カリフォルニア州が2035年までに全新車のゼロ・エミッションを義務化

カリフォルニア州のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事は9月23日に行政命令を発行し、新たに販売される乗用車をすべて2035年までにゼロ・エミッション化することを義務付けた

この命令は電気自動車および水素などの代替燃料を使用する自動車を著しく推進するものであり、カリフォルニア州ですでに活性化している分野がさらに後押しされるだろう。

カリフォルニア州知事室の発表によると、輸送分野はカリフォルニア州の二酸化炭素汚染の半分以上、スモッグ汚染の80%、有毒ディーゼル排気の95%の原因となっている。

「これはわが州が気候変動と戦うために取りうる最も影響力のある手段だ」とニューサム知事は声明で述べた。「数十年もの間、われわれは自動車が自分たちの子供や家族が呼吸する空気を汚すことを許してきた。カリフォルニア州民は自分たちの車が子供たちの喘息を起こさせる心配などすべきではない。自分たちの車が山火事を悪化させ、その結果空気が煙に満ちた日を増やすことなどあってはならない。自動車が氷河を溶かし、海面を上昇させて大切な浜辺や海岸線を脅かすことがあってはならない」。

この命令を受け、カリフォルニア大気資源委員会は販売される乗用車およびトラックの100%を2035年までにゼロ・エミッションにすることを義務付ける法律を制定する。

2035年の目標を設定するで、温室効果ガスの35%削減、および窒素酸化物排出の80%改善が達成される。

同委員会は中型および大型車両についても、可能な場合、2045年までに完全ゼロ・エミッション化する法律も制定する。

命令に基づき、州当局は民間セクターと協力して手頃価格の燃料や充電方法の開発を加速する必要がある。ゼロ・エミッション車の普及拡大も必要になることも声明に書かれている。

ガソリン車を所有しているカリフォルニア州民が車も手放す必要はなく、中古車市場でガソリン車を売ることも規制されない。

この命令によって、カリフォルニア州はすでにガソリン車の廃止を宣言している15カ国に仲間入りすると声明は述べている。

本命令は、ゼロ・エミッション車が化石燃料車よりも安くて良いものになることを前提にしているが、そこには高いハードルがいくつもあり、市場がそこに到達するまでには大きなチャンスもある。

電気自動車と水素燃料自動車のための膨大な数の充電ステーションと燃料ステーションも作る必要がある。高速充電を可能にする新しい充電技術が必要になり、カリフォルニア州当局が要求するアクセシビリティも達成されなくてはならない。

こうしたチャンスのすべてが、スタートアップの心を躍らせることは間違いなく、Tesla(テスラ)に対抗しようとする新しい電気自動車メーカーや充電技術メーカーは、会社価値の急騰をニューサム知事に感謝しなくてはならないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラのシステムが9月23日朝に1時間におよぶネットワーク障害、2要素認証導入に向けた影響か

複数の情報筋によると、Tesla(テスラ)の所有者は9月23日の朝、同社のネットワーク全体に影響を与える停止の影響で、約1時間にわたってテスラ車とそれに付随するアプリからロックアウトされたようだ。

詳しい情報筋によると、その原因はアプリケーション・プログラミング・インターフェース(またはAPI)の内部的な破損によって引き起こされたとのこと。

不具合は、テスラの最高経営責任者であるElon Musk(イーロン・マスク)氏が8月のツイートで「恥ずかしいほど遅れている」と呼んだ新しい2要素認証(2段階認証)のセキュリティ機能の展開に関係している可能性がある。

2要素認証は、パスワードとスマートフォンの携帯電話など複数のデバイスや情報を組み合わせて、本当のアカウント所有者、つまり車の所有者のログインを証明し、ハッカーではないことを確認するために利用される。

しかし一部のウェブサイトでは、テキストメッセージでコードを送信するため、ハッカーはこれらを傍受して不正ログインすることが可能だ。より安全なのは、スマートフォンの電話アプリを介して登録された電話番号にコードを送信することだ。

テスラ車は2018年からピンコード入力が可能になり、所有者に車両を追跡させるGPS機能も搭載されているが、二要素認証がないことが問題となっていた。

テスラのアプリは、オーナーにとって重要なツールであり、車の多くの機能をコントロールできるようになっている。テスラのオーナーは、セキュリティの追加レイヤーとして二要素認証機能を求めている。

電気自動車市場でのテスラの優位性に挑戦するには、より多くのオプションが登場しているため、ますます多くの消費者に自社の電気自動車を選ぶべきだと納得してもらう必要がある。

2021年と2022年には、ほぼすべての価格帯でテスラに対抗する車が続々と発売される予定であり、所有者を長期間ロックアウトすることは、購入希望者に同社の車の購入を説得するにはいい方法とは言えないだろう。

それでも、同社は消費者感情を揺さぶる可能性がある計画を進めている。具体的には、同社が昨日発表したような種類のバッテリーの革新を通じて、その車のコストを削減するために取り組んでいることだ。

イーロン・マスク氏と同社のパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリノ)氏は、さまざまな発表を行った「Battery Day」の記者会見で、最終的には年間10~20TWh(テラワット時)のバッテリー生産を実現する計画と進捗状況を明らかにした。最終的な目標は、2万5000ドル(約260万円)で電気自動車を製造・販売できるほどバッテリーコストを減らすことだ。

テスラには記事公開時までにコメントを求めた、いまのところ回答はない。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

待望の米国デビューを果たしたVW製全電動クロスオーバーID.4を写真で堪能

VW(フォルクスワーゲン)は米国時間9月23日、2025年までに年間100万台のEVを販売するという計画の一部である、全電気クロスオーバー「ID.4」を米国で発表した。

除幕式はバーチャルなものだったが、数日前にTechCrunchが車両を間近に見る機会を得て、新型コロナウイルスの感染蔓延の中、本当にシュールで孤独なハンズオンを体験することができた。

画像クレジット: Volkswagen

ID.4は、発売時に82kWh(キロワット時)のバッテリーパックとリアアクスル(後輪車軸)に1つの201馬力のモーターを搭載している。なお、連邦税の優遇措置は3万9995ドル(約421万円)からだ。ID.4の初期バージョンの推定EPA航続距離は250マイル(402km)だ。

VMの新しいIDシリーズが米国発売されるのはID.4が初となる。ID.4はIDバッジをつけた2台目の電気自動車で、欧州でのみ販売された電動ハッチバック 「ID.3」 が初。すべてのID車両は「MEBプラットフォーム」をベースにしており、VWによると電気自動車をより効率的かつ費用対効果の高いものにするための柔軟なモジュラーシステム、実際には共通部品のマトリックスを備えている。なおVWはすでに、ドイツザクセン州にあるツヴィッカウ工場でID.4の量産を開始している。

この記事では、車両の内部と外部を詳しく見ていこう。ここで掲載している写真の中で注意すべき点がいくつかある。これはID.4の最上級モデルで、1st Editionと呼ばれている車体だ。この限定版の価格4万3995ドル(約465万円)からで、より大きな12インチのタッチスクリーンやトリムカラーなど、いくつかの特別仕様品が取り付けられている。写真では、ドアハンドル下の照明、中間シートのストレージパススルー、ダッシュに沿って走行しバッテリー充電などのさまさまな情報をドライバーに伝える照明機能に注目してほしい。

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画像クレジット:Kirsten Korosec

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラが1万エーカーのリチウム粘土鉱床の権利を取得、リチウム採掘事業に自ら参入へ

1年ほど前、Tesla(テスラ)の2019年の年次株主総会でCEOのイーロン・マスク氏は、同社が「電気自動車のバッテリーに使われる鉱物の採掘事業に参入するかもしれない」と発言していた。

米国時間9月23日、年次株式総会後に開催されたイベント「Battry Day」で同氏は、米国ネバダ州にある1万エーカー(4047平方m)のリチウム粘土鉱床の権利を取得することで、同社が正式な第一歩を踏み出していることを明らかにした。

リチウム鉱山は、より安く、より効率的なバッテリーの製造を実現し、最終的には自動車の価格を下げることを可能にするというテスラの広範な計画の一部だ。また、テスラがサプライチェーンを自社に近づけようとしている一例でもある。

マスク氏と、同社のパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、最終的に年間10~20TWh(テラワット時)のバッテリー生産量を持つようにするための同社の計画と進捗状況を明らかにした。この計画の中心にあるのは、同社がイベントで発表した新しいタブレスバッテリーセルだ。両氏は開発中の新しい製造システムや、それをサポートするためのインフラの構築計画など、この大きなミッションのほかの部分についても概説した。リチウム鉱山と提案されているカソード施設は、いずれも北米に建設される予定で、テスラの工場と事業のポートフォリオに新たに加わった2つの施設になる。

「北米に独自のカソード(陰極、正電荷が流れ込むほうの電極)工場を建設し、北米に存在するニッケルとリチウムのすべての資源を活用し、カソードのサプライチェーンと生産を現地化することで、カソードで使用されるすべての材料の走行距離を80%削減することができます」とバグリーノ氏は説明する。

同氏によると、提案されているカソード工場の隣にはリチウム転換施設があるとのことで、同社は硫酸塩を含まない新しい製造プロセスに取り組んでおり、リチウムコストを33%削減できると主張している。

カソード工場がどこにあるのか、いつ建設されるのかは明らかになっていない。しかし、サプライチェーンを緊密にすることが目的ならば、テスラが最近採掘権を購入したリチウム粘土の区画の隣にできるかもしれない。

反応性のあるアルカリ金属を採掘するには環境コストがかかる。しかし、マスク氏は「より良いプロセスを見つけた」と主張している。従来のリチウムの採掘には大量の水が必要で、鉱夫は土地に穴を開け、地表にかん水を汲み上げ、そこから水が蒸発するまで放置する。そうして残るのが、マンガンやリチウム塩などの鉱物の混合物だ。そして、これをリチウムを抽出できるようになるまでろ過し続ける必要がある。

しかしマスク氏は「塩化ナトリウムや食卓塩を使って鉱石からリチウムを抽出する新しいプロセスがある」と説明する。「私の知る限りでは、これまで誰もやったことがありませんでした。このプロセスに含まれるすべての元素は再利用可能です。これは非常に持続可能なリチウムの入手方法です」と述べている。そのうえで採掘が行われる土地は「以前とほとんど同じように見えるだろう」と締めくくった。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

イーロン・マスクが2021年後半発売のフラッグシップセダンTesla Model S Plaidを公表

Tesls(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)は米国時間9月22日、同社のフラッグシップセダンの最新バージョンであるModel S Plaid(プレイド)の存在を明らかにした。Plaidは、1回の充電で少なくとも520マイル(836km)を走行できる能力を備える。

より強力な電気駆動システムと搭載したModel S Plaidは、2021年末まで発売されないが、テスラではすでに14万ドル(1470円)程度からの注文を受け付けている。

マスク氏は2019年9月、「Ludicrous(テスラ車の超加速モード)の先にあるのはPlaidだけ」とツイート。より高性能な車両へ予告は、映画「スーパーボール」を思わせるものだった。なお当時、マスク氏はこの新しい電気自動車は約1年後に生産が開始されると述べていたが、いままさにその時期に差し掛かってる。

テスラの年次株主総会のあとに開催された「Battery Day」の中で行われた発表でマスク氏は、「Model S Plaid」が2021年後半に生産開始されることを発表した。テスラのウェブサイトでは1000ドルの返金保証金が必要で、2021年後半に納入が開始されるとしている。

Model S Plaidでは、3つのモーターを搭載し、現在のModel Sと同Xに搭載されているデュアルモーターシステムよりも1つ多くなる。

マスク氏によると、この新しいPlaidパワートレインには3つのモーターが搭載され、現在のModel SとModel Xに搭載されているデュアルモーターシステムよりも1つ多いという。その結果、Model Sよりも高速で、航続距離が長く、より高価なモデルとなっている。このパワートレインは1100馬力を生み出し、最高速度は時速200マイル(約322km)に達し、時速0〜60マイル(0〜96km)までを2秒以内で加速できる。

同氏は昨年、Model Xと次期RoadsterにもPlaidパワートレインが搭載されることを明らかにしていていたが、今回の発表でこれらのモデルがより強力なパワートレインを搭載するかどうかについては言及しなかった。

マスク氏は、カリフォルニア州モントレーにあるLaguna Segaのレースウェイで、1分30秒3でラップを終えたModel S Plaidのクリップを公開している。これは、テスラが昨年Plaidのパワートレインとシャシーのプロトタイプで行ったテストよりも6秒早いタイムだ。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:TechCrunch Japan)

中国の電気自動車メーカーWM Motorが1500億円超を調達、230万円台で3万台のEVを納車済み

中国の電気自動車のスタートアップであるWM Motor(WMモーター)は、ライバルであるTesla(テスラ)などによって競争が激化している中、超大型の資金調達を発表(WM Motorリリース)した。5年前に設立された同社は9月22日に、シリーズDラウンドで100億元(1540億円)を集めたのだ。調達した資金は、研究開発、ブランディング、マーケティング、販売チャネルの拡大に投下されるという。

Baidu(百度、バイドゥ)とTencent(テンセント)に支えられているWM Motorは、ニューヨークで公開されたNIO(ニオ)、Xpeng(シャオペン)、Li Auto(リ・オート)と並んで、中国で最も資金を集めたEVスタートアップの1つだ。今回の資本増強によりWM Motorは、新規株式公開に向けて準備を進めている可能性がある。Bloombergが7月に伝えたところによると、早ければ今年中にも中国版NASDAQともいえる科創板(STAR)マーケットへの上場を検討(Bloomberg記事)しているという。

資金調達のニュースの数日前、WM Motorは主要なパートナーとサプライヤーを発表(Weibo投稿)した。Qualcomm(クアルコム)のSnapdragonのコックピットチップ(Qualcommサイト)は、新興企業の車内体験の原動力となり、バイドゥのApollo自動運転システム(Apolloサイト)は、WM Motor車にセルフパーキング機能を提供する。Unisplendourは中国の清華大学を拠点としており、自動運転のハードウェア面を担当する。さらに集積回路メーカーのSino IC LeasingがWM Motorの「自動車接続」に取り組むことになる。

この新世代のEVメーカーは、モノづくりの経験が乏しいため外部との提携を模索するケースが多い。のライバルであるシャオペンも同様に、BlackBerry(ブラックベリー)、Desay EV(デザイEV)、NVIDIA(エヌビディア)と提携してスマートEVを提供している。

WM Motorは、中国のVolvo(ボルボ)、FIAT(フィアット)、吉利汽車(ジーリー)で役員を務めた経験を持つ自動車業界のベテラン、Freeman Shen(フリーマン・シェン)氏が創業したスタートアップだ。

同社は最近、今後3~5年の間に200億元(約3080億円)と3000人のエンジニアを、5Gを搭載したスマートコックピット、レベル4自動運転、その他の未来的な自動車技術に割り当てるという野心的な計画を発表(WM Motorリリース)した。Crunchbaseのデータと最新の資金調達額によると、これはこのスタートアップの総調達額のうちのかなりの部分を占めており、およそ30億ドル(約3140億円)以上と推定されている。

中国の地方政府は、半導体や電気自動車などの戦略産業に参入する企業を支援することが多い。例えば、WM Motorの最新の資金ラウンドは国有投資プラットフォームと国有自動車メーカーの上海汽車集団(SAIC Motor)が主導しており、どちらもスタートアップの本社がある上海に拠点を置いている。上海にはテスラのリチウムイオン電池の生産工場であるGigafactoty(ギガファクトリー)もあり(未訳記事)あり、米国の巨大企業が中国製の自動車を製造している場所でもある。

WM Motorは7月に、3万台目のSUV車EX5を納入(WM Motorリリース)したという。これには補助金が付くため価格は約2万2000ドル(約230万円)(WM Motorサイト)、車内にはビデオストリーミングや空気浄化などの機能が備わっており、同社によると顧客の70%近くを幼い子どもを持つ親が占めている(WM Motorリリース)という。

画像クレジット:WM Motor

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(翻訳:TechCrunch Japan)

詐欺疑惑渦中の電気自動車メーカーNikola会長が辞任、株価は暴落

電気貨物自動車のスタートアップ、Nikola Corp.のファウンダーで取締役会長のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が辞任した。これは著名な空売り投資機関が同社に詐欺の疑いがあると発表したことに端を発する一連の動きの中で起きた。ミルトン氏の後任にはすでにNikolaの取締役であるGM(ゼネラルモーターズ)出身のStephen Girsky(スティーヴン・ガースキー)氏が就任している。

Nikolaの株価は市場開始前の取引で30%下落し、現在25ドル前後で取引されている。この数カ月、同社の株価は乱高下を続けており、高値は79ドルにもなっていた。

ミルトン氏はTwitter(ツイッター)で「重要なのは世界を変える可能性のあるこの会社の使命であり、私自身ではない。外野席から私に向けられた非難に対し個人として身を守る」と述べた。

2020年9月に入り、空売り投資家のHindenburg Researchは「Nikolaは投資家を誤らせる情報を発表していた」とするレポートを発表していた。Nikolaはこの主張を否定している。

NikolaはHindenburgのレポートに対して「空売り投資家によるこれらの非難は事実に反しており、誤解を招くものだ。(このレポートは)ニコラの株価を下げることによって空売りによる利益を挙げようとした不当な誘導策である」と反論した。

このレポートは、NikolaがGMと大きな取引を行った直後に発表された。Nikolaの最初の電気トラックのリリースに当たってテクノロジーとマーケティングにおける支援と引き換えにGMに所有権の11%に当たる株式を与えることに合意していた。一般向け、事業者向けともに電気トラック市場は自動車メーカーが激戦を繰り広げるようになっていた。

市場では多数のイノベーションが予測されており、既存の大メーカーは有望なスタートアップと提携することで参入に要する時間の短縮を図っていた。消費者向けトラック市場のリーダーであるフォードはミシガン州のスタートアップであるRivianと契約している。最近、GMがNikolaと提携を発表した際、投資家は賢明な動きとして歓迎していた。しかしHindenburgのレポートの発表後、この契約が賢明であったか疑問が持たれている。GMの電気ピックアップトラックの将来も不透明なままだ。

【Japan編集部追記】ミルトン会長が逮捕されたという情報が流れたが、Yahoo Financeの編集委員であるBrian Sozzi(ブライアン・ソッツィ)氏は「逮捕されていない」とツイートしている。

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カテゴリー:モビリティ

タグ:Nikola 電気自動車

画像クレジット:Nikola

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

水素電気自動車スタートアップのNikolaが不正行為の告発について反論するも疑問は深まる

特別目的会社との合併により株式を公開した水素電気自動車のスタートアップであるNikolaは米国時間9月14日、空売り業者のHindenburg Research(ヒンデンブルグ・リサーチ)が先週発表した、Nikolaの不正行為を告発した報告書についてポイントごとに反論した。

反論は慎重な言葉遣いにもかかわらず、いくつかの反論はより多くの疑問を投げかけ、問題のあるプロモーション戦術を明らかになった。

Nikolaの長々とした否定(Nikolaプレスリリース)は、同社の創業者であるTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が先週行った一連のツイートに続くものである。ミルトン氏はまた、同社がこの件を法律事務所のKirkland & Ellis(カークランド&エリス)に依頼したとも述べている。GM(ゼネラル・モーターズ)がNikolaの11%の株式を取得したと発表した2日後の9月10日に発表されたHindenburgの報告書は、同社の株価を暴落に追い込んだ。ちなみにNikolaの株価は同社の反論後の9月14日の取引で7%上昇している。

Nikolaは9月14日に発表した反論の中で「Hindenburgの報告書はNikolaとGMとの提携発表直後にタイミングを見計らって発表され、結果として株価が上昇したことは投資家に誤った印象を与え、Hindenburg自身を含む空売り業者に利益をもたらすための市場操作を目的としたものであると考えています」と述べている。

否定したり、説明したりしている各ポイントについてNikolaは「空売りによるこれらの主張は虚偽であり、誤解を招くものであり、市場を操作してNikolaの株価の下落から利益を得るように設計されています」という声明も発表した。

Hindenburgの報告書は、Nikolaの長年にわたる主張の正当性と縁故主義についても疑問を提起した。

注目点は2つある。大きいのは、Nikolaの反論がヒンデンブルグの批判を裏付けるかのような内容であることだ。そして、同社初のセミトラックであるNikola Oneについての嫌疑だ。Hindenburgは、このトラックは完全には機能していないと述べているが、これはNikolaがトラックの能力を誇張していると報じた今年の夏のBloombergの記事を裏付ける主張である。Hindenburgはまた、2017年のNikola Oneのプロモーションビデオでは、坂道を転げ落ちる様子が映し出されていたが、「プロトタイプの性能を誤って伝えていた」と報告書の中で述べている。

Nikolaの反論は、これらの主張に説得力を持たせてしまった。同社によると、2016年に公開されたNikola Oneは、自らの推進力で動力を得て駆動するように設計されており、ギアボックスやバッテリーなどの機能部品のリストが含まれているということだった。しかしその後にNikolaは「次世代のトラックにピボットした」と説明し、「Nikola Oneを独自の推進力で駆動させるプロセスを完成させるための追加のリソースは投資しないことを決定した」と述べている。

Nikolaは、2017年のプロモーションビデオを説明するために巧みな表現を使い、「このビデオでは、トラックが自らの推進力で走行しているとは一切言及していないが、このトラックはまさにそのように設計されている」と述べている。

同社によると、このトラックはコマーシャルのために第三者によって展示・撮影されたものだという。Nikolaは声明の中で、この第三者による映像は同社のソーシャルメディア上で「移動中」と表現されていたと述べている。

「独自の推進力で」や「パワートレイン駆動」とは記述されていなかった。Nikolaが株式を公開していたこの時期に投資した投資家は、Nikola Oneの性能を知っていた」とNikolaは述べている。

しかし、上記の発言はミルトン氏の以前の声明に反する。同氏は繰り返し、この車は「pusher」(手押し車)ではない」と述べていた。しかし同氏は、プロトタイプを動かしていた動力が何だったのか、それ以上の説明はしていない。その代わりに同社は、このプロトタイプは完全に破棄されているので完全に無関係であると主張している。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Lucid Motorsのウェブサイトで最新EVの3Dモデルを作成、ディーラーでVR体験が可能

Lucid Motors(ルシード・モータース)は、印象的な外観の最初の生産車両を発表したばかりだ。確かにこのクルマはすごいのだが、ここでは同社の新しいウェブサイトについて触れておきたい。同社のウェブサイトは、ユーザーが車の3Dモデルをオンラインで作成し、同社のディーラーでVRで体験ができるという、素晴らしい購入体験を特徴としている。なお、まだローンチからあまり時間がたってないためか、このサイトはときどき動きが鈍くなるが、いずれ改善されるだろう。

ツールの使い方は、ビデオゲームのキャラクターを構築するようなものだ。モデルを選択し、いくつかの色を追加し、別の外観を得るためにモデルを回転させればいい。黒が気に入らない場合は、もろろん赤に変えることもできる。ズームイン、ズームアウト、ホイールの変更も可能で、画像はその都度更新される。

ビデオゲームには何年も前からこの機能が備わっていたので、特別に新しいコンセプトではない。しかし、いくつかの自動車メーカーは、ユーザーが色や装備を変更できる同様の機能をウェブサイトで提供しているが、私はLucid Motorsほどの豊富な機能のウェブサイトは見たことがない。同社のウェブサイトはメルセデス・ベンツのオンラインショッピングツールが最も近いかもしれないが、このクオリティーの3Dで見られるのはLucid Motorsだけだ。

顧客は自分の好みに合わせて車両をカスタマイズ後、そのデータをLucid Motorsのプロフィールに保存しておけば、Lucid Motorsのショールームに行ってVRで体験することができる。これらのショールームには、Lucid MotorsのシートとVRヘッドセットを備えたディスプレイが設置されており、同社の従業員がユーザーが保存した車をVRシステムに読み込み、ユーザーは車が作られる前に車を体験できる。なお同社は、米国内に20店のショールームを建設する予定とのこと。

このツールは、新型コロナウイルスの感染蔓延を受けて意図的に作られたようだ。ユーザーはディーラーに行く前に、車両について取得できる情報量を大幅に増やせる。そして、販売店では車に乗らずに車を体験できる。

Lucid Motorsにとってこの体験は、Tesla(テスラ)が顧客に提供するものよりもはるかに没入感がある。

画像クレジット:Lucid Motors

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Lucid MotorsのSUVタイプの完全電気自動車「Lucid Gravity」をチラ見せ

Lucid Motors(ルシード・モータース)は米国時間9月9日、電気自動車ラインアップの第2弾モデルをチラ見せした。Lucid Gravity(ルーシッド・グラビティ)と呼ばれるSUVだ。

Lucid Gravityは、9月9日にライブストリームされたイベントで明らかにされた豪華な完全電動セダン「Lucid Air」に続くモデル。Gravityは、Airと同じプラットフォームを採用し、すでに設計段階に入っており、この夏に屋外で目撃された実用的な試作車がすでにある。Lucid MotorsのCEO兼CTOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は後に、このSUVの存在を明らかにしていたが、同社がSUVの写真を公開したのはこれが初めてだ。

SUVについて詳細が明らかではないが、9月9日にに公開された写真はいくつかのヒントを提供している。

AirとGravityは、いくつかのデザイン上の特徴を共有しており、特にトランクのアウトラインと単一の長いテールライトは、Lucidのデザイン担当副社長Derek Jenkins(デレク・ジェンキンス)氏が最近のインタビューでTechCrunchに語ったもので、これは同社が将来発売する車に現れるであろう特徴だ。

「トランクの開口部が車両の側面にあるため、このように非常にすっきりとしたリアエンドと、シングルピースのテールライトが可能になり、非常に特徴的なデザインになっています」とジェンキンス氏はLucid Airのデザインについて説明した。ジェンキンス氏は、将来の車にはLucid Airに見られる長いライトブレードが搭載される可能性が高いと指摘していた。SUVの写真にはフロントが写っていないので、今のところそのライトブレードが搭載されるかどうかは謎のままだ。

また写真からは、Lucid Motorsが車用のアクセサリーを作成していることがわかる。例えば、屋上のストレージユニットなどだ。

Lucid MotorsはSUVの発売時期を明らかにしていないが、ローリンソン氏は「次の車両は2023年に生産を開始する」と述べている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Lucid Motors初の完全電気自動車「Lucid Air」を写真で見る

Lucid Motors(ルシード・モータース)は米国時間9月9日、開発に数年を費やした電気自動車の高級セダン「Lucid Air」をライブストリーミングイベントで発表した。

Airは、目を見張るような性能と、メルセデスSクラスと同じ高級品カテゴリに入る技術を兼ね備えている。Airの価格は、主力機種「Dream」の最大16万9000ドル(約1800万円)から、7500ドルの連邦税額控除を除いたベースモデルの8万ドル(約850円)以下まで幅がある。

この車には全部で4つのバリエーションがあり、それぞれのバッテリーの航続距離は約400マイル(約643km)から約517マイル(832km)の間でわずかに異なる。32個のセンサーとドライバー監視システム、イーサネットベースのアーキテクチャを採用している。高度な運転支援システムを搭載し、すべての高速道路上でのハンズフリー運転をサポートする。

Airの内部は、テクノロジーとドライバーのニーズのバランスが取れたシンプルなデザインになっている。34インチの湾曲ガラスを採用した5Kディスプレイは、運転手の前のダッシュボードに浮かんでいるように見える。中央のタッチスクリーンは格納式だ。一方で、いくつかの物理的なコントロールは、ステアリングホイールとセンタースクリーンのすぐ上に備わっている。

Airのデザインは、ボタンやタッチスクリーン、トグルが詰まったものではなく、正確で思慮深いものとなっています。TechCrunchはまだ市販車の車内は実際には見ていないが、Lucid Motorsは多くの写真を公開している。以下でAirの内部と外装をチェックしてほしい。

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画像クレジット:Lucid Motors

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Lucid Motorsが待望のセダンタイプの電動自動車「Lucid Air」を一般公開

Lucid Motors(ルーシード・モーターズ)のCEO兼CTOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は、電気自動車を別のレベルに引き上げる方法について明確なビジョンを持っていた。しかし、Tesla Model Sの元チーフエンジニアであった同氏も、それがこれほど長い時間を要するとは思っていなかっただろう。

Lucid Motorsが電気自動車の生産を発表してから約4年が経過した米国時間9月9日、同社はオール電化の高級セダン「Lucid Air」の最終バージョンを発表した。Airは、目を見張るような性能を備えており、航続距離は最大517マイルと推定される。豪華さや雑然とした印象を与えることなく、テクノロジーとラグジュアリーのバランスを取ったデザインとなっている。

4つのバリエーションのうち2つ、16万9000ドル(約1800万円)のフラッグシップモデルのDream Editionと13万9000ドル(約1475万円)のGrand Touring(グランドツーリング)モデルは、今年アリゾナ州カサグランデの新工場で生産が開始される。これらのバリエーションは、2021年春に納車を開始する予定だ。残りの2つのバリエーションは、価格9万5000ドル(約1000万円)のTouring(ツーリング)モデルと8万ドル(約850万円)を少し下回るベースモデルで、それぞれ2021年末と2022年の生産が予定されている。なお価格はすべて、7500ドル(約80万円)の連邦税控除前の数字だ。

Airは、メルセデスSクラスに取って代わるEV車となることを目指しており、ローリンソン氏によれば「電気自動車というカテゴリーには今まで存在しなかったタイプ」だという。

9月9日の発表に先立ち、最近のインタビューでローリンソン氏は「Tesla Model Sはプレミアムモデルであり、美しく設計されていて超破壊的ですが、EVスペースではメルセデスのSクラスに取って代わるものではなく、私たちが提供しているものです」と語っていた。

Airは、控えめながらも贅沢な雰囲気を醸し出している。車内は広々としている。、ローリンソン氏とデザイン担当副社長のDerek Jenkins(デレク・ジェンキンス)氏はこれを「クリーンシートアプローチ」と表現している。同社は「電気駆動系統の小型化により、車という三次元パズルを再定義し、外見はよりコンパクトで車内より広くという空間コンセプトを実現しています」とローリンソン氏。「テスラのModel SやポルシェのTaycan(タイカン)よりも車体は短くて細いことを付け加えた。

この車の4つのバリエーションは、デュアルモーター、全輪駆動のアーキテクチャを介して、さまざまなパフォーマンスレベルを提供する。Dream Editionは1080馬力で、ゼロから60マイル(約96km)まで2.5秒で加速できる。このパワーと引き換えにDream Editionの航続距離は465マイル(748km)となっている。一方、Grand Touringモデルは800馬力で、3秒で同じ加速が可能だが、最高の航続距離は517マイル(832km)となっている。

Airには、32個のセンサー、ドライバーモニタリングシステム、イーサネットベースのアーキテクチャが搭載され、高速道路でのハンズフリー運転をサポートする先進運転支援システムも搭載する。

車内では、34インチの湾曲ガラス製5Kディスプレイがドライバーの前に設置され、ダッシュボードの上に浮かんでいるように見えます。中央のもう1つのタッチスクリーンは格納式で、より多くの収納スペースを確保している。また、ボリュームの制御や車両に統合されているADASとAmazon Alexaをアクティブにするためのいくつかの物理的なコントロールは、ハンドルと中央画面のすぐ上に備わっている。中央のタッチスクリーンの下には、無線充電、カップホルダー、USB-Cポートなどが用意されている。

Airオーナーは、車のロックやロック解除など、車を制御・通信するアプリを使うことになる。将来的には、オーナーの身元を確認する顔認証機能も搭載される予定だ。

バッテリー開発から電子自動車メーカーへの壮大な旅

2007年に別の名前と目的でスタートしたLucid Motorsにとって、これは壮大な旅だった。同社は、元テスラの副社長兼役員であるBernard Tse(バーナード・ツェー)氏と起業家のSam Weng(サム・ウェン)氏によって設立された、電気自動車用バッテリーの開発に特化したAtieva(アティバ)という会社から始まった。ローリンソン氏はTechCrunchに「初期の研究・開発、そして最終的にはコンポーネントや全体的な電気アーキテクチャの進歩のため、当時の仕事は現在のLucid Motorsにとって非常に重要なものになる」と語った。Atievaはその後フォーミュラEのバッテリーサプライヤーとなり、デザインと性能の向上にも貢献することになる。

Lucid Motorsがが電気自動車を作るという新たな目的を公言したのは、2016年の末のことだった(同社はすでに数年前から静かに取り組んでいたが)。2013年にテスラを離れてCTOとしてLucid Motorsがに入社したローリンソン氏は、この新たなミッションの推進役の1人だった。同氏は後にCEOの肩書きと責任を負うようになった。当時のLucid Motorsは、自動車メーカーになるという困難で莫大な資金が必要な課題への道のりを順調に歩んでいるように見えた。

「自動車会社を始めるほど狂った人はいないだろう」ローリンソン氏は最近TechCrunchに語った。「我々は2017年初頭に大きな期待を持って出てきたが、適切な投資家を見つけるのに時間がかかった」と続けた。

これは少し控え目な表現だ。Lucid Motorsは社名変更後すぐにアリゾナ州に工場を建設すると発表し、私が2017年後半に乗ったアルファプロトタイプのAirを披露した。しかしその後、投資家の取り込みの進捗は鈍化し、その後は完全に失速していた。

「その段階では、投資家コミュニティは自動運転とロボット工学のアイデアに惚れ込んでいたと思います」とローリンソン氏。「より優れた電気自動車を手に入れるには、まだ何かしらのマイルストーンがあるとは誰も信じていませんでした。そして私は、それがまだ実現されていないと言い続けていました。テスラは素晴らしい仕事をしていますが、まだ成功しているとは言えません。電気自動車からはそれ以上のアイデアが出てきて、耳をつんざくほどでした」と語った。

投資家を確保するのに数カ月かかり、工場の建設プロジェクトは宙に浮いていた。「当時は会社として最も暗い時間だった」とローリンソン氏は振り返った。

2018年9月、Lucid MotorsはサウジアラビアのSovereign Wealth Fund(ソブリン・ウェルス・ファンド)が10億ドル(約1060億円)を投資することを約束したと発表した。この発表は、テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が、「テスラを1株420ドルで非公開化することを検討しており、飛躍するための適切な資金を確保している」とツイートしたわずか6週間後に行われた。マスク氏は、すでにテスラの株式の5%近くを所有しているサウジアラビアの富裕層ファンドが、テスラの株式公開から非公開への移行を支援することに興味を持っていることを明らかにした。

Lucid Motorsとサウジの富裕層ファンドとの間で行われた10億ドルの投資取引は2019年春に終了した。この資金によって、Lucid Airのエンジニアリング開発とテストが完了し、アリゾナ州に工場を建設。そして、北米を起点とした小売戦略のグローバル展開を開始し、生産体制に入れるようになった。

Airがようやく発表されたことで、同社は今後、次のタスクである生産と配送に注力することになる。

画像クレジット:Lucid Motors

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Lucid Motorsのオール電化高級セダンLucid Airの廉価版は850万円以下で登場か

何カ月にもわたってチラ見せや発表が行われてきたLucid Motorsは、9月9日のライブストリームでついに初のオール電化高級セダンLucid Airを発表する。例のごとく、大きな発表の前日にちょっとしたニュースが飛び込んできた。

同社は以前、Lucid Airのハイエンドモデルを提供することをほのめかしていた。Bloombergのレポートによると、Dreamと呼ばれるフラッグシップモデルの価格は16万9000ドル(約1800万円)で税控除後は16万1500ドル(約1710万)になると予想されている。同レポートによると、同社は連邦税控除後の価格が13万ドル(約1380万円)台前半のGrand Touringと、10万ドル(約1060万円)以下のTouringモデルも生産するという。

TechCrunchは、8万ドル(約850万円)以下の価格の4番目の安いベースモデルがあることを確認した。ベースモデルのLucid Airからどれくらい安くなるのか、いつ発売されるのかは不明だが、自動車メーカーは多くの場合、最も高価なモデルを先に生産し始める。同社がこの戦略に従えば、ベースバージョンは2021年後半か2022年まで発売されないだろう。

ベースモデルのLucid Airの価格が8万ドル以下の場合、Tesla Model Sと直接競合することになる。Lucid Motorsは以前、ベースモデルのほうが航続距離が短くなる可能性はあるものの、Lucid Airの米国EPAの推定航続距離は517マイル(約832km)であることを明らかにしていた。EPAがその航続距離を検証した場合、Lucid Airはテスラを含む、現在道路上にある他のすべてのEVを追い越すことになる。ベースモデルの航続距離が400マイル(約643km)を超えた場合、Model Sの販売にさらに影響する可能性がある。

Lucid Motorsはすでに、Lucid Airは4分の1マイル(約400m)を9.9秒で走ることができるなど、市場に出回っているほとんどの市販車よりも速いことなどを詳細を明らかにしている。しかし、見込み客にとってより魅力的なのは、高速道路でのハンズフリー運転をサポートするために設計された車両の高度な運転支援システムであるかもしれない。

今夏の初め、同社はLucid Airに32個のセンサー、ドライバーモニタリングシステム、イーサネットベースのアーキテクチャを搭載し、DreamDriveと呼んでいる先進運転支援システムを搭載することを明らかにした。重要なのは総数ではなく、種類と場所、そしてもちろんソフトウェアだ。これまでのところ、同社はハードウェアの詳細を提供しているのみに留まっており、詳細は不明だ。

Lucid Airは、1つのLiDAR(ライダー)、レーダー、カメラ、超音波センサーが備わっている。LiDARとは、レーザー光を使用して距離を測定し、車の周りの世界の高精度な3Dマップを生成するする機器だ。通常、LiDARは自動運転車に搭載されるもので、消費者が購入・運転する市販車やトラック、SUVでは使われることはない。Lucid Motorsによると「同社の長距離LiDARセンサーは車両の前部に配置される」と説明している。

同社は以前、米国アリゾナ州の新工場で2021年初頭にLucidを生産すると発表していたが、新型コロナウイルスの感染蔓延による生産スピードの減速のため、予想よりも約3カ月遅れている。アリゾナ州カサグランデの工場では6月上旬に製造が再開された。当時、同社は今年中に第1フェーズを完成させることを目標にしていたという。Lucid Motorsは、屋内退避指示のために一時的に休止していた、カリフォルニア工場での車両開発作業も再開している
画像クレジット:Lucid Motors

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(翻訳:TechCrunch Japan)

2040年の完全ゼロエミッションを約束するUberが車両の電動化に850億円を投入

ライドシェアサービスの最大手Uber(ウーバー)は、2040年までに完全なゼロエミッションを実現すると約束し、2025年までに契約ドライバーの車を電気自動車に切り替えさせるための専用の予算として8億ドル(約850億円)を確保する計画だ。

Uberによると、事業展開している米国、カナダ、ヨーロッパの各都市での移動を100パーセント電動化する目標を定め、マイクロモビリティー事業の電動化にもさらなる投資を行う予定だという。さらに、企業活動全体から排出される二酸化炭素も含め、2030年までには完全にゼロエミッションにするとUberは話している。

予定通りに進めば、Uberの事業は、パリ協定が目標に定めた2050年より10年前倒しで必要な条件を満たすことになる。

その鍵となるのは、新規と既存事業の拡大を含む4つの取り組みだと同社は声明で説明した。

第1のステップは、米国とカナダの15の都市で開始するUber Green(ウーバー・グリーン)だ。客は、追加料金を支払うことで、電気自動車またはハイブリッド自動車を選んで呼べるようになる。2020年末までには、世界の65の都市で同サービスが導入される。Uber Greenで乗車した利用者は、Uber Rewards(ウーバー・リワード)の獲得ポイントが、通常のUberX(ウーバーエックス)を利用した場合の3倍になると同社は話している。

世界をよりグリーンにするためのUberの第2のステップは、車両を電気自動車に切り替えるための予算8億ドルの確保だ。この切り替えには、グリーンな車両を選択した利用者が支払うサーチャージ1ドル(約106円)と、ロンドンとフランスのクリーンエアー計画のために同社が料金から徴収する資金も活用される。ヨーロッパの都市で営業するドライバーの車の電動化を目的とした15セント(約16円)のサーチャージは、すでに2019年1月から徴収されている。

2018年2月22日木曜日、ニューデリーで開かれたイベントで語るUber Technologies Inc.(ウーバー・テクノロジーズ)のCEO、Dara Khosrowshahi(ダラ・カスロウシャヒ)氏。日本を訪れた間、カスロウシャヒ氏は撤退するとの憶測に反して、特定のアジア市場においても野心は縮小しないと明言した。画像クレジット: Anindito Mukherjee/Bloomberg via Getty Images

米国とカナダのドライバーの意欲を高めるために、Uberは、Uber Greenの利用客が支払いを完了した乗車1回につき50セント(約53円)の手当てをドライバーに支払うことにしている。電気自動車を使っているドライバーには、Uberから直接、別の報酬ももらえる。電気自動車での乗車が完了するごとに、1ドル50セント(約159円)の手当てが上乗せされるのだ。

また、米国とカナダではGMと、ヨーロッパではルノー・日産との提携により、Uberのドライバーは電気自動車を割り引き価格で購入できるという優待制度もある。Avis(エイビス)とも協力して、米国のより多くのドライバーが電気自動車をレンタルできるようにする計画もある。同時にBP(ビーピー)、EVgo(イーブイゴー)、Enel X(エネル・エックス)、EDF(フランス電力)が運営するIzivia(イズビア)、PowerDot(パワードット)といった企業と協力して新しい充電ステーションを増やす予定だと同社は話している。

Uberはまた、ロボットによるバッテリー自動交換のアイデアを復活させ、新しい車両への充電に関する不安を取り除く取り組みも進めている。現在は、独自のバッテリー交換技術を開発するサンフランシスコの若いスタートアップであるAmple(アンプル)と、インドの電気自動車運用企業であるLithium Urban Technologies(リチウム・アーバン・テクノロジーズ)と協力している。

さらに、Uberの既存のマイクロモビリティーネットワークをベースに、Lime(ライム)が提供するバイクとキックスクーターの、このネットワークへの統合を深め、安全性の確認が取れ次第、シェアリング事業を拡大する考えだ。加えて、Journey Planning(旅行プラン)プログラムの機能を拡大して、料金帯、スケジュール、鉄道の駅から、または駅までの経路などが調べられるようにする。アプリで公共交通機関のチケットが買えるサービスは、10の都市で始まっている。さらにUberは、シカゴとシドニーで、行きたい場所までの車と公共交通機関を使った旅行プランが立てられる新機能を公開した。

最後にUberは、2017年から2019年までの米国とカナダでの同社の事業による二酸化炭素排出量を分析した初の気候評価と業績報告を発表した。1人乗車の場合よりも効率が高いという同社が得た結果は当然のものと思える。しかし、平均的な乗車人数の場合よりも排出原単位は高いことも同社は公表している。つまり、自家用車に2人が乗った場合よりも、Uberのドライバーが客を探して走っているときのほうがカーボンフットプリントが多いことを意味している。

電気自動車への移行の勘定を乗客に押しつけるのは、あまりいいやり方とは思えない面もあるが、これらの取り組みはすべて、カーボンフットプリントを減らすための、まだまだ長い道のりを進もうとするUberの前向きな一歩だ。

カテゴリー:モビリティ

タグ:ライドシェア Uber 二酸化炭素 電気自動車

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

GMが電気トラック開発のNikolaに2120億円出資、生産でも提携

Nikola(ニコラ)とGeneral Motors(GM、ゼネラル・モーターズ)は米国時間9月8日、戦略的パートナーシップを発表した。提携を通じGMはNikolaの株式11%を取得し、Nikolaのワイルドな燃料電池ピックアップトラックを2022年末までに生産する。

提携のニュースを受けて両社の株価は大きく上昇し、立会取引時間前でNikola株は45%、GM株は11%上昇した。

今回の提携で、GMは注目を集めている自動車スタートアップの1社であるNikolaに20億ドル(約2120億円)を出資する。また、株式の取得とともにNikolaの取締役会に1席を確保する。

GMのCEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏は、今回の提携は同社のバッテリーと燃料電池システムを展開する別の方策であるとの考えを示した。

「当社は複数の大型EV部門で存在感を高めており、その一方でバッテリーと燃料電池のコストを下げて収益性を向上させる方策も構築している」とバーラ氏は述べた。「加えて、当社の電動化テクノロジーソリューションを大型の商業車両に適用することはゼロエミッションを目指す当社のビジョン達成において重要なステップとなる」。

今回の提携では、GMはNikolaが今後展開するクラス7・8(中型・大型)トラック向けに燃料電池を提供する唯一のサプライヤーとなる。

Nikolaにとっては生産を控えた中での、強力なパートナー獲得となる。GMは電動の燃料電池搭載ピックアップトラック「Nikola Badger」を設計、確認、承認する。同社はまたピックアップトラックの生産も担う。

Nikolaの創業者でCEOのTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏は声明で次のように述べた。「両社が手を携えることで、我々はGMの有効性が確立されたパーツ、Ultiumバッテリーテクノロジー、生産準備の整った数十億ドル(数千億円)規模の燃料電池プログラムにアクセスできる。Nikolaはサプライヤーと製造の何十年にもわたる知識、承認・テスト済みで生産準備が整っているEVプロポジション、世界クラスのエンジニアリング、そして投資家の信頼をすぐに手に入れることができる。そして最も重要なのは、General MotorsはNikolaの成功に常に関心を持っていることだ。当社は株主に3つの約束をしたが、このうちの2つを予定前倒しで果たした。素晴らしい発表だ」。

今回の提携でNikolaは生産業務を世界最大の車メーカーの1つに任せることになり、これにより発売を早めることができる。ひいては、Nikolaの投資家により早くリスクを抑えつつ利益を還元することになる。GMにとっては、少なくとも名目上は勢いのある大きな資産を手にすることになる。

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カテゴリー:モビリティ

タグ:Nikola General Motors 電気自動車

画像クレジット:Nikola Motor

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(翻訳:Mizoguchi

VWのオール電化車ID.4は室内照明を使ってドライバーとのコミュニケーションを図る

VW(フォルクスワーゲン)の次世代オール電化コンパクトSUV「ID.4」のティザーイメージが新たに公開された。往年の自動車のトグルやノブをすべて削除することなく、タッチスクリーンやドライバーとの会話に使用されるアンビエント照明などの技術を巧みに取り入れたインテリアが明らかになった。

要するにID.4は、トグル、スイッチ、タッチスクリーンを備える自動車としてミニマリズムのバランスを取っているように見える。これはEVの世界において、程よい状態なのだろうか?少ない画像ではその疑問には答えられないが、幸いなことにID.4とそれに関するすべての詳細は今月末に明らかになるだろう。

それまでは、これらの画像でID.4のインテリアがどのように見え、どのように動作するかについての最初のヒントとなる。VWにとって、この最新の車両には大きな賭けだ。ID.4は同社の「Transform 2025+」戦略の一環として、2024年までに電動モビリティに110億ユーロ(約1兆3800億円)を投資する計画の一環だ。

ID.4は、VWグループとその子会社が開発した電気自動車用のモジュール式自動車プラットフォームであるMEB platformを採用した第2世代の電気自動車で、VWは電気自動車を生産するための柔軟なモジュラーシステム (共通部品のマトリックス)で効率性とコスト効率を高めようとしている。また、北米では初のIDバッジ付き車両となる。第1世代のID.3は欧州でのみ販売される。

ID.4の内部

VWは米国時間9月4日のリリースで、電気プラットフォームの採用で生じたスペースを活用していることを強調した。そして、それは、少なくともこれらのいくつかの画像にで裏付けされていると考えられる。

内部を見ると、2つのデジタルスクリーンがある。1つは、ドライバーの視覚に入る場所に位置しており、別の大きなタッチスクリーンは中央にある。特筆すべきはセンターコンソールの高さだ。ダッシュボードよりも高くなっているのは、ドライバーが画面を見下ろさずに済むようにするためだろう。画像ではわかりにくいが、このタッチスクリーンの下部にも物理的なトグルがいくつかある。

ステアリングホイールの右側には物理的なボタンが備わっており、アクティブな運転支援システムを制御できるようだ。ステアリングホイールには、ドライバーアシスタンスシステム、ボリュームコントロール、音声コマンドを起動するためのボタンもいくつ用意されている。

VWの次期オール電化車「ID.4」の最初のインテリアショット

周囲の照明、具体的にはフロントガラスの下にあるライトストリップに注目してほしい。同社はこれをID.Lightと呼んでおり、ほかのIDブランド車にもこの機能が搭載されることを説明している。このライトはドライバーを「サポート」するように設計されており、車両の駆動システムがアクティブになっているときや、車のロックが解除されたときなどに信号を発する。また、ブレーキのプロンプトや電話の着信を知らせるほか、車線変更を促すために点滅する。

また同社は、車のキーをドアやトランクをロック・アンロックするための3つのボタンを備えたスマートな外観にアップデートした。VWの乗用車をあまり知らない人のために説明すると、キーは伝統的にフリップデザインだった。

VWによると、ID.4にはパノラマ式のサンルーフのオプションも用意され、将来的には2種類のID.4限定モデルが、動物由来の素材を使用していないシートカバーとともに発売される予定だという。このヴィーガンシート素材は、人工皮革と約20%の再生PETボトルからなるマイクロファイバー素材であるArtVeloursを組み合わせて作られている。

ID.4は、中国、欧州、米国で生産・販売する。VWが約12億ユーロ(1510億円)を投じて電気自動車のみを生産する工場に転換したドイツ・ザクセン州のツウィッカウ工場で生産を開始する。来年までに、ツウィッカウ工場で年間30万台を生産予定だ。

VWグループの役員でe-モビリティ担当のThomas Ulbrich(トーマス・ウルブリッヒ)氏は先月、中国の2工場で今年中にID.4の生産を開始すると述べた。また、米国テネシー州チャタヌーガの工場では、2022年にID.4 生産を開始する。

画像クレジット:VM Group

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(翻訳:TechCrunch Japan)

中国のEVスタートアップXpengがニューヨーク証券取引所に上場、約1600億円を調達

中国の電気自動車スタートアップであるXpeng(小鹏、シャオペン)は、米国での最初の株式公開の結果、15億ドル(約1600億円)を調達した。米国と中国との緊張の高まりが懸念される中、投資家のEVとクリーンエネルギーへの興味がそれに勝ったかたちだ。

中国の広州に本社を置き、シリコンバレーとサンディエゴにもオフィスを構えるこの自動車メーカーは、9970万株を1株15ドル(約1600円)で販売し、およそ15億ドル(約1600億円)を調達したと書類には記されている。当初は、8500万株を11〜13ドル(約1170〜1380円)の公募価格で売り出す予定だった。

Xpengの株式は、ニューヨーク証券取引所で「XPEV」というティッカーシンボルで木曜日から取引が始まった。同社は、ウォールストリート・デビュー以前に受けた中国のeコマース大手Alibaba(阿里巴巴、アリババ)とXiaomi(小米科技、シャオミ)からの援助を含め、投資家たちから総計で17億ドル(約1800億円)を調達している。7月には、中国のテクノロジー好きな中流層を狙った電気自動車の新型車種を開発する目的で、およそ5億ドル(約530億円)をシリーズC+ラウンドで調達したことを発表した。

公開市場に移行したことで同社は、次第にEVメーカーが増えつつ中国市場での競争に必要なさらに巨額な資金に手が出せるようになった。Li Auto(理想汽車、リー・オート)、Nio(蔚来汽車、ニーオ)、WM Motor(威馬汽車、ウェルトマイスター・オート)、 そしてもちろん、2019年12月に新しい上海工場でのModel 3の生産を開始したTesla(テスラ)と競うことになる。

中国上海、2019年8月25日:中国の自動車メーカーXpengの上海のショールームで新車を下見する客たち(画像クレジット:Alex Tai/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

Xpengは、現在、G3 SUVとP7セダンの2車種を販売している。G3の生産は2018年12月に始まった。7月31日時点で、1万8741台のG3 SUVを顧客に納品したと同社は話している。

P7の出荷は2020年5月に開始された。Tesla Model 3の直接のライバルとなるP7は、7月31日時点で1966台が出荷されている。Xpengは、3つ目の車種も計画している。これもセダンタイプだが、2021年mp発売予定だ。

画像クレジット:VCG / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

EV開発のBollingerが配達用電動バンのコンセプトを発表、2022年生産開始

いかつい電動SUVとピックアップトラックで知られるミシガン拠点のスタートアップであるBollinger Motors(ボリンジャー・モーターズ)は8月27日、2022年の生産開始を計画している配達用バンのコンセプトを発表した。

ポイントは汎用性だ。同社によると「Deliver-E」と呼ばれるコンセプトは、業務で使う顧客のニーズに合わせて構成、特にホイールベースとバッテリーパックを変えることができる。バンは前輪駆動で、リアサスペンションを搭載している。また、高さ18インチ(約46cm)と低床で、可変性のホイールベースは複数の貨物構成に対応する。ホイールベースはクラス2B、3、4、5を含むさまざまな車両クラスに活用できると同社は話した。加えて70〜210kWhの5サイズのバッテリーパックも用意している。

配達用バンは、B1 SUV、B2ワークトラックと明らかに異なるが、機械まわりのほとんどを共有している。モーターやバッテリー、インバーターを含む主要な構成要素はBollinger Motorsのラインアップ全てに共通する。

「配達用バンは自社生産しない」と同社は述べた。DELIVER-Eバンならびにトラックを米国で生産するのにパートナーと提携し、2022年に生産を開始すると明らかにした。

Bollingerをフォローしている人の中には、同社がクラス3の商用車向けにデザインしたE-Chassisを3月に発表した(未訳記事)ことを思い出した人もいるかもしれない。しかしE Chassis(いまはChass-Eと呼ばれている)をDeliver-Eバン用のプラットフォームと混同しないでほしい。同社によると、Deliver-Eは配達バン特有のニーズに対応する新しいプラットフォームを持っている。

ただし、Chass-Eは明らかに新しい配達バンプラットフォームをリードしている。創業者でCEOのRobert Bollinger(ロバート・ボリンジャー)氏によると、BollingerがChass-Eを発表した後、配達企業や配達トラックのメーカーから、Chass-Eが配達バンに使えるかどうか「山のような」問い合わせがあった。答えは「ノー」だ。というのも、Chass-Eは調整可能なサスペンション付き全輪駆動や、高い車高といった配達バンには不要の属性を持つからだ。

新たな知見を顧客の需要とみなし、同社は配達バンのニーズに合うまったく新しいプラットフォームを開発することを決めた。

画像クレジット: Bollinger Motors

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(翻訳:Mizoguchi

フォルクスワーゲンが全電動SUV「ID.4」の生産をドイツ・ツヴィッカウ工場で開始

Volkswagen(フォルクスワーゲン)は、米国向けに出荷される初の新IDシリーズ車となる全電動SUV「ID.4」の生産を開始した。

2020年9月に予定されているワールドプレミアに先駆けてドイツのツヴィッカウ工場で8月20日に始まった。同社の全電動IDブランドとして初のモデルで、2025年までに電気自動車を年間100万台販売するという野心的な計画の第1弾となったID.3に続くのがID.4だ。ID.3の生産バージョンは2019年9月に発表され、出荷は2020年9月に始まる。

ID.4はフォルクスワーゲンのフレキシブルなモジュラーシステムであるMEBプラットフォームを採用する2つめの電動自動車でもある。MEBプラットフォームは電気自動車生産のための共通パーツの母体であり、同社は生産が効率的に、そして費用対効果が高くなると説明している。欧州でのみの販売となるハッチバックのID.3がMEBプラットフォームを活用した最初の車だ。

ID.3と異なり、ID.4は中国、欧州、米国で生産・販売される。生産はツヴィッカウ工場で始まっているが、同工場を電気自動車専用に変えるのにフォルクスワーゲンは12億ユーロ(約1497億円)を投資した。2021年までにツヴィッカウ工場は年30万台の電気自動車を生産するようになる。

VW Groupのeモビリティ担当役員であるThomas Ulbrich(トーマス・ウルブリッヒ)氏によると、中国にある2つの工場も2020年にID.4の生産を開始する。テネシー州チャタヌーガの工場でのID.4生産は2022年に始まる予定だ。

関連記事:フォルクスワーゲンが全電動ID.3ハッチバックを6月に販売開始

カテゴリー:モビリティ

タグ:VW 電気自動車 ドイツ

画像クレジット:Volkswagen

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(翻訳:Mizoguchi

Lucidの新型完全電動セダンは2021年中盤までに自宅への電気が供給可能に

Lucid Motors(ルーシッド・モーターズ)は米国時間8月19日、発売が予定されている完全電動セダンAir(エアー)には急速充電機能が搭載され、20分の充電で300マイル(約480km)走行でき、家庭用充電ユニットでは、車から家に電気を供給できるようになると発表した。

この数値を達成できたのは、リチウムイオンセル、バッテリーおよび熱管理システム、パワートレーン(駆動部分)の効率化を組み合わせた900Vの電力アーキテクチャーのお陰だとLucidは話している。ポルシェ・タイカンと将来発売予定のキアのEVは除き、ほとんどの電気自動車は400Vアーキテクチャーを採用している。

この急速充電には制約がある。ドライバーは、対応する直流急速充電器を探す必要があるのだが、今は数が少ないという点だ。だが充電器の能力は、EVオーナーの期待に大いに応えてくれる。この予測値がEPAの認証を得られた場合の話だが、Lucid Airは、500マイル(約800km)という驚異的な走行距離を実現する予定だ。この急速充電機能によって走行距離という長年つきまとってきた不安が取り除かれ、長距離ドライブも夢ではなくなる。

同社は充電に関連して、このほかにもいくつかの詳細も発表した。そのひとつは、AirがユニバーサルCCS(コンバインド充電システム)の標準コネクターに対応するということだ。そのため公共の充電器が利用できる。この車両の充電レートは最大300kWを超え、19.2kWの車載交流充電器は1時間で80マイル(約128km)の交流充電速度に対応できる。

さらにLucidは、VW Group(フォルクスワーゲン・グループ)の米国での充電ネットワークであるElectrify America(エレクトリファイ・アメリカ)との提携も発表した。Airのオーナーは3年間、Electrify Amercaの充電スタンドを無料で利用できる。このネットワークには、直流急速充電器も配備される。

Lucidはまた、家庭用充電機能もいくつか作ってきた。その中には、Qmert(キューメリット)と提携して、オンライン接続された同社の家庭用充電ステーションを組み込んだものがある。だが、最も興味深いのは、おそらく「車からすべての物へ」という充電機能をAirと家庭の充電ユニットに持たせたことだろう。つまり、自動車同士で双方向で充電しり、Airから家へ電力を送ることができるようになる。Lucidが特に力説していたのは、家への一時的な電力供給を可能にするという点だ。極めてピンポイントの事例だが、裕福なEVオーナーの購買層には人気となるに違いない。LucidがTechCrunchに話したところによれば、この機能は2021年中旬に利用可能になるという。

もうひとつLucidが話していたことに、古いバッテリーを蓄電池として再利用する計画もあった。最初のプロトタイプは、幅広い蓄電製品を開発しているLucidのシリコンバレー本社ですでに使われている。

画像クレジット:Lucid Motors

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(翻訳:金井哲夫)