グリーンカルチャーが1万6000食販売済みの植物肉採用「Green 小籠包」に続き「Green Meat 焼売」を7月31日発売

グリーンカルチャーが1万6000食販売済みの植物肉採用「Green 小籠包」に続き「Green Meat 焼売」を7月31日発売

「健康と地球とずっと。」を掲げるフードテックベンチャー「グリーンカルチャー」は7月30日、植物肉「Green Meat」(グリーンミート)を使用した「Green Meat 焼売」の開発完了と、一般向け・飲食店向け発売を発表した。また同社販売サイト「グリーンズベジタリアン」において、7月31日より発売する。一般販売価格は1502円(税込)。2021年春に販売開始した「Green Meat」シリーズの第1作「Green 小籠包」はすでに1万6000食を販売済みという。

グリーンカルチャーは、植物肉原料の物理化学特性データベースを応用することで、乾燥大豆ミートでは作り出すのは難しいおいしさとジューシー感を兼ね備えた「Green Meat 焼売」を完成させた。

グリーンカルチャーが1万6000食販売済みの植物肉採用「Green 小籠包」に続き「Green Meat 焼売」を7月31日発売

従来の大豆ミートは大豆を脱脂し、そぼろ状やブロック状など様々の形に成型したもので、使用する際は水戻しをして調理するという。原材料である大豆の匂いや味が強く残るため、濃い味付けでそれをカバーして調理するのが一般的となっている。

一方、2021年4月に外食事業者向けに販売を開始したGreen Meatは大豆たんぱくやエンドウたんぱくなど植物性たんぱくを食品科学の応用により開発した「生タイプ」の植物性ミンチ肉となっている。濃い味付けに頼らず畜肉のような喫食時の満足感を伴いながら、プラントベースフード(植物性食品)というヘルシーさを兼ね備えた「肉々しいけどヘルシー」を実現した製品としている。

またミンチ状のため畜肉と同様に様々なレシピに使用できることから、都内有名ラーメン店「麺屋武蔵」(「プラントベース角煮ら~麺」でコラボ)や、レストランなどで採用されているという。また北米はじめ海外への輸出を開始しており、2021年春にはマカオへの輸出が決定した。現在は、欧米豪諸国への輸出計画も進行中としている。

グリーンカルチャーが1万6000食販売済みの植物肉採用「Green 小籠包」に続き「Green Meat 焼売」を7月31日発売

グリーンカルチャーは、サスティナブルな未来をつくるため、植物肉の開発・製造・販売を実施。代表取締役の金田郷史氏が、米国留学時に日本より多様性に富んだ現地の食環境に衝撃を受け、日本でもプラントベース食品を身近にしたいとの志から、通信販売専門店として2011年に設立した。

10年間30万件以上の出荷実績に基づく最終消費者の嗜好やプラントベース食品に関する知見、独自のデータベースを活用した研究開発手法を特徴とするほか、事業運営の中で蓄積したプラントベース食品開発のノウハウを活かし、既存畜肉を補うだけではなく「畜肉よりおいしくて健康的」な植物肉を食卓に届けられる未来を創造するとしている。

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カテゴリー:フードテック
タグ:グリーンカルチャー(企業)食品 / 食料品 / 食材 / 食品加工(用語)代替肉 / 植物由来肉(用語)日本(国・地域)

植物由来食品の普及に向けフードテックのNotCoが約259億円調達、アジア進出も視野

植物由来の、牛乳や肉の代替品を製造するフードテック企業のNotCo(ノットコ)は2021年、新たな資金調達ラウンドを完了した。2億3500万ドル(約259億円)のシリーズDラウンドで、バリュエーションは15億ドル(約1650億円)に達した。

今回のラウンドはTiger Globalがリードし、ソーシャルインパクト財団であるDFJ Growth Fund、ZOMA Lab、スポーツ選手のLewis Hamilton(ルイス・ハミルトン)氏とRoger Federer(ロジャー・フェデラー)氏、ミュージシャンでDJのQuestlove(クエストラブ)などの新しい投資家が加った。従来からの投資家には、Bezos Expeditions、Enlightened Hospitality Investments、Future Positive、L Catterton、Kaszek Ventures、SOSV、Endeavour Catalystが名を連ねた。

今回の資金調達は、6月にShake Shackの創業者であるDanny Meyer(ダニー・メイヤー)氏が自身の会社であるEHIを通じて行った非公開の投資に続くものだ。チリとニューヨークの両方に拠点を持つNotCoは、累計で3億5000万ドル(約385億円)以上の資金を調達したと創業者でCEOのMatias Muchnick(マティアス・ムクニック)氏はTechCrunchに語った。

現在、同社は4つの製品ライン、すなわちNotMilk、NotBurgerおよびNotMeat、NotCream、NotMayoを、米国、ブラジル、アルゼンチン、チリ、コロンビアの5カ国で展開している。

同社は、より健康的な食品を摂取したいというトレンドを背景に事業を展開している。また、食品がどう作られているのかを疑問視する消費者も増えており、結果として代替タンパク質の需要が高まっている。Boston Consulting GroupBlue Horizon Corpの調査によると、肉、卵、乳製品、魚介類の代替品市場は、2035年までに2900億ドル(約31兆9000億円)に達する見込みだ。

NotCoが独自に開発した人工知能技術「Giuseppe(ジュゼッペ)」は、何千もの植物性の食材の中から、動物性タンパク質に代わる理想的な何かを探し出す。NotCoは暗号を解読しようとしているのだ。ある2つの食材の組み合わせると分子の成分と食品の特性がどうなるのかを理解しようとしている。その組み合わせが、牛乳に似ていつつも、より持続可能で資源に配慮する方法で、しかも導入の最大の障壁である美味しさを実現できるかもしれない、とムクニック氏は説明する。

「私たちの理論によれば、人々の間にはクレイジーなダイナミズムというものがあります。すでに植物由来の食品を食べている人の60%は味に満足しておらず、牛乳を飲んでいる人の30%は似たような味があればそれに変えたいと思っています」と付け加えた。「私たちの技術はAIをベースにしているため、これまでとは異なる食のシステムを作り出したり、製品を同業他社よりも早く上手に製造することができます。植物は30万種ありますが、そのうち99%の植物については、それを利用すると何が生み出せるかがわかっていません」。

2021年実施した一連の資金調達に加え、同社は7カ月前に米国でNotMilkブランドを立ち上げた。2021年末までにWhole Foods Market、Sprouts、Wegmansなどの小売店8000店舗で展開することを目指す。

ムクニック氏は、新たに得た資金の一部をメキシコとカナダでの市場確立と、米国とチリでのシェア拡大に充てる。今後3年間で、ビジネスの50%を米国で展開する。また、来年には、アジアや欧州への進出も視野に入れている。

NotCoはまた、鶏肉などのホワイトミートや魚介類などの製品を増やし、技術や研究開発にも投資する方針だ。そのために今後2年間で現在100人の従業員を倍増させる。また、すでに5件の特許を取得している食品科学の分野で、より多くの特許を取得したいと考えている。また、ビジネスの面で可能性を探るための情報を得たいとも考えている。

NotCoはユニコーンの地位を獲得したが、ムクニック氏は、本当の価値は、ブランドの認知度とそれにともなう売上の向上、そしてクイックサービスレストランとの取引への道を開くことだと語る。NotBurgerは、11カ月前にチリのBurger Kingレストランに入り込み、現在では市場の5%を占めているという。

Tiger Globalにとって魅力的だったのは、過去4年間で売上全体が毎年3倍に成長していることだとムクニック氏はいう。同氏は、Tigerと一緒に仕事ができることにも満足している。特に、同社が今後2〜3年で株式公開に向け準備することを考えればなおさらだ。同氏によると、Tigerが有する専門知識により、NotCoの準備をもっと進めることができるという。

「NotCoは、世界レベルの植物性食品を生み出しており、急速に市場シェアを拡大しています」とTiger GlobalのパートナーであるScott Shleifer(スコット・シュライファー)氏は書面による声明で述べた。「私達は、マティアス氏ならびに同氏のチームと提携できることをうれしく思っています。製品の継続的な革新と、新しい地域や食品カテゴリーへの拡大が、今後数年間の高い持続的な成長の原動力になると考えています」。

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カテゴリー:フードテック
タグ:NotCo植物由来肉資金調達

画像クレジット:NotCo

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi

香りや焼き色も再現する植物由来チキンを米国で展開へ、Next Gen Foodsがシード追加拡張投資22億円調達

シンガポールを拠点とするNext Gen Foodsは、2000万ドル(約22億円)のシードエクステンションを調達し、植物ベースの代替鶏肉を米国で展開すると発表した。投資家には、GGV Capital、農業・食品技術に特化したBits x Bites、食品・飲料会社のYeo Hiap Seng、起業家で「Blitzscaling(ブリッツスケーリング)」の著者であるChris Yeh(クリス・イェ)氏、イングランド代表サッカー選手Dele Alli(デレ・アリ)氏などが含まれている。

2021年2月に発表されたNext Gen Foodsの最初の1000万ドル(約11億円)のシードラウンドを主導したTemasek(テマセク)や、K3 Venturesなども再び出資した。Pitchbookのデータによると、その際の1000万ドル(約11億円)は植物由来のフードテック企業が調達したシード資金としてはすでに最大規模のものだったが、追加投資によりラウンドの合計は3000万ドル(約33億円)となった。今回の資金調達の一部は、米国内での研究開発、販売、サプライチェーン、財務・マーケティングチーム50名の人員補充に充てられる。

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また、Next Genは、リーダーシップチームの変更も発表した。共同創業者のTimo Recker(ティモ・レッカー)氏はCEOから会長に異動し、もう一人の創業者であるAndre Menezes(アンドレ・メネゼス)氏がCEOの座に就く。また、Temasekの元取締役であるRohit Bhattacharya(ロヒト・バタチャリヤー)氏がCFOとして同社に加わる。

Next Genが開発した「TiNDLE(ティンドル)」と呼ばれる代替鶏肉は、レストランとのパートナーシップを通じてアジアで発売され、現在はシンガポール、香港、マカオの70店舗以上で提供されている。今後1年間、Next Genは米国進出の際にも同様のアプローチをとり、各都市のフードサービスと協力してTiNDLEを使ったメニューを開発していく予定だ。最終的には、小売店などの他の流通チャネルにも拡大していく予定だと、メネゼス氏はTechCrunchに語った。

Next Genは鶏肉の食感を再現するために、ヒマワリ油などの植物性油脂と天然香料を独自にブレンドしている。これによりTiNDLE製品は、調理したときの鶏肉の香りや焼き色を再現することができる。

米国では、Next GenはBeyond Meat(ビヨンドミート)のような植物由来の食品会社と競合することになる。Beyond Meatは、今週初めに米国のレストラン約400店で「Chicken Tenders(チキンテンダー)」の販売を開始した。人気チェーン店のPanda Express(パンダエクスプレス)も、Beyond Meatのオレンジチキン(陳皮鶏)を試験的に導入している。

メネゼス氏は、競合状況について聞かれこう答えた。「当社は、この分野が盛り上がっていることをとても嬉しく思っていますし、他の植物由来(食品)の企業を競合とは思っていません。私たちが心配しているのは、不十分な質の製品を消費者に提供している企業の競争だけです。消費者が、植物ベースの食品は現在でも味や体験において妥協しているという誤った印象を持ってしまうかもしれないからです」。

さらに同氏は、TiNDLEは遺伝子組み換えやコレステロールを含まない製品であり、Next Genはアセットライトなビジネスモデルを採用しているため、新たな市場への拡大が容易だと述べた。

レッカー氏はNext Genを立ち上げる前にドイツを拠点とするLikeMeatを設立しており、メネゼス氏は世界最大級の鶏肉輸出会社を経て、シンガポールの食品販売会社Country Foodsのジェネラルマネージャーを務めていた。

GGVのマネージングパートナーであるJenny Lee(ジェニー・リー)氏は次のように述べた。「Next Genのチームは、欧州市場向けに植物ベースの食肉製品を開発しローンチを成功させた経験があり、フードテック業界でも創業者と市場の適合性が最も高いチームの一つです。このチームが製品の品質、ブランドリコール、流通に注力していることは、同社の今後の成長に向けた強力な基盤となります」。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Next Gen Foods植物由来肉資金調達シンガポール

画像クレジット:Next Gen Foods(Image has been modified)

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(文:Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

Beyond Meatが植物ベースのチキンテンダーを米国のレストラン400店で展開

Beyond Meat(ビヨンドミート)は米国時間7月8日、新しい植物ベースのChicken Tenders(チキンテンダー)を米国のレストラン400店で展開すると発表した。この新商品のニュースは人工肉大手であるカリフォルニア州拠点の同社が引き続き成長している中でのものだ。同社はすでにWalmartの店舗やTaco Bellの店舗へ進出し、2020年は中国でも積極的に展開した。

似ている名前を冠しているにもかかわらず、Chicken TendersはこれまでのChicken Stripsとは異なる、とBeyond Meatは話す。Chicken TendersはBeyond Meatの広く人気を博しているBeyond Burgerパティよりも前に登場したが、他の商品に比べて人気がなかったために2019年に打ち切りになっていた。

新しいChicken Tendersは主にソラマメとエンドウマメからできていて、1食分あたり14グラムのタンパク質が含まれ、飽和脂肪酸は普通のチキンテンダーより40%少ない。Beyond Meatは、コレステロール、抗生物質、ホルモンを含んでいないと話し、これは大手鶏肉生産社の多くが口にできないことだ。

「当社のすべてのプロダクトと同様、当社のChicken Tendersはすばらしい味と卓越した食体験、そして豊かな栄養を提供します」とCIOのDariush Ajami(ダリウシュ・アジャミ)氏はプレスリリースで述べた。「イノベーションがBeyond Meatの真髄です。Beyond Chicken Tendersは人々と地球にとってより良い、画期的で美味しい選択肢を創造するという当社のミッションの最新例です」。

発表されたBeyond Chicken Tenders取扱店舗に全国展開チェーンは含まれていない。提供は7月8日から始まり、取扱店舗の一部リストは以下の通りだ。

  • Bad Mutha Clucka
  • Bird Bird Biscuit
  • Blissful Burgers
  • Burger Patch
  • Detroit Wing Company
  • Dog Haus
  • Duke’s on 7
  • Epic Burger
  • Fire Wings
  • Flyrite Chicken
  • JAILBIRD
  • Melt Bar and Grilled
  • Milwaukee Burger Company
  • Next Level Burger / Next Level Clucker
  • Nuno’s Tacos & Vegmex Grill
  • Plant-Based Pizzeria
  • Plow Burger
  • Pub 819
  • Romeo’s Pizza
  • Sarpino’s Pizza
  • Stanley’s Northeast Bar Room
  • Syberg’s
  • The Bar Draft House
  • The Block Food & Drink
  • The Howe Daily Kitchen & Bar
  • Toppers Pizza
  • Verdine

変わった名前のチキン料理提供レストランが多いものだ。

人工鶏肉マーケットでは競争が激しくなっている。ナゲット製造業社のSimulateは6月、競合相手に追いつくために5000万ドル(約55億円)のシリーズBラウンドを発表している

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カテゴリー:フードテック
タグ:Beyond Meat植物由来肉レストランアメリカ

画像クレジット:Beyond

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

代替肉のネクストミーツが約10億円を調達、日本発ブランドとして世界展開を推進

代替肉によって過剰な畜産を減らし気候変動問題の解決を目指すネクストミーツは6月16日、約10億円の資金調達を2021年4月末時点で完了したと発表した。引受先は、大手製薬会社、食品用生産設備設計会社、海外向け物流ソリューションなど、シナジーが見込める複数の企業。今後同社は、バイオテクノロジーとメカトロニクスの領域で研究開発を加速し、日本発の代替肉ブランドを世界で急速展開させる予定だ。

ネクストミーツは2017年から共同創業者2名が研究を始め、プロダクト完成の2020年6月に法人化。2021年1月には米国証券市場OTCBBにSPACスキームで「NEXT MEATS HOLDINGS」として上場、時価総額が最高値で40億ドル(約4400億円)を超えたユニコーン企業という。

現在は日本だけでなくアメリカ、シンガポール、台湾、ベトナムなど海外10カ国以上に進出している。また、世界初の焼肉用フェイクミート「NEXT焼肉」シリーズ、100%植物性の牛丼「NEXT牛丼」や鶏肉タイプの代替肉「NEXTチキン」などをこれまでに発売してきた。

今回の資金調達と出資各社との連携により、ネクストミーツの研究体制を強化し、代替肉の原料および製品のクオリティ向上、そして生産効率やサプライチェーンの質を上げるとしている。また新潟県長岡市にある研究室「NEXT Lab」には、世界から各分野の博士が集まり、バイオテクノロジーの分野で微生物や遺伝子の研究、メカトロニクスの分野では植物性タンパク質の物性変化やファクトリーオートメーションの研究を進めている。

ネクストミーツはさらに世界展開を加速するため、現在10カ国においてスタッフが常駐し生産体制を固めている。「2050年までに世界中で全ての肉を代替すること」をミッションとして、新しいマーケットである代替肉市場で世界的プラットフォーマーを目指すとしている。

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カテゴリー:フードテック
タグ:ネクストミーツ代替肉 / 植物由来肉(用語)日本(国・地域)

オンライン広告が大反響を巻き起こした人工肉ナゲット「Nuggs」開発Simulateが約55億円調達

ニューヨークを拠点とするSimulate(シミュレート)は米国時間6月8日、5000万ドル(約55億円)の資金調達を発表した。Alexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏の投資ファンド「776」が主導した今回のシリーズBラウンドにより、代替肉製品手がける同社の資金調達総額は6000万ドル(約66億円)を超え、企業価値は2億6000万ドル(約285億円)に達した。

Simulateの最初の製品である「Nuggs(ナグス)」(旧社名でもあった)は、積極的なオンライン広告が奏功し、すでに大きな反響を巻き起こしている。同社では、この6カ月の間に小売店における販売を大幅に強化したという。このチキンナゲットの代替品は、2019年夏の発売時にはオンライン注文を通じて消費者に直接販売されていた。米国が新型コロナウイルスの影響を受けたこの1年の間に、その販売は目立った変化を記録した。

「新型コロナウイルス流行の最中、人々は冷凍食品を直接ドアに届けて欲しいと強く望んでいました」と、同社の創業者でCEOを務めるBen Pasternak(ベン・パスタナック)氏はTechCrunchに語った。「当時、私たちは消費者直接販売のみを行っていたので、小売店販売に移行する前に大きな成長を遂げました」。

現在では、小売店の買いやすさや直販価格が制限されることから、売上の大半は小売店での販売によるものになっていると、パスタナック氏は付け加えた。同社の製品は5000カ所の小売店で販売されており、その中にはWalmart(ウォルマート)およびSam’s Club(サムズ・クラブ)、Target(ターゲット)、Whole Foods(ホールフーズ)などの超大手も含まれる。

「現在はレストランやファーストフードでの販売開始に向けて準備を進めているところです」と、パスタナック氏はいう。「国際的には、最近カナダで販売を開始しましたが、他の国へ拡げることも計画しています」。

今回調達した資金は、雇用の拡大にも投じられる。現在20名の社員は、2022年までに50人に増える予定だ。「増員の半分以上は、エンジニアリングチームの拡大に充てる予定です」と、パスタナック氏は語っている。

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カテゴリー:フードテック
タグ:代替肉Simulate資金調達

画像クレジット:Simulate

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ネクストミーツが長岡技術科学大学と提携、マメ科植物を材料に代替⾁に適性のある原料の研究開発

ネクストミーツが長岡技術科学大学と提携、マメ科植物を材料に代替⾁に適性のある原料の研究開発

フェイクミート(代替肉)を展開するフードテック領域のスタートアップ企業「ネクストミーツ」は6月7日、長岡技術科学大学と共同研究に関する契約締結を発表した。同大の⼤学院⼯学研究科⽣物機能⼯学専攻、⻄村泰介准教授と連携して、同氏が専門とする「エピジェネティクス」などの先端的なバイオテクノロジー手法を用いた、代替⾁に適性のある原料の研究開発を行う。

ネクストミーツでは、メカトロニクスの知見を活用し、動物性原料と食品添加物を使わないオーガニックな食品を提供するかたわら、バイオテクノロジーを軸とした研究も進めてきたが、2021年からその研究体制を強化しているという。今回の共同研究の中心になるのが、エピジェネティイクス(後成遺伝学)だ。西村准教授はこう説明している。

「近年、植物でも様々な遺伝⼦の発現(スイッチのオン・オフ)がどのように制御されているかが明らかになってきており、それを操作することで新しい機能を持つ植物の開発が進められています。エピジェネティクスは⽣命の設計図であるゲノムDNAの塩基配列⾃体を変化させることなく、遺伝⼦の機能(スイッチのオン・オフ)を変化させる細胞⾃⾝が持つ遺伝⼦発現の制御システムです。これを応⽤できれば、⽣命の設計図であるゲノムDNAの塩基配列を改変することなく新しい機能を持った植物を開発可能となり、持続可能な技術として期待されています」

こうした最先端のバイオテクノロジーを用いて、ネクストミーツはマメ科植物から代替肉に適正のある原料を研究する。

ネクストミーツは、2017年から共同創業者2名が研究を始め、プロダクト完成の2020年6月に法人化した。2021年1月には米国市場にSPACスキームでOTCBBに上場、現在は日本だけでなく台湾やベトナムなど海外10か国以上での展開に着手している。「過剰な畜産を減らすことで気候変動問題の解決に貢献すべく」事業を展開し、世界初の焼肉用フェクミート「NEXT焼肉」や、100%植物性の⽜丼「NEXT⽜丼」などを発売している。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:長岡技術科学大学(組織)代替肉 / 植物由来肉(用語)ネクストミーツ日本(国・地域)

肉を食べる回数を減らして地球を守るHabits of Wasteの「#8mealsアプリ

アースデイは過ぎても、NPOのHabits of Wasteがリリースしている#8mealsアプリ(iPhone版Android版)を使い、週に8回の食事で肉を食べるのを止めると誰もが森林伐採や温室効果ガス排出量の削減に参加できる。

Habits of Wasteの設立者であるSheila Morovati(シーラ・モロバティ)氏が開発会社のDigital Pomegranateとともに作ったこのアプリで、目標達成に向かって肉を食べない食事の計画を立て、おすすめレシピを知ることができる。

モロバティ氏は廃棄物と消費を減らす活動を続けており、#8mealsアプリはその最新の取り組みだ。同氏の環境保護活動は、南カリフォルニア地域でレストランに回収箱を設置し、使用済みクレヨンを集めて学校へ再配分するプログラムから始まった。

クレヨンコレクション」というこのプログラムでは、2000万本以上のクレヨンがゴミにならずに再配分されたが、モロバティ氏が設立したNPOのHabits of Wasteが推進する廃棄物削減はこれでは終わらなかった。

Habits of Wasteは#cutoutcutlery(カトラリー削減)キャンペーンも開始した。Uber Eats、Postmates、Grubhub、DoorDashを説得し、標準で添付していたプラスチックのカトラリーを顧客からの要望があったときだけ添付するように変えたキャンペーンだ。Habits of Wasteのウェブサイトによれば、これは毎年400億本近く廃棄されているプラスチック製カトラリーを削減する手段だという。

モロバティ氏は「我々はカトラリーと8回の食事を変えるまったく新しい戦い方を作ることにしました。社会の考え方を変えることが私のゴールです」と語る。

一方、消費者が利用できる代替肉製品は増え続けている。朝食用シリアルのPost CerealからビールのAnheuser Buschまで、さまざまな企業が動物性タンパク質の代替製品に参入しようとしている。Impossible FoodsやBeyond Meatなどが代替肉を消費者に直接販売するために巨額の資金を調達していることはいうまでもない。

関連記事:「バドワイザーは卵を作る」食料大手が代替タンパク質産業に相次いで参入、投資額も急増

肉を食べないことは、それが週に数回であっても、地球の健康(そして人間の健康)にとって大きな違いを生む。畜産は世界全体で温室効果ガスの18%以上を排出しており、森林伐採の一因でもあるからだ。

モロバティ氏は2021年1月にYouTubeで公開された、スーパーフード指導者を自称するDarin Olien(ダリン・オリエン)氏とのインタビューで次のように語っていた。「私はいつも、自分の頭の中で作った架空の人物であるJoe Barbecue(ジョー・バーベキュー)氏について考えています。我々はどうすればジョー・バーベキュー氏に参加してもらえるでしょうか。この人に完全なビーガンになるように勧めることができるかといえば、私はできないと思います。今はまだ。しかし週に8食だけビーガンになるように提案すれば、バーベキュー氏であっても試し、理解して、試そうと思わない人たちに勧めてくれるかもしれません」。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Habits of Waste温室効果ガス代替肉

画像クレジット:ANGELA WEISS/AFP / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Kaori Koyama)

「バドワイザーは卵を作る」食料大手が代替タンパク質産業に相次いで参入、投資額も急増

企業は代替タンパク質市場の潜在性に急速に目覚めつつある。米国最大の消費者ブランドが引き続き投資し、消費者がより健康的で環境的にも持続可能な食品へ移行するのをサポートしているスタートアップと提携している。

アースウィーク(地球保護週間)が近づく中、先に発表された新たな提携は、古い事業を一変させる新しいテクノロジーのポテンシャルを示している。

米国時間4月21日にAB InBevの投資・イノベーション部門であるニューヨーク拠点のZX Venturesは、卵の代用品の「醸造」などを含むタンパク質生産テクノロジーのデベロッパーClara Foodsと提携すると明らかにした。バドワイザーのメーカーであるAB InBevは飲用するというよりお湯で茹でるタイプの液体を作るための体制を整えている。

その場合、卵が孵化するかどうかは未来の消費者であるあなた次第だ。

「当初からClaraは世界の非動物性タンパク質へのトランジッションを加速させることをミッションとしてきました。まずは卵から始めています。毎年1兆個超の卵が世界で消費されていて、企業の放し飼いの約束は十分ではありません」とClara Foodsの創業者でCEOのArturo Elizondo(アルトゥーロ・エリゾンド)氏は話した。「地球に優しく、よりおいしい未来の実現に向けて協業するために、世界最大の発酵の会社と提携することに興奮しています。この提携は当社のビジョンの実現に向け大きなステップです」。

2020年の代替タンパク質への投資規模の拡大を示すグラフ。2019年から2020年にかけて代替タンパク質への投資は10億ドル(約1080億円)から30億ドル(約3240億円)に急増し、中でも植物性タンパク質の製品への投資が大半を占めた(画像クレジット:Good Food Institute)

提携はマーケット主導という理由がある。両社が引用した研究によると、高品質タンパク質への需要は2050年までに98%増えると予想されている。

「増大する食料需要に応えるには、新旧のいくつかの産業にまたがるコラボレーションとイノベーションの上に構築された画期的なソリューションを必要とします。昔ながらの自然な発酵プロセスは、グローバルの食料システムにおける未来の需要に応えるのをサポートするために、さらに利用することができます」とBioBrewの創業者でCEOのPatrick O’Riordan(パトリック・オリオーダン)氏は述べた。BioBrewはビール以外のものに大規模の発酵と下流処理の専門性を応用しようとしているZX Venturesの新規事業だ。「スケーラブルで持続可能、そして採算の合う方法でClara Foodsとともに高機能な非動物性タンパク質開発を開拓するのを楽しみにしています」。

一方、似たようなことがセントルイスでも起こっている。そこではシリアル大企業のPostもさまざまな代替肉を作っているスタートアップHungry Planetに投資している。

Kellogg(ケロッグ)のシリアル帝国を立ち上げたのと同じ植物ベースの食料と精神的核となるものとしての健康にフォーカスしているセブンスデー・アドベンチスト(安息日再臨派)によって組織されたPostは長らく、グレープナッツシリアルや他の穀物ベースの朝食の商品でコーンフレーク大企業のライバルだった。

そして今、PostはHungry Planetの2500万ドル(約27億円)の投資をリードした。Hungry Planetはクラブケーキ、ラム肉バーガー、鶏肉、豚肉、牛肉の肉ベースの代替品の提供を目指している。その他の投資家にはシンガポール拠点の環境に配慮したホールディングカンパーニーTrirecがある。

業界の動向を追跡しているGood Food Instituteによると、代替タンパク質はビッグビジネスだ。2020年、タンパク質の代替ソースのテクノロジー開発を手がけている企業や商業化している企業は30億ドル(約3240億円)超を調達した。

「2020年に代替タンパク質産業は前年よりもかなり多くの資金を調達し、レジリエンスだけでなく加速を示しました」とGFI法人エンゲージメントのディレクターであるCaroline Bushnell(キャロライン・ブッシュネル)氏は声明で述べた。「こうした資金流入と今後まだ行われる資金調達は、かなり必要とされているR&Dと、これらの企業がスケール展開してより多くの消費者に美味しくて手頃な値段、そして入手しやすい代替タンパク質の製品を提供できるようにする生産能力の構築を促進するでしょう」。

これは、森林破壊を止め、畜産関連の温室効果ガスの排出を減らすために、これまでよりも植物ベースの代替品を動物性タンパク質にもたらそうとする動きの一環だ。

「人類は我々が抱える問題の規模と緊急性に対応するソリューションを必要としています」とエリゾンド氏は述べた。

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するDAIZは4月19日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による総額18億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、味の素、丸紅、ENEOSホールディングスなど事業会社7社との資本業務提携と、三菱UFJキャピタル、農林中央金庫、三井住友海上キャピタルなどの金融投資家9社。累計資本調達額は30億5000万円となった。植物肉スタートアップとしては国内最大の資金調達となる。

シリーズBラウンドの引受先の概要

  • 資本業務提携先(7社):味の素、丸紅、日鉄物産、兼松・兼松食品、ENEOSイノベーションパートナーズ、きちりホールディングス
  • 金融投資家(9社):MSIVC2020V投資事業有限責任組合(三井住友海上キャピタル)、
    農林中央金庫、グローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合(グローバル・ブレイン)、食の未来1号投資事業有限責任組合(kemuri ventures)、三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合(三菱UFJキャピタル、追加投資)、Golden Asia Fund Ⅱ, L.P.(Golden Asia Fund Ventures)、QB第一号投資事業有限責任組合(QBキャピタル、追加投資)、投資事業有限責任組合しんきんの翼(信金キャピタル)、KIRIN HEALTH INNOVATION FUND(グローバル・ブレイン)

シリーズBラウンドにおいて調達した資金は、ミラクルミートの生産体制の拡大と研究開発(R&D)の強化、グローバルでの事業展開、成長を支える人材採用などにあて、さらなる事業基盤の拡充を図る。生産体制の拡大として、工場の増床により2021年6月からミラクルミートは年間4000トンの生産キャパシティとなる予定という。また、DAIZは今後も積極的に大手事業会社との提携を進める予定としている。

また味の素、ニチレイフーズとは、ミラクルミートを原料とした家庭用・業務用商品の共同開発を行う。丸紅、日鉄物産、兼松・兼松食品とは、商社のネットワークを通じてミラクルミートの国内外への販路拡大を推進する。

CO2排出削減に資する事業の創出を目指すENEOSホールディングスとは、従来の食肉や脱脂大豆由来の植物肉と比べて環境負荷が小さいミラクルミートの普及を通じ、低炭素社会の実現を目指す。

DAIZは、2019年12月より本格的に植物肉「ミラクルミート」の事業を展開。この1年余りでは、大手のハンバーガーチェーンやスーパーマーケット、食品メーカー、飲食店において「ミラクルミート」の採用が進んでいる。フレッシュネスバーガーなどのハンバーガーチェーンを通じて、おいしい植物肉メニューを気軽に食べられるようになり、イオンやライフなどのスーパーマーケットでの発売やニチレイフーズブランドの商品にも導入されている。

植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」

これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、「味と食感に残る違和感」「大豆特有の青臭さや油臭さ」「肉に見劣りする機能性(栄養価)」といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていたという。

これに対してDAIZの植物肉は、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉の開発に成功している。

また、味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号)で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大。発芽大豆は、水を加えながら高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌などを行うエクストルーダー(押出成形機)にかけ、膨化成形技術により肉のような弾力・食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉(ミラクルミート)を製造しているという。

発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があるとしている。

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マッシュルームでできた栄養価の高い代替肉をMeatiが2021年夏から展開

菌糸体(真菌類の構造繊維)を消費者向けの健康的な代替肉に変えるMeati(ミーティ)は2021年夏からの大々的な展開に向け準備中だ。

共同創業者のTyler Huggins(タイラー・ハギンズ)氏は、米国各地の選ばれたレストランにホールカットステーキと鶏肉プロダクトのサンプルを、初の商品であるジャーキーとともに提供することを予定している。

ハギンズ氏にとってプロダクトの立ち上げは、従来の肉より優れた代替物として機能性菌類食品を商業分野で幅広く受け入れられるようにする、長い道のりにおける1歩だ。

「これを会話の始まりに使いましょう。2オンス(約56グラム)であなたが毎日摂取すべきタンパク質の50%、食物繊維の50%、亜鉛の半分が摂れます。栄養という点でこのプロダクトに匹敵するものはありません」とハギンズ氏は話した。

そして肉からマッシュルームへの移行も地球にとっては良いものだ。

Meatiは今夏、試験プラントを稼働させ、Perfect Dayのミルク代替品、Atlastの肉代替品、EcovativeMycoWorksの革代替品など、マッシュルームを活用する一連の動きに加わる。

菌糸体を活用したプロダクトをマーケットに持ち込もうとしている他のテック企業について「私たちは間違いなく同じ動きをとっています」とハギンズ氏は述べた。

しかしながら、すべての菌糸体が同じように作られているわけではない、と同氏は指摘した。ハギンズ氏がユニークと言った、「最もハッピーな状態にキープして」菌を成長させる方法をMeatiは持っている、と同氏は話した。同社によると、それは最高の栄養価と最高の成長効率を意味する。

両親がバイソン牧場を所有し、畜牛地帯で育ったハギンズ氏にとって、目標はTボーンやリブアイに取って代わるのではなく、高級ブリトーや他の迅速にサーブする肉の切り身に使う肉や鶏肉とすることだ。

バインミーに使われているMeatiマッシュルームミート(画像クレジット:Meati)

「同じ種のカット肉に対して、我々は勝ちます。挑むための時間をいま稼いでいます。超高級路線でいこうとは思っていません」とハギンズ氏は話した。

同社の投資家のキャップテーブルにはかなり勇足の料理会社がすでに含まれている。Barack Obama(バラク・オバマ)元大統領の栄養政策担当上級顧問、Michelle Obama(ミッシェル・オバマ)夫人の「Let’s Move!」キャンペーンのエグゼクティブディレクターを務めたSam Kass(サム・カス)氏で知られるAcre Venture Partnersや、シカゴの高級料理店Alineaもそうだ。

しかしハギンズ氏はMeatiが日々使う代替肉となることを望んでいる。「これは毎日のタンパク質だと人々が思うようになって欲しいのです」と述べた。

Meatiは未来の代替肉が従来の牛肉や鶏肉と価格的に競争力を持つと考えているが、消費者の食欲を刺激するために同社はまずジャーキーから始める。

「Meatiのおいしいジャーキーは白紙のキャンバスです。当社はビーフジャーキーのような味をつけて提供を始めます。しかし、展開を初めてすぐに菌糸体のジャーキーだと言おうと思います」とハギンズ氏は話した。

同社は現在、ハギンズ氏と共同創業者のJustin Whiteley(ジャスティン・ホワイトリー)氏が30人のスタッフを率いている。創業者2人は当初、バッテリー代替品としてMeatiに取り組み始めた。調査に基づき(ハギンズ氏が菌糸体、ホワイトリー氏が高度なバッテリーを担当)、2人はリチウムイオンバッテリーのための菌糸体ベースの電極で助成金を受け取った。

「我々はより良いバッテリーを作るために菌糸体の化学組織を微調整しようとしていました。そして何か栄養価があり、食べることができるものを作っていることに我々は気づいたのです」とハギンズ氏は話した。

また、バッテリー会社はそれを欲しなかった。

Acre、Prelude Ventures、Congruent Ventures、Tao Capitalから調達した2800万ドル(約30億円)を手に、Meatiは市場参入する準備ができている。また、同社は菌糸体を育てる施設の広大なネットワークを構築するために借入資金へのアクセスも持っている。TrinityとSilicon Valley Bankから1800万ドル(約19億円)を借り入れたばかりだ。

「2年前、この業界のほとんどの企業には、施設を建てるために借金する能力はありませんでした。VCから資金を調達できることができ、そして負債による資金調達をするだけのマーケットがあることを考えたとき、フードテック業界にいられるのはエキサイティングです。これまで以上に開発は急展開するはずです」とハギンズ氏は話した。

Meatiの共同創業者であるタイラー・ハギンズ氏とジャスティン・ホワイトリー氏(画像クレジット:Meati)

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

植物性由来肉のBeyond Meatが中国に初の生産工場を開設

Beyond Meatがスターバックスのメニューとして中国でデビューしてから約1年、カリフォルニアの植物ベースのタンパク質企業は上海近くに生産施設を開設し、中国のサプライチェーン資源を活用し、製品の二酸化炭素排出量を削減する可能性を求めて、上海近郊に生産施設を開設した。

上海から85km離れた嘉興市に位置するこの工場は、Beyond Meatにとって米国外で初めてのエンド・ツー・エンドの製造施設になるとNASDAQに上場している同社は、米国時間4月7日の発表で述べた。

この1年で、Beyond MeatやEat Justなどの外国企業の進出に加えて、Hey MaetやStarfieldなどの国内スタートアップへの資本注入が相次ぎ、中国の代替タンパク質市場における競争は激化した。

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Beyond Meatは、競走を恐れていない。中国の代替タンパク質業界に関するTechCrunchの記事に感想を求められた同社代表者は「Beyond Meatが競合他社について考慮していることは何もない」と述べている。

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中国には食肉代替製品に対する巨大でまだ満たされていない市場があるだけでなく、中国自身が植物性タンパク質の主要なサプライヤーでもある。中国の食肉代替製品のスタートアップは最初から原価の有利性を享受し、また増加するミドルクラスの味覚をより反映した消費者製品の支援を競う投資家たちの関心にも事欠かない。

そのため中国に何らかの製造施設を持つことは、中国市場に真剣に取り組んでいる外国勢にとってほとんど必須の前提条件だ。以前、Teslaは安い電気自動車を提供するために上海にGigafactoryを作った。生産の地域化はまた、サプライチェーンの短縮により企業の持続可能性目標の達成を助ける。

Beyond Meat自身の言葉によると、嘉興の工場は中国国内の生産と流通を迅速させ、かつ大規模化できるだけでなく、Beyond Meatの原価構造と事業の持続可能性を改善するという。

この米国のフードテック大手はローカライゼーションに真剣で、中国では同社の旗艦製品であるバーガーのパティと豚挽肉の模造製品を販売するが、後者は世界最大の豚肉消費国向けに特別に製造されている。大豆と米を主原料とする豚挽肉もどきはさまざまな中国料理に使用でき、同社の上海とロサンゼルスのチームのコラボレーションの成果でもある。

嘉興の工場は製造だけでなく、中国市場向けの新製品の研究開発も行う。またBeyond Meatは2021年、ヨーロッパ初となる自社生産工場も設ける。

Beyond Meatの創業者でCEOのEthan Brown(イーサン・ブラウン)氏は「中国には長期的な成長を期待する地域としての本格的な投資を行う」と述べている。「この新しい製造施設は、私たちが中国の消費者に人間と地球の両方にとって良い植物由来のおいしいタンパク質を届けようと努力することによって、価格と持続可能性の両方を目標に近づける役割を果たすでしょう」。

Beyond Meatの製品は中国主要都市のスターバックスやKFC、AlibabaのスーパーマーケットであるHema、およびその他の小売店で販売されている。

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タグ:Beyond Meat中国植物由来肉タンパク質

画像クレジット:Beyond Meat China

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

いくつもの植物性食品ブランドを抱えるLIVEKINDLYが約369億円調達

植物性食品のブランドを複数抱える、テレビコマーシャルが賑やかなLIVEKINDLY Collectiveがこのほど、1030億ドル(約11兆3545億円)のファンドを抱える投資企業TPGキャピタルのグローバルインパクト投資部門から、最新の投資ラウンドで3億3500万ドル(約369億円)を調達した。

この資金調達は、投資家たちが今でも植物性食品のブランドに相当期待していることの証であり、食品企業への投資といえば、メディア上ではBeyond MeatやImpossibleなどの新人、それにQuornやKelloggsのMorningstarといった古顔の再起が目立つが、多様なブランドへの投資家たちの旺盛な食欲は衰えていない。

LIVEKINDLYは、Unilever North Americaの元社長Kees Kruythoff(キース・クルイトフ)氏や、Blue Horizonの創業者Roger Lienhard(ロジャー・リエンハルト)氏、LIVEKINDLY MediaのCEOで創業者のJodi Monelleジョディ・モネル氏といった食品業界の大物たちが創業した。またチームには、Unileverの元社員であるMick Van Ettinger(ミック・ヴァン・エッティンガー)氏や元Nestléの社員Aldo Uva(アルド・ウバ)氏ら、食品産業のベテランたちが揃っている。

LIVEKINDLY Collectiveはさまざまなベジタリアンや代替たんぱく質食品のブランドを投資の傘下に集めた企業であり、今や最大の植物性食品の企業の1つとなっている。

同社によると、今回の資金は米国内と中国における市場拡大と、植物性食品企業の今後のさらなる買収やパートナーシップ、そして投資に充てられるという。

同社は以前、S2G Venturesとオランダの大きな金融サービス企業Rabobankの投資部門であるRabo Corporate Investmentsから資金を調達している。

LIVEKINDLYの創業を支えた投資家たちは基本的に、テクノロジーはその成熟までの道のりが長いと考えている。そして同社の最新のラウンドは、LIVEKINDLYの上場前の最後の非公開投資だとも考えている。

Blue Horizonの創業者で会長、そしてLIVEKINDLY Collectiveの創業者でもあるロジャー・リエンハルト氏は次にように語っている。「私たちは植物性代替食品のグローバルな専業企業を作りつつある。それが食品の未来だと信じているからだ。わずか1年で大きな資本を調達できたが、それは弊社のミッションの緊急性と、それが表している大きな投資機会を証明している。植物をベースとするライフスタイルの勢いは、非公開と公開、両方のマーケットで成長を続けるだろう」。

今回の投資の一環として、The Rise Fundの共同マネージングパートナーのSteve Ellis(スティーブ・エリス)氏がLIVEKINDLY Collectiveの取締役会に、2021年3月1日付で加わる。

「LIVEKINDLY Collectiveとその革新的な企業群のエコシステム、そして健康で植物性でクリーンラベル 食品に対するグローバルな需要に応える世界クラスのリーダーたちと一緒に仕事ができることにワクワクしている。同社のユニークなミッションにプッシュされたモデルは、種子から食卓までのバリューチェーンの全体に浸透し、植物性代替食品の世界的な採用を推進し、より健康な惑星作りに貢献している」とエリス氏は語る。

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画像クレジット:LIVEKINDLY Collective under a LIVEKINDLY Collective license.

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hiroshi Iwatani)

代替肉をおいしくする非動物性脂肪をNourish Ingredientsが開発

植物ベースの代替肉は、Beyond Meatのような新興企業が突然登場して以来、10年以上にわたって投資家から莫大な資金、そして消費者の注目を集めてきた。

これら新興企業は何十億ドル(何千億円)もの資金を調達し、不快な環境ダメージを与えることなく肉のような味の肉を世界中のスーパーマーケットの棚やレストランに持ってこようとしていて、今や少なくとも2000億ドル(約21兆8590億円)規模の産業となっている。

植物ベース食品への切り替えは、温室効果ガスを抑制するのにおそらく個人レベルで最も貢献できるものだろう(電気自動車の購入や屋根へのソーラーパネル設置をせずに)。

業界に付きまとっている問題は、スタートアップがこれまでよりも良いタンパク質や、Impossible FoodsのHemeのような新しい添加剤を作ることでどれだけ進歩を遂げても、代替肉の味と実際の肉の味の間にまだかなり大きな隔たりがあることだ。今日では、代替肉の企業は脂肪としてパーム油やココナッツ油に頼っている。

Nourish Ingredients(ノーリッシュ・イングリーディエンツ)を紹介しよう。同社はタンパク質ではなく、肉をおいしくする脂肪にフォーカスしている。脂肪なしに、本当に美味しいベーコンはありえない。同じく、脂肪なしに見事な霜降りステーキの代替もありえない。

オーストラリア拠点のThe Canberraは、香港の富豪Li Ka-shing(レイ・カーセン)氏が出資しているHorizons Ventures、オーストラリアの国立科学機関が設立した投資会社のMain Sequence Ventures、Commonwealth Scientific、そしてIndustrial Research Organisationから1100万ドル(約12億円)を調達した。

The CanberraはNourish Ingredientsの2人の共同創業者、James Petrie (ジェームズ・ペトリー)氏とBen Leita(ベン・レイタ)氏がサイエンティストとして働いていた2013年に出会った場所だ。作物開発が専門のペトリー氏はオメガ3キャノーラ油の開発の先頭に立っていた。一方のレイタ氏は化学とバイオプラスチックのキャリアを持っていた。

2人は以前、植物でオイル生産を増やそうと試みていた企業で働いていた。CSROが2017年ごろ特に興味を持っていた分野だ。代替肉のマーケットが立ち上がろうとしていたとき、2人の起業家は動物性脂肪の命題に取り組むことに注意を向けた。

「人々に話をしているときに、こうした代替食品分野は植物のような動物性脂肪を必要とするだろう、ということに気づきました」とレイタ氏は話した。「魚油のための、そしてキャノーラ油からのスキルセットを使うことができるかもしれません」。

Nourishの発明は、植物からバクテリアへの移行だった。「反復速度が速く、誤魔化しているかのような感覚です」とペトリー氏は述べた。「商品のコストをかなり下げることができます」。

Nourish Ingredientsは、トリグリセリドや脂質を大量に作るバクテリアや微生物を使っている。「ヤロウイアも含まれます。テーラードの油の生産に使われているものもあります。当社はこれらの油脂性生物を調整して、素晴らしい味と経験を与えてくれる動物性脂肪を作ることができます」とペトリー氏は説明した。

両氏が指摘したように、味のために脂肪は本当に重要だ。異なる肉を異なるものにするという点で主な差別化要因だと両氏は話した。

「牛は牛脂を作ります。それが牛です。しかしそれが必ずしも植物性タンパク質にとってベストな脂肪ということではありせん」とペトリー氏は述べた。「我々は模倣から始めます。元の生物に取り組まない理由はありません。我々は新しいエクスペリエンスを作ろうとしています。手に入れる新たなエクスペリエンスがあります」。

Nourish Ingredientsは、植物と組み替えタンパク質の生産分野ですでに顧客を数社持っている。現在従業員18人の同社は遺伝子組み換えと、非CRISPR(ゲノム編集)で作られた最適化された脂肪の両方を生産している。

他のスタートアップや既存事業者も新しいマーケットへの参入を可能にするかもしれないテクノロジーを持っている。たとえば現在コラーゲンに注力しているGeltor、さまざまなバイオベースの油や化学薬品をつくっているSolazymeなどがある。

「代替プロテイン分野における活発な投資家と同様、我々は従来の肉、鶏肉、魚肉製品の味を再現する非動物性脂肪は産業における次の突破口だと理解しています」とMain Sequence VenturesのパートナーであるPhil Morle(フィル・モール)氏は話した。「Nourishはどうやって持続可能で驚くほど美味しくできるか、その方法を発見しました。アーリーステージでNourishに加わることができてこの上なく幸せです」。

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

スイスの代替肉メーカーPlantedが製品の多様化と市場拡大に向けシリーズAで約19.8億円を調達

植物性の代替チキンの製法を独自に追求しているスタートアップ企業のPlanted(プランテッド)は、提供する製品と国際的な市場を拡大するため、シリーズAラウンドで1700万スイスフラン(約19億8000万円)の資金を調達した。ケバブやプルドポークの人工肉を製造しており、カットステーキのような代替肉も(文字どおり)開発中であることから、Plantedは中央ヨーロッパ以外の地域にも視野を広げ始めている。

同社はスイス連邦工科大学チューリッヒ校からのスピンアウトで2019年に設立。代替チキンの製法で成功を収めているが、それに留まることなく、他の代替肉の開発も続けている。同社の代替チキンの製法では、えんどう豆由来タンパク質とえんどう豆の繊維を押し出し成型して、鶏肉の繊維状構造をほぼ1:1で再現しているが、このアプローチは異なるスタイルや食材にも適応できることが証明されている。

「農業的にも食事的にも多様性があるため、私たちはさまざまなタンパク質を使用することを目指しています」と、共同設立者のChristoph Jenny(クリストフ・ジェニー)氏は語っている。

画像クレジット:Planted

「例えば当社で新しく発売した planted.pulled(プランテッド・プルド)はヒマワリ、オート麦、黄エンドウ豆のタンパク質で構成されており、構造も味も、鶏肉ではなく、プルドポークのように変わりました。ヒマワリのタンパク質ですばらしいところは、ヒマワリ油の生産から再利用することです。私たちは循環型経済のアプローチを確立しています」。

筆者が最初にPlantedについて書いたとき、その製品はほんのひと握りのレストランや食料品店で流通しているだけだった。現在ではスイス、ドイツ、オーストリアの3000以上の小売店で販売されており、レストランやフードサービスとも提携している。この強力な(いわば)有機的成長と、代替肉の全般的な市場が拡がっていることは疑いの余地もなく、これによって資金調達が以前と比べて楽になったことは確かだ。

今回調達した資金は、この段階にある企業に期待されるように、研究開発とさらなる発展に充てられる予定だ。

「この資金は、当社の技術の蓄積を拡大し、現在実験室規模で製造しているプライムカットステーキを商品化するために使われます」と、ジェニー氏は述べている。「製造面では、国際市場からの需要増に対応するため、現在の1時間あたり半トンの生産能力を大幅に増強し、まずは近隣諸国から、さらに欧州や海外へと拡大していきたいと考えています」。

画像クレジット:Planted

「私たちは、構造化と発酵のプラットフォームにさらに投資していきます。構造化技術と天然微生物の生化学的な働きを組み合わせることで、クリーンでナチュラル、健康的で美味しい、変革的な特性を備えた究極の新製品を生み出すことができます」と、共同設立者のLukas Böni(ルーカス・ベーニ)氏はプレスリリースで語っている。

これらのすべてが、価格を下げることにも役立つことは間違いない。それは同社の設立当初からの目標だったが、生産・販売の規模が拡大することによってのみ可能になることだ。

この分野では他の企業も資金を調達し(ちなみに、かなり大きな金額に上る)、市場を拡げているため、競争は熾烈になるだろう。

しかし、Plantedは一般的に製法が知られていない種類の代替肉に関しても、独自の知見を持っているように思われる。少なくとも米国では、代替肉といえばソーセージ、挽いた「牛肉」、そして「チキン」ナゲットが主な形状だ。

Plantedの製品が米国の食卓に並ぶのはいつになるのか、まだ言及されていないものの、ジェニー氏のいう「海外」は、少なくともそれが遠くない可能性を示唆している。

今回の資金調達ラウンドは、Vorwerk Ventures(フォアベルク・ベンチャーズ)とBlue Horizon Ventures(ブルー・ホライゾン・ベンチャーズ)が共同で主導し、スイスのサッカー選手であるYann Sommer(ヤン・ゾマー)氏や、従来の投資家がいくつか参加した。

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画像クレジット:Planted

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

シンガポールの植物由来肉スタートアップNext Genがシード投資10.6億円を調達

シンガポールは、代替肉の開発を支援する政府の取り組みなどもあり、急速にフードテックスタートアップの拠点となりつつある。そこに参入した新興企業の中にNext Gen(ネクスト・ジェン)がある。同社は2021年3月、シンガポール国内のレストランに向けて、植物由来「チキン」のブランドTiNDLE(ティンドル)を立ち上げる。また同社は米国時間2月24日、1000万ドル(約10億6000万円)の資金調達を発表した。このシード投資ラウンドに参加したのはTemasek、K3 Ventures、EDB New Ventures(シンガポール経済開発庁の投資部門)、NX-Food、FEBE Ventures、Blue Horizonとなっている。

Next Genは、PitchBookの調査データをもとに、これは植物由来食品技術の企業が調達したシードラウンドの中で最大の投資額だと主張している。同社が外部から投資を受けたのはこれが初めてながら、当初の目標額700万ドル(約7億4200万円)を上回った。Next Genは2020年10月、Timo Recker(ティモ・レッカー)氏とAndre Menezes(アンドレ・メネゼス)氏によって、資本金220万ドル(約2億3300万円)で創設された。

Next Genの最初の製品は、TiNDLE Thy(ティンドル・サイ)という鶏もも肉の代替品だ。材料は水、大豆、麦、オート麦繊維、ココナッツ油、結着剤のメチルセルロースなどとなっているが、チキンの風味は、ひまわり油などの植物油と天然の香味料で作られ、鶏肉と同じように調理できる。

Next Genの最高執行責任者メネゼス氏がTechCrunchに話したところによると、同社の目標は、Impossible(インポッシブル)やBeyond(ビヨンド)が植物由来ハンバーガーのリーダーであるように、植物由来チキンの世界的なリーダーになることだそうだ。

「消費者も料理人も、鶏肉の食感、味、香りを求めます。その多くは鶏肉の脂によるものです。私たちが胸肉ではなく、もも肉でスタートしたのはそのためです」とメネゼス氏。「私たちは、Lipi(リピ)というブレンドで鶏の脂を作りました。香りと、焼いたときに茶色くなるところを再現しています」。

レッカー氏もメネゼス氏も、食品業界での長い経験を持つ。レッカー氏はドイツで植物由来の代替肉を作る企業LileMeat(ライクミート)を創設している。2020年この会社はLIVEKINDLY Collective(ライブカインドリー・コレクティブ)に買収された。メネゼス氏の食品産業でのキャリアはブラジルで始まった。世界最大級の鶏肉輸出国だ。彼は革新的で持続可能な製品を中心的に輸入と流通を行うシンガポールの会社Country Foods(カントリー・フーズ)でゼネラルマネージャーを務めた後、植物由来代替肉の会社で働き始めた。

「かなりの長期間を食肉産業で過ごしてきた私は、長い目で見たらそこは持続可能な業界ではないと悟ったのです」とメネゼス氏はいう。

この数年間、同じように感じる消費者が増えきたことを受けて、彼は動物由来食品に代わるものを探し始めた。UBSは、人々はビーガンや菜食主義者でなくても、より健康的で人道的なタンパク源を好むようになり、2025年には世界の植物性タンパク質市場の複合年間成長率は30パーセント以上となり、500億ドル(約5兆3000億円)規模になると予測している

特にミレニアル世代とZ世代の消費者は、畜産業による環境への影響の意識の高まりから、肉、卵、乳製品の消費を減らしたいと考えるようになっている。「彼らは食品ごとの持続可能性と、コレステロールや栄養価といった健康面をよくわかっています」。

ナトリウムと飽和脂肪が少ないTiNDLE Thyは、シンガポール健康促進局のHealthier Choice Symbol(健康的な選択マーク)を授与されている。Next Genが今回調達した資金は、TiNDLE Thyのローンチに役立てられる。最初は、シンガポールの人気レストランThree Buns Quayside、the Prive Group、28 HongKong Street、Bayswater Kitchen、The Goodburgerに製品が提供される。

1〜2年後には、Next GenはシリーズA投資ラウンドを立ち上げ、ブランドや製品を増やし、ターゲットとする市場も、米国(現在流通ネットワーク構築のための成長担当ディレクターを募集中)、中国、ブラジル、ヨーロッパへと拡大していく予定だ。レストランと共同で事業を展開した後は、Next Genは家庭向けにも製品を販売する計画を立てている。

「最初に料理人に提供する理由は、彼らは大変に厳しい評価を下すからです。もし料理人がこの製品に満足できたなら、消費者も喜んでくれると確信できます」とメネゼス氏は話していた。

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画像クレジット:TiNDLE/Next Gen

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(文:Catherine Shu、翻訳:金井哲夫)

植物性タンパクの代替肉をハンバーガーからステーキへと移行させるRedefine Meat

現在入手可能なハンバーガーに近い代替肉よりも、牛肉の切り身に近い植物性タンパク質を製造するプロセスを開発したイスラエルのスタートアップRedefine Meatは、アジアの一流食品ブランドの一つの投資部門から大きなお墨付きを得た。

同社はこのたび、代々続く香港の調味料大手であるLee Kum Kee(李錦記)の創業者一族の富に支えられた投資部門Happiness Capitalと、ニューヨークとイスラエルのスタートアップを支援する投資会社であるHanaco Venturesから、2900万ドル(約30億7000万)の資金を調達した。

PepsiCo(ペプシコ)からマクドナルドまで、あらゆる企業と提携しているBeyond Meat(ビヨンド・ミート)や、バーガーキングでも植物ベースのフェイクミートを展開しているImpossible Foodsのような企業の台頭によって、投資家は植物由来の食品業界に押し寄せてきた。

これらの企業は味覚を満足させる植物性のパテを完成させてきたが、リブロース、サーロイン、ランプステーキの形で、エンドウ豆のタンパク質を大きく切り刻むことは、これらの企業が商業的な製品を提供する上での技術的なハードルとして、まだ克服できていない。

Redefine Meatは、自社の製造プロセスが植物由来ステーキの処方に関するコードを解読したと考えている。

取り組んでいるのは彼らだけではない。バルセロナでは、Novameatというスタートアップが今年初め、植物由来のステーキを独自に開発するために約30万ドル(約3200万円)の資金を調達した。同社はスペイン産業技術開発センターのNEOTECプログラムから資金を調達した。

両社は3Dプリント技術を使い、Beyond MeatやImpossible Foodsのような企業が市場に出してきたパテやミートボール、ひき肉に近づけようとするのではなく、ステーキの味や食感を模倣した肉の代替品を作ろうとしている。

Losa Group、Sake Bosch、K3 Venturesを含む多くの投資家が、Redefine Meatの市場への道を支援している。

同社は、今回の資金調達をポートフォリオの拡大と製品の商業的な立ち上げをサポートするために活用すると述べている。また、年内に3Dプリンターの大規模生産施設を稼働させることを目指していると、同社は声明で述べている。

Redefine Meatは2021年1月には、イスラエルのディストリビューターであるBest Meisterとの戦略的合意を発表した。現在の従業員数は約40名で、スタッフの拡大を図っている。

同社CEOのEschar Ben-Shitrit(エシャール・ベン・シトリト)氏はこう語った。「当社は、美味しい肉は動物からしか得られないという観念を変えたいと思っています。高品質の食肉製品、世界中のステークホルダーとの戦略的パートナーシップ、建設中の大規模なパイロットライン、今年後半には食肉流通業界に導入される初の産業用3D代替肉プリンターなど、我々はこれを実現するためのすべての要素を備えています」。

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カテゴリー:フードテック
タグ:代替肉 / 植物由来肉

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nakazato)

微生物発酵技術で作られた代替肉をNature’s Fyndが米国で販売開始

イエローストーン国立公園の原野で発見された微生物から生み出した新しい食品を提供するフードテクノロジー企業Nature’s Fynd(ネイチャーズ・ファインド)は、同社初となる製品の予約販売を開始した。

乳製品ではないクリームチーズや、動物の肉を使わない朝食用パテを売りにしているNature’s Fyndは、Al Gore(アル・ゴア)氏のGeneration Investment Management(ジェネレーション・インベストメント・マネジメント)や、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏が出資する投資ファンドであるBreakthrough Energy Ventures(ブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズ)などの本格的な投資家を引きつけることに成功している。同社は前回の最終ラウンドの資金調達で8000万ドル(約84億4000万円)を調達した。

最近ではさまざまなバクテリアや菌類、植物を使って肉の代替品を作る革新的な製品が続々登場している。Nature’s Fyndはその波に乗る企業の1つだ。2020年、代替肉を開発している企業に投資された額は合計で10億ドル(約1055億円)を超えた。投資家はこの業界への関与を緩める気配がない。

従来の朝食製品に代わる、動物性を含まず遺伝子組み換えでないFy Breakfast Bundle(ファイ・ブレックファスト・バンドル)の発売は、市場参入を目指すNature’s Fyndによる最初の商業的な試みとなる。

同社によると、この限定発売のバンドルは14.99ドル(約1580円)+送料で販売され、米国の48州で購入できるという。

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Nature’s Fyndの製品は、同社の主任科学者がイエローストーン国立公園周辺の微生物を調査中に発見したバクテリアを利用する発酵技術を用いて作成したものである。

Nature’s Fyndは、発見した微生物の回復力と効率性を高く評価しており、従来の畜産に必要な土地、水、エネルギー資源のごく一部のみを利用し、より持続可能な生産プロセスを実現するという。

「私たちは、より少ない資源でより多くのことを行う方法が見つかると考える楽観主義です。当社の革新的な液体・空気表面発酵技術を用いて、人々の身体に栄養を与え、来たるべき世代のために地球を育む持続可能な食品の数々を生み出しています。私たちは今回、初めての製品となるFy Breakfast Bundleを限定発売することで、この旅のスタート地点に立つことができ、本当に興奮しています」と、Nature’s FyndのThomas Jonas(トーマス・ジョナス)CEOは述べている。「私たちは消費者を徹底的に調査してきました。あらゆる場面でおいしい肉や乳製品の代替品を提供するFy Breakfast Bundle独自の汎用性が消費者に強くアピールすることはわかっています」。

Nature’s Fyndのトーマス・ジョナスCEO

カテゴリー:フードテック
タグ:Nature’s Fynd代替肉資金調達

画像クレジット:Nature’s Fynd

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ネクストミーツの「フェイクミート」が「焼肉ライク」のデリバリー専用焼肉弁当に採用

ネクストミーツの「フェイクミート」が「焼肉ライク」のデリバリー専用焼肉弁当に採用

「焼肉のファストフード」をコンセプトにした「焼肉ライク」は1月15日、全店舗で展開中の大豆を用いた焼肉用の代替肉をデリバリー限定商品(Uber Eats、出前館、menu、wolt)としても販売すると発表した。

ソイ焼肉弁当:税込1080円(サラダはつかない)

ソイ焼肉弁当:税込1080円(サラダはつかない)

ソイ焼肉サラダ(NEXTカルビ&NEXTハラミ):税込1290円(ごはんはつかない)

ソイ焼肉サラダ(NEXTカルビ&NEXTハラミ):税込1290円(ごはんはつかない)

  • ソイ焼肉弁当:税込1080円(サラダはつかない)
  • ソイ焼肉サラダ(NEXTカルビ&NEXTハラミ):税込1290円(ごはんはつかない)
  • ソイ焼肉サラダ(NEXTカルビ):税込950円(ごはんはつかない)
  • ソイ焼肉サラダ(NEXTハラミ):税込950円(ごはんはつかない)
  • トッピングソイ焼肉カルビ50g:税込410円(サラダはつかない)

焼肉ライクは、2020年10月の渋谷宇田川町店を皮切りに、焼肉用代替肉(フェイクミート)の「NEXTカルビ」と「NEXTハラミ」を販売。想定以上の反響を受け、2020年12月から全店舗(2021年1月15日時点で国内50店舗)で展開しているという。ヴィーガンの方や健康志向の方など、多くの方から支持を得ている人気商品となっているそうだ。

これを受けて同社は、店頭やおうちでも選択肢が増えればと考え、デリバリー販売に至ったという。また、通常の焼肉弁当にトッピングで追加して、フェイクとリアルの食べ比べを楽しむこともできるとした。

なおこの焼肉用代替肉は、ネクストミーツが開発したもの。植物性タンパク質(大豆)を原料としたプラントベース食品で、一般的な焼肉と比べると脂質が半分以下で、タンパク質は約2倍になるとしている。

実施店舗

  • 東京都:赤坂見附店/田町芝浦店/渋谷宇田川町店/新宿西口店/新宿南口店/五反田西口店/上野店/神保町店/御茶ノ水店/ 飯田橋店/吉祥寺南口店/東久留米店/立川通り店/八王子楢原店
  • 千葉県:松戸南花島店/船橋ららぽーと前店
  • 神奈川県:海老名さがみ野店/横浜荏田店/平塚四之宮店/相模原若松店
  • 埼玉県:大宮東口店
  • 群馬県:前橋天川店
  • 大阪府:堺東店
  • 京都府:京都河原町蛸薬師店
  • 兵庫県:尼崎店
  • 新潟県:新潟駅前店

2019年4月設立の焼肉ライクは、「1人1台の無煙ロースター」を導入し、自分のペースに合わせて好きな部位を好きなだけ自由に楽しめる焼肉ファストフード店。「1人でも色々な部位を注文できる」「女性1人でもお店に入りやすい」「提供3分以内だから時間に余裕がなくても行ける」といった焼肉の常識を覆す、まったく新しい焼肉の楽しみ方を提供するとしている。2021年1月15日時点で、国内50店舗を展開している。

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カテゴリー:フードテック
タグ:食品(用語)代替肉 / 植物由来肉(用語)ネクストミーツ焼肉ライク日本(国・地域)

タコベルも新メニューでBeyond Meatの代替肉を採用、Beyond株急上昇中

TacoBell(タコベル)がメニューの新しい品目にBeyond Meat(ビヨンド・ミート)の代替肉を採用するというニュースで、Beyond Meatの株価が急上昇中だ。

米国時間1月14日の朝、2022年にテストされる新メニューにBeyond Meatの代替肉を採用するとタコベルが発表した後、Beyond Meatの株価は17.13ドルから13.67%アップして142.48ドルになった

メキシカンファストフードの大手チェーンであるTacoBellは、Yum Brandsのグループ企業だが、これまでベジタリアン向けアイテムの開発を単独で行ってきた。Beyond Meatとの提携は新路線となる。

TacoBellの北米事業担当プレジデントのJulie Felss Masino(ジュリー・フェルス・マシノ)氏は2019年にCNBCの番組でこう述べている

TacoBellは、さまざまなオプションを検討してきました。Beyond MeatともImpossible Foodsとも会いました。我々のイノベーションの責任者はこの分野の全員を知っています。同時に全員が我々を知っています。ともあれ私たちが誇りに思っているのはTacoBellは57年前からベジタリアンフードを提供していることです。

結局、TacoBellは南カリフォルニアのBeyond Meatのプロダクトを最良の代替タンパク質だと決めたようだ。タコベルのグローバル最高食品イノベーション責任者であるLiz Matthews(リズ・マシューズ)氏は、「私たちは長い間、ベジタリアン分野でもリーダーでしたが、2021年は菜食主義者、野菜好きだけでなく普段肉食の人たちにも喜ばれる肉なしのメニューを増やしました」と述べた。

TacoBellの米国におけるメニューには30以上のベジタリアン向けアイテムが掲載されているが、これまで代替肉を使用したものはなかった。ライバルの多くが競って代替肉を使ったメニューを発表している中、この分野におけるTacoBellの出遅れが目立っていた。

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タグ:代替肉 / 植物由来肉TacoBellBeyond Meat

画像クレジットPatrick T. Fallon/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook