採択時にも掲載したが、もう一度サービスの説明と今回発表された賞について簡単の紹介しよう。

mana.bo:スマートデバイス賞、オーディエンス賞

第3期から新設された学生枠での採択となったmana.boはオンラインの学習プラットフォームだ。mana.bo Inc.代表取締役社長の三橋克仁氏は講師として働いたことがあるそうで、その時に感じた問題点ーメールで質問をしたり、わからない点があってもすぐに聞くことができないーを解決することがサービスを思いついたきっかけだという。

オンラインでの学習、いわゆるEdu Tech市場は日に日に成長しており、シリコンバレーではEdu Tech事業への投資額が4年で4倍にも伸びている。この状況の中で他のサービスと差別化するのは難しい。そこでmana.boでは手書きのホワイトボード、チャット、写真の共有はもちろん、現在数式認識エンジンを開発しているそうだ。数式認識エンジンは画面に数式を書くと、プログラムが文字を認識し、「√」や「log」といった関数も読み込んでくれる。さらにそれらの数式をグラフ化する機能も提供予定だという。

なお、mana.boはイベント会場でオーディエンスがお気に入りのサービスに投票するオーディエンス賞も受賞している。

LogTown:Advanced Technology賞

SNSでの活動ログを独自の表現方法で実現するのがLogTownだ。

Facebook、Twitter、Foursquareといった複数のSNSを利用しているユーザーにとって、自分のログを管理するのは大変だ。というのも、いくつものサービスを使っているとログが分散してしまい、それらを見直すことは困難になるからだ。

そこで、LogTownでは情報をひとつにまとめてくれる。とはいえ、SNSのログをひとまとめにするサービスはすでに存在するので、LogTownではログを街として記録していく。

例えば、Foursquareでイタリアンのレストランにチェックインしたら、LogTown上でもイタリアンレストランが建つ。Facebookに記事をシェアすれば、LogTownにオフィスが建つといった具合だ。こうして作られた街は自分で見直すのも良いし、友達に公開することも可能になっている。

LogTownは本日ブラウザ版リリース、Androidアプリは3月の公開を予定している。

Morning Relay:クリエイティブ賞

∞Labo第3期参加チームの中で最もエンターテイメント性に富んでいたのはMorning Relayだろう。早起きしたいのに寝坊をしてしまう人達を手助けするためのアプリで、名前の通りリレーのバトンを渡すように人を起こすのだ。

Morning Relayに参加するユーザーは、自分が起きなくてはならない時間になると、他のユーザーから声援が来る。起きていないユーザーはアプリ内で目立つようにデザインされているため、何度でも起こされるように設計されている。起きたユーザーは声援をくれたユーザーに御礼をし、今度は自分が他のユーザーを起こす。こうして、世界中のユーザー同士で早起きを実現するという。

Morning Relayは2月にiPhoneアプリ、4月にAndroidアプリを公開予定だ。

Close:ベストエンジニア賞

本誌でサービスリリース時にも掲載したが、CloseはPathのようなクローズドなSNSだ。FacebookやTwitterでは上司や恋人を意識してしまい、好きなことを投稿できないことが多い。ジャストシステムの調査では実に84%のユーザーが上司や恋人の目を気にしており、68%のユーザーがSNSの利用でストレスを感じているそうだ。

こうした問題を解決するには、友達申請・認証、フォローといったフレンドシステムを廃止することが必要だと考え、Closeにはこうしたプロセスは存在しない。お互いが友達に追加した場合のみ、コンテンツが共有され、さらにお互いに追加しているかもわからなくなっている。

その他、2人だけの思い出を共有するページを作る機能やライフログとしての機能も用意されている。

CloseはすでにiOS・Androidで利用可能だ。

tixee:最優秀賞、Coolデザイン賞

tixeeはイベント探しから、チケット購入、イベント会場への入場までを管理するチケットアプリだ。携帯やスマートフォンが普及し、イベント会場では紙のチケットだけではなく、QRコードを読み取って入場できるようになったが、QRコードでは紙のチケットよりも時間がかかってしまう。

そこで、スマートフォン上で紙のチケットのエクスペリエンスを実現した。デバイスに表示されるチケットをスワイプすると紙のようにモギることができ、スムーズに入場管理ができるのだ。

tixeeはすでにJリーグ・FC東京のホーム試合で使用されているし、Mr.Childrenのツアーでも使用が決まっているそうだ。

tixeeを運営するLive Styles代表取締役社長の松田晋之介氏はチケット販売は過去に店舗からWebへと進化してきた。そして、今年はスマートフォンへと進化すると語っていた。

以上がKDDI∞Labo第3期参加チームのサービスだ。

これらのサービスは2月からau・スマートパスでも順次公開される。

KDDI代表取締役社長の田中孝司氏によると、∞Laboはかなりの赤字事業となっている(先月、ソーシャルランチのバイアウトで少し回収はできた)が、これからもまだまだ資金を投入する予定だという。

第4期の募集は本日から開始され、2月22日が締切だ。また、新たに「HTML5枠」が新設される。HTML5枠はHTML5を使ったサービスや、HTML5を活用するためのツールを提供するサービスを対象に募集を行うとのこと。

その他、∞Labo卒業生を支援するために「エンジニアプール」を創設し、ここに参加しているスタートアップに仕事を発注していくそうだ。第一弾として、本日のイベントのオープニングムービーは第2期参加チームである「エウレカ」が作成したという。

大幅な赤字を抱えながらも、スタートアップを支援するKDDIの活動に今後も注目していきたい。

最後に、ソーシャルランチのバイアウトはKDDIがマネタイズを急がせたわけではないと田中氏が語っていたことを付け加えておこう。

Web総覧情報の老舗Alexaに挑戦するSimilarWebが$2.5Mを調達

Similarweb Light logo

テルアビブのSimilarGroupが最近立ち上げたSimilarWebは、Webを計測するツールとして、Webサイトランク付けサービスの強豪Alexaを打ち負かすことをねらっている。そのSimilarGroupが今日、250万ドルの新たな資金調達を発表した。その投資ラウンドを仕切ったMoshe Lichtmanは、Microsoftのイスラエル研究開発センターの社長だった人だ。彼は投資の一環として、SimilarGroupの取締役会に加わった。

【中略(そのほかの投資家たち)】

2009年に創業された同社は、最近まで、SimilarWeb、SimilarSitesなど‘Similar’ブランドの一連のブラウザプラグインで知られていた。ユーザが今訪れているサイトに基づいて同様のサイトを提案したり、そのサイトのランクやトラフィック(出所、行き先)を教えてくれるプラグインだ。このたびローンチしたWeb計測サービスSimilarWebは、それらのプラグインのアルゴリズムを主に利用している。

しかしAlexaと勝負するためには、主にマーケターやSEOのプロたちが使っていたわずかなプラグインだけでは不足だ。実は同社には、数え切れないほど多くの消費者向けプラグインがあり、ソーシャルプラグインやゲームなどその種類も豊富だ。これらのプラグインのユーザは、SimilarWebのサイトランク付けのためのデータを自分が提供している、とは思わない。消費者用プラグインには、‘Similar’ブランドが付いていない。

同社の一連のプラグインは、全部合わせると数千万回もダウンロードされていて、そのポータルサイトであるSimilarSites.comは、毎月のビジターが今や1000万を超えている。当然、ユーザから得られるデータも大量だ。そして、これだけのプラグインが使われているからには、うちはAlexaよりも正しい、そして深い、Web総覧情報を提供できるはずだ、と同社は考えているのだ。

SimilarGroupのCEO Or Offerは、今のAlexaはブランド力で保(も)ってるだけで、信頼性はとっくにない、と言う。そのツールバーを使っているのはマーケティングの人たちであり、ふつうのWebユーザではない。“そのWebサイトは広告が多くて醜い”と彼は付け加える。“SimilarWebは一年半もかけて苦労して作った。これが次のAlexaになることを期待したい”。

SimilarWebが使っている独自の技術と、“大量のデータ”により、Alexaよりも正しい計測結果を提供できる、と同社は信じている。データの正確さの比較は社内的にたえず行っているので、それだけの自信も出てくるのだ。正確さではどの競合他社にも負けない、とOfferは言う。今日(米国時間1/29)はローンチからまだ10日目だが、彼によるとエンゲージメントもリピートユーザも相当高い。ユーザの半数以上が再帰し、滞留時間が5分を超えるユーザも少なくない。

Offer曰く、SimilarGroupの25名のチームは、機械学習やビッグデータや統計学などでPhDを取ったやつがいたりして、高級である。“うちは、テクノロジに関して造詣の深い企業である。サーバファームなんかサーバが100台以上もあってすごくでっかい。毎月、Web上の10億以上のページを分析している”。

またSimilarWebはユーザに細かい情報を提供する: トラフィックの出所、ランク、オーガニック検索vs.有料検索、ソーシャルのトラフィック、関連サイト、などなど。SimilarWeb vs. Alexaの、箇条書きによる詳細比較は、同社のブログのこのページを見てみよう。データの提示の仕方も、クリーンでモダンで、インフォグラフィック的なおもしろさがある。ユーザのエンゲージメントをそそるのだ。

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なお、新たに得られた資金は、有料のサービス“Pro”バージョンの開発に充てられ、会費制により、同社の今後の収益源となる。今すでに提供しているAPIパッケージも有料になるが、ランク付けのAPIだけは無料を続ける。なぜなら、“うちのランキング方式をインターネット全体のデフォルトにしたいからだ。そうやって、Alexaのランキングを亡き者にしたい”。

同社は今年の終わりごろニューヨークにオフィスを開く予定だ。そこで営業とマーケティングを充実し、Proなどのパッケージ製品を売っていきたい、という。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))