ガーミンがSuica決済対応GPSスマートウォッチ「VENU SQ」発表、水中対応光学式心拍計も搭載

ガーミンがSuica決済対応GPSスマートウォッチ「VENU SQ」発表、水中対応光学式心拍計も搭載

ガーミンジャパン(Garmin)は11月19日、タッチスクリーン型GPSスマートウォッチ「VENU」(ヴェニュー)シリーズ新製品として、Suica決済対応エントリーモデル「VENU SQ」(ヴェニュー エスキュー)、「VENU SQ Music」(ヴェニュー エスキュー ミュージック)を発表した。VENU SQの価格は税抜2万4800円、VENU SQ Musicは2万8800円。予約受付開始は11月26日から。発売は12月3日予定。

VENU SQ(Shadow Gray/Slate、Orchid/Metallic Orchid、White/Light Gold)

VENU SQ(Shadow Gray/Slate、Orchid/Metallic Orchid、White/Light Gold)

VENU SQ Music(Black/Slate、Light Sand/Rose Gold、Navy/Light Gold、Moss/Slate)

VENU SQ Music(Black/Slate、Light Sand/Rose Gold、Navy/Light Gold、Moss/Slate)

VENU SQシリーズは、ウェルネスライフに欠かせないヘルスモニタリングやフィットネス機能に加え、通知機能やSuica対応のキャッシュレス決済機能などを採用したGPS搭載スマートウォッチのエントリーモデル。サイズは40.6×37.0×11.5mmで、重量37.6g。240×240ピクセルの1.3インチディスプレイ搭載。

スマート機能では、電話・メール受信など基本機能だけでなく、キャッシュレス決済機能としてGarmin Payに加え交通系ICカード「Suica」もサポート。iOS、Android対応。低バッテリー時でもSuicaが利用できるNFCモードも搭載している。

ヘルスケアをサポートするモニタリング機能では、水中対応光学式心拍計を軸として、心拍数や呼吸数、睡眠、水分補給、生理周期、Garmin独自のカラダのエネルギーレベルの指標Body Battery、歩数など、健康管理に関連する様々なデータのトラッキングが可能。心拍数は水中での計測も可能で、入浴時やウォーターアクティビティ時もモニタリングできる。

また、GPS機能による移動距離・スピードなどスポーツ時の各種計測に加え、ランニング、サイクリング、ブレスワーク、水泳、ゴルフなど20種類以上のスポーツアプリを搭載。有酸素運動、ヨガ、筋トレ、ピラティスなどプリロードされたワークアウトを使用して独自のワークアウトを作成することも可能。特定の活動中に事故を検知すると、登録された緊急連絡先にアラートを送信する救助要請機能も設定できる(Bluetooth対応スマートフォンとの接続が必要)。

音楽再生機能は、複数のストリーミングアプリに対応(VENU SQ Musicのみ)。Spotify、Amazon Music、LINE Musicなどのストリーミング配信サービスのプレイリストを含め、楽曲を時計にダウンロードできる。最大500曲の音楽ファイルをデバイスに直接保存可能。衛星受信機能としては、GPS/GLONASS/GALILEO/みちびき(補完信号)をサポート(マルチGNSS)。

バッテリー駆動時間は、スマートウォッチモード:約6日間、GPSモード:約14時間、GPS+音楽モード(VENU SQ Musicのみ):約6時間。防水機能は5ATM(50m防水)。

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ワイン愛好家の日常を大きくアップグレードするAveineのスマートワインエアレーターが登場

現在この国に住む多数の人々と同じく、読者の多くには今ワインを飲みたくなる理由がたっぷりとあることだろう。そんな人々に知ってもらいたいのがAveine Smart Aeratorだ。このガジェットはフランスのスタートアップが開発したもので、可変式のインスタントエアレーションと、任意に選んだワインに適正なエアレーション量を決定するための対応アプリプラットフォームを提供する。Aveine Smart Aeratorはプレミアムな価格設定だが、この製品が生み出す価値は驚きにあふれている。

製品の概要

Aveine Smart Wine Aeratorは、ほかの多くのスタートアップデバイスと同様、クラウドファンディングプロジェクトとして誕生した。フランスを拠点とするチームは、2018年にキャンペーンを終了して資金目標に到達、その後数年をかけてデザインの完成、製作、出荷を進めた。同製品はオリジナルのフルパフォーマンス版が449ドル(約4万7千円)、今年導入されたエッセンシャル版は最大エアレーション時間が半分(フルパフォーマンス版の24時間に対し12時間)となり299ドル(約3万1千円)で提供されている。このエッセンシャル版をここでレビューする。

どちらも基本は同じである。エアレーションしたいボトルを開けた後、その上に装着し、Bluetooth経由でiOS およびAndroid用のAveineアプリと接続。アプリを通してワインのラベルの写真を撮ることができ、その写真をデータベースと照合し、最適なエアレーション時間にAveineを自動的に設定する。照合するデータベースは確実に増え続けているようだ。

画像クレジット:Aveine

実際には、筆者がテストしたワインのほとんどがデータベースには入っていなかった。しかしそれはAveineの想定範囲内で、ワインのヴィンテージ、使用されているブドウ、地域、オーガニックかバイオダイナミックかなどの情報を簡単な質問形式で提供することにより、最適なエアレーション時間を概算してくれる。また、エアレーションを手動に設定し、少量の味見をしながら好みの加減を見つけることもできる。

Aveineの製品には、Smart Aeratorを持ち運ぶソフトケースと、標準的なUSBウォールプラグまたはマイクロUSB経由で接続する充電スタンドが付属している。内蔵バッテリーの持続時間は約12時間。ワインを注ぐときに内蔵モーターが作動して必要な空気を一気に注入する仕組みで、エアレーションが使用されるのはそのときだけだ。

デザインと性能

Aveineはかなり重く感じられるが、スマートな内部構造が小さなデバイスの中に快適に収まるように多くの工夫が施されていることがわかる。ほとんどのワインボトルの上部に簡単にフィットし、特別な取り付けプロセスを必要とせず、注ぐ際にもぴったりと装着されている。スワイプするとタッチスクリーンが起動し、調整可能なエアレーションスクリーンがシンプルな白黒で表示される。

使い方は簡単で、そもそもアプリを必要としない。好みのエアレーションレベルにスケールを合わせて注ぐだけ。ボトルを傾けると自動的に通気が始まり、ワインが流れる間にモーターが空気を注入しているのが聞こえてくる。アプリを使う場合は、アプリがエアレーターの接続を誘導してくれる。ディスプレイをアクティブにした状態でデバイスを起動すると、デバイスがスマートフォンのBluetooth範囲内にあればすぐにアプリのデバイスリストに表示される。

Aveineアプリのデータベースにワインが登録されている場合、ラベルの写真を撮ると推奨エアレーション時間が表示され、エアレーターに接続している場合は自動的にその値に設定される。前述したとおり、データベースにない場合はワインに関するいくつかの質問に答えることで、推奨されるエアレーション時間を教えてくれるが、これもデバイスに接続されていれば自動的に設定される。

画像クレジット:Aveine

ここからは性能について。Aveineの提示価格を見ると値段の高さに驚くだろう。筆者も同じ思いを抱いた。しかし、実際にスマートエアレーターを使用してみることでその価値が証明された。どんなワインでも、デキャンタに移して何時間も放置することなく味が格段に良くなるのだ。

科学的なテストとは言えないが、ソーシャルディスタンスを保っての会を通じて、Aveineでエアレーションされた複数のボトルを楽しんだ友人や家族の幅広い層に調査を行ったところ、全員がエアレーションテストの前後で大幅な改善が見られたと感想を述べている。調査した中で少なくとも1人の人物が、その経験をもとにすぐにAveineを購入している。

エアレーションを適正化するために、レベルを調整したり、味の比較テストをしたりと、ちょっとした実験をしなければならないこともあるが、それも楽しみのひとつとなる。

総合評価

エアレーターガジェットは豊富にあり、地元のワインショップで100ドル(約1万円)弱で安く手に入ることも多いが、筆者が初めて試したエアレーターであるAveineは初心者にもプロにもその効果を納得させることができる製品で、その違いは明白だ。高額かもしれないが、その見返りとして得られるのはワイン愛好家の日常を確実に向上させるデバイスであり、あまり関心を持たない層からも新たなワイン愛好家を生み出すことだろう。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ガジェット レビュー

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(翻訳:Dragonfly)

完成度を高め使い勝手が大幅に向上した折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold2 5G」、ただし中途半端感も

完成度が増し使い勝手が大幅に向上した「Galaxy Z Fold2 5G」、ただし中途半端感は残る

KDDIからサムスンの「Galaxy Z Fold2 5G(SCG05)」が発売された。折り畳みスマートフォンとして2世代目として、使い勝手が大幅に向上したGalaxy Z Fold2をチェックしてみた。

画面の大型化で使いやすさアップ

Galaxy Z Fold2は、ディスプレイを内側に折り畳むことで、スマホとタブレットを切り替えられる折り畳みスマートフォン。初代の「Galaxy Fold」に対して、Galaxy Z Fold2は新たにZシリーズの一員として位置づけられた形だ。きちんとシリーズ化したことで、今後も継続してくれることが期待できそうだ。

山型に折り畳むGalaxy Z Fold2

山型に折り畳んだGalaxy Z Fold2

2世代目は、さまざまな点で機能が強化されている。

表の通り、本体サイズはやや大きく重くなっているが、何よりディスプレイが大型化した点がポイントだ。開いてタブレットモードにしたときのディスプレイは7.3インチから7.6インチと微増だが、折りたたんでスマホモードにしたときは4.6インチから6.2インチへと大幅に大型化した。

最大の進化点といってもいいのがこのカバーディスプレイの大型化。スマートフォンとして使いやすくなった

最大の進化点といってもいいのがこのカバーディスプレイの大型化。スマートフォンとして使いやすくなった

折り畳んだ際の細身のスタイルは変わらない。カメラのインパクトが大きくなった

折り畳んだ際の細身のスタイルは変わらない。カメラのインパクトが大きくなった

13.8mm(最厚部16.7mm)と、従来通り厚みはそれなりにある

13.8mm(最厚部16.7mm)と、従来通り厚みはそれなりにある

それまで、本体の中央に小窓のようにあったディスプレイが、本体全体に広がるディスプレイになったので、その差は大きい。スマートフォンとしての完成度というか、ようやく当たり前のサイズになったわけで、閉じた状態でも快適に使えるようになった。

開いてタブレットモードにすると薄型のタブレットになる

開いてタブレットモードにすると薄型のタブレットになる

タブレットモードでのディスプレイは、インカメラがシングルになり、パンチホール型になった点が大きく違う。今までは右上に大きめの切り欠きがあってそこにセンサー類やデュアルカメラを内蔵していたが、シングルカメラのパンチホール型になって、ディスプレイが全体に広がった。パンチホールも完璧な対策ではないものの、それでもタブレットがほぼ全画面になった点は使いやすさの向上につながる。

開けばタブレットとして使える

開けばタブレットとして使える。インカメラがパンチホール型になったので、ディスプレイの全画面感が増した

インカメラがパンチホール型になったので、ディスプレイの全画面感が増した

この全画面感が、使いやすさの向上につながっている

前モデルと変わらず、スマートフォンモードでは一般的なスマートフォンに比べ細身のボディとなる。ディスプレイが全画面となったことで解像度は2260×816ピクセルとなり、アスペクト比は2.77:1という独特の比率となった。前モデルは21:9と、それでもまだ理解できる比率だったが、さすがに細長い。

とはいえ、画面の大きさは正義。その細長さのおかげで、ウェブサイトやSNSなどは快適に閲覧できる。また、分割画面でふたつのアプリを起動しても、それなりに使えるレベルだ。

縦長なので2画面を並べても実用的

縦長なので2画面を並べても実用的(画面写真右)

開いたときの画面は従来と大きく変わらないので、パンチホール型で見やすくはなかったが大きな差はない。3つのアプリを並べて起動する機能も変わらない。右上の切り欠きがなくなったので、より見やすくなった印象だ。

開いたときに3画面表示。テキストなどをドラッグ&ドロップで別アプリに貼り付けることもできる

開いたときに3画面表示。テキストなどをドラッグ&ドロップで別アプリに貼り付けることもできる

画面は従来とあまり変わらずやや柔らかめ。折り畳みディスプレイにより、画面保護が最小限になっているためだろう。ちょっと傷が恐いのは確か。デフォルトでも貼り付けられているが、折り畳みにも対応した画面保護フィルムを別途手に入れて、利用するといいだろう。

ディスプレイの折り畳み角度が、ノートPCのように固定でき便利に

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックは、折り畳み角度が任意に固定できるようになった点。Galaxy Z Flipで実用化された機能がFoldにも搭載された形だ。

自由な角度で固定できるようになったのは大きなポイント

自由な角度で固定できるようになったのは大きなポイント

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックといえ、かなり使いやすさが向上している

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックといえ、かなり使いやすさが向上している

前モデルの場合、閉じた状態でディスプレイを少し開くと、バネの力により半ばまで一気に開いていた。Galaxy Z Fold2はそのままでは一気に開くことはない。バネ仕掛けでなくなった分、わずかに手間が増えるものの、タブレットモードへと開ききらない状態で角度を固定できる。

この結果、ノートPCのように平面においてディスプレイを見るといった使い方ができるようになった。これが意外なほど実用的だ。

カメラの場合、三脚代わりに

折り曲げた状態で自立させた場合、ほとんどのアプリはタブレットモードで起動するが、この際カメラとYouTubeアプリなど一部アプリは特別なUIとなる。カメラの場合、上半分にライブビュー、下半分にシャッターボタンなどのカメラコントロールが表示されるので、平面において固定して撮影するといった三脚代わりの使い方ができる。

固定して撮影するといった使い方も便利

固定して撮影するといった使い方も便利

縦置きしての撮影もいい

縦置きしての撮影もいい

ディスプレイの角度を変えれば、上下方向に構図を変えることもできる。山型に固定されるので、縦置きにして固定してもいい。これも角度を変えれば構図の変更が可能と、意外に柔軟性がある。

コメントを確認しながらのYouTube動画視聴でも役立つ

YouTubeの場合、上半分で動画が再生され、下半分にはコメントなどが表示できる。タブレット表示よりもサイズは小さくなるが、コメントを確認しつつ動画を視聴するといった使い方には便利だ。

キャプチャだと分かりにくいが、YouTubeだと上部に動画、下部にコメントや情報表示になる

キャプチャだと分かりにくいが、YouTubeだと上部が動画、下部はコメントや情報表示になる

Galaxy NoteアプリがノートPCのように使える

他にはGalaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになるので、文字通りノートPCのように使える。実用性については少し微妙だが、一部スマートフォンでスライド型のハードウェアキーボードを内蔵した機種もあるが、そんな感じの使い方ができるわけだ。

このあたりは、スマートフォンでもない、タブレットでもない折り畳みスマートフォンの新たな使い方と言えそうだ。

Galaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになる

Galaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになる

ハイエンドらしくカメラも高機能化

Galaxy Z Fold2では、カメラも高機能化している。Galaxy Note20シリーズと同じ世代という扱いで、背面のミスティックブロンズが共通しているほか、大型のカメラユニットを搭載している点も共通している。

高機能化したカメラ。トリプルカメラで性能もハイエンドらしいものとなったが、ちょっと出っ張りすぎだとは思う。カバーを付けた方がいいだろう

高機能化したカメラ。トリプルカメラで性能もハイエンドらしいものとなったが、ちょっと出っ張りすぎだとは思う。カバーを付けた方がいいだろう

カメラスペックとしてはトリプルカメラで、超広角、広角、望遠の3つを搭載する。画素数としては全て1200万画素なので、Galaxy S20/Note20世代としては高画素センサーがない分、機能は少し劣る。

また、前モデルは超広角カメラが1600万画素だったので、Galaxy Z Fold2では画素数が減ったことになる。ただし、センサーサイズが同じであれば画素数が少ない方が画質面では有利なことが多いので、問題はないだろう。

超広角で撮影。カッチリとした描写で見栄えがする

超広角で撮影。カッチリとした描写で見栄えがする

色のりもよく、シャープネスは強めだが明暗のバランスもいい

色のりもよく、シャープネスは強めだが明暗のバランスもいい

望遠側は倍率が物足りないが、あるのとないのとでは大違いで便利

望遠側は倍率が物足りないが、あるのとないのとでは大違いで便利

ポートレートモードでの背景ボケは一般的な性能という印象

ポートレートモードでの背景ボケは一般的な性能という印象

画質は、サムスンらしい色のりの良さとシャープネスの強さ

画質はサムスンらしい色のりの良さとシャープネスの強さで、カチッとした描写をする。ややわざとらしさもあるスマートフォンらしい描写だが、安定してバランスはいいだろう。手ブレ補正も強力で、三脚代わりに本体を置いて撮影すれば、夜景でも安心して撮影できる。

メインカメラでトリプル、スマートフォンモードでのインカメラ、タブレットモードでのインカメラと、全部で5つのカメラを搭載することも特徴だが、タブレットモードにしてメインカメラで自撮りできるのはGalaxy Z Fold2ならでは。これも角度を固定して自立できるようになったため、メインカメラでの自撮りがしやすくなった。

本体を開いて背面のメインカメラを自分に向ければ、カバーディスプレイをモニターにして高機能なメインカメラでの自撮りができる(写真左)。カメラの右上にある「自分撮り」ボタンをタッチすると開いた状態でカバーディスプレイがモニターになる(写真右)

本体を開いて背面のメインカメラを自分に向ければ、カバーディスプレイをモニターにして高機能なメインカメラでの自撮りが可能(写真左)。カメラの右上にある「自分撮り」ボタンをタッチすると、開いた状態でカバーディスプレイがモニターになる(写真右)

ただ、Galaxy Z Fold2は20万円を超える高額デバイスでもあり、最上位クラスのカメラを搭載して欲しかった面はある。現行だと、Note20 Ultraなどは1億画素を超えるセンサーを搭載しているが、そこまでの機能はない。

中途半端感が残るものの、完成度の高まりと新たな使い方の提案に好感

Galaxy Z Fold2は、スマートフォンとしても、タブレットとしても中途半端感が残る。スマートフォンの横幅を広げて、16:10ぐらいのタブレットになると、もう少し使いやすいようにも感じる。

折り畳みの途中で固定できるようになったことで、自立して、カメラや動画視聴などで便利になったのは見逃せない。新たな使い方ができるようになり、折り畳みスマートフォンが日常的に使えるようになったのはいい。

とはいえ、auでの販売価格は税込25万9980円。2年間の分割払いで端末を返却する場合でも実質負担金は税込15万5940円になる。その価値を見いだせるかどうかは難しい判断だ。使い勝手の向上などにより完成度が増した上、新たな使い方の提案は見られるし、個人的には楽しい端末だと思う。

サムスンはペン搭載スマートフォンのNoteシリーズを、継続して定番化した。同様に、折り畳みスマートフォンもラインナップとして定番化してほしい。「ディスプレイが折り曲がる」ことは重要ではないものの、折り畳んでコンパクトになるというのは、今後も継続してもらいたい。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsung / サムスンSamsung Galaxyガジェット折り畳みスマートフォン / フォルダブルスマートフォンレビュー

2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコスパに優れた選択肢

Amazonは10月22日、スマートスピーカーの第4世代モデル「New Echo」(第4世代Echo)を発売した。価格は税込1万1980円。現在Echoシリーズには多くのラインナップが用意されているが、価格的にも、サイズ的にもNew Echoは主力製品といえるだろう。

Amazon「New Echo」(第4世代)。税込1万1980円

Amazon「New Echo」(第4世代)。税込1万1980円

「ラジカセ」世代の筆者だが、最近は基本的にサブスクリプションの音楽配信サービスを利用しており、オーディオコンポではなくスマートスピーカーで音楽を聴いている。Echoシリーズも複数機種を利用中なので、他モデルとも比較しつつレビューしていこう。

球体デザインに変更してDolbyステレオサウンドに対応

New Echoのサイズは144×144×133mm、重量は940g。第3世代までは円筒形だったが、底面を少し切り落としたような球体デザインに変更された。

上部には3.0インチのウーファー、前面やや左右の位置には0.8インチのツイーターがふたつ内蔵されており、Dolbyステレオサウンドに対応している。

本体前面。本体カラーは、グレーシャーホワイト、チャコール、トワイライトブルーの3色が用意されている

本体前面。本体カラーは、グレーシャーホワイト、チャコール、トワイライトブルーの3色が用意されている

上部の本体奥にアクションボタン、手前にマイクオフボタン、左右にボリュームボタンが配置

上部の本体奥にアクションボタン、手前にマイクオフボタン、左右にボリュームボタンが配置

本体背面下部には電源端子と3.5mmオーディオ入出力端子を用意。3.5mmオーディオ入出力端子の入出力は「Alexa」アプリから切り替える

本体背面下部には電源端子と3.5mmオーディオ入出力端子を用意。3.5mmオーディオ入出力端子の入出力は「Alexa」アプリから切り替える

同梱品は本体、電源アダプタ(30W)、クイックスタートガイドのみ

同梱品は本体、電源アダプタ(30W)、クイックスタートガイドのみ

電源アダプター(30W)の仕様は、入力100-240V~1.0A、出力18.0V/1.67A。電源ケーブルの長さは実測150cm。設置の自由度を考えると200cmはほしいところだ

電源アダプター(30W)の仕様は、入力100-240V~1.0A、出力18.0V/1.67A。電源ケーブルの長さは実測150cm。設置の自由度を考えると200cmはほしいところだ

第3世代Echoは、3.0インチのウーファーと0.8インチのツイーターを内蔵した360度全方向スピーカー(※製品公式サイトから引用)

第3世代Echoは、3.0インチのウーファーと0.8インチのツイーターを内蔵した360度全方向スピーカー(※製品公式サイトから引用)

New Echoは「マグネットビューア」で黒く模様が浮かび上がっている部分に、0.8インチのツイーターが2基内蔵されている

New Echoは「マグネットビューア」で黒く模様が浮かび上がっている部分に、0.8インチのツイーターが2基内蔵されている

底面にはネジ穴(M4)、背面には3.5mmオーディオ入出力端子が用意され、温度センサーを内蔵している点は第3世代と同様。天井やポールなどに取り付けたり、CD/レコード/カセットプレーヤーなどを接続してスピーカーとして利用したりできる以外にも、温度に合わせた定型アクションを設定できる。

またスマートフォンなどからBluetooth経由で接続してNew Echoから音楽を流したり、逆にNew EchoからBluetooth対応スピーカーに接続して音楽を鳴らすことも可能だ。

本体底面中央にはネジ穴(M4)が用意

本体底面中央にはネジ穴(M4)が用意

スチールラックに三脚用アクセサリーを使ってNew Echoを取り付けてみた。音が高い位置から聞こえてくると、商業施設にいるような新鮮な感覚だ。「ダクトレール」(ライティングレール)などがあればもっとスマートに取り付けられる

スチールラックに三脚用アクセサリーを使ってNew Echoを取り付けてみた。音が高い位置から聞こえてくると、商業施設にいるような新鮮な感覚だ。「ダクトレール」(ライティングレール)などがあればもっとスマートに取り付けられる

CDプレーヤーなどを直結してNew Echoから再生可能。オーディオケーブルの準備などの手間はかかるが、ノスタルジックな気分を味わえる

CDプレーヤーなどを直結してNew Echoから再生可能。オーディオケーブルの準備などの手間はかかるが、ノスタルジックな気分を味わえる

New Echoの大きな進化点としては、Amazonが開発した、機械学習の高速化に向けた新型シリコンモジュール「第1世代AZ1ニューラル・エッジ・プロセッサ」を採用している点が挙げられる。Amazonの推論エンジンがこのプロセッサー上で動作し音声認識機能の高速化が図られているが、現時点で対応しているのは米国のみ。日本での早期対応を楽しみに待ちたい。

また、第3世代Echoには搭載されていなかったZigbee対応スマートホームハブ機能も内蔵。第1世代/第2世代「Echo Plus」や「Echo Studio」などと同様に、「アレクサ、デバイスを探して」と話しかけるだけで、Zigbee対応デバイスを簡単に接続できる。

音質はハイレベルだがステレオ感は弱い

New Echoの音質は高いレベルだ。Echo Dotより大きいとはいっても、それでも144×144×133mmと15cmにも満たない直径なのに、高音、中音、低音がバランスよく再生される。また音の解像感も高く、ひとつひとつの音がしっかりと分離して聞き取れる。

残念なのがステレオ感の弱さ。Dolbyステレオサウンドに対応しているのが今回の売りだが、結構近くで、真正面に座らないとステレオ感は感じられない。そして、イヤフォン、ヘッドフォンで音楽を聴き慣れていると、New Echoのベストポジションに座ったとしてもステレオ感に満足できないと思う。明確なステレオ感を味わいたいのであれば、2台購入してステレオスピーカーとして運用することを強くお勧めする。

「デバイス→「+」→オーディオシステムをセットアップ→ステレオペア」と進むと、2台のEchoをステレオスピーカーとして利用できる

「デバイス→「+」→オーディオシステムをセットアップ→ステレオペア」と進むと、2台のEchoをステレオスピーカーとして利用できる

1台のEcho Studioよりも2台のNew Echoのほうがトータルバランスはいい

Amazonは多くのEchoデバイスをラインナップしているが、2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコストパフォーマンスに優れた選択肢だと思う。もちろん最上位のEcho Studioを2台でステレオスピーカー化するという組み合わせも存在するが、1台のEcho Studioの費用で2台のNew Echoを購入できるのだ。

音に対する要求は人によって異なる。しかし、1台のEcho Studioよりも、2台のNew Echoのほうが、オーディオシステムとしてのトータルバランスがいいというのが、両方を試した筆者の率直な感想だ。

音質自体はもちろんEcho Studioのほうが上だが、ステレオ感を重視するなら2台のNew Echoのサウンドを好ましく思う方も多いはずだ

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価格8万円のRyzen 3 4300Uノートの実力は?「ASUS VivoBook Flip 14 TM420IA」レビュー

価格8万円のRyzen 3 4300Uノートの実力は?「ASUS VivoBook Flip 14 TM420IA」レビューASUS JAPANの「VivoBook Flip 14 TM420IA」は14インチのフルHDディスプレイを搭載する2in1ノートPCだ。最大の特徴は、AMDの第3世代Ryzenモバイルプロセッサーを搭載している点。Ryzen 3 4300U搭載の最安モデル「TM420IA-EC163T」は実売8~9万円程度と手頃な値段でありながら、APU性能は1世代前のCore i7 Uシリーズに相当する。上位のRyzen 7 4700Uであれば、さらに高い性能を期待していいだろう。コストパフォーマンスに優れるミドルレンジクラスの2in1だ。

ASUS JAPANの14インチ2in1ノートPC「VivoBook Flip 14 TM420IA」。AMDの第3世代Ryzenモバイルプロセッサーを搭載

ASUS JAPANの14インチ2in1ノートPC「VivoBook Flip 14 TM420IA」。AMDの第3世代Ryzenモバイルプロセッサーを搭載

下位のRyzen 3と上位Ryzen 7のみに対応。Ryzen 5モデルが存在しないのはなぜか?

VivoBook Flip 14 TM420IAのラインナップは、Ryzen 3 4300U搭載の下位モデル(TM420IA-EC163T)、Ryzen 7 4700U搭載+WPS Office Standard Editionのモデル(TM420IA-EC147T)、そしてRyzen 7 4700U搭載でMicrosoft Office Home & Business 2019が付属するオフィス付きモデル(TM420IA-EC147TS)の3種類だ。

Ryzen 3モデルはOSがWindows 10 Home SモードでUWPアプリ(ストアアプリ)しか利用できないが、Sモードを解除すれば一般的なデスクトップアプリも利用できる。Sモードの解除は無料で行なえるので、利用用途に応じて対応していただきたい。

  • Microsoft Office H&B搭載モデル:AMD Ryzen 7 4700U+Radeon Graphics、8GBメモリー、512GB SSD。Microsoft Office Home and Business 2019。型番TM420IA-EC147TS。直販価格税抜11万8000円
  • Ryzen 7+WPS Office 搭載モデル:AMD Ryzen 7 4700U+Radeon Graphics、8GBメモリー、512GB SSD。WPS Office Standard Edition。型番TM420IA-EC147T。直販価格税抜9万9819円
  • Ryzen 3搭載モデル:AMD Ryzen 3 4300U+Radeon Graphics、8GBメモリー、256GB SSD。型番TM420IA-EC163T。直販価格税抜8万728円
今回試用したRyzen 3 4300U搭載の下位モデルは、OSがWindows 10 Home Sモード。そのままではUWPアプリしか利用できないが、Sモードを解除すれば一般的なデスクトップアプリを利用できる

今回試用したRyzen 3 4300U搭載の下位モデルは、OSがWindows 10 Home Sモード。そのままではUWPアプリしか利用できないが、Sモードを解除すれば一般的なデスクトップアプリを利用できる

個人的に興味深いのは、第3世代Ryzenモバイルの中でも特に人気の高いRyzen 5 4500Uが使われていない点だ。単にAPUの供給不足から採用を見送った可能性もあるものの、筆者としては他社製品との兼ね合いによるものではないかと考えている。

あくまでも憶測に過ぎないが、同じRyzen搭載の14インチ2in1で異様に安い某社製品とのバッティングを避けたのではないだろうか。VivoBook Flip 14 TM420IAは、競合しないRyzen 3+8GBメモリーの組み合わせを選び、マイクロソフトへのライセンス料金が安いSモードを採用することで、他社製品にはないコスパの高さを実現している。下位モデルとはいえ、パフォーマンス的には十分高性能なので、まずはこのモデルから検討するといいだろう。

コンパクトかつ落ち着きのあるデザイン

VivoBook Flip 14 TM420IAの外観は、落ち着きのあるスマートな印象だ。ディスプレイの開閉が多く高い強度が必要な2in1タイプであるため多少厚みを設ける一方、野暮ったさをなくしスッキリとまとめている。仕上がり部分ではハイエンドクラスほどの高級感はないものの、この辺りは値段の手頃さとのバランスをどうとらえるかだろう。

ミドルレンジクラスの2in1としては標準的な仕上がりで、ビジネスシーンやプライベートでも違和感なく使えるに違いない。本体のフットプリントは幅324×奥行き220mmで、A4サイズ(幅297×奥行き210mm)よりコンパクトなため、取り回しやすい点もうれしい。

本体カラーはビスポークブラック。「ビスポーク」(bespoke)とは「あつらえた」や「特製の」というニュアンスのファッション用語。実際の色合いは濃いメタリックな紺色という印象だ

本体カラーはビスポークブラック。「ビスポーク」(bespoke)とは「あつらえた」や「特製の」というニュアンスのファッション用語。実際の色合いは濃いメタリックな紺色という印象だ

高い強度が求められる天板は、剛性に優れるアルミ素材製。質感は高いが指紋が目立つ

高い強度が求められる天板は、剛性に優れるアルミ素材製。質感は高いが指紋が目立つ

パームレストと底面カバーは樹脂製。Enterキーのみサイドが蛍光イエローで塗られている

パームレストと底面カバーは樹脂製。Enterキーのみサイドが蛍光イエローで塗られている

ベゼル幅は左右7.5mmで上部12.3mm、下部22.5mm。上下がやや太いのはディスプレイフレームの強度を確保するため

ベゼル幅は左右7.5mmで上部12.3mm、下部22.5mm。上下がやや太いのはディスプレイフレームの強度を確保するため

フットプリントは幅324×奥行き220mm。A4サイズ(幅297×奥行き210mm)よりもひと回り強大きい程度で、14型としてはコンパクトだ

フットプリントは幅324×奥行き220mm。A4サイズ(幅297×奥行き210mm)よりもひと回り強大きい程度で、14型としてはコンパクト

高さは公称値で18.2mm、実測で17.9mm。ゴム足を含めた設置時の高さは19.6mm。フットプリントが小さいぶん、設置時にはそれなりの厚みを感じる

高さは公称値で18.2mm、実測で17.9mm。ゴム足を含めた設置時の高さは19.6mm。フットプリントが小さいぶん、設置時にはそれなりの厚みを感じる

重量は公称値で1.55kg、実測で1.568kg。電源アダプターを含めると実測1.714kg。14型としてはやや重いが2in1なのである程度の重さは仕方がない

重量は公称値で1.55kg、実測で1.568kg。電源アダプターを含めると実測1.714kg。14型としてはやや重いが2in1なのである程度の重さは仕方がない

14インチのフルHDディスプレイはやや暗いながらも自然な色合い

ディスプレイは14インチで、解像度は1920×1080ピクセルのフルHD。タッチ操作と別売りの「ASUSPen」によるペン入力に対応している。安いIPSパネルでは赤みが弱いのだが、VivoBook Flip 14 TM420IAでは色のバランスに違和感がない。ただしコントラストがやや低く、画面が暗い印象を受けた。とはいえ、普通に作業するぶんには問題なく使えるだろう。

画面サイズは14インチで解像度は1920×1080ピクセル。スケーリングは150%で、デスクトップの文字がやや大きく表示される

画面サイズは14インチで解像度は1920×1080ピクセル。スケーリングは150%で、デスクトップの文字がやや大きく表示される

映像は自然な色合い。エントリー~ミドルレンジノートPCで見られる赤みの弱さが感じられない一方、ややコントラストが低い

映像は自然な色合い。エントリー~ミドルレンジノートPCで見られる赤みの弱さが感じられない一方、ややコントラストが低い

画面がやや暗く感じるものの、作業や映像の視聴には支障のないレベルだ

画面がやや暗く感じられるものの、作業や映像の視聴には支障のないレベル

キーボードはストロークが浅く、軽いタッチで入力する人向き

キーボードはバックライトなしの日本語配列で、テンキーは搭載していない。キーピッチは実測18.6~18.8mmで、一般的なキーボードの標準値である19mmよりもわずかに狭いが違和感はなかった。配列はいい意味で標準的。強いていうなら左のCtrlキーがやや小さく感じる程度だ。

キーストロークは平均1.2mmと若干浅い。普段から軽いタッチで入力する人なら違和感なく使える反面、押し込むようにしてタイプする人には物足りなく感じるだろう。打ち下ろすように入力するとタイプ音がパチパチと響くので、軽い力でのタイピングを心がけたい。

キーボードはテンキーなしの日本語配列。バックライトには非対応

キーボードはテンキーなしの日本語配列。バックライトには非対応

蛍光イエローで縁取られたEnterキーがやや大きめ

蛍光イエローで縁取られたEnterキーがやや大きめ

ディスプレイを開くとキーボードが傾くリフトアップ機構を採用。手首を自然な角度にキープしたまま作業できる

ディスプレイを開くとキーボードが傾くリフトアップ機構を採用。手首を自然な角度にキープしたまま作業できる

キーを押した瞬間に固めのクリック感があり、軽いタッチでもタイプ音がカクカクと聞こえる。ストロークも浅いので、軽いタッチで入力する人向きだ

キーを押した瞬間に固めのクリック感があり、軽いタッチでもタイプ音がカクカクと聞こえる。ストロークも浅いので、軽いタッチで入力する人向きだ

据え置き利用でもしっかり使えるインターフェース構成と各種機能

USB端子は合計3ポートで、うち1ポートがType-Cだ。Type-CはUSB PDによる給電や映像出力には非対応で、データ通信のみにしか利用できないのは残念。映像出力はHDMI端子のみで、メモリーカードスロットはmicroSDに対応。あとはヘッドホン端子や盗難防止用のセキュリティースロットなどに対応している。端子類の数と種類は多くないものの、PCとして普通に使える構成だ。

生体認証機能は指紋センサーのみ。スピーカーは比較的高音質で、ビデオ会議には問題なく利用できる。PCとしてしっかり使える機能を備えているといっていいだろう。

左側面は盗難防止用のセキュリティスロットとUSB 2.0

左側面は盗難防止用のセキュリティスロットとUSB 2.0

右側面は電源ボタン、microSDカードスロット、ヘッドホン端子、USB 3.1 Gen2 Type-C、USB 3.1 Gen2、HDMI、電源コネクター

右側面は電源ボタン、microSDカードスロット、ヘッドホン端子、USB 3.1 Gen2 Type-C、USB 3.1 Gen2、HDMI、電源コネクター

タッチパッド右上に指紋センサー

タッチパッド右上に指紋センサー

ディスプレイ上部には92万画素ウェブカメラ

ディスプレイ上部には92万画素ウェブカメラ

スピーカーはサウンドの解像感が高く、シャカシャカとした高音域のノイズが少ない。ノートPCとしては高音質で、ビデオ会議は音声通話はもちろんライトな音楽鑑賞にも向いている

スピーカーはサウンドの解像感が高く、シャカシャカとした高音域のノイズが少ない。ノートPCとしては高音質で、ビデオ会議は音声通話はもちろんライトな音楽鑑賞にも向いている

Ryzen 3 4300U搭載モデルながら、ハイエンドクラスのパフォーマンス

ここからはVivoBook Flip 14 TM420IA Ryzen 3モデルのベンチマーク結果を交えながらパフォーマンスを解説しよう。なおOSがUWPアプリのみ利用可能なWindows 10 Home Sモードであるため、通常のレビューとは一部評価方法が異なる点をあらかじめご了承いただきたい。

CPU性能を計測するCINEBENCH R20では、第10世代Core i5/i7を上回るスコア

CPU性能を計測するCINEBENCH R20では、ノートPC向けCPUとしては優秀な結果となった。試用機で使われているRyzen 3 4300Uは、第3世代Ryzenモバイル4000シリーズにおいてエントリー向けの位置づけながら、第10世代のCore i5やCore i7を上回るスコアが出ている。第11世代のCore i7-1165G7には及ばなかったものの、Ryzen 7 4700U搭載の上位モデルであれば易々と上回るだろう。

CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH R20」の結果

CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH R20」の結果

スタンダード/モバイルノートPC向けCPUとの性能比較

スタンダード/モバイルノートPC向けCPUとの性能比較

ゲームやプロクリエイター向けソフトは厳しい

グラフィックス機能としては、APU内蔵のRadeon Graphicsが使われる。内蔵タイプのため外付けGPU(ディスクリートGPU)ほどではないものの、インテル系CPU内蔵のUHD / Iris Plusよりも高性能だ。ゲーム内のベンチマーク機能を試したところ、解像度と画質をグッと下げればなんとかプレーできるレベルだった。上位のRyzen 7 4700U搭載モデルであれば多少は改善されるはずだが、それでもゲームやプロクリエイター向けソフトを快適に扱えるほどではないだろう。

レースゲーム「Forza Horizon 4」のベンチマーク結果。1280×720ピクセル最低画質で平均67.2FPSであれば、そこそこ快適にプレーできる

レースゲーム「Forza Horizon 4」のベンチマーク結果。1280×720ピクセル最低画質で平均67.2FPSであれば、そこそこ快適にプレーできる

1920×1080ピクセルの最低画質では平均41.4FPSという結果に。シーンによっては多少のカクつきがあるが、プレーできないレベルではない

1920×1080ピクセルの最低画質では平均41.4FPSという結果に。シーンによっては多少のカクつきがあるが、プレーできないレベルではない

256GB SSDのアクセス速度計測は、公称値に近い結果

VivoBook Flip 14 TM420IA Ryzen 3モデルのストレージは、256GBもしくは512GBのNVMe SSDだ。試用機で使われていた256GB SSDはSK hynixのBC501で、公称スペックではシーケンシャルリードが1600MB/秒、シーケンシャルライトが780MB/秒。アクセス速度計測では公称値に近い結果が出ているので、サーマルスロットリングは発生していないと考えていいはずだ。

256GB SSDのアクセス速度

256GB SSDのアクセス速度

YouTubeの1080p動画を連続再生し、バッテリー駆動時間を計測

バッテリー駆動時間についてはYouTubeの1080p動画を電源オプション「最も高いパフォーマンス」で連続再生し続けたときの駆動時間を計測したところ、6時間ちょうどでバッテリー切れとなった。ネットにアクセスし続ける重めのテストなので駆動時間はやや短めだが、実際の作業では丸1日使うは十分持つと思われる。

コストパフォーマンスの高い2in1ノートPC

2in1ノートPCは利用シーンに合わせてさまざまなスタイルに変形できるという点で便利だ。プライベートでの利用はもちろんのこと、最近は相手に画面を見せながらプレゼンできるPCとしてビジネスシーンでも人気が高い。

性能が高いモデルは価格もそこそこ高めだが、コスパに優れるRyzenを搭載したVivoBook Flip 14 TM420IAならインテル製CPU搭載機種よりも安価な上に高性能だ。2in1ノートPCの導入を検討している方は、ぜひこの機会にVivoBook Flip 14 TM420IAを検討していただきたい。

価格はミドルレンジでも性能はハイエンドクラスのVivoBook Flip 14 TM420IA

価格はミドルレンジでも性能はハイエンドクラスのVivoBook Flip 14 TM420IA

ASUS VivoBook Flip 14 TM420IA

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カテゴリー: ハードウェア
タグ: ASUS(企業)AMD(企業)ガジェット(用語)Ryzen Mobile 4000(製品・サービス)レビュー(用語)

Galaxy Note20 Ultra 5GはApple Pencil&iPadユーザーにこそぜひ1度試してほしい

auはスタイラスペンを内蔵するサムスン製6.9型Androidスマホ「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」(Note20 Ultra)を10月15日に発売した。さらにサムスンは、折り畳みディスプレイを採用した「Galaxy Z Fold2 5G SCG05」、「Galaxy Z Flip 5G SCG04」の2モデルも11月4日にリリース済みだ。

スタイルの異なる複数のフラッグシップ級端末を市場に投入しており、スマホ世界シェア1位のサムスンならではの布陣といえるだろう。

今回、Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06を個人的に購入したので、その実機レビューをお届けしよう。

au「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」税込15万9830円

au「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」税込15万9830円

処理性能はトップクラス、カメラは「Galaxy S20 Ultra」のほうが上

Note20 UltraはOSに「Android 10」、SoCに「Qualcomm Snapdragon 865 Plus」を採用。メモリー(RAM)は12GB、ストレージ(ROM)は256GBを搭載し、最大1TBのmicroSDXCメモリーカードを装着可能だ。

ディスプレイは「ダイナミックAMOLED 2X Infinity-O Display」と名づけられており、解像度はQuad HD+(3088×1440ドット)、ピーク輝度は1500cd/m2、色域はDCI-P3カバー率100%、リフレッシュレートは120Hzを実現している。ゲーミングスマホ顔負けだ。

ディスプレイは最大2mの高さからの落下に耐える新ゴリラガラス「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされている

ディスプレイは最大2mの高さからの落下に耐える新ゴリラガラス「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされている

背面(アウト)カメラは超広角(1200万画素、F2.2、1.4μm、120度)、広角(1億800万画素、F1.8、0.8μm、79度、OIS)、望遠(1200万画素、F3.0、1.0μm、20度)。また前面(イン)カメラは「1000万画素、F2.2、1.22μm」という構成。「Galaxy S20 Ultra」とカメラの構成が似ているが、Galaxy S20 Ultraは望遠が4800万画素、インが4000万画素で、アウトに深度測位カメラが装備されている。同じ「Ultra」なのだから、カメラスペックは同等であってほしかった。

通信機能は5G(Sub6/ミリ波)/4G LTE/WiMAX 2+、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0をサポート。ちなみに、Galaxy Z Fold2 5G SCG05とGalaxy Z Flip 5G SCG04はミリ波には対応していない。

本体サイズは約165×77×8.1~10.8mm、重量は約208g。4500mAhのバッテリーを内蔵しており、連続通話時間は約1790分、連続待受時間は約430時間。防水IPX5/IPX8および防塵IP6Xで、最大水深1.5mで約30分間端末を保護するとうたわれている。

「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」はおサイフケータイ非対応だが、Note20 Ultraはサポート。またワイヤレス充電に対応し、ほかのデバイスを充電することも可能だ

「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」はおサイフケータイ非対応だが、Note20 Ultraはサポート。またワイヤレス充電に対応し、ほかのデバイスを充電することも可能だ

本体上面にはSIMカード/microSDメモリーカードトレイ、本体下面にはUSB Type-C端子とSペン用のスロットがある

本体上面にはSIMカード/microSDメモリーカードトレイ、本体下面にはUSB Type-C端子とSペン用のスロットがある

本体右側面にはボリュームボタンと電源ボタンが配置されている

本体右側面にはボリュームボタンと電源ボタンが配置されている

  • プロセッサー(SoC):Qualcomm Snapdragon 865 Plus 5G Mobile Platform
  • ディスプレイ:6.9インチ Dynamic AMOLED 2X Infinity-O(有機EL)、DCI-P3カバー率100%、最大1500nit、リフレッシュレート120Hz可変、Corning Gorilla Glass Victus
  • 最大解像度:Quad HD+(3088×1440ドット)
  • 背面カメラ(アウトカメラ):超広角:約1200万画素(F2.2)、広角:約1億800万画素(F1.8、OIS)、望遠:約1200万画素(F3.0)
  • 前面カメラ(インカメラ):1000万画素(F2.2)
  • 通信機能:5G(sub6/mmWave)、4G LTE、WiMAX2+、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0
  • サイズ/重量:高さ165×幅77×厚さ8.1(最厚部10.8)mm、重量208g
  • 連続通話時間:約1790分
  • 連続待受時間:約430時間
  • 防水・防塵:防水IPX5/IPX8、防塵IP6X
  • OS:Android 10

SペンはタブレットPCや2in1 PCを含めても最高レベルの書き味

Note20 Ultra最大の売りであるSペンの使い心地は、タブレットPCや2in1 PCなどを含めても最高レベルだ。9ミリ秒のレイテンシー(遅延)、4096段階の筆圧検知などのスペックだけでなく、ペン先の摩擦感が絶妙。繊細な描線も操れるペン先に仕上げられている。

書き味は軟らかいが滑りがいい。不満はペン先を交換できないことぐらいだが、「Sペン SC03P」はau Online Shopや家電量販店で税込み2970円で購入可能だ

書き味は軟らかいが滑りがいい。不満はペン先を交換できないことぐらいだが、「Sペン SC03P」はau Online Shopや家電量販店で税込み2970円で購入可能だ

前モデルと比較したわけではないものの、手書きメモのテキストデータ化の精度は非常に高い。筆者はかなりの悪筆だが、それでも正確に認識してくれた。手書きメモは手軽な反面、あとでデータ化するのが面倒。Note20 Ultraなら、もうちょっと崩して書いても手直しは最小限で済みそうだ。

このようにかなりはしょった文字でも正確に認識してくれる

このようにかなりはしょった文字でも正確に認識してくれる

現時点のAndroidスマホの中でトップクラスの処理性能

Note20 Ultraは、Androidスマホ用としては最新のSoC「Qualcomm Snapdragon 865 Plus」を搭載しており、定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」を記録した。

記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングでは「ROG Phone 3」が「642671」でトップ。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06は4位となった。とはいえ、現時点のAndroidスマホの中でトップクラスの処理性能を備えていることは間違いない。

定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」。CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは「3284」。3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme - OpenGL ES 3.1のスコアは「7595」

定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」。CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは「3284」。3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1のスコアは「7595」

ただ、これだけの処理性能を備え、120Hz対応ディスプレイを搭載しているのに、「PUBG MOBILE」で「90fps」の選択肢が表示されなかった。どうやらアプリ側がまだ対応していないようだ。メジャーなゲームで端末本来の性能が発揮できるように、サムスン側から各ゲームメーカーに働きかけてほしいところだ。

デフォルトのリフレッシュレートは60Hzだが、「設定→ディスプレイ→動きの滑らかさ」で「最適化(120Hz)」を選択できる

デフォルトのリフレッシュレートは60Hzだが、「設定→ディスプレイ→動きの滑らかさ」で「最適化(120Hz)」を選択できる

PUBG MOBILEでクオリティを「スムーズ」に下げても、フレーム設定に「90fps」の項目が表示されなかった(10月29日時点)

PUBG MOBILEでクオリティを「スムーズ」に下げても、フレーム設定に「90fps」の項目が表示されなかった(10月29日時点)

5Gの通信速度についてはさいたま新都心で計測を実施してみたが、「さいたまスーパーアリーナ」前の広場で下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsを記録した。通信速度は大満足だが、現時点ではあまりにもエリアが限定的すぎる。急ピッチでエリアが拡大されることを強く望みたい。

早朝に計測したら下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsという通信速度を記録したが、時間帯によってどのように変化するのか、別の端末のレビューの際に試してみたいと思う

早朝に計測したら下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsという通信速度を記録したが、時間帯によってどのように変化するのか、別の端末のレビューの際に試してみたいと思う

一部スペックが落とされていてもカメラ画質はハイレベル

Note20 Ultraは、Galaxy S20 Ultraよりカメラスペックは一部低いものの、実際に使ってみるとほとんど気にならなかった。50倍デジタルズームはスペック競争のための倍率で、光学5倍の望遠カメラを搭載しているからこそ、10倍デジタルズームで実用レベルの画質が実現されている。

ほかのハイエンドスマホと比べると色を誇張しすぎているきらいはあるものの、オートで撮って映える画になるのだから歓迎する方のほうが多いはずだ。

超広角カメラで撮影

超広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

望遠カメラ(光学5倍)で撮影

望遠カメラ(光学5倍)で撮影

望遠カメラ(10倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(10倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(50倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(50倍デジタルズーム)で撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06というより、Galaxyシリーズのハイエンドモデル共通の長所として特筆しておきたいのが夜景モードの画質。白飛びを強力に抑え、明るく点灯している看板や外灯も綺麗に撮影できる。夜景モードは実際の光景を改変していると嫌う方もいるかもしれないが、忠実さはプロモードで追求できる。各種モードは手軽さにこそ価値があると筆者は考える。

広角カメラ(ナイトモード)で撮影

広角カメラ(ナイトモード)で撮影

Apple PencilとiPadが手放せなくなっている方にこそ、ぜひ試してほしい端末

今回の記事はハードウェア面を中心にレビューしたが、Note20 Ultra最大のアドバンテージはソフトウェア面。サムスンは、日本では2012年4月に発売した初代「GALAXY Note SC-05D」からペン内蔵スマホのノウハウを蓄積しており、ペンを抜けばすぐ一番新しいページにメモできる「画面オフメモ」など、紙のメモ帳を超える使い勝手を実現していると思う。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06は、Apple PencilとiPadの組み合わせが手放せなくなっている方にこそ、ぜひ1度試してほしいAndroidスマホだ。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsung / サムスンSamsung Galaxyガジェットスマートフォンレビュー

ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

Chromebook(クロームブック)上でWindowsを利用可能にする「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」を最新のChromebook上で実際に試用できたので、使い勝手を中心にレビューしよう。Chromebook版Parallelsの概要、登場した背景などについては、「Chromebook上でWindowsが動くParallels Desktop for Chromebook Enterpriseが登場」を参照して欲しい。

セットアップからWindowsの起動まで

前述の記事でも述べたように、Chromebook用のParallelsは一般的なChrome OS用のアプリとは様々な面で違いがある。アプリの動作形態がChrome OSの拡張機能ではなく、いわばChromeブラウザと同様のネイティブ動作である点がひとつ。もうひとつ重要なのは、Chrome Enterprise環境でのみ動作するアプリであるということ。

もう少し具体的にいえば、新しいデバイスまたは中身をクリアしたデバイスを用意して、エンタープライズ環境用にエンロールする必要がある(「Chromeデバイスの登録」参照)。

こうしてエンロールしたデバイスは、「マネージド」状態となり、Chrome OS上で利用できるアプリも、エンタープライズのアドミニストレーターによって設定できるようになる。Parallels Desktopのような特別なアプリは、エンロールの過程で自動的にインストールされる。Parallelsは、一般的なChromeアプリのように、ユーザーが「Google Workspace Marketplace」や、Chromeウェブストアなどからダウンロードしてインストールするわけにはいかない。

いったんParallels Desktopを含む環境にエンロールすると、他の通常アプリと同様に「Parallels Desktop」をChromeのランチャーから選択して起動できる。ただし、Parallels Desktop本体には、仮想マシンが含まれていない。最初に起動した際に自動的にダウンロードしてインストールすることで、管理者があらかじめ設定した仮想マシンを利用できるようになる。ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

仮想マシンの中身やサイズは、もちろん実際にエンタープライズ環境で利用するものに依存するが、現在のテスト用環境の場合、英語版のWindows 10にOfficeなどいくつかのアプリケーションをインストールした状態となっており、16.4GBのサイズがある。

仮想マシンのインストールが終われば、そのまま通常のWindowsを起動できる。Parallelsの場合、仮想環境上のWindowsと、ホストとなるOS(この場合はもちろんChrome OS)との間の連携動作を可能にするため「Parallels Tools」というドライバー / アプリケーションのインストールが必要となる。Mac版のParallelsのユーザーなら目にしたことがあるだろう。このツールのインストールも自動的に完了する。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

Chrome OS固有のツールバーや、常に表示されるウィンドウ操作用ボタンのバーが難点

Windowsは、基本的にChrome OSの1つのウィンドウの中で動作する。Chrome OSの機能としてウィンドウをフルスクリーンにすることも可能だが、現状ではその場合でもChrome OSの仕様に従って、アプリ(Parallels Desktop)固有のツールバーと、ウィンドウ操作のボタンが並ぶバーが上部に表示される。このため、Windowsのデスクトップ領域が上から圧迫されてそれなりの面積を消費してしまう。

画面の底辺にあるChrome OSのシェルフは、自動的に隠すよう設定することで画面から消すことができる。なんとか上辺の2本のバーも非表示にしてWindowsのデスクトップだけで純粋にフルスクリーンで使えるようにして欲しいところだ。

もちろん、Parallels Desktopのウィンドウは、Windowsを動作させたまま自由にリサイズできるので、Chrome OSの他のアプリと同時に表示して、1画面内で切り替えながら操作できる。他のアプリと併用する場合には便利だ。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

Chrome OSに組み込まれている共有機能

Parallels Desktop固有のツールバーをチェックしよう。ここには、右端のメニューボタンも含めて6つのアイコンが並んでいる。このうちの4つについて触れておこう。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

キーボード

6つのアイコンのうち、一番左はキーボードメニューを開くボタンだ。Chromebookの場合、基本的なキーの配列はWindow PCとさほど変わらないものの、ファンクションキーまわりや、本来ならばアルファベットキーとテンキーの間にあるWindows固有の機能キーなどは備えていない。そうしたキーが押せないと、Windowsでは困ることもある。そこでこのキーボードメニューには、そのような機能キーを押したのと同じ機能を発揮するコマンドが並んでいる。使用頻度が低いものがほとんどだけに、これがあれば困ることはないはずだ。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

スピーカーおよびプリンターの設定

スピーカーのアイコン(左から2番目)は、Windowsの音をChromebookのスピーカーから出すかどうかを1クリックで切り替えるもの。Windowsの場合、不意に音を出すアプリもあるので、このボタンが常に見える場所にあるのは安心だ。その右のプリンターのアイコンは、Chromebook側のプリンターの利用を許可するかどうかを決めるボタン。

共有フォルダの設定

フォルダアイコン(右から3番目)は、共有フォルダについてのもので、共有フォルダの設定には、Chrome OSのFilesアプリを使う。ここにあるのは、Filesで設定したフォルダー共有を無効にする機能だけだ。

Chrome OSのFilesから直接見えるChrome OS側の「My files」フォルダには、Parallels Desktopによって「Windows files」というフォルダが自動的に追加されている。これは、Chrome OSから直接Windows仮想マシンの「Desktop(デスクトップ)」、「Docoments(書類)」、「Downloads(ダウンロード)」といったユーザーフォルダにアクセスするためのもの。通常は、これだけでファイル共有機能は十分に機能する。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

その上、ユーザーが独自のフォルダを追加して、それをWindows仮想マシンと共有することも可能だ。新しいフォルダ(ここでは「Parallels共有」)を作ったら、その上で右ボタン(2本指)クリックして、メニューから「Share with Parallels Desktop」を選ぶ。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

必要な操作はこれだけ。この操作の後、Windowsのエクスプローラーで確認すると、「ネットワーク」の中に「Parallels共有」というフォルダが現れる。あとは、この中に入れたファイル / フォルダを、Chrome OSと仮想マシン上のWindowsで自由に共有できる。実に簡単だ。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

使い勝手を向上させるParallels Toolbox

Parallels Desktopには、Mac版同様の「Parallels Toolbox」も付属している。さまざまな単機能のツールを集めたユーティリティ集のようなもので、目的と合致すると非常に便利に使える。Mac版の場合には、macOS上で動くものと、仮想環境上のWindowsで動くものの2種類を利用できるが、Chrome OS版の場合は、とりあえずWindows側で動くものだけが利用可能となっている。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

個々のツールの機能紹介は割愛するが、仮想環境上のWindowsを本物のWindows PC以上の使い勝手にするツールも含まれている。Windowsのタスクバーの右端のツールトレイの中のアイコンをクリックするだけで、いつでも呼び出せるようになっているので便利だ。

テストに使用したChromebook「ASUS Chromebook Flip C436FA」(C436FA-E10162)

今回テストに使用したChromebookは、14インチサイズのディスプレイを搭載する「ASUS Chromebook Flip C436FA 」(C436FA-E10162)というマシンだ。

スペックは、CPUは第10世代のインテルCore i7-10510U、16GBのメモリー、512GBのSSDとなっている。もちろんGoogle(グーグル)のChrome Enterprize認定デバイスの1つだ。
テストに使用したChromebook「ASUS Chromebook Flip C436FA」(C436FA-E10162)

  • 製品名:ASUS Chromebook Flip C436FA(C436FA-E10162)
  • ディスプレイ:14型ワイド(1920×1080ドット)10点マルチタッチ対応
  • CPU:Core i7-10510U(1.8GHz / 4.9GHz)
  • メモリー:16GB
  • ストレージ:512GB SSD(PCI Express 3.0 x2)
  • 通信:Wi-Fi 6(11ax、2.4 / 5GHz)
  • インターフェイス:USB 3.1 Gen1 Type-C×2、Bluetooth 5.0、microSDXCカードスロット
  • バッテリー駆動時間:約11.8時間
  • 重量:約1.15kg
  • そのほか:指紋認証センサー、USI対応スタイラス「ASUS USI Pen(SA300)」

製品名に「Flip」が入っていることからわかるように、ディスプレイを本体の裏側にぴったりとつくまで360度開くことが可能で、タブレットとしても使用可能。このスタイルは、Windows PC同様にChromebookでも見かける。実際、Chrome OS上でAndroidアプリを利用する際などには便利に使える。

また10点マルチタッチを検出可能なタッチスクリーンを装備し、4096段階の感圧式のスタイラス「ASUS USI Pen(SA300)」も付属しているので、この製品だけでかなり広い用途に利用できる。今回、感圧機能までは試せなかったものの、主にChromebook(Chrome OS)での利用が想定されているUSI(Universal Stylus Initiative)規格に対応しており、仮想マシンのWindows上の描画アプリでのドローイングや、手書き文字認識などでも正常に機能することを確認できた。
テストに使用したChromebook「ASUS Chromebook Flip C436FA」(C436FA-E10162)

ParallelsおよびWindowsを動かすのにうってつけのスペック

スペック的には、Parallelsを利用してWindowsを動かすのにも十分だ。むしろ単なるChromebookとして使うだけではもったいないと感じられるほど。この画面サイズとスペックで、重量は1.15kgしかないというのは、ちょっとした驚きだ。

厚さも閉じた状態で約13.8mmに抑えられている。これは本体とディスプレイを合わせたものなので、本体は最も厚い部分でも10mmを切っている。それでもキーボードのストロークは1mm程度は十分にあり、タイピングにもストレスは感じない。ソフトウェアの機能と、本体の重量や厚さは関係ないとはいえ、これだけ軽く薄いマシンで、Chrome OSとWindowsが両方使えるのはありがたい。

Parallels Desktop for Chromebook Enterpriseには、まさにうってつけのマシンだと感じられた。

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サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る

サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る

まだまだ特殊なデバイスという位置づけではあるものの、折り畳みスマートフォンが拡大している。サムスンはGalaxy Zシリーズとして折り畳みスマートフォンを複数ラインナップしており、その第1弾となった製品が「Galaxy Fold」だ。当初は「Z」が付かなかったので、シリーズ化するかどうか決まっていなかったのかもしれない。日本ではauから発売され、後継機種の「Galaxy Z Fold2」発売も目前に迫っている。

まずは第1世代「Galaxy Fold」を振り返り、どのような解決がなされたのか、後日「Galaxy Z Fold2」のレビューを掲載しよう。

欠点は多いものの、触っていてとにかく楽しい

Galaxy Foldは、メインディスプレイを内側に折り込むブックスタイルの折り畳みスマートフォン。折りたためばスマートフォン、開けばタブレットとして使えるというのが特徴だ。他社にはディスプレイを表にして山型に折り込む端末もあるし、1枚のディスプレイを折りたたむのではなく、ふたつの画面を重ね合わせるタイプもある。Foldのスタイルは、折りたたむとカバーディスプレイを一般的なスマートフォンライクに使えるようになる。このあたりはそれぞれ一長一短あるものの、Foldの場合メイン画面は内側に収めて保護する形になるため安心できるという点はメリットだろう。

閉じた状態。ちょっと画面の小さいスマートフォン

閉じた状態。ちょっと画面の小さいスマートフォン

開くとタブレットに早変わり

開くとタブレットに早変わり

スマートフォンとしては分厚い。折り畳みの宿命ではあるが、約15.7mm(最厚部17.1mm)とどうしてもスマホ2台分ぐらいの厚みになってしまう。厚みを除くと、縦160.9×62.8mmと約細身のボディは普通のスマートフォンより持ちやすく、握りしめるという感触になる。

閉じた状態だと、約15.7mm(最厚部17.1mm)と当然2倍の厚さになる

閉じた状態だと、約15.7mm(最厚部17.1mm)と当然2倍の厚さになる

細身なことも手伝って、握りしめる感じはそれほど持ちにくくない

細身なことも手伝って、握りしめる感じはそれほど持ちにくくない

ただ、スマートフォンとして使われるカバーディスプレイの画面サイズは4.6インチと小さい。本体の中心に小窓のようにあるディスプレイは、スマートフォンというよりもサブディスプレイという印象だ。

このあたりはGalaxy Foldの大きな弱点。一見コンパクトスマートフォンに見えるものの、その実態は分厚いボディとなっており、画面サイズとしては4.6インチしかないのはやはり使い勝手が悪い。

スマートフォン側でアプリを開いた状態で本体を開くと、その時開いていたアプリがタブレット側でも開いた状態になる。画面が小さいと感じた場合は、開いてタブレット状態にしてメイン画面を利用すればいいのだが、やはりそれはそれで一手間かかる。スマートフォンとして完結できるのであればそれに越したことはない。

メインディスプレイで開いていたアプリは設定をすればそのままカバーディスプレイに移行できる

メインディスプレイで開いていたアプリは設定をすればそのままカバーディスプレイに移行できる

タブレットモードになると、画面サイズは7.3インチというサイズ。タブレットというにはやや小さいが、それでもスマートフォンよりはるかに大きい大画面が楽しめる。

タブレットモードで横持ち。一般的なタブレットのように見える

タブレットモードで横持ち。一般的なタブレットのように見える

画面を開いたタブレット状態なら厚みは6.9mmと薄くなる。276gという重さもタブレットと考えれば軽量だ。2152×1536ピクセルのディスプレイの画面比率(アスペクト比)ほぼ4:3なので、動画だと上下の黒帯が大きくなるものの、画像の閲覧にはちょうどいい。電子書籍にも向いているだろう。横持ちして2画面表示していると、ちょうど文庫本やラノベ(A6判。105✕148mm)を読むぐらいの感覚だ。

タブレットにすれば一般的な厚み。側面には音量ボタン、電源ボタン、指紋センサーが並ぶ

タブレットにすれば一般的な厚み。側面には音量ボタン、電源ボタン、指紋センサーが並ぶ

背面から見たところ

背面から見たところ

ただ、インカメラをデュアルカメラにするなど、ノッチが大きめになっているのは気にかかるところ。デュアルカメラにもメリットはあるが、ディスプレイサイズを小さくしてまで搭載するのは本末転倒だろう。

やや内側に反ったデザインとなっており、中央の折り目は角度によっては目立つし、触るとへこみも感じるが、使っていて致命的な問題には感じない

やや内側に反ったデザインとなっており、中央の折り目は角度によっては目立つし、触るとへこみも感じるが、使っていて致命的な問題には感じない

とはいえ、スマートフォンサイズで持ち歩けて、タブレットの画面サイズで動画や画像などのコンテンツを楽しめるというのは得がたい体験だ。やはり持ち運びやすさというのは大きなメリットで、必要に応じて画面サイズを変えられるのもいい。

タブレットとして、複数のアプリを同時起動もできる。3つのアプリまでを並べる機能を備えているが、快適に使うにはやや画面サイズが足りない。それでも、使いようによっては便利で、必要なときにこうした使い方ができるのは折り畳みスマートフォンならでは。

  1. 3つのアプリを並べたところ。この配置は固定。縦に並んだ2つは小さいので見にくいが、通常のスマートフォンで2分割にして使うと考えれば困らない。左側の縦に長く配置できるアプリは、スマートフォンの通常の1画面と同様なので、配置を工夫すれば使いやすくなる
  2. アプリはドラッグ&ドロップで配置を入れ替えられる

「閉じる」「開く」という動作は、スマートフォン以前のフィーチャーフォンの折り畳みケータイっぽくて、なんとなく開け閉めをしてしまう。閉じた状態で爪を差し込むようにするとカパッと開き、開ききる直前に軽く力を入れるとパチッと平らになる。つい、開け閉めを繰り返したくなる感覚だ。

残念なのは、開いている途中で角度が固定できない点。ノートPCのような使い方はできない。

新たなデバイス、新たなチャレンジに踏み出せるサムスンへの期待

こうしてみると、予想通りというか、欠点は少なくない。

Galaxy Foldは、スマートフォンを使っている最中にタブレットに持ち替えるといった、2台持ち状態よりは手軽だ。ただその場合、より使いやすいスマートフォン、より大画面のタブレットを使い分けられるのに比べて、一体型はいろいろとガマンしなければならない面が多くなる。また、20万円を超える高額のデバイスは、おいそれと手が出るものでもない。

ただ、こうしたチャレンジができる点はサムスンの強みだ。曲げられるディスプレイは新たなデバイスにも生かされるだろうし、折り畳みは何より楽しい。これがスマートフォンの主力になるとは考えにくいものの、今後新たなデバイスへのチャレンジという将来性を期待させるた製品がGalaxy Foldだった。

ハードウェア的な進化が少ない昨今のスマートフォンにおいて、2世代目も登場したGalaxy Fold。Galaxy Z Fold2でも、サムスンによる新たな使い方、新たな提案に期待したい。

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「AnTuTu」60万超え、約6万1000円から購入できるゲーミングスマホ「RedMagic 5S」

Nubia Technologyは5G対応ゲーミングスマホ「RedMagic 5S」を9月2日に発売した。RedMagic 5Sは「RedMagic 5」の後継モデル。プロセッサーやディスプレイなどの基本スペックに変更はないが、拡張冷却アタッチメント「Ice Dock」(44.9ドル。約4700円)が用意されたことが大きな進化点だ。今回は残念ながらIce Dockを借用できなかったが、RedMagic 5Sのゲーミングスマホとしての実力をチェックしていこう。

Nubia Technology「RedMagic 5S」は価格579ドル(約6万600円)から。日本でもメーカー直販サイトから購入可能。技適も取得されている

Nubia Technology「RedMagic 5S」は価格579ドル(約6万600円)から。日本でもメーカー直販サイトから購入可能。技適も取得されている

これはIce Dockのイメージ画像。実際には本体はブラックで、ロゴはレッド。給電用USB Type-Cとヘッドフォンを挿すための3.5mmヘッドフォン端子が用意されている。なおNubiaは、「PUBG」をプレイした際に47.8度から40.5度へとマイナス7.3度の冷却効果があったとうたっている

これはIce Dockのイメージ画像。実際には本体はブラックで、ロゴはレッド。給電用USB Type-Cとヘッドフォンを挿すための3.5mmヘッドフォン端子が用意されている。なおNubiaは、「PUBG」をプレイした際に47.8度から40.5度へとマイナス7.3度の冷却効果があったとうたっている

5G対応スマホだが日本国内で利用できるのは4Gまで

まずスペックを解説する前に最初に注意事項をお伝えする。RedMagic 5Sは5G対応スマホだが日本国内で利用できるのは4Gまで。技適は「デバイス情報→Certification Mark」で確認できるが、5Gの周波数帯は未取得のため「電波法により5.3GHz帯は屋内使用に限ります」と記載されている。

RedMagic 5も同様の仕様だったが、日本国内で本格的に普及を目指すのなら、5Gの周波数帯についても技適を取得してほしい

RedMagic 5も同様の仕様だったが、日本国内で本格的に普及を目指すのなら、5Gの周波数帯についても技適を取得してほしい

それではスペック解説に話を戻そう。本製品はOSにAndroid 10をベースにした「Red Magic OS V3.5」、プロセッサーに「Qualcomm Snapdragon 865 5G」を採用。モデルは2機種で、メモリー8GB/ストレージ128GBを搭載した「Sonic Silver」(579ドル。約6万600円)、メモリー12GB/ストレージ256GBを搭載した「Pulse」(649ドル。約6万8000円)が用意されている。

左がSonic Silver、右がPulse

左がSonic Silver、右がPulse

ディスプレイは、6.65インチFHD+ 有機EL(1080×2340ドット、387.5ppi、輝度600cd/平方m、色域DCI-P3カバー率100%、コントラスト比100,000:1、リフレッシュレート144Hz、タッチサンプリングレート240Hz、ディスプレイ内指紋認証センサー)を搭載。コーニングの強化ガラス「2.5D Corning Gorilla Glass」を採用している。

背面カメラは広角(6400万画素、f/1.8、0.8μm、78.3度)、超広角(800万画素、f/2.2、1.12μm、120度)、マクロ(200万画素、f/2.4、1.75μm、78度)を搭載。望遠カメラは搭載されていないが、最大10倍のデジタルズームに対応している。また前面カメラは800万画素、f/2.0、1.12μm。

通信機能は5G/4G/3G/2G、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1、NFCに対応。また、USB Type-C端子からのHDMI映像出力をサポートしている。

本体サイズは168.56×78×9.75mm、重量は218g。ボディー材質は、フレームは金属製で、バックカバーがガラス製だ。バッテリーは4500mAhを搭載。同梱されているACアダプターは18W仕様だが、55W仕様のUSB Power Delivery対応充電器を使えば40分でフル充電可能とうたわれている。

  1. ディスプレイ上部、本体下部にステレオスピーカーを内蔵。背面の「REDMAGIC(Ag)」と書かれたパーツは、Ice Dock装着時に本体内を効率的に冷却するためのプレート「ICE Ag silver plate」だ
上部にはノイズ除去マイク、3.5mmヘッドフォンジャック、下部にはステレオスピーカー、USB Type-C端子、マイク、SIMカードトレイを配置

上部にはノイズ除去マイク、3.5mmヘッドフォンジャック、下部にはステレオスピーカー、USB Type-C端子、マイク、SIMカードトレイを配置

右側面にはショルダーボタン(左)、排気口、ボリュームボタン、電源ボタン、ショルダーボタン(右)、左側面にはドックピン、ゲームマイク、吸気口、ゲームブーストモードスイッチが配置

右側面にはショルダーボタン(左)、排気口、ボリュームボタン、電源ボタン、ショルダーボタン(右)、左側面にはドックピン、ゲームマイク、吸気口、ゲームブーストモードスイッチが配置

SIMカードはnanoSIMカードを2枚装着できる

SIMカードはnanoSIMカードを2枚装着できる

パッケージには、本体、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、ソフトケース、クイックスタートガイド、ワランティーカードが同梱されている

パッケージには、本体、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、ソフトケース、クイックスタートガイド、ワランティーカードが同梱されている

「AnTuTu Benchmark」で「618633」という高スコアを記録

RedMagic 5Sは、ゲーミングスマホとしての性能はトップクラスだ。ゲームブーストモードをオンにした後、「Game Enhancement」を「Super performance」に設定して総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」を実行してみたところ、軽く大台を超えて「618633」という高スコアを記録した。

ただし記事執筆時点のランキングでは1位となったものの、ASUSの最新ゲーミングスマホ「ROG Phone 3」は冷却ファン「AeroActive Cooler 3」を装着した状態で「657870」を記録している。やはりRedMagic 5SでもIce Dockを装着して、再計測したいところだ。

拡張冷却アタッチメントのIce Dockなしで「618633」という高スコアを記録した

拡張冷却アタッチメントのIce Dockなしで「618633」という高スコアを記録した

ゲームは「PUBG」をプレイしてみたが、クオリティを「スムーズ」に設定すれば、90fpsでプレイできた。144Hzのディスプレイの真価を発揮できないが、90fpsでも十分ヌルヌルとした描画で快適にプレイ可能だ。

なお、「Real Racing 3」「DEAD TRIGGER 2」「Bullet Force」「Vainglory」などは144Hz表示に対応しているが、今回プレイした「PUBG」だけでなく、「FORTNITE」「Call of Duty : Mobile」などのS級タイトルは非対応。ゲームメーカーは発熱や消費電力に配慮しているのかもしれないが、ゲーミングスマホの性能が大きく向上しているので、ぜひそれに合わせてフレームレートの上限を上げてほしいと思う。

PUBGでクオリティを「スムーズ」に設定すると、FPS設定に「90fps」の項目が現われる

PUBGでクオリティを「スムーズ」に設定すると、FPS設定に「90fps」の項目が現われる

左右ショルダーボタンは画面上の任意の位置に割り当てられる。感度設定やバイブレーションフィードバックも選択可能

左右ショルダーボタンは画面上の任意の位置に割り当てられる。感度設定やバイブレーションフィードバックも選択可能

ショルダーボタンは操作できる画面上のボタンが固定されるが、ゲームコントローラー感覚で簡単に4本指操作が可能だ

ショルダーボタンは操作できる画面上のボタンが固定されるが、ゲームコントローラー感覚で簡単に4本指操作が可能だ

日常使いのスマホとして十分活用できるカメラ画質

カメラは超広角、広角、マクロ、フロントという構成。画質は基本的に良好だと思う。特にナイトモードは明るく、ノイズも少なめで、白飛びも抑えられていた。10倍デジタルズームは大画面で見るとアラが目立つが、個人的には11インチ前後の画面で見るなら許容範囲だ。日常使いのスマホとして十分活用できるカメラ画質に達していると思う。

超広角カメラで撮影

超広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

10倍デジタルズームで撮影

10倍デジタルズームで撮影

マクロカメラで撮影

マクロカメラで撮影

ナイトモードで撮影

ナイトモードで撮影

5Gの技適未取得、不十分な日本語化が残念だが、ゲーム性能は申し分なし!

579ドル(6万1000円前後)からAuTuTu Benchmarkで60万超えのマシンが手に入るのだから、コスパは圧倒的だ。日本国内で5Gを屋外で利用できない点、そして日本語化が不十分な点さえ納得できるのなら、比較的安価に購入可能な最新ゲーミングスマホとして魅力的な選択肢と言えよう。

RedMagic 5Sを試用中に、中国語のメッセージが表示されることもあった。せめて英語でメッセージが表示されるようにソフトウェアアップデートを実施してほしい

RedMagic 5Sを試用中に、中国語のメッセージが表示されることもあった。せめて英語でメッセージが表示されるようにソフトウェアアップデートを実施してほしい

 

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3万7000円という高コスパが信じられない充実装備の13型ノートPC「GemiBook」

CHUWI(ツーウェイ)は、中国・深センに本社を置き、ノートPC、タブレット、ミニPCなど幅広いラインナップを展開しているPCメーカー。そのCHUWIが、Windows 10搭載13.3型ノートPC「GemiBook」を発売した。価格はなんと349ドル(3万7000円前後)だ。

GemiBookは、CPUに安価なCeleronを採用しているものの、WQHD(2560×1440ドット)の13.3型IPS液晶ディスプレイを採用するなど、それ以外のスペックは低価格モデルとは思えないほど充実している。

今回CHUWIより実機を借用したので、約4万円でどの程度のクオリティーを実現しているのかという視点からレビューしていこう。

CHUWI「GemiBook」は349ドル(3万7000円前後、メーカー公式サイトで日本から送料無料で購入可能)

CHUWI「GemiBook」は349ドル(3万7000円前後、メーカー公式サイトで日本から送料無料で購入可能)

認証情報は本体底面に記載されている

認証情報は本体底面に記載されている

CPUはエントリークラス、SSDは1基増設可能

GemiBookはOSに「Windows 10 Home」、CPUに「インテル Celeron J4115 プロセッサー」(4コア4スレッド、1.50~2.50GHz)を採用。メモリー(RAM)は12GB(LPDDR4X-2133)、ストレージは256GB(M.2 SATA接続)を搭載している。

  • ディスプレイ: 13.3型IPS液晶。解像度WQHD(2560×1440ドット、光沢)、sRGBカバー率99.3%(実測)
  • CPU: Celeron J4115(4コア4スレッド、1.50~2.50GHz)
  • GPU: インテル UHD グラフィックス 600(CPU内蔵)
  • メモリー: 12GB(LPDDR4X-2133)
  • ストレージ: 256GB SSD(M.2 SATA接続)
  • Wi-Fi: 11ac(2×2。2.4/5GHz。Wireless-AC 7265)
  • インターフェイス: USB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A、Bluetooth 5.1など
  • メモリーカードスロット: microSD
  • サイズ: 289×219×17.75mm
  • 重量: 約1280g
  • バッテリー駆動時間: 8.0時間(公称)
  • OS: Windows 10 Home

安価なノートPCはメモリー、ストレージがオンボード接続されており、換装・交換できないことが多いが、GemiBookはM.2 NVMe接続のSSDを1枚装着するためのスロットが用意されており、ユーザーが後からストレージを増量可能だ。メモリーは12GBと多めに搭載されているので、ストレージを増量すれば長く利用できるノートPCといえる。

本体裏面にM.2 2280スロットが用意されている。M.2 NVMe接続のSSDを装着すれば、ストレージを増量&高速化可能だ。なおフタの裏に貼られているのは放熱用の部材だと思われる

本体裏面にM.2 2280スロットが用意されている。M.2 NVMe接続のSSDを装着すれば、ストレージを増量&高速化可能だ。なおフタの裏に貼られているのは放熱用の部材だと思われる

M.2 2280スロットのフタはねじすべり止め液で固定されている。丁寧に組み立てられている証拠だ

M.2 2280スロットのフタはねじすべり止め液で固定されている。丁寧に組み立てられている証拠だ

ディスプレイは13インチWQHD IPS液晶(2160×1440ドット、光沢)を採用。画面比率が3:2と縦に広いので、ウェブページの閲覧や、ドキュメントの作成にもってこいだ。またディスプレイの色域を計測したところ、sRGBカバー率で99.3%と優秀な値が出た。カラーキャリブレーションを実施すれば、ウェブサイトの色確認にも利用できる色域だ。

カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率99.3%、sRGB比101.3%という広色域を記録した

カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率99.3%、sRGB比101.3%という広色域を記録した

ディスプレイは光沢仕様。液晶パネルの色域の広さも相まって、約4万円のノートPCとは思えないほど鮮やかで階調豊かに画像、映像を表示できる

ディスプレイは光沢仕様。液晶パネルの色域の広さも相まって、約4万円のノートPCとは思えないほど鮮やかで階調豊かに画像、映像を表示できる

ボディーはフルメタル製。ダイヤモンドカット加工こそ施されていないものの、ファーウェイのノートブックに迫る質感を備えている。本体サイズは289×219×17.75mm、重量は約1280g。バッテリーは38Whを搭載しており、バッテリー駆動時間は8.0時間とうたわれている。

フルメタルボディーは他社製低価格ノートPCの質感を大きく凌駕している

フルメタルボディーは他社製低価格ノートPCの質感を大きく凌駕している

放熱口は底面に大きめに確保されている

放熱口は底面に大きめに確保されている

インターフェイスは、USB Type-C×1、USB Type-A×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、microSDメモリーカードスロット×1を用意。通信機能はWi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5.1をサポートしている。USB Type-Cは、USB Power Deliveryと映像出力に対応しており、サードパーティー製USB Power Delivery対応充電器で充電したり、モバイルディスプレーにケーブル1本で映像出力&給電できる。

右側面にmicroSDメモリーカードスロット×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、USB Type-A×1、左側面に電源端子、USB Type-C×1が配置されている

右側面にmicroSDメモリーカードスロット×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、USB Type-A×1、左側面に電源端子、USB Type-C×1が配置されている

同梱のACアダプターはDCプラグ仕様だが、USB Power Delivery対応の充電器でGemiBookを充電できる

同梱のACアダプターはDCプラグ仕様だが、USB Power Delivery対応の充電器でGemiBookを充電できる

キーボードはキーとキーにすき間のあるアイソレーション型(チクレット型)。打鍵感は良好で、バックライトも内蔵されている。ただし、日本語キーボードは用意されておらず、DeleteキーがBackspaceキーの下に、「\」(バックスラッシュ)キーがカーソルキーの下に配置されている。文字キーが等幅に揃えられている点はいいが、キー配置には慣れが必要だ。

キーピッチは実測19mm前後

キーピッチは実測19mm前後

低価格ノートPCとしては珍しくキーボードバックライトが内蔵されている

低価格ノートPCとしては珍しくキーボードバックライトが内蔵されている

一般的な用途であれば必要十分な性能を備えている

パフォーマンスについては、CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」。

「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」

「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」

3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC。ウィンドウモード)となった。

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」が「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC)

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」が「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC。ウィンドウモード)

ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」という結果だ。

「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」

「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」

ベンチマークを総括すると処理性能は決して高くない。特に3Dゲームなどは画質設定を低くしても、快適にプレイできるのはカジュアル系のごく一部だ。しかしブラウジング、動画視聴、オフィスアプリの利用などの一般的な用途であれば必要十分な性能を備えていると言える。

高負荷時のキーボード面の最大温度は29度(室温22.1度で測定)

高負荷時のキーボード面の最大温度は29度(室温22.1度で測定)

底面の最大温度は34.1度(室温22.1度で測定)

底面の最大温度は34.1度(室温22.1度で測定)

約4万円とは信じられないトータルバランスが光る高コスパノートPC

GemiBookの処理性能は決して高くはない。しかしフルメタルボディー、2Kディスプレイ、12GBメモリー、256GB SSD、SSD増設用スロット、USB Power Delivery対応USB Type-C端子と、約4万円のノートPCとは信じられないほど装備が充実している。絶対的な処理性能は割り切り、質感を含めたトータルバランスを重視するのなら、GemiBookはもってこいの1台といえる。

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「蛾」の背中に載せて運べる超小型センサー

誰でも伝書鳩を知っているだろう。では、伝書蛾は? この研究プロジェクトはそんな夜行性昆虫を使って、1/100オンス(0.28g)以下の小さな電子装置の配送サービスを提供しようとしている。

システムを作ったのはワシントン大学の大学院生チームと、それを率いる多能な超小型ガジェット作者、Shyam Gollakota(シャム・ゴラコタ)准教授だ。

「これは超小型ドローンや蛾のような昆虫からセンサーを落下させた初めての事例です。小さな昆虫は狭い場所通るのがどんなドローンよりも得意でずっと長く飛んでいられます」と同氏が大学のニュースリリースで語った。同氏は蜂のバックパック(未訳記事)や超低消費電力ビデオ通信など、極小スケールの新機能の開発を得意としている。

1セント硬貨の上に載っているセンサープラットフォームは、環境モニタリングからマイクロフォンや光検知装置など何にでも使える。この種の低消費電力ボードではバッテリーが何年ももつので、手の届かない場所の長期間モニタリングとは最適の組み合わせだ。


この仕組みの鍵となるのがリリースシステムだ。作りを軽量かつシンプルにするために、小型センサーは小さな磁石ピンで支えられている。ワイヤレスで信号を送るとピンに巻かれたコイルに電流が生じ、磁界に作用して装置を落下させる。

装置は1匹の蛾が容易に運べるほど小さいが、スズメガは蛾の中では小さいほうではないので、ハチドリくらいのサイズになることもあることをお忘れなく。しかし、見たところもっと小さな種類にも装着できそうだ。おそらくそれが次の実験なのだろう。

エコシステムの隅々まで蛾(あるいは他の昆虫)が運んでいける安価で長持ちするセンサーは、その分野を研究する人たちに非常に興味深いデータをもたらすだろう。もちろん、これを使って最高機密地帯にマイクを潜入させることも可能だろうが、おそらく誰もやろうとしないだろう。

National Science Foundation(国立科学財団)の助成を受けているこの研究は、Mobicom 2020で発表された。

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画像クレジット:Mark Stone/University of Washington

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Rokuが、新しいUltraプレイヤー、2-in-1「Streambar」およびAirPlay 2対応OSを発表

ストリーミングメディアデバイスメーカーであるRokuは、ホリデーシーズンに先駆けてラインナップを強化し、2つの新商品を発表した。1つはハイエンドのRoku Ultraの新型商品で、ドルビービジョンとBluetoothに対応した同社初の製品となる。もう1つはプレイヤーとサウンドバーを組み合わせたデバイス、Roku Streambarだ。さらに、今回のRoku OSソフトウェアの更新では、Apple AirPlay 2とHomeKitのサポートなどの新機能も追加される。

ハードウェアの面では、2つの新製品の発売に伴いデバイスを更新し、市場の穴を塞ぐ戦略を引き続きとっている。

Roku Ultraの改良により、ワイヤレス範囲は50%拡大され、Bluetoothにも対応するようになるという。範囲が拡大されたことで、ストリーミングの品質やエクスペリエンスを損なうことなく、インターネットルーターからさらに離れた場所でもUltraを使用できる。また、Bluetoothが搭載されたことにより、ペアリングしたスマートフォンからRoku Ultra経由で音楽やその他オーディオをテレビにストリーミングできるようになる。

Image Credits: Roku

アップデートされたRoku Ultraは、ドルビービジョンテレビのユーザーの需要に応えるため、Dolby Atmosサウンドとドルビービジョンにも対応した。さらにRokuは、AV1コーデックを追加し、低ビットレートで高品質な動画の視聴を可能にしたことでデバイスの将来性を保証した。

Image Credits: Roku

デバイスと一緒に、HDMIケーブルのほか、Roku Voiceリモコンが同梱される。このリモコンには、テレビの電源と音量ボタン、任意のショートカットボタン、一人での視聴を楽しむヘッドフォン、リモコン紛失時の検索機能が搭載されている。価格は変わらず、99.99ドルでの提供となる。

次にRoku Streambarを紹介しよう。この2-in-1デバイスは、4K HDRストリーミングとプレミアムオーディオの両方に対応する。プレイヤーの特徴を見てみると、卵のパック程の大きさで、Roku Streaming Stick+と同様の機能があり、Amazon AlexaとGoogleアシスタント両方に対応している。サウンドバーは、HDMIケーブルでテレビに接続する。テレビがARCに対応している場合は、HDMIケーブルを差し込めばすぐに音声が送られる。対応していない場合は、同梱の光ケーブルを使えば問題はない。

サウンドバーには、会話やセンターチャンネルをクリアに聞かせるドライバが前面に2つ、側面には、部屋を音で満たすためのドライバが2つと、4つのプレミアムドライバが備えられている。さらにこのデバイスは、コマーシャルの音量を下げる機能、音声の音量を上げる機能、夜間での試聴を最適化する機能などのRokuの機能にも対応している。

Bluetooth、Spotify Connect、Alexa、Googleアシスタントにも対応し、テレビ、サウンド、ストリーミングも声で操作可能だ。

Image Credits: Roku

サウンドバーは主に、Rokuの製品を初めて使うユーザー向けのエントリーレベルデバイス、または新しいテレビで使用するためのオールインワンソリューションとして宣伝されているが、いずれはホームシアターに拡張して楽しむことも可能だ。Rokuによると、後から同社のワイヤレススピーカーやRoku Wireless Subwooferを追加してサラウンドサウンドや低音を楽しむこともできるという。

Image Credits: Roku

今後数週間で、AirPlay 2やHomeKitのサポートを含むいくつかの新機能を前述のデバイスや他の製品で体験できるRoku OS 9.4をインストールできるようになる。AirPlay 2を使うと、Appleデバイスユーザーは個人のコンテンツをそれぞれのライブラリやその他ストリーミングアプリからRokuプレイヤーに直接ストリーミングできる。

この追加機能は、Rokuでサポートしていないストリーミングサービスで特に役立つはずだ。ここ数か月、Rokuは、独自のハブであるThe Roku Channelを介してサブスクリプションチャネルプラットフォームを実行しているためメディア会社との交渉がうまくいっていない。たとえばNBCUとの交渉で、NBCUは、両社が問題を解決する前に、TV EverywhereアプリをRokuから削除すると脅し口論となった。現在でも、新しいストリーミングアプリであるHBO MaxはRokuでは利用できない状態だ。言うまでもなく、このような争いで損をするのはユーザーである。AirPlay 2のサポートは、アプリが利用できないときのための妥当な回避策と言える。

Roku OS 9.4ではHomeKitもサポートされるため、4Kデバイスを選択できるようになる。ユーザーはiPhone、iPad、Mac、Apple Watch、HomePodのHomeアプリやSiriでRokuをコントロールできる。

Image Credits: Roku

今回のアップデートでは、The Roku Channelで115を超える無料のライブチャンネルが視聴できる新しい「ライブテレビ」のタイルがホーム画面に並ぶ予定だ。ユーザーは、音声コマンドを使用する際の役立つヒントをテレビで見ることができ、オプションのサウンドが入った最新のテーマパックを受け取ることができる。テーマパックは、ジャングル、ウェスタン、航海、キッズなどのテーマを連想させ、標準の背景やデザインを置き換えることができる。さらにこのアップデートではその他のパフォーマンスの改善も行われ、The Roku Channelに無料のチャンネルが増え、マルチチャンネルオーディオのサラウンドレベルが改善される。

同社は、iOSとAndroidのスマートフォン向けにThe Roku Channel専用の無料アプリを近日リリースする予定だ。

Roku OS 9.4は、数週間以内に、新しいUltraやStreambarを含むすべての対応プレイヤーでも利用可能となる。Roku TVは来月アップデートされる予定だ。

Rokuのウェブサイトでは新しいプレイヤーの予約注文が可能で、出荷は10月となる。大手小売店やオンラインでも10月に販売を開始する。

関連記事:あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くE Inkタブレット「reMarkable 2」

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(翻訳:Dragonfly)

あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くreMarkable 2

数年前に突然現れたreMarkableは、筆者がそれまで長い間探し求めていたものだった。ただ、デバイス自体は実にすばらしかったのだが、問題がいくつかあり、目玉が飛び出るほど高価だった。初代のreMarkableをベースに作られたreMarkable 2の本体はより美しくスリム化されており、いくつかの重要な新機能が追加されているが、意図的なもの、そうでないものを含め多くの制約はそのまま残されており、それがreMarkable 2をあらためて特殊なデバイスにしている。また今回はコストも大幅に抑えられている。

reMarkableは、PDF、スケッチ、走り書きのメモなど、白と黒(およびグレー)のコンテンツを利用、作成するためのタブレットを目指しており、フル装備のタブレットやラップトップに搭載されているような余分な機能や複雑な機能は一切ない。筆者自身も実際に使ってみたが、確かに、目を通して注釈を付けなければならない大量のコンテンツがあるときにreMarkableを使うと集中力が上がった。また、簡単なメモ取りや、D&Dゲームでのメッセージのやりとり、木工プロジェクトのスケッチなど、他の用途でも便利に使えた。

rM2(本記事ではreMarkable 2をこう呼ぶことにする)は、あらゆる面で間違いなく改善されている。薄さ、速さ、バッテリー効率を含め、rM2のあらゆる機能を以前より向上させ、さらに価格も600ドル(約6万3000円)から400ドル(約4万2000円)に下げるなんてことを、どのように実現できたのだろうか。筆者は正直なところ少し面食らっている。普通ならどこか妥協せざるを得ないはずだ。しかし、今回は違う。

具体的には、rM2で大きく改善された点は以下の通りだ。

  • 一段と薄くなった(初代も6.7mmと薄かったが、さらに4.7mmの薄さに改善。ちなみにiPadの薄さは約6mm)
  • 一段と速くなった。デュアルコアARM CPUを搭載(主に節電が目的)
  • RAMが倍増した(512MBから1ギガバイトに増加)
  • 表示応答速度が21msに半減した(LCD並みの速度)
  • バッテリー持続時間が3倍以上に伸びた(スタンバイ状態では、数日どころか数週間、いや数か月持続可能)
  • スタイラスの一方の端が消しゴムとして使えるようになった。これは便利だ。

新しいデバイス(左)と初代。画像クレジット:reMarkable

 

 

まずは新しいデザインを見てみよう。正直なところ、最初はあまり納得できなかった。初代のソフト感がある白いプラスチックケースはより有機的に感じられたのだが、最新モデルでは左右非対称のクロームがガジェット感を出している。

しかし、目的と対象がはっきりしているこの新しいデバイスを、筆者はだんだん好きになってきた。もちろん今のデザインが左利きより右利きの人に向いているというのもある。初代の3つの巨大なボタンは、その機能を考えると少し大きすぎるのではないかと筆者は感じていた。また、rM2にホームボタンが欲しいと、ときどき思っていたが、新しいジェスチャー(上から下へスワイプ)がそれを解決してくれる。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

クロームストリップ上部の電源ボタンは小さすぎるくらい小さいが、少なくとも誤って押してしまうことはないだろう。USB-C充電ポートは電源ボタンの反対側の底部にある。デバイスを持つときに充電ケーブルが邪魔にならない位置にあるため、使用しながら簡単に充電できる(おそらくその必要はないだろうが)。

本体右側に埋め込まれた強力なマグネットがスタイラスペンをしっかりとホールドするが、そのマグネットは外からは見えない。そして、高級な質感のラバー仕上げが施されたこのスタイラスペンが非常にすばらしいことを付け加えておきたい。新しい消しゴム機能はとても使いやすい。スタイラスペンを探しているなら、間違いなくこれをおすすめする。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

背面にはラバー加工された小さな4つの突起がある。これにより、タブレットが無防備にテーブルの上で滑ってしまうことはなく、フォリオケースにもぴったりと収まる。薄く滑らかなデバイスにこのような突起物があると、少なからず邪魔だと感じる。実用的であることはわかっていたのだが、筆者は最初、これを剝がそうとした。

rM2は全体的に非常にスリム化された。初代よりかなり重い(初代の350グラムに対して400グラム。どちらも最軽量のiPadよりも軽い)とは言え、どう考えても軽量である。ベゼルはデバイスを握ったり位置を変えたりしやすい程度の幅はあるが、その幅は広すぎず、デバイスを邪魔することはない。自分だったらベゼルの幅をもう少し狭くできたかもしれないとも思うが、それは筆者自身の個人的なこだわりのせいだ。

誤解しないでいただきたいのだが、筆者は工業デザインには非常にうるさい人間である。ここで挙げた欠点は、例えば、見苦しいiPhone 11と比べれば、はるかにましである。rM2は初代よりも魅力的なデバイスに仕上がっており、デザイン上の優れた選択の数々を見せるにしても、あえて隠すにしても、非常に良い判断をしていると思う。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

ディスプレーは初代と同じで、画素密度とコントラストの面では、現在の電子書籍リーダーのレベルには達していない。KoboとAmazonの電子書籍リーダーは1インチ当たりのピクセル数が300ピクセルであるのに対し、reMarkableはそれを下回る226ピクセルである。これが重要になる場合も、そうでない場合もある。一部のフォントとペンマークには多くのエイリアシングが見られたが、大きなデバイスほど顔から遠ざけて持つ傾向があるため、エイリアシングはほとんど気にならない。

フロントライトはないが、これは意図的な選択だろう。紙の文書を見るときに使用するのと同じ照明下で作業することを想定しているからだ。それでも文書を読んでいるとき、たまに、フロントライトがあったらいいのにと感じたことがあった。

新しく搭載されているバッテリーが非常に長持ちすることは筆者が保証する。デバイスはまだ1週間ほどしか使っていないため、スタンバイ状態で数か月放置したらどうなるか、まだ語ることはできない。しかし初代は頻繁に充電しなければならず、いつもがっかりさせられていたのに比べて、今回のモデルははるかに長時間、充電なしで使えている。

また電源のオンとオフの切り替えも、はるかに速くなった。初代はスリープ状態に入り、少し遅れてからシャットダウンし、起動にしばらく時間がかかった。rM2はスリープ状態から瞬時にオンになり、完全なオフ状態から約20秒で起動する。幸いにも、初代と同じくらいの頻度で電源をオフにする必要も、自動的にオフになることもない。rM2を多くの人にとって実用的なデバイスにするためには、オン/オフやバッテリー寿命の心配を取り除くことが大いに役立つ。

無限に使える便利なリーガルパッドとPDFツール

筆者の字はひどいが、本来はきれいな字を書けるように設計されているrM2。画像クレジット:Devin Coldewey/TechCrunch

 

rM2は、科学論文、法律文書、報告書などのドキュメント全体のリーダーとして、また事実上無限のページを利用できるという大きなメリットを持つスケッチブックやメモ帳として、最も成功している。

読むことに関しては、操作性は初代のデバイスと大差ない。対応しているファイル形式はかなり少なく、PDFが最適である。ページを流し読みしたり、ペンで注釈を付けたり、テキストを強調表示したりできるが、残念ながらテキスト自体をデジタル的に選択/強調表示するのではなく、半透明のレイヤーでテキストをペイントするだけである。

テキスト検索は簡単で、ナビゲーションもわかりやすいが、スワイプではなくタップして次のページに進むオプションが欲しいところだ。変更はreMarkableアプリ内のドキュメントに同期され、変更されたバージョンを簡単にエクスポートできるが、ここでもテキストを直接選択することはできない。

rM2は以前に比べ画面上での書き心地が格段に良く、Eペーパーデバイスの中ですでにベストな選択肢になっている。フルカラーのイラストについては、当然ながらiPad Proの方がrM2より勝っている。しかしrM2の狙いは、他のタブレットが有する機能を満たすことではなく、意図された機能を確実に提供することにある。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

画面の手触りは初代のreMarkableよりも滑らかになっているが、質感の変更は必ずしも悪いことではない。初代では、そのザラザラした質感のせいで、書いているときに画面を引っかいているようし感じるのがいつも気になっていた。rM2ではそのようなことはないが、触知感がやや劣る。レイテンシーが低くなったことについては、気付くか気付かないかが分かれるところだと思う。初代のreMarkableを含め、筆者がテストした他のどのEペーパーよりもレイテンシーは確かに低くなっている。しかし21ミリ秒のレイテンシーであっても重要であり、書き方や描画の仕方に影響を与える。「紙のように」とはいかないが、これはかなりすごいことだ。

インタビューのときに使用している小さなポケットノートパッドを変えようとは決して思わないが、ミーティングやブレーンストームセッションではrM2を使ってみたいと思う。名前を小さくまとめて書いたり、フローチャートを作ったり、後で調べるためにあれこれメモしたり、上司の顔をいたずら書きしたりできるスペースがとても大きくて使いやすいため、あやうく、もっと会議に参加したいと思ってしまうところだった。思わずそう感じるくらい、本当に使いやすい。

使用しているところを動画で見せると参考になる人もいるとは思うが、実際に操作してみると、その見た目や感覚を感じとるのが動画でも難しいというのが実のところだ。見た目よりもずっと反応が良い。

書いたり描画したりするための頼りになる新機能として、スタイラスの反対側に消しゴムが付いた。消しゴムは自動で機能し、使い心地は本物の消しゴムのようで、ペンメニューにアクセスする手間を省ける。消去するよりも「元に戻す」操作をしたいときがあるが、残念ながら「元に戻す」にはまだメニューを開く必要がある。画面全体がマルチタッチ容量性であることを考えると、2本指で左にスワイプするなどして元に戻したり、何もないスペースで消しゴムをダブルタップしたりできない理由が見つからない。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

手書き認識機能は非常に便利だ。rM2で大量のメモを取る機会はまだないが、混在しているメディアページをコンピューターに転送するときに、いかに時間が短縮されているかがよくわかる。誰かが言ったメールアドレスや名前の入力にそれほど多くの時間を取られることはないが、ボタンを押すだけでコピー&ペーストができるようになるともっと便利だと思う。

確かに転記ミスはあったが、正直なところ、筆者が書く「u」、「n」、「r」、「v」は自分でさえ読み間違えることがある。筆者は引きずるように書く癖があるため、できるだけ低い筆圧でペンを走らせることよりも、表面からペンを持ち上げることに意識を集中する必要があった。

電子書籍リーダーとしては可もなく不可もない

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

初代のreMarkableは、電子書籍リーダーやその他の純粋なテキストコンテンツの操作と表示の点では、特に興味を引かれるものではなかった。rM2ではこの点が改善され、非常に便利な新しいタイムシフト機能が追加されているが、まだ競合他社に後れを取っている。

実際のところ、reMarkableは本を読むためのものではない。フルページとして表示されるように作成されたコンテンツ向けにフォーマットされており、それがうまく機能している。独自にテキストの整形を行う必要がある場合は、選択肢が少なくなる。

6つのフォント、1つのフォントにつき6つのサイズ、余白と間隔にそれぞれ3つのオプションがあり、カスタマイズの余地は少ない。書籍の表示に最も向いていそうな2つのテキストサイズは「少し大きすぎる」そして「少し小さすぎる」ように見える一方で、他のサイズは滑稽なほど巨大で、大きな活字の本よりもテキストが大きく表示される。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

筆者がタブレットに読み込んだepubブックのいくつかは、いろいろな点でうまくいかなかった。段落の最初のタブが表示されない、テキスト内のリンクが機能しない、行間が均等でない、段落の一部ではなく大きな空白が表示される、などの問題があった。reMarkableチームは電子書籍のレンダラーとテキストオプションを真剣に検討する必要があり、実際にそうしているが、書く機能や描画機能、そしてもちろん新しいハードウェアへの対応にチームのリソースが費やされてしまったようだ。

新しいChrome拡張機能を使用してWebから集めた記事を表示するときには、同じ問題は発生しない。これらの記事は書式に一貫性があり、雑誌のページのように読むことができて快適だ。2列表示のオプションやページのコード変換方法をカスタマイズする他の手段があればいいのだが、今のところないようだ。しかし筆者は、この点に関してreMarkableに合格点をあげたいと思う。これは開発中の新しい機能であり、かなりうまく動作しているからだ。

残念ながら、Pocket、Simplenote、Evernoteや同じような他の一般的なサービスと統合する見込みはない。良くも悪くも、reMarkableは単独で進むことを選んだのだ。実際、企業としてのreMarkableはデバイスを複雑にしすぎたり、他のものと統合しすぎたりすることを警戒している。なぜなら、余計なものを取り除くことを企業理念としているからだ。このアプローチにより統一された操作性が得られる。しかし、reMarkableが自ら競合する他社製品と同等の優れた機能を提供できなければ、痛手を受けることになる。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

筆者が抱えている深刻な不満の1つは、1つのアカウントで一度に1つのデバイスしかアクティブにできないということだ。そしてこれは、reMarkableの既存顧客を間違いなく困らせる問題だと思う。つまりすでに初代reMarkableを購入している場合、reMarkable 2をセットアップするには、原則的に初代を無効にする必要があるということだ。

これは大きな問題であり、reMarkableがチャンスを逃すことにもつながる。まず、古くからの顧客を実質的に裏切ることは少し残酷だ。おそらく解決策は見つかるだろうが、古いデバイスをアカウントから削除しなければならないという純然たる事実に問題がある。なぜなら、デバイスを2台使用できれば、絶対に便利だからだ。1台は職場、1台は自宅で使用して、2台を同期したり、アカウントをパートナーと共有して文書や手書き文字をやりとりしたりすることを想像してほしい。

この件についてreMarkableに問い合わせたところ、現時点では技術上の制約があるが、複数デバイスのサポートは現在計画中のようである。しかし現在rM2の購入を計画している人にとって、初代のデバイスを使えなくなること、少なくとも同じようには使えなくなること(つまり壊れているわけでもなく単にアカウントと同期しないということ)は、重要な検討事項になる。

希望と夢(そしてハック)

すでに述べたように、reMarkable 2の魅力は、どんな機能を備えているかではなく、何ができるかにある。reMarkableはここ数年、エコシステムがサポートする機能を大幅に拡大し、パフォーマンスを向上させ、ユーザーの要求に応えてきた。reMarkableのチームは熱心で率直なコミュニティを持っているため、筆者が感じる不満のほとんどはすでにチームが知るところとなっており、機能の修正や追加が計画されている。

このような有望なハードウェアを活用するための新しい方法をまとめている健全なハッカーコミュニティもある。もちろん慎重にやらなければ、ハードウェアを不能にしてしまう可能性があるため注意が必要だ。reMarkableが、その基本的な考えからRSSリーダーをデバイスに組み込みたくないのであれば、おそらく誰かがRSSリーダーを作るだろう。筆者はこのデバイスを、慎重に調整されたプラットフォームとしてではなく、汎用のグレースケールコンピューターとして試すことを楽しみにしている。

以前のreMarkableは非常に興味深いデバイスだったが、ローンチ時に広く推奨するのはやや難しかった。しかしここ数年でreMarkableは実績を積み上げ、デバイスの機能も向上して、その地位は強固なものになった。今回のアップグレード版はあらゆる面で強化され、価格も3分の1になったため、以前よりもはるかに自信を持って人にすすめられる。ペーパーレスの世界の探求に興味のある人、集中力を高めたい人、これがかっこいいと思う人は、reMarkable 2をぜひお試しいただきたい。

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(翻訳:Dragonfly)

Natureが最新スマートリモコンNature Remo 3を発売開始、現行モデル「Nature Remo」を価格改定

Natureが最新スマートリモコンNature Remo 3を発売開始、現行モデル「Nature Remo」を価格改定

Natureは8月5日、利用中の家電と組み合わせて手軽にスマートホームを実現できるスマートリモコン、「Nature Remo 3rd Generation」(第3世代。Nature Remo 3)」を発売した。直販サイトでの価格は税込み9980円。同社直販サイト、Amazonで購入できる。また現行モデル「Nature Remo」の価格を税込み8980円に改定した。

Nature Remoシリーズは、スマートフォンの専用アプリから利用中の家電を一括操作・管理できるスマート
リモコン。新製品Nature Remo 3は、Bluetooth Low Energy(BLE)を採用したことにより初期設定がシンプルになり、また従来製品に比べ小型・軽量化した。各種センサーの精度が向上しており、「部屋に入ったら自動で照明やテレビをONにする」など、より細やかなオートメーションの設定が可能となっているという。

BLE搭載の第1弾として、ロビットが提供するカーテン自動開閉ロボ「mornin’ plus」(モーニンプラス)」と連携。Nature Remo 3のオートメーション機能を使ったカーテンの自動開閉や、スマートスピーカー
との接続で、声でカーテンの開閉が行えるようになった。

Nature Remo 3は、赤外線対応リモコンの家電商品全般、BLE対応家電と組み合わせ可能。また温度センサー、湿度センサー、照度センサー、人感センサーを搭載。通信機能としてWi-Fi(2.4GHz、b/g/n)、赤外線、BLEを利用できる。サイズは70×70×18mm。重量約40g。

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グーグルのワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds」が日本でも20日発売開始

Google Pixel Buds

グーグルは8月4日、ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds」の日本発売を発表した。8月20日発売予定で、Google ストア価格は税込み2万800円。1回の充電で連続5時間の音楽再生が可能で、ワイヤレス充電ケースを使えば24時間まで稼働できる。また防⽔性能はIPX4となっている。

Pixel Budsは、Bluetooth 5.0接続に対応。Google Pixel Buds専用としてカスタム設計した12mmダイナミックスピーカードライバーにより高音質を実現したほか、パッシブノイズリダクション機能を搭載。下部の通気孔が圧迫感を軽減し適度に環境音を拾うことで、周囲の状況を常に把握しやすいよう配慮しており、「アダプティブ サウンド」が周囲にあわせて音量を自動調整するため、手動で音量調節をする必要はないという。

会話の際には、内蔵センサーとマイクが環境音の中からユーザ-の声を認識し、クリアな声で会話を行える。左右イヤホンには搭載されたそれぞれ2つのマイクを搭載してり、会話の音声が最も聞こえやすくなるよう強調する。さらに、モーション検出用の加速度センサーおよびジャイロスコープがあご骨の振動を介して音声を検出するため、ランニングなどの風の強い状況でもクリアな音声を実現できるとしている。

また音楽再生・通話・Googleアシスタントの操作が可能な静電容量式タッチセンサーを採用。左右どちらのイヤホンでも、タップで再生と一時停止、スワイプで音量を調整できる。デュアルIR近接センサーを利用した装着検知機能により、自動での音声再生・一時停止が可能。

Pixel Budsは内蔵バッテリーにより、⾳楽再⽣時最長5時間、 通話時2.5時間の利用が可能。ワイヤレス充電ケースで充電を行うことで、⾳楽再⽣時最長24時間、 通話時12時間まで稼働可能となる。ワイヤレス充電ケースにイヤホンを⼊れて10分間充電すると、最⻑2時間の⾳楽再⽣または最⻑1時間の通話が行えるようになる。

防水仕様はIPX4となっており、雨の日や汗をかく運動でも利用しやすい。

左右各イヤホンのサイズは20.5×19.5×18.2mmで、重量5.3g。ワイヤレス充電ケースのサイズは63×47×25mmで、ケースのみ重量は56.1g。イヤホン収納時の重量は66.7g。カラーバリエーションは、Clearly White、Almost Black、Quite Mintの3色。ワイヤレス充電ケースは、USB-C充電ポートを搭載し、Qi規格に対応。

Google Pixel Buds

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これこそ完璧なワイヤレスイヤホンだーーBang & Olufsenのスポーツ向け新モデル「Beoplay E8 Sport」

Bang & Olufusen(バング&オルフセン)が、高い評価を受けてきた同社の高精度かつ自然なサウンドをスポーツ仕様のデザインに詰め込んだBeoplay E8 Sportを発表した。価格は350ドル(約3万7000円)。IP57認証の防水性能、合計最大30時間のバッテリー駆動時間(1回の充電で最大7時間再生)、外音を取り込める透過モードなど、優れた機能が満載の完全ワイヤレスイヤホンだ。

製品の概要

E8 Sportは、バング&オルフセンがしばらく前から展開している完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay E8第三世代」の最新モデルだ。同シリーズで初めてスポーツ仕様の防滴・汗耐性を備えたモデルとなる。だからといって、以前のE8モデルが運動に不向きだというわけではない(筆者も使っている)。しかし、E8 SportはIP57認証の防水性能を備えていて、浅瀬程度の水深であれば30分間、水中で完全防水機能を発揮する。だから、雨の中でジョギングする時も、たくさん汗をかく時も、安心して使えるのだ。

ただし、泳ぐ時には使えない。E8 Sportの防水性能は、製品の耐久性を強化し、望むなら使用後にさっと水で洗えるようにすることが目的だからだ。言ってしまえば「気休め」なのかもしれないが、それでも、あればうれしい機能である。

Image Credits: Darrell Etherington

E8 Sportのイヤーピースの表面はラバー感が前面に出た新しいデザインとなっていて、充電ケースの予備電源バッテリー容量はE8の前継モデルよりやや少ないが(その差はわずか30分程度)、USB-Cケーブルやワイヤレスパッドを使って充電できる。充電ケースのバッテリーで23時間、イヤーピース内蔵のバッテリーだけでも7時間のオーディオ再生が可能だ。

また、各種サイズのシリコン製イヤーチップセットとComply製の形状記憶チップ(Mサイズ)1セットに加えて、ランニングや高強度の運動をする時でも高い装着フィット感を維持できる各種サイズのシリコン製イヤーフィンセットも付属している。Beoplay E8 SportのカラーバリエーションはパステルターコイズのOxygen Blue(オキシジェンブルー)とBlack(ブラック)の2色。さらに、スイスのランニング用品ブランドOn(オン)とコラボした特別エディション「Beoplay E8 Sport On Edition」も発売されている

イヤホンの内部は、スポーツ向けではない他のE8シリーズ標準モデルとほぼ同じだ。つまり、バング&オルフセンが誇るあの高精度で豊かな音質を楽しむことができる。

デザインと性能

バング&オルフセンはE8 Sportで新しいデザインを採用している。他のE8モデルのイヤーピース表面は滑らかだが、E8 Sportは丈夫でラバー感が前面に出た仕上がりとなっている。また、E8のケースがレザー仕上げであるのに対して、E8 Sportのケースはシリコン製だ。さらに、汗でぬれても滑りにくいように、E8 Sportのイヤーピースとケースの表面には浅い溝が刻まれている。

Image Credits: Darrell Etherington

スポーツ仕様とされる多くの他社製品とは異なり、Beoplay Sport E8は控えめで洗練された雰囲気を保っている。イヤーピースは装着時でもまったく目立たず、特にブラックの方は装着していても決して気づかれないのではないかと思う。「オキシジェンブルー」の方は少し目につきやすいが、それでも派手さや華やかさは感じさせないソフトな印象だ。

イヤーピースの左右どちらの表面にも、バング&オルフセンのロゴが刻印されたアルミニウムリングが埋め込まれていて、フェイスプレート部分はタッチセンサー式ボタンの役目も果たしている。全体的に他のE8モデルと異なるデザインであることは一目瞭然だが、それでも、バング&オルフセン製かどうかを疑うほどかけ離れた冒険的なデザインにはなっていない。

性能面では、E8 Sportという名の通り、長時間のバッテリー性能、パッシブ遮音性、並外れてクリアな音声分離機能、抜群の装着フィット感など、スポーツ向けモデルに期待されるあらゆる条件を満たしている。筆者も、30分間のランニングなど、さまざまなシチュエーションで実際に使ってみたが、接続品質も音質も常に最高だった。特に、スポーツ向けワイヤレスイヤホンなのにこれだけ高品質のサウンドを実現できていることに驚いた。他メーカーのスポーツ向けモデルは音質に妥協してベース音が濁ることが多いのだが、E8 Sportではまったくそのようなことはなかった。

それこそE8 Sportが最高の製品たるゆえんである。どんな天候の中でどんな運動をする時でも、家で静かにくつろぐ時でも、極上のサウンドを楽しめる万能イヤホンだ。もし、どんなシチュエーションにも最適なワイヤレスイヤホンを探しているのなら、E8 Sportが文句なしにおすすめだ。

Image Credits: Darrell Etherington

バング&オルフセンのアプリを使えば、好みのサウンドに細かく調整できる。また、イヤーピース表面のタッチセンサーに触れるだけで、音楽再生のコントロールや、外音透過モードへの切り替えが可能だ。そして、これらの操作はすべて、ランニング中でも、電話会議中でも実行できる。さらに、通話時の音質も非常にすばらしい。筆者がテストした時の通話相手は、電話を口元に近づけて話す場合よりもはるかに音質がよく、筆者がプロ仕様のオーディオ機器を使って録音しているポッドキャストの音声品質に近い、とまで言っていた。

総合評価

ワイヤレスイヤホン市場にはすでに無数のプロダクトが存在しており、その数は常に増え続けていて、性能も価格もさまざまだ。バング&オルフセンは現行のE8第三世代でワイヤレスイヤホンとして最高の音質を実現したと筆者は思っている。そして新製品のE8 Sportはその最高音質に加えて、見事な耐久性も備えている。

関連記事:違いのわかる大人の完全ワイヤレスイヤフォン「Technics EAH-AZ70W」

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(翻訳:Dragonfly)

違いのわかる大人の完全ワイヤレスイヤフォン「Technics EAH-AZ70W」

ワイヤレスイヤホン Technics EAH-AZ70W

あのTechnicsから完全ワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ70W」登場

左右ユニット間との通信をもワイヤレス化した「完全ワイヤレス(True Wireless)イヤフォン」は、イヤフォン界隈の”台風の目”。いわゆる最先端で売れ筋の商品であり、イヤフォンメーカー各社が鎬を削るカテゴリだ。

しかし、競争が激しいだけに技術が進化するペースも速い。当初は完全ワイヤレスというだけで話題になったが、左右ユニット間の音途切れを減らした製品が人気となり、やがて音質志向の製品が次々登場し、デザイン性や価格で訴求を図るブランドも現れ始めた。

そして2019年には、「(アクティブ)ノイズキャンセル」という要素が加わった。小型マイクで集音した周囲のノイズをもとにプロセッサーで演算を行い逆位相の音波を生成、それを重ねて出力することによりノイズを打ち消すという機能だが、これを完全ワイヤレスで行うのは技術的なハードルが高い。

1つにはプロセッサーの性能。精緻な逆位相波の生成には演算性能が高いプロセッサーのほうが有利だからだ。2つには、ノイズを取り除くためのソフトウェア(フィルタ)。どの帯域をどれほど調整するかによってノイズの減り方や音質が変わるため、開発の経験値が要求される。マイクをどこに、どの角度で取り付けるか、耳とユニットがどれだけフィットするかなどのアナログな作り込みも重要だ。

今回取り上げる「EAH-AZ70W」は、2014年に復活を遂げた歴史あるオーディオブランド「Technics」初となる完全ワイヤレスイヤフォン。左右ユニットの音途切れを防ぎ、アクティブノイズキャンセル機能を備え、そしてTechnicsの名にし負う音質と、最新のトレンドが”全部入り”の製品だ。そのあれやこれやについて、開発者のコメントを交えながら紹介する。

ワイヤレスイヤフォン Technics EAH-AZ70W

Technics初の完全ワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ70W」。ボディカラーはシルバーとブラックの2色が用意される

Technics開発チームに訊いてみた

一般的に完全ワイヤレスイヤフォンといえば、左右ユニットのどちらかがスマートフォンなどの送信機器(Bluetoothトランスミッター)と通信してLR両チャンネルのオーディオ信号を受信し、もう一方のユニットに片チャンネルの信号を送信するというリレー方式の接続が行われるが、EAH-AZ70Wは「左右独立受信方式」。左右ユニットそれぞれが送信機器から直接LRの信号を受信するのだ。

この左右独立受信方式は、Qualcommが「TWS Plus」という名称で商品化しており、スマートフォンなどBluetoothトランスミッター側にQualcommのSoC(Snapdragonシリーズ)が必要。iPhoneなど他のSoCを積むスマートフォンでは利用できないため、市場が限られてしまう悩ましさがある。

EAH-AZ70Wでは、他社製のチップを利用して左右独立受信方式を実現しており、前述した”Qualcommしばり”は存在しない。Bluetooth/A2DP対応製品であればよく、iPhoneとAndroidのどちらでも左右ユニットそれぞれが直接LRの信号を受信できるのだ。

この点についてTechnics開発チームに尋ねると、「完全ワイヤレスは大きさが重要。ドライバーやマイクも影響するが、電池をコンパクトにする効果が大きい。そのためには左右独立受信方式が必要だった」(深川氏)という。電力消費ペースが左右一方に偏りがちなリレー方式に比べ、均等に電力を消費する左右独立受信方式のほうがバッテリーサイズを小さくできるのだそうだ。

レイテンシーの軽減にも左右独立伝送がひと役かっているのだそう。Bluetoothオーディオでは音途切れを回避するため、オーディオ信号を一定量バッファーするが、そのサイズを増やすと途切れにくくなる反面レイテンシーが長くなる。しかし左右独立受信方式は片チャンネルの信号を右から左へ(あるいは左から右へ)送る必要がないぶん、リレー方式に比べバッファー量が少なくていい。「音途切れや混信を避けるため多少は設けている」(稲田氏)とのことだが、リレー方式と比べればバッファーが少なく、結果としてレイテンシー短縮に寄与しているのは確かだという。

EAH-AZ70Wのもうひとつの売りは、ノイズキャンセルの独自性にある。一般的にアクティブノイズキャンセルで効果を高める場合、ノイズを拾うマイクをハウジングの外側に設置する方式(フィードフォワード)と、内側に設置する方式(フィードバック)を併用するが、最終的にはプロセッサーで処理する都合上両方をデジタル回路にすることが多い。しかし、EAH-AZ70Wではフィードバックにアナログ回路を利用している。これが「デュアルハイブリッド・ノイズキャンセリング」と呼ばれるPanasonic/Technicsの独自技術だ。

ワイヤレスイヤフォン Technics EAH-AZ70W

ハウジングの周囲にはノイズキャンセル(フィードフォワード)用マイクを確認できる

この技術の効果は確かで、ONにするやいなや電車やクルマの走行音がすっと消える。まったくの無音ではないものの、電車の「ガタンゴトン」は「カタンコトン」になり、窓越しに聞こえるクルマの走行音は「ブオー」から「シュー」に変わる。しかも一部のノイズキャンセルイヤフォンで感じる独特の閉塞感・圧迫感 — エレベーターで耳がツンとするときに似ている — が気にならない。ノイズ低減効果がいいだけでなく、自然なのだ。

効きの要因についてTechnics開発チームに尋ねると、ひとつにアナログ回路の採用を挙げた。しかも、「フィードフォワード方式は信号がドライバーに到達するまでの時間を考慮した高精度な演算が必要なため、プロセッサーの性能は高ければ高いほどいいが、消費電力とのトレードオフの関係になる。一方のフィードバック方式は鼓膜に近いため、そこまでではない。しかも我々はアナログ回路を選択したため、遅延がないうえ省エネだ」(深川氏)というから、計算づくだ。

Technicsの名を冠するだけに、「音質最優先で設計した」(小長谷氏)と音にもこだわる。ノイズキャンセルなど他機能と同時進行で開発されるが、まずはこれらの機能を除いた音響設計で音質目標を明確にした上で開発を行ったそうだ。音の要因となるドライバーは、5、6つほど候補がある中、ドライバー特性や音質を確認のうえ改良を加えるなどして最終決定したそうだが、「音がいいものは電気の消費が少くてすむ、つまり能率がいい。だから特性が良く駆動力が高いドライバーを追い続けた」(小長谷氏)とのことで、強いこだわりが感じられる。直径10mmのグラフェンコートPEEK振動板は、その帰結というわけだ。

品よく大人の仕上がり

2週間ほど試用したうえでの印象だが、左右独立伝送が予想以上にいい。1mほどの常識的な範囲で利用したかぎりでは音途切れがなく、バッテリーが減るペースも左右でほぼ同じだ(専用アプリ「Technics Audio Connect」で確認できる)。Qualcommのチップを使わないという選択をしたため、同じくQualcommが開発したコーデック「aptX」を使えないものの、それはaptX非対応のiPhoneユーザーには関係ない話。ほぼすべてのスマートフォンユーザーが「音途切れなし&省電力」のメリットを享受できるほうが合理的だ。

ワイヤレスイヤフォン Technics EAH-AZ70W

スマートフォン用アプリ「Technics Audio Connect」(画面はiOS版)。ノイズキャンセル/外音取り込みのレベルはアプリで調整する

ノイズキャンセルの効きも上々。今現在も遠くからセミの鳴き声(人間がもっとも敏感に反応する4KHz前後)は聞こえるものの、エアコン室外機の不快な低周波音はしっかりシャットアウト。感じない人もいるそうだが、個人的には閉塞感・圧迫感が少ない自然なところが気に入っている。

課題があるとすれば、通話時の音声品質だろうか。テレワークでの利用を考慮すれば、マイクが拾った音(自分の声)の騒音抑制/ノイズサプレッション機能があればいいし、HD Voice対応も欲しいところ。ただここ数ヵ月で急速にニーズが高まった機能なだけに、この点に関しては次期モデルに期待したい。

それにしても、直径10mm/グラフェンコートPEEK振動板を採用したダイナミックドライバーの鳴りっぷりたるや。しっかりと低音を感じさせてくれるし、音の輪郭に精緻さもある。デザインはシンプルだが品よくまとめられ、飽きがこない。初号機なれど、”違いのわかる大人の完全ワイヤレス”として独自のポジションを確立したように思うが、いかに。

Alexaの新モバイルアプリはサードパーティスキルよりもアマゾンならではの機能を重視

Alexaの新しいデベロッパーツールを先週発表(未訳記事)したAmazon(アマゾン)は米国時間7月27日に、Alexaの消費者向けモバイルアプリのアップデートを発表した。この新しいアプリは特にホーム画面でのパーソナライズ化されたユーザー体験に力を入れており、Alexaの使い方ガイドも充実している。特に目立つのは、サードパーティ製スキルの案内をメインの画面から外し、あくまでもAlexa本来の使い方を重視していることだ。

ホーム画面のデザインもアップデートされ、上部に大きなAlexaボタンがある。そして、Alexaを始めるにはそのボタンをタップするか、「Alexa」と呼びかけると教えてくれる。

画像クレジット:Amazon

その下にはパーソナライズ化のための提案のリストがあり、ユーザーのリマインダーや最近再生した音楽、Amazonオーディブルの本、ショッピングリストなどの情報や、ユーザーの使い方から、その人にとって重要なことを推測する。

またユーザーがよく使う機能や、例えばEchoデバイスの音量といったアクティブな機能のコントロールも行える。アマゾンによると、以前の音量を指定することもできる。ちなみにこれらのEchoデバイスには、Alexa対応のワイヤレスイヤーバッドも含まれる。これは最近発表されたモバイルアプリをコントロールするためのAlexaの新しい機能(未訳記事)を有効にする計画の中では、特に重要なデバイスだろう。

初心者ユーザーのためのモバイルからAlexaの使い方の説明も詳しい。例えばAmazon Musicで音楽を聴いたり、Alexa Shoppingのリストを管理するなど初心者向けの提案がある。

一方、Reminders(リマインダー)やRoutines(ルーチン)、Skills(スキル)、Settings(設定)などの高度な機能は、今回のデザイン変更により「More(もっと見る)」ボタンの下へ移った。しかしながら、これらの変化によってAlexaのホーム画面がすっきりしたわけではない。

アップデートではAlexaボタンが画面上部にあるため、ナビゲーションバーの空いたスペースには新たに「Play」ボタンが加わった。これはもちろん、メディアの再生だ。この新デザインではAlexaの専用アプリが、ユーザーの毎日の生活の一部になるようなスイートスポットにはない。

以前は日付やお天気などが画面上部にあり、これらのアプリの日常性が意識されていた。しかしこれからは「ユーザーはAlexaではAlexa固有のことをしたいのだ」とアマゾンは理解したようだ。そのため最近のアクションへのアクセスが容易になり、例えばEchoのスマートスピーカーでやっていたことなどを前回、止めたところから、効果的に再開できる。

現在のAlexaアプリ(画像クレジット:TechCrunch)

Alexaの世界では、スマートフォンでサードパーティ製のアプリと呼んでいるものをスキルと呼ぶが、今度のアップデートではその優先度が下がったようだ。やはりまだまだAlexaのスキルは、iOSアプリのためのApple App StoreやAndroidのGoogle Playほどまでのアプリのエコシステムには進化していない。調査によると、大量のAlexaスキルが未使用(Voicebot記事)で、そのため新しいスキルのリリースのペースも鈍化している

そこで従来のようにホーム画面で人気スキルを顔見世するのをやめて、それらの「Skills & Games」機能は「More」タブへシャッフルされた。サードパーティではなくアマゾン自身のファーストパーティ機能、すなわちショッピングやメディアの再生、コミュニケーションなどが、今やホーム画面での良い位置を占めている。

アマゾンによると、このアップデートされたアプリはiOSとAndroidとFire OSデバイスで、1カ月ぐらいで全世界に展開される。8月の終わりごろには、全ユーザーが新しいユーザー体験へ移行するのだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新しいMac用のマウスとキーボードはロジクールの新製品がおすすめ

Logitech(ロジクール)が、Macユーザーに向けた新バージョンのMXシリーズ周辺機器の他、Appleデバイス用に設計された新たなK380ワイヤレスBluetoothキーボードをリリースした。Logitechの既存のデバイスと比較してこれらの新製品に劇的な変化は見られないが、これは吉報である。同社の周辺機器は既に優秀であったが、同新シリーズはそれらの周辺機器をMacユーザーのデフォルト的チョイスとも言えるようなものへとアップグレードさせたのだ。

MX Master 3 for Mac

Image Credits: Darrell Etherington

既存のMX Master 3にわずかな変化が加えられたのがMX Master 3 for Macだ。新しいスタイルの塗装が主な変更点で、実際には古いバージョンとかなり似ている。Mac専用バージョンもスペックは同様で、最大スクロール速度が毎秒1000行の静かなスクロールホイールや、高速な動きに適したフリーホイールスクロールを可能にするLogitechのMagSpeedテクノロジーなどを搭載している。

MX Master 3 for Macには、非Macバージョンに付属するUSB-A/USB-Cケーブルの代わりにUSB-C/USB-Cコードが同梱されており、ドングル無しのモダンなMacBookコンピューターで使用し充電するにはより便利になっている。フルに充電すれば70日間使用することができ、わずか60秒の充電時間で3時間使用可能だ。このマウスには同社のDarkfieldレーザートラッキングを使用。これにより平均1000dpiの精度を叶え、ほぼ全ての表面での使用が可能となる。また、複数のデバイスを繋げる同社のEasy-Switchテクノロジーにより、MacとiPad間で動作することも可能となる。

既存のMX Master 3ユーザーが気付くであろう主な相違点としては、LogitechのウェブサイトにMX Master 3 for MacがBluetooth接続のみの提供として記載されている点だ。信頼性を高めるためにBluetoothではなく専用のRFネットワークを介して周辺機器を接続する、同社のUnifying USBレシーバーが同梱されていない。MX Master 3 for MacにはLogitechのUnifyingレシーバーが使えるため、これは不思議である。実際に著者も、キーボードのMX Master Keys for Macとセットで梱包されていたUSBドングルを使用して設定している。

Image Credits: Darrell Etherington

MX Master 3 for Macは、非Macバージョンと同様の129.99ドル(約1万4000円)という金額設定となっているにも関わらず、レシーバーが含まれておらずBluetoothマウスとして売り出しているため、これは特筆すべき点である。これには首を傾げるが、同社の製品を長年使用しているユーザーならおそらくUnifyingレシーバーを余分に保有していることだろう。Macバージョンに施されたスペースグレーカラーは実際のMacハードウェアとよりマッチすることも言及しておきたい。

性能面において、MX Master 3 for Macは入手可能なマウスの中でも最高クラスのものと言えるだろう。この上なく快適な使い心地を備え、同社のソフトウェアであるOptionsを用いたコントロールのカスタマイズも可能。なめらかで高精度なトラッキング機能を備え、充電中の使用も可能だ。

MX Keys for Mac

Image Credits: Darrell Etherington

マウスと同様、MacバージョンのMX Keysにおいてもほぼ外観のアップデートとなる。Apple製品と同名の色であるスペースグレーが施され、ワイヤレスおよびバッテリーエレクトロニクスを収納するトップバーとキーはコントラストの効いた黒で仕上げられている。キーレイアウトもMacに特化したものに変更。既存のMX Keysで見られるハイブリッドキーラベルをやめ、専用のコマンドキーとオプションキーの他、ハードウェアのイジェクトキーも完備している。

Mac Master 3と同様に、MX KeysもmacOS、iPadOS、iOSなどのデバイス間で使用することが可能だ。USB-C/USB-Cの充電ケーブルとUnifyingレシーバーがセットになっており、繰り返し言うが、標準のMX Keysに付属するUSB-A/USB-Cケーブルよりも便利である。Bluetoothで最大3つのデバイスに接続することも可能であり、それぞれを切り替えるための専用キーを備えている。

カチカチした感触のメカニカルキーボードを好むユーザーでない限り、優れたパフォーマンスと感触を提供するサードパーティキーボードとしてMX Keysは最善のチョイスだと言えるだろう。手を近づけると自動的に起動するスマートバックライトを備え、使用していないときは自動的にオフになるためバッテリーも長持ちする。プラスチック製ではあるものの、良い意味で重量感のある仕上がりで、デスクにぴったりとフィットする。著者はこのキーボードがリリースされて以来続けて使用しているがトラブルは何一つ起きておらず、耐久性に関しては問題ないと断言できる。

Image Credits: Darrell Etherington

バッテリー寿命に関しては、バックライトをアクティブにした状態で10日間使用可能だ。しかし、バックライトを使用しなければ最大5か月は持つだろう。また前述した通り、付属のUSB-Cケーブルを使用してMacから直接充電するのも簡単だ。これなら充電しながら使用することも可能である。

同製品のカラースキームは素晴らしく、メタル製の雰囲気を醸し出すスペースグレーの表面にいたるまで、Appleのアルミニウム処理の外観にマッチしている。すでにMX Keysを使用している場合、買い換える必要はないだろう。しかし新しいキーボードをお探しなら、オリジナルと同様の129.99ドル(約1万4000円)で購入できる同製品は、Macユーザーにとってこれ以上ない最高のチョイスであること間違いない。

Mac、iPad、iPhone向けのK380 Bluetoothキーボード

K380は、丸いキーと軽いプラスチックのシェルを備えたよりポータブルなキーボードである。Bluetooth接続のみではあるものの、同時に最大3つのデバイスを接続することが可能だ。Macバージョンは白とピンクから選ぶことができ、MXと同様にMac専用のキーを完備している。

Image Credits: Darrell Etherington

macOS、iOS、iPadOS間で使用ができ、シームレスに切り替えることが可能なため、MacやiPad、iPhoneを含めた設定で外出先で作業するには最適である。付属の単4形乾電池2つで作動し、これで約2年間使用できることになっている。

MXシリーズよりもキーストロークはやや浅めだがそれでも素晴らしい仕上がりで、ほぼ無音のため共有スペースなどでの作業にはぴったりだ。価格は49.99ドル(約5300円)となっている。

まとめ

Logitechはこれらのどの製品においてもマウスホイールをアップデートしていない(MX Master 3の最初のリリース時に既にアップデートされている)。しかし変更された点はすべて、Macやその他のAppleデバイスをより快適に使用できるようにするための歓迎すべき改善だ。Apple製品でさえダークカラーの入力デバイスには割増価格が付けられているため、改善に伴う価格変更がなされなかった点は実に素晴らしい。

もし新しい周辺機器を探していて且つMXシリーズを所有していない場合、MXシリーズを選択するのが正解だ。各デバイスに対応し、重くなく耐久性があり、見た目も触り心地も優れたオールインワンキーボードをお探しならMac用のK380をおすすめしたい。

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(翻訳:Dragonfly)

コンピュータビジョン界のRaspberry Piとなる「OpenCV AI Kit」が新登場

新登場のガジェット「OpenCV AI Kit(OAK)」は、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)や他の超小型コンピュータソリューションの成功に倣ってはいるが、成長著しいコンピュータビジョンや3D知覚の分野に特化しているという点で他とは異なっている。新しいマルチカメラ対応プリント基板により、小型でオープンソースのユニットの中に多数の機能を詰め込むことに成功したOAKが現在、Kickstarter(キックスターター)で出資者を募集中だ。

OAKでは、カメラとオンボードのAIチップを使って、物体認識、人数カウント、フレーム内にある複数の物体間の距離測定など、さまざまなコンピュータビジョンタスクを処理できる。そして、処理された情報は分かりやすく、すぐに使える形式で出力される。

OAKのように信頼性が高く、低コスト、低消費電力のコンピュータビジョンユニットは、もしOAKがなければ複数の個別カメラとチップが必要(付随するソフトウェアの設定も必要となることは言うまでもない)とされるスマート機器やロボットの開発者にとって、非常に心強い味方である。

Image Credits: Luxonis

ハードウェアにも少し手を出すホビープログラマーが必ず使うというラズベリーパイのように、この手のデバイスを構成するほぼすべての要素は二次利用に関する制約がないMITのフリーライセンスに基づくオープンソース仕様である。さらにOAKは、コンピュータビジョンの世界で広く使用されている数多くのライブラリや標準を公開しているOpenCVと正式に提携している。

実際のデバイスとオンボードAIは、以前にリアルタイムで物体の動きを追跡して乗り手に警告を発する二輪車用スマートブレーキライト「CommuteGuardian(コミュートガーディアン)」を開発したLuxonis(ルクソニス)によって開発された。自分たちのイメージにぴったり合うハードウェアがないことに気づいたルクソニスの開発チームが独自にハードウェアを開発し、その後続モデルとしてOpenCVと提携して開発したのが今回のOAKシリーズである。

実はOAKには、超小型モデルの「OAK-1」とトリプルカメラモデルの「OAK-D」の2種類がある。共通しているコンポーネントが多いが、OAK-Dにはマルチカメラユニットが搭載されているため、プレーンなRGB画像の他のキューに頼らずにステレオの立体画像を実現できる。RGB画像のキューを認識する技術もかつてなく進歩しているが、それでも、ステレオで立体視できることは大きな長所である(ちなみに人間の視覚システムでは両方使われている)。

Image Credits: Luxonis

OAKの目的は、コンピュータビジョンシステムを利用することによって、それをゼロから構築あるいは構成する必要をなくし、多くのプロジェクトがより迅速に発足できるようにすることだ。物体や奥行きの検出機能は既に組み込まれているのですぐに使うことができる。あるいは、任意のメタデータを選び、それを使って付属の4Kカメラ(および2つの720pカメラ)画像の分析を独自の方法で拡張することも可能だ。

消費電力が非常に少ないことも長所である。コンピュータビジョンタスクはプロセッサにかなりの負担がかかるため消費電力もかさむ。XNOR(エックスノア)の超低消費電力チップなどのデバイスが非常に有望視されているのはそのためだ(だからこそエックスノアはApple(アップル)に買収された)。OAK製品はエックスノアほど超低消費電力ではないが、それでも最大消費電力は数ワットであるため、処理するタスクによっては標準サイズのバッテリーでも数日あるいは数週間、充電なしで動く。

ポート、ケーブル、GitHubリポジトリなどの側面を熟知している人は間違いなく、OAKの仕様を興味深いと感じるだろう。詳細な仕様についてはクラウドファンディング用ページで分かりやすくまとめられているので、ここでは詳述しない。以下に要約版を記載する。

Image Credits: Luxonis

OAKシリーズの製品が自分のプロジェクトやラボで使えそうだと感じたら、ぜひ早めにキックスターターから申し込むことをおすすめする。早期特典として大幅割引が用意されており、小売価格の半分で手に入れることができるからだ。公表されている機能を考えると、OAK-1が79ドル(約8500円)、OAK-Dが129ドル(約1万4000円)という価格は、個人的には格安だと思う。最終的な小売価格はOAK-1が199ドル(約2万1000円)、OAK-Dが299ドル(約3万2000円)になる予定だ。さらに、ルクソニスとOpenCVは、新製品を発表しておきながら実際の発売がいつになるか分からないと言い出すようないい加減な組織ではないので、安心してクラウドファンディングのキャンペーンに参加できる。また、今回のキャンペーンでは、当初の目標額は開始後1時間で達成済みであるため、そのこともまったく心配する必要はない。

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(翻訳:Dragonfly)