​AWSがあらゆるカメラに機械学習技術を搭載するデバイスPanoramaを発表

AWSはAWS Panorama Applianceという新しいハードウェアデバイスをローンチした。このデバイスはAWS Panorama SDKととも利用し、既存のオンプレミスカメラをコンピュータービジョンの能力のある超強力な監視デバイスに変える。

AWS Panorama Applianceの売り込み文句は、生産ラインで部品を点検する、安全な手順や工程が行われているか確認する、小売店で人の流れを分析するといったものだ。「AWS re:Invent」2020テーマは「新しいオートメーションサービス」。つまり「何でも自動化しよう」だ。

ユーザー企業はまず、Amazon SageMakerなどを使ってコンピュータービジョンのモデルを作る。Panorama Applianceは、そのモデルを、ネットワークまたはネットワークに接続されたフィードに対して走らせる。

近くAWSはPanorama SDKを提供するため、メーカーはPanorama対応のデバイスを開発することができる。

Amazon(アマゾン)は以前にも、デベロッパーやエンタープライズに対して監視技術を売り込んできた。2017年にはDeepLensを披露し1年後に発売した。それを使って開発者はプロトタイプの機械学習モデルを作り、アマゾンはコンピュータービジョンの能力を商用化するためのさまざまな方法を得る。

2018年の記事から引用する。

DeepLensは他のAWSサービスと深く統合されている。AWSのIoTサービスであるGreengrassはDeepLensにモデルを配信する際に利用し、アマゾンの機械学習モデル構築用最新ツールであるSageMakerとも連携する。あらかじめ用意されているモデルを使えば、10分足らずでDeepLensを設定しモデルを組み込んで利用できる。プロジェクトテンプレートの中には、20種類の物体を識別する物体検出モデルや、カメラ画像をヴァン・ゴッホ風に変換するスタイル変換モデルや顔認識モデル、猫と犬を区別するモデル、約30種類の動作(ギターを弾くなど)を認識できるモデルなどがある。DeepLensチームは、頭部の姿勢を追跡するモデルも開発中だ。そうそう、ホットドッグ検出モードもある。

ビデオのための機械学習の開発に関して、アマゾンには大量の経験と大量の議論がある。同社の顔認識ソフトウェアであるRekognitionは抗議と反発に火をつけ、その技術の使用は一時停止に追い込まれた

そして同社は機械学習をさらに、一般住宅のドアベルカメラであるRingにも搭載しようとした。

それでも企業は、セキュリティや安全、品質管理などのために、機械学習をベースとする動画認識技術を声高に要求している。むしろ新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが長引くにつれて、建物の使用や専有をめぐる新たなプロトコルが採用されるようになり、しかもそれは現在のパンデミックのためだけでなく、今後の深刻さを軽減するスペースやプロトコルのための、先行的計画にも採用されている。

関連記事:Amazonが開発者向けAIカメラ「DeepLens」を249ドルで販売開始

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSがECSとEKSサービスをデータセンターに提供、EKSはオープンソース化

米国時間12月1日に開催された「AWS re:Invent」2020カンファレンスで、Andy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は企業がクラウドを強力に推進していることについて多くを語ったが、同日のコンテナに焦点を当てたイベントで、オンプレミスでもクラウドでも実行できるように設計されているECS AnywhereとEKS Anywhereの発表もデータセンターに大きな反響を与えた。

これら2つのサービス、つまり汎用コンテナオーケストレーションのECSとKubernetesに焦点を当てたEKSは、顧客がこれらの人気のAWSサービスをオンプレミスで利用できるようにする。ジャシー氏によると、一部の顧客はまだオンプレミスで使用しているのと同じツールを望んでおり、今回のサービスはそれを提供するために設計されている。

ECSについては「クラウドへの移行を進める中では、まだオンプレミスで実行しなければならないコンテナをたくさん持っているというものや、AWSでもオンプレミスやユーザから作業を依頼されているのと同じ管理とデプロイのメカニズムを持っていて欲しい、という要望もあります。そこで、2つの発表を皆さんにお知らせしたいと思います。1つ目はAmazon ECS Anywhereの発表で、これによりECSと独自のデータセンターを運用することができます」と、同氏はカンファレンスで語った。

画像クレジット:AWS

ジャシー氏によると、これにより同等のAWSのAPIとクラスタ構成管理機能が得られるという。これはEKSでも同じように動作し、サービスをどこで使用しているかに関わらず、単一での管理方法を可能にする。

同時にAmazon(アマゾン)は、自社運営のKubernetesサービスによるEKSをオープンソース化することも発表した。これらの動きの背景には顧客にできる限りの柔軟性を与え、Microsoft(マイクロソフト)やIBM、Google(グーグル)が主張してきたこと、つまり我々はマルチクラウドやハイブリッドの世界に生きており、人々はすべてをすぐにクラウドに移行するわけではないということを認識していることになる。

実際にジャシー氏は冒頭で、2020年現在の世界のIT支出のうちクラウドに費やされているのはわずか4%にすぎないと述べた。つまり、オンプレミスでサービスを販売することで収益を得ることができ、これらのサービスはそれを実現するということだ。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

AWSが運用上の問題を自動的に発見するDevOps Guruを発表

米国時間12月1日のAWSのre:Inventにおいて、Andy Jassy(アンディ・ジャシー)氏がDevOpsチームのための新しいツールDevOps Guruを発表した。これはアプリケーションのパフォーマンスに影響を与える可能性のある問題を、運用側が発見できるようにするためのツールだ。これは、同社が2019年に発表したCodeGuruの兄弟のようなものだと考えて欲しい。なおCodeGuruはデプロイ前にコードの問題点を見つけることができるサービスだ。

DevOps Guruも同様に機械学習を使用して、運用側の問題を発見するのだ。ジャシー氏はこう語る「Amazon DevOps Guruという新サービスを本日発表できることに興奮しています。これは機械学習を利用して、顧客に影響が出ないうちに先回りして運用上の問題を特定するというものです」。

Amazon(アマゾン)が新サービスを発表したブログ記事(AWSブログ)の中で説明によれば、その仕組みは、アプリケーションのメトリクスやログ、イベントからデータを収集・分析し「通常の運用パターンから逸脱する行動を特定する」というものである。

このサービスがAWSに基本的に提供するのは、設定ミスや容量オーバーのリソースなど、アプリケーションに影響を与える可能性のある問題について、深い運用上の知見を提供できるプロダクトであり、それはSumo LogicやDataDog、Splunkなどの企業と競合することになるだろう。

問題を発見すると、サービスはチームに対してSMSやSlackメッセージ、その他のコミュニケーションを送信し、できるだけ早く問題を解決するための推奨事項を提供することができる。

さらに、支払いは毎月発生するものではなく、サービスの個々の分析結果に対して行えばよい。アマゾンによれば、事前のコストや契約を求めることはないという。

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(翻訳:sako)

AWSが機械学習のデータ準備サービス「SageMaker Data Wrangler」を公開

米国時間12月1日、AWSはデータサイエンティストが機械学習のトレーニングに使用するデータを簡単に準備できるようにする新しいサービスのAmazon SageMaker Data Wranglerを公開した。同社はこれに加えて、SageMaker Studioで利用でき、機械学習機能の命名、整理、発見、共有を簡単にする新しいサービスのSageMaker Feature Storeも公開した。

AWSはさらにSagemaker Pipelinesも公開した。こちらはプラットフォームの他の部分と統合される新しいサービスで、ワークフローを作って自動化できるように機械学習のCI/CDサービスを提供し、トレーニングデータや構成といったモデルコンポーネントの監査証跡も利用できる。

AWS re:InventカンファレンスのキーノートでCEOのAndy Jassy(アンディー・ジャシー)氏が指摘したように、機械学習の分野ではデータ準備が大きな課題として残っている。ユーザーはクエリやコードを書いてまずデータをデータストアから取得し、それからクエリを書いてコードを変換し、必要な機能と組み合わせる必要がある。これらはいずれもモデルを実際に構築する作業ではなく、モデルを構築する基盤の作業だ。

Data Wranglerにはあらかじめ構成されたデータ変換が300以上組み込まれていて、ユーザーはカラム型を変換したり足りないデータを平均値や中間値で補完したりすることができる。視覚化ツールもあり、潜在的なエラーを特定できるほか、モデルをデプロイする前にデータの不整合を見つけたり診断したりするツールにもなる。

このようなワークフローはすべてノートブックに保存したりスクリプトにしたりして複製できる。またSageMaker Pipelinesでワークフローの自動化に利用される。

同様の問題に取り組んでいるスタートアップがいくつもあることには注目したい。結局のところ、機械学習のデータの扱いはこの分野で最もよくある問題の1つだ。しかし大半の企業は今も独自のツールを作っているため、マネージドサービスの登場には適したタイミングだ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

BlackBerryの株価が急上昇、車両用センサーデータ統合でAWSと提携

Amazon Web Services(AWS)と提携して車両データの統合とモニターを行うプラットフォームIVY(BlackBerryリリース)の共同開発と販売を行うとのニュースで、BlackBerry(ブラックベリー)の株価が取引開始直後から急上昇した。

BlackBerryの株価は、ニューヨーク証券取引場の取引開始のベルが鳴ると同時に35%、つまり2.11ドル(約220.35円)上昇。これは、スマートビークルサービス市場の可能性と、BlackBerryが重視する事業の運勢を強める能力がAmazon(アマゾン)の事業にあることの両方を示すサインだ。

誰もが認めるスマートフォン市場の重鎮であったBlackBerryは、業務用のセキュリティと情報統合サービスのプロバイダーに転身した。そしてその転身の過程で、同社はアマゾンのウェブサービス事業を引き寄せた。

パンデミックに襲われる前の2020年1月、両社は初めて提携を発表し、BlackBerryは車載アプリケーションのためのネットワーク接続による車両の安全およびセキュリティサービスをAWSと共同で行う(BlackBerry広報資料)と話した。

5年前に初登場したBlackBerryとAWSに対応したQNXサービスは、現在すでに1億7500万台の車両で使われている(BlackBerryリリース)。

「この5年間で、当初6000万台の自動車に貢献してきたBlackBerry QNXテクノロジーは、本日の発表のとおり1億7500万台以上に採用されるまでになりました。ほぼ3倍の伸びであり、これは現代の主要自動車メーカーとその一次供給業者が、BlackBerryと開発段階の次世代車両に向けて安全で確かなソフトウェアを提供する私たちの能力を、変わりなく信頼してくれていることの証です」と、BlackBerryの会長でありCEOのJohn Chen(ジョン・チェン)氏はいう。

カナダのウォータールーに拠点を置くBlackBerryの最新の自動車用接続サービスは、自動車メーカーが、異なるメーカーの装置から送られる車載センサーのデータを読み出し、正規化し、そこから有用な情報を引き出して、リモートでも車内でも利用できるようにするというものだ。

IVYソフトウェアシステムは車載システムで走らせることができるが、道路状況、ドライバーの運転技術、電気自動車ならバッテリーの消費量などの情報をドライバーに示すようクラウドから設定することも可能だ。

またBlackBerryのツールキットを使うことで、自動車メーカーは幅広い開発者集団と協力して車の性能を最適化したり、整備費用を節約したり、ソフトウェアのアップデートをリモートで行うといった新サービスの開発ができるようにもなる。

「データと接続性は、自動車業界に新たなイノベーションの道を拓きます。BlackBerryとAWSは共通のビジョンを持ち、自動車メーカーと開発業者によりよい見識を与え、新しいサービスを顧客に提供できるようにします」とチェン氏は声明の中で述べている。「このソフトウェアプラットフォームは、車内体験に発明の時代を招き、新しいアプリケーション、セキュリティ、機会を安全性、セキュリティー、ユーザーのプライバシーを犠牲にすることなく提供することを約束するものです。私たちは、AWSとのつながりを拡大し、このビジョンを実現させ、BlackBerry IVYをお届けできることを嬉しく思っています」。

その一方で、ネットではこんなジョークも飛んでいた。

Tero Kuittinen「市場があんまり熱いのでブラックベリーが煮えてる」

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画像クレジット:BlackBerry

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(翻訳:金井哲夫)

AWSが機械学習のトレーニング用として新しいカスタムチップ「Trainium」を発表

米国時間12月1日、毎年開催されている開発者向けカンファレンスのre:Inventで、AWSはAWS Trainiumを今後提供すると発表した。Trainiumは機械学習モデルのトレーニング専用に開発された同社の次世代カスタムチップだ。クラウドの競合のどこよりもパフォーマンスが高く、TensorFlow、PyTorch、MXNetに対応するとしている。

このチップはEC2インスタンスとして提供され、同社の機械学習プラットフォームであるAmazon SageMakerで利用できるようになる。

このカスタムチップを利用する新しいインスタンスは、2021年の提供開始を予定している。

このカスタムチップの重要なポイントはスピードとコストだ。AWSは、標準のAWS GPUインスタンスと比べてスループットは30%向上し、推論あたりのコストは45%下がるとしている。

また、AWSはIntel(インテル)と提携して機械学習のトレーニング向けにHabana GaudiベースのEC2インスタンスを提供する。2021年に、現在のGPUベースの機械学習向けEC2インスタンスと比べて価格性能比は最大40%向上するという。このチップはTensorFlowとPyTorchに対応する。

この新しいチップは、AWSクラウドで2021年前半に提供が開始される予定だ。

この2つのチップは、2019年のre:Inventで発表されたAWS Inferentiaを補完するものだ。Inferentiaは機械学習の推論の部分を担うもので、これもカスタムチップを使用している。

注目すべき点として、TrainiumにはInferentiaと同じSDKが利用される。

AWSは次のように発表している。「Inferentiaは機械学習インフラストラクチャのコストの最大90%を占める推論のコストを下げましたが、開発者の多くは機械学習のトレーニングの予算にも制約を受けています。そのため、モデルとアプリケーションを向上するために必要なトレーニングの範囲と頻度が制限されています。AWS Trainiumは、クラウドにおける機械学習のトレーニングに最高のパフォーマンスと最低のコストを提供して、この課題を解決します。お客様はTrainiumとInferentiaの両方を利用して、トレーニングのワークロードのスケーリングから高速な推論の展開まで、機械学習コンピューティングの最初から最後までのフローを実現できます」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

AWSがデータストア間でデータを簡単に移動できるGlue Elastic Viewsを発表

AWSは、開発者があるデータストアから別のストアへデータを移動できるようにする新しいツール、Glue Elastic Viewsを発表した

「AWS re:Invent」2020のキーノートでCEOのAndy Jassy(アンディー・ジャシー)氏は、プログラマーが複数のデータストア間でこれまで以上にシームレスにデータを移動できるようにするサービスのGlue Elastic Viewsを発表した。

この新しいサービスで、異なるサイロからデータを取得しターゲットのデータストアにコピーすることができる。このAWS ETLサービスにより、プログラマーはちょっとしたSQLコードを書けば、あるソースデータストアから別のデータストアへデータを移動するマテリアライズドビューを作成できる。

ジャシー氏は例として、依存関係をすべて処理しつつDynamoDBからデータをElastic Searchに移動し、そのデータをコピーするマテリアライズドビューをセットアップできると述べた。このようにすれば、ソースデータレイクのデータが変更された場合、移動した先のデータストアにあるデータが自動で更新されると同氏は説明した。

「データを移動できるようになれば【略】そしてそのデータをデータストア間で簡単に移動できれば、とてつもなくパワフルだ」とジャシー氏は述べている。

カテゴリー:ネットサービス
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(翻訳:Kaori Koyama)

AWSがMac miniのクラウド化を発表

「AWS re:Invent」2020カンファレンスが212月1日にバーチャルで開幕した。サプライズはMac miniがクラウド化された(AWSブログ)ことだ。具体的にはEC2に最新のMac miniインスタンスが追加された。料金としては必ずしも安くないが広く一般に公開され、AWSの全サービスが利用できる。

ターゲットとなるユーザーは(AWSがターゲットを絞っているのはこのサービスだけだが)は、MacとiOSアプリ用をクラウド上でビルドしテストする環境が必要なデベロッパーだ。ただしここで重要な点は、AWSのこのサービスにアクセスするとフル機能のMac miniをリモートで利用できることだ。デベロッパーはアプリ開発関連に限らず、あらゆる種類のユースケースを発見するに違いない。

最近リリースされたM1 Mac miniのスペックを考えると、AWSが利用するハードウェアは(少なくとも現在のところ)、6物理コア、12論理コア、32GBのメモリを備えたi7マシンだ。AWSは、Mac OSに組み込まれたネットワークオプションを使用して、クラウド上のMacをEC2のベアメタルであるNitroシステムに接続する。つまりネットワークとストレージへの高速アクセスが可能になる。AWSのブロックストレージをMacインスタンスにアタッチすることもできるわけだ。

当然だがAWSチームはApple(アップル)のM1 Mac mini自体をクラウドに導入することにも取り組んでいる。私が取材したところでは「2021年初め」に利用可能とする予定だという。2021年上半期に展開されるのは間違いない。ただしAWSもアップルもどちらも、Intelチップのマシンの必要性がすぐになくなるとは考えていない。実際、デベロッパーの多くは相当先までIntelマシンでテストが実行できることを望んでいるはずだ。

AWSのEC2担当副社長、David Brown(デビッド・ブラウン)氏は取材に対して「このサービスが提供するのは一切変更されていないMacm mini」だと語った。AWSがオフにした機能はWi-FiとBluetoothだけだ。ブラウン氏によればminiは、AWSの1Uラックにちょうどうまく収まるという。「Mac miniは無造作に積み重ねるわけにはいきません。実は我々のサービススレッドにマッチし、AWSが利用するカードなどもすべてにうまく対応します。データセンターのネットワークへの組み込みはMac mini付属のポートに接続するだけでした」とブラウン氏は説明した。AWSにとってこうしたサービスがチャレンジであったことを認めた。以下の動画でも冒頭にMac miniを積んだパネルトラックが登場するが、クラウドでMac miniのインスタンスを提供する唯一の方法はデータセンターに大量のアップルのハードウェアを設置するしかなかったわけだ。

画像クレジット:AWS

ここではAWSがハードウェアを仮想化していない点が重要だ。ユーザーがAWSのMac miniにアクセスするときは他の人と共有していない自分だけのデバイスにフルアクセスする。「AppleストアでMac miniを買ったのと同等のユーザー体験とサポート実現したかったのです」とブラウン氏は述べた。

他のEC2インスタンスとは異なり、新しいMacインスタンスを起動する度に、24時間分の料金を前払いする必要がある【アップデート:AWSの広報によれば、これは前払ではなくコミット(料金の確定)だという】。最初の24時間以後は他のAWSインスタンスと同様、秒単位で課金される。

具体的な料金は1時間あたり1.083ドル(約113.05円)で、秒単位で課金が可能だ。マシンを起動して24時間実行すると約26ドル(約2,714.11円)程度かかる。これは小規模なMac miniクラウドプロバイダーの料金よりだいぶ高い。こうしたプロバイダーの場合エントリーレベルのデバイスでは月額60ドル(約6264円)以下だ(RAM32GBのi7マシンでは約2〜3倍となる)。

画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

これまでMac miniはホスティングサービスの中でもかなりニッチな市場だったが、それなりの需要があり、Mac Stadium、MacinCloud、MacWeb、Mac Mini Vaultなどがシェアを争っていた。

小規模事業者は価格において優位性はあるものの、AWSの参入で手ごわいライバルが出現したことになる。AWSのMacを使えばデベロッパーはポートフォリオに含まれるすべてのサービスにAWS内でアクセスできるという。ブラウン氏はこう説明する。

処理のスピードやサービス粒度は(他のMac miniクラウドプロバイダーのような)サービスよりAWSのほうがずっと優れています。たとえば新たに契約した場合、マシンを起動するまでにプロビジョニングに数日かかります。小規模なプロバイダの場合、人の手でマシンをラックに入れ、接続のためのIPアドレスを用意しなければならず、ユーザー自身がOSを管理する必要があります。一般的に、契約期間は最低1カ月であり、ディスカウントの適用を受けるためにはもっと長い期間の前払いが必要になります。これに対してAWSの場合は要求後、わずか数分でマシンを起動しフルに利用できるようになります。100台、いや500台必要だとしてもリクエストするだけでいいのです。もう1つ大きな違いはエコシステムです。AWSが提供する200種類以上のサービスがすべてMac miniから利用できます。

またブラウン氏は、AWSではデベロッパーがさまざまなマシンイメージを横断的に利用できることを強調した。現在、macOS MojaveとCatalinaのイメージを提供しており、Big Sureのサポートも「将来提供される」予定だという。またデベロッパーは必要に応じて独自のマシンイメージを作成、保存できる。つまり新しいマシンを起動したときに既存のマシンイメージを再利用できる。ブラウン氏はこう述べた。

現在、我々のほとんどすべての顧客はiPhone、iPad、Apple TVその他なんであれAppleデバイスとAppleエコシステムをサポートする必要があります。そのニーズに本当に応えるサービスを求めています。我々が解決に力を入れて入る課題はこういうものです。つまり「うちの会社ではサーバー側のワークロードをすべてAWSに移した。それはいいが、ビルドのプロセスの一部がローカルに残っている。クラウドにMac miniがなかったり、あっても自分でメンテナンスしなければならない。AWSが全部引き受けてくれればいいのだが」。

このサービスのAWSのローンチカスタマーはIntuit、Ring、モバイルカメラアプリのFiLMiCだ。Intuitのプロダクト開発担当バイスプレジデントのPratik Wadher(プラティック・ワダー)氏は次のように述べている。

よく知られているEC2インターフェースとAPIから利用できるEC2のMacインスタンスを利用することで、既存のiOSおよびmacOSのアプリのビルドとテストのプロセスをシームレスにAWSに移行することができました。これによりデベロッパー生産性が大きく向上しました。当社独自のデータセンターと比較してパフォーマンスは最大30%向上しています。処理能力拡張における柔軟性、複数ゾーンを利用してノンストップで利用できるセットアップの効果によるものです。現在、我々はプロダクトのビルドの80%をEC2 Macインスタンスで実行しています。この分野でのAWSのイノベーションに期待し、楽しみにしています。

新しいMacインスタンスは多数のAWSリージョンで利用できる。現在、US East(バージニア州北部、オハイオ州)、US West (オレゴン州)、Europe(アイルランド)、Asia Pacific(シンガポール)が含まれているが、他のリージョンでも間もなく利用可能となる。

関連記事:M1搭載Mac miniレビュー、高性能で低価格なデスクトップMacの復活

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

AWSがデータセットをビジネスインテリジェンスに活かす自然言語検索サービスを発表

Amazon Web Servicesが2016年にビジネスインテリジェンスサービスのQuickSightを公開したとき、同社は製品情報や顧客情報を開発者だけでなくビジネスユーザーに提供することを意図していた。

その時点で利用できる自然言語処理テクノロジーは、顧客のツールとして普段の言葉遣いで質問してデータベースを効率よく検索できるほど強力ではなかった。

現在ではそうしたテクノロジーが成熟し、Amazon(アマゾン)は「QuickSight Q」という名称で大幅なアップデートを実施した。「AWS re:Invent」2020で配信されたAndy Jassy(アンディー・ジャシー)氏のキーノートによると、このサービスによりユーザーはシンプルな質問をするだけで必要な答えを得ることができるという。

ジャシー氏は次のように述べた。「知るべきであると我々が考えていることを実現するために、自然言語を提供します。どのデータベースにアクセスすればいいか、どこにデータが保管されているかをユーザーが知る必要があるという状況は望ましくありません。ユーザーが自然言語の質問を検索バーに入力すれば答えが返ってくるようにしたいのです」。

これがQuickSight Qの目指すところだ。多数のビジネスインテリジェンススタートアップにとっては直接の脅威であり、さまざまな業界で機械学習と自然言語処理がビジネスのプロセスを変える実例の1つでもある。

「Qはこのように動作します。自然言語で質問を入力します。たとえば『製品Xの過去12カ月の売上は?』と。するとあっという間に答えが返ってきます。テーブルもデータストアも知る必要はありません」。

これは極めて魅力的なユースケースであり、AWSが機械学習を統合して顧客にノーコードサービスをさらに広めようとしていることの一端だ。ジャシー氏は「お客様は機械学習をするために我々を利用しているのではありません。質問の答えを得るために使っているのです」と語った。

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(翻訳:Kaori Koyama)

AWSがBabelfish for Aurora PostgreSQLでMicrosoftのSQL Serverを追撃

米国時間12月1日AWSは新しいデータベース製品を発表した(AWSブログ)。この製品は明らかにMicrosoft(マイクロソフト)のSQL Serverの後を追うものであり、SQL ServerユーザーのAWSクラウドへの移行を、より簡単に、そしてより安価に行えるようにすることを目的としている。新しいサービスの名前はBabelfish for Aurora PostgreSQL(バベルフィッシュ・フォー・オーロラ・ポストグレスキューエル)だ。AWSのCEOであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏が、米国時間12月1日の「AWS re:Invent」2020の基調講演で、このサービスを指して伝えたかったのは、おそらく「必要のないSQL Serverのライセンスに、お金を払うのはやめましょう」というメッセージだ。そして、このことにどれだけ真剣に取り組んでいるかを示すために、同社はこのツールのオープンソース化も行っている。

Babelfishが提供するのは、SQL Serverが独自に持つSQのL方言(T-SQL)と通信プロトコルのための翻訳レイヤーである。これを使うことで企業がAWSのAuroraリレーショナルデータベースに自由に切り替えられるようになる(ただし、既存のデータを移行する作業は残される)。SQL方言の翻訳はもちろんSQLコマンド、カーソル、カタログビュー、データ型、トリガー、ストアドプロシージャ、関数の翻訳も提供する。

ここで約束されていることは、企業がデータベースドライバーを交換したり、データベースリクエストを書き換えて検証したりしなくても、この移行が可能になるということだ。

「私たちは、Babelfishを傑出したものだと信じています。なぜならそれは単なる移行サービスの1つではなく、考えられる限り便利なサービスだからです。Babelfish使うことで、マイクロソフトのSQL Server用に書かれたアプリケーションからの、データベースリクエスト(コマンドとプロトコルの両方)を、ライブラリ、データベーススキーマ、SQLステートメントの変更を行うことなく、PostgreSQLが理解できるようにすることができます」と、AWSのMatt Asay(マット・アセイ)氏は発表の中に書いている。「これは、開発者の労力を最小限に抑えながら、はるかに迅速な『移行』を実現できることを意味します。またそれは『正しさ』を中心に考えられています。つまりSQL Serverの機能を使用するように設計されたアプリケーションが、PostgreSQL上でもSQL Server上と同じように動作するということを意味します」。

PostgreSQLは、AWSが正しく指摘しているように現在の市場で最も人気のあるオープンソースのデータベースの1つだ。多くの企業が自社のリレーショナルデータベースをPostgreSQL上に移行したい、少なくとも既存のデータベースと組み合わせて使いたい、と考えている。今回の新サービスで、その作業はかなり楽になるだろう。

オープンソースのBabelfishプロジェクトは2021年に立ち上げられ、Apache 2.0ライセンスでGitHub上で公開される予定だ。

AWSのCEOのアンディ・ジャシー氏は「リレーショナルデータベースの圧倒的多数がオンプレミスであることは、いまでも事実です。顧客の皆さまは、これまでのやり方にうんざりなさっているのです」という。re:Inventでのお約束に従って、ジャシー氏は基調講演の中ではOracleに対する多少の当てつけをしたものの、AWSが本日データベース領域でローンチした製品の真の攻撃対象は、明らかにマイクロソフトである。

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(翻訳:sako)

AWS障害にともない他社サービスもダウン

Amazon Web Services(AWS)に現在障害が発生しており、多くのインターネットサービスがダウンしている。

ステータスページによると、米国時間11月25日水曜日の早くから複数のAWSサービスで問題が発生しているという。つまり、AWSに依存しているアプリやサイト、サービスもダウンしている可能性があるということだ。(たとえば今朝、私の家のRoombaは接続を拒否した)。

Amazon(アマゾン)によると、この問題は主に北米に限定されているという。同社は停止の理由を明らかにせず、エラー率が増加していることと、解決策に取り組んでいることだけを伝えた。皮肉なことに、今回のダウンはアマゾンの「Service Health Dashboardへの更新ポスト機能」にも影響を与えており、同社でさえダウンタイムから免れることができない。

これまでのところ、Adobe(アドビ)やRokuなどのAWSを利用している多くの企業が問題をツイートしている。

米TechCrunchはこの障害について、情報を更新する予定だ。なお幸運なことに、米TechCrunchにも問題は発生していない。

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画像クレジット:David Becker / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Amazon S3 Storage LensはS3の複雑な利用状況を可視化する

S3ストレージの要件が多くなると、どう利用されているかを正確に把握するのは難しくなる。複数のリージョンにまたがると、特にそうだ。可視化する手段がないために独自にソリューションを構築しなくてはならない管理者にとっては、大きな影響が出かねない。この状況が、11月第3週のAWSの発表によって変わった。きわめて複雑なS3ストレージ環境を把握する手段として、Amazon S3 Storage Lensという新しいプロダクトが発表されたのだ。

このツールで、S3オブジェクトストレージ全般の状況を把握し必要があれば対応をするための分析をすることができる。AWSはこの新しいサービスに関するブログ投稿の中で「その時点での指標とトレンドライン、そして実行可能な提案を示してオブジェクトストレージをお客様の組織全体にわたって可視化する、初のクラウドストレージ分析ソリューションです」と説明している。

画像クレジット:Amazon

ダッシュボードに29種類の指標が表示され、AWSによれば「異常を発見し、コスト効率を割り出し、データ保護のベストプラクティスを適用する」のに役立つという。IT管理者はストレージの状況を見て、注意しなくてはならない問題があるかどうかなど必要に応じて特定のインスタンスを詳しく調べることができる。デフォルトのダッシュボードが用意されているが管理者はダッシュボードをカスタマイズでき、S3 LensのデータをAmazonの他のツールに書き出す機能もある。

数千、あるいは数万ものS3ストレージインスタンスがあるような複雑なストレージ要件で運用している企業は、システム全体の状況を把握する手段をなんとか工夫して作らなくてはならなかった。そうした企業がS3 Lensを使えば、すべてを1カ所で見ることができる。

AWSによると、S3 Storage Lensは全リージョンですでに利用可能になっている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Amazonが2890億円を投資し、インドで2つ目のデータセンターリージョンを開設

Amazon(アマゾン)はインド南部のテランガーナ州に約28億ドル(約2890億円)を投資して、新しいAWSクラウドリージョンをかいせする。この話はインド時間11月6日に、とあるインドのトップ政治家によって明らかにされた。

この投資によって、アマゾンは2022年半ばまでにハイデラバード市にAWS クラウドリージョンを立ち上げることができると語ったのは(Twitter投稿)、テランガーナ州の情報技術、エレクトロニクス&通信、自治体管理、都市開発そして産業&商業部門大臣のK. T. Rama Rao(K.T.ラマ・ラオ)氏だ。

新しいAWSアジアリージョンは、アマゾンのインドにおける2個めのインフラストラクチャリージョンとなることがプレスリリースの中には書かれている(Amazonリリース)。その中では投資規模に関する開示は行われていないが、「新しいAWSアジアパシフィック(ハイデラバード)リージョンによって、さらに多くの開発者、スタートアップ、企業はもちろん、政府、教育、非営利組織もインドにあるデータセンターからアプリケーションを実行し、エンドユーザーにサービスを提供できるようになります」と同社は述べている。

しかし、そこにはアマゾンにとっても多くの意味が含まれている。コンサルタント会社Convergence Catalyst(コンバージェンス・カタリスト)のチーフアナリストであるJayanth Kolla(ジャヤン・コラ)氏、TechCrunchに対して、インドにクラウドリージョンを増やすことで、アマゾンはインドのデータローカリゼーションポリシーに準拠しやすくなると語った。こうした準拠は、現在インドのクラウド市場をリードしているアマゾンが、より多くの顧客を引き付けるのに役立つだろうと語る。

近年、AWSは複数の有名企業に対して顧客となってもらうべく努力を重ねてきた。それらの中には、自動車大手のAshok Leyland(アショック・レイランド)、生命保険会社Aditya Birla Capital(アディティヤ・ビルラ・キャピタル)、エドテック大手のByju’s(ビジュ)、Axis Bank(アクシス・バンク)、Bajaj Capital(バジャジ・キャピタル)、ClearTax(クリアタックス)、Dream11(ドリーム11)、Edelweiss(エーデルワイス)、Freshworks(フレッシュワークス)、HDFC Life(HDFCライフ)、Mahindra Electric(マヒンドラ・エレクトリック)、Ola(オラ)、Oyo(オヨ)、Policybazaar(ポリシバザー)、RBL Bank(RBLバンク)、redBus(レッドバス)、シャルダ大学、、Swiggy(スィギー)、Tata Sky(タタ・スカイ)、Zerodha(ゼロダ)などが含まれている。

コラ氏によれば、将来的にはインドのさらにいくつかの州が、州独自のデータローカリゼーション法を導入する可能性があるという。「このレベルの投資を誘致できたのは、ハイテク都市ハイデラバードの本拠地であるテランガーナ州政府にとって、大きな勝利でもあるのです」と彼は付け加えた。

Amazon Web Servicesのグローバルインフラストラクチャおよびカスタマーサポート担当上級副社長であるPeter DeSantis(ピーター・デサンティス)氏は「インドの企業は、インドや海外の数十億にのぼる顧客のニーズに合わせたコスト削減、俊敏性の向上、迅速なイノベーションを実現するために、クラウドコンピューティングを採用しています」と語る。「私たちは、AWSアジアパシフィック(ムンバイ)リージョンとともに、より高い柔軟性と多くの選択肢をお客様に提供するとともに、様々な場所における耐障害性、回復性、可用性をさらに高めるインフラストラクチャを設計できるようにしています」。

この投資は、これまでにインド事業に65億ドル(約6720億円)以上を注ぎ込んだアマゾンの、世界第2位のインターネット市場に期待している機会の大きさを示している。

アマゾン、Google (グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)の各社は、インドでのクラウドサービスのリーチを拡大するために、さまざまな方法を模索している。マイクロソフトは、2019年に通信大手の Jio Platformes(ジオ・プラットフォーム)と長期契約を締結し(未訳記事)、多数の企業にOffice 365(オフィス365)やその他のマイクロソフトサービスへのアクセスを、より手頃な価格で提供した。またアマゾンは2020年の初めに、インド最大の通信事業者の1つである Airtel(エアテル)と戦略的提携を結んだ(未訳記事)。この契約の一環として、Airtel は多数の顧客に対してAWSを販売する予定だ。現在、マイクロソフトはインドに3つのデータセンターリージョンを所有し、一方、グーグルは2つのデータセンターリージョンを所有している。

市場調査グループIDCによれば、インドのパブリッククラウド市場規模は、2024年までに70億ドル(約7230億円)になると予想されている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonAWSインド

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AWSが次世代型GPUインスタンスをローンチ

米国時間11月1日、AWSは、最新のGPUによるインスタンスを立ち上げた。P4と呼ばれるその新しいインスタンスは、AWSが最初のCluster GPUインスタンスを立ち上げてから10年後のローンチとなる。この新世代のインスタンスはIntelのCascade Lakeプロセッサと8つのNVIDIA A100 Tensor Core GPUを使用する。AWSの仕様によると、ディープラーニングのパフォーマンスは旧世代の最大2.5倍となり、モデルの訓練費用は60%安くなるという。

画像クレジット:AWS

現在のところサイズは1つだけで、AWSではp4d.12xlargeインスタンスと呼ばれている。8つのGPUはNVIDIAのNVLink通信インタフェイスで接続され、同社のGPUDirectインターフェイスもサポートされる。

320GBの高速メモリーと400Gbpsのネットワーキングにより、いうまでもなく極めて強力なマシンだ。加えて96のCPUコア、1.1TBのシステムメモリ、そして8TBのSSDストレージを備えたこのインスタンスは、オンデマンドの料金が1時間32.77ドル(約3432円)と聞いても誰も驚かないだろう。ただしその料金は、1年の予約インスタンスなら1時間20ドル(約2095円)、3年の予約インスタンスでは11.57ドル(約1212円)となっている。

画像クレジット:AWS

極端なケースとしては、EC2 UltraClusterとAWSが呼ぶこれらのマシンに4000以上のGPUを組み合わせて、スーパーコンピューターが行うようなハイパフォーマンスコンピューティングに使うこともできる。これだけの料金では、小さな試作アプリでモデルの訓練に使うのも難しいが、AWSはすでに。協力企業は、Toyota Research Institute(TRI)、GE Healthcare、Aonといった数社のエンタープライズ顧客と協力してこれらのインスタンスとクラスターをテストしている。

「Toyota Research Instituteでは、誰もが自由に移動できる未来の研究開発を行っている。前世代のP3インスタンスでは、機械学習のモデルの訓練を数日から数時間に短縮できた。今回のP4dインスタンスではGPUのメモリーが増え、浮動小数点数のより効率的な形式を使えるため、弊社の機械学習チームはさらに複雑なモデルをしかも前より高速に訓練できるだろう」とTRIのインフラストラクチャ工学担当技術長であるMike Garrison(マイク・ギャリソン)氏は述べている。

関連記事:NVIDIAがAmpereアーキテクチャのデータセンター用GPUを出荷、タンパク質モデリングなどAI学習の性能が20倍に

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AWS

画像クレジット:Pedro Fiúza/NurPhoto/AP

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総務省による第二期政府共通プラットフォームがAWS上で運用開始、行政サービスのDX加速

総務省による第二期政府共通プラットフォームがAWS上で運用開始、行政サービスのDX加速

アマゾン ウェブ サービス ジャパンは10月8日、総務省による第二期政府共通プラットフォームがアマゾン ウェブ サービス(AWS)上で運用開始されたと発表した。

政府は、業界をけん引するクラウドサービスの活用を通じて、情報システムを新技術へ対応させると同時に、各府省が独自に整備・運用する情報システムとデータのさらなる統合・集約によりITガバナンスを強化し、管理の一元化、セキュリティの強化、運用コストの削減を実現する。

政府共通プラットフォームは、運用コストの削減やセキュリティ強化などを目的に、2013年3月に第一期の運用を開始。2018年には効率性や可用性向上を目的に、政府情報システムの整備においてクラウドサービスの利用を第一候補とする原則を定めた「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」(クラウド・バイ・デフォルト原則)の発表を受けて、総務省は第二期政府共通プラットフォームの整備においてクラウド活用を優先しており、今回デジタル・ガバメントの実現を支える新たな取り組みをAWS上で開始した(「政府共通的な情報システムの整備」)。

総務省による第二期政府共通プラットフォームがAWS上で運用開始、行政サービスのDX加速

第二期政府共通プラットフォームでは、政府情報システムとデータをAWS上で統合・集約することで、オンプレミス環境の管理に伴う複雑さと高コスト、また、新たなプロジェクトの推進に当たってのベンダー依存も減少できるようになる。また、AWSを政府共通プラットフォームの基盤として活用することで、各府省は情報システムを新技術へ対応させるとともに、イノベーションを加速することで、迅速にデジタル化された行政サービスを提供することが可能としている。

AWSのクラウドインフラストラクチャは、日本の「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」で定められたITガバナンス基準を含む、世界で最も厳格なセキュリティ要件を満たすよう設計。各府省はセキュリティにおけるベストプラクティスやツールを含むAWSサービスを活用して、情報システムとデータのセキュリティをさらに強化できるようになる。

さらに、AWSは異なる大陸プレート上に互いに約400km離れたふたつのリージョンを提供。そのため、AWS顧客は日本国内にある複数リージョンを活用した情報システム設計を通じて高い可用性を確保し、耐障害性と事業継続性をさらに高めるとともに、日本全国のエンドユーザーにこれまで以上に低遅延で行政サービスを提供可能としている。

カテゴリー: GovTech
タグ: Amazon Web Services / AWS総務省政府共通プラットフォーム日本

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暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.9.27~10.3)

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.9.27~10.3)

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、重要かつこれはという話題をピックアップし、最新情報としてまとめて1週間分を共有していく。今回は2020年9月27日~10月3日の情報をまとめた。

Atariの独自トークン「Atari Tokens」が暗号資産取引所Bitcoin.comを介し11月にIEO、販売終了後に上場決定

ビデオゲーム界の老舗メーカーAtari(アタリ)は10月1日、暗号資産取引所Bitcoin.comとの間でAtariの独自トークン「Atari Tokens」(ATRI。EthereumのERC-20準拠)の公開販売(IEO。Initial Exchange Offering)および販売完了後の上場に向けた契約の合意を発表した

Atariの独自トークン「Atari Tokens」が暗号資産取引所Bitcoin.comを介し11月にIEO、販売終了後に上場決定

IEOの開始は、2020年11月上旬を予定。暗号資産取引所Bitcoin.comを介して、ジブラルタル拠点のAtariグループ子会社Atari Chainが実施する。Atari Tokenは販売期間中、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の主要暗号資産でのみ購入可能となる。

今回のIEOとその後の上場は、Atariのブロックチェーンプロジェクトにとって重要なマイルストーンという。Atari Token保有者に流動性を提供し、同プロジェクトが計画をするAtariブロックチェーンエコシステムの発展への道を切り開く第1歩としている。

Atari Tokenのユースケース

またAtari Tokenのユースケースは、現在、Atariグループが活動をしている分野を予定。それぞれ関係各所とパートナーシップ契約を締結しており、平行していくつかのプロジェクトが進んでいる。最初は、暗号資産を使用したAtari CASINO、PCゲーム配信プラットフォームUltraでのAtariゲームの配信、今秋発売予定の新型家庭用ゲーム機「Atari VCS」などで利用される予定になっている。パートナーシップに関しては、順次atarichain.comで発表されるという。

最終目的は、決済手段はじめ、スマートコントラクトの促進、ゲーム内の収益化、アセットの拡張から保護まで

Atari Tokenは、イーサリアムのERC-20準拠のトークンとして発行された暗号資産。主たる目的は、ビデオゲームなどインタラクティブエンターテインメント業界内での決済手段として利用するものの、トークンはさまざまな業界にも有益であるとAtariグループは考えているという。

最終的な目標は、Atari Tokenが世界中で利用可能になること。決済手段のみならず、スマートコントラクトの促進から、ゲーム内の収益化、アセットの拡張から保護まで、多くの用途を想定しているそうだ。また、安全かつ信頼性が高く、普遍的で、流動性のある使いやすいトークンの作成を目指している。

Atari TokenはIEOおよび上場を機に、Atariのパートナーを含むさまざまなAtari商品やサービスとの交換手段として、まもなくAtariのネットワーク内で利用できるようになる。

Atari Token誕生までの経緯

Atari Tokenを開発するチームは、現在、Atariグループとドイツを拠点とするインターネット銀行ICICBによるメンバーで構成されている。

Atari Tokenは2018年の発表当初、AtariグループがInfinity Networks Limited(INL)とパートナーシップを結び独占契約を締結、INLにAtariブランドを付与し、ブロックチェーンプロジェクトとして立ち上がった経緯がある。プロジェクトでは、暗号資産の作成やAtariブランドを使ったブロックチェーンゲームや映画、音楽などあらゆるデジタルエンターテインメントにアクセスできるプラットフォームの構築を目指していた。

しかし、INLによるブロックチェーンプロジェクトは、Atariが期待する速度で開発は進まなかったようだ。AtariとINLは、どちらの側にもペナルティを発生させることなく、円満かつ即時にこのライセンスを終了させ、すべての権利をAtariグループ側に回復させることで合意し、INLとのパートナーシップを解消した。

その後、Atariグループはブロックチェーンプロジェクトをふたつに分離し、Atari Tokenについては、2020年3月にICICBグループと提携した。

グループは、Atari Tokenのユースケースの最大化を考慮し、開発の速度を上げるために、現時点において最も実現性の高いプロジェクトを優先しパートナーシップを締結している。それらが、Pariplayと契約をしたAtari CASINOであり、Ultraを始めとするその他のパートナーシップでということになる。Atari CASINOはまもなく開始を予定しており、IEOの前にAtari Tokenのプレセールを実施している。

ウォレットなどの開発も進行

Atari Tokenは、IEOおよび上場の計画の他にも、現在、ウォレットなどの開発が進んでいることも明らかにしている。ウォレットはすでにAndroid版のテストが最終段階であり、監査が完了し、安全性が確認でき次第発表するとした。

テックビューロHDの「mijin Catapult(2.0)がアマゾンAWS Marketplaceにて世界190ヵ国に提供開始

NEMブロックチェーンのプライベートチェーン版「mijin Catapult(2.0)」を提供するテックビューロホールディングス(テックビューロHD)は9月30日、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が世界190ヵ国で提供する「AWS Marketplace」において、初の日本法人パートナー企業のうちの1社として登録されたと発表した。同日より、mijin Catapult(2.0)の提供を開始した。

テックビューロHDの「mijin Catapult(2.0)がアマゾンAWS Marketplaceにて世界190ヵ国に提供開始
AWS Marketplaceは、同社クラウドサービス向けのオンラインソフトウェアストアである。ITビジネスを構築・運営するために必要なサードパーティーのソフトウェア・データ・サービスを検索・購入・デプロイ・管理するために使用できるデジタルカタログとなる。

今回のAWS Marketplace登録により、販路として世界190ヵ国のAWSの顧客に対しグローバルなサービス提供をできるようになったほか、月間29万人を超えるアクティブな顧客に対して同社サービスをアピール可能となった。

NEMブロックチェーンのプライベートチェーン「mijin」

テックビューロHDが提供するプライベートチェーン「mijin」は、NEM(ネム)コアの開発者が同社に合流し開発したNEMブロックチェーンのプライベートチェーン版。「mijin Catapult (2.0)は、エンタープライズで利用可能なプライベートブロックチェーン環境を構築する「mijin v.1」をバージョンアップした製品。

またmijin Catapult (2.0)は、NEMの次期バージョン「Symbol」にあたる存在でもある。mijin Catapult (2.0)は2018年6月にオープンソース化され、Symbol公開に先行し2019年6月より製品版として公開されている。

mijin Catapult (2.0)は、300社以上への提供実績を持つmijin v.1の性能を向上させるために仕様全体を一新し、機能・性能・仕様のすべての面においてバージョンアップを実施。異なるブロックチェーン間でのトークン交換や複数トランザクションの一括処理を可能にするなど、前バージョンの課題であった処理速度、スケーラビリティの両面で大幅なグレードアップを実現している。

具体的には、mijin v.1と同様、ひとつのブロックチェーン上に複数のアセット(トークン)を同時に発行し流通・管理を行える機能「マルチアセット」、複数人の合意によって取引・コントラクトを実行する「マルチシグネチャー」機能が最大3階層まで設定が可能になった。

追加の機能として、第3者を介さず異なるブロックチェーン間でのトークン交換(クロスチェーン・トランザクション)や、複数トランザクションの一括処理(アグリゲート・トランザクション)が可能となっている。前バージョンの課題であった処理速度、スケーラビリティの両面での大幅なグレードアップも実現した。

今回のAWS Marketplaceにおける提供では、ブロックチェーンの導入促進を目的に設計・開発イメージをより多くのAWSユーザーに体験してもらえるよう、機能を制限した無料トライアル版が提供されている。

無料トライアル版の概要は、以下の通り。

  • ノード: 1台のみ(DUALモード/APIノードにHarvestを有効)
  • デプロイ: およそ15分程度で下記構成が完成
  • ライセンス費: 無料
  • インフラ費: AWS使用料として、Amazon EC2、Amazon EBS、Amazon Route53、パラメータストアの費用は発生
  • リージョン: 世界16リージョンに提供

制限事項として、公開ネットワークのみ(IPアドレス制限は可能)の配置、基軸通貨発行数は2000cat.curency限定、手数料が必要、提供されるバージョンは、「mijin Catapult (2.0)(0.9.6.4)」に固定としている。

テックビューロHDの「mijin Catapult(2.0)がアマゾンAWS Marketplaceにて世界190ヵ国に提供開始

テックビューロHDでは、2020年12月に予定されているSymbol正式版のリリースに合わせて、有料エンタープライズ版の追加公開を予定。またmijin Catapult (v.2) Free Trial版については、2021年1月末日をもってAWS Marketplaceから削除する予定で、2021年4月1日以降は問い合わせも受付終了予定としている。

パブリックチェーンのSymbolとプライベートチェーンのmijin Catapult(2.0)のクロスチェーン・トランザクション

パブリックチェーンのSymbolとプライベートチェーンのmijin Catapult(2.0)のクロスチェーン・トランザクションでは、「Atomic Swap」という方法でプライベートチェーンとパブリックチェーン両者のメリットを使い分けて利用できるようになる。それにより、Symbolとmijin Catapult(2.0)や、管理者の違うmijin Catapult(2.0)間でお互いのモザイク(トークン)の交換が可能になる。パブリックチェーンを使いつつ、大事なものはプライベートで取引をするといったサービスが提供可能になる。

LINE、独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」基盤を導入した外部企業サービスを発表

LINEの暗号資産事業・ブロックチェーン関連事業を展開するLVCとLINE TECH PLUS PTE. LTD.(LTP)は9月30日、LINEの独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」(LINE Blockchain White paper v2.1)基盤を導入した外部企業のサービスを発表した

LINE、独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」基盤を導入した外部企業サービスを発表LINEは、LINE Blockchainを基盤としたブロックチェーンサービス(DApps)を簡単かつ効率的に構築できる開発プラットフォーム「LINE Blockchain Developers」を展開している。企業は、LINE Blockchain Developersを導入することにより、既存サービスにブロックチェーン技術を組み込むことができ、独自のトークンエコノミーの構築も可能になる。

また、LINE Blockchain Developersで構築した各サービス内で発行されるトークンを、LINE IDと紐づくデジタルアセット管理ウォレット「BITMAX Wallet」にて管理・連携させることもできる。企業は、それによりLINEのユーザー基盤を活かしたサービスの構築が可能になる。

2020年8月26日にLINE Blockchain Developersの提供開始を発表後、6日目にして申込数が100件を突破したという。

今回の発表では8社が紹介され、そのうちの2社はすでにサービスを開始している。導入企業の詳細は、以下の通り。

モバイルRPGゲーム「ナイトストーリー」

ブロックチェーンゲームを開発するBiscuitlabsは、9月30日よりモバイルRPGゲーム「Knight Story」の日本版を提供開始した。プレイヤーはナイトとなり、ペットとともにバトルをしながら素材を収集し、素材を組み合わせて装備アイテムを作成し強化していく。ゲーム内アイテムはNFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)のため、プレイヤーはアイテムの保有権を持ち、交換・売買ができる。

電子契約サービス「リンクサイン」(linksign)

リーガルテック企業のComakeは、AI・ブロックチェーンベースの電子契約サービス「リンクサイン」(linksign)の提供を9月30日より開始。契約書の作成、内容の検討、署名、締結などと契約行為を始まりから終わりまで完結できるオールインワンプラットフォームとなっており、顧客は様々な契約書テンプレートから契約書を作成できる。また、すべての契約プロセスをリアルタイムで確認可能。ブロックチェーンにより、契約文書の偽造・変造を防止する。

LINE、独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」基盤を導入した外部企業サービスを発表

ソーシャルメディア「aFan」

Common Computerの「aFan」は、クリエイターとファンをつなぐブロックチェーンベースのソーシャルメディア。ファンは、写真家、イラストレーターなどのクリエイターに直接寄付・応援することで、クリエイターのコンテンツ制作や活動をサポートできる。ファンとクリエイターは、トークン「ファンコ」を通じて、従来の「いいね」やコメント以上の相互交流が可能となる。サービス開始は、10月上旬予定。

LINE、独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」基盤を導入した外部企業サービスを発表

MMO戦略ゲーム「リーグオブキングダム for LINE Blockchain」

ブロックチェーンゲーム開発会社NOD Gamesは、MMO戦略ゲーム「リーグオブキングダム」の日本版「リーグオブキングダム for LINE Blockchain」を10月末より提供開始予定。王国同士、連盟や戦争を通じで領土を広げていく、大陸の覇権を争うゲーム。プレイヤーは、ゲーム内で保有する資産をブロックチェーンアイテムトークンに転換することで完全に保有し、取引できる。ブロックチェーン技術をさらに活用し、プレイヤーがゲームの方向性決定に参加できる仕組みも将来計画している。

LINE、独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」基盤を導入した外部企業サービスを発表

コインプッシュゲーム「CryptoDozer」

ブロックチェーンゲーム開発会社のPlayDappは、コインプッシュゲームをモチーフにした「CryptoDozer」を2020年内に日本向けに提供開始予定。30種類以上のDozerドールを入手できるコインゲーム。ファンシードールを獲得するためにDozerドールを調合することもできる。ドール強化でゲームプレイをさらに活性化することが可能。

LINE、独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」基盤を導入した外部企業サービスを発表

ソーシャルカラオケアプリ「SOMESING」

Emel Venturesは、ソーシャルカラオケアプリ「SOMESING」を2020年内に日本向けに提供開始予定。いつでもどこでも高音質のカラオケを楽しむことができる。全世界の友達とデュエットすることも可能。ブロックチェーン技術を応用した世界初のカラオケアプリであり、独自のリワードシステムによりユーザーは自分が歌った歌に対して公正な報酬を受け取ることがきる。

LINE、独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」基盤を導入した外部企業サービスを発表

ビデオ・ストリーミング・プラットフォーム「Theta.tv」

ビデオ配信サービスを提供するTheta Labs(Theta Network)は、eスポーツ専門のビデオストリーミングプラットフォーム「Theta.tv」を2020年内に日本向けに提供開始予定。ユーザーは、コンテンツを視聴し、帯域幅を別の視聴者たちに共有することでリワードを受け取れる。ユーザーは特定のクリエイターを購読し寄付することも可能。

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スポーツゲーム「Crypto Sports」(仮称)

アクセルマークオルトプラスの100%子会社OneSportsは共同で、プロスポーツライセンスを使用したゲームの開発を進めている。2021年以降にローンチ予定。ユーザーは試合に参加して選手を育成し、その選手達を取引できる。

LINE、独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」基盤を導入した外部企業サービスを発表

カテゴリー: ブロックチェーン
タグ: Atari TokensAWSEthereumLINELINE BlockchainLINE Blockchain Developersmijin CatapultNEMSymbolUltraテックビューロ

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米空軍の入札企業にOculus VR創業者設立の防衛関連企業Andurilが選ばれる

2014年にFacebookが買収したOculus VRの創業者Palmer Luckey(パルマー・ラッキー)氏による防衛関連企業であるAnduril(アンドゥリ)が、米空軍が数十億ドルを投じる、戦争のための最先端の神経システムの入札企業として選ばれた。ラッキー氏は米国時間9月24日のTwitter投稿で、AndurilがそのAdvanced Battle Management System(先進的戦闘管理システム、ABMS)のための、選ばれたベンダーのひとつになったと発表した。

これまでの4カ月間空軍は、そのシステムを開発できると思われる50社あまりのベンダーを指名して、次の5年間でおよそ10億ドル(約1050億円)を受注するチャンスを各社に与えた。そして17社の候補ベンダーが選ばれたが、その中にはAmazon Web Servicesもいた。

一方でそのベンダーリストには、これまでの国防総省の入札であまり見かけることのなかった企業が多く載っており、その意欲的なシステムのタイムラインを加速しようとする「革新的な調達戦略」を反映しているようだ。

かつてOculusを創業して消費者向けVRの黎明期を作り(未訳記事)、トランプの熱心な支持者として議論を巻き起こし(The Daily Beast記事)、最後にはFacebookを解雇された人物(未訳記事)の創業3年のスタートアップであるAndurilは、それにぴったりの企業だ。

空軍のプレスリリースでは 「ABMSの目標は、空軍と宇宙軍が合同チームの一環として共同で活動できるようにすることであり、そのために、各軍のセンサーや意思決定者や武器兵器を安全なデータネットワークで接続して、迅速な意思決定と全軍的な命令系統および制御系統をを可能にする」と説明されている。

空軍の技術調達部次官補Will Roper(ウィル・ローパー)氏は以前「ABMSの入札競争は『新しい血』を導入する。新しい血とは特に、商用にフォーカスしている企業のことで、彼らは「データに関して多くを知り、機械学習と人工知能について多くを知り、そしてアナリティクスについてもよく知っているからだ」と語っていた。

Andurilは、創業3年という短い期間に意外なほど多くの国の仕事を手がけている。6月にトランプ政権はAndurilに、ドローンとセンサーのタワーとAIのソフトウェアから成る国境のバーチャルな壁の構築を発注した。それは同社にとって、特注生産に手を伸ばす機会になるだろう。

ABMSプロジェクトは最終的に、国防総省のJADC2(Joint All-Domain Command & Control、全軍合同命令制御システム)の一環になる。この、戦争のためのメタソフトウェアプラットホームは、すべての人と機器および装備を、陸・海・空・宇宙、そしてサイバーの全軍にわたって接続し、使用する電磁波スペクトルも統一する。

ラッキー氏のツイートによると、Andurilがその契約を取れば「すべてのプラットホームにおける能力の成熟とその開示、および増殖のためであり、そのためにオープンなシステム設計と、現代的なソフトウェアとアルゴリズムの開発を利用して、JADC2を可能にしていく」という。

このプロジェクトに関するDefense Oneの記事によると、「JADC2はすべての艦船と兵士と航空機をリンクして、陸、空、海、宇宙、そしてサイバーの能力が完全に同じデータを共有し、通信が激しく妨害されたり、敵の防空能力が勝(まさ)っている環境であっても、どの部門でも同じ標的に立ち向かうことができる」ということだ。

国防総省の仕事を請け負うことは、Andurilの初日からの最終目標だった。同社は差別なく重要な人材を雇用(The Daily Beast記事)し、税関国境保護局や海兵隊の仕事も引き受け、ハードウェアとソフトウェアが自律稼働し対話するモジュール状ネットワークの小規模な概念実証を作った。

2017年にAndurilがローンチしてから数か月後、TechCrunchでは「Andurilは、戦場における地上兵士と司令部のリアルタイムの心理に関心がある」と書いている(未訳記事)。それはまるで、同社の今回の新しい国防総省の仕事を指しているようだ。

関連記事:Palmer Luckey’s new defense company Anduril looks interested in AR and VR on the battlefield(未訳記事)

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

トヨタとAWSが務提携拡大、ビッグデータ蓄積・利用基盤を強化

トヨタとAWSが「モビリティサービス・プラットフォーム」強化に向け務提携を拡大

トヨタ自動車(トヨタ)とAmazon.com傘下のAmazon Web Services(AWS)は8月18日、グローバルでの業務提携を拡大すると発表した。トヨタの「モビリティサービス・プラットフォーム」(MSPF)の強化に向け、AWSの幅広いサービスポートフォリオを活用する。MSPFは、モビリティサービスに必要な様々な機能をAPIを介してモビリティサービス事業者に提供するオープンなプラットフォーム。

今回の提携拡大により、AWSのグローバルインフラとAWSプロフェッショナルサービスを活用することで将来の膨大なトランザクションに備え、MSPFのビッグデータ蓄積・利用基盤を強化する。なお、包括契約の適用範囲をトヨタグループに広げ、車両ビッグデータをグループ各社で柔軟かつ安全に活用できる基盤を構築し、CASE時代に向けた準備を加速する。CASEとは、Connected、Autonomous(自動化)、Shared(シェアリング)、Electricのそれぞれ頭文字をとったもの。

トヨタは、コネクティッドカーの普及に伴い、MSPFとAPIを介しコネクティッドカーから収集した車両データを、車両の設計開発にフィードバック。さらに、カーシェア・ライドシェアといったサービスや車両メンテナンスの事前通知、運転挙動反映型テレマティクス自動車保険など、法人・個人向けのサービスとも連携させ、車両データに基づく安全・安心で快適な次世代のモビリティサービスをドライバーや乗客に提供している。

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Google CloudのBigQuery OmniでGCPとAWSとAzureのデータをクエリできる

米国時間7月14日、Google(グーグル)はオンラインで開催されたGoogle Cloud Next ’20で、同社のクラウドポートフォリオの数々のアップデートを発表したが、今年のこのイベントのハイライトはBigQuery Omniのアルファローンチだろう。グーグルのハイブリッドクラウドプラットフォームであるAnthos(未訳記事)で動くBigQuery Omniにより開発者は、BigQueryエンジンを使って複数のクラウドにあるデータを分析できる。それにはGoogle Cloudと競合するAWSやMicrosoft Azureも含まれるが、当面サポートするのはAWSのみでAzureのサポートは後になる。

単一のインターフェイスを使うため、データセットをプラットフォーム間で移動せずに、データをローカルに分析できる。

Google Cloudのデータ分析技術担当ゼネラルマネージャー兼副社長であるDebanjan Saha(デバンジャン・サハ)「私たちのユーザーは数ペタバイトもの情報をBigQueryに保存しており、またそれが安全で保護されていることも知っている。しかしユーザーがBigQueryで行うデータ分析は極めて多様だ。例えば機械学習を組み込んだリアルタイム分析と予測分析をしているユーザーもいる。……GCPの中でBigQueryを使うことに大変満足しているユーザーから『BigQueryを他のクラウドにも広げて使いたいけど、どうやればいいんだい?』と尋ねられることが多くなっている」と説明する。

画像クレジット:Google

グーグルはかなり前から、未来はマルチクラウドにあるといっている。これには競合他社も賛成すると思う。しかしツールは、データが他のクラウドにあったり別のところで生成されたものであっても、自分たちのツールを使って欲しい。企業がそれらすべてのデータを利用できるようにするためには、結局のところ、そのためのツールとサービスが必要だ。しかもベンダーは、互いの差別化を重視している。そのため、データ分析の専門的技術を抱えるGoogle CloudはBigQueryをマルチクラウド化したい。「BigQuery Omniがあれば、ユーザーは自分がやりたいことができる。彼らはデータ分析したいのだが、そのデータは1カ所にまとまっていない。しかしBigQuery Omniなら、今日かでもすぐに、データがどこにあっても分析することができる」とサハ氏はいう。

画像クレジット:Google

サハ氏によると、Google Cloudが考えているのはこれによってエンタープライズは、複数のデータサイロに分散しているデータでも分析でき、自分のデータから新たなインサイトを得られるようになることだ。しかもそのために開発者やアナリストが使うのは、標準的なSQLのインターフェイスだけだ。

また本日の発表は、Anthosへのグーグルの賭けが実ってきたことの1つの例でもある。顧客がマルチクラウドのデプロイメントを容易に管理できるようになっただけでなく、グーグル自身も自分のプロダクトのリーチを、複数のクラウドにまたがって拡張した。そしてBigQuery OmniがAzureで使えないのは、Anthos for Azureがまだプレビューだからだ。一方、AWSのサポートは4月に一般公開された(未訳記事)。

関連記事:Google Cloudがオンメモリ暗号化のConfidential VMをローンチ

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSが航空宇宙と人工衛星の専門部門を立ち上げ、元空軍少将がリーダーに

AWS(Amazon Web Services)は、宇宙産業ゲームに本腰を入れるようだ。WSJが最初に報じたAerospace and Satellite Solutionsと呼ばれる専任部門は、NASAや米軍、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)のような民間宇宙企業などの顧客の宇宙プロジェクトにフォーカスしている。

同社はすでに、AWS Ground Stationなどで人工衛星や宇宙産業の顧客を支援している。顧客は、衛星通信やデータ処理などのAWSのサービスを提供することで、衛星ネットワークやコンステレーションを構築する際に専用の地上局を設置する必要がない。

この宇宙部門は、米空軍の少将だったClint Crosier(クリント・クロジャー)氏が率いることになる。クロジャー氏は米宇宙軍の創設に関与していた人物で、同氏をリーダーとして選んだことは、AWSのこの部門の主な目的を暗示しているだろう。つまり、大きな利益を生む顧客、主に防衛産業を獲得することだ。

昨年世間の注目を浴びた決定によってAWSは、ペンタゴンの推定100億ドル(約1兆800億円)のクラウドコンピューティングサービスの入札競争を、Microsoft Azureにさらわれた。敗れたAWSはその決定に正式に挑戦していたし、そこから結果した一連の処置はいまも生きている。しかし、契約を失ったことでAmazon(アマゾン)は目を醒まし「AWSは防衛関連省庁の正式の契約を取るためのパイプラインを強化するためにはもっとやるべきことがある」と悟ったのだ。

人工衛星と宇宙内資産のためのクラウドコンピューティングサービスは、今後数年間の防衛産業における大きなビジネスになるだろう。特に米国では、宇宙軍と国防総省の戦略の一部が大型の古い静止衛星への依存から、もっと多用性のある安くて冗長性に富む、そして打ち上げもさまざまな状況に即時対応できる、小型衛星のネットワークへと移行しつつある。

防衛関連の顧客に力を入れることは、スタートアップや小さな新しい宇宙ベンチャーの利益と無縁ではない。むしろ、アマゾンが大型選手としてこの部門により多くのリソースを専門的に投じれば投じるほど、スタートアップはそこから生ずる費用便益に享受できるはずだ。事実、AWS Ground StationはすでにCapella Spaceなどの小さなスタートアップを支援している。同社の本日の発表では、その人工衛星の指揮統制にAWSを利用し、また画像衛星から顧客へのデータ伝送も衛星自身がやるより相当速くて安くなるという。

このような新しい事業によって、衛星スタートアップの必然である地上局の設置などの厳しいコストも軽減できる。新型コロナウイルスはスタートアップの資金調達能力にも影響を与えており、特に宇宙のような最先端のテクノロジー分野が厳しい。だからこのようなコスト削減は、待ちに待った安堵と言えるだろう。

画像クレジット: AWS

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa