iOS 14は犬の鳴き声を認識して聴覚障害者に通知するアクセシビリティ機能などを強化

iOSの最新バージョンには、聴覚や視覚の不自由な人たちのための機能がいくつか追加されているが、誰にとっても役に立つものもある。

おそらく最も感動的な新機能は、Sound Recognition(音認識)だろう。ユーザーが気づきたい音(ノイズ)のリストに載っている音を検出すると、iPhoneがユーザーに通知する。サイレン、犬の鳴き声、煙検知器、車のクラクション、ドアチャイム、水の流れる音、家電のブザー、などなどリストは非常に長い。Furenexoという会社がこれを実現するデバイスを数年前に作っているが、iOSに内蔵されるのはうれしい。

Apple Watchに通知を送ることもできて、オーブンが設定温度になったのを知るためにiPhoneをチェックしたくない人には便利だ。アップルは人間や動物の音を追加する作業を進めているので、システムはまだ成長するようだ。

これが聴覚障害者の役にたつのは当然だが、音楽やポッドキャストに聞き入っていて、犬の散歩や荷物を届くことを忘れがちの人にもうれしい機能だ。

オーディオ部門の新機能はほかにも、同社が「personal audiogram」と呼ぶものがあり、異なる周波数をどのくらい聞き分けられるかに基づいてEQ(イコライザー)をカスタマイズする。これは医療機器ではなく難聴などを診断するものでもないが、さまざまなオーディオテストによって、特定の周波数を強めたり弱めたりする必要があるかどうかを判断できる。残念なことにこの機能は、アップルブランドのヘッドフォンでしか利用できない。

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Real Time Text(リアルタイムテキスト)による会話は、アクセシビリティ標準のひとつで、基本的にテキストによるチャットをビデオ通話プロトコルに乗せて送ることによって、スムーズな会話や緊急サービスの利用を非言語的な方法で可能にする。iPhoneでは以前からサポートされているが、これからはそのためにアプリを開く必要がなくなる。ゲームをしたりビデオを見ている最中に通話すれば会話がテキストで通知される。

最後に紹介する聴覚障害者向け機能は、グループFaceTime通話の隠れた変更だ。ふつうビデオは話している人に自動的に切り替わるが、手話は当然音を出さないので、話者はハイライトされない。iOS 14では、動きを手話である程度認識して(ただし内容は認識しない)その参加者のビデオ表示がハイライトされる。

Voice Overの大改造

アップルの視覚障害者向けのアクセシビリティ機能は充実しているが、改善の余地は常にある。Voice Overは10年以上使われているスマート画面読み上げシステムだが、これまで以上のUI操作を認識する機械学習モデルを採用したことで、適切なラベルのついていない項目や、サードパーティ製アプリやコンテンツも認識するようになった。これはデスクトップでも採用されるが、まだ十分ではない。

iOSの分類能力もアップグレードされ、写真の被写体を分析して高度な関係づけを行うようになった。例えば「two people sitting」(二人の人が座っている)の代わりに「two people sitting at a bar having a drink」(二人の人がバーで飲んでいる)と言ったり、「dog in a field」(広場に犬がいる)ではなく「a golden retriever playing in field on a sunny day」(晴れた日にゴールデンリトリバーが広場で遊んでいる)などと言うようになる。まあ100%正しく犬種を言い当てるかどうかはわからないが雰囲気はわかる。

拡大鏡とローターも拡張され、広い範囲の点字は自動でスクロールするようになった。

視覚障害のあるデベロッパーは、Swift(スウィフト)とXcodeに多くのVoice Over機能が追加され、コード補完やナビゲーションなどのよく使う作業の確認もアクセシビリティ対応になった。

バックタップ

「back tap」(バックタップ)は、アップルデバイスでは初めてだが、Google PixelなどのAndroid端末ユーザーにとってはなじみのある機能だ。端末の裏側を2、3回タップすることでショートカットを起動できるもので、犬のリードや紅茶のカップを持っている時に、もう片方の手で画面読み上げを起動するのにすごく便利だ。

容易に想像できるようにこれはどんな人にとっても便利で、あらゆるショートカットやタスクを実行するようにカスタマイズできる。残念ながら、この機能は今のところFace ID(顔認識機能)のある機種に限られるため、iPhone 8やSEなどのユーザーはおいてきぼりだ。秘密のタップ検出ハードウェアが使われているとは考えにくいので、iPhoneに当初から内蔵されている加速度センサーを利用していることはほぼ間違いない。

アップルが特定の機能をさしたる理由もなく人質にとるのは珍しいことではない。例えば、拡張された通知機能は、iPhone SEのような最新機種でも利用できない。しかし、アクセシビリティ機能でこれをやるのは普通ではない。アップルはボタンを有する端末でバックタップが利用できるようになる可能性を排除しなかったが、約束もしていない。この便利な機能がもっと広く利用できるようになることを願うばかりだが、時を待つほかはない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Chromeなどのウェブ拡張機能のSafariへの移植が容易に、アップルが開発環境を整備

Apple(アップル)は米国6月22日にmacOS 11 Big Surを発表し、Safariに加える改良についても言及した。ネイティブ拡張に加え、同社はウェブ拡張機能のサポートも追加する。Chrome、Firefox、Edgeブラウザの拡張機能を簡単に移植できるようになる見込みだ。

それがどのように機能するのか、アップルはWWDCセッションの中で詳細を明らかにした。Safariはすでに拡張機能をサポートしているが、もしあなたがSafariユーザーなら、それほど多くには対応していないことを知っているだろう。

iOSとmacOSでは、コンテンツブロッカーやシェア拡張機能に対応するアプリをインストールできる。コンテンツブロッカーでは、ウェブページが読み込まれる際に、トラッカーや広告などのブロックすべきコンテンツのリスト作成をできる。

シェア拡張機能では、Safariの共有メニューで機能を追加できる。例えば、「あとで読む」系のPocketやInstapaperはウェブページ上でJavaScriptを実行するためにシェア拡張機能を活用し、その結果をアプリに戻すといった具合だ。

macOSでは、デベロッパーはアプリ拡張機能も利用できる。パスワード管理ツールの1PasswordはSafariと統合するためにこの拡張機能を使っている。

「もしあなたが、すでにSwiftやObjective-Cになじんでいるネイティブアプリのデベロッパーなら、アプリ拡張機能かなり素晴らしいものです」とSafariエンジニアのEllie Epskamp-Hunt(エリー・エプスカンプ-ハント)氏は話した。

Safari以外のブラウザは異なるアプローチで各種機能を拡張している。具体的には、 JavaScript、HTML、そしてCSSのようなウェブ技術を活用してきた。だからこそアップルは、Safariのウェブ拡張機能に別のタイプの拡張機能を追加している。

ほかのSafari拡張機能のように、Safari用のウェブ拡張機能にはネイティブアプリが詰め込まれている。つまりこれは、デベロッパーがApp Store上で拡張機能を提供可能になることを意味する。ユーザーは拡張機能付きのアプリをダウンロードすることになるわけだ。

同社は、拡張機能を素早く移植できる拡張機能コンバーターも用意している。これを活用すると、予想したとおりにすべてが順調にいくかどうかが示される。その後、Xcodeプロジェクトに詰め込んでで署名したあとApp Storeに提出することができる。

一部の拡張機能はかなりの数のパーミッションを要する。これらはアクセスするすべてのウェブページを閲覧できる。だからこそアップルは一部のウェブサイトやアクティブなタブへの拡張機能を制限しているのだ。ユーザーはまた、ずっとではなく1日だけ拡張機能を起動させることも選べる。

拡張機能が初めてサイトにアクセスしようとすると警告が表示され、ユーザーのすべてのブラウジングデータにアクセスできる拡張機能がアクティベートされる前にはSafariの設定に大きな警告のバナーが表示される。

この変更は、将来多くのSafari用拡張機能が登場するかもしれないことを意味する。多くのChromeユーザーはChromeを離れたくない。同じような拡張機能がほかに見つからないからだ。もしデベロッパーが拡張機能をSafariに移植することを選べば、アップルはより多くのユーザーをSafariに引き込めるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi

アップルが自社デバイスのリモート管理を支援するFleetsmithを買収

IT部門が従業員のデバイスの設定や管理をリモートで支援しなければならない時代には、プロセスを簡素化するサービスが役立つことは間違いない。Apple(アップル)はそれを認識しており、米国時間6月24日に企業がアップル製デバイスの設定や管理を支援するスタートアップであるFleetsmith(フリートスミス)を買収した。

アップルは買収を公表していなかったが、TechCrunchが取引を確認し、またFleetsmithも会社のブログ記事で取引を発表した。なお、どちらの企業も買収価格を公表していない。

このスタートアップは、アップルのDevice Enrollment Programを活用した技術を構築しており、従業員がデバイスを箱から出して電源を入れると、すぐにIT部門がオンラインで確認できるようにしている。

昨年の3000万ドル(約32億円)のシリーズB資金調達時に、CEOのZack Blum(ザック・ブラム)氏は同社の中核的な価値について「顧客は従業員に直接デバイスを配給できる。箱を開封してWi-Fiに接続すると、デバイスは自動的にFleetsmithに登録される」と説明していた。

Fleetsmithはデバイス登録の自動化以外にも、OSやセキュリティアップデートでデバイスを自動的に更新したり、IT部門が管理下にあるすべてのデバイスのステータスをダッシュボードで見られるようにしたりするなど、便利な機能を洗練されたインターフェイスとともに追加してきた。

アップルはおそらく、同社のデバイス管理部門をリードするJamfと協力を続けるだろうが、多くの従業員が自宅で仕事をしなければならない今、今回の買収はアップルにリモート管理の選択肢を与えることになる。

ブログ記事によるとFleetsmithは、Menlo Ventures、Tiger Global Management、Upfront Ventures、Harrison Metalなどの投資家から4000万ドル(約43億円)以上の資金を調達しており、今後も同社のウェブサイトを通じて製品を販売していくという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルのiMessageにメンション、ピン留め、インラインでの返信などの新機能が多数追加

Apple(アップル)のiMessageプラットフォームが、iOS 14とmacOS Big Surのリリースで大幅にアップデートする。日本時間6月23日に配信されたWWDCのキーノートで、アップルはiMessageの次バージョンに、SlackやFacebook Messengerといったライバルのメッセージングアプリで人気の機能の多くを搭載すると発表した。インラインでの返信、ピンで固定、メンションなどだ。さらにグループチャットのカスタマイズ、ミー文字の拡張、検索機能の向上なども発表されている。

インラインで返信する新機能を使うと、iMessageのグループチャットに参加しているユーザーがスレッドとして特定のメッセージに返信できる。これはSlackなど人気メッセージングアプリの多くに搭載されているのと同様の機能だ。ユーザーは会話全体の中で返信を表示したり、独自スレッドとして表示したりすることができる。

グループチャット内の誰に対するメッセージかをわかりやすくするために、iMessageにメンションの機能が追加される。ただし、他のアプリやTwitterなどのソーシャルプラットフォームで「@」をつけてメンションするのとは異なり、iMessageでは相手の名前を入力するだけだ。記号を追加する必要はない。

送信相手の推測候補がポップアップし、タップして選択できる。テキストメッセージ中では相手の名前が青色で強調表示され、その相手に対するコメントであることが示される。

そして最高の新機能は、会話の中で自分にメンションされたときだけ通知するようにメッセージアプリを設定できることだ。通知をミュートしたくなるほど頻繁に会話が交わされるチャットでも、重要なメッセージを見落とさずについていけるようになるだろう。

グループチャットのデザインも変更され、直近でアクティブだった人のプロフィールアイコンが最も大きく表示される。

グループチャットのメインイメージを写真や絵文字でカスタマイズすることもできる。会話では、グループメンバーのプロフィールアイコンがメインイメージの周囲に表示される。

会話をピンで固定する新機能を使えば、最も重要なiMessageのチャットを常に画面の最上部に表示できる。こうしておけば、親友や家族のグループチャットなど、頻繁に参加する会話に簡単に戻れる。重要な相手、配偶者、子供など頻繁にメッセージをやりとりする人と素早く会話を続けることもできる。

グループチャットに新しいメッセージが届くと、画面上部に表示される。誰かがあなたへのテキストメッセージを入力中であることも、インジケーターでわかる。

この機能はいつも主にiMessageで会話をしていて、長い未読リストの中で重要なメッセージを見落としてしまうことが多い人にとっては特に便利だ。未読リストをスクロールして会話を追いかけなくても、1カ所を見れば急を要するメッセージを見落とすことがないので、画面を見る時間を減らすこともできる。

さらにアップルは、ミー文字もアップデートする。20種類の新しい髪型と被り物、マスク、年齢の選択肢に加え、ミー文字ステッカーにはハグ、グータッチ、照れの3種類が追加される。

Macのメッセージアプリでもインラインの返信やピンで会話を固定、メンションを利用できる。iMessageのメッセージエフェクト、ミー文字のカスタマイズ、新しい写真ピッカー、人気の画像やGIFを見つけてメッセージに追加する#imagesにも対応する。さらに検索機能が強化され、リンクや写真、一致する項目を見つけやすくなるとアップルは紹介している。

これらの新機能は、今秋のiOS 14とmacOS Big Surのリリース時に搭載される。

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(翻訳:Kaori Koyama)

iOS 14でアプリの広告トラッキングの拒否が可能に、セキュリティとプライバシーをさらに強化

iOSの新バージョンには、セキュリティとプライバシーの新機能も多く含まれる。米国時間6月22日、Apple(アップル)はiOS 14に組み込まれる新機能を多数発表した。iOS 14は2020年後半、新しいiPhoneとiPadがリリースされる際に登場する見込みだ。

アップルは、ユーザーがアプリに対して正確な位置情報を共有するのではなく、「大まかな位置情報を共有」できるようにすると述べた。これによりアプリは正確な現在地を特定するのではなく、大まかな現在地を取得できるようになる。これは、ユーザーがどのタイミングで位置情報を提供するかということに続く新しいオプションだ。2019年にアップルは、ユーザーが位置情報の利用を一度だけ許可するオプションを追加し、このオプションを選択するとアプリがその人の動きをずっと追跡することはできなくなった。

iOS 14が動作するiPhoneでは、ステータスバーに「カメラとマイクの記録インジケーター」も表示されるようになる。これはMacでカメラの動作中にライトがつくのと似た機能だ。この記録インジケーターは、前面または背面のカメラを利用している場合、あるいはマイクが有効になっている場合にiPhoneの画面上部に表示される。

しかしアップルは、最も大きく変わるのはアプリ開発者自身だと述べた。iOS 14では、アプリがユーザーに対して「追跡されたいかどうかを尋ねる」ようになる。これは影響力のある大きな変更だ。ユーザーが追跡を拒否できるようになることで、アプリが収集するデータの量が減り、ユーザーのプライバシーが守られる。

アップルは、アプリがどのような許可を要求するかを自己申告するようアプリの開発者に今後求めていくことも説明した。これにより透明性が向上し、ユーザーはそのアプリを使うためにどのようなデータを渡すのかを知ることができる。収集されたデータがアプリ外でどう追跡されるかも説明されるようになる。

Androidユーザーはすでに何年も前から、アプリが求める権限をGoogle Playストアで確認できる。

アップルはプライバシー重視の姿勢を常に口にしている。今回の動きは、その姿勢の一環として広告業界に対してアップルが繰り出した最新の攻撃だ。

広告主、そしてデータをかき集めるFacebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などのテック大手は、ターゲット広告で巨額の利益を得ている。その両者を巻き込む論争の中で、広告業界はこれまで頻繁にアップルの批判の的となってきた。2015年にアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、シリコンバレーのライバルたちは「あなたについて知り得るすべてを食い尽くして収益化しようとしている」と述べた(未訳記事)。ハードウェアを販売して収益を得ているアップルは「そのようにはしないことを選択する」とクック氏は語っている(The Guardian記事)。

ターゲット広告がさらに広まる中で、アップルは自社のソフトウェアにプライバシー関連の新しい機能を追加することで対抗した。例えばインテリジェントなトラッキング防止技術や、広告とトラッカーを読み込まないようにするコンテンツブロッカーをユーザーがSafariにインストールできるようにする機能などだ。

2019年にアップルは、開発者に対してサードパーティ製トラッカーを使用する子供向けアプリはApp Storeで却下されると伝えた。

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画像クレジット:Apple(ライブストリーミング)

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(翻訳:Kaori Koyama)

アップルのマップアプリでEV向けに充電ステーションも含めたルート検索が可能に

Apple(アップル)は、電気自動車のオーナー向けのルート案内機能をマップアプリに追加した。iOSの最新バージョンで利用可能になるEVルーティング機能は、アップルがマップアプリに加えたいくつかの改良のうちの1つだ

米国時間6月22日月曜日、毎年開催される開発者向けカンファレンスのオンラインイベントである「WWDC 2020」で、この新機能は発表された。

EVルーティング機能は、ルートに沿ってユーザーのEV(電気自動車)と互換性のある充電ステーションを表示することで、航続距離とバッテリー切れの心配を解消することを目指している。アップルでシニアディレクターを務めるStacey Lysik(ステイシー・リシック)氏によると、iOS 14のマップアプリは車両の充電状態を追跡し、標高や経路に沿ってルートに充電ステーションを追加するかどうかを決定する。

アップルはBMWやFord(フォード)などの自動車メーカーと協力して、簡単なルート設定をサポートする。リシック氏によると、近い将来にはさらに多くのメーカーが加わる予定だという。フォードはアップルと協力していることを認めたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

またマップアプリには、渋滞やグリーンゾーンを表示し、必要に応じてこれらのエリアを避ける代替ルートを選択できる機能も追加される。中国のドライバーはiPhoneにナンバープレート番号を安全に保存できるようになり、その番号に基づいて混雑した都市の中心部に入ることができる日を、より簡単に知ることができるようになる。中国の政策では、ドライバーは特定の日にしか混雑区域に入ることができないのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Safariはまもなくウェブページに埋め込まれたすべての広告トラッカーをブロックし暴き始める

Apple(アップル)は侵略的な広告トラッカーへの反撃を開始する。

アップルは米国時間6月22日に、同社のウェブブラウザであるSafariの新しいプライバシー機能を発表した。ユーザーが訪問するウェブページやサイトに埋め込まれた広告トラッカーのすべてを暴くものだ。

Safariの新しいトラッキング防止機能はブラウザ上部のアドレスバーの隣に表示され、ウェブを閲覧する際に侵略してくるトラッカーをブロックする。ユーザーはトラッキング防止機能を開いて、プライバシーレポートからページ上のすべてのトラッカーの詳細を閲覧できる。

例えば、TechCrunch USのページをチェックすると、200以上のトラッカーが存在していた。

FirefoxやBraveのようなライバルのブラウザには、すでにトラッキング防止機能が組み込まれている。

これは、ターゲティング広告とトラッキング業界の状況を一変させる最新の機能だ。ターゲティング広告が何年にもわたって侵略的なものになってきたため、アップルは同社のソフトウェアにインテリジェンストラッキング防止技術などの機能を導入し、Safariユーザーが広告やトラッカーの読み込みを防止するコンテンツブロッカーをインストールできるようにすることで対応してきた。

Safariの新機能は、2020年後半にリリースされる予定のmacOS Big Surの最新バージョンに搭載される予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルのApp Storeに対して開発者によるアプリのリジェクトやルールへの異議申し立てが可能に

Apple(アップル)が、近く実施されるApp Storeのルール変更を発表した。これにより、このマーケットプレイスの運用が大きく変わる可能性がある。もうすぐ開発者は、アプリのリジェクトだけでなく、その根拠となったルールにも異議を唱えられるようになる。また、ルール違反のせいでバグ修正のアップデートが保留になることはない。

重要な追加事項にも関わらず、アプリと開発者の変更点についてのブログ記事は淡々としたものだ。

まず第一に、開発者はアプリがApp Store Review Guidelinesの特定のガイドラインに違反しているかどうかの決定に抗議できるだけでなく、ガイドラインそのものに異議を唱える仕組みがある。第二に、すでにApp Storeで公開されているアプリに関しては、法律な問題に関連するものを除き、ガイドラインへの違反のためにバグ修正が遅れることはなくなる。

App Storeのルールは、今週大きく報道された。それは、収益化をめぐる論争のせいであり、メールサービスアプリのHeyが、サブスクリプションの収入をAppleと共有することをためらった(未訳記事)からだ。

これは前からよくある問題であり、Basecampの共同創業者であるDavid Heinemeier Hansson(デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン)ともあろう人が、自分のHeyについてそれを知らなかったとは思われない。しかも、アプリに関するAppleの一方的で画一的なビジネスモデルが批判されたのも、これが初めてではない。

本誌TechCrunchとのインタビューでAppleのマーケティング担当上級副社長Phil Schiller(フィリップ・シラー)氏は、ルールを変えてHeyのようなアプリが収入をAppleと分けずにApp Storeで売られるようにするつもりはない(未訳記事)と語った。

関連記事:Interview: Apple’s Schiller says position on Hey app is unchanged and no rules changes are imminent

しかし、アップルは発表で直ちにルールを変更しないが、そのうち変えるかもしれない、と言っている。開発者からのフィードバックがどのように入手され処理され評価されるのか、それはわからないが、おそらく今週の多くの開発者セッションでさらに聴取を重ね、多くの提案を受け取ってから最終的に決まるのかもしれない。

2つめの変更は、Heyがそうだったようにビジネスの問題があるせいで、セキュリティアップデートもできなかった開発者をほっとさせるだろう。開発者との交渉が行き詰まることで、ユーザーを困らせることはアップルもしたくないだろうから、両者を分離することは完全に正しい。これによって、扱いにくい開発者に対してアップルが振るう鞭(むち)が短くなり、しかもユーザーなど他の関係者のリスクは少なくなる。

App Storeのルール変更は今夏に発効するため、それまでに詳細が決まるだろう。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップル、独自プロセッサを搭載したMac miniを今週から開発者向けに提供

Apple(アップル)は開発者が同社のシステムオンチップ(SoC)ベースのMacへと移行するのを手助けしたいと考えており、開発者向けのハードウェアなどのリソースを数多く用意する。アップルの開発者向け移行キットには、A12Zプロセッサを内蔵したMac miniが含まれており、プレリリース版のmacOS Big Surが動作する。

開発キットのスペックとしては、16GBのRAMと512GBのSSDが含まれ、Xcodeがプリインストールされており、すぐにアプリ開発に取り組める。これはかなり初期段階のプレリリースキットで、アップル独自プロセッサを搭載した最初の市販Macは今年後半まで出荷されない。アップルのTim Cook(ティム・クック)CEOは、米国時間6月22日に開催されたWorldwide Developers Conference(WWDC)のキーノートで語った。

アップルはIntelベースのMacも引き続き販売する予定で、これには新製品も含まれる。完全にMacのラインナップが移行するには2年かかると伝えられている。一方、開発者キットは早ければ今週中にもプログラム承認された開発者向けに出荷されるとCook氏は語った。同社は開発者がスムーズに移行できるように、できるだけのことをするつもりだ。

今回のDeveloper Transition Kitにくわえて、アップルはQuickstartプログラムを作成し、開発者が新しいApple silicon上でアプリをユニバーサルかつネイティブに動作させるプロセスを支援する。具体的には、新しいSoCに関するサンプルコードフォーラムやドキュメントが提供される。ハードウェアを含むDTK自体の価格は500ドル(約5万4000円)で、キットは数量が限定されるため、既存のmacOSアプリケーションを所有している開発者が優先して入手できるという。

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(翻訳:塚本直樹)

アップル、デフォルトのメールやブラウザアプリの変更を許可

Apple(アップル)はひっそりと、モバイル版ChromeやGmail、Outlookのユーザーの生活を変える大きな発表をおこなった。同社はアプリのデフォルト設定に対する方針を変更し、ユーザーがメールアプリとブラウザアプリにサード製のアプリをデフォルトとして設定できるようにする予定だ。

アップルはこの変更がiPadOSとiOS 14で提供されると発表したが、これはおそらく、ユーザーがリンクをタップしたときにどのブラウザにリダイレクトされるのかを指定できることを意味する。同社が独自サービスのために何らかの機能を確保しているかどうかは、今後判明するだろう。キーノートではこの新機能は強調されず、数秒間表示された要約画面の下部中央にて示された。

これはアップルにとって大きな変化だが、ステージ上でこの点を強調しなかったのも当然だ。同社はサードパーティー製アプリをデフォルトとして使用するオプションをユーザーに提供することに、これまで消極的だった。ただし例外として、Google マップをアップルのアプリのデフォルトに設定できる設定は早い段階で導入された。

メールとブラウジングはモバイルデバイスの重要な機能で、今回のアップデートまでChromeやGmailのようなアプリをデフォルトに設定する機能がなかったのは驚くべきことだ。アップル自身が反トラスト法の議論の中心にいることの理由として、アプリのデフォルト設定が変更できないことは、同社が他社のサービスよりも自社のサービスを優先する手法として常に槍玉に挙げられてきた分野の一つだ。

この機能が具体的にどのようなものになるのか、どのようなサービスがサポートされるのかの詳細は不明だが、ベータ版が公開されれば多くの情報が得られるだろう。

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(翻訳:塚本直樹)

WWDC基調講演中に新OS、新機能の発表でアップル株価はどう動いたのか?

米国時間6月22日にApple(アップル)はWWDCで基調講演を行った。事前録画されたビデオで幅広いテック業界の人びとを説得しようとするバーチャルイベントだ。

TechCrunchはクパチーノ発の最新情報について山ほどの記事を載せているが、イベント中のアップル株価の動きにも注目した。これはTechCrunchの伝統であり、イベントの最中に同社株がはさほど大きく取引されることはないが続けている(未訳記事)。

しかしアップルには他の船(企業)を揺らす能力があり、2018年のハードウェアイベントでApple Watch Series 4が発表された後、Fitbit株が暴落したときに我々はそれを認識した。というわけで、この短い記事はアップル自身の株価だけでなく、他の誰が影響を受けるかにも注目する。

講演中の株価状況

WWDC基調講演が終わところで、この長尺のビデオ講演による株価の変化を時間とともに示した。

Data via Yahoo Finance. Annotations via TechCrunch.

ここから何を読み取ればいいのかわからなくても、心配ない。実際のところ、このグラフの分析は少々難しかったため、本誌はアップルの発表ごとにそのニュースが投資家にどう影響を与えたかを調べてみた。

それでは、アップルのイベントをライブブログで紹介する本誌の伝統にならって、TechCrunchは世界初のアップル基調講演「株価ライブブログ」をお送りする。さあ始めよう。

  • 12:18 ET:アップル株は2.12%高の357.13ドル。本日(米国時間6月22日)のアップル株は株式市場全体の上昇とともに値上がりしたが、これまでのところ上昇率はMicrosoft(マイクロソフト)とほぼ同じで、Alphabet(アルファベット)の約2倍だ。
  • 1:04 ET:株価は変わらない。WWDCが始まりCEOのTim Cook(ティム・クック)氏が会社のこと、今後起きること、パンデミック危機、構造的人種差別、国家の暴力などについて話している。
  • 1:07 ET:アップルが新しいiOS機能を紹介している。株価は動かない。
  • 1:15 ET:Siriのアップデートが登場し、アップル株は2.2%上がったが事実上変わらず。
  • 1:20 ET:メッセージ機能のアップデートでも株価は変わらず、アルファベット株にも影響なし。
  • 1:29 ET:App Clipsも株価を変えられず、2.15%高のまま、iOSアップデートもアップルの株価に何ら影響せず。
  • 1:42 ET:iPadのアップデートを詳しく紹介、キーボードは少々過大評価されているのでペンシルの利用が伸びると見ている。株価はほぼ不変の2.03%高。
  • 1:44 ET:アップルの大ヒット製品Air Pods Proの最新情報にも株価は変わらず+2.14%。
  • 1:51 ET:Apple WatchとwatchOS 7にも株価変わらず。
  • 1:54 ET:手洗いに役立つApple Watchアプリ、新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延を心配する市場を動かせず、+2.16%で変わらず。
  • 2:00 ET:アップルのかなりのプライバシー改訂も株価を動かせず2.05%高。
  • ちなみにNasdaq(ナスダック総合指数)は再び10,000ポイントを超えた。
  • 2:13 ET:macOSアップデート、株価変わらず。
  • 2:19 ET:+2.16%で変わらず。
  • 2:25 ET:アップルがSafariについて話している。株価は+2.19%でほぼ平坦。
  • 2:31 ET:プロセッサーについて話し+2.28%。
  • 2:33 ET:Intel株も変わらず、今日の+0.38%を維持。
  • 2:41 ET:アップルのデベロッパー向け最新情報が続き株価は+2.34%とわずかに上昇。
  • 2:46 ET:アップルがアップル製チップへのデベロッパーの移行、Intelチップ版macOSの将来、本格的チップメーカーとして将来につい語る。株価はティム・クック氏が話を終えたとき2.30%増だった。

以上、ここまで。

アップルの発表が株価を変化させないことについて、この長々しく退屈なジョーク記事を書いたのには理由が2つある。第一に、投資家はアップルの発表の意味をまるで理解できていないことが明らかだから。第二に、この事実が効率的市場仮説の信奉者をからかっているからだ。投資家たちはその規模によらず、以前よりはるかに多くの情報を持っているが、彼らの見るところ、アップル株の価値は以前とまったく変わっていなということのようだ。

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 14でマップにルートの最適化や急な坂を知らせる自転車用オプションを追加、まずNYや上海などで導入

Apple(アップル)のiOS新バージョンでは、マップに多くの新機能が加わる。その中の1つが、自転車ユーザー向けにルートを最適化したり、そのルートに勾配のきつい登り坂が含まれているかどうかを知らせたりする自転車オプションだ。

アップルはこの新機能を米国時間6月22日に開催された年次デベロッパー会議のWWDC 2020バーチャル版で発表した。

Apple Mapsはすでに公共交通機関や徒歩での移動ルートを案内している。だが、同社のシニアディレクターであるStacey Lysik(ステイシー・リシック)氏によると、自転車オプションのリクエストが最も多く寄せられていたという。

自転車オプションは、iOS 14でまずいくつかの都市を対象に導入される。差し当たってはニューヨーク市、サンフランシスコのベイエリア、そして中国の上海と北京だ。数カ月以内にさらに多くの都市が追加されるとのことだ。

「自転車で街を移動するのに使える、ものすごくいいサイクリングエクスペリエンスを構築した」とリシック氏は話した。

自転車オプションでは、かなり勾配がきつい坂を登ることになるのか、あるいは楽しい平坦な道のサイクリングになるのかなどを調べてユーザーに示す。また、ルートに静かな通り、あるいは賑やかな通りが含まれるのか、険しい道があるのか、自転車を担いで階段を昇らなければならないのかもわかる、とリシック氏は述べている。

階段は明らかに理想的なものではない。そのためこの機能では、階段を回避するルート設定も用意される。

画像クレジット: Apple

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(翻訳:Mizoguchi

アップルのARMベースMacは旧アプリをエミュレート、iOSアプリも動かせる

Apple(アップル)はMacの大きな方向転換を発表した。同社は将来、Intel製CPUをARMアーキテクチャーに基づくアップル独自のチップに置き換える。デベロッパーや特殊なエンタープライズアプリを動かしている人なら、今後どうなっていくのか気になることがたくさんあるだろう。

まず、アプリはIntelベースのMacとARMベースのMacの両方で動作するようにコンパイルできる。その両方の実行可能コードを含むアプリは、Universal 2と呼ばれる新しいフォーマットを使って配布される。Macをしばらく使っている人なら、アップルがPowerPC CPUからIntel CPUに切り替えた時にも同じ方式をとったことを覚えているだろう。1つのアプリに2つの実行ファイルが入る。

最適化されないソフトウェアもそのまま動作可能だが、性能はARM対応のネイティブアプリより劣る。アップルは、新しいMacで旧アプリを動かすためのエミュレーションレイヤーであるRosetta 2(ロゼッタ2)を提供する。

ARMベースのMacに古いアプリをインストールすると、システムがアプリを調べてARMプロセッサーに最適化しようと試みる。こうしてユーザーがアプリを開く前からある程度の最適化が行われる。

しかし、ウェブブラウザーや複雑なアプリなど実行時コンパイルする場合はどうなるのか?Rosetta 2は、アプリの実行時にもx86の命令をARMの命令へとリアルタイム変換する。

そして、サーバー上で動くコードを作っているデベロッパーのために、アップルはバーチャル化ツールも準備している。LinuxとDockerをARM Macで動かせる。

おまけとして、Macユーザーはこれまでになく大きなアプリライブラリーを利用できるようになる。「Macユーザーは初めて、iOSとiPadOSのアプリをMacで動かせるようになる」とアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は語った。

詳しくは語られなかったが、iOSアプリのmacOSへの移植を容易にするアップル自身のフレームワークであるCatalystを使うことで、デベロッパーがmacOS向けに最適化していないアプリでもユーザーはダウンロードして実行できる。

移行には時間がかかり、おそらく2年程度は必要だろう。最初のARMベースMacは2020年末に出荷される予定だ。ARM Macへのアプリ移植に興味のあるデベロッパー向けに、クイックスタートプログラムが用意される。ドキュメントとプライベートフォーラムに加えて、アップルはA12Zシステムオンチップ搭載のカスタム版Mac Miniを提供する。こうしてデベロッパーは実際にARMチップが載ったMacで自分のアプリをテストできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple+向けアシモフの「ファウンデーション」の予告編初公開

2020年のオンラインWWDCではApple TV+はさほど大きくフィーチャーされていなかったが、キーノートで「ファウンデーション」の最初のティーザー予告編が公開された。

このシリーズはIsaac Asimov(アイザック・アシモフ)のSF古典をベースとしている。銀河帝国の崩壊とそれに続く混乱の期間をできる限り短縮するためにハリ・セルダンが発明した心理歴史学が重要なモチーフだ。

YouTubeなどオンラインで公開された予告編はWWDCのライブストリーミング版より長く、製作総指揮兼ショーランナーのDavid S. Goyer(デビッド・ゴイヤー)氏のコメントも収められている。TechCrunchでもアシモフの生誕100年を記念した記事を掲載しているが、ゴイヤー氏は「この50年、『ファウンデーション』の映画化が模索されてきた。アシモフのこのシリーズは『スター・ウォーズ』にも極めて大きな影響を与えている。史上最高のSFだ」と述べている。予告編にはゴイヤー氏をはじめとするクリエイターのチームがこの作品の映画化にどのように取り組んだか、ヒントもある。

原作は何世紀もの期間に及んでおり、主人公も作品ごと代わっている。動画ではJared Harris(ジャレッド・ハリス)がセルダン役を続けるように思えるが、途中で別の俳優に代わる可能性もある(Netflixの「ザ・クラウン」でハリスが演じたジョージ6世はすぐに消えてしまった)。

また、主要な登場人物には非白人の女性が含まれている。原作にはアクション場面が少なく会話が多いが、Apple TV+の動画版ははるかに視覚的に魅力的なスペクタクルとなっている。

「ファウンデーション」のリリースは2021年に予定されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ついにwatchOS 7でApple Watchの文字盤カスタマイズ、共有が可能に

Apple(アップル)はWWDC 2020でカスタムウォッチフェイスの共有など、これまで強く要望されていた機能をApple Watchに追加すると発表した。

Apple WatchのApp Storeには2万以上のApple Watch用のアプリが登録されているが、お気に入りのアプリのデータをすべてWatchのメイン画面に集約する機能が欠けていた。watchOS 7に導入されるサードパーティーのウォッチフェイス(文字盤)をカスタマイズして共有する機能などによってこの状況は変わる。

watchOS 7ではデベロッパーはアプリごとに個別の機能を統合し、これを表示するカスタムウォッチフェイスをデザインできる。例えばサーファー向けウォッチアプリのデベロッパーは、ユーザーがお気に入りのビーチを登録すれば水温や波高、風速などを予測する「サーフィンウォッチ」の文字盤をデザインできる。赤ちゃんの両親向けの専用アプリであれば授乳時間のアラームを設定したり、成長を記録したりできる。Nike(ナイキ)社のNike Run Clubは、前回のランニングのペースや毎週のランニング目標などの情報を表示する。

アップルは「デベロッパーは新しいSwiftUIを利用して複雑な機能をデザインできるようになる」と述べている。

またwatchOS 7では、ユーザーはこうした複合的な機能を持つカスタムアプリを利用したお気に入りのウォッチフェイスを公開、共有できる。

watchOS App Storeでは、キュレーションされたサードパーティのアプリやウォッチフェイスを発見できる。また新しい共有機能を利用して、App Storeその他で発見したウォッチフェイスを家族や友人と共有することができる。

共有は簡単だ。表示されたウォッチフェイスを長押して、送信先を選択するだけでよい。デベロッパーはアプリから直接、事前にカスタマイズされた文字盤を提供することもできる。これは各種のソーシャルメディアに公開できるため、ウォッチフェイスがバイラルで拡散される可能性もある。

iOSなどアップルの他のプラットフォームと比べて、遅れ気味だったwatchOSにとってこうした新機能はエコシステムを活性化するのに役立つだろう。

Appleはまた、タコメーター付きの新しいクロノグラフや更新されたXLフェイスのアップデートなど、今後独自の複合機能の文字盤デザインを提供していくと述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルがARMベースのMac用独自プロセッサーの開発を正式発表

Apple(アップル)は、米国時間6月22日のWWDCでおそらく最も大きなニュースを発表した。Tim Cook(ティム・クック)氏は同社がデスクトップとラップトップ用の自前のプロセッサーを開発していることを正式に明らかにした。ここ数年噂されていたもので、Intel(インテル)のチップへの依存から脱却しARMベースの独自チップに移行する。

この動きは、ハードウェア生産のあらゆるポイントを可能な限りコントロールしたい同社にとって当然のステップであり、iPhone、iPadそしてApple Watchでの措置に続くものだ。同社はすでにこうしたモバイルデバイス向けに数世代のチップを手がけており、それをMacにも拡大することを決めた。

アップルは同社のSoC(System-on-a-chip)がバッテリーの持ちを犠牲にすることなくさらにパフォーマンスを向上させることができると主張する。本当であれば、かなり素晴らしい変更だ。またグラフィックのパフォーマンス向上とともに、オンボードもモバイルデバイスで提供されているようにセキュリティが強化される。

アップルによると、こうした取り組みにより同社のデバイスが同じプロセッサーアーキテクチャを使うことになり、クロスプラットフォーム操作で大きな利点となる。驚くことではないが、 iOSとiPadOSのアプリを箱から出したばかりのデスクトップで直接扱えるようになることを意味する。同社がmacOSのCatalystで展開してきたものを力強く前進させることにもなるが、ネイティブアプリ同様には機能しないと思われる。

ただ、こうした取り組みにも関わらず、デベロッパーが新旧のMacでアプリを開発しやすくなるように取り組んでいる、とアップルはいう。大半のユーザーがアップグレードするまでしばらく時間があることを考えると、重要な注意点だ。Microsoft(マイクロソフト)も含め、多くのデベロッパーがすでに新たなアーキテクチャを開発中だ。

移行をスムーズなものにするために、アップルはRosettaの新バージョンを投入する。RosettaはマイクロプロセッサーのPower PCからの移行をサポートするプログラムだ。Rosetta 2はアップグレードされていないアプリが新しいプロセッサー上でも作動することを保証する。これらは本日発表されたmacOS 11 Big Surの鍵を握るものとなる。

今回のWWDCでアップルはまた、デベロッパーが新Macに取りかかれるDeveloper Transition Kit(DTK)も発表した。DTKは、システムが実際に使えるようになる前に有利なスタートが切れるようにする強化されたMac Miniのようなものだ。ARMベースのチップを搭載した初のMacは2020年後半に発売され、完全移行には2年かかるとされる。つまり、Intelベースのシステムが今後も一部展開されることを意味する。

アップルはこれまでのモデルのサポートを継続するとクック氏は述べたが、新しいシステムがどのようなものになるかを確かめるまではアップグレードをしばし控えても良さそうだ。新たなシステムについての詳細は示されなかった。しかし、13インチのMacBook Proが新しいシリコンを搭載する初のモデルとなり、再設計されたiMacは2021年初めに投入されることが予想される。

その他にもまだ不明な点は多い。結局、WWDCは目まぐるしいスピードで駆け抜ける洗練されたキーノートだ。詰め込むにも限度というものがある。約束した新チップの処理能力の改善やバッテリーの持ち、実際にそれがどんなものなのかに関しては、アップルはプロダクト発表時に明らかにするようだ。

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(翻訳:Mizoguchi

【WWDC20速報】watchOS7は文字盤の共有が可能に、新型コロナ対策機能もあり

アップルは米国時間6月22日、開発向けイベントWWDC20の基調講演で、次期watchOSの新機能を発表した。iOSやiPadOSに比べるとやや小幅なアップデートという印象だ。

文字盤の共有

新watchOSでは、サードパーティーがデザインした文字盤を手軽に自分のApple Watchに着せ替えることが可能になる。サードパーティーは、SwiftUIと呼ばれるユーザーインターフェースデザイン用のプログラミング言語を使って文字盤をデザイン可能だ。

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マップ

「マップ」アプリには、iOS14と同様に自転車向けのルート検索機能が加わっている。勾配などを情報をApple Watchから得られる。そのほか、階段や徒歩でないと進めない道などもガイドしてくれる。

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ワークアウト

「ワークアウト」アプリでは、Apple Watchが内蔵する各種センサーの情報から腕や足の位置や負荷のかかり方などを深く解析して、カロリー消費量などをより正確に計算してくれる。

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Wind Down

iOSとの連携機能としてはWind Downがある。これは、アラームや音楽再生、HomeKit対応家電の操作といった操作をApple Watchに自動的に適用することで、質の高い睡眠を取ることを支援する機能。就寝時間に近くなると文字盤が変化する。

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Handwashing

新型コロナウイルス対策を意識した機能もある。手に付着したウイルスを手洗いで除去するには20回程度のもみ洗いが必要だが、新しいwatchOSはこの回数を自動的に数えてくれる。

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基調講演では詳しく触れられなかったがwatchOS7にはそのほか、翻訳、デバイス上での音声入力などの機能も加わる。

iPadOS 14ではアプリの操作性がmacOSのようになる

Apple(アップル)はiPadOSに加えるタブレット特有の新たなアップデートを発表した。iPadをラップトップの代替として使えるようにするソフトウェアを渇望しているユーザーの声に応えるものだ。

AppleのiPadアップデートは今年はかなり控えめだ。大きな変更は同社が展開するアプリがサイドバーやドロップダウンメニューを考慮してデザインされていることだ。つまらないように聞こえるが、明らかにより複雑でmacOS風のデザインをiPadにもたらし、スクリーンをこれまでよりもフル活用できるようになる。特に写真やファイル、カレンダーのアプリのデザインアップデートに注力した。

デザインの変更は、iPad操作に関してよく耳にする不満の1つを解決する。その不満とは、アプリがまだiPhone仕様になっているためにユーザーがiPadのパワーを存分に活用できないというものだ。新しいMagic Keyboardのトラックパッドのようなマルチタッチ外部入力をサポートするようになり、Appleのデザインニーズはシングルスクリーンに合う生産性を念頭に置いたインターフェースに向かっている。デベロッパーがこうした新テンプレートを使ってiPadデザインにどのように手を加えるかは今後明らかになる。

画面の操作性に関しては、iPadのホームスクリーンで使えるウィジェットが増える。現在ウィジェットは主にiPhoneで展開されていて、今後さらに多くのデベロッパーがサポートするようになることが予想される。

AppleはiPadOS発表のほとんどの時間をApple Pencilの新機能「Scribble」に費やした。ユーザーはApple Pencilでスクリーンのテキストボックスに走り書きができ、手書きの文字をすぐさまプレーンテキストに変換することもできる。つまり、ユーザーはSafari検索バーに直接書き込み、キーボードに触れることなく素早く検索できる。この機能でユーザーはよりフレキシブルに選択した入力モードを活用できる。

iPadOSは今秋リリースされる予定だ。

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タグ:Apple WWDC iPad

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(翻訳:Mizoguchi)

【WWDC20速報】AirPods Proは新ソフトウェアへの更新で顔や端末の方向を認識して音を出す

WWDC20では、AirPods softwareという耳慣れない言葉が登場した。このAirPods softwareとiOSやiPadOS、macOSなどのOS組み合わせることで、顔の向きや端末の方向に応じて音を最適化することが可能になる。これぞまさしく、ハードウェアとソフトウェアの両方を開発しているアップルにしか開発できない新機能だ。

3Dオーディオ

基調講演では、AirPods Proのソフトウェア(ファームウェア)を更新することで音の聞こえ方をユーザーの姿勢や端末の持ち方で自動的に調整できることが説明された。顔や端末を左に向けると、音が聞こえてくる方向が自動的に調整される。

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自動接続

マルチペアリングが可能なAirPodsシリーズでうれしい機能も加わった。iPhoneやiPad、MacなどにペアリングしているAirPodsを、それぞれの端末で利用する際に自動的に接続先を切り替えてくれるようになる。例えば、MacでAirPodsを使っている最中にiPhoneで電話した場合に、AirPodsは接続先をMacからiPhoneに自動的に切り替えるわけだ。

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タグ:Apple WWDC AirPods

アップルがデザイン一新した「macOS 11.0 Big Sur」を発表、新美学と再設計アプリを導入

ここ最近Apple(アップル)はその焦点をモバイル向けOSにシフトており、macOSには取り残されていた。昨年のCatalinaではSidecarを含むいくつかの重要な変更もたらされたが、最近のアップデートの多くはOSをよりiOSに似せたものにすることが中心だった。そして次期バージョンでは、カリフォルニアの最も美しいスポットから名前を拝借するという例が維持されている。今回は、中央海岸のBig Surだ。バージョン番号はライブデモによれば、macOS 11.0となっている。

アップルは新しいデザインのアイコンやサウンド、改善されたアニメーションなど、さまざまな美的要素を洗練させている。アプリの角はすべて丸くなり、ツールバーも改善された。全体的に色数が増えており、新しいキーカラーによってそれぞれの会社の製品が区別される。アップルのファーストパーティーアプリはすべて再設計され、メニューバーもiOS風の半透明デザインになった。

iOSにもあるControl Centerはモバイル版から借用した最新機能で、明るさを調整したり、ナイトモードに切り替えることができる。正直なところ、最近のmacOSの多くの再設計と同様に、Big SurはiOSからウィジェットや通知センターを含む多くの要素を借用している。いくぶん無機質だったメッセージアプリも大きく改善された。これにはMemojiの編集とメッセージのピン留めが含まれている。

デスクトップにiOSアプリを持ってくるためのCatalystでも、開発者向けのアップデートが発表された。実際には、Big Surに搭載されるメッセージとマップの最新バージョンで使用されている。

Safariにも今回大きなアップデートがあり、スピードが大幅に改善される。アップルによると、同ブラウザは頻繁に訪れるページをChromeより最大50%高速に開くことができるという。それ以外にも不要なアプリの追跡を監視するなど、いくつかの重要なセキュリティアップデートが提供される。またパスワードを監視し、データ漏洩と照合する。iOS同様、ブラウザに翻訳機能が組み込まれ、Googleと同様の機能が提供される。

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カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Apple WWDC

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(翻訳:Tsukamoto)