半導体不足にもかかわらず2021年の全世界でのPC販売台数は大幅増

2021年のパソコンの販売台数は、半導体不足によって全世界的に減少したと想定するのは容易だが、そんな月並みの考えは間違っているかもしれない。実は市場調査企業Canalysの調査報告によると、2021年のPCの出荷台数は前年比で15%伸び、2019年に比べると27%増加した。売れた総台数は3億4100万台というすごい量だ。

その調査報告によると、第4四半期は前年比1%増と微々たる伸びだが、しかしそれでも、2012年以降で最良の年だった。

CanalysのシニアアナリストIshan Dutt(イシャン・ダット)氏によると、半導体の供給不足にもかかわらずPCはすばらしい年を経験し、PCは私たちの仕事とレジャーの両方にしっかりと根を張った。そして世界の先進地域では、家庭に複数のPCがあることが標準的な姿になりつつあるという。

「供給の制約という暗雲が常に立ちこめている市場で、好調だった2020年を超える成果を達成したことは、過去12カ月のPCの需要がいかに大きなものであったかを示している。長期的に見た場合、2021年で最も重要な展開は、PCの普及率と使用率の大きな増加だ」。

2021年のPC市場におけるビッグ3は、Lenovo、HPそしてDellで、Appleは4位だった。下表にあるように、2021年は各社とも好成績だったが、前年比伸び率が最大だったのは28.3%を達成したApple(アップル)、次位が販売台数では5位のAcerの21.8%だった。

マーケットシェアでは、勝者は24.1%のLenovoと21.7%のHPとなる。3位のDellが17.4%、次いで4位のAppleは8.5%だった。

画像クレジット:Canalys

半導体不足は2022年も続くと予想され、また教育市場の飽和も囁かれているが、Canalysの予測では2022年もPCの売れ行きに関しては良い年だ。それどころか、CanalysのアナリストRushabh Doshi(ルシャブ・ドーシ)氏によると、供給問題がなければ2021年の市場はもっと大きかっただろうという。

「不足の一面には需要が大きかったということにもある。供給状況が良ければ間違いなくPC業界は、もっと強力に成長して大きくなっていただろう」とドーシ氏はいう。

彼は、今後も市場は拡大し続けると見ている。「自由な視点で見ると、より高性能で高速なPCに対する需要は、職場だけでなく家庭でもかつてないほど高まっています。過去2年間でPCの重要性が強化されたことで、成長は今後も続くと考えています」とドーシ氏は述べた。

画像クレジット:Irina Cheremisinova/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

【レビュー】Windows 11搭載「Surface Pro 8」は快速で新鮮な印象、新OSとライバルiPad Proとの比較

最新のSurface Proには、新しい良さが詰まっている。スクリーンが新しくなり、筐体も新しくなった。最新のIntel(インテル)製チップセットを搭載し、ついにThunderbolt 4にも対応してくれた。「Surface Pro 8」にはWindows 11も搭載され、多くの新機能が追加されている。特徴的なキックスタンドの動きも良くなり、オプションのキーボードも改良されている。唯一欠けているのはMicroSDXCスロットで、今回のバージョンでは採用されなかった。

Surface Pro 8は、これまでのモデルから大幅にアップデートされているが、それでいて親しみやすさも兼ね備えている。Microsoft(マイクロソフト)は、ついにSurface Proのデザインをアップデートしたが、そろそろ頃合いだったのだろう。同社は2013年にSurface Proを発表したが、7世代のプロダクトを通じて筐体はほとんど変わってこなかった。Surface Pro 8では、Microsoftが2020年に発表した「Surface Pro X」のすばらしいボディを活用した。最高だ。Surface Pro 8はこれまで以上に優れている。

私自身、これをいうことに何のためらいもない。Surface Pro 8は、これまでで最高の2in1であると。気に入っている。使っていて楽しいし、コンパチブルタイプのWindowsマシンを探している人には最適なソリューションと言えるだろう。

レビュー

Surface Pro 8はすばらしい。キックスタンドを開くと、Windows 11が起動する。遅延もほとんどない。読み込みも反応もすべてがスピーディなのだ。第11世代のIntel Core CPUを搭載したSurface Pro 8は、LightroomからFactorioまで高速に動作する。

ディスプレイも美しく、これまでのモバイルデバイスの中で最高のものの1つだと思う。残念なことに、Windowsが120Hzのオプションをコントロールパネルの奥深くに隠しているので、すべての購入者がこのスクリーンの良さを体験できるというわけではない。また、HDRのサポートについては、私は動作させることができなかったのでここで報告することができない。

Windowsは、Surface Pro 8の弱点のように思える。新しいWindows 11の状態であっても、OSはやはりSurface Proの欠点の1つだろう。Windows 11には、ユーザー泣かせな奇妙な癖があり、それに慣れるのに時間がかかった。新しいスタートメニューはあまり好きになれないし、ウィジェットのようなモバイルファーストの機能はすべてただ無造作に追加されているだけのように映る。

ハードウェア

Surface Pro 8は、2020年に発売されたSurface Pro Xの美しいアルミニウム筐体の中で、最新のIntelチップを動かしている。新しい筐体のおかげで、指紋が表面に付着することがなくなった。エッジは丸みを帯びており、過去のモデルよりも洗練されたハードウェア体験を提供してくれる。先代モデルと比較して、厚さは2mm、重さは100g増加している。その理由を尋ねたところ、Microsoftの担当者は、冷却性能の向上と大容量バッテリーは、多少の厚さに見合う価値があると感じていると答えてくれた。

Surface Pro 8は、あらゆるポータブル機器の中で最高のスクリーンを搭載している。このスクリーンは、画質とタッチスクリーン機能の両方の点で見事な仕上がりだ。明るく鮮明で、ピクセル数が多く、クリアな画面だ。リフレッシュレートは120Hzだが、この機能を有効にするには、詳細メニューの「ディスプレイ設定」で有効にする必要がある。また、HDRにも対応する予定のようだが、現時点では対応していないようだ。アダプティブ・カラー・アジャストメントにも対応している。Surface Pro 8は、周囲の光に合わせて色温度を微調整してくれる。

11.3インチのディスプレイ解像度は2880×1920、1インチあたり267ピクセル(ppi)だ。ちなみに、最新iPad Proの11インチのディスプレイは2388×1668、264ppiだ。

ディスプレイは、この新しいSurface Proの魅力の大きな部分を占めているといえるだろう。とても美しく、SlackからPhotoshopまで、あらゆるものを新しいもののように輝かせてくれる。

タッチスクリーンの操作性も向上しているようだ。新しいディスプレイ(あるいはWindows 11)は、スタイラスや指を使ったときの感触がより滑らかになっている。加えて、画面に触れることが楽しくなった。大げさに聞こえるかもしれないが、私はそう感じている。

Microsoftは「Surfaceスリムペン」の新バージョンをリリースした。この第2モデルでは、先端部のデザインを一新し、ハプティックフィードバックとともに遅延を低減している。スリムペン2は使っていて楽しい。さまざまな種類のブラシに合わせて異なるハプティックフィードバックを感じられる。ブラシを使うと、スマッジングスタンプを使うのとは違う感覚を得られる。鉛筆を選択すると、スリムペン2は擦れるような感覚を与えてくれる。アプリケーションがこの機能をサポートする必要があるが(現在はいくつかのアプリケーションがサポートしている)、この体験は過去のものとは根本的に異なるものとなるだろう。

また、Surfaceスリムペン2は、キーボードヒンジの気の利いた場所に収納して充電することが可能だ。しかし、これはSurfaceシリーズの新機能というわけではない。Microsoftは2020年に「Surface Pro X」でこれを採用していたからだ。

内部では、第11世代のIntelチップがSurface Pro 2を動かし、アクティブな冷却によって安定したパフォーマンスを維持している。今回のSurface Proは、過去のモデルほど大幅にパフォーマンスをスケールアップしているようには見えない。

私の試用機は、Core i7に16GBのRAMと256GBのSSDを搭載している。IntelのIris Xグラフィックスを採用している。このマシンの価格は1599ドル(日本では税込21万5380円)で、これにキーボードの価格が加わる(Surfaceスリムペン2の有無にかかわらず)。このモデルが、CPUにCore i7を搭載したモデルの中では最も安価な選択肢だ。もっとお金をかければ、ストレージやRAMを増やしたモデルを選ぶこともできる。価格は2599ドル(日本では税込32万5380円)まで上昇し、32GBのRAMと1TBのSSDを搭載している。

これまでのUSB-Aポートはなくなってしまった。その代わりに、ついにSurface ProシリーズにUSB-Cを導入し、最新のThunderbolt 4を採用した。この構成では、Surface Pro 8は複数の4Kディスプレイに電源を供給したり、外部GPUに接続したり、その他の激しいデータ転送を行うアクセサリーも使用したりすることができる。USB-CポートはSurface Proの充電にも対応しているが、Microsoftは独自のSurface Connectポートでの充電を推奨している。

microSDXCスロットはなくなってしまったが、SSDはユーザー自身で交換できるようになった。MicrosoftがmicroSDXCスロットを廃止したのは残念だ。これはiPad Proと比較して大きなセールスポイントだったからだ。SSDはキックスタンド下のパネルに隠れている。それを突き出せば、SDDに簡単にアクセスでき、ネジ1本で固定できる。SSDの交換には1分もかからないだろう。

バッテリー駆動時間

Surface Pro 8は、1日中使えるポータブルデバイスだ。試用機を手にしてからまだ1週間も経っていないが、頻繁に使用していて、一晩中コンセントにつないでいただけだ。しかも、私はMicrosoftのアプリを使っていない。EdgeやTeamsではなく、Chrome、Slack、Xoomを使っている。これは重要なことだ。バッテリー駆動時間について語るとき、Microsoftは、バッテリー駆動時間を延ばすためにアプリを最適化したことを明らかにした。

同社によると、Surface Pro 8は18時間のバッテリー駆動が可能とのことだが、私はその数字を達成できなかった。Chromeの使用、YouTubeTVのストリーミング、ビデオ通話などで、平均して約10時間のバッテリー駆動時間を確認した。

Surface Pro 8には新しいアクティブクーリングデザインが採用されているが、それでも触ると熱さを感じる。この熱さのために、メディアを編集する際にタブレットとして使用すると不快感があった。Lightroomは問題なく動作するが、PhotoshopではSurface Pro 8が不快なレベルまで熱くなってしまう。

ウェブカメラ

Surface Pro 8にはすばらしいウェブカメラが搭載されており、しかも適切な位置に設置されている。この配置については、MicrosoftがApple(アップル)を軽く非難してすらいる。発表会でMicrosoftの広報担当者は「そして前面カメラは、横ではなく中央の、本来あるべき場所に配置されています」と笑顔で語っていた。Appleはなぜか、iPadのカメラを画面の短辺側に配置し続けている。そのため、タブレットをラップトップモードにしてキーボードを接続すると、ウェブカメラが横にずれてしまい、奇妙なウェブカメラ体験となってしまう。

前面のカメラは非常に優れている。1080pの動画と5mpの静止画を搭載しており、ホワイトバランスや露出などの高度なコントロールが可能だ。

以下、Surface Pro 8やiPad Pro(2020)との比較だ。

Windows 11についての簡単な説明

私がPCを使う目的は主に2つある。ゲームとメディア編集だ。私がこのレビューをMacで書いているのは、それが私の仕事環境だからだ。Windowsは私の毎日の仕事道具ではないし、Windows 11は私にMac OSをやめさせようとするものでもなかった。

新しいスタートメニューは、ユーザーに圧迫感を与えるものだ。画面の中央にかなりのスペースを占めており、その大きさを正当化する理由が見当たらない。その新しいスタートメニューの大部分は空白となっている。さらに悪いことに、以前のバージョンのようにスタートメニューをカスタマイズすることはほとんどできない。

それ以外の新しいWindows体験については一応許容範囲内だ。Windowsのトップレイヤーしか使わない私にとっては、この新しいシステムは古いシステムと同じように感じる。

私はMac OSではウィジェットを使わないし、Windows 11でも使うことはないだろう。今のところ私の試用機では、これらのウィジェットはカスタマイズできない。プリインストールされているウィジェットはカスタマイズできるが、ウィジェットを追加することができない。また、読み込みや更新にも時間がかかる。

Windows 11を日常的に使用しているユーザーから見たWindows 11の詳細をまた待っていて欲しい。

Surface Pro 8とiPad Proの比較

Surface Pro 8とiPad Proは、根本的に異なる製品だが、ターゲットとする市場の多くは同じだ。Surface Pro 8が完全なデスクトップOSを搭載しているのに対し、iPad ProはiPhoneで使われているソフトウェアのモバイル版を搭載しているが、その機能は強固だ。

Surface ProとiPad Proは、どちらもすばらしいディスプレイを備えており、タッチスクリーンの機能も同様にすばらしいものだ。スタイラスも同様に機能する。新しいSurface Penの方にはハプティックフィードバックが搭載されている一方、最新のApple PencilとiPad Proの方がより正確で、より楽しく使える。

この2つを選ぶには、それぞれのユースケースを見る必要がある。Surface Pro 8はデスクトップに代わるデバイスとして優れているが、ユーザーによっては、タスク次第でモバイルOSを使った方が良い場合もあるだろう。

ここで、いくつかアドバイスがある。

Surface Pro 8がおすすめな方。

  • 独自のソフトウェアを実行する機能を備えている、デスクトップに代わるデバイスを探していている方
  • Microsoftの法人向けアプリを動かすためのポータブルデバイスが必要な方
  • ゲームが好きで、Xboxゲームのストリーミングに満足している方
  • フルサイズの着脱式キーボードが必要な方

iPad Proがおすすめな方。

  • 主流のアプリ(Adobe PhotoshopやLightroomなど)でメディアを編集するためのデバイスを探している方
  • Google(グーグル)のG-Suiteを動作させるためにハイエンドのポータブルデバイスを必要としている場合
  • Microsoft Office 365の基本機能やアプリを使っている方
  • スマートフォンに搭載されているようなモバイルファーストのゲームを楽しみたい方

その価値は?

Surface Proは、これまでのバージョンで最も優れたモデルとおえるだろう。発売時にはいくつかの重要な機能が欠けているが、可能性を十分に秘めている。この製品は、美しいディスプレイと優れた品質を備えたすばらしいセットだ。新しいスタイラスは歓迎すべきアップグレードであり、Intelの最新チップはパフォーマンスにおいて、コンピューターとしてより信頼できるものにしてくれている。

Surface Proシリーズの製品ラインは常に奇妙なポジションに位置していたが、今回のバージョンでメインストリームとしての選択に近づくことができた。これまでは、パフォーマンスがわずかに不足していて、ハードウェアもぎりぎりまぁ良いかなという具合だった。Surface Pro 8では、パフォーマンスはようやく許容できるものになり、ハードウェアは美しいものになった。Surface Pro 8は、最高のWindows 2in1といえるだろう。

画像クレジット:Matt Burns

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(文:Matt Burns、翻訳:Akihito Mizukoshi)

マイクロソフトがWindows 11に先駆けて「Surface Laptop Studio」と「Duo 2」発表、5つの新Surfaceとアクセサリー

半年ぶりのWindowsのメジャーリリースが目前に迫る中、Microsoft(マイクロソフト)は新ハードウェアを大量に発表した。Surfaceシリーズは、最先端ハードウェアのブレークスルー対して常に刺激を与えてきたわけではないOSのコンセプトを証明するプロダクトだと考えられてきた。

このブランドは、ノートPCやタブレット、そして最近ではスマートフォンといったカテゴリー間の境界線を曖昧にすることにフォーカスし、コンシューマー向けハードウェアの可能性を押し広げる機会をMicrosoftにもたらしている。Surfaceの実績は全体的に見て堅実なものだが、フォームファクターに手を加えるということは、誰もが100%の確率で正しいことをするわけではない。

関連記事:Windows 11の提供開始は10月5日から、マイクロソフトが発表

画像クレジット:Microsoft

2020年の「Surface Duo」は、もちろん、より大きな兄弟機である「Surface Neo」を除けば、この現象の最も良い例の1つだ。この2つのデバイスは、2019年に同じイベントで発表され話題を集めた。大きく期待されていた2つのデバイスは、2つのまったく異なる理由で最終的に失望させられることになった。

Neoは単に発売されなかった。Microsoftが2021年初めにWindows 10Xをその後キャンセルしたことが、最後の釘となったようだ。Duoは発売されたが、その宣伝には応えられなかった。フォームファクターは発売時と同様に興味深いものだったが、会社は他のことに集中することを選択したため、精彩を欠いたスペックを実質的に認めることになった。私はこのプロダクトを1400ドル(約15万4000円)という価格を正当化するには至らない「未完成品」と呼んだ。

画像クレジット:Microsoft

もちろん、Microsoftははっきりと言わないだろうが、新しいSurface Duo 2は、何かをやり直すことを意味するものだ。例えばSamsungの初代フォルダブルのように、私たちが「こうあって欲しい」と願うプロダクトの延長線上にある。スマートフォンの世界では、約10年半の間、モバイルデバイスがずっと採用してきた基本的なフォームファクターを拡張するプロダクトの登場が切望されている。今回のデュアルスクリーンデバイスは、その可能性を示唆するものだといえる。画面の解像度は1344×1892、解像度は401ppiとなっている。Snapdragon 888プロセッサの搭載や、2020年モデルはLTEのみの対応だったが、5G接続が可能になったこともうれしいポイントだ。Duo 2では、(前面の1200万画素に加えて)背面に大型のカメラモデルを追加し、1200万画素のワイドと望遠、1600万画素のウルトラワイドという3つのレンズを搭載している。

画像クレジット:Brian Heater

変わらないのは、価格だ。現在予約受付中で、価格は1500ドル(約16万5000円)からとなっている。

画像クレジット:Microsoft

今回の新製品の中で最も興味深いのは「Surface Laptop studio」だ。このデバイスは、Microsoftがずっと強気で取り組んでいる2in1のカテゴリーを巧みに利用したもので、その名前はSurface StudioとLaptopの両方に敬意を表しており、おそらく両者の違いを分けているものだろう。この製品は、14.4インチのタッチスクリーンが折り紙のようなスタンドに取り付けられており、さまざまな形に配置することができる。基本的には、キーボードケースの上に、タブレットのように動くように設計されたスクリーンを搭載したノートPC(非常にMacBook風なノートPC)だ。また、製品の下側にはマグネットが付いており、同社の新しいスタイラスを取り付けることもできる。

画像クレジット:Brian Heater

この製品は、Appleが長年にわたって追い求めてきたクリエイティブプロフェッショナルをターゲットにしている。Laptop Studioは、第11世代のインテルCore H35を搭載し、i5またはi7の構成となっている。価格は1600ドル(約17万6000円)からで、現在予約受付中だ(日本では2022年前半に発売予定)。

画像クレジット:Microsoft

今回はSurface Go、Pro、Pro Xのすべてがアップデートされている。「Go 3」には新しいIntel Core i3が搭載され、パフォーマンスが最大60%向上される。10.5インチのシステムは400ドル(日本では6万5780円)からで、今後数カ月のうちにLTEオプションも追加される予定だ。「Pro 8」は、13インチのスクリーン、第11世代のインテルCoreプロセッサー、2つのThunderbolt 4ポートを搭載した2in1モデルだ。価格は1100ドル(日本では14万8280円)からとなっている。一方、薄くて軽い「Surface Pro X」は、Microsoft SQ2 ARMチップを搭載し、価格は900ドル(日本では14万2780円)からだ。

画像クレジット:Microsoft

これらすべてのモデルが、より細いペン先、触覚フィードバック、磁気充電機能を備えた新しい「Surface Slim Pen 2」に対応している。価格は130ドル(約1万4300円)。さらに、海から回収されたプラスチックを20%使用した「Microsoft Ocean Plastic Mouse」も登場する。また「Surface Adaptive Kit」は、キーキャップラベル、バンプラベル、ポートインジケータ、デバイスオープナーなどを貼り付けて、デバイスのアクセシビリティを向上させることができる。

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  6. Surface-Duo-2-Internals

    画像クレジット:Microsoft

全体的に見て、良いバランスだと思う。Surface Laptop Studioは、2in1スペースのもう1つの魅力的な居場所を探っている。それはニッチだろうか?そう、おそらく。しかし、Microsoftはこの種のプロダクトを長く手がけてきたため、その規模に応じた特性を理解している。また、OSのメジャーアップデートといっても、それを推進するためのハードウェアがなければ意味がない。

一方、Duo 2は、最初の頃はうまくいかなかった待望の新製品を改良したものだ。Microsoftは、このデバイスの欠点を率直に述べており、新製品でそれに対処しようとしている。このデバイスがもっと高い価格で提供されるべきだというかなり説得力のある議論をすることもできるが、多くの奇妙なコンセプトの製品(Neoの場合)がそこまで受け入れられなかったことを考えると、このように既成概念にとらわれない製品にこだわっているようなのは良いことだ。

画像クレジット:Microsoft

その他の新しいSurface製品は、Windows 11を見据えたより洗練された製品となっている。複雑なシステム要件が示すように、Microsoftは明らかにハードウェアをアップグレードして欲しいと考えている。

「Microsoft Ocean Plastic Mouse」は、確かに、ハードウェアのアップグレードを推進するためのちょっとしたギミックだ。さらに理想的な世界では、同社のすべての機器が同じような部品で作られているはずだ。海からプラスチックを救い出すことができるなら、それはそれで良いことだと思う。「Surface Adaptive Kit」は、これまで業界をリードしてきたアクセシビリティへの取り組みのうち、消費者向けの製品となる。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ラズベリーパイ財団が約49.3億円調達、低価格PCとIoTの需要に応える

結果的に、新型コロナウイルス感染症による都市封鎖は、ハードウェアハッキングの室内ホビーにとってありがたい状況となっている。低価格マイクロプロセッサーであるRaspberry Pi(ラズベリーパイ)の母体である英国拠点の財団は、4500万ドル(約49億3000万円)の調達ラウンドを完了したことを現地時間9月20日に発表した。

(非営利の)ラズベリーパイ財団の取引部門に対するこの資金注入は、評価額5億ドル(約547億6000万円、調達前)で実施されたことを共同創設者のEben Upton(エベン・アプトン)氏が確認した。

調達ラウンドは、ロンドン拠点のLansdowne Partners(ランズダウン・パートナーズ)と米国拠点の民間慈善団体The Ezrah Charitable Trust(エズラー・チャリタブル・トラスト)がリードした。

「Lansdowne PartnersとThe Ezrah Charitable Trustを初の外部株主として迎え、当財団の次の段階の成長を支援していただけいることを喜んでいます」とアプトン氏は声明で語った。「仕事やエンターテインメントのために私たちのPCを使ってインターネットをアクセスする消費者の需要が高まっていることに加え、Raspberry Piを革新的IoTに応用する世界中の産業企業からの需要はいっそう早く成長しています。この資金調達によって、将来の需要に答えるための規模拡大が可能になります」。

「新たに迎えた出資者は、財団の戦略に価値を加えて成長を推進するだけでなく、私たちのビジネスモデルの原理と精神を理解しています。誰もがハードウェアとソフトウェアのツールを利用できるようにして、消費者向けPC体験をわずか35ドル(約3830円)から提供し、世界中のさまざまなOEMと提携することが財団の目標です」。

調達した資金は、すでに充実しているPiマイクロプロセッサーの製品ラインをさらに拡大するために使う、とPi財団はいう。

マーケティングでの資金利用も計画されており、消費者(「自分で作る」PC)と産業(IoT)両分野が対象だ。

現在財団の取引部門は年間700万台以上のデバイスを出荷している。

これまでに100カ国以上に4200万台以上の(Piベースの)PCを出荷したと財団は語った。

「都市封鎖の中でRaspberry Piに対する関心が明らかに高まっています」とアプトン氏はTechCrunchに語る。「自宅で勉強するためのマシンを必要としている若者たちに機材を提供できることをうれしく思っています。また私たちは、すばらしい慈善的支援(特にBloomfield Trustによる)を受け、英国の恵まれない若者たちにキットを配布しています」。

「現在の持続する需要の増加は、主としてコロナ禍からの景気回復による企業顧客によるものです」。

「短期的には、需要に応じるための生産とサプライチェーンへの投資が中心です」と資金利用の計画を詳しく語った。「長期的には、この資金によってプロダクト開発への投資を拡大することができます。プロダクトが高度になるにつれ、開発には費用も時間もかかるようになるので、エンジニアを増員することが今後の成長の鍵です」。

Lansdowne ParternsのPeter Davies(ピーター・デイビーズ)氏が次のように付け加えた。「長年見守り評価してきたRaspberry Pi財団に投資できることを大変喜んでいます。同財団が最初の10年間に成し遂げた商業的、人間的影響は卓越しており、新たな資金を得た財団のさらなる成長を支援をすることを楽しみにしています」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国の第2四半期PC販売台数は17%増もパンデミック需要反動で伸びは鈍化

Canalysは8月25日、米国の第2四半期のPC販売台数を発表した。販売台数は前年同期比17%増と極めて好調だった一方で、伸びはパンデミックによって74%増を記録した前四半期から大きく鈍化した。おそらく、原因はあちこちで報道されている世界的なチップ不足だ。

HPがマーケットシェア21.9%で第2四半期連続でトップの座を維持し、販売台数は前年同期に比べて20%超増えた。Appleが変わらず第2位で、マーケットシェアは20.6%だった。ただ、同社の成長率がマイナス2.8%に落ち込んだのは注目に値する。

関連記事:米国の2021年第1四半期のPC出荷台数は73%増、Chromebookが好調

Dellがマーケットシェア15.6%で第3位となり、Lenovoが12.4%で続いた。前年同期からの成長率に目を向けると、Samsungが50%超と最も高い成長をみせたがマーケットシェアはわずか8%強にとどまった。

画像クレジット:Canalys

Canalysの調査アナリストBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、2020年から2021年にかけてこの部門で目にしてきたパンデミック由来の成長が今後も続き、経済のリバウンドが続くのにともなって消費者の買い替えの兆しが見えてくる、と楽観的だ。

「商業部門と教育部門が爆発的に伸び、かなりの買い替え需要を引き起こしています。米国経済はパンデミック問題から立ち直り、零細企業も復活しています。これはPCの購入につながります」とリンチ氏は声明で述べた。

合計で3680万台が販売され、伸び率はノートブックが27%増、デスクトップは23%増、タブレットは停滞気味で実際には1%減だった。この前年割れについてCanalysは教育マーケットがタブレットから移ったこと、多くの人が家に留まることを余儀なくされたときにタブレットを購入し、すぐには買い替えないことを挙げた。

にもかかわらず、タブレット部門でAppleはシェア45%と確固たる地位を築いている。その一方でAmazonがシェア22%で第2位の好位置につけ、Samsungが同18%で続いている。

どこかの時点で多くの人が対面学習やオフィスでの業務に戻るにしても、学校や企業の多くがハイブリッド式、あるいは完全リモートのアプローチすら取り続けるのは明らかで、これはPC産業にとって良い兆候であり、チップ不足が最終的に緩和すれば特にそうだろう。

画像クレジット:Ibrahim Sahin / EyeEm / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

第2四半期のChromebook出荷数は前年同期比75%の増加

2021年第1四半期にChromebookの売上台数は前年同期比275%増の1200万台となった。調査会社Canalysの最新の調査によると、第2四半期はそこまで大きな数字ではないが、それでも前年同期比75%の成長で1190万台を出荷した。

コロナ禍でPC市場全体が成長する中、Chromebookはこの市場の一角を占めるようになってきた。消費者が緊急に在宅勤務の体制を整えなくてはならない状況で一般的なタブレットやPCが堅調に成長する一方、GoogleのOSは学校がリモート学習を始めたことからさらに大きく伸びている。

コロナ禍の発生から1年以上経って多くの学校が再開しているが、Chromebookの売上の伸びは依然として目覚ましい。GoogleはこのOSを教育分野にとどめずさらに範囲を広げて、この成長を足がかりにしようとしていると見られる。

Googleは間違いなくエンタープライズ分野に注目している。デプロイもロックダウンも簡単なシステムはエンタープライズから歓迎されるだろう。

画像クレジット:Canalys

CanalysのBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は発表の中で「Chromeが教育分野で比較的堅調を維持し、2021年にGoogleは商用分野に大きく乗り出しています。Google Workspaceの『個人用』サブスクリプションや、古いPCを転用して既存のChromebookと共存させるCloudReadyライセンスのプロモーションといった新たなサービスで、スモールビジネス対策を強化していると見られます」と述べた。

AppleもM1ベースのシステムを複数発売してからはビジネス分野に力を入れている。同社は最近、新しいApple at Workのサイトを公開した。

Appleは企業向けITの取り組みについてサイトに次のように書いている。「組織でお使いのデバイスが10台でも1万台でも、Appleは既存のインフラと簡単に統合できます。IT部門はゼロタッチ導入によってリモートで構成と管理を行い、あらゆるチームに合わせて設定プロセスを調整できるので、すべてのMac、iPad、iPhone、Apple TVを、すぐに使い始めることができます」。

2021年後半にはWindows 11が登場し、Microsoftはリモートなども含めた職場での優位性を維持するために独自の主張をしていくはずだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ChromebookパソコンノートパソコンGoogleCanalys教育オンライン学習

画像クレジット:Boston Globe / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)

AndroidアプリがAmazonアプリストア経由でWindows 11に登場、ウィンドウとして動作

エコシステムは奇妙な仲間を生む。米国時間6月24日に行われた「Windows 11」イベントでは、最近記憶する中でもっとも奇妙な、そしてもっとも予想外だったニュースの1つが発表された。Microsoft(マイクロソフト)は、次のメジャーバージョンのOSでAndroidアプリを利用可能にする。

チーフプロダクトオフィサーであるPanos Panay(パノス・パネイ)氏は、この追加を「もう1つだけ小さなサプライズ」と呼び、モバイルアプリはスタートメニューやタスクバーに統合できると述べた。また、OSの新しいアプリ配置UIの一部として、タイル状に整列させたり「ウィンドウ」になったりする。

画像クレジット:Microsoft

これらのAndroidアプリは、Amazonアプリストアを経由してMicrosoft Store上で提供される。同社は、OSのデモで動作するTikTok(ティックトック)を紹介した。同アプリはモバイルファーストのデザインから予想されるように、縦長のポートレートで表示されている。

Androidアプリは185万種類あるので、現在のところ、これはMicrosoftのアプリストアに新しいコンテンツを大量に流し込み、最新の人気モバイルアプリをいきなりプラットフォーム上で利用できるようにする方法だ。しかし(Intel Bridge上に構築された)この体験が最終的にどれほど良いものかは、時が経ってみないとわからない。

Windows 11は2021年の年末ホリデーシーズンにリリースされる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftWindows 11WindowsOSパソコンノートパソコンAndroidアプリAmazon

画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

Instagramがデスクトップブラウザから投稿できる機能をテスト中

モバイルプロダクトだけに何年も注力してきたのちに、Instagram(インスタグラム)はようやくユーザーがコンピューターから投稿できるようにすることを検討している。多くのTwitterユーザーが、テスト機能が米国時間6月24日に使えるようになったことを指摘し、InstagramはTechCrunchにテストを展開していることを認めた。

「多くの人がコンピューターからInstagramにアクセスしていることに気づいています」とInstagramの広報担当は述べた。「そのエクスペリエンスを向上させるために、当社はデスクトップブラウザからInstagram上でフィード投稿ができる機能をテストしています」。

なぜ、今なのか。明らかにパンデミックの間にスマートフォンからではなくコンピューターからInstagramを利用する人が増えた。

テストが使えるかどうかをチェックするには、ブラウザでInstagramにいき、新しい「プラス」のアイコンが右上のアイコントレイにあるかどうかを確認する。テストはすべての人に提供されているわけではなく、またメインフィードへの投稿が作成できるだけだ。

新しいテストはInstagramのデスクトップに関する最新の動きだ。Instagramは2017年にウェブでStoriesを閲覧できるようにし、2020年後半にデスクトップにダイレクトメッセージ機能を加えた

「Instagramデスクトップウェブのエクスペリエンスがネイティブアプリの使用を減らすという証拠は見つかっていません」とInstagramのデータサイエンティストはウェブメッセージ機能の立ち上げ時に述べた。

「実際はまったく逆です。どちらのインターフェースも使うユーザーは、どちらかのインターフェースだけを使うユーザーよりも、それぞれのインターフェースでより多くの時間を費やします」。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi