ChargeKeyは、キーチェーンに付ける非常用充電ケーブル

1年前、Nomadは、iPhoneおよびmicro USBデバイス用の小型ポータブルUSBケーブルを発売した。その彼らが今度はChargeKeyを作った。デバイスをUSBポートで充電するための超小型「ケーブル」だ。

ChargeKeyは、文字通りキーチェーンに通すことができ、どのUSBポートにも差し込める。USBパワーでスマートフォン等のデバイスを充電し、完了したらChargeKeyはキーチェーンに戻せばいい。

この新製品は、TechCrunch Disrupt in San Franciscoで発表された。

同チームは、この充電ケーブルを25ドルで予約受付中で、11月30日に出荷する予定だ。製作者たち、どのUSBポートにでも繋いで充電が可能なこの製品を、自動車用「バッテリーケーブル」になぞらえてている、。開発メンバーのNoah Dentzelがわれわれに話してくれたところによると、彼はバーでテレビの裏側にあったUSBポートで自分のスマートフォンを充電したという。持ち主が充電している間に電話も充電できるのはちょっとクールだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


IDFカンファレンスでGoogleがHaswell採用のChromebookについて発表―新たに東芝、ASUSが加わり、メーカーは6社となる

サンフランシスコで開催中のIntel Developer Forum(IDF)カンファレンスで、今日(米国時間9/11)、Googleはいくつか興味ある発表を行った。その一つはChromebookハードウェアに関するもので、Acer、 HPなど既存のメーカーから新モデルが登場するだけでなく、Asusと東芝がChrome OSを搭載したノートパソコンの製造に乗り出すことが明らかになった。Googleによれば、新製品はここ数ヶ月のうちに市場に出るという。

新しいChromebookはIntelの最新のHaswellプロセッサ・アーキテクチャを使って省電力化とパフォーマンスの向上を図っている。Googleは「これで一日中もつようになる」としているが、ハードウェアのスペックなど詳細に立ち入ることは避けた。それぞれの新製品の特長については、Acer Chromebookは「軽くて携帯性にすぐれる」、HPのChromebook14は「4G接続機能を備え、カラーバリエーションが豊富」、Asusは「デスクトップなみのコンピューティングが可能なノート」などということだ。

新パートナーを加えてGoogleのChromebookのメーカーは上記4社にSamsung、Lenovoを加えた業界大手の6社になった。またGoogleは独自のハイエンド機、Chromebook Pixelを作っている。ブラウザ機能をメインにした軽量のChrome OSは、Androidとともにパソコン市場の縮小傾向に悩むメーカーに有力なオプションとして受け入れられ始めている。今後さらにChromebook陣営に加わるメーカーが出てきそうだ。新製品の価格や出荷時期については後日の発表となる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iPhone 5cは「廉価版」にあらず。Jony IveがiOS 7搭載用としての理想を追求したデバイスだ

ご存知だろうか。iPhone 5cの「C」は「cheap」(安い)の「C」ではない。実は「clueless」(何も分かっちゃいない)という単語の頭文字なのだ。

部外者の誰もが、Appleがこのデバイスにこめた思いを見損じている。Appleはそれを見越して「clueless」を名前に組み込んだのだ。

(本当は「color」の「C」。記事を派手に初めてみたかっただけだ)。

新iPhoneの発表イベントを見て、さらにiPhone 5cのビデオを見てみれば、AppleがiPhone 5cに込めた思いを理解できるはずだ。その「思い」とは、すなわちJony Iveによるものだ。

これまでにJony Iveのビデオは数多く見てきた。その中で、iPhone 5cの説明をしているIveこそ(iPhone 5sに比べても)エキサイトしているように見える。もちろんIve(そしてApple)は認めないだろう。これまでのビデオも含め、Iveはすべて自分の子(Appleのプロダクト)について語ってきたわけだ。しかしiPhone 5sのビデオなどとも比較して、何度も見てみて欲しい。

双方のビデオにおける態度が対照的であると感じないだろうか。Appleが投入した次世代の主役はiPhone 5sだ。しかしiPhone 5sはiPhone 5とほぼ同じデザインを踏襲している。すなわち、Iveがハードウェアのみに関わり、ソフトウェアのデザイン面に関わるようになる前に生み出されたものであるのだ。

つまり、IveがiPhone 5を生み出す時点からiOSのデザインに関わっていたのなら、きっとiPhone 5をこのようにデザインしただろうというものが、まさにiPhone 5cであると思うのだ。昨年冬の組織改編から、より広い範囲でのデザインを担当するようになり、それでIveは思うままのデザインを実現してきたのではないだろうか。

「iPhoneというのは“エクスペリエンス”を提供するものです。そして“エクスペリエンス”は、ハードウェアとソフトウェアの生み出すハーモニーにより提供されるものです。ハードウェアとソフトウェアをより一体化することにより、さらに素晴らしい“エクスペリエンス”を提供していきたいと考えているのです」と、Iveはビデオ中で語っている。ハードウェアおよびソフトウェアのデザインを一手に引き受ける責任者としての発言であり、その責任者がiPhone 5cを世に問うているわけだ。

今年の夏、WWDCにてiOS 7がはじめてお目見えしたとき、そのカラフルなパレットUIに皆が驚いたものだった。しかし、長くApple製品を使っている人(あるいは長くAppleおよびIveに注目している人)は、初代iMacを思い出し、確かにこれもAppleないしIveのやり方だと納得したのだった。13種類のカラーバリエーションを用意して、Apple再生に大いに役立った。まさにカラーこそAppleのウリとなっていたのだ。

確かにIveはそれからしばらく、プラスチックからユニボディのアルミニウム(Iveの口調で言えばアリュミナムのように聞こえるだろうか)へと路線を変更していった。しかしそういう時代を経て、Iveは原点に戻ってきたのではないかと思うのだ。芸術家が、異なる時代を過ごすようなものとも言えるだろう。

ソフトウェア面にも関与できる立場となり、今ならば、色彩を一層活用できると判断したのだろう。ますます思いのままの「エクスペリエンス」を提供できるようになるからだ。

「一貫性のあるデザインとは、形状、素材、そして色合いなどのミックスによって生まれるものです。それぞれが関係しあって、お互いを求める関わりあいの中でプロダクトが成立するのです」とIveは言っている。Iveの上司でありまた仕事仲間でもあったスティーブ・ジョブス曰く、デザインというものは表面的なものではなく、あるいは見かけだけのものでもなく、実は機能面に強く関わっているのだとのことだった。そしてこうしたデザインを行うためにはハードウェアとソフトウェアの双方に関わる必要がある。IveはiPhone 5cにおいて、その地位を獲得し、そして理想を実現したわけだ。

しかし、果たしてこのiPhone 5cは中国やインドといった、普及途上国での売り上げを伸ばすのに役立つのだろうか。おそらくさほど役に立たないに違いない。実は、廉価なiPhoneを途上国に売り込むのが目的だというのは、何もわかっていないレポートによるミスリードなのだ。プラスチック素材であることを見て、なるほど新興国用の廉価版iPhoneだと騒ぎ立てたのだが、実はAppleの目的はそこにはない。

iPhone 5cは、iPhone 5に代わるものとして登場してきているのだ。Appleは、4Sの販売は続けるものの、iPhone 5は店頭から引き上げることになっている。Iveは、自分でデザインしたソフトウェアの入れ物としてのハードウェアをデザインし、iPhone 5にとってかわるiPhone 5cに自分の思いのたけを詰め込んだのだ。

iPhone 5cを投入したことで、Appleは「前年モデル」などよりもはるかに魅力的な(販売助成値引きして99ドルという、手に入れやすい価格)モデルを提供できるようになった。また、デザイン面でほとんど変更のないiPhone 5とiPhone 5sが(色こそ違うものの)混乱を招くような自体も避けることができる。すなわちiPhone 5cの投入はまさに良いことずくめな話なわけだ。

但し、テック系の「専門家」や、ウォール・ストリート方面には、Appleの選択を「良いことずくめ」とはみない人も大勢いる。そうした人はともかく「安いiPhone」を期待していたのだ。また、キーボードを登載したiPhoneの登場を待ち続けている人もいるらしい。

Appleは、ライバルに強いられて何らかの行動をとるといったことのほとんどない企業だ。周りの動向を気にしてばかりいては、戦略を見失うことになる。Appleは常に自らの戦略を大事に育んできた。もしAppleが「安い」iPhoneを出せば、Appleが収支報告で利益率の低下をアナウンスするまではAppleを「評価」するのだろう。そうした「評価」を受ける「イノベーション」は、実のところ誰も得をしない選択であるのだ。

もちろんAppleも、中国などの新興市場を無視しているわけではない。Tim Cookはなんども繰り返して新興市場に言及している。しかしAppleは、自分たちがここぞと思ったタイミングで、自分たちが良いと思うプロダクトを投入するだけだ。もしかするとそれは新興市場の獲得という面でみれば遅すぎる行動になるかもしれない。しかしそれはまだ評価すべき時ではないだろう。ともかく、iPhone 5cが新興市場向けの安価なデバイスというわけではないことは明らかだと思うのだ。

iPhone 5cは「Jony IveのiPhone」とでも言うべきデバイスだ。色彩豊かで、そして美しく、何らかの代替物としてではなく、プラスチックの魅力を前面に押し出したデバイスだと言える。

「ハードウェアとソフトウェアがお互いに高め合ってひとつのデバイスとして結晶しているのです」。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple iPhone 5cに触ってみた:プラスチック筐体は手に馴染んで意外に快適

iPhone 5cおよびiPhone 5sが発表になった。iPhone 5cは価格を低く抑えたモデルではあるが、しかしながら非常に印象的なデバイスに仕上がっている。発表プレゼンテーションの直後にさわってみる機会があったので、報告しておきたい。簡単にまとめておけば、プラスチック筐体の本機は一体感あるデザインで、また非常に軽く、なかなか好印象を持つこととなった。

iPhone 5Cはブルー、グリーン、ピンク、イエロー、そしてホワイトの5色モデルが発表された。チップとディスプレイはiPhone 5と同じA6およびレティナディスプレイが搭載されている。iPhone 5との比較でもっとも進歩したところは、iPhone 5Cが過去最多のLTEバンドに対応したことだ。またバッテリーのもちも大幅に改善している。

もちろんパフォーマンスもよく、そのおかげもあって外見も一層可愛らしく見えてくる。また筐体はしっくりと手に馴染み、ラバーのような感じのタッチは、従来のどのiPhoneよりも安定して感じることでしょう。壁紙も本体の色に合わせて設定することができ、全体としての統一感をもたらします。何のカスタマイズをすることもなく、箱から出した瞬間から、他のデバイスとはちょっと違う可愛らしさを楽しむことができるだろう。

一緒に発表になったケースについても、ぱっと見の印象よりは良さそうに思える。なかなか頑丈そうで、それなりの衝撃からもiPhoneを守ってくれそうだ。裏地には柔らかなマイクロファイバーを採用し、iPhone 5cと組み合わせて楽しめる6種類が発表されている。ケースに開けられた穴から本体が見えるのも、色を組み合わせて楽しんでもらおうとする遊び心だろう。

いろいろと触ってみて、個人的に最も印象に残ったのはその軽さと、堅牢そうな様子だ。iPhone 5の金属とガラスからなる高級な印象とはまた異なるが、決して安物の印象はない。価格は抑えられ、搭載チップなども以前のモデルで利用されたものではある。しかしそれでもある種の「高級デバイス」に仕上がっていると思う。9月13日に予約受付が始まれば、おそらくはiPhone 5Cは多くのファンを獲得するのではないかと思っている。手に入れやすい価格の中で多くのバリューを提供しており、またiPhone 5から進化してさえいる。Appleが初めて行った価格戦略の行く末を注目していきたい。

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(翻訳:Maeda, H)


Webの画面上で電子回路を設計/試運転できる123D Circuits, あのAutoDeskが提供

ハードウェアハッキングには、初心者をびびらせる要素がいろいろある。そこで、123D Circuitsが真価を発揮する。仮想のArduinoボードとブレッドボードを使って電子回路を勉強するから、コンデンサが爆発することもなければ、作業台の上のはんだごてで火傷(やけど)することもない。

CADソフトの老舗AutoDeskが作った123D Circuitsは、同社の“sandbox”シリーズの一環で、ほかにも、シンプルな3Dシミュレータや3Dプリントアプリケーションなどのツールを初心者やベテランユーザに提供して、同社の、メーカー運動への参加と支援の姿勢を表明している。

ぼく自身は、ブレッドボードを使って回路を作った経験がほとんどないし、Arduinoもまだ身近な存在ではない(Raspberry Piには慣れたが)。でも、回路を作ったり電子回路の設計をコラボするための入門用システムとしては、これはかなりよくできているようだ。このアプリケーションで設計したPCBを実際にプリントすることもできるし、Arduinoをプログラミングするためのエディタまである。

このサービスは無料だが、月額12ドルや25ドルの上級プランもある。低料金のプランでは、PCBのお値段が5%引き、公開回路は無限、非公開回路は5つまでだ。25ドルのプランでは、非公開回路も無制限になる。

このアプリケーションはブラウザの中で動き、さまざまな部品や既製の設計やチップを使える。部品をライブラリからドラッグ&ドロップしてきて回路を構成し、それらを動かしたり、自分が設計した回路中の電気の流れを見ることもできる。簡単に言うとこれは、自分のラップトップの上にRadioShackがあるようなものだ。公開回路は、誰もがそれらを試してみることができる。

2012年にできたCircuits.ioも、類似サイトの一つだが、こういう仮想的なArduinoツールを使って電子工学に入門すると、感電のおそれもなくハードウェアハッキングに挑戦することができるから、とても便利だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TechCrunch版「今日のAppleイベントまとめ」

Appleのクパチーノでのイベントがやっと終わった。すでに大量の記事が書かれているが、さらに多くの記事がこれからアップロードされる。読者がいささか混乱しても責められないところだ。そこでAppleがこの数時間で発表した内容を以下に簡単にまとめてみた。TechCrunch版の「Appleイベントのまとめ」というところだ。

ハードウェア

AppleはiPhoneを2種類発表した。iPhone 5SiPhone 5Cだ。名前からも察することができるが、5SはiPhone 5の後継となるハイエンド機で、64ビットの強力なA7CPUに加えて、モーション処理用のM7コ・プロセッサを装備している。Touch ID指紋センサーがホームボタンに内蔵された。5Sの筐体はiPhone 5とほとんど同じ寸法だが、カラーバリエーションが増えて印象が変わった。白(いや銀らしい)、黒に加えて長らく噂に上っていた金が加わった。

カメラも大きく改良された。5Sのカメラはスペックとしては依然8メガピクセルだが撮像素子面積は拡大され、画質は向上した。720pのHD画質で120コマ/秒のスローモーションが撮れる。True ToneデュアルLEDフラッシュで写真が青みがかったり白飛びしたりするのを防ぐ。バーストモードでは毎秒10枚の静止画が撮影できる。

これらはすべて重要かつ歓迎すべきアップグレードだが、今回新たに搭載されたTouch ID指紋認証がもたらす影響が長期的には非常に大きいものになるかもしれない。

あと、面白いことに、今回の5Sの投入で製品ラインから消えたのは4Sではなく1年前に発表されたiPhone 5だった。これまではいちばん古いモデルが製品ラインから落とされていたのだが、今回AppleはiPhone 5と5Sの間で販売が分散することを嫌ったのだろう。キャリヤ契約ありの場合、16GBiPhone 5Sが199ドル、32GBが299ドル、64GBが399ドルとなる。発売開始は9月20日だ。

ここ数ヶ月無数の噂やリークの対象となってきた5CはApple初のiPhone廉価版モデルだ。予想通り5Cはカラフルな出で立ちで登場した。Appleはプラスティック・コートされたスティールフレームで筐体を強化し、アンテナとしても使っている。5Cの外観はこれまでのiPhoneと大いに違うが内部は4インチのRetinaディスプレイ、A6プロセッサなどiPhone5ほとんど同一だ。

5Cにもキャリヤ値引きはあるが、単体購入の場合、16GBの5Cは549ドル、32GBが649となる。たしかに5Sやこれまでのモデルに比べれば安いが、この価格ではこれまで言われていたように5CによってAppleが途上国の市場で大きくシェアを伸ばせるかどうかは疑問だ。

われわれのDarrell Etherington記者はクパチーノの会場で新モデルを短時間手に取ってみることができた。両モデルともに好感を持ったようだが、特に5Cに将来性を見出してる

9月18日にiOS 7公開

AppleはiPhoneの新モデルだけでなく、新しい強力なソフトウェアも発表した。iOS 7は9月18日から一般にダウンロードできるようになる。ただしすべてのiOSデバイスがアップグレードの対象となるわけではない。iOS 7はiPhone 4以降、iPad 2以降、iPad mini、第5世代iPod touchで作動する。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple、iPhone 5Cを発表―CPUはA6、色は緑、黄、青、白、赤、金

今日(米国時間9/4)、AppleはiPhoneに史上初めて新しいシリーズを追加した。iPhone 5Cは緑、黄、青、白、赤、金の5色のプラスティック筐体で提供される。フレームはスティール製だがやはりプラスティックでコーティングされている。

プロセッサーはA6、カメラは8メガピクセルだ。Facetimeビデオチャット用のフロントカメラはHDにアップグレードされた。スティール・フレームはアンテナとして機能する。

iPhone 5Cの価格は2年のキャリヤ契約つきの場合、16GBが99ドル、32GBが199ドルだ。BlueTooth 4.0 LE、Wi-Fiはデュアルバンドの802.11a/b/g/nが内蔵される。またiPhone5Cはスマートフォンとしては対応するLTEバンドの数がもっとも多い。Appleがグローバル市場を強く意識していることが分かる。


iPhoneついに拡張される

iPhoneが登場して6年になるが、 これまでAppleは単一モデル政策を固く守ってきた。しかし市場セグメントの多様化とAndroidデバイスとの競争の激化にともない、シリーズを拡張しなければならないという圧力がAppleにかかっていた。キャリヤ契約にともなう大幅値引きによるマーケティングがうまく働かない市場向けに廉価版を投入する必要があった。

そうした市場の一つが中国だ。Appleは中国で確固とした地位を築いているものの、最近はSamsungなどのライバルに追い上げられている。また中国国産メーカーにもシェアを侵食されている。

Appleはこれまで最高級モデルのみを製造し、各市場のトップ・キャリヤにある種ブランドの代表の役割を担わせるという販売戦略を取ってきた。このキャリヤ補助による割引は先進国の大市場では今後も続けられるだろうが、割引なし廉価版iPhoneの投入は市場を大きく広げる可能性がある。9億人のユーザーを持つChinaMobile(中国移動通信)に提供されるならその影響は大きいだろう。

〔日本版:日本のAppleサイトのトップはiPhone 5Cになっている。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iPhone 5S、3色で登場 ― CPU、カメラ、指紋認証など新技術も盛りだくさん

いよいよ次世代iPhoneが発表となった。

2色のiPhoneがデルとか、指紋認証機能が搭載されるというようなが流れていた。またおそらくはプロセッサおよびカメラのアップデートも行われるだろうと見られていた。

噂の真偽の程はどうだっただろうか。

いろいろとアナウンスがあったのだが、取り敢えずiPhone 5Sに関するところをみておこう。

カラーバリエーション

iPhone 5Sには噂通り「ゴールド」が加わった。また2色ではなく3色となっていて、あとのふたつは「スペースグレイ」と「シルバー」だ。

「ゴールド」についてはAppleらしくないとして反対する声も多かった。しかしMGの記事にもあったように、「ゴールド」は実際に登場することとなった。

「派手」な感じではなく、高級感のある「ゴールド」となっていて、まずAppleらしく仕上がっているとみて良いのだろう。また、じつのところiPhone 5のようにスレートにするよりも、ゴールドにする方が技術的に易しいというメリットもあるようだ。さらに、iPhoneのケースを見ると、どうやらゴールドの売れ行きが非常に良いようなのだ。つまりはiPhoneの「ゴールド化」を利用者が望んでいて、Appleはそれを提供しただけと見ることもできるわけだ。

デザイン

外見はiPhone 5からさほど大きく変わっているわけではない。バックパネルは2つの色にわけられていて、これはカラーバリエーションが生まれても同様となっている。スリムさも以前のものと変わらない。但し、ホームボタンは変わった。ボタンの中の四角はなくなり、ボタンの周りをリングが囲むデザインとなった(後述)。

新プロセッサ

外見的に大きな変更はないと書いたが、内部は全く異なったデバイスに仕上がっている。最大の変更点はA7プロセッサの採用だ。A7はAppleのデザインしたARM CPUだ。iOS 7も64ビットに最適化されており、A7はこれを最大限に活かす64ビット対応プロセッサとなっている。ダイサイズは102mm^2で、10億以上のトランジスタを集積するものとなっている。

簡単にいえばA6とほぼおなじサイズで、倍のトランジスタを搭載している計算になる。64ビットアプリケーションに加えて、32bitアプリケーションも動作するようになっている。

Appleによると、このプロセッサはA6と比較して2倍位上の性能を持つものなのだそうだ。初代iPhoneと比較すればCPUパフォーマンスは40倍となり、グラフィック性能も56倍になっているのだとのこと。

またM7というモーション・コプロセッサも搭載している。これはA7と連携して働くもので、ファイロスコープ、加速度センサ、およびコンパスからの情報を処理するようになっている。フィットネス系アプリケーションなどでも、このコプロセッサ搭載の恩恵を受けることになるのだとPhil Schillerは言っている。どうやらNikeが、5Sのアーキテクチャをフルに活用するアプリケーションを開発中のようだ。

バッテリーサイズについての言及はなかったが、A7はバッテリーを効率的に使えるようになっているとのこと。3G回戦で利用する場合、連続通話時間は10時間で、LTE環境でのブラウジングでも10時間利用できるそうだ。待ち受け時間は250時間で、オーディオ再生は40時間行うことができるとなっている。

カメラ

カメラもまたかなりのアップデートがなされた。iPhone 5との比較で、ピクセル面積を15%拡大している。。また開口部f/2.2で5枚構成のレンズを搭載しているとのこと。オートフォーカスおよび自動シャッター速度/露出補正機能を搭載している。

またTrue Toneという新世代デュアルLEDフラッシュも搭載している。これにより、従来のフラッシュ撮影時のような白飛びや、青みを配することができるようになっている。LEDの一方はノーマルなホワイトのもので、もう一方がアンバーとなっている。iPhoneは、この2つのLEDを1000通りの方法の中で最適な形で組み合わせ、部屋の明るさや被写体の明度に最適な形で写真を撮影する。

さらに手ぶれ補正はもちろん、秒間10枚を撮影するバーストモードもサポートしている。シャッターを押している間、秒間10枚の写真を撮影し続け、その中から最適な画像ないし一連の画像を選択して提示してくるようになっている。

さらに加えて、スローモーションオプションというものもサポートされた。これは720pで毎秒120フレームのビデオを撮影するものだ。撮影を終えたあとにスローモーションにする部分を選択する。選択外の部分はノーマル速度で再生される。

指紋認証センサー

これも噂通り、新しいiPhoneにはTouch IDと名付けられた指紋認証センサーが搭載されている。これによりさらなるセキュリティ性能が実現されるわけで、iOS 6のPassbookを一歩進めるユビキタス・モバイルペイメントシステムも実装できるようになる。

Appleによると、iPhone利用者の半数がパスコードの設定を行なっていないのだそうだ。Appleがホームボタンに指紋認証センサーを登載したのは、そうした状況に対処するためでもある。

センサーの厚みは170ミクロンで、解像度は500ppi。指がどの角度に傾いていても認識できるようになっている。尚、ホームボタンの周りにはステンレス製のセンサーがあって、指が近づいたことを認識するようになっている。つまり、もはやホームボタンは指を「置く」ための場所になったわけで、もう「押す」必要もなくなったわけだ。

動作の内容を説明すれば、このTouchIDスキャナは、高解像度で利用者の指を捉えて分析するわけだ。スキャナに読み取られた指の画像がどこに保存されるのかと心配になる人もいるかもしれない。もっともな心配だが、この画像がiCloudやAppleのサーバに保存されること決してないようになっている。

価格

以前のiPhoneと価格は変わらない設定になっている。2年契約の16GBモデルで、200ドルからということになっている。

  • 16GB: $199
  • 32GB: $299
  • 64GB: $399
  • iPhone 4S: free

現在のところまだプレオーダーは始まっていない。ただ店頭での発売は9月20日を予定している。

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(翻訳:Maeda, H)


自動化スーヴィードシステムAnovaを使ってみる…Appleが調理器具を作ればこうなるか

スーヴィード(sous vide, 真空調理)はたぶんいちばんハイテクな料理法だと思うが、ハイテクといっても化学の学位は要らないし、事故で人が死ぬほどの危険性もない。だからぼくも、Anovaはすばらしいと思った。スーヴィード用の自動加熱循環機で、最初冷たかった鶏肉も、約1時間でジューシーなご馳走に変身するのだ。

スーヴィードは特殊な茹で方だ、とぼくは思う。肉や野菜を真空密閉したポリ袋に入れて、沸騰していない低温のお湯が循環している鍋でゆっくり煮る。たとえば、Anovaでお湯を循環させながら密封した鶏胸肉を煮ると、肉汁は一滴も失わないし、肉に焦げ目もつかない。お湯から取り出したら表面をちょっと炙(あぶ)る。すると、これまでで最高の鶏料理の完成だ。

Anovaはとってもシンプルな機械だ。必要なものは、お湯を入れる大きな鍋と、電源コンセントのみ。肉は必ず、真空密封すること。Ziplocなどよりも、真空加熱シーラーを使った方がよい〔参考ページ〕。そして、温度と時間をセットする。たとえばぼくの場合は、鶏肉を60℃で45分煮た。そのあと、塩で味付けし、フライパンで炙った。

温度調整は25℃~99℃のあいだでできる。お湯の循環能力は毎分12リットルだ。なお、材料は水から入れるよりは、最初からお湯の中に入れた方が結果は良いようだ。

ファウンダで制作者のJeff Wuは、家庭用の安価なスーヴィードシステムはこれが世界初だ、と言う。オープンソースのDIYプロジェクトは、前からいくつかあるが、デザインが良くて使い方が簡単なApple的製品は、これが初めてかもしれない。Wuは大学で生物化学とコンピュータ科学と金融学を専攻した。今の彼の本業は、製薬会社や化学企業のためのハードウェアの制作だ。

“ぼくが作る製品は主に、新薬の研究や医学研究、あるいは新素材の開発に関連している”、と彼は言う。“毎日のように、博士たちやノーベル賞受賞者など、エライ人たちに会う。スーヴィードを知ったのも、その人たちのおかげだ”。

“4年前にボストンの名門大学を訪ねたとき、研究室で数名の院生たちが鶏肉をスーヴィードしていた。実験用具の攪拌機をお湯を循環させるために使い、ホットプレートで表面を炙っていた。興味を抱いたぼくは、同じことを会社の実験室でやろうとして、大失敗した。2009年の当時は、ぼくはスーヴィードについて完全に無知だった。鶏肉を入れた袋が実験機械のシリンダに巻きついてしまって、たいへんだった”。

そんな苦労をしてまで、挑戦する価値があるのか? ある! スーヴィードは、一度食べると誰もがやみつきになる。ぼくも、そうだ。Anovaはわずか199ドルだし、真空加熱シーラー(と大きな鍋)は70ドルぐらいだ。高級レストランのジューシーな肉や味の落ちてない野菜の料理は、どうやって作るのだろう、といつも不思議だったけど、今ではその秘密が分かる。しかもスーヴィードは準備がほとんど要らないから、セットしたらあとは忘れてもよい(火事や黒焦げ事件は起きない)。低温での調理時間は最大72時間だから、簡単な煮豆でもそんじょそこらの煮豆とは違う最高の風味の煮豆ができる。

まあ日常の調理器具に199ドルは高いかもしれないが、スーヴィードを試してみたい人にとっては、これがたぶん、ベストのデバイスだ。ネット上には加水オーブンなんかも売ってるが、400ドル以上もする。しかもAnovaは、ほぼスタンドアロンのモデルで、真空ヒートシーラー以外にはほかの機器が要らない。しかも使いやすいしデザインもエレガントだ。

スーヴィードは本来、とても高度な料理テクニックだが、世の中にはつねに、Wuのようなナードがいて、Anovaみたいなクールな物を作ってくれるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


大量のDVDを自動リッピングする自作ロボットJack The Ripper

DVDは好きだけど棚の空きスペースも好き、という矛盾する趣味を抱えている人のためのプロジェクト。このJack the Ripper(切り裂きジャック)と名づけられたシステムは、Raspberry Piで動き、左に積まれたDVDの山から一枚ずつ取り上げてリップ(rip, データ吸い出し)し、リップが終わったDVDを右の山に積んでいく。この行為を、無限に繰り返す。

Andy Ayreがこのシステムを作ったのは、自分のDVDコレクションを全部リップする時間が自分にはない、と気づいたときだ。優秀なハッカーでもある彼は、モーターとマイクロプロセッサと古いラップトップを使用する完璧なソリューションを、自分で設計し自分で3Dプリントした。

ダウンロードしたい人はここから。あるいは彼のWebサイトで詳しいドキュメンテーションを読み、ゼロから自作してもよい。こんなものが欲しい人は、今ではあまりいないと思うけど、DVDのリッピングを自作のロボットにやらせるなんて、ちょっとクールだよね。その次は、ロボットに何をやらせたらおもしろいだろうか?

出典: 3Ders

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


KindleのDRMを1ページずつ外していくレゴ・ロボット

「レゴを通じて体制に抵抗する」シリーズの新しい事例として、われわれはKindle本を1ページずつめくり、コンピューターにeインク画面の写真を撮るよう指示してOCR処理を行い、完全DRMフリーのテキストを作るロボットを紹介する。早い話、これは知能的複写機であり、理論的には、完全に合法だ。

ウィーン工科大学のPeter Purgathoferが作ったこのプロジェクトは、実用的技術というよりはアート作品なので、この計画がThe Pirate Bayに登場することを期待してはいけない。Purgathoferは、本の貸し借りや転売に関するAmazonの当初の約束は破られ、出版業界もAmazonと歩調を合わせるように著作権法を強化していると信じている。「このDIY Kindleスキャナーは、Jeff Bezosが一度は守ったが、後に取り上げたわれわれの権利の消滅を反影したアート表現だ。これはまた、DRMの無益さを訴える声明でもある」とPurgathoferは書いている。

「これは私がプライベートな時間に個人として行ったプロジェクトであり、私の個人的見解を反映したものであることを留意していただきた。これはウィーン工科大学における私の仕事ではないと考えている」。

このプロジェクトは、公正使用の原則の下にコンテンツの撮影を許しているDMCAの「アナログ・ホール」と呼ばれるカテゴリーに属すものだ。撮った写真をコンピューターに入れた段階で少々怪しくなるが、デジタル著作権法では合法だ。それにほら、レゴだし。
via BB

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(翻訳:Nob Takahashi)


TC Disruptのステージに本物のタココプターが登場―メキシカンファーストフードの空中配達に成功

Skycatchのミニチュア・ヘリが美味しいタコスを空から届けてくれることになるのならロボットが世界を征服するというのも悪いことばかりではなさそうだ。去年評判になったTacoCopterはもちろんジョークだったが、このTacocopterは本物だ。

ロボディクスとセンサー・テクノロジーに関するパネルディスカッション中の息抜きにわれわれのAnthony Ha記者がこの愉快なデモを紹介した。

このロボットはクアドコプターの下に自動的に開く箱を取り付けたもので、Skycatchの社員が操縦し、7mの上空からのタコスの投下に成功した。ファウンダーのChristian Sanzはレーザーポインターの光の跡を追って飛んだり、完全自律飛行ができたりするロボットコプターのプロトタイプを開発している

空中配達ロボットの実用化が待たれる!

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


身の回りの音(会話)を録音し続け、タップひとつでスマートフォンに保存するウェアラブルマイクのKapture

またしてもKickstarterの話題で恐縮だが、毎度、面白いプロジェクトが出てくる。今回紹介するのは、リストバンド風デバイスで、マイクが内蔵されている。「ウェアラブル」と「Quantified Self(QS)」(身体データの数値化)の動きに乗ろうとするプロダクトだと言えるかもしれない。リストバンド内蔵マイクは直近60秒の音声を録音し続け、iOSないしAndroidアプリケーションを使って、簡単に共有することができる。

コンセプトはHeardというアプリケーションと同様だ。こちらも自分の周りの音を録音するもので6月にデビューしている。録音時間は無料版で12秒となっており、アプリケーション内購入によってアップグレードすることにより、直近の5分間の音を録音できるようになる。一番大きな違いは、もちろんKaptureがハードウェアであるという点だ。リストバンド風ハードウェアをタップすることで、外部デバイス(スマートフォン)に録音音声を保存するように指示を出すことができる。

Kaptureは本体が耐衝撃性プラスチック製。ストラップはシリコン製になっている。バッテリー持続時間は24時間を上回る程度とのこと。マルチカラーのLEDを搭載しているが、画面はない。バイブレーション機能は搭載しており、防水加工がなされており、そして無指向性マイクを装備している。プロトタイプ段階ではBluetooth 2.1経由でスマートフォンに接続するようになっているが、製品版ではBluetooth 4.0を使う予定だ。他には充電用のマイクロUSBおよびモーション検知のための加速度計も搭載されている。

Kaptureを生み出したのは、Procter & Gambleで10年以上のプロダクト製造の経験を持つMike Sarow、プロダクトプレイスメントを担当してきたマーケティング担当のMatthew Dooleyたちだ。Kaptureの出荷のため、15万ドルの調達を目指している。調達をサポートしてくれる人へのプロダクト提供価格は99ドルだ。この価格で提供されるのはブラックあるいはホワイトモデルとなっている。他にもいろいろな色が用意されているが、そちらは110ドルからの提供となっている。

Heardと比較すると、Kaptureの方がよりコンセプトに相応しい設計になっていると言えるのではないだろうか。録音時間は60秒で、スパイ的な用途に使われる可能性は低い。まさに自分が記憶しておきたい瞬間が時の中に流れ去っていくことを防ぐためのデバイスとして位置づけられているわけだ。また、専用のハードウェアであるという意味で、録音品質などについえてゃアドバンテージがあるものと思われる。手首に取り付けるようになっていることも、音質面では有利に働くだろう。

もちろん問題点がないわけではない。バッテリーのもちが24時間少々というのは短いように思う。また、手首をタップして直近60秒を保存するという動作は、自然の流れの中で行える動作ではなく、慣れるのに時間もかかるかもしれない。また、下の写真にある「You being you.」というコピーは、自らのファッション性を訴える意味もあるのだろうが、同意しかねると考える人もいそうだ。

取り敢えず、ライフロギングツールのひとつとして面白い試みであるとは思う。無骨な、いかにも機械然としたものでないのも良い点だろう。但し、人間の手首の数には限りがあることも問題となってくるかもしれない。Samsungなどのビッグネームも同じ場所を狙ってスマートウォッチをリリースしてきている。デザインはまずまず面白く(異論はあるだろう)、コンセプトも時代の流れに則ったものだと言えそうだ。但し、非常に限られた利用者層しか想定できないという面も忘れてはならない。いずれにせよ、身の回りの音や会話など、有効に活用しようとする一つの試みとして評価できるものであると思う。

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(翻訳:Maeda, H)


iPad 5とiPad Mini 2は今年第4四半期に登場するとアナリストが予測―iPad 2は引き続き販売へ

KGI Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuoのレポートによれば、AppleのiPad 5とiPad mini 2(公式なモデル名はまだ分からない。ここでは単に世代を指している)はやはり今年末に登場するようだ。通例アナリストのこうしたレポートは「当たるも八卦」だが、Kuoには低価格のiPhone 5Cやカラー・バリエーションの登場などをいち早く予測してきた実績がある。

Kuoの投資家向けレポート(9to5Macが引用)によれば、iPad 5とiPad mini 2は今月中に初期生産が開始されるが、全力生産に入るのは10月以降になるという。

一部では来る9月10日のAppleのプレスイベントで新世代のiPadも発表されるという観測もあったが、Kuoの予測はこれと違う。

Kuoはさらに、「Appleは当初、新iPadを2014年に入ってからリリースする予定だった」という。しかし競争の激化によってスケジュールを前倒しすることとした。しかしRetinaディスプレイを搭載しない安価なiPad miniのリリースは来年になるという。

もうひとつ興味ある予測は、iPad 2の製造は継続されるが、価格は引き下げられるとしている点だ。AppleはiPhoneの場合、過去2世代のモデルを廉価版として継続販売してきた。KooによればiPadについては廉価版の過去モデルとしてはiPad 2だけが提供されることになる。iPad 2は30ピンのコネクタを使用しているが、新iPadの登場を機にLightningコネクタに換装されるかもしれない。

今週に入ってiPad 5の筐体のビデオがUnbox Therapyで公開された。これが実際に製品版のパーツであるなら、iPad 5のデザインはiPad miniに強く影響を受けている。 KuoはiPad miniに新世代のA7プロセッサが搭載されるとしている。現行のminiはA5搭載だが、Retinaディスプレイを搭載すればCPUのパワーにも大きなテコ入れが必要になるのは自然だろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


SamsungのGalaxy Gearスマートウォッチを試した―予想より上出来で私は欲しくなったが消費者は?

Galaxy Gearには当初懐疑的だったが、こうして少し触れてみると、これはすごい製品だ。私は間違っていた…といってもまだこの製品に完全に納得したわけではないのだが。

ともかくSamsungのガジェットのデザイン能力がトップクラスであることは認めねばなるまい。先週ウェブに流れたリーク画像の醜いデバイスとは大違いだ。しかも手首にはめているのを忘れるくらい軽い。

それでもこのガジェットはかさばるスポーツ・ウォッチに近い。ファッショナブルなディナーの席に身につけていけるようなものではない。歩数計とフィットネスアプリがデフォールトで装備されていることでもそれは明らかだ。カメラ部分がバンドから突き出しているのも選んだ色によってはあまりスマートには見えない。

1.63インチのAMOLEDディスプレイもかなり目立つ。300×300ピクセルでイベント会場のぎらぎらした照明でも見やすかった。スクリーンをタップするとカメラで記念写真を撮ることができる。しかし190万画素なので画質にはあまり期待できそうもない。

バッテリーがどれくらいもつかは依然として分からない。Samsungは「通常の使い方なら1日分の作業に耐える」としているが、私が聞いて回ったところでは誰一人その「通常の使い方」の中身を知っているものはいなかった。これまでSamsungは製品の性能に関して誇大広告というむしろ内輪に発表してきたので今回もそうであると期待したい。そうでなければGearに対する好意的評価はたちまち消え失せるだろう。

しかしもちろんハードウェアは問題の半分に過ぎない。Galaxy Gearのソフトウェアはうまくいけば最大の資産になるし、そうでなければ最大の厄介ものになる。

まず現状ではGearのソフトウェアはあまり使いやすいとはいえない。Gearの操作はすべてタップとスワイプで行うのだが、私が試した個体はときどき正しく反応しないことがあった。うんとゆっくり操作するのでないとページの遷移はつっかえたり、止まったりする。S Voice音声コマンドも同様に問題が多いと感じた。もっとも混雑したうるさい会場で次のジャーナリストが順番を待つ中でのテストだったことが影響しているかもしれない。いちばんいらいらさせられたのはGearを覗こうとして腕を上げても、(そうすれば起動するはずなのに)起動しないことが何度かあったことだ。

現物を見るまで私はGalaxyを完全に無駄骨折りだと思っていた

そういうわけでソフトウェアに関してはSamsungはまだ細かい点で改良の余地を大いに抱えているが、まだ公式リリリース前なのでやむをえない面はある。ローンチまでに修正されると期待したい。で、どこにいちばん感心したのか? まずSamsungは有力デベロッパーを何社かにアプリをGear用に移植させるよう説得することに成功した。RunKeeper(ランニングの記録)、Path(小グループでのSNS)、Vivino((ワインボトルをスキャンして情報を得る)などの人気アプリがすでにGear化されている。

Samsungによればローンチまでに70種類程度のアプリを用意できるということだ。サードパーティーのデベロッパーが長期に渡ってGearのサポートを続けるかどうかがプラットフォームとしての成否を分けることになる。しかしアプリに関して注意点がある。Gearには同時に10種類のアプリしかダウンロードできないのだ。この制限はデベロッパーにとって大きな障害になりかねない。

現物を見るまで私はGalaxy Gearを完全に無駄骨折りだと思っていた。正直、むやみに金だけはある大企業がスマートウォッチというバズワードに浮かされて作ったどうせ中途半端な製品だろうとタカをくくっていたところがある。今でもSamsungのプロダクト・デザイン方針が100%正しいかどうかには確信がもてない。いくら大量に売れそうな製品とはいえ、Gear専用アプリ以外作動しないというのは大きなハンディキャップだろう。これまでもSamsungはソフトウェアのアップデートがさほど速いほうどはなかった。

しかしそういう問題はあるものの、SamsungはやはりGearでひとつの突破口を開いたと思う。私はPebbleのユーザーだが、ほんの短時間Gearに触れただけで強く羨ましい思いをさせられた。Pebbleにはスマートウォッチとしてごく少数の基本機能しかない。それがPebbleよりほんのわずか重いだけでGearにはありあまるほどの機能が仕込まれている。私のようなガジェットオタクがいつまでこの誘惑に抵抗できるか? どうも抵抗できそうにない気がしてきた。

しかしSamsungにとって一般消費者を納得させることができるかが重要だ。あけすけに言ってしまえば、299ドル払ってできることといえば、ポケットからスマートフォンを取り出せばできることのごくわずかの部分しかない。さて、どうなるか?

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Dash Robotics、高速走行虫型ロボットを開発。Arduino互換標準DIYモデルの価格は65ドル

Dash Roboticsが、クラウドファンディングを利用して、ロボット愛好家のためのプロダクトを世に出そうとしている。素材、デザイン、および製造過程に工夫を凝らし、最先端の技術を安価で提供しようとするものだ。このロボットはスマートフォンでコントロールでき、虫のように駆けまわる。発送時はごく薄いパッケージにおさめられ、購入者が「オリガミ」風に組み立てるようになっている。

このDashはバークレーで博士課程に学ぶNick Kohut、Paul Birkmeyer、Andrew Gillies、およびKevin Petersonの手になるものだ。彼らはMillisystems Labにて小型ロボットの研究を行った。そして実験のためのプロトタイプモデルを、迅速かつ安価に組み上げる手法を編み出したのだった。そしてできたモデルを人に見せてみると、多くの人が心の底から驚き(どのようなものなのかは、下に掲載したビデオを見てみて欲しい)、満々の購入意欲を示したそうだ。

「Dashはなかなか魅力的に仕上がっているようです。子供たちに渡すと、親が引き離すまで何時間も遊んでいるのです」とKohutは言う。商品の完成度だけでなく、他にも欲しがられる理由があると主張する。「Dashは非常な低価格で提供されます。『安価』なロボットといえば、150ドル程度のものを指すことが多いようです。しかしDashの価格はキット価格で65ドルしかしないのです。従来の『安価』の半値以下です。製造工程を工夫したこともあり、安価な素材を活用することができるようになっているのです。また実際の動物の形状を取り入れることで、安価でありながらも、自然に学んだ最適パフォーマンスを実現することもできたわけです。

Dashは、一番安価なアルファタイプが、キット価格で40ドルで提供される(真っ直ぐ走る程度で、他に大した機能はない)。操縦可能で拡張性をもたせたベータタイプが65ドル、そしてファウンダーによって組み立てを行ったモデルが100ドルとなっている。KohutによるといずれもArduino互換で、ソフトウェア的に改造ができる(hackable)ようになっているとのこと。すなわちDashにやらせることの限界は、購入者のイマジネーションに依存しているということだ。ロボットは秒速5フィートで走り、また一度の充電で1マイル以上を走行することができる。

Dash Roboticsは、この昆虫型ロボットに続いて他にもさまざまなタイプを出していくつもりなのだそうだ。アクセサリー類も含めて、幅広い主力製品群を用意したいとKohutは述べている。

「博士課程での研究途上で、ロボットに羽や尻尾、あるいはヤモリ風の足を装着したりしてきました」と、Kohutは言う。「たとえばDashにヤモリ風の足をつけることができたら、それも非常にクールだと思うのです。走り回るだけでなく、壁も登れるようになるわけです。また、ロボット同士が会話できるような機能も登載したいと考えています。これにより、ロボットが集団行動をするなどの可能性が広がってくるでしょう。レースをしたり戦わせたり等、協力して何かをやらせることも、あるいは競わせることもできるようになるわけです」。

長期的には、「趣味」のレベルに留まらない発展も考えているようだ。小さくて軽く、そしてさまざまな足場に対応しつつコストをおさえることができれば、たとえばレスキュー用途などにも使えるようになるとKohutは考えているそうだ。1000体ものDashロボットが群れをなして、倒壊したビルを動きまわり、呼吸により排出される二酸化炭素を検知することにより、被災者を見つけ出すなどということができるようになるのかもしれない。あるいは地雷除去なども用途として考えられそうだ。

Dash Roboticsは、自らをAdafruitなどの属する、メーカーコミュニティーの一員として位置づけている。今回Dashが利用しているクラウドファンディングのための仕組みであるDragon Innovationもその一画を担うものであるとのこと。メーカーおよび、そのメーカーによるプロジェクトを専門的に対象とするクラウドファンディングサービスを提供している。尚Dashは、製品を大規模生産にもっていくべく、従来風の投資にも関心をもっているとのこと。また、UC Berkeley発のハードウェアアクセラレーターであるThe Foundry @ CITRISの支援も受けている。

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(翻訳:Maeda, H)


iPhoneのカメラ用外付けフラッシュNovaはワイヤレスの本格派(近くAndroid用も)

iPhoneのカメラのフラッシュには、誰もが不満だ。今度の最新機iPhone 5S(名前はどうでもいいが)ではLEDが2灯になるそうだが、それは問題の解決にならないどころか、露出過度の写真では画像が洗い流されたようになるリスクもある。あとでInstagramなどのアプリ(のフィルタ機能)を使って修正する手はあるが、要するにユーザとしては、少々暗いところでも、ふつうに写真を撮りたい。…という願いに応えてくれるのが、Novaだ。クレジットカード大のワイヤレス外付けフラッシュで、光量や色温度を調節できるから、暗がりでもまともなスナップ写真を撮れるだろう。

Novaの前にも、たとえばiblazrという外付けフラッシュはあったが、これはiPhoneのヘッドフォンジャックにケーブルをつないで使った。でもNovaはBluetoothを使うから、より自由な置き方ができる。最大距離がiPhoneから20フィートだから、被写体の直近にかざすことすらできるし、あるいは友だちにフラッシュを持ってもらうこともできる。

Novaの作者たちは今、Kickstarterで、生産に要する費用25000ドルを募金している。今写真に写っている(上図)のは、プロトタイプ機だから、今後の変更はあるだろう。付属のアプリで光量や色温度をコントロールできるから、温かい色調やギラギラした色調、などなどを実現できる。Novaの40個の光源(65ルーメン、ホワイトLED)の色温度を個々にコントロールできる、高度なモードもある。

電池は、一度充電(microUSB)すると、待機モードで4週間もち、最大で150回フラッシュできる(状況や使い方による)。実際に目標額が集まったらオープンソースのSDKを公開するつもりなので、デベロッパはBluetooth Low Energyプロトコルによる独自のNovaアプリを作れる。

Androidアプリも開発中だが、それはBluetooth LE対応のAndroid 4.3以降のデバイスのみだ。Novaのお値段は、Kickstarterの出資者には49ドル、その後は54ドルだ。出資者に発送できるのは2014年の2月を予定している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


リーク情報―新iPad 5は現行Retina iPadと同一モニタサイズで幅が15mmスリム化される(ビデオあり)

Appleの次世代iPadの筐体とされるものがUnbox Therapyのビデオで紹介されている。これが事実なら、新iPadのデザインはいろいろな面でiPad miniに強い影響を受けている。この点はわれわれが入手した以前のリーク情報とも合致する。今回のビデオは現行モデルとの差異が相当にドラマチックであることを明らかにした。次世代モデルの発表は10月中になると言われている。

新iPadのデザインでもっとも大きな改良は幅が15mm狭くなったことだ。厚みもごくわずか薄くなったようだ。おそらくは重量も軽くなっているのだろう。幅のスリム化はベゼル部分を狭くしたことで達成されており、モニタは現行と同じく9.7インチのままだ。この手法もiPad miniのものだ。

上のビデオでは新旧のケースを直接に詳しく比較している。また新モデルでは裏面のAppleロゴが鏡面仕上げになっているのが分かる。また筐体下部には一組のステレオ・スピーカーが装備されるポートが用意されている。音量ボリュームはアップとダウンが別々のボタンになった。エッジは現行iPadが斜めなのに対して、新モデルでは直角に近くなっている。

消費電力の大きいRetinaディスプレイ搭載の現行 iPadの最大の問題はiPad 2に比べてサイズが大きく、重くなってしまったことだった。Appleが事実このビデオで示されたように軽量化、スリム化を実現するなら、これまで買い替えをためらっていたiPad2ユーザーの多くを飛びつかせることは間違いあるまい。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Samsungがスマートウォッチ、Galaxy Gearを発表―9月25日から出荷

レイディーズ・アンド・ジェントルメン、長らくおまたせしました。これがGalaxy Gearです! Samsungが長らく噂になっていたスマートウォッチ、GalaxyGearをお披露目した。幸い、以前リークされた写真のいくつかに写っていたような奇妙なデザインではないことが判明した。詳しい情報などどうでもいい、ともかく1個欲しいという読者(変人だ!)のために急いで付け加えると、GalaxyGearの販売開始は9月25日から、299ドルという。アメリカでの販売開始は10月になり、当面Galaxy Note 3とのみ連携する。

Samsung Telecommunications Americaの社長、Gregory LeeはプレスイベントでGalaxy Gearを腕につけているところを一瞬だけ見せた。そこで先週流れたこのガジェットの写真は開発のごく初期のモデルだったことがわかった。とはいえ、公式に発表されたモデルも相当に大きい。手首の細いユーザーは注意が必要だろう。

「これが世界の新しいファッション・アイコンになることを期待している」とSamsungのモバイル事業の責任者JK Shinは述べた。Shinによれば、このデバイスは通話の発信、受信が可能で、SMSのアップデートを通知し、写真が撮れるという。いささか奇妙なことに、ShinはGalaxy Gearについてはほんのわずかしか時間を割かなかった(目新しい情報といえばGalaxy Note 3がAndroid 4.3を搭載しているということぐらい)が、後でSamsungのIFAチームがもう少し詳しい情報を補足した。

Galaxy Gearについて現在判明している情報は以下nとおりだ。ディスプレイは1.63インチAMOLED、噂されていたとおり、S Voiceによる音声コマンドで接続されたSamsungスマートフォンの操作が可能。写真で見るとおり、6色のモデルが用意される。CPUは800MHz、512MBのRAMを内蔵する。心配されたバッテリー容量だが、315mAhで、Samsungによれば「通常の使用(正確にどういう条件を想定しているのかは不明)であれば1日もつ」そうだ。

将来に向けて重要なポイントはSamsungが健康関連のアプリを始めとしてサードパーティーのデベロッパー支援する姿勢を強く打ち出したことだろう。スマートウォッチの発売時にはMyFitnessPalとRunKeeper加えてソーシャル分野ではPathとHighlightのアプリも提供されるという。Engadgetによると、Gearの発売時には70種類程度のアプリが利用可能になるようだ。

残念ながらSamsungのプレスイベントでは実物に触れる機会がなかった。実際の使用体験はどうなのだろう? われわれは新しい情報が入り次第アップデートする。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Sonyは、ポケットにレンズを入れて出かけて欲しいと思っている


スマートフォンのカメラが少々物足りないと感じた時のことを思い出してほしい。もう少し良い写真を撮りたかったあの時。そう、子供のカラテレッスンや大切な人の大腸内視鏡検査にコンパクトカメラを持っていったあの時のことを。実は、もうすぐSonyはそんなあなたのための製品を出す。

Sony QX10およびQX100は、先月 驚きの登場を果たして以来、 インターネットのあらゆる場所リークしている。この製品は、スマートフォンと無線またはドック経由でつながるように作られた、言わばカメラの2/3だ。Sonyは、新しいセンサーとレンズでスマートフォンのカメラを置き換える、全く新しいシステムを作り出した。もちろん、良くも悪くも。

Sony Alpha Rumorsによると、QX10は1/2.3インチ18メガピクセルセンサーとf/3.3~5.9のレンズを装備している。QX100は、高画質の1インチ20.2メガピクセルExmor Rセンサーと、f/1.8~4.9カールツァイスレンズを内蔵する。QX10は250ドル、QX100は450ドルと記事は書いている。このQX製品群は、Sonyの美しいコンパクトデジカメをベースにしており、QX10はWX150によく似ていて、QX100はRX100m2の機能を殆ど受け継いでいる。

コンセプトは明確だが、市場の熱はいまひとつかもしれない。適切なソフトウェアを得て、スマートフォンは写真処理に必要な物をすべて備えている。これらの製品の狙いは、スマートフォンを使って高品質な画像を撮影できるようにすることであり、さらに重要なのはその画像をずっと早くシェアできるようにすることだ。

この第一世代モデルが高価すぎるのは非常に残念だ。

このアイデアが以前にもあったことは忘れてはならない。Will.i.amとFusion Garageの(CrunchPadエンジニアでもあった)Chandra Rathakrishnanは、このアイデアをSonyより早く、ファッション向けに絞ったi.am+foto.sosho V.5で実現している。しかし、その後市場に出た様子はない。あれはばかげていたし、初めからまぼろしの臭いがしていた。

Sonyの試みは、はるかに正統派で創造的だ。 これが初めてネットにリークした時に本誌でChris Velazcoが解説しているように、Sonyは、カメラのハードウェアをスマートフォンの外側に移した製品を作ることによって、デバイスに依存しないプラットフォームを生み出し、このデバイスを未来のハードウェアで使うという選択肢を消費者に与えた。

この愛らしいレンズたちがすぐに大ヒットすることを期待してはいけない。Sonyも思っていないだろう。これは明らかに市場をテストするための少量製品だ。しかし最近のSonyはゆっくりとして堅実な製品サイクルに戻っている。この製品ラインは、モバイルとデジタルイメージングという同社の主要製品カテゴリー2種をつなぐ、巧妙なかけ合わせだ。Sonyは、消費者がポケットにコンパクトカメラではなくレンズを持ち歩くよう、全力を尽くす構えだ。


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(翻訳:Nob Takahashi)