Amazonアプリが刷新されている。すでに新しいバージョンを見ている人もいるだろう。iPhone版で配色やナビゲーションが変更されている。この変更は夏のはじめから米国のiOSユーザーに対して公開がスタートし、9月末までには米国のiOSユーザーすべてに行き渡る予定だ。米国以外の市場では今年中にアップデートされ、その後Android版がリリースされる。
Amazon(アマゾン)はショッピングアプリの変更を公表していなかったが、iPhone版のアップデートはモバイルユーザーがよく使う機能に簡単にアクセスできるようにする大きな計画の一部であることを認めた。
同社によれば、アプリの新しいバージョンはまず米国、カナダ、ヨーロッパ、中国、日本、中南米で利用できるようになり、それからその他の市場で公開するという(訳注:日本でもすでに公開されている)。
画像クレジット:Amazonアプリ(スクリーンショット作成はTechCrunch)
おそらく、Amazonアプリが明るく見えることにまず気づくだろう。アプリ上部のナビゲーションバーが新たにブルーからグリーンのグラデーションで標準化されたためだ。しかしもっと大きな変更は、アプリの色使いではなく動作だ。
ユーザーはたいていiPhoneを片手で操作しているが、デザイン変更の大きな目的は片手での操作でも探しているものを簡単に見つけられるようにすることだと同社は説明している。
新しいアプリを使ってみると、画面下部に新しい「クイックアクセス」バーがあり、よく使う機能へのショートカットが配置されていることに気づくだろう。このバーの左端にはホーム画面へのリンクがある。ホーム画面にはユーザーに合わせたおすすめの商品やプログラム、時期ごとのコンテンツが表示される。その右はプロフィールのアイコンで、タップするとアカウントページへ移動し、注文履歴やほしい物リスト、表示履歴などのアカウントサービスを利用できる。
さらにその右のボタンをタップするとショッピングカートへ移動する。購入履歴から再び購入することもできる。
右端のボタンは「ハンバーガー」メニュー(水平線が3本重なっているアイコン)で、片手でAmazonアプリを操作して上述のページ以外のところへ移動したい場合に使う。このアイコンから、カテゴリーやプログラムなどをブラウズして探すことができる。
画像クレジット:Amazonアプリ(スクリーンショット作成はTechCrunch)
画面に表示されているリンクはこれまでよりもずっと大きな文字になり、小さい画面でも見やすい。
残念ながらアマゾンは、増加し続けている「プログラムと機能」を整理する方法をまだ編み出していないようだ。現在、このセクションには、Amazon LaunchpadやAmazonパントリーなど同社の多様な取り組みがランダムに並べられている。
そもそも「プログラムと機能」という項目名もあいまいであまりにも汎用的だ。整理されていないことがうかがえる。また、例えば米国ではAmazonフレッシュが「プログラムと機能」と「カテゴリー」の両方に配置されているが、その理由もよくわからない。
しかし同社は、何か構想があってそうしているのだろう。例えば食料品の通販は、新型コロナウイルス感染拡大の中でeコマースの売上(CNBC記事)を牽引している(Variety記事)。食料品のサービスへのリンクを、ホーム画面最上部のメインナビゲーションなど、至るところに置いて見つけやすくしても損はない。
ホーム画面最上部のメインナビゲーションには、米国ではWhole FoodsとAmazonフレッシュの2つの食料品サービスのほか、Alexaリスト、プライム、ビデオ、ミュージックが置かれている。2つの食料品サービスを1つにまとめれば、画面表示エリアを有効活用できるのだが(訳注:日本では、メインナビゲーションにプライム、ビデオ、ミュージックがある)。
画像クレジット:Amazonアプリ(スクリーンショット作成はTechCrunch)
他のところもデザイン変更でレイアウトが変わっている。
例えば画面最上部にはシンプルになったナビゲーションバーがあり、タップするとすぐにテキストやカメラで検索したり、Alexaを利用したりすることができる。
同社の広報担当者はTechCrunchに対し、新しいアプリの詳細とリリースのスケジュールについて認めた。
広報担当者は「iPhone版のAmazonアプリはデザインが新しくなり、お客様はどこにいても、よく使う機能にこれまでより簡単にアクセスできる。よく使う機能とはホームページ、アカウントと注文の情報、カート、そしアマゾンのカテゴリーやプログラムをブラウズして発見する機能だ」と述べた。
App Storeでアプリのルック&フィールを紹介する画像は、以下に示すとおり、まだ更新されていない。
画像クレジット:Amazon
モバイルに関する変更が常に注目に値するものではないが、この刷新はこれまでの同社のアップデートの中でも大きなものだ。メインのナビゲーションが完全に違う場所になり、配色も変更されている(ただし、アプリのアイコンは変わっていない。クラシックなデザインで、濃いブルーが使われている)。
AmazonアプリはiPhoneで最も多く使われているアプリのひとつで、米国のApp Storeではトップ20に入っていることが多いのも注目すべき点だ。原文記事執筆時点では、米国のアプリの総合ランキングで26位になっている。
【訳注]アプリの画面に表示される項目や同社のサービスについての記述は日本のアプリやサービスに合わせたため、原文とは一部異なる。
画像クレジット:Thomas Trutsche / Getty Images
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(翻訳:Kaori Koyama)