マンガを独自技術でローカライズし短時間で世界中の読者に配信するシンガポールのINKR

デジタルコミックのプラットフォーム「INKR」のチーム(画像クレジット:INKR)

INKR(インカー)は、独自のローカリゼーション技術を用いることで、クリエイターが文化や言語の壁を越えて世界中の読者にリーチできるデジタルコミックのプラットフォームだ。これまで自己資金のみで運営してきた同社だが、米国時間7月28日、プレシリーズAの資金調達を行い、310万ドル(約3億4000万円)を調達したことを発表した。今回の資金調達はMonk’s Hill Ventures(モンクス・ヒル・ベンチャーズ)が主導し、マンガ配信会社TOKYOPOP(トーキョーポップ)の創業者兼CEOであるStu Levy(ストゥ・レヴィ)氏が参加した。

シンガポールに本社を置き、ホーチミンにもオフィスを構えるINKRは、2019年にKen Luong(ケン・ルオン)氏、Khoa Nguyen(コア・グエン)氏、Hieu Tran(ヒュー・トラン)氏によって設立された。同社によると、2020年10月に運営を開始して以来、月間平均ユーザー数は200%増加しているという。現在はFanFan(ファンファン)、Image Comics(イメージ・コミックス)、Kodansha USA(講談社USA)、Kuaikan(快看)、Mr. Blue(ミスター・ブルー)、SB Creative(SBクリエイティブ)、TOKYOPOP、Toon’s Family(トゥーンズ・ファミリー)など、70以上のコンテンツクリエイターや出版社と提携しており、これまでにマンガ、ウェブトゥーン、グラフィックノベルなど、800以上の作品を読者に提供している。

INKRのルオンCEOは、TechCrunchの取材に対し、このプラットフォームはまず、世界的なトップ出版社の翻訳コミックから力を入れていくものの、2022年には小規模な出版社やインディーズのクリエイターにも開放する計画があると語った。

INKRのプラットフォームの核になっているのは、独自のローカリゼーション技術だ。これによって、異なる市場に向けてコミックを準備するために必要な時間を、数日から数時間に短縮することができるという。

「コミックのローカリゼーションは、単に翻訳するだけではありません。ファイル処理、転写、翻訳、植字、効果音、品質管理など、多くの人が関わる多くの段階が必要な、時間のかかるプロセスです」とルオンCEOは語る。

INKRが配信している作品の一部(画像クレジット:INKR)

漫画の出版には、言語の違いだけでなく、日本の漫画、中国の漫画(manhua)、韓国の漫画(manhwa)、米国のコミックなど、世界各国のコミックスタイルの違いも考慮する必要がある。例えば、漫画には1ページずつレイアウトされているものもあれば、縦にスクロールして読み進めるものもある。左から右へ読む言語もあれば、右から左へ読む言語もある。

ルオン氏によると、INKRが独自に開発したAIエンジン「INKR Comics Vision(インカー・コミックス・ビジョン)」は、テキスト、セリフ、キャラクター、表情、背景、コマなど、コミックページ上のさまざまなフォーマットや要素を認識することができるという。また、人間の翻訳者のためのツール「INKR Localize(インカー・ローカライズ)」は、テキストの書き起こし、語彙の提案、タイプセットなどの作業を自動化することによって、正確な翻訳をより早く提供するために役立つ。

ローカライズ作業は、世界各地の異なる場所にいる人たちのチームによって行われるため、INKRはブラウザベースのコラボレーションソフトウェアを提供している。このプラットフォームは現在、日英、韓英、中英の翻訳に対応しており、今後も言語の追加が予定されている。快看漫画やMr.Blueなどの出版社では、中国語や韓国語で書かれた何千話もの漫画を英語に翻訳するためにINKRを使用している。

INKRはコンテンツ制作者に、広告サポート、購読料、各話ごとの支払いなど、収益化する手段の選択肢をいくつか提供している。ルオン氏によると、同社のプラットフォームはコンテンツを分析し、どの方法が収益を最大化できるかを判断してパブリッシャーに知らせ、得られた収益の一定割合を分配するという。

INKRと競って注目を集めているデジタルコミックプラットフォームには、他にもAmazon(アマゾン)が運営するComixology(コミクソロジー)や、韓国のNaver Corporation(ネイバー株式会社)が運営する出版ポータルのWebtoon(ウェブトゥーン)などがある。

ルオン氏は、INKRの競争力の強みとして、提供するコミックの多様性と価格の手頃さを挙げている。また、同社が起ち上げ前にデータとAIベースの技術に投資したことも、読者と出版社の両方に向けた強みとなっている。これによってユーザーは自分の読書活動に基づいてパーソナライズされた「おすすめ」作品を受け取ることができ、出版社は分析ツールを利用して消費傾向に基づく作品のパフォーマンスを追跡することができる。

Monk’s Hill VenturesのジェネラルパートナーであるJustin Nguyen(ジャスティン・グエン)氏は声明の中で、INKRの「独自のAIを活用したプラットフォームは、デジタル化とグローバル化を必要とするクリエイターやパブリッシャーの痛点に対応できます。多くの言語に、迅速かつ優れたコスト効率でローカライズすることが可能であり、それと同時に、分析ツールやパーソナライズされたインテリジェントなフィードによって、リーチと読者数の向上を支援します。私たちは、世界中の翻訳コミックに対する大きな需要に応えるために、彼らとパートナーシップを組めることを楽しみにしています」と述べている。

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タグ:INKRデジタルコミック電子書籍ローカライズ翻訳シンガポール資金調達人工知能

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

離婚手続きを弁護士のサポートを受けながらスムーズかつ低コストで進められる「Hello Divorce」

離婚は修羅場でストレスをともなう。費用がかかるために法律専門家のサポートを受けることができなければなおさらだ。オンライン離婚のスタートアップHello Divorce(ヘローディボース)はこのプロセスをよりリーズナブルな費用で、そして迅速なものにするプラットフォームを開発している。

目的を達成するためにカリフォルニア州オークランド拠点のHello Divorceは米国時間7月29日に200万ドル(約2億2000万円)のシードラウンドを発表した。本ラウンドはCEASがリードし、Lightbank、Northwestern Mutual Future Ventures、Gaingels、そしてClioのCEOであるJack Newton(ジャック・ニュートン)氏やWRGのLisa Stone(リサ・ストーン)氏、Equity ESQを率いるEd Diab(エド・ディアブ)氏ら個人投資家も参加した。

統計によると、米国の離婚件数は年平均75万件で、離婚にかかる平均費用は居住する州にもよるが8400〜1万7500ドル(約92万〜192万円)の間だ。複数の情報ソースは、離婚業界は年500億ドル(約5兆5000億円)としている。

家族法を専門とする弁護士のErin Levine(エリン・レヴィン)氏は、離婚するカップルが「手頃価格の有意義な法律相談」とオンライン上のもの以外のリソースにアクセスできるよう、2018年にHello Divorceを創業した。時間単位で請求が発生する弁護士のためのモデルは、離婚に向けた簡単でクリーンな手続きを求めている消費者にとって「時代遅れのプロセス」だとレヴィン氏はTechCrunchに語った。

「現在、弁護士は情報の管理人であり、クライアントは離婚手続きが完了するまで費用を支払い続けています」とレヴィン氏は話す。「離婚は形式以上のものです。困難を伴い、大方の人はサポートを必要とし、サポートを求めます。そこにはテクノロジーの使用という点で大きな欠落があり、カップルに主導権を握らせて諍いのレベルを下げるために費用を見直しました」。

今回のシード資金でHello Divorceは、法的手続きのオプションの全米での急速展開、画期的なプロダクトの改良、消費者が離婚のプロセスについてよく情報を提供され、かつコントロールできていると感じる必要がある、これまで以上のコンテンツとサービスを提供する計画だ。

Hello Divorceはソフトウェアと利用できる法律サービスをDIYオプションで99ドル(約1万1000円)からの価格で提供し、離婚手続きを3分の1の時間で、そして完全リモートで終わらせるための法律サポートを平均2000ドル(約22万円)で提供している。

レヴィン氏は、大半の人が離婚するのに2〜5年かかり、その間、費用を賄えないのではと怯え、そしてもし子どもがいる人なら子どもを失うことも恐れる、と話す。そして80%の人が弁護士にアクセスできない。

Hello Divorceはすでに黒字だが、インフラを構築し、CEASやLightbankのEric Ong(エリック・オン)氏のような投資家が「何を知っていて、何を知らないのかは明らかです」と言いつつアイデアなどを出すガイダンスを得るためにベンチャー資金を求めた。

オン氏は、今回のラウンドの共同投資家を通じてレヴィン氏と知りあった。その共同投資家はオン氏に、Hello Divorceは共感するものだと語った。Lightbankはカテゴリーステージの企業に投資していて、オン氏はレヴィン氏とレヴィン氏のチームが手がけていることにひきつけられた。

「彼らは専門性と、既成概念にとらわれない考え方の両方を備えています」とオン氏は話す。「80%の人が有意義な代理人を得ていません。我々は顧客バリュープロポジションを提供するテクノロジーを求めましたが、Hello Divorceが登場するまではそうしたものはありませんでした」。

Hello Divorceはシード資金を、法的手続きオプションの全米での急速展開、プロダクト開発、Hello Divorceのウェブサイトにやってくる人々を教育するための新たなコンテンツとサービスに注ぐ計画だ。

Hello Divorceのサービスはカリフォルニア、コロラド、テキサス、ユタの4州で利用できる。最初にサービスの展開を始めたこれらの州の選択は戦略的なものだった、とレヴィン氏は話した。同氏はカリフォルニア州の法律に精通していて、一方でコロラド州は離婚のシステムが複雑だ。テキサス州は同性婚カップルが離婚するための簡素化された方法がなく、これは取り組みたかったものだったと同氏は話した。そしてユタ州には新しい規制スキームがある。同氏は次にニューヨーク州とフロリダ州にサービスを広げ、そこではバイリンガル・フォーマットで展開する。

2018年以来、Hello Divorceは前年比100%成長を続けており、プラットフォームでの処理を開始してからの離婚成功率は95%だ。2020年に同社は、離婚と共同養育を考えながらのロックダウン中の隔離生活に関連する2000件もの問い合わせを受けた。

「とどまるか、それとも出て行くべきか、そして離婚がどのようなものになるか、という問い合わせが増えました。パンデミックが離婚にどう影響を及ぼしたのか、全体像を把握するにはもうしばらくかかるでしょう」とレヴィン氏は述べた。

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タグ:Hello Divorce離婚資金調達弁護士

画像クレジット:Hello Divorce

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi

マスク氏はアップルのApp Store手数料を「インターネットにおける税」と呼ぶ

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、App Storeの独占訴訟においてEpic Gamesを支持している。TeslaのCEOは米国時間7月30日の朝、Apple(アップル)のApp Storeの料金を「インターネットに対する事実上の税。Epicは正しい」とツイートした。

Epic GamesとAppleの法廷闘争は何年も続くことは間違いなく「Fortnite」のメーカーは世論を味方につけることも目的としていることを隠していない。マスク氏のこの信任投票は、本テーマについてまだ明確な意見を持っていない消費者に影響を与える可能性がある。

Appleは、不満のある開発者は、自社製品をAndroidやiOSのモバイルウェブに移すことができると公に主張してきたが、Epic Gamesなどは、Appleがアプリに対する取り組みは、独占状態に他ならないと主張している。

なぜマスク氏がこの問題を取り上げたのかは、あまり明確ではない。マスク氏は、自分と関係のない争点について外野から意見を述べることはほとんどない。現在、マスク氏の会社はいずれもApp Storeからの課金に強く影響を受けていないようだが、水面下で何かしらのアクションが起きている可能性はある。

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タグ:イーロン・マスクAppleApp StoreTwitterEpic Games裁判

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

EUがAmazonに過去最大約971億円の罰金、ターゲット広告目的で顧客データを使用

ルクセンブルグのデータ保護当局National Commission for Data Protection(CNPD)は、ターゲット広告目的で顧客データを使用していたとして、Amazon(アマゾン)に対しGDPR(一般データ保護規則)の罰金として過去最大の7億4600万ユーロ(約971億円)を科した。

Amazonはこの決定を米国時間7月30日にSEC(米証券取引所)に提出した書類の中で明らかにした。その中で同社は、決定は根拠がないと批判し、また「この問題について強力に」異議を唱える意向も示した。

「顧客情報のセキュリティと信頼の維持は最優先事項です」とAmazonの広報担当は声明で述べた。「データ流出はなく、顧客データがサードパーティに漏えいしたこともありません。こうした事実は明白です」。

「当社はCNPDの決定に強く抗議します。そして控訴するつもりです。当社が顧客にどのように関連広告を表示していたかに関する決定は、欧州プライバシー法の主観的、かつ立証されていない解釈に基づいています。また示された罰金の額は、そうした解釈にすらもまったく見合っていません」。

今回の罰金は、プライバシー権を主張するフランスのグループLa Quadrature du Netによる2018年の訴えの結果だ。同グループは、政治的あるいは商業目的で行動を不正操作するために欧州人のデータがテック大企業によって使われることがないよう、多くの人の利益を代表していると主張する。Apple、Facebook、Google、LinkedInもターゲットにし、1万人超を代表して苦情を申し立てた同グループは、顧客がどの広告と情報を受け取るかを選ぶことでAmazonは商業目的のために顧客をコントロールしたと主張している。

La Quadrature du Netは「最悪の事態を懸念した3年間の沈黙の後に出された」CNPDの罰金の決定を歓迎した。

「我々のプライバシーと自由意思の搾取に基づく経済的支配のモデルは大いに規則に反しており、我々の民主的社会が擁護を主張するあらゆる価値観に背いています」と7月30日のブログ投稿で述べた

CNPDはまた、Amazonに商慣行の見直しも求めた。しかし、当局はこの決定について公にしておらず、Amazonもどのような商慣行の改善が求められているのか具体的に示さなかった。

GDPRに違反したとしてGoogleが2019年に科された5000万ユーロ(約65億円)を超える過去最大の罰金は、Amazonの欧州事業に厳しい目が向けられている中でのものだ。2020年11月に欧州委員会は、Amazonのプラットフォームを使っているサードパーティの事業者との競争で自社の立場を悪用したとして、Amazonに対し正式に独禁法違反を指摘した。と同時に、欧州委員会は自社サイトやパートナーのサイトでの自社プロダクトの優遇措置の疑いでAmazonに対する2つめの調査を開始した。

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画像クレジット:Natasha Lomas

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

日本のスニーカープラットフォームSODAが急成長でライバルのMonokabuを買収

SODAのシリーズBをリードしてからわずか半年後のSoftBank Ventures Asiaが、この東京のスニーカー再販プラットフォームへの賭け金をつり上げている。SoftBank Groupのアーリーステージベンチャーキャピタル部門であるSVAは米国時間7月28日、またSODAに戻ってきて同社のシリーズCをリードする、と発表した。その現在の額は5640万ドル(約61億8000万円)とされている。

その他の投資家は、韓国のスニーカー再販プラットフォームKREAMとAltos Ventures、そしてJAFCOだ。KREAMはSVAのポートフォリオ企業でもある。

2018年にローンチしたSODAが運営しているSNKRDUNKは日本最大のスニーカー再販プラットフォームの1つで、月間ユーザー数は約250万に達する。今回新たな投資とともにSODAが発表したのは、ライバルのMonokabuを買収したことだ。SODAによると、この買収によって同社のスニーカー再販におけるマーケットシェアは80%になり、群を抜いたマーケットリーダーになる。

SoftBank Ventures Asiaの広報担当者はTechCrunchに、SODAに再び投資することに決めたのは、同社の成長が前の投資以来大きくなっているからだ、と述べた。SODAの投資前の評価額は今や約240億円、米ドルで約2億1800万ドルとなる。

SODAのシリーズCの一部は、他のアジア市場への進出のためにも使われる。最初はインドネシア、2022年にはフィリピンを予定しているが、いずれもeコマースの市場が成長しており、Z世代の人口比率が大きい。SNKRDUNKにとって理想的な、2つの市場条件を有している。

この前のシリーズBの2200万ドル(約24億円)は、1月に発表された。当時、創業者の内山雄太氏はTechCrunchに、スニーカーの需要はパンデミックの経済への影響にもかかわらず高いし、オンラインショッピングにも人気があるから売上は伸びている、と語っていた。

SODAは2021年5月に、3470万ドル(約38億円)という記録的な売上を達成した。それは、前年同期比で900%の成長だ。新型コロナウイルスにも関わらず、多くのスニーカーC2Cマーケットプレイス、たとえばStockXなども、売上が増加した。

SNKRDUNKはKREAMとの協力関係があり、スニーカーの真偽認証や在庫管理、ロジスティクスなどオペレーション関連の知識を共有している。両社合わせてアジアにおけるスニーカー再販市場のシェアを増大することが目標だ。

SoftBank Ventures AsiaはKREAMとSODAだけでなく、中国のスニーカー売買プラットフォームNiceにも投資している。

関連記事:スニーカー特化型フリマ「スニーカーダンク」運営がソフトバンク系ファンドなどから累計25億円調達

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タグ:スニーカー(製品・サービス)スニーカーダンク(製品・サービス)SODA(企業)ファッション(用語)フリマアプリ(用語)モノカブ資金調達(用語)買収 / 合併 / M&A(用語)日本(国・地域)

画像クレジット:SODA

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る

Facebook(フェイスブック)のCFOがアナリスト向けの四半期決算発表で財務の詳細を説明した後、CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、Facebookを「メタバース企業」にするという野望を特に強調しながら、会社の将来の目標について語った。

「私たちが目指している未来と会社全体の主要な取り組みのマッピングについてみなさんに知っていただくために、今、この話をしたいと思いました」とザッカーバーグ氏は電話で話した。「メタバースとは何か。それは、デジタル空間で人々と一緒にいることができる仮想環境です。見ているだけではなく、その中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」と語った。

これらのコメントは、先週The Vergeに寄せられたインタビューの内容に呼応しており、同社の将来的な目標の一部を詳しく説明している。

メタバースは同社に、ムーンショットの取り組みと本業との間に一線を画す機会を与える。拡張現実や仮想現実のプラットフォームで輝きを放ちながら、モバイルかデスクトップかを問わず、親しみやすい、広範囲にわたるハブを構築する。ザッカーバーグ氏のメタバースの定義は広めだが、つまりそれはウェブページの集合体ではなく、MMO(多人数が同時にオンラインで参加するコンテンツ)のように感じられるウェブのバージョンを構築するということだ。

FacebookのHorizonプラットフォームの初期の画像。画像はFacebookより

今では考えられないが、Facebookはモバイルで遅れをとっていた。10年前、Facebookのアプリは、バグが多く、クラッシュしやすいHTML5ベースだった。大手ソフトウェアメーカーでは、スムーズなネイティブアプリが標準になりつつあったにも関わらずだ。2012年になると、Facebookの創業者であるザッカーバーグ氏は、アプリにこそ未来があり、急速に現在存在するようなものになりつつあることを認識し、同社の注意をあらゆるレベルのモバイルに向けようと奔走した。Facebookは同じ過ちを繰り返すつもりはない。その哲学は、同社が2014年に業界をリードするVRハードウェアメーカーOculus(オキュラス)を買収したときに初めて明らかになった。

「モバイルは今日のプラットフォームだが、現在、明日のプラットフォームの準備もしています」とザッカーバーグ氏は、その20億ドル(約2200億円)の買収の頃に語っていた。「Oculusには、これまでで最もソーシャルなプラットフォームを作り、私たちの仕事や遊び、コミュニケーションの方法を変えるチャンスがあります」。

「メタバース企業」になることは、この考えをさらに進化させたものだ。多くの人にとって、Roblox(ロブロックス)は今日のメタバースを最も明確に体現しているように思われる。ユーザーが仮想体験の間を行き来しながら、その中で自分自身の体験を作り出すことができるソーシャルワールドだ。仮想現実体験ではなく、主にモバイルとデスクトップで展開されている。Robloxのビジョンは投資家の共感を得た。現在は公開会社である同社の価値は450億ドル(約4兆9500億円)を超えた。これはFacebookの価値のほんの一部だが、欧米のゲーム会社のほとんどを上回っている。

Facebookはこの分野に引き続き関心を示している。2021年6月にはCraytaというRobloxに似たプラットフォームを買収し(金額非公開)、ここ数年はVRに特化したゲームスタジオを次々と買収してきた。

Facebookは独自のVR中心のソーシャルハブを構築しようとしたが、ほとんどが失敗に終わった。Facebookのメタバース的なプラットフォーム「Horizon」は、2年近く前に発表されたときには大きな注目を集めたが、静かすぎるベータ期間中、同社がこれに関して言及することはほとんどなかった。FacebookのAndrew Bosworth(アンドリュー・ボズワース)氏は今週、Instagram(インスタグラム)のVishal Shah(ビシャール・シャー)氏が率いるメタバースを中心とした新しいプロダクトグループの下、ゲーム担当VPのVivek Sharma(ヴィヴェーク・シャーマ)氏がこの取り組みを引き継ぐことを明らかにした

ARやVR企業ではなく「メタバース」企業としてリブランディングするというFacebookの選択には、非常に特別な意味がある。空間的なインターネットを実現するためには、専用のハードウェアが不可欠だと考える向きもあるかもしれない。だが、他の新しいゲームプラットフォームが大きく成長を加速させている中で、ユーザーが初期に登場したようなヘッドセットを求めていないことが次第に明らかになってきた。FacebookのQuest 2ヘッドセットは、それまでの製品よりもはるかに売れ行きが良いようだ(Facebookは販売数量を発表していない)。はっきりしないのは、このメタバースの理想を受け入れるために、Facebookグラスやヘッドセットを顔に装着したユーザーで世界がいっぱいになる必要が本当にあるのかどうか、あるいは、それは最後に添えるチェリーのようなものにすぎないのかということだ。

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タグ:Facebookマーク・ザッカーバーグメタバースOculus

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Lucas Matney、Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックが予想を上回る第2四半期決算を発表、今後は広告事業への「逆風」を警告

Facebook(フェイスブック)は、第2四半期の決算を米国時間7月28日に発表した。その売上高は290億ドル(約3兆1800億円)と、アナリストの予想を上回った。

この世界最大のソーシャルメディア企業は、2021年度の第2四半期の売上高が、前年同期の186億ドル(約2兆400億円)から50%増となる278億ドル(約3兆500億円)と予想されていた。1株当たり利益は3.61ドル(約396円)と、こちらも予想を上回った。

新型コロナウイルスの世界的流行に見舞われた1年を経て、経済的に半正常な状態に戻った最初の決算期に、Facebookは予想通りユーザー数の増加を達成させた。3月末時点で、Facebookは各アプリのネットワーク全体で28億5000万人の月間アクティブユーザーを抱えていた。第2四半期末(6月30日)の時点では、月間アクティブユーザー数はほぼ予想された通りの29億人となっている。

米国時間7月28日の朝、375ドル(約4万1200円)で始まった同社の株価は、決算発表後に360ドル(約3万9500円)まで下落した。

好調な四半期を終えたにもかかわらず、Facebookは今後の変化について警告している。これはすなわち、今四半期の売上高290億ドルのうち285億ドル(約3兆1300億円)を占める巨大な広告事業が受ける影響の件だ。Facebookは同社の事業を脅かすものとして、特にApple(アップル)のモバイルOSに導入されたプライバシー機能を強化するアップデートを挙げている。

「2021年には、規制やプラットフォームの変更による広告ターゲティングの逆風が強まると、私たちは引き続き予想しています。特に最近のiOSのアップデートは、第2四半期よりも第3四半期に大きな影響を与えるでしょう」と、同社は投資家向け報告で見通しを述べている。

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FacebookのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、同社の投資家向けオンライン会見で、広告収入への依存度を下げる計画を指摘。コンテンツクリエイターを惹きつけ、支援するための取り組みを拡大していること、特にeコマースに関する計画について述べた。「当社のプラットフォームを、クリエイターが生計を立てるための最良の場所にしたいと考えています」と、ザッカーバーグ氏は語り、2023年からクリエイターツールの収益化を開始する計画があることを明らかにした。

ザッカーバーグ氏はまた、VRを使ったソーシャル体験に対するFacebookの壮大な野望も強調し「バーチャルリアリティは、ソーシャルなプラットフォームになるでしょう。だからこそ、私たちはそれを構築することに集中しているのです」と語った。

このオンライン会見の中で、ザッカーバーグ氏は、バーチャルリアリティをベースとしたソーシャルネットワークでは、衣服やアバターなどのデジタル商品を収益化することが可能だというFacebookの見通しについても語った。Facebookは、バーチャルなソーシャルネットワークが相互に接続されたウェブの概念を「metaverse(メタバース)」と呼んでいる。これは、1992年に出版されたNeal Stephenson(ニール・スティーヴンスン)の未来派SF小説「Snow Crash(スノウ・クラッシュ)」に因んだものだ。

Facebookが水曜日にどのような報告を予定していたかに関係なく、同社が財務的に強大な存在であることに変わりはない。西洋諸国での悪評やユーザーの不信感は、同社の収益を悪化させるほどのものではなく、同社の広告事業は相変わらず市場を圧倒しているように見える。米国で意義ある反トラスト法改正が行われたり、競合他社が急成長しない限り、Facebookの行く手を阻むものはほとんどない。前者については、議会の党派的な対立を考えると、ホワイトハウス関与しているとはいえ、未だ望みは薄いかもしれない。しかし後者については、Facebookにもついに脅威が迫っている。

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これまで長年の間、Facebookに適当な競合となるソーシャルメディアプラットフォームが現れるとは、想像が難しかった。市場を支配している同社には、競合他社を買収したり、そのイノベーションを大胆にコピーする悪癖があったためだ。しかし今、TikTok(ティックトック)がまさにそんな存在になりつつあることは明らかだ。YouTube(ユーチューブ)は巨大だが、Facebookとは並行して共存しながら成熟し、互いに補完的な体験を提供しているため、脅威となるような直接的な競合ではなかったのだ。

調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)のデータによると、TikTokは2020年7月に月間アクティブユーザー数が7億人に達し、2021年7月初めには全世界でのダウンロード数が30億回を超えた。これはFacebook傘下ではないアプリとしては初の快挙だ。もし、この中毒性の高い短編動画アプリが、若いユーザーがInstagram(インスタグラム)をはじめとするFacebook傘下のプラットフォームに費やしている長い時間の一部をうまく吸い上げ、その過程において企業にとっても快適なホームとなることができたら、メンロパークから出てきた青い巨人はついに寝不足になるかもしれない。

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タグ:Facebook決算発表広告クリエイター収益化VRメタバース

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

リアル店舗向け顧客管理・販売促進プラットフォーム「toypo」提供の福岡発「トイポ」が資金調達

リアル店舗向け顧客管理・販売促進プラットフォーム「toypo」提供の福岡発「トイポ」が資金調達

リアル店舗向け顧客管理・販売促進プラットフォーム 「toypo」を提供する、福岡発SaaSスタートアップ「トイポ」は7月29日、既存投資家のTLM、田中邦裕氏に加え、FGN ABBALabファンド、F VenturesやEast Venturesからの資金調達を発表した。累計の資金調達額は5700万円となった。調達した資金は、人材採用の拡充に活用し、プロダクト開発チームの強化と営業・マーケティング体制を構築し、本格的な事業展開を行う。

2019年4月設立の「お店の価値を最大化するプラットフォームを作る」をミッションに掲げ、お店と常連客のつながりを作れるtoypoを2020年から福岡を中心に提供してきた。Android版・iOS版toypoアプリ上に店舗のミニアプリを公開し、顧客情報の可視化と効率的な販売促進を行うことで、顧客のLTV向上を実現し店舗の収益を最大化できるという。スマホ1台ですぐに利用開始できること、初期費用が発生せずアプリの利用数に応じた料金体系となっていることから、手軽さと高い費用対効果を実現しているとした。

リアル店舗向け顧客管理・販売促進プラットフォーム「toypo」提供の福岡発「トイポ」が資金調達

コロナ禍により店舗のDXが加速する中、飲食店・アミューズメント施設・温浴施設・クリーニング店など幅広い業態で利用されており、有料でのサービス提供以降、解約件数0を達成しているという。

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タグ:トイポ(企業・サービス)資金調達(用語)日本(国・地域)

Shopifyの第2四半期売上高は前年同期比57%増、新型コロナでeコマースが好調

カナダのeコマース大企業Shopify(ショッピファイ)は現地時間7月28日、第2四半期決算を発表した。Microsoft(マイクロソフト)やApple(アップル)の決算発表後の時間外取引と同じく、同社の株価は予想を上回る決算内容に対して控えめに反応している。

Shopifyの2021年第2四半期の売上高は11億2000万ドル(約1228億円)で、前年同期比57%増だった。同社のサブスクプロダクトの売上高は同70%増の3億3420万ドル(約366億円)で、その一方で販売サービスの総収入はボリュームが増えたことで同52%増の7億8520万ドル(約861億円)に達した。

投資家らは売上高10億5000万ドル(約1151億円)を予想していた

Shopifyはまた、巨大な利益も計上した。実際、総売上高11億2000万ドルからGAAPで純利益8億7910万ドル(約964億円)を生み出した。どうやって可能にしたのか。とんでもない額の収益は、部分的には株式投資に関連する7億7800万ドル(約853億円)もの含み益によるものだ。しかしそうした収益がなかったとしても、同社の2億8460万ドル(約312億円)という修正後純利益は前年同期の1億2940万ドル(約141億円)の2倍超だ。同社の1株あたり利益は含み益なしで2.24ドル(約245円)で、予想されていた97セント(106円)を大きく上回った。

決算発表後、同社の株価上昇率は1%にも満たない。

テック大企業の決算が予想を上回ったことに対する控えめな反応を考えると、主要テック企業の第2四半期決算が予想を上回ると投資家が見込んでいたことが明らかになっている。テック企業の決算が予想を上回るのはそれぞれの発表前に織り込み済みだった。

Shopifyの四半期決算の残りの数字はいずれも大きなものだ。2021年4〜6月の同社の流通取引総額(GMV)は422億ドル(約4兆6310億円)で前年同期比40%増だった。この額は予想を10億ドル(約1097億円)超上回った。そして同社の月次経常収益(MRR)は同67%増の9510万ドル(約104億円)だった。

Shopifyの成長は続くと思われている。年換算売上高を算出するのに第2四半期決算の売上高を使うと、同社の評価額は現在の総収入の43倍となる。これは、投資家のお気に入りであるリカーリングソフトウェア料から売上を生み出す企業にとってアグレッシブだ。その代わり、投資家は同社のGMVベースのサービス売上高と従来型のソフトウェア収入の組み合わせに対し事実上の最高額を支払うことに満足しているようだ。

eコマースの成長が続いていることでマーケットが強気であることを考慮して欲しい。

Shopifyの競合相手で同じく公開企業であるBigCommerce(ビッグコマース)の8月上旬の決算発表への反応がどのようなものになるのか興味深いところだ。Shopifyの決算を受けてBigCommerceの株価は3%以上上昇した。Shopifyに対するマーケットの反応を考えると皮肉かもしれない。もちろん、市場は平等ではない。

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

スニーカー特化フリマ「スニーカーダンク」運営が約62億円調達、「モノカブ」を買収しグローバル展開を加速

スニーカー特化フリマ「スニーカーダンク」運営のSODAが約62億円のシリーズC調達、「モノカブ」を買収しグローバル展開を加速

月間300万人以上が利用するスニーカー&ストリートウェア特化フリマ「スニーカーダンク」(SNKRDUNK。Android版iOS版)を運営するSODAは7月29日、シリーズCにおいて、第三者割当増資による約62億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のKREAM Corporation(NAVER子会社)、またAltos Ventures、SoftBank Ventures Asia、JAFCO Group、既存全投資家。累計調達額は約87億円、評価額は約240億円となった。また、「モノカブ」を運営するモノカブの買収を完了し、グローバル展開を加速する。

SODA代表の内山雄太氏は、「今後、国内事業では取扱商品の拡大および強化に加え、アジア市場獲得を少しでも早く実現するため、韓国のKREAM、中国のniceとの連携を強く進めていきます」とコメント。また、「モノカブ」との統合・連携により、真贋鑑定、ロジスティクス、カスタマーサポートなど両社の知見を掛け合わせることで、より安心・安全なサービスへと成長させる。モノカブ代表の濱田航平氏は、「世界で戦える十分な市場のチャンスがある中で、お互いが国内で戦っていくのではなく、一緒になりグローバルで展開していきたいという戦略に意気投合しました」と明かしている。

2018年7月設立のSODAは、「世界中に熱狂的ファンを生み出すマーケットプレイスを。」をミッションに、スニーカーダンクを運営。マーケットプレイスに加え、人気スニーカーの新作やリーク・発売情報を配信するメディア、スニーカーを中心としたコーディネート写真やリストック情報など毎月数万件以上が投稿されるコミュニティを提供している。

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InstagramのTikTokクローンReelsが最大60秒の動画をサポート

ねぇ聞いた?今のInstagramはもう写真共有アプリじゃないって?米国時間7月27日のInstagramの発表によると、これからのユーザーは、TikTokと競合する同社のプラットフォームReelsに、60秒の動画をアップロードできる。

このアップデートでReelsに字幕ステッカー機能が加わる。音声をテキストに書き起こしてくれる。この字幕ステッカーはStoriesを加えたときに、InstagramがReelsのためにテストしていた。それによってこのプラットフォームは耳の不自由な人や聞き取り能力の弱い人にもアクセシビリティが向上し、またアプリを消音モードで利用できる。現在のところ英語圏のみだが、その他の言語にもじきに対応するとInstagramはいう。TikTokにはすでに、同様の機能がある。

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Reelsは今日から最大60秒。

それまでInstagramの動画は最大30秒までだったが、最近TikTokは3分までOKとなった。でもReelsの60秒も、TikTokをはじめいろいろなプラットフォームに作品を投稿しているクリエイターにとっては役に立つ。ソーシャルメディアで生活が成り立っているクリエイターは最近ますます多いが、今のようにプラットフォームの数が多くなると、作品をなるべくあちこちに投稿するのが賢明な策だ。Pinterestですら、短編動画に投資している。Instagramのクリエイターで、TikTokにもフォロワーのいるクリエイターにとって便利なだけでなく、Reels自身のアクセス向上にも貢献する。InstagramのアルゴリズムではTikTokの透かしのあるコンテンツを宣伝できないが、しかし利口なユーザーはそれなしで動画をリサイクル利用するやり方を知っている。

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現在、YouTube ShortsとSnapchatのSpotlightも60秒の動画をサポートしている。5月にYouTube Shortsは1億ドル(約110億円)のクリエイターファンドを立ち上げて、2021年から22年にかけてShortsの上位クリエイターにばらまくつもりだ。SnapchatはTikTokクローンSpotlightのヴァイラルなクリエイターに、Spotlightの11月終わりの立ち上げから2020年末まで、1日に100万ドル(約1億1000万円)ずつ配布した。FacebookとInstagramも、デジタルクリエイターへの投資にコミットしてきた。

この60秒ビデオ機能は「新しいReelを作る」へ行ってから、画面左の下向きボタンを押すとメニューが現れる。そして「長さ」をタップして15秒、30秒、60秒のどれかを選ぶ。まだメニューに60秒がないユーザーもいると思うが、全員に出るのも、もうすぐだろう。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

買収を続けるツイッターが今度は定額制ニュースアプリBriefのチームを「アクハイヤー」

Twitter(ツイッター)はこのところ立て続けに買収しているが、今度はニュースアグリゲーター・要約アプリのBrief(ブリーフ)のチームをアクハイヤー(人材獲得を目的とする買収)したと発表した。Briefは、元Google(グーグル)のエンジニアらが2020年に、サブスクリプションベースのニュース要約アプリを提供するために立ち上げた。このアプリは、情報過多、燃え尽き症候群、メディアバイアス、ニュースの正確性よりもエンゲージメントを重視するアルゴリズムなど、今日のニュースサイクルが抱える多くの問題に対処することを目的としている。

Twitterは取引条件の開示に応じなかった。

共同創業者でCEOのNick Hobbs(ニック・ホブス)氏は、Briefを立ち上げる前、GoogleのプロダクトマネージャーとしてAR、Googleアシスタント、Googleのモバイルアプリ、自動運転車などに携わっていた。一方、共同創業者でCTOのAndrea Huey(アンドレア・ヒューイ)氏は、Googleのシニア・ソフトウェア・エンジニアとして、GoogleのiOSアプリを担当していた他、Microsoft(マイクロソフト)に在籍していたこともある。

画像クレジット:Brief

ニュースの消費を改善するというBriefの野心的なプロジェクトに大きな期待が寄せられていたが、その成長を妨げたのは、採用したサブスクリプションモデルだったのかもしれない。このアプリは、従来のニュースメディアのようなブランド力がないにもかかわらず、月額4.99ドル(約550円)の課金が必要だった。ちなみに、The New York Timesの基本デジタル購読料は、現在、キャンペーンにより初年度は週4ドル(約440円)だ。

Twitterによると、Briefの社員2名を含むこのスタートアップのチームは、TwitterのExperience.orgグループに入り、Twitter SpacesやExploreなど、Twitter上での公の会話をサポートする分野を担当することになるという。

Twitterは、こうした仕事がどのようなものか具体的には説明していないが、TechCrunchに語ったところによると、創業者らのBriefでの専門知識を活用し、そうした分野のプロジェクトを開発・加速させたいと考えている。

Exploreはもちろん、Twitterの「ニュース」セクションであり、カテゴリーごとにトップストーリーとトレンドトピックが集約されている。しかし今のExploreには、Briefのアプリが提供しているような、ニュースを基本的な事実にまで絞り込み、バランスよく表示するという包括的なアプローチが欠けている。その代わり、Twitterのニュースアイテムには、見出しとストーリーの短い説明、そして注目すべきツイートが表示される。そこには確かに改善の余地がある。

TwitterのサブスクリプションサービスであるTwitter Blueの中に、ニュースに特化した何らかのプロダクトが組み込まれる可能性もあるが、現時点では単なる推測にすぎない。

Twitterによると、今回のオファーは同社がBriefに積極的に働きかけたものだという。Twitterは現在、M&A戦略の一環として、既存のチームを補完し、プロダクト開発を加速させる人材を獲得しようとしている。

Twitterは過去1年間に似たようなアクハイヤーを実行してきた。邪魔が入らない(広告なし)で読めるようになるサービス「Scroll」ソーシャルポッドキャスティングアプリ「Breaker」ソーシャルスクリーン共有アプリ「Squad」API統合プラットフォーム「Reshuffle」などだ。また、ニュースレタープラットフォーム「Revue」などのプロダクトを買収し、直接統合したこともある。さらに、ClubhouseやインドのShareChatとも買収交渉を行った。これらはずっと大きなM&A案件になるはずだった。

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「結局、Twitterにたどり着いて本当に良かったと思っています」とホブス氏はTechCrunchに話した。

「アンドレアと私は、健全な議論を促すニュースを構築するためにBriefを設立しましたが、公の会話を改善するためのTwitterの真摯な取り組みには深い感銘を受けています」と同氏は語る。「将来の計画について具体的に話すことはできませんが、Briefでの経験が、現在Twitterで起こっている多くのエキサイティングなことを加速するのに役立つと確信しています」と付け加えた。

ホブス氏は、チームが有料ジャーナリズムの将来について楽観的であるとも述べた。というのも、Briefは新たに改善されたニュース体験にお金を払う顧客がいることを実証したからだ。

「Briefはジャーナリズムの新しいビジョンを開拓しました。重点を置いたのは、読み手が耐えられる目一杯のニュースではなく、必要なニュースだけを提供することです」とBriefをシードステージで支援したSignalFireの創業パートナーでCTOのIlya Kirnos(イリヤ・キルノス)氏は指摘した。「読者への配慮から、SignalFireは創業者のニック・ホブスとアンドレア・ヒューイを支援することを誇りに思いました」。

Briefはこれまでに、SignalFireと、David Lieb(デビッド・リーブ)氏、Maia Bittner(マイア・ビットナー)氏、Matt Macinnis(マット・マシニス)氏といったSequoia Scoutsを含む数少ないエンジェル投資家から100万ドル(約1億1000万円)のシード資金を調達した。

米国時間7月27日の契約により、Briefは7月31日にサブスクリプションアプリを終了する。同社によると、現在のユーザーに対しては近日中の終了について通知するが、アプリはApp Storeに残り、ユーザーがアーカイブを探索できる新機能を提供する予定だ。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

食品・日用品チェーンストアEC「垂直立ち上げ」プラットフォームStailerの10Xが15億円調達、2年で流通総額10倍以上を目指す

食品・日用品チェーンストアEC「垂直立ち上げ」プラットフォーム「Stailer」の10Xが15億円調達、今後2年で流通総額10倍以上を目指す

生鮮食品・日用品など多店舗運営(チェーンストア)小売事業者向けに「垂直立ち上げ」によるEC化を行うプラットフォーム「Stailer」(ステイラー)を展開する10X(テンエックス)は7月28日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による総額約15億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、既存投資家のDCMベンチャーズとANRI。これにより累計調達額は約21億円となった。

10Xは、創業者で取締役CEOの矢本真丈氏が、メルカリ在籍中の同僚だった共同創業者・取締役CTOの石川洋資氏を誘って2017年6月に設立した。矢本氏は東日本大震災で避難生活を送っていたときに「火を入れた料理」に感動したことと、育休中に家族の食事を作ってきた体験から、献立アプリ「タベリー」事業を立ち上げ、そこに食材を注文できる機能を付けたことをきっかけに、ネットスーパー「タベクル」を立ち上げた。これらの事業は今は終了しているが、その経験がStailerの基礎となった。

Stailerは、スーパーマーケットやドラッグストアなどを多店舗展開を行う小売・流通事業者を対象に、「ECやドライブスルーなどの顧客体験の実現と、そのサプライチェーンの構築」を支援するプラットフォーム。エンドユーザー向けのモバイルアプリ、店舗向けのピック&パック、在庫管理システム、配送業者向けのオペレーティング・システム、分析ツールなどをフルセットで提供する。2020年5月にサービスを開始しており、すでにイトーヨーカドーをはじめ、ライフ、薬王堂などが利用している。Stailerで提供されたネットスーパーアプリの利用者翌月継続率は約70%。1カ月の平均購入額(ARPU)は約2万円と高い定着度を見せている。

食品のEC化率が物販全体の中でも低く、しかも急成長する欧米や中国に比べて立ち遅れている日本市場を、10Xは「大きな成長ポテンシャルがある」とポジティブにとらえている。今回の資金調達で、ソフトウェアエンジニア、事業開発、コーポレートなどの幅広い職種で人材を募集し、組織拡大、チェーンストアECの物流機能の拡張、顧客獲得に投資を行い、Stailerの展開を加速するとのこと。さらに、「事業シナジーの高い企業やソフトウェアプロダクト開発に強みのある企業」への出資やM&Aも積極的に検討し、「生鮮食品や日用品をオンラインで購入する体験を当たり前にするべく、Stailerプラットフォームの流通総額について、今後2年で10倍以上を目指します」と話している。

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タグ:グローサリー / grocery(用語)小売(用語)、・食品 / 食料品 / 食材 / 食品加工(用語)10X(企業)ネットショッピング / eコマース(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

メルカリが子会社ソウゾウを通じEC化支援事業参入、メルカリにネットショップを開設できる「メルカリShops」発表

メルカリが子会社ソウゾウを通じEC化支援事業参入、メルカリにネットショップを開設できる「メルカリShops」発表

メルカリ子会社で新規事業創出を担うソウゾウは7月28日、専門リテラシー不要かつスマホ1つでネットショップを開設できる「メルカリShops」を発表しました。

「メルカリShops」は、メルカリと同じUIで、メルカリの1900万人ユーザーを相手に商品を販売できるサービスです。商品はメルカリアプリ内の「ショップ」タブに表示され、メルカリの商品検索にもヒットします。出店にあたっての初期費用や月額利用料は不要で、かかる手数料は商品が売れた際の販売手数料10%に限られます。

メルカリが子会社ソウゾウを通じEC化支援事業参入、メルカリにネットショップを開設できる「メルカリShops」発表

現行のメルカリ出品との違いは、個人アカウントとネットショップアカウントの使い分けが可能になるほか、商品ページに色やサイズ、在庫数を設定可能。加えて、値下げ交渉なしで販売できるため、ショップ運営者はより販売に集中できるといいます。

また、「メルカリ」アプリ内だけでなく、アプリ外にも独立したウェブサイトとしてネットショップを開設できる機能の提供も年内に予定します。

メルカリが子会社ソウゾウを通じEC化支援事業参入、メルカリにネットショップを開設できる「メルカリShops」発表

既存のネットショップ作成サービスとの差別化について、ソウゾウCEOの石川社長は「メルカリ出品と同じUI、『かんたんで、売れる』を尖らせていく」とコメントしました。

メルカリが子会社ソウゾウを通じEC化支援事業参入、メルカリにネットショップを開設できる「メルカリShops」発表
この「メルカリShops」は、本日(7月28日)より主にクリエイターや生産者・小規模事業者などを対象にした先行出店の受付を開始しています。また、8月2日より購入者を対象にした「実質半額キャンペーン」も開催します。

(Source:メルカリShopsEngadget日本版より転載)

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タグ:ソウゾウメルカリ / Mercari(企業)日本(国・地域)

TimeTreeがオンライン会議の日程調整SaaS「Tocaly」の提供を開始

TimeTreeがオンライン会議の日程調整SaaS「Tocaly」の提供を開始

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」(タイムツリー)を運営するTimeTreeは7月28日、オンライン会議の日程調整課題を解決するSaaS「Tocaly」(トカリー)の提供開始を発表した。ビジネスシーンでの日程調整にまつわる煩わしさや摩擦をなくし、空き時間の適切な消費を促すという。利用料は無料。推奨ブラウザーはGoogle Chrome、Edge(Safari、Firefoxでも利用可能)となっている。

テレワークでは、ひとつの会議を設定するのに、「候補日の選定と確保」「候補日の送付」「候補日の確認」「確定美の調整と確保」「確定日の送付」「確定日の確認」「会議日程の確認」と、最低でも7つのステップが必要になり、日程調整を依頼する側・される側双方にコミュニケーションコストがかかる。TimeTreeが社内で調べたところによれば、1日にこの作業を2回行うと、月に約8時間を費やすことになる。

Tocalyは、その繁雑さをなくし、「空き時間の最適な活用を実現する」というサービス。カレンダーを基本としたシンプルなデザインで、直感的に日程調整ができる。大きな特徴は次の3つ。

日程調整は3ステップ

  1. 日程調整ページを作成
  2. 日程調整の依頼相手に対して、日程調整ページのURLを送付
  3. 日程調整の依頼を受けた側は、候補日時から日程を選ぶ

ZoomやGoogle Meetと連携させると、ミーティングURLが自動で発行され、予定やメールに添付されて送られるので、会議がスムーズに始められる。

シンプルな操作画面

Excelと似た感覚で操作ができ、Googleカレンダーとの連携も可能。

自動更新でダブルブッキングを防止

複数のページにわたり同じ候補日時を設定した場合、確定した予定と重複する部分は自動更新されるので、ダブルブッキングが防げる。

当面は個人同士の日程調整機能のみが提供されるが、今後、チーム、部署、複数人との日程調整を想定した機能を実装してゆくという。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:カレンダー(用語)TimeTreeビデオ通話 / ビデオチャット/ビデオ会議(用語)リモートワーク / テレワーク(用語)日本(国・地域)

Alphabetが第2四半期決算で予測超え、Google Cloudが売上54%増で損出減少

主要テクノロジー企業の決算報告が相次ぐ中、Alphabet(アルファベット)は米国時間7月28日株式市場終了後に第2四半期決算を発表した。検索・サービスの巨人は、2021年6月30日締め四半期に619億ドルの売上を計上し、純利益は185億ドル(約2兆300億円)、1株当たり利益は27.26ドルだった。売上は62%増、純利益は166%増だった。もちろんこれはパンデミックに影響された2020年第4四半期との比較だが、それでもこの成長は注目に値する。

Androidメーカーの結果は、予想を打ち砕いた。ウォール街はGoogle(グーグル)の親会社の売上を560億ドル(約6兆1500億円)、1株当り利益を19.14ドルと予測していた。しかし時間外取引でのAlphabet株の値上がりは1桁パーセント前後であり、Microsoft(マイクロソフト)の公式予想売上を上回る結果に対する市場の静かな反応と似ている。

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Alphabetはいくつか変動要素を持つ会社なので、もう少し数字を分解してみよう。

YouTubeの売上70億ドル(約7700億円)は対前年比84%増だ。これはYouTubeの年齢を踏まえると率直にいって好調な結果だ。それでも、ライバルサービスに食われるまでにどれほど多くの広告をYouTubeに載せられるのかは気になるところだ。別の報告でYouTubeは、YouTube Shorts(ユーチューブ・ショート)が「日間グローバルビューが150億回を超えた」ことを発表した。2021年3月に詳しく伝えられた日間ビュー65億回の131%増だ(誰もがTikTokを食べたがっているらしい)。

Google Cloud(グーグル・クラウド)の売上は46億ドル(約5050億円)、対前年比54%増だった。この成長率はMicrosoftが同社のクラウド製品であるAzure(アジュール)について報告した数字よりわずかに大きい。しかし、Microsoftの売上規模はGoogleよりも大きいと考えられているため、投資家はAlphabetの報告よりも大きい成長率を期待していたのかもしれない。Google Cloudは営業損失を1年前の第2四半期の14億ドル(約1540億円)から、今四半期の5億9100万ドル(約650億円)へと縮小した。これは素直に良い結果だ。

Other Bets(その他の投資)部門では売上が上昇した!ただし損失も。Alphabetのskunkworks(最先端技術開発)グループは売上1億9200万ドル(約210億円)を計上し、1年前の1億4800万ドル(約160億円)を上回った。しかし、さまざまな試行錯誤は四半期で14億ドルを失い、前年同期の11億ドル(約1210億円)より悪化した。

営業利益194億ドル(約2兆1300億円)には、Other Betsコストセンターが「含まれている」ため、Alphabetは将来の形ある売上につながるプロジェクトに余裕をもって投資し続けることができる。

しかし、AlphabetのGoogle主要サービス(検索、YouTubeなど)以外のすべての部分が同四半期で損を出している。

>画像クレジット:Alphabet

しかし、真実はAlphabetが報告した2020年第2四半期から2021年第2四半期にかけての壮大な営業利益増だ。営業利益の加速ぶりを見て欲しい!これは少々混乱させるわかりにくい内容だ。

その他の注目ポイント。Googleの株式再購入プログラムは一部変更されたが、一般投資家に影響を与えるものではない。というわけでAlphabetの決算報告記事は、今のところ時間外取引で株価を上げることはできていないが、1兆7500億ドル(約192兆1500億円)を超える時価総額を守るのに十分な好成績だった、としておこう。

巨大テック企業にとってすばらしい時だ。

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タグ:AlphabetGoogleGoogle Cloud決算発表YouTube

画像クレジット:Michael Short/Bloomberg / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトの第2四半期は47%増益、クラウド事業が過去最高の業績

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間7月27日の取引開始直後に、2021年第2四半期に相当する会計年度2021年第4四半期の決算を発表した。売上高は462億ドル(約5兆767億円)、純利益は165億ドル(約1兆8131億円)、1株あたり利益は2.17ドル(約238円)だった。売上高は前年同期比21%増だったが、純利益はさらに魅力的な同47%増だった。

同社の決算内容は予想を上回った。Yahoo Financeのレポートでは売上高は441億ドル(約4兆8460億円)、1株あたり利益は1.90ドル(約208円)を予想していた。決算発表後、Microsoftの株価は下落した。おそらく、いわゆるウィスパー・ナンバー(非公式の1株あたり利益予測業績予測のこと)を欠いていたためだろう。Microsoft株はこのところ上場来高値で取引されていたこともあり、時間外取引で3%下落している。テック株の同日の通常時間内での取引は全般的に弱く、Microsoftは企業価値を1%弱減らした。

同社は非常に大きな会社であり、今回のトップレベルの決算はわかりづらい。詳細をさらに見てみよう。

まず、同社のクラウドコンピューティングプラットフォームであるAzureの売上高は前年同期比51%増となった。同社によると、通貨の変動を除くとこの数字は45%になるとのことだ。初期分析では、51%という成長はAzureに関するものとしては会計年度2020年第3四半期(2020年第1四半期)以来、最高となった。

そうした観点から、Azureの過去3カ月の成長はほとんど文句のつけようがない。

残りの部門の主要3部門の売上高の成長は以下の通りだ。

  • インテリジェント・クラウド:30%増、部分的にはAzureの成長によって押し上げられた
  • プロダクティビティとビジネスプロセス:21%増、LinkedIn(46%増)とDynamics 365 CRMプロダクト(49%増)が牽引
  • パーソナル・コンピューティング:9%増、検索(53%増、トラフィック獲得コストを除く)が牽引

Microsoftの売上高レビューで弱点を見つけるのは難しい。消費者向けOfficeの売上高は18%増え、これはどちらかというとやや控えめな数字だ。Windows OEMの売上高は3%減、Surfaceの売上高は20%減だった。

しかしそうした取るに足りない数字は、同社の全体的な成長像と巨大な収益性を踏み潰すには十分ではなかった。Satya Nadella(サティア・ナデラ)氏の会社はどれくらい儲かっているのか。Microsoftは自社株買いで104億ドル(約1兆1425億円)を費やし、直近の四半期に割り当てた。正直にいうと、いくぶん紛らわしい金額だ。そしてこの点について、なぜMicrosoftが自社株を買い戻すのか我々は少し困惑している。同社の時価総額は2兆ドル(約219兆7330億円)を少し上回り、同社がかなりの費用をかけて徐々に株式の数を減らすことができることをせいぜい意味するくらいだろう。もちろん、もっといい金の使い方はあるはずだ。

にもかかわらず、同社の決算内容は、驚くほど巨額で儲けの多い決算内容となった巨大テック企業の最近の勢いがまだ終わっていないことを示している。これは広範にはテック企業に対する信頼を投資家に与えるのに役立つかもしれない。スタートアップにとって悪いことではないだろう。

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タグ:Microsoft決算発表Microsoft Azure

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

遠隔通訳プラットフォームのInteractioがコロナ禍でのビデオ会議需要急増で12倍の成長

国連、欧州委員会、欧州議会などの巨大機関やBMW、JPMorgan(JPモルガン)、Microsoft(マイクロソフト)などの企業を顧客に持つ遠隔通訳プラットフォームのInteractio(インテラクシオ)が、3000万ドル(約33 億円)のシリーズAをクローズした。新型コロナウイルスのパンデミックによってオンライン会議プラットフォームの需要が急増し、2019年から2020年にかけて同社のツールの使用率が12倍になったことがこの要因である。

今回のシリーズAは、Eight Roads Ventures(エイト・ローズ・ベンチャーズ)とシリコンバレーを拠点とするStorm Ventures(ストーム・ベンチャーズ)がリードしており、Practica Capital(プラクティカ・キャピタル)、Notion Capital(ノーション・キャピタル)の他、Skype(スカイプ)の共同創業者であるJaan Tallinn(ジャン・タリン)氏や、Samsung(サムスン)の元チーフ・ストラテジー・オフィサーであるYoung Sohn(ヤング・ソン)氏などの著名なエンジェル投資家が参加している。

リトアニアのヴィリニュスを拠点とするこのスタートアップは、会議と認定通訳者をつなぐデジタルツールを提供し、リアルタイムの通訳により会議参加者間の言葉の橋渡しを行っている。同社はビデオ会議プラットフォームも提供しており顧客はこれを使ってリモート会議を行うこともできるが、ZoomやWebexなどのサードパーティー製ソフトウェアとの統合も自由自在だ(2020年、同社のデジタルツールは43のビデオストリーミングプラットフォームで使用されたという)。

Interactioの通訳者は、会議が実際に行われている部屋に行くことも、会議のストリームを見聞きしながら完全にリモートでリアルタイムの通訳を行うこともできる。また、顧客の要望があれば遠隔地での通訳とオンサイトでの通訳を組み合わせることも可能だ。

会議に必要なすべての通訳者を提供することも可能で、同社は厳しい審査過程を経た認証された通訳者のみをプラットフォームに登録しているという。同社の通訳者を使わない場合、会議当日に物事が円滑に進められるよう、顧客の通訳者にツールの使い方のトレーニングも行っている。

現在Interactioは1000人以上のフリーランス通訳者と提携している他「通訳会社との強力な関係」を有していると謳っており、需要の増加に応じて通訳者の数を4倍に増やすことも可能だと豪語している。

同社のサービスではあらゆる言語の通訳を提供しており、1つのイベントで使用できる言語の数に制限はない。2020年は70カ国以上で1万8000件以上の会議を開催し、39万人の聴衆が参加したという。

新型コロナウイルスで引き続き出張に出向くことが難しい今、同社はシリーズAで得た豊富な資金を活用して、多言語によるオンライン会議が増加するであろう将来に向けて準備を進めている。

「当初私たちの最大の競合は、現場での同時通訳用ハードウェアでした。当時は、参加者が自身の携帯電話とヘッドフォン以外に別のハードウェアを使用する必要のない当社のソフトウェアを世に広めようと試みていました。しかし我々がフォーカスしていた機関にとってはハイブリッドな会議こそがカギだったのです。そこで同時通訳ハードウェアメーカーやインテグレーターと提携し、参加者はオンサイトでハードウェアを使用し、オンラインでは我々のサービスを使用するというハイブリッドイベントをともに行うようになりました」と広報担当者は話している。

「こうして、基本的にはケーブル1本でオンサイトのハードウェアと統合することができる完全なハイブリッドソリューションを提供することで、他社のプラットフォームと差別化することができました」。

「また市場のトレンドを見るとやはりZoomが最も使われているので、それを補完するために我々はプロフェッショナルな通訳ソリューションを提供しています」。

カスタマーサポートに重点を置くということも他社に差をつけるための戦略の1つとして同社は考えており、また、iOSとAndroidのアプリは総体的に高い評価を得ることができている(一方で過去のクレームの中には、大規模なオーディエンスへのサービスのスケーリングに問題があったことや、長年にわたってオーディオの品質などに問題があったことを示唆するものもある)。

2014年に設立されたこのスタートアップはすでに利益を上げているものの、今回のシリーズAはリモートワークブームの中で加速した需要と急激な成長に対応するための準備に充てたいと考えている。

具体的には、通訳を必要としている企業が簡単にアクセスできるようにするための技術やUX / UIの強化の他、通訳者が「置かれた場所で最高の仕事ができる」ようにするためのツールのアップグレードなどに使われる予定だ。

また、顧客基盤の拡大のためにも資金が投入される予定で、特により多くの企業や異なる種類の顧客の獲得を目指している(「欧州委員会、欧州議会、国連など、2020年から現在にかけて重点的に取り組んだ機関ではミスが一切許されず、最もプロフェッショナルなソリューションが求められています。顧客ベースを法人顧客や通訳を必要とするより多くの一般の人々に拡大することが次のステップです」と同社は話している)。

今回の資金は、これらの目標を達成するためのチーム規模の拡大の他、需要の増加に対応するための認定通訳者数の拡大のためにも使用される予定だ。

国連のような主要機関は、現場にしてもリモートにしても、人による通訳コストを節約して外交官や政治家に提供する通訳の質を落とすようなリスクをおかすことは決してないが、リアルタイムの機械翻訳技術が利用可能になったことで、プロフェッショナルなリアルタイム通訳のスケーリングには限界がでてくるかもしれない。リアルタイムの機械翻訳技術は、プロフェッショナル同士のカジュアルなミーティングなどのより簡単な会議の際に、より安価な代替策として活用できる。

例えばGoogle(グーグル)では、スマートフォンのプラットフォームのユーザーがGoogleの音声アシスタントAIを介してアクセスできるリアルタイム通訳モードを提供している。ハードウェアのスタートアップもリアルタイム通訳をターゲットにしようと試みている。AIを搭載した現実の「Babel Fish」への夢は依然として強いのだ。

どちらにせよ、こういったものは大規模な会議やカンファレンスをサポートするのには適さない。大規模な会議では、音質やその他の問題が発生した場合のトラブルシューティングを担当する集中型の配信サービスが不可欠である。

機械翻訳の性能が年々向上していることは間違いないが(ただし言語によって性能は大きく異なる)、機械が翻訳を間違えた場合に重要な情報が失われてしまうというリスクがある。そのため、リモートワークの増加(と海外出張の減少)がニューノーマルとなっていく今後、人間による通訳をデジタルプラットフォームでスケーラブルに提供することができれば、それが一番理に適った方法なのではないだろうか。

「迅速なソリューションを必要とし、品質を犠牲にしても構わない場合には、AIによる通訳が最適なツールです。私たちのクライアントは大企業や機関であるため、あらゆる誤解が決定的なものとなります。単に異なる言語で言葉を話すというのが目的ではなく、翻訳によって意味と文脈を正確に伝えることが重要なのです」と同社はいう。

「私たちは会話の本当の文脈や意味は人間にしか理解できないと強く信じています。声のトーンや感情、話し方によって、機械では気づかないような大きな違いが生まれることもあるからです」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Interactio通訳資金調達ビデオ会議機械翻訳

画像クレジット:Interactio

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

ウェブサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」のWOVNが約36億円調達、新規事業・新サービスも開発

ウェブサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」のWOVNが約36億円調達、新規事業・新サービスも開発

ウェブサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」(ウォーブン・ドットアイオー)を提供するWovn Technologies(WOVN)は7月28日、第三者割当増資による約36億円の資金調達を発表した。

引受先は、Tybourne Capital Management、MPower Partners Fund、Eight Roads Ventures Japan、インキュベイトファンド、凸版印刷、SMBCベンチャーキャピタル、米ロングオンリー型機関投資家(独立系資産運用会社。社名非公開)。創業以来の累計調達額は約54億円となった。なお今回の資金調達は、未上場・上場株式の双方を投資対象とするクロスオーバーの海外機関投資家やESG投資家等を中心としたラウンドという。

ウェブサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」のWOVNが約36億円調達、新規事業・新サービスも開発

また調達した資金は、社員の育成・スキル強化および採用強化、WOVN主催イベント「GLOBALIZED」などのマーケティング・販促活動の強化、ウェブサイト・アプリ多言語化以外の新たな事業ドメインに拡張するための新規事業・新サービス開発に用いる。

2014年3月設立のWovnは、「世界中の人が、すべてのデータに、母国語でアクセスできるようにする」をミッションに、ウェブサイト・アプリを最大43言語・76のロケール(言語と地域の組み合わせ)に多言語化し、海外戦略・在留外国人対応を行えるようにする多言語化ソリューション「WOVN.io」および「WOVN.app」の開発・運営を行っている。WOVN.ioは、大手企業をはじめ1万8000サイト以上に導入されているという。WOVNは社員の4割が外国人メンバーで、23の異なる国・地域から集まった約100名のメンバーを抱えているそうだ。

ウェブサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」のWOVNが約36億円調達、新規事業・新サービスも開発

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Wovn Technologies(企業)多言語化(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

Discordがスレッド機能導入、一定時間経つと自動的にアーカイブ化

2021年初めにスレッド機能を開発中だと発表してその機能をTwitterでチラ見せしたDiscord(ディスコード)は今、にぎやかなサーバーでの会話をより包括的なものにする待望の手法を導入する。

「コミュニティ」機能が利用できるあらゆるサーバーは米国時間7月27日から、モバイルやデスクトップでメッセージをスレッドでの会話に変えることができる。スレッドはそれぞれのテーマの名称で区分され、これによりオフトピックなアイデアを自前のミニ会話に区別することが簡単になる。

画像クレジット:Discord

チャンネルのメンバーは、メッセージを見てまわったり、チャットバーにあるプラスサインを押したり、あるいは「クリエイト・スレッド」を選んだりするとコンテキストメニューに表示される新しいハッシュタグマークを選んでスレッドを作成できる。この機能は8月17日までに自動的にすべてのサーバーで使えるようになる。

「コミュニティが整頓された状態を維持するために会話を終わらせなければならない事態を回避しながら、そのまま会話に関わっていられるようにしたかったのです」と同社は新機能を発表するブログへの投稿で書き、にぎやかな新しいチャンネルに入るのが「3種の映画の真ん中に足を踏み入れるように感じられる」と指摘した。Discordは2020年、会話の流れをサポートするために返信機能を導入した。スレッドは同じ考えの拡大版だ。

チャンネルの流れから、Discordの新しいスレッドはフルスクリーンになる代わりにスプリットビュー区画となって開き、雑談として自然に機能する。スレッドのたったトピックはチャンネルのリストに表示され、チャンネルリストから選ぶとフルスクリーンで表示される。

画像クレジット:Discord

アクティブでなくなってから24時間するとスレッドは自動的にアーカイブ化される。チャンネルがオフトピックあるいは時間限定のチャットで溢れないようにするすてきな方法だ。機能が拡張されたサーバーは1日ではなく約1週間スレッドをキープでき、これによりチャンネルのメンバーは関連する雑談に加わる時間ができる。

Discordのプレミアム機能を通じて機能が拡張されたサーバーも、チャンネルリストには表示されないプライベートなスレッドを作ることができる。プライベートスレッドはスレッドにマニュアルで加えられたユーザー、あるいはスレッド内で名前が出てきたユーザーだけに表示される。

Discordはユーザーが会話に参加している各人を友達として加えることなくグループの会話を続けられるようにプライベートスレッドをデザインした。この機能は1対1あるいは小グループのチャットをより簡単に持とうとしているモデレーターにとって使えるものとなりそうだ。

画像クレジット:Discord

モデレーターはまた、チャンネル内で誰がスレッドを作ることができるか区分できる。チャンネルのメンバーはプライベートスレッドを使ったりスレッドを管理したりする許可が与えられ、あるいはパブリックスレッドの使用だけが許可されたりする(「メッセージを送る」は新しいスレッドを作るのを許可するときにオンになっていなければならない)。モデレーションボットを利用するときはスレッドは通常のチャンネルと同じように機能する。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Discord音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:Discord/Eric Szwanek

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi