建築家向けプロジェクト管理ソフト開発のMonographが約2億円を調達

米国時間3月10日、建築家がプロジェクトとコストを簡単に管理できるようにするクラウドベースのソフトウェアを手がけるスタートアップのMonographが、190万ドル(約2億円)のシード資金を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはHomebrew VenturesとParade Venturesで、Designer Fund、Hustle Fund VC、複数のエンジェル投資家も参加した。

画像:Monograph

2019年にRobert Yuen(ロバート・ユエン)氏、Alex Dixon(アレックス・ディクソン)氏、Moe Amaya(モエ・アマヤ)氏が、サンフランシスコを拠点として同社を創業した。3人がそれぞれ建築、デザイン、ソフトウェア開発の経験を有していることが、建築家に特化した管理プラットフォームの構築に有利に働いている。

Monographは、簡単に使うことができ、特に使いはじめが簡単なソフトウェアを設計した。建築事務所が表計算ソフトなど従来のプロジェクト管理方法から乗り換えるように促すためだ。同社によれば、1人で活動する建築家から60人以上を擁する事務所まで、すでに数百人の建築家と契約しているという。Monographはこれまでに、バスルームやキッチンのリフォームから大型ホテルの建設まで、1億2500万ドル(約130億円)以上のプロジェクトの管理に使われてきた。

  1. Monograph_Projects

  2. Monograph_Project_Tasks

  3. Monograph_Dashboard

Monographの創業以前、3人はDixon & Moeという広告代理店で、テック系スタートアップや建築事務所を対象としたUI/UXコンサルタントとして、ともに働いていた。

ユエン氏はTechCrunchに対し、次のように語った。「Monographは、建築デザイナーとしての毎日の生活や友人たちとの日々の暮らしの中で見てきた問題を解決する製品として、まさにこの代理店から生まれた。仕事にどれほどの時間がかかっているか、プロジェクトの進行状況はどうか、誰がプロジェクトに関わっているのかといった情報が透明でなかった。プロジェクトをきちんと管理できる方法がなく、年々複雑さを増していた」。

PlanGrid、Procore、UpCodesといった建築業界のテック企業と同様に、Monographも設計と建築のプロセスを効率化しつつ、チームがもっと簡単に連携できるようにすることを目指している。

Monographは現在、建築家とコンサルタント向けに設計されており、マイルストーンのアサイン、プロジェクトのタイムラインの管理、タイムシート、請求のツールを備えている。データは後からMoneyGanttのようなコストと進捗の分析に使用し、予算を予測できる。

ユエン氏は、プロジェクトの規模にかかわらずチームには建築家、デザイナー、エンジニアがいると語る。Monographは今年末までに、構造、電気、機械のエンジニアやその他の有資格者も使える新しいバージョンのリリースを開始する計画だ。

同社は調達した資金でソフトウェアエンジニアリングとカスタマーサポートのチームを雇用することにしている。

報道発表の中でHomebrew VenturesのパートナーのSatya Patel(サティア・パテール)氏は「Monographは組織とプロジェクト管理を変革するソフトウェアを提供している。建築家とデザイナーの仕事を変えて、クライアントへのサービスを充実させコストを管理し利益を増やすものだ。我々は、モダンなソリューションを期待してきた市場において同社が成長し革新を続けていくことに期待している」と述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

SpaceはSlackを超える開発者向け新プロジェクト管理プラットフォームになるか

ファイル共有、タイムトラッキング、電子メール統合、ガントチャート、予算管理などが、平均的なプロジェクト管理プラットフォームに最も求められる機能の一部だが、それでも何かを管理する問題に対して、さまざまなアプローチをとるツールが次々に生まれている。

今では技術者のほとんどが、Slack、Asana、Notion、Trello、Azure DevOps、GitLab、そしてGitHubになじんでいる。だが、この領域はまだ活気を見せている。先月にはMicrosoft Teamsのアクティブユーザー数は、7月の1300万人から増加して2000万人を超えた。Slackは、第2四半期には毎日1000万人以上のアクティブユーザーを数えたことを報告 した。アドビはコラボレーションツールを立ち上げたばかりで、Notionは人気沸騰中だ。そしてFrame.ioは5000万ドル(約54億円)を調達し、MicrosoftはFluidを提供する。WordPressでさえこの動きに参入してきている。

(ジャーナリストのために誰かが何かを作ってくれるのはいつだろう?いや、私たちは貧乏なんだった。忘れてたよ)。

それでも。そうそれでも、開発者向けのプロジェクト管理はいまでもスタートアップにとっての人気分野のままだ。ということで、またこの領域(スペース)向けの新製品が発表された。そして、それは実際にSpace(スペース)という名前だ。

Space は、メッセージング、チームおよびプロジェクト管理、内部ブログ、会議スケジューリング、ソフトウェア開発プロセスを1つのプラットフォームに載せた、統合チーム環境だと宣伝されている。

現在「Organizationプラン」が初期ユーザーに無償で提供されている。このプランには、1ユーザーあたり25GBのストレージ、月間1万回までのCI(継続的インテグレーション)クレジット、ユーザーあたり125GBのデータ転送量が含まれている。

Spaceを使用することで、チームが扱う必要があるすべてのデータが1カ所に保存され、ソフトウェア開発ツール(ソースコード管理、コードレビューとブラウジング、継続的インテグレーション、デリバリーとデプロイ、パッケージリポジトリ、課題トラッキング、計画ツール、プロジェクトドキュメント)がコミュニケーションとアイデンティティのサポートに統合される。

基本的な狙いは、新しい従業員の追加から、CI/CDパイプラインへの要求をマージするためのルールの構成まで、あらゆるワークフローを自動化できるようにするということだ(CIは継続的インテグレーション、CDは継続的デリバリーならびに継続的デプロイメント)。会議、プロジェクト、タスク、コミット、コードレビューなどをスケジューリングすることもできる。

Spaceは、Androidの半公式言語であるKotlinを支えるJetBrainsからの新製品だ。JavaはAndroid開発の公式言語だが、その学習曲線は急勾配だ。そのためJetBrainsがKotlinを開発したとき、それは大成功し二次的な「公式」Java言語となった。なので理論上は、彼らはそうした内容を熟知しているはずだ。

JetBrainsのCEOであるMaxim Shafirov(マキシム・シャフィロフ)氏は次のように語る、「ほとんどのデジタルコラボレーション環境は、開発ツールからタスク管理まで、さまざまな問題に対処するソリューションの単なる詰め合わせです。このためユーザーはツールやタブを切り替えながら、情報を手動でコピーすることになりますが、一般的に時間と創造的な流れを失いがちです。JetBrains Spaceはこれを変えて行きます。つまり、ソフトウェア開発を含む、創造的な仕事の基盤を変えて行くのです」。

JetBrains Spaceは、無料のサブスクリプションモデルを通じて始めることができるが、有料プランはアクティブユーザー1人あたり月額8ドルからのスタートとなる。Spaceの究極の目標は、デザイナー、マーケティング担当者、販売、経理などを含む幅広いクリエイティブチームに、拡張された統一的な全社プラットフォームを提供することだ。

Spaceが離陸し、Slackのような製品を締め上げ始めることになるかどうかは、時間が経てばわかるだろう。Slack嫌いの1人としては、そう願いたいものだ。

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(翻訳:sako)

プロジェクト管理アプリのZenkitが再設計されAPIも公開された

Trelloのようなプロジェクト管理サービスはいろいろある。Zenkitの中心的な機能はまさにそれだが、ほかのサービスよりもずっと柔軟で、自分たちの仕事のやり方に合わせる(そしてカンバン方式を超える)方法がたくさんある。米国時間5月23日、Zenkitのバージョン3.0が登場した。見た目が新しくなっただけでなく、エンドユーザーと開発者のための新機能が追加されている。

この新バージョンで、Zenkitのモバイルとデスクトップのユーザーインターフェイスが統一された。また同社はプログレッシブウェブアプリに舵を切っている。ZenkitのCEOで共同創立者のMartin Welker氏は、ネイティブアプリケーションの開発を完全に中止したと語った。

同氏はこう語る。「Ionicなどの既存のフレームワークはコンポーネントベースで、我々が思い描いているような入り組んだものには対応できなかった。コンポーネントではなくアプリ全体に対応できる独自のフレームワークを自分たちで書く必要があることが明らかになってきた。我々のビジョンを実現するために、Zenkitフレームワークの実装はすべてのプラットフォームの設計に合わせた。しかもチームの開発方法にも抜本的な影響を与えた」。

Zenkitの新バージョンには、コレクションの公開などの新機能も追加されている。組織外の人と共有したりほかのウェブサイトに埋め込んだりできる公開の掲示板(あるいはマインドマップやカレンダーなど)のようなものだ。Welker氏は、ユーザーがこの機能を使ってプロジェクトのロードマップやアプリのChangeLogなどを共有すること、またフリーランサーやコンサルタントがプロジェクトの進捗状況をクライアントと共有することに期待しているという。またイベントの管理者がカンファレンスのスケジュールを公開することなどもできるだろうという。

iPadのSplit Viewにも対応した。

Welker氏は「デザインを一新したため、Zenkitのモバイルエクスペリエンス、特にタブレットのエクスペリエンスを向上させる必要が出てきた。タブレットとスマートフォンでは、使い方も目的も異なる。そこでプログレッシブウェブアプリをアップデートして、どのデバイスでもネイティブアプリのように感じられるようにした一方で、アップデートや修正を1つの中心的なソースコードから即座にプッシュできるようにした」と説明する。

さらにZenkitはMicrosoft Teamsに対応し、Microsoftアカウントでログインできるようになった。iCalendarの購読にも対応した。

APIも公開された。これは実は興味深いことだ。サービスのコアにはジェネリックなデータベースがあるので、開発者はZenkitを自分のアプリのバックエンドのデータベースとしても使うことができる。開発者がこのサービスをこれからどのように利用するか、注目される。

画像:Sultan Mahmood Mukut / EyeEm / Getty Images 

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(翻訳:Kaori Koyama)

プロジェクト管理の人気サービスTrelloがエクステンションを見つけやすくするディレクトリをローンチ

Atlassianが、カンバン方式のプロジェクト管理サービスで大成功していたTrelloを買収してからほぼ1年になるが、最初の約束どおりTrelloのプロダクトへの積極的な投資を継続している。今日(米国時間1/1)Trelloは、そのアドオンのための(アドオンないしエクステンションのことをTrello語で‘Power-Ups’と呼ぶ)、新しいディレクトリをローンチした。それはAtlassianのこのサービスへの継続的投資を示すだけでなく、AtlassianのエコシステムによるTrelloの使い方の特徴も示している。

Power-Upsのプラットホームがローンチしたのは2016年だが、昨年AtlassianがTrelloを買収したときは、わずか30あまりのエクステンションがあるだけだった。しかしその後は急速に増えて、今では80になっている。

エクステンションが少ないときは、リストで十分間に合ったが、80にもなるとリストは妥当ではない、とAtlassianのTrelloプラットホームのトップHamid Paloは言う。そこでチームは、今ふうのアプリストアのようなディレクトリ(目録)を作ることを決意し、エクステンションをカテゴリー別にまとめることにした。

“新しいディレクトリは説明文に力を入れ、ユーザーが探しているものを見つけやすいようにした”、とPaloは語る。しかしそれだけでなく、各デベロッパーがユーザーに、そのエクステンションによるTrelloの便利な使い方を分かりやすく説明することにも、力を入れている。それには、ユーザーが今使っているサードパーティ製品との統合の仕方もあれば、Trelloのカードに投票ボタンをつけてガントチャートを作る、というものもある。エクステンションのデベロッパーがディレクトリに、独自の画像やビデオをつけることもできる。

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Googleのモニタリング/ロギングサービスStackdriverがアップデートされカスタマイズと視覚化が充実

Google Cloud PlatformやAWSの上で動くアプリケーションの、モニタリングやロギング(ログ取り)、診断などのサービスを提供するGoogleのツールStackdriverが今日(米国時間8/31)アップデートされ、ロギングの機能が増えるとともに、無料のログサービスの大きさが拡張された。すなわち12月1日からは、Stackdriverのロギング機能は1プロジェクトあたり1か月に50GBまでのログを無料で提供する。50GBを超えるぶんは、1Gバイトにつき月額50セントが課金される。

このアップデートのスローガンは、ログの分析を早くし、管理を容易にし、そしてより強力にすることだ。そのためにGoogleのチームは、ログに何かが書き込まれたときと、それがStackdriverの分析結果に反映されるまでの時間を短縮した。これまでは、ログのアップデートがStackdriverのユーザーにとって可視になるまで5分以上を要していた。それが今や1分未満になったそうだ。

これまでも、5分では困るというユーザーはあまりいなかったと思うが、でも早くなって怒るユーザーはいないだろうね。

またこれからは、ログのどんな項目でもそれらの各欄をラベルにして、ログのデータを視覚化できる。しかしもっとおもしろいのは、ユーザーが排除フィルターをセットアップして、必要なデータだけをログに出力させられることだ。GoogleのプロダクトマネージャMary KoesとDeepak Tiwariが、今日の発表声明で書いている: “排除フィルターを利用してコストを下げ、無駄なログを減らしてS/N比を上げられる。特定のソースをブロックしたり、逆に特定のパターンにマッチする項目を拾うことによって、コンプライアンスにも貢献する”。

もうひとつの新機能一括エクスポート は、複数のプロジェクトのログをGCS, PubSub, BigQueryなどにエクスポートできる。これまではデベロッパーが、一つ々々手作業でエクスポートしていた。

[↓排除フィルターと排除を指定するエディター]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

子ども向けのプログラマブルなロボット工作キットを多種類提供しているMakeblockがシリーズBで$30Mを調達

子どもたちが単純なおもちゃで単純に遊んでいた時代があったよね。もちろん今でもそれはできるけど、親たちはますます、テクノロジーをぎっしり詰め込んだ玩具を買い与え、将来はソフトウェアのデベロッパーやロボットのエンジニアとして楽な生活ができることを願う。先月ニューヨークでInternational Toy Fairを開催したToy Industry Association(玩具産業協会)にいたっては、ロボット教育が2017年の玩具市場の主要なトレンドだ、とまで言い出す始末だ。

そして、深圳のMakeblockはこのほど、シリーズBで3000万ドルを獲得して、そんな親たちにプログラマブルなロボットと、子どもたちやティーンのためのロボット工作キットを提供しようとしている。2011年創業のMakeblockは、今や140か国に顧客がいて、製品は世界中のさまざまな学校2万校の教育者たちが利用している、という。

同社のいちばんよく知られている製品は、mBotシリーズの各種走行車両類と、簡単なモジュール構造の玩具ドローンAirblockだ。後者は初心者でも組み立てられる。しかし同社のテクノロジー玩具製品の種類はとても多くて、中には奇抜なものもある。たとえばMusic Robot Kitには、シロホンと電動の打棒(ばち)がある。組み立てとプログラミングがうまくいけば、楽譜を演奏できたり、ユーザーがリモートのPCのキーボードから弾けたりする。

ドローンキットAirblockは初心者でも航空機ロボットを作れるように設計されている。

Makeblockの製品はグラフィカルな環境でプログラムを作るので、プログラミングがまるでゲーム感覚だ。初心者はプログラミング言語でコードを書いたり、コマンドでロボットを動かしたりしない。画面上で、ゲームのピースを一定の順序で並べるだけだ。

今回のMakeblockへの投資は、Evolution Media ChinaShenzhen Capital Group(深圳資本グループ)がリードした。子どもたちにテクノロジー玩具を与えてプログラミングへ入門させようとする企業は、玩具企業にかぎらず今ではたくさんあるから、今度得た資金はその競争に勝つために投じられる。主な競合他社は、LittleBits, SparkFun, ArcBotics, Flybrixなど、しかもWonder WorkshopOzobotなどは、子どもたちが組み立てるキットではなく、完成品のロボットでプログラミングを学ばせようとしている。

MakeblockのCEO Jasen Wangによると、彼は、農村の貧しい、テクノロジーとは無縁な家に生まれ育った。コンピューターに初めて触ったのは、大学に入ってからだ。だからプログラミングの勉強を始めたのも、遅かった。でもテクノロジー大好き人間になった彼は、より多くの若い学生たちをメイカームーブメントに誘い込むことを仕事にしたい、と考えるようになった。そして、2011年にMakeblockを創業した。

新たな資金の用途は、人員増、製品開発、生産能力の拡大、国際展開と多様だ。中でも重要なのが、アメリカにオフィスを開くこと。投資家たちが期待しているのは、Makeblockが“次世代のLego”になることだ、とCEOは語る。

しかし最近の“子ども製品業界”は合併や買収が盛んだから、今後のMakeblockにも、何らかの(IPO以外の)有利なイグジット(exit, 出口)による市場拡大の機会が、ありうると思うね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GitHubがプロジェクト管理ツールを内蔵へ、そして公式の多面的なレビュー過程をサポート

Workers install a billboard for GitHub Inc. in San Francisco, California, U.S., on Tuesday, Nov. 11, 2014. GitHub, which provides open-source code hosting services and has raised more than $100 million from investors, is among tech startups boosting demand for billboard space around Silicon Valley. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images

GitをベースとするコードホスティングサービスGitHubは今日(米国時間9/14)、サンフランシスコでデベロッパーカンファレンスUniverseをやっている。年に一回の大会は新しい機能を発表するのにふさわしい機会だが、今回同社はそれを、“このプラットホームのこれまでで最大のアップデート”と呼んでいる。それらがどれだけ重要かは、各人のGitHubの使い方にもよるのだが。

チームで仕事をしている人にとっては、レビューの導入が最大のニュースだろう。これからはデベロッパーやメンテナーが、すべてのプルリクエストを公式に承認したり、変更をリクエストしたりできる。またレビューのサマリ(要約)を残したり、コメントをモデレート(司会調停)できる。ただし公式のレビューがなくても、インラインのコメントを残すことはできる。

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GitHubのCEOで協同ファウンダーのChris Wanstrathが、今日の発表声明で言っている、“これによって、一行のコードに関して複数の会話をサポートでき、個々のフィードバックループが明瞭になり、会話の質も上がり、良質なコードレビューが可能になる。しかしコードレビューは今後さらに、もっと敏速かつフレンドリーなものにしていきたい。今すでにこの機能の改良に取り組んでおり、その中には同僚などにレビューをリクエストする機能もある”。

また今回のアップデートでGitHubは、単なるコードを超えて、簡単な「かんばんボード」のようなプロジェクト管理機能を加えた。これまでもGitHubはさまざまなプロジェクト管理ツールの統合をサポートしていたが、これからはプルリクエストと一緒にカードを動かしたり、カラムのあいだに“やってます”、“やりました”、“できません”などなどの注記を入れられる。Trelloなどのように、カードをドラッグ&ドロップで別のカラムへ移動できる。

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今日のアップデートではさらに、GitHubのAPIが改良されて、たとえば、サードパーティのサービスが自分のサービスをGitHubに容易に統合できるようになった。また、新しい機能やAPIは、一般公開の前に“試用サービス”が提供される。

そしてエンタープライズユーザーは、ひとつのアカウント上のすべてのメンバーに二要素認証を強制できる。SAMLベースのシングルサインオンもサポートする、と言っているが、その日程は明言されなかった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Trelloに対抗、Microsoftの新たなプロジェクト管理ツール「Planner」が正式ローンチ

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Microsoft Officeのラインナップに、 新たな仲間が加わった。Microsoft Plannerだ。これは仕事の計画を視覚的に整理するためのソフトウェアで、タスクのアサイン、ファイル共有、チャットなどチームが協働するための機能を備えている。昨年の秋に初めて概要が紹介されたこのアプリは、プロ向けソフトウェアであるAtlassianのJIRA CoreやTrello、Asanaといったスタートアップが提供する簡単に使えるツールがひしめく分野へと参入する。

TrelloのようにPlannerでも「Boards(ボード)」を使って、仕事の管理を行う。各ボードの中には個別の「Cards(カード)」があって、それぞれに締切を設定したり、添付資料を付けたり、カテゴリー分けやチャットができるようになっている。何のカードかを一目で判別できるよう、カードに書類や写真を設定することもできる。カードは「Buckets(バケツ)」と呼ばれるカラム内で整理する。バケツには色分けや優先順位を付けることが可能だ。

このソフトウェアのもう1つ重要な要素が「Hub(ハブ)」だ。このハブでは、仕事全体の進捗を確認することができる。誰が計画通りに仕事を進められていて、誰が遅れているかを確認し、そこから自分のタスクや課題を絞り込んで確認することができる。

Microsoftが提供するこのサービスが他の競合サービスより魅力的な点は、Microsoftプロダクトと連携することだ。すでにMicrosoft Officeの一連のプロダクトや関連サービスを使用している企業に訴求することができるだろう。例えば、PlannerはOffice 365 Groupsと連携しているので、PlannerでのやりとりはOutlook 2016、ウェブ版Outlook、モバイルでもOutlook Groups Mobile Appsから見ることができる。

PlannerはOneNoteとも連携している。全てのプランに対して、OneNoteのNotebookが割り当てられると同社はいう。ソフトウェアはOfficeとも連携するので、ユーザーはカードにWord、Excel、PowerPointの書類を添付することができる。これらの書類はSharePoint Onlineのドキュメントライブラリに保存され、オフラインでも利用可能となる。

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Microsoft Officeのサービスの1つであることから、Plannerは企業がすぐに活用できるツールになっている。大手企業が要求する技術的な要件とサポートを備えている。例えば、複数回余計にバックアップを行う機能、素早い復旧、そしてHIPAA、FISMA、ISO27001の基準を満たし、EUの基準にも準拠したモデルも提供する。

Microsoftは前からProjectというプロジェクト管理ツールを提供してきたが、多くの人はそれは複雑すぎて、ニーズに対して過剰なツールであると感じていた。Projectを完全に使いこなすためにはユーザーがいくらか使い方を学習する必要があったため、多くがExcelやTrelloといった新しく登場したソリューションに流れていた。

しかし、他のプロダクティビティアプリがMicrosoft Officeの利益を生み出すプロダクトの認知度を脅かすようなことがあれば、同社は何かしらのアクションを取ってきた。MicrosoftはYammerWunderlistSwiftKeySunriseAcompliを買収し、Slackの買収も検討した。Trelloの場合は、買収の代わりに自社でサービスを構築した。

MicrosoftはPlannerでカスタマーの負担が軽く、簡単に使いこなせるツールとして提供し、SharePoint Tasksの代わりに位置付ける。Plannerの最初のデビューより随分と前にSharePoint Tasksは撤去されていた(Tasksのページは、1年ほど前からPlannerのウェブサイトに遷移するようになっていた。Plannerの正式発表より前からだ)。

Microsoftは、次の数週間で該当するOffice 365のカスタマー( Office 365 Enterprise E1-E5、Business Essentials、Premium、 Educationのサブスクリプションプランに加入しているカスタマー)にPlannerを展開していくという。Plannerが有効になると、これらのカスタマーはOffice 365のランチャーに自動で表示されるようになるという。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

AtlassianがJIRAを三つのスタンドアロンソフトウェアに分割、非技術系一般社員のコラボレーションツールも

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先月ひそかにIPOを申請したらしいAtlassianが今日(米国時間10/6)、同社の旗艦製品であるプロジェクト管理/問題追跡ツールJIRAの大型アップデートを発表し、それを三つのスタンドアロンプロジェクトに分割することになった。ソフトウェアチームのためにはJIRA Software、一般のビジネスチームのためにはJIRA Core、そしてITなどそのほかのサービスチームのためにはJIRA Service Deskとなる。

JIRAはローンチしてから13年間で急速に、開発チームの人気ツールに成長したが、今では技術者以外のユーザも増えている。そこでAtlassianは、そのための便宜を図ろうとしたのだ。これらの新しいスタンドアロンプロダクトはクラウドバージョンとオンプレミスバージョンがあり、どちらも最低料金は10名以内月額10ドルだ(JIRA Service Deskだけは3名以内月額10ドル)。

Atlassianの社長Jay Simonsによると、これはユーザ企業にとって重要なリリースであるだけでなく、Atlassianにとってもたぶん、これまでで最大のリリースだ。

JIRA Softwareは基本的にこのサービスの最新バージョンで、アジャイルソフトウェア開発のチームに焦点を当てている。ほかの二つと併せてユーザ体験のアップデートが若干行われており、また、JIRA体験の核となるボードまわりもアップデートされた。

JIRA Service Deskはこれまで、JIRAの中核的サービスのアドオンとして提供されていたが、今度からはスタンドアロンのプロダクトになる。

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JIRA Coreは実は‘新製品’だ。これはJIRAのサービスからソフトウェア開発の部分を取り除いて、一般社員のための一般的なコラボレーションツールに仕立てたもの。一般的な用途のためのテンプレートを新たに加え、プロジェクトやタスクやイシューのページを容易にセットアップできるようにした。JIRAのユーザ企業数社の協力を求めて、技術系以外の一般社員によるベータの結果から、このJIRA Coreプロダクトの細部の磨き上げを行った。

確かに、最近のAtlassianとJIRAをめぐる話題の中では、ソフトウェア開発以外のユーザが増えている、という話がとても多かったのだ。それを知ってる人には、JIRA Coreはそれほど意外なプロダクトではないだろう。

Simonsは語る、“すでに需要の多いプロダクトにとって、また新しい機会が開けたと言える。JIRAが、より一般的なコラボレーションツールになってきた、ということだ”。今でも多くの企業で、メールや巨大なスプレッドシートを多用してコラボレーションが行われているが、JIRAを使うと、そういうかっこ悪いことが、なくなるのだ。

JIRAは現在、165か国35000社の企業で利用されている。中でもJIRA Cloudプロダクトはこのところ、年率50%以上でユーザ数が増加している。

IPOが視界に入ってきた同社は、デベロッパ以外の世界でも、持続可能な成長を維持しようとしている。今は、すべての企業が、ある程度は、ソフトウェア企業だ、と言われている。でもそこには多くの技術系以外の一般的社員たちがいて、JIRAのようなプロジェクト追跡サービスを採用することもなく、日々黙々と仕事をしている。一方、そういう企業では、少数派であるデベロッパたちも、JIRAのようなプロジェクトツールを欠いたまま、毎日、いきあたりばったりの方法でバグを調べている。

〔訳注: 最初デバッグにMozillaのBugzillaを使っていたチームがそれを、大好きな日本映画の主人公にちなみGozillaと呼ぶようになり、JIRAの前身となるデバッガを内製したとき、それをGojiraと命名。やがてGoが落ちてJIRAになった。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

全体を正しく管理したいITと自分の仕事だけしたいデベロッパ…両者を同期させるGitベースのツールGitSwarmをPerforceが発表

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PerforceGitLabをベースとする新製品GitSwarmをローンチした。これは、デベロッパがもっぱら自分のコードだけに対して仕事をし、一方同時に、ITの管理部門はコードベースの全体を一望できる、というツール、すなわち、誰もが自分の職分に応じた仕事ができるプロジェクト管理環境製品だ。

Perforceのグローバルマーケティング担当VP Chris Hooverはこう説明する: “このプロダクトのメリットは、Perforceが従来から得意とする全体的(集中管理的)なワークフローと並行して、各デベロッパが自分のコーディング等を自分の流儀で進捗できることだ。すなわち全体的なプロジェクト管理と個々のデベロッパワークが、同期して進行できる”。

ふつう、やや大きな企業では、複数のデベロッパが大きなコードベースの、それぞれ自分用の一部を手がける。彼らはGitHubのようなツールを使って自分のコードとその必要な部品等をダウンロードするが、開発プロジェクトのサイズが大きいと、このばらばらなやり方ではうまくいかなくなる。GitHub本体は、大規模なグループ開発やプロジェクト全体にわたるコラボレーションをサポートしていない。FacebookやGoogleのようなスケールの企業になると、企業は単一コードベースの見やすさ・扱いやすさを求め、一方デベロッパたちは自分の好きな環境で仕事をしたがる。好きな環境とは、GitHubであることが多い。

この、大きな全体と、それを構成する複数の個、その並行管理がこれまでは難問だった。

いまどき信じられないかもしれないが、企業側は、FacebookもGoogleもゲーム企業も、単一の一枚岩的なリポジトリを維持したがるし、それにはもっともな理由がある。リポジトリを個別のプロジェクトに分割したら、共有すべき多くのコードがあちこちで果てしなく繰り返される(同じものが複数作られる/コピーされる)だろう。ストレージの無駄遣いだ。もっと重要なのは、コードがその大元でアップデートされたとき、そのアップデートがあちこちのミニリポジトリへ一斉同期しない。これは、悪夢にも似た大きな問題だ。

たとえばゲーム企業では、どのゲームも基本部位のエンジンやライブラリは最新のアップデートを使ってほしい。しかしリポジトリが各ゲームごとに複数あれば、ほぼ確実に、正しくアップデートされていないゲームも存在することになる。

GitLabのCEO Sytse Sijbrandijによると、そんなとき、これまでは新しいものと古いものを無理やりくっつける、間に合せのようなソリューションしかなかった。

今日のGitSwarmの発表では、すべての構成員がそれぞれ、自分が必要とすることをできるようになる。デベロッパは彼らが好む分散ワークフローをGitHub上で手がける。そして一方ITマネジメントは、Perforce上の単一のリポジトリでプロジェクトを管理する。デベロッパとIT、どちらもwin-win、どちらも幸せになれるソリューションだ。

この製品によりPerforceは、Gitをめぐって、GitLabやそのオープンソースプロジェクトとパートナーすることになる。PerforceのファウンダでCEOのChristopher Seiwaldによると、今回のプロダクトのGitまわりの部分をゼロから自作するよりも、すでに800名もの貢献デベロッパがいるオープンソースプロジェクトを利用させていただくのが、断然、賢明である。

“GitLabを説得して、積極的にパートナーになってもらった”、とSeiwaldは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Trelloの有料版‘Business Class’がアップデート、GitHubなどさまざまなサードパーティツールを統合

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2013年にプロジェクト管理サービスTrelloは、企業向けの有料サービス’Business Class‘をローンチし、そこにGoogle Appsの統合や、ユーザ全員ではなく部署別担当別などの管理機能を導入した。今日(米国時間9/15)同社は、この‘Business Class’をアップデートし、SlackやGitHub、Salesforceなどサードパーティツールの統合を導入した。

この新しい統合のことをTrelloはPower-Upと呼んでいるが、これによりTrelloがさらに使いやすくなる。たとえばこれまでのようにSlackとTrelloを別々に使うのではなく、Trelloのボード上のカードを数時間後にリマインドせよ、とTrelloに告げておくと、その時間にSlackがリマインダーをポップアップする。これまでの統合では、Trelloのカードやリストやボード上に何か基本的なアクティビティがあったとき、Slackのアップデートもらうだけだった。

さらにGitHubの統合では、コミットメッセージやプルリクエストなどGitHubの詳細情報を、Trelloのカードのリアルタイムなアップデートで見ることができる。このほか、BoxやGoogle Drive、Google Hangouts、Dropbox、Twitter、Evernote、Salesforce、Mailchimp、Help Scout、appear.inなどのサービスも今回のアップデートで統合される。

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これらの統合化はTrello Enterpriseのユーザに提供され、今回のアップデートの目玉だが、さらに‘Business Class’のユーザにはボードのコレクション機能が提供される。これは複数のボードを種類別タイプ別人数別などにグループ化できる機能で、ボードを、調べる目的別に容易にフィルタリングできるようになる。

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小粒度の管理機能や、企業の機密情報の保護などは、これまでの‘Business Class’と変わらない。たとえばチームへの新規参加者や、外部ビューワー(‘見物人’)をアドミンの権利で決めることができる。

‘Business Class’のアップデートには、プライオリティのサポートも含まれ、料金はユーザ一人あたり月額10ドルだ(アクティブユーザにしか課金されない)。既存のユーザには割引料金が適用されるが、古いバージョンをそのまま使い続けてもよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa