Toyotaが最近、同社の人助けロボット(Human Support Robot)の、北米地区における初めての現用試験を完了した。このロボットはHSRと呼ばれ、同社の移動支援ロボットの一環として開発されている。その製品コンセプトは、人間の日常生活の質的向上、とされている。
今のToyotaには、何らかの制約や障害を抱えたユーザーの移動性を支援する一連のプロジェクトがある。HSRのほかには、下半身麻痺の人の歩行を助けるウェアラブルの脚部ブレースや、視力に問題を抱える人たちのための環境認識技術、要介護者をベッドから椅子へ移動するロボットなどを開発している。また、同社のホームビジネスに近いものとして、歩行の不自由な人の車への乗り降りを助ける器具も開発中だ。
Toyotaが北米地区で完了したHSRの現用テストは、アフガニスタンで負った戦傷で首から下が麻痺した復員兵Romy Camargoと共に行われた。ロボットには車輪と視覚センサーと関節で動く腕があり、ドアの開閉や飲み物の持参など、家の中の日常的な作業でCamargoとその家族を助けた。
HyundaiやHondaなど、多くの自動車メーカーが移動介助の分野で研究開発を進めている。中でもラストマイルのソリューションと家庭内ロボットは、将来の大きなビジネス機会だ。ToyotaのToyota Research Instituteは、移動支援ソリューションのためのAIとロボットを専門に研究している。今後もこのような現用試験を重ねることによって、家庭内ロボットの本格的な商用化のための道が、拓けるのだろう。