Movies Anywhereは、iTunes、Vudu、Amazonプライム・ビデオ、YouTube、Xfinityなどのサービスから購入した映画にアクセスできるようにする、米国居住者を対象としたデジタルロッカーサービスだ。このMovies Anywhereが、新しい映画共有サービスを始めようとしている。CNETの記事によれば、Movies Anywhereは米国時間3月17日に、ユーザーがMovies Anywhereのモバイルアプリからテキストメッセージを送って映画を友達に共有できる「スクリーンパス」という新機能のテストを開始した。
Movies Anywhereアプリはもともと「Disney Movies Anywhere」という名前で2014年から運営されていたが、あまりメジャーにはならなかった。みんながストリーミングサービスで好きな映画を見るようになったからだ。当初はDisney+がスタートするよりもずっと前に、ディズニーのファンが、ディズニー、ピクサー、マーベルで購入した映画を1カ所でまとめるサービスだった。現在のMovies Anywhereのサービスは、2017年に新しいプラットフォームに移行してからは映画業界各社が共同で運営している。ディズニーのほか、ユニバーサル、ワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズ、20世紀フォックスがMovies Anywhereの運営パートナーになっている。
新しい CEO に任命されたチャペック氏はディズニーのテーマパーク事業の責任者だが、賛否両論ある人物だ。 チャペック氏はディズニー内で「価値のエンジニアリング」と呼ばれる一連の動きを主導したことで知られる。これは大勢のクールな人材をカットしたことを表す婉曲語法だ。現在まで長く人気が続くディズニーのアトラクションやプロダクトは「想像力豊かな人々に腕を振るわせよう」というアイガー氏の戦略によって生まれたものだが、チャペック氏はむしろ予算至上主義者として知られる。Twitterではディズニーの新CEO就任によって、テーマパーク事業部における予算がカットが起こるのではないかと早くも予想されている。
チャペック氏のCEO昇格に伴い、空席となったテーマパーク事業部の責任者にはWalt Disney Worldの元トップ、Josh D’Amaro(ジョッシュ・ダマロ)氏が適任だろう。ダマロ氏はディズニー内部、ことにテーマパーク事業部できわめて人望が高い。ただし支持者間でその理由が正反対だったりするため、この点がダマロ氏の責任者就任を妨げるかもしれない。
2005年以降のアイガー氏のCEO任期中にディズニーは映画、テーマパーク、その他のエンターテインメント事業において大胆な戦略を取り、業績を大きく伸ばしてきた。2019年後半にスタートしたストリーミングサービスであるDisney+は、市場の予想を超える大成功を収めている。また713億ドル(約7兆8744億円)という空前の額で21st Century Fox(21世紀フォックス)の映画、テレビ事業を買収したことも記憶に新しい。
アイガー氏は10年前のMarvel Entertainment も主導している。「スター・ウォーズ」と「インディー・ジョーンズ」を持つLucasfilm(ルーカスフィルム)の買収もアイガー氏が指揮したものだ。一時冷え込んでいたAppleのSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏との関係を立て直し、ジョブズ氏が1986年に創立したアニメーションスタジオのPixarの買収を実現させたこともアイガー氏の功績だろう。
Boeing(ボーイング)はカプセル型宇宙船、Starliner(スターライナー)の最初の有人飛行の準備のため、最後の重要なステップに差し掛かっている。さらに地球上でも、SFの世界を現実にすることに力を注いでいる。ディズニーが宇宙戦闘機、Xウイングの大型モデルを開発するのを手助けしたのだ。そのXウイングは、米国フロリダ州にあるディズニーワールドに新設された「Star Wars:Rise of Resistance」(スター・ウォーズ:ライズ・オブ・レジスタンス)アトラクションのオープニング記念イベントに登場した。
下のビデオのように、Xウイングは夜空に向かって垂直に上昇し、上空でホバリングして回転してから飛び去っている。ただし、Poe Dameron(ポー・ダメロン)が操縦しているかどうか確認しようと目を凝らしても無駄だ。このXウイングは、無人のドローンなのだから。おそらく、ボーイングが最近公開した「Cargo Air Vehicle」(カーゴ・エア・ビークル)の設計をベースにしたものだろう。6基のローターが、この記事の末尾のギャラリーのクローズアップ写真で確認できるはず。
"Rise Of The Resistance Media Preview" Media Preview
ORLANDO, FLORIDA - DECEMBER 04: X-wing fighters drones perform during the dedication ceremony for the "Rise of the Resistance" attraction opening at Galaxy's Edge at Disney’s Hollywood Studios on December 04, 2019 in Orlando, Florida. (Photo by Gerardo Mora/Getty Images)
"Rise Of The Resistance Media Preview" Media Preview
ORLANDO, FLORIDA - DECEMBER 04: X-wing fighters drones perform during the dedication ceremony for the "Rise of the Resistance" attraction opening at Galaxy's Edge at Disney’s Hollywood Studios on December 04, 2019 in Orlando, Florida. (Photo by Gerardo Mora/Getty Images)
"Rise Of The Resistance Media Preview" Media Preview
ORLANDO, FLORIDA - DECEMBER 04: A X-wing fighter drone performs during the dedication ceremony for the "Rise of the Resistance" attraction opening at Galaxy's Edge at Disney’s Hollywood Studios on December 04, 2019 in Orlando, Florida. (Photo by Gerardo Mora/Getty Images)
"Rise Of The Resistance Media Preview" Media Preview
ORLANDO, FLORIDA - DECEMBER 04: X-wing fighters drones perform during the dedication ceremony for the "Rise of the Resistance" attraction opening at Galaxy's Edge at Disney’s Hollywood Studios on December 04, 2019 in Orlando, Florida. (Photo by Gerardo Mora/Getty Images)
Just announced: #DisneyPlus will be available in the United Kingdom, Germany, France, Italy, Spain (and more to be announced soon) starting on March 31st. Please note: Titles may vary by territory. pic.twitter.com/lE6nzBeaXy
Jumpshotのデータは参考になるが、米国におけるDisney+に対する消費者の関心の全体像を描くには至っていない。米国の消費者の多くは、Verizonを通して簡単にDisney+にアクセスできるようになる。Verizonはディズニーと提携して、既存の4G LTEおよび5Gの容量無制限のワイヤレスユーザーに、1年間の無料アクセスを提供するからだ(編集部注:VerizonはTechCrunchの親会社、Verizon Media ServiceはVerizonが所有している)。もちろん、実際にサービスが始まってからサインアップする人もいるだろう。そしてその多くは、Disney+のウェブサイトではなく、なんらかのTVプラットフォームのアプリから申し込むことになるだろう。
Jumpshotのデータは消費者のアクティビティを追跡して得たものであり、アンケートには頼っていないが、他の調査でもDisney+には強い関心が集まっていることが確認されている。実のところ、ライバルとなるほかのいくつかの新しいストリーミングサービスよりも関心は高い。例えば、HarrisXによるアンケート調査では、米国の全世帯の21%がディズニーのストリーミングサービスにサインアップしようと考えているのに対し、HBO Maxはわずか11%だった。同様に、Hub Entertainment Researchによるアンケート調査では、米国のテレビ視聴者の4人に1人がDisney+に加入すると回答した。それに対してApple TV+は6%に過ぎなかった。
It. Is. Time. From Snow White and the Seven Dwarfs to The Mandalorian, check out basically everything coming to #DisneyPlus in the U.S. on November 12.
上のツイートでも触れられているスペースオペラの新作「The Mandalorian」(ザ・マンダロリアン)を始め、「Lady and the Tramp」(邦題:わんわん物語)のリメイク、「Rogue One: A Star Wars Story」(邦題:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー)の前日譚、 「High School Musical」(邦題:ハイスクール・ミュージカル)シリーズなど 未公開の作品もリストに多数含まれている。
実はヒットしたディズニー・アニメではビデオ向けの低予算の続編が作られていた。「Beauty and the Beast」(邦題:美女と野獣)ではベルのファンタジーワールドが製作されているが、陽気な1980年代テレビドラマの空気が溢れている。ピクサーでは有名な「トイ・ストーリー」シリーズだけでなく、「カーズ2」なんていう作品も作っている。
そうかと思えば忘れられた(そもそも最初から知らない)作品も多い。 「Meet the Deedles」(邦題:ディードル・ブラザーズ/悪ノリ双子の大作戦)から「Zenon Girl of the 21st Century」(邦題:ゼノン:21世紀の少女)、さらにはマイナーなFuzzbucket(ファズバケツ)から「The Computer Who Wore Tennis Shoes」(邦題:テニス靴をはいたコンピューター)まである。
ドイツ原産の狩猟犬・ジャーマン・ポインターと飼い主の少年の物語「The Biscuit Eater」(ビスケットイーター)、米国初の純血種の馬を描いた「Justin Morgan Had a Horse」(ジャスティン・モーガン・ハッド・ア・ハウス)、「The Adventures of Ichabod and Mr. Toad」(邦題:イカボードとトード氏)などのタイトルを覚えている人々は少ないかもしれないが、こうした知られざる作品も含めて月額6.99ドルのサブスクリプションでDisney+を見ることができる。
【Japan編集部追記】上のビデオは製作年代順となっている。1959年のオリジナルの「Sleeping Beauty」(邦題:眠れる森の美女)は9分46秒から、1977年の「Star Wars: Episode IV A New Hope」(邦題:スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望)は24分57秒からスタートする。スクラブして移動すれば興味ある年代をチェックできる。Disney+の日本での公開予定についてはディズニー・チャンネルとの関係も含めまだ発表がない。
また今年に入って製作が発注された「Diary of a Female President」(女性大統領日記)シリーズなどDisney+オリジナルシリーズを見ようとすると、サイドバーを開かねばならない。Huluにアップされているコンテンツを探してもムダだ。そもそもHulu自体、Disney+には含まれていない。またHuluとの統合ないし提携のプランも今のところないようだ。ディズニーがFoxの大部分を買収したことによりFoxの著作権はすべてディズニーが所有することになったが、個々のタイトルはディズニー本体とグループ企業とに分かれている(ミュータント・ニンジャ・タートルはマーベルのコーナーにある)。
この5年間、Walt Disney Imagineering(以降Imagineering)は、リアルなスター・ウォーズの世界をこの地球上に作ろうと懸命に努力してきた。場所は、カリフォルニアとフロリダ。惑星バトゥーのブラック・スパイア・アウトポストが、現在建設されている。何十年間も映画のスクリーンで親しんできた街とそっくりな場所に人々が来てくれるかどうか、これは数十億ドルをかけた壮大な賭けだ。
カリフォルニア州アナハイムのディズニーランドと、フロリダのディズニー・ハリウッド・スタジオには、それぞれ14エーカーの敷地内に惑星バトゥーの一部が再現され、辺境の村ブラック・スパイア・アウトポストが建設された。その中にはショップや飲食店があり、村人が暮らし、ファースト・オーダーの前哨基地もある。村の外にはレジスタンスのキャンプがあり、にわか作りの生活基盤や、宇宙戦闘機や機材が散乱している。ここには2つの柱となるアトラクションがある。「Star Wars: Rise of the Resistance」(スター・ウォーズ:レジスタンスの蜂起)と「Millennium Falcon Smuggler’s Run」(ミレニアムファルコン密輸逃避行)だ。
建設は、従来の手法と新しく生み出された手法のミックスで行われている。ある意味、「ディズニーワールドにある「Pandora – The World of Avatar」(パンドラ・ザ・ワールド・オブ・アバター)のテーマレストラン、オープンスペース、ライドは、そうしたひとつのテーマに徹底した世界をどこまで追求できるかを実験するためのもののようにも思える。「Star Wars: Galaxy Edge」は、そこだけの「土着の」グッズや食べ物を提供し、できる限り「物語」の世界観を表現している他のランドからの教訓を加算して生まれた結果だと言える。
だが建設を始める前に、Imagineeringは、まずツールを作る必要があった。
スター・ウォーズを作る
カリフォルニア州グレンデールのグランドセントラル・ビジネスパークに並ぶサーモンピンクの低層ビル群の中に、Walt Disney Imagineeringの本社がある。そこは、機械いじり、コスチューム、ロボット工学、シミュレーション工学、歴史などを偏愛する専門家たちの楽園だ。ウォルト・ディズニー自身がWED Enterprizesとして創設したディズニーの唯一のデザイン開発組織だ(後に、当時は少し怪しい形でThe Walt Disney Companyに買収された)。それ以来、同社は、テーマの応用技術とロボット工学技術で世界に多大な影響を及ぼすことになり、Imagineering(イマジニアリング:イメージとエンジニアリングを合わせた造語)という言葉が、世界構築の基本コンセプトを同義語であることを世に知らしめた。
すべての人間をプロジェクトの同じページに集めるためのツールとしてImagineeringが使用したものの中に、BIM(Building Information Modeling:建築情報モデリング)がある。このツールは、2Dの設計図、3Dモデル、インフラ、小道具の配置情報を組み合わせたもので、膨大な情報すべてが連動した原本であり、あらゆる部門が参照できる。スタッフは、ランドの概要を3Dで確かめることから、特定の場所の入口のコントロールパネルのデザインまで掘り下げて見ることもできる。
Theme Park design is is wild — with modeling/VR they know exactly where to place scenic elements to accomplish line-of-sight effects, but as a result from up above the lands kinda look like you fell through the ground in a video game
ニエン・ナン – 『ジェダイの逆襲』で、2つめのデススターを破壊する任務でミレニアム・ファルコンの副操縦士を務めたことで知られるサラスタン人パイロット。バトゥーでは、「Rise of the Resistance」アトラクションでゲストが乗船する輸送船の操縦士になる予定。
マイナーだがなかなか魅力的なキャラクターとして、噴水の中にカメオ出演するディアノーガがいる。かなり濁った水(演出だが)の中にときどき姿を現してゲストを驚かす。Creature Stall(クリーチャー房)の中にも、動くクリーチャーが大勢いる。ファンに人気のロズ=キャットやウォートなどだ。Droid Shop(ドロイド・ショップ)にも、いろいろな種類の動くドロイドがいる。店の外には、「Play Disney Parks」アプリでゲストと遊んでくれたり、潤滑油の風呂でリフレッシュしているドロイドもいる。
このランドには、2つのアトラクションがある。「Millennium Falcon Smuggler’s Run」(以降ファルコン)と「Star Wars: Rise of the Resistance」(以降ライズ)だ。「ファルコン」は、シミュレーションタイプのライドで、スター・ツアーズの超超進化版と言える。6人のクルーで、リアルタイムでコントロールができるのだ。「ライズ」は、簡単には説明できない。複数のステージのライドで構成されていて、全体として「実験的」アトラクションと言うのがもっとも相応しい。
Walt Disney Imagineeringは、アトラクションを駆動する新技術を開発するため、NVIDIAとEpic Gamesと手を組んだ。これが始動すれば、ライドのコックピットは、Quadro SLIで接続された8基のNVIDIA Quadro P6000 GPUを搭載した1基のBOXXシャーシで駆動できるようになる。
「ゲストが望むならば、彼らに対するリアクションをある程度変化させることができます。経験を積んだときだけでなく、アトラクションや、特定のキャラクターに会ったときなどでもです」と、Disney Parks, Experiences and Productsの会長Bob Chapekは言う。「ゲストのことを記憶しておいて、それなりに反応するという以外に、何回か来園すると、前にも来てくれたことを思い出します。その結果、よりずっと親密な対応ができるのです」
いろいろ聞いてみたが、まだ大きな疑問符が私の中に残っている。それは、店主やキャラクターが、どうやってゲストを記憶するかだ。Play Disney Parksアプリで行いそうだが、彼らの態度から察するに、そうではないようだ。つまり、まだ公開されない何かがある。フロリダのパークで使われているMagic Bandsのようなシステムだろうか。それは、これからわかることだ。
ランドはライドだ
Imagineeringは、Star Wars: Galaxy’s Edgeは3つのメインのアトラクションで構成されると考えている。2つのライドと、ランドそのものだ。5つのレストランと5つの売店に加えて、ランドには2つの異なる生態系があり、Play Disney Parksアプリで遊べるアクティビティーが備えられている。ランドに入ると、アプリはスター・ウォーズ・モードに切り替わり、スキャン、翻訳、音楽、仕事といったツールが使えるようになる。このツールを、バトゥーで発せられるに数十基のBluetoothビーコンにつなげることで、ドロイドを動かしたり、船をハックして配線図をダウンロードしたり、ドアパネルから秘密のメッセージを受け取ったり、ファースト・オーダー、レジスタンス、密輸業者に所属する3つの派閥の通信を聞いたりできる。また、ランド内で話されたり書かれたりしているエイリアンの言葉の通訳もしてくれる。