テスラがEV販売でビットコイン決済を米国で受け付け開始、2021年中に他国でも

Tesla(テスラ)は2021年初めにBitcoin(ビットコイン)を大量に購入し、大きく報道された。2021年2月初め、当時の価格で約15億ドル(約1633億円)分を購入した。その際、同社は取引を報告する米証券取引委員会への文書の中で、ゆくゆくは車両を購入する顧客から決済として仮想通貨を受け付けるかもしれないと記していた。そして今、Elon Musk(イーロン・マスク)氏はそれを現実のものとした、と話している。少なくとも米国の顧客はビットコイン決済を選ぶことができ、同社は支払われたビットコインを「ホードル(売らずに持っておく)」する計画だという。

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ビットコイン決済を受け付けるインフラに関しては、同社はサードパーティーのネットワークやウォレットに頼っていない。「内部のオープンソフトウェアだけを使い、直接ビットコインのノードを操作する」とマスク氏はTwitterで述べている。そして顧客がビットコインで支払う際は不換通貨に換金せず、仮想通貨のまま残すとも語った。

Teslaがビットコインの購入を明らかにした2021年2月、傍観者たちは現金残高転換への同社の新たなアプローチを称えたり、かなりの価格変動をともなう資産への連結のために同社の計画を批判したりした。また多くの人が、カーボンフットプリントを考えたとき、ビットコインのマイニングコストがTeslaの全体の使命と相容れないと指摘した。コメンテーターたちは今日、電気自動車のために送電網に負荷をかける仮想通貨を受け付けるという皮肉を指摘し、こうした懸念を繰り返した。

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ビットコイン決済のプロセスがどのように機能するかについては、Teslaはよくある質問コーナーで詳細を説明している。顧客は自身のビットコインウォレットから決済手続きを開始する。クルマの価値はまだ米ドルで設定されており、現在のレートに基づいて車両のデポジットの正確な額を入力する。Teslaはさらに、返金の場合、米ドルに連動する価値が購入の時と返金の時では変わり得ることに注意するようにも書いている。

マスク氏はまた、このビットコイン決済を「2021年後半」までに米国外にも拡大する計画だと述べた。マーケットによっては規制に関する手続きをともなうかもしれないが、明らかにマスク氏は取り組む価値があると考えている。一方で3月24日朝に明らかになったこのニュースを受けてビットコインはわずかに上昇している。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla仮想通貨Bitcoin

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

ディーカレットが67億円調達、民間発行デジタル通貨と企業独自のスマコン実装が可能なプラットフォーム開発目指す

ディーカレットが67億円調達、民間発行デジタル通貨と企業独自のスマコン実装が可能なプラットフォーム開発目指す

暗号資産(仮想通貨)などデジタル通貨の取引・決済を担う金融サービス事業を手がけるディーカレット(DeCurret)は3月23日、第三者割当増資による総額67億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、筆頭株主のインターネットイニシアティブ、KDDI、日本電信電話(NTT)、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、綜合警備保障(ALSOK)、三菱商事、SBIホールディングス、セコムの計10社。

調達した資金により、民間発行デジタル通貨の実現と企業独自のスマートコントラクトの実装を可能にする二層構造デジタル通貨プラットフォームや、ブロックチェーンを利用したあらゆるデジタル価値の交換プラットフォームの開発体制を強化し、事業加速につなげる。

ディーカレットが67億円調達、民間発行デジタル通貨と企業独自のスマコン実装が可能なプラットフォーム開発目指す

日本におけるデジタル通貨のリーディングカンパニーを目指す同社は、2020年6月よりデジタル通貨勉強会、その後継となるデジタル通貨フォーラム(現在の参加企業数55社以上)の事務局を務め、デジタル通貨実現のための取組みを実施してきた。

世界では中央銀行デジタル通貨(CBDC)や法定通貨を価値の裏付けとした暗号資産の発行など、デジタル通貨の実現に向けた動きが拡大しているという。デジタル通貨プラットフォーム開発や企業とのパートナーシップをさらに強化し、一体となってデジタル通貨の世界を実現するべく、今回の増資を実施した。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)資金調達(用語)中央銀行デジタル通貨(CBDC)ディーカレット日本(国・地域)

暗号資産インフラプロバイダーのFireblocksがシリーズCで約145億円を調達、BNYメロンも出資

Fireblocks(ファイアブロックス)は、CoatueRibbitStripesが主導するシリーズCラウンドで1億3300万ドル(約145億円)を調達した。同社は、デジタル資産の保管、送金、発行を可能にする複数の製品を提供している。同社は特に機関投資家にカストディを提供しており、現在4000億ドル(約43兆6000億円)相当の仮想通貨を保管している。

米国時間3月18日に発表された資金調達ラウンドには、BNY Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、BNYメロン)とSilicon Valley Bank(SVB)も参加した。既存投資家のParadigm、Galaxy Digital、Swisscom Ventures、Tenaya Capital、そしてCyberstarts Venturesも続けて出資した。

Fireblocksは、設立してから総額1億7900万ドル(約195億円)を調達している。同社によると評価額はまだ10億ドル(約1090億円)に達しておらず、まだユニコーンではないが、そう遠い話ではないとのこと。

このスタートアップは、消費者向けの製品は提供していない。その代わりに、銀行やフィンテック・スタートアップ、その他の金融機関に製品を販売している。金利が0%に近い状態がここしばらく続いているため、金融機関は仮想通貨を保管し、バランスシートを多様化するためのソリューションを求めている。

それをセキュアに実現してくれるのがFireblocksだ。同社では、秘密鍵の取り扱いにマルチパーティ計算(multi-party computation、MPC)を採用している。ウォレットを作成すると、暗号化された秘密がユーザーのデバイスとサーバー上で生成される。トランザクションを開始する際には、複数の秘密が使用され、完全な公開鍵と秘密鍵が生成される。こうすることで、単一障害点がないようにしている。

また、同社は流動性資産パートナーのネットワークも構築している。30の取引所と直接接続し、そこから送金を開始することができます。そのため、店頭のトレーディングデスクやマーケットメーカーも、複数の取引所にまたがる取引の決済にFireBlockを利用している。

Fireblocksでは、トークンの発行や管理を行うことも可能だ。これは不換通貨を裏付けとし、時間が経っても不換通貨との交換レートが変動しないトークンである、ステーブルコイン(Stablecoin)を発行したい場合に特に有用だ。また、複数のブロックチェーンで機能する。

StakedBlockdaemonとの統合により、Ethereum 2.0(イーサリアム2.0、Eth2)、Polkadot(ポルカドット、DOT)、Tezos(テゾス、XTZ)でステーキングリワードを得ることができる。DeFi APIがあるので、最も興味深いDeFiプロトコルを利用できる。

Fireblocksはマネーロンダリング防止のために、コンプライアンスプロバイダーであるEllipticやChainalysisとの統合も行っている。同社は、一連のルールに応じてトランザクションにフラグを立てたり、拒否することができる。

こうして見るとわかるように、Fireblocksは暗号資産エコシステム全般との統合を豊富に提供していいる。ゼロから始めて自社でこれらの統合を構築するには、特に仮想通貨がビジネスの中核要素でない場合、膨大なリソースが必要になるだろう。

Fireblocksは仮想通貨に特化していることを除けば、多くの点でBaaS(banking-as-a-service)企業に似ている。そして今回の資金調達ラウンドは、今、暗号通貨産業で多大な投資が行われていることを改めて証明している。PayPal(ペイパル)がCurv(カーブ)を買収したのは、ほんの2週間前のことだ。この買収は、他の暗号資産インフラ企業が価値ある存在であることを証明するのに確実に役立っている。

関連記事:仮想通貨Rollから約6億2000万円が盗まれる、ホットウォレットがハッキング

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:仮想通貨 資金調達

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

仮想通貨Rollから約6億2000万円が盗まれる、ホットウォレットがハッキング

仮想通貨プラットフォーム「Roll」のセキュリティ侵害により、ハッカーがホットウォレットの秘密鍵を入手し、その中身(約570万ドル、6億2000万円相当) を盗み出した。

同社は米国時間3月14日日曜日の早朝に起こったこの侵害について、調査中であると声明の中で述べている

「現時点では、Rollのスマートコントラクトやトークンコントラクトのバグではなく、当社のホットウォレットの秘密鍵が侵害されたものと思われます」と、同声明は述べている。Rollによると、攻撃者はすでにトークンをEthereum(イーサリアム)で売却していたという。

「現段階では、これ以上のユーザーアクションはありません。私たちはホットウォレットの移行が完了するまで、全ソーシャルマネーのRollウォレットからの引き出しを一時的に無効にしています」と、声明は付け加えている。

攻撃者がどのように侵入し、秘密鍵(Rollのホットウォレットのパスワードのようなもの)を入手したのかは不明だ。ホットウォレットはインターネットに接続され、暗号化された通貨を送受信するように設計されているが、インターネットに接続されたウォレットには固有のセキュリティリスクがあるため、一般的に仮想通貨の総所有量のごく一部しか保存しない。インターネットに接続されていないコールドウォレット、またはストレージデバイスは、通常、所有者の仮想通貨の大部分を長期間保持するために使用される。

Rollでは、ソーシャルトークンと呼ばれるEthereumベースの独自仮想通貨をクリエイターが作成して配布し、その使用方法を決めることができる。同プラットフォームには、$WHALE、$RARE、$PICAトークンなど、数百種類のソーシャル通貨が存在しているが、これらのトークンは情報漏えいの影響で価値が急落した。

関連記事:なぜ俳優テリー・クルーズはソーシャルマネーを立ち上げるのか

$WHALEのトークンの作者は、今回の不正アクセスで2%以上のトークンが盗まれたが、プロジェクトへの影響は「最小限」だったとツイートしている。

一方で、それほど幸運ではなかった人もいる。ある人は「すべてを失った」と述べ、他の人は、被害を受けたクリエイターを支援するためにRollが新たに設けた50万ドル(約5500万円)の基金が十分ではないと批判した。

Rollは再度の侵害を防ぐため、第三者を招いて同社のセキュリティインフラを監査すると述べている。「またフォレンジック(犯罪捜査での分析、鑑識的)な分析を行い、どのようにして鍵が漏洩したのかを解明する予定です」との声明を発表した。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Rollハッキング仮想通貨

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter

なぜ俳優テリー・クルーズはソーシャルマネーを立ち上げるのか

俳優のTerry Crews(テリー・クルーズ)氏がブロックチェーンに参入する。ソーシャルマネーのスタートアップRoll(ロール)の協力を得て、クルーズ氏は独自のソーシャルマネー「$POWER(パワー)」を立ち上げる。

だがまずは、それが何を意味するのかを分析しよう。ソーシャルマネーは誰にでも作れる。すでに数百人ものクリエイターたちが、ファンやユーザーとの関係を変革しようとRoll(ロール)を通じてそれを行っている。Rollを利用すると、クリエイターはERC-20規格に準拠した独自のソーシャルマネーを作り配布できるようになり、さらに自分のコミュニティでのソーシャルマネーの獲得と利用の方法を規定できる。

「誰でも、どこでも、いつでも、自分のコンテンツが作れます」とRollの創設者でCEOのBradley Miles(ブラッドリー・マイルズ)氏はTechCrunchに話した。「私たちはこれを、コンテンツの大量パーソナライズと呼んでいます。現在、Rollではこれと同じことを通貨で実験しています。誰もが、どこでも、いつでも自分だけの通貨が作れるのです」。

私が思うにこれは、クレジットカードのポイントを獲得したり使ったりするようなものだ。ただし、そこにはカード会社が存在せず、代わりにブロックチェーンとクリエイターがいる。マイルズ氏にこの例えの妥当性は確認していないが、私はそう考えることに決めた。カード会社がカードを使うごとにポイントをくれて、後にポイントを現金や航空券などに交換できるように、Rollのクリエイターは、作品にいろいろなかたちで応答してくれたファンにソーシャルマネーを与える。そしてファンは、そのソーシャルマネーを使って、さらにアート作品やコンテンツなどが買える。

現在、Rollを利用しているクリエイターは、クルーズ氏を含め300人ほどいる。Balaji Srinivasan(バラキ・シュリニバサン)氏やTrevor McFedries(トレバー・マクフェドリース)氏などの投資家から270万ドル(約2億9000万円)の資金を調達したRollのソーシャルマネーの時価総額が、先日、10億ドル(約1080億円)を超えた。ブラッドリー・マイルズ氏は、私に0.1$WHALE(およそ330円相当)をくれた。それにより、クリエイターがRollを使っている理由が、もう少し深くわかってきた。$WHALEは、有形でレアな代替不可のトークンアセットに支えれている。つまり、私は$WHALEで他のNFT(非代替性トークン)が買えるということだ。Rollでは、そのソーシャルマネーを600を超える他のデジタル資産と交換できるようにしているため、私はNFTマーケットプレイスのOpenSea(オープンシー)で下のNFTを買うことも可能だ。

画像クレジット:OpenSea(スクリーンショット)

ただし、見てのとおりPodmork Pix 35 WSは28$WHALEもするので、このNFTは買えない。

クルーズ氏の場合、彼はブロックチェーンアートを買ってくれた人が$POWERを獲得し、それを使ってNFTや物理的な商品や体験を購入するというかたちを思い描いている。まずは、クルーズ氏はDiscord(ディスコード)を通じて$POWERコミュニティに関わっていくつもりだ。例えば50$POWERを集めた人は、Discord内の特別なチャンネルへのアクセス権がもらえる。現在までにクルーズ氏は、100人ほどに$POWERを配ったと話している。

「私があなたに$POWERを渡せば、あなたは私の一部を所有したことになる」とクルーズ氏。「そうとしか言いようがない。また、誰が私を所有している(hold:抱いている)かについては、十分に注意したいと思っています。洒落ではなくて」。

$POWERは始まってまだ日が浅いが、クルーズ氏は、ゆくゆくはアーティストのための無利子のマイクロローンを提供したいと考えているという。$POWERの最終目標はアーティストに力を与えることだ。

「それが私たちの長期目標です」とクルーズ氏。「それを実現するためには、このコミュニティを存続させなければなりません。どこでも使えるようになります。食料品スーパーのTargetでもね」。

クルーズ氏は、この分野への興味を抱いたのは、4年前に彼の身に起きた事件がきっかけだと話す。

ミラノにいたとき、クルーズ氏は家具見本市ミラノサローネで、尊敬するデザイナーが作った家具を買おうとした。かなり高価であることを知ったのだが、彼の支払い口座にはそれに足りる現金が入っていなかった。そこでアメリカン・エキスプレスに電話で尋ねると、近くの銀行へ行けと指示されたという。アメリカン・エキスプレスは、クルーズ氏の代わりにその銀行の支店長に事情を説明し、ようやく家具の購入に必要な資金を手配できることになった。ところが、クルーズ氏によればその支店長は、彼をひと目見て「入るな」と言ったそうだ。

「私は一列になって通り過ぎて行く白人の男女を見つめ、彼らは私を奇妙な目で見つめていた」とクルーズ氏は話す。「私はそこに15分間立ち尽くして、だんだんわかってきました。私が黒人だからだと。お金は手に入りませんでした」と彼は語る。「それが、何もかも変えなければいけないと私が悟った瞬間です」。

仕方なくクルーズ氏は、小切手換金所を使うことにした。ウーバーの運転手はそこへ行くのを嫌がったそうだが、それでようやく家具の代金が用意できた。

「思い出すと今でも腹が立つけど」と彼はいう。「この新しい金融の世界ですばらしいのは、仮想通貨では人種も年齢も関係ないところです」。

$POWERによって、アーティストやクリエイターの手に力を取り戻させたいとクルーズ氏は願っているという。

「ここには『入るな』という門番はいません」と彼はいう。

またクルーズ氏は、彼のオリジナルのコンテンツを$POWERコミュニティに投入する予定だという。そこでは人々が作品を共同所有できる。

「これは私よりも大きなものです」と彼は話す。「新しい未来です」。

マイルズ氏は、$POWERが映画館やパラマウント・ピクチャーズの施設でも使えるようになる未来を夢見ている。

「ドルに置き換わるものではありませんが」とマイルズ氏。「現金を補完して、おそらくドルではうまくできなことの役に立ちます」。

私はクルーズ氏に、ハリウッドを離れて$POWERコミュニティのためのオリジナルコンテンツの制作に没頭するのかと聞いてみた。するとクルーズ氏は、2017年、William Morris Endeavor(ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテインメント、WME)の幹部が彼に痴漢を働いたとしてWMEを告訴した時点で、すでにハリウッドを去っていると答えた。クルーズ氏とWMEは2018年に和解している。

「そこで関係が断たれました」と彼は話す。「しかし重要なのは、私にはパワーがあり、才能があった点です。ウィリアム・モリスは私がやっていることのすべてを終わらせてやると脅してきました。しかし、今私はすべてをやっています。それは誰にも奪えません。そんなわけで、私はハリウッドと縁を切りました。もっとも、今日に至るまで、自分がハリウッドの人間だと感じたことは一度もありませんがね。世の中のすべてのアーティストは、私と同じ考えでしょう。みな自分のパワーを求めているのです」。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Roll仮想通貨NFT

画像クレジット:Rodin Eckenroth/FilmMagic / Getty Images

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:金井哲夫)

PayPalがイスラエルの暗号通貨セキュリティCurvを買収へ

PayPal(ペイパル)はイスラエル・テルアビブ拠点の仮想通貨スタートアップCurv(カーブ)買収を計画していると発表した。PayPalの正式発表に先立ち、イスラエルの新聞Calcalistがこの動きを報じていている

Curvは、暗号資産を安全に管理するのをサポートする仮想通貨セキュリティ会社だ。あなたがハードウェアデバイスなしに暗号ウォレットにアクセスできるよう、クラウドベースのサービスを提供している。

同社はまた、新しいインターンが承認チェーンといったものなしに暗号資産を引き出せないよう、高度なポリシーを設けられるようにしもしている。同様に、通常の取引はより簡単に行えるようリストを作成することもできる。

この裏でCurvは秘密鍵を管理するためにマルチパーティ計算を使っている。あなたがウォレットを作る時、暗号化された秘密がユーザーのデバイスとCurvのサーバーで作られる。そしてユーザーがトランザクションを開始しようとするとき、複数の秘密鍵を使用して完全な公開鍵と秘密鍵を生成する。

秘密鍵は定期的に変わり、1つの秘密鍵だけでは何もできない。もし誰かが防犯対策がなされていないノートパソコンを盗んだとしても、ハッカーはこのデバイスに保存された情報だけでは暗号資産にアクセスできない。

おわかりのとおり、Curvはエンドユーザー向けの仮想通貨ウォレットではない。同社は両替やブローカー、店頭にサービスを提供している。もしあなたがファンドを運営していて、かなりの量の仮想通貨を購入する計画なら、Curvの利用を検討できるかもしれない。

最後に、デジタル資産を管理し、バランスシートを多様化するソリューションを探している金融機関もまたCurvと協業できそうだ。

CurvのチームはPayPal内の仮想通貨グループに加わるとPayPalは話す。同社は徐々に仮想通貨プロダクトを展開してきた。米国のユーザーが自身のPayPalアカウントから仮想通貨を購入、保持、売却できるよう、Paxosと提携した

関連記事:PayPalが仮想通貨の売買サービスを米国で開始、Paxosと提携

近い将来、PayPalは仮想通貨を使ってユーザーが物を売買できるようにもする計画だ。また直近の四半期決算発表で同社は米国外と同社が所有する消費者向けフィンテックスーパーアプリVenmoで仮想通貨プロダクトを立ち上げる計画であることも明らかにした。

買収の条件は非公開で、取引は2021年上半期のどこかで完了する見込みだ。PayPalはこの買収で2億ドル〜3億ドル(約218億〜327億円)支払う、とCalcalistは報じている。PayPalに近いとある人物は買収額は2億ドル以下だと話す。正確な額は次の四半期決算で明らかになるはずだ。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:PayPal仮想通貨Curvイスラエル買収

画像クレジット:Yichuan Cao/ NurPhoto / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

中国の写真加工アプリ「Meitu」が43.4億円相当の仮想通貨を購入

Tesla(テスラ)の後を追うように、中国のアプリメーカーMeitu(美圖公司)が仮想通貨投資に仲間入りした。

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2010年代前半、Meituはポートレート写真加工分野を支配し、社名を関したその看板アプリは、中国国内では「写真美化」を意味する動詞にまでなった。しかしここ数年、スマートフォンにフィルターが内蔵されるようになり、Meituのような加工アプリはリードを保つことがむずかしくなった。Meituの株価は2017年の1株あたり18香港ドル(約251.38円)から現在の3香港ドル(約41.90円)へと下落している。

会社が創立13年を迎え、新たな成長の道を探る中、同社は仮想通貨に目を付けた。

MeituはEther(Ethereum、イーサリウム)1万5000単位、Bitcoin(ビットコイン)379.1214267単位、それぞれ2210万ドル(約24億円)と1790万ドル(約19億4000万円)相当を現地時間3月5日に公開市場取引で購入したことを3月6日に発表した。今回の購入は、最大1億ドル(約108億5000万円)相当の仮想通貨を購入するという同社の投資計画の第1回で、資金は保有現金から支出された。

このところMeituの会長Cai Wendheng(カイ・ウェンシェン)氏は歯に衣着せぬブロックチェーン擁護者だ。中国政府は新規仮想通貨公開(ICO)と仮想通貨取引所を禁止しているが、カイ氏は2018年に個人で1万Bitcoinを購入した。

同氏の仮想通貨支持は、Meituの最近の投資行動からも見て取れる。同社は開示情報で次のように発表した。「取締役会は、ブロックチェーン技術には既存の金融およびIT産業の両方を破壊する可能性があるという見解であり、これはモバイルインターネットがパソコンインターネットと多くのオフライン産業を破壊したのと同じです。ブロックチェーン業界はまだ初期段階にあり、2005年前後のモバイルインターネットと同様だと取締役会は考えています」。

さらにこう続けた。「こうした背景を踏まえ、仮想通貨の価値増加の余地は大きく、会社資産の一部を仮想通貨に割り当てることは、保有現金を分散化する意味もあると取締役会は信じています」。

Meituはさらに、Bitcoin投資は同社の「資産分配」計画の一部であるのに対し、Etherへの投資はブロックチェーンをさまざまな海外ビジネスに織り込む、という自社のブロックチェーン全般の方針を後押しするもので、EtherumベースのdApps(自律分散型アプリケーション)はその1つであると話した。会社は海外のブロックチェーンプロジェクトへの投資も視野に入れており「当社の大きいユーザー基盤とのシナジー効果が期待できる」としている。

2020年6月現在、Meituは全世界で公開している一連のアプリで計約3億人のアクティブユーザーを有している、と称している。

関連記事:中国の国家ブロックチェーンネットワークが世界中のdApps開発者を受け入れ

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Meitu仮想通貨中国

画像クレジット:Meitu

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(文:Rita Liao、翻訳:Nob Takahashi / facebook

‍仮想通貨プラットフォームのEcoがa16z主導のラウンドで28億円調達

デジタルグローバル仮想通貨プラットフォームを構築したEco(エコ)は米国時間3月5日、a16z Cryptoがリードする資金調達ラウンドで2600万ドル(約28億円)を調達したと発表した。

2018年創業でサンフランシスコを拠点とするEcoのプラットフォームは、毎日の取引に世界中で利用できる支払いツールとして設計されている。同社は「銀行、当座預金口座、クレジットカードのいずれでもない」と強調する。

「私たちはそれらすべての組み合わせよりも優れたものを構築しています」とブログ投稿で述べた。このCoinListの記事によると、同社のミッションは「貯蓄と支出を結びつける」方法として仮想通貨を利用する取り組みとしても説明されている。

Ecoのユーザーは、Amazon(アマゾン)、Uber(ウーバー)などの業者と取引するときに、預金で年間最大5%を稼ぎ、5%のキャッシュバックを得ることができる。同社は次のステップとして、ユーザーに対し請求書の支払いや友人への支払いなどの機能を「すべて同じ単一のウォレットから」提供すると述べる。その同じウォレットで、お金を使ったり節約するたびにリワードを受け取れるという。

数百万ドル(数億円)を預ったアルファテストが「成功した」後、Ecoアプリが一般に公開された。

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Founders Fund、Activant Capital、Slow Ventures、Coinbase Ventures、Tribe Capital、Valor Capital Groupなど多くのベンチャーキャピタルに加え、100以上のファンドやエンジェルなどがEcoの今回の資金調達に参加した。ExpaとPantera CapitalがEcoの850万ドル(約9億円)の資金調達ラウンドを共同でリードした。

CoinListの共同創業者であるAndy Bromberg(アンディ・ブロムバーグ)氏は、Ecoを率いるために2020年の秋に退任した。Coindeskによれば、このスタートアップは当初、ブランド名をEcoに変更する前はBeamと呼ばれていた。「Ecoブランドを保持していた創業アドバイザーのGarrett Camp(ギャレット・キャンプ)氏の関与のおかげです」。キャンプ氏はUberの共同創業者であり、Expaは同氏のベンチャーファンドだ。

a16z Cryptoにとって、このラウンドをリードしたことは同社のミッションに沿っている。

Katie Haun(ケイティ・ホーン)氏とArianna Simpson(アリアナ・シンプソン)氏が共同執筆したブログ投稿で、同社がなぜEcoとその計画に夢中になっているのかを概説した。

「新しい業界での課題の1つは、仮想通貨も例外ではありませんが、ただクールであるだけでなく、幅広いユーザーにリーチして喜ばせるものを構築することです」と述べる。「テクノロジーは、はっきりと目に見える形でかつ具体的な方法で人々の生活を改善するときが最高の状態です。a16z Cryptoでは、仮想通貨をさらに10億人が利用できる道を常に探しています。どのようにしてそれが達成できるでしょうか。人々がすでにやりたいと考えていること、つまり支出、節約、収益の達成を支援することによって、そしてユーザーに基盤となるテクノロジーではなく具体的なメリットに目を向けてもらうことによってだと思います」。

Ecoは、ユーザーにリワードを提供する唯一の仮想通貨プラットフォームではない。Lolliは、買い物をするユーザーに1000以上のトップストアで無料のビットコインまたは現金を提供する。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Eco仮想通貨資金調達

画像クレジット:Sarote Pruksachat/Moment / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

仮想通貨取引所Bitfinexがオンラインショップ向け仮想通貨決済ゲートウェイをローンチ

仮想通貨取引所のBitfinexが、仮想通貨決済ゲートウェイBitfinex Payをローンチする。この新サービスにより、オンラインショップはさまざまな仮想通貨での支払いを受け付けることができる。特に、国境を越えた取引が容易になるはずだ。

暗号化された決済ゲートウェイはすでにいくつか存在する、Bitfinex PayはBitfinexの取引所とシームレスに連携するという利点がある。売り手はウィジェットを作ってEthereum(イーサリアム)やBitcoin(ビットコイン)での支払いを受け付ける。支払いは取引所のウォレットに入金される。

Bitfinexのウィジェットは「Buy Now with PayPal(PayPalで今すぐ購入)」ボタンのような動作をする。Bitfinex Payボタンをクリックすると、仮想通貨取引所のウェブサイトにリダイレクトされる。そして支払いが承認されると、元の加盟店のウェブサイトにリダイレクトされる。支払いの上限は仮想通貨で1000ドル(約10万8000円)に設定されている。

Bitfinex Payでの取引では、手数料は一切かからない。もちろん、暗号トークンの送信にはいくらかのネットワーク手数料がかかる。取引所で保有する仮想通貨を変換し、口座から現金を引き出したりしようとすると、売り手も手数料を支払うことになる。

Bitfinex PayではTether(テザー)での支払いも受け付ける。Tetherは安定していて、Tetherの1単位は1米ドルの価値があるとされており、時間とともに変動しない。

なお、ニューヨークの司法長官がTetherは常に銀行口座にある米ドルによって完全に裏づけられていないと結論づけ、この声明に異議を申し立てている。ある時点で、Bitfinexはパナマの銀行にある8億5000万ドル(約920億3000万円)にアクセスできなかった

結果、TetherとBitfinexは現在ニューヨーク州で禁止されている。そのため、ウェブサイトのチェックアウトプロセスの一部としてBitfinexを使用するには、Bitfinexを十分に信頼できるかどうかを判断する必要がある。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Bitfinex仮想通貨

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

仮想通貨のAnchorageが連邦銀行の認可を受けデジタル資産銀行に、約85.3億円の資金調達

Anchorageはシンガポールの政府系ファンドとしても知られるGICが主導するシリーズCの投資ラウンドで8000万ドル(約85億3000万円)を調達した。Andreessen Horowitz、Blockchain Capital、Lux、Indicoも、米国時間2月25日に実施された資金調達ラウンドに参加している。

今回の資金調達ラウンドの背景にある考え方は、非常にシンプルだ。Tesla(テスラ)やSquare(スクウェア)など一部の企業は最近、仮想通貨への投資を選択した。つまり、彼らは現金残高の一部を仮想通貨に変換している。一部の投資家は現金残高に仮想通貨を追加するのに役立つ企業に投資することを選んでおり、Anchorageもそのうちの1社だ。

関連記事:テスラが約1578億円相当のビットコインを購入、将来的に仮想通貨での支払いも検討

このスタートアップは当初、カストディ(保管)ソリューションを提供していた。これにより暗号化通貨を安全に保つことができ、ウォレットとその公開鍵および秘密鍵を管理する必要がなくなる。最近になってAnchorageは連邦銀行免許を取得し、デジタル資産銀行に生まれ変わった。

規制当局から承認のサインを得たことは、間違いなく信頼につながるだろう。機関投資家は、信頼できる仮想通貨パートナーを探し、その分野に参入しようとしている。

Anchorageは現在、カストディ業務に加えてステーキング、仮想通貨融資などの複数の金融商品を提供している。つまり、機関投資家のためのワンストップショップになりたいということだ。

興味深いことに、Anchorageはサービスとしての仮想通貨バンキングのスタートアップにもなりたいと考えている。このスタートアップはチャレンジャー銀行と伝統的な銀行の両方にとって、暗号資産パートナーになり得ると考えている。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Anchorage仮想通貨資金調達

画像クレジット:Dan Kitwood / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ビットコイン・イーサリアムを「楽天キャッシュ」にチャージし、楽天ペイや楽天ポイントカードで利用可能に

ビットコイン・イーサリアムを「楽天キャッシュ」にチャージし、楽天ペイや楽天ポイントカードで利用可能に

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スマホ決済「楽天ペイ」が、ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)からのチャージに対応しました。

楽天ペイにチャージできる仮想通貨は、ユーザーが「楽天ウォレット」に現物保有する「ビットコイン(BTC)」「イーサリアム(ETH)」「ビットコインキャッシュ(BCH)」の3種類です。最低1000円から最大10万円(1か月累計)の範囲でチャージでき、楽天キャッシュ残高に反映されます。これによって、保有する仮想通貨を日常の買い物などに利用できるようになります。

ビットコイン・イーサリアムを「楽天キャッシュ」にチャージし、楽天ペイや楽天ポイントカードで利用可能に

なお、通常、楽天ウォレットから銀行口座を経由して日本円で出金する場合には300円の手数料が必要です。一方、楽天ペイにチャージする場合は、そうした手数料は不要です。ただし、市場の変動などにより、実際のチャージ額がユーザーが指示したチャージ金額から数円程度減額される場合があります。

今後については、ウォレット側ではなく楽天ペイアプリ上の操作で、仮想通貨を残高にチャージできる機能を今春提供します。

2月24日から3月24日まで、仮想通貨から楽天キャッシュへチャージで最大1000円相当の楽天ポイントを付与するキャンペーンも実施します。進呈ポイントの内訳は、1回のチャージ金額1000円以上で100ポイント、5000円以上で500ポイント、1万円相当で1000ポイントとなります。

(Source:楽天ペイEngadget日本版より転載)

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NVIDIAがGeForce RTX 3060での暗号資産マイニング効率を半分に制限、採掘専用GPU発表

NVIDIAが暗号通貨イーサリアムに関してRTX 3060を使ったマイニング効率を本来の半分に絞っていることを明らかにしました。理由は、RTX 3060がゲーム向けのGPUであるにもかかわらず、高性能であるがために暗号通貨マイナーたちが買い占めてしまうのを防止するため。

NVIDIAはブログ記事で「RTX 3060ソフトウェアドライバーは、イーサリアム暗号通貨マイニングアルゴリズムの特定の属性を検出し、ハッシュレートもしくは暗号通貨マイニング効率を約50%に制限するよう設計されています」と述べ「GeForce RTX GPUはリアルタイムレイトレーシング、DLSS AIアクセラレーション、画像アップスケーリングテクノロジー、Reflex超高速応答レンダリングなどゲームやその他のデジタルエクスペリエンスを生み出す人々のニーズにあわせた最先端技術を導入している」としました。

暗号通貨マイニング人口の世界的な増加はNVIDIAの売り上げには良かったものの、CPUに統合されたグラフィックス機能よりも高い性能を必要とするゲーマーやAI研究者には、品薄という困った事態を引き起こしました。

そしてNVIDIAは今回、イーサリアムマイニングという特定のニーズのために、NVIDIA CMP(Cryptocurrency Mining Processor)という暗号通貨マイニング専用製品を新たに発表しました。CMP製品はマイニングに特化した製品のためディスプレイ出力を備えません。ラインナップはハッシュレート26MH/s、6GBメモリーを備え、定格電力125Wの「30HX」、36MH/s、8GB、185Wの「40HX」、45MH/s、10GB、250Wの「50HX」、86MH/s、10GB、320 Wの「90HX」の4種類。発売時期は下位2モデルが今四半期、残りの上位2モデルが第2四半期に予定されています。

  1. NVIDIAがGeForce RTX 3060での暗号資産マイニングの効率を半分に制限、採掘専用GPU発表

    NVIDIA

暗号通貨の採掘目的で、RTX 3060が発売される2月25日を指折り数えて待っていた人たちには、今回の発表はつまらない話かもしれません。しかし、ゲーム向けのグラフィックカードはゲームのために使うのが本来の用途です。マイニング専用の製品投入は、ゲーマーたちがいつまでたっても最新のGPUを入手できない問題を解決するかもしれません。

(Source:NVIDIAEngadget日本版より転載)

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ビットコインが初めて5万ドルの壁を突破、Coinbaseの直接上場が迫る

米国時間2月16日、Bitcoin(ビットコイン)が初めて5万ドル(約530万円)の大台を突破した。ピーク時の価格は5万500ドル(約535万5000円)強だった。

世界で最もよく知られている仮想通貨であるBitcoinの価格は、仮想通貨業界における消費者の関心と、ブロックチェーンベースの資産の取引活動における合理的な代理であることを歴史的に証明してきた。Bitcoinの価格は最高値以降下降しており、本稿執筆時の価値は4万9000ドル(約519万5800円)強となっている。

Bitcoinは2021年に入って急騰しており、2021年初めの3万ドル(約318万1100円)台から最近の5万ドル(約530万1900円)の節目まで上昇し、66%前後の高騰となった。1年前には1万ドル(約106万円)前後だったBitcoinは、400%上昇したことになる。

投資家や他の分散型トークンの信者にとっては幸運なことに、評価額の上昇を享受しているのはBitcoinだけではない。CoinMarketCapによると、最も高く評価されているブロックチェーン資産の1つであるCardanoは先週に約27%上昇し、時価総額は270億ドル(約2兆8600億円)の大台に近づいている。

急成長する仮想通貨市場に関連した企業は、Bitcoin価格の上昇にともないブームを享受している可能性がある。取引活動や消費者の関心はBitcoinの価格とともに上昇する傾向があり、Coinbaseのような企業は取引活動や消費者の利用から利益を得ていることから、2021年は力強くスタートを切ることができた。

Coinbaseは株式公開を申請しており、近日中での直接上場を目指している

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何がBitcoinや他の暗号通貨の価格を短期的に上昇させているのだろうか?市場が過熱している中で、正確に指摘するのは難しい。ただ1つ言えることは、ほぼすべての暗号通貨が最高値を更新しているのなら、Bitcoinも同様なのではないだろうか。

カテゴリー:ブロックチェーン
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:塚本直樹 / Twitter)

マスターカードが暗号資産に年内対応と発表、中央銀行デジタル通貨(CBDC)で中央銀行数行とも連携

米マスターカードは今年から暗号通貨のサポートを追加することを発表しました。

マスターカードによれば、暗号通貨を自社ネットワーク内で取り扱うことにより、より多くの加盟店で新しい支払い方法が提供できるとしています。また、暗号通貨と従来の通貨の変換の必要がなくなるため、効率性も向上します。

なお、現時点ではマスターカードがどの暗号通貨を取り扱うかは発表されていません。これについては、コンプライアンス対策などの要件を今後検討するとしています。また世界の主要な中央銀行と連携することで、CBDCとよばれる新たなデジタル通貨の発行も検討しています。

暗号通貨をめぐる最近の動きとしては、PayPalがビットコインなど4銘柄に対応したことで、その流通性がさらに高まっています。またかつてはPayPalを所有していたイーロン・マスク氏の米テスラが15億ドル相当のビットコインを購入したことで、一時、同暗号通貨は史上最高値を記録しました。

一方で、マスターカードは「この動きは暗号通貨の購入を促進するものではありません」と説明しています。まだまだ暗号通貨がどう取り扱われるのかについては不透明ですが、着実にその足元を踏み固めているような印象も受けます。

Engadget日本版より転載)

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仮想通貨のパイオニア、ダイアナ・ビッグス氏がデジタル資産スタートアップのValourの新CEOに

仮想通貨のパイオニアであり、初期のビットコインの思想的リーダーでもあるDiana Biggs(ダイアナ・ビッグス)氏が、投資家が銀行やブローカーを通じて簡単にデジタル資産を購入できるスイスのスタートアップValourに参加した。Tesla(テスラ)が15億ドル(約1571億4000万円)相当のビットコインを購入し、暗号資産のメインストリーム市場を大きく押し上げたというニュースを受けて、この動きは重要なものとなっている。ビッグス氏は2017年に自身のベンチャー企業であるProof of Purposeを通じて、人道的課題の解決に役立つブロックチェーン技術の可能性を探求し、その年のブロックチェーン技術に関するTEDxの講演は同分野の多くの人から、このジャンルにおける最高のものの1つとみなされている。

スイスのツークに本拠地とし投資商品を販売するValourは、NGM証券取引所で取引される手数料無料のデジタル資産ETP商品であるBitcoin Zeroを最近立ち上げた後、HSBCでPrivate Banking部門のGlobal Head of Innovationを務めたビッグス氏をCEOに迎え入れた。

2013年からBitcoin(ビットコイン)に携わってきたビッグス氏は、TechCrunchに次のように語っている。「Bitcoinや他の暗号資産がこれほど注目されているのを見たことがありません。技術の分散化の時代が到来し、その可能性は機関投資家によってますます実現されています」。

Valourの創設者であるJohanWattenström(ヨハン・ワッテンストーム)氏は、「ダイアナ(・ビッグス)氏は次の成長と拡大の段階で会社をリードするための完璧な候補者です。伝統的な金融やフィンテックでの豊富な経験と、デジタル資産を主流にするという彼女のビジョンにより、私たちは彼女を仲間に入れてとても幸運だと感じています」と述べた。ワッテンストーム氏は2015年にデジタル資産ETPをNasdaq Nordicに上場している。

ビッグス氏はオックスフォード大学のサイード・ビジネス・スクールのアソシエイトフェローで、2018年から2020年までブロックチェーンストラテジープログラムのヘッドチューターを務めていた。また、世界経済フォーラムのDigital Leaders of Europeコミュニティのボードメンバーであり、Milken InstituteのYoung Leaders Circleのメンバーでもある。Valourに入社する前は、HSBCのPrivate Banking部門でGlobal Head of Innovationを務め、フィンテックパートナーシップとオープンイノベーションの推進を指揮していた。

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画像クレジット:Diana Biggs

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(文:Mike Butcher、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ビットコイン購入がテスラの環境重視の評判と収益に悪影響をおよぼす可能性

Tesla(テスラ)によるBitcoin(ビットコイン)へ15億ドル(約1570億円)分の購入は、Elon Musk(イーロン・マスク)氏にはいいだろうが、彼を世界一の大富豪に仕立て上げた会社には、間違いなく大きなリスクだと投資家、アナリスト、米最大手クラスの銀行の資産管理担当者たちは訴えている。

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一般消費者向け電気自動車(EV)業界と、その周囲に集結する広範な気候テック運動の旗手であるTeslaが、仮想通貨に社運を賭けるとなれば、環境重視の姿勢と、たとえ他の自動車メーカーがEV市場になだれ込んで来ている中でも保たれていた顧客からの評判に傷がつく恐れがある。

現在のBitcoinが環境に残した痕跡を考えるに、今回の取り引きは、クリーンなエネルギー源と商慣行へ世界を移行させることに強い関心を表明しているTeslaの顔と矛盾する。

マスク氏の計画について語る許可を取っていないことを理由に匿名で話を聞かせてくれたあるエネルギー系投資家によれば、ロシアや中国などの地域が電力網の脱酸素化に踏み出さない限り、Bitcoinのマイニングは(エネルギーの観点からは)ダーティーなビジネスのままだという。

「2018年にロシアで行われていたことです。マイニング事業のために彼らがどれほど石炭エネルギーを使っていたかが問題なのです」と同投資家は語る。「エネルギー強度の観点から見た取り引きあたりのコストは、高くなる一方です。そこから気候問題と仮想通貨がどんな結合体になっていくのか、私には読めません」。

今回の購入で、Teslaは世界最大のBitcoin保有企業となったが、これは同社が保有する190億ドル(約1兆9900億円)の現金と、手元の現金に相当するもののうち、大きな部分を占める。

「その資産の額を考えると、私個人の意見として無責任なように思われます」と、創設当初からTeslaを支援してきた投資会社の投資家は話す。今回のTeslaの行動は、現代の投資環境における米国の資本市場の愚かしい一面を露呈している。そしてこれは、最大の受益者たちからの内に秘めた皮肉ともとれる

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その一方で、Bitcoinの投資家たちはこの動きを歓迎している。これにより彼らが保有するBitcoinの価値は、その日のうちにおよそ18%も急騰した。

「Bitcoinを加えることで資産を多様化したというTeslaの発表は、特に驚きではなく、手元現金の8%の配分で安心できたというものでもありませんでした。2020年のTeslaの研究開発費と同額のこの投資は、同社にとって極めて大きなものであり、株主への配当を最大化するという決意の表れです」とStillmark(スティルマーク)の共同創設者Alyse Killeen(アリス・カイリーン)氏は書いている。「イーロン・マスク氏には、技術的に可能なものを、後に経営上ごく普通のものにする流れを作るという原則で、企業を運営してきた長い経歴があります。それがここにも当てはまり、Teslaは大手上場企業としては初めて、現金のリターンをBitcoinで最大化しようと考えたのだと思います」。

ウォール街の業界オブザーバーたちは、TeslaのBitcoinへの大きな賭けを批判している。

「TeslaがBTCを15億ドル分購入したことは興味深い。リスク回避をしていないようなので、将来、大量の現金を手にするか、帳簿に大穴を開けるかのどちらかだ。イーロン・マスク氏はいつだってワイルドだ」と、報道の取材に答える権限を持たないため匿名を希望したウォール街の大手銀行で資本計画を担当するある企業幹部はいう。「大手企業が非常に不安定な新興市場の通貨に現金を投資するのと変わらない」。

それでも短期的には、この取り引きは配当金をもたらした。Teslaが発表を行ったその日のうちに、Bitcoinの価格は8000ドル(約84万円)近くまで、18.73%も上昇している。

だが、今回の投資額は、同社の研究開発予算の総額に匹敵するとカイリーン氏は指摘する。大変な額だ。もう1つ疑問がある。規制当局が乗り出してマスク氏にお仕置きをしないか、ということだ。

マスク氏はこの数週間で、Bitcoinや、ドージコインなどのその他の謎めいた(つまり役に立たない)仮想通貨を支持するとツイートしていた。これは、米連邦証券取引委員会(SEC)との合意に違反するように思われる。

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この世界一の大富豪は、以前、そのツイート癖のために規制当局から罰金を科せられたことがあった。2018年、1株420ドル(約4400円)でTeslaを非上場企業にするとのツイートを詐欺だとしてSECに訴えられたのだ。

その後マスク氏はSECと和解し、Tesla取締役会の会長を辞任して、個人的に2000万ドル(約21億円)の罰金を支払った。

不安定な仮想通貨はTeslaの収益にインパクトを与えるだけではない。仮想通貨でクルマを購入しようとする消費者にも影響をおよぼす。

「Bitcoinは米国時間2月8日には15%も高騰して4万4000ドル(約460万円)という高値を更新した。このような誇大広告で価格が変動する通貨は、投資家にとっても消費者にとっても心配なものです。特に、これが交換媒体に使われるとなればなおさらです」と、GlobalData(グローバルデータ)のアナリストであり主題調査部門責任者のDanyaal Rashid(ダニアル・ラシッド)氏は書いている。

「もしイーロン・マスク氏が、そのアセットの価格をツイートや大量注文で自在に操れるとしたら、同じことが価格の引き下げにも使えることを意味します。クルマを購入するという行為は、投機的であってはなりません。不換通貨の代わりにBitcoinで買い物をしようという消費者は、思いどおりにほしいものが買えなくなる事態が多発するでしょう」。

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:金井哲夫)

テスラが約1578億円相当のビットコインを購入、将来的に仮想通貨での支払いも検討

米国時間2月8日、Tesla(テスラ)はSEC(米国証券取引委員会)に提出した報告で、人気の仮想通貨であるBitcoin(ビットコイン)を15億ドル(約1578億3000万円)分購入したことを明らかにした。さらに同社は、将来的にはビットコインを車両の支払い手段として受け入れる可能性もあると述べたが、その手段には規制上の不確実性があることも認めている。

ニュースが報じられるとビットコインの価格は即座に7%上昇し、4万ドル(約421万円)以上になった。

テスラは以前、この仮想通貨への関心を持っていることを示唆していたが、これほど大量の通貨を購入したことは注目に値する。

テスラは提出書類の中で、2021年初めに「十分な流動性を維持するために必要ではない現金のリターンをさらに多様化し、最大化するための柔軟性を提供するために投資方針を更新した」と述べ、「特定の代替準備資産」に「デジタル資産、金地金、金取引所の上場投資信託および将来の特定資産」に現金を投入するオプションがあるとつけ加えていた。

その方針の元、テスラは「総額15億ドルをビットコインに投資した」と述べ、さらに「デジタル資産を随時または長期的に取得し、保持する可能性がある」といっている。

これは、テスラが現金と仮想通貨市場でやりたいことを何でもできるようにする十分な余地となる。

しかしテスラはこれで終わりではなく、「近い将来、適用される法律に従いつつ最初は限定的に、ビットコインを商品の支払いの形式として受け入れ始めることを期待しており、受領時に精算するかどうかは決めていない」ともつけ加えている。

テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏はここ数日、 「Dogecoin」 というくだらない仮想通貨のジョークを披露して波紋を呼んでいる。一方、同社はビットコインを選んだ。将来、ビットコイン建ての取り引きを受け入れるかもしれないということは、ビットコインの価値と取引高の両方を維持するのに役立つかもしれない。マスク氏自身も過去に自身のソーシャルな存在感を利用してビットコインの価格を高めており、2021年2月初めに彼のプロフィールにたった1語を追加し、価格が下がる前に削除したことは注目に値する。

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テスラはその選択にはリスクがあると説明しているが、それは控えめな表現だ。マスク氏の今後の動向から目が離せない。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:TeslaBitcoin仮想通貨

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:塚本直樹 / Twitter

モバイル決算アプリVenmoは暗号資産、家計管理、貯蓄に進出、2021年中にHoneyを統合

モバイル決算アプリVenmo(ベンモ)の2021年は、これまでとはずいぶん違う展開になりそうだ。Venmoの親会社であるPayPal(ペイパル)は米国時間2月3日に行った第4四半期収支報告において、Venmoは家計、貯蓄、暗号資産へと範囲を広げ、ネオバンクの領域に少しずつ近づくと話した。さらに、40億ドル(約4210億円)でHoneyを買収し、商品価格の割引、特典、価格調査、ほしいものリストといった機能を含むその買い物ツールをVenmoアプリに統合する計画も発表した。

PayPalは、以前からVenmoに暗号資産を導入する意向を示していた。同社は2020年11月に暗号資産市場に参入し、特定暗号資産サービスプロバイダーPaxos Trust Company(パクソス・トラスト・カンパニー)と提携して米国内での暗号資産の購入、保有、売却を可能にした。当時PayPalは、同様の機能一式を2021年中にVenmoにも導入すると表明している。

そのタイムスケジュールは今も変わりがないことを、PayPalは今回の収支報告で投資家たちに対して明言した。

同社は、Venmoのユーザーは数カ月以内に暗号資産の購入、保有、売却をVenmoアプリ内で行えるようになると話している。これにはその他の「投資選択」も含まれるという(これは、ブロックチェーンで独自の暗号資産を展開したいと考える中央銀行にPayPalが協力していることを示すものだ)。

その他Venmoで新しくなるものを見ると、同アプリがますますネオバンクのライバルになっていくように感じられる。

たとえばPayPalは、2021年に金融業界のパートナーと共同で家計管理や貯蓄のためのツールや、PayPal内での請求書の支払いを可能にするオプションなどを導入すると話している。これらは、現代のモバイルバンキングアプリで一般的に見られるものだ。

Venmoに導入される貯蓄機能は、PayPalですでに利用可能なCash Plusアカウントと似たようなものとなり、米連邦保険公社と提携してパススルー保険が提供される。現在、Cash Plusアカウントにある資金にパススルー保険が適用されるのは、利用者がPayPalのデビッドカードであるCash Cardを所有し、Direct Deposit(口座振り込み)を行ってるか、Cash PlusアカウントでGoal(目標)を設定している場合のみだ。Venmoでも、同じ保険が適用されるように準備を整えている。

もう1つの進化は、Honeyの統合だ。PayPalは、ことあるごとにそれを公言してきたが、その統合のかたちに関する詳細がようやく明らかにされた。PayPalの計画によれば、2021年前半に、Honeyの機能がPayPalとVenmoの両プラットフォームに導入される。これには、Honeyのほしいものリスト、価格調査ツール、おまけ、クーポン、特典なども含まれる。

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この統合により、小売り業者はPayPalの両面マーケットプレイスを利用して、PayPalとVenmoの利用者の特定の顧客層を狙ってパーソナライズした商品の提示や割り引きができるようになる。言い換えれば、特定の商品の特典を探したり、価格を調べたりといった買い物の初期段階から消費者を囲い込もうという狙いだ。Honeyの買い物ツールによって、利用者を最適な取引に導いた上に、Venmoアプリで決済まで完了させることが可能になる。

パンデミックによる店舗の閉鎖や政府によるロックダウンのために実店舗や対面での販売が減少し、商取引がますますオンラインへと移行していく中、さらに、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保など基本的な安全対策が徹底されていない実店舗はもう怖くて行けないという人々が、オンラインショッピングのほうを好むようになってきたこの時期に、それらの新機能が登場することになる。

電子商取引と「非接触」決済が急速に増加したことも手伝って、PayPalにはこの第4四半期に140万件もの小売り業者が新たに加盟した現在、同プラットフォームには2900万件の業者が登録し、3億5000万人もの消費者に対応している。

その一方で、Venmoの総決済額は、前年比で60%増となる470億ドル(約5兆円)に達した。顧客ベースは32%増加し、最終的にアカウント数は7000万件弱にまでなった。同社は2021年の収益が9億ドル(約950億円)に達すると見込んでいる。

画像クレジット:Venmo

Venmoは、単なる決済アプリを超えて急速に成長を遂げている。この数カ月間で、同社は初めてのクレジットカードをローンチし、月末までには100%本格展開される。また、店舗でのQRコード決済、ビジネスプロフィール小切手の換金機能(景気刺激給付金小切手の支給に間に合った)もローンチされる。

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Venmoがアプリによる小切手の現金化サービスを開始、景気刺激策給付金は手数料無料に

Venmoは、少なくとも今の時点では、完全なネオバンクになろうとしているわけではない。むしろ、いわゆる「デジタルウォレット」と目指している。

「今日のデジタル世界では決済、金融サービス、買い物を視野に入れたデジタルウォレットの必要性が急激に加速しています」とPayPalのCEOであるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏は投資家たちに向けて述べた。「今年、私たちのデジタルウォレットは、これまでの進化にも増して大きく変化し、単一の、総合的で美しくデザインされたアプリの機能が劇的に増加します。これが、顧客エンゲージメントの大幅な増加を招くでしょう」と彼は話す。

Venmoの新機能が利用可能になれば、アプリの利用数や決済額は増大するとPayPalは期待している。

「今後、エンゲージメントは歴史的な比率で上向きになると思われます。それはすべて、単なる決済アプリから大きく飛躍したデジタルウォレット・アプリの卓越機能によるものです」とシュルマン氏は語った。

カテゴリー:フィンテック
タグ:VenmoPayPal暗号資産電子ウォレット

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(文:Sarah Perez、翻訳:金井哲夫)

インド政府がビットコインなどの民間発行仮想通貨を禁止する法律を提出へ

インドはBitcoin(ビットコイン)といった民間の仮想通貨を国内で禁止し、公的なデジタル通貨を創設する枠組みを提供する法律を、今国会の予算会期中に導入する予定だ。

下院のウェブサイトで公開されたアジェンダでは、同法は「インドにおけるすべての民間仮想通貨を禁止する」ことを目指しているが、「仮想通貨の基礎となる技術(ブロックチェーン)とその利用を促進するための一定の例外を認める」 としている。

また同法案はインドの中央銀行であるReserve Bank of India(RBI、インド準備銀行)が発行する「公式デジタル通貨の作成を促進する枠組みを作る」ことも求めると、アジェンダに記載されている。

2018年、インド政府の委員会はすべての民間の仮想通貨を禁止するよう勧告し、違反者には最長10年の懲役刑を求刑した。また同委員会は、政府が電子版の法定通貨とその導入方法を検討するように提案した。

当時RBIは、この動きは国の金融システムの「リングフェンシング」を抑制するために必要だと述べていた。またビットコインやその他の仮想通貨は金属でできておらず、物理的なかたちで存在しているわけでもなく、政府によってスタンプが押されているわけでもないため、通貨として扱うことはできないと主張していた。中央銀行による2018年の通知は、仮想通貨を取引するサービスを提供するいくつかの国内スタートアップや企業にパニックを起こした。それらの企業のほとんどは廃業したり、他の市場にサービスを提供するために転業したりしている。

この提案に対して、複数の取引所やトレーダーが最高裁判所に提訴した。最高裁判所は2020年、彼らに有利な判決を下した。この判決は「歴史的」だと評価されたが、政策レベルでは、初期の通達に影響を与えなかった。

「政府は今議会中に法案の導入を検討しており、決定を下す前にすべての利害関係者の意見に耳を傾けると確信しています」と、インドの仮想通貨取引所であるCoinDCXの共同設立者兼最高経営責任者Sumit Gupta(スミット・グプタ)氏は述べている。

「我々は他の利害関係者と話し合っており、政府とのより深い対話を開始し、どうすれば私たちが団結して健全なエコシステムを作ることができるかをアピールしていくでしょう」。

関連記事:インド最高裁が中央銀行による暗号通貨取引の禁止命令を覆す判決

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:仮想通貨インドBitcoin

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(文:Manish Singh、翻訳:塚本直樹 / Twitter

暗号資産取引所Coinbaseが直接上場

Coinbase(コインベース)は米国時間1月28日のブログで、直接上場により株式公開を計画していると発表した。

この仮想通貨取引所は2012年に設立され、ユーザーはBitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)のような分散型トークンの売買ができる。同社は非公開企業として5億4000万ドル(約564億3000万円)以上の資金を調達している。

2020年12月、Coinbaseは内密にS-1をSECに提出していたと発表した。

一般的にはまだその財務状況を確認されていないが、IPOプロセスからオプトアウトしたことがわかっている。最近、直接上場は人気となっており、しばらくのテック系IPO上場初日の暴騰ぶりを考えると、Coinbaseのような企業が公開市場への道を選ぶのは驚くに値しない。

この道を選んだのはCoinbaseだけではない。Robloxは2020年後半のIPO市場を観察した後、自社のIPOを延期し、代わりに直接上場を選択した。

直接上場により、企業は新しい株式のブロックを価格設定して売却する必要がなくなるため、従来のIPOの要素をスキップできる。その代わりに企業は、単にその株式を公開するだけで取引に利用できるようになる。もちろんすべての企業が、自分たちが魅力的であると証明するのに十分な知名度があるわけではないため、直接上場企業は新しい一次資本を調達する能力を失う。有名で裕福な企業なら、直接上場が最も魅力的だと感じるかもしれない。

ここ数カ月、テクノロジー企業のIPOには非常に好意的で、投資家たちはいわゆる「デジタルトランスフォーメーション」を支援できるテクノロジー企業を支援しようと躍起になっている。仮想通貨市場が一般公開市場と同じ水準になれば、Coinbaseは取引を開始したときにかなり有利な立場に立つ可能性がある。

消費者の仮想通貨への関心、取引量、Bitcoinの価格には、一般的な相関関係がある。Coinbaseはユーザーの取引から収入を得ているため、最近のBitcoin価格の上昇が同社の業績に貢献したと推測するのも無理がない。

Coinbaseの発表は、ソフトウェア会社のQualtricsが米国時間1月28日に株式を公開したのと合わせて実施された。同社の株価は同日の取引だけで50%近く上昇した。この仮想通貨会社がS-1の公開申請を提出した際には、さらに詳細が発表されることになる。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:CoinbaseIPO仮想通貨

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(文:Lucas Matney、Alex Wilhelm、翻訳:塚本直樹 / Twitter