ウェルビーイングがテーマの事業共創プログラム「Well-BeingX」をスクラムスタジオと異業種の大企業4社が開始

全世界的なデジタル化、そしてコロナ禍による社会が変化し健康意識が高まる現在「ウェルビーイング」に注目が集まっている。身体的なものだけでなく、精神的、社会的に良好な状態を意味するウェルビーイング。

近年では、1人ひとりのニーズに応じたウェルビーイングな社会の実現への関心が高まり、実現のための新たなテクノロジーやビジネスモデルが求められ、そのニーズと機会はさらに大きくなっていくと考えられている。

スクラムスタジオ住友生命保険東京建物日本たばこ産業をパートナー企業に、博報堂をサポーター企業に向かえ「多様なウェルビーイングの実現」をテーマに、世界中のスタートアップと連携・事業共創を行うグローバルオープンイノベーションプログラム「Well-BeingX」を開始すると発表した。

プログラムでは、異なる業種の企業間やスクラムベンチャーズグループのスタートアップ精査のノウハウなどを通じて、募集、選考される企業との事業共創に取り組み、1人ひとりのニーズに応じた価値の高い先進サービスやアプリの創出に取り組むとのことだ。

募集は本日、3月8日から開始(2022年5月31日まで)。募集するスタートアップの主要領域は「パーソナルケア&ウェルネス」「栄養&健康管理」「エイジング&介護」「保険&健康経営」「こころと体」の5つとなる。開催期間は2022年3月から2024年12月迄の3年間プログラム(1年目プログラムは、2022年3月から2022年12月迄を予定)となる。

パートナー企業の住友生命保険の上席執行役員兼新規ビジネス企画部長藤本宏樹氏は「住友生命は自治体・企業・さまざまなパートナーのみなさまと一緒に「WaaS(Well-being as a service)」エコシステムを構築することで、Well-beingな社会の実現を目指しています。『Well-BeingX』への参加が、その大きな一歩になることを期待しています」と述べる。

また、本プログラムにおいて地域課題の共有や実証プロジェクトなどで協力する先進自治体がオブザーバーを務めるが、その1つである東京都渋谷区のグローバル拠点都市推進室瀬野小枝子氏は「渋谷区では社会課題を解決するため、スタートアップ企業の実証実験事業「Innovation for New Normal」を実施し、多様な人々がそれぞれの想いを叶えられる社会を目指しています。今回のWell-beingXにおいても、困難をチャンスに変え、Well-beingの実現に向けて社会を豊かにする新しいイノベーション・カルチャーをともに作っていけたらと思っております」と語る。

応募はこちらのページから、プログラムや応募に関する詳細は公式ウェブサイトで。

従業員のウェルビーイングを管理、ポストコロナ期の燃え尽き症候群を防ぐQuan

新型コロナウイルス流行収束後のバーンアウト(燃え尽き症候群)の増加、リモートワークへの移行、そして「大量退職時代」が辞書に載るようになった今、企業は人材を確保するのに苦労している。

Culture Amp(カルチャー・アンプ)やGlint(グリント)のようなカルチャープラットフォームは、別の時代に構築されたものであり、人事部にインサイトやレポートを提供するが、それらの多くは2022年に適合しているとは言えない。また、従業員のウェルビーイングは、依然としてますます重要な課題になっている。

新たなスタートアップ企業のQuan(クアン)は、エンゲージメント調査とウェルビーイング手当の間にあるギャップに対処するために、Y Combinator(ワイコンビネーター)をはじめ、オランダのインパクトファンドや複数の匿名のエンジェル投資家たちから、プレシード資金として115万ドル(約1億3000万円)を調達した。

女性が主導するオランダのスタートアップとして初めてY Combinatorに採用された創業者のArosha Brouwer(アロシャ・ブラウワー)氏とLucy Howie(ルーシー・ハウイー)氏は、医師、心理学者、セラピストと一緒にこの問題を研究し、200以上の予測因子に裏打ちされた20以上のウェルビーイングの下位次元を特定したと述べている。

Quanは、2021年3月にベータ版製品を発表し、現在は12の組織と提携を結び、1000人以上の有料ユーザーを獲得しており、プラットフォームのエンゲージメント率は88%に達しているという。

ブラウワー氏は筆者に次のように語った。「あまりにも長い間、人材・行動様式プラットフォームのプレイヤーたちは、ウェルビーイングを効果的に管理する方法を提供せずに『従業員エンゲージメント』や『従業員エクスペリエンス』を測定し、それをビジネス指標に直接結び付けてきました。そのため、バーンアウトや有害な企業文化といった問題が誤った方向に進んでしまう傾向にあるのです。Quanは、社会的な問題を効果的に解決するためには、それを経済的な問題(またはインセンティブ)にもしなければならないと考えています。冷厳な事実ですが、企業に従業員を大事にさせるためには、それが企業の利益にどのように影響するかを直接測定する必要があるのです」。

Quan社は現在、企業のリーダー向けに無料のアクセストライアルを提供している。

画像クレジット:Quan founders

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

動物性原材料を使用しない「プラントベースフード」ブランド2foodsを展開するTWOがカゴメから5億円調達

プラントベースフードブランド「2foods」(トゥーフーズ)などウェルビーイング事業を展開するTWO(トゥー)は1月21日、第三者割当増資による5億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はカゴメ。調達した資金は2foods事業の展開加速にあてる。

また、カゴメとはすでに2021年4月に包括業務提携を締結しており、双方の強みを活かしたプラントベースフードの新しいプロダクト開発を共同で進行中。カゴメとの共同商品の開発など両社の連携強化によりシナジー創出を図り、店舗展開と加工食品展開の2軸のビジネス戦略で事業成長を加速させることで、立体的なブランドビジネスの基盤を構築する。

2foodsは、動物性原材料を使用しない食「プラントベースフード」を提供するブランドとして2021年4月にローンチ。味覚を刺激するおいしさ「Yummy」と、食べることでカラダを整える健やかさ「Healthy」を併せ持つ「ヘルシージャンクフード」をコンセプトとしている。

現在は都内6店舗とオンラインショップを展開し、すべて動物性原材料不使用、植物由来原料のメニューによる食事やデザート、ドリンクなどを合計50種類提供中。2022年は素材開発・加工食品展開と2軸のビジネスモデルで様々な企業とのコラボレーションやプラントベース素材・商品開発に取り組むという。

2015年12月設立のTWOは、「健康と欲求はトレードオフの関係」という常識を覆し、カラダ、ココロ、そして社会的にも満たされる「真の健康」をデザイン、健康と欲求という相反する2つを同時に享受できるプロダクトやサービスを提供するウェルビーイングカンパニー。

レジャー予約サイト「アソビュー!」運営元が総額30億円のシリーズE調達、累計調達額約55億円に

レジャー予約サイト「アソビュー!」が総額30億円のシリーズE調達、累計調達額約55億円に

遊び・体験の予約サイト「アソビュー!」をはじめ、観光・レジャー産業向けSaaSなどを提供するアソビューは12月24日、シリーズEラウンドにおいて、総額30億円の資金調達を12月23日に完了したと発表した。引受先は、フィデリティ・インターナショナル、三井不動産とグローバル・ブレインが共同運営する「31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースI事業」。累計調達額は約55億円となった。

調達した資金により、アソビュー!の認知拡大、観光・レジャー産業向けのバーティカルSaaSによるDX支援を実施する。またこれに伴う、プロダクト開発やインフラ面の整備、人材採用にあてる。

2011年3月設立のアソビューは、「アソビュー!」、大切な人に思い出を送る体験ギフト「アソビュー!ギフト」、レジャー観光・文化施設向けDXソリューション事業を提供。「生きるに、遊びを。」をミッションとし、「遊び」が衣食住に並ぶ人生を豊かに彩るものとして、ウェルビーイング(Well-Being)な社会の実現を目指している。

男性のポルノ断ちもサポート、あらゆるデジタル依存症を克服するツールを英Remojoが開発

男性のセクシャルヘルスをテーマにしたスタートアップが数年前から活発な動きを見せている。初期のテックビジネスには、勃起不全などの健康問題を治療するための医薬品への(より簡単な)アクセスを提供することを目的とするものや(例えばRoman)、抜け毛を減らしたり性欲を高めたりすることを謳ったホルモン検査やオーダーメイドのビタミン剤を提供するものもあった(Manualなど)。時間の経過とともにより広範な遠隔医療が提供されるようになり(Ro)、そして最近では、男性のメンタルヘルスにも関心が向けられるようになった。

関連記事:包括的メンズヘルスケア「Manual」が米国と欧州の投資家から33.1億円のシリーズAを調達

この展開を長い間待ち望んでいた人も少なくないのではないだろうか。

ここ英国は今、起業活動におけるちょっとしたホットスポットとなっているようだ。例えば9月の記事では英国を拠点とするMojoのシードラウンドを紹介した。同社は男性の性的ウェルビーイングのためのサブスクリプションサービスを提供しており、勃起不全の解決策として錠剤ではなくセラピーを提案している。

また、男性専用ではないが、英国のPaired(ペアード)はアプリを通したカップルセラピーを提供している。

さて、今回はMojoと同じ年(2019年)に設立され、男性の性的幸福とセルフケアに対するホリスティックなアプローチを提供している英国拠点のサブスクリプションサービスをご紹介したい。似たような名前が付けられたRemojoは、性の健康に関する悩みを抱える男性をサポートするための技術ツールやアプリ内プログラムを提供しているが、まず同社が最初に着目したのは「ポルノの放棄」である。

Remojoのウェブサイトを見てみると、ポルノをやめることで時間の節約や注意力の向上を期待できるだけでなく、個人的な人間関係が改善され、さらには勃起不全などの健康問題が解決する可能性があるなどさまざまなメリットが説明されている。同社には急成長中の男性のセクシャル・ウェルビーイング分野と一致するところがかなりあるようだ。

価格の違い(RemojoのサブスクリプションプランはMojoよりも安い)を除けば、まず最初の違いはどう男性に関心を持たせるかというところである。

勃起不全に悩む男性よりもポルノを消費する男性の方が多いのは当然だろう。しかし、Remojoのターゲットは、ポルノを見ていて、かつポルノをやめたいと思っている男性だ。しかし単独創業者であるJack Jenkins(ジャック・ジェンキンス)氏は、このサブスクリプションサービスがポルノ依存症男性のためだけのものではないと強調している。

むしろ同氏によると、単純な自己啓発を目的とする人(自分の内側をよりコントロールできるようになりたいと感じている人)から、ポルノ消費の習慣が日々の生活(や人間関係)の妨げになっていると感じている人の他、宗教的信念を持っていて、たとえめったにポルノを使用しないとしてもポルノを使用することに恥じらいを感じており、求められる精神的基準に沿って生活できるようにするための助けを求めている人まで、さまざまな理由でポルノ消費をやめたいと思っている人に対応できるよう設計されているという。

ジェンキンス氏によると、Remojoの主要ユーザーには、キリスト教徒、イスラム教徒、ヒンズー教徒がおり、宗教的理想を実現するための支援を求めている人々が多い。彼らが置かれている環境では通常話すことがタブーとなっている問題について取り組むため、偏見のないサポートコミュニティを求めている場合もあるという。

Remojoによると、同社のサブスクリプションプログラム(1カ月4.99ドル、約580円。3カ月間または1年間のプランに申し込むとそれ以下になる)には毎月約5万人が登録しており、世界中(少なくともインターネットへのアクセスが容易な場所)からユーザーが集まっているというから、ポルノの消費が非常に普遍的な問題であるということがよくわかる。

現在、Remojoにとって最大の市場は米国、英国、ブラジル、インド。アプリ内のコンテンツは英語のため、英語圏の他の市場でも成長しているとジェンキンス氏は説明する。同社の典型的なユーザーは16~35歳の男性で「いつでもポルノにアクセスできる環境で育った」デジタルネイティブだといえる。

このような支持を受け、当然のことながら投資家も放ってはおかない。

ジェンキンス氏によると、同社は過去12カ月間に160万ポンド(約2億5000万円)のプレシード資金を、元Techstars Berlin(テックスターズ・ベルリン)のマネージングディレクターでAngel Invest(エンジェル・インべスト)CEOのJens Lapinski(ジェンズ・ラピンスキ)氏、同じくTechstars BerlinおよびAngel InvestのJag Singh(ジャグ・シン)氏をはじめとする多数の事業家エンジェルの他、銀行・金融業界のエンジェルや(匿名の)創業者などから調達したという。

ジェンキンス氏によると、同社は現在シリーズAの調達を進めており、500万ポンド(約7億7000万円)から600万ポンド(約9億2000万円)を目標に「1月までに」ラウンドを終える予定だという(おそらくシードをスキップして、Aに直行するだろうと同氏は話している)。

Remojoのウェブサイトには、ポルノをやめるための「90 day reboot」というものがあるが、これは同社で最も人気のある契約プランだという。

同社の技術が本当に有効ならば、3カ月ごとにユーザーが大きく入れ替わることになるだろう。しかしオンラインポルノには粘着性があり、簡単にアクセスできるため、再発の危険性が高く、ブロッカーツールが役立つ可能性が高いとジェンキンス氏は主張する。そのため男性にポルノをやめさせるというミッションが成功することによっておき得る、収入の激減を心配することはなさそうだ。

同社はより広範で継続的な、実用性と魅力を兼ね備えたコースもアプリ内で提供しており、ポルノの消費に関連している(あるいは悪影響を受けている)可能性のある男性の性的健康と幸福におけるさまざまな側面をサポートしている(ただし、やめたら改善が続くとは限らない)。

当初、自ら資金を調達して事業を立ち上げたジェンキンス氏。創成期にはユーザーがスマートフォン上でコンテンツをカスタムブロックして、ポルノソースへのアクセスを遮断できるMVPを発表した。

現在同ソフトウェアは、Android、iOS、Windows、macOSに対応しており、クロスデバイスで利用が可能だ。オンラインポルノへのアクセスに文字通りバリアを設ける単純なアダルトコンテンツブロッカーだけでなく、前述の行動変容コース、CBTテクニック、幅広いサポートコミュニティなど多くの機能が盛り込まれている。

今後はAIを用いてポルノコンテンツの識別を行い、ソフトウェアのブロック/フィルタリング機能を強化しようとジェンキンス氏は計画しており、コンピュータービジョンとオーディオを使用してポルノ視聴を進行中に検知し、ソフトウェアがリアルタイムに介入できるようなモデルの開発に取り組んでいる。

現在は、カスタムメイドのブロック機能とサポートリソースがミックスされたアプリになっている。

「いくつかの要素を組み合わせたハイブリッドになっています。習慣形成や習慣破壊に関する研究を行い、その分野で得られた知見や原理を利用しています。アプリ内コンテンツディレクターであるNoah Church(ノア・チャーチ)は、ポルノ依存症から抜け出すためのコーチングを7年間にわたって行ってきました。彼はYouTubeチャンネルを持っており、長年そこで講座やコーチングを行っています」とジェンキンス氏はTechCrunchに語っている。

「弊社のアプリの基礎構造の1つは『選択モデル』です。これは、英国のポルノ・セックス依存症研究の第1人者であるPaula Hall(ポーラ・ホール)博士が開発した回復モデルです」。

Remojoはプログラムから得られるユーザーの実用的な洞察、他のユーザーによる匿名のサポートコミュニティへのアクセス、ユーザーが進展を確認したり、コミットメントやアカウンタビリティを維持したりするためのツール(アカウンタビリティ・パートナーやインストールPINプロテクションなど)も行動変容のミックスに組み込んでいる。

ユーザーを完璧に「Reboot(再起動)」させてしまうことからこのプログラムは開始する。つまりポルノの消費を持続的に控える期間である(ここでRemojoのブロックツールとアカウンタビリティー機能が重要な役割を果たす)。マインドフルネス、運動、(ポルノとは無縁の)趣味への参加など、ポルノを放棄したことで空いた穴を埋めるための、代替習慣を身につけるための時間を確保させることがここでの狙いである。

ジェンキンス氏によると、マインドセットや思考パターンを変えること、そして男性の自己啓発が主な目的であるため、コースの内容には、習慣の変更、依存症の回復、性機能障害の克服(Mojoとの重複)などの関連分野が含まれているという。

今後は、デートに関してやパートナーとの関係・性生活の改善など、より幅広い分野をカバーするコースの他、特定の宗教的信条に合わせたアドバイスを提供するコースなども予定している。

「また、より困難な状況にある人には、心の穴を埋めるためにポルノのようなものを必要としないよう、より充実した生活を送れるようにするための支援をしています」。

ポルノ利用者の中には、利用に関連するより深い心理的問題を抱えている人もいるかもしれないが(幼少期の虐待など)、ポルノの消費自体には「便利な存在」だということ以上の深い意味はないのではないかとジェンキンス氏は主張している。つまり、消費を心理学的に分析することは必ずしも必要ではないという考えである。

そのため同アプリは人を判断することを避け、男性が自分の時間と注意力をコントロールできるようにサポートすることに重点を置いている。そしてそのついでに、注意を散漫させるポルノ業界を批判している。

「ポルノの使用は、必ずしも深い心理的問題によって引き起こされるものではありません。ただ非常に刺激的で、非常に強迫的な物質であり、人々の基本的な進化の欲求を利用して乗っ取ってしまうものなのです。そのため人々はただそこにあるから、そしてとても魅力的だからという理由で、純粋にポルノを見てしまうのです」と同氏は話す。

「これは世界中で共通した問題です。世界中の35歳以下の男性なら、宗教への信仰深さを問わずほとんどの人が直面しています。非常に大きな問題のため、すべてを一括りにすることはできません」と、オンラインポルノの魔力について説明する。「1日に3時間から7時間も見てしまうような深刻な依存症の人もいれば、イスラム教徒で月に1度しか見ないにもかかわらず、イスラム教では許容されていないため彼にとっては大問題です。それが自尊心に影響を与え、神との関係を絶ってしまうようなことさえあります」。

「非常に広い範囲にわたった問題であるため一般化するのはとても困難です。ユーザーの人生がいかに変化したかについて、さまざまな話やコメント、評価を聞くことが私やチームにとっての最大の喜びです」。

より広い観点から見てみると、オンラインでのポルノ視聴は、英国政府も10年以上前から関心を寄せている問題である。ネット上の不適切なコンテンツに簡単にアクセスできてしまうことで、子どもたちに悪影響が及ぶのではないかという懸念から、閣僚たちは現在大規模なオンライン安全法を施行している。

関連記事:英国が子どものためのオンライン安全法案の草案を発表

同様に、幼い頃から無限のポルノにさらされている男性は、後にさまざまな性的ウェルビーイングの問題を抱えることになると同社は考えている(月に5万人の男性がユーザーになるというのだから、あながち間違いではないのだろう)。

英国政府が以前、アダルトサイトへのアクセスに年齢認証を義務付けようとしたことがあったのだが、セキュリティやプライバシーへの懸念、年齢チェックを課したり規制したりすることの実現性をめぐる反発を受け、2019年に挫折した。

自分専用のポルノブロッカーとポルノ断ちのサポートコミュニティ(有料)によって男性が自らポルノをやめることができれば、話はずっと簡単だ。

ジェンキンス氏は自身がポルノをやめようと決心した際、アプリを使った支援ツールを思いついた。特にポルノへの依存があったわけではないが「より良い生活と自身を生きるための、より意識的な選択」として決意したのである。

辞めるためのサポートを探していた際、あるサブレディットで100万人以上のユーザーが同じようなサポートを求めていたことを知り、同氏はそこからこの問題の大きさとビジネスチャンスの可能性を感じ始めた。

「ポルノを完全に自分の生活から遮断するため、スマホやパソコンのコンテンツをブロックしたり、フィルタリングしたりできるガードレールのようなものを探したのですが、あまりいいものがありませんでした」と同氏は振り返る。「私は起業家精神があるため、この問題をもっと掘り下げようと思ったのです。同じようなことをしたいと思っている人や、このように感じている人は私だけではないはずだと思い、Reddit(レディット)でポルノ断ちやポルノ中毒について、あるいはポルノに関する問題や生活への影響について積極的に話している人たちにDMで連絡を取り始めました」。

「彼らにインタビューを始めたところ、Redditでどれだけ多くの人がこの話をしているかに驚かされました。約130万人もの人々が、ポルノをやめることに特化したサブレディットに参加しているのです。彼らはとても熱心に私に話をしてくれましたし、彼らがどれほど強く解決策を求めているのかを知りました」。

「最初のユーザーディスカバリーを行った後、すぐに(2019年12月に)作業を開始しました。私がこれまでに持っていたどんなに良いアイデアでも、これほどのレベルの同意を得られたことはありませんでした」。

「最初はブロッキングが目標でしたが、次第に人々が直面している問題を理解するようになりました。実際に人々の行動を変える手助けをするにはどうしたらいいのか、また習慣や中毒を断ち切るには、行動や考え方を変えるべきなのではないかということが理解できるようになりました。つまりブロッキングだけでは不十分なのです」。

勃起不全の治療をきっかけに、男性に対してより幅広い治療(ポルノ依存症のサポートを含む)を提供したいと考えているMojoと同様に、Remojoもまた、そのツールをより広範囲へと広げたいと考えている。ポルノ用に開発しているアプリベースのフレームワークを、オンラインギャンブルやソーシャルメディア、コンピュータゲームの依存症など「誰も本気で取り組んでいない、現代的な行動的デジタル依存症や強迫観念」にも適用できるようにしたいとジェンキンス氏は意気込んでいる。

「弊社のフレームワークを使って、ギャンブルや衝動的なゲームプレイをやめたり、ソーシャルメディアを減らしたりするための支援をしていきたいと思っています。これらは別々のブランドになりますが、同じ技術、同じフレームワークを使って人々をより良い習慣に導いたり、完全にそれらを断ったりすることができるでしょう。枠組みはまったく変えずアプリ内のコースを変えるだけです。アプリ内のコースを変更するだけで、その他のシステムに関しては、習慣や行動に変化をもたらしたり、デジタル依存症を克服したりするために何が有効かという点ではまったく同じです」。

つまりひょっとすると、Remojoはそのうち女性をターゲットとしたプロダクトを作る可能性もあるということだ。

(それにしても「ポルノをやめる」と「Facebookをやめる」が同列に語られるというのは、ソーシャルメディアに対する考え方がいかにネガティブなものになっているのかを物語っている)

同社のもう1つの開発計画には、独自のカスタムOSの開発がある。本質的にミニマルなOSで、自分の注意を引こうとするデジタル界のあれこれを、ユーザー自身がコントロールできるようにするためのものである。

「アンドロイドのスマホやデスクトップ機器向けにカスタムOSを構築したい」と語る同氏は、近日中に予定されているシリーズAの資金の一部を使ってその作業を開始し、最終的には「デジタルミニマリスト向けに、デジタルウェルネスコントロールをすべてOSに組み込んだ携帯電話を発売する」ことを目標としているという。しかしそれはまだ先の話になりそうだ。

シリーズAにより資金が潤沢になると予想される今後1年間の計画として、メッセージ性を高めていくことも重要だ。

ポルノ消費に関するより多くの人々の考え方を変えるために「世界的な会話を始めていきたい」とジェンキンス氏はいう。ポルノをやめるという考えが、お酒を飲まないとかタバコを吸わないという考え方と同じように「ありきたり」でごく普通なことになるように働きかけていきたいと同氏は考えている。

「まずシリーズAで実現したいのは、このテーマに対するタブーをなくすことです。お酒を飲まない、タバコを吸わない、肉を食べない、といったことと同じように、普通に広く受け入れられるようにしたいと考えています。このライフスタイルの選択を、メインストリームの話題や選択肢として受け入れられるようにするのです」。

画像クレジット:Remojo

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

現実世界への影響とポジティブな変化に焦点を当てたソーシャルアプリ「Alms」

多くのスタートアップが、より良いソーシャルアプリとはどのようなものかを試行錯誤している。Alms(アルムス)というスタートアップの場合、その答えは、個人の成長や持続可能性など、ポジティブな影響を与えるクリエイター主導のチャレンジに参加することで、ユーザーのウェルビーイングに焦点を当てるソーシャルネットワークだ。他のソーシャルアプリのように「いいね!」を集めるのではなく、Almsはチャレンジと、それにともなう具体的なステップや行動を通じて、現実世界での活動を促すことを目指している。

Almsの創業者、Alexander Nevedovsky(アレクサンダー・ネヴェドフスキー)氏は、アプリを利用するとき、ユーザーがより幸せで有意義な人生を送れるようなものにすることを目指している。それは、現代のソーシャルプラットフォームでは約束できないことだ。

このプロジェクトは、2020年のパンデミック初期に始まったとネヴェドフスキー氏は話す。

「私たちの多くは、友人や家族にあまり会えず、家で落ち込んだり悲しんだりしていました。世界は、単なる瞑想や日記、気分のトラッキングを超えた何かを本当に必要としていると感じました。そうしたアプリやテクニックはどれもすばらしいものですが、現実の世界でやり取りしながら日々の生活を改善するためのものではありません」。

しかし、2020年リリースされたAlmsのオリジナルバージョンには、アプリを「粘着質なもの」にするための何かが欠けていた。ユーザーは、コンセプトが気に入って登録しても、ある時点で脱落し、アクティビティに参加しなくなってしまう。Almsは、ユーザーを自分の旅に結びつけるための何かが必要だと考え、現在ではよりソーシャルなコミュニティへと移行している。

画像クレジット Alms

まず、新デザインのAlmsアプリを起動すると、簡単なオンボーディングプロセスを経て「個人の成長」「持続可能性」「インパクト」という3つの主要なトピックエリアから興味のあるものを選択する。例えば「個人の成長」には、メンタルヘルス、ウェルネス、スピリチュアリティ、人間関係などが含まれている。「持続可能性」では、環境や自然に関連した関心事を取り上げる。そして「インパクト」には、アクティビズム、ボランティア活動、地域コミュニティなどが含まれる。

設定が完了したら、チャレンジを投稿しているクリエイターをフォローしたり、個々のチャレンジに参加することができる。それぞれのチャレンジには、完全にクリアするために必要な一連のステップが設定されている。例えば、在宅ワークのライフスタイルを改善するためのチャレンジでは、ワークスペースやワークライフバランスを改善するためのステップ(休憩時間を設けたり、休みを挟んだりするなど)や、日常のルーティーンに身体活動を取り入れることなど、具体的な行動が示される。

チャレンジに参加して各ステップをクリアしてチェックを入れると、そのステップに関するストーリーをそのチャレンジのフィードに投稿するよう促される。他の人に刺激を与えることができ、励ましのコメントが付けられることもある。しかし「いいね!」やコメントを集めることがAlmsの目的ではないとネヴェドフスキー氏はいう。

「私たちは、個人の成長、持続可能性、さまざまな種類のインパクトなど、これらのテーマに精通した多くの人々が、基本的に私たちと一緒にそのインパクトを拡大しようとすることに大きな可能性を感じています。私たちは、彼らの知識やコンテンツをすべて拡張可能な方法で提供し、人々がそれを気に入ったり、コメントしたりするのではなく、実際にそれを繰り返してみることができるようにしています」。

Almsでは現在、約30人のクリエイターがアプリ上でチャレンジ形式でコンテンツを共有しており、さらに15人のクリエイターが参加を予定している。今後数カ月のうちに数百人に拡大したいと同社は考えている。これまでのところ、アプリの新バージョンは数千人のユーザーを引きつけている。

画像クレジット:Alms

このアプリでの多くのチャレンジには数百人のユーザーが参加し、クリックして参加すると、より大きなイベントに参加しているという感覚がある。ただし、筆者は個人的には、ストーリーの投稿とフィードへの共有が任意であることが望ましいと考える。すべてのステップが独自の投稿に値するわけではないと感じているからだ(また、完了した些細なステップについて何もいうことがない場合もあり、あまり役に立たない投稿でフィードを混乱させてしまったように感じることもある)。

Almsは、Flo.Health、Simple Fasting、Zing Fitness Coachなどのアプリを提供するスタートアップスタジオPaltaと共同で設立された。PaltaはAlmsの株式の過半数を所有しており、その他外部からの投資はない。14人のチームが遠隔地に分散してAlmsのアプリを開発しているが、現在は収益をあげていない。

ネヴェドフスキー氏によると、チームは何らかのトークンベースの経済や、現実世界の報酬を伝えるDAOを追加することを検討しているという。例えば、Almsのガバナンスに参加できたり、クリエイターファンドに参加できたりといったものだ。このトークンは、少なくとも短期的には取引できない。同社は、アプリ内チップのような、よりシンプルなアイデアも検討するかもしれない。しかし、Almsは現時点では製品と市場の適合性や、ユーザーベースの拡大に取り組んでいるため、まだ何も決まっていない。

全体的に、Almsはソーシャルアプリでの時間の使い方にもっと気を配り、影響を与えたいと思っている人や、より具体的な方向性を持ったインスピレーションを求めている人にアピールできそうだ。

「人は多くの場合、実際に影響を与えることなく、将来起こることに期待を寄せていると思います。ですので、自分が何を共有し、何を推奨しているかを知っている人たちから、アイデアやインスピレーションを得られるアプリがあると、とても助かると思います。特にサポートに関してはそうです」とネヴェドフスキー氏は指摘する。「(Almsの人々は)実際に気にかけてくれています」。

このアプリはよくできており、魅力的なデザインだ。しかし、今日のモバイルデバイスにおけるスクリーンタイムの競争を考えると、新しいソーシャル要素にもかかわらず、ユーザーが脱落してしまうという当初の問題に直面する可能性がある。

Almsは当面、iOS版のみの展開で、無料でダウンロードできる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

780社以上が利用、企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビAill goenが全国版・九州版に続き関西エリアでもサービス開始

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビAill goenが全国版・九州版に続き関西エリアでもサービス開始Aill(エール)は11月15日、企業の福利厚生サービスとして利用可能なAI縁結びナビゲーションアプリ「Aill goen」(旧Aill)の全国版九州版に加え、同日より関西版を開始することを発表した。これにより、これまでの関東、九州、東北に加えて対象地域が拡大する。

Aillは、ウェルビーイング(=心も身体も健康な状態)が浸透する社会を目指し、幸福度の高い「ワークライフシナジー」を実現する一助として、公的・私的承認が満たされる重要性に着目。公的承認は、仕事(ワーク)などの社会活動によって得られるものの、仕事をがんばることでプライベートの時間・出会いの機会が少なくなり、パートナーシップや家族との関り(ライフ)によって得られる私的承認が満たされにくいという状況が課題となっているという。

そこで同社は、勤務先企業を通じて審査を受けた安心・安全なユーザーが集まるコミュニティを形成し、AIが出会いとコミュニケーションに伴走することで、信頼をともに育むライフパートナーの縁結びを提供している。Aill goenにより、社外の良縁とAIのテクノロジーの力で先の課題を解決すると同時に、社員の幸福度向上をアシストするという。

Aill goenは、福利厚生サービスとしてAillと提携した企業の独身社員のみが利用可能。社員の「ワーク」だけでなく「ライフ」もサポートする福利厚生サービスとして、現在780社以上の企業に利用されている。Aill goenには、生活サイクルやキャリアプランを軸に価値観が近い相手をAIが探す「紹介ナビゲーション」、AIがチャットをアシストする「会話ナビゲーション」、相手の好感度をAIが可視化する「好感度ナビゲーション」の機能を搭載。無料のトライアルプランのほか、紹介人数とチャット人数が充実した有料のスタンダードプランが用意されている。企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビAill goenが全国版・九州版に続き関西エリアでもサービス開始

「AIでウェルビーイングな社会をつくる」をミッションに掲げるAillは、今回のサービス地域の拡大により、利用者のさらなる良縁サポートに貢献したいという。

 

学生の心のケアなどをサポートするNZのウェルビーイングプラットフォーム「Komodo」が約1.4億円調達

思春期というのは感情の浮き沈みが激しい時期であり、その難しさは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによってさらに悪化している。個人的な問題や学校での問題を抱えている10代の若者は、どんなに良い時期であっても、普段それらのことについて口にするのが難しいと感じるかもしれない。ニュージーランドを拠点とするスタートアップのKomodo(コモド)は、学生がスタッフとコミュニケーションできる場を提供すると同時に、学校側がうつ病やいじめなどの問題を発見して対処するためのデータを提供する、学生向けのウェルビーイング・プラットフォームだ。

2018年にChris Bacon(クリス・ベーコン)氏、Matt Goodson(マット・グッドソン)氏、Jack Wood(ジャック・ウッド)氏によって設立されたこのスタートアップは、Folklore Ventures(フォークロア・ベンチャーズ)が主導し、Icehouse Ventures(アイスハウス・ベンチャーズ)とFlying Fox Ventures(フライング・フォックス・ベンチャーズ)が参加して、180万ニュージーランド・ドル(約1億3900万円)のシード資金を調達したことを米国時間8月30日に発表した。個人投資家としては、従業員エンゲージメント・プラットフォームCulture Amp(カルチャー・アンプ)の共同創業者Rod Hamilton(ロッド・ハミルトン)氏、Culture Ampのピープルサイエンス・ディレクターChloe Hamman(クロエ・ハンマン)氏、ラーニング・プラットフォームEducation Perfectのリーダーたちと、Auror(オーラ)のピープルエクスペリエンス・ディレクターのKristi Grant(クリスティ・グラント)氏などが参加している。

ニュージーランドとオーストラリアにおけるKomodoの顧客やパートナーには、クイーンズランド州のMarist College Ashgrove(マリストカレッジ・アシュグローブ)、クライストチャーチのSt.Andrew’s College(セント・アンドリュー・カレッジ)、Australian Boarding Schools Association(オーストラリア・ボーディング・スクール協会:ABSA)、Independent Schools of New Zealand(ニュージーランド・インディペンデント・スクール)、Council of British International Schools(英国インターナショナル・スクール協会)などが挙げられる。

Komodoは、もともとベーコン氏がカンタベリー大学で博士号を取得した際に行った研究をもとに、青少年アスリートの健康状態をモニターするために作られた。Komodoの顧客の多くは学校であり、そこで初めてチームはKomodoの対象範囲を広げていくこととなった。

「具体的な事例を目の当たりにしたことが、自分たちにとって大きな魅力でした。学校側から『過去3カ月間、いじめられていた子がいて、彼らはスタッフに相談する自信がありませんでした。それが、Komodoを使うことでようやくそのような話ができるようになり、彼らも自分たちの悩みを伝えるための内々の手段があることに満足しています』という連絡がありました」。とウッド氏はTechCrunchに述べている。

Komodoの共同創業者であるジャック・ウッド氏とクリス・ベーコン氏(画像クレジット:Komodo)

Komodoには、ウェブアプリケーション版と、ほとんどの学生が利用しているモバイルアプリ版がある。このプラットフォームは学校ごとによってカスタマイズすることができ、心理学者が作成したアンケートや、生徒が学校に行くことについてどう感じているか、社交性や人間関係、高校入学や大学入学の準備といった人生の大きな転機に関するトピックの質問が含まれている。生徒がKomodoにアクセスする頻度は、学校によって異なる。週に1回のところもあれば、2週間や1カ月に1回のところもある。例えば、リモートで授業をしている場合は、より頻繁にチェックインするなど、学校の環境に応じてプラットフォームの使い方が異なっている。

学校側は、アンケートで収集したデータをもとに、傾向を把握し、ネットいじめなどの潜在的な問題を早期に発見することができようになる。Komodoを導入する前、いくつかの学校では学生のウェルビーイング調査を年に数回行っていたが、その多くはスタッフや教師の勘に頼っていた。例えば、普段は外向的な生徒が突然内向的になった場合などがある。Komodoを使えば、より効率的に問題を特定し、対処することができる。しかし、ウッド氏とベーコン氏は、Komodoが人と人との直接的なコミュニケーションに取って代わるものではないと強調している。

「できるだけ早い段階で学生に精神的なサポートを提供することが、私たちの最終的なビジョンです」とベーコン氏は述べている。また、Culture Ampのハミルトン氏とは「データを受け取った相手がそれを本当に理解し、定期的に活用できることがいかに重要か」多くの時間をかけて話し合ったという。「私たちにとって重要なのは、学校のスタッフをサポートするために必要な、状況把握のための能力と心理学の専門家を今よりももっと多く提供することです」と付け加えている。

Komodoのシード資金は、社内チームに心理学者を増やし、プラットフォームを開発し、米国を含む他の市場に進出する前に、オーストラリアとニュージーランドのさらに多くの学校に展開していくために使用される。

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(文:Catherine Shu、翻訳:Akihito Mizukoshi)

サブスク型イベント予約サービスのSonoligoが7000万円調達、 関西展開および法人向けサービス開発

サブスク型イベント予約サービスのSonoligoが7000万円調達、 関西展開および法人向けサービス開発

名古屋⼤学発スタートアップ「Sonoligo」(ソノリゴ)は8月26日、第三者割当増資および融資により、合計約7000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、既存株主のBeyond Next Ventures、トビラシステムズ、個人投資家。借入先は日本政策金融公庫で、新型コロナ対策資本性劣後ローンを活用したものとなっている。

同社は、イベント予約プラットフォーム「Sonoligo」を提供。音楽・スポーツ・アートなどの各種オンライン・オフラインイベントを楽しめる個人向けサブスクリプション型サービスとなっており、月額料金は980円〜2980円(税込)としている。

2021年内に同サービスの関西地方への展開を計画しており、調達した資金はマーケティング費用・人件費に投資する。

またWell-Being(ウェルビーイング)分野において、文化の持つ力を活かし貢献することを目的に、社員や会社の文化活動推進に取り組みたい企業を対象とした法人向けサービスの開発、またその販路拡大に投資する。

法人向けサービスでは、2020年より取り組んできた500以上のオンラインイベントや良質な動画コンテンツといった実績を活用し、従業員の文化体験や社内の交流・つながりを創出する仕組みを提案するという。働く人のウェルビーイングを高めることが、コロナ禍などで顕著になりつつある職場の様々な課題の解決につながると考え、注力するとしている。

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビサービス「Aill」が1.15億円調達、公務員や有資格者団体に対象拡大

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビサービス「Aill」が1.15億円調達、公務員や有資格者団体に対象拡大

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビサービス「Aill」(エール)を手がけるAILLは8月18日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による1億1500万円の資金調達を発表した。今回は、今後のサービス拡大を見越し、朝日メディアグループ1号投資事業有限責任組合(朝日メディアラボベンチャーズ)、名古屋テレビ・ベンチャーズ)といったメディア企業からの出資を受けることで、マーケティング、PR戦略のさらなる実行を目指した。

またAillは、これまで700社超の法人が利用しており、今回公務員と有資格者団体を対象に拡げることとなった。現在、都道府県庁でも加盟準備が進められており、さらに出会いの機会が広がるとしている。企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビサービス「Aill」が1.15億円調達、公務員や有資格者団体に対象拡大

Aillは、ウェルビーイングが浸透する社会を目指し、幸福度の高いワークライフシナジーを実現する一助として、公的・私的承認が満たされる重要性に着目。公的承認は仕事やボランティアなどの社会活動によって得られるものの、未婚率の上昇に裏付けられるように、仕事を頑張ることでプライベートの時間・出会いの機会が少なくなり、パートナーシップや家族との関りによって得られる私的承認が満たされにくいという状況が課題となっているという。

そんな時代に一石を投じるサービスとして、Aillは、勤務先企業を通じて審査を受けた安心・安全なユーザーが集まるコミュニティを形成し、AIが出会いとコミュニケーションに伴走することで、信頼をともに育むライフパートナーの縁結びを提供しているという。

 

Open Network Lab第22期デモデーを開催、社内向け動画ツールやCO2削減サービスなど4社が登場

2021年4月20日、デジタルガレージは同社が主催する起業家支援プログラム「Open Network Lab」 の第22期デモデーを開催した。2020年4月に開始したOpen Network Labは2021年で11年目を迎える。2021年3月にOpen Network Labが公開したインフォグラフィックスによると、これまでに投資したスタートアップの累計は132社で、そのうちの5社がM&A、1社がIPOを達成しているそうだ。

第22期となる今期は134社から応募があり、そのうち1次面談と最終面談を通過した5社が採択された。デモデーに登場したの次の4社だ。

社内向け音声・動画プラットフォーム「IMA」

リモートワークで社員同士の会話が減り、会社のミッションや価値観を共有しづらくなった。「IMA」はテキストでは伝えきれない声や表情を音声と動画を通じて発信できるようにすることで、社内のコミュニケーション不足、情報連携不足の解決を目指す。特徴は、Slackなどのツールと連携してすぐに音声や動画を撮影し、同僚や部署に共有できること。インタビュー形式や対談形式での撮影や画面共有機能に加え、動画の自動文字起こし、検索、コメント機能などを備えている。

不動産オーナー向けESG推進支援SaaS「EaSyGo」

国連の調査によると世界の温室効果ガスの約50%が不動産と不動産を起点とした移動、交通から排出されているという。しかし、不動産が排出する85%はテナントの活動が主体であるため、ビルオーナーは残りの15%分しか把握できていない。EaSyGoはビルオーナーがテナントによるCO2排出量の収集・解析の機能を提供することでCO2排出量を可視化し、CO2排出量を削減するためのサービスである。

EaSyGoは今回のデモデーのベストチームアワードとオーディエンスアワードを受賞した。

ウェルビーイングな活動の習慣化をサポートするコミュニティプラットフォーム「nesto」

新型コロナウイルスの影響で、生活習慣の改善に対する意識が高まっている。だが、生活習慣を改善しようと思っても1人では続けるのが難しい。nestoは価値観の合う会員と時間に合わせて、互いにウェルビーイングな習慣ができるようサポートするコミュニティプラットフォームだ。それぞれの活動は「リズム」と呼ばれ、各リズムのホストが中心となって体操や瞑想といった活動やメンバーを集めた対話イベントなどを開催する。nestoは入会金と月会費の30%を得るビジネスモデルを採用している。

「nesto」は今回のデモデーの審査員特別賞を受賞した。

中小企業向けの貿易金融プラットフォーム「Nu-Credits」

80%の貿易取引が融資を活用しているが、中小の輸出入業者の場合は信用情報が足りず、融資を受けられないことが多い。融資する銀行側も、書類の情報漏洩や改ざんリスク、融資判断に必要な情報の不足、複雑な債権回収プロセスといった課題を抱えている。Nu-Creditsは中小の貿易業者向けに、複雑な請求業務を解消するファクタリングサービスやブロックチェーンを用いた与信管理サービスを提供することでこうした問題の解決を目指している。

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画像クレジット:デジタルガレージ