Googleは新たに18の再生可能エネルギー関連の契約を発表

Google(グーグル)は米国時間9月19日、これまでで最大となる再生可能エネルギー購入の契約パッケージを発表した。これは、合計で1600MW(メガワット)にも達するパッケージで、米国、チリ、ヨーロッパにおける18件の契約にまたがるもの。この結果、Googleの風力と太陽光発電を合わせた最新の購入量は、約5500MWに達する。また、同社が関わる再生可能エネルギープロジェクトの総数は52になる。Googleによれば、今回発表した新しいプロジェクトが、新しいエネルギーインフラへの約20億ドル(約2160億円)の投資を促進するという。

米国では、ノースカロライナ、サウスカロライナ、そしてテキサスにある太陽光発電所から、合計720MWを購入することを明らかにした。チリでは、現地のデータセンターに電力を供給するために、追加として125MWを購入する。Googleの広報は、その理由を明らかにしていないが、 ヨーロッパ地域での詳細は、まだ明らかにしていない。それについては、同社CEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏も登壇するフィンランドのイベントで9月20日に発表する予定だとしている。

今回の発表でピチャイ氏が明らかにしたところによれば、これまでのGoogleの投資の多くは、風力発電に対するものだっという。それに対し、今回発表した米国内の投資は、ほとんどが太陽光発電となっている。その理由は、太陽光発電のコストが下がってきているからだという。チリでは、同社は初めて太陽光と風力のハイブリッド発電に投資した。「風が吹くのは、太陽が照っているときとは異なる時間帯となることが多いので、それらを組み合わせることで、チリのデータセンターの電力は、毎日の大部分、二酸化炭素を排出しない発電で賄うことができます」とピチャイ氏は書いている。

Googleの発表の背景には、すでにAmazonが、2030年までに100%再生可能エネルギーで事業を運営し、10万台の電動ワゴン車を購入すると宣言したこともある。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Amazon、2030年までに出荷の50%をカーボンニュートラルにすると宣言

最近Greenpeaceが発行した “dirty cloud”に関する報告書から目をそらすためだろうか、今日(米国時間2/17)午前Amazonは環境に関する新たな決意として、二酸化炭素排出量削減計画を発表した。同社は2030年までにAmazon全出荷物の50%をネットゼロカーボンにすることを目標としている。

Amazonはこのプロジェクトを “Shipment Zero” と呼んでいる。長期計画の詳細は明らかにされていないが、Amazonは全社にわたる二酸化炭素排出量の公開を「関連する目標やプログラムとともに」後日発表すると言っている。これは、Amazonが他の維持可能目標についても進捗を報告するつもりであることを示しているようだ。

Amazonにとってこうした計画の透明化は重要だ。ビジネスがこの規模になると、環境、エネルギー消費、最終的には気候変動に与える影響は著しい。

現在Amazonが実行中のプログラムには、フラストレーション・フリー・バッケージングShip in Own Container[商品の箱のまま出荷する]のほか、ソーラー・風力発電所配送センター屋上のソーラーパネル循環経済への投資などがあると発表資料に書かれている。そのために同社は科学者、技術者、製品デザイナー200人以上を雇い、Amazonのスケールを「顧客と地球のため」に活かす新しい方法の開発に専念させている。

その一環としてAmazonは、環境への影響を減らすために製品サプライヤーに対してフラストレーション・フリー・パッケージやそのまま発送できる箱の採用を推進している。

しかし、GreenpeaceによるとこれまでのAmazonの環境成績は必ずしもクリーンではない。

つい先日同団体は、Amazonが再生可能エネルギーへの転換計画を満たしていないと警告した。最新レポートによるとAmazonのバージニア州データセンターは電源のわずか12%が再生可能エネルギーであり、Facebookの37%、Microsoftの34%に遅れを取っている。

今日のニュースの中でAmazonはGreenPeaceのレポートについてわずかに言及した。

「Amazonは全世界基盤を100%再生可能エネルギーで賄う計画であり、順調に進んでいる」と同社の公式ブログに書かれている。

一方Amazonは、Greenpeaceのレポートが発表されてからまもなく、Windpower Engineering に対して詳しい声明を送り、Greenpeaceのデータは不正確であると訴えた。中でも、AWSとAmazonがバージニア州でソーラープロジェクトに投資していることを書き漏らしていることを指摘した。

Amazonは今年中にShipment Zeroを始めとする各プログラムの詳細を公表すると言った。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleが台湾でクリーンエネルギープロジェクトを開始、アジアでは初

Googleが、同社によるアジアで最初のクリーンエネルギープロジェクトを立ち上げた 。本日Googleは、台湾の台南市にある10メガワットの太陽電池アレイの出力を購入する長期契約を締結したと発表した。台南市は台湾内にあるデータセンターから約100km南下したところにある。Googleは、すでにヨーロッパだけでなく南北アメリカ全域で、太陽光と風力のプロジェクトを実施している。

この協定は、Google、台湾のいくつかのエネルギー会社、そして政府機関の間で締結された。最近台湾の電力法が改正され、政府は、非公益企業が再生可能エネルギーを直接購入できるようにした。この改正は、台湾の新エネルギー政策の一部であり、2025年までに原子力エネルギーを段階的に廃止し、再生可能エネルギー源から得る電力の割合を20パーセントまでに高めることを目的としている。

Googleは、この改正法を利用する最初の法人電力購入者である。開発パートナーは、Diode Ventures、Taiyen Green Energy、J&V Energy、そしてNew Green Powerである。

ソーラーアレイは、彰化県(Chuanghua County)にあるGoogleのデータセンターと同じ地域の電力網に接続される。このデータセンターはアジアに置かれた2つのデータセンターのうちの1つである(もう1つはシンガポールに置かれている)。ソーラーパネルを支える支柱は商業用の釣り池に立てられる。GoogleのエネルギーならびにインフラのシニアリーダーであるMarsden Hannaはブログ記事で、このやり方は土地利用効率を最大化し、そして地元のエコロジーにも配慮したものになると述べている(なにしろ「魚とソーラーパネルは平和に共存できる」ということなので)。釣り池の所有者もパネルの設置による補償を受ける。

この合意は、Googleが台湾での事業のために、長期の固定電気料金を獲得することを意味する。

「台湾政府が市場の障壁を取り除き、再生可能エネルギーのコストを削減するためのさらなる手段を追求しているので、より多くの企業が再生可能エネルギーを購入し、台湾全土でさらに大きなプロジェクトを推進することを期待しています」とハンナは語る。

画像クレジット: Sunrise@dawn Photograph/Getty Images

[原文へ]
(翻訳:sako)

野菜のように、顔の見える生産者から電気を買う「みんな電力」が11.8億円調達

「顔の見える電力プラットフォーム」を提供するみんな電力は1月21日、シリーズBラウンドにおいてTBSイノベーション・パートナーズ、SBIインベストメント、TOKAIホールディングス、セガサミーホールディングス、丸井グループ、電通から11億8000万円を調達したと発表した。

みんな電力は電力小売業を営むスタートアップ。でも、普通の電力小売とはちょっと違う方法で電気を販売している。最近、道の駅や一部のスーパーなどでは野菜を作った人の顔が見えるように、農家の人々のプロフィールが入ったポップアップが売り場に用意されていることがある。みんな電力は、それと同じように、電気を発電した人の顔が見ることができ、その発電所を「応援」することが可能なプラットフォームだ。

みんな電力のWebページにいくと、電気の生産者の一覧ページがある。そこに掲載された発電所のプロフィールページでは、どんなひとが、どこで、どれくらいの電気を発電しているのかが分かる。みんな電力と契約して電気を買うユーザーがその中から応援したい発電所を選ぶと、電気料金の一部がその発電所に寄付される仕組みだ。みんな電力に供給される電気の約75%以上は、太陽光発電などの再生可能エネルギー電源で発電され、固定価格買取制度(FIT)を通して事業者に販売された「FIT電気」だ。だから、ユーザーはみんな電力を通して再生可能エネルギーの普及にも協力することにもなるというわけだ。

みんな電力は今回調達した資金を利用して、ブロックチェーン技術を用いたP2P電力流通プラットフォーム「ENECTION2.0」の商用化を進める。

固定価格買取制度は、個人などが再生可能エネルギー電源で発電した電気を一定期間のあいだは電力会社が固定価格で買い取ることを国が保証するという制度だ。しかし、みんな電力によれば、しかし前身となる「余剰電力買取制度」ができてから10年が経過した今年、2019年11月にはその買い取り期間が終了する電源が50万件以上発生する見通しだ。そうなれば、個人が電気の生産者にもなり、自由契約で電気を売ることが可能な時代になる。みんな電力はその時代に併せてENECTION2.0を拡大することで「誰でも再生可能エネルギーを作り、シェアできる社会」を目指すという。

機械学習を使用して米国全体のソーラーパネルをマッピングする

再生可能エネルギーには将来が約束されているが、現時点では誰がソーラーパネルを屋根の上や裏庭に設置したり、隣人と共有しているかについての追跡は行われていない。幸いにも、ソーラーパネルは一般に、光に晒されたときにもっとも良く働く。このことにより、パネルを衛星軌道上から発見し、数えることが容易になる。これこそが、DeepSolarプロジェクトが行っていることだ。

こうした情報を収集するための取り組みはいくつも存在している。規制によって行われているものもあれば、自主的なもの、自動化されたものもある。しかし、いずれの取り組みも、国家レベルまたは州レベルで、政策やビジネス上の決定を下すために十分な包括性はもっていない。

スタンフォードのエンジニアであるArun MajumdarとRam Rajagopal(それぞれ機械と土木が専門)はこの状況を、言われてみれば当たり前の方法で解決する決心をした。

機械学習システムは、それが「認識訓練された」ものならば、たとえ対象が猫、顔、車などであっても、画像を見て対象をきちんと認識することができる。ならばソーラーパネルも扱えない筈はない。

大学院生であるJiafan YuとZhecheng Wangを含む彼らのチームは、数十万枚の衛星画像を使って訓練を行った画像認識機械学習エージェントを用意した。用意されたモデルは、画像の中のソーラーパネルの存在を特定すること、ならびにそれらのパネルの形と設置場所を特定することの両者を学んでいる。

モデルを、ランダムに選んだ他の米国の衛星画像を使って評価したところ、(適合率と再現率が共に)およそ90%の正確性を達成した(どのように計算するかによって多少数字は上下する)。これは類似の他のモデルよりもかなり優れた数値である。またそのセルサイズの見積もりに関しては誤差はわずかに3%ほどだった(非常に小さなパネルの検知が主な弱点だとRajagopalは私に説明した。だがその理由の一部は、画像そのものの限界に起因している)。

そしてチームは、適切な画像を見つけることができた隣接する48州をカバーする、10億枚以上のイメージタイルをモデルに適用した。その中ではかなりの地域が除外されてはいるが、その大部分は、例えば山岳地帯である。そうした地域にはあまりソーラーパネルは設置されておらず、国立公園内にセルを置こうとしている者もほとんどいない。

こうしたエリアは合計で実際の国土の6%を占めている。だが都市部はわずかに3.5%を占めているに過ぎないので、それらは皆カバーされているとRajagopalは指摘した。彼は、システムがまだ処理できていない(現在取り組んでいる)地域に、おそらく全設置数の5%が存在しているだろうと見積もっている。

スキャンには1ヶ月かかったが、モデルは147万箇所の設置済ソーラーを発見した(この数には、屋根の上にある数枚のパネルから、大きなソーラーファームまでが含まれている)。これは他の取り組みによって数えられたものよりもずっと多く、最も成功したものであったとしても、DeepSolarのデータが示しているような、正確な位置は提供していない。

こうしたデータの基本的なプロットを行うことで、様々な興味深い新しい情報が得られる。ソーラー設置密度を、州、群、国勢調査区域、あるいは平方マイルのレベルでも比較することが可能であり、それを他の様々なメトリック(年間平均日照日数、家計収入、投票選好など)と比較することもできる。

いくつかのの興味深い発見を紹介しておくと、例えば、住宅レベルのソーラーシステムが100軒以上ある(設置密度が高い)のは、すべての国勢調査区域のわずか4%(約7万5000のうち3000)に過ぎない。あるいは、住宅レベルで設置されたソーラーは、総設置数の87%を占めているが、そのサイズの中央値は約25平方メートルに過ぎず、セル表面積の総合計の34%を占めているのに過ぎない。

設置密度のピークがあるのは、1平方マイル(2.56平方キロメートル)あたりの人口が約1000人のエリアだ。これは大都市ではなく、小さな町あるいは都市郊外だと考えれば良いだろう。そして人びとが設置を始める変曲点が存在している:それは1平方メートルあたり1日の日光照射量が4.5kWhを超える地域である。それが天気、場所、日照などと、どのように対応しているかは、より複雑な問題である。

こうしたことをはじめとするデモグラフィックデータ(人口統計データ)は、もしソーラーに投資を考えている場合には参考になる。なぜならそれらは、どの地域がソーラーを必要としているかに関する基本的な情報を提供してくれるからだ。

「私たちは皆さんにデータを眺めて貰えるウェブサイトを作成してリリースしました。データは消費者のプライバシーを考慮して集約されたレベルで示しています(私たちは元のデータは国勢調査レベルで保存しています)」とRajagopalは語る。「私たちはプライバシーに配慮しながら、個別のデータを公開する方法を検討している最中です(おそらく公的機関の参加の奨励とクラウドソーシングを行うことになるでしょう)」。

「私たちは、産業界やアカデミアに属する人びとにデータはもちろん方法論も活用して貰うために、それらをオープンソースとして公開することを決心しました。そこからより多くの洞察を生み出して欲しいからです。私たちは、変化が速く起こる必要があると感じていますが、これはそれを助ける一つの方法なのです。おそらく将来的には、この種のデータを中心に、サービスを構築することができるでしょう」と彼は続けた。

サービスを米国の残りの地域や他の国に拡大する計画も進んでいる。精査できるデータはここにある。あるいはここから地図として閲覧が可能だ。プロジェクトに関して説明したチームの論文は本日(米国時間12月19日)Joule誌に掲載された

[原文へ]
(翻訳:sako)

Samsungが再生可能エネルギー採用の推進を発表

Samsungは、米国、ヨーロッパ、そして中国にあるすべての工場とオフィスに、再生可能エネルギーを100%使用すると発表した。Samsungが、再生可能エネルギーに対する取り組みを公に宣言したのはこれが初めてである。

グリーンピースと環境保護活動家たちが、Samsungに対して、多くのハイテク企業は既に再生可能エネルギーへの転換を開始していると何ヶ月もの間呼びかけていた。

Samsungは、自社の建物、工場、そして事務所など、自分自身でより簡単に管理できる部分から取り組み始めている。グリーンピースのプレスリリースによれば、その38の建物のうち17の建物が米国、ヨーロッパ、そして中国に置かれている。

Samsung Electronicsは、再生可能エネルギー目標を設定したアジア最初のエレクトロニクス製造会社です。この宣言は、同社の巨大なグローバル製造規模を削減するために、大きな影響を与える可能性があり、排出削減と再生可能エネルギーへの移行を加速する上で、重要な企業参加であることを示しています。より多くの企業がこの先例に従い、再生エネルギー目標を設定すべきです。そして政府機関も、企業が再生可能エネルギーをより容易に入手できるようにするための政策を推進する必要があります」とプレスリリースの中で語るのは、グリーンピースの広報担当であるInsung Leeである。

一夜にして全てが変わるわけではないが、これらの建物は2020年までに再生可能エネルギーで稼動する予定だ。Samsungは、他の国で再生可能エネルギーの利用を増やすことができると述べている。それに加えて、Samsungは韓国の京畿道にソーラーパネルを設置する予定である。

多くのハイテク企業と同様に、Samsungは数千のサプライヤーと協力している。そのため、自分の施設に再生可能エネルギーを使うだけでは不十分だ。Samsungはこの問題にも徐々に取り組み、Carbon Disclosure ProjectのSupply Chain Programにも参加する。

まずは、サプライヤー上位100社のエネルギー需要を把握し、再生可能エネルギーへの移行を支援したいと考えている。これは多年にわたるプロジェクトであり、Samsungの進捗状況を定期的に把握することが重要である。

しかし、世界最大のコンシューマーエレクトロニクス会社の一つが、力強い宣言を出すのを見ることは良いことだ。

[原文へ]
(翻訳:sako)

画像クレジット: Bloomberg

TeslaとGEが全米50のHome Depotsのルーフトップに太陽光発電設備を設置中

Teslaのエネルギー部門は、米国内の50のHome Depot(米国では有名なホームセンターのような店舗)のある場所に太陽光発電システムを設置しようとGEのCurrentと協力している。この設置事業は、Home Depotによる店舗電力の更なるクリーン化の一環として行われているものだ。Bloombergによれば、2020年までに、それらの設置場所から135メガワットのクリーンエネルギーを得ることが目標だ。

これらの発電所から得られた電力は、電力不安を抱えるニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、カリフォルニア、ワシントンでHome Depotに売却される、6店舗ではTeslaの蓄電設備(Powerpack)が利用され、ピーク時に生成された余剰電力を後で使用することができる。このソーラーシステムの設置により、店舗が電力会社から調達する電力は少なくとも3分の1に削減されることになる。

TeslaのSolarCityは、これまでカーポートや住宅の屋根の上へのソーラーパネルの商用設置に取り組んできた。エネルギー部門の買収後、その領域はますます広がり、例えば世界中で、様々な再生可能エネルギー発電設備のための、蓄電システムの構築などが行われている。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

AlphabetのXラボがエネルギー蓄積プラント開発中――塩と不凍液でタービン駆動

再生可能エネルギーに関しては経済的な蓄積の方法が大きな課題となっている。これについてはTeslaやトヨタなど多くの企業が解決を試みている。ここにAlphabet Xラボ(以前のGoogle Xラボ)が参入した。 XラボのMaltaプロジェクトは商用電力網に利用できるスケールでの電力蓄積プラントの実現を目指す。

Bloombergによれば、Maltaプロジェクトは高熱の塩と不凍液の一種を利用したタービン発電システムだ。このシステムははリチウム・イオン電池より高い効率で安価にエネルギーを蓄積することを目指している。Teslaはリチウム電池を利用したPowerpackによるエネルギー蓄積をハワイのカウアイ太陽光発電施設でデモした。

MaltaはXラボのムーンショット〔アポロ計画に匹敵するような野心的プロジェクト〕の一つで、Googleの自動運転テクノロジーやGoogle Glassのここから生まれた。Xラボではいくつか異なるタイプのエネルギー関連テクノロジーを開発しているいるが、Maltaがもっとも有望であるらしい。

作動の仕組みはこうだ。2種類のタンクを設置し、一方に塩、もう一方に不凍液(に似た炭化水素液)を満たす。太陽光、風力などの再生可能エネルギー源から生み出された電力でヒートポンプ(冷蔵庫に似た仕組)を動かし、高温の空気と冷気を作り出す。高温空気は塩を加熱し、冷気は不凍液を冷やす。電力を取り出す必要が生じると、プロセスを逆転し、発生した高圧気体でタービンを駆動して発電する。

再生可能エネルギーでは発電のピークと需要のピークが一致しない。このギャップを埋めるためにエネルギーを蓄積する手段が必須となる。 化石燃料や原子力などによる発電の場合、電力需要が増加すれば簡単に発電量を増加させることができる。太陽光や風力では発電量は自然が決めることになる。往々にして自然のスケジュールは人間の都合とは一致しない。

従来の再生可能エネルギーではピーク時の需要に応えるのが難しく、逆に需要のない時間帯に過剰に生産されたエネルギーは捨てるしかなかった。これに対してMaltaやTeslaのPowerpackは閑散期にエネルギーを蓄積しピーク需要に対応できるようにすることが目的だ。政府や電力会社が再生可能エネルギーを重視するようになるにつれ、エネルギー蓄積テクノロジーの重要性はますます増加している。

〔日本版〕リンク先Bloomberg記事にプラントの概念図が掲載されている。塩/不凍液のタンクが2組、4本ある。どのようにしてタービンを作動させる高圧気体を発生させるのかなど詳しい仕組みは不明。トヨタが開発中の新しい固体電池についてのTechCrunch記事

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Teslaのカウアイ島ソーラー設備は、この会社の未来像を垣間見せる

Teslaによるハワイ州カウアイ島へのソーラー設備の設置は、単なる製品のローンチではない。TeslaによるSolarCityの買収が単なる賢い選択ではなく、実際に必要なものだったことを証明する最初のものだ。

必要なものだったという理由は、それがTeslaによる、ソーラーエネルギー(並びに他の再生可能エネルギー)の実用化と、陽射しの強い場所だけではなく、あらゆる場所でコスト効率のよい発電を可能にしたい、という壮大なビジョンを助けることになるからだ。

カウアイ島発電設備の開所式でTeslaのCTOであるJB Straubelは、沢山のハワイの政府関係者たちがアロハとサンダルという服装で居並ぶ中で、色の濃いズボンにたくしこんだ青いシャツという、その場には少々不似合いな出で立ちで話した。しかしStraubelは自信に溢れ、その外見とは裏腹に寛いだ様子で、社交的な地元の電力会社幹部たちよりも、イベントを楽しんでいるかのようだった。

もちろんStraubelにはこの瞬間を味わう十分な資格がある。なにしろ一部の金融オブザーバーたちは、昨年発表されたTeslaによるSolarCityの買収計画から、11月に行われた実際の買収までを不安視していたのである。彼らが批判的だったのは、なぜ電気自動車メーカーがソーラーパネルを製造販売している会社と結びつく必要があるのかという点だった。

カウアイ島のソーラーストレージ設備の除幕式で、式典参加者たちに見てもらうために用意されたModel X。Teslaは2016年11月にSolarCityを買収した。

何かを企んでいたように見えたTeslaが、明確な解答を持っていたのかどうかが知りたい点だ。TeslaのCEOであるElon Muskは、複数のプレスイベントや四半期業績報告では、この協業の裏にあるロジックに対する質問に対して、あからさまに憤激しながら回答していた。SolarCityはTeslaにとって財政的重荷になるのではないかという質問を受けて、Muskは当初、その質問を馬鹿げたものと呼び、なぜ現在の貸借対照表に注目するのかと言いたい欲求を抑えられないようだった。真実はその逆だったのだ。

しかし、実際のデモを行うことほど批判者に上手く反論できるものはない。そしてTeslaは今や、2つの会社が、1つ屋根の下で、何故利益を生み出すようになったのかを示した。最初に示されたのは、契約書のインクも乾かぬ買収直後に発表された、ソーラールーフ製品の発表だった。SolarCityとの共催のイベントで、TeslaはPowerwall 2による、ホームエネルギーストレージソリューションの発表も行った。そして2番目が、カウアイ島設備の設置だ。このプロジェクトでTeslaは、コンシューマ市場におけるその可能性を、より大規模に、商用目的で電気利用者たちに広げて行けることを示した。

ソーラーパネル群は、Teslaの占有するGrove Farmの土地を広く覆い、緩い起伏の上に波のように並んでいる。ここであなたは、奇妙な形状を持ち不自然に青い人工の湖(ソーラーパネル群)を見下ろしながら、山々の頂に囲まれて立っているような感じを受けるだろう。商用バッテリーのTesla Powerpack 2の列が、静かな白い山々のように、傾いた人工の湖の隣に並んでいる。それは近所の射撃場で使われるクレーを作るためにも使われている赤土の上に、はっきりとしたコントラストを見せて立っている。

ソーラーパネルのフィールドの隣に立ち並ぶ、Tesla Powerpack 2の長い列

施設全体で13 MW(メガワット)のエネルギーが出力される、これは通年で、およそ19,438 MWhの電力となり、52 MWhまでの電力を保持することができる。そして20年契約中の固定価格で、カウアイ島に対して1 kWhあたり13.9セントで供給する。それは現在、カウアイ島で(現在は支配的な手法である)ディーゼル油を燃やして得ている電気代の半額である。新しいソーラーストレージ設備はカウアイ島の4500軒の家に電気を夜通し供給することが可能であり、これは最新調査による6万7000人の島の人口に比べても相当の家庭数である。

「このようにして、私たちは1日中ほぼ24時間、非常に堅牢で信頼性の高いソーラー電気を顧客に届けることができるのです」とStraubelはインタビューに応えた。「これは非常に異なったタイプのプロジェクトです。通常は、グリッドまたは家庭に直接繋げられたソーラーパネルを使います。そして太陽が出れば電気が供給され、雲が出たら止まってしまいます」。

ストレージのない直接発電は、良い露光が得られるかどうかに依存するだけでなく、相対的に小さなコミュニティに多数配備されたときや、家庭の占める割合が多いときには、資産というよりも負債になってしまう。カウアイ島全域で、ソーラーパネルが屋根の上に載せられているのを見ることができる。そうした一握りのパネルを目にしないまま、住居エリアや商業エリアを車で走り抜けることはできない。

沢山のリチウムイオンストレージユニットが並んだPowerpack 2ユニットの内側。それぞれのPowerpack 2は200kWhのエネルギーを保持できる。

「(ダイレクトソーラーは)ある程度までの、割合と戸数に対しては上手く働きます」とStraubelは言う。「しかしもし、この島で目にしているもののように、数が多すぎる場合には、どこかの時点でストレージを追加しなければなりません。さもなければ再生可能エネルギーやソーラーの変動性が、電気全体のインフラ全体を管理する際の問題になってしまうのです」。

カウアイ島の設備は、Teslaが高い要求を持つ商用プロジェクトに対して何ができるかを示すためのものである、そして世界中のエネルギー供給者たちの興味をそそる象徴としてデザインされたものだ。Straubelによれば、太陽光の大部分を使うことができる者たちだけを相手にしているわけではない。

「すぐにコスト上のメリトが得られます」とStraubelは語る。「そして、それは世界中の多くの場所でも成り立つのです。このハワイの島だけで成り立つわけではありません。このことは直感的には納得されていません。多くの人びとが、今日でもソーラーが高価なものだと考えているのです。しかしソーラーのコスト、ストレージのコストは急速に低下していて、これらのプロジェクトは多くの場所で費用対効果の良いものになっているのです」。

すぐにコスト上のメリットが得られます

— Tesla CTO JB Straubel

Straubelは、Teslaが多くの場所の多数の顧客と、カウアイ島のようなプロジェクトを配備すべく交渉を行っていると語った。ただ現時点では特定の地域の特定の顧客に言及できる段階ではない。順番待ちあるいは進行中のプロジェクトがあるので、ほどなくこれに似たプロジェクトを沢山目にすることになるだろうと彼は語った。

「再生可能エネルギーをバッファリングして保存する機能は、それが風力であろうとソーラーであろうと、共通して求められる基本的な要件です」と彼は説明した。「再生エネルギーを保存して非常に信頼性の高いものにする技術なしに、世界中の多くの国や都市が願っている高い割合(の再生可能エネルギー利用)は実現できません」。

SolarCityのパネルの列は、ソーラーエネルギーを最大に受け取ることができる角度で設置されている、パネル同士は、1人の人間が余裕を持って歩ける程度に離されている。

実際に、再生可能エネルギーの供給に対する定量可能な目標が、世界の多くの都市や州政府によって設定されている。そして風力とソーラーの供給源に対するストレージコンポーネントなしに、30パーセントを超えることは極めて難しいことが明らかなのだ。特に多くのリソースが既に発電インフラの建築にコミットされている場所では、この点への貢献でハードルを下げることができる。

買収後、初めて大規模プロジェクトによって示されたTeslaによるSolarCityの獲得の成果は、各国の電力供給側ならびに大規模な商用電力消費者向けの、新興ならびに成長市場にアプローチして行く、完璧な組み合わせである様相を見せ始めた。ちょっとしたことだが、低い位置から眺めてみると、Teslaのカウアイ島ソーラーファームは、どこまでも遠く優しくうねる海のように見えた。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Greenpeaceがクリーンエネルギー調査でApple、Facebook、Googleを称賛

apple-green-leaves

環境団体のGreenpeaceが発行した最新のレポートの中で、Appleが3年連続で世界で最もグリーンな企業に選ばれた。「Clicking Clean: Who is Winning the Race to Build a Green Internet(クリーンにクリック:グリーンインターネット設立に向けた競争に勝つのは誰だ)」と題された本レポートで、Appleは他社をリードしクリーンエネルギー指数83%、総合評価Aというを記録を残した。

FacebookとGoogleも健闘しており、それぞれのクリーンエネルギー指数は67%と56%だった。データセンターのSwitchのスコアも100%を記録していた一方、Netflix、Amazon Web Services、Samsungは彼らの後塵を拝した。

Greenpeaceのクリーンエネルギー指数は、再生可能な資源から作られたクリーンエネルギーをどのくらい使用しているかや、エネルギー消費ポリシーを発行する意向、データセンターで再生可能エネルギーが利用されているかどうかといった要因をもとに割り出されている。

名前を挙げた企業のサイズを考慮すると、クリーンエネルギーの使用に関して彼らは同じ業界にいる他のプレイヤーにも影響を及ぼしうる力を持っている。レポート内に記載されている通り、Appleは「ITサプライチェーンの中で触媒としての役割を担い、ITデータセンターやクラウドサービスの事業者など、Appleのサービスを支える企業にも再生可能エネルギーの利用を促している」

screen-shot-2017-01-10-at-10-21-52-am

Facebookも大手ネット企業で初めて再生エネルギーの割合を100%にすることにコミットしたということで称賛を受けており、今後も同社はこの業界でグリーンエネルギーに関しリーダー的な存在であり続けるだろう。Greenpeaceは、Facebookが最近設立した5つのデータセンターでも再生可能エネルギーが利用されていると述べている。

GoogleもGoogle Cloudを再生可能エネルギーで稼働させるための取り組みを続けているほか、新市場における再生可能エネルギーの採用率を上げる努力を行っている。その一方で、施設のエネルギー需要に関するデータの公開など、透明性についてはAppleやFacebook、Switchといった会社に比べて劣ると評価されている。

さらに同レポートの中では、NetflixやAmazon、Samsungといった大手テック企業が非難されているほか、今後グローバルプレイヤーとなることが予想されるTencentやBaidu、Alibaba、Naverといったアジアの大手テック企業の分析も初めて行われた。

アジア市場は「再生可能エネルギーへのコミットメントに関し、アメリカ市場に大きな遅れをとっている」とGreenpeaceは評しており、独占状態にあるエネルギー市場における選択肢の少なさをその理由として挙げている。

成長・拡大を続けるアジア企業の現状を考えると、環境団体にとってこれは大きな問題だ。

「東アジアのネット企業は、特に世界中の市場へと進出していくにあたって、100%再生可能エネルギーを利用していくとコミットしなければなりません」とGreenpeace East Asiaでシニア気候・エネルギー消費キャンペイナーを務めるJude Leegは声明の中で語った。

screen-shot-2017-01-10-at-10-19-50-am

「IT業界の大部分はクリーンエネルギーが環境とビジネスどちらにとっても良いと認識している、と既にアメリカの大手企業が証明してきました。東アジアの企業も彼らに歩み寄って、この現実を受け入れなければいけません」とLeeは付け加える。

一方で、今や北アメリカのインターネットトラフィックの3分の1を占め、世界中でデータ需要を増加させているNetflixは、2015年に温室ガスの排出量を完全に埋め合わせるという計画を発表した。しかしGreenpeaceは、同社がカーボン・オフセットやグリーン電力証書の購入に頼って、結局再生可能エネルギーへの実質的な投資は「ほとんどしない」のではないかと考えている。

「AppleやFacebook、Googleのように、Netflixはインターネット界の大きな原動力のひとつであり、業界で使用されるエネルギーについても大きな発言権を持っています。Netflixは、今後化石燃料ではなく再生可能エネルギーを使って成長していくという責任を受け入れなければならないと共に、リーダーシップを発揮するべきです」とGreenpeace USAでシニアITアナリストを務めるGary Cookは声明の中で述べた。

なおNetflixは、エネルギー関連情報の透明性、再生可能エネルギーへのコミットメント・支持の項目でF評価を受けている。

Amazonのクリーンエネルギー指数は昨年に比べて下落した。これには、約2倍の規模に増強されたヴァージニア州にあるデータセンターのエネルギー容量が、同社の追加再生エネルギー容量を上回ってしまったという背景がある。またヴァージニア州では再生可能エネルギーを販売している事業者のオプションも限られている(もしくはオプションが存在しない)。

さらにAmazonもエネルギー関連情報の透明性においてF評価を受けた。

「Amazonは引き続き再生可能エネルギーに関してうまいことを言っていますが、エネルギーに関する決定内容を顧客から隠し続けています。特に今後Amazonがダーティエネルギーで溢れる市場に進出していくことを考えるとこれは心配な点です」とCookは話す。

しかしGreenpeaceは、これまでAmazonが再生可能エネルギーの割合を増やし、環境保護活動にも取り組んでいる点を評価している。Amazonが政治家や電力会社と協力して活動を進めた結果、同社はクリーンエネルギーの税控除をサポートしたり、風力発電施設の建設を妨げる法律を改正する後押しをしたりしている。さらにヴァージニア州でAmazonが革新的なエネルギー管理契約の交渉を進めたことで、Dominion Virginia PowerはAmazonの風力・太陽光発電プロジェクトで生産された電気を、AWSのデータセンサーに通じるグリッド内で利用することに合意した。

Greenpeaceは、約20社のネット企業が再生可能エネルギー使用率を100%にすることにコミットしていると話しているものの、ネット業界が急速に拡大し続けていることを考えると、まだこの戦いは終わっていない。

「Apple、Google、Facebook、Switchといった企業のリーダーシップやサポートもあり、テック業界はクリーンエネルギーで稼働するインターネットの実現に向けて突き進んでいます」とCookは語る。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Google、来年には再生可能エネルギー100%を達成すると発表

2016-12-07-google-greem

多くのテクノロジー企業にとってデータセンターその他の電力のグリーンエネルギー化は重要な目標だ。ここで世界最大のテクノロジー企業の一つ、Googleが2017中にGoogleが世界で利用する電力を再生可能エネルギー100%とすると発表した。Googleはこの対象にはデータセンターだけでなく、オフィスで消費される電力も含むとしている。

Googleはどうやってこれを達成するのだろうか? 同社が再生可能エネルギーに大規模に直接投資を始めたのは2010年にまでさかのぼる。

このときにはアイオワ州の風力発電施設から114メガワットの発電量すべて購入する契約を結んだのが最初だった。現在Googleは「世界最大の再生可能エネルギーによる電力購入企業」のタイトルを保持していると主張する。同社によれば、購入額は2位のAmazonを大きく引き離しており、その2倍以上だという。

現在はまだ達成していないものの、Googleは来年には再生可能エネルギー100%というゴールを達成できるとしている。Googleでは2017年には年間の電力消費に等しい量の太陽発電および風力発電による電力を購入する計画だ。Googleがこうした目標を重視しているのは環境への配慮だけでなく、太陽発電、風力発電などのグリーンエネルギーは次第にもっとも安価な電力になりつつあるからだという。クラウド化の進展により、データセンターの消費電力もますます巨大化しているため
電力購入の単価を下げる努力はGoogleにとって財政的にも大きな意味がある。

Googleが電力のグリーンエネルギー100%を達成した後も再生可能エネルギーへの投資を継続するとしているのはそれが理由だ。100%はそれで終わりというゴールではない。Googleでは電力ソースの多様化を進めていくとしており、たとえば風力だけに頼るつもりはない。
Googleは「再生可能エネルギー・クレジット」を利用して、一部の地域では他で購入した再生可能エネルギーと交換に非再生可能エネルギーによる電力を利用している。しかしGoogleが利用するクレジットは同社が購入した再生可能エネルギーの総量によるものだ。同社が購入した再生可能エネルギーは結局は電力網を通じて消費者がに還元されている。

また今日(米国時間12/6)、Googleは総合的な環境レポート(下にエンベッド)を発表した。こうしたレポートをまとめるのはGoogleとして初めての試みだが、これまでの同社のグリーン化、省エネ化への取り組みと関連する情報が詳細に紹介されている。環境問題を扱うサイトもスタートし、グリーン関連の情報が随時アップデートされるという。

他のテクノロジー大企業も同様の目標に向かって同様の試みを続けている。たとえばAppleは9月に再生可能エネルギー100%を目指してRE100グローバル・イニシアチブに参加している。Appleはまた世界で消費する全エネルギーの93%を再生可能エネルギー化した。またアメリカ、中国を含む21ヶ国での電力はすでに100%が再生可能エネルギーになっているという。

Google 2016 Environmental Report by TechCrunch on Scribd

〔日本版〕上のエンベッドは左側のScribdのロゴをクリックするとScribdサイトで表示できる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Tesla/SolarCityはサモアのタウ島の電力をまるごと太陽光で発電する

TeslaとSolarCityの合併が正式に承認されてから数日しかたっていないが、両社は力を合わせれば何ができるかをすでに見せつけている。 SolarCityのブログはSolarCityの太陽光発電システムとTeslaのPowerpackテクノロジーをベースにしたバッテリー・システムを組み合わせてアメリカ領サモアの離島、 Ta’u島のエネルギー問題を根本的に解決するプランを詳しく公表した。

このマイクログリッド電力網が完成すれば島はディーゼル発電を止め、化石燃料への依存から解放されるはずだ。

ディーゼル発電への依存はこうした場所では珍しくない。多くの離島や遠隔地のコミュニティーが電力網を化石燃料に頼っている。しかしディーゼル発電では非常に遠方から燃料を船で運ぶ必要があり、これには多額のコストがかかる。また頻繁に停電に見舞われることにもなる。ソーラー発電が建設費用を回収するには通例かなりの長期間が必要だ。しかし離島のように燃料を遠方から運び込まねばならない場合、ソーラー発電はコスト的にも有利になる。

Ta’uの電力網のリニューアル計画では、SolarCityが製作する太陽光発電パネル5300枚のアレイが 1.4メガワットを発電する。商用大型バッテリーであるTesla Powerpackが60基接続され、6メガワット/時の電力が蓄積される。これは600人が住むTa’u島の3日分の電力に当たる。十分な日光があればPowerpackをフル充電するのに7時間しかかからない。

gp03972-1

TeslaとSolarCityによるTa’u島へのマイクロ電力網の建設はスタートから完成まで1年以内ですむという。このプロジェクトはアメリカの環境保護庁、内務省、アメリカ領サモア経済開発庁が資金を援助する。Teslaではこれが似たような環境のコミュニティーに対する解決策の実例となることを強く期待している。同時に将来ソーラー・バッテリーがTesla最大の事業分野になるとファウンダーのイーロン・マスクが確信している理由が実証されるはずだと考えている。クリーンで信頼性が高く、既存の電力網から独立した電力供給には無数の用途が考えられる。電気自動車よりも大きな市場になるとしても不思議はないだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Tesla/SolarCityはサモアのタウ島の電力をまるごと太陽光で発電する

TeslaとSolarCityの合併が正式に承認されてから数日しかたっていないが、両社は力を合わせれば何ができるかをすでに見せつけている。 SolarCityのブログはSolarCityの太陽光発電システムとTeslaのPowerpackテクノロジーをベースにしたバッテリー・システムを組み合わせてアメリカ領サモアの離島、 Ta’u島のエネルギー問題を根本的に解決するプランを詳しく公表した。

このマイクログリッド電力網が完成すれば島はディーゼル発電を止め、化石燃料への依存から解放されるはずだ。

ディーゼル発電への依存はこうした場所では珍しくない。多くの離島や遠隔地のコミュニティーが電力網を化石燃料に頼っている。しかしディーゼル発電では非常に遠方から燃料を船で運ぶ必要があり、これには多額のコストがかかる。また頻繁に停電に見舞われることにもなる。ソーラー発電が建設費用を回収するには通例かなりの長期間が必要だ。しかし離島のように燃料を遠方から運び込まねばならない場合、ソーラー発電はコスト的にも有利になる。

Ta’uの電力網のリニューアル計画では、SolarCityが製作する太陽光発電パネル5300枚のアレイが 1.4メガワットを発電する。商用大型バッテリーであるTesla Powerpackが60基接続され、6メガワット/時の電力が蓄積される。これは600人が住むTa’u島の3日分の電力に当たる。十分な日光があればPowerpackをフル充電するのに7時間しかかからない。

gp03972-1

TeslaとSolarCityによるTa’u島へのマイクロ電力網の建設はスタートから完成まで1年以内ですむという。このプロジェクトはアメリカの環境保護庁、内務省、アメリカ領サモア経済開発庁が資金を援助する。Teslaではこれが似たような環境のコミュニティーに対する解決策の実例となることを強く期待している。同時に将来ソーラー・バッテリーがTesla最大の事業分野になるとファウンダーのイーロン・マスクが確信している理由が実証されるはずだと考えている。クリーンで信頼性が高く、既存の電力網から独立した電力供給には無数の用途が考えられる。電気自動車よりも大きな市場になるとしても不思議はないだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

だれでも全米でソーラーエネルギーに投資しながら利用できる、Arcadia Powerの新サービス

solar-power-generator

再生可能エネルギーサービス会社のArcadia Powerは、全米の賃借人たちに再生可能エネルギーの購入を可能にする、新しいサービスを発表した。

これは、カーボンオフセットプロバイダーでありロードマネジメントとして電力会社と協業していた同社にとっては、再生エネルギープロジェクトの開発運営会社へ向けての重要な一步である。そして、これは潜在的に再生可能エネルギー運動のゲームチェンジャー(これまでのやり方を変えてしまう存在)なのだ。

少し分かりにくいと思うので、この話をもう少し解説しよう。この発表以前には、Arcadiaは顧客のエネルギー利用を、同量の再生エネルギープロジェクト(主に風力発電)に投資することによって、カーボンオフセットを行うサービスを提供していた。

現在同社は、さまざまな電力会社たちとの提携と、プロジェクトデベロッパとしてのポジションを利用して、プロジェクトの小さなグループを集め、そこを通して全国のソーラーをインストールしたくてもできない人たちのために再生可能エネルギー投資を提供しようとしている。

Arcadiaのロジックは単純だ。持続可能エネルギーに投資したいと思っているものの、その手段を持つことができない、多くの賃借人あるいは非住宅所有者がいるということである。

太陽と雲ひとつない青空を反映赤い屋根上のソーラーパネル

「それが私たちがやろうとしていることを支える、最も重要な部分の1つなのです」とArcadia PowerのCEOであるKiran Bhatrajuは語った。「アメリカ人の大多数は、ルーフトップソーラーを実施できません。アメリカ人のおよそ8パーセントだけが可能なのです」。

多くの人びとは、複数の賃貸物件の入っている建物に住んでいて、自由にソーラーパネルを設置できないので、ソーラープロジェクトに対する直接的な投資を阻まれている。

Arcadiaを使うことによって、こうした環境指向の消費者は米国全土のプロジェクトに投資し、あたかも自分の家から得られたかのように生成エネルギーから得られた収益を手にすることができる。

「私たちは、過去数年に渡って、顧客の電力請求書にクレジットを戻すことのできる技術を開発してきました」とBhatrajuは語る。「私たちはリモートで、顧客を分散型発電資産に接続することができるのです。そしてソーラーが電気を生み出したら、局所的に集められたその代金を広く分配することができるのです」。

Arcadiaの現在のプロジェクトは巨大なものではないが、商業顧客や政府機関が彼らの主張が受け入れられることを証明している ‐ 賃借人に再生可能エネルギー発電を提供すれば – 彼らは購入するのだ。

日で再生可能な太陽エネルギーを使って発電所

同社は、消費者たちは再生可能エネルギー発電のための意志がありながら、まだ太陽光発電への切り替えを行うための十分に便利な方法を持っていないのだ、と仮定している。Arcadiaのサービスは、それを変える。

これまでのところ、Arcadia Powerは、ワシントンD.C.、マサチューセッツ州そしてカリフォルニア州でプロジェクトを運営している。「私たちはプロジェクトを集め、顧客にプログラムに対する賛同を得られるように努力しています」。

Bhatrajuにとっては、この新サービスは、5月に動きが始まっていたBoxGroupWonder Venturesからの350万ドルの調達の際に、同社が考えていた戦略の一手に過ぎない 。

資金調達が8月に発表されたときには、Arcadiaは顧客の使用状況を再生可能エネルギーとマッチングしてキロワット時当たり1.5セントの上乗せで提供するプレミアムサービスを、1万の顧客に提供していた。同社はまた、伝統的な発電(通常は石炭と天然ガス)と風力発電の間で請求書を分けたいと望む顧客のために、50パーセントまでなら風力発電のプレミア分を請求しないオプションの提供も開始した。

次に控えている同社のサービスは、スマートサーモスタットやLEDといったエネルギー効率のよい製品に対するオンビルファイナンシング(on-bill financing : エネルギー効率を良くする製品を購入する際に融資を受け、それを月々の電気代に上乗せして返済していく方式)である。Arcadiaはこれによって顧客は年間10から30パーセントのエネルギーコストを節約できると言っている。

今日、同社は約250キロワットの規模(Solar Energy Industries Association=太陽エネルギー産業協会の推計によると、およそ41家庭に電力を供給するために十分なエネルギー)でサービスを開始した。Bhatrajuによると、現在他に2.5メガワットの電力が控えているということだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)