米FCC、インターネット・スピードマップを公開、地域別通信速度が一目でわかる

FCCの大きな責務の一つは、国全体にブロードバンドを普及させることであり、その一環として定期レポートを発行している。しかし、問題点を一覧できるビジュアル表現はなかった。FCCのデータを元に新しく作られた公式ブロードバンドマップを見れば、ギガビットファイバーから10年前でも非力だったDSLまで、どんな選択肢があるかを地域別に知ることができる。

このマップを作ったのはMapboxで(同社のブログにもこの件について書かれた記事がある)、全米のブロードバンド業者からFCCに提出された477件のデータに基づいている。つまり、ここに表れているのはやや楽観的な見方であり、実際のアクセス速度は必ずしもマップ通りではない。

掲載されているISP(インターネット提供業者)のサービス対象は、ブロック内の1つか2つのビルディングかもしれないし、ブロック全体かもしれない —— そこまで細かいデータは入手できていない。

書かれていない情報でもっと重要なのが価格だ。FCCやその支持者らも指摘しているが、ギガビットインターネットの「サービス対象地域」であっても、月額250ドルだったらほとんどの家庭は利用できないの。どんなサービスがあって、料金がいくらなのかは自分で調べなくてはならない。

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ニューヨーク州司法長官、FCCのネット中立性決議に複数州での反対訴訟を表明

ニューヨーク州司法長官でFCCのネット中立化法廃止に先陣を切って反対しているエリック・シュナイダーマンは、物議をかもしている同委員会の決議に対し、最初の法的対抗策のひとつを前進させた。

シュナイダーマンはFCCの投票前のパブリックコメント手続きに対する自身の捜査結果を踏まえ、「FCCによるネット中立化の違法な撤回を阻止」するべく、検察当局として訴訟を起こす意思を表明した。TechCrunchの質問に対しシュナイダーマンは、本訴訟を「数日のうちに」複数の州に広げるつもりだと答えた。

「われわれはニューヨークならびに全米市民の保護を維持するために異議を申し立てる。そしてインターネットやわれわれの経済に損害を与えようとするFCCの動きを積極的に阻止するために行動を起こす」とシュナイダーマンはプレスリリースで語った。

「今日決議された新しい規則は、ISPに多く支払ったユーザーだけが、FacebookやTwitterなどをアクセスし高品質のビデオストリーミングを利用できるようにすることを可能にする。さらに悪いことに、今日の投票によってISPは特定の地域を優遇することも可能になる」

ニューヨーク以外にどの州が訴訟に加わるかはまだわからないが、パブリックコメントの手続き中に発覚した偽コメントを理由に投票の延期を求めた書簡に署名した州は同調することが予想される。その書簡には18人の検事総長が、バージニア、デラウェア、ハワイ、カリフォルニア、ケンタッキー、マサチューセッツ、アイオワ、メリーランド、メイン、ミシシッピー、オレゴン、ペンシルバニア、ノースカロライナ、ロードアイランド、ワシントン、バーモント、およびワシントンDCから参加した。

シュナイダーマンはTechCrunhに、近く他州の検事総長からも本訴訟に加わる意思を示す声明が発表されるだろうと語った。本誌は動きがわかり次第続報する予定。

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携帯電話/スマートフォンを体に近づけてはいけない、とカリフォルニア州公衆衛生局が警告

カリフォルニア州公衆衛生局(California Department of Public Health, CDPH)が今週、携帯電話からの電磁波放射の危険性に関する警報を発令した。そう、今や私たち全員が中毒になっていて、手放すことができないと思われているあれから、電磁波が漏れているので、カリフォルニア州は安全のためのガイダンスを発表したのだ。

CDPHは、これらのデバイスの使用を減らすことと、できるかぎり遠くに置くことを求めている。

局長のDr. Karen Smithによると、“今後科学的知見が変わる可能性もあるが、現時点では公衆衛生の専門家と州民の一部に、携帯電話から放出されるエネルギーを過度に浴びることへの懸念がある”。

この警報は、今週サクラメント高等裁判所の命令で公開された同局の2009年の文書に書かれている所見に基づいている。

1年前に、携帯電話の使用とがんの罹患率の増加との相関を研究していたカリフォルニア大学バークリー校のJoel Moskowitz教授が、その所見の公開を求めて訴訟を起こした

その文書の草稿は3月に公開されたが、最終文書はもっと長い。

草稿が公開されたときMoskowitzは、地元のテレビKCRAでこう語った: “携帯電話のメーカーはユーザーの体が一定の距離以上離れていることを求めている。ユーザーは、その最小距離を知らなければならない。デバイスが体のそばにあると、FCCが定めている安全基準を超えることになるだろう”。

そのFCC(Federal Communication Commission, 連邦通信委員会)のWebサイトによると、公定の安全基準はまだない。しかしそれでも同委員会は、携帯電話のメーカーの全製品が“客観的な安全基準”を確実に守っていることを、求めている。

CDPHは、携帯電話をポケットに入れないことと、耳に長時間押し付けないこと、バーが二つ以下なら使い過ぎないこと、寝ているそばに置かないこと、車やバスや列車などで高速移動しているときは、携帯電話が接続を維持しようとして高周波エネルギーを多く放射するので気をつけること、などを勧めている。

そのほかの団体も、携帯電話の電磁波放射を浴びることの危険性を警告している。たとえばコネチカット州公衆衛生局は、2015年の5月に同様の推奨を発行している。

しかしながら、Moskowitzによると、ほとんどの州と国の保健機関が、この研究に対応していない。“この研究は特殊な少数意見ではないので、携帯電話の電磁波放射は健康にとって大きなリスクだと言える”、…彼は声明文でこう述べている。

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通信会社とテクノロジー企業たちによる、FCCによるネット中立性破棄の投票結果に対する反応

FCCは、2015年のOpen Internet Orderで確立されていた、ネット中立性ルールの撤廃を議決した。予想されていたことだが、ただちに多くの著名なインターネット企業たちが、委員会の決定を非難する声を挙げている。しかしながら、著名な通信会社たちからは、本日のFCCの決定に対して、非難の声に負けない、力強く熱い支持の声が挙げられている。

以下に挙げるものは、現時点までのそうした声を拾い上げたものである。私たちは、さらに多くの発言を待っており、順次更新して行く予定だ。

1/14 :Comcast

Comcastは、TechCrunchに以下のステートメントを送って来ている「私たちは、インターネットの自由の復活へ対する、FCCのPai議長のリーダシップ、ならびにFCCコミッショナーの O’RiellyとCarrによる尽力を称賛致します。このことでTitle IIによって課されていた負担が取り除かれ、この先何十年にも渡るインターネットの繁栄を可能とする規制環境が取り戻されました。そしてさらなる投資とデジタルイノベーションへの扉が開かれたのです。本日の決定は『私たちの知っているインターネットの終わり』を意味するものではありません。むしろ、消費者の皆さまの利益となる緩やかな規制の時代の到来を告げるものなのです」。

2/14 :Netflix

Netflixは以下のようなツイートを行っている。「私たちは、まだ見ぬイノベーションや創造性、そして市民参加の水先案内役である#NetNeutrality(ネットの中立性)が骨抜きにされる決定に失望しています。これは、長い法的闘いの始まりです。Netflix は大小を問わず、このFCCの見当違いの命令に反対するイノベーターたちとともに立ち上がります」。

3/14 :AT&T

AT&Tは以下のような声明をリリース した「10年以上に渡り、共和党と民主党の政権下で、AT&Tはブロードバンドサービスをオープンで透明性のあるやりかたで提供し続けてきました。私たちはウェブサイトをブロックすることも、コンテンツの検閲もおこないません。そしてコンテンツに基づいてトラフィックを加速あるいは減速することもありませんし、インターネットトラフィックに対するアンフェアな差別も行いません」。

4/14 :Twitter

Twitterの公式ポリシーアカウントは以下のようなツイートを行っている「@FCCが行った、 ルールを破壊する投票は、イノベーションと表現の自由に対するボディーブローです。私たちはオープンなインター ネットを守り、この誤った決定を覆すために闘い続けます」。

5/14 :Google

Googleは記者たちに声明文を送った。その内容は以下のようなものだ「私たちは、圧倒的な支持を集めている、ネットの中立性に対するコミットの姿勢を崩すことはありません。それは裁判所によっても承認されてきたもので、インターネット経済のあらゆる場所でうまく働いているのです。私たちは規模を問わず他のネットの中立性支持者たちと、法的強制力の保護を推進するために、協力して行きます」。

6/14 :Reddit

RedditのCEOのSteve Huffmanは、以下のような意見を投稿している「とはいえ、本日の投票は始まりに過ぎないのです、終わりではありません。ネットの中立性を維持するための闘いは、私たちが望むよりも長引きそうですが、敗北からは程遠いものです。多くの人たちが、次は何だと問いかけています。私たちはそれが何かは、まだはっきりとは分かりません。しかしFCCの決定は程なく法廷での争いへと移されることでしょう。そして私たちはその争いを支援します。議会が私たちの主張を取り上げ、FCCの政治的雰囲気に左右されない、強力で強制力のあるネット中立性ルールを制定することも可能なのです。ともあれ、これは時間がかかる複雑なプロセスとなるでしょう」。

7/14 :Amazon

Amazonはその公式ポリシーアカウントから、以下のようにツイートしている「今日の投票に先立ち、私たちは@FCCに対し、#NetNeutrality規則の継続を強く訴えました。私達のお客様が、オープンなインターネットを楽しむことができることを保証することが、Amazonの最重要課題です」。

8/14 :Microsoft

Microsoftの最高法務責任者は以下のようにツイートしている「オープンなインターネットは、消費者、ビジネス、経済の全体に便益をもたらします。本日のFCCによる保護の撤廃は、それを危険に晒すことになります」。

9/14 :Sprint

Sprintは以下のような声明を発表した「Sprintは、この重要な手続きの中で、複数のステークホルダーの利害のバランスを取りながら、複雑で困難な課題を単純化したFCCの尽力を称賛します。私たちの立場は、これまでもそしてこれからも、自由競争がオープンなインターネットを促進する最善の方法だということです。これまでの複雑で曖昧な規則は、ネット中立性のコンプライアンスに対して不確実性を生み出していました。本日の委員会の決定は、それらの不確実性を排除し、Sprintに自分たちのネットワークを管理し、競争力のある製品を提供できるようにするものと思えます」。

10/14 :Facebook

FacebookのCOOは以下のような投稿を行った「本日の米連邦通信委員会(FCC)による、ネット中立性終了の決定は、残念なことであると同時に有害なものでもあります。オープンなインターネットは、新しいアイデアと経済的なチャンスのためには不可欠なものです。そしてインターネットプロバイダーが、人びとがオンラインで見ることができるものを決めたり、特定のウェブサイトに対しより高額なチャージを行えたりできるようにすべきではありません。私たちは、インターネットを誰に対しても自由でオープンな場所にするために、議員たちやその他の人びとと協力する準備を整えています。

11/14 :Mozilla

同社は次のようなツイートを行っている「@FCCは、@AjitPaiFCCが提言した、を殺す規則を可決しました。私たちは怒っています。しかし、闘いはまだ終わっていません、まだ議会が対応することができるからです。議会に対して@AjitPaiFCCの意図を阻止するように働きかけることが可能なのです:https://mzl.la/2o94x8S」。

12/14 :Airbnb

AirbnbのCEOは以下のようにツイートした「ネットの中立性を排除するというFCCの投票結果は、間違いであると同時に残念なことです。自由でオープンなインターネットは、イノベーションや、開かれた社会、そして経済的エンパワーメントへの様々な手段を得るために不可欠なものです。@Airbnb引き続きネットの中立性を主張していきます」。

13/14 :Etsy

「多数のマイクロビジネスが、オンラインでスタートし成長することを可能にしてきた、ネットの中立性を守るために、これまで一所懸命に闘ってきた人たちにとって、今日は悲しい日となりました。FCC会長のPaiは、彼の欲するように投票を制しましたが、自由でオープンなインターネットのための戦いが終わったわけではありません。Etsyと私たちの売り手は、引き続き議会や裁判所で、明確でシンプル、そして明るいネットの中立性の保護を主張していきます。最終的には、莫大な数のマイクロビジネスたちのニーズと関心が、少数の巨大なケーブル会社のそれを打ち破ることができると信じています」と、同社は声明の中で述べている。

14/14 :Stripe

Stripeの顧問弁護士であるJon Ziegerは以下のようにツイートしている「消費者や、市民社会、そして私たちの経済の最もダイナミックな部分に悪影響を与えるようなポリシーの、理論的根拠を理解することは困難です。私たちはこの決定を悔やむことになるでしょう」。

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(翻訳:sako)

FCC現委員長のネット中立性悪者説はすべて正しくない、と同僚の委員が指摘

2015年に、当時FCCの委員だったAjit Pai〔現委員長〕は、新たに制定されようとしていたネット中立性規則(net neutrality rules, NNR)に彼が反対票を投じる理由を詳細に述べた、長編のペーパーを委員会に提出した。彼はその中で、それらの規則がもたらす害について、たくさんの予言をした。そして今日(米国時間11/30)、同委員会のClyburn委員が、それらの予言のほとんどすべてが当たっていないことを指摘した

FCCのWebサイトにポストされた短いが要を得たドキュメントでClyburnは、現委員長の黙示録的予言の数々を取り上げている。曰く、この新しい規則で料金の規制ができるようになるだろう。曰く、FCCがISPにサービスの内容や方式を指示するようになるだろう。曰く、そしてもちろん最終的には裁判所が〔NNRを〕無効と裁定するだろう。…などなど。

言うまでもなく、そのどれも起きていない。いくつか、例を挙げよう:

Pai委員長: 法廷はこの不法な越権行為を支持しないだろう。
: 連邦控訴審は2015年の命令(NNR)を二度支持し、Paiが異議申し立ての根拠としている法的解釈のすべてを却下した(彼は同じ解釈をDestroying Internet Freedom Orderの草案で再び持ち出している)。

Pai委員長: ISPがGoogle Fiberのようなことをして市場に徐々に参入しようとすると、FCCはnoと言うだろう。
: FCCがブロードバンドの市場参入に対し規制を課したことはない。

Pai委員長: NNRに盛られているFCCの権限行使や規制の差し控えは一時的である。
: FCCがNNRで認められている権限不行使を撤回したことはまったくない。

Pai委員長: ブロードバンドの新しいユニバーサルサービスの料金が導入されるだろう。
: 新しいブロードバンドユニバーサルサービスの料金は導入されていない。

Pai委員長: ネットワークのアーキテクチャと設計に関する決定権はもはやエンジニアではなく官僚や法律家が手にするだろう。
: ネットワークのアーキテクチャと設計に関する決定権は確固として
エンジニアたちの手にあり続けている。FCCの行為がインターネットのネットワーク設計を指令したことは一度もない。

皮肉にも、この最後の予言は、彼の予想とは違う、別の形で事実になった。Pai自身の「インターネットの自由を回復する」の指令は、記録が残っているだけでも数百人ものエンジニアたちが、それ〔Paiの指令書〕を書いた官僚や法律家たちはネットワークのアーキテクチャと設計を根本的に誤解している、と説明している。

Clyburn委員による Paiの誤謬指摘の全文は、ここで読むことができる。本誌のインタビュー記事はここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ネット中立性の擁護者たちが12月7日に全国のVerizonショップで抗議集会を開く

12月14日にFCCが、自由でオープンなインターネットを護(まも)るオバマ大統領時代の政策を撤廃するか否かの票決を行う。票決は昨日(米国時間11/21)発表されたが、そのときFCCは、 2200万という歴史的な数に達したコメントへの言及を避けた。コメントの大多数は、撤廃に反対していた。

そのことに対する抗議集会が、12月7日に全国のVerizonのショップ(の店頭)で行われる。抗議集会を組織したのは、Demand Progress, Fight For The Future, そしてFreePress Action Fundだ。

主催者団体のページに、主旨が述べられている:

FCC委員長Ajit Paiは明らかにまだVerizonの社員であり、公人ではない。しかしそんな彼でも、議会の質問には答えなければならない。そこでわれわれは議員たちに働きかけて、FCCの監視という彼らの仕事を為し、その一環として、第二条ネットの中立性の保護を骨抜きにしてVerizonなどの大手ISPたちに彼らが望むクリスマスギフトを与えようとする、Ajit Paiのプランに議会として反対するよう、呼びかけるものである。

ネット中立性について短時間で知りたい人は、下のJohn Oliverの説明を聞くか、以前の本誌記事を読んでいただきたい。

簡単に言うとネット中立性とは、ISPがインターネットに‘高速レーン’を設けて、彼らが好む、または彼らに大金を払うコンテンツやWebサイトを優遇することから、消費者とインターネットを護(まも)ることである。

ではなぜ、抗議集会をVerizonのショップでやるのか?

FCCの委員長Ajit Paiはそれまで、Verizonの社員で顧問弁護士だった。またVerizonはネット中立性の強硬な反対者で、撤廃のためのロビー活動を行い、第二条を捨て去るための訴訟に数百万ドルを支出している。

編集者注記: VerizonはOathの親会社であり、OathはTechCrunchの親会社である。

〔関連記事:
ニューヨーク州司法長官がFCCのネット中立性に関する公聴コメント無視を批判(未訳)
FCCが「インターネットの自由の回復」の最終案を発表…それは全然自由じゃない(未訳)、高速レーンの設置など顧客の差別は私企業としてのISPの自由である、とするAjit Paiらの説。

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Apple、オープンなインターネットを支持する意見書をFCCに提出

秋のiPhoneイベントの日程が決まった直後、Appleはネット中立化のために一肌脱ごうとしている。FCC宛ての書簡の中で、Appleの公共政策担当副社長、Cynthia Hoganはオープンなインターネットを擁護し、通信プロバイダーが一部のトラフィックを優先し、他社のスピードを絞るような行動を可能にする法制に警告を発した。

「ブロードバンド提供業者は、合法的なウェブサイトやサービスに対して、ブロック、バンド幅制限、そのほかの差別的行為をすべきではない。わかりきったことだが、これはFCCがこの10年以上続けているネット中立化アプローチの基本理念だ。オンライン製品やサービスの提供者は、使用するブロードバンド提供者から妨害されることなく、安全確実に自社の顧客とつながる保証が必要だ」とレターには書かれている。

Appleが反対表明しているのは、インターネットの高速レーン、別名「有償優先化」。ブロードバンド会社がコンテンツ提供者に対して高速アクセスを販売することを許すしくみだ。

「有料高速レーンは、コンテンツに中立なインターネット通信を、コンテンツ業者の支払い能力や支払いの意志に応じて扱いを変えるしくみに変えようとしている。そうなればインターネットの競争は歪んだものになり、コンテンツ提供者は、通信業者と協定を結ぶか、さもなくば低速レーンに甘んじてサービスの質の低下によって顧客を失うかの選択を迫られる」。

Appleが恐れているのは、ブロードバンド業者か「勝者と敗者」を作ることであり、これは大企業は支払いが可能だが、新興企業は不利をこうむるシナリオだという。

「Appleは、新たな法的規制を受け入れる意向をもっているが、それはその規制が、強力かつ施行可能で法的に維持可能な保護政策を伴う場合に限られる。要するにインターネットは、消費者にとって非常に重要であるとともに、イノベーションにも不可欠であり、保護されず不確かな状態にしておくことは許されない」。

ストリーミング・エンターテイメントの主要プラットフォームの1つであるAppleにとって、ネット中立性を勝ち取ることによって明確な利益を享受する ―― そしてその利益は、同社がオリジナルコンテンツの開発に積極的な投資をすることによってのみ成長が見込める。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ネット中立性規則の廃止に反対するオンライン抗議集会にネットの自由をもとめる数百万の声が集結

昨日(米国時間7/12)は、かねてから騒がれていたネット上の抗議集会“Net Neutrality Day of Action”(ネット中立性に対するアクションの日)で、何千ものWebサイトと人とサービスが、FCCによるネット中立性ルールの廃止案に対する、人びとの関心を喚起した。そしてその結果は、相当感動的だった。

抗議のためのWebの利用は、画面にポップアップを出すとか、サイトを一時的に乗っ取っておかしなメッセージを表示するなど、ネット中立性をめぐるディベートへの参加勧誘が中心になる。

Tumblr, Twitter, Netflix, Yelp, Kickstarter, Mozilla, Vimeo, Spotify, Airbnb, Amazon, Reddit, Etsy, YouTube, Twitchなどなど、多くのサイトがこの抗議集会用のページを特製した。本誌はその中の14の快(怪)作を、ギャラリーに集めてみた(下図はKickstarterのだ)。

これだけの露出量があり、しかもフィードバックが容易だから、反応も巨大だった。画面のボタンを押せば地元出身の議員にメッセージが行ったり、FCCにコメントを送る特設サイトもあった。

オンライン抗議集会の成果:

  • 200万のコメントがFCCへ行く(非力なサーバーなので数日に分けて送られる。彼らの側の便宜的なシステムダウンは今回なかった)。
  • 500万のメールが議会へ(一定の時間間隔で)。
  • 12万4000の電話が議員たちへ。
  • 20の議員事務所を実際に訪問。そのほかのノンネットアクション(リアルアクション)もあった。
  • 数十名の有名セレブや政治家たちが発言。

まだ勝利にはほど遠い。しかもFCCの代表者たちが言ったように、当委員会のやり方は民主主義ではなく、委員たちに一般大衆の要求に応じる義務はない。…どんなに圧倒的多数の要求であっても。

昨日は、今よりもさらに強力なネット中立性規則を求める声もあった。この規則が存在する理由と、それに対する反対意見をよく知りたい人は、本誌TechCrunchの記事を読んでみよう:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

800社あまりのスタートアップがFCC委員長にインターネットの中立性を殺すなと陳情

今日(米国時間4/26)FCCのAjit Pai委員長が、通信業界の大企業の利益のために消費者保護を放棄する彼の計画の概要を公表した。

大手通信企業はPaiのFCC改革に期待していたが、テクノロジー業界の誰もがそうだったわけではない。Paiの発表のあと、テクノロジー業界の800名あまりのグループがPaiに、インターネットの中立性(net neutrality)を担保している規則を廃棄しようとする彼の計画を、企業経営者として非難する声明を送付した。

巨大通信企業ではないテクノロジー企業にとっては、以下が最重要の争点となる:

“… アメリカのスタートアップのエコシステムの成功は、ブロードバンドのスピードの向上以上のものに依存している。私たちは、オープンなインターネットにも依存している。それには、強制力を伴うインターネットの中立が含まれ、それによって大手ケーブル企業が私たちのような者を差別できないようにならなければならない。既存の法的枠組みを無にしようとする貴官の意図が、私たちにはとても心配である。

インターネットの中立性がなければ、インターネットへのアクセスを提供している既存企業が、市場の勝者と敗者を決められるようになる。彼らは、自分たち自身のサービスや既存の競合企業を優遇するために、私たちのサービスのトラフィックを妨害できるだろう。あるいは、彼らは私たちに新しい料金を賦課して、消費者の選択を妨げることができるだろう。そのような行動は、起業家の、“事業を創始し、ただちに全世界の顧客ベースに到達し、業界全体に革新をもたらす”能力を、直接的に妨害する。私たちの企業は既存企業と、製品とサービスの質で競合できるべきであり、インターネットアクセスプロバイダーへの料金の支払い能力によってであってはならない”。

Y CombinatorとTechstarsとEngineを発起人とするこの書簡は、テクノロジー業界にインターネットの中立性を支持する大群が存在することを示している。その大群は、投資家やインキュベーター、スタートアップ、プログラミングスクールなどから成る。全文を以下に埋め込んでおこう。

〔訳注: ここに書簡ドキュメントが見られない場合は、原文の末尾を見てください。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アジット・パイFCC委員長、ネット中立性について今週、講演予定

FCC〔連邦通信委員会〕のアジット・パイ(Ajit Pai)委員長がインターネット中立性問題に関して手の内を見せるようだ。Reutersの記事によれば、パイ委員長は「インターネット規制の将来」について水曜日(米国時間) に講演する予定だ。

TechCrunchはFCCに委員長の講演が行われることを確認したが、講演のテーマは公式発表されていないという。パイ委員長はバルセロナで開催されたMWCでこれまでのFCCのインターネット規制のアプローチに関して「強権的で古臭いやり方」だったと批判していた。

Broadband Privacy Rule(ブロードバンド・プライバシー規則)はFCCが自ら廃止しなくても Congressional Review Act〔議会審査法〕によって無効とされる可能性がある。またFCCのゼロ・レーティングに関する調査の中止も、そもそもこの調査自体が強制力のないものだった。しかし2015年のOpen Internet Order〔オープン・インターネット指令〕はFCCのインターネット規制の根拠となる重要な命令であり、無造作にしまいこめるような存在ではない。今週予定されている講演はFCC委員長が2年前にFCCが獲得したネット通信に対する規制を撤廃する計画を公に説明する最初の機会となる。

これまでに明らかにされたパイ委員長の姿勢から推測できるのは、パイ委員長はトム・ウィーラー前委員長の政策に反対であり、インターネット・サービスをタイトルII〔電気通信サービス〕ではなく、タイトルI〔情報サービス〕に分類すべきだと考えているという点だ。

パイ委員長はタイトルⅡを根拠とする前委員長の方針を違法だとしており、インターネットの規制に関してFCCは権限を逸脱していると批判している。もしパイ委員長がインターネットに関するタイトルⅡの権限を正式に否定するなら、ネット中立性に関する規則は事実上効力を失うことになる。つまり法律があっても警察がない状態のようなものだ。おそらくはその代りに別の(願わくばより優れた)規則が制定されるはずだが、それには数ヶ月かそれ以上かかるのが普通だ。その間、ネット中立性に関しては強制力のある規則がない状態となる。

仮にこうしたアプローチが取られるとしても、インターネット中立性問題に関する指令の無効化にはプライバシー規則の撤廃などよりはるかに時間がかかり、多大の準備が必要となるだろう。プライバシーに関する規則にしても、まだ無効化は効力を発揮しておらず、依然としてCongressional Review Actの適用を受ける可能性ある期間内だ。

パイ委員長が講演するイベントはFreedomWorksの主催だ。これは右派リバタリアン系の組織でオバマケアの撤廃を主張したことがある(この団体は自サイトでTechCrunchのイラストのいくつかを無断で使用しているのでひょっとすると著作権にも反対しているのかもしれない(もちろん単なる不注意かもしれない。問い合わせ中だ)。

なおSmall Business and Entrepreneurship Councilもイベントの共催者だ。この協議会もBroadband Privacy Ruleの撤廃を含めて最近のFCCの政策には全面的に賛成している。両組織にコメントを求めてあるので、なんらかの回答があればアップデートする。

画像:Tom Williams/CQ Roll Call/Getty Images

〔日本版〕Congressional Review Actにより、議会は連邦行政庁の規則、命令に関して上下両院共同の反対決議を行うことができ、行政庁が一定期間内に決議の趣旨に沿った新たな規則等を制定しない場合には自ら無効化できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GMは自動運転試験車両を米国全土に数百台単位で展開する予定

IEEE Spectrumに掲載された記事によれば、GMはどこよりも大規模な車両群を投入することで、自動運転の世界における競合相手を一気に突き放そうとしている。その数はおよそ300台だ。

FCCへの申請に関する粘り強い調査の結果、1台の車両あたりに10個搭載される車載レーダーユニットの展開に関する、合計3000個分のFCC向け申請があることが発覚した。その後間もなく、GMは同じ型のレーダーを展開する要求書を提出した。数に関する公表は拒否している。そしてその後、ボッシュが異なるタイプのレーダーユニット650個を最大162台の車両に搭載してテストするための申請を行った。こちらも顧客が誰であるかは公表していない。

幸いなことにボッシュはそのレーダーをどこに展開するかは示している。デトロイト、サンフランシスコ、そしてスコッツデールだ。GMの子会社Cruise Automationは、これら全ての場所でテストを行う唯一の企業だ。

正確な数は不明だが、それぞれの車両に2種類のレーダーが混載されるのだろう、また一部のデバイスは予備部品でもあるのだろう。しかし、たとえ控えめに見積もったとしても、少なくとも純粋な路上テスト車両の数で、競合他社に先んじることになる。

FCCはまだ、それらの車両ならびにデバイス運営のための特別ライセンスの承認を行っていない、そのため実際の展開にはまだしばらく時間がかかるだろう。

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(翻訳:Sako)

FCCは乗客が飛行中に携帯にがなりたてることを望まず

FCC〔アメリカ連邦通信委員会〕は商用航空路線の飛行機の中で乗客が携帯電話に向かってがなり立てることを望まないことを明らかにした。 FCCのアジット・パイ委員長は飛行機の中では静寂が確保されるべきだと考えている。パイ委員長はアメリカ人の大半も同じ意見だと確信している。パイ委員長はFCCに対し、飛行中の携帯電話による音声通話を解禁する2013年の計画を最終的に破棄するよう命じた。

念のために断っておくと、これは飛行中にモバイル・デバイスを利用することとは無関係だ。厳密に音声通話のみに関する禁止だ。パイ委員長の公式(私的感情も混じっている雰囲気だが)声明は以下のとおり。

アメリカの航空機のパイロット、客室乗務員、乗客の大半は飛行中に携帯電話の使用を認めようとする計画に反対だと思う。2013年に始まったこの誤った案をFCCがこれ以上検討することは公衆の利益に合致しないと信ずる。アメリカ人は、私と同様、1万メートルの上空では静寂が尊重されるべきだと考えているはずだ。規制緩和案を最終的に破棄することはアメリカの公衆の勝利だ。

パイのFCC委員長としての通信政策に関して賛否の議論があるのは事実だが、この決定ばかりは誰もが賛成するだろう。最初に規制緩和案が発表されたときから反対の嵐だったが、その後もさして変化はなかったはずだ。

画像:: Francisco Rama / EyeEm/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

インターネットプロバイダーのプライバシー保護要件を無にする決定にトランプ大統領が署名

これで、正式に決まりだ。大統領が、昨年までのルールを覆す決定に署名した。インターネットのプロバイダがユーザーの閲覧履歴を集めたり売ったりすることを禁ずる、強力なプライバシー保護が、これでなくなった。

これは意外ではない。先週議会が承認したことを、ホワイトハウスが支持しただけだから。上院でそれは議決されたが、15名の共和党議員が下院の決定に反対した。

そのとき書いたように、問題のルールは年内有効になっていたので、すぐには事態は変わらない。ただし、Congressional Review Actという法律があるので、昨年と同じ主旨の法律をまた成立させ復帰させることはできない。

ブロードバンドのプロバイダーも通信企業と見なされるので、FTCの監督下にはないが、FCCはこれを覆そうとしている。実際にそうなるまでは、あなたのWeb閲覧は安全だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ISPがユーザーの承諾なしで個人データを収集してもよい、と米上院が議決、下院はどうなるかな?

FCCが昨年作ったブロードバンドのプライバシー規則は、上院における昨夜の激しい議論と今朝(米国時間3/23)の投票により、危機に瀕している。この規則でとくに重要なのは、ISPがそのサービスから得た、閲覧履歴などの要注意データを使用するためには消費者の許可を要する、という部分だ。

これは、まずいんじゃない、ねぇ? 昨晩の記事に詳しく書いたけど、1996年の通信法の制定を主導したマサチューセツ州のEd Markeyをはじめ、多くの上院議員が、この議決に反対した。

上院は50対48で、規則廃止に傾いた。規則が廃止されるだけでなく、Congressional Review Act(CRA)という法律により、同様の規則の今後の制定もできない。次は、下院だ。

FCCのMignon Clyburn委員とFTCのTerrell McSweeny委員が、共同声明で次のように述べている: “大統領の署名によりこの法律は、広く支持されていたブロードバンドのプライバシーの枠組みを無効にし、ケーブルとブロードバンドのプロバイダーは、顧客の重要な個人情報を売る前に承諾を得るべし、という要件を廃棄する”。

ネットアクセスに関する消費者保護団体Access Nowの法務担当Nathan Whiteは、こう言う: “この決議は人権と市民的自由よりも企業の利益を優先している。下院が消費者のために立ち上がり、インターネットのプライバシー保護がCRAによって葬り去られることを防ぐ必要がある”。

関連記事(未訳)〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米連邦通信委員会、厳格なネット中立性を定めた新規則を採択―ISPはコモンキャリヤに分類

今日(米国時間2/26)、アメリカ連邦通信委員会(FCC)は、予想通り、ネット中立性を定める新たな規則を委員の投票により採択した。民主党任命のトム・ウィーラー(Tom Wheeler)委員長と2名の委員の3名が賛成し、共和党任命の委員2名は反対した。

今回のFCCの新規則案は採決の直前に重要な修整が行われたことで注目を集めていた。これは当初案に有料で優先権を買い取る抜け穴になり得る重大な弱点があることをGoogleが指摘したことに対処したものだった。ネット中立性に対するGoogleの立場は、この大きな貢献で明白だろう。

オンライン・マーケットプレイス、EtsyのCEOは投票に先立って、「インターネットのネット中立性を守るためにFCCが鮮明な線を引いたことを賞賛する」と述べた。

FCCではミニヨン・クライバーン(Mignon Clyburn)委員が最初に発言し、「アメリカを形作る人々はFCCの新規則に満足するはずだ」と述べた。クライバーン委員は今回の採決を「FCCとして3度目に重大な試み」と位置づけた。クライバーン委員はまた、これまで報道されていたとおり、Googleが指摘した抜け穴を防ぐ修整を含めて、当初案の改定に同委員が積極的に関与したことを認めた。同委員はまた料金に関する新規則に対して「懸念をもつ必要はない」と述べた。

ジェシカ・ローゼンウォーセル(Jessica Rosenworcel)委員は「インターネット経済は世界の羨望の的だ。われわれアメリカがこれを発明した。これに続いてアプリ経済がまさに台頭の時期を迎えている。インターネットはわれわれの時代の印刷機であり、町の広場である」と述べた。

インターネットはブロードバンド業者が支配するにはあまりにも重要な分野だ

— FCC Chairman Tom Wheeler

ローゼンウォーセル委員は、今回の採決に先立ってパブリック・コメントに公衆から膨大な数の意見が寄せられたことを指摘し、「400万のアメリカ人がコメントを書いた。…ネット中立性の解釈に関する意見の相違はそれとして、その決定の過程は民主主義の活きた見本であり、アメリカ人が等しく支持すべきものだ」と述べた。

共和党任命のアジット・パイ委員は「FCCがインターネットの自由に政府の規制を持ち込んだ残念な結果だった。FCCは正当な手続きに違反するオバマ大統領の介入を許した」と述べた。パイ委員は「新規則は問題を解決しない。それどころか新規則そのものが最大の問題だ」と強く非難した。

同じく共和党任命のマイケル・オライリー(Michael O’Reilly)委員は特にFCCがブロードバンド接続業者を1934年通信法2条(Title Ⅱ)に定めるコモンキャリヤ(公益通信事業者)に分類したことに反対した。 「ネット中立性を保護する規則などは一切必要ない。それより私がFCCが2条を改悪しようとしていることに強い懸念を覚える。これは巨大かつ不当な越権行為だ」と述べた。同委員はまたFCCが2条の一部条項の適用を控えるとしたことを非難した。

ウィーラー委員長は、「政府であれ民間事業者であれ、インターネットへの自由かつオープンなアクセスを支配するようなことがあってはならない。インターネットはブロードバンド業者が支配するにはあまりにも重要な分野だ」と述べた。同委員長はまた「新規則は政府がインターネットを密かに支配しようとする試みだ」とする非難はナンセンスだと述べ、「米国憲法修正第1項が言論の自由を支配する試みでないのと同様、新規則はインターネットを支配する試みではない」と反論した。

新規則に関しては反対勢力からの訴訟が予想される。ウィーラー委員長はインターネット接続事業者を公益事業と分類するために2条(Title II)を適用したが、事業者は長年この事態を恐れていた。つまりFCCでの可決は大きな前進ではあるものの、アメリカにおけるネット中立性はまだ安全ではない。また議会でも数週間前から激しい議論が始まっている。

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〔日本版〕アメリカの1934年通信法(Communications Act of 1934)の2条(Title Ⅱ)はCommon Carrier(公益通信事業者)について定めており、FCCが各種の規制を事業者に強制する際にもっとも強力な手段となる。これまでインターネット接続事業者の地位については「事実上のコモンキャリヤである」という認識は広がっていたものの、AT&Tその他の巨大ISPの強い反対により、法的には明確にコモンキャリアであると位置づけされていなかった。

新規則はISPを2条に定めるコモンキャリヤに分類するもので、その影響は極めて大きい

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


FCCの委員曰く: Netflixはネットワーク中立性の理想に反して実質的にインターネットの高速レーンを確保している

FCC(連邦通信委員会)のAjit Pai委員が今日(米国時間12/2)、NetflixのCEO Reed Hastingsに送った書簡で、このオンラインビデオプロバイダが自社のコンテンツのためにインターネットの“高速レーン”を“実質的に確保している”、と主張した。

Netflixはこれまで、ネットワーク中立性(net neutrality)の積極的な支持者だったから、Paiの見解はちょっと意外だ。Netflixが実際に、自社のコンテンツを他社よりも有利に扱うような方法を作っているのなら、それは自社の利益のためにインターネットをねじ曲げることだ。つまりそれは、富裕な先行企業が金の力で市場における自己の位置を高めに維持しようとする試みであり、ネットワーク中立性の理念とは真っ向から反する。

同社はコメントを拒否した。

以下は、Netflixがネットワーク中立性に対する同社自身の基本姿勢に反しているとする、Paiの主張からの引用だ[太字は本誌による]:

最近の報道によると、我が国最大のストリーミングビデオプロバイダNetflixは、ストリーミングビデオのオープンスタンダードを作成する取り組みに参加しないことを選んだ、とされる。しかも私の理解によれば、Netflixは、ストリーミングビデオのオープンスタンダードの諸相を損なうような方策を採っている、あるいは少なくともテストしていると思われる。具体的には、私の理解によれば、Netflixは、オープンキャッシングが使われているところではときどきそのストリーミングプロトコルを変えて、オープンキャッシングのソフトウェアがNetflixのトラフィックのキャッシングを正しく同定できないようにしている。Netflixのトラフィックはその大半がストリーミングビデオのトラフィックなので、このような方策はオープンスタンダードの実現性を損なうものである。言い換えると、業界の多数が一団となって合意したスタンダードが、Netflixのトラフィックを同定して正しくルーティングできないなら、それらのスタンダードは結局のところ、デジタルビデオの消費者に十分な利益をもたらし得ないのである。

一部の情報によると、Netflixがそうしているのは、同社が現在、同社のOpen Connectプログラムの一環として、独自のプロプライエタリなキャッシング装置を全ISPのネットワークにインストール中だからだ、と言われる。全ISPはオープンキャッシングのための装置をそのネットワークにインストールして、Netflixも含むすべてのビデオコンテンツプロバイダが公平平等に競争できるようにすべきである。しかし、もしも、逆にISPたちがNetflixのプロプライエタリなキャッシング装置をインストールすることになれば、Netflixのビデオは短距離走のような速度で走り、一方同社の競合他社は、マラソンのような速度で走らなければならなくなる。

Paiから見れば、それは不公平だ。同委員によれば、この主張は、“ネットワーク中立性を強力な規制により確立せよとするNetflixの姿勢との矛盾を”、指摘するものだ。

Netflixとしては、反論したいことがたくさんあるだろう。たとえば、Netflixが独自のキャッシング装置をインストールしたら、そのほかのキャッシング装置は排除される、というPaiの考え方などだ。

もっと視野を広げると、同社は今年の初めに、こんなことを言っている:

Netflixは強力なネットワーク中立性がきわめて重要と考えるものであるが、しかし短期的かつ至近的には、弊社の消費者体験を守るために、場合によっては強力なISPたちに通行料を支払うだろう。弊社がそうするときには、競合他社に対する優先アクセスのために支払うのではなく、単に相互接続のために支払うのである。

Netflixとしては、Paiは単なる相互接続の一形式にすぎないものに対して文句を言っている、と主張したいだろう。しかしこれに関しては、Netflixからの技術的な説明がほしい。オープンプロトコルをオプトアウトするだけなら、罪ではない。しかしNetflixがそう決めて、ある種のコンテキストにおいてISPと協働すれば、Netflix以外のコンテンツは相対的に遅く配布されるだろう。そうやってNetflixに何らかのスピード向上を認めるのなら、それはもっと大きな問題のタネになりかねない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


インターネットの中立に関するFCC案(有料高速レーンを設ける)に一般国民から100万を超える意見書が集まる

連邦通信委員会(Federal Communications Commission, FCC)のインターネットの中立性に関する新しい規則案に対して、一般国民から寄せられた意見の数が100万を突破した。FCCのGigi Sohnによると、今日(米国時間7/17)の東部時間正午までに寄せられた意見書の数は1,030,000である。

この新しい数字が出る21時間前にSohnは、集まった意見の数が90万あまりだ、と述べた。ということは、土壇場になって大きく伸びたのだ。

今週初めにはトラフィックが急増してFCCのWebサイトが一時的にクラッシュし、そのため意見提出の締め切りが金曜日に延ばされ、より多くの人たちが意見を提出できることになった。その間にComcastやNetflixなどの企業も加わったが、圧倒的に多かったのは私人としての個人たちだ。

この、ネットの中立性という問題、中でもとくにFCCの規則案は、多くの公開の場で議論に火をつけた。締め切りまであと一日だが、最終結果が楽しみだ。インターネットの中立性をめぐる意見は、かつてのジャネット・ジャクソンとスーパーボウルをめぐるスキャンダルのときの140万を抜くことはないと思われるが、Sohnによれば、規則案に対するコメントの数としては新記録だ。

問題は、この大量の意見書を前にしてFCCの方針が変わるか、だ。インターネットに有料の〔主に大手コンテンツサイトが金を払う〕高速レーンを設けるという最初の方針が変わるかどうか、市場は緊張して見守ることになるだろう。

画像出典: FLICKR/SEAN MACENTEE; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


米国、2つの政府機関が連携して、学校内WiFiの設置コスト低減に取り組む

FCC(連邦通信委員会)は、米国の生徒1000万人が学校内WiFiを利用できるため、2015年に10億ドルの予算を計上する意志を表明した。今日(米国時間6/26)同委員会は、米一般調達局と連携して、対象校がWiFi機器を低価格で入手できるよう手配すると発表した。

この提携によって、「学校および図書館は調達局の逆オークションプラットフォームを使って、通常の調達価格よりさらに有利な条件で機器を探すことができる」とFCCは言っている。少々わかりにくい説明だが、要するに学校は設置コストを低く抑えられ、その結果米国の学校にWiFiが広く、おそらくより早く普及するという意味だ。

FCCによると、米国の生徒の60%がWiFiを満足に使用できる環境にない。もちろん、全くWiFiのない教育機関もある。昨年、FCCは学校内WiFi拡充のための予算は全く計上していない。

インターネットアクセスが速く便利になることは、生徒にとって良いことだ。デジタル化の進む世界では、あらゆる形やサイズのコンピュータ製品に熟達することが競争を有利にする。そしてそれは、われわれ自身の求人だけではない ― 多くの人々の競争力が高まれば、世界におけるこの国の競争力も高まる。

わが国の生徒全員が、最新テクノロジー製品や高速インターネットを使う機会を得るべきであり、そのためのソフトウェアを自主的に学ぶも必要だ。われわれは今以上に速く動かなくてはならないが、FCCの今回の決定が正しい方向であることは間違いない。

IMAGE BY FLICKR USER SEAN MACENTEE GARCÍA UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

 

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FCCのサイバーセキュリティの方針: 民間主導を側面からガイドに徹する

今朝、FCC(連邦通信委員会)のTom Wheeler委員長がAmerican Enterprise Instituteの講演会で、 サイバーセキュリティに対する同委員会の取り組みについて、その概要を述べた。

Wheelerの基本的な考え方は、「サイバーセキュリティの脅威に対抗するための対策はFCCではなく民間が指導的役割を発揮する」、というものだ。FCCは政府機関として監視と指導役に徹し、市場に任せたやり方がネットワークの適切な保護に失敗したときのみ介入する。

FCCはどうやら、テクノロジの世界は変化が激しいので、通常は適切と考えられるような標準的な規制構造が有効でない、と考えているようだ。Wheelerは曰く、彼が唱導する民間主導の取り組みは、“従来の規制よりも対応が敏速”であり、“政策方針の実装とソリューションの開発に市場競争によるダイナミズムとイノベーションがもたらされる”はずだ、という。

彼の方針が効果を発揮するためには、民間企業とFCCなどの関連政府機関との協力が欠かせない。とりわけ指導的な役割を発揮しなければならないのは、FCCのPublic Safety and Homeland Security Bureau*の長、Dave Simpson提督だ。〔*: Public Safety and Homeland Security Bureau, 適切な訳語が確定していないよう。「国家安全保障省」という訳もあるが、ちょっと違うのではないか。〕

この新しい取り組みとそのための専門委員会の目標は、FCCの言葉を借りれば、リスクとその構造を同定し、リスクの像をより明瞭化する戦闘に適切な武器を提供し、その武器を展開し、それらの効果を見張ることである。

そしてわれわれ民間人は、あとからついていくのではなく、先頭に立つ。Wheelerの今回の発言は適切な概要描写であり、インターネットのオープン性とプライバシーの両方の保護を求めているが、最終的な結果が見えてくるのは遠い先のことだ。リスクは現にある。求められるのは、効果的かつ迅速な対応だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
 


FCC、機内の携帯通話を可能に

Henry Blodgetさん、ご注意を!。空の居心地がさらに悪くなるかもしれない。

WSJによると、飛行機の乗客は携帯電話をデータ通信、通話いずれにも使えるようになるかもしれない。FCC(連邦通信委員会)の最近提案した。

ただし、学生たちが感謝祭休みの旅行で恋人とペットの名前満載の長電話を楽しんでいる悪夢を心配するにはまだ早い。そこまで悪くない。

まず、FCCは航空会社が何を許可できるかを決めるが、各社にはFCC規則の範囲内で独自のルールを作る権利がある。つまり、FCCの規則にかかわらず、航空会社は飛行中のスマートフォンや携帯電話を禁止することができる。

次に、はるか眼下にある電波塔と通信するための新技術を飛行機に装備する必要がある。これにはかなりの時間がかかるだろうし、この種の提案の承認には何ヶ月もかかるのでその後のことだ。さらに、その新技術がFCCの承認を受けるまでにも時間がかかる。

WSJによると、機内での無線通信は国際的にはすでに存在し利用されているが、米国内では許可されていない。

問題はもはや安全性ではなく、社会的権利だ。2007年以降、多くのことが変わった

FAA(連邦航空局) の調査によると、成人の51%が、機内での携帯通話にあまり乗り気ではなく、47%が肯定的だ(ちなみに、1600人のうち)。しかし、航空会社の意見はそれほど割れていないようだ。多くの会社が、航行中の音声通話に反対する消費者の声を掲げている。

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(翻訳:Nob Takahashi)