インターネットの50年、われわれは何を学んだのか、そしてこれからどこへ向かうのか?

私と、私の大学の院生のチームが、最初のメッセージをインターネットで送信したのは、1969年10月のロサンゼルスの暖かな夕方のことだった。それが、世界的規模の革命の始まりだったとは、だれ一人考えてもみなかった。最初の2文字、具体的には「Login」の「Lo」を、UCLAのコンピュータ室でタイプ入力すると、ネットワークはクラッシュしてしまった。

それゆえ、最初のインターネットメッセージは、期せずして「Lo and behold(驚いたことに)」の最初の2文字と同じ「Lo」だったことになる。私たちは簡潔で強力、かつ予言的なメッセージを送信したのだった。

当時はまだARPANETと呼ばれていたが、それは政府、産業界、そして学界によって設計された。科学者や学者が、互いの計算機リソースにアクセスできるようにして、研究に必要な大きなファイルを交換し、時間とお金、行き来する手間を節約するためのものだった。ARPA、つまりAdvanced Research Project Agency(高等研究計画局。現在は先頭にDefense=国防を付けて、DARPAと呼ばれる)は、民間企業のBolt BeranekとNewmanに委託して、そこの科学者にルーター、つまりInterface Message Processorを実装させた。 UCLAは、この芽を出し始めたネットワークの、最初のノードとして選ばれたのだった。

1969年の12月の時点では、ノードは4つだけだった。それらは、UCLA、スタンフォード研究所、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、それにユタ大学だ。このような最初期の段階を経て、このネットワークは指数関数的な成長を遂げた。接続されたホストコンピュータの数は、1977年までで100台、1989年までで10万台、1990年代初頭で100万台、そして2012年には10億台に達した。現在では地球の全人口の半数以上に行き渡っている。

その過程で、われわれは予期していなかったようなアプリケーションの出現に驚かされた。それは突如として現れ、またたく間にインターネット上で広範囲に行き渡った。例えば、電子メール、ワールドワイドウェブ、ピアトゥピアのファイル共有、ユーザー生成コンテンツ、Napster、YouTube、Instagram、その他のソーシャルネットワークなどだ。

こんなことを言うと、夢想家のように思われるかもしれないが、初期の段階では、オープンな雰囲気、コラボレーション、共有、信頼、そして道徳規範、といった素晴らしい文化を楽しんでいた。インターネットは、そのようなものとして構想され、育まれたのだ。その初期には、私はARPANETに参加している人を、全員個人的に知っていた。そしてわれわれは、皆行儀よく振る舞っていた。実際、そうした「ネチケット」へのこだわりは、インターネットの最初の20年間には維持されていた。

今日では、インターネットが異論の余地がないほど素晴らしく、オープンで、協力的で、信頼でき、さらに倫理的であると言う人は、まずいない。データと情報を共有するために生まれたメディアが、どうやって、そのような疑わしい情報が交錯する世界になってしまったのか。共同から競合へ、同意から不和へ、信頼に足るデジタルリソースから疑わしい情報の増幅器へと、いったいどうして変わってしまったのか。

その堕落は、1990年代の初頭に始まった。ちょうどスパムが初めて登場したころ、インターネットが消費者の世界に深く浸透するにつれ、インターネットを収益化しようという激しいまでの機運が高まった。これによって、詐欺、プライバシー侵害、偽ニュース、サービス妨害など、数々のダークサイドの勢力が勃興した。

そうして、インターネット技術の進歩と革新の性質も変化した。リスクを回避するために、「ムーンショット」という言葉に象徴されるような、初期の夢想的な文化がないがしろにされ始めたからだ。われわれは、まだこうした変化に苦しめられている最中だ。インターネットは、共通の価値観と正しい事実に基づいて、情報の分散管理、民主主義、そしてコンセンサスを促進するように設計されている。その生みの親たちが抱いていた大志を完全に達成するという点では、これは失望でしかない。

民間勢力の影響力が増すにつれて、彼らの方針と目標が、インターネットの本質を支配するようになった。商業利用の方針が影響力を持つようになると、企業はドメインの登録に対しても課金できるようになり、クレジットカードの暗号化が電子商取引への扉を開いた。AOL、CompuServe、Earthlinkのような民間企業は、やがてインターネットへのアクセス料として月額を請求するようになり、このサービスを公共財から私財へと転換させた。

インターネットを収益化することが、その景色を変えてしまった。一方では、それは大きな価値のある貴重なサービスを実現した。これには、普及した検索エンジン、広範な情報の宝庫へのアクセス、消費者の助成、娯楽、教育、人間同士のつながりなどを挙げることができる。もう一方では、それはさまざまな領域における濫用と支配につながっている。

その中には、企業や政府によるアクセスの制限、経済的なインセンティブが短期間でも企業の利害と一致しない場合にみられる技術開発の停滞、ソーシャルメディアの過剰使用からくるさまざまな形の影響、などを見て取ることができる。

こうした問題を軽減するために、何かできることがあったのではないかと問われれば、すぐに2つの方策を挙げることができる。まず第1に、厳格なファイル認証機能を提供すべきだった。つまり、私が受け取ったファイルは、私が要求したファイルの改変されていないコピーであることを保証する機能だ。そして第2に、厳格なユーザー認証機能も用意すべきだった。つまりユーザーが、自分がそうだと主張する人物であることを証明する機能だ。

そうした機能を準備だけしておいて、初期の段階では無効にしておくべきだった。その時点では、偽のファイルが送信されることもなく、ユーザーが身分を偽ることもなかったのだから。そして、ダークサイドが顕在し始めたときに、そうした保護機能を徐々に有効にして、悪用の程度に見合うレベルまで引き上げることで、悪用に対抗することができたはずだ。そうした機能を最初から提供するための簡便な方法を用意しておかなかったために、今さらそうすることは厄介だという事実に苦しんでいる。その相手は、この広範に拡がったレガシーシステム、インターネットなのだ。

誕生から50年が経過した今、インターネットはこれからの50年でどのように進化するだろうか? それはどのようなものになるのだろうか?

その未来を映し出す水晶玉は曇っている。しかし、私が50年前にも予測したように、それが急速に「見えない」ものになっていくことだけは見通せる。つまり、インフラとして目につかないものになるだろうし、そうなるべきものでもある。

電気と同じくらいシンプルで、使いやすいものになるはずだ。電気は壁のコンセントに差し込むという、拍子抜けするほど簡単なインターフェースで、直感的に利用できる。どのようにしてそこに届くのか、どこから来るのか、知る必要もないし、興味もないだろう。それでも、必要なときにいつでも使えるのだ。

残念ながら、インターネットへのアクセスは、それよりはるかに複雑だ。私がある部屋に入ったとする。その部屋は私がそこにいることを知るべきだ。そして、サービスとアプリケーションを、私のプロフィール、アクセス権、さらに好みに応じて私に提供するべきなのだ。私は、普通の人間とのコミュニケーションと同じように、話したり、手を動かしたり、触れたりすることで、システムと対話できるようになるべきだ。

われわれは、そのようなことが可能な未来に向かって急速に進んでいる。モノのインターネットにより、ロジック、メモリ、プロセッサ、カメラ、マイク、スピーカー、ディスプレイ、ホログラム、センサーを備えた環境インフラが整備されるからだ。そうした目に見えないインフラを、インターネットに埋め込まれた知性を持ったソフトウェアエージェントと組み合わせることで、上で述べたようなサービスがシームレスに提供されるようになる。一言で言えば、インターネットは基本的に、世界中に張り巡らされた神経系のような役割を果たすようになる。

これが、私が考える将来のインフラの真髄だ。しかし、すでに述べたように、アプリケーションやサービスを予測するのは非常に困難だ。まったく予期しなかったものが、爆発的な驚きとともに、忽然と現れることがある。何ともはや、頻繁に刺激的な驚きをもたらす世界規模のシステムを、われわれは作ってしまった。なんて面白い世の中なんだ!

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

IBM-Red Hatの340億ドルはソフトウェア買収史上最高額

従来それは半導体会社や通信、医薬品の巨人に使われる金額だった。本日(米国時間10/28)IBMは、エンタープライズ向けオープンソフトウェア会社のRed Hatを340億ドルで買収すると発表した。これはMicrosoftがLinkdInを買収した262億ドルを上回る最大のソフトウェア買収だ。ただし、IT分野最大の買収ではない。その称号は DellによるEMCストレージ事業670億ドルの買収に与えられている。

IBMがRed Hatを買収してハイブリッドクラウド企業を目指していることについての詳細は、 TechCrunch編集者のIngrid Lundenが書いているので参照されたい

ではこのIBM-Red Hat案件(成立した場合)はこれまでの巨大買収と比べてどう位置づけられるだろうか?

IT買収トップ5

  1. 670億ドル——パソコンメーカーDellがEMCのデータストレージ事業を買収
  2. 370億ドル——半導体会社Avago Technologiesが半導体巨人Broadcomを買収および社名変更
  3. 340億ドル(交渉中)——IBMがオープンソフトウェアメーカーRed Hatを買収
  4. 314億ドル——日本の複合企業SoftBankが半導体企業ARM Holdingsを買収
  5. 262億ドル——ソフトウェア会社Microsofがプロフェッショナル向けソーシャルネットワークのLinkedInを2016年に買収

ソフトウェア買収トップ5

  1. 340億ドル(交渉中)——IBMがオープンソフトウェアメーカーRed Hatを買収
  2. 262億ドル——ソフトウェア会社Microsofがプロフェッショナル向けソーシャルネットワークLinkedInを2016年に買収
  3. 220億ドル——ソーシャルネットワークFacebookがメッセージングアプリWhatsAppを2014年に買収
  4. 135億ドル——セキュリティーソフトウェアメーカSymantecがストレージ管理ソフトウェアメーカーVeritasを2004年に買収(180億ドルをインフレ調整)
  5. 110億ドル——データベース会社Oracleが人事ソフトウェア会社PeopleSoftを2004年に買収(147億ドルをインフレ調整)

企業買収ベスト5

  1. 2020億ドル——英国通信会社Vodafoneがドイツ通信会社Mannesmannを2000年に買収(2960億ドルをインフレ調整)
  2. 1650億ドル——インターネットプロバイダーAOLがメディア複合企業Time Warnerを2000年に買収(2410億ドルをインフレ調整)
  3. 1118億ドル——医薬品巨人Pfizerが医薬品会社Warner Lambertを1999年に買収(1640億ドルをインフレ調整)
  4. 1300億ドル——通信会社Verizon CommunicationsがVodafoneおよびBell AtlanticのVerizon Wirelessを2013年に買収
  5. 1300億ドル——Dow Chemicalが化学会社DuPontを2015年に買収

このRed Hat買収はソフトウェアのスケーラビリティーが極端な富の集中化を可能にすることの証だ。従来の業界巨人たちが、石油、化学、完成商品の供給、流通を受け持つ物理リソース・プロバイダーらと富を分け合っていたのに対して、ソフトウェアは生産と流通にほとんど材料費がかからない。ソフトウェア巨人への価値の集中は、世界を変えるビジネスを作る大きな動機づけになると同時に、労働階級から資産を奪う危険を伴っている。Red Hatの成果を祝福するのは簡単だが、必然的に社会は、ソフトウェアが富を少数へと集中させることで加速される貧困とポピュリズム取り組まなくてはならない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AOL Instant Messenger、20年の時を経てサービス停止

チャットの楽しみを世に知らしめたアプリケーションが姿を消すことになった。AOL Instant Messenger(AIM)のサービスが、12月15日をもって終了することになったのだ。世の中に登場したのは1997年のことだった。すくなくとも北米においてはチャットといえばAIMという時代を築き、世紀の変わり目にはたいへん多くの人が使っていたものだった。しかしSMSやFacebookないしWhatsAppなどのソーシャルアプリケーションの台頭により、AIM活躍の場は少なくなっていったのだった。

「1997年以来ずっと、熱心にAIMを使ってくれた方々がいます」と、AIMのヘルプページに記されている。「今後もみなさまに革新的なエクスペリエンスをお届けできるよう、務めていく所存です。一層の注目を集める、世界を驚かせるプロダクトの開発を心がけていきたいと考えています」。

AIM終了の情報は、TechCrunchの読者であるDaniel Sinclairが知らせてくれた。今回のアナウンス以前の3月には、AIMと連携するサードパーティーアプリケーションの動作停止を行なっていた。この度は、MacOS、Windows、iOS、およびAndroid版の公式アプリケーションについても動作を停止することとなるわけだ。

「AIMにを通じて大いに利用されたアウェイメッセージ(離席メッセージ)や着信音などは、いつまでもみなさまの記憶に残るのではないでしょうか」と、利用者に宛てたメールには記されている。AIM経由で送信した写真などは、12月15日までならダウンロードすることができる。アプリケーション自体の新規ダウンロードは直ちに行えなくなるようだ。友達リストなどのエクスポートないし保存はできない様子。

AIMは当初、AOLに付属する機能として実装されたものだった。1997年にスタンドアロンのアプリケーションとなり、離席時などに表示するためのメッセージは、Twitterなどのステータス投稿アプリケーションの嚆矢となるものだった。ICQやYahooないしMicrosoft MSNなどが提供したメッセンジャーと激しい覇権争いを演じたものだった。しかしモバイル対応の遅れなどから、GoogleのGchatやFacebookに利用者を奪われていった。AOL本体も、一時は企業価値が2240億ドルとされていたが、2015年にVerizonにより買収された際には44億ドルに縮小した。同時期、WhatsAppはFacebookに190億ドルで買収されたのだった。

3月には、AOLの元社員の運営するArs Technicaが、AIMの利用者が大幅に減少している旨を伝えていた。OSCARプロトコルの維持もままならない規模であるとのことだった。

TechCrunchもAOL傘下であった。その事実を脇においてもAIMの終了にはほろ苦い思いを感じざるを得ない。12歳の小学生時代、友人関係の築き方や、あるいはロマンスの実現方法を教えてくれたのだった。内気で言葉がなかなか出てこない少年だった私に、キーボードを使って表現する機会を与えてくれたのだ。意見を表明するまえに、見なおしたり書きなおしたりできるのがうれしかった。また、ブラウン管を見つめる目をしばたたかせながら、3日連続の徹夜AIMで最初の彼女となった女性を口説き落としたりもしたのも懐かしい思い出だ。

AIMには「若者のツール」という雰囲気があった。ネットワーク世代にとっての車のような存在でもあっただろうか。AIM体験を通じて、人とのつながり方を変え得るソーシャル・ネットワークの可能性を感じ、そしてついにはソーシャル・ネットワークについて記事を書くことが職業ともなったのだった。

今となっては恥ずかしさも感じるが、私のスクリーンネームはKDog313だった。私のティーンエイジ時代は、AIMの着信音とともにあった。ありがとうの気持ちを伝えたい。

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(翻訳:Maeda, H

Verizon、45億ドルでYahoo買収完了――AOL含めメディア事業はOathに統合

VerizonのアメリカYahoo買収が正式なものとなった。先週、Yahooの株主は買収を承認していたが、Verizonは今日(米国時間6/12)、Yahooの買収手続きを完了したと発表した。Verizonは既存AOLと買収したYahooの資産をOathというグループに統合する。Oathにはメディア・ブランドが(TechCrunchを含め)50社前後含まれる。ユーザー総数は世界で10億人に上る。Oathの責任者には現AOLのCEO、ティム・アームストロング(Tim Armstrong)が就任する。

予想されていたとおり、長年YahooのCEOを務めてきたマリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)は辞任した。メイヤーは最近 2300万ドルの「ゴールデン・パラシュート」ボーナスを受け取っている。

マリッサ自身のコメントはTumblrのこの投稿を参照。簡単にいえばこのメモはこの5年間の成果の自慢だが―残念ながら―行間を読めばこの期間Yahooがいかに困難な状況に置かれていたかが分かる。

いずれにせよこの買収完了はインターネットの記念碑的な存在であった独立企業の終焉を告げるものだ。Yahooはもっとも歴史あるインターネット企業であり、西部の荒野のような混乱状態だったインターネットに秩序をもたらし検索事業を現在のような重要なビジネスとした会社だった。しかしGoogleの登場とともにYahooは後退し、自己改革の試みが何度も行われたが、そのつど非常に高価な失敗となった。結局、いまわれわれが眼前にしているような他の大企業グループの傘下に入るという結果となったわけだ。

Yahooの買収はオンライン・メディアにおける集中化のトレンドを象徴するものでもある。Verizonのような巨大企業は多数のメディアブランドのオーディエンスを一箇所にまとめて規模の経済をフルに利用しようとしている。広告経済でGoogleやFacebookのような強力なライバルに対抗していくには規模が重要となってくる。

Oathを管轄する,Verizonのメディアおよびテレマティクス担当プレジデント、Marni Waldenは、「〔Yahoo買収の〕完了はわれわれがグローバルなデジタルメディア企業としての地位を確立する上で重要な一歩だ。今やVerizonとOathの資産にはVRからAI、5GからIoT、パートナーおよび独自のコンテンツが含まれる。これらはグローバルなオーディエンスを獲得するすばらしい手段となるだろう」」と声明で述べた

キャリヤの伝統的ビジネスは衰退ぎみであり、それを補う努力に懸命だ。とはいえばVerizonは現在でも紛れもなく巨大企業だ。社員は16万1000人、2016年の売上は1260億ドル、モバイルビジネスでは1億1390のリテール・コネクションを持っている。

われわれが先週書いたとおり、今回のYahooとAOLの統合ではマーケティングや管理業務を中心に15%の人員カットが行われる。今日の発表ではこの点についての言及がなかったが、TechCrunchでは引き続き取材していく。

またマリッサ・メイヤーとともに退任する幹部のリストもまだ発表されていない。われわれが得た情報ではメイヤーにきわめて近かったYahooの上級副社長、Adam
Cahanも辞任し、CISO〔最高情報セキュリティー責任者〕のBob LordもYahooを去る。ただLordは問題の大規模な情報漏えいが起きた時点では責任者ではなかった。この情報漏えいによりVerizonはYahooの買収額を数億ドル減額したという。

AOL/Oathの広報担当者は他の退任者について明かすことは避け、Oathのグローバルな役割を強調するに留まった。

特に意外の感はないが、これに先立って、David Filo、Eddy Hartenstein、Richard Hill、Marissa Mayer、Jane Shaw、Jeffrey Smith、Maynard Webb Jr.はYahooの取締役をすでに辞任している

新組織に残る人材については、Jared Grusdがニュース部門(yahoo.comaol.com、 HuffPost、Yahoo Newsなど)、Geoff Reissがスポーツ部門、David Karpがピープルおよびコミュニティー部門(Tumblr、Polyvore、Cabana、Yahoo Answers、Yahoo View、Kanvas)、Andy Serwerがファイナンス・メディア(Yahoo Finance、Autoblog)、Michael LaGuardiaがファイナンス・プロダクト、Ned DesmondがTechCrunchとEngadgetをそれぞれ担当する。 【略】

Oathは単に統合されたメディアブランドというだけでなく、こうしたメディアを支える広告テクノロジーもOathに統合される。おそらくOne byAOLBrightRollのマーケティング、広告テクノロジーに力が注がれ、モバイルからビデオ、検索、ネーティブ、プログラムなど広告の全分野をカバーすることを目指すのだろう。

さらに取材中。

〔日本版〕ティム・アームストロングのメモは原文に掲載。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

“Oath: A Verizon Company”という名称の長所と短所を考える

コーポレート・アイデンティティ!もちろん皆が大好きだ。いや、しかし、良いものに出会うことは難しい。どうやら“Oath: A Verizon Company.”(Oathは「宣誓」といった意味)という名前で行くらしい。すでに別の記事も投稿されているが、ここでは私はグループにフォーカスし、気が付いたことを述べたい(この別の記事“Yahoo + AOL = Oath”では、VerizonによるYahooの買収と、それに伴ってVerizonの子会社AOLとのブランド統合がOathという名前で行われることが書かれている、なおTechCrunchはAOLの子会社であるので、以下の記事もその視点からのものになる)。

長所:

  • これは、他のいくつかの企業のアイデンティティとは異なり、実際の言葉だ。
  • もし「カルトのためのTinder」に方向転換するなら良いブランドだ(Tinderは米国で有名な出会い系アプリ)。
  • フォントがきれいだ(ジオメトリック・サンセリフでは悪くなりようがない)し、私たちの青は、Facebook、Google、そしてTwitterのいずれの青とも異なっている。
  • 今のところグラデーションがない。

短所/その他:

  • Oathというのは誓いを立てる行為の別名だ。古代の Oath は極めて興味深いものだ。あなたはキリストを十字架に磔(はりつけ)にするときに用いられた釘を示す、”by god’s hook”、略して”gadzook”という言葉を知っているだろうか?それは、沢山のカラフルなOathのひとつだ。
  • “Take the Oath”(「宣誓せよ」)という表現は、基本的に恐ろしいキャッチフレーズのように響く。しかし、企業が押し付けがましい広告やトラッキング(失礼)、そして独占的なやりかたで収益を生み出そうとするとき、顧客に対して攻撃的な印象を与えかねない。例えば”Take the Oath and like it”(「宣誓し、それを愛せ」)といった具合に。
  • コロン(:)はあるものの、実際には何も宣誓されていない。何を約束するかを、私たちが決めかねているように響く。「これが私たちからあなたへの永遠の誓いです:『誓いは後からやってきます』」。
  • “taking the oath”という内部でのやり取りは、自殺協定もしくは、少なくとも何らかの流血を想起させる。私は公式な「忠誠の誓い」(Oath of allegiance)のためにこれを書く:

Weave a circle round Tim thrice, (Timの周りを3度回り)
And click your mouse with holy dread(神聖な怖れでそのマウスをクリックせよ)
For he on revenue hath fed, (彼の得る収入のために)
And drunk the MAUs of Yahoo sites.(そして飲み込むYahooサイトのMAUのために)

  • どうやらoath.comを登録し忘れているようだ。  (日本時間4月4日13:00現在)
  • “oaf”(無骨、のろま)のようにも響くし、あるアクセントを持つ人たちは実際にそのように発音する。残念ながら無骨者たちは、一般に思慮深いと思われていない。私たちが悪いわけではないだけに尚更残念だ。
  • 人びとが嘘を言わないようにと、裁判中表面的に誓約が行われる。また就任の際には、一般に「宣誓の下にあることを忘れないように」と念押しされる。いくつかの理由から、本当によい関係とはならない。「宣誓の下」であることは、新たな”A-o-hell”(AOL hell:AOLの使いにくさを揶揄した表現)なのかもしれない。
  • OAuthジョーク

まあ、もっと酷いものになる可能性だってあった。思いを巡らせてみれば、オンラインにあるものは、ほぼ全てが酷い名前を持っている。”Yahoo!”に慣れることができたのだから、”Oath”に慣れることだってできる。あるいは”Oath:”、もしくは”Oath: A Verizon Company”に。これがどのようになるものか、全く明快ではない。

(訳注:途中に引用された詩はSamuel Taylor Coleridge. (1772–1834)の、Kubla Khanのパロディ。なおTimはAOLのCEOであるTim Armstrongを指していると思われる)。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Luke BeattyがAOLを離れることに

DENVER, CO - MARCH 1:  Luke Beatty talks with guest while recording their  Denver and Boulder tech podcast Turnpikers from the Postmodern Company studios in Denver on Tuesday, March 1, 2016. Their guest was Mac Freeman an executive  from the Denver Broncos.  (Photo by Cyrus McCrimmon/ The Denver Post)

AOLのメディアブランド部門を率いるLuke Beattyが、家族との時間を過ごすためにAOLを離れることになったようだ。

BeattyのAOLでの役割は、TechCrunchやEngadgetなどのテック系ブログメディアを含む、数々のオンラインメディアの運営だった。彼は、Yahooでバイスプレジデントおよびジェネラル・マネージャーとして勤務した後にTechStarsに参加、その後AOLに入社したという経歴を持つ。BettyはAssociated Contentの創業者でもある(同社はその後Yahooに買収された)。

AOLの親会社であるVerizonは、現在Yahooとの買収交渉の最中であり、このポジションの周りで今後大きな動きがある可能性は高いだろう。

しかし、AOLで3年以上を過ごしたBeattyは小休止する準備ができたようだ。

AOLによれば、Beattyの後任に選ばれたのはJared Grusdで、彼がthe Huffington Postを含むiBrands(AOL傘下の独立メディアブランド)の運営にあたる。

「Luke Beattyは過去3年の間、iBrandsとAOLにとって欠かせない人物でした。私たちは彼の情熱とリーダシップにとても感謝しています。AOLの人々は彼を惜しむことでしょう」とAOLのスポークスパーソンは語る。

彼の退陣がTechCrunchにどのような影響を与えるのかはまだ不明だが(もし影響があればという話だが)、TechCrunchの編集長であるMatthew Panzarino(私のボス)も哀悼の意を表している。「Lukeは素晴らしいパートナーであり、友人でした。彼と、今後彼の獲物となるであろう人々の成功を祈ります。彼の後任を務めるのが誰であれ、その人は後継者として重責を担う事になるでしょう」。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

確定―VerizonがYahooのインターネット事業を48億3000万ドルで買収

2016-07-26-yahoo-verizon

何ヶ月にも渡った価格交渉数回にわたるレイオフの末、アメリカYahooはついに売却先を確定した。

Verizon(AOLの親会社。AOLはわれわれTechCrunchの親会社)はYahooの本体事業を48億3000万ドルのキャッシュで買収することを公式に発表した。買収される事業にはYahooの広告、コンテンツ、検索、モバイル活動の一切が含まれる。

Verizonの会長、CEOのLowell McAdamはプレスリリースで、「われわれは1年と少し前にAOLを買収し、あらゆるサイズのスクリーンを利用する消費者、クリエーター、広告主を結びつけるという戦略を一歩進めた。今回のYahoo買収でVerizonはトップクラスのグローバルなモバイル・メディア企業としての競争力をさらに高めることができた。同時にデジタル広告における売上の加速も期待される」と述べた。

YahooのAlibaba、Yahoo Japanの持株は今回の買収の対象となっていない。これらの資産には数百億ドルもの価値がある。7月22日現在、Yahooが保有するAlibabaの15%の持ち分は312億ドル、Yahoo Japanの34%の持ち分は83億ドルだった。 Yahooの特許ポートフォリオも今回の売却の対象外だが、10億ドル前後の価値があるとみられている。TechCrunchがつかんだところによるとサニーベールのYahoo本社は売却の対象だという。

Yahoは最終的にAOLと統合される。Verizonの執行副社長、プロダクト・イノベーションと新事業の責任者、Marni Waldenが買収プロセスを指揮する。AOLのCEO、ティム・アームストロングは社内向けメモの中で、マリッサ・メイヤーと緊密に協力していることについて触れている。メイヤーはYahooの社内向けメモの中で、「個人的には(Yahooに)留まるつもりだ。私はYahooとそのチームを愛し、信じている。Yahooを次の章に飛躍させることは私にとって重要だ」と書いている。メイヤーは買収手続が完了するのは2017年の第1四半期の末と予想している。【略】

昨年、Verizonは AOLを44億ドルで買収した。Verizonは現在でもトップクラスのテレコム企業だが、AOLとYahooを買収したことからすると、今後は事業とその売上の多様化を図っていくつもりのようだ。

買収手続が完了した後、YahooとAOLを統合すれば、巨大なメディアと広告の子会社が生まれる。AOLははるかに大きなスケールでウェブとモバイルのオーディエンスにリーチすることが可能になる。広告事業のターゲットは10億人単位になるかもしれない。

〔ティム・アームストロングのメモにあるように〕最終的にVerizonはデジタル広告事業でGoogle、Facebookと競争できる存在になるつもりらしい。オンライン広告は現在、シリコンバレーのこの2社にほぼ独占されたかたちだ。Verizonは3番目のプレイヤーになろうとしているようだ。

反トラスト法当局により買収が承認されるとして、Verizonはさらに2つのハードルを超えなければならない。直近の四半期決算の電話記者会見でYahooは社員8800人、契約社員700人を擁していると述べた。これに対してAOLの社員は6800人だ。どちらも数千人という規模の2つの会社を統合するのは誰にとっても容易な仕事ではない。第二に、 Yahooは近年相当の赤字を出し続けている。VerizonはYahooをまず黒字体質に変える必要がある。そうでなければYahooはAOLの足を引っ張る存在になってしまう。

プレスリリースで VerizonはYahoo買収の理由を説明し、同社には10億人のユーザー(うち6億はモバイル)がいることを挙げた。またYahooが数多くの優良ブランドを所有していることも指摘している。Verizonはニュース、スポーツ、Yahoo Mail(月間アクティブ・ユーザー2億2500万人)を例示した。広告媒体と広告テクノロジーではBrightrollFlurryGeminiを例に挙げている。面白いことに VerizonはTumblrについては触れなかった。

Yahooが公式に 事業売却の可能性を認めたのはこの2月だった。【略】マリッサ・マイヤーが 2012年にYahooに加わったとき、Yahooを再活性化するビッグ・プランがあるということだった。マイヤーやモバイル化の努力を倍加し、人材獲得のためのスタートアップ買収を10回以上実行した。Tumblrは11億ドル、Brightrollは6億4000万ドルだった。またYahoo Mail、Flickr、Yahoo Weather、Yahoo Messengerなど既存プロダクトのアップデートにも力を入れた。

しかしこうした努力もYahooの収益構造を目立って改善するには至らず、ついにオンライン事業の売却という結果になった。

今から考えれば、売却先は当初からVerizon以外なかったかと思えるがYahoo買収に関心を示した企業にはAT&T、TPGグループ、Dan GilbertのQuicken Loans関連の投資家などがある。Verizonはこの後電話記者会見を予定しており、さらに詳しい説明が聞けるかもしれない。このニュースが流れた後のVerizonの株価は、市場取引スタート前の数字だが、特に動きがない((+0.21%)。 この買収の情報は金曜日にリークし始め、株主、投資家は今日の発表を十分に予期していた。

Screen Shot 2016-07-25 at 1.52.11 PM

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Verizon、AOL(とTechCrunc)の買収を完了―コンテンツ事業の切り売りの兆候なし

2015-06-24-verizon-aol

Verizonの仕事は速かった。先ほど、Verizonは(TechCrunchの親会社である)AOLの買収手続きを完了したと発表した。発行済株式を1株50ドルのキャッシュで購入し、総額は44億ドルとなる。この買収は一月前に発表されたばかりだ。

当初の買収発表の声明で、AOLのCEO、Tim Armstrongが引き続きAOL事業部の指揮を取るとされた。この点に関してもう少し詳しい情報が入ってきた。AOLはVerizonの広告事業を統括するデジタルメディア・サービス事業部に統合され、Armstrongがそのトップに就く。これまで同事業部のプレジデントだったBob TooheyはArmstrongの下に就く。 Armstrong自身はプロダクト・イノベーションと新事業担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのMarni Waldenの下に就くことになるという。

これまでもVerizonがAOLの広汎なメディア資産をどのように扱うかについてさまざまな観測が出ていた。VerizonのAOL買収の狙いは主として広告ネットワークにあったといわれているが、広告ネットワークとデジタルメディアにはVerizonの既存ビジネスとさまざまな相乗作用がある。

買収と前後してHuffington Postには売却の噂が流れたが、HuffPoにせよ他のサイトにせよ、これまでに売却の兆候は見られない。(われわれはこの点についても引き続き取材を行う。言うまでもないが、何か変化があれば報告する)。

面白いことに、Verizonは他の分野で資産の売却を行った。今日(米国時間6/23)、Verizonは認証ソフトウェアのCyberTrust SSLをDigiCerに売却したことを発表した。価格は明らかにされていない。ただしVerizonはDigiCertの再販業者として引き続きCyberTrust製品をエンタープライズ向けに販売するという。

Update:さきほど買収について説明する15分間のカンファレンスコールが行われたが、報告に値するような情報は特に出なかった。 ああ、ただ、われわれAOLの社員にはVerizonから歓迎の意味でVerizonのEllipsis 8タブレットがプレゼントされるらしい…

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

CEO ティム・アームストロング ― AOLはコンテンツ事業を続ける(TechCrunchを売るつもりはない)

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AOLにとって気になる一日だった。

おそらくご存じの通り、VerizonがAOLを44億ドルで買収することが決まった。この取引は主としてAOLの広告ビジネスが目的だと言われている(VerizonのJohn Strattonは「主な関心事は広告技術プラットフォーム」と言った)― ではAOLが所有するウェブサイトにとって何を意味するのか? Huffington Postや(ゴクリ)TechCrunchを含めて。
Re/codeのKara Swisherによると、AOLはHuffington Postのスピンオフを検討していた。そして私がArmstrongをインタビューした際、彼はその可能性を完全には否定しなかった:「われわれは常に様々なアプローチを受けている」と彼は言い、自分の仕事は「あらゆる可能性を考えることだ」と言った(今年2月に買収の噂について尋ねた時の答と似ている)。

しかしArmstrongはこう付け加えた、「一つ考慮の余地のない選択肢がある ― われわれはコンテンツビジネスの世界にいて自分たちのブランドを愛しているので、今後はコンテンツビジネスにもっともっと重点を置くだろう」。

これは、ニュースに関するインタビューのつもりだったが、最後に「CEO対社員」の会話が入り込んでしまった ― なんといっても、私のボスのボスのボスのボスに、TechCrunchの将来を聞くチャンスなのだから。

「TechCrunchを売るつもりはない」と彼は言った。「編集の独立性は続く。そして配信形態やリソースの観点から見て、考え得る最もすばらしい取引ができたたと思う」。

Tim Armstrong

インタビューの全文はここで読める。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

VerizonがTechCrunchの親会社AOLを44億ドルで買収―CEO、ティム・アームストロングが展望を説明

2015-05-13-aolverizon

このニュースはわれわれもさきほど知ったばかりだ。TechCrunchの親会社、AOLはアメリカの大手キャリヤ、Verizonに買収されることとなった。Verizonのプレスリリースによると、AOLを1株あたり50ドル、総額44億ドルで買収するという。以下、AOLのCEO、ティム・アームストロングからの社内メモの内容を紹介する。

この買収により、AOLはVerizonの子会社となり、Verizonのコンテンツおよびモバイル・ビデオ部門を担当する。Verizonの同部門はAOLに移管される。

「(AOLの)買収により、VerizonはLTEおよびオーバーザトップ(ブロードバンド・インターネット)によるビデオにこれまで以上に注力していく」とVerizonはプレスリリースで述べた。

デスクトップやモバイルなどさまざまなフォーマットのオリジナルコンテンツに加えて、AOLにはVerizonのビジネスに適合する資産がある。

AOLはプログラム化広告ビジネスを構築してきた。現在プログラム化広告はAOLの自社サイトとサードパーティーの双方で運用されているが、この部門はAOLでもっとも高成長の収益事業部門となっている。Verizonはウォルト・ディズニー傘下のESPNのような有力パートナーと提携してプログラム広告事業のさらなる拡大を図り、同時にAOLのコンテンツ・サイトの配信先を大きく拡大することが考えられる。

VerizonにメリットをもたらすAOLの事業の一つとして、まだかなりの収入源となっているダイアルアップビジネスがある。AOLは前四半期だけで、ダイアルアップ事業で1億8260万ドルの売上を計上している。

この数字は対前年同期比で7%ダウンしているものの、新規投資ゼロで運営されている。また会費収入(ダイアルアップ契約を含む)はAOLの営業利益の過半を占めている。Verizonはダイアルアップの顧客をブロードバンドその他の現代的な接続に転換させることができるだろう。これはAOL独自では困難だった。

実は今年に入ってすぐ、VerizonがAOLに関心を抱いているという噂が流れた。このときVerizonは ただちに否定したものの、結局、非常に強い関心を抱いたことが明らかになった。

AOLの会長兼CEOのティム・アームストロングは先ほど配信された社内メモで、「この買収により、われわれはVerizonの子会社となり、AOLの現在の事業に加えて、Verizonの既存のモバイルおよびビデオのコンテンツ事業を引き継ぐ。この買収によってわれわれの(世界最大のメディア企業を目指すという)戦略に変化はない。 sむしろ、大きく強化される。この買収により、われわれのコンテンツ・ビジネスは配信チャンネルが大きく拡大され、広告の掲載先も広がる。またモバイル優先の戦略もさらに徹底される」と述べている。

今回の買収でVerizonはAOLの資産すべてに長期的にコミットする意思があるのか、それともある時点でVerizonの戦略からみて適合しない資産を切り離すことになるのかという疑問は残る。

AOLはこの後全社員ミーティングを予定している。新情報があればおって報告する。

ティム・アームストロングは買収完了後もAOL事業部の責任者として留まる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

米ベライゾン、44億ドルでAOL買収へ

aol-logo

1時間ほど前に発表された話で僕もちょっと驚いたのだけれども、取り急ぎ紹介しておこう。

米国の大手通信キャリアVerizon Communications(ベライゾン)がAOL(米国でTechCrunchをはじめ、EngadgetやHuffington Postを運営している僕らの親会社だ)を買収することで合意した。金額は1株当たり50ドル(5月11日の終値に17.4%のプレミアムを上乗せしている)で、総額44億ドル(約5280億円)になる。

すでに米国のTechCrunchでもこの内容は紹介されている。米国では2015年1月に、ベライゾンがAOLに対して買収もしくは事業合弁を提案したとBloombergが報じていた。

ラマに安住の地― AOL、WinampとShoutcastを500-1000万ドルでベルギーの音楽サービス、Radionomyに売却

一度死の瀬戸際に追い詰められた老舗の音楽サービス、WinampShoutcastがとうとう新しいオーナーを見つけることに成功した。デジタル・オーディオ・ビジネスのRadionomyが両方のメディアをAOL(TechCrunchの親会社)から買収することが公式に発表された。信頼できる筋の情報によると、この買収の支払いはキャッシュと株式の双方で行われた。金額は500万ドルから1000万ドルの間で、AOLはRadionomyの株式の12%を受け取ったという。

1999年にAOLがNullsoftからWinampとShoutcastを買収したときの価格は8000万ドルだった。

AOLがRadionomyの株式を所有することになったのは「戦略的な目的ではなく、経済的なもの」だそうだ。

2013年の12月20日にAOLが両サービスの廃止を決めた後、さまざまな買収の噂が流れ、その間、廃止は延期されていた。

両サービスのドメインがRadionomyのサーバに移管されたことからしてWinampとShoutcastは今後も運営が続けられるものとみられる。

Shoutcastを得たことによってRadionomyは世界でも最大のラジオ・ストリーミング・サービスの一つとなった。Radionomyは6万のインターネット・ラジオ局を配信することになるが、これはすべてのオンライン・ラジオのほぼ半数に相当する。

ベルギーのブリュッセルとニューヨークにオフィスを置くRadionomyのファウンダー、CEOのAlexandre Saboundjianは「この買収は(AOLとの戦略的関係の構築ではなく)単にプロダクトとテクノロジーの取得が目的だ」と語った。AOLで両サービスを担当している人員は極めて少なく、それも契約社員だという。

Radionomyはこれまでに700万ドルを調達しているが、業務拡大のために今後数ヶ月以内にさらに資金調達を計画している。

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AOLが手放したWinampとShoutcastはインターネットラジオ集積サイトRadionomyが買収へ

本誌TechCrunchのオーナーでもあるAOLは、同社の古い在庫であるWinampとShoutcastを、最初は閉鎖するつもりだったが、その後売ることに心変わりした。噂では、買い手はMicrosoftと言われていたが、しかしそれは虚報だった。この2社を買うことになったのは、ベルギーのブラッセルに本拠を置く国際的なインターネットラジオアグリゲータRadionomyだ。

Radionomyとのつながりに最初に気づいたのは、WinampのフォーラムのユーザBryon StoutCarsten Knoblochだった。彼らは、Winampのネームサーバ(DNS)がRadionomyに転送されていることを発見した。その時点ではShoutcastのDNSは変わっていなかった。本誌の信頼すべき情報筋によると、しかし買収案件は2社を含み、金曜日までには契約が完了するという。

Radionomyのカタログにはおよそ6000のインターネットラジオ局が載っているが、DIYのプラットホームであることを売りにしていて、誰でもチャネルを作れる。Shoutcastのカタログには50000あまりのラジオ局が載っているから、Radionomyの業容拡大を助けるだろう。Winampのメディアプレーヤーソフトは傘下ラジオ局の番組制作を助け、またそのほかのサービスも提供できるようになるだろう。

買収によってこの二つのプロダクト/プラットホームは、より商用的な場に置かれることになる。たとえばRadionomyに投資しているMusicMaticは、商店などのためのオーディオ/ビデオ番組を制作している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ラマは生き延びるか―Microsoft、終了決定のWinampとShoutcastを AOLから買い取り交渉中?

懐かしのWinampはそう簡単に消えないかもしれない。昨日(米国時間11/20)、AOLはWinampを終了させると発表した。AOLがこのWindows向け音楽プレイヤーを開発元のNullsoftから買収したのは1999年で、 価格は8000万ドルだった。

しかし今日(米国時間11/21)、Techcrunchが入手した情報によると、AOLはWinampとこれもNullsoftから買収したストリーミング・サービスのShoutcastの売却をめぐってMicrosoftと交渉中だという。なおAOLはShoutcastについても来週に終了を発表する予定だという。

この件についてAOLはコメントを避けた。Microsoftにも問い合わせているがまだ回答はない。情報源によれば、価格をめぐって交渉は継続中だという。サービスが両方共生き残る可能性は低いようだ。

AOL側に立ってみれば、WinampとShoutcastを閉鎖する理由も、売却できるものなら売却したい理由も明白だ。

AOLは両サービスについて一度もはっきりした戦略を立てたことがない。その間に他のデジタル音楽サービスは着々と地歩を固めてしまった(もっとも先週われわれも報じたようにRdioはレイオフしている。デジタル音楽ビジネスも競争が激しい)。AOLは事業の主力をウェブ・パブリッシング(現在、TechCrunch、Engadget、HuffingtonPostなど多数のサイトを所有)に移行する過程の一環として他の音楽関連の事業を閉鎖したり売却したりしてきた。 大量のトラフィックを有するネットワークの運営者として、AOLはますますオンライン広告とその効果を改良するテクノロジーの開発に力を注ぐようになっている。

なるほどその戦略の中には音楽も含まれていいわけだが、音楽事業の立て直しには巨額の資金が必要になる。

一方、Microsoftは音楽であまり成功を収めていない(Zuneの霊よ安かれ)。最近はXbox Musicにすべてを賭けている感がある。これは有料および広告入り無料の音楽サービスで、Xbox 360、Windows 8、Windows RT、Windows Phone 8、iOS、Androidの各デバイスをサポートしている。

それではMicrosoftの戦略のどこにWinampやShoutcastが収まるのだろう? Winampについてはまだ不明だが、Shoutcastはプラットフォームとして5万以上のオンライン・ラジオ局をネットワークしている。現在こうしたパーソナル・ラジオ局機能を欠いているXbox Musicの強化のためにこの資産はMicrosoftにとって魅力的なのかもしれない。

Image: Flickr

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AOLのテクノロジーについての短編ビデオが大ヒット、再生850万回を記録 (Keen On)

ウェビー賞のファウンダーで映画監督、プロデューサーのTiffany ShlainがAOLのために製作した短編ビデオ・シリーズが大ヒット中だ。The Future Starts Here(未来はここから始まる)と題されたテクノロジーについての啓蒙ビデオは短期間に850万回も再生されている。

このシリーズにはデジタル時代のテクノロジーと生活スタイルについての8本の短編が収められている。その中にはTechnology Shabbat(テクノロジー安息日)という1週間デジタル・テクノロジーの利用を止める生活やTech Etiquette(テック・エチケット)などというユニークなエピソードが含まれている。Shlaneによると、テック・エチケットの回を製作したのは、普通の常識ある人々が携帯電話を手にしたとたんにどうしようもない迷惑人間になってしまうことにうんざりしたからだという。このシリーズの製作の目的は、3分から6分の短いビデオで、テクノロジーと生活に関する重要なテーマを一般視聴者にわかりやすく伝えることだった。

製作にあたってAOLはShlainを全面的に支援した。Shlainによれば「ハリウッドなみの製作チーム」だったという。Shlainは大きなテーマを短く圧縮することに才能を発揮しており、未来のドキュメンタリー・ビデオのひとつのお手本になりそうだ。ウェビー賞(Webby Awards)のファウンダーとしてShlainは長年にわたってハリウッドをシリコンバレーに注入してきた。しかし今回のようなデジタル時代の紹介では、逆にシリコンバレーをハリウッドに輸出する役回りのようだ。

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Aolの最新CEOお気に入りのTechCrunchライターはマイケル・アリントン



このGIF動画のように、先週Aolはまた新しい経営陣を加えた。Aolブランド事業の専任CEO、Susan Lyneを得て、Aol NetworksのCEO Ned BrodyおよびAol MembershipのCEO Jimmy Maymannとの三頭体制が整った。そして、同社はすばらしい早業で経営陣を1つ減らし、COO Artie Minsonを退任させた。恐らくPatchの予想外の不水振が理由だ。

Aolの組織改訂は常に不可解であり、Aolの決算報告書によるとHuffPostおよびHuffPost Liveのトラフィックと売上は、ブランド事業の売上として計上されているにも関わらず、Huffington PostのボスはArianna HuffligtonでありLyneの配下にない。著名ブランドの一つとして、TechCrunchも実に手ぬるい扱いを受けており、Lyneはわれわれが編集権の独立を維持することを約束している。

「あなたがたは、Aolによる介入を殆どあるいは全く受けることなく驚くほどトラフィックを増やした。助けは必要ないでしょう」と彼女は、就任早々上のビデオにある私のインタビューに答えた。そしてAriannaが部屋にいたからなのか、「Huffington PostにはHuff Post Liveや今後の海外展開など、よく考えられた成長計画がある。一緒にできることはたくさんあるが、私の時間はそこまで成長の早くない分野に費やす方が良い」と語った。

他に、TechCrunchに「水着特集号」の予定がないこと以外で言うこととしては、彼女お気に入りのTechCrunchライターはMichael Arringtonだそうだ。でも彼女は[Ryan] Lawlerを見るまで待った方がいいかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)