コーヒーショップのWi-Fiで長居するお客を一人々々個別に管理できるシステムGoGoGuest

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正直に答えて。一日中、コーヒーショップで仕事をしたことある? もちろんコーヒー一杯だけで。

ぼくは確実にその常習犯だけど、お店が対策としてコンセントを取り去ったり、Wi-Fiを切ったり、ラップトップ禁止席を設けたりしていることもある。しかしここでご紹介するGoGoGuestは、もっと良いタダ乗り客対策をお店に提供し、またちゃんとお金を払ったお客はちゃんと優遇する。

GoGoGuestはコーヒーショップに特別なプリンターを使っていただく。お客が金を払うとレシートをプリントするのだが、それにユニークな(一回かぎりの)コードが印刷されている。そのコードの意味付けはお店の工夫次第だが、一般的にはお客は、そのコードで一定時間Wi-Fiを利用できる。あるいはそのコードの保有者に、特別の高速ネットワークの利用を提供してもよい。一時間とか二時間とかの設定時間が経過すると、コーヒーをもう一杯買わなければネットへの接続を継続できない。

GoGoGuestの最初のユーザーは、サンフランシスコのChai Barだ。チャイをオーダーするとコードをもらえるので、店内で高速インターネットをすぐに利用開始できる。ちゃんと二杯目以上を注文して長時間ねばる客は、約30%だそうだ。残る70%は、追加オーダーをお願いすると店を去る。

協同ファウンダーのChristopher O’Connorによると、こんな工夫(個別コードによるユーザー管理)は既存のWi-Fi技術で十分可能だけど、やり方がやや面倒なので忙しいお店では採用できない。ぼくの経験でも、単一のパスワードでWi-Fiを利用できるお店が多くて、個人別のコード(Wi-Fiのセキュリティコード)を割り当てているところはとても少ない。そこで、GoGoGuestは、個人別コードの発行を容易化するのだ。システムの管理はダッシュボード上でできる。

さらにGoGoGuestは、顧客のアクティビティに関する詳細な分析データをお店に提供する。それにより、いろんな売り出し企画の効果を判定したり、また“優秀客”には特別待遇を提供したりできる。コーヒー一杯で一日中YouTubeを見ているお客と、毎日律儀に追加コーヒーをオーダーするお客が、同じ待遇なのはまずいかもしれない。

GoGoGuestにはお客が使うiPhoneアプリがあり、近くの良質なコーヒーショップの所在を表示してくれる。同社のシステムを採用した店が増えれば、その地域の推奨店の数も増える。アプリは、お店が今やっている売り出し企画も紹介できる。顧客分析データにより、広告等のターゲティングも可能だ。

O’ConnorによるとGoGoGuestは、モバイルやソーシャルの仕事をしている人たちが、確実に良質なインターネット接続を見つけるための方法だ。また、彼の協同ファウンダーJessica Valenzuelaによると、チェーンではない単独店のコーヒーショップにとって、GoGoGuestは格好の宣伝媒体だ。アプリで店を見つけてもらえるから、“大型チェーン店に十分対抗できる”、と彼女は言う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google for WorkをベースにCRMを築くと簡明でユーザーフレンドリー、急成長のProsperWorksが$24Mを調達

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Google for Workを利用するCRMサービスProsperWorksが今日、シリーズBで2400万ドルを調達したことを発表した。このラウンドはNext World Capital(NWC)がリードし、Storm Ventures, True Ventures, Industry Ventures, Devoteam, および戦略的エンジェルたちのコンソーシアムが参加した。NWCはもっぱら初期的収益段階のスタートアップにテコ入れをしていくVCで、とくにそのポートフォリオ企業のヨーロッパ進出を助けることが得意技だ。

ProsperWorksのCEO Jon Leeによると、新たな資金は同社の技術開発と、営業およびマーケティングチームの拡大に充てられる。Leeは曰く、“この部屋にSalesforceという体重800ポンドのゴリラがいることは、否定できない。Einsteinのような、AIを使う新顔もいる。いずれも手強いことは手強いが、われわれは、彼らが提供しているようなインサイトにどんな企業でも容易にアクセスできるようにしたい。彼らを正しく使うための構成のカスタム化や複雑な統合が資金力的に十分できる大企業だけでなく、どんな中小企業でもね”。

とくにProsperWorksが今後の導入を計画しているのは、独自の機械学習機能により、企業の営業チームに営業努力を前進させるための具体的な行動指針を提供していくことだ。しかしCRMソリューションの知能化はSalesforceも目下検討しているし、Microsoftは同社のDynamics 365に、より本格的に機械学習を導入していくことを計画している(後者はProsperWorksを取材したあとに発表された)。

ProsperWorksの資金調達は、これまでGoogleの生産性スイート(一連のオフィスオートメーションアプリケーション)使ってきた企業にとって、好機だ。というのも今まさにGoogleは、エンタープライズに、より本気で関心を持とうとしているし、いろんな計画がうまくいけば、そのプラットホームは今後も継続的に成長していくだろう。そしてそうなれば、そのエコシステムを構成する企業ユーザーにとっても良い見返りがあるだろう。Leeは、“Diane GreeneがGoogleのエンタープライズ事業のトップになって以来、Google Apps for Workのエコシステムはかつてなかったほど強力になった。今こそ、その未来的な生産性プラットホームの上で現代的なCRM体験を顧客にお届けしていくべき、絶好のタイミングだ”、と語る。

彼によると、ProsperWorksの好調ぶりを支えているのは、ユーザーフレンドリーなCRMと、生産性スイートとCRMの一体化一元化の両方を求めている顧客たちだ。彼は後者の例として、最近の、SalesforceによるQuipの買収を挙げた。

完全なGoogle依存にはリスクもあるし、Google自身が自分に深く統合化されたCRMソリューションを今後出すかもしれない。しかし、Leeは心配していないようだ。“Google Apps for Workに完全にコミットしているうちのようなパートナーがいるかぎり、Googleが自分でCRMを作るニーズはない”、と彼は述べる。“CRMは簡単に作れるものではない。Googleにはできない、とは言わないが、製品開発と営業とマーケティングにまたがる専門的な取り組みを要する。Googleの努力はもっぱら、生産性ツールの市場を支配することに集中していた”。

ProsperWorksによると、その年商は“7桁”(100万ドルのオーダー)で、前年同期比の伸び率は504%、ユーザー企業は63000社だ。投資家としてNext World Capitalを取り付けたことにより、当然今後は本格的なヨーロッパ進出をねらうことになる。Leeによると、これまでもヨーロッパのユーザー企業は少なくないが、今後はヨーロッパ市場専任のスタッフを置きたい、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CRMと地図を統合して「サラリーマン巡回」最適化―、UPWARDが2億円を調達

自社プロダクトの資料ダウンロードが起こった瞬間に、その資料を閲覧している企業担当者のすぐ近くにいる営業マンに「○○ビル5階に訪問してご説明すべき」とスマホの地図で示せたら良くないだろうか?

最近横浜から東京・日本橋へオフィスを移転するとともに社名も変更したUPWARDがやっているのは、まさにこのCRMと位置情報の統合だ。マーケティング・オートメーションツールやCRMといったツールには、今のところ地図・位置情報を扱うレイヤーが欠けている。

2002年創業で受託中心の開発会社だった「オークニー」は社名を「UPWARD」へ変更し、改めて自社プロダクトで勝負する。受託開発中心だった横浜時代に区切りを付け、Draper Nexus Venture Partners日本ベンチャーキャピタル(NVCC)から総額2億円の資金調達を行ったことを今日発表した。

UPWARDはCRMと地図・位置情報の連携で実現したフィールドセールス向けのクラウドサービス。ツールとしては、iOSアプリがあるほかモバイルブラウザで動くHTML5版がある(次期プロダクトではReact Nativeの採用を検討しているそうだ)。すでに大手メーカーやサービス業を中心に、約140社でUPWARDは導入されている。グリコ、ダスキン、アサンテなどが顧客企業の例だ。直近での導入事例としても大手機械メーカーに全国で約1600人いるフィールドセールスマンが利用する行動支援サービスとして採用された。この機械メーカーでは一人の営業マンの担当エリアが大きいためUPWARDの採用は効率化のメリットが大きいという。

UPWARDの金木竜介CEOは、「都内で動く人のナビゲーションが提供されてない。いまは住所で検索して地図を見てるだけ。それで訪問している」と現状の非効率を指摘する。UPWARDではエリアごとの集計営業計画の立案効率的な訪問ルートの計算といったことができる。移動時間も考慮して直帰の設定も可能だ。「顧客とのアポ設定やターゲットリストの絞り込みは時間がかかっていて、これをマネージャーがやってたりするのが現状です。ここをオートメーション化していく」(金木CEO)。UPWARDは、もともとオークニーの受託時代から主にオープンソースを使ったサーバーサイドの地図情報システムに取り組んでいて「ある区画の顧客情報だけを引っ張ってくる」というような処理が得意という。


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UPWARDは2011年から動作しているプロダクトで、2013年にはセールスフォースと資本提携して3000万円の投資を受けた。その後、シリーズAでみずほキャピタルから3000万円、2014年のシリーズBでサイバーエージェント・ベンチャーズSMBCから8000万円、2016年に入って4月と6月にDraper NexusとNVCCからそれぞれ1.5億円、5000万円の合計2億円を調達した形だ。ピーク時30人だったときよりも社員数は12人と減ったが「筋肉質となった」と金木CEO。受託開発から急速な成長を目指すスタートアップへの脱皮には、変化に伴う「成長痛」もあったようだが、CRMへの位置情報レイヤーの統合は興味深い領域。セールスフォースから出資を受けていることもあるし、日本市場にとどまらず、新社名どおりUPWARDが上向きにスケールできるか注目だ。

営業が抱えるコンタクト情報を自動的に最新に維持するElucify、まずSalesforceのプラグインとしてスタート

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Y Combinatorの2016冬季クラス出身のElucifyは、営業マン/ウーマンが慢性的に抱える厄介な問題の解決を目指している。その問題とは、顧客や見込み客のコンタクト情報を常に最新に保つことだ。

Elucifyが作り出したソリューションは、機械学習と人工知能(AI)を応用した、Salesforce.com CRMのプラグインだ。そのシステムは様々な公開データやプライベートデータにアクセスして、最新のコンタクト情報を見つける。…ElucifyのCEOで協同ファウンダーのGerald Fongはそう説明する。

営業の人は、Salesforceのレコード中に表示されるElucifyのボタンをクリックする。するとElucifyのツールが既存のコンタクト情報をアップデートし、新たに見つけたコンタクトをリストアップする。そのツールは通常、電話番号やメールアドレス、現在の意思決定者、会社情報のアップデートなど、忙しいセールスチームが必要とするあらゆる種類のデータを見ていく。Fongによると、レコードのアップデートに要する時間は通常、5秒から10秒ぐらいだ。

Elucify button in Salesforce CRM record window.

写真提供 Elucify.

 

Fongはこう語る: “われわれは、営業チームが毎日のように抱える面倒な問題に焦点を当てている。彼らは毎日、良質なコンタクトデータを探すのに長時間を費やしている。売り込みや訪問打診の電話をかけるよりも、いろんなWebサイトを訪ねてコンタクト情報を確認している時間の方が長い”。

しかも、コンタクト情報のアップデートを個々の営業が手作業でやってる企業が多い。しかしElucifyは、個々のレコードごとのアップデートを自動的に行う。

今では多くの営業チームが、SalesforceのようなCRMツールを使ってこの情報を調べている。だから、問題ないじゃないか、と思う方もおられるだろうが、しかしeConsultancyのデータによると、営業やマーケティングが利用しているコンタクト情報の30%はガラクタだ。

Elucfyは立ち上げからまだ数か月の企業だが、発想からY Combinatorまでがわずか1週間、すでにベータの顧客が3社いる。

同社の三名の協同ファウンダー、Fong, Mihir Deo, そしてNaveen Krishnamurthiは、Y Combinatorに参加したことによって、エンタープライズサービスを起業したさまざまな人たちに会うことができた、と言っている。またYCの社長Sam Altmanも、彼ら若きファウンダーのための良きアドバイザーになってくれた。

“われわれは最初から、エンタープライズソフトウェアの企業だと思っている。でもサービスを立ち上げて、実際にそれにお金を払ってもらうことは、容易ではない。自分たちが犯している間違いや、抱えている問題について、Y Combinatorのネットワーク上の人たちに相談できて大いに助かっている”、とFongは語る。実際にこれまで、このネットワーク上の人たちからのアドバイスで気付かされたり、解決した問題は少なくない。

同社の至近の目標は、なにしろ成功に向かう足場を築くことだ。CRMは巨大な市場であり、Salesforceがその60%を握っている。…Fongはそう指摘する。

“まず、Salesforceのユーザーたちに食い込みたい”、と彼は言う。それは同社にとって、とても分厚い顧客層だ。そして徐々に軌道に乗ってきたら、ほかのCRMツールにも同社のコンタクト情報機能を提供していきたい、それが、同社の長期的な構想だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

予約台帳サービスのトレタがセールスフォースと資本業務提携、CRM機能を強化

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11月に累計登録店舗数4000店舗、登録社数2000社を超えたと発表している飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ」。サービスを提供するトレタは12月3日、米セールスフォース・ドットコムと資本業務提携を実施したことを明らかにした。

資本提携ではセールスフォース・ドットコムの投資部門であるセールスフォース ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資を実施しているが、調達額やバリュエーション等は非公開。ただしトレタが公表している2015年7月時点での資本金が1億7995万円、今回の増資後の資本金は2億3991万円であることから、資本準備金に組み入れる金額を考慮しても最大でも1億数千万円程度の調達である可能性が高そうだ。

トレタは今回の資本により、営業体制や開発力の強化を図る。また具体的なスケジュールに関しては現時点では公開していないものの、セールスフォース・ドットコムが提供するクラウドCRMサービス「Salesforce Sales Cloud」とトレタの連携を進めて行くという。これにより、トレタに蓄積された顧客属性や予約行動などのデータを活用した顧客サービスを提供していく。

トレタと言えば、ITリテラシーの低い飲食店ユーザーでも利用できるシンプルさをウリにしてきた印象が強かったので、正直なところどこまでユーザーからCRMに対するニーズが高いのかはかりかねるところがあった。だが同社代表取締役の中村仁氏いわく、この1年でそのニーズは急激に高まっているのだという。

「たとえ今まで新規集客に重きを置いていた店舗でも、トレタを使ってどんどん顧客情報が貯まっていくのを見たら、それは『宝の山』だと直感的に理解してくれる。顧客情報をもっと活用したいという声は、日に日に高まっている。 ただ、CRMといっても単に『DMを送りたい』というレベルの要望にとどまっているのも事実。今回の提携を機に、より簡単で高度なCRMソリューション(による常連作り)を提案していきたい」(中村氏)

スプレッドシート+データベースを簡易化したAirtableがAPIと埋め込み機能をローンチ

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2か月前に個人や企業がデータを組織化する(まとめる, organizeする)ためのユニークなツールをローンチしたAirtableが、その、スプレッドシートとデータベースのハイブリッドのようなものを便利にシェアできるための、新しい二つの機能を発表した。

このアプリの中で作った関係データベースのリード/ライトアクセスをシェアできるだけでなく、今日からはこのアプリの強力なAPIを使ってデータから画像を起こし、その情報をアプリケーションやWebサイトにシームレスに埋め込める。また、お絵かきの才能のない人は、データそのものをYouTubeビデオなどと同じように埋め込んで共有できる。

Airtableのアプリは、人びとがよくExcelに詰め込む、計算を伴わないデータを、便利に扱えるようにしてくれる。たとえばイベントに参加する人のリストを作るとか、プロジェクトの必要資材の入手先のリンク集とか、地域のお気に入りレストランの分類表(中華は〜、定食屋は〜、〜)、などなど。

Airtableは任意のテキストや数値を行や列に簡単に記入できるだけでなく、楽屋裏で関係データベースを使ってそれらのデータを管理するので、それらのデータ間の論理的な関係を企業目的などのために、より有効に利用することもできる。

たとえば営業チームがこのアプリを共用すると、古臭いCRMの古臭いデザインに縛られることなく、もっと簡単に個々の見込み客の進捗を記録管理できる。またプロダクションやスタジオなどでは、一つのページの上で全員のスケジュール管理ができ、また、制作スタッフとキャストと小道具と各シーンなどの複数のリストを論理的に正しく結び付けられる。

先日本誌TechCrunchのオフィスにやってきたAirtableの協同ファウンダHowie Liuは、このアプリを個人的に使っているところを見せてくれた。その使い方は映画のプロダクションなどに似ていて、たとえばキャンプ旅行の企画では、参加する人びと、それぞれがどの車に乗るか、必要な物をだれだれが持ってくるか、などのデータを記録し管理している。

Liuはそのキャンプ旅行の例で、今回の新しいデータ埋め込み機能をデモした。用品などのリストはその特定の旅行のために作るのだが、でも今後のそのほかのアウトドア的状況でも利用できる。だからそのリストは、ブログ上で友だちへのリコメンデーションとして使えるだろう。そのためにはAirtableを開き、埋め込み用のインタフェイスを出し、必要なデータを切り取り、それを埋め込むためのコードは30秒弱でできあがる。

Airtableは、まず個人で使ってみて会社でも使うようになる、とか、あるいはその逆を期待している。同社はプロモーションのために、ユーザたちのおもしろいユースケースを募集している。とても便利そうなのが見つかったら、そのテンプレートを一般ユーザに提供するつもりだ。

Liuは、テンプレートが増えれば将来的にはアプリストアのような形でそれらを提供できる、と考えている。その場合は、とくにAirtableが介入しなくても、パワーユーザたちの活用例がほかのサービスにも統合されていくだろう。

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相手がメールを読んだら通知をくれるImmediatelyは、営業のための便利機能山盛りのメールアプリ

今年の初めにメッセージを整理する機能のあるiOS上のメールアプリとしてデビューしたSquareOneが、このほど、名前をImmediatelyに変えて再デビューした。今度のアプリはiPhoneとWebの両方で使え、リマインダーやテンプレート、スケジューリング、Salesforceへのシンク、メールが開封されたことのチェックなど、営業の人たちのための便利機能を山盛りにしている。開封チェックは、顧客や見込み客がこのアプリのユーザからのメールメッセージを開いたことがリアルタイムで分かる。

モバイルでは、このアプリの最初の設定で、メールが開かれたらプッシュ通知が来るように指定しておく。そしてメールを送るとき、開封通知が必要なメールにはそのことを指定する。開封通知が来たら、ボタンを押してメールの[作成]へすぐに行ける。

メールの開封をチェックするアプリは、同じくiOS上のMailTrackerなど過去にもいくつかある。ただしMailTrackerは、AppleのMail Appで送ったメールのオープンやエンゲージメントの時間を調べる補助的アプリで、スタンドアロンのメールクライアントではない。

また、ImmediatelyがAcompliなどに比べて優れているのは、たとえば自分のスケジュールをチェックすることが、わざわざカレンダーアプリなどへ行かなくてもできることだ。

メール作成画面の下にはいろいろボタンがあって(下図)、シグネチャを変える、テンプレートから返信を作る、リマインダーを作る、などのことができる。

 

コンタクトの詳細情報もひと目で分かるし、、また相手の情報をLinkedInから取り出すのも簡単だ。この機能は営業以外の人たちにも便利だろう。

このアプリは今日のローンチに漕ぎ着けるまで、Plethora.ioやTalentBin、Visuallyなど、いくつかの企業でテストを行った。そしてApp StoreとWebでローンチしたImmediatelyの長期的な計画は、データを活かして営業にインテリジェントなサジェスチョン(提案)ができることだ。「そんな売り込みではだめですよ」とか、「今メールを送るのは良いタイミングではありません」などなど。それによって、営業の効率をアップするのだ。

メールクライアントは、同じメールを何度も送るアプリでも便利な場合がある(相手の反応が分かる)。プッシュ通知で着信メッセージのプレビューができるメールクライアントや、タイトルやメールの一部だけを見せるGmail的なインタフェイス、あるいは着信メールを相手のタイプ別に分類してくれる機能も便利だ。Immediatelyも今後ますます機能を充実して、営業マン/ウーマンのかゆいところに手が届くメールアプリになってほしい。

Immediatelyは個人利用では無料、企業の利用は有料だ。

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クラウド名刺管理はいよいよ世界へ–Sansanが14.6億円を調達して米国進出へ

メルカリKAIZEN Platformfreeeと大規模な資金調達が発表されているが、この流れはまだ続くようだ。法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan(旧:LinkKnowledge)」や個人向けの無料名刺管理サービス「Eight」を展開するSansanが、DCM、日本経済新聞デジタルメディア、産業革新機構、環境エネルギー投資、GMO VenturePartnersなどを引受先とする総額14.6億円の第三者割当増資を実施した。

Sansanでは、今回の調達を受けて海外戦略を強化する。Sansanは2013年に米国に子会社を設立。すでにノンプロモーションで試験的にサービスを展開してきているそうだが、これを5月より本格化する。

米国提供するサービスはSansan(旧:LinkKnowledge)をベースにしたものになる予定。ただし、LinkKnowledge自体は2007年にスタートしているサービスであり、販売方法も仕組みも決して今の時代に適したものとは言えない。そのため、米国ではサービス内容も国内で提供しているものとは少し異なるものにしており、課金についてもフリーミアムモデルを採用するそうだ。このサービスは、今秋をめどに国内でも提供する予定だという。

一方で、Eightについては現時点で米国展開をする予定はない。「名刺管理」と「名刺をもとにしたメッセージの送受信」という点ではLinkedInというプレーヤーもいるので、あえてレッドオーシャンに進まないということだろうか。すでに50万人が利用しているというEightだが、スキャン代行サービスを手がけるスキャンマンと組んだり、コワーキングスペースと組んだキャンペーンなどを展開したりするなど、当面は国内での認知度向上施策を続けるようだ。


CRMからのデータマイニングで営業の効率を高めるImplisitが$3.3Mを調達

営業の人たちがCRMのデータをマイニングして商機の芽を取り出し、同時に商談関連データの手入力も省けるという自己学習システムImplisitが、Gemini Israel Venturesから330万ドルを調達した。

協同ファウンダのGilad Raichshtainによるとこのサービスは、メールやカレンダーにCRM中のコンタクト情報を結びつける。そして見込み客に対する商談に、付加的なステップ…より良いアプローチ、そのほかの情報など…を持ち込む。長く使っているとサービス自身が(自己学習機能により)ビジネスの過程に適応して、その日の商談に合わせた情報を提供できるようになる。

新たなユーザがImplisitの利用を開始すると、サービスは営業履歴のデータ(メールなどの通信の履歴とCRMデータの履歴)を分析し、そのユーザの営業のパターンを把握する。そしてそこから、サービスのエンジンが、そのユーザの商談過程に合ったオーダーメードのインサイト(insights, 知見-情報識別能力)を作り出す。

Implisitはデータを分析する際に、テキストクラスタリング、機械学習、自然言語処理(平文の解析)、データ分類アルゴリズムなど、複数の方法を利用して、商談成功のための鍵を見つけ出す。

Raichshtainが説明してくれた例として、大手のオンライン広告企業がある。同社のCRMデータの扱いはとても後れており、また50名の営業スタッフには商談データを入力する能力と余裕がなく、営業のマネージャたちはいちいち口頭で商談の進捗などを現場営業マンに尋ねていた。しかしImplisitを使い始めて数時間後には、CRMに記録される営業活動件数が従来の4倍に増えた。Implisitは、それまでデータのなかったビジネスコンタクトや商談をCRMに登録した。営業チームは、商談の最新の現状をCRM中に見ることができるようになった。しかも、データ手入力の手間は50%減り、営業マン一人当たりの商談並行抱え数が約20%増えた。

Implisitを創ったRaichshtainとElad Donskyは、イスラエルのテク界隈でもっとも優秀な技術者として知られている。二人とも15歳で大学に入学し、16歳のRaichstainはIntelにスカウトされた。Intelの歴史上、最若のエンジニア、と言われている。二人は、イスラエルの首相官邸で数年間働いた。

今、さまざまな営業分析プラットホームが市場に存在する。その中で一派をなすのが、Hadoopのエコシステムの連中だ。この分散コンピューティング技術を利用してHortonworksなどの企業が顧客管理、メールやソーシャルメディアやブログ記事の分析、CTRなどの情報の生成配布、と言ったサービスを提供している。より直接的な競合相手であるInside Salesは、予測分析技術により営業のプロたちを支援している。そのアルゴリズムによって営業マンは、次にコンタクトすべき見込み客、いつコンタクトするか、どんなメッセージを伝えるべきか、などを前もって知ることができる。

対してImplisitのメインの技(わざ)は、CRMの対話データを人間の手入力なしで
自動的にアップデートすることにある。営業はそのデータを利用して商談の効率を高めたり、今後の見通しを把握したりしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


LinkedInの時価総額がSalesforceを抜く―新たなエンタープライズ向けSaaSプロバイダのリーダーに

最近2週間続けてLinkedInの時価総額がSalesforce.comを上回っている。先週金曜のLinkedinの引け値は325億6000万ドルだったのに対してSalesforceは295億900万ドルだった。

SalesforceはSaaSの代表として長らくウォール・ストリートのお気に入りだった。SaaS企業として初めて年間売上10億ドルを達成したのもSalesforceだった。LinkedInの勃興で株式市場はエンタープライズ向けSaaS企業のリーダーとしてのLinkedInに注目する必要がでてきた。

Linkedinは基本的にビジネス・プロフェッショナルのソーシャル・ネットワークだ。しかし同社はCRM市場を始めとするSaaS分野で急速に売上を拡大している。LinkedInはネットワーク効果を最大限に利用することでSaaSプラットフォームとして他社との差別化に成功している。

これに対してSalesforceは本質的にLinkedInのようなネットワークではない。Salesforceは当初CRMpurattofo-muとして創立されたが、最近ではプラットフォームとしての役割に重点を移している。つまりその上で作動するアプリと、ExactTargetなどそうしたアプリのプロバイダーの買収に頼る成長戦略だ。Salesforceはサブスクリション収入をベースにするクラウド・サービスが成立することを初めて示した。この成功に刺激されて無数のSaaSプロバイダーが後に続いた。

これに対してLinkedInはビジネス的グラフのビッグ・データの分析、そのアルゴリズム開発に重点を置いて巨大なプラットフォームを形成しつつある。この夏FaberNovelが行った研究によれば、ビジネス取引の膨大なデータを蓄積、そこからデータマイニングによって隠れた関係を発見し、新しいサービスの市場を開拓してSaas方式でそれを顧客に販売するというのがLinkedInの成功の秘密だ。LinkedInはソーシャルネットワークと伝統的なSaaSテクノロジーを巧みに融合させて新たなビジネス・プラットフォームを作り出した。

Faber-Novelの調査によれば、LinkedInの売上の50%近くは各種の人材発見ソリューションによるものだという。LinkedInでは毎日平均3回もコードをアップデートするという極めて速い開発サイクルを採用している。クライアントに常に最新、最高のサービスを提供する姿勢も好調の原因だという。

また同社はセールス・マネージャーにソーシャルネットワークの効果的利用能力を与えるSales Navigatorツールでセールス・マネジメント分野にも参入している。これはLinkedInがSalesforceに直接競争を挑む姿勢しとして興味ふかい。

LinkedInhの投資家のBessemer Venture PartnersはSaaSプロバイダ各社の時価総額を2012年1月からモニタしてcloud indexとして発表している。それによるとLinkedInの時価総額はこの間に5倍になったが、Salesforce.comは2倍にとどまった。

ただし、現在のところ、SalesforceとLinkedInの関係は友好的だ。先週のTechCrunch DisruptカンファレンスのパネルディスカッションでLinkedInのCEO Jeff Weinerはわれわれの共同編集長Eric Eldonに対して「SalesforceはLinkedInの密接なパートナーであり、将来もその関係は変わらないだろう」と述べた。

エンタープライズ向けCRM分野に大きく参入しつつあるものの、LinkedInの本質は依然として人材ネットワークである。しかし同時に時価総額の点からはLinkedInがSaaSプロバイダーの新たなリーダーとなったことに注目する必要があるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+