米国のMovies Anywhereが映画共有機能「スクリーンパス」のテストを開始

Movies Anywhereは、iTunes、Vudu、Amazonプライム・ビデオ、YouTube、Xfinityなどのサービスから購入した映画にアクセスできるようにする、米国居住者を対象としたデジタルロッカーサービスだ。このMovies Anywhereが、新しい映画共有サービスを始めようとしている。CNETの記事によれば、Movies Anywhereは米国時間3月17日に、ユーザーがMovies Anywhereのモバイルアプリからテキストメッセージを送って映画を友達に共有できる「スクリーンパス」という新機能のテストを開始した。

共有してもらう側がその映画を見るには、7日以内にスクリーンパスを受け取る必要がある。この新しい機能は、映画のレンタルに似ている。受け取った人が映画を見られるのは14日間だけだ。共有された映画は、再生を始めたら72時間以内に見終わらなくてはならない。

一方、Movies Anywhere のユーザーが共有できる映画は、1カ月に3本だけだ。当面はRokuのデバイスを除くMovies Anywhereのプラットフォーム上で映画を見ることができる。

CNETによれば、これはまだ広く公開されている機能ではなく、米国時間3月17日から一部でベータテストが開始されている。もともとスクリーンパスは、夏の終わりか秋のはじめに一般に公開される計画だった。ということは、COVID-19の感染拡大防止のために家にいるから何か見たいという今の時期の助けにはならないかもしれない。

担当者はCNETに対し、米国が直面している「前代未聞」の事態を踏まえて公開を早めたいと語った。

Movies Anywhereアプリはもともと「Disney Movies Anywhere」という名前で2014年から運営されていたが、あまりメジャーにはならなかった。みんながストリーミングサービスで好きな映画を見るようになったからだ。当初はDisney+がスタートするよりもずっと前に、ディズニーのファンが、ディズニー、ピクサー、マーベルで購入した映画を1カ所でまとめるサービスだった。現在のMovies Anywhereのサービスは、2017年に新しいプラットフォームに移行してからは映画業界各社が共同で運営している。ディズニーのほか、ユニバーサル、ワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズ、20世紀フォックスがMovies Anywhereの運営パートナーになっている。

現時点では、正式サービス開始時に何本の映画がスクリーンパスの対象になるかは不明だが、CNETの記事によれば一部のタイトルに限られる模様だという。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ディズニーのボブ・アイガー氏がCEOを辞任、後任はボブ・チャペック氏

Walt Disney Companyの発表によれば、 長年にわたってディズニーグループの指揮を執ってきたBobt Iger(ボブ・アイガー)氏がCEOを辞任し、Bob Chapek(ボブ・チャペック)氏がその職を引き継いだという。

アイガー氏は、大型企業買収を含むアグレッシブなメディア戦略によってディズニーを業界屈指の高収益な企業に成長させた。ボブ・チャペック氏は長くディズニーグループの経営陣に加わっており、最近はDisney Parks, Experiences and Productsの会長だった。

アップデート: アイガー氏の社員向けメールを追加した(元記事参照

新しい CEO に任命されたチャペック氏はディズニーのテーマパーク事業の責任者だが、賛否両論ある人物だ。 チャペック氏はディズニー内で「価値のエンジニアリング」と呼ばれる一連の動きを主導したことで知られる。これは大勢のクールな人材をカットしたことを表す婉曲語法だ。現在まで長く人気が続くディズニーのアトラクションやプロダクトは「想像力豊かな人々に腕を振るわせよう」というアイガー氏の戦略によって生まれたものだが、チャペック氏はむしろ予算至上主義者として知られる。Twitterではディズニーの新CEO就任によって、テーマパーク事業部における予算がカットが起こるのではないかと早くも予想されている。

チャペック氏のCEO昇格に伴い、空席となったテーマパーク事業部の責任者にはWalt Disney Worldの元トップ、Josh D’Amaro(ジョッシュ・ダマロ)氏が適任だろう。ダマロ氏はディズニー内部、ことにテーマパーク事業部できわめて人望が高い。ただし支持者間でその理由が正反対だったりするため、この点がダマロ氏の責任者就任を妨げるかもしれない。

今回のCEO交代については、まだよくわからないことがいくつかある。アイガー氏は36カ月のCEO任期延長を受けていたが、そのうちまだ14カ月を残している。しかも辞任が発表されたタイミングも通常予測される四半期決算発表の電話会議中ではなかった。最近のディズニーの決算は好調を続けているが、新型コロナウイルス感染症の突発は中国におけるテーマパクの閉鎖をもたらし、ディズニーの経営にとって現在はきわめて重要な時期となっている。

それだけにこの時期のアイガー氏の辞任について憶測が飛び交っており、関係者はその理由が会社にとってあまり深刻なものでないことを願っている。今後何か新しい情報が入り次第記事をアップデートする予定だ。

2005年以降のアイガー氏のCEO任期中にディズニーは映画、テーマパーク、その他のエンターテインメント事業において大胆な戦略を取り、業績を大きく伸ばしてきた。2019年後半にスタートしたストリーミングサービスであるDisney+は、市場の予想を超える大成功を収めている。また713億ドル(約7兆8744億円)という空前の額で21st Century Fox(21世紀フォックス)の映画、テレビ事業を買収したことも記憶に新しい。

アイガー氏は10年前のMarvel Entertainment も主導している。「スター・ウォーズ」と「インディー・ジョーンズ」を持つLucasfilm(ルーカスフィルム)の買収もアイガー氏が指揮したものだ。一時冷え込んでいたAppleのSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏との関係を立て直し、ジョブズ氏が1986年に創立したアニメーションスタジオのPixarの買収を実現させたこともアイガー氏の功績だろう。

こうした大型買収を含むアグレッシブな拡大戦略がディズニーをメディア業界において現在のようなリーダーの地位につけた。

【略】

また我々も報じたように、Disney+は2650万人ものサブスクリプションを集めている。なおアイガー氏はCEOを退いた後も2021年いっぱい エグゼクティブ・チェアマンとして留まるとディズニーは発表している。

この稿の執筆にあたって、アイガー氏とチャペック氏のCEO交代の事情、評価についてMatthew Panzarino(マシュー・パンサリーノ)編集長に協力してもらった。

画像: Allen J. Schaben/Los Angeles Times (opens in a new window)/ Getty Images

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滑川海彦@Facebook

ディズニーは2021年にはHuluの世界的サービスを目指す

Huluは、おそらく来年には、いよいよ米国外にもサービスを拡張する。このちょっとしたニュースは、ディズニーの会長兼CEOであるBob Iger(ボブ・アイガー)氏が、今週の投資家に対する決算報告で確認したこと。21世紀フォックスの買収と、それに伴うNBCUとの取引の結果、ディズニーは完全にHuluの運営を掌握した。それにより、Huluの運営と国際的な事業計画を合理化する手段を得たことになる。手始めに、今週からHuluの組織改編に着手し、HuluのCEOであるRandy Freer(ランディ・フリーア)氏も退任することになった。

画像クレジット:Hulu

ディズニーでは、Huluを消費者向けの直販事業にうまく統合したいと考えているという。それは、国際的な展開を実現するための第一歩となるはずだ。

同社は現在、フォックスとの取引で取得した資産を活用して、Huluのオリジナルコンテンツのラインアップを充実させようとしている。さっそく来月からは、Huluはまったく新しいFXオリジナル番組の独占的なストリーミングサービスとなる。さらにHuluは、現在のFXショーのシーズン中のストリーミングと、ほとんどの現在、およびライブラリシリーズの過去のシーズンの番組を購読者に提供する。

拡充されたオリジナルのコンテンツライブラリは、Huluの番組ラインアップが米国内ほど充実していない市場で購読者を引き付けるのに役立つはず。そこにはFXだけでなく、ディズニーの他のスタジオで作られたDisney+用の「家族向け」という条件には適合しないような作品、例えばマーベルのR指定の映画なども含まれる。

ディズニーは、Huluの国際的な展開について、正確な時期を明らかにしなかった。アイガー氏は、立ち上げから活況を呈しているDisney+のグローバルな導入が最優先事項であると述べている。同社は、11月中旬に導入されたばかりのDisney+が、すでに2650万人の有料会員を獲得するまでに成長したことを発表した。それに対してHuluの会員数の合計は3040万人だが、それは約12年間の成果だ。

しかし現状では、HuluはDisney+に対する需要から利益を受けている。Hulu、Disney+、さらにESPN+をセットにして、1か月あたり12.99ドル(約1400円)で提供するサービスによるものだ。ディズニーによれば、解約率を下げるのにも役立っているという。

アイガー氏よると、Disney+はこの3月には西ヨーロッパで、さらに3月29日にはインドで、サービスを開始する予定だ。また2021年には、ラテンアメリカを含む世界各国でも利用可能となる。

「私たちは、それらの立ち上げに集中する必要があると感じています。マーケティングと作品の製作にも注力し、Disney+のすぐ後で、あるいは、それほど間を開けずにHuluも提供するのです」とアイガー氏は言う。「というわけで、Huluを提供するのは確かですが、いつからという具体的な計画は、まだありません。おそらく、国際的な展開は2021年になるでしょう。いずれにしてもDisney+の後ですね」と付け加えた。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

「マンダロリアン」シーズン2が2020年秋、Disney+に登場

ディズニーの「マンダロリアン(The Mandalorian)」のシーズン1の最後を飾るエピソード8は、米国時間12月27日からDisney +でストリーミングで視聴きるようになった。プロデューサーのジョン・ファヴロー(Jon Favreau)氏は、この大ヒットとなった作品のシーズン2が、来年の秋には配信されることを、間髪入れずに明らかにした。

ファヴロー氏は金曜日に「マンダロリアン」の続編の予定をツイートしたのだ。そこには、ガモーリアン(Gamorrean)のフィギュアの写真が添えられていた。スター・ウォーズにも登場する、ブタのような特徴的な外見をしたエイリアンの一種だ。ガモーリアンが、スター・ウォーズで最も華々しい活躍を見せたのは、おそらく「帝国の逆襲」だろう。彼らは、タトゥイーンの犯罪王、ジャバ・ザ・ハットの番兵として雇われていた。

「マンダロリアン」にシーズン2があること自体は、すでに周知の事実となっていた。ファヴロー氏が、去る11月に、同作品のエピソード2の撮影を開始したことを明らかにしたからだ。しかし今回のツイートで、あとどれだけ待てば、このストリーミング作品の今後を見ることができるのかがわかった。この作品は、間違いなくスター・ウォーズのオリジナル映画以来、その世界を描いた最高のコンテンツと言えるだろう。

まだこの作品を観ていないという人は、現在、8本のエピソードすべてをDisney+でストリーミングできる(日本ではディズニーデラックスが12月26日から配信を開始した)。このシリーズを楽しむためだけに、1カ月分の料金を払ったとしても、十分元が取れるはずだ。

 

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ディズニーの新SWアトラクションのこけら落としでリアルなXウイングがデモ飛行

Boeing(ボーイング)はカプセル型宇宙船、Starliner(スターライナー)の最初の有人飛行の準備のため、最後の重要なステップに差し掛かっている。さらに地球上でも、SFの世界を現実にすることに力を注いでいる。ディズニーが宇宙戦闘機、Xウイングの大型モデルを開発するのを手助けしたのだ。そのXウイングは、米国フロリダ州にあるディズニーワールドに新設された「Star Wars:Rise of Resistance」(スター・ウォーズ:ライズ・オブ・レジスタンス)アトラクションのオープニング記念イベントに登場した。

先週のはじめの夕方のセレモニーでアトラクションがオープンした際に、「ほぼ小型のワゴン車サイズ」のXウイングが、イベント会場の上を飛行した。これはThe Driveの記事の表現だが、同メディアは、ボーイングの航空貨物ドローンを改造したと思われるXウイングを、最初に盗撮することに成功していた。その後、同社は関与を認めていたが、Xウイングが実際に同社の航空機であること以上の情報を提供していなかった。

下のビデオのように、Xウイングは夜空に向かって垂直に上昇し、上空でホバリングして回転してから飛び去っている。ただし、Poe Dameron(ポー・ダメロン)が操縦しているかどうか確認しようと目を凝らしても無駄だ。このXウイングは、無人のドローンなのだから。おそらく、ボーイングが最近公開した「Cargo Air Vehicle」(カーゴ・エア・ビークル)の設計をベースにしたものだろう。6基のローターが、この記事の末尾のギャラリーのクローズアップ写真で確認できるはず。

観察眼の鋭いコアなスターウォーズファンなら、このXウイングが、オリジナルの3部作で使われていたフルシリンダータイプのエンジンを備えたT-65ではなく、ライズ・オブ・レジスタンスに登場する分割シリンダーエンジンのT-70であることに気づくはず。これは時代考証的にも正しい。というのも、このアトラクションは、最新の3部作のタイムラインで、レジスタンスとファースト・オーダーが対立した時代を想定しているからだ。

ボーイングのCAV(カーゴ・エア・ビークル)について付け加えると、今年初めに屋外でのホバリングのテストに初めて成功したあと、最近になって前方への移動を含む3分間のテスト飛行を完了した。この貨物ドローンは産業用に設計されたもので、最大500ポンド(約227kg)の荷物を運ぶことができる。まだテスト段階のものだけに、今回のスターウォーズのデモはなおさら興味深いものだった。

  1. "Rise Of The Resistance Media Preview" Media Preview

    ORLANDO, FLORIDA - DECEMBER 04: X-wing fighters drones perform during the dedication ceremony for the "Rise of the Resistance" attraction opening at Galaxy's Edge at Disney’s Hollywood Studios on December 04, 2019 in Orlando, Florida. (Photo by Gerardo Mora/Getty Images)
  2. "Rise Of The Resistance Media Preview" Media Preview

    ORLANDO, FLORIDA - DECEMBER 04: X-wing fighters drones perform during the dedication ceremony for the "Rise of the Resistance" attraction opening at Galaxy's Edge at Disney’s Hollywood Studios on December 04, 2019 in Orlando, Florida. (Photo by Gerardo Mora/Getty Images)
  3. "Rise Of The Resistance Media Preview" Media Preview

    ORLANDO, FLORIDA - DECEMBER 04: A X-wing fighter drone performs during the dedication ceremony for the "Rise of the Resistance" attraction opening at Galaxy's Edge at Disney’s Hollywood Studios on December 04, 2019 in Orlando, Florida. (Photo by Gerardo Mora/Getty Images)
  4. "Rise Of The Resistance Media Preview" Media Preview

    ORLANDO, FLORIDA - DECEMBER 04: X-wing fighters drones perform during the dedication ceremony for the "Rise of the Resistance" attraction opening at Galaxy's Edge at Disney’s Hollywood Studios on December 04, 2019 in Orlando, Florida. (Photo by Gerardo Mora/Getty Images)

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ディズニーがマンダロリアンのベビー・ヨーダ・グッズが大人気

スター・ウォーズのグッズとはいえ、ギョロ目のエイリアンの赤ん坊のぬいぐるみが大人気のアイテムなると予想したものは少なかっただろう。ともかくディズニーは予想しなかったようだ。日本ではDisney Deluxeで12月26日に配信が始まる「マンダロリアン」に登場するナゾのベビーのグッズが米国時間11月26日から発売が開始された。

このドラマは、賞金稼ぎであるマンダロリアンを主人公とする「スター・ウォーズ」のスピンオフだが、「ベビー・ヨーダ」と呼ばれる謎のキャラクターが登場する。グッズは、Tシャツ、バッグ、コーヒーマグ、携帯ケース、その他で、あまりの人気にディズニーは増産に必死だという。

TechCrunchのスタッフの一人は「グッズの品ぞろえが少なすぎる」と不平を言っていた。実際「スター・ウォーズ」グッズが登場して40年たつ間に、ヨーダ関係はすでに10億アイテムくらい売れている。ところがベビー・ヨーダのベビー服、幼児・ペット向けの噛んでも安全な人形、オリジナル絵コンテの複製などは、まるで見当たらラない。ディズニーは、定額ストリーミングサービスのDisney+を立ち上げるのに忙しくて、グッズのことまで頭が回らなかったに違いない。ヨーダ・テーマのリュックサックは何十年も前からヒットを続けている。

もっとも「マンダロリアン」の登場キャラクターはいくら見た目がヨーダに似ていてもあのヨーダではないという。このシリーズは「ジェダイの帰還」でヨーダが死んだ後の世界が舞台だからだ。「ヨーダ」という単語を使えば検索でトップに出るだろうが、ディズニー自身はそう呼んでいない。このキモかわいいクリーチャーは、グッズ販売のページでも一貫してザ・チャイルド(The Child)と呼ばれている。

ディズニーがグッズの需要を予測し損なったのはこれが初めてではない。「アナと雪の女王」では世界中が「レット・イット・ゴー」と歌っていたのにグッズが売り切れでしばらく入手できなかった。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのグルート(下の写真)も売り切れが続いた。近く、グルート人形同様、クリップパッドが付属して肩乗りができるようになるかもしれない。そのスタイルで歩きまわればボバシッターに見えることだろう。

【Japan編集部追記】日本の公式ストアにはまだ見当たらないが、リンク先で注文すれば日本にも配送可能だ。「ボバシッター」は「ベビーシッター」のもじり。グッズのバリエーションが少ない理由は「1年前から準備する必要があるのでネタバレを防ぐために品揃えは最小限となったとディズニー自身が書いている」というコメントあり。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Disney+は2020年3月からさらに5カ国でサービス開始、日本はまだ?

Disney+は11月12日に、米国、カナダ、オランダでサービスを開始する。もう1週間以内に迫っている。さらに11月19日には、オーストラリアとニュージーランドでも開始する。

しかし、その他の国々ではどうなっているのだろう?ディズニーは、これまでの他の国での計画については口を閉ざしてきた。おそらく、いろいろな国でサービスを開始するのは、単にスイッチをオンにすればいいというものではなく複雑な事情があるのだろう。それぞれの国には、サブスクサービスについて、それぞれ異なるプライバシー/税金に関する法律がある。各作品の著作権やライセンシングについても、既存の契約に対して調整しなければならない。

それでも今回、さらに5つの国での、Disney+のサービス開始日が発表された。ディズニーは、来年の3月31日に、英国、ドイツ、イタリア、フランス、スペインで開始すると発表したのだ。

ただし英国に住む人は、このニュースには、あまり興味をそそられないかもしれない。というのも、すでにDisneyLifeというサービスによって、ディズニーの膨大な作品を視聴できるからだ。このストリーミングサービスは、2015年からディズニーの試験サービスとして提供されていた。でも、スター・ウォーズの「ザ・マンダロリアン」はDisney+専用だろう。

注意を要するのは、Disney+の中身が世界中でまったく同じになると期待してはいけないということ。すでに述べたように、世界中ですでに施行されている著作権/ライセンシングに関する契約が影響する。ディズニーが言うように「タイトルは地域によって異なる場合があります」ということだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Disney+は公開前に100万人超の米国内加入者を獲得か

ディズニーの新しいストリーミングサービスであるDisney+は、11月中旬まで開始されない。しかし、分析会社のJumpshotが発表した新しい調査結果によると、すでに米国内で100万人以上のユーザーと契約している可能性があるという。この会社は、オンラインの消費者のパネルからデータを集め、実態を洞察する。そして、ディズニーの新しいストリーミングサービスは、最初から成功が見込まれると予測している会社はほかにもある。

10月中旬、UBSのアナリストは1000人の消費者を対象にしたアンケートから「86%がDisney+について聞いたことがある」と答えたことを明らかにした。さらに、44%は加入する可能性が「高い」と回答している。この数字は、Disney+が2024年までに米国内で2000万から3000万人の加入者を獲得するというディズニーの予測を上回るもの。一方ディズニーは、その時点までに、世界中で6000万から9000万人が加入しているものと期待している。

調査会社のJumpshotも、comScoreと同様に1億台のデバイスのパネルを対象として消費者の動向を推測している。同社は、Amazon、Netflix、Googleといった、データを公開していないサービスも含め、消費者による検索、クリック、購買活動などに関するデータを調査できるとしている。

Disney+の場合、JumpshotはDisney+のサインアップページへのアクセス数を分析し、その後どれくらいのユーザーが実際の申し込みにまで至ったかを追跡した。また、そのデータを統計的に補正して、米国の全インターネット人口に対する数字を算出している。これは米国内に限定されたもので、8月25日から10月14日までの事前申し込み期間における、モバイルおよびデスクトップからのウェブ経由の申請が対象となっている。

Jumpshotは、初期のDisney+の加入者について、その構成に関する情勢を分析した最初の企業にもなった。同社によれば、Disney+の加入者の31%は、Amazon、Hulu、Netflixなど、強大なプラットフォームのうち、少なくとも1つとすでに契約しているという。そのうちの、19.4%がAmazon Prime、9.1%がHulu、18.5%がNetflixに加入済みとも算出している。

また、そのうち12.5%はすでに複数のプラットフォームのサービスに加入しているので、Disney+はさらにそこに加えられることになるという。

Jumpshotのデータは参考になるが、米国におけるDisney+に対する消費者の関心の全体像を描くには至っていない。米国の消費者の多くは、Verizonを通して簡単にDisney+にアクセスできるようになる。Verizonはディズニーと提携して、既存の4G LTEおよび5Gの容量無制限のワイヤレスユーザーに、1年間の無料アクセスを提供するからだ(編集部注:VerizonはTechCrunchの親会社、Verizon Media ServiceはVerizonが所有している)。もちろん、実際にサービスが始まってからサインアップする人もいるだろう。そしてその多くは、Disney+のウェブサイトではなく、なんらかのTVプラットフォームのアプリから申し込むことになるだろう。

Jumpshotのデータは消費者のアクティビティを追跡して得たものであり、アンケートには頼っていないが、他の調査でもDisney+には強い関心が集まっていることが確認されている。実のところ、ライバルとなるほかのいくつかの新しいストリーミングサービスよりも関心は高い。例えば、HarrisXによるアンケート調査では、米国の全世帯の21%がディズニーのストリーミングサービスにサインアップしようと考えているのに対し、HBO Maxはわずか11%だった。同様に、Hub Entertainment Researchによるアンケート調査では、米国のテレビ視聴者の4人に1人がDisney+に加入すると回答した。それに対してApple TV+は6%に過ぎなかった。

一方、TV TimeとUTA IQによる調査ではブランド認知度が調査された。その中で、今後登場するサービスとしては、Disney+とApple TV+が、いずれも高い認知度を示し、それぞれ88%と63%だった。それに続くのは、HBO Max(37%)と、NBCUのPeacock(28%)だった。

この調査結果から読み取れるのは、Disney+が子供のいる家族にとってだけ魅力的というわけではないこと。子供のいる家族の方が、いない家族よりも特に加入率が高いという傾向は見られなかった。これはディズニーが、Star Wars(スター・ウォーズ)やMarvel(マーベル)といったフランチャイズによって大人にもアピールするのに成功していることを示している。

Disney+、Apple TV+、HBO Max、Peacock、Jeffrey KatzenbergのQuibiが、すべて米国でサービスを開始した後、ストリーミング戦争がどのように展開するか、まだ予断を許さない。結局のところ、ほとんどの消費者には、サブスクサービスに費やせる金額に上限がある。そして、音楽、ニュース、ゲームなど、さまざまなサブスクサービスが揃う現在において、テレビもそのうちの1つに過ぎないのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ディズニーがDisney+でストリーミング予定の映画をすべてツイート、予告編一挙も公開

これは優れた事前プロモーションだと感じた。米国時間10月14日、ディズニーはTwitterにスレッドを作り、来月スタートするDisney+でストリーミング公開を予定しているすべての映画、番組のリストを発表し始めた。スレッドは製作の年代順となっており、「Snow White’s Scary Adventures」(邦題:白雪姫と七人のこびと)からスタートしている。1937年製作のこのアニメはディズニーを代表する映画というだけでなく、現代でもカルトのロングテールを引く驚くべきタイトルだ。

さあショータイムです。白雪姫から最新のザ・マンダロリアンまで、ディズニーのほぼすべてのタイトルがやって来ます。ここで#DisneyPlusチェックしよう。アメリカでは11月12日からスタート。

これまでのところ、ディズニーのカタログではディズニー本体に加えて、マーベル、スター・ウォーズ、ピクサー、ナショジオなどのタイトルがフィーチャーされている。

上のツイートでも触れられているスペースオペラの新作「The Mandalorian」(ザ・マンダロリアン)を始め、「Lady and the Tramp」(邦題:わんわん物語)のリメイク、「Rogue One: A Star Wars Story」(邦題:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー)の前日譚、 「High School Musical」(邦題:ハイスクール・ミュージカル)シリーズなど 未公開の作品もリストに多数含まれている

しかし今回のツイートで強く印象に残ったのはディズニーのタイトルの底知れない豊富さだった。

実はヒットしたディズニー・アニメではビデオ向けの低予算の続編が作られていた。「Beauty and the Beast」(邦題:美女と野獣)ではベルのファンタジーワールドが製作されているが、陽気な1980年代テレビドラマの空気が溢れている。ピクサーでは有名な「トイ・ストーリー」シリーズだけでなく、「カーズ2」なんていう作品も作っている。

そうかと思えば忘れられた(そもそも最初から知らない)作品も多い。 「Meet the Deedles」(邦題:ディードル・ブラザーズ/悪ノリ双子の大作戦)から「Zenon Girl of the 21st Century」(邦題:ゼノン:21世紀の少女)、さらにはマイナーなFuzzbucket(ファズバケツ)から「The Computer Who Wore Tennis Shoes」(邦題:テニス靴をはいたコンピューター)まである。

ディズニーを見て育った世代にとってリストはノスタルジーの奔流だ。もう忘れてしまったタイトルを思い出したり、自分に黒歴史にハっとすることもあるだろう。

現在のストリーミングサービスではタイトル数を多く見せるためにはつまらないテレビ番組やヒットしなかったB級映画などもすべてリストに含めているが、プロモーションに登場させることはまずない。

ディズニーのアプローチは対照的に極めて透明性が高い。

ドイツ原産の狩猟犬・ジャーマン・ポインターと飼い主の少年の物語「The Biscuit Eater」(ビスケットイーター)、米国初の純血種の馬を描いた「Justin Morgan Had a Horse」(ジャスティン・モーガン・ハッド・ア・ハウス)、「The Adventures of Ichabod and Mr. Toad」(邦題:イカボードとトード氏)などのタイトルを覚えている人々は少ないかもしれないが、こうした知られざる作品も含めて月額6.99ドルのサブスクリプションでDisney+を見ることができる。

Disney+のリスト公開はTwitter史上最大かつ最長のツイートストームに違いない。スクロールしていくと誰でも知っている有名作品に混じって、思いがけないないタイトルを目にするだろう。それぞれのタイトルには解説のツイートがついているのでこれは面白そうだという作品を発見できる。ネコ好きなら「The Cat from Outer Space」(邦題:スペースキャット)に興味を引かれるかもしれない。「フラバー」のオリジナル「The Absent-Minded Professor」(邦題:うっかり博士の大発明 フラバァ)も公開される。

しかしディズニーのソーシャルメディアを使ったプロモーションはツイートストームにとどまるものではない。Disney+で公開予定のタイトルの予告編総集編はなんと3時間にわたる。下にエンベッドしたので時間に余裕のある向きはご覧いただきたい。

Disney+のサブスクリプションの予約はこちらから。

【Japan編集部追記】上のビデオは製作年代順となっている。1959年のオリジナルの「Sleeping Beauty」(邦題:眠れる森の美女)は9分46秒から、1977年の「Star Wars: Episode IV A New Hope」(邦題:スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望)は24分57秒からスタートする。スクラブして移動すれば興味ある年代をチェックできる。Disney+の日本での公開予定についてはディズニー・チャンネルとの関係も含めまだ発表がない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Disney+はファミリー向けタイトル豊富、4人が別番組を同時視聴可能

ウェブページを見るとそのサービスが目指すものがよく理解できることが多々ある。Disney + もそうだ。当面のターゲットは、ディズニー本体に加えてマーベル、スター・ウォーズなどグループレーベルのファンを対象としたコンテンツになるようだ。

11月の配信開始が近づくにつれ、その内容も次第に明らかになってきた。ストリーミングサービスで一番重要なのはなんといってもキュレーション、つまり配信タイトルの選択だ。Disneyの配信サービスのヘッドであるMichael Paull(マイケル・パウル)氏に対するインタビューでは「量より質」というモットーが何度も繰り返された。

今週開催されたディズニーのファンクラブイベント、D23 EXPOに参加して、このサービスのアプリについてもいろいろと体験してきたが、「量より質」というモットーはアプリ自体にはまだ厳密に適用されていない印象を受けた。デモで使われたアプリ(AppleTV版)はまだあちこちに改善の余地が残っていた。

もちろんコンテンツそのものは非常に質が高い。ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル・ジオグラフィックの新旧のタイトルが勢揃いしている。これに「ザ・シンプソンズ」を始めとするFoxのコンテンツが加わる。ただこうしたメインのコンテンツ以外のタイトルを探そうとすると面倒だ。

また今年に入って製作が発注された「Diary of a Female President」(女性大統領日記)シリーズなどDisney+オリジナルシリーズを見ようとすると、サイドバーを開かねばならない。Huluにアップされているコンテンツを探してもムダだ。そもそもHulu自体、Disney+には含まれていない。またHuluとの統合ないし提携のプランも今のところないようだ。ディズニーがFoxの大部分を買収したことによりFoxの著作権はすべてディズニーが所有することになったが、個々のタイトルはディズニー本体とグループ企業とに分かれている(ミュータント・ニンジャ・タートルはマーベルのコーナーにある)。

またファミリー向けサービスということは、PG-13(13歳未満の鑑賞には保護者の検討が必要)までのタイトルしかないということだ。そのため通常のストリーミングにあるようなペアレンタルコントロールは存在しないが、7歳以下の児童向けのキッズモードを選ぶことができる。

小学生未満でまだテキストが読めない子供たちのために登場するキャラクター別にカテゴライズされているのがキッズモードの特色だ。子供向けモードでは画面は通常よりやや明るくと、自動再生はオフにされている。

当初、サービスの音声はオリジナルのままで数言語では字幕が提供される。吹き替えはサービスのロールアウト後に各国の状況をみて検討される。ディズニーでは最終的に世界中どこでもサービスが利用できるようにしたい考えだ。

アプリにはまだ多少荒削りなところはあるが、料金は月額7ドルと手ごろだ。しかも、1契約で家族4人までが同時に視聴できる。ビデオはすべて4K HDR、サウンドはDolby Atmosだ。1家族内に7種類のユーザープロフィールが設定できる。CNETによれば、これはNetflixに比べてDisney+が大きく勝っているところだという。Netflixではプロフィールは5つしか作れないうえに、家族が同時に異なったタイトルを視聴するにはもっと高いプランを契約しなければならない。

こうした点を考えてると7ドルのDisney+はNetflixの9ドルの標準契約ではなく16ドルのプレミアムアカウントと比較すべきだろう。

Disney+のユーザープロフィールのアバターにはお気に入りのディズニーキャラクターを選ぶことができる。またDisney+ではコンテンツをサービスから外す場合もシリーズのエピソードすべてを一度に配信停止にするのではなく、古いほうから順次消していく。

上でも述べたように、ディズニーは36年の伝統を誇るディズニーチャンネルに加えてピクサー、マーベル・コミックス、ルーカスフィルムを所有しているため優秀なコンテンツにこと欠くおそれはない。ディズニーという会社同様、Disney+の前途も大いに期待できそうだ。

画像: Mike Kemp/In PIctures / Getty Images

【Japan編集部追記】記事トップのリンクは日本語ページにジャンプする。プロンプトに従ってメールを登録すると最新情報が得られる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Disney+ではHuluとESPN+のセットを月額1400円程度で楽しめる

ディズニーが11月に始めるストリーミングサービスのDisney+は、ESPN+と広告付きHuluとのセットで月額12.99ドル(約1380円)で楽しめる。

Disney+、ディズニー傘下のESPN、21世紀フォックスの買収から支配権を獲得したHulu、このディズニーフルセットで、Netflixの米国の標準プランと同額になる。また、3つのサブスクリプションをそれぞれ契約するよりも5ドル(約530円)安い。

米国時間8月6日、3四半期のディズニーの収支報告の際にCEOのBob Iger(ボブ・アイガー)氏がこの価格を発表したと、Axiosなどが報じた。

2019年4月にディズニーは、Disney+の単独のサブスクリプションは月額6.99ドル(約740円)で、11月12日にサービスを開始すると発表していた。その時点で経営陣はESPN+とHuluのバンドルを提供する「見込み」と述べたが、具体的なプランや価格には言及していなかった。

Disney+のサービス開始時には、スター・ウォーズ三部作の最初の2つ、最新のマーベル映画、「The Simpsons」、古いディズニー映画のシグネチャーコレクションなど、ディズニーと21世紀フォックスのコンテンツが大量に揃う予定だ。他社の契約がクリアになればさらに多くのコンテンツが公開される。

ディズニーは、マーベル作品スター・ウォーズのスピンオフ「The Mandalorianなど、Disney+のためのオリジナル番組も制作している。

画像:Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

新記録!「アベンジャーズ/エンドゲーム」の世界興行収入が5日間で約1100億円突破

米マーベル・スタジオの映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」の世界興行収入が公開からわずか5日で10億ドルを突破。映画史上初めての記録だ。

これまでの記録は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で、11日間で世界興行収入が10億ドル(約1116億円)を突破。エンドゲームは半分以下の日数でその額を突破した驚異的な作品だと言えるだろう。

エンドゲームの公開から最初の週末までの世界興行収入は12億ドル(約1340億円)で、こちらもこれまではトップだったインフィニティ・ウォーの記録を突破した。米国内でのオープニングの週の興行収入も3億5000万ドルで、新記録となっている。

それもそのはず、エンドゲームには、ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン、ブリー・ラーソン、ジェレミー・レナー、ドン・チードル、ポール・ラッド、カレン・ギラン、ダナイ・グリラ、チャドウィック・ボーズマン、ブラッドリー・クーパー、ジョシュ・ブローリンらが出演している。

合計すると 「マーベル・シネマティック・ユニバース」 の22本の映画の興行収入は199億ドルに達し、 「アベンジャーズ」 の4本の映画の興行収入は62億ドル近くに達している。

TechCrunchのライターであるJonathan Shieberは、エンドゲームの世界興行収入が爆発的に伸びた「最大のポイントの1つ」は、「中国で公開されたことだ」と綴っている。

「3億3050万ドルの大当たりで、この映画は中国の映画興行収入第1位となり、世界のチケット販売の大部分を占めた」(Shieber)。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

[US版TechCrunchの記事はこちら]

ディズニーに加えてデートアプリのBadooもノートルダム修復に寄付を約束

ディズニーとBadooもノートルダム大聖堂の修復に出資を約束した。多くの企業や個人が先日の火事で大損害を被ったノートルダムの修復費用の一部を負担することを申し出ているが、ディズニーは500万ドルの寄付を約束した。2200万のユーザーをもつデートアプリのBadooも創建以来800年あまりとなる偉大な建造物の修復費用として4月の利益の全額を寄付することを決めた。

火事で大きな被害を受けたノートルダムの修復にはAppleを始め多数の企業が費用負担を申し出ており、グッチ、サンローランなどのラグジュアリー・ブランドを傘下にもつKeringのオーナー、フランソワ・アンリ・ピノー氏のArtemisグループは1億ユーロ(約126億円)を寄付すると発表している。

これまでに企業や個人からノートルダム修復のためにプレッジされた総額は10億ドル(1120億円)に達している。エマニュエル・マクロン大統領は 5年で修復するという野心的なプランを発表したが、専門家の間には15年程度は必要という見方が強い。

ディズニーの会長でCEOのボブ・アイカー氏は声明で、「ノートルダムはわれわれの未来を照らす希望の灯火であり、 何世紀にもわたってパリの真髄、フランスの精華であり、建築と美術は人類の歴史に高い地位を占めてきた。われわれウォルト・ディズニー・カンパニーはコミュニティーの多くの隣人、友人と共に大聖堂の復旧を心から支援し、幾多の比類ない傑作の修復の一助として500万ドルの寄付を申し出る」述べた

Badooは米国時間4月17日、下のようなツイートで寄付を行うことを発表している。

ノートルダムの悲報に私たちの心は痛んでいます。2200万のユーザーをもつBadooも修復費用の一部として4月の利益の全額を寄付することを決めました。

画像:Dan Kitwood / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ディズニーとルーカスフィルムがSTEM教育グループに150万ドル寄付

スターウォーズの最新作エピソード9の予告編を公開した翌日、ディズニーとルーカスフィルムはFIRSTに150万ドルを寄付すると発表した。FIRSTは1989年にDean Kamen氏によって設立された非営利のグループで、ロボティクス競技大会などのイニシアチブを通じてSTEM教育をサポートしている。

ディズニーの寄付は、FIRSTが力を入れているサービスが十分に行き渡っていないコミュニティに教育を提供するのに使われる。このパートナーシップで実際にどんなことが行われるのか詳細は不明だが、ディズニーは明らかにこうした種の奉仕活動から多くのものをこれまで得てきた。そしてルーカスフィルムはロボットのことを多少は知っている。

スターウォーズの寄付企画であるForce for Changeは、シカゴで行われた恒例のファンイベント「スターウォーズ・セレブレーション」の場で発表された。イベントではティーザーやタイトルの発表などを含め、最新作のキャストが登場するパネルがあった。

「スターウォーズは、若い人々に過去を振り返り、そして今後世界がどうなるのかを想像させるなど、いつも影響を与えてきた」とルーカスフィルム会長のKathleen Kennedy氏は今回の発表についてのリリースで述べている。「サイエンスやテクノロジーの重要性を若い人々に伝えていくことは極めて重要だ。彼らは、この先待ち構えるグローバルの課題に立ち向かわなければならない。それをサポートするため、ルーカスフィルムとディズニーはFIRSTと組んで、次世代の改革者に学習機会やメンターシップを提供する」。

FIRSTへの協力という点では、今週は大きな成果があった週だった。ちょうど昨日、アマゾンがFIRSTと組んでロボティクス教育のサポートを行う、と発表した。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

ディズニーとLittleBits、女学生向けSTEM教育プログラムをローンチ

littleBits、ディズニー、ならびにUC Davisは「Snap the Gap」のローンチを発表した。

この非営利プログラムでは、オンラインプログラム、littleBitsスターターパック、およびSTEM分野の専門家による1年間のメンターシップを通じ、若い女性たちにSTEM教育を提供する。

Snap the Gapは、カリフォルニアに住む10歳から12歳の女性15000名を対象とした1年間のプログラムとして開始。参加者とメンターの募集はUCデイビスが管理する。

ニューヨークに本社を構えるlittleBitsは、長きにわたり、少しでも多くの若者がSTEM分野で活躍できる社会の実現に向け、事業を展開してきた。CEO、Ayah Bdeirいわく、littleBitsにとってSnap the Gapは同社にとって最大の事業となる。

LittleBitsは「2016 DISNEY ACCELERATOR」に参画していた。ディズニーとlittleBitsはそれ以来のパートナーだ。結果、LittleBitsはアベンジャーズやスターウォーズなどのIPを使用したキットを発売してきた。

Snap the Gapでは2年目以降、対象地域をカリフォルニア州以外にも拡大させる。Bdeirいわく「2023年にはアメリカ全土でプログラムを提供きるようにする」予定だという。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

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「キャプテン・マーベル」の世界興収、10億ドル突破

「キャプテン・マーベル」の全世界での興行収入が10億ドル(約1100億円)を突破した。米Varietyが報じた

マーベル・シネマティック・ユニバース作品で、世界興収が10億ドルを突破したのはこれが7作品目。

「アベンジャーズ」(2012)「アイアンマン3」(2013)「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(2015)「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016)「ブラックパンサー」(2018)「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018)に続くかたちとなった。

Varietyによると、興行収入が10億ドルを突破した作品はキャプテン・マーベルを含め18作品、そしてマーベル・シネマティック・ユニバースの21作品の総興収は185億ドルを記録している。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

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ディズニーが21世紀フォックスの買収を完了

ディズニーは、米国東部時間3月20日午前0時2分に21世紀フォックスの買収を完了した。

713億ドルというこの巨額ディールの目標は、ストリーミングを将来の事業の中心に据えることだ。ディズニーはすでにESPN+ストリーミングサービスでもってその方向へと足を踏み入れている。そして今年後半にはDisney+という別のサービスの提供を開始する計画だ。このサービスにはディズニーの全ての映画ライブラリー、そしてStar Warsの新作Marvel(マーベル)も含まれる。

フォックスの買収でディズニーはより多くの映画、テレビ番組、そして知的財産を有するようになった。これは、ディズニーのウェブサイトトップのイメージデザインが、「シェイプ・オブ・ウォーター」「アバター」「デッドプール」(これらはすべてフォックスの映画だ)、そして「シンプトンズ」「アトランタ」(これらはフォックススタジオが制作し、フォックスネットワークで放映された)を特集するものに変更されたことにも表れている。ディズニーはまた、Huluの大株主にもなり、CEOのBob Iger氏(写真上)は「ディズニーはHuluのオリジナルコンテンツ拡充に投資し、グローバル展開もサポートする」としている。

加えて、見たところディズニーのスタジオは多くの観客を映画館に引き込むことができるなどすでにハリウッドで支配的的な立場を築いているが、今回の買収はそれをさらに確固たるものにする。MarvelとLucasfilmの買収のおかげで、ディズニーは過去4年間、グローバルでの観客動員数が毎年トップだ。そして2018年にはトップ4の映画のうち3本がディズニー制作のもので、一方でフォックスは2本がトップ10入りした。

昨年コムキャストと展開したフォックス争奪戦を買収額713億ドル(約7.9兆円)の提示で制したディズニーだったが、その後、規制当局の承認を得るまでに9カ月も要した。

一方で、フォックス・ニュース、フォックス・ブロードキャスト・ネットワーク、フォックス・スポーツを含むフォックスのニュース・スポーツ部門は新会社としてスピンアウトし、今回の買収の結果、4000人超が解雇される見込みだ。

「困難な局面はすべて去った、と言えればどんなにいいことだろう。買収の完了はマイルストーンの達成というより、ゴールラインだった」とIger氏は社員へのメモで述べた。「今後は、ダイナミックでグローバルなエンターテイメント会社にするために我々の事業を統合させるという難題が待ち構えている」。

Image Credits: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

ディズニーによる713億ドルのフォックス買収、3月20日に完了と正式発表

もうこの話が出始めてから1年以上も経つが、ディズニーは現地時間3月12日、同社による21世紀フォックスの買収がもうすぐで完了する予定だと発表した。

ディズニーいわく、買収は3月20日の午前12時2分(ET)に完了。メキシコのレギュレーターの最終承認を得られたことを示唆している。

ディズニーは当初、フォックスを524億ドルで買収する予定だったが、コムキャストによるカウンター・オファーもあり、最終的には713億ドルにおよぶ額となった。

今回の買収で、ディズニーはフォックスの映画およびテレビのスタジオを獲得し、「ファンタスティック・フォー」「X-MEN」や「デッドプール」などのマーベルのキャラクターを使った映画を制作できるようになる。加えて、ディズニーはHuluの株式を獲得、倍増し、合計で60%保有することとなる。

一方で、買収が完了すれば4000人以上がリストラされる見通しだ。そして、フォックスニュースなどディズニーが買収しなかった部門は「フォックス・コーポレーション」としてスピンアウトする。

【原文】

(TechCrunch US版の記事を翻訳、編集しました)

建設中の「Star Wars: Galaxy’s Edge」に潜入、ディズニーの最高傑作ランド

ディズニーがLucasfilmを買収すると発表されて以来、すべてのファンが思い続けてきた。「いつ『スター・ウォーズ』の実物版ができるのか」と。

いつか作られるのだろうと多くの人は想像していたが、2013年当時、映画スター・ウォーズの最後の3部作の第1話目の制作が開始されたときでも、まだ「Star Wars: Galaxy’s Edge」(スター・ウォーズ:銀河の果て)の計画がスタートしてたことに気づく者はいなかった。最初は10名程度だったチームは、最終的に4000名以上に膨らむと考えられている。

この5年間、Walt Disney Imagineering(以降Imagineering)は、リアルなスター・ウォーズの世界をこの地球上に作ろうと懸命に努力してきた。場所は、カリフォルニアとフロリダ。惑星バトゥーのブラック・スパイア・アウトポストが、現在建設されている。何十年間も映画のスクリーンで親しんできた街とそっくりな場所に人々が来てくれるかどうか、これは数十億ドルをかけた壮大な賭けだ。

見方によれば、このプロジェクトは、これまでになくきわめて安全な賭だとも言える。『スター・ウォーズ』の熱烈なファンと、ディズニーの特定の味付けによるテーマパークの信者が合体すれば、それだけでも、この新しい2つのテーマパークへの熱い期待に、長年にわたって油を注ぎ続けることは可能だっただろう。しかし、これはアメリカ国内のパークを単独のテーマで拡張する計画としては最大規模となるため、Imagineeringのスタッフとパーク経営側の野心の高さは成層圏にも届くほどだと言える。また、その拡張から好ましい収支結果を引き出すためには、ディズニーは忠実なファンだけでなく、幅広く層の厚い来場者に、遠い銀河の架空の世界を徹底的に忠実に再現したその場所で、1日を過ごしてもらわなければならない。

それを実現するために、Imagineeringは、アメリカに今年オープンされる2つのパークの構想を5年かけて練り上げ、2年をかけて建設する。

先週、Imagineering、パートナーのLucasfilm、経営陣に会い、3日間にわたって、もともとの発想、計画、ツール、デザイン、建設に関する苦労話を聞いてきた。さらに、カリフォルニアのディズニーランド内に建設中の「スター・ウォーズ・ランド」を見学し、その広さ、規模、バトゥーの雰囲気、そして2つの主要なアトラクションを確かめてきた。

「私たちは、『スタ−・ウォーズ』を手がけることには大変に野心的です」と、Imagineeringのポートフォリオ・エグゼクティブScott Trowbridgeは話す。「敷地は14エーカー(約5万6700平方メートル)以上あります。パーク内の小さな街と言ったところです。目を見張る建造物……、宇宙船、エイリアン、ドロイド、クリーチャーなどが、スター・ウォーズをスター・ウォーズらしくしています。それらが一体となって、スター・ウォーズの世界に暮らしたいと夢見ていた来場者の夢をかなえるのです」

マーケティングに関して懐疑的になり過ぎないよう、私はそのコメントに同意せざるを得なかった。ここに建てられているものは、ディズニーランドの中だろうが外だろうが、没入感と野心という点において匹敵するものがない。ここに来れば、スター・ウォーズのお気軽なファンも熱烈なファンも、同時にぶっ飛ぶことだろう。

地道な作業

これまで、ディズニーが発表した「スター・ウォーズ・ランド」に関する話を聞いたことがある人でも、これからお伝えする内容は、かなり新鮮に感じられるはずだ。だが、まずは重要度の順序として、彼らが何を作ろうとしているのかをお伝えしよう。その後に、どうやって作っているかをお伝えする。

カリフォルニア州アナハイムのディズニーランドと、フロリダのディズニー・ハリウッド・スタジオには、それぞれ14エーカーの敷地内に惑星バトゥーの一部が再現され、辺境の村ブラック・スパイア・アウトポストが建設された。その中にはショップや飲食店があり、村人が暮らし、ファースト・オーダーの前哨基地もある。村の外にはレジスタンスのキャンプがあり、にわか作りの生活基盤や、宇宙戦闘機や機材が散乱している。ここには2つの柱となるアトラクションがある。「Star Wars: Rise of the Resistance」(スター・ウォーズ:レジスタンスの蜂起)と「Millennium Falcon Smuggler’s Run」(ミレニアムファルコン密輸逃避行)だ。

ゲストがその世界に溶け込めるように、ランド全体が、一からデザインされている。キャストはバトゥーの伝統的な衣装をまとい、用意された中から衣服やアクセサリーなどを選んで自分でアレンジできる。またキャストは、ファースト・オーダーに対抗するレジスタンスや、コソコソと活動する密輸業者など、村の情勢に理解を深めるように指導される。食べ物もまったく新しくした。それぞれに背景の物語がある。ポークリブはない。そのかわり、カドゥのリブがある。カドゥは、あの不人気で有名なジャー・ジャー・ビンクスが乗っていた、あまり有名でない生物だ。怪しい酒場では、青い(または緑の)ミルクやカクテル(そう、アルコール入り)が飲める。看板はどれも、できる限り宇宙っぽくしてある。販売されているグッズは、すべてがバドゥーのために作られた特製品で、ここ以外の場所では買えない。どんなに小さなものでも、「拾ってきた」または「手作り」な雰囲気を持たせてある。

何より重要なのは、移動の感覚だ。

バドゥーへの移動

数日間、話を聞いてきた中で一貫していた大きな問題に、移動をどうするかというものがあった。ディズニーランド、つまり地球からスター・ウォーズの世界へ移動した感覚をどう持たせるかだ。

この問題は、ランドの位置を新しい惑星にすると決めたときに発生した。

「なぜ、タトウィーンやホスといった、昔からお馴染みのスター・ウォーズの惑星にしなかったのか? その本当の理由は、その場所をみんながよく知っていて、そこで起きた事件のことも知っていて、そのとき、だれもそこに居あわせていなかったからです」と、Trowbridgeは言う。「ここ、ブラック・スパイア・アウトポストには、まだチャンスがあります。そこは、冒険を招き、発見がある場所として最初から作られています。私たちも、スター・ウォーズのキャラクターになれる場所なのです。そして私たちは、そこで思いつく限り、スター・ウォーズの物語に参加できる場所にしたいのです」

大きな格納庫(左)の屋上に停泊している多目的シャトル。ドッキングベイ7・フード・アンド・カードの目印になっている。

その決断のいちばんの後押しになったのは、やはり、ハードコアなファンとお気軽なファンとが同じように楽しめる感覚を作るという考えだった。

「その中を歩くときは、本当にハードコアなスター・ウォーズのファンからスター・ウォーズをまったく知らない人まで含めて、他のみんなと同じレベルになりたいと私は思います」と、Imagineeringのマネージング・ストーリー編集者Margaret Kerrisonは、スター・ウォーズ・ランドの最初の計画説明会議に参加したときのことを振り返って話した。「私は、探検し、発見し、隅から隅まで走り回って、すべてのドロイドやエイリアンを見つけたくなる強い動機が欲しかったのです。筋金入りのスター・ウォーズ・マニアのように細かい知識を持たないからと、引け目を感じないようにしたいのです」

バトゥーにいくつかある入口に入ると、ゲストの周囲の気圧が少し高くなり、やがて解放されるのだと、Walt Disney Imagineeringのエグゼクティブ・クリエイティング・ディレクターChris Beattyは話してくれた。Frontierland(ウエスタンランド)、Critter Country(クリッターカントリー)、 Fantasyland(ファンタジーランド)のすぐ近くに入口があり、岩を「レーザーカット」した黒い石版のトンネルが現れる。そこに入ると、トンネルによって内容は異なるが、映画で有名な光景が広がる。たとえば中央のトンネルでは、いくつかの建造物が見える。すると突然、前方に何隻かの宇宙船、高くそびえる古代の尖塔、建物の上に停泊する宇宙船、風のそよぐ天蓋が見える。その光景から、ブラック・スパイア・アウトポストに来たと感じる。

このランドには、こうした「何かがわかる」瞬間がちりばめられている。レジスタンスのキャンプを初めて見たときは、まずはミレニアム・ファルコンが目に付くだろう。写真を撮る絶好のチャンスだが、同時にそれは、ゲストをその場所に結びつける瞬間でもある。

まだ周囲は建設中だが、この見晴らしのよい場所に建つと、それが驚くほど効果的に作られていることがわかる。ここにはディズニーランドの他の場所の痕跡が一切見られない。植物、細部までこだわったウェザリング、岩に囲まれた風景、お馴染みではあるが新しい部分もあるスター・ウォーズでお馴染みの形をした建物や装飾が、別世界にいる気持ちにさせてくれる。

建設は、従来の手法と新しく生み出された手法のミックスで行われている。ある意味、「ディズニーワールドにある「Pandora – The World of Avatar」(パンドラ・ザ・ワールド・オブ・アバター)のテーマレストラン、オープンスペース、ライドは、そうしたひとつのテーマに徹底した世界をどこまで追求できるかを実験するためのもののようにも思える。「Star Wars: Galaxy Edge」は、そこだけの「土着の」グッズや食べ物を提供し、できる限り「物語」の世界観を表現している他のランドからの教訓を加算して生まれた結果だと言える。

だが建設を始める前に、Imagineeringは、まずツールを作る必要があった。

スター・ウォーズを作る

カリフォルニア州グレンデールのグランドセントラル・ビジネスパークに並ぶサーモンピンクの低層ビル群の中に、Walt Disney Imagineeringの本社がある。そこは、機械いじり、コスチューム、ロボット工学、シミュレーション工学、歴史などを偏愛する専門家たちの楽園だ。ウォルト・ディズニー自身がWED Enterprizesとして創設したディズニーの唯一のデザイン開発組織だ(後に、当時は少し怪しい形でThe Walt Disney Companyに買収された)。それ以来、同社は、テーマの応用技術とロボット工学技術で世界に多大な影響を及ぼすことになり、Imagineering(イマジニアリング:イメージとエンジニアリングを合わせた造語)という言葉が、世界構築の基本コンセプトを同義語であることを世に知らしめた。

Dok-Ondar’s Den骨董品展。銀河中から集められた珍しい品を売っている。

Imagineeringの仕事のやり方で、ひとつ知っておくべきは、彼らは、努力の無駄を最低限に抑えるということだ。彼らのイマジネーションは、創造性、複雑性、野心の点で、常に現実を100倍超えている。そのほんの一部をゲストに提供する場合でも、Imagineeringは限られた時間、空間、予算、そしてそう、物理法則の中で常にその方法を探らなければならない。

仕事を遂行するために、彼らは独自のツールを作ることがある。つまり、市販の道具と自分たちで開発した部品を組み合わせて、問題の解決法をなんとか導き出す。ここはプライドに関わる部分なので、こう話すと、ちょっと変に感じられるかもしれない。しかし、Imagineeringで何かを作るときには、完全にエゴは忘れ去られているのだ。「何がなんでも自分たちのやり方を貫く」のではなく、「使えるものはなんでも使う」ということだ。ゲストのための夢を完成させるためには、その問題解決策の出所にこだわらないという姿勢によって、ディズニーの研究開発とImagineeringは、本当に魅力的な方向に前進できている。

物語を見せる上での問題に技術を適用して少しずつ解決してゆくImagineeringの方法を見たければ、サーボに取り付けた金属片から人型のスタントマン・ロボットへ発展するまでの推移を見ればわかる。

Galaxy’s Edgeプロジェクトでは、これほど大きな仕事をImagineering内部でどう管理するか、またLucasfilmとのパートナー関係をどうするかが、まず最初に解決しなければならない問題としてあった。

なぜ問題なのかと言えば、このプロジェクトが、ディズニーが過去に手がけてきたどの仕事とも大きく異なっているからだ。今回は、最初からすべての部門が密接に関与している。小道具、衣装、建築、商品、食事、ライドシステム、技術部門のすべての人間が、構想を練る段階から協働しているのだ。通常は、それぞれの部門は段階ごとに関わることが多い。しかしバトゥーでは、最初の最初から、すべての人間が同じページにいなければならなかった。

もし、みんなが心から浸れる世界を作りたいと思えば、ディズニーは、有機的に統合された感覚が必要になる。セットのデザインがグッズ販売に寄与し、グッズが物語に寄与し、物語がライドシステムやエンジニアリングに寄与するよう、長くて継続的な対話が必要になる。すべてが足並みを揃えなければならないのだ。

すべての人間をプロジェクトの同じページに集めるためのツールとしてImagineeringが使用したものの中に、BIM(Building Information Modeling:建築情報モデリング)がある。このツールは、2Dの設計図、3Dモデル、インフラ、小道具の配置情報を組み合わせたもので、膨大な情報すべてが連動した原本であり、あらゆる部門が参照できる。スタッフは、ランドの概要を3Dで確かめることから、特定の場所の入口のコントロールパネルのデザインまで掘り下げて見ることもできる。

そもそもこれは、プロジェクト全体を通して使用される基本的な形状や構造に関する情報で、ゲームエンジンUnreal Engineにフィードされる。ゲームの中の3D世界を構築するときと同じだ。ただしこれは、本物の水道配管や建築や技術が基礎に埋め込まれた現実の世界だ。

「このプロジェクトを開始したとき、あまりの複雑さを目の前にして、あらゆるツールを簡単に使えるようにする必要があると理解しました。最初の計画は、プロジェクト全体をデジタル環境で複製するというものでした。実際に建築に取りかかる前に、その惑星を作っておこうという考えです」と、ImagineeringのBIMおよびVDC(仮想デバイスコンテキスト)技術マネージャーのSanne Worthingは話してくれた。「これがあれば、クリエイティブなデザインを行う人間は判断がしやすくなります。工事を行う人間は、現場で作業を始めてから検討するのではなく、事前に判断が下せます。計画を立てる時間に余裕が生まれます。現場での難解で費用のかかる問題を回避できます」

BIMは、すべてを3Dで統合する方法をテストしたり、工事中はどこにクレーンを立てたらよいかを決めるなど、あらゆることが可能になる。BIMの中に作られた世界は、Imagineeringがパークをシミュレーションするための仮想現実にも利用される。

「Unrealを使うことで、私たちのアトラクションのいろいろなパーツを引き出して、動くパーツを組み立てることができました。そのため、このプロジェクトのパートナーであるILMから提供されたメディアを採り入れたり、動くフィギュアのためにアニメーションを取り出したりできます。このアトラクションを構成するパズルのすべてのピースを、仮想現実シミュレーションに組み入れることができるのです」と、Imagineeringのショー・プログラマーApril Warrenは話す。「それを見ながらクリエイティブチームと何度も繰り返し検討することで、普通なら現場に出なければわからない問題を先に発見して、早期に解決できます。また、私たちの創造性をうまく実現できない部分を発見して、改善ができます」

Imagineeringは、ここしばらく独自のVRシミュレーション・システムを使っている。私がそれを見たのは2年ほど前、完成したばかりのころだった。シミュレーターの中を自由に飛び回ることができるので、スタッフはランドをあらゆる方向から見たり、インフラから小道具まで、プロジェクト全体から特定の要素までを、高速で滑るように移動しながら確認できる。しかし、なかでも重要な機能は、ゲストが地面に立ったときに見える光景をできるだけ忠実に再現してくれることだ。それを使うことで、空調機や配管やダクトといった日常的で地球的な設備をどこに隠せばよいか、一貫した風景が味わえるようにゲストの視点をどこに固定するかなど、最大の効果を得るための要素がわかる。

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テーマパークのデザインはワイルドだ。モデリングやVRを使い、視線効果を決定する風景要素を配置できる。だが上から眺めると、ビデオゲームの世界の地面を突き抜けてしまったような光景になる。

「視線については、ランド内に立ったときに、歩き回ったとき、私たちが想定したとおりの体験ができるように、入念に組み立てています。みっともないエアコンが見えてしまわないようにね」と、Worthing。「没入感と、人々がこの世界に完全に浸れる感覚が、ものすごく重要なのです。BIMは、それを可能にする手段のひとつです」

「BIMには、ものすごいもの(能力)がいくつかあります」とWarrenは話す。「いろいろな調整ができるのです。たとえばある地域に車両を走らせたいと私が考えたとき、『あ、こんなところに配管が出てる。BIMを見たときには気がつかなかった』となっても、『ねえ、この配管を移動できない?』と頼めるのです」

「もし、その工程を経ずに現場に出ていたら、問題が起きていたでしょう。その配管に車がぶつかってしまいますから」

Imagineeringのテクノロジー・スタジオ責任者Bei Yangは、Imagineeringにはこんな格言があると言う。「アトムを動かすよりビットを動かした方が楽だ」

毎日、パッケージの評価がBIMに追加される。それにより、ライドとアニマトロニクスのチームはアトラクションの中を、それが建設される前に、いつでも「歩く」ことができるのだ。

「私たちは単にひとつの建物を建てているだけなのですが、誰も決して見ることがないデザインが100ほどあります」と話すのは、「Millennium Falcon Smuggler’s Run」のプロデューサーJacqueline Kingだ。「私たちはその建物の中に入り、実際の現場で鉄筋を組む段になって、正しい位置に配置できるよう、最良の判断をするのです。現場で実際に見てから間違った位置に壁があるという話はよく聞きますが、私たちは大抵の場合、問題の大半を事前に処理し、完全に正しい設計に修正することで、最良の結果を出しています」

BIMをVRシミュレーションに使う以外に、Imagineeringではそれをライドのシミュレーションにも使うようになった。しかしその後、さらなる応用方法が現れた。

建設の工程が決まると、バトゥーの世界の実体化が始まった。それには、建物、装飾、小道具、グッズ、食べ物、そして住人が含まれる。

Galaxy’s Edgeのデザイン

バトゥーのデザインでは、ディズニーランドのすべての食品グループが展開されるが、今回は、それぞれ個別にランドに合わせたデザインが施されている。建物、小道具、衣装から音楽、食べ物、グッズにいたるまで、すべてが徹底的にスター・ウォーズ化されている。

ディズニーには独自の建設スタッフがいない。3000人規模の人員となればなおさらだ。そこで、建設を請け負う人たちが、彼らのデザインを確実に実体化できるよう、工程とランドの目的を徹底的に教育した。とくに力を入れたのは、彼らの話をよく聞き、ビジョンを実現する方法をいっしょに考え、深く関ってもらえるよう彼らに依頼することだった。

Imagineeringのポートフォリオ・エグゼクティブ・プロデューサーRobin Reardonは冗談めかしてこう言った。「スター・ウォーズには、パイプがたくさん登場することがわかりました。私たちはたくさんのパイプを描き、たくさんのパイプをモデリングし、パイプだらけでピーピーです。私たちは設備業者に会って、こう話しました。『私たちが一から作ってもいいのですが、でも、ほら、パイプはあなたの専門だ』とね。彼はとても喜んでくれました。ビル設備の仕事は、普段は天井の裏や壁の中などに隠れて人目につきません。見えるのは通風口ぐらいなものですからね。彼らの仕事が表舞台に出るので、家族を連れていって『あれは私が作ったんだ。この世界の一部だよ。みんなが見るあの部分をね』と言えると興奮していました。楽しかった。それは今でも続いています。彼のチームはずっと、ここでの仕事に心底熱中しています」

「Star Wars:Rise of the Resistance」の建設作業中に実物大のタイファイターを確認するWalt Disney Imagineeringのスタッフ。

バトゥーを歩くときの地面にも、クリエイティブな努力の跡が見られる。Imagineeringのショーシステム・エンジニアPaul Baileyは、人が歩く地面の「土」や石の細部にもこだわったと説明している。

「この世界では、ゲストが物を間近に見るので、ひとつ上のレベルが要求されます。そのいい例として、このランドを歩き回るドロイドがあります。それは、私たちが伝えたい物語の一部にもなっています。1976年から1977年の『スター・ウォーズ:新たなる希望』(エピソード4)の時代、最初に登場したケニー・ベイカー演じるドロイドを研究しました。そこからドロイドの足の裏の車輪の跡を採取して、それを3つで1セットのファイルに変換し、そこから立体の車輪を1セット作りました。私たちは、小さなドロイド台車を作り、それをKristine(アートディレクターMakela Kristine)とそのチームに使わせました」

「具体的には、こういうことです」とMakela。「ここは大勢の人が働いている慌ただしい建築現場です。造形用のコンクリートを流し込んでいる人がいます。周囲はすべて汚れていて、工具もあり、押し型も置かれています。そこで、一人がその小さな台車に飛び乗り、もう一人がそれをコンクリートの上を引っ張る。すると、ドロイドが通った跡ができます」

「めちゃくちゃ正確に」とBailey。

ランド中に付けられたその車輪の跡を私も見たが、いかしていた。

装飾や小道具の正確さのレベルも「ひとつ上」だ。

「まず、この仕事を開始したその日、私はイギリスに飛ばされ、スター・ウォーズのセットを作った映画クルーを訪ねるように言われました。私は美術部門の大勢の人たち、小道具担当、アートディレクターたちと知り合うことができ、映画の小道具をどうやって作ったかを学びました」と、Imagineeringのクリエイティブ・ディレクターEric Bakerは話してくれた。「彼らの哲学の中には『オリジナルの映画は1980年より前に制作されているので、1980年以降でなければ買えないものは一切使わない』というものがありました。私たちは大変な時間をかけました。私たちが作ったものの材料の多くは、リサイクルしたものです。たとえば、ゼロックスのマシンには、使える材料が無数に詰まっています。私たちは常に、1980年以前のものを探し歩いていました」

「そうやって始めたのです。あの映画に関わっていた大道具担当者と協力して、彼らが映画制作でどのように物を作ったのかをみんなに見せて、作り方を学ぶスタイルを構築しました。私たちの仕事は、彼らが作り上げたこの驚きの村、彼らがデザインした素晴らしい建物に、そこに住む人たちの物語を通して命を吹き込むことです」

彼らは、映画制作チームが部品取りに使ったものと同じジャンボジェット機から、長い時間をかけて部品を引き剥がしたという。だが、すべての部品が1980年以前のものではない。主要な部品はそうだが、そうでないものは、映画の見た目や雰囲気にできるだけ近づけるよう、それを原型にして部品を作った。

バトゥーに住む人たちの衣装も、ディズニーランドの別の場所のものとは大きく異なっている。まず、ブラック・スパイア・アウトポストの住人は、あらかじめ揃えられた服、帽子、アクセサリーなどを、毎日自分で組み合わせて着ることができる。こうすることでキャラクターは特徴を出せて、ゲストにさらなる現実味を与えようという意欲が増す。

衣装は、ポンチョ、日よけ帽、風通しのよいジャケットやパンツなど幅広い。衣服はパーク内で風合いが増すように軽量に出来ていて、暑さ対策と色あせを予防するために、綿とナイロンの混紡になっている。スタイリングは新鮮で、色は自然な繊維を思わせ、重ね着の雰囲気も出している。日差しの強いカリフォルニアや蒸し暑いフロリダでも着られるよう、実際には一重なのだが、パーツを縫い合わせることで重ね着をしているように見せているものもある。

「衣装デザインの大きな喜びとして、私たちがデザインして作る衣装や装飾品が、文字通り、キャストの人生に触れるという点があります」と、衣装デザイナーJoe Kucharskiは話す。「キャストが個性を作る手助けをするだけでなく、自分の体によく合って、着心地がいいものが選べるようにしたいと考えています。織物のトップス、ニットのトップス、とても通

気性のいいものなど、本当に喜んでもらえるものを選べるよう、用意しています」

レジスタンス、ファースト・オーダー、そして「Rise of the Resistance」のキャストには、テーマに沿った制服がある。

アニマ・レクトリック

ディズニーのパークで注目を浴びる出し物がそうであるように、お察しのとおり、バトゥーにも、Imagineeringが得意とする動くロボットやアニマトロニクスがひしめく。売店を経営するドロイドから、ライドの順番待ちの相手をしてくれるキャラクターなど、Star Wars: Galaxy’s Edgeには動くフィギュアは山ほどある。

80年代から、ディズニーの各パークでは、A-100シャーシをベースにした油圧式のアニアトロニクスが使われてきた。これは、ヒューマノイドの基本型となるものだ。バトゥーのアニマトロニクスは、すべてが新しいA-1000シリーズのシャーシをベースにしている。これは、いろいろなサイズに、いろいろな方法で設定を変えることができる。なかでもいちばんの違いは、電動モーター式になったことだ。

電動モーターは、2009年にリンカーン大統領の頭部に使われたのが最初だ。その後は、 「Enchanted Tales with Belle」、「Frozen Ever After」、「Na’vi River Journey」といったアトラクションに使われている。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー – ミッション:ブレイクアウト!』のロケット・ラクーンも電気式だ。

「Savi’s Workshop Ð Handbuilt Lightsabers」では、自分だけのライトセイバーをカスタマイズできる。

油圧式と異なり、電動式は、よりずっと正確に動くことができる。動いたり止まったりがほぼ瞬間的に行え、動き出しと止まった後の予備時間が少ないため、次の動作に滑らかに移行できる。しかも、フィギュアに接続される配線の本数も油圧式の約半分と大幅に減る。そのため、フィギュアを配置するスペースも制御盤のサイズも小さくでき、結果として、シーンの中のより面白い場所に設置でき、配線を隠したり、メンテナンスの利便性に頭を悩ませる必要も少なくなる。

新しいフィギュアは動きが滑らかで、いろいろなことができ、見ていて本当に面白い。

このスター・ウォーズの惑星に住む特級クラスのキャラクターを、いくつか紹介しよう。

ホンドー・オナカー – 『クローン大戦』に登場するウィークェイの海賊。現在は、オナカー・トランスポート・ソリューションズの経営者として、ある「配達」業務のためにチューイからミレニアム・ファルコンを借りている。アニマトロニクスのフィギュアは身長約210センチ。油圧ではなく最新の電動モーターで駆動する。ホンドーのフィギュアには合計約50の駆動箇所があり、ディズニーの全パークの中で2番目に複雑なアニマトロニクスだ。ちなみに、もっとも複雑なものは、上述のNa’vi Shaman(ナヴィ・シャーマン)だ。顔だけで40の駆動箇所があり、体全体では言うに及ばず。私たちは、2年前のロボット工学イベントでシャーマンに登場してもらったことがある。じつに見事な動きを見せる。しかし、ホンドーも負けてはいない。滑らかな動きと、自然な表情の変化、それに、彼が所有するR5ドロイドとの掛け合いがじつにリアルだ。

DJ R-3X – 以前はRX-24という形式だった。スター・ツアーズのパイロット、キャプテン・レックスとしてお馴染みだ。現在は、バトゥーのOga’s Cantina(オーガのカンティーナ)でDJを務めている。彼は、Imagineeringのチームや世界中のいろいろなアーティストが作曲した曲を演奏する。どの曲もポップな電子音楽風じで80年代っぽい。カンティーナの懐メロミックスも流れる。彼は胴体と腕を動かして機器を操作したり踊ったりする。曲は3時間で一巡し、音楽と会話で客を楽しませてくれる。面白情報として、Lucasfilmのクリエイティブ・エグゼクティブMatt Martinが教えてくれたところによると、レックスがバトゥーに流れ着くまでには、何ページにもわたる半生の物語があるとのことだ。

ドク=オンダー – アイソリアンの貿易商。ジェダイとシスの工芸品のコレクターとして名高い。私は、Imagineeringのアニメーション施設でドクが完璧に作動する様子を見てきたが、すごかった。身長はゲストの頭上数フィートの位置にそびえ、カウンターの後ろに座って従業員に指示を出す。ここでも、手や首の動きは大変に豊かで滑らかで、細かい部分がよくできている。彼は体全体を上下させることもできる。2つの口の唇は、よく響くステレオの声で話すとき、波打つように動く。

ニエン・ナン – 『ジェダイの逆襲』で、2つめのデススターを破壊する任務でミレニアム・ファルコンの副操縦士を務めたことで知られるサラスタン人パイロット。バトゥーでは、「Rise of the Resistance」アトラクションでゲストが乗船する輸送船の操縦士になる予定。

マイナーだがなかなか魅力的なキャラクターとして、噴水の中にカメオ出演するディアノーガがいる。かなり濁った水(演出だが)の中にときどき姿を現してゲストを驚かす。Creature Stall(クリーチャー房)の中にも、動くクリーチャーが大勢いる。ファンに人気のロズ=キャットウォートなどだ。Droid Shop(ドロイド・ショップ)にも、いろいろな種類の動くドロイドがいる。店の外には、「Play Disney Parks」アプリでゲストと遊んでくれたり、潤滑油の風呂でリフレッシュしているドロイドもいる。

興味深いのは、まだディズニーが公表していない、製作中のドロイドがいくつかあるらしいことだ。インタラクティブなフィギュアを作る部門には、まだたくさんのフィギュアがあり、新しい出し物でバトゥーを拡張する計画を、すでにImagineeringは考えている。また、ここに登場するロズ=キャットなどの小さなクリーチャーが、以前私が伝えた半自動のTiny Lifeプロジェクトに登場するのか否かは確認できなかった。

ブラック・スパイア・アウトポスト。

フィギュアをアニメーションさせる方法も、シャーシが新しくなったことにともない、アップデートされた。

「このプロジェクトで、とてもうまくいったことのひとつに、デザイン・ソフトウエアと、モデリングとアニメーションのソフトウエアとの間でデータの書き出しと読み込みを可能にするツールを、ソフトウエアのパートナー数社が開発してくれた点があります」と、ショー・メカニカル副エンジニアVictoria Thomasは話す。「そのフィギュアが何であり、ピボットがどこにあるかを3Dで正確に示したデータを彼らに送ることが可能になりました。彼らはそれを使って、彼らが動かしたい速度で正確にそれぞれの関節をアニメートできます。そこで、『おっと、肩のピボットが動かない。調整できるか?』みたいな貴重なフィードバックが大量に得られます」

「工程の初期にそうしたフィードバックを受け取ることで、フィギュアに生じるあらゆる問題の変更、その場での対処、修正、克服が可能になります」

アニメーションは、このランドを構成する他のすべてのデータと同じく、BIMの中で処理される。プレビズを作ることで、最終段階での頭痛や物理的な面倒を大幅に削減できる。

「早めに手を打てば、深刻な問題になる前に、問題に対処できます。とくにホンドーのフィギュアでは、『おや、彼の舞台ショーセットと位置からすると、彼のシーンでのオーディオに十分な余裕がないな。オンボードのスピーカーを付けよう』といった判断ができました」とThomasは話していた。

「他の場面では、『おい、大きなスピーカーがメンテナンスの人間がフィギュアにアクセスできるよう設けて置いた場所を塞いでる。このままではベースフレームのメンテができない』といった発見もありました」

「BIMとプレビズのお陰で、そうしたことが大幅に可能になったのです。もうひとつクールだったことは、フィギュアのモーションキャプチャー・データを最初に取得して、人間ならどう動くだろう? この動きは自然に見えるか? ゲストに喜んでもらうために、できるだけ有機的な動きにするにはどうしたらいい? といった要素を確認できた点です」

そうして出来上がったフィギュアは、現在のディズニーの技術では最高に見栄えのよいものとなった。そして彼らは、電気駆動のフィギュアのプレビズ制作においても最先端となった。それは、私たちが出会うことができるスター・ウォーズのエイリアンとしては、ほぼ本物に近い。

しかし、クールではあるものの、そうした住人はStar Wars: Galaxy’s Edgeの最大の呼び物ではない。

ライド

このランドには、2つのアトラクションがある。「Millennium Falcon Smuggler’s Run」(以降ファルコン)と「Star Wars: Rise of the Resistance」(以降ライズ)だ。「ファルコン」は、シミュレーションタイプのライドで、スター・ツアーズの超超進化版と言える。6人のクルーで、リアルタイムでコントロールができるのだ。「ライズ」は、簡単には説明できない。複数のステージのライドで構成されていて、全体として「実験的」アトラクションと言うのがもっとも相応しい。

これらのライドの開発には、ワイルドな新技術が使われている。既知の技術を新しい形で応用したものもあれば、正確に説明するにはレベルが雲の上過ぎて難しいものまである。

「ライズ」とシミュレーション

ディズニーは長い間、ライドのデザインとテストに、VRと拡張現実をいろいろな形で使ってきた。以前訪問したときの私の記事から引用すれば、カリフォルニア州グレンデールのImagineering本社には「The Dish」と呼ばれる大きなシミュレータールームがあり、そこは丸みをおびた部屋で、複数の高解像度プロジェクターが備えられている。そこは、簡単に言えば、「ホロデッキ」の役割を果たす。複数の人間がそこでライドやアトラクションを「見る」ことで、見た目や雰囲気に関する判断を下している。

建設中に撮影したミレニアム・ファルコン。

ユーザーは「Bowler Hat」(山高帽)と呼ばれるものをかぶる。それはその人の動きを追跡して、歩いて移動するごとに、それに合わせて視点を調整する。私たちはバトゥーの中や周囲を飛び回ることができ、翌日、現地に実際に行ったときに見ることになっていた光景を、仮想的に見ることができた。

しかしディズニーは、ライドのシミュレーションに、VRをもっと過激な形で使ってきた。とくに、Imagineeringの敷地の倉庫の中に作られた完全な乗用車両だ。それは、幅広の長さ30メートルのリングの中で車用の仕切りに囲まれていて、「ライズ」の線路のない車両と同じに動く。

「私たちは、あらゆる車両の動きを、VRを使って早期にテストできます」とApril Warren。「車両に乗ってVRヘッドセットをかぶれば、このアトラクションが将来どんなものになる、かわかるでしょう。私たちはこれを、すべてリアルタイムで行いました。本当にエキサイティングでした。このワークフローなくして、このアトラクションは作れなかったと思います。私たちはアトラクションを細かく分解して、社内で乗れるようにしました。私たちの車両で得られると私たちが考えていた体験が、このアトラクションの中で得られるものと同じかどうかを現実に確認できるようにしたのです」

「驚いたのは、実際の建物の中に入ったときに、すでに設備が設置されていたときです。私たちは、そこに行ったことがありませんでした。少なくとも私は。中を歩くと、VRで見たとおりだとわかり、こう言いました。『なんてことだ、自分がどこにいるかわかるぞ。すべて見たことがあるから、ここをどう歩けばいいかわかる。ここは、こうなるだろうと想像していたのとまったく同じだ』とね。めちゃくちゃエキサイティングでしたよ」

その装置そのものも、かなりワイルドだ。席の配置も、「ライズ」の車両とまったく同じに作られている。乗車すると、有り余るパワーのコンピューターが乗っているすべての人のヘッドセットに映像を送り、モーターを回転させて、映像と完璧に同期するように床の上で車両を動かす。これにより乗っている人は、宇宙を飛行する映像と引力がミックスされた幻影を感じる。この装置を見せてくれたImagineeringでは、この効果を「Visceralization」(ビセラライゼーション:心の底から感じさせること)と呼んでいる。史上最高にヤバいVRシミュレーターだ。

我々がシミュレーション・センターを訪問している間、そこではVRライドを開発しているのではないと、ディズニーは明言していた。そうではなく、彼らはVRを使った体感的なライドを開発しているのだという。方々の遊園地でVRが普及し始めている今、この違いは重要だ。

「ライズ」の「体験」そのものの分類は、さらに困難だ。私たちが現地で見学させてもらったものは、後で聞いたことによると全体の1/3だという(その数字に衝撃を受けた)。そこへは、バトゥーの村の門の外にあるレジスタンス区域を通って行く。レジスタンス区域にはスターファイター(XウィングファイターとAウィングファイターが映画のままに再現されている)があり、レジスタンスのメンバーが、1日中、決められた間隔で忙しく戦闘準備を行う様子が見られる。ゲストが並ぶ通路沿いにはいくつかの部屋がある。スター・ウォーズではいたるところに登場するケーブル類で柵をされた植木の脇を通り、けんかっ早い反乱軍が占拠していた昔の名残りの部屋などを抜けて行く。

ゲストはスター・デストロイヤーの通路を通る。

いくつかの部屋を抜けると、岩を「レーザーカット」でくり抜いた区域に出る。そこは、天然または人工の洞窟を掘ったかのように見せかけてある。部屋には、衣料品、日用品、軍用品が山積みされている。ブラスターやパイロットの制服が金網の戸棚にしまわれている兵器庫もある。ファストパスの人と並んでいる人の列をひとつにするコミュニケーション・ハブの部屋もある。全体的に効果は抜群だ。映画から抜け出たような窮屈な基地の中を歩いている感覚がする。

ところで、この通路には、家族連れや子どもたちが休めるように、大きな岩を削って作ったような座面の低いベンチがある。子どもと長い行列で待つのがどんなものかをよく知る父親のひとりであるエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターJohn Larenaは、冗談めかして、個人的な勝利だと話していた。

そこから、ゲストはブリーフィングルームに通される。そこでは高い戸棚の上に置かれたアニマとロニックのBB-8が、ミッションの護衛役となるポー・ダメロンのビデオ映像と会話している。その他にも、レイやフィンのフォログラム映像も見られる。

そこから、ポーのXウィングファイターが出撃準備をしている着陸パッドを右に見て進む。そしてUウィング輸送船に、仲間の乗客と乗り込む。ニエン・ナンとポーが操縦する輸送船が離陸し飛行する様子をシミュレーターが体験させてくれる。ここでは、兵員輸送の際の立ったままの乗船が求められる。するとすぐに、スター・デストロイヤーに拿捕され、船内に牽引されてしまう。

それから、ここではまだ言えないライドの魔法を体験すると、ドアが開き、私の記憶の限りではいちばん驚いたライドが登場する。実物大のスター・デストロイヤーのハンガーベイだ。黒い床も広々としている。タイファイターは搭乗ラックに整列し、そしてそう、巨大な窓からは外の宇宙が見渡せる。当然のことながら、ファーストオーダーの艦隊も浮かんでいる。

ゲストはスター・デストロイヤーの通路を抜けて行く。

仰天していると、ファーストオーダーの士官によって、ゲストはグループ分けされる。ちなみに、士官は制服を着た本物のキャストだ。そして完璧に作り込まれた通路を通って、ポー・ダメロンが捕らえられていた監獄とそっくりな部屋に入れられる。ここで、ゲストはカイロ・レンと遭遇し、冒険はさらに続く。

見学ツアーはここまでだった。車両に乗るところまでは、まだ行けない。そこでは、さらに多くのファースト・オーダーの兵士やAT-ATなど、未公表のキャラクターが登場する予定だ。

かなり大規模なアトラクションだ。ディズニーのパークでは、これほど大きなものは見たことがない。しかもこれは、2つあるアトラクションのうちの1つに過ぎないのだ。

ファルコンを飛ばす

もうひとつは、もちろん、「ファルコン」ライドだ。これには山ほど質問がある。この飢餓感を満たすために頑張ってみた。

バトゥーのひとつの入口から、初めて「ファルコン」に向かうと、超現実的な感覚に包まれる。映画で見たのと同じ、全長33.5メートルの実物大のファルコンがそこにある。細部にまでこだわって作り込まれていて、この区域の中心的存在として活躍することになっている。船からは定期的にガスが放出され、ホンドーの手下の技術者たちが常にエンジンを整備している。これはランドの中で生きているキャラクターだ。

「Millennium Falcon: Smugglers Run」の内部。

整備ベイに入り、オーナカのトランスポート・ソリューションズの店内に通じる道を歩く。構台にのぼり、配送場や機械工房を通ることで、ファルコンをあらゆる角度から眺めることができる。そしてついに、あのなじみ深い、チクレットガムのような壁のファルコンの通路に入る。待機場所は、みんながよく知る、チェスボード(現在はホログラムは見られない)や通信コンソールが置かれた船内の部屋だ。この部屋のあらゆるものが、ボルト1本にいたるまで、映画に忠実に作られている。虫眼鏡を取り出してよく見れば、それがミレニアム・ファルコンそのものであることがわかるだろう。

そこから、搭乗カードを手渡されて6人のグループに分けられ、コックピットに案内されるのを待つ。

かの有名なチェスの部屋。

「ファルコン」は、前述のとおり、銀河系でもっとも有名な宇宙船のコックピットに乗れるシミュレーターライドだ。コックピット(大勢のゲストをさばけるように複数あるが、いくつあるかは明かされていない)には6人が乗れる。2人がパイロットで、2人が砲撃手、2人が航海士だ。ファルコンでミッションをうまく遂行するには、全員の協力が必要になる。だが、どうにかこうにか、遂行されることになっている。

シミュレーションはUnreal Engineで駆動され、メカニズムには、スター・ツアーズに使われていたシステムをうんとアップグレードしたものが使われている。各コックピットにはリアルタイム・レンダリング・システムが割り当てられていて、コックピットを取り囲む5つのスクリーンに複数のプロジェクターから投影される映像が、フィードバックハブにより、つなぎ目なく合成される。クルーの一員として誰かが下した決断は、すべてが画面上にアクションとして反映される。すべてリアルタイムで処理されるため、あらかじめ映像がレンダリングされることはない。ディズニーは、このシステムを支える「魔法」のパワーについては話したがらないが、去年、Nviriaが少し話している。

村の名前はブラック・スパイア・アウトポスト。

Walt Disney Imagineeringは、アトラクションを駆動する新技術を開発するため、NVIDIAとEpic Gamesと手を組んだ。これが始動すれば、ライドのコックピットは、Quadro SLIで接続された8基のNVIDIA Quadro P6000 GPUを搭載した1基のBOXXシャーシで駆動できるようになる。

Quadro Syncは、5基のプロジェクターの映像を同期させて、まばゆいばかりの高解像度映像を映し出す。完璧に同期された映像により、惑星バトゥーの世界にいる搭乗員たちは、完全な没入感を味わえる。

NVIDIAとEpic Gamesとの協働により、Imagineeringチームは、Unreal Engineのための、独自のマルチGPU実装プログラムを開発した。この新しいコードは、Epic Gamesチームに戻され、そのエンジンにマルチGPUの機能がどう影響するかを検証してもらう。

「私たちはNVIDIAのエンジニアと協力して、MosaicやGPU間の読み取りなどのQuadro固有の機能を使い、私たちが求める性能特性を発揮できるレンダラーを開発しました」と、Disney Imagineeringテクノロジースタジオ・エグゼクティブのBei Yangは話す。「8基のGPUを接続することで、これまでにない性能に達することができました」

私個人にとって、その効果は非常に大きかったが、見たのはハンガーベイのほぼ静止した映像だけだ。

コックピットに入ると、それはまさに幽体離脱状態だった。これは恥ずかしげもなく認める。どんだけ「しっくり」きたか、その感覚は半端じゃない。6つの座席にはすべてシートベルトがあり、どれも見慣れた感じに使い古されている。さらにすごいのは、パイロット席には、それぞれ脇や前方に大量のボタンが並んでいることだ。正方形や長方形をしたボタンは、それぞれが光るリングで囲まれていて、ミッションの間、その人の「出番」になると、最良の結果につながるボタンが点滅して、それを押すように促される。トグルスイッチにも、先端に小さなLEDが仕込まれていて、同じ働きをする。このことは、ぜひお伝えしたかったのだが、大きくてごっついトグルスイッチは見た目が心地よく、押しボタンもよく吟味されている。きちんと押すにはある程度の力がいるが、それがまた心地いい。どれも「しっくり」くるスイッチだ。

それから、右側に座ったパイロットには、ハイパースペース航法のレバーを引く役割が与えられる。その引き心地がまたいい。

ファルコンの「操縦」方法を説明しよう。パイロットは左右の舵とスロットルを担当する。座る席によって、タイファイターを撃ち落とすためのボタンや、撃ち損じたときに砲撃を止めるボタンがある。

フライトごとに内容は変わるが、「ファルコン」でフライトに「失敗」することはない。初心者でも上級者でも、その人の能力に応じて成功できることになっている。しかも、ブラック・スパイア・アウトポストの人々は、ファルコンを操ったチームを讃えてくれる。うまくやっても、うまくいかなくてもだ。

「ゲストが望むならば、彼らに対するリアクションをある程度変化させることができます。経験を積んだときだけでなく、アトラクションや、特定のキャラクターに会ったときなどでもです」と、Disney Parks, Experiences and Productsの会長Bob Chapekは言う。「ゲストのことを記憶しておいて、それなりに反応するという以外に、何回か来園すると、前にも来てくれたことを思い出します。その結果、よりずっと親密な対応ができるのです」

いろいろ聞いてみたが、まだ大きな疑問符が私の中に残っている。それは、店主やキャラクターが、どうやってゲストを記憶するかだ。Play Disney Parksアプリで行いそうだが、彼らの態度から察するに、そうではないようだ。つまり、まだ公開されない何かがある。フロリダのパークで使われているMagic Bandsのようなシステムだろうか。それは、これからわかることだ。

ランドはライドだ

Imagineeringは、Star Wars: Galaxy’s Edgeは3つのメインのアトラクションで構成されると考えている。2つのライドと、ランドそのものだ。5つのレストランと5つの売店に加えて、ランドには2つの異なる生態系があり、Play Disney Parksアプリで遊べるアクティビティーが備えられている。ランドに入ると、アプリはスター・ウォーズ・モードに切り替わり、スキャン、翻訳、音楽、仕事といったツールが使えるようになる。このツールを、バトゥーで発せられるに数十基のBluetoothビーコンにつなげることで、ドロイドを動かしたり、船をハックして配線図をダウンロードしたり、ドアパネルから秘密のメッセージを受け取ったり、ファースト・オーダー、レジスタンス、密輸業者に所属する3つの派閥の通信を聞いたりできる。また、ランド内で話されたり書かれたりしているエイリアンの言葉の通訳もしてくれる。

これらの派閥に仕事で挑むこともできる。なかには、ランドに滞在中に、スキャンを使って、レジスタンスとファースト・オーダーの力のバランスをレジスタンス有利に傾ける壮大なゲームもある。このゲームでは、デジタルのコレクションアイテムがもらえる。ライドを待つ間にミッションを遂行するゲームもある。ひとつは「ファルコン」用で、もうひとつは「ライズ」用だ。どちらの側も楽しめる。

こんな感じになる。たとえば、密輸業者の派閥に入ったとしよう。すると、ライドの列に並んでいるとき、ホンドーから「おい、マシューじゃないか?」と名前で呼ばれたりする。

これは、どう考えても壮大な仕事だ。ブラック・スパイアの村やその周辺の領域を歩いて回ると、まだまだ建設半ばであることがわかる。ディズニーは昼夜を問わず、物語性や没入感という面で大きなリスクになりかねない仕事を懸命に推し進めている。スター・ウォーズの世界は、ファンの観点からすれば「おいしい」出し物に思えるが、その注目度の高さは、ディズニーにとって、すべてを最初から「正しく」やらなければならないという圧力にもなっている。私たちが見学した段階で、まだ作業員たちは切ったり塗ったり盛ったりしていた。夏はもうすぐだ。そして、バトゥーまでの道はまだ遠い。

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(翻訳:金井哲夫)

ディズニー、Huluが原因で昨会計年度の損失は5.8億ドル

ストリーミングメディア・ビジネスは厳しい。Huluの株式を30%保有するDisneyは、前会計年度に5.8億ドルの損失を記録していたことがSEC提出文書からわかった。

提出文書によるとこれは「主として当社のHuluへの投資による多額の損失によるものであり、前年度に買収したBAMTechによる損失の減少によって一部相殺された」

BAMTechはESPN+などのサービスを支えるストリーミング技術だ。昨会計年度全体でDisneyの損失のうち10億ドル以上がストリーミングによるものだった。

一方、Disneyは自社のストリーミングサービスDisney+を2019年に公開予定だ。DisneyはHuluへの投資を増額することも計画中で、オリジナルコンテンツと海外展開に力をいれる。

Disneyは21st Century Fox買収の一環として、さらにHuluの30%を取得する見込みだ。もしHuluのビジネスが今会計年度と変わらなければ、Disneyの損失は増えるばかりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook