FacebookはTwitter買収に失敗していた―『Twitterの誕生―金、権力、友情、裏切りの物語』近刊

ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニック・ビルトンの近刊、Hatching Twitter: A True Story of Money, Power, Friendship, and Betrayal(Twitterの誕生―金、権力、友情、裏切りの物語)によれば、Facebookのマーク・ザッカーバーグは公式の交渉と共同ファウンダーのジャック・ドーシーを通じた働きかけで、2度にわたってTwitterの買収を試みたという。

私が特に興味を引かれたのは次の箇所だ。それは2008年10月末、ジャック・ドーシーがCEOから追われ、株式の議決権行使をウィリアムズに委任し、経営の実権もないまま会長に祭り上げられた直後のことだった。共同ファウンダーのエヴァン・ウィリアムズとビズ・ストーンはFacebookに招かれ、CEOのマーク・ザッカーバーグと話し合った。テーマはTwitterの買収だった。

ビルトンによれば、ザッカーバーグは何ヶ月も前からドーシーを通じて買収の下ごしらえを進めていたという。ところがドーシーが突如CEOの職を失ったために交渉は一からやり直しになった。その前にザッカーバーグからドーシーに送られたメールには、買収が合理的である理由が箇条書きされていた。その理由のひとつに、このような場合の典型だが、FacebookはTwitterの得意分野に自ら進出するつもりだとあった。つまり買収が成立しないなら、われわれはお前を潰してやるという脅しだ。

ウィリアムズとストーンは5億ドルという価格を提示した。ザッカーバーグはその程度の金額になるはずだとドーシーから聞いていたので驚かなかった。

しかしこの買収交渉は不成立に終わった。ビルトンは買収に応じなかった理由を取締役会に説明するウィリアムズのメールの一部を引用している。

会社を売却するのは3つの理由がある。

1. 買収価格がその会社の将来の価値に対して適正であること(われわれはこれまでTwitterは10億ドルの価値があると言ってきたが、私はその何倍もの価値があると思っている

2. ライバル企業からの深刻な脅威がある((Twitterの価値をゼロにするような脅威はどこにもない

3. 買収する企業が偉大であり、そこに参加することに意義があること(私はFacebookのユーザーではない。私はFacebookの人間にもビジネスのやり方にも数多くの疑念を抱いている)

興味があるのは、Twitterの取締役会が2008年の時点でTwitterは10億ドル企業だと判断していたこと、そしてウィリアムズは「その何倍もの価値がある」と考えていたことだ。当時、Twitterのユーザーは1100万弱で、爆発的なユーザー増加が始まるのは2009年始めになってからで、アシュトン・クッチャーがCNNとフォロワー100万人獲得競争をするなどのPR戦術が効果を挙げた後だった。現在提出されているTwitterの上場申請書によれば会社評価額はおよそ19億ドルだ。2008年当時、始終ダウンする脆弱なインフラを抱えたTwitterだったが、経営陣はその価値に絶大な自信を持っていたことがわかる。

またウィリアムズが企業文化の違いに懸念を抱いていたことも面白い。ビルトンの本は登場人物の人間的な弱点についても深く掘り下げているが、Twitterの創立者たちはそろって「人間のつながりを民主化するツールを創り上げる」という理念を強く信じていたことを明らかにしている。それは前身のOdeoの頃からTwitterへのピボットを通じて維持された。ウィリアムズはTwiterはFacebookの企業文化によって悪影響を受けると考え、何億ドルもの提案を蹴ったのだった。

シリコンバレーでは買収されることを主要なビジネスプランにしている会社が珍しくない。しかし中にはウィリアムズたちのように金のためではなしに決断を下す人々も存在する。

一方、Facebookが「買収に応じなければお前たちを潰してやる」と脅したのは賢明ではなかった。Facebookはそういう脅しを口にしたために何件かの買収をしくじっている。FacebookがTwitterのコア機能をコピーするには3年かかった。2011年にSubscribeという名前で発表された機能はやがて正式にフォローと命名された。

取締役会はウィリアムズに同意し、買収の提案には応じないことが決まった。ザッカーバーグは引き続きドーシーをリクルートしようとアプローチしたが、プロダクト責任者の地位を与えることは拒絶した。ドーシーがFacebookに参加することはなかった。Twitterが上場すればドーシーは議決権のある株式を取り戻すことになる。

実はウィリアムズは過去に買収の提案があったことと、それを断った3つの理由について今年に入ってブログ記事を書いている。ただしその相手がFacebookだったことは伏せていた。

その買収提案は巨額だった―投資家始めTwitterの関係者全員にとって大成功を意味した。しかし私には魅力がなかった。当時われわれはまだちっぽけで、将来性を疑う声も依然として多かったが、私はTwitterの可能性は無限だと考えていた。

Twitterの場合、われわれは誰も売る気がなかった。私はCEOになったばかりで、Twitterの成長のために全力で働こうと張り切っていた。われわれのチームは全員そうだった。それに買収を提案してきた会社はわれわれと特に相性が良さそうに思えなかった―もし相性のいい会社だったら皆大喜びしたはずだ。

こうした話を聞くと、もしFacebookがTwitterの買収に成功していたらという想像が膨らむ。おそらくFacebookが世界のソーシャルネットワークを事実上独占することになっていただろう。そしてビジネスと倫理をいかに調和させることができるかという疑問の典型的な例になっていただろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


強制的にメディアプレビューを表示するTwitterのやり方には大反対(但し理屈にはあっている)

いよいよ時が近づきつつある。Twitterは上場に焦点をあてて活動を行っている。そしてもちろんマネタイズについても真剣に取り組んでいる。たとえば、最近投入された新機能も、まず広告主のことを念頭において実現されたものだ。それに加えて、いわゆるメインストリームユーザー(さほどテック系に詳しくない一般の人)の気持も掴みたいと考えている様子。

今回の記事でまず注目しておきたいのは、ビジュアルコンテンツをタイムラインに表示するようになったことだ。ウェブ版、Android版、そしてiOS版のいずれにおいても、ストリーム内で写真および動画プレビューが見られるようになった。

(ハロウィーンの時期と重なったことは、全くの偶然というわけでもなかろう。新機能を強くアピールするのに、ハロウィーンコスチュームの投稿による盛り上がりはうってつけの機会だ。またフロントカメラとリアカメラの写真を合成して投稿できるFrontbackなどでも、ハロウィーン関連投稿は多く見られた)

そもそもTwitterとは、140文字の中につめ込まれた、密度の濃い情報伝達行うというところにオリジナリティを持つものであった。しかしビジュアルメディアとの連携を深めるに連れて、そのオリジナリティも変容しつつもあるようだ。

非常に多くの写真共有アプリケーションが世に登場していることからもわかるように、写真というのは非常に魅力的な素材で、利用者の目をひくものだ。別の言葉で言えば、文字コンテンツを押しのけて自己主張をする面もある。こうした素材をタイムラインに投入することで、情報消費のやり方は大きく変わっていくことになる。

写真があると、どうしても視線はそちらに引かれる。広告主はとしては、ぜひとも使いたいコンテンツだろう。興味のないプロダクトであっても、派手な写真にはどうしても目がいってしまう。写真素材にはそういう性質があるのだ。

しかし文字情報のやり取りを主とするところにビジュアル要素を持ち込むと、どうしても文字情報の伝達能力を落ちてしまうこととなる。

単純に物理的な要素もある。ビジュアルメディアを埋め込んだツイートは、文字だけのツイートよりも大きな場所を占めることになる(もちろん改行があれば話は別だが)。よってタイムラインの見た目は投稿された写真やVineのビデオが大きな面積を占めることとなっていく。

さらに、ビジュアルを多用した広告投稿が数多く見られるようになるのだろう。ビジュアルを活用することで、文字情報中心のやり取りの中で「目立つ」広告を配信することができるわけだ。

こうした流れはつまり、コミュニケーションの密度を希釈化してしまうということもできるだろう。タイムライン上でビジュアルコンテンツが広いエリアを消費することで、情報量が減じてしまうことになるのだ(今でもノイズだらけになってしまうと感じる人もいるかもしれないが、人気のテレビ番組やスポーツなどのリアルタイムイベントが、ますますTwitterを耐え難いものとしてしまう危険性もあると思う)。

もちろん、流される写真やビデオは邪魔にしかならないと言っているわけではない。しかし見るか見ないかの判断が利用者の手から奪われることにはなってしまったわけだ(これまではテキストを読んで、面白そうだと思ったらリンクをクリックしてメディアファイルを表示するという流れだった)。

たとえばTwitterのウェブにも、ビジュアル情報が流れてくるのを止める方法はない。強制的に視線を持っていかれるという意味で、Google+やFacebookでのコンテンツ消費スタイルに近づいたということが言えるかもしれない。

Twitterによるモバイルアプリケーションではビジュアルメディアの表示をオフにすることもできる(おそらく速度とデータ量を気にする人が多いからだろう)。しかしウェブ版には、これをオフにする機能はつけていないとTwitterが言っている。

オプトアウト機能を実装しない理由があるのかという質問に対しては、今のところまだ返信はない。

すなわち、もしTwitterの魅力が迅速な情報伝達にあると考えている(ビジュアル情報などは余計なものだと考えている)場合、たとえばTweetbot(Mac App Storeにて2000円で販売されている)などのサードパーティー製クライアントを使う必要があるわけだ。

(Twitterは提供APIの機能を制限することにより、サードパーティーの動きをコントロールしてきた実績がある。ビジュアル系をオプトアウトする仕組みも、そのうちに制限されてしまう可能性はあるだろう)

個人的には、強制的にメディアプレビューを表示する今のやり方は、とても「クール」とは言えないものだと思う。サービスのクオリティが下がったようにも感じてしまう。但し、もちろん逆の見方もあるのだろう。ビジュアル情報というのは、情報をわかりやすく伝えることもできる。また、メインストリームユーザーを取り込むのにも役立つだろう。全ての情報がテキストの中に埋め込まれている状態が、誰にでもわかりやすいものだとは言えないのだ。つまり、今回のTwitterの判断にも合理的意味があるわけだ。

文字情報のみで構成されるタイムラインは、使い慣れた人にとっては便利なものだろう。しかし、いったいどういうものなのかとTwitterを使いはじめる人にとっては、とっつきにくい面があったことも事実だ。Twitterの狙いとしては、より広いそうにアピールして、そしてメインストリームユーザーを獲得していくことが大事なのだ。巷間言われる成長の課題に対応しようとしているとも言える。

つまりTwitterはテック系以外の人にも、より多く使ってもらうようにしていきたいと考えているわけだ。そうした方向性を示すのは、ビジュアルコンテンツのプレビューを行うようになったことのみに現れているわけではない。

たとえば8月には、@リプライによる会話の流れを示す会話ビューにおける表示順の変更を行っている。但し、物理的な表示幅が広がってしまったことと、通常のタイムラインと別の考え方で接する必要が出てしまったことで、既存の形式に馴れた利用者からは、むしろ改悪であるとの声も聞かれた。

しかし新しくTwitterの世界に入ってきた人にとっては、会話の流れがわかりやすくなり、どういうサービスなのかを理解する助けになったのではないかと思われる。

Twitterがこうした「一般化」の方向性を目指す中、ちょうど母親のTwitterアカウント開設を手伝う機会があった。設定するうちに、誰もフォローしていない状態からTwitterを役立つものにしていくのは、なかなか大変であることを思い知らされた。

自分のタイムラインに表示する人を探すのもなかなか苦労する。自分が興味を持っていることを呟いている人を探すのも簡単なことではないのだ。Facebookは知り合いとのネットワークを構築するというのが第一の目的だ。しかしTwitterについては、母の周辺では使っている人もほとんどいないという状況なのだ。こうした状況もあって、Twitterは新加入者に対して有名アカウントのフォローを推奨しているのだ。多くをフォローする中で、Twitterの愉しみを理解して欲しいと考えているわけだ。

TwitterのIPOが間近に迫り、投資家たちの注目も改めて集まることとなっている。そうした中でTwitterは、サービスを一般の人の中で広げていく方法を多く提示していく必要があるのだ。そうした中で本質部分にもいろいろと手を加える必要があり、それは時にベテラン利用者の気持ちを逆撫ですることになったりもしている。

また、多くのサービスが写真共有や、Instagramなどのようなビジュアル要素を活かしたソーシャルネットワークの開発に注力していて、また注目も集めている。Twitterとしてもそうした流れにのるために、テキストだけの世界から抜け出す必要性を感じていたりもするのだろう。

タイムラインに写真などを表示して見栄えをよくしてみるというのは、Twitterの今後の方向性の沿った改良だということだ。ただ、ずっとTwitterを使っていて、文字情報による伝達密度の高さを気に入っていた人たちに対し、オプトアウトの手段を与えていないことには不満を感じる。

対象とするメインストリームユーザーがオプトアウトしてしまうような間違いを防ぎたいという気持ちもあるのだろう。ならば設定画面を非常に深いところに置いてもらっても結構だ。これまで使い慣れていて、そして気に入っているTwitterを奪い取らないで欲しいと思うのだ。

視線をあちこちに彷徨わせて、面白そうなものをうろうろと眺めていたいということなら、もうとっくにGoogle+などのサービスに移っていたと思うのだが…。

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(翻訳:Maeda, H


Instagram、ついに広告の本格運用を開始

各所で報じられているし、実際に目にした人もいるだろう。スポンサー写真ないしスポンサービデオの提供を開始する旨のアナウンスから一週間、Instagramがいよいよ広告の本格運用を開始したようだ。

最初の広告はマイケル・コース(Michael Kors)のもので、アナウンスされていたように通常のInstagram写真によるものだ。但し、この写真はマイケル・コースをフォローしていない人にも表示される。もちろん写真には「Sponsored」(広告)との表記がついている。Instagramによれば、広告下に表示される3連のドットをクリックすることで非表示にしたり、フィードバックを送ることができる。

この広告がまさに最初のものであるのかどうかについて、Instagramにメールを送ってみた。まだ返事はないものの、確かにこの広告が一番初めのものであるらしい。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter、エクスペリエンス充実のために各種実験を継続中(MagicRecsにDMメニューを導入)

Twitterが自ら運営するレコメンドサービスの@magicrecsで、ちょっと面白い試みを実施中だ。レコメンド機能の設定のために、テキストベースのメニューシステムを導入しているのだ。メニューへのアクセスにはDMを使う。これによりプッシュ通知ないしDM経由で受け取るレコメンデーションについての調整を行う。

たとえば、@magicrecsアカウントに「hi」ないし「hello」とメッセージを送って、システムの内容を説明するDMを受け取ることができる。主な機能として用意されているコマンドは以下の通りだ。

  • tweets on/off
  • users on/off
  • help

コマンドをDM経由で送信することにより、MagicRecsからのツイートレコメンドを受け取るか受け取らないかを設定することができる。ちなみにツイートのレコメンド基準は、リツイート発生の頻度や、リツイートした人との関連性の強さなどにある。また、アカウントのレコメンドもオン/オフの設定をすることができる。こちらの方は、自分と既に繋がっている人たちがフォローするようになった利用者などをレコメンドしてくるものだ。

レコメンドについてのフィードバックも送信できる。

  • Provide feedback:
  • good
  • bad

Twitterのbotによると、フィードバックはMagicRecsの進化に役立つものであるそうだ。ちなみにMagicRecsの稼働が開始したのは今年の初めだ。個々の利用者が興味を持ちそうなアカウントやツイートのレコメンドをするためのサービスだ。MagicRecsの機能は現在クライアントプロダクトに組み込まれ(訳注:但し、少なくとも日本語のAndroid版には、まだ導入されていないようです)、オンオフ可能のプッシュ通知でレコメンドが送られるようになっている。

今回新たに導入されたDMメニューにより、レコメンド機能をある程度まで調整できるようになったわけだ。DMメニューが多く使われるようになれば、そのうちにDM経由で提供されているメニューがアプリケーションに導入されることになるかもしれない。

Twitterは、この@magicrecs系以外にも、パーソナライズしたニュース速報を通知するための@eventparrotの運用も行っている。MagicRecsは、アプリケーションに組み込まれたにも関わらず、さらに調整の方法を模索しているわけだ。これはすなわち、レコメンデーションなどを通じて、新たなバリューを提供していこうとするTwitterの試みが継続中であることを意味するわけだ。

Image Credit: John Greenaway/Flickr CC

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(翻訳:Maeda, H


果たして「ソーシャル・ネットワーク」が生まれたのはいつか? 2000年前だと主張する人もあり

ソーシャルメディアはいつからあるのだろうか。2004年2月、すなわちFacebookの誕生を歴史の始まりとするのが妥当だろうか。あるいは2002年のFriendster設立まで遡って考えるべきだろうか。あるいは、デジタル世界では創世記なみの昔になるのかもしれないが、1997年にまで時計の針を戻すのが適切だと考える人もいるかもしれない。すなわちReid HoffmanがSocialNetというサイトを開設した年だ。

しかし、こうした意見と全く異なる見解をもつ人もいる。ソーシャルメディアはFacebookやFriendsterなどよりはるか昔から存在すると主張する。10年や20年前というレベルではなく、実は誕生してから2,000年にもなると主張している人物がいるのだ。その人とはEconomistの編集者であるTom Standageだ。新たにWriting In The Wall: Social Media – The First 2,000 Yearsを出版し、ソーシャルメディアというものは形こそ違えどもローマ時代からあったのだという説を展開している。この150年ほどは、メディアが産業資本によるトップダウン方式のものばかりの時代となってしまい、これこそが異常事態だったのだとStandageは述べる。ソーシャルメディアは「先史時代からずっと、自分にもっとも関係のあるニュース、あるいはオピニオンやゴシップなどを伝え続けてきたのです」とのことだ。そうした観点から、TwitterやFacebookなどが時間の無駄とか、単純な娯楽であるというわけがなく、当然に人類のために必要な存在であるのだと主張している。

Standageは人類の歴史を背景に、ソーシャルメディアは新しい存在ではないと主張している。もちろん、規模が世界全体に広がり、即時性を持ち、そして検索可能になっているという面に新しさがあることは認めている。しかしローマ時代のパピルスで広まった社会知や、あるいは手書きながら広く社会に流布した宗教改革パンフレットなどを考えると、ソーシャルメディアの考え方は1997年などよりも遥かに遡るものだとしている。Standageは皮肉を込めて「ソーシャルメディアを全く新しいものであると考える人がいることこそ驚きだ」と述べている。

Standage流のソーシャルネットワーク論に興味のある人は、ぜひWriting In The Wall: Social Media – The First 2,000 Yearsを手にとって見ると良いだろう。ソーシャルメディアの功罪などを言うには、こうした歴史的な視点も必須だとの論理を展開している。

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(翻訳:Maeda, H


ティーンの利用減をFacebook自身が初めて認める–モバイル時代にFBは重すぎる?

今Facebookは、Snapchatのような、ティーン向けのモバイル優先のソーシャルネットワークに脅威を感じているのかもしれない。今日の決算報告でCFOのDavid Ebersmanはこう言った: “昼間のユーザに減少が見られた。とくに低年齢のティーンに”。ただし彼はその前にこうも言った: “合衆国のティーン全体〔全年齢層, 昼夜〕では、Q2からQ3にかけてFacebookの利用は安定していた”。でも、Facebookがティーンを問題として報告したのは、これが初めてだ。

Facebookは、“合衆国のティーンのあいだにはほぼ完全に浸透している”と、おそろしいほどの自信を見せ、低年齢ティーンで落ち込んでいることを示すデータは、ほかにほとんどない、とも言っている。今回取り上げたデータについてEbersmanは、“有意性がまだ不確かである…が、今回これをみなさんと共有したのは、ティーンに関する質問がたくさん寄せられたからだ”、と言った。

低年齢層ティーンに関する今回の不吉な言及の前の前四半期には、Facebookはティーンにとって今でも十分に魅力がある、という声明があった。Mark Zuckerbergは7月に、“とりわけ重視したいユーザ層が、合衆国のティーンだ。ティーンのFacebook利用が減っているという推測や噂がたくさんあるが、われわれのデータによれば、それはない”、と言った。でも、ソーシャルの世界には今、急速な変動が起きつつある。

9月に行われたTechCrunch Disrupt San FranciscoのステージでSnapchatのCEO Evan Spiegelは、一日に3億5000万の”スナップ(snaps)” (写真やビデオ)が送られてくる、と言った。それは、Facebookに一日にアップロードされる写真の数と同じだ。もちろん、Snapchatでなく、FacebookがオーナーであるInstagramに移ったティーンもいるだろう。

それに、アナリストのBen Bajarinは独自の調査により、Facebookが合衆国などの主要国でティーンの利用を失いつつあることを、確認している。

Facebookがティーンに関するニュースを発表した途端、同社の株価は急降下した(下図)。東部標準時間5時20分といえば、Ebersmanがティーンの話をした時間だが、そこで株価は急落している。

これによって、東部標準時間4時に発表された強力な財務報告に伴って15%も上がった時間外取引の株価による、Facebookの評価額上昇額の、数十億ドルぶんが消えてしまった。Facebookの決算は予想を大きく上回り、売上は20億2000万ドル、EPSは25セント、広告収入の49%が今ではモバイルから、となっていたのだが。

ティーンに関するニュースは当然Facebookにとっては打撃だが、Snapchatにとっては追い風だ。噂によると同社は、30億から40億の評価額で約2億ドルのラウンドを検討していると言われる。Snapchatが今後、Facebookからティーンをどんどん奪っていけば、それも楽勝だろう。

子どもたちのFacebook利用が減ったのはなぜか?

前に“Kids Love Snapchat Because They See Facebook Like Adults See LinkedIn”(子どもたちはFacebookがLinkedInみたいだからSnapchatを愛する)という記事にも書いたが、Facebook上のコンテンツの永久性が、子どもたちが逃げる原因の一部になっているのかもしれない。彼らは、Facebookに投稿したものは何でも調べられる、と感じている。友だちとふざけるための、おばかな投稿をしたら、自分の将来の障害になる、と思ってしまう。また、ちょっと変わった意見を投稿したら、親や友だちを心配させ、将来の就職の邪魔になるかもしれない。

もう一つ、ティーンがFacebookを避ける理由は、たぶん、Facebookはモバイルアプリとしては大きすぎるからだ。News Feedもメッセージングも写真もイベントもグループもアプリも、何でもかんでもありすぎる。選択肢が多すぎるので、自分なりの使い方を見つけるのが難しい。そこへいくと、SnapchatやInstagramはシンプルで、やることが決まっている。

さらにFacebookは、一部のティーンにとって、“友だち”が常識と良識をわきまえた人でなかった場合に、トラブルの原因になる。各人が自己主張に真剣なあまり、コメントが過熱してお互いを傷つけあうこともある。Facebookはネット上のいじめ(cyber-bulling)を抑える努力の一環として、情報を提供したり、報告をしやすくしているが、それはソーシャルネットワークにはつきものの問題でもある。単純なメディア共有サイトやプライベートなメッセージングには、あまりない問題だ。

10歳近くになるソーシャルネットワークが、ティーンの感覚にとって古い、という問題もあるかもしれない。

今では、ティーンが世界の方向性を決めていく。Facebookが彼らから嫌われたら、その‘価値感’はやがて、年長の一般ユーザにも感染していく。大規模なFacebook離れは起きないにしても、その利用は減るだろう。

[画像クレジット: LaptopMag, FunnyOnlinePictures]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TC Tokyo早割チケットは本日18時終了……その前に(ほぼ)出揃った講演者をダイジェストでご紹介

きたる11月11日、12日に東京・渋谷で開催する1年に1度のスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2013」まであと10日余りと迫ってきたが、トークセッションが行われる2日目にご登場いただくスピーカー陣が(ほぼ)出揃ったので、改めてダイジェストでご紹介したい。そして、早割チケット(通常1万5000円が1万円)の販売が本日10月31日18時に終了するので、購入を迷っている方はぜひともご検討いただければと思う(タイムテーブルはこちらから)。

TechCrunch Tokyo 2013のチケット購入はこちらから→

ウェアラブルの中心で、未来を叫ぶ

Telepathy創業者の井口尊仁氏とFirsthand Capital Management最高投資責任者のKevin Landis氏

さて、2日目のオープニングセッションを飾るのは、「Google Glass対抗」としても注目を集めるメガネ型ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発するベンチャー、Telepathy創業者の井口尊仁氏と、同社に投資したFirsthand Capital Managementの最高投資責任者であるKevin Landis氏だ。ここではシリコンバレーを拠点に活動する両者にウェアラブルデバイスが実現しうる未来について語っていただく。

Telepathyの井口尊仁CEOが語るウェアラブル革命、TechCrunch Tokyoで登壇へ

ソーシャル貸部屋サービス「Airbnb」に学ぶ国境の超え方

Airbnb

午前の部ではさらに、容量無制限をうたうクラウドストレージを手がけるBitcasaのCEOであるBrian Tapitch氏、世界で1500万サイトが利用するウェブサイト構築サービスを提供するWeebly共同創業者兼のDavid Rusenko氏、家の空き部屋を提供する人と、宿泊場所を探す人をマッチングするサービス「Airbnb」をアジア太平洋地域で展開しているOle Ruch氏など、米国発の注目スタートアップが続々と登壇してくれる。

容量無制限のクラウドストレージ、BitcasaのCEOがTechCrunch Tokyo 2013に登壇決定!
Weebly創業者のCEOがTechCrunch Tokyoに登壇! 1500万サイトが利用するYCの優等生
TechCrunch Tokyo 2013にAirbnb、Tinderから海外スピーカー来日が決定!

楽天はなぜ「Viki」を買収したのか? 米TechCrunch共同編集長が公開取材

Viki

ランチを挟んでからは、世界各地のユーザーが字幕を付けた動画コンテンツを配信する“映像版Wiki”的なサービスを運営するVikiでCEOを務めるRazmig Hovaghimian氏と、GoogleやYahoo!を押しのけて2億ドルでVikiを買収した楽天から、取締役常務執行役員の百野研太郎氏にご登壇いただく。このセッションでは米国TechCrunch共同編集長のAlexia Tsotsisが、両者に公開インタビューを行う予定だ。

楽天は何故Vikiを買収した? 米TechCrunch共同編集長がTechCrunch Tokyoで両社にインタビュー

中毒者続出、全ユーザーの半数以上が毎日起動するLA発のデートアプリとは

Tinder

午後の部では、学生間で爆発的な人気を誇り、ユーザーの半数以上が1日に1度以上は起動するロサンゼルス発のモバイルデートアプリ「Tinder」、CNNやBloomberg、そして実はTechCrunch Japanも導入している外部コメントシステム「Disqus」、ウェブサイト作成サービスを手がけ、Dropboxを輩出したことでも知られるシードアクセラレーター「Y Combinator」に中国人として初めて採用された「Strikingly」といったプロダクトを手がけるスタートアップの創業者が続々と登壇してくれる。

TechCrunch Tokyo 2013にAirbnb、Tinderから海外スピーカー来日が決定!
CNNやBloombergも採用するコメントサービス「Disqus」の創業者がTechCrunch Tokyoで講演!
Y Combinator初の中国人卒業生、Strikingly創業者も来日講演!

1日目は現役CEOが集う「CTO Night」やハッカソンも

内容が目白押しの2日目だが、初日となる11月11日には、約100社の中から選ばれたスタートアップ25社がステージ上でプロダクトを競い合うスタートアップバトルの予選(決勝は2日目)、最優秀プロダクトの開発者に賞金30万円が贈呈されるハッカソン、現役のCEOを対象にしたイベント「CTO Night」もあるので、スタートアップ関係者やエンジニア、CTOの方々との人脈を広げるチャンスにしてほしい。

ハッカソン参加のお申し込み(無料)はこちらから→

CTO Nightのお申し込み(無料)はこちらから→

大事なことなので2度言います

通常1万5000円のチケットを1万円で販売する早割キャンペーンは本日、10月31日18時まで。大事なことなので2度言ったけど、迷っている方はぜひ購入していただければと思う。

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他利用者の写真とランダムに組み合わせた「二重露出」写真を共有するDubble

写真共有サービス界に、さらに新しいプレイヤーが登場してきた。今回登場してきたサービスは、名前をDubbleという。iOS 7用のアプリケーションでイギリスのスタートアップが提供しているものだ。

撮った写真をランダムに別の人が撮ったものと組み合わせるという仕組みになっている。すなわち、異なる写真をオーバーレイ処理して1枚の写真にしてしまうのだ。仕上がりはフィルム写真で二重露光処理したような感じになる(一度撮影して、フィルムを撮影済みの場所に巻き戻し、そして再度撮影を行うような感じだ。二度目に撮影したシーンは、一度目に撮影したものの上に投影される)。

Dubbleの共同ファウンダー兼CEOであるAdam Scott(元Lomography UKのMDでもある)は、無料公開中のDubble(iOS版)を思いついた理由につき、以下のように述べている。

「これまでも、深く写真に関係する仕事をしてきました。個人的にはフィルム写真を扱うのが大好きです。まだまだデジタルにはないアナログの魅力というのがあると思うのです。たとえばフィルムが現像されるときのわくわく感というのは何物にも代えがたいものだと思います。あるいは時間的にはごくわずかながら、ポラロイドの画像が浮かび上がってくるのを待つのもどきどきして楽しいものです」。話はこんな具合に続いた。

「二重露出にも、そういった類のワクワク感があります。どのようなものが仕上がってくるのかはまるで予想もつかないのです。仕上がりはいつも驚きの対象となります。そういう楽しみがあるので、フィルムカメラに夢中な人は二重露出を試してみたくなるのです。たとえば35mmフィルムを全部撮影して、そして巻き戻します。それを誰か他の人に渡して、上から(二重露出で)撮影してもらうというやり方もあります。写真自体も楽しみですが、ペアを組む人ととのある種の「共同作業」も大いに楽しめます。写真を通じて生まれる、そうした「関係性」がとても好きなのです。Dubbleで目指したのも、そういう「関係性」をデジタルで再現しようということなのです」。

Dubbleを試してみたので、写真を載せておこう。

 

写真を登録して数秒経つと、他の写真とリミックスされて(Dubbleされて)表示された。

複数の写真を合成して提示するというのは、最近の新しい動向であると言えるかもしれない。Frontbackもフロントカメラに写る画像と、リアカメラに写る画像を合成して保存するものだ。「写真」のみを保存するのではなく、「コンテクスト」を保存しようとするものだと言っても良いかもしれない。

こうした「新しい写真共有」(photo-sharing+)の動きはRandoにも見られる。こちらはDubbleにも似て、共有の際に「ランダム」な要素を盛り込むものだ。撮影した写真を、ランダムに選ばれた相手と共有し、そしてまたランダムな相手から写真が送られてくるという仕組みになっている。

また、Seeneというものもある。今月初めにリリースされたもので2次元写真をコンピュータ処理によって3D化して表示するというものだ。

このように写真共有の世界では、他の写真と組み合わせてみせたり、あるいはこれまでにない加工処理を行って興味をひこうとするアプリケーションが登場してきている。Instagram風のフィルター処理から進化した「何か」を提供するのが、最近のアプリケーションの流行であるとも言えそうだ。

Dubbleは、あまりにも巨大な写真共有サービスであるInstagramと直接に競合するものではない。Scott曰く、DubbleはInstagram風の正当路線とは少々違う利用者層を狙っているものなのだ。2つの写真をランダムに組み合わせるというところからも、狙う利用者層や想定される利用シーンが異なることは明らかだろう。

双方のアプリケーションが提供するサービスは、確かに「写真共有」という一語に集約するものではある。しかしScott曰くInstagramはDubbleよりも「セルフィッシュ」なサービスであると述べている。すなわちInstagramは自らの写真に「いいね」してもらったり、コメントを投稿してもらうことが目的のものだ。一方でDubbleの方は自らの写真を完全に他者に提供して、他の人との共同作業で全く新しいものを生み出そうという試みを提供しているものなのだとのこと。

Dubbleの画面には、自分で撮ったオリジナルの写真と、リミックスされた写真の双方が表示される。すなわち、オリジナルの写真が失われてしまうわけではないのだ。また、自分の写真とリミックスされた写真のオーナーに関する情報も表示されるようになっている。

さらに生成されたDubble写真には、合成された2枚の写真双方の説明文が表示される。「写真をクリックすると、説明文についてもj『多重露出』されることになるわけです」とScottは説明している。「これもまた偶然の、ランダムな体験というわけです」。

Dubbleで合成された写真の数々については履歴も残るようになっている。すなわち過去において、いったい誰と合成されたのかという記録が残るわけだ。こうした履歴に基いて、将来的にはメッセージのやり取りを行う機能も加えたいのだそうだ。実現すれば、合成写真をともに生み出した人に、簡単にメッセージを送ることが出来るようになる。

確かに、写真共有アプリケーションというのはありふれたものだ。ただ、利用者が数多くの写真共有アプリケーションを目的に応じて使い分けているのも事実だ。Flickrをバックアップ用途に用い、Instagramを他の人とのコミュニケーション目的で使うという人は多い。すなわち、従来とは違う用途を提供すれば、まだまだ多くの人に使ってもらえる可能性はあるというわけだ。

「FlickrやInstagramなど、他の写真関連サービスと競合するという意識はないのです。それぞれの場所に登録している写真を利用して、新たなものを生み出すといった使い方をしてくれれば良いと考えているのです。Instagramの写真を取り込んで、Dubbleで使うといった使い方をして欲しいと考えているのです」と、Scottは言う。

「共存共栄の世界を作りたいというのが第一の望みです。利用者数などで競っていきたいとは考えていないのです。それぞれに、別々のタイプのコミュニティを構築していくことができると考えています」とのこと。

Dubbleは友人や家族からの資金にて運営している。運営にあてている資金は10万ポンドといったところだ。対応プラットフォームがiOS 7のみであるというのは、資金面から、いずれかのプラットフォームを優先せざるを得なかったためという意味もある。Android版は現在開発中なのだそうだ。

利用者グループの中で、二重露出写真を生成していくというサービスだが、果たしてどのようなビジネスモデルが考えられるだろうか。Scottによれば、将来的にどのような収益手段を求めていくべきなのか、まだ思いつかずにいるそうだ。取り敢えず現在のところは、利用者の人気を集める、創造的コミュニティの確立に注力していきたいのだとのこと。今後12ヵ月ないし18ヵ月間のロードマップは策定済みなのだそうだ。

まだ先のことなのだろうが、ある一定の機能に関してアプリケーション内販売を行うことも考えられるだろう。また、印刷プロダクトを製品化できるかどうかについても考えているところなのだそうだ。30cm x 30cm程度に出力して、自宅に飾ることのできるようなものを提供しても良いのではないかと考えている。あるいは写真関連アクセサリーを販売するショップを運営するというのも考えられるかもしれない。アフィリエイト展開などというのもあり得るかもしれませんと、Scottは述べていた。

「まずサービスをしっかり波に乗せることが目標です。潤沢というわけではありませんが、4月くらいまでの運営資金はあります。その中でしっかりと地歩を固めてから、収益面について考えて行きたいと思っています」とのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


ウェブとiOS、AndroidアプリのTwitterがストリーム内ビデオ再生、画像プレビューをサポート

今日(米国時間10/29)、TwitterはiOS、Android、ウェブの各アプリのアップデートを行い、ストリーム内でのビデオ再生と画像のプレビュー機能をサポートした。

従来は画像のリンクをタップしてTwiterかVineを呼び出す必要があった。今回、ストリーム内で直接表示されるようになった。記事末のアップデート参照

現時点でストリーム内プレビューが有効なのはTwitter自体にアップロードされた写真とVineのビデオだけだ。しかし将来は他のサイトのコンテンツにも拡大される可能性がある。誰もが歓迎する動きではないかもしれないが、私が昨年の記事で指摘したとおり、Twitterがしばらく前から向かっているのはこの方向だ。

今回のアップデートではこれ以外にも、お気に入り、リツイート、返信などをタイムライン中から直接実行できるようになった。もしすでにこれらが有効になっているなら、そのユーザーはTwitterからテストグループのメンバーとして選ばれている。Twtterは数週間前から限定公開でテストを行ってきた

タイムライン中にビデオと画像が表示され、見た目が派手になった一方で、タイムラインのテキストの情報密度が低下するという副作用をもたらしている。もっとも「百聞は一見にしかず」という点では必ずしも情報密度が減ったともいえないのだろうが。Twitterのユーザー数の増加ペースは鈍化傾向にある。株式上場を控えて自己の有用性を改めてアピールする必要に迫られているようだ。最近の@eventparrotという実験もその一環だろう。

今回のアップデートは噂されていたテレビ番組との連動などを含む大掛かりなものではなかった。なおインラインでのプレビュー機能は設定でオフにできる(ウェブ版ではオフにできない)。

なお各アプリは、AndroidアプリiOSアプリ、Twitter.comで入手できる。

アップデート: Twitterの広告主への影響について、Van Slembrouckは「Twitterは実質的にディスプレイ広告をスタートさせた」とツイートしている。

今回のストリーム内ビデオと画像のサポートについて読者の感想は?

Image Credit: Alexandre Dulaunoy/Flickr CC

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ダイレクトメッセージの将来は?! Twitter.comではDM用アイコンをトップバーに配置

どうやらTwitterは、最近になって「ダイレクトメッセージ」についていろいろと再考しているところであるようだ。きっかけはもちろんWatsApp、Line、Snapchatなどといったメッセージングアプリケーションが数多く登場してきていることにある。そうした流れの中、TwitterはTwitter.comのトップバーにDM用リンクの埋め込みを行った。ワンタッチでダイレクトメッセージの受信箱を見ることもできるようになったわけだ。

以前にも取り上げたが、All Things Dの記事によれば、Twitterは何かメッセージング系のアプリケーションを開発しているとの話だった。今回の変更を見ると、どうやら大掛かりな開発作業というのはメッセージング関連ではなく、主機能についてのものなのかもしれない。もちろん記事の通りに、単独のメッセージングアプリケーションが出てくる可能性もある。DMについて廃止の方向で検討されたこともあるようだが、どうやらその可能性はなくなったと見てよさそうだ。

TwitterのDMを使う人は、完全にプライベートな用途として利用しているケースがほとんどだろう。DMの仕組みを改変するとして、どのような方向性で行ってくるのかは非常に興味深いところだ。TechCrunchのライターであるJordan Crookはスタンドアロンのメッセージングアプリケーションなど作るべきではないとしている。確かにそうであるように思う。TwitterはDMではなく本体機能についてのリニューアルについて作業中なのではないかと思う。ただ、実際のところはまだどうなるのかわからない。

いずれにせよ、これまではTwitter.comでDMを使おうとすると、プロフィール画面に移ってから、ないしは設定アイコンをクリックしてから使うようになっていた。今回の変更により、手間は大いに減ったことになる。

これまで入ってきた情報によると、Twitterは次のバージョンに向けた作業をもう何ヶ月も行ってきているのだそうだ。方向性についての意見が一致せずに作業が遅れているのだそうだ。その主な内容がDM関連なのかどうかはわからないが、これまで放置してきていたDM関連機能を捨て去るつもりではなかったことだけはわかった。Twitterでスワイプインタフェースが実装されるのではないかという話もあるが、これもDM関連なのか、それとも全く違う部分での話なのかについては、まだわかっていない。

Image Credit: Christopher Schmidt/CC Flickr

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(翻訳:Maeda, H


なぜティーンはSnapchatを使うのか―短期消滅型メッセージ・サービスが必要とされる理由

「子どもたちはガラスの試験管の中に入れられているようなものだ。ソーシャルメディアへの投稿は親や教師、そして将来の就職先に細かく調べられる。そこで後に記録がのこならないSnapchatのようなメディアが重要になってきた」と出資者であるBenchmarkのBill Gurleyは説明する。

Gurleyはベルリンで開催中のTechCrunch Disrupt Europeに登壇、SnapchatについてTechCrunchファウンダーのMichaelArringtonと対話した。Gurleyによれば、Snapchatの取締役、Mitch Laskyの子どもは「Facebookは(ティーンエージャーにとって)大人のLinkedInみたいなものだ」と言ったという。

この点を理解できないために多くの大人たちがSnapchatエロ画像の交換のためのサービスだと軽視するという誤りをおかす。Snapchatは表示後10秒で消えるビデオや写真を友だちに送るサービスだ。そこで当然ながら馬鹿げたコンテンツも大量にやりとりされている。

「子どもたちはすぐに理解した」とファウンダーのEvan Spiegelは9月にサンフランシスコで開催されたDisruptで述べた。SpiegelによればSnapchatには毎日3億5000万のスナップ(写真とビデオ)が投稿されているという。それ自身で驚くべき数字だが、3億5000万というのはFacebookに毎日アップロードされる写真の数と同じだと知ればますます強い印象を受ける。

下にBenchmarkのチームがSnapchatについて語ったビデオをエンベッドした。

Gurleyはなぜ「短期消滅型」のメッセージ・サービスが急速に人気を得ているか詳しく論じた。

子どもたちにとって、インターネットは次第に居心地の悪い場所になっている。思ったように共有できない、面白くない、楽しくコミュニケーションできない場所になっているのだ。それがSnapchatに人気が出た本質的な理由だと思う。Snapchatは子どもたちが後の影響をあれこれ恐れずに楽しくコミュニケーションできる場所を提供している。昔のFacebookの写真のために就職の機会を逃した若者の話をよく聞く(のだからこれは理解できる心理だ)。

大人の場合、たとえば休暇で旅行に行ったときの写真をLinkedInに投稿すれば常識のないやつだと思われるだろう。子どもたちはFacebookについて同じように感じている。すぐに消えて、後からとやかく言われないような方法で写真を共有したいのだ。

短期消滅型メッセージ・サービスは定着した

ティーンエージャーの置かれている状況に対するこのような包括的な理解がなければ、Snapchatの重要性を見失う。だろう。またFacebookには簡単にSnapchatの真似ができない理由もここにある。本質的に短期消滅型であり、かつ独立したサービスであることが成功のために決定的に重要な要因なのだ。Snapchatに対するFacebookの買収提案をSpiegelが拒絶した理由はそこにあるのだという。

同時にこれは短期消滅型テクノロジーが一過性の流行ではない理由でもある。Facebookのような長期蓄積型のソーシャルネットワークのニーズはいつでもある。しかし短期消滅型のコミュニケーションの必要性は極めて大きい。

長期蓄積型も短期消滅型もともに大きな将来性をもったサービスだ。そのように考えれば、最近Snapchatが35億ドルの会社評価額で資金を調達した聞いても、受けるショックは減るのではないだろうか。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Tumblr、投稿数は650億超。大量コンテンツの管理も意図して検索機能を大幅パワーアップ

Tumblrが検索機能の大改革を行った。使いやすく、それでいてパワフルにもなったようだ。アップグレードの内容をまとめておくと、まず検索クエリ中で複数のタグを使えるようにした。そしてコンテンツフィルタリングのためのメニューが操作しやすくなり、またコンテンツのタイプによるフィルタリングもサポートされた。

今回のアップグレードを伝える記事の中で、Tumblrはサイトへの投稿数が650億件を超えたことをアナウンスしている。確かにそれだけのコンテンツがあれば、強力な検索機能が必要になるはずだ。これまで搭載されていた検索機能は、せいぜい間に合わせのものに過ぎない程度のものだったので、今回のアップグレードに喜ぶ人は多いはずだ。またGoogleでの検索オペレーターと同じものもいろいろと使えるようになっている。

検索クエリに複数のタグが利用できるようになったことで、本当に探したいものを見つけ出しやすくなったといえるだろう。単純には「#puppy」と「#gif」を指定すれば、簡単に子犬のGIF画像を見つけ出すことができる。尚、今回のアップグレードにより、ハッシュタグを付けない場合は、文中の単語およびハッシュタグの双方にヒットするようになった。

たとえば「ponies」を検索すると、説明文中に「ponies」という単語が登場する投稿も、また「#ponies」のタグが付けられた投稿もヒットすることになる。また、検索結果に関連しそうなブログも併せて表示されるようになっている。

尚、Tumblrのコンテンツフィルタリングについては、機能そのものが見つけにくい位置にあり、また不適切なフィルタリングを行っているという非難もあった。今回のリニューアルで検索結果ページのわかりやすい場所に表示され、すぐに操作できるようになった。また、これまでNSFWとして排除してきたものについても、当該タグ自体を完全に排除するべきなのかどうかについての見直しを行ったのだそうだ。

たとえば、今年に入ったばかりの頃、Tumblrで必ずしも性的なものを意味するのではない「gay」、「lesbian」ないし「bisexual」といった内容のタグを表示しないことについて議論があった。今回のリリースでは、セーフサーチオプションをオンにしていても、上記のタグ付きコンテンツを表示するように改めている。Tumblrによると、これまでにそうしたタグを表示から外していたのはアプリケーションストアなどでのポリシーもあったからだとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


LinkedInがニュースアグリゲーターのPulseのアプリ開発中―モバイル・コンテンツ配信機能の強化を図る

ビジネスパーソン向けのソーシャルネットワーク、LinkedInは今や世界で2億3800万のメンバーを有するまでになっている。

今日(米国時間)、LinkedInは最近買収したニュースアグリゲーターのPulseの新しいアプリを開発していることを明らかにした。Pulseの共同ファウンダー、Ankit Guptaは「このサービスはLinkedInの主力コンテンツ・サービスとなる」と語った。

LinkedInのアカウント情報を利用してログインしたPulseユーザーには、LinkedInの推薦する記事、トップ・エグゼクティブなどインターネットの有力なインフルエンサーのブログ記事などのコンテンツが配信されることになる。LinkedInはPulseを単なるニュースリーダーを超えて、ユーザーのプロフェッショナルな必要に応じてカスタマイズされたニュースアグリゲーターにすることを目指している。

PulseはFlipboardのライバルのニュースリーダーで、この4月、LinkedInに9000万ドル以上で買収された。現在Pulseは買収以前とほぼ同様のサービス提供しており、LinkedInはPulseを将来どのように利用するつもりか明らかにしていなかった。Pulseは若干のLinkedIn連携機能を除けば、事実上スタンドアローンのサービスとして運営されている。

LinkedInのアカウント情報を他のサービスでも利用するというのは興味ある拡張だ。同時にLinkedInはこれも近年買収したRapportiveにを利用したLinkedIn IntroアプリをiPhone向けに発表した。詳細はこちらを参照。

また新しいiPadアプリを発表し、モバイル・サービスにビデオや画像などビジュアルな要素をこれまで以上に供給すると同時に、今年始めにデスクトップ版に導入した拡張検索機能をアプリにも移植した。

LinkedInによればユニーク・アクセスの38%はモバイル・デバイスからだといい。CEO Jeff Weinerは「LinkedInは近くモバイル化の瞬間、つまりモバイルからのトラフィックがデスクトップを超える時を迎えるだろう」と予測している。

PulseをLinkedInのモバイル体験の柱の一つに加える目的はサービスのパーソナル化を深化させるためだ。今日、モバイル・デバイスほどユーザーの接触、利用時間の長いないチャンネルは他に存在しない。これまでにもLinkedInは、モバイル・アプリに検索、経歴のアップロード、求職への応募連絡相手の管理などの機能を次々に追加してきた。Pulseの新アプリの公開は来年になるもようだ。【後略】

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LinkedIn、メールの相手情報を表示するiPhoneアプリ、Introを発表―iPadアプリもアップデート

LinkedInのCEO、Jeff Weinerは「Linkedinのビジョンの実現を阻むハードルは規模だ」 という。規模の拡大を急ぐ努力の一環として、今日(米国時間10/23)、LinkedinはLinkedInとRapportiveの情報をさまざまなiOSメールアプリから利用できるIntroを発表した。同時にiPadアプリもアップデートされた。

IntroはGmail、Yahoo Mail、Aol Mail、iCloud、Google Appsの各iPhone版メールアプリをサポートする。Introはメールの受信者欄に送信者のプロフィール写真、肩書などを自動的に挿入する。

今日、LinkedInはモバイルにサービスの重点を移す戦略と新しい統計も発表している。LinkedInのユニーク訪問数の38%はモバイル・デバイスからのものだという(2011年の第1四半期にはモバイル・アクセスはわずか8%だった)。LinkedInはまた4月に買収したニュースリーダーアプリのPulseもアップデートした

Introでメールがスマートに

Introはこちらで登録するだけで今日から誰でも利用できる。このアプリは基本的に2012年2月に買収したRapportiveの機能を利用している。Rapportiveは受信したメールの送信元情報をGmailの右サイドバーに表示するデスクトップアプリだ。Introはこの機能をiOSの各メール・アプリで実現する。

Introを利用すると、ユーザーがメールを書く際に送信者名を入力すると即座にその相手の写真、肩書、会社情報などのミニ・バイオのパネルが現れる。クリックすると、相手がLinkedInに登録している場合、経歴、学歴、居住地、ブログなどの関連リンク等すべての公開情報と共通の友人が表示される。またLinkedInで友だちになること求めるボタンも用意されている。下のスクリーンショットはIntroを利用していない場合(左)と利用している場合(右)のメールの比較だ。Introを利用している場合、受信したメールの送信者のIntro情報が件名と日付の下に表示される。

LinkedInでは、メールのユーザーがこの機能を使って相手について詳しい情報を知り、効果的にメールを利用できるようになることを期待している。たとえば売り込み先のクライアントがミシガン大学の出身者であるとわかればミシガン大学の話題を出して親しみを増すことができる。初めての相手とメールをやりとりする場合、いちいちGoogle検索をかけなくともメールアプリ内から詳しい人物情報を得ることができる。

Introの動作メカニズムは巧妙だ。IntroはAppleと提携しているわけではなく、一般公開されているプロフィール設定APIを利用している。Introに各メールアドレスとそのパスワードを入力すると、カスタマイズされたプロフィールが設定され、その内容がiOSのメールアプリ内に表示される仕組みだ。スマートフォンの設定メニューあるいはIntroアプリからIntroとの連携を随時停止することができる。

しかしいったん使い始めれば連携を停止する気にはまずならないだろう。使ってみて私は非常に優れたアプリだと感じた。役に立つ情報をきわめて小さなスペースに圧縮して表示し、ワンタップでさらに詳しい情報を大量に引き出せる。Introをインストールすると、LinkedInサイトを全く訪問しなくても、毎日LinkedInを利用しているユーザーになるというのはLinkedInとして巧みな戦略だ。

iPadアプリのアップデート

新しいLinkedIn for iPadアプリも今日公開された。このアプリはウェブ版を機械的に中程度のサイズのスクリーンに押し込めたというわけではなく、タブレット専用のデザインが採用されている。ナビゲーションは個人別に最適化されたカルーセル式の横スワイプだ。ユーザーは人物だけでなく、会社や職でも検索が可能だ。

LinkedIn for iPadにはLinkedIn Influencerのコンテンツが読みやすく表示される。Influencerは400人のトップ・ビジネス・エグゼクティブからの有益なブログ記事をストリームする。新しいアプリでは専用ページが設けられて可読性が大きく高まった。LinkedInはさまざまな方法で収益を上げているので、他のウェブサービスのようにすべてのページにできるかぎり大量の広告を表示する必要がない。これはiPadで長文を読む際のユーザー体験には大きなメリットだ。写真はフルスクリーンに拡大できるし、ビデオは記事中のその場で再生可能だ。

これらの改良でLinkedInはモバイルの狭い画面にも大きく進出できそうだ。この戦略が成功すればLinkedInは「必要があったときにたまに使う」ユーティリティーから日々欠かせないサービスへと飛躍できる。LinkedInはビジネスモデルを人材リクルート業から次第に広告に移しつつあるので、ページビューを増やすことはビジネス上重要な目標となる。

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「今夜の予定」計画を手伝ってくれるYPlanに、Android版アプリケーションが登場

YPlanは登場からまだ1年にも満たないサービスだが、活躍の場を広げつつあるようだ。

本サービスが登場したのはイギリスでのことだった。それが先月にはニューヨークデビューを果たし、さらにはAndroid版もリリースすることとなった。

ご存じない方に説明しておくと、YPlanというのは24時間位内に行われるクールなイベント、パーティー、コンサートなどの情報を集めておいて、「今夜の予定」に悩む利用者に情報を提供するサービスだ。

サービスを使うと支払いもアプリケーションから行え、またチケットの印刷も必要ない。イベント会場の入り口であたふたとする必要もなく、利用者からは「ナイトライフ用のUberのような存在」との評価も受けている。

YPlanによると、この10ヵ月の間に30万件のダウンロードがあったのだとのこと。今回のAndroid版のリリースにより、さらに利用者数を増やしたい考えだ。ちなみにYPlanはシリーズAにてGeneral Catalystより1200万ドルを調達している。

ところで、Android版のリリースに時間がかかったようだが、理由はあるのだろうか。

YPlanによると、求める技術者のレベルをかなりの高レベルにおいていたこともあって、開発者を見つけるのに時間がかかったのだそうだ。「品質の高いAndroidアプリケーションを開発するには、それなりの時間もかかります。今年の夏は、Android版の開発とニューヨーク展開にかかりっきりでした」と、共同ファウンダー兼CTOのViktoras Jucikasは言っている。

YPlanにとって、Android版の展開は今後のサービス成長にとってとても重要なことだ。将来的にはソーシャルネットワークとの連携を深め、友達同士でナイトライフを愉しむための情報を広く提供していきたい考えだ。

取り敢えず今のところは、Android版のリリースも行ったことで、アプリケーション利用者に対する提供情報の質や量を高めていくことを目指している。

現在のサービス提供地域はニューヨークとロンドンに限定されている。双方の地域の居住者はYPlanのサイトiOSiOSアプリケーション、ないしAndroidアプリケーションでYPlanを試してみることができる。

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(翻訳:Maeda, H


iTunesもGoogle Playもかったるい, 「自分の」アプリストアを開きたいならAppGalleriesを利用しよう

InMobiがMMTG Labsを買収してから1年あまりとなる今日(米国時間10/22)、このモバイル広告企業は買収の成果となる初めての大型製品をお披露目した。それはAppGalleriesの新バージョンで、パブリッシャーが自分のアプリストアを作って開店でき、そこに広告も入るというものだ。新バージョンではUIが一新され、パブリッシャーがアプリを選択~校閲する自由度が大きくなった。また、巧妙なアルゴリズムにより、ストアの自動的な在庫充実が可能になった。

これはInMobiのより広範な刷新の一環で、ほかにも、テンプレートを使ったカスタムな広告フォーマットにより、ゲーム、天気予報アプリ、ユーティリティなど各種のアプリの広告を作れるようになり、広告上のクリックを前よりも増やせることが期待できる。

MMTGの協同ファウンダRyan MerketがInMobiのプロダクト担当ディレクターになり、彼によると、ホワイトレーベルのアプリストアをパブリッシャーに提供できるのは良い方向性だ、と言う。それはこれまでAppStoresと呼ばれていたサービスで、そのドメインを今ではInMobiが保有し、AppGalleriesへリダイレクトされる。自分に合ったアプリを見つけるのは難しいから、消費者はどうしても、これまで自分が良いと思ったアプリやブランドの関連製品を一望したいと思う。そういう一望の場所を作れるのが、AppGalleriesの便利なところだ。ただしこれまでMMTGには、強力な収益化モデルがなかった。

“自力でスクラッチ〔ゼロから〕で広告ネットワークを作るのはたいへんだから、買収される道を選んだ。うちのビジョンはVCたちになかなか理解してもらえないだろう、とも思った”、とMerketは語る。“InMobiには、そのビジョンを実現するだけの技術力がある”。

InMobiは、今では独立系広告ネットワークの大手だ。このネットワークのユーザ総数は6億9100万に達する。これは、Merketによると、Facebookに次いで二位である。JumptapとMillennial Mediaを合わせたよりも大きい。InMobiのネットワーク上には30000あまりのアプリとサイトがあり、InMobiが扱う広告はモバイルインターネットの全ユーザの60%、全世界のスマートフォンユーザの40%に達していることになる。InMobiのモバイル広告からダウンロードされたアプリは、5000万ダウンロードに達する。

AppGalleriesをパブリッシャーは無料で利用できるが、そこには自分が選んだアプリだけを‘陳列’できる。またその個人化されたアプリストアの在庫は、InMobiが選んだアプリでやユーザ自身のサイトからのセレクションで自動充填されることもある。Merketの説明によると、たとえばあるブログ記事にあるアプリのリビューが載っていたら、そのブログでリビューされているすべてのアプリをAppGalleriesのストアに集めることもできる。Javaで書かれたアルゴリズムが、そういう自動充填処理を行う。その処理には期間や次元を設定できるので、たとえば本誌TechCrunchがAppGalleriesによるアプリストアを持ったら、“これまでの10分以内に公開されたすべての記事中で言及されているアプリを集める”、といった処理も可能だ。しかもInMobiは記事中のリンクを書き換えて、そのパブリッシャーのAppGalleriesストアへ行くようにもできる。もはや、iTunesやGoogle Playへは行かないのだ!

また、そういうアプリのリンクを有料広告に変えられれば、広告収入が得られる。パブリッシャーが自分の広告を売ってもよいし、InMobiのネットワークからの広告を使ってもよい。ただし最小限一つの、InMobi広告がストアのリスト上に”sponsored”のタグ付きでなければならない。それが、AppGalleriesの利用条件だ。InMobiによると、初期のAppGalleriesのテスト結果では、最大でアプリのダウンロード数が600%も増加し、eCPMも、モバイル広告の平均が1~3ドルのところ、最大で12ドルに達した。

アプリインストール広告はFacebookなどでも成功しているから、そのコンセプトを完全なアプリストアへと拡張し、そこに、そういう広告と選ばれたアプリのリストを混ぜ込むことは、理にかなっている。だからInMobiとしてはAppGalleriesをあらゆるパブリッシャーに、アプリストアの自己店として利用してもらいたい。それはHTML5で書かれているので、モバイルのWebサイトでも、あるいはiOSやAndroidのネイティブOS内でも使える(Windows Phoneなどそのほかのプラットホームについては不明)。そしてそれらは、Webサイト上の広告やスタンドアロンのアプリ、あるいはパブリッシャーのアプリそのもののリンクからでもアクセスできる。

MerketによるとInMobiは今、AppGalleriesの展開をFacebookなど大手ソーシャルネットワークのプラットホーム上でも行いたい、と考えている。まだ具体的には決まっていないが、たしかにFacebookやTwitterやLinkedInなどがAppGalleriesを実装したらおもしろいことになるだろう。今はどこでも、今後の成長源としてモバイルを意識しているから、今後の課題は短時間で飽きられがちなプラットホームにどうやってユーザのエンゲージメントをつなぎとめるか、になってくる。Facebookなど大手SNSにおいても、ユーザの滞留時間の増と、それに伴う広告の効果の増大が、今および今後の重要な関心になるはずだ。AppGalleriesは、上手に作り込めば、まさにその関心に応えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アクティブユーザー拡大のためにいろいろと考えているらしいTwitterに伝えたいこと

地球上で最もパワフルなソーシャルネットワークでありながら、Twitterは完璧とはほど遠い状態だ。登録利用者10億人のうち、4分の1しかアクティブに利用していないのだ。日々、利用してもらうための何かが足りないのだ。さて、その足りないものとは何だろう。

AllThingsDによると、TwitterはLine、KakaoTalk、あるいはSnapchatなどを意識してメッセージアプリケーションの提供を行おうとしているのだそうだ。また、MessageMeの社員とミーティングを行ったという話もある。タッグを組むつもりなのか、あるいは買収(aqui-hire)を視野に入れているのか、細かい話はまだ何もわからない。

実際にこのような動きがあるのかどうかわからないのだが、果たしてTwitterにとって、メッセージングサービスへの参入が、今まさに望まれていることなのだろうか。

答えは「否」であると思う。

ほとんどの人は、身内の連絡用やダイレクトメッセージ送信のためにTwitterを使っているわけではない。誰のスマートフォンを覗いてみても、メッセージングアプリケーションは何本も入っているのが普通だ。そんな状況の中、TwitterのDMを使うのは、Twitter上の連絡先しか知らないからという理由がほとんどを占めるだろう。

TwitterのDMがあまり使われない理由は、単純に「便利ではない」からだろう。しかも、Twitterサービスの開始以来ずっと、Twitter社のDM機能に対する扱いも冷たいものだった。バグらしき問題が生じることもあったり(最近もURLを含んだメッセージが送れないという状況が発生している)、そもそもサイトでは裏メニューのような扱いになっていたりもする。DMを送るにはいくつもクリックしなければならないのだ。

ただ、TwitterはDM関連での機能変更を行っていたりもする。多くの人が話題にしたように、フォローしていない相手からのDMも受け取れるようになったの(標準状態ではこの設定はオフとなっていて、設定のチェックボックスにチェックすることでオンになる)。これは、これまでDMというものを完全にプライベートな世界でのものであるとしていたTwitterの立場を変更するものであるのかもしれない。

しかし、Twitter上のDM機能がさらに充実してきたとしても、通常のテキストメッセージ、Snapchat、Viber、あるいはMessageMeを使わずにTwitterを使おうという動機づけになるのだろうか。数多く存在する他のメッセージングツールから、Twitterに乗り換えるメリットは、何かあるのだろうか。

Twitterとしてみれば、メッセージングアプリケーションの世界に「標準サービス」が存在しない(少なくともアメリカでは)ところにチャンスを見出したい考えなのだろう。だがそもそもTwitterはメッセージングのジャンルを目指したのではなかったはずだ。メッセージングサービスは、Twitterの得意分野というわけでもない。将来的にも、Twitterの利用者が「メッセージング」を目的にTwitterを使うようにはならないと考えるのが普通だろう。

まあ昔話をするのであれば、Dorseyは、Twitterを仲間内での連絡手段として開発したようだ(「食事にする?」といった具合)。しかし、その意図とは異なる方向に進化することとなった。確かに当初は、お互いによく知る人と連絡をメッセージをやり取りする仕組みとして生まれたのかもしれない。そこだけをみれば、確かにTwitterはメッセージングのようなものだった。しかし進化の方向は大いに変化することとなった。

Twitterは成長するにしたがって、身の回りで起こっていることを、広い世界と共有するためのツールとなった。たとえば同じテレビ番組を観ている人たちがTwitterを経由して繋がるようになった。また同じ店にいる人や、同じ困難、あるいは幸運にであった人が、Twitterで情報を分け合うようになった。Twitterは、世界中の人を「リアルタイム」で繋ぐツールになっているのだ。人々の話の流れを楽しみ、そしてその気になれば参加することもできる。Twitterにセレブが参加するようになったことも、現在のこの状況を作り上げる一助となっている。これは「プライベート」な「当事者間」の世界とは対極をなすものだ(Anthony Weinerは個人的なことを大っぴらに扱っていて両者の区別はないのかもしれない)。

安定した数のアクティブユーザーを獲得(そして保持)したいのであれば、強みを活かして、弱い部分から手を引くということが大切なはずだ。現在のTwitterにとって、メッセージング関連サービスが提供サービスの強みであるということはないはずだ。SnapchatやMessageMeの後を追うことは、すなわちTwitterの魅力を薄めてしまうことにもなりかねないように思う。

利用者がいったい何を気に入っているのかを十分に考えるべきだと思うのだ。

たとえばTwitterの魅力のひとつとして、「フォロー」という概念がある。「相互」の関係でない「フォロー」という一方通行の関係性をソーシャルネットワークに持ち込んだのはTwitterが最初だった。この「フォロー」構造のおかげで、現実世界での関係に関わらず、ネットワーク上でいろいろな人と繋がることができるようになったのだ。

また、突然にセレブになるという可能性があるのもTwitterの特徴だ。上の階に住むおかしな隣人のことをツイートしていた人物は本を出すことになった。また、BuzzFeedのライターはFoxに職を得た

Instagramなど、そのほか数多くのソーシャルネットワークも、Twitterの仕組みを踏襲している。すなわち、友人同士で繋がるためのツールという位置づけから、自分の話を世の中に流すためのチャネルとして機能しているのだ。

フォロワーを増やしたいと、つい考えさせられてしまうのも、広い意味ではTwitterの魅力のひとつと言えるのかもしれない。もっと多くの人にフォローして欲しいと考えて、アクティブユーザーがさらにアクティブになるというようなことがあるからだ。

さらに重視すべきなのは、Twitterが「リアルタイムの会話」に力を入れたサービスである点だ。デジタルツールの中でも、これほどまでに「リアルタイム」を強調するツールは他に見当たらない。多くの人が、Twitterで一番面白かった思い出はと言われれば、他の人と「時間を共有した」瞬間のことを思い出すのではないだろうか。

スーパーボウルで停電になってしまっても、Twitterでは多くの人が共有するその事件を活用することができた。あるいは時間つぶしのドラマを最終回まで見て後悔しても、Twitterで仲間が大勢いることを知り安心することができる。

こうしたTwitterのリアルタイム性というのは、サービス全体の本質ともいえるところだ。シリアスなシリア問題から、暇つぶし的なドラマの最終回に盛り上がるといったところまでをカバーする。さらに、そこに参加して楽しむということもできれば、あるいはただ盛り上がりを眺めて楽しむという両方のスタイルが用意されているのだ。

Twitterの魅力というのはこうしたところにあるのだと思う。メッセージングというのは、そうしたTwitterの本質と離れたところにあるように思うのだ。メッセージングというのは、確かに「ソーシャル」なものではあるが、しかしあくまでも「部分的」なものに過ぎない。そうした「部分」に乗り出すのがうまくいかないのはTwitter CameraやTwitter #music(Twitter社の代表的失敗事例)でわかっていることだと思うのだ。Twitterがなすべきことは、Twitterが提供するソーシャルネットワークの「総合的」な楽しみ方を、新規利用者に対してもわかりやすく、快適に提供することであるはずだ。

もちろんTwitterがそこに気づいていないわけでもない。少しずつ努力は続けているようだ。たとえばTwitter上で交わされる会話のやり取りはスレッドにまとめられ、青線を使って時系列で見ることができるようにしたりなど、便利になる機能を追加しようとしている。会話の中に入っている人をフォローしていないと見え方が異なったり、また、ちょっと古い発言にひとことだけの返信をしたりする人がいた場合など、これまでは会話の流れが全く見えなくなってしまっていた。会話表示の改善というのは、そうした混乱をなくすためになされているものだ。

ただ、Twitterの「強み」は、実のところそのまま「弱み」にもなり得るところが難しい。先ほどあげた「フォロー」という仕組みをみてみよう。フォロワーを増やしたいという気持ちがTwitterを活性化させることがあることは先に書いた。但し、フォローする側に立ってみると、また違う側面が見えてくる。多くの場合、Twitterに参加するといろいろな人をフォローしてみるものだろう。しかしそうこうするうちに、面白そうな人、出版社、興味のある企業など多くをフォローし過ぎて、膨大な量のフィードを消化しきれなくなってしまう。

もちろん、こうした事情があれば外部サービスなどを使ってうまく対処するというのがクラウド時代の対処法だろう。ただ、Twitterでは外部アプリケーションとの連携ということを徐々に制限していたりもする。Twitterではすべてのツイートをそのまま利用者に向けて流し続けることを旨としている。すなわち利用者本人にコントロール権が存在することを意味するのだが、しかし逆に言えば、何か問題を感じたとしてもすべて自力で解決しなければならないといことになっている。

この状況を少し「改善」することでTwitterがずいぶんと使いやすくなると考えている人も多いはずだ。本当に気になるツイートのみをフィルタリングする機能などは、欲しいと考えている人も多いのではなかろうか。

そんなこんなと皆がいろいろと意見を言い始めた昨今、AllThingsDにもあるように、Twitterは7年前のサービス開始から数えて3番目となる大幅なアップグレードを準備中なのだとのこと。シンプルさを意識しつつ、テレビ番組との連携を深め、新たに参加してきた人が簡単に面白そうな話題を見つけられるようにするのだとのこと。また、写真やビデオなどのメディア系も充実する方向らしい。Twitterは、誕生のとき以来、テキストによる表現に重きをおいてきた。また、写真も扱っていこうという方向を強め始めたところで、InstagramがTwitter上に写真を表示しなくなるという「事件」も起きてしまった。そうした事象を乗り越えて、マルチメディア化を進めていくことは、新しい利用者にとっても使いやすく、そしてわかりやすい情報を提供していくことに繋がるだろう。

ちなみに、Twitterが現在のDM機能に改良を加えるというのであれば、それはそれで悪くない話なのかもしれない。DMの機能はそれなりに使い道があるものだ。但し、それを新規利用者獲得のための武器だなどと考えれば、それは思い違いになると思うのだ。また、スタンドアロンのメッセージングアプリケーションを開発するというのは、既存利用者に対するメリットは少なく、単にTwitterというサービスを見えにくくするだけの役にしか立たないのではなかろうか。Twitterの本来的目的のために使える技術者を、他の用途に回してしまうことにも繋がってしまうと思う。

いろいろと書いてきたが、Twitterが何らかの動きを見せるまではすべて憶測の話に過ぎない。しかしどうか妙な改装プランに邁進するようなことはやめて欲しいのだ。記事が「TL;DR」(Too long, didn’t read)と言われそうな記事だが、Twitterに話を聞いてもらうためなら、少しずつDMで送ってもいいと思っている。。

[Image: Flickr/Steve Snodgrass]

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(翻訳:Maeda, H


いつでも「ネイティブ」に質問ができる、ソーシャル翻訳サービスのLinqapp

語学学習のサポートをしようとするスタートアップは多い。旅行や学校の授業などにも役立つ。ただ、そこまで体系だったものでなくとも、ちょっとしたことについてネイティブの意見を聞きたいと思うことがある。

たとえば映画を見るための行列に並んでいるときだ。ふと「くもりときどきミートボール」を中国語でなんというのだろうかと気になって仕方なくなることがある。そんなときに便利なのが「ソーシャル翻訳」アプリケーションのLinqappだ。開発者曰く「人力Google翻訳」とでも言うべきものだとのことだ。

Linqappには、テキスト、写真、録音した音声などを使って質問を登録することができる。すると、ターゲットとして指定した言語をネイティブとして使う人にプッシュ通知が送られるようになっている。ポイントシステムを採用しており、そのためもあって迅速かつ正確な回答が寄せられることとなる。

メジャーな言語についていえば、Linqappは非常に効果的に機能しているようだ。現在のところ登録者が多いのは英語、中国語、スペイン語、そして日本語をネイティブに使う利用者たちだ。実験してみようと「stevia」を中国語でなんと言うのだろうかと質問を投げてみたが、4分もしないうちに植物および甘味料の双方について漢字を教えてもらうことができた。さらに中国語での発音までも、音声録音で教えてもらうことができた。

このLionkappは現在のところAndroid版のみが提供されている。iOS版も近々登場する予定になっているようだ(iOSファーストでリリースする開発者が多いが、LinqAppではAndroidの利用者の多さに着目したわけだ)。リリースされたのは2週間前だが、既に1万人が登録している。

開発者のSebastian AngとDavid Vegaのことを最初に知ったのは、彼らが台湾を走り回っていたときのことだ。彼らは中国語を勉強しているときに、Linqappのアイデアを思い付いたのだそうだ。台北で暮らし始めたときにはほとんど言葉がわからず、数多くの問題に遭遇したそうだ。しかしそのような問題に遭遇する中で、どんなアプリケーションも、あるいはウェブサイトも、自分たちを救ってくれるサービスを提供していないことに気づいたのだ。たとえば手書きのフードメニューなどを読み込むことのできるOCRはほとんどない。また、複雑怪奇な公共交通手段地図なども、言葉がわからないとほとんどお手上げになってしまうのだ。

「(現在の)コンピューター翻訳には出来ないことが多くあります」とAngは述べる。「台北のバス運行時刻表などを理解できる外国人など存在しないはずです。Google翻訳にも限界があることを知る好例になります。しかし、台北言語のネイティブがひとりいればすぐに解決する問題でもあるわけです。運行表の写真を撮って、そして自分の行きたい場所などを示せばすぐに的確なバスを教えてもらえるはずです。

Angは、やはりソーシャル翻訳プラットフォームを展開するVerbalize Itを一番のライバルとして見ているのだとのこと。しかしLinqappは無料であり(Verbalizeの方はパーソナル版の価格が5ドル99セントよりとなっている)、ソーシャルディスカバリーのためのプラットフォームとしても機能する点で差別化をはかろうとしている。世界中の言葉で、いろいろな事物についての質問を交換する場を作ることで、DuolingoWaygoなどのメジャー言語学習アプリケーションでは為しえないサービスを提供しようとしているわけだ。

例えば最近、中国語を母国語とする人に「QQとはなんですか」という質問があった。これはTencentの提供しているメッセンジャーソフトの場合もあるし、また「歯ごたえがある」(chewy)という言葉のスラング表現でもある。あるいは映画の「マチェーテ・キルズ」は中国語で何というのかという質問もあった。こうしたことについては、中国語を学習したからといって、なかなか答えられるようにはならないものだ。

マネタイズについて、まずはポイントを販売することで行っていこうという考えだ。将来的にはより広範な翻訳サービスプラットフォームとして機能させたいのだとのこと。つまり現在Linqappに寄せられている質問よりは少々複雑ながら、しかし翻訳エージェントなどに依頼するほどではないもの(簡単な操作説明書等)の翻訳を依頼することなどもできるようにしたいのだそうだ。

Linqappを利用するには、アカウントを作成してログインするか、あるいはFacebookアカウントを利用してもログインすることができる。ログインすると、ネイティブ言語を指定して、他に使える言語や、質問する対象となる言語などを登録する。テキストでの質問を投稿するのは全くの無料で行うことができる。但し、写真や録音音声を使って質問するにはLinqappの「ポイント」が必要となる(登録時に無料でいくらかのポイントがもらえる。そして他の人の質問に回答することでもポイントを増やすことができる)。質問を投稿すると、ネイティブな人々に対してプッシュ通知が送られる。その際、15分間に設定されたタイマーも動きだし、タイマーが切れる前に回答すると、ポイントが与えられる仕組みとなっている。寄せられた回答の中で、もっとも役立ったものはどれなのかを選び、そして何ポイントを付与するかも決めることになる。

尚、プロフィール欄や、他の利用者に対するコンタクト機能なども提供されている(質問や回答のやりとりから、台北在住でアメリカのカルトフィルムや「ブレイキング・バッド」シリーズが好きな人との出会いを期待するという使い方もある)。Ang曰く、Linqappのコミュニティ機能は、他のクラウドソーシング型言語関連サービスと競っていく上での優位点になりえると考えているのだそうだ。

「質問を投稿するたびに、これまでは全く繋がっていなかった人と繋がる可能性も出てくるわけです。これはまた、これまでのソーシャルネットワークとは違った結びつきを提供することができるようになるのではないかと考えています。繋がる可能性すらほとんど皆無だったところに、国境を越えた助け合いに基づく関係性を生じさせることができるのです」。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、投稿後の記事編集機能をiOS版に導入―ウェブ、Android版に追いつく

Facebookはモバイル優先に体質を改めようと努力中だ。しかし新機能の多くは依然としてまずデスクトップ版に最初に導入される。その方がテストがしやすいからだ。

今日(米国時間10/17)、投稿後に記事やコメントを編集する機能とコメントとして写真を投稿する機能が iOS版に導入された。これでユーザーは自分の意見を写真で表現したり、タイプミスを恐れず記事を投稿したりできるようになった。

今回のiOS版アプリのアップデート(順次公開中なので一部のユーザーはまだ利用できないないかもしれない)にはこれ以外にも、エモーティコン、気分、活動を友だちのタイムラインで共有する機能も含まれている。つまり小さい絵文字と「JoshConstineは喜んでいます」、 「Josh Constineはコーヒーを飲んでいます」などというテキストが表示されるようになる。またプライバシーに配慮して、ナビゲーション・メニューのユーザー名の横にプライバシー設定画面へのショートカットになる鍵のアイコンが表示される。この画面にはプライバシー関係のFAQとユーザーが現在Facebookで何をしようとしているかが表示される。

写真によるコメントは7月に最初に導入され、Tumblrファンなどの若い先進的なユーザー層の人気を集めている。

Facebookは2012年にウェブ版ではコメントの編集ができるようにした。先月には投稿後の記事の編集がウェブ版とAndroid版で可能になった。これまでは投稿後にタイプミスを発見した場合、 削除して再投稿するしかなく、その場合「いいね!」もコメントもすべて消えてしまうのが悩みの種だった。

ただし「いいね!」やコメントを集めた後で記事本文を広告などに書き換えるというインチキを抑止するためにFacebookは編集された投稿やコメントには「編集済み」と表示し、クリックすると編集履歴が分かるようにしている。

これでいよいよ、投稿後の記事とコメントの編集がすべてのiOSユーザーに行き渡ることになった。長らくウェブ中心のサービスだったFacebookのモバイル優先への挑戦はこれからも続く。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


TwitterでURL入りDMが送れなくなったのは、多発するDMスパムへの(一時的)対応策らしい

昨夜あたりから、Twitter上ではURLの入ったダイレクトメッセージが送れないという問題が発生している。昨日も、この問題についての記事を掲載したが、以後も不満の声をあげる利用者も多くなっていったようだった。

新たに明らかになったところによると、どうやらこの問題はURLを送信する云々によるものではなく、ダイレクトメッセージによるスパムへの対応を行う際に生じた問題であるようだ。しばらく前に多くのアカウントが乗っ取られる事象が発生していたが、これにともなってDMスパムも大量発生していたようなのだ。DMには、受信者の個人情報を入手するためのリンク情報(URL)が記載されていた。ReadWriteの記事では、このURL入りDMの大量発生が、URLを送れなくなったことの原因であると報じていた。

URL入りスパムは蔓延して、Twitter社の経営管理層にもDMスパムを受け取る人が出てきたそうなのだ。そうしたこともあって、自体が落ち着くまでURL入りのDMを排除するという動きに繋がったようだ。

昨日TechCrunchの記事を掲載した時点では、問題の原因がバグなのか、それともスパム対策によるものなのかがはっきりしていなかった。どうやらスパム問題を解決するために行われた対策が原因であったということらしい。但し、現在のところこの対応策がどの程度続くのか、それとも永久的なものなのかについては情報を入手できていない。

ちなみに、DMでURLを送ることができる人もいるというのは、認証済みのアカウントであるとか、広告主である場合にはURL入りDM禁止というルールから外されているということのようだ。広告ツイートからもURL入りDMを排除するというのは、確かに多くの問題を招くことになってしまう。URL入りDMを送らないと、広告自体のフローが成り立たなくなる場合もあるのだ。たとえばアルコール系の広告の場合、URLで示したリンク先にて年齢認証をを行うという仕組みをとっているのが一般的だからだ。また、ReadWriteの記事にあるように、Facebook、Instagram、そしてTwitterへのリンクは問題なく送信できるようだ。そうしたものはホワイトリストに登録されているようで、おそらくは他にもいくつか登録されているサイトがあるものと思われる。

現在、DMスパムの現状と、それに対する対抗策についての詳細をTwitterに問い合わせているところだ。

Image Credit: 55Laney69 / Flickr CC

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(翻訳:Maeda, H