タクシー予約・配車業務をクラウド化する徳島拠点の電脳交通が総額5億円を調達、 タクシー会社とのDX推進が超加速

電脳交通

タクシー会社でいまだ人力業務が多い配車・予約管理などのバックオフィス業務のDXを進めてきた、徳島を拠点とする電脳交通は10月8日、総額5億円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、既存投資家のほか、今回新規投資家として三菱商事、JR東日本スタートアップ、第一交通産業グループ、エムケイ、阿波銀行、いよぎんキャピタルが加わっている。既存投資家には、日本交通グループのJapan Taxi(Mobility Technologies)、JR西日本イノベーションズ、NTTドコモベンチャーズなどが名を連ねる。

今回の資金調達では、タクシー事業会社の第一交通産業グループ、エムケイが参加している点に注目。なお、第一交通産業グループは7月に、電脳交通が開発したクラウド型タクシー配車システムの「自動配車機能」と「データ解析機能」を、三重県津市を拠点とするグループ会社のタカモリ第一交通に導入済みだ。

電脳交通最近は都市部の大手タクシー会社を中心に配車アプリにより利便性が高まっている一方で、国内のタクシー事業者は市場の縮小や従業員の高齢化などに悩まされている。IT化の遅れにより、配車・予約業務の75%が未だに電話対応など、非効率・長時間と厳しい労働環境も問題だ。

電脳交通その結果、地方では観光や地元住民の移動手段としてのタクシーの需要が減っており、交通空白地帯の拡大も起きている。電脳交通は、配車・予約業務やデータ解析などをクラウド化・集約化して、資本投下に限りのある地方のタクシー会社を中心にDXや労働環境の支援・改善するのが狙い。

電脳交通具体的には、経営効率化、配車業務の負担軽減・コストの削減、配車アプリ間のデータ共有・交換を実現する。将来的には、QRチケットや決済レスコール機能、フードデリバリー、公共タクシー配車などの計画もある。

電脳交通なお配車・予約業務については、全国各地に配車センターを開設しリモート配車業務を手掛けている。導入企業は社内に配車業務のスタッフなどを配置する必要がなくなり、平均30〜50%のコスト削減につながっているという。

電脳交通今後は各社との提携により、タクシー業界全体のさらなるDXを推進。今回の資金調達は、全国への事業展開、機能強化と配車センターの拡充など事業に充てられる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:電脳交通、資金調達、配車サービス

再起を目指すEVスタートアップFaraday FutureはSPACを通じた上場を計画する

複雑な過去を持つ、電気自動車のスタートアップFaraday Futureが、特別買収目的会社(SPAC)を通じての上場を計画している。

同社のCEOであるCarsten Breitfeld(カルステン・ブライトフェルド)氏がロイター通信に語ったところによると、同社は現在、SPACとの逆合併に取り組んでおり、「早い時期に良い展望を発表できるだろう」という。

ブライトフェルド氏は中国のEVスタートアップであるBytonの共同創業者で、現在のFaradayの交渉相手や契約締結の時期については何も話さなかった。TechCrunchがコンタクトしたFaraday Futureの広報担当者も、今は詳細を明かせないと述べている。

SPACはブランクチェックカンパニー(白紙小切手企業)で、IPOで資金を調達するために創立され、その資金で他の企業を合併または買収する。最近SPACはテクノロジー企業界隈で人気がある。それは、多くの企業がパンデミックのためIPOが計画より遅れているからだ。SPACはまた、従来的なIPOを取り巻く規制の問題に、それらに代わるものを提示する。

2019年にCEOに任命されたブライトフェルド氏はAutomotive News誌に、Fraday Futureは2020年の第1四半期までに8億5000万ドル(約898億円)の資金を調達したい、と述べている。当時の同社はすでに、Birch Lake Associatesが率いるラウンドで2億2500万ドル(約238億円)のつなぎ資金を受け取っていた(未訳記事)。資金の目的は、Faradayのフラグシップモデルであるラグジュアリー電動SUV、FF91をついにデビューさせることだ。

そのSPACとの契約のタイムラインはまだ公表されていないが、ブライトフェルド氏はロイターに、Faraday Futureは初めての電動ラグジュアリーSUVであるFF91の量産を、資金を確保次第開始する計画だと語っている。それは2015年に創業された同社の大きな節目となるが、その量産モデルは未だに生産されていない。プロトタイプはいくつか作られており、そのうちの1台は2020年8月にオークションに出品されている。

ロイターへの談話の中でブライトフェルド氏は、契約がうまく行けばFF91を最初はカリフォルニア州ハンフォードの工場で生産するが、すでに合意に達しているアジアの契約生産者との話も進んでいる、と話している。

Faraday Futureの財務問題は2017年にさかのぼる(未訳記事)。その際は同社と密接な仲だった中国のテクノロジー企業であるLeEcoが、それ自身の複数の財務的トラブルを処理し始めた(未訳記事)。しかしそれらの問題は、Faraday Futureが2018年に同社の主な支援者だったEvergrande Healthbeganに振られたときにさらに悪化した(未訳記事)。

問題の多くは、LeEcoとFaraday Futureの創業者で元CEOのJia Yueting(ジア・ユエティン)氏と関連していた。彼は2020年初めに個人破産を申請した(The Verge記事)。申請文書は、ジア氏の自己破産費用をFaraday Futureの主要持株会社の1つであるPacific Technologyが出していたことを明らかにしていた。さらにその文書は、Faraday Futureのキャッシュが2019年7月末でわずか680万ドル(約7億1800万円)であることも、明らかにしていた。

ブライトフェルド氏はロイターに対して、現在、ジア氏はFaraday Futureの株をまったく所有していないと語っている。ジア氏の破産が認められ、Faraday Futureはもう一度、同社の電動車を生産するための投資を求めることになったが、現状それは、SPACとの契約の成功にかかっている。ブライトフェルド氏は、Faraday Futureの過去が問われることを覚悟している。「同社の経歴と時々流れる悪いニュースのために、誰も私たちを本当に信用しているわけではない。彼らは、安定した企業になった私たちを見たいのだ」と同氏はロイターに語っている。

関連記事
特別目的買収会社について知っておくべきほぼすべてのこと
テスラのライバルだったFaraday Futureが電気自動車のプロトタイプをオークションに出品

カテゴリー:モビリティ
タグ:Faraday Future合併SPAC

画像クレジット:FREDERIC J. BROWN/AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Olaがロンドンでのライドシェア免許更新に失敗、上訴して運用継続を表明へ

Uber(ウーバー)が英国・ロンドンでの運用を巡る裁判で規制当局から18カ月の延長を勝ち取ってからわずか6日後、有力ライバルの1社が苦境に立たされている。インド拠点のライドシェアリング・スタートアップであるOla(オーラ)は、ロンドンでのライドシェアリング免許更新に失敗した。ドライバーと車両のライセンシングに関して当局の公共安全要件を満たさなかったことが理由だ。

Olaはこの決定を上訴するとTechCrunchに話した。Uberの場合と同様、ロンドン交通局(TfL)の規則で決定に不服を申し立てている間は運用を継続できる。

Olaがライセンス更新できなかったニュースを最初に報じたSky Newsは、TfLがOlaの運用上の問題、具体的にはライセンスの無いドライバーと車両で1000回以上の乗客輸送を行ったことを発見(Sky News記事)したと書いている。TfLのライセンシング、規制、告発責任者であるHelen Chapman(ヘレン・チャップマン)氏は声明で、「乗客の安全を危険に晒す可能性のある」行為だと語った。

TechCrunchが得た情報によると、Olaはこれを規則の解釈に関わる問題であるとして上訴しようとしている。同社とTfLはドライバーと車両のライセンシングの管理にデータベースを異なる方式で用いていたため、Olaはライセンスの期限切れを適切な時期に知ることができなかった。ドライバーのライセンスの有無の相違は、TfLにとって十分大きな安全問題を生み出したようで、同局はOlaが問題解決を優先していないと認識している。実際それは、Olaが都合よく該当ドライバーを継続的に配置、運用できることも意味している。

Uberと同じく、OlaはTfLの決定に対する不服申立てをすでに準備している。

「Olaでは、TfLなどの規制当局と密接に協力的かつ透明性をもって仕事をすることを基本方針にしています」とOlaの英国マネージング・ディクターを務めるMarc Rozendal(マーク・ロゼンダル)氏が声明で述べた。「私たちは調査期間中TfLと協力して、問題をオープンで透明な方法で問題解決の保証と取組みの方法を探しました。Olaがこの決定に不服申立てを行うことで、当社が通常通り運用し安全で信頼できる移動手段をロンドンで提供し続けることを、乗客もドライバーも安心して信じられます」。

Olaはここ数年の間に約38億ドルを調達し、Uberらのライバルと激しく戦うべく事業を強化してきた。今年2月からロンドンで運用を開始し、2万5000人以上のドライバーが登録したが、乗車回数や乗車人数その他一切数値を公表していない。

Olaは自社の顧客以外にも、Gettなどのオンデマンドライドサービスと提携して他社の顧客にサービスを提供している。英国の他の都市でも運用しており、ソフトバンクが支援する同社にとって数少ないインド以外の国際進出先となっている(ほかにオーストラリアとニュージーランドがある)。英国、特にロンドンは、今もなお新型コロナウイルスによる事業縮小がある中、世界最大級のライドシェアリングサービス有望市場だ。しかし、ほかのライドシェアリング会社と同じく、英国市場におけるOlaの立場は常に確立されているわけではなく、議員への嘆願を繰り返している(未訳記事)。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Ola、ライドシェアリング

画像クレジット:NARINDER NANU / AFP / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自律走行の電動貨物車両を開発するスウェーデン拠点のEinrideが約10億円調達

スウェーデンのスタートアップであるEinride(アインライド)はここ4年間、周囲の関心や投資を集め、そして不思議な外観をしたポッドでいくつかの企業との契約を獲得してきた。このポッドは電動かつ自律的に走行する車両で、貨物運搬用だ。しかし開発、テスト、自律走行車両認証の促進は費用がかかり、時間を要する。特に運転席すらなく、遠隔操作に頼るタイプではそうだ。

同社はT-Pod車両でいくらかの進展をみせた。現在4台が公道を走行し、顧客のスウェーデン食品生産企業Oatlyの貨物を運搬している。2500万ドル(約26億円)を調達してから1年がたったいま、Einrideは既存の投資家から追加で1000万ドル(約10億円)を調達した。

今回の資金調達発表は同社が10月8日に行う新車両の公開に先立つものだ。車両について多くは明らかにされておらず、短く曖昧なティーザービデオの提供にとどまっている。

Einrideは、1000万ドルの調達ラウンドはNorrsken VCがリードし、EQT Ventures fund、Nordic Ninja VC、Ericsson Venturesが参加したと述べた。Nordic Ninja VCはEinrideの顧問会議にも加わる。

調達した資金はEinride Podsの公式展開の促進に向けて使われる、とEinrideは述べた。同社は、新型コロナウイルスパンデミックの初期にAIとロボティクスのスタートアップがめちゃくちゃな状態になり、閉鎖したところもあることを認識していた。そして、コンタクトレスの配達オプションに対する需要が新型コロナの影響で増大していることは偶然の一致ではないとしている。現在のOatlyやスーパーマーケットチェーンLidlとの提携、そして顧客に出荷量や輸送距離、それに伴うガス排出量に関する情報を提供するための貨物モビリティプラットフォームの立ち上げを含めた「新たな提携の強い引き合い」を維持してきたた、と述べた。

「自律走行トラックに関しては多くの期待と不確定要素が入り混じっています。しかしわかっていることは、歴史において最大のビジネスチャンスの1つであるということです」とEinrideのCEO、Robert Falck(ロバート・ファルク)氏は声明で述べた 。同氏は、自律輸送産業が数年のうちに、特にグローバルパンデミックを受けて拡大する可能性があると見込んでいる、と付け加えた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:資金調達、自動運転、Einride、スウェーデン

画像クレジット:Einride

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

二輪ライドシェアの元社員が電動二輪車のマーケットプレイス「Ridepanda」を米国に開設

Chinmay Malaviya(チンメイ・マラヴィヤ)氏とCharlie Depman(チャーリー・デプマン)氏は、Bird(バード)やLime(ライム)、Scoot(スクート)などの会社で働いてきたことで、離陸したばかりのシェアードマイクロモビリティー業界の中心に自分たちがいることを認識した。二人はベンチャー資金の調達、急速に伸びる需要、製品の欠陥や規制による障壁への対応という、ジェットコースターのような生活を体験した。その真っ最中に、二人は業界の転換とチャンスに気づいた。

「私たちは立場を生かし、モビリティーで大きな変化が起きていたことを見つけました。それは個人所有の問題です」とマラヴィヤ氏が先月のインタビューでTechCrunchに話した。「利用者は電動スクーターや電動アシスト自転車や電動モペッドを自分で持ちたいと思っていたのです」。

LinkedInで知り合った両氏は、Eバイク(電動アシスト自転車)や電動モペッド、電動スクーターを探して吟味し、購入するためには、Google(グーグル)やAmazon(アマゾン)で検索する以上にいい方法がなかったことに目をつけた。そして、軽電動乗り物のためのオンラインマーケットプレイス「Ridepanda」(ライドパンダ)が生まれた。

二人を「light electric vehicle」(軽電動乗り物)のエバンジェリストと呼んでも間違いはないだろう。General CatalystおよびWill Smith(ウィル・スミス)氏のDreamers Fundから金額非公開のシード資金を調達したRidepandaを、電動アシスト自転車、電動スクーター、電動モペッドをもっと多くの人の手にもたらすというミッションを達成する最善の方法だと考えている。

「小さくて静かでエコでしかもずっと楽しい乗り物を使えるようにすることで、もっと幸せで効率的な町をつくることが私たちの願いです」とマラヴィヤ氏は言う。軽電動乗り物は、ほとんどが5マイル(8km)以下と言われている人々の移動に特に適していると同氏は付け加えた。

2020年始めに二人が立ち上げ最近ベールを脱いだスタートアップは、ワンストップ「Eライド」ショップとして、電動乗り物の専門家による評価やカスタマイゼーション情報などを提供し、購入者が最適の製品を見つける手助けをすることを目的にしている。Ridepandaは、9月にウェブサイトを改修し、ユーザーが自分にあった製品をクイズ形式で見つける「ridefinder quiz」(ライドファインダー・クイズ)やその他のサポートサービスを新たに開始した。「pandacare」というブランドのそのサービスは、保険、組み立て、修理、メンテナンスなどの情報や正しいヘルメットの見つけ方などをユーザーに届ける。

Ridepandaを訪れたユーザーは「ridefinder quiz」をクリックすると、電動アシスト自転車、モペッド、スクーターの種別、身長、体重、もっとも多い利用場面、さらには折り畳み式かどうか荷台の大きさなど最後に予算を選択する。すると条件にあった製品がいくつか表示される。こうした手順を省略して、3つの製品タイプや「commute」(通勤)、「adventure」(冒険)、「delivery」(配達)、「accessibility」(アクセシビリティー)などの利用場面から検索することもできる。

「電動アシスト自転車や電動スクーターや電動モペッドなら何でも載せているわけではない」と同社のCTOであるデプマン氏は言う。

「私たちは多種多様な電動乗り物のカンブリア爆発のような現象を見てきました。実際、イマフ数百種類以上の選択肢があります」と同氏。「アマゾンのウェブサイトに行けば、それぞれのカテゴリーで150種類以上が見つかり、ふるいにかけるのは実に難しい。つまり私たちがバックエンドに作っているのは評価システムなのです」。

「製品がプラットフォームに載るためには、一定の条件と評価基準を満たさなくてはならない。Ridepandaは、性能、安全性、持続性、耐久性、修理のしやすさから製品を評価している」と同氏は説明する。評価は、バッテリー、モーター、ブレーキなど個々の部品ごとに行われる。

現在Ridepanda米国市場に焦点を合わせており、シカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ポートランド、サンフランシスコ、およびシアトルが対象だ。顧客向けの融資を提供しているほか、サブスクリプションサービスも計画しているが、時期を含めてまだ決定していない。

「今は、雑音と決断疲れと戦っているのだと思っています」とマラヴィヤ氏は締めくくった。。

カテゴリー:モビリティ
タグ:マーケットプレイス

画像クレジット:Ridepanda

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スノーモービル大手のPolarisが自社製品の電動化に向けてZero Motorcyclesと契約

スノーモービルや全地形対応車などのメーカーであるPolaris(ポラリス)は、パワースポーツの代名詞だ。ウィスコンシン州、ミネソタ州、またはその他の寒い場所にある何百ものスノーモービルのトレイルに足を運べば、その意味がわかる。現在同社はカリフォルニア州サンタクルーズを拠点とする電動バイクとパワートレインのメーカーであるZero Motorcycles(ゼロモーターサイクルズ)と提携し、そのラインアップを電動化しようとしている。

両社は米国時間9月29日、Zeroのパワートレイン技術、ハードウェア、ソフトウェアを使用して、電動化されたオフロード車やスノーモービルを生産するために協力する10年間の合意を発表した。Polarisは車両の開発・製造・販売を担当する。

Zero Motorcyclesの最高経営責任者(CEO)であるSam Paschel(サム・パシェル)氏によると「両社はこの次世代の電動パワースポーツのための技術と車両プラットフォームを共同開発し、現在市場にある電動化の選択肢を飛躍的に拡大することを目的としている」という。

「Polarisの幅広い製品ポートフォリオ、規模、サプライチェーン、市場でのリーダーシップと相まって、当社のEVに関する専門知識と何百万マイルもの実戦経験が、すべてのパワースポーツ愛好家のためのゲームチェンジャーとなります」とパシェルは声明で述べている。

Polarisは、過去10年間に行った一連の買収により、すでにいくつかの電動オプションをポートフォリオに入れている。2011年には、欧州市場向けのオンロード商用小型電気自動車メーカーであるフランスのGoupilと、路上合法の乗用車およびユーティリティ電気自動車会社であるGEMを買収しました。さらに最近、Brammo Electric Motorcyclesも買収している。この買収により、同社は後にレンジャーEVオフロード車に使用される技術を手に入れた。

「今回の買収は、単発品だけでなく、より幅広い製品ポートフォリオの構築を目指すものだ。Polarisは「このパートナーシップが「rEV’D up」の礎となる」と述べている。これは、2025年までに同社の主要製品セグメントのそれぞれに電動化されたオプションを顧客に提供するという長期戦略の名称だ。両社のパートナーシップによる最初の車両は、2021年末までにデビューする予定です。

PolarisのCEO兼会長であるScott Wine(スコット・ワイン)氏は声明で「ここ数年の間に、パワー、価格、性能が向上し、顧客の関心が高まっているいまこそ、Zero Motorcyclesを重要な戦略的パートナーとしてPolarisのrEV’d upイニシアチブを実施し、パワースポーツの電動化における当社の地位を積極的に加速させるのに適した時期です」と語る。ワイン氏は「このパートナーシップによりPolarisは市場投入までのスピードに大きなアドバンテージを提供しながら、航続距離とコストに関する技術的なハードルを跳ねのけることが可能になるでしょう」と締めくくった。。

画像クレジット:Zero Motorcycles

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

フォードがオール電化SUVのMustang Mach-Eの価格を約30万円引き下げ、完全な競争力維持狙う

Ford(フォード)は、自動車市場がますます混雑し、落ち着かなくなってきている中で競争力を維持しようとしている。次期電気自動車「Mustang Mach-E」(マスタング マッハ-E)のクロスオーバーモデルの価格を3000ドル(約31万7000円)も値下げした。

値下げは販売店と共有され、米国時間9月29日にMachE Clubオーナーフォーラムに投稿され、すでに車両を予約した顧客を含むすべての人にこの価格が適用される。TechCrunchがフォードに文書を確認した。

すでに予約をしている顧客は10月中旬までに、価格変更を考慮して注文の変更ができるという。初期ロットのMach-Eは年内に納車される予定だ。

「魅力的な価値は常にの車両ブランドの特徴です。偉大なオール電化の走行距離とパフォーマンスに加えて、ダイナミックな価格変動が見られるセグメントで完全に競争力を維持するためにMach-Eの価格を調整しました」とフォードは価格シート上で説明しているが、これは広報担当者がTechCrunchに送った言葉と同じだ。

自動車メーカーが車の価格を調整するのは当たり前のことだ。しかし、Tesla(テスラ)が長い間独占してきた市場であるEVの世界では、価格は頻繁かつ迅速に変動することがある。テスラのような直販モデルを採用しているEV企業にとって価格の変更は簡単だ。一方、フォードやGMのようなディーラーモデルを採用しているレガシー系自動車メーカーにとってはより複雑になる。

フォードは、9月29日からGTを除くすべてのMach-E車のベースモデルの価格を引き下げた。同社のMach-Eプレミアムモデルは3000ドル値下げされた。CA Route 1モデルを2000ドル値下げし、「select」と「first」のエディションを1000ドル値下げした。

同社は昨年11月、電動クロスオーバーを発表した。この車は、フォードとMustangにとって初めてのシリーズで、フォードの電気自動車専門組織であるTeam Edison(チーム・エジソン)から生まれた最初の車であり、初の電気自動車であるMustangだけでなく、SUVでもある。

画像クレジット:Kirsten Korosec

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

ソフトバンクやトヨタなど出資のMONETがMaaSシステム向けAPIを提供するマーケットプレイス公開

ソフトバンクやトヨタなど出資のMONET、MaaS用API提供の「MONETマーケットプレイス」公開

ソフトバンクとトヨタ自動車などが共同出資しMaaS(Mobility as a Service)事業を展開するMONET Technologies(MONET)は9月28日、MaaSシステム開発に活用できる天気・観光・地図情報など様々なデータや決済システム向けにAPIを提供する「MONETマーケットプレイス」を正式にオープンした。2020年度内にオンデマンドバスのAPIも提供を開始する予定。

また今回の正式オープンにより、一般企業がMONETマーケットプレイスを利用できるようにするほか、MONETマーケットプレイスにAPIを提供する企業を募集する。

MONETマーケットプレイスは、企業や自治体のMaaSの実現を包括的に支援するプラットフォーム「MONETプラットフォーム」の一部として提供するもの。同プラットフォームは、車両データや移動データなどを集約するデータ基盤と、MONETマーケットプレイスで構成される。MONETは、「MONETコンソーシアム」加盟のシステム開発企業などを対象に、4月からMONETマーケットプレイスの試験利用を実施し、正式オープンに向けた準備を行ってきた。

9月28日から提供するAPI

  • 決済(MONET): SBペイメントサービスのオンライン決済サービスを利用し、クレジットカードとPayPay(オンライン決済)での決済が可能
  • チケット(MONET): 予約情報や決済情報を基に、乗車券・入場券として利用できるQRコードを発行
  • 天気予報 API(ウェザーニューズ): 全国(1kmメッシュ)の天気予報を1時間ごとに取得できるAPIと、指定場所の最寄りの観測地点における過去の観測データを、2008年までさかのぼって取得できるAPI
  • るるぶDATA API(JTBパブリッシング): 旅行情報誌「るるぶ情報版」などに掲載されている全国の観光スポット情報やイベント情報・温泉地情報、観光視点で区切った全国のエリア区分の情報を取得できるAPI
  • いつもNAVI API(ゼンリンデータコム): 多彩な地図・位置情報サービスをウェブサイトやスマホアプリなどに実装するための開発ツールがセットになった、エンタープライズ向けサービス
  • Loogia(オプティマインド): 過去の走行データを活用してラストワンマイルにおける最適な配送ルートを計算する、配送および輸送事業者向けのAPI

今後提供が決まっているAPI

  • オンデマンドバス(MONET): オンデマンドバスの運行に必要な予約や運行管理などのAPIをまとめて提供。2020年度内提供予定
  • iTrust本人確認サービスAPI(サイバートラスト): マイナンバーカードと公的個人認証サービスの活用により、犯罪収益移転防止法に対応したオンラインでの本人確認や現況確認を実現するサービス

関連記事
ソフバンとトヨタ共同出資のMaaS企業「MONET」、ホンダと日野自動車から資金調達
ソフトバンクとトヨタ合弁のオンデマンドバス事業に5社の自動車メーカーが参加
トヨタとソフトバンクが新会社、次世代EV「e-Palette」で移動サービス展開

EV充電ネットワークのChargePointがSPACとの合併を経て上場へ

2020年、Canoo、Fisker Inc.、Lordstown Motors、Nikola Corp.などの電気自動車(EV)のスタートアップが、SPAC(特別目的買収会社)と合併して上場した。そして今、長くなる一方のSPACのリストにEV充電会社が加わり始めた。

EV充電ネットワークであるChargePointは、特定目的買収会社のSwitchback Energy Acquisition Corporationと合併する契約を結んだ。ChargePointのバリュエーションは24億ドル(約2520億円)。同社は、Pasquale Romano(パスカル・ロマーノ)社長兼CEOと現在の経営陣が引き続き率いる。新会社はChargePoint Holdings Inc.の社名でニューヨーク証券取引所に上場する。同社は合併が年末までに完了すると見込む。

同社はBaillie Gifford(ベイリー・ギフォード)氏などの機関投資家やNeuberger Berman Alternatives Advisors(ニューバーガー・バーマン・オルタナティブ・アドバイザーズ)が管理するファンドがリードした2億2500万ドル(約240億円)のPIPE(公開会社への私募増資)で資金を確保できたと述べた。同社の手元現金は約6億8300万ドル(約720億円)に上る。増資で調達したキャッシュは、負債返済、事業資金、成長資金などに使う。

「EV充電業界は成長しており、2030年までに充電インフラへの投資は1900億ドル(約20兆円)になると予想されている」とSwitchbackのCEO、CFOおよびディレクターのScott McNeill(スコット・マクニール)氏は声明で述べ、「ChargePointは求められているインフラを供給する良いポジションにいる」と付け加えた。

ChargePointはEV用のハードウェア、付随するソフトウェア、クラウドサブスクプラットフォームを設計、開発、製造している。同社はEVやSUV向けの公共・半公共の充電スポットだけでなく、家庭用充電器のブランドとしても良く知られている。またChargePointは、フリートオペレーター向けに配達用バン、バス、乗用車を管理するハードウェアとソフトウェアを提供する商用ビジネスも行っている。同社は世界全体で11万5000以上の充電スポットを持つ。北米と欧州全体のネットワークとのローミングにより、さらに13万3000カ所の公共スポットへのアクセスを提供する。

2007年創業の同社は、新しく得た資金を使って北米と欧州での拡大、技術ポートフォリオの改善、商用・フリート・住宅向け事業の大幅な拡大を計画していると語った。

ChargePointのSPACとの合併は1億2700万ドル(約140億円)の資金調達(未訳記事)の1カ月後に行われた。調達には石油、ガス、電力、ベンチャー業界の既存投資家から、American Electric Power、Chevron Technology Ventures,、Clearvision、Quantum Energy Partnersが参加した。

カテゴリー:モビリティ

タグ:ChargePoint 電気自動車 SPAC 新規上場 / IPO

画像クレジット:ChargePoint

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

電動船外機の性能を向上させるPure Watercraftが約24億円調達

電気自動車が実用化され始めたのは10年ほど前のことだが、いまではこの技術が水上で展開される準備が整ったようだ。Pure Watercraftは、50馬力程度までのボートのニーズにおいて通常のガスエンジンから電動船外機に置き換えたいと考えている。同社は2340万ドル(約24億6700万円)を調達したばかりだ。

同社の船外機は従来のものとほぼ同じように機能し、スーツケースサイズのバッテリーパックで稼働する。もちろん乱流の音以外はとても静かだ。釣りや湖の周遊に適した3〜6mのボートに使用される船外機の代替となり得るものが、価格に関しては少し違う。

創設者でCEOのAndy Rebele(アンディ・レベレ)氏が同社を創業したのは2011年のことだが、当時はまだ時が熟していなかったのだろう。「モデルSはまだリリースされておらず、ボートを電気式にする計画は事実上資金調達が難しい状況でした」と同氏は語る。

レベレ氏は2016年に自分の資金の投入と控えめな資金調達を実施しているが「当時は腹を決めて成功を信じるしかなかった」と振り返る。

「この小さな市場が拡大していくと信じるしかありません」と同氏は続ける。「私たちはバッテリーパックのアーキテクチャー全体を開発しましたが、現時点で数百万ドル(約数億円)を投じています。しかし、私たちの投資家は、自動車やトラックほど注目されていない全く新しい運輸セクターの電化リーダーに投資してくれているのです」。

彼らは時間を無駄にしていない。同社によると、エネルギー密度(1kgあたりの電力量)は166Wh/kg(ワット時/キログラム)で、業界のリーダーであるTesla(テスラ)に匹敵し、他の多くの自動車用バッテリーメーカーを凌いでいるという。ユーザーは簡単にセカンドパックを追加したり、新しいパックに交換したりすることもできる。セル自体はテスラをはじめとする多くの企業と同様パナソニックが供給元となっているが、効率的で堅牢なものに組み立てることが可能で、防水パックは競合他社よりも優れている。

ボートは水の絶え間ない抵抗に対抗するために大量の電力を消費するため、十分な電力を保持することがボートにとって極めて重要である。車で1km走行するのにかかる電力量は、船で1km航行するのにかかる電力量の何分の1かだ。Zinのボートのよう(未訳記事)に、最初から電気で走るように設計されていても、物理的な理由からその能力には根本的な限界がある。

レベレ氏は、シンプルであることを魅力にしたいと考えている。「世界で最も普及している船外機は40馬力です」とし、「このタイプのモーターこそがPure Watercraftが作るものだ」と語る。また「『電気自動車の市場は小さいがとりあえず試しに作ってみた』と言うような多くの自動車会社の考え方がそもそもの誤りです」と同氏は指摘する。そうした中でテスラが電気自動車版の素晴らしい車を世に送り出した。

ボートにおいても同じことが言えると同氏は言う。たしかにさまざまな種類のボート、モーター、船体材料といった市場が存在している。しかし、小型ボートに現在動力を供給している既存のモーターの数々のレベルと同等かそれ以上のモーターを同社が提供し、しかもそれが電気であれば、必ず需要は広がりを見せるだろう。

「環境を配慮して購入してくれる顧客だけを頼りにすることはできません。利己的な選択で電気動力の製品を欲しいと思う人々がいてこそ成功し得るのです」とレベレ氏。

いずれにしても、そのメリットを列挙するのは簡単だ。静音で、釣りやクルージングに適しており、どのコンセントでも1、2ドル程度で充電が可能。小型のガスエンジンに比べて部品数が大幅に少なく、メンテナンスが極めて少ない。そしてもちろん、現在一般的な、気が滅入るほど汚れたモーターのように水や空気中に煙や微粒子を吐き出すことはない。

ガソリン使用に残された唯一の実質的な利点は、初期コストと利用範囲だろう。より良い製品に投資する気持ちがあれば、コストはそれほど問題ではない。また、ほとんどのボート利用者がそうであると思うが、1回の出航につき数マイル程度の航行であれば、航続距離も問題にはならない。釣りをしたり、湖の周りをクルージングしたりする程度であれば、1日中動かすことが可能だ。電動製品を買う気なんて毛頭にもないという人でもすぐこの事実に気が付くだろうし、少しでも欲しいと考えていた人々はますます欲しくなったことだろう。

高価格であることの根強い警戒感はまだかなり残っている。通常20~50馬力の船外機の価格は数千ドル(約数十万円)からで、それにガス代がかさむことになる。同社のモーターは充電器システムとバッテリーパックのセットで1万6500ドル(約174万円)、追加のパックは約8000ドル(約84万円)となっている。同社はいくつかのボートメーカーと協働して、ボート一式で3万ドル(約316万円)以下での提供を試みているが、それでも「2~6人乗りボート向けの船外機」利用者層にとってはハイエンドと言えるだろう。

L37と多数の個人投資家(Amazonの幹部やボート業界の関係者も含まれている)が主導する2340万ドルに達したAラウンドの資金調達で、生産のスピンアップを正面から見据えている。これまでテストしてきた「ベータ」製品に変更を加えた後、本社のあるシアトルで1000台を製作する予定だ。同社は基本的に研究開発を終えているので、製品の設計を終えるのに数年間顧客を待たせるようなことはほぼないだろう。またレベレ氏は、今のところ別の製品を作るつもりはないと述べている。

「私たちはこのパワーレベルで同製品を完成させます。そこに全力を注ぎます」と同氏は唱える。同社の焦点は優れたエンジニアリングであり、願わくば利益率の向上を図りたいとしている。同製品は、2021年のボートシーズンに間に合うよう完成されるはずだ。

関連記事:インテル子会社のMobileyeが中国最大手の民間自動車メーカーの吉利汽車集団と運転支援契約を締結

カテゴリー:モビリティ

タグ:電気自動車 Pure Watercraft

画像クレジット:Image Credits: Pure Watercraft

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

スマートドライブがHondaの法人向け二輪車用管理サービスに走行データ蓄積・活用プラットフォーム提供

スマートドライブがHondaの法人向け二輪車用管理サービスに走行データ蓄積・活用プラットフォーム提供

スマートドライブは9月24日、Hondaの「Honda FLEET MANAGEMENT」(Hondaフリートマネジメント)に対して、走行データを取得・蓄積・活用する同社「Mobility Data Platform」を提供したと発表した。Honda FLEET MANAGEMENTは10月1日からサービスを開始する。

Honda FLEET MANAGEMENTは、ビジネスシーンで活躍する二輪車に車載通信機を取り付け、業務上の各種動態管理を可能とする法人向け二輪車用コネクテッドサービス。

同サービスは、走行データを取得・蓄積・活用するスマートドライブの「Mobility Data Platform」を採用しており、業務用二輪車の位置情報、加速・減速等の運転状況、訪問地点や走行距離などの記録、日報の自動作成、登録済み地点への接近・到着を管理者に知らせるメール通知機能などが可能となる。

また取得した走行データをもとに、スマートドライブのデータサイエンティストが分析・解析を行うことで、顧客ニーズに合わせた課題解決を提案可能としている。

スマートドライブは、2013年の創業以来「移動の進化を後押しする」をビジョンとして、移動にまつわる様々なモビリティサービスを提供。Mobility Data Platformを用いて、幅広い業種業態の企業と新しいサービスの創出に向けた協業を行ってきた。

モビリティ業界の変革期にある中、モビリティサービス作りにおける実績・データ解析の質・スタートアップならではのスピードなどが評価され、二輪車を利用する法人顧客を含めて、共にビジネスを成功に導くパートナーとしてHondaとの連携に至ったという。

業務上得られたデータを利活用することで、ビジネスユース二輪車のより効率的な運用に加え、ライダーの安全運転啓発にも貢献できると考えているとした。

また今後も、移動データの利活用を通して、移動をより価値の高いものにすることを目指し、「移動の進化を後押しする」サービスの開発・提供に努めていくとしている。

関連記事
月定額カーレンタル事業など展開するSmartDriveが17億円調達、高齢者の運転見守りサービスも開始へ
初期費用約1万円のデバイスで自動車のビックデータ解析 ― スマートドライブが10億円調達

Hacobuの動態管理サービスが専用端末なしで日野のコネクティッドトラックで利用可能に

Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」が日野のコネクティッドトラックで利用可能に

Hacobu(ハコブ)は9月24日、動態管理サービス「MOVO Fleet」が、MOVO Fleet専用GPS端末なしで日野自動車のコネクティッドトラックにおいて利用可能になったこと、また専用プランを2020年10月1日から提供開始することを発表した。

2015年6月設立のHacobuは、物流向けアプリケーションおよびハードウェアの開発・販売、貨物利用運送事業を展開するスタートアップ。「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ企業間物流の最適化を目指しており、ロジスティクス クラウド「MOVO」(ムーボ)を提供している。

MOVO Fleetは、物流業界に特化したテレマティクスサービス。専用GPS端末を使った車両位置把握により、運行管理者の業務負担軽減や、配送業務の効率化をサポートする。

今回、MOVO Fleetが車載GPSを標準搭載している日野自動車のコネクティッドトラックへの対応を実現。同トラックを保有するユーザーは、MOVO Fleet専用GPS端末なしで、車両位置把握や自動着荷の記録保存などMOVO Fleetの機能を利用可能となった。

Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」が日野のコネクティッドトラックで利用可能に日野自動車は、2017年発売の新型大中型トラック・観光バス、2019年発売の新型小型トラックよりICTサービス用の通信端末の搭載を開始。コネクティッドトラックは2020年3月までに約10万5000台が生産されているという。

Hacobuと日野自動車は、ドライバー不足など物流にまつわる社会課題の解決を目指し、2019年9月に資本業務提携契約を締結。2020年5月にはオープンな物流情報プラットフォームの構築と具体的なソリューションの実現に向けて、MOVOに日野のトラック車載GPSの位置情報を接続した。

MOVOは、同一クラウドプラットフォーム上に構築された物流現場の課題を解決するアプリケーション群。SaaSモデルで各アプリケーションを提供しており、「低い初期投資と月額料金で利用が可能」「2週間に1度機能アップデートを実施し、システムの最新状態を維持」「他社サービスとのAPI連携で、拡張可能なサービス」といった特徴を備えている。

両社は今後さらにデータ連携を強化し、接続した車両・走行データを活用して様々なサービスを展開することでさらなる価値を創出し、社会や顧客の課題解決に貢献していくとしている。

関連記事
日本のVC・エンジェル投資家が予想する2017年のスタートアップ・トレンド(後編)

アマゾン傘下のRingが3つの新製品で自動車用セキュリティーに進出、その1つはテスラとのAPI連携

Amazon(アマゾン)傘下のRing(リング)は、家庭や近所用のセキュリティーから自動車の世界に手を広げようとしている。米国時間9月24日に開催されたアマゾンのデバイスとサービスの盛大な展示会で同社は、3つの新製品、Ring Car Alarm(カーアラーム)、Ring Car Cam(カーキャム)、Ring Car Connect(カーコネクト)をデビューさせた。最初の2つはデバイスだが、最後のひとつは自動車メーカー向けのAPIとハードウェアのセットとなる。いずれも来年の早い時期に出荷される。

「実際、Ringをスタートさせてからずっと、さらにDoorbot(ドアボット)の時代まで遡って、自動車用のセキュリティーを求められ続けてきました」とインタビューで言及したのは、RingのCEOで創設者のJamie Siminoff(ジェイミー・シミノフ)氏。「それは、私たちが常に念頭に置いていたものですが、先に片付けなければならないことがあまりにも多かったのです。製品を作って、しっかりと働けるようにするには時間がかかるものです。そのため、この分野への進出には手間取りましたが、私たちの使命は住宅地を安全にすることです。自動車に起こることの多くは、住宅地にも起こるのです」と語った。

シミノフ氏は、今回発表できた製品が1つだけではなく、あらゆる顧客のニーズをカバーできる一連のセットであったことをとても喜んでいた。Ring Car Alarmは、OBD-II(車載故障診断装置ステージ2)対応の無線機器で、駐車中の車への衝突、車上荒らし、さらにはレッカー移動を感知する。Ring Car Camはセキュリティーカメラだ。Wi-Fi対応だが、追加プランでLTEにも対応できる。駐車中の事件や事故を監視するほか、走行中は緊急衝突検知や警察官に停止を命じられたときの録画も可能だ。3つ目のRing Car Connectは、ユーザーが内蔵カメラの映像を見たり、ドアロックの状態を確認したりできるように、自動車メーカーが車に統合するAPIと接続する後付け装置だ。

3つの製品でいきなり正面から、しかもRingにとって未経験の分野で参入した理由をシミノフ氏に尋ねた。「詳しく調べるようになって、これは1つのサイズで誰にでも合うといった種類の製品ではないことが、身にしみてわかったのです」と同氏。「むしろ、自動車に関連する製品一式を作ることなのだと気づきました。Ringでは、本当に独創的で、市場で際立ち、私たちの使命に合致し、顧客の生活をよりよくできるとわかったものだけを発売するよう努めています。完全にとは言いませんが、これまではそうしてきました」と続けた。

  1. 20200921_image_lockup_ringcaralarm_iphone_fcc_rgb

  2. 20200921_image_blog_car_connect_desktop@2x_fcc_rgb

製品の価格帯は大きな幅がある。Ring Car Alarmは予定小売価格が59.99ドル(約6300円)、Ring Car CamとCar Connectは、どちらも199.99ドル(約2万1000円)。Ring Car Alarmは、明らかに幅広い顧客層を狙っている。車への犯罪行為を予防する目的で、車とRingアプリが連動できるようにする基本機能をセットで提供するものだ。この装置は、Ringアプリに警報を送る。ユーザーが望めば、サイレンを鳴らすこともできる。Car Alarmはまた、他のRing製品やAmazon Alexa端末との連携も可能で、車に衝撃が加えられたり窓を割られたようなときには、Alexaが声で知らせてくれる。Ring Car Alarmは、Ringの親会社であるAmazonが今年中にサービスを開始する予定の低帯域幅無料無線ネットワーク・プロトコルAmazon Sidewalk(サイドウォーク)を使った接続が必要となる。

Ring Car Camは、もう一歩進んで、車の様子を目で監視できるようにするものだ。Wi-Fiが届く範囲で使用できるが、コンパニオンプランを選べば内蔵LTEによる接続が可能になる。また、これを取り付けた車に乗っている間にも使えるセキュリティー機能がある。RingのEmergency Crash Assist (緊急衝突アシスト)は、重大な事故だと判断した際には、即座に第一対応者に車の位置を通報する。さらに警察に停車を求められたとき、「Alexa、停止を命じられた」と話せば、自動的に録画が始まる。ネット接続されている場合、その映像は自動的にクラウドに送られる。プライバシーに関しては、写したくないときにレンズを隠せるフタがカメラ本体に付いている。録画中に音声だけをオフにすることも可能だ。

そしてRing Car Connectだが、これは自動車メーカーが使用するAPIで構成されていて、Ringの利用者が車に発生するあらゆる問題の警報を受け取れるよう、または車載カメラの映像を見られるようにする。また、後付け製品ではほとんど見ることが許されなかった情報にもアクセスできるようになる。

例えば、車のドアがロックされているかアンロックされているかなどだ。Ringの最初のパートナーとなる自動車メーカーはTesla(テスラ)だ。同社は、Model 3、X、S、YをRing Car Connectに対応させる。ユーザーは、2021年に199.99ドル(約2万1000円)で発売予定の後付け装置を取り付ける必要があるが、それによりセントリー(見張り)モードの録画映像や、運転中の映像をRingアプリで見られるようになる。

画像クレジット:Ring

Ringのセキュリティー・エコシステムは、簡単なドアベルから発展し、家全体(こちらもさらに広がっているが)、家の周囲、本格的な警報サービス、そして今や自動車にまで発展した。同社は決して、その栄誉ある地位に甘んじているわけではない。間もなく、郵便受け用のセンサーが29.99ドル(約3100円)で発売される。文字どおり手紙の「着信」を知らせてくれる装置だ。これが、今回の発表にちょっとした花を添えている。

画像クレジット:Ring
[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

テスラがトランプ政権を訴訟、車の「頭脳」の関税廃止を要求

Tesla(テスラ)は同社が中国から輸入しているコンピューターチップとその他の部品に対する関税を巡って、トランプ政権に対して訴訟を起こした。同様の裁判はすでに数百社が進めており、自動車メーカーではFord(フォード)、Mersedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、Volvo(ボルボ)などが該当する。

テスラは合衆国国際通商裁判所に提出した訴状で、Robert Lighthizer(ロバート・ライトハイザー)合衆国通商代表の名前を挙げ、一連の関税を違法であると宣言するよう法廷に求めている(Bloomberg記事)。テスラは支払った関税と利子の返金も要求している。訴訟の中心を成している2種類の関税は、2018年に成立したCPUに対する25%の関税および昨年成立したその他数百種類の部品に対する7.5%の関税だ。

昨年合衆国通商代表部(USTR)は中国製の新しいカスタムチップの免除に関するテスラの要求を却下した(米政府リリース)。

そのカスタムチップは同社のAutopilot(オートパイロット)3.0 ハードウェアの一部であり、同社が新車すべてに搭載予定の完全自動運転(FSD)を可能にするものだ。このハードウェアは現在Model 3、S、およびXの全新車に標準搭載されている。顧客はさらに8000ドル(約84万3500円)を払ってFSDのソフトウェアアップグレードを購入する。

関連記事:テスラのオートパイロットはトランプの関税で窮地に

このハードウェアはAutopilot ECU(エンジン制御ユニット)の中にあり、テスラはこのモジュールを「車両の頭脳」であると説明している。モジュールは台湾拠点で中国・上海に工場があるQuanta Computer(クアンタ・コンピュータ)という会社が組み立てている。このモジュールは中国で作られて米国に輸入されたその他の電子部品とともに25%の報復関税の対象になっている。

テスラはUSTRへの要求の中で、Autopilot ECU 3.0の製造を米国内で行うことは不可能だと語った。

テスラはAutopilot ECU 3.0を、Teslaの継続的成長に必要な仕様で必要な数量を生産するための専門技術を有するメーカーを見つけることができなかった。このモジュールは車両の頭脳である。このためその調達は軽々に考えられるものでもコストだけで決められるものでもない。オートパイロットはテスラ体験の複雑でかつ安全最重要の機能であり、わずかな不具合さが重大な結果を招く可能性があるため、われわれの決定はすべてリスクを軽減することを目的としている。

テスラはModel 3のコンピュータシステムの部品であるメディアコントロールユニット(MCU)の免除申請も却下された。MCUは3枚のプリント版ユニット(PCBA)を組み合わせてメカニカルシャーシに収めたものだ。PCBAは、車載タッチディスプレイ、オーディオスピーカー、マイクロフォン、ラジオ、接続ボード(携帯通信)、Bluetooth、Wi-Fi、USB充電器、バックカメラなどとのデータのやり取りを制御していると同社は要望の中で説明している。MCUは先進運転支援システム(ADAS)および通信ボードモジュールと接続・通信する。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インテル子会社のMobileyeが中国最大手の民間自動車メーカーの吉利汽車集団と運転支援契約を締結

Mobileyeのコンピュータビジョン技術が、中国最大の民間自動車メーカーである吉利汽車集団(Geely Automobile)の新型プレミアム電気自動車「Zero Concept」(ゼロコンセプト)に採用されることになった。MobileyeのオーナーであるIntel(インテル)は米国時間9月23日、北京オートショーでこの内容を発表した(Intelプレスリリース)。ゼロコンセプトとは、吉利汽車とVolvo Car Group(ボルボ・カー・グループ)の合弁会社として設立されたブランド「Lynk & Co」(リンク&カンパニー)が生産しており、Mobileyeの運転支援システム「SuperVision」(スーパービジョン)を採用している。

またインテルは、Mobileyeと吉利汽車が先進運転支援システムの長期大量契約を締結したことを発表した。これは、吉利汽車の車両にMobileyeのコンピュータビジョン技術が搭載される台数が増えることを意味している。

Mobileyeの最高経営責任者でインテルの上級副社長でもあるAmnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏は「今回が初めての契約だ」と説明している。続けて「また、Mobileyeの導入後に無線でシステムのアップデートを提供する計画について、OME先が公式に言及したのは今回が初めてです。システムのアップデートは機能として常に含まれていますが、吉利汽車とMobileyeは運転支援機能を簡単にスケールアップして、車の一生を通じてすべてを最新に保つことができることを顧客に保証したいと考えています」と付け加えた。

イスラエルに拠点を置くMobileyeは、2017年に153億ドル(約1兆6100億円)でインテルに買収(未訳記事)された。同社の技術とサービスは、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、日産、ホンダ、ゼネラルモーターズなどの自動車メーカーの車に採用されており、死角や潜在的な車線逸脱、衝突の危険性、制限速度などの問題をドライバーに警告する機能が含まれている。

吉利汽車の親会社は浙江吉利控股集団で、ボルボ・カー・グループの親会社でもある。吉利汽車によると、2019年に同社のブランドは合計で146万台以上を自動車を販売したという。中国は世界で最も急成長している電気自動車市場の1つ(McKinsey & Companyレポート)で、新型コロナウイルスの感染蔓延の影響で販売が打撃を受けたものの、消費者への補助金や充電インフラへの投資などの政府の政策によりEV市場の回復が期待されている(Wolrd Economic Forum記事)。

画像クレジット:Intel

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

カリフォルニア州が2035年までに全新車のゼロ・エミッションを義務化

カリフォルニア州のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事は9月23日に行政命令を発行し、新たに販売される乗用車をすべて2035年までにゼロ・エミッション化することを義務付けた

この命令は電気自動車および水素などの代替燃料を使用する自動車を著しく推進するものであり、カリフォルニア州ですでに活性化している分野がさらに後押しされるだろう。

カリフォルニア州知事室の発表によると、輸送分野はカリフォルニア州の二酸化炭素汚染の半分以上、スモッグ汚染の80%、有毒ディーゼル排気の95%の原因となっている。

「これはわが州が気候変動と戦うために取りうる最も影響力のある手段だ」とニューサム知事は声明で述べた。「数十年もの間、われわれは自動車が自分たちの子供や家族が呼吸する空気を汚すことを許してきた。カリフォルニア州民は自分たちの車が子供たちの喘息を起こさせる心配などすべきではない。自分たちの車が山火事を悪化させ、その結果空気が煙に満ちた日を増やすことなどあってはならない。自動車が氷河を溶かし、海面を上昇させて大切な浜辺や海岸線を脅かすことがあってはならない」。

この命令を受け、カリフォルニア大気資源委員会は販売される乗用車およびトラックの100%を2035年までにゼロ・エミッションにすることを義務付ける法律を制定する。

2035年の目標を設定するで、温室効果ガスの35%削減、および窒素酸化物排出の80%改善が達成される。

同委員会は中型および大型車両についても、可能な場合、2045年までに完全ゼロ・エミッション化する法律も制定する。

命令に基づき、州当局は民間セクターと協力して手頃価格の燃料や充電方法の開発を加速する必要がある。ゼロ・エミッション車の普及拡大も必要になることも声明に書かれている。

ガソリン車を所有しているカリフォルニア州民が車も手放す必要はなく、中古車市場でガソリン車を売ることも規制されない。

この命令によって、カリフォルニア州はすでにガソリン車の廃止を宣言している15カ国に仲間入りすると声明は述べている。

本命令は、ゼロ・エミッション車が化石燃料車よりも安くて良いものになることを前提にしているが、そこには高いハードルがいくつもあり、市場がそこに到達するまでには大きなチャンスもある。

電気自動車と水素燃料自動車のための膨大な数の充電ステーションと燃料ステーションも作る必要がある。高速充電を可能にする新しい充電技術が必要になり、カリフォルニア州当局が要求するアクセシビリティも達成されなくてはならない。

こうしたチャンスのすべてが、スタートアップの心を躍らせることは間違いなく、Tesla(テスラ)に対抗しようとする新しい電気自動車メーカーや充電技術メーカーは、会社価値の急騰をニューサム知事に感謝しなくてはならないだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

国内小型電動モビリティ系スタートアップなど6社が「日本電動モビリティ推進協会」を設立

国内小型電動モビリティ系スタートアップなど6社が「日本電動モビリティ推進協会」を設立

国内で小型電動モビリティを開発もしくは販売・運用するスタートアップ企業・事業者を中心とする6社(E-KONglafitクリエイティブジャパンSWALLOWブレイズベルッド)は9月23日、これまでの販売・運用を通じた知見を持ち寄り、次世代に向けた電動モビリティの在り方の提言や普及を促進する「日本電動モビリティ推進協会」(JEMPA、ジェムパ)の設立を発表した。

国内小型電動モビリティ系スタートアップなど6社が「日本電動モビリティ推進協会」を設立

以下3点を活動目的に、安全性の啓発活動・情報発信、利活用に向けた勉強会やリサーチ、新しい電動モビリティ規格の提案、町作りにおけるインフラ整備への提言を行う。

  • 誰もが効率的・機能的に移動でき、社会受容性のあるモビリティの可能性を最大化するお手伝い
  • 単に便利なだけではなく、モビリティによる移動を楽しむことと安全性の両立を図るべくモビリティ開発と社会インフラへの最適化に向けた提案
  • 持続可能な社会の実現に向けたモビリティの 耐久性・エネルギー利活用を推奨

JEMPAによると、現在の道路運送車両法は1951年(昭和26年)、また道路交通法は1960年(昭和35年)に制定されており、技術の進歩によって開発された多くの次世代電動モビリティの性能や、生活様式の変化に柔軟に対応されている法規ではないため、利活用において様々な制約が課されており、またインフラ整備も進んでいないという。

そこで、現国内法規制に則り、製造・販売・運用を行っているモビリティ系スタートアップを中心に、新しい生活環境に適した移動手段に関する認知活動や、これまでの知見をもとに利用者の目線に立った規制の見直しの提言を行う。また次世代電動マイクロモビリティの幅広い普及、その安全性や移動の楽しさが感じられるような、利活用に向けた提言も行うとしている。

テスラのシステムが9月23日朝に1時間におよぶネットワーク障害、2要素認証導入に向けた影響か

複数の情報筋によると、Tesla(テスラ)の所有者は9月23日の朝、同社のネットワーク全体に影響を与える停止の影響で、約1時間にわたってテスラ車とそれに付随するアプリからロックアウトされたようだ。

詳しい情報筋によると、その原因はアプリケーション・プログラミング・インターフェース(またはAPI)の内部的な破損によって引き起こされたとのこと。

不具合は、テスラの最高経営責任者であるElon Musk(イーロン・マスク)氏が8月のツイートで「恥ずかしいほど遅れている」と呼んだ新しい2要素認証(2段階認証)のセキュリティ機能の展開に関係している可能性がある。

2要素認証は、パスワードとスマートフォンの携帯電話など複数のデバイスや情報を組み合わせて、本当のアカウント所有者、つまり車の所有者のログインを証明し、ハッカーではないことを確認するために利用される。

しかし一部のウェブサイトでは、テキストメッセージでコードを送信するため、ハッカーはこれらを傍受して不正ログインすることが可能だ。より安全なのは、スマートフォンの電話アプリを介して登録された電話番号にコードを送信することだ。

テスラ車は2018年からピンコード入力が可能になり、所有者に車両を追跡させるGPS機能も搭載されているが、二要素認証がないことが問題となっていた。

テスラのアプリは、オーナーにとって重要なツールであり、車の多くの機能をコントロールできるようになっている。テスラのオーナーは、セキュリティの追加レイヤーとして二要素認証機能を求めている。

電気自動車市場でのテスラの優位性に挑戦するには、より多くのオプションが登場しているため、ますます多くの消費者に自社の電気自動車を選ぶべきだと納得してもらう必要がある。

2021年と2022年には、ほぼすべての価格帯でテスラに対抗する車が続々と発売される予定であり、所有者を長期間ロックアウトすることは、購入希望者に同社の車の購入を説得するにはいい方法とは言えないだろう。

それでも、同社は消費者感情を揺さぶる可能性がある計画を進めている。具体的には、同社が昨日発表したような種類のバッテリーの革新を通じて、その車のコストを削減するために取り組んでいることだ。

イーロン・マスク氏と同社のパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリノ)氏は、さまざまな発表を行った「Battery Day」の記者会見で、最終的には年間10~20TWh(テラワット時)のバッテリー生産を実現する計画と進捗状況を明らかにした。最終的な目標は、2万5000ドル(約260万円)で電気自動車を製造・販売できるほどバッテリーコストを減らすことだ。

テスラには記事公開時までにコメントを求めた、いまのところ回答はない。

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

待望の米国デビューを果たしたVW製全電動クロスオーバーID.4を写真で堪能

VW(フォルクスワーゲン)は米国時間9月23日、2025年までに年間100万台のEVを販売するという計画の一部である、全電気クロスオーバー「ID.4」を米国で発表した。

除幕式はバーチャルなものだったが、数日前にTechCrunchが車両を間近に見る機会を得て、新型コロナウイルスの感染蔓延の中、本当にシュールで孤独なハンズオンを体験することができた。

画像クレジット: Volkswagen

ID.4は、発売時に82kWh(キロワット時)のバッテリーパックとリアアクスル(後輪車軸)に1つの201馬力のモーターを搭載している。なお、連邦税の優遇措置は3万9995ドル(約421万円)からだ。ID.4の初期バージョンの推定EPA航続距離は250マイル(402km)だ。

VMの新しいIDシリーズが米国発売されるのはID.4が初となる。ID.4はIDバッジをつけた2台目の電気自動車で、欧州でのみ販売された電動ハッチバック 「ID.3」 が初。すべてのID車両は「MEBプラットフォーム」をベースにしており、VWによると電気自動車をより効率的かつ費用対効果の高いものにするための柔軟なモジュラーシステム、実際には共通部品のマトリックスを備えている。なおVWはすでに、ドイツザクセン州にあるツヴィッカウ工場でID.4の量産を開始している。

この記事では、車両の内部と外部を詳しく見ていこう。ここで掲載している写真の中で注意すべき点がいくつかある。これはID.4の最上級モデルで、1st Editionと呼ばれている車体だ。この限定版の価格4万3995ドル(約465万円)からで、より大きな12インチのタッチスクリーンやトリムカラーなど、いくつかの特別仕様品が取り付けられている。写真では、ドアハンドル下の照明、中間シートのストレージパススルー、ダッシュに沿って走行しバッテリー充電などのさまさまな情報をドライバーに伝える照明機能に注目してほしい。

  1. IMG_20200917_153747

  2. IMG_20200917_155150

  3. IMG_20200917_154759

  4. IMG_20200917_154702

  5. IMG_20200917_154600

  6. IMG_20200917_154901

  7. IMG_20200917_154637

  8. IMG_20200917_154630

  9. IMG_20200917_154258

  10. IMG_20200917_154204

  11. IMG_20200917_154147

  12. IMG_20200917_155132

  13. IMG_20200917_155127

  14. IMG_20200917_154132

  15. IMG_20200917_154111

  16. IMG_20200917_155140

  17. IMG_20200917_154050

  18. IMG_20200917_153817

  19. IMG_20200917_153825

  20. IMG_20200917_153936

  21. IMG_20200917_153924


画像クレジット:Kirsten Korosec

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラが1万エーカーのリチウム粘土鉱床の権利を取得、リチウム採掘事業に自ら参入へ

1年ほど前、Tesla(テスラ)の2019年の年次株主総会でCEOのイーロン・マスク氏は、同社が「電気自動車のバッテリーに使われる鉱物の採掘事業に参入するかもしれない」と発言していた。

米国時間9月23日、年次株式総会後に開催されたイベント「Battry Day」で同氏は、米国ネバダ州にある1万エーカー(4047平方m)のリチウム粘土鉱床の権利を取得することで、同社が正式な第一歩を踏み出していることを明らかにした。

リチウム鉱山は、より安く、より効率的なバッテリーの製造を実現し、最終的には自動車の価格を下げることを可能にするというテスラの広範な計画の一部だ。また、テスラがサプライチェーンを自社に近づけようとしている一例でもある。

マスク氏と、同社のパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、最終的に年間10~20TWh(テラワット時)のバッテリー生産量を持つようにするための同社の計画と進捗状況を明らかにした。この計画の中心にあるのは、同社がイベントで発表した新しいタブレスバッテリーセルだ。両氏は開発中の新しい製造システムや、それをサポートするためのインフラの構築計画など、この大きなミッションのほかの部分についても概説した。リチウム鉱山と提案されているカソード施設は、いずれも北米に建設される予定で、テスラの工場と事業のポートフォリオに新たに加わった2つの施設になる。

「北米に独自のカソード(陰極、正電荷が流れ込むほうの電極)工場を建設し、北米に存在するニッケルとリチウムのすべての資源を活用し、カソードのサプライチェーンと生産を現地化することで、カソードで使用されるすべての材料の走行距離を80%削減することができます」とバグリーノ氏は説明する。

同氏によると、提案されているカソード工場の隣にはリチウム転換施設があるとのことで、同社は硫酸塩を含まない新しい製造プロセスに取り組んでおり、リチウムコストを33%削減できると主張している。

カソード工場がどこにあるのか、いつ建設されるのかは明らかになっていない。しかし、サプライチェーンを緊密にすることが目的ならば、テスラが最近採掘権を購入したリチウム粘土の区画の隣にできるかもしれない。

反応性のあるアルカリ金属を採掘するには環境コストがかかる。しかし、マスク氏は「より良いプロセスを見つけた」と主張している。従来のリチウムの採掘には大量の水が必要で、鉱夫は土地に穴を開け、地表にかん水を汲み上げ、そこから水が蒸発するまで放置する。そうして残るのが、マンガンやリチウム塩などの鉱物の混合物だ。そして、これをリチウムを抽出できるようになるまでろ過し続ける必要がある。

しかしマスク氏は「塩化ナトリウムや食卓塩を使って鉱石からリチウムを抽出する新しいプロセスがある」と説明する。「私の知る限りでは、これまで誰もやったことがありませんでした。このプロセスに含まれるすべての元素は再利用可能です。これは非常に持続可能なリチウムの入手方法です」と述べている。そのうえで採掘が行われる土地は「以前とほとんど同じように見えるだろう」と締めくくった。

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)