NYでドック型の電動自転車シェアリングをJOCOが開始、私有地にステーション設置

Citi Bike(シティバイク)よりも一歩進んだ、ドック型の新しい自転車シェアリングサービスが登場した。自転車はすべて電動だ。JOCO(ジョコ)は来週、一般利用のために電動自転車ステーションを私有地に置くネットワークを立ち上げる、ニューヨーク市では初の自転車シェアリングオペレーターとなる。

シェアリングモビリティプラットフォームVulogで動くこのサービスは、まずはマンハッタンに設置するステーション30カ所と電動自転車300台で始まり、2021年6月までにステーションを100カ所に、電動自転車を1000台に拡大する。2021年ニューヨークでモビリティシェアリングを提供するオペレーターはJOCOが初めてではない。先週ニューヨーク市はブロンクスで展開する電動スクーター試験事業に参加する企業を選んで発表した。しかしBird、Lime、Veoがブロンクスで事業を展開できるエリアは限られており、 Citi Bikeの範囲には遠く及ばない。だが、JOCOにはそうした制限はない。

JOCOの自転車はまず、ニューヨーク最大の駐車場オペレーターIcon Parkingのガレージを含め、街のあちこちにある駐車場に駐輪される。しかし近い将来、住宅ビルや商業ビルにも拡大したいとJOCOは話す。同社は駐車場の利用料金を駐車場のオーナーに支払い、駐車場オーナーたちは運営したり電動自転車のメンテをしたりする必要はない。

「Citi Bikeと異なるのはまず、当社の自転車は100%電動で、100%プレミアムであるという点です」と共同創業者でニューヨーク育ちのJonathan “Johnny” Cohen(ジョナサン・“ジョニー”・コーエン)氏はTechCrunchに語った(2人の共同創業者はいずれもジョナサン・コーエンという名前で、1人はニューヨーク出身、もう1人はロンドン出身だ。それでJOCOという社名だ)。「ユーザーは自転車を事前に予約できます。ステーションは私有地にあり、ステーションには手指消毒液も用意されています。自転車は夜間に雨に濡れることはなく、少しは綺麗でアクセスしやすくなっています」。

JOCOのニューヨーク市内にある電動自転車ドック30カ所のマップ(画像クレジット:JOCO)

Citi Bikeの自転車は約30%が電動だ。電動自転車を充電するのにLyft傘下のCiti Bikeは人を配して自転車をステーションから移動させているが、JOCOの自転車はステーションで充電される。Citi Bikeと同様、自転車はフル充電で約30マイル(約48km)走行できる。

「マンハッタン内を何回か駆け回るのには十分です」とロンドン出身のジョー(2人のコーエン氏を区別するためのもう1つの名前だ)は話した。「当社の自転車は常に充電されていて、いつでも利用できる状態にあるはずです。かなり持続可能である自転車に関し、バッテリーを交換するのにガソリン車でやって来るというのは本末転倒です。当社は真に環境フレンドリーな会社になり、より一貫性があって信頼できるサービスを提供することを目指しています」。

2019年に創業され、Fortune 500企業の元CEOのグループ、特にテクノロジーや不動産のバックグラウンドを持つ投資家から出資を受けているJOCOは、Citi Bikeと同じような価格帯で電動自転車を提供する。自転車を解錠するのに1ドル(約108円)、そして乗車1分当たり25セント(約27円)かかり、つまり10分の利用は3.5ドル(約378円)になる。Citi Bikeでは解錠に3.5ドル、そして1分あたり18セント(約19円)で、10分の利用は5.30ドル(約570円)になる。

「当社の真新しくゴージャスなフル電動のプレミアムな自転車の方がずっと安くなります」とニューヨーク出身のジョーは話した。

JOCO、Citi Bikeのいずれも会員には解錠料金を課さない。JOCOの会員費は月49ドル(約5285円)で、無制限に利用できる。Citi Bikeの会員費は月20ドル(約2157円)だが、会員も利用1分あたり18セント払わなければならない。年間会費を払う人の場合、1分あたり12セント(約13  円)となる。Citi Bikeの年間メンバーシップでは10分の利用が1週間に平均5回あれば、毎月の支出額はJOCOと同じくらいのものとなる。

「Citi Bikeは2013年からサービスを展開していて、ニューヨーク市における自転車の浸透にかなり貢献しました」とVulogの北米マネージングディレクターMonica Wejman氏はTechCunchに述べた。「そしていまVulogで動くJOCOが、Citi Bikeを補い、電動自転車へのアクセスに対する急増している需要を満たすために参入します。当社はモビリティオペレーターがモビリティプログラムを大規模展開するのをサポートしています」。

JOCOはドッキングステーションのスペース確保で通りや歩道を削るためにニューヨーク市の交通局に頼ることはないが、それでも市当局と良い協調関係を確保するための方策を取っている。当局はニューヨーク市内におけるすべての自転車シェアリングシステムは交通局からの事前の承認文書が必要だとTechCrunchに述べたが、その一方でJOCOの弁護士Matthew W. Daus氏の声明には、それは同社が「明確にしようとしている単純な誤解」だとある。

「クライアントのJOCOは2020年秋、そして最近もNYC DOT(ニューヨーク市交通局)の上層部と純粋にプライベートな電動自転車レンタルの取り組みコンセプトを共有するために連絡を取りました。市の持続可能な目標を推進するのをサポートするための情報事項です。このバイクレンタルイニシアチブはニューヨーク州の法律で許されているものであり、特にレンタルのために市道ではなく私有地を使っています。NYC DOTからの許可や承認は必要ではないと思われます。JOCOは来週初めにサービスを開始する計画です」と声明には書かれている。

ロンドン出身のジョーは、JOCOの自転車は破壊行為の影響を受けにくいようにする隠れたケーブル、パンクしないエアレスタイヤ、自転車追跡など安全性を重視した機能を搭載していることを知ると市当局は安心できるだろうと話す。自転車追跡はVulogのバックエンドによるものだ。

「加えて、私有地で展開することで、当社は市のために自転車が歩道に散らかる問題をなくしています。そして市は新たに自転車50台を通りにもってくるにはどうしたらいいのか頭を悩ませる必要はありません。市の大きな頭痛の種を当社は取り除いていて、これによりよくコントロールされた状態を維持し、市に頼る必要はありません」とロンドン出身のジョーは話た。

カテゴリー:モビリティ
タグ:JOCO電動自転車ニューヨーク

画像クレジット:JOCO

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

その求人情報からNYCとロンドンの電動キックスクーターパイロット参加企業が見えてきた

Twitterでのつぶやき、そして求人情報からLime(ライム)やSuperpedestrian(スーパーペデストリアン)といった企業が、スクーターシェアリングサービスにとって最後のフロンティアであるロンドンとニューヨーク市でのサービス展開の準備を進めていることがうかがえる。

求人情報をチェックすると、企業のウェブサイトやLinkedInでLimeやDott(ドット)がロンドンでのサービス開始を準備していて、一方でLimeとSuperpedestrian、そしておそらくSpin(スピン)もニューヨークでの立ち上げを準備している。求人情報はこうした企業が切望している事業許可を与えられたという決定的な証拠ではないが、どの企業が許可を勝ち取りそうかは示している。

都市居住者が社会的距離が取れる移動手段を模索していた2020年夏に、ロンドンの交通当局とニューヨーク市議会はそれぞれ電動スクーターのパイロット事業を承認した。ロンドンのパイロット事業は2021年初めに開始するはずだった。そしてNYCはもともと3月1日に立ち上げられる予定だった。しかしいずれの都市もどの企業に許可を与えるかまだ決まっていない。情報筋によると、ロンドンは5月6日の市長選が終わるまで発表しないようだ。NYCの交通当局はコメントを却下した。

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ロンドンではDott、Tier、Lime?

ロンドンのパイロット事業では、Dott(ドット)とLime、そしておそらくTier(ティア)が展開することになるとの憶測がある。DottとLimeのウェブサイトにある情報、LinkedInプロフィール、そして採用ページでロンドンのポジションで募集をかけている。業界情報筋はTechCrunchに、すでになくなっているが、Tierのホームページにはロンドンでの求人が掲載されていたと話した。

英国でまだ事業を展開していないDottは「英国でゼロから事業を立ち上げる」ための英国居住のオペレーションマネジャーを募集している。同社はまた「Dottの英国マーケットのための声」となる公共政策マネジャーも募集している。

Dottのウェブサイトにあるサービスエリアを示すマップでは、ロンドンのところに小さな黄色い旗が立っている。旗をクリックすると「ページが見つかりません」のエラーメッセージが表示される。

世界をあっという間に席巻しているようにみえるモビリティ企業Limeは、すでにJumpの電動自転車という形態で昨夏からロンドンで事業を展開している。LinkedInの新たな求人からするに、Limeは事業拡大の準備をしているようだ。

関連記事:需要増を受けLimeがJumpの電動自転車をロンドンに再配備

同社のLinkedInページではロンドン拠点のゼネラルマネジャーを募集していて、業務には「英国のマーケット成長を支える運用インフラ」の構築・実行がある。この求人は1週間前に投稿され、同社は積極的にLinkedInで人材募集をかけている。

約1カ月前に、Limeはロンドン拠点のオペレーション・マネジャーの職の募集をかけ、まだリクルート中のようだ。

LinkedInでの求人からするに、Voiもまだパイロット事業のレースに残っているかもしれない。4月8日に同社はロンドンで6カ月限定のアンバサダーとスーパーバイザーの募集を追加した。これは現場での役割のようで、その職務が一時的であるというのはロンドンでの1年間のパイロット事業と関係があるかもしれない。同社が展開している英国の他の都市を管理するためにロンドンに置く人材を探しているだけ、ということもあり得る。

Birdはすでにロンドンのオリンピック公園で夏からサービスを展開しており、道路や歩道でのスクーター使用に関するロンドンの規制を変更するためのロビー活動を積極的に行った。オリンピック公園で展開しているためにBirdのサービス展開マップはロンドンを目立たせているのかもしれないが、同社がロンドンでのオペレーションと英国全体のオペレーションを管理するオペレーションアソシエートを募集していることがことをややこしくしている。

ニューヨークはLime、Superpedestrian、その他

画像クレジット:Lime

LimeはNYCにすでに馴染みがある。同社jは電動自転車をクイーンズのロックアウェイで展開してきた。そして現在、メカニックオペレーションスペシャリストの2つの職種で求人をかけている。Lime電動スクーターのマネジメント、メンテナンス、展開・回収と業務説明にはある。

マサチューセッツ州ケンブリッジ拠点のSuperpedestrianは自社ウェブサイトとLinkedInで4件の求人をかけている。NYC居住を理想とするCEO補佐役を探している。また、ゼネラルマネージャーの職も募集していて、この職には「ニューヨークとニュージャージーにおけるスクーターシェアリングを成長・成功させること」が求められている。

LinkedInでSuperpedestrianはNYCでの2つの職種で求人を出している。まず1つが1週間ほど前に投稿された、スクーター充電や安全点検、スクーターの展開、スクーターの修理・組み立てを管理するオペレーションアソシエートだ。もう1つが1カ月前に投稿されたスクーターメカニックだ。しかし公平を期していうとこの求人には「当社がNYCでのオペレーションを許可された場合」という注意書きが含まれる。

Spinもまた(1週間ほど前)ニューヨーク拠点のオペレーション人材の求人を出した。職務は「Spinの日々のオペレーション、ドライバーとメカニクスの管理、高効率なオペレーションチームの構築」だ。Ford傘下のSpinがNYCのパイロット事業の認可を得たことを正確に示してはいないが、募集をかけている職は立ち上げ業務に関わっているようにみえる。求人情報はまた、新規採用がSpin車両の構築・展開につながっていることをにおわせている。

欧州では大規模に展開しているが米国では今からというVoi(ボイ)はNYCが米国参入の足がかりとなることを望んでいる。同社はNYCの業務の求人を一切出していないが、求人情報にある勤務地のドロップダウンメニューにはNYCが含まれている。

最後にBirdだが、同社はニューヨーク勤務の求人2件をLinkedInに出し、推測の混乱に輪をかけている。4週間前に投稿され、今も積極的採用をかけているゼネラルマネジャーの職はかなりニューヨークに関われる人物を求めているようだ。4月7日に投稿されたオペレーションアソシエートの職務がNYCでの勤務になるのかどうかについては、やや曖昧なものとなっている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:電動キックスクーターロンドンニューヨークLimeSuperpedestrianLinkedIn

画像クレジット:Photo by TOBIAS SCHWARZ/AFP via Getty Images / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple Cardプログラムは公正貸付法に違反していないとNY州金融サービス局が報告

米国時間3月23日に、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は報告書を発表し、Apple Cardプログラムの差別的慣行、特にジェンダーに基づく差別の疑いは、2019年11月のオンライン上の告発を発端とした調査の結果、払拭されたことを明らかにした。

当時、技術系実業家のDavid Heinemeier Hansson(デイヴィッド・ハインマイヤー・ハンソン)氏がApple Cardを申請した際、同氏に設定されたクレジット利用限度額が妻に提示された額の20倍であったことについて、ジェンダーに基づく差別であるとツイートしたことから始まった同調査。同夫婦は共同で確定申告を行い、妻のクレジットスコアは同氏よりも高かったにもかかわらず、こういった利用限度額の判断がくだされていたのだ。Apple Cardプログラムは、AppleとGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が共同で運営している。

ハンソン氏のツイートをきっかけにこの問題が拡散し、Appleの共同創業者であるSteve Wozniak(スティーブ・ウォズニアック)氏をはじめとする複数の人からも反応があった。同氏もパートナーとApple Cardを申請したときに同じようなことを経験したという。

ハンソン氏の妻であるJamie Heinemeier Hansson(ジェイミー・ハインマイヤー・ハンソン)氏も、自身の体験を詳細に記録したブログ記事を投稿している。

消費者からの数々の訴えはすぐにニューヨーク州金融サービス局の注意を引くこととなり、同局はゴールドマン・サックスのクレジットカード業務について調査を開始し、問題となっているジェンダーに基づく差別が行われているかどうかを検証した。

NYDFSの報告書を他に先駆けて報じたAppleinsiderによると、ゴールドマン・サックスは初めの段階で、配偶者よりも著しく低い信用スコアを提示されていた一部の女性の信用情報ファイルを再調査し、配偶者の信用スコアに合わせて限度額を引き上げることを決定していたという。同行は当時、与信判断に対する異議申し立てのための6カ月の待機期間も廃止している。

これらの行動から、Apple Cardのアルゴリズムが、性別に基づく不当な信用価値評価をしている可能性があることがうかがえるが、同局はそのような事実は存在しなかったとしながらも、信用スコア改革の必要性や、信用アクセスに関する既存の法律の改正について強調している。

NYDFSは、Appleとゴールドマン・サックスからの数千ページに及ぶ記録と書面による回答を調査し、Apple Card利用者への聞き取りや、Appleおよび同銀行の代表者との面談を行い、Apple Cardに申し込みをしたニューヨーク州40万人近くのデータセットを使って同行の引受データを分析したと述べている。さらに、差別を感じたという消費者にもインタビューを行った。

同局は、公正貸付法に基づく申請者に対する「違法な差別」はないと結論づけた。しかし、金融サービス監督官Linda A. Lacewell(リンダ・A・レースウェル)氏の声明では、信用融資制度自体には依然として差別があり、信用スコアが信用への不平等なアクセスにつながる可能性があることが強調された。

「公正貸付違反は認められませんでしたが、今回の調査は、同一信用機会法(ECOA)が制定されてから50年近く経過しても信用へのアクセスにおける格差が存在することを、私たちに思い出させるものでした」とレースウェル氏は述べている。同氏は「報告書はまた、信用へのアクセスを改善するために、信用スコアリングにおける現在の慣習や法律、貸し手に対する差別規制に近代化と強化を施すべきという点についても触れています」としたうえで、アカウント所有者に承認されたユーザーを追加することを許可しないというApple Cardのポリシーは適切ではないと感じる消費者に対して「配偶者の信用へのアクセスに依存し、承認されたユーザーとしてのみアカウントにアクセスする場合、配偶者と同じ信用プロフィールを持っていると誤解してしまう可能性があります」と注意喚起し「これは、公平な信用アクセスに関して私たちが議論しなければならない広範な問題の一部です」と付け加えた。

苦情を寄せた消費者の間で共通する要素の1つは、同一の銀行口座やクレジットカードのような共有資産にアクセスできる配偶者は、たとえそれが認可されたユーザーにすぎないとしても、配偶者と同じ信用条件を受けられると考えていることだった。しかし現在のシステムでは、引受機関は承認されたユーザーをアカウント所有者と同じように考える義務はなく、他の要因も考慮する可能性がある。調査によると、これらの要因が組み合わさって、融資判断の低下につながったという。

同局はゴールドマン・サックスに照会し、消費者からの苦情を受けた融資の決定に関する引受手続きの文書化に至ったという。性別による影響は見られなかったが、配偶者のクレジットスコア、負債額、収入、クレジット利用率、未払い、その他クレジット履歴などの要素が関与していた。確認された要因のいずれについても、与信判断の「違法な根拠」ではなかったと同局は述べている。

もちろん信用スコアシステム自体は、全体的に見ると男性に有利なものだ。(特に白人男性に対しては)。その根拠は単一ではないものの、多くの場合、女性が主に保護者としての役割を果たしていることと、信用スコアリングモデルの仕組みに関係している。これは改革が必要なシステムではあるが、Apple Cardプログラムと差別に対する苦情が見られたケースについては融資決定に際して「合法的に」使用されていた。

しかし同局は、Apple Cardの融資決定には透明性が欠如していることを指摘し、これらの苦情に対する銀行の決定に関するデータを当局は入手できたが、影響を受けた消費者は入手できなかったことを明らかにした。また、Appleが6カ月の待機期間を設けるのではなく、より堅牢な異議申し立てプロセスを提供できたのではないかと指摘している。

Appleはそれ以来いくつかの問題に対応しており、2020年は申請者がApple Cardの承認に必要な手順を踏むのに役立つ「Path to Apple Card」をローンチした。これまでに7万人以上の消費者がこのプログラムに登録し、約5,000人が承認されている。Appleはまた、同社ウェブサイトを更新しApple Cardの承認方法に関する詳細情報を公開した。そして現在、Apple Cardファミリー共有機能のサポートを追加しようとしているところだ。これは少なくとも、配偶者がより高い融資限度額を利用できないという問題に対処することになるだろう。

それでも今回の調査では、Appleが自身の信頼あるブランドと、消費者が好まないような銀行慣行をともなう従来型の貸し手が発行するクレジットカードとを組み合わせることで直面した問題に加えて、透明性の欠如が融資決定に対する信頼をいかに損なったかが浮き彫りになった。

ゴールドマン・サックスは調査結果に関する声明を発表している。

「金融サービス局の徹底した調査に感謝するとともに、融資の公平性に違反がないという結論を好意的に受け止めています。引き続き、信用への公正で平等なアクセスを提供することに専心してまいります」と述べている。

この調査全体が動き出すきっかけとなった最初のツイートを発信したハンソン氏にコメントを求めた。

「これはゴールドマン・サックスのプレスリリースのようなもので、私たちのケースの特定の事実を無視しています。妻は私よりも高いクレジットスコアを持っていましたが、そのクレジットの10分の1の価値であると判断されました。信用評価プロセスには透明性がなく、申請者は拒否された理由を知ることができませんし、ゴールドマン・サックスやAppleの従業員も理解しているようには見えません。アルゴリズムによるブラックボックスの影響は依然として存在しており、監査が行われる可能性はなく、不公正な結果が継続しています。完全な規制の破綻と言えるでしょう」。

【更新(2021年3月23日午後3時)】初版発行後にコメント付きで更新した。

関連記事:アップルがApple Cardの審査に落ちた人のための信用度改善プログラム「Path to Apple Card」をスタート

カテゴリー:その他
タグ:AppleGoldman SachsApple Cardクレジットカードニューヨーク

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

アートのある暮らしをもっと身近に、NYでアートレンタルサブスク展開の「Curina」が総額8000万円を調達

2021年3月30日、ニューヨークでアートのレンタルサブスクリプションサービスを運営するCurinaは総額8000万円を調達したことを発表した。今回の調達には個人投資家が多く参加していて中には起業家でエンジェル投資家の有安伸宏氏、CAMPFIRE代表取締役社長の家入一真氏、マネーフォワード代表取締役社長の辻庸介氏、クラウドワークス代表取締役社長の吉田浩一郎氏らの名前もある。

Curinaの創業者で代表を務める朝谷実生氏

Curinaは好きなアート作品を3カ月から月額料金でレンタルできるサブスクリプションサービスだ。提供地域はニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州の3州で、月額のレンタル価格は作品の大きさや質に応じて38ドル(約4108円)、88ドル(約9670円)、148ドル(約1万6260円)の3つのプランを用意している。作品は気に入ったら、レンタル期間終了後、購入価格からこれまで支払ったレンタル価格分を差し引いた金額で作品を買い取ることもできる。

Curinaを立ち上げたのは日本人起業家の朝谷実生氏。彼女は大学を卒業後、経営コンサルティング会社に4年ほど勤め、その後、コロンビア大学でMBAを取得するために米国に留学した。Curinaはコロンビア大学在学中の2017年に立ち上げた会社だ。

アートを買うのはハードルが高い

幼少期をヨーロッパで過ごし、週末は美術館やギャラリーに行ったり、ヨーロッパ中の美術館を巡ったりしてアートに触れる機会が多く、もともとアートが好きだったと朝谷氏は創業までの経緯を話す。だが、実際に自分でアートを購入しようとなると購入までのハードルが高く、そこを解消したいと思ったのがCuinaを創業したきっかけになったそうだ。

「アート作品が欲しいなと思ったときに、正直どこから始めていいのかわかりませんでした。ギャラリーはすごく入りづらいし、高額だし、ちょっと怖いイメージがあります。アート作品を扱うECサイトもたくさんありますが、基本的に返却できなかったり、郵送料が高かったりとハードルがある。これでは初めてアートを買うのを躊躇しても仕方がないだろうなと思ったので、自分の体験をもとに、私のようなアート初心者でも気軽に、手軽に、簡単に買えるシステムを作ろうと思いました」。

作品の一例

現在、Curinaはニューヨークで活躍するアーティストの絵画作品を中心に約1500点を取り揃えている。作品の価格は日本円で10万円から500万円ほど。郵送料や返送料はかからないし、作品を毀損した場合の保険料も月額料金に含まれている。レンタル可能な作品はいずれも届いたらすぐに設置できるよう額装が施してあるか、あるいはキャンバスの場合は作品の背面に設置用のワイヤーが取り付けてあるそうだ。今は新型コロナウイルスの影響で希望した人にのみ提供しているが、無料で作品の設置サービスも行っている。取扱作品は絵画が多いが、彫刻作品も扱い始めていて、今後、さまざまな作品を増やしていく予定だという。

数十万円する作品を月額38ドル(約4200円)から借りられるのであれば少しの期間試してみようという気になるし、購入する場合も自分の目で見てから決められるので安心感があるだろう。Curinaのこうした仕組みは、特に若い世代のユーザーに評価されているという。ユーザーの約9割が20代、30代で、さらにユーザーの半数はCurinaを通じて初めてアート作品をレンタル、購入した人という。

「服や食べ物さえオンラインで買っているのに、なぜアートはオンラインで買えないのかというのが若い世代の考え方です。Curinaはそこに対してオンラインで売ります。また、アートは高価で、エモーショナルなプロダクトなので、共感できないと買えません。買う前に見るとか、家に飾ってみてから買いたいということになります。Curinaではオンラインで買えるけれど、レンタルなので家でも確認できます。若い世代の人たちの購買行動にあったサービスです」。

Curinaを通じて作品をレンタルしたユーザーのご自宅の様子

日本ではアート作品を買うことに馴染みがない人が多いかもしれない。世界有数のアートフェア「Art Basel(アート・バーゼル)」とスイスの金融グループ「UBS」が2019年3月に発表したレポート「The Art Market 2019」によると、アートの世界市場のおける国別の割合は上から米国44%、英国21%、中国19%で、日本は「その他7%」に分類されている。朝谷氏は最初から日本ではなく米国で起業した理由についてもこの市場規模の差を上げ「米国にはアートを買う文化が日本よりも根付いている」ためと話していた。

日本にアートを買う文化が浸透していない理由の1つは、賃貸住宅における原状回復義務が関係しているのかもしれない。日本の賃貸住宅の場合、釘やネジを使ってアート作品を壁に取り付けた場合、賃貸契約の原状回復義務により、退却時に壁に空いた穴の修復を自己負担しなければならないこと多い。だが、朝谷氏によると米国ではこうした修復の多くは管理会社が担うので、入居者は賃貸でも壁に穴を開けるのに抵抗があまりないのだという。

とはいえ、ゆくゆくは日本展開も進めたいと朝谷氏は話す。主にオフィス向けにはなるが、Curinaはすでにアートアンドリーズンが提供する、AIによるアート作品の選出サービス「AutScouter」にギャラリーとして登録している。現在、AutScouterを通じてならCurinaの作品を日本国内でレンタル、購入可能ということだ。

今回調達した資金は、米国全土でサービスを提供するための物流やオペレーションの整備に加え、作品数の拡充、マーケティングに充てる予定だという。その後、日本や中国などでの世界展開も目指していく考えだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Curina資金調達アートニューヨークサブスクリプション

米国初の新型コロナワクチン接種デジタル証明をニューヨーク州が運用開始、IBMがブロックチェーン活用で協力

米国初の新型コロナワクチン接種デジタルパスをニューヨーク州が運用開始、IBMがブロックチェーン活用で協力

New York State

米ニューヨーク州は3月26日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種あるいは、陰性であることを証明するデジタルパスポート「Excelsior Pass」の運用を開始しました。Android、iOSアプリで提供されており、読み取り側も同じくスマートフォンで対応します。同種のデジタル証明書の運用は、米国では初だとしています。

新型コロナのワクチン接種が開始されている国々では、ワクチンを接種したことや陰性であることを証明することで、徐々に経済活動を再開する動きが始まっており、そのための証明アプリの開発も盛んです。ただ、怪しげなアプリを規制する意味でも、Appleは、証明アプリについては信頼できる機関からのみ申請を受け付けています。

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その点、Excelsior Passはニューヨーク州の公式ということで、信頼性が高いもの。開発にはIBMが協力しています。医療情報を含む個人情報はブロックチェーンや暗号化により保護されており、開発元のIBMはもちろん、それを読み取って利用する企業側でも把握できないとしています。また、利用時には、QRコードとともに名前と生年月日の分かる写真付きの身分証明書の提示が必要とのことです。なお、QRコードをスマートフォンで表示するのではなく、紙に印刷したQRコードを提示することでも利用出来ます。

ニューヨーク州ではExcelsior Passを利用することで、スタジアムやアリーナ、結婚披露宴などのイベントへの参加が可能になるとのこと。マディソンスクエアガーデンやダイムズユニオンセンターなどの主要な施設では今後数週間でExcelsior Passに対応するとしています。

ただし、Excelsior Passの利用は強制ではなく、個人あるいは企業側も任意です。利用しない場合には、従来通りに紙の証明書を利用できるとのことですが、今後、事実上必須になっていく可能性はありそうです。

(Source:New York State、Via:USA TodayEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ヘルステック
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