テスラの「フル セルフドライビング」のベータ版ソフトは運転成績が良い者だけが使える

Tesla(テスラ)のCEO、Elon Musk(イーロン・マスク)氏によると、同社は今後、個人の運転データを利用して、議論を呼んでいる同社の「フル セルフドライビング」(FSD)ソフトを購入したオーナーが、より多くの自動運転機能を約束する最新のベータ版にアクセスできるかどうかを判断するために、個人の運転データを使用するという。

米国時間9月16日夜のマスク氏のツイートによると、FSD Beta v10.0.1のソフトウェアアップデートはすでに一部の選ばれたオーナーに公開されているが、9月24日からより広く利用可能になるという。

現在1万ドル(約110万円)のFSDにお金を払っているオーナーは「ベータリクエストボタン」によりベータソフトウェアにアクセスできる。マスク氏のツイートによると、ベータソフトウェアをセレクトしたドライバーは、Teslaの保険計算アプリにより自分の運転行為にアクセスする許可を求められる。

「運転が7日間良好であれば、ベータ版へのアクセスが認められる」とツイートでは述べられている。

Teslaの車両には、「Autopilot(オートパイロット)」と運転支援システムが標準で装備されている。さらに1万ドルを払うと、オーナーは「フル・セルフドライビング」すなわちFSDを購入できる。FSDは、いつか完全な自律走行を実現するとマスク氏が繰り返し約束しているソフトウェア

絶えず値上げが行われているFSDは、その度に機能が増えている。これまで何年間もオプションとして提供されていたが、Teslaの車両は自動運転車ではない。FSDには駐車機能の「Smart Summon」と、オートパイロットにもある「Navigate」がある。これはハイウェイのオンランプやオフランプに導く常時動いているガイダンスシステムで、インターチェンジや車線変更のガイドもする。

最新のFSDベータ版は、高速道路や市街地での運転を自動化するという。しかし、これはレベル2の運転支援システムであり、ドライバーは常に注意を払い、ハンドルから手を離さず、コントロールする必要がある。このベータ版ソフトを使用したオーナーの体験談が投稿されているが、その能力についてはさまざまな意見がある。ある動画では、車両は市街地走行をこなしているが、多くの動画では、曲がり損ねたり、縁石に近づきすぎたり、前に進まなかったり、あるケースでは歩行者に向かって急に逸脱したりして、ドライバーがコントロールしている様子が見られる。

画像クレジット:Tesla

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Chromeベータ版はよりパワフルな新しいタブページ、ウェブのハイライト、検索の変更を実験的に実施

Googleは米国時間9月1日、Chromeベータ版ブラウザの新バージョンを発表し、ユーザーインターフェースとデザインにいくつかの重要な変更を行った。新しいタブページでは、従来のお気に入りのウェブサイトへのショートカットだけではなく、過去のウェブ検索履歴を表示するカードが追加される。その他の変更点としては、検索結果のナビゲーションがより簡単になり、ウェブ上の引用文をハイライトして共有することができるようになる。

新しいタブページのアップデートは、Chromeベータ版ユーザーが最初に気づく変更点の1つとなるだろう。

このデザイン変更の背景にあるアイデアは、レシピやショッピングなどで利用していたサイトを思い出すために閲覧履歴を調べる必要なく、過去のウェブでのアクティビティにすばやく戻るということだ。また、Googleドライブの最近使ったドキュメントのリストにもすばやく戻ることも可能で、Googleのサービスとのクロスプロモーションにもなる。

画像クレジット:Google

ページには、単なるリンクではなく、Googleが「カード」と呼ぶものが表示され、例えば、最近訪れたレシピサイトでアイデアを探していたり、編集を終えなければならないGoogleドキュメントがあったり、ショッピングカートに入れたままになっている小売業者のウェブサイトにアクセスしたりすることができる。後者は、Googleがオンラインショッピングへの投資を拡大していることに関連している。Googleはすでに、商品リストを無料にしたり、Shopifyといったeコマースプラットフォームと提携したりすることで、この分野でのマーケットシェアを拡大しようとしている。

関連記事:Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携

Googleは、Amazonの広告ビジネスが急成長していることに懸念を抱いている。同社の「その他」カテゴリーの大部分を占めている広告事業は、第2四半期に前年同期比87%増の79億ドル(約8687億6000万円)を売り上げた。今回の変更は、Chromeの新しいタブを利用して、ショッピングを活性化させ、ユーザーの取引が完了することを期待してのものだ。

もう1つの変更は、ウェブでのリサーチをより簡単にすることを目的としている。Googleによると、ユーザーがプラットフォーム上で何かを検索する際、答えを見つけるために複数のウェブページに移動することがよくあるという。Android版Chromeで、アドレスバーの下に検索結果の残りの部分を表示する行を追加することで「戻る」ボタンをタップすることなく他のウェブページに移動できるようにしている。

画像クレジット:Google

Android版Chromeベータ版にも搭載された「quote cards(引用カード)」のテストも予定されており、ウェブサイトに上のテキストを使って、ソーシャル共有のための定型化された画像を作成することができる。ウェブサイトのテキストをスクリーンショットで残すことは、すでに一般的になっており、特にニュース記事の重要なポイントをTwitterやFacebook、Instagramといったプラットフォームのフォロワーと共有したい人にとって便利な機能だ。この新機能では、テキストを長押ししてハイライトした後「共有」をタップし、メニューから「カードを作成」をタップしてテンプレートを選ぶことができる。

すべての機能は、Chromeベータ版ブラウザの一部だ。実験を有効にするには、ブラウザのアドレスバーに「chrome://flags」と入力するか、実験ビーカーアイコンをクリックし、フラグを有効にする。これらの実験に関連するフラグは、#ntp-modulesフラグ(新しいタブページ)、#continuous-search(検索結果の変更)、#webnotes-stylizeフラグ(引用カード)だ。

これらの実験は、必ずしもChromeの機能として広く展開されるわけではない。その代わりにGoogleは新デザインのアイデアに関する大規模なユーザーフィードバックを集めており、一般公開前に機能を微調整できるようになっている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Spotifyが友達と音楽の好みを合わせてプレイリストが作れる新機能「Blend」を正式公開

米国時間8月31日、Spotify(スポティファイ)は共有プレイリスト機能である「Blend」(ブレンド)を全世界のユーザーに正式公開した。今夏、Spotifyはこの新しい共有プレイリスト体験のベータテストを開始している。この機能は2人のユーザーが互いの好きな曲を1つの共有プレイリストにまとめられるもので、使われているテクノロジーはSpotifyのFamily Mix(ファミリー・ミックス)やDuo Mix(デュオ・ミックス)などの複数人プレイリスト機能と同じものだ。しかしBlendでは、無料ユーザーを含め誰でも自分たちの音楽テイストを融合できる。

新機能はベータ版以降、さらに進化したとSpotifyはいう。

Blend(すなわち2人の共有プレイリスト)を作ったユーザーには、両者のリスニング志向が似ているか異なっているかを表す「taste match score」と呼ばれる数値が与えられる。Blendを初めて作った後、スコアはパーセンテージで表され、どの曲が2人を結びつけたかを示すテキストが添えられる。

Blendにはカバーアートも付加されるのでユーザーは自分のプレイリストを見つけやすくなる。


プレミアムサブスクライバーには追加の特典がある。彼らのバージョンのBlendでは、リスナーはユーザーのどのお気に入り項目がプレイリストの各曲に貢献しているかを見ることができる。

Spotifyによると、Blendのテスト中、Olivia Rodrigo(オリヴィア・ロドリゴ)がBlendプレイリストで最も多くストリーミングされたアーティストのトップになり、Doja Cat(ドージャ・キャット)、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)、The Weekend(ザ・ウィークエンド)、Lil Nas X(リル・ナズX)などが続いた。

この機能は、Spotifyに単に楽しい新機能を加えるだけではない。ユーザー獲得戦略の一環だ。無料ユーザーもBlendの作成や参加が可能なので、この機能はSpotifyが初めての人を誘う方法としても機能する。現在音楽にお金を払っていない人やライバルサービスをサブスクライブしている人も。そして、一度Spotifyアプリを使えば、使い続けてくれるかもしれない、という考えだ。

Blendは2021年6月にOnly Youという新しいアプリ内体験とともに発表された。Only Youはユーザーのお気に入り楽曲と聴取傾向に焦点を当てた機能で、Spotifyで人気の年間振り返り、Spotify Wrappedの年途中バージョンのようなものだ。BlendではOnly Youと同じくソーシャル・シェアリングがサポートされている。ユーザーはBlendの「data stories」を自分のSNSでシェアできる。これはBlendが作られた直後にポップアップするスクリーンと同じもので、Blendプレイリストの中でいつでも表示することができる。

こうして頻繁にリリースする機能でSpotifyが伝えようとしているより大きなメッセージは、同社がパーソナライゼーション技術に関して他を大きく引き離していることを、ユーザーやライバルに示すことだ。Spotifyのプレイリストのアイデアは多くのライバルが真似しているが、同社はすぐ後に新機能をリリースする傾向がある。Only Youや通勤者向けのプレイリストワークアウト向けさらにはアーティスト、ジャンル、年代に基づく新しいミックスのコレクションなどだ。

Blendは、SpotifyモバイルアプリのMade for Youタブから利用できる。初めに「Create Blend」、次に「invite」をタップして、自分のBlendに参加する友だちを選ぶ。友だちが承認すると、Spotifyがカバーアートとトラックリストを作り、あなたのtaste match scoreを表示する。「Share this Story」をタップすれば、data storiesをSNSでシェアできる。

Blendは米国時間8月31日から世界の全ユーザーに公開される。大規模な展開には時間がかかるので、すぐには出てこないかもしれないので、時々確認して欲しい。

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画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

TikTokがAR開発ツール「Effect Studio」のベータ版を米国でテスト中

Facebook(フェイスブック)、Snap(スナップ)いずれも、デベロッパーがそれぞれのアプリ向けの拡張現実(AR)体験と機能を構築できるツールを提供している。そして今、TikTok(ティクトック)も同じことをしようとしている。同社はこのほど、TikTok Effect Studioという新しいクリエイティブツールを立ち上げた。現在ベータ版をテスト中で、同社のデベロッパーコミュニティのみがTikTokのショートビデオアプリのためにARエフェクトを構築できる。

「Effect House」と名付けられた新しいウェブサイトで、TikTokは関心を持っているデベロッパーにEffect Studioへの早期アクセスを申し込むよう呼びかけている。

デベロッパーは用意されているフォームに名前、電子メール、TikTokアカウント情報、会社名、AR制作の経験レベル、作品例などを記入する。ウェブサイトはまた、Mac、PCのどちらを使っているのか(おそらくどのデスクトッププラットフォームを優先すべきか判断するためだろう)、仕事と個人使用どちらのためにEffect Houseをテストするのかを確認する。

このプロジェクトは、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァラ)氏がSam Schmir(サム・シュミル)氏のヒントを得て最初に発見した。

TikTokはウェブサイトが8月初めに開設されたことをTechCrunchに認めたが、プロジェクトそのものはまだ米国を含むいくつかのマーケットだけでテストを行っている初期段階にある。

これらのツールがいつ広く利用できるようになるのか、同社はタイムフレームを示さなかった。その代わり、Effect Studioは初期の「実験」と位置付け、実験したものすべてが実際に提供されるとは限らないと付け加えた。さらに、他の実験も初期ベータ段階から一般提供されるまでの間にかなりの変化があるかもしれない。

とはいえ、ARツールセットの立ち上げでTikTokは業界のライバルとこれまで以上に張り合えるようになりそうだ。ライバルたちは新しい機能やエクスペリエンスを追加してアプリの機能セットを拡大するのにクリエイティブなコミュニティに頼っている。例えばSnapは2020年にSnapchat AR Lens構築のために350万ドル(約3億8400万円)の基金を立ち上げた。一方、6月に開催されたFacebookのF8デベロッパー会議で同社は、Spark ARプラットフォームを190カ国のクリエイター60万人超に提供し、世界最大のモバイルARプラットフォームになったと発表した

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画像クレジット:TikTokウェブサイトのスクリーンショット

TikTokもここ数年、デベロッパーツールへの投資を増やしてきた。しかし最近は自前のアプリにTikTokをより深く統合したいサードパーティデベロッパー向けのツールキットに注力してきた。今日、TikTokのデベロッパーウェブサイトはアプリ開発者がTikTok機能をアプリに加えられるようにしているツールへのアクセスを提供している。ユーザー認証フローやサウンド共有、そしてユーザーがサードパーティの編集アプリからTikTokへとビデオを公開できるようにするその他のものなどだ。

関連記事:TikTokが開発者向け新ツールの提供開始、サードパーティーアプリの統合を拡大

ただし、新しいTikTok Effect Studioはサードパーティアプリで使うためのものではない。

消費者向けビデオアプリで直接TikTokユーザーに提供される、ARエクスペリエンス(そして他のクリエイティブなエフェクト)を構築するためのものだ。

TikTokは、TikTok Effect Studioのより広範な目標を喜んで認めたが、プロジェクトがまだ初期段階にあるとして具体的なツールの詳細を明らかにするのは却下した。

「当社は常にコミュニティに価値をもたらし、TikTokエクスペリエンスを豊かなものにする新しい方法を検討しています」とTikTokの広報担当はTechCrunchに語った。「現在当社はクリエイターのクリエイティブなアイデアをTikTokコミュニティのために現実のものにする追加のツールを提供する方法を実験しています」。

画像クレジット:Nur Photo / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが不評だったSafariの変更点をiOS 15 beta 6で修正、再びアドレスバーの上部表示も可能に

Apple(アップル)は、次期iOS 15でモバイル版「Safari(サファリ)」のデザインを変更し、アドレスバーを画面の下部に移して、ページのコンテンツの上に重ねる(フローティングさせる)としていたが、物議を醸したこの決定から、ゆっくりと後戻りしつつあるようだ。このデザイン変更は、片手でSafariの操作がしやすいようにすることを主な目的としていたものの、実際にはこれによって以前より使いにくくなったという批判を受けていた。今回リリースされた最新のベータ版であるiOS 15 beta 6では、アップルはユーザーからのフィードバックや不満に応え、ページコンテンツの下にタブバーを表示するようにデザインを修正。このアップデートが気に入っていた人にも、標準的な体験を提供することになった。さらに重要なのは、アップルが画面下のタブバーをユーザーに強制しなくなったことだろう。

関連記事:アップルが物議を醸しているiOS 15のSafariの変更を最新ベータで微調整

最新リリース版では、アドレスバーを以前のようにページの上部に表示するオプションが追加されたのだ。今回のアップデートが気に入らなかったユーザーは、これで「普通」に戻すことができる。

タブバーの変更前と変更後(画像クレジット:スクリーンショット)

フローティングしたタブバーに対する大きな不満は、ウェブページによってはクリックしたいボタンやリンクがこのタブバーに遮られてしまうため、ほとんど使えなくなってしまう場合があることだった(タブバーに遮られた箇所をクリックするためには、いちいちタブバーを下にスワイプしなければならなかった。これでは最適なデザインとはとてもいえない)。

iOS 15のSafariでは下のバーのせいでチェックアウトボタンが押せないので、テイクアウトの注文ができない日が続いている。

あのブルスケッタを食べさせてくれないなんて、ありがとうSafari

フェデリコ・ヴィティッチ

iOS 15 beta 6では、これらの問題が解決されている。基本的に、タブバーの外観は以前のように、つまり画面の上部に設置されていた頃と同じように、見慣れたボタンが並んでいる。タブバーがウェブサイトのコンテンツを遮ることもなくなった。

ベータ版をテストした人からは、リロードボタンやリーダーモードなどのよく使う機能を、3つのドットで表示された「その他」メニューの下に隠すというアップルの独自の判断が、Safariを以前よりも使いにくくしているという指摘もあった。iOS 15 beta 4では、この問題を解決するために、リロードボタンと共有ボタンを復活させ、リーダーモードが利用可能な場合は表示されるように修正した。しかし、それでもボタンは小さく、以前よりもタップしにくかった。

新たに変更されたタブバーと、それが画面の上下に関わらず、普通に戻ったことは、この問題に関するユーザーの不満が妥当であると、アップルが事実上認めたことになる。また、これはベータテストの本来の目的である、新しいアイデアを試して、うまくいかなかった点は修正するということのデモンストレーションでもある。

この修正とは別に、beta 6ではタブバーをページの最上部に戻すこともできるようになった。そちらの方が好みであれば「設定」→「Safari」で、デフォルトの「タブバー」と、アドレスバーを画面上部に配置する「シングルタブ」のいずれかを選択できるようになった(ただし後者を選択すると、タブバーでは可能だった、開いているタブをスワイプして切り替える機能が失われる)。

アップルがデフォルト設定の代替となる選択肢を用意するのはよくあることだ。例えばMacのトラックパッドでは、ジェスチャーやクリックがどのように機能するかをユーザーが設定できるようになっているし、かつて物議を醸した「自然な」スクロール方向のオプションをオフにすることもできる。しかし、アドレスバーを最上部に戻すオプションが追加されたことは、iPhoneで最も頻繁に使用されるアプリケーションの1つであるSafariの使い方を学び直したくないと考えるユーザーが相当数いると、認めたということである。もし、そのようなユーザーにこの変更を強要すれば、彼らは代わりに他のブラウザを使うようになるかもしれない。

アップルは通常、iOSソフトウェアの最新版を秋にリリースするため、一般公開に先立って行われるSafariの変更は、今回のアップデートが最後になるかもしれない。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 15ベータ版ブラウザSafariアプリ

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

「Android 12 Beta 4」最終ベータ版が配信開始、プラットフォーム安定性のマイルストーンに到達

Google(グーグル)は、Android OSの最新バージョンとなる「Android 12」のリリースに向けて、さらに一歩前進した。同社は米国時間8月11日、Android 12の第4ベータ版「Beta 4」を公開した。このベータ版で最も注目すべき点は、「プラットフォーム安定性(Platform Stability)」のマイルストーンに到達したことだ。これは、Androidアプリの開発者に影響を与える変更が最終的に完了したことを意味しており、開発者は後続リリースでの互換性を損なう変更を心配することなくアプリをテストすることができる。

今回アップデートされたAndroidバージョンでは開発者は多くの新機能を利用できるが、Googleは開発者たちに、まずはAndroid 12に対応するアップデートのリリースに注力するよう促している。Androidの新バージョンにアップグレードした際にアプリが正常に動作しないことが判明した場合、ユーザーはアプリの使用を完全に止めたり、あるいはアンインストールする可能性もあると同社は警告している。

​​Android 12に搭載されたコンシューマー向けの主な機能としては、「Material You」と呼ばれる、よりアダプティブな新しいデザインシステムが挙げられる。これにより、ユーザーはOS全体にテーマを適用して、Android体験をパーソナライズすることができる。また、アプリがマイクやカメラ機能を使用しているかどうかを示すインジケーターや、iOSと同様にユーザーのクリップボード履歴を読み取ったアプリに関してアラートを発する「クリップボード読み取り通知」など、新しいプライバシーツールも搭載されている。また、Android 12では、Google Play Instant(グーグル・プレイ・インスタント)機能により、ゲームをダウンロードしたら(インストールするステップなしに)すぐにプレイすることができる。その他、クイック設定、Google Pay、ホームコントロール、Androidウィジェットなど、Androidの主要な機能やツールも改善されている。

Googleはこれまでの「Android 12」ベータリリースにおいて、消費者向けのマイナーなアップデートを継続的にロールアウトしてきたが、Beta 4は、2021年秋に予定されているAndroidの一般公開に向けて開発者がアプリを準備することに重点を置いている。

画像クレジット:Google

同社は開発者に対し、設定の中の「プライバシーダッシュボード」でどのアプリがいつどのような種類のデータにアクセスしているかを確認できるようになったほか、マイクやカメラのインジケータライト、クリップボード読み取りツール、すべてのアプリでマイクやカメラへのアクセスをオフにできる新しいトグルスイッチなどのプライバシー機能の変更に注目するよう提案している。

また、従来の「グロー」オーバースクロール効果に代わる新しい「ストレッチ」オーバースクロール効果や、アプリの新しいスプラッシュ画面アニメーションkeygenの変更などにも留意しなければならない。また、開発者が使用するSDKやライブラリの中には、Googleやサードパーティ製のものを含め、互換性のテストが必要なものが数多くある。

新しいAndroid 12 Beta 4のリリースは、サポートされているPixelデバイス、およびASUS、OnePlus、Oppo、Realme、シャープ、ZTEなどの一部のパートナーのデバイスで利用できる。また、Android TVの開発者であれば、ADT-3開発キットを通じてBeta 4にアクセスできる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Android 12AndroidGoogleスマートフォンベータ版OS

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

OpenAIが自然言語AIコーダーのCodexをアップグレード、プライベートベータを開始

OpenAI(オープンエーアイ)は、2021年7月に発表したAIを活用したコーディングアシスタントのCodex(コーデックス)に、すでにいくつかの大きな変更を加えている。現在システムは、平易な英語のコマンドを受け入れ、実際に動作するコードをリアルタイムで出力する。変数に名前をつける必要すらなくゲームやウェブアプリを作成できるようにするのだ。数少ない幸運なコーダーたちは(そしてご想像できるようにノンコーダーたちも)、無償のプライベートベータで提供される新しいCodex APIを使って、その使い心地を試すことができる。

Codexが、OpenAIの多用途言語エンジンであるGPT-3であることはよく知られているが、特に通常の文書ではなくコード生成に向けてのみ訓練されたものである。これにより、コードの行を完成させたり、セクションを完全に生み出したりすることができる。とはいえ、最初発表されたときには、ノンコーダーが実際に対話して利用できるようなものではなかった。

この状況が今回の新しいAPIでは変わった。たとえば「ボールを画面の端で跳ね返らせる」とか「パブリックAPIを使用してそのデータをダウンロードし、日付で並べ替える」といった日常的なリクエストを解釈し、複数のプログラミング言語の1つで実際に動くコードを生成するのだ。

私はOpenAIの共同創業者であるGreg Brockman(グレッグ・ブロックマン)CTOと、CodexのリーダーであるWojciech Zaremba(ボイチェフ・ザレンバ)氏が、簡単なゲームをゼロから作成しながら、舞台裏で何が起こっているのかを説明するライブデモに参加した。

「プログラミングとは、目標を考えて部分へと分割し、そして分割された部分のためのコードを実際に作成していくことです」とブロックマン氏は説明した。Codexの目的は、コーダーが後者よりも前者の部分により多くの時間を費やせるようにすることだ。結局のところ、膨大な量のコードが、他人が以前に行ったことを真似たり完全にコピーしたりしている。もちろんそれも創造的な行為ではあり得る。だが少しばかりのコードのテストのために行うウェブサーバーの展開のような基本的な作業に、想像力を駆使する人はいないだろう。ブロックマン氏はそのことを「次のことを表示するウェブページを作成せよ」といった感じのシンプルな一行で実現してみせた。

画像クレジット:OpenAI

1秒後には、その要求を完全に標準的な方法で実現する10行ほどのJavaScript(ジャバスクリプト)プログラムが生成された。

「これはプログラミングの中でも面倒な部分です」とブロックマン氏はいう。「私はこの種のコードをおそらく数十回以上書きましたが、どのようにやっていたかを正確には覚えていないのです。私はこうしたAPIを正確には知りませんし、覚える必要もないのです。少ないキーストロークや操作手順で、同じことを簡単に行うことができるようになるのです」。

Codexは、基本的にGitHub(ギットハブ)上のすべての公開コードを中心に用いてトレーニングされているので、標準的な作法を熟知している。そこでは、ウェブサーバー、キーボードコントロール、オブジェクト操作、アニメーションなどのコードが何百回も誰かによって書かれているのだ。また、自然言語側ではGPT-3が持つ通常の理解能力が備わっているので「それを小さくしてトリミングして」といってから「それの水平位置を左右の矢印キーで制御せよ」といった場合に「それ(it)」が同じものを指していることをシステムは理解することができる。

また、同システムは数キロバイトに相当する自分自身のコーディングコンテキストを知っているために、準拠する必要のある命名規則、ユーザーの入力が暗示する既存の境界と要求およびその他の情報を認識している。

また、コードコーパスに埋め込まれている一般的知識も認識している。例えばブロックマン氏がシステムに対して「丸石を空から落とせ」と命じたとき、システムは、ほとんどキャンバス上に何も定義されていない状況にも関わらず「空」が何であるかを尋ね返してこなかった。システムは画面の上部から丸石を落としただけでなく、通常の物体のように落下速度を加速させた。これは、他の用途や状況から「落下」と「空」が何を意味するかを最もうまく推測できたからだ。

画像クレジット:OpenAI

数年前に、博士論文のために今回のシステムの機能限定版を作成していたザレンバ氏は、マイクロソフトワード用のCodexプラグインのデモを行いながら「これは、既存のソフトウェアと対話するための新しい方法を提供すると思います」と語った。もちろん、ワードプロセッサの多くのタスクは自動されているが、たとえば奇妙なフォーマットの問題が発生して、100カ所以上の異なる場所を修正したくなった場合はどうだろうか?「すべてのテキストを同じサイズとフォントにして、ダブルスペースをシングルにせよ」と入力すると、迷子になったスタイルを削除し「通常」と見なされる可能性が最も高いサイズとフォントを選択するのだ。そして「すべての見出しを24ポイントで太字にせよ」と入力すると、猛然と処理をこなしてくれるというわけだ。

ここで注意しておきたいのは、この種のことは多くの人にとって便利なことには違いないが、身体障がいなどのためにこれらのことを行えない人にとっては非常に重要だということだ。音声コマンドまたはジョイスティックを使用してワードプロセッサを操作している場合には、上記のような複雑なタスクを実行できれば非常に役立つ。盲目のコーダーは、他の人と同じように、標準のパブリックテストサーバーにパッチを適用できるが、Stack Overflowを探すこと、最適なコード断片の取得、構文の確認、関連する変数の変更などのプロセスは、ほぼ確実に長くなる。

そして、上から指示された構文や慣習の範囲内で作業する人にとっては、ドキュメントをモデルに与えることで、簡単にCodexがそれらを反映するようにすることができる。Codexは、コードをある言語から別の言語に変換して移植することもできる。これは、翻訳エンジンがスペイン語をフランス語に変換するのとほぼ同じやりかただ。

ブロックマン氏は、GPT-3の場合と同様に、これらは可能なことのほんの一部に過ぎず、開発者が思いつくものに驚かされることを望んでいるという(実際、OpenAIはAI Dungeon[AIダンジョン]の登場は予測していなかった)。ベータ版はGPT-3のベータ版と同様に非公開のものとなるが、開発者は自分のプロジェクトを説明して利用を申請することができる。Codexチームがその申請をレビューして招待を決めることになる。最終的にこのAPIは有料の公開APIになる予定だが、そのタイミングと価格はまだ決定されていない。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:OpenAIベータ版GPT-3コーディングノーコード

画像クレジット:OpenAI

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(文: Devin Coldewey、翻訳:sako)

アップルが最新ベータでiOS 15のSafariの変更点を微調整

Apple(アップル)は、米国時間7月27日のiOS 15とiPadOS 15ベータ4リリースで、以前にSafariのモバイルブラウザーに対して行い、議論を呼んだ変更に対するユーザーからの苦情やフィードバックに対応している。問題となっているSafariの新デザインは、WWDCで発表され、タブバー(URLバー)を画面の下へ移動させている。iPhoneの人気アプリにしては思い切った変更だが、狙いはiPhoneを片手で使ってるときにコントロールに届きやすいようにするためだ。しかし批判する人たちは、リロードボタンやリーダーモードなどのよく使う機能が見つけにくく使いづらくなり、モバイルブラウザーの全体として使いやすさを損なうという。

Appleの名誉のために言えば、同社は寄せられたフィードバックに耳を傾けていた。

以前のデザインではタブバーは画面上部という従来からの位置にあり、左にあるリーダーモードボタン(Aが2つ)も右のリロードボタンもアクセスしやすかった。下の方には、前進 / 後退ボタンと、シェアボタン、リーディングリスト、そしてタブボタンがあった。

iOS 15のデザインでは、よく使われる機能への便利なアクセスポイントがすべてなくなり、何よりも、タブバーへのアクセスのしやすさが優先された。代わりに3つのドットを並べた「more」メニューに、ウェブを閲覧しているときよく使うもののすべてが隠された。ウェブサイトのリロードやリンクの共有、ページをリーダーモードで見る、記事を後で読むに保存するなどすべてだ。隠されたさまざまなアクションの合計数は20以上に及ぶ。

Apple評論家のJohn Gruber(ジョン・グルーバー)氏はポッドキャストThe Talk Showで、その新デザインは、WWDCにおけるSafari発表の数週間も前から、Appleの社内ですら不評だったと語っている。例えば新デザインはクールに見えるが、あまり便利でないという評価もあった。

TechCrunchの編集長であるMatthew Panzarino(マシュー・パンザリーノ)もそのポッドキャストに招かれていたが、一般的に画面上にモノが少ないのは良いことだが、今回は失敗だとグルーバー氏に同意していた。

その際、マシューは「実際に使ってみると、かえって画面が煩雑になりわかりにくくなる。スクロールといったアクションをしないかぎり、画面が広くなった感じはしない。だから、それもおかしい」と話している。

今回ベータ4のアップデートでAppleは、この変更から生じた問題の一部をフィックスしようとした。

まずタブバーに「共有」ボタンを再び追加し、メニューの下にその他のコントロールを入れた。リンクの共有はウェブユーザーで最も頻繁に行う作業であるため、それを元に戻してワンタップで済むようにしたのは合理的だ。

Refreshボタンは、これから常にiOS 15のSafariのアドレスバーにある。

リロードボタンは再びタブバーに登場し、ドメイン名の横に置かれた。以前よりも、ちょっと小さい。

一方「リーダーモード」ボタンは、リーダーが使えるようになればタブバーに現れる。そしてワンタップでアクセスできる。

タブバーは、ユーザーがウェブサイト上のボタンと対話しているときには最小化される。以前はそれが邪魔になり、ウェブサイトのボタンに届かないときには、使いやすさを損なった。

先日、iOS 15のSafariでチェックアウトボタンがタップできずテイクアウトのオーダーができなかった。ブルスケッタが食べられなくてありがとう、Safariさん。

iPadOS 15では、デフォルトではURL下のスタンドアローンのタブバーにタブが現れることに気づくだろう。1行でURLと開いてるタブを表示する、すっきりとしたコンパクトなタブバーはiPadOS 15でも導入され「Safari Settings」で有効にできる。

なお、モバイルブラウザーのデザインについてこのように再考したのは、Appleが最初ではない。

元Google ChromeのデザインマネージャーChris Lee(クリス・リー)氏回想によると、Chromeのモバイルブラウザーでも同様のデザイン変更が行われ、URLバーを下に置いたことがあるが、そのバージョンは結局、ローンチされないことになった。それはベータテストでの評価がさまざまだったからだ。その新デザインは、テクノロジーコミュニティで熱心なファンも獲得したが、メインストリームのユーザーはその変更に戸惑うばかりだった。

Safariのように頻繁にローンチされるアプリの使用については、マッスルメモリーの問題もある。私のようにバーの新しい配置を気に入るようになってからも、ウェブサイトを訪問したり、複数のタブをスワイプするといった複雑な操作を、デザイン変更はそれを難しく感じさせてしまう。

また、習慣でいろいろなアクションのショートカットを画面上部に探さないようになるためには、一定の学習期間が必要だ。

この度のベータでは、Safariのアップデートの他にもいろいろな修正が行われた。複数の連絡先とフォーカスのステータスを共有する方法や、新たにXLサイズのウィジェットもある(これはiPadのApple Podcastsが採用)。小さな変更や工夫は他にもある。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 15Safariベータ版

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

【レビュー】アップルがmacOS 12 Montereyのパブリックベータ版配信開始、Safariやクロスデバイス機能を一新

Apple(アップル)は米国時間6月30日、iOS 15、iPadOS 15、watchOS 8の新しいパブリックベータ版を一斉に公開した。そして米国時間7月1日、同社は6月のWWDCで発表されたソフトウェアのうち、もう1つの大きなパズルピースをたずさえて戻ってきた。

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このたび3週間にわたる開発者向けベータ版に続き、macOS 12.0 Monterey(モントレー)のパブリックベータ版が配信開始された(つまり、すべての人に行き渡るまでに多少時間がかかることが多いロールアウトを開始した)。

OSのベータ版にはいつもの警告があり、プライマリマシンにダウンロードしないように注意する必要があるが、少なくとも、6月に開発者向けに最初に配布されたものよりは十分に安定しているはずだ。筆者はあなたの生き方に口出しするつもりはない。

画像クレジット:Brian Heater

この種の記事の冒頭にシステムの互換性を取り上げることはあまりないのだが、Montereyの場合は言及しておくべきだろう。何しろ、2020年に初めてApple Siliconを搭載したMacを発売して以来、初めての完全な新OSのリリースなのだから。当然のことながらMontereyは、Appleのファーストパーティー製プロセッサーを搭載したすべてのシステムで利用可能だ。

Intelプロセッサー搭載のMacは数年前からサポートされているが、福袋のようにまちまちだ。以下のリストをまとめてくれたMacrumorsに感謝する

  • iMac(Late 2015以降)
  • iMac Pro(2017以降)
  • MacBook Air(Early 2015以降)
  • MacBook Pro(Early 2015以降)
  • Mac Pro(Late 2013以降)
  • Mac mini(Late 2014以降)
  • MacBook(Early 2016以降)

Big Surの互換性の内訳から日付が1年ほど上にずれているので、まあ妥当といえるだろう。

さて、ひるまず早速ダウンロードしてみると、何が変わるのだろうか?最も大きく変わるのはSafariとFaceTime、そしてデバイス間で周辺機器を統一する「ユニバーサルコントロール」機能と、macOSの主力機能であるAutomaterに代わるiOSの機能「ショートカット」が追加される。

画像クレジット:Brian Heater

最初の印象をいくつか挙げる。まずはSafariから始めよう。このブラウザはmacOSの大幅な刷新のたびにいくつか重要なアップデートが行われるが、今回は最近の記憶の中でも最大級のものだ。(WWDC)基調講演の後、このアップデートは多くのユーザーに混乱をもたらすだけではないかという懸念があった。確かに、ユーザーはワークフローの中断を嫌う。私が毎日使うデフォルトのブラウザをSafariに切り替えようと真剣に考えたことがないのは、このような理由からかもしれない。習慣を変えることは難しい。もちろん、進化するためにはときには変化も必要だ。いずれにしても、私はまだMontereyを十分に使いこなしていないので、Safariの使い心地について決定的なことはお伝えできない。

前置きが長くなったが、すぐにかなりの違いがある。

Brian Heater

大したことではないと思われるかもしれないが、何世代にもわたってタスクバーが原動力となってきた後で、ブラウザの中心にかなり大胆な変更が施されたといえる。もちろん好みは分かれると思うが、このアイデアの根底にあるのは、フィールド(フォーム)をより恒常的に存在させるのではなく、個々のタブに結びつけることだ。「タブグループ」を使えば、複数のサイトをまとめてブックマークすることができ「家」と「職場」というようにグループ化することができる。

Appleがどのようにソフトウェアを作っているかを知っているユーザーなら、これらのグループがSafariアカウントを介してデバイス間で同期されることは驚くことではないだろう。この機能はユーザーにとって、整理整頓になるか、あるいは無限のタブを持つ新しいグループを大量に作るか、どちらかになる可能性があるものだと思う。

画像クレジット:Apple

FaceTimeに追加された機能は、パンデミックの中で悩む必要のない決断であり歓迎すべきアップデートだ。最大の追加は、2020年に多くのサードパーティが解読しようとしたコードだ。この新機能では、友人とのFaceTime通話で映画やテレビ番組をストリーミングして一緒に観ることができる。繰り返しになるが、これは非常にパンデミックに適した製品であり、遠隔会議がなくなることはないので、今後も魅力的な製品となるだろう。

関連記事:アップルがFaceTimeのアップデートを発表、Androidユーザーも利用可能に

TV+やMusicなどのApple製品に加え、Disney+、Hulu、HBO Max、NBA、Twitch、TikTok(ティックトック)、MasterClass(マスタークラス)、ESPN+、Paramount+、PlutoTVなど、Montereyは数多くのローンチパートナーと連携する。また、AppleはAPIを開発者に公開している。というのも、正直なところ、この製品にはYouTubeとNetflix(ネットフリックス)が必要だからだ。

画像クレジット:Brian Heater

「フォーカス」設定は、既存の「Do Not Disturb」機能をベースに、特定の通知パラメータを作成する機能を追加したものだ。Appleは、デフォルトで「仕事モード」や「睡眠モード」などを提供しているが、一部の通知を許可し、他をブロックする独自のカスタムバージョンを作ることもできる。

画像クレジット:Apple

ハードウェアの観点からは「ユニバーサルコントロール」が最も興味深い追加機能だろう。この機能により、互換性のあるMacやiPadでワイヤレスキーボードやマイク / トラックパッドを共有できるようになる。これはSidecar(サイドカー)を置き換えるものでも、その技術をベースにしたものでもない。SidecarがiPadを実質的にセカンドスクリーンとして利用できるようにするのに対し、ユニバーサルコントロールでは標準的なiPadの機能を維持しながら、デバイス間でカーソルを移動させることができる。どちらもクリエイターや頻繁に旅行に出かける人には魅力的だが、これらの一方が他方をカニバリゼーションするかどうかはこれから興味深いところだ。

クロスデバイス機能といえば「なぜこんなに時間がかかったのだろう」と思うような機能が「AirPlay to Mac(MacへAirPlay)」だ。これにより、iPhoneやその他のAppleデバイスのコンテンツを、大画面のMacで直接共有することができる。また、コンピュータをAirPlayスピーカーとして使用し、デバイスからシステム上に音楽を流すこともできる。

画像クレジット:Brian Heater

前述の通り、Mac版「ショートカット」の登場は、Automaterの終わりの始まりを意味する。Appleはユーザーからのフィードバックを収集しながら、しばらくの間このアプリを存続させるとのこと。これまでのように、新機能を導入したらすぐにバンドエイドをビリっと剥がす(すばやくやれば痛くない!)というやり方ではなく、このような方針をとったことは評価できる。Automaterは非常に多機能だったが、慣れないユーザーにとっては非常にわかりづらいものだった。使い始めるために、同社はショートカットのギャラリー(上図参照)を用意している。

OSの基本的なタスクから「Gifを作成する」というようなものまで、さまざまなショートカットが用意されているため、これで一部のサードパーティー製Mac用アプリが不要になってしまう可能性も大いにある。

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タグ:アップルmacOSmacOS 12ベータ版レビュー

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

アップルが最新iOS 15のベータ版をすべての人に公開、開発者アカウント不要

iOS、iPadOS、watchOSの未来を垣間見ることができるチャンスだ。Apple(アップル)は先日、iOS 15iPadOS 15、watchOS 8の最初のパブリックベータ版をリリースした。これらのリリースは、iPhone、iPad、Apple Watch用OSの次期メジャーバージョンとなる。開発者向けベータ版とは違い、これらのベータ版は誰でもダウンロードすることができる。99ドル(約1万1000円)の開発者アカウントは必要ない。ただし、ベータ版であることをお忘れなきよう。

同社はまだ、2021年秋にiOS 15、iPadOS 15、watchOS 8の最終バージョンをリリースする予定だ。しかし、Appleは夏の間、数週間ごとにベータ版をリリースするという。できるだけ多くのバグを修正し、多くのユーザーからデータを集めるには良い方法だ。

いつものように、Appleのパブリックベータは、デベロッパーベータのリリースサイクルに従っているようだ。Appleは米国時間6月30日、iOSとiPadOS 15の2回目のデベロッパーベータもリリースしている。つまり、最初のパブリックベータは、2回目の開発者用ビルドとほぼ同じビルドのようだ。

ただし、忘れてはいけないのは、ベータ版をメインで使っているiPhoneやiPadにインストールしてはいけないということだ。問題はバグだけではない。一部のアプリや機能の中にはまったく動作しないものもある。稀なケースだが、ベータ版ソフトウェアによってデバイスが壊れて使えなくなることもある。また、iCloud上のデータが失われることもある。十分な注意を払って欲しい。

余分なiPad、iPhone、Apple Watchを持っている人のためにダウンロード方法をお知らせしよう。インストールしたいデバイスからAppleのベータ版ウェブサイトにアクセスし、設定プロファイルをダウンロードする(watchOSベータ版の場合は、iPhoneからダウンロード)。この小さなファイルは、パブリックベータ版へのアップデートを、通常のソフトウェアアップデートと同様に行うためのものだ。

ファイルがインストールされたらデバイスを再起動し「設定」(または「Watch」)アプリにアクセスする。アップデートが表示されるはずだ。2021年9月になると、デバイスは自動的にiOS 15、iPadOS 15またはwatchOS 8の最終バージョンにアップデートされ、設定プロファイルを削除できるようになる。

iOS 15における最大の変更点は、新しいフォーカスモードだ。「Do not disturb」に加えて、さまざまなモードを設定することができる。通知を受け取りたいアプリや人を選び、何をしているかによってフォーカスを変えることができる。例えば「仕事モード」「睡眠モード」「ワークアウトモード」などを作ることができる。

新しい天気予報アプリ、「マップ」の地図の更新、SharePlayを搭載したFaceTimeの改良版など、全体的に多くの新機能が用意されている。また、Safariも一新されている。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:iOSiOS 15iPadOSiPadOS 15watchOSAppleベータ版OS

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(文:Romain Dillet、翻訳:Katsuyuki Yasui)

プライバシー重視ブラウザ「Brave」、非追跡型検索エンジンのベータ版をリリース

プライバシー重視のブラウザBraveは、数カ月間独自の検索エンジンのテスト(予約リストに登録されている[ブラウザ名がBraveだけに]勇敢な早期採用者による新興の代替インターネット検索ブラウザの品質検査)を行ってきたが、今回、Brave Searchというツールのグローバルベータ版のリリースを発表した。

Braveの非追跡型検索エンジン(独自のインデックス上に構築されており、Google検索のような監視テック製品に代わるプライバシー重視をうたっている)に興味のあるユーザーは、Braveのデスクトップ版およびモバイル版のブラウザを介して入手できる。他のブラウザでsearch.brave.comにアクセスしても入手できる。つまり、Braveブラウザに乗り換えなくても、Braveの検索エンジンを使用できる。

Brave SearchはBraveブラウザのユーザーが選択できる複数の検索オプション(Google検索エンジンを含む)の1つとして提供されているが、Braveによると、2021年後半にはBraveブラウザのデフォルトの検索エンジンにする予定だという。

3月の記事に書いたとおり、BraveはCliqz(欧州の非追跡型検索ブラウザで2020年5月に閉鎖された)に在籍していた開発者と同社のテクノロジーを買収によって取得し、彼らが開発していたTailcatと呼ばれるテクノロジーを基盤として、Brave独自の検索エンジンを作り上げた。

現在ベータのBrave Searchは、現時点で、10万人を超える早期リリース版ユーザーによってテストされたという。同社はこのマーケティング動画を作成し、Brave SearchをGoogle検索エンジンとChromeの組み合わせの代替オプションとして使用できる「すべてを含むパッケージ」であるとうたっている。

Braveの月間アクティブユーザー数は、(3月時点では2500万人だったが)最近3200万人を超えた。これには、同社のフラグシップ製品であるプライバシー重視のブラウザだけでなく、ニュースリーダー(Brave News)やFirewall+VPNサービスなど広範な製品スイートのユーザーも含まれる。

Braveは、プライバシーを重視するユーザーのコミュニティにリーチしたいと考えている企業向けに、プライバシー保護型のBrave Adsも提供している。

監視べースのビジネスモデルに対する一般市民の認識が高まるにつれ、プライバシー重視の消費者テックが何年にも渡ってその勢いを増し続けている。特定のプライバシー重視製品に注力してビジネス展開をはじめ、完全な製品スイート(ブラウザ、検索エンジン、電子メールなど)を形成するに至った企業も少なくない。こうした企業では、すべての製品を非追跡型という1つのカテゴリに属するものとして提供している。

Brave以外にも、DuckDuckGo(ダックダックゴー)は、非追跡型検索エンジンだけでなく、トラッカーブロッカーや受信箱プロテクターツールといった製品を提供しており、全体で7000万人~1億人のユーザーを獲得したと思われる。また、Proton(プロトン)はE2E暗号化メールサービスProtonMailだけでなく、クラウドカレンダーやファイルストレージ、VPNといったサービスも提供している。プロトンは最近、全世界で5000万人を超えるユーザーを獲得した。

もちろん、Apple(アップル)も例外ではない。AppleはGoogleと競合するテック大手でアドテック複合企業でもあり、ユーザーに高品質のプライバシーを約束することでハードウェアと各種サービスの売上を伸ばしている(アップルによると、2021年始めの時点で、iOSのユーザーは全世界で10億人を超えており、Apple製デバイスの台数は16億5000万台以上に達しているという)。

要するに、消費者向けプライバシーテクノロジー市場は成長しているということだ。

それでも、そのAppleでさえGoogle検索との競争は避けている。これは、Googleという巨大検索企業からユーザーを横取りしようと試みることがあまりに大きな挑戦であることを示しているのだろう(とはいえ、Appleは、Google検索エンジンのiOS端末への事前ロードを許可する代わりにGoogleから巨額の支払いを引き出している。これによってAppleは巨額の収益を得ているものの、自ら唱えている広範なプライバシー重視、ユーザー重視の約束と矛盾しており、問題を複雑にしている)。

対照的にDuckDuckGoは長年、非追跡型検索の第一線に位置しており、2014年以降黒字化を実現している。同社はもちろんAppleのような巨額の利益を出しているわけではないが、投資家がプライバシー重視検索の成長に目をつける中、最近、例外的に巨額の外部資金を調達している。

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商業的な情報詮索プログラムから人個人情報を保護するという市民の欲求が拡大しているその他の兆候として、Facebook所有のWhatsAppに代わるエンド・ツー・エンド暗号化アプリの急増がある。例えばSignalは、2021年前半、広告大手であるFacebookがWhatsAppのサービス利用規約の一方的な変更を発表した後、ダンロード数が急増した。

本格的なユーザープライバシーの約束に期待を寄せる思い入れの強いユーザーのコミュニティを構築してきた有望な企業は、プライバシーへの関心が高まるたびにその波に乗る絶好の位置につけているといえる。さらには、消費者向け製品スイートを抱き合わせ販売することで、個々の製品の有用性を高めることもできる。Braveが検索に手を出す絶好のタイミングだと確信したのもそのためだ。

BraveのCEO兼共同創業者Brendan Eich(ブレンダン・アイク)氏は、今回の発表のコメントで次のように語っている。「Brave Searchは業界で最もプライバシーを重視した、なおかつ独立系の検索エンジンであり、ユーザーがテック大手の代替エンジンに求めるコントロールと信頼をもたらします。ユーザーを追跡しプロファイルを作成する古い検索エンジンや、その後に登場した独自のインデックスを持たない、古いエンジンの外観を変えただけのような検索エンジンと違って、Brave Searchはコミュニティの力を活用したインデックスで関連性の高い結果を出す新しい方法を提供すると同時に、プライバシーも保証します。数百万という人たちが監視型経済を信頼できなくなり、自身のデータを自身で管理できるソリューションを積極的に探している中、Brave Searchは今市場にある明らかな空白を埋めることができます」。

Braveは、同社の検索エンジンにライバル企業(小規模のライバルも含む)との差別化を図る機能が多数用意されていることを売りにしている。その1つが独自の検索インデックスであり、このおかげで他の検索プロバイダーに依存しないエンジンとなっている。

独自の検索インデックスがなぜそれほど重要になるのだろうか。この質問をBraveの検索最高責任者Josep M. Pujol(ジョセフ・M・プホール)氏にぶつけてみた。「検閲とバイアスが組み込まれる動機は、故意であれ、無意識であれ(こちらのほうが対処は困難ですが)たくさんあります。検索と人々がウエブにアクセスする方法の問題は、それがモノカルチャーである(ごく少数の企業に席巻されている)点です。誰もが、この状態は非常に効率的であると同時に非常に危険であることを認識しています。モノカルチャーでは、一度病害が発生するとすべての作物が駄目になる可能性があります。現在のこの状況は障害に対する耐性がなく、ユーザーでさえそのことに気づき始めています。我々にはもっと選択肢が必要です。これは、GoogleやBingを置き換えるという意味ではなく、それらの代替案を提示するという意味です。選択肢が増えれば自由度が上がり、抑制と均衡を備えた本当の競争を回復できます。

「選択肢は独立性があって初めて可能となります。というのは、もし当社が独自の検索インデックスを持っていなかったら、当社のエンジンはGoogleやBingの上に一枚皮を被せただけのものになり、ユーザーの問い合わせに対する結果もほとんど、あるいはまったく変わりません。某検索エンジンのように独自の検索インデックスを持たないエンジンを提供すると、一見選択肢が増えたように見えますが、中身は大手2社と何ら変わらないのです。コストはかかりますが、独自の検索インデックスを構築することによってのみ、真の選択肢を提供できます。そして、それはBrave Searchユーザーに限らずすべてのユーザーに利益をもたらします」。

ただし、現時点では、Braveは他の検索プロバイダーの機能に依存している部分があることを指摘しておきたい。これは、特定のクエリーや画像検索などの領域で(Braveによると、例えばMicrosoft所有のBingの結果を利用しているという)、十分に関連性の高い検索結果が得られるようにするためだ。

また、検索結果の改善と精緻化にコミュニティからの匿名のコントリビューションも利用しており、検索インデックスに関して広範な透明性という謳い文句に沿った製品にしようとしている(検索インデックスでは、結果にバイアスを生じさせる秘密の手法やアルゴリズムを使用しないという。これを実現するために、まもなくコミュニティによってキュレーションされるオープンなランキングモデルを提供して多様性を確保し、アルゴリズムによるバイアスとあからさまな検閲を防ぐという)。

透明性を上げるもう1つの手段として、Braveは、ユーザーの問い合わせが独自インデックスによって処理された割合を報告するとしており、これを「業界初の検索独立性指標」と称して宣伝している。つまり、同社独自の検索インデックスだけで得た結果の割合を表示するというものだ。

「当社はユーザープロファイルを構築しないため、この指標はユーザーのブラウザを使用してプライバシーを重視して作成されます」とBraveはプレスリリースに記している。「ユーザーはこの集計指標をチェックすることで検索結果の独立性を確認し、検索結果の作成に当社独自のインデックスが使用された程度を知ることができます。あるいは、当社独自のインデックスがまだ構築中であるためにロングテール結果の作成にサードパーティのインデックスが使用されたかどうかも確認できます」。

また同社は、Brave Searchは「通常、大半の問い合わせに答えることができ、それは高い独立性指標に反映されている」ことも付け加えた。とはいえ、たとえば画像検索を実行すると、独立性指標が頭打ちになるのがわかる(ただしBraveは、これによってユーザーの追跡が行われることはないことを確認している)。

透明性はBraveにとって重要な原則であり、 Brave Searchによるすべての検索を対象にグローバルな独立性指標も開発する予定で、これを公開することで当社が完全な独立性に向けて進んでいることを示すつもりです」。

Braveの検索結果に表示される「独立性指標」の例(画像クレジット:Brave)

収益化に関しては、まもなく、広告なしの有償バージョンと広告付きの無償バージョン(「完全な匿名」検索は保証される)の両バージョンを提供する予定だという。ただし、早期ベータ版では広告スイッチをオフにする予定はないと明言している。

「広告なしの有料検索と広告付きの無料検索の両方に各種オプションを提供する予定です」と同氏はいう。「それができたら、Braveのユーザー広告ですでに行っているように、BATで広告収入をユーザーと共有するプライバシー重視の広告を検索にも持ち込みたいと思っています」。

Brave Search検索エンジンは使用するがBraveブラウザーは使用しないユーザーには、コンテキスト広告が表示される。

「BraveブラウザーによるBrave Searchでは、オプトイン広告における強力なプライバシー保護を保証するのが標準であり、当社の支持するブランド価値です」とプホール氏は付け加え、検索のユーザーとブラウザのユーザーは同じタイプの広告ターゲティングの対象となる可能性が高いことを確認した。

まもなくリリースされる広告なしバージョンの検索エンジンの価格設定について同氏は次のように答えた。「リリース日と価格については未定ですが、広告なしの検索はお求めやすい価格にする予定です。検索と情報へのアクセスはすべての人が公正な条件で利用できる必要があると当社は考えているからです」。

最近、欧州で興味深い展開があり、Googleは、反トラスト規制当局からの圧力を受けて、Androidプラットフォームの域内ユーザーに表示される選択画面における「載りたけりゃ金を払え」式のオークションモデルを見限って、多くのライバル企業と自社ブランドのGoogle検索が掲載されたリストからデフォルトの検索エンジンを選択できるようにすることに同意した。この動きによって欧州のAndroidユーザーが選択できる代替検索エンジンの数は増えるはずだ。そうなれば、Googleの検索市場シェアが少しずつ減少する可能性がある。

関連記事:グーグルがEUの圧力を受けAndroid検索エンジンの選択画面オークションを廃止、無料化へ

Braveは以前、Googleの有償オークション形式には参加しないと語っていたが、新しいモデルが「本当に無料で参加できる」なら、今後参加する可能性はあるという。

「Googleが参加無料にするというのは、たくさんの前例があることを考えるとにわかには信じがたいのですが、このモデルが本当に参加無料で、各種契約や機密保持契約を交わす必要もないのなら、参加する可能性はあります」と同氏はいう。「結局、Brave Searchは使いたいすべての人にオープンな製品です。どのプラットフォームでもBrave Searchを選択できるよう積極的に取り組んでいきたいと考えています」。

「欧州各国にはローカライズ済みの各種ブラウザがすでに存在しているため、見込みのあるユーザーにリーチできるすべてのメディアでクラス最高のプライバシーをマーケティングすることで、Braveブラウザのシェア拡大のみに頼らず、Brave Searchの市場シェア拡大を図っていきたいと考えています」と同氏は付け加えた。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Braveウェブブラウザプライバシーベータ版検索エンジン

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

フェイスブックがニュースレター配信プラットフォーム「Bulletin」始動、まずは米国中心ベータ

Facebook(フェイスブック)の新しいクールな試みは、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が自らLive Audio Rooms(ライブオーディオルーム)で製品ニュースを発信することだ。ザッカーバーグ氏は米国時間6月29日、同社のClubhouse(クラブハウス)競合機能を通じて、次の新製品であるニュースレタープラットフォーム「Bulletin(ブレティン、Bulletin.com)」を発表した。

Bulletinは、Facebookとは別のプラットフォームで構築されている。ウェブサイトのFAQによると「クリエイターがFacebookのプラットフォームだけに依存しない方法でオーディエンスを増やすことを可能にするため」と記載されている。ニュースレターを購読するのにFacebookアカウントは必要ないが、BulletinはFacebookのインフラに依存しており、プレミアムサブスクリプションの購入や、購読者限定のグループやライブオーディオルームへの参加にはFacebook Payを使用している。

Substack(サブスタック)のような競合他社は、コンテンツのモデレーションに「干渉しない(hands-off)」アプローチをとっており、誰でもニュースレターを始めることができる。現在FacebookのBulletinに掲載されているライターは、すべて同社により厳選されたクリエイターたちだ。しかしSubstackは、特定のライターにSubstackでの執筆を依頼する物議を醸した「Substack Pro」プログラムを通じ、反トランスジェンダーのレトリックを助成していたとして批判を受けている。このように、Bulletinはキュレーションされたモデルであっても、Substackを悩ませる問題と無縁ではないだろう。

Bulletinの初期のライターには、ジャーナリストのMalcom Gladwell(マルコム・グラッドウェル)氏、作家・ジャーナルストのMitch Albom(ミッチ・アルボム)氏、スポーツキャスターのErin Andrews(エリン・アンドリュース)氏「Queer Eye(クィア・アイ)」で知られるデザイナーTan France(タン・フランス)氏などが名を連ねている。FAQには、ベータプログラムは米国中心で、海外のライターは現在のところ2名のみであると記されている(Bulletinは「ベータプログラムのローンチ後、より多くの海外クリエイターを含めることを検討しています」と述べている)。Facebookはこれらのライターの貢献に対して前払いをしており、今のところ、ライターの利益に割り込む予定はないという。また、ライターがプラットフォームから離れる場合、購読者リストは維持することができる。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookアメリカニュースレターベータ版

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

復活したばかりの老舗音楽共有アプリTurntable.fmのそっくりライバル「tt.fm」がiOS・Androidベータ版アプリ発表

あなたが混乱したとしても無理はない。私自身このネタを追ってきて、まさに今書いているところだが、それでも混乱してしまいそうだ。「Turntable.fm」(オリジナルの、そして最近再リリースされた、ソーシャルミュージックアプリの名称)と混同してはいけないTurntable(または「tt.fm」アプリ)は、米国時間6月8日、同社サービスのiOS版、Android版、およびデスクトップPC版を提供開始したと発表した。

簡単に説明すると、オリジナルのTurntable.fmは、ライブ音楽プラットフォームに注力するために2013年に閉鎖された。このサイトで数え切れないほどの就労時間を費やした我々にとって、とても悲しい日だった。しかし、こういうこともある。人は変わり、企業はピボットするものだ。

もちろんそのノスタルジアは、この1年間、家の中に閉じこもって社会とのつながりを求めていたときに猛烈な勢いで戻ってきた。ある程度の年齢に達しており、おそらくTwitchにまだどっぷり浸かれていない我々のようなユーザーは、サイトを懐かしく思うようになった。そこで創業者のBilly Chasen(ビリー・チェイセン)氏は、Turntable.fmの復活を計画した。現在のベータ版では、ロイヤリティの問題を回避するためにYouTubeストリーミングを利用するなどいくつかの変更点はあるものの、ちょっとしたタイムカプセルのようなものだ。よくできている。私はこのところ使っている。楽しい。そしてつい先日、この会社は新しい10年に向けて750万ドル(約8億2000万円)を調達した。

ほぼ同時期に、Turntable.fmの初期の従業員がこのサービスを別の形で立ち上げることにした。モバイル利用に焦点を当て、クラウドファンディングのルートを選択したtt.fmは、懐かしさの波に乗り、2021年3月に発表された50万ドル(約5500万円)の資金調達に成功した。

6月8日、そのサービスがベータ版として開始される。同アプリは現在、Apple(アップル)App StoreとGoogle(グーグル)Play Storeで公開されている。また、ブラウザでアクセスすることも可能だ。Turntable.fmと同様に、tt.fm(ここではわかりやすくするためにそう呼ぶ)もサードパーティの音楽サービスに依存している。起動時には、リンクされたSpotify(スポティファイ)またはApple Musicのアカウント、およびSoundcloud(サウンドクラウド)から音楽を取り込む。YouTube機能は近日公開予定だという。

上の画像からわかるように、このサービスはTurntable.fmと同じフォーマットに基づいており、似ているが異なるグラフィックとなっている。DJがステージ上で曲をプレイし、観客がそれを気に入ったら頭を振ってうなずく。この新しいサービスの特徴の1つは、アーティストによるDJセットをホストすることだ。

Turntable(tt.fm)のCEOであるJoseph Perla(ジョセフ・パーラ)氏はリリースの中でこう語った。「オリジナルTurntableのファンは、ダンスフロアに戻ることを熱望しており、ライブDJセット、音楽ファンとのソーシャルネットワーキング、音楽の共有、オンライン音楽コミュニティなどのニーズに応える製品を求めていました」。

Turntable.fmのファンとしては、ゼロから突然2つのサービスになったことは、突如大金持ちになった恥ずかしさのように感じる。しかし、2021年の混雑したメディア環境の中で、ニッチを超えて本当に成功できるかどうかは疑問が残る。Turntable.fmのようなアプリが1つ存在する余地はおそらくあるだろう。

しかし、2つ?このすでに奇妙な物語は、さらに奇妙なものになりそうだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:ベータ資金調達音楽音楽ストリーミング

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルが「Android 12」ベータ版第2弾リリース、シャープなどが対象端末リストに追加

Google(グーグル)は米国時間6月9日、Androidの次期メジャーバージョン「Android 12」のベータ版第2弾をリリースした。2021年5月に開催されたGoogle I/O開発者会議で公開された最初のベータ版では、Googleの新しいデザインシステム「Material You」を垣間見ることができたが、約束された新機能やデザイン微調整の多くは、第1弾ベータにはまだ含まれていなかった。今回の新しいベータ版では、Googleはこれらの機能をテスターに提供する(ベータ版への登録はこちらから)。その中には、携帯電話のマイク、カメラ、位置情報を最近使用したアプリをユーザーが簡単に確認できる、新しいプライバシーダッシュボードも含まれている。

その他の新機能として、アプリがマイクやカメラを使用しているかどうかを表示するマイク・カメラインジケーターや、アプリによるこれらのアクセスを無効にするクイック設定トグルも追加された。アクセスをオフにすると、アプリは空白のオーディオとカメラフィードを受け取ることになる。これに関連してGoogleは、アプリがクリップボードの内容を読み取っているときに読者に表示するクリップボード読み取り通知もAndroidに導入する。

画像クレジット:Google

また、第2弾ベータでは新たにインターネットパネルが追加され、ISPやWi-Fiネットワークなどを簡単に切り替えることができるようになった。

画像クレジット:Google

今回のリリースにより、Googleは8月のプラットフォーム安定化までにあと1回のベータリリースを残すところとなった。開発者にとっては今が、互換性テストを完了し、アプリ、SDK、ライブラリの互換性を確保したバージョンをリリースするのに適した時期であると同社は指摘している。現在の毎月のリリースサイクルを考えると、Android 12の最終リリースは9月になると思われる。

これまでと同様、ベータ版を導入するには互換性のあるデバイスが必要だ。以前のいくつかのプレビューリリースとは異なり、今回のリストには多くのGoogle以外のデバイスが含まれており、例えばシャープも6月9日よりベータプログラムに参加している。対応機器の全リストと、Google以外のデバイスでベータ版を導入する方法は、こちらからご覧いただける。

画像クレジット:Google

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAndroidAndroid 12ベータ版シャープOS

画像クレジット:SpVVK / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

Spotifyが独占公開とオリジナルのポッドキャストに自動文字起こし機能を追加

Spotifyが同社サービス上のポッドキャストを文字起こしする第一歩を踏み出す。米国時間5月18日、同社はSpotify独占とオリジナルの番組で自動文字起こしをする機能の限定ベータ版をまもなく公開すると発表した。将来的には同社プラットフォームで公開されている全ポッドキャストで文字起こしができるようにすることを目指す。同社はこの発表と同時に、リーダビリティや文字サイズ変更などアクセシビリティ機能の向上もいくつか発表した。

この新しい機能によりSpotify独自の番組に自動で文字起こしが生成され、ユーザーはiOSとAndroidデバイスで音を出していてもいなくてもポッドキャストのテキストを読むことができる。

文字起こし機能はアクセシビリティの観点から有用だろう。聴覚障がい者も含めてこれまでより幅広いオーディエンスがオーディオのプログラムを利用しやすくなるからだ。そしてすべてのリスナーにとって、早送りや早戻しで探さなくても話の特定の箇所にこれまでより簡単にジャンプできるようになる。

画像クレジット:Spotify

文字起こしをスクロールし、任意のパラグラフをタップしてそのカ所からストリーミングを開始できるとSpotifyは説明している。

Spotifyが言っているようにポッドキャストライブラリすべてで文字起こし機能を利用できるようになれば、ポッドキャスターが番組の文字起こしをして自分のウェブサイトで公開する作業が必要なくなる。代わりに、Spotifyで文字起こしを利用できるとリスナーに知らせるだけでいい。しかも他社製の文字起こしアプリを使う必要がなくなり、Appleのポッドキャスト文字起こし検索にも対抗できる(Appleは最近Podcastアプリに投資して再デザインしサブスクリプションも発表したことから、文字起こしに関しても近い将来のアップデートを準備しているかもしれないと見られる)。

関連記事:アップルがポッドキャストの有料定額サービス開始を発表、米国では番組あたり約53円から

Spotifyによると、文字起こし機能は「今後数週間」以内に公開される。

Spotifyは文字起こし機能のベータ版とともに、リーダビリティの改善についても発表した。これはボタンの色やテキストの書式と大きさを調整して、ロービジョンなどの視覚障がいを持つユーザーが再生開始やシャッフル再生などアプリ内のさまざまなボタンを見やすくするための改善だ。

また、SpotifyはDynamic Typeというシステム全体のテキストサイズの変更にすでに対応しているが、今後はiOSの「設定」でテキストをさらに大きくできるようになる(「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」をタップし「さらに大きな文字」を有効にしてスライダをドラッグする)。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Spotifyポッドキャスト文字起こしベータ版アクセシビリティ

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)