フォルクスワーゲンが全電動ID.3ハッチバックを6月に販売開始

Volkswagen(フォルクスワーゲン)は、全電動ハッチバックID.3の正式版を2020年6月から一般顧客向けに販売する計画だ。まずは予約分から正式注文を受け付ける。

画像クレジット:Volkswagen

ID.3 1stと呼ばれる初代の正式版を予約した顧客は、6月17日以降に車の注文ができるようになる。フォルクスワーゲンの取締役であるJürgen Stackmann(ユルゲン・スタックマン)氏がツイッターで明らかにした。フォルクスワーゲンは、最初のエディションに対して、3万7000台を超える予約を受け付けていた。ただし実際の台数は3万に制限されるはずだ。スタックマン氏によると、右ハンドル車の注文は7月に開始されるという。

同社は2020年4月に新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのために中止されていたドイツのツヴィッカウ工場でのID.3の生産を再開すると発表していた。今回の発表はそれに続くものだ。ID.3 1stの生産は4月23日に再開されたものの、当初は生産能力が低下し、サイクルタイムも長くなっていた。

ID.3は、同社の新しい全電動車であるIDブランドにおける最初のモデルであり、2025年までに毎年100万台の電気自動車を販売するという野心的な計画の開始を飾るものとなる。ID.3自体はヨーロッパでのみの販売となるが、IDブランドのその他のモデルは北米でも販売される。

このID.3ハッチバックは4ドアの5人乗りで、VWゴルフと全長が同じだ。ただしID.3の方がオーバーハングが短いため、ホイールベースはゴルフより大きく、室内空間は広くなっている。同車のスペシャルエディションの価格はドイツで4万ユーロ(約460万円)以下になると、同社は以前に明らかにしていた。

フォルクスワーゲンは、まずこのID.3のスペシャルエディションの注文分から納車を開始する予定だ。顧客は、1000ユーロ(約11万5000円)の手付金を支払って、スペシャルエディションを予約注文していた。同車によると、ID.3 1stには初年度で最大2000kWhまでの無料充電が付属するという。これは同車の充電アプリであるWeChargeに接続され、全ヨーロッパをカバーする急速充電ネットワーク、IONITYを利用可能なすべての公共充電スタンドで有効となる。

フォルクスワーゲンはID.3に3種類のグレード、Pure、Pro、Pro Sを用意する計画としている。

ID.3 Pureは、45kWhのバッテリーパックを装備したエントリーレベルのモデルで、WLTP規格では概算で260マイル(約418km)の連続走行が可能。このモデルは、ドイツ市場では3万ユーロ(約346万円)以下の価格となり、18インチのスチールホイール、自動照明コントロール付きのLEDヘッドライト、LEDテールライトクラスターを標準装備する。

ID.3 ProはPureよりもバッテリーが大きく、その分走行距離が長い。またよりパワフルで、充電時間も短い。ドイツでは3万5000ユーロ(約403万円)以下から始まる価格帯となる。最上位モデルのPro Sは、19インチのAndoyaアロイホイールや「Play&Pause」デザインのペダルなど、スポーティな装備を身にまとっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

世界的なセレブ投資家ジョージ・ソロス氏がEV車群の充電管理スタートアップに投資

全地球規模のパンデミックに対応してシャットダウンが国際的に広がり、エネルギー需要の崩壊で石油企業ですら苦難を経験している。そんな中で、世界でもっとも賢い金融企業を代表する投資家たちは、運輸交通の未来を担う充電に、小さな賭けをしようとしている。

高名な投資家ジョージ・ソロス(George Soros)氏の投資企業Soros Fund Managementが、Siemensとそのほかの多くの投資家たちとともに、ロサンゼルスの充電スタートアップAmply Powerに、1320万ドルという小額の投資を行なった。

Amplyの創業者で会長でCEOのVic Shao氏は、こう言う: 「まだ発展途上のわれわれの業界にソロス氏が入ってくるなんて、100万年に1度も考えたことがないよ」。

そして化石燃料のエネルギー価格が崩壊しても、Shao氏によると、Amplyの価値命題には依然として道理がある。

Shao氏は曰く、「エネルギーだけの単価なら、電気は化石燃料の半分だ。経済が回復すれば、ソーラーや風力もどんどん安くなるだろう。石油の掘削技術の最低費用は1バレルあたり今20ドルだが、そのあとの処理や蒸留にも金がかかる」。

Shao氏は、Green Chargeの元CEOで、そこはエネルギーの分散保存をする企業だが、世界最大の国際的エネルギーサプライヤーENGIEに買収された。

Amplyには競合他社が多く、電気自動車の車群に対する充電管理の市場はトップ争いも激しい。ElectriphiやEVConnnect、GreenLots、GreenFluxなどの企業が、同様のサービスでしのぎを削っている。

今回の資金の使途は、チームと顧客展開の拡大で市場競争に勝つことだ。現在Amplyが充電操作を管理している顧客は、East Contra Costa郡のTri Delta Transitと、ニューヨーク市のLogan Busの電気スクールバスの車隊デモンストレーションなどだ。

同社によると、Amplyは中国の電気バスメーカーBYDや、Hawaiian Electric Companyの子会社Pacific Currentなどの良きパートナーだそうだ。

Amplyは顧客企業に提供する充電インフラストラクチャのオーナーであり、車の台数等によらない固定料金を顧客に課金する。「車隊管理のためのハードやソフトを売るベンダーが多いけど、それらは結局顧客のリスクになる。それらのツールの実装と使用を自分でやるか、ベンダーがやるか、という話になってしまう」、とShao氏は言っている。

Shao氏によると、同社は、都市の基幹的なインフラである公共交通機関の顧客が多く、政府のファンドも使えるので、不景気でも経営は比較的安定している。

「売上がサブスクリプションベースで安定していることは、本当にありがたい。公共交通機関の利用者は減っているし、ルートも少なくなっているが、乗合バスや校区のバスはなくならない。顧客がやや減っているのは、民間企業の方だけだ」、とShao氏は言っている。

SiemensとSoros氏が加わった新たな資金調達には、この前のシードラウンドの投資家Congruent VenturesPeopleFund、そしてObvious Venturesも参加した。

画像クレジット: GM

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

フォードはRivianとの協業によるリンカーンの電動車開発をキャンセル

Ford(フォード)の高級ブランドであるLincoln(リンカーン)は、Rivianのスケートボード型プラットフォームをベースにしたまったく新しい電気自動車の開発計画をキャンセルした。

画像クレジット:Lincoln

Crain’s Detroit Businessによると、米国時間4月28日に各ディーラーに通知されたという。

Rivianとフォードは、TechCrunchに宛てた声明で、これは現在の状況を鑑みた両社合意による決定であると述べている。つまり、新型コロナウイルスのパンデミックが主な原因であることを暗に示している。また両社は将来、共同で車を開発する計画だとしている。

「現在の状況を考慮し、リンカーンとRivianは、Rivianのスケートボード型プラットフォームをベースにした全電動車の開発にこれ以上踏み込まないことを決定しました」と、リンカーンの広報担当者はその声明で述べている。「リンカーンとRivian両社の電動化に関する戦略的なコミットメントは変更されていません。リンカーンの今後の計画には、Quiet FlightのDNAを受け継いだ全電動車も含まれることになるでしょう」。

この決定は、フォードがRivianに5億ドル(約532億8000万円)を出資した1年後になされたもの。Rivianはミシガン州を拠点とするEVのスタートアップで、全電動ピックアップトラックとSUVを開発している。当時フォードは、Rivianと共同で電気自動車を共同開発する計画も発表していた。

2020年の初めまでは車がどのようなものになるのか、またどのブランドのものになるのか、といったことも明らかにされていなかった。フォードは1月に、リンカーンとRivianが共同開発している全電動車が、SUVになるであろうことを発表した。このバッテリーで動作するリンカーンの電気自動車は、Rivianのフレキシブルなスケートボード型プラットフォームをベースに開発されることになると、その際に同社は明らかにした。

フォードはTechCrunchに「開発サイクルを進めていく中で、現在の状況を考えると、リンカーン独自の完全な電気自動車を開発する取り組みに集中するほうがよいと判断するに至りました」と語った。

フォードは、Rivianとは依然として強固なパートナーシップを保っていると付け加えた。

「当社の戦略的コミットメントは変更されておらず、Rivianのスケートボード型プラットフォームを利用した別の車の開発に、引き続きRivianと協力しながら取り組んでいます」と、フォードは述べたが、その車がどのようなものになるかについては言及していない。

リンカーンは、これまでに2車種のプラグインハイブリッド車を生産している。2019年11月のロサンゼルスモーターショーで発表したAviatorとCorsair Grand Touringだ。同社はまだ全電動車を製造したことはない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラ車は最新のソフトウェアで赤信号や一時停止の標識を認識して止まる

適合する装備が施されたテスラ車は、ソフトウェアアップデートによって、信号機と一時停止の標識を認識して対応できるようになった。このアップデートは、先週末からオーナーに向けた配信が開始されている。

画像クレジット:Tesla

最初のうち、今回のソフトウェアアップデートは、ごく一部のテスラのオーナーにしか行き渡っていなかった。その際にも、それを手に入れた人が、新機能のビデオを投稿していた。現在では、テスラはソフトウェアのアップデート(2020.12.6)を、より多くのオーナーに向けて配信している。

この機能は、現在市場に出回っているすべてのテスラ車で利用できるわけではない。車両には最新の「Hardware 3」パッケージと、同社が「完全自動運転」と称して販売している「オートパイロット」オプションをフル装備している必要がある。

「Traffic Light」と「Stop Sign Control」と呼ばれる機能により、車は信号機と一時停止の標識を認識して対応できるようになる。

誤解のないようにいっておくと、テスラの車は完全な自動運転車ではないので、これらの機能には限界がある。この機能は、適合した装備のテスラ車で「交通認識クルーズコントロール」あるいは「Autosteer」を有効にしている場合、車を減速して停止させるものだ。ソフトウェアのリリースノートによると緑、黄色の点滅、すべて消灯している場合を含み、信号機を検出するととりあえず減速するという。

車が交差点に近づくと、減速するつもりであることが通知される。その後、車は実際に減速し始め、中央のタッチスクリーンのドライブモニターに表示されている赤い線に合わせて停止する。

DragTimesは、この機能のベータ版をテストした、以下のようなビデオを共有している。

オーナーはオートパイロットのノブをいったん引くか、自らアクセルペダルを踏んで、停止線を通過する必要がある。テスラによればこの機能は当初、安全を重視したものとして設計してあるという。オーナーは、車がしょちゅう減速したり、交差点で曲がって行こうとしない場面に遭遇することになる。「そのうち多くの車の動きから学習して、この機能もより自然に動作するものとなるでしょう」と、リリースノートには書かれている。

またリリースノートは「他のオートパイロットの機能と同様、ドライバーは常に注意を怠らずブレーキなど、すぐに緊急の行動が取れるよう準備している必要があります。この機能では、あらゆる信号機や標識を認識して止まるとは限りません」と警告している。

今回のソフトウェアのアップデートによって、車内のタッチスクリーンの表示も改善されている。ストップライト、一時停止標識、あらかじめ選択した道路上のマーキングなどといったオブジェクトもディスプレイに表示されるようになった。一時停止の標識やストップライトの表示は、注意深いドライバーの代わりになるものではなく、それによって車を止めることはない、とテスラはリリースノートで述べている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラのライバルPolestarが2020夏発売する初EVの米国価格は約640万円

Volvo(ボルボ)のスピンアウト電気自動車ブランドPolestar(ポールスター)は、同社初の電気自動車(EV)の米国でのベース価格が当初考えていたよりも低い5万9900ドル(約640万円)になると明らかにした。

高パフォーマンスの電動ファーストバック車Polestar 2は、3年前に再スタートを切った同ブランドから最初に発表されたEVだ。かつてVolvo Carsの高パフォーマンスブランドだったPolestarは2017年にパフォーマンスEVブランドとして立ち位置を変えた。目的は、エキサイティングで楽しい運転となる電気自動車を作ることだ。このニッチな分野はTeslaが最初に切り開いて以来、同社が独占している。

Polestarの車は低めの価格や税制上の優遇措置、顧客がオンラインで購入できることなどから、米国マーケットへの参入を成功させる上で有利な立場にある、とPolestar USAの責任者Gregor Hembrough(グレゴール・ヘンブロー)氏は述べている。カリフォルニアやニューヨークなどを含むいくつかの重要なマーケットでも、米国での販売価格はインセンティグが適用される額を下回っている。

PolestarはPolestar 2についてここ数カ月間、情報を小出しにしてきた。そのうちの1つが欧州での価格で5万8800ユーロ(約680万円)〜となる。同社は4月23日に、顧客に提供するさまざまなオプションの価格も明らかにしており、パフォーマンスパックが5000ドル(約54万円)、ナパ革インテリアへのアップグレードが4000ドル(約43万円)、20インチのアロイホイールが1200ドル(約13万円)だ。

Polestar 2はTesla(テスラ)のModel 3の競合相手になると見込まれる。この2つの車両の価格は7500ドル(約80万円)の税額控除を受けられる米国のインセンティブが考慮されなければ同様ではない。Polestar 2はインセンティブの対象だ。一方、Teslaは既に20万台販売済みのためこれ以上連邦税のインセンティブを受けることはできない。

インセンティブなしでみるとPolestar 2のベース価格は、Model 3パフォーマンスバージョンの5万6990ドル(約610万円)〜を上回る。

Polestarは2020年夏にも発売を開始する見込みだが、それまではどのようにModel 3に対抗するのかわからない。

Polestarは、ファーストバック車のテックと高パフォーマンスのスペックで消費者を引きつける狙いだ。最大出力408馬力、最大トルク487ポンドフィートそして欧州WLTP基準で航続距離292マイル(約470km)を生み出す78kWhのバッテリーを搭載する。EPA基準での航続距離はまだ発表していない。

Polestar 2のインテリア。 Google(グーグル)のAndroid  Automotiveオペレーティングシステムを搭載する。

Polestar 2のインフォテイメントシステムはAndroid OSで作動し、その結果、GoogleアシスタントやGoogleマップ、GoogleプレイストアなどのGoogleサービスが搭載されている。Android Autoと勘違いしないで欲しい。こちらはOS上で提供されるインターフェースで、Android OSはLinuxで動くオープンソースのモバイルオペレーティングシステムを模倣したものとなる。しかしスマホやタブレットを動かす代わりに、Googleは車で使用できるように手を加えている。

Volvo Car Groupと中国のZhejiang Geely Holding(浙江吉利控股集団)が共同所有するPolestarは、新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止命令が解除されたら、Polestar Spaceというショールームをオープンさせる計画だ。最初のショールームは米国西海岸とニューヨークで2020年夏にお目見えする、と同社は話している。Polestar 2は50州で購入またはリースできるようになる見込みだ。

画像クレジット:Screenshot/Polestar

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(翻訳:Mizoguchi

中国のEVスタートアップ「Byton」が米国本社社員450名の半数を一時帰休に

中国拠点の電気自動車スタートアップ、Byton(バイトン)は、カリフォルニア州サンタクララにある北米本社の従業員450名の約半数を一時帰休させたことを発表し、同社の電気自動車、M-Byteの発売時期は不確定要素が高まってきた。

BytonはTechCrunchに、一時帰休はCOVID-19(新型コロナウイルス)パンデミックが理由だと語った。休ませた社員は将来呼び寄せる意向だと同社は言っているが時期は明らかにしていない。

「パンデミックが世界経済と自動車産業に与えている影響を踏まえ、当社は他の一部企業と同じく、直面する課題に対して行動を起こす必要があった」とByton広報担当者がTechCrunch宛のメールに書いた。「この一時帰休はBytonの米国事業全域が対象であり、中国の社員は一時帰休させていない」

Electrek(エレクトレック)が最初にこのニュースを伝えた

この一時帰休は同社が電動SUV、M-Byteを今年中に量産するための準備をしている最中に起きた。新型車はおそらく48インチの巨大デジタルダッシュボードで一番よく知られており、中国の南京(ナンキン)工場で製造される予定だ。M-Byteは中国、米国、および欧州で販売される。

Bytonは以前、中国では2020年後半に販売を開始し、続けて米国で販売すると言っていた。欧州への上陸は2021年前半の予定だった。しかし、新型コロナ・パンデミックとそれに伴う一時帰休によって、Bytonの予定は変わるかもしれない。

Bytonは、現在新型コロナがM-Byteの生産に与えた影響を評価しているところだと、TechCrunchに伝えた。同社の中国工場は2月中旬に再開し、現在はほぼフル稼働している、と同社は言っている。

Bytonは8億2000万ドルの資金を調達済みで、同社の創業チーム、FAW Group、Nanjing Qiningfeng New Energy Indstry Investment Fund、およびCATL(寧徳時代新能源科技)が出資した。

BytonはシリーズC調達ラウンドの準備をこの数ヶ月間続けている。同社はTechCrunchに、現在ラウンド準備の「最終段階」にあり、FAW Group、南京市政産業投資ファンド、韓国のMyoung Shin Co、MS Autotech、および日本の丸紅株式会社らが参加する予定だと語った。.

画像クレジット:Byton

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボルボは完全電気自動車Polestar 2を中国で生産開始

Polestar(ポールスター)は、COVID-19のパンデミックで自動車産業が大打撃を受け、世界中に自動車工場の閉鎖の波が広がる中、完全電気自動車Polestar 2の生産を中国の工場で開始した。

Polestar 2の生産開始は、Volvo Group(ボルボ・グループ)傘下の独立した高性能電気自動車ブランドであるPolestarにとって重要な一歩となる。それは、世界が新型コロナウイルスが引き起こす感染症COVID-19による大騒動の真っ只中に開始したというだけの理由ではない。ちょうど3年前、新たな使命を帯びて再出発したボルボの名前で売り出される初の完全電気自動車だからだ。

かつてPolestarは、Volvo Cars(ボルボ・カーズ)の高性能車のブランドだった。2017年に同社は、エキサイティングで運転が楽しい電気自動車の製造を目指すブランドとして再編成された。そこはTesla(テスラ)が最初に製品を投入して以来、独占状態が続いているニッチな市場だ。Polestarは、Volvo Carsと中国の浙江吉利控股集団が共同で保有する企業だ。2010年に、Volvoはこの吉利に買収されている。

COVID-19は、Polestarとその親会社の事業に影響を及ぼした。世界で最初にこの感染症が猛威を振るった中国で工場閉鎖が始まった。現在、COVID-19の流行の中心が欧州と北米に移り、中国の工場は再開されている。だが欧州と北米の自動車メーカーは、ほとんどが生産を見合わせている。

PolestarのCEO、Thomas Ingenlath(トーマス・インゲンラス)氏は、従業員の健康と安全にしっかりと配慮した上で、この厳しい状況の中で生産を開始したと話している。また、中国の路橋区の工場は、同社がいかにしてその親会社の専門性を活用しているかを表す好例だと言う。

集団感染に対処すべく、頻繁な職場の消毒や従業員のマスク着用と定期的な体温測定の義務付けといった特別な感染予防対策が施されているという。こうした取り組みの結果、中国人従業員にはCOVID-19の検査で陽性になった者はいないとPolestarは話している。

COVID-19は、Polestarのスケジュールにも影響を及ぼした。同社はオンラインでのみ車の販売を行い、車両のサブスクリプションも提供することに決めた。以前は客が車に触れ、予約すれば試乗もできる「ポールスター・スペース」というショールームの開設予定を公表していた。これは、既存のVolvo販売店の中に併設されるのではなく、独立したショールームだ。Polestarでは2020年までにオスロ、ロサンゼルス、上海など60カ所にオープンすることにしていた。

そのショールームのオープン予定が、COVID-19によって延期させられてしまった。しかし状況が改善すれば、直ちに仮設の販売店を開設し、現在まだ建設中の恒久的なショールームができるまでの間、人々に実車を見て知ってもらおうと同社は計画しているとのことだ。

Polestar 2が何台生産されるかは、明らかになっていない。PolestarがTechCrunchに話したところによると、年間「数万台」が計画されているという。その数はPolestar 2の需要と、同じ工場で生産される他のモデルとの兼ね合いでも変わってくる。

画像クレジット:Screenshot/Polestar

またPolestarは、出荷を開始するまで正確な予約台数は公表しない。出荷はヨーロッパでは今夏、中国と北米がそれに続くことになっている。予約台数は5桁だと、同社はTechCrunchに明言した。

Polestar 2が初お目見えしたのは2019年2月。テスラのModel 3に対抗する車という位置づけだった(初代のPolestar 1はプラグインハイブリッドで、モーターを2基、34kWhのバッテリーパックを3基、ターボとスーパーチャージャーを備えた直列4気筒のガソリンエンジンを搭載していた)。

だが、2020年から2021年にかけてVolkswagen(フォルクスワーゲン)、GM、Ford(フォード)それにLucid Motorsなどのスタートアップ、さらにオフロードに特化したRivianといった他メーカーから販売される新型電気自動車とも競合することになりそうだ。

出力408馬力、トルク487ft·lb(約660Nm)、78kWhのバッテリーパック1基を搭載し、航続距離は欧州のWLTPモードで292mi(約470km)というこのファストバックスタイルの車の技術と性能が人々を魅了するものと、ポールスターは期待している。

Polestar 2の情報システムは、Android OSで管理されるため、結果としてGoogleアシスタント、Googleマップ、Google Play StoreといったGoogleのサービスが車内で利用できるようになる。Android Autoと混乱することはない。Android AutoはOSの上層に位置する二次的なインターフェイスだからだ。Android OSは、Linux上で走るオープンソースのモバイル用オペレーティングシステムを元に作られているが、スマートフォンやタブレットではなく、自動車の中で使うように作り変えられている

画像クレジット:Screenshot/Polestar

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

電気自動車メーカーのRivanが新型コロナで全施設を閉鎖

Amazon(アマゾン)やFord(フォード)が支援する話題の自動車スタートアップRivian(リビアン)は新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を受け、全施設を閉鎖する。

Rivanはミシガン州プリマスの本部やイリノイ州ノーマルの工場、そしてエンジニアが自動運転技術に取り組んでいるカリフォルニア州サンノゼとアーバインの拠点など、いくつかのロケーションで2000人超を雇用している。そして英国にもオフィスを構える。

同社は20日、給与雇用並びに時間給雇用の従業員は閉鎖の間も引き続き賃金は支払われると話した。大半の施設の出社率はこの1週間、2〜5%だったという。施設閉鎖の期間は現時点では未定、と広報担当は語った。

Rivanは2018年11月にLAオートショーで全電動のR1TピックアップとR1S SUVを発表するまで、ほとんどの時間鳴りを潜めてきた。しかしこのショー以降、同社は消費者の予約に加え、投資家、そしてフォードやAmazonといった企業顧客を集めてきた。

昨年12月に同社は4回目のラウンドとなる資金調達で新たに13億ドル(約1440万円)を獲得したと発表した。その前には、Amazonがリードする7億ドル(約780億円)、電気自動車テクノロジーのコラボレーション込みでのフォードからの5億ドル(約550億円)、Cox Automotiveからの3億500万ドル(約340億円)があった。

フォード傘下のラグジュアリーなブランドLincolnは「まったく新しい」電気自動車の開発でRivianと協業している。AmazonはRivianに電気自動車の配達バン10万台を発注し、2021年から納車される見込みとなっている。

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、自動車メーカーは状況がひどくなっている欧州や米国でのオペレーションを一時的に停止することを余儀なくされている。一方で、この感染が最初に始まった中国では、工場を再開し始めている。

今回の感染拡大に対する自動車メーカーの対応はさまざまだ。一部の企業は他社よりも早く操業を停止した。米国ではホンダが先頭を切って工場を閉鎖した。そしてフォードやGM、FCAのビッグ3は全米自動車労働組合(UAW)とタスクフォースを結成してその後に続いた。これらの自動車メーカーはタスクフォースの勧めに従って工場で新たな安全のための取り組みの導入を始めたが、UAWは工場を閉鎖するようプレッシャーをかけ続けた。何人かの従業員が新型コロナウイルスの検査で陽性となったのも工場停止への流れを加速させた。そして日産とフォルクスワーゲンも米国での操業を停止した。

Tesla(テスラ)はかなり粘っていた。3月19日にカリフォルニア州フリーモントにある工場を3月23日から閉鎖すると発表した。生産を停止するという判断は、アラメダ郡の当局が必要不可欠でない事業の停止を命令した数日ごのことだ。当局が、テスラの事業は必要不可欠ではない、と公に述べた後ですらテスラは操業し続けた。

同社はニューヨーク工場の操業も一時停止した。電動モーターやバッテリーを生産するネバダ州リノ近くのギガファクトリーはフルに稼働している。

テスラは3月18日に従業員に送った電子メールで「操業に関して政府の異なるソースからのガイダンスと相違があるため」操業を続けていると述べた。HR部門は電子メールで従業員に対し、もし職務が生産やサービス、納車、テストであるなら出社するよう呼び掛けた。

しかし3月19日までに、郡当局との面会の後に、同社は生産を停止すると発表した。テスラの充電インフラをサポートするオペレーションの一部や「車両とエネルギーサービスのオペレーション」なるものは工場で続く見込みだ。そこでは通常と同じく1万人以上が働く。

画像クレジット: Rivian

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(翻訳:Mizoguchi

キャデラックが新型コロナ感染拡大で初EVの発表を中止

Cadillac(キャデラック)は新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、ブランド初の電気自動車(EV)となる中型SUV「Lyriq」の発表を中止した。

GMのラグジュアリーブランドであるキャデラックは、4月2日にロサンゼルスで開催するイベントでLyriqを披露する予定だった。

過去に流行を引き起こしたSARSやMERSウイルスの仲間で、コロナウイルスの一種である新しいウイルスが原因の病気COVID-19をめぐっては、政府や企業が世界中でテックやビジネス、自動車関連のイベントの中止を余儀なくされている。ジュネーブ国際モーターショーやバルセロナのMWC、テキサス州オースティンのSXSWフェスティバルなどが中止となった。

「十分に注意を払うために」イベントは中止される、とキャデラックは声明文で述べている。

声明文は以下の通りだ。

ご存知のとおり、米国でのCOVID-19(新型コロナウイルス)をめぐる状況は悪化し続けている。いくつかの州は緊急事態宣言を出し、感染者の数は増え続けている。

十分に注意を払うために、4月2日のカリフォルニア州ロサンゼルスでのキャデラックLYRIQ披露を中止するという難しい判断を下した。我々は現在、今後の計画について検討中で近くアップデートする。最優先事項はメディアの招待客や従業員の安全だ。GMのメディカルセキュリティと連携を取りながら状況を注視しており、米疾病予防管理センターや世界保健機関(WHO)の勧告に従っている。

Lyriqは、GMが今後2年以内のマーケット投入を計画しているEVの1つだ。GMは新しい電動アーキテクチャを使って製造・販売するEVの包括的な計画を3月4日に発表している。新アーキテクチャは Buick(ビュイック)、Cadillac、Chevrolet(シボレー)、GMCを含む同社の全ブランドのあらゆるプロダクトに使用される。一連のEVには、コンパクトカーから産業用トラック、大型のプレミアムなSUV、高スペックな車両まで含まれる見込みだ。

この「Ultium」と呼ばれるモジュール式のアーキテクチャは19種のバッテリーとドライブユニット構成、容量50kWh〜200kWhの400Vと800Vの電池パック、フロント・リア・全輪ドライブ構成に対応する。

1月に発表された電動自動運転車でシェアリング用のCruise Originは、今後発表される新しいEV戦略における初の製品だった。その次にキャデラックのLyriqが公開され、5月20日にGMCのHummer EVが続く予定だった。現在のところHummerのイベントは中止になっていない。

画像クレジット: GM

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(翻訳:Mizoguchi

フォードが完全電動のトランジット貨物バンを米国市場向けに開発中

Ford(フォード)は、人気の高いFord Transit(フォード・トランジット)貨物バンの全電動バージョンを開発し、2022年度から北米市場向けに販売すると発表した。同社の電動化に対する決意を示す動きの1つと考えられる。

画像クレジット:Ford

この全電動トランジットは米国内で製造される。フォードは、2022年までに電動化に対して115億ドル(約1兆1800億円)以上を投資することにしている。同社のEV計画には、他にも2019年4月に発表した欧州市場向けの全電動トランジットであるMustang Mach-E SUV(マスタング・マッハ-E SUV)、さらには電動のF-150トラックが含まれる。

商用バンをEV戦略の中に含めるというフォードの決定は、米国内での販売状況と将来の成長に関する見通しとリンクしたもの。2015年以降、同社の米国内のトラックおよびバンのフリート販売は、33%増加している。フォードは、eコマースと「最後の1マイル」の配送の増加によって、米国でのバン販売は継続的に成長するものと予想している。

またフォードは、電気自動車は、2025年の米市場で、この分野の8%を占めるまでに成長すると予測している。「商用車は、私たちの電動化に対する大きな賭けの、重要な要素です」とフォードの最高執行責任者であるJim Farley(ジム・ファーリー)氏は声明で述べている。「この分野のリーダーとして、私たちは企業の業績向上につながるソリューションを構築する計画を加速しています。まずは全電動のトランジットとF-150から始めます。このフォード・トランジットについては、単に電動の駆動系を製作するだけでなく、フリート全体を推進するデジタル製品の設計、開発することも目的としています」と続ける。

フォードは、車内インターネット接続やドライバーアシスタンスなど、IT機能にも焦点を当てるつもりだ。「世界は電動化された製品に向かっており、フリートの顧客も、まさにそれを求めています」と、ファーリー氏は言う。「フリートの車両は、コネクテッドモバイルビジネスとして運営されています。したがって、テクノロジーに対するニーズも、一般の顧客向けのものとは異なることを、私たちも理解しています。そこでフォードは、コネクティビティの関連性について深く考慮しています。私たちの車内高速電子アーキテクチャをクラウドベースのデータサービスと結び付けることで、単に電動の駆動系を備えた車ではなく、スマートビークルと呼べるものを、そうしたビジネスに供給するのです」と語る。

フォードによると、そうした「スマート」機能を組み込むことで、顧客はフリートの効率を最適化し、無駄を削減し、ドライバーの行動を改善することができるという。フリートは、内蔵のFordPass Connectモデムを利用して、4G、LTE、Wi-Fiに対応したホットスポットに接続し、フォードのテレマティクスシステムによって収集されたデータにアクセスできるようになる。このホットスポットは、最大10台のデバイスに接続できるという。フリートのマネージャーは、フォードのデータツールによって、ライブマップ上でのGPSによる追跡、ジオフェンシング、車両診断など、車両とドライバーの状態をひと目で確認可能なパフォーマンスインジケーターを利用できるようになると、フォードは説明している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GMが電気自動車戦略のコアとなるモジュラー式アーキテクチャー「Ultium」を公開

GMは米国時間3月4日、新しい電気自動車用アーキテクチャーを公開した。これは、GMの将来のEV計画の基盤となるもので、コンパクトカーから業務用トラック、大型の高級SUV、高性能車、さらにこの夏に発売が予定されている新型Bolt EUV Clossover(ボルトEUVクロスオーバー)に至る、同社の車種に幅広く採用される。

Ultium(アルティウム)と呼ばれるこのモジュラー式アーキテクチャーは、19種類のバッテリーと駆動系の組み合わせに対応する。400V(ボルト)と800Vトのバッテリーパックが使用でき、充電容量は50kW/h(キロワット毎時)から200kW/h。前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動の設定ができる。

EVアーキテクチャーのモジュール化にこだわった背景には、Cruise Origin(クルーズ・オリジン)自動運転タクシー、コンパクトなChevrolet Bolt EUV(シボレー・ボルトEUV)、GMC Hummer(GMCハマー電動トラック兼SUV、それに先日発表されたCadillac Lyriq SUV(キャデラック・リリックSUV)など、同社の製品を全般的に電動化するというGMの意欲がある。3月4日にGMはこれまで一般公開されず姿を見せることがなかった数々の新型EVも発表し、モジュラー方式にしたことで同社の車種に幅広く対応できることを示していた。そこにはキャデラックのフラッグシップとなる大型セダンであるCelestiq(セレスティーク)も含まれていた。

Celestiqは、将来キャデラックのシリーズに加わる大型電動SUVとともにデトロイト地区で手作りされると、GMのMark Reuss(マーク・ルース)社長は話していた。同社のBUICK(ビュイック)ブランドの将来のクロスオーバー2車種のスタイルは、明らかにTesla(テスラ)を意識している。シボレーの中型クロスオーバーは、その他のGMの(今後の)EVラインアップがみな高級志向なのに対して、手の届きやすい価格帯に設定されている。

これほど多様な車種を単一のアーキテクチャーで賄うことにより、これまでは少量生産で収益性に課題があったEV市場に、必要に応じてスケールできる可能性と資本効率性がもたらされる。GMは、このスケール性でバッテリーパックのコスト削減と機構の単純化を果たした。バッテリーパックの配線の量は、現在のシボレー・ボルトの場合と比較して80%少なくなり、バッテリーパックのコストも1kW/hあたり100ドルを切った。

この新型モジュラー・アーキテクチャーの心臓部には、大容量のパウチ型バッテリーセルが使われる予定だ。これは、韓国のLG化学とGMとの合弁製造事業の一環として製造される。両社は2019年12月、オハイオ州ローズタウンの工場でGMの電気自動車向けバッテリーセルを大量生産すると発表した。

GMは、リチウムイオンと電子製品のサプライヤーであるLG化学とは10年来の取り引きがある。この合弁事業はGMにとって、電気自動車分野での躍進力を高める転換点となるだろう。

GMとLG化学は、新しいニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム(NCMA)バッテリーセルを共同開発した。どの大容量パウチ型バッテリーよりもコバルトの含有量が少ないとGMは話している。平坦な形状の充電式パウチ型セルは縦に重ねることができるため、テスラやRivian(リビアン)などが好む円筒型セルと比べてパッケージングの柔軟性が高く、室内空間も広くとれる。

GMとLG化学の合弁事業は、23億ドル(約2470億円)規模の工場を春に着工する。そこでは、年間30GW/h(ギガワット毎時)ぶんのセルを、余裕をもって生産できる。両社は、ゆくゆくはセルの化学成分からコバルトとニッケルを完全に排除できるよう共同研究を進め、劣化したセルを修復する電極内添加物の開発、固体電池の可能性も探っていく。

GMからの電気自動車の第一波は、今年後半に発売される新型シボレー・ボルトから始まる。来年の夏にはボルトEUVクロスオーバーが続くが、これはキャデラック以外で、手放しで自動運転ができるSuperCruise(スーパークルーズ)運転補助システムが搭載される最初の車になる。また今年後半、GMは新型高級電動SUVを2車種発表する予定もある。ひとつは2021年に生産を開始するGMCハマーEV
、もうひとつは2022年に発売されるキャデラック・リリックだ。

GMの新しいEVアーキテクチャーは、充電能力がレベル2、10分間の充電で最大100マイル(160キロメートル)走行できる高速直流充電に対応する。だがGMは、高速充電ネットワークを自社で整備することはない。Chargepoint(チャージポイント)やEVgo(イーブイゴー)などの公共充電ネットワークをmyChevrolet(マイシボレー)モバイルアプリでまとめて利用できるようにし、EVgoの充電器ではアプリ内で精算できるようにする。またGMは、Qmerit(キューメリット)と提携して認定充電器を家庭に設置する事業も進める。EVオーナーの80%は家で充電しているからだと同社は話していた。

【編集部注】筆者のEd Niedermeyerは、作家・コラムニストでポッドキャスト「The Autonocast」の共同主宰者。今年8月に「The Unvarnished Story of Tesla Motors」を出版した。

画像クレジット:GM/ Photo by Steve Fecht

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(翻訳:金井哲夫)

Rivianが作るリンカーンの電気自動車

リンカーン・モーター(Lincoln Motor)初となる全電動車は、Rivian(リビアン)製となりそうだ。

画像クレジット:Lincoln

フォード(Ford)傘下の高級ブランドであるリンカーン(Lincoln)は米国時間1月29日に、両社は「まったく新しい」電気自動車の開発に協力して取り組むと述べた。この電気自動車、というよりもそれを開発するという意図は、昨年4月のフォードによるRivianへの5億ドル(約54億4700万円)の出資とともに発表された。しかしこれまでは、その車がどのようなもので、どのブランドになるのかは明らかにされていなかった。

Rivianは、今回の発表を確認したが、それ以上の詳細は明かさなかった。

リンカーンは、すでに2種類のプラグインハイブリッド車を生産している。昨年11月にLA Auto Showで発表したAviator(アビエイター)とCorsair Grand Touring(コルセア・グランドツーリング)だ。しかしこれまでは、完全な電気自動車を生産したことはなかった。

リンカーンのバッテリー駆動の電気自動車は、Rivianのフレキシブルなスケートボードのプラットフォームを利用して開発される。

「Rivianとの協力して仕事を進めることは、リンカーンが完全な電気自動車という未来に向けて前進するための重要なポイントです」と、リンカーン・モーターカンパニーの社長であるJoy Falotico(ジョイ・ファロティコ)氏は声明で述べている。「この車両は、Quiet Flightに新たな境地を開くものです。排出ゼロ、さりげない高性能、コネクテッドで直感的なテクノロジーです。驚くようなものになるはずです」。

リンカーンは、この3年間、消費者のSUVに対する欲求を刺激することに注力してきた。同社によれば、それによってグローバルなSUVの売り上げが、毎年7%ずつ成長してきたという。

リンカーンは、Rivianがどのような車を製造するかについては述べなかったが、ここ数年の傾向を見れば、SUVである可能性が高い。

高級なEVの追加は、MKZセダンの終焉を意味することになる。メキシコのエルモシオ生産工場が、新しいフォード車の生産準備に入るため、MKZセダンの生産は今年中に終了すると同社は明らかにした。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

中国BytonがViacomCBSなどと提携しテスラの車内娯楽システムに対抗

中国の電気自動車メーカーのByton(バイトン)は、世界的なメディア企業であるViacomCBS(バイアコムCBS)など重要な鍵となる企業との提携を進め、動画コンテンツをはじめとする情報やその他のサービスを、間もなく発売される電動SUVであるM-Byte(エムバイト)に搭載する。ドライバーを取り囲む、驚きの48インチデジタル・ダッシュボード上に。

電気自動車スタートアップは、そのダッシュボードを「Byton Stage」と呼び、その他のいくつものディスプレイとともに、娯楽やナビゲーションから、健康状態やPowerPointのスライドのレビューに至るまで、あらゆるものをそこから提供してTesla(テスラ)と競うという大きな目標達成の一助にする考えだ。

「この数年間、テスラが突出した地位にいた世界で、私はみんなからずっと、こう聞かされてきました。テスラは新しい高級電気自動車のもうひとつの選択肢を迎え撃つ準備を整えていると」とBytonのCEOであるDaniel Kirchert(ダニエル・カーチャート)氏は、現地時間1月5日、米国ラスベガスのCESを目前に開かれた記者会見で語った。「Bytonは、そのもうひとつになる準備が出来ています」。

そしてM-Byteの量産型車両を記者会見で公開した。今年後半に大量生産に入ることが期待されている同車は、価格が4万5000ドル(約490万円)になるとカーチャート氏は話していた。同社によると、M-Byteは南京のバイトンの工場で生産される予定で、18カ月以内に発売が開始されるという。まず2020年後半に中国で、続いて米国、そして2021年前半にヨーロッパで発売となる。

また同社は、M-Byteにコンテンツを提供するパートナー企業を発表した。ViacomCBSのほか、Access(アクセス)、Accuweather(アキュウェザー)、Aiqudo(アクイド)、CloudCar(クラウドカー)、Road.Travel(ロード・トラベル)、Xperi(エクスペリ)といった企業が名を連ねている。

こうした提携企業のそれぞれが、インタラクティブなコンテンツのエコシステムを満たしていく。Bytonがその「ステージ」にコンテンツを届けるために使用するプラットフォームはAccess Twine(アクセス・トゥワイン)だ。完全版のCloudCarはクラウドに接続された自然言語認識を行う。AiqudoのVoice to Action(ボイス・トゥー・アクション)プラットフォームはユーザーの音声による命令とスマートフォンのモバイルアプリとの統合を可能にする。Road.Travelは旅の計画や予約を管理し、XperiはデジタルHDラジオとDTS Connected Radioを提供する。

これらのコンテンツのうち、たとえばViacomCBSからの動画などは、M-Byteが駐車中にのみ見られるようになる。これは、数多くのゲームやストリーミング動画が車内で楽しめるテスラの方式に準じている。駐車している間、「シネマモード」に切り替えると動画の視聴が可能になり、「オフィスモード」にするとPowerPointのスライドが見られるようになる。モードは近い将来にもっと増える予定だ。同社はまた、アプリ開発プログラムを立ち上げるとも話していた。

「私たちの目標は、Byton M-Byteを、みなさんのデジタルライフの一部分としてとシームレスに統合することであり、魅力的な動画コンテンツを簡単に視聴できることは、そのエクスペリエンスには欠かせません」と、同社の最高顧客責任者であるAndreas Schaaf(アンドレアス・シャーフ)氏は事前に用意されていた声明の中で述べている。

Bytonもまた、テスラやBMWなどの他の電気自動車メーカーに従い、エネルギー貯蔵ビジネスに参入する。1月5日の会見では、M-Byteのバッテリー技術を応用した住宅用および商業施設用の固定型エネルギー貯蔵システムを開発すると話していた。カーチャート氏によれば、このエネルギー貯蔵システムは、南京のバッテリー組み立てラインで製造されるという。

今回の発表に至る1年間は、同社にとって波乱の年だった。BMWの幹部からBytonの共同創設者となり、CEOと会長を務めていたCarsten Breitfeld(カーステン・ブレイトフェルド)氏は4月に辞職し、現在は電気自動車スタートアップであるFaraday Future(ファラデイ・フューチャー)のCEOになっている。またBytonは、新たに5億ドル(約540億円)の増資を必要とする財務上の逆風に見舞われていた。

この財務上の問題は、今では解決した模様だ。カーチャート氏は1月5日、2つの投資企業からのシリーズC投資を確保したと話していた。韓国の自動車パーツメーカーのMS Autotech(MSオートテック)の子会社であるMyoung Shin(ミョン・シン)と日本の大手商社の丸紅だ。

画像クレジット:Byton

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(翻訳:金井哲夫)

アマゾンやフォードが出資する電気自動車のRivianが1400億円を新規調達

アメリカの自動車技術スタートアップ、Rivian(リビアン)が新たに13億ドル(約1420億円)の資金を調達した。これは同社が2019年に発表しただけでも4回目の調達ラウンドで、これまでにAmazon(アマゾン)が主導した7億ドル、Ford(フォード)の5億ドル(電気自動車技術の提携を含む)、Cox Automotiveによる3.5億ドルのラウンドを完了している。

これは大層な金額だが、Rivianは普通のスタートアップとは少し違う。この会社の目的は完全電動自動車を市場に出すことにあり、現在ピックアップトラックのR1Tとスポーツ用多目的車(SUV)のR1Sを作っている。いずれも一般消費者向けの製品で、来年末の販売開始を目標にしている。RivianはAmazonと提携して全電動デリバリーバンも製造している。Amazonはこの車を10万台発注していて、出荷開始は2021年の目標となっている。

リリース文によると、今回の巨額調達ラウンドには、AmazonとFord Motor Companyのほか、T.Rowe Price AssociatesやBlackRockのファンドが参加している。この資金調達に関連する新たな取締役の就任はなく、出資に関わっている個々のファンドについての詳細は発表されていない。

2009年に設立されたRivianは、世界各国に研究開発施設があるほか、イリノイ州ノーマルには260万平方フィート(24万平米)の製造施設を持っている。同社は2018年11月にLAオートショウでピックアップトラックとSUVを発表した。最初に発売予定なになっているのは1回の充電で最大410マイル(約660km)走行可能なハイエンドモデルで、R1Tピックアップの価格は税優遇などの適用前で6万9000ドル(約750万円)から、R1S SUVは7万2500ドル(約800万円)から。Rivianは事前注文を受け付けていて、1000ドル(約11万円)の手付金で予約できる。

さまざまな意味で突如として現れた感のある会社ながら、Rivianの資本構築と提携の充実ぶりはTeslaと戦うにふさわしい挑戦者を思わせる。中でもトラックとSUV分野はTeslaの存在感が小さいところであり、現在購入可能なのはハイエンドのModel Xのみだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フォルクスワーゲンは自動運転の電動シャトルを2022年までにカタールに配備

VW(フォルクスワーゲン)グループとカタールは、自動運転シャトルとバスによる公共交通システムを開発し、2022年までに首都ドーハに配備することに合意した。

画像クレジット:VW

米国時間12月14日にVWグループとQIA(カタール投資庁)が署名した契約は、VWグループの4つのブランドを含む大きなプロジェクトとなっている。そのブランドとは、Volkswagen Commercial Vehicles(フォルクスワーゲン・コマーシャルビークルズ)、Scania、共有ライドサービスのMOIA、アウディの子会社のAID(Autonomous Intelligent Driving)のことだ。

このプロジェクトの目的は、自動運転の電動シャトルと同バス、法的枠組み、都市インフラ、そこで商用サービスを展開するために必要な配車用ソフトウェアを含む、輸送システム全体を開発することにある。自動運転車両は、既存の公共交通機関と併走することになる。

「都市を発展させるためには、イノベーションの新しい波が必要です」と、QIAのCEO、Mansoor Al Mahmoud氏は声明で述べた。「AIによって運行される排出物ゼロの輸送技術は、渋滞を緩和し、エネルギー効率を改善しながら、都市のモビリティを促進するのに役立ちます」。

ここで使われる車両群には、Volkswagen Commercial Vehiclesが供給する35台の自動運転電気自動車、ID. Buzzが含まれている。ドーハのジオフェンシングされたエリア内の半固定的な経路をシャトル運行して、最大4人の乗客を運ぶ。もっと大人数のグループなら、それとは別に用意される10台のScaniaバスが運ぶことになる。

シャトル車両とバスのプライベートなテストは、2020年に開始される予定となっている。実地テストが始まるのは2021年になりそうだ。VWとQIAによると、このプロジェクトは2022年末までには実用化される予定となっているという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

EV開発のLucid Motorsがアリゾナ工場を起工、来年後半に生産開始

Lucid Motors(ルシード・モータース)は米国時間12月2日、製造施設を起工する。アリゾナ州カサ・グランデに立地するこの工場では、電気自動車セダンであるLucid Airが製造される。同社によると、2020年後半に生産を開始するとのこと。

本日の起工は、Lucid Airの市販に向けたLucid Motorsの最新の動きとなる。今年初め、同社は生産オペレーション統括責任者としてPeter Hochholdinger(ピーター・ホッホホルディンガー)氏を雇った。ホッホホルディンガー氏はLucid Motorsに来る前にTesla(テスラ)に2年勤め、そこではカリフォルニア州フリーモントや世界各地のサイトを監督した。そしての前は、Audi(アウディ)で生産担当シニアディレクターを務めていた。

9月にLucid Motorsはサウジアラビアのソブリン・ウェルス・ファンドから10億ドル(約1090億円)を調達した。当時、同社はこの資金をLucid Airの商業展開に当てると語っていた。そして2020年代半ばまでにカサ・グランデ工場に7億ドル(約760億円)超をつぎ込むとしていた。

Lucid Airはデザインからエンジニアリング、生産まで全てアメリカで行われる最先端の電気自動車だ」とCEO兼CTOのPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は話す。「カサ・グランデでLucid Airを生産するというプロジェクトを前進させられることを誇りに思う。協力的な投資家、優れたデザインとエンジニアリングのチーム、Air後をも見据えたプロダクト戦略のおかげで今日を迎えた。このダイナミックな町に長年にわたって拠点を置くことになり、今日はその始まりにすぎない」。

同社のカサ・グランデ施設は2029年までに直接・間接的に4800人の雇用生み出すとされている。またカサ・グランデや国に向こう20年にわたって320億ドル(約3兆5000億円)の収入をもたらすと推定されている。

アリゾナ州の Doug Ducey(ダグ・デューシー)知事は声明文で「Lucid Motorsのようなハイテクな自動車メーカーを誘致できたことは、アリゾナの人材や事業環境、立地の良さを証明している」と述べた。同社は13州60都市の候補の中からカサ・グランデを選んだとしている。事業をめぐる環境やインフラ、人材、ロケーション、アリゾナ−ソノラ地域の自動車サプライチェーンが決め手となった。

Lucid Motorsは10年前に異なる社名で、そして違う目的で設立された。当時Atievaという名称だった同社は2016年まで電気自動車のバッテリー技術にフォーカスしていた。その後社名を変更し、電気自動車生産にシフトした。

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(翻訳:Mizoguchi)

UCLAがゼロ・エミッション全電動の「手術器具消毒・修理車」を導入

自動車業界で電化されているのは消費者向け車両だけではない。商用車や特殊用途車両の中にもEVの有力候補がたくさんある。医療業界もそのひとつだ。モーターホームメーカーのWinnebago(ウィネベーゴ)が開発したUCLA(カリフォルニア大学バークレー校)の移動実験室もそのひとつだ。ゼロ・エミッション、全電動の車両がUCLAの2つのキャンパスを行き来して、医療スタッフのために手術器具を回収し消毒・修理を行う。

そもそもなぜ必要なのか?通常使用済みの手術器具は外部業者に委託して処理サービスを受けるが、専門の施設を利用するため年間コストは膨大になる。UCLAメディカルセンターの推計によると、Winnebago製のEV実験室を使うことによって、年間で最大75万ドル(約8100万円)を節約できるという。

この移動実験室は約8時間操業可能で、これには2カ所の病院キャンパスの往復時間も含まれている。一回の充電で85~125マイル(135~200km)の走行が可能。この車両は、通常の施設の実験室と「同レベルの性能、生産性、コンプライアンス」を実現しているとWinnebagoは表明している。

年間運用コストの節約以外にも、UCLAは実験車両の購入に補助金を受けている。ハイブリッド・ゼロエミッショントラック・バスバウチャーインセンティブ(HVIP)もそのひとつだ。そうしたプログラムは金銭的インセンティブを与えることで初期投入コストを減らして電気自動車の採用を促進する。こうして長期コストだけでなく初期費用も少なくてすむことから、医療などの分野がEVに目を向ける新たな理由になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ダイソンが電気自動車の開発を断念、全固体バッテリー製造に方向転換

Dyson(ダイソン)は電気自動車の開発を中止したことを発表した。商業的に実現可能な車を作ることができないと判断し、プロジェクトの買い手も見つからなかったためだ。

先進技術の掃除機と扇風機で知られる同社は、現地時間10月10日に発表した声明で「自動車チームは素晴らしい車を開発したがプロジェクトは中止することを決定した」と語った。ダイソンは同プロジェクトの引き取り手も探したがまだ見つかっていないとも書いている。

2017年9月、同社はバッテリー式完全電動駆動自動車を開発中で2020年までに発売すると発表した。2018年10月に同社の取締役会は、最新技術による自動車製造設備をシンガポールに建設することを承認した。2階建ての工場は2020年に完成する予定だった。

ダイソンは電気自動車関連技術から完全に手を引いたわけではなく、今もシンガポールに対して将来を約束している。同社は「全固体電池の製造およびセンシング技術、視覚システム、ロボティクス、機械学習/AIの開発に向けた25億ポンド(3356億円)の投資プログラムを継続する」と創業者のJames Dyson(ジェームズ・ダイソン)氏が声明で語った。

「我々のバッテリーは、ダイソンが新しい刺激的な方向へと向かう上で必ず役に立つものだ」と語り、同社の投資意欲は衰えることがなく、英国、シンガポールの両国で引き続き基盤を固めていくことを言い添えた。

ダイソン氏は、開発中止は製品の失敗でもチームの失敗でもないと語った。同社はプロジェクトに関わっていた社員には新たな役割を与えるつもりであり、ほとんどの社員を社内で受け入れるだけの職があるという。

「我々は設立当初からリスクを取り、新しい製品とテクノロジーで現状に挑戦する道を選んできた」とダイソン氏が声明で語った。「こうしたやり方は進歩を促すが決して楽な旅ではなく、成功への道はまっすぐではなかった。方向転換したプロジェクトはこれが初めてではなく、おそらく最後でもない。私は今まで通りダイソンの未来を大いに楽しみにしている。我々の熱意はかつてないほど強く、投資能力はかつてないほど高く、チームはかつてないほど協力だ」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボルボが同社初の電動SUV XC40のイラストと概要を初披露

Volvo(ボルボ)は、近日発売で同社初の全電動自動車であるXC40 SUVを初披露し、初期のスケッチや仕様の詳細を一部公開した。ポイントは、シンプルなデザインを強調し、ガソリン車にあった一部の機能を捨てたことだ。

例えば、XC40 SUVにはテールパイプ(排気管)がない。伝統的なフロントグリルはガソリン車の冷却に使われていたものなので、それもなくなっている。そして、フランク(フロントトランク)がある。これはTesla「テスラ)の電気自動車に登場したもので、最近は他社も採用しているところがある。

現在ボルボ新型車のスケッチのみ公開しており、デビューは10月16日だ。下の写真を見るとテールパイプがないことがわかる。
Design sketch of Volvo Cars fully electric XC40 SUV 4

Volvo XC40 BEVデザインスケッチ

次の写真でVolvoはフランクを披露している。約30L(リットル)の積載スペースが追加されると同社は説明する。

Design sketch of Volvo Cars fully electric XC40 SUV 2車の前面の詳しいルックス。ボルボのガソリン車に見られた伝統のフロントグリルはなくなっている

「グリルの必要性がなくなったため、前面はすっきりとしたよりモダンなデザインになり、テールパイプを排除したとで後部も同じくシンプルな外観になっている。これは、電気化への探究を続ける当社のアプローチの一環だ」とVolvo Carsのデザイン責任者であるRobin Page(ロビン・ページ)氏が声明で語った。

Design sketch of Volvo Cars fully electric XC40 SUV

ボルボは来たるべき電動SUVの詳細をいくつか付け加えた。外装カラーは8色で、新たに「セージ・グリーン」のメタリックが加わっている。コントラストのあるブラックのルーフが標準装備。19インチと20インチの新しいホイールがオプションとして追加される。

SUVの室内では、バッテリー状態などの必要情報を表示するドライバーインターフェースが変更されている。インテリアデザインはスポーティーなスタイルを採用し、カーペットはリサイクル材料を使っていると同社は言った。ボルボは室内の広さも強調しており、バッテリーパックが床下に収納されていることを理由のひとつに挙げた。

ドアやシート下にも機能的なストレージスペースがあるほか、トンネルコンソールには小さなバングを掛けられる折り畳み式フックや取り外し可能なくずかごがある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フォルクスワーゲンの新しい電動ハッチバックID.3の内装をチェック

フランクフルトでのIAA国際モーターショーに先駆けてデビューしたフォルクスワーゲンID.3は、コンパクトなハッチバックのように見えるだろう。もちろんそのとおりだ。

しかし実際に乗り込んでみると、もっと大きな車の中に座っているように感じられる。エンジニアやデザイナーが、電気自動車であることのメリットを最大限に活用して設計した成果だ。内燃機関のエンジンとスペースを争う必要もないので、設計の自由度が向上する。高圧の扁平型バッテリーを、車体の底面に配置することでも、スペースを節約している。また、エアコンのコンプレッサーなどの補機類や、ステアリングラックといった部品は、車の前方にまとめられている。

ID.3の全長は、フォルクスワーゲン・ゴルフと同じだが、オーバーハングが短いため、ホイールベースはゴルフより長い。内装の細部と内部構造を写真で確認してみよう。

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簡単にまとめると、この5人乗りのID.3は今年中に生産を開始する。まだ米国での販売の予定は発表されていないが、2020年春には並行輸入で米国にも入ってくるだろう。

最初に量産される車両は、ID.3 1STと呼ばれる特別仕様車。58 kWhのバッテリーパックを搭載し、最長420 kmの航続距離を実現している。装備の違いによって、3種類のモデルがある。ID.3 1STの価格は、エントリーモデルでは4万ユーロ(約476万円)以下となる予定だ。

画像クレジット:フォルクスワーゲン

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(翻訳:Fumihiko Shibata)