EVスタートアップFiskerが350万円切りの街乗りEV「PEAR」の予約受付を開始、納車は2024年予定

EVスタートアップFiskerが350万円切りの街乗りEV「PEAR」の予約受付を開始、納車は2024年予定

Fisker

EVスタートアップのFiskerは、5人乗りの「街乗りEV」であるPEARの予約受付を開始しました。価格は2万9900ドル(約345万円)からと非常に低価格。これはFiskerが先に発表しているSUVモデルのOceanの3万7499ドル(約433万円)や、安い安いと言われたテスラModel 3の当初価格3万5000ドル(約404万円)よりもはるかに安価です。

PEARを購入するにはまず予約金として250ドル(約2万9000円。2台目なら100ドル・約1万1000円)が必要です。また納車や記事執筆時点では2024年になる予定です。

大企業というわけでもないFiskerが、なぜPEARをこんなに安価に作れるのかとお思いの方もいるかもしれません。実は、この新しいEVはFiskerとFoxconnの提携によって開発製造されることになっています。Foxconnは昨年、オハイオ州にあるEVベンチャーLordstown Motorsの工場を買収しており、ここでLordstownのEVや提携しているFiskerの新型EVの製造を手がける予定だと発表していました。また10月には独自のリファレンスモデルとしてEV3車種を発表しています。もしかするとFiskerのEVが安価なのはこのリファレンスモデルが関係しているのかもしれません。ちなみにFiskerはPEARを年間25万台以上生産することを予定しているとし、スポーティな走りと直感的なUI、スマート充電機能その他「業界初へのこだわり」といった売り文句を並べてはいるものの、その仕様詳細はまだ明らかにしていません。

なお、Fiskerはまず2022年11月にOceanの生産を開始する予定となっています。そしてPEARが登場する2024年ごろには、既存の自動車メーカーを含め多数のEVが市場を賑わせるようになっていることが予想されます。そのなかで2万9900ドル(約345万円)という価格がどれぐらい武器になるのか、またその性能、品質や安全性などがスポイルされることなく提供されるかどうかが気になるところです。

(Source:FiskerEngadget日本版より転載)

LAオートショー2021の高揚感としらけムード

LAオートショーは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック下で初めて戻ってきた室内自動車ショーだ。ニュースに乏しく、いつも以上にベーパーウェアが多い中、それでも、いくつかのクルマやテクノロジーや企業が、イベントに先立って行われた2日間のプレスデーで目立っていた。

以下に、2021年のロサンゼルスで良くも悪くもTechCrunchの目に止まったクルマとテーマを紹介する。

グリーン&クリーンへと変わるストーリー

画像クレジット:Kirsten Korosec

米国時間11月17日正午前に行われた少数の主要なニュースカンファレンスでは、持続可能性と気候変動が中心テーマだった。そこには企業の偽善的環境配慮と実際の行動が入り混じっていた。

Hyundai(ヒョンデ)とKia(キア)は、環境の認識がいかに大切かを訴える短編動画を流したあと、全電動コンセプトカーとプラグインハイブリッド車を披露した。Fisker(フィスカー)は海洋保護について話した。長年グリーン化に取り組み、国立公園から動物保護まであらゆる活動の支援に多額の資金を投入してきたSubaru(スバル)も、環境保護の支援を継続していくことを強調した。

これは過去においても珍しくなかったことだが、自動車業界全体が二酸化炭素排出量低下に重い腰を上げ、持続可能な生産と調達に革新を起こし、有効な寿命を終えた部品や車両リサイクルと再利用の方法を探求していることは銘記しておくべきだろう。人類の気候変動への影響を減せる時間はあと10年しかないという恐怖の警告は、ショーで行われた複数のプレス会見で言及されていた。

ハリウッドモード

画像クレジット:Kirsten Korosec

2021年特に目立った発表の1つが、Fisker Ocean(フィスカー・オーシャン)の量産間近なバージョンだ。全電動SUVが備える17.1インチ巨大スクリーンは、180度回転可能で、同社が「ハリウッドモード」と呼ぶ横位置のランドスケープモードから縦位置のポートレートモードへ回転できる。

横位置モードでは、Oceanが駐車あるいは充電中に、ゲームをプレイしたりビデオを見たりできる。Fiskerは、このスクリーン回転技術の特許を取得していると述べた。

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電化、電化、電化

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2021年のLAオートショー全体のテーマは、(驚くに当たらないが)あらゆるものの電化だ。展示場にはICE(内燃エンジン)駆動の車両が数多く見られたものの、バッテリー電力の世界にいくつもビッグニュースがやってきた。

Nissan(日産)の全電動SUV、Ariya(アリヤ)、Toyota(トヨタ)bz4xと双子車Subaru Solterra(ソルテラ)から、TechCrunchのお気に入りである全電動Porsche(ポルシェ)Sport Turismo(スポーツ・ツーリズモ)セダンの最新モデルとマジックルーフ付きワゴンまで話題は尽きない。

健康被害からあなたを守るテクノロジー

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現行パンデミックが3年目を迎える中、自動車メーカーは利用者を病気から守る方法を考え始めている。HyundaiがLAオートショーで披露した SUVコンセプトカーSEVEN は、垂直空気循環、抗菌性の銅、紫外線殺菌装置などの機能を提供している。

電動化レストモッドがやってくる

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2021年のLAオートショーで目についたトレンドの1つが、何台かの古い車体に電動パワートレインを積んだレストモッド(レジストレーション&モディフィケーション)モデルだ。内燃エンジンのような直感的体験を与えることはないかもしれないが、クラシックカーの新しい楽しみ方を提供するものだ。

自動車製造のスタートアップ、Cobera(コベラ)が展示していたC300は、懐かしいShelby Cobraとよく似た外観だ。しかし、ボンネットの中にはV8エンジンに代わってC300を時速0〜62マイル(0〜約99.8km)まで2.7秒で加速すると同社がいう全電動パワートレインが入っている。Cobera C300は、ハンガリーの乗用車とキャンピングカーの製造に特化した会社Composite-Projects(コンポジット・プロジェクト)が設計・製造した。車両のスイッチを入れると、合成されたサウンドが出て、昔のV8に少しだけ似た音が聞こえる。

Electra Meccanica(エレクトラ・メカニカ)は、LAオートショーで三輪自動車Solo(ソロ)(詳しくは下で解説)も発表している会社だが、もう1台、Porsche 356 Speedsterに似た電動車、eRoadsterを披露した。エアコンディショニング、パワーウィンドウ&ロック、最新インフォテイメントシステムなどを備える。

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新たなパワートレインを搭載したレストモッドを披露したのは比較的無名で小さなメーカーだけではない。Ford(フォード)は11月初旬のSEMAショーに登場した電動化したF-100を持ちこんだ。1978 F-100 Ford Eluminator(フォード・エルミネーター)はFordの電動モーター、E-crate(イークレート)を備えたレストモッド機能で、ユーザーはこれを購入して自分の車両に取りつけられる。

F-100は前輪と後輪に1台ずつモーターを備え、最高出力480馬力、最大トルク634lb-ft(860Nm)を誇る。室内には新型インフォテイメントシステムのスクリーンとデジタル・ダッシュボードがある。

画像クレジット:Kirsten Korosec

三輪車

画像クレジット:Kirsten Korosec

例年、会場には少なくとも数台の三輪自動車が登場するが、2021年はいつもより多かった。Biliti Electric(ビリティ・エレクトリック)が持ってきた電動&ソーラー駆動トゥクトゥクは、Amazon(アマゾン)やWalmart(ウォルマート)が世界の人口密集都市のラストワンマイル配達に使える、と同社は言っている。

同社のGMW Taskmanは、すでにヨーロッパ、アジアの各所で使われていて、これまでに1200万個の荷物を配達し、延べ2000万マイル(3200万km)を走ったとファンダーが言っていた。

画像クレジット:Kirsten Korosec

Electra Meccanica のもう1台、Soloは同社が2016年のこのショーでも披露したsharyou

で、プレスデーにテスト乗車を提供していた。同社によるとSoloは1回の充電で最長100マイル(約161 km)走行可能で、最大出力82馬力、最大トルク140lb-ft(約190N-m)、最高速度は80mph(約128 km/h)。定員1名で荷物スペースを備え、近距離の移動や都市圏での通勤のために作られている。Soloの価格は1万8500ドル(約211万円)で、アリゾナ州メサで製造されている。

Sondors(ソンダーズ)の三輪電気自動車は、3人乗りで航行可能距離は約100マイル(約160km)と同社はいう。このクルマは、100万ドル(約1億1400万円)以上を集めて成功したクラウドファンディングの後に開発されたもので、33 kWhのバッテリーパックを備え、最大出力170馬力、最大トルク323 lb-ft(約438N-m)を発揮する。

Imperium (インペリウム)も三輪電気自動車、Sagitta(サギッタ)を披露した。ショーに登場した三輪乗用車の中では最大で、4人まで乗ることができるスペースをもつ。Sagittaは車両のスペックを発表していないが、2022年中頃から予約を開始すると同社は述べた。

バービー

画像クレジット:Abigail Bassett

ことしのLAオートはには、バービーまで登場した。Mattel(マテル)はBarbie Exra(バービー・エクストラ)カーの実物大バージョンを公開した。2021年式Fiat(フィアット)500のシャシーに載せたファイバーグラスのボディーはキラキラの白い塗装で飾られ、ウィング式ドアと後部にはペット用プールもある。

ソーラーパワー

画像クレジット:Kirsten Korosec

2021年のショーには、興味深いソーラー充電オプションを備えたクルマがいくつかあった。中国のエネルギー会社、SPI参加のPhoenix Motor Inc.(フェニックス・モーター)が発表したピックアップトラック、EF1-Tの収納可能なソーラーピックアップベッカバーは、最大25〜35マイル(約40〜56km)の走行距離を追加できると同社はいう。EF1-TおよびバンバージョンのEF1-Vは、いずれも巨大な車両で、明らかにまだプロトタイプであり、機能や利用形態について顧客の意見を聞いているところだと会社は述べた。

大きな虫のような外観のEF1-Tは、1回の充電で380〜450マイル(約612〜724 km)走行可能で、2025年の発売に向けて予約を受け付けているという。ずいぶんと遠い話だ。

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(文:Abigail Bassett、翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型電気自動車「Fisker Ocean」はフォックスコン製回転式スクリーンを搭載

Foxconn(フォックスコン)の特徴が、近々発売される新型電気自動車「Fisker Ocean(フィスカー・オーシャン)」の主要なディテールの1つとなる。

同社はこの電動SUVの量産予定モデルを、米国時間11月17日に開幕したLAオートショーで公開した。

このFisker(フィスカー)初の電気自動車には、Foxconn製の特徴的な17.1インチのスクリーンがダッシュボード中央に搭載されている。このタッチパネルは、縦型の「ポートレート」モードから、横画面の「ハリウッド」モードへと回転可能で、後者は駐車して充電を待つ間に、ドライバーや同乗者が(その名称の元となったように)映画を観たり、ゲームを楽しんだりするためのモードだという。

画像クレジット:Kirsten Korosec

Fiskerの共同創業者兼CEOであるHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は、この回転式スクリーン技術の特許を申請したと述べている。

Fiskerはまず2020年に、ラスベガスで毎年開催される「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、Oceanのプロトタイプを発表した。市販予定モデルとなった今回は、航続距離や各種トリムレベルとその価格、さらにパッシブ充電用のソーラールーフなどの装備も含め、車両に関するより詳細なスペックが明らかにされた。

Fiskerは4種類のトリム、14色におよぶカラーバリエーションの設定を予定しており、ベースグレードの「Ocean Sport(オーション・スポーツ)」の価格は、補助金・税金別で3万7499ドル(約430万円)となっている。このSportではフロントに搭載した1基のモーターが前輪を駆動し、最高出力は275馬力。CATL社製のリン酸鉄リチウムイオン電池を使用し、1回の充電で250マイル(約402km)の距離を走行できる。

それ以外のトリムは、いずれも車両の前後に2基のモーターを搭載する四輪駆動だが、グレードによって性能に差がつけられている。4万9999ドル(約570万円)の「Ocean Ultra(オーシャン・ウルトラ)」は540馬力で0-60mph(約96.6km/h)加速が3.9秒。そして最上位モデルの「Ocean Extreme(オーシャン・エクストリーム)」とそれに準じたローンチ・エディション(先行発売モデル)の「Ocean One(オーシャン・ワン)」は、どちらも6万8999ドル(約790万円)で550馬力を発揮、0-60mph加速は3.6秒に縮まる。

UltraとExtremおよびOneには、ニッケル・マンガン・コバルト電池を使用したCATL製バッテリーが搭載される。各バッテリーの容量は公開されていないものの、Ultraの推定航続距離は340マイル(約547km)、ExtremとOneは350マイル(約563km)を超えるとのこと。

Fiskerでは現在、2つの車両プログラムに取り組んでいる。ロサンゼルスオートショーで注目を集めたFisker Oceanは、欧州の自動車受託製造会社であるMagna Steyr(マグナ・シュタイヤー)が組み立てを担当し、2022年11月に生産開始が予定されている。2022年後半から欧州および米国で納車が始まり、2023年中には生産能力が月産5000台を超える計画となっている。中国の顧客への納車は2023年に始まる予定だ。

そしてもう1つのプログラムとして、Fiskerは2021年5月に、Foxconnと新しい電気自動車を共同開発・製造する契約を締結。ヘンリック・フィスカー氏によると、両社は「かなり早く」デザインを進めており、現在は、トランクを開ける新しい方法の特許取得やその他の技術革新に取り組むなど、エンジニアリングや技術的な詳細に没頭しているという。

おもしろいことに、この自動車製造パートナーシップは、フィスカーが独自のインフォテインメント・ディスプレイの供給を受けるためにFoxconnと話し合ったことから生まれたものだと、ヘンリック・フィスカー氏は17日のTechCrunchによるインタビューで語っている。

「自動車業界が抱えている本当の問題は、車両に搭載されている技術が3年以上も前のものであるということです」と、フィスカー氏はいう。「私たちは、クルマに搭載されているものよりも、携帯電話の方が優れていて、賢くて、速いと常に感じているのですから、これは何かが間違っています」。

同氏はFoxconnとの提携について、その狙いはiPhoneを製造している企業(Foxconn)と同じくらい早く動けるようになることだと語った。

Fiskerは1月にFoxconnとの話し合いを開始し、間もなく契約を締結した。Project PEAR(プロジェクト・ペア)と呼ばれる車両製造の契約が発表されたのは、それからすぐ後のことだ。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォックスコンがLordstownのオハイオ工場を約262億円で買収

電動小型トラックメーカーのLordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)は、オハイオ州ローズタウンにある広さ620万平方フィート(約57万平方メートル)の工場を、Apple(アップル)のiPhoneの製造で知られる台湾のハードウェアメーカーFoxconn(フォックスコン)に正式に売却した。Lordstownの発表によると、この2億3000万ドル(約262億円)の取引は、2022年4月末までに完了する予定だ。

取引の条件は、両社が9月30日に締結した基本合意に沿ったもので、締結後にFoxconnは早速5000万ドル(約57億円)分の普通株を1株あたり6.8983ドル(約787円)でLordstownから直接購入した。Foxconnは11月18日までに1億ドル(約114億円)の頭金を、その後2022年2月と4月に5000万ドル(約57億円)を支払い、4月30日の手続き完了を目指している。

Lordstownの発表文によると、Foxconnは苦境にあるLordstownのピックアップトラック「Endurance」の製造を支援することにも合意した。両社はまた、北米および海外市場向けの商用車プログラムを共同で設計・開発する合弁会社も設立する。最後に、この取引が完了すると、Foxconnは今後3年間、1株あたり10.50ドル(約1200円)でLordstownの普通株式を購入できる170万のワラントを得る。Lordstownは、電気モーターの生産ライン、バッテリーモジュールとバッテリーパックの組み立てラインを維持する。

Foxconnは2021年初め、電気自動車スタートアップのFisker(フィスカー)と、FiskerのPEARプログラムに基づく新型車を北米で共同開発・製造する契約を締結した。その後、Lordstownが2019年にGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)から購入したオハイオ州の工場でも、Fiskerの車両を生産することをFoxconnは示唆していた。今回の工場購入により、Foxconnは初の自動車工場を手に入れ、スマホやノートPCの製造以外の分野へ躍進することになる。

調査会社がEVトラックの予約台数を偽装していると告発したことで、米証券取引委員会と米司法省の両方から調査を受けているLordstownは、財政難に加えて、11月10日朝に辞任した社長のRich Schmidt(リッチ・シュミット)氏をはじめとする多くの幹部の逸失に直面している。Foxconnとの取引により、Lordstownは原材料や部品のコストを削減することができそうだ。Foxconnは、生産コストの削減や不安定なサプライチェーンに対応するために必要な強力なサプライチェーンネットワーク、ロジスティック能力、購買力を持っている。また、同社は電気自動車にとって非常に重要な、ソフトウェアとハードウェアの統合のエキスパートでもある。

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Fiskerがデビューモデルとなる電動SUV「Ocean」の2022年11月発売を目指す

Fisker(フィスカー)は、米国時間11月3日に行われた第3四半期決算説明会で、電気自動車製造事業の立ち上げについて明るい見通しを示し、Foxconn(フォックスコン)との製造パートナーシップ、中国のバッテリー大手CATLとのバッテリー供給契約の確保、そしてデビューモデルであるSUV「Ocean」の生産準備が順調に進んでいることを強調した。

CEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は、2022年11月に自動車製造受託メーカーのMagna Steyr(マグナ・シュタイヤー)と提携してOceanの生産を開始し、同年第1四半期までに1日2台の生産を行うと投資家向け説明会で述べた。また、2022年後半には米国および欧州で納車が始まる見込みだ。

これらの期限を守るために、Fiskerは支出のペースを上げている。直近の四半期では、一般管理費が数百万ドル増の1030万ドル(約11億7000万円)と控えめに増加した一方で(2021年6月30日までの3カ月間では790万ドル=約9億円=だった)、その他の費用は急激に増加した。Fiskerの重要な研究開発項目(同社はまだ自動車を製造・販売する準備をしているため、現在は研究開発モードであることを思い出して欲しい)は、2021年第2四半期の4530万ドル(約51億円)から第3四半期では9930万ドル(約112億円)へと100%以上増加した。この増加は、従業員を増やし、プロトタイプの開発に費用をかけた結果であると幹部は話した。

R&D費の驚くべき増加は、Fiskerがここ数週間で大量の現金を銀行口座に追加した理由を物語っている。車両をマーケットに投入し、最終的にドライバーに届けるには多額の資金が必要だ。

FiskerとCATL

FiskerとCATLのバッテリー契約は大きなニュースだ。中国企業CATLは、2025年まで年間5ギガワット時以上の初期容量を供給し、量を増やすオプションが付いている。Fisker Oceanには2種類のバッテリーパックが用意され、2022年にプロトタイプができる。基本のバッテリーパックには、低コストだがエネルギー密度の低いリン酸鉄リチウム(LFP)を使用する。もう1つのバッテリーには、エネルギー密度が高く航続距離も長いニッケルマンガンコバルト(NMC)を使用するが、それに伴いコストも上昇する。

「これにより、同じような価格帯のSUVでは世界最長の航続距離を実現することができます」とフィスカー氏は話す。2つのバッテリーパックの航続距離に関する詳細は、来週開催されるLAオートショーで明らかにされるという。LFP電池は、Tesla(テスラ)をはじめ、企業の間で低コストの選択肢として普及している。Teslaは、全世界の標準Model 3にLFP電池を採用すると発表した。

「なぜ我々が競合他社に先んじるのでしょうか? 我々は2021年、この技術を採用しました。ですから、12カ月後にFisker Oceanを手に入れたとき、あなたの技術は最新中の最新です。来年、他の車を買うとしたら、その技術はおそらく3年前に選択されたものでしょう」とフィスカー氏は述べた。

また、Fiskerは中国の顧客からの予約を受け付けるために、中国法人を設立している最中だが、来年の初めまでに手続きは完了しない可能性が高いとフィスカー氏は話した。現在、Fiskerに入っている予約の約80〜85%は米国からのものだ。

業績

さて、次は決算を取り上げる。明らかに、収益を上げる前の会社であるFiskerの決算で重要なことは通常の財務情報とは少し異なる。Fiskerが第3四半期の業績を発表した後、同社の株価は時間外取引で1%強上昇している。予想通り、同社の収益はつつましく、赤字だった。

市場では、同社が1株当たり0.35ドル(約39円)の損失を計上すると予想されていた。1株当たり0.37ドル(約42円)の損失は、換算すると約1億980万ドル(約125億円)の純損失に相当する。売上高は1万5000ドル(約170万円)にとどまり、これにより1000ドル(約11万3000円)の赤字となった。

Fiskerは最近、社債を発行して現金を14億ドル(約1591億円)に増やしたが、これは2021年6月30日の四半期末に発表した9億6200万ドル(約1093億円)から大幅に増加している。同社は、利回り2.5%の6億7750万ドル(約770億円)相当の転換社債を発行し、最終的な自動車生産に先立って資金を確保した。

現在、Fiskerはまだ収益を上げていないが、投資家はこうした状態が急速に変わることを期待している。Yahoo Financeのデータによると、2021年にはわずかだった売上高が、2022年には2億6420万ドル(約300億円)になると、アナリストは予想している。Fiskerが調達した現金は、一般市場の投資家からの無限に厳しい収益要求に応える際に役立つものとなりそうだ。

画像クレジット:Fisker Inc.

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(文:Aria Alamalhodaei、Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

FoxconnがLordstown MotorsとFiskerの電気自動車をオハイオ州の元GM工場で生産へ

Foxconn(フォックスコン)は米国9月30日に発表された契約のもと、Lordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)、そして別のパートナーFisker Inc(フィスカーインク)のためにオハイオ州にある元General Motors(ゼネラル・モーターズ)の工場で電気自動車(EV)を組み立てる。

特別買収目的会社(SPAC)との合併経由で公開企業となった、苦境に立っている電気自動車メーカーLordstown Motorsは9月30日、620万平方フィート(約58面平方メートル)の工場売却でFoxconnと拘束力のない合意に達した、と述べた。Lordstownは2019年にその工場をGeneral Motorsから購入していた。

まだ完了していないこの合意では、Foxconnは工場購入で2億3000万ドル(約256億円)を払う。取引には、Lordstownのハブモーター組立ライン、バッテリーモジュール、梱包ラインなど一部の資産や、特定の知的財産権は含まれない。Foxconnはまた5000万ドル(約56億円)分のLordstownの普通株も購入する。

2社は、FoxconnがLordstownのフルサイズのピックアップトラックEnduranceを同工場で組み立てるための受託生産契約も交渉すると明らかにした。受託生産の契約は工場購入を完了する条件となっている。両社は追加のピックアップトラックプログラムのためのライセンス契約も検討することで合意した。

今回の取引はLordstownが重要な時期にある中でのものだ。現金不足の同社は今年初め、一連の失敗を犯したSPACを頼った。Lordstownは8月に自動車業界で長らく幹部を務め、Carl C. Icahn(カール・C・アイカーン)氏の持株会社の元CEO、Daniel A. Ninivaggi(ダニエル・A・ニニヴァッジ)氏をCEO兼役員として雇った。この指名の前、Lordstownの創業者でCEOのSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏の辞任など、同社では何カ月も騒動が繰り広げられた。同社が想定以上に多くの資金を消費し、以前予想していたEnduranceの生産台数を達成できないことが明らかになった冴えない第1四半期決算を受け、CFOのJulio Rodriguez(ジュリオ・ロドリゲス)氏も辞任した。

提携の目的は、北米でのスケーラブルな電気自動車生産の増大しつつあるマーケット機会をLordstown MotorsとFoxconnがとらえることだと両社は声明文で述べた。ここにはFoxconnのEVメーカーFisker Incとの既存の提携も含まれる(LordstownとFiskerは別会社であり、関係は全くない)。

Fiskerは5月、Project PEARというプログラムで新しいEVを共同開発・生産することでFoxconnと契約を交わした。Personal Electric Automotive Revolutionの頭文字を取っているプロジェクトPEARの車両はFiskerブランドとして北米、欧州、中国、インドで販売される。生産準備は米国で2023年末までに始まる予定で、2024年に本格生産に入る、とFiskerは8月のTechCrunchとのインタビューで語った。

Fiskerは米国での生産場所を明らかにしなかったが、最終的にFoxconnにするかもしれない、とインタビューで語っていた。

Fiskerは9月30日、Foxconnからのニュースを歓迎する声明を出した。

「市場投入までの時間、十分に開発されたサプライヤーエコシステム、全体的なコスト目標などプログラムの主目的を達成することは、オハイオで生産するという決断で重要な要素でした」とHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は電子メールでの声明で述べた。「今年初めにFoxconnと提携を結んで以来、我々はデザインやエンジニアリング、サプライチェーン、生産などを含め、プロジェクトPEARのあらゆる面で密に協業してきました。米国で大量生産するというFiskerの約束は、今回の合意でさらに重要な一歩を踏み出しました」

Fiskerはまた、別の委託生産業者との車両プログラムも進めている。Fisker Ocean SUVは自動車委託生産業者のMagna Steyrが欧州で組み立てる。生産開始は予定通り2022年11月に始まる見込みだとFiskerは第2四半期決算会見で繰り返した。納車は欧州と米国で2022年後半に始まり、2023年中に月産能力を5000台超にする計画だ。中国の顧客への納車も2023年開始が見込まれている。

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画像クレジット: Bloomberg / Getty Images

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

FiskerとフォックスコンのEVパートナーシップは「予想よりも速く進んでいる」とFiskerのCEOが表明

米国の電気自動車メーカーであるFisker(フィスカー)は、2021年の運営費用が4億9000万ドル(約538億1000万円)から5億3000万ドル(約582億2000万円)に達すると予想しているが、これは、Ocean(オーシャン)SUVのプロトタイプの研究開発費、先端技術のテストと検証、雇用、Foxconn(フォックスコン)とのパートナーシップの「加速」によって当初の見通しよりもやや増えている。

関連記事:フォックスコンと米Fiskerが電気自動車製造に関する正式契約を締結

米国時間8月5日の市場閉場後に第2四半期の業績報告を行った同社は、通年の主要な非GAAP運営費用と設備投資の予想を、当初の4億5000万ドル(約494億2000万円)から5億1000万ドル(約560億1000万円)という数字から引き上げた。業績報告の中で挙げられていたのは、2021年のプロトタイプ活動への研究開発費だが、その主要部分は先進運転支援システムのテストと検証、パワートレイン、およびユーザーインターフェイスによって構成されている。同社はまた、仮想検証ソフトウェアツールや、最近厳しくなったEuro NCAPおよびIIHSの安全規制に対応するための、人材採用、仮想および物理テストなどの社内コストへの支出が増加していることも指摘している。

CFOでCOOの共同創業者Geeta Gupta Fisker(ギータ・グプタ・フィスカー)氏は、業績報告会の中で、サードパーティだけに頼るのではなく、テストと検証を行うための内部体制を整える戦略的決定を下したことを付け加えた。

共同創業者でCEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は米国時間8月5日のインタビューで「予想よりも速く進んでいる」Foxconnとのパートナーシップも支出の増加に寄与していると語った。

そのインタビューの中で、ヘンリック・フィスカー氏は「私たちの方向性は本当に一致しています」と語っている。「両社がこのプログラムに投資しているという意味で、これは非常にユニークなビジネス取引であるということができます。私たちが単にFoxconnを雇って車を作るわけではありません」。

Fiskerは現在、2つの車両プログラムを実施中だ。その最初の電気自動車であるFisker Ocean SUVは、ヨーロッパの自動車委託製造業者Magna Steyr(マグナ・シュタイヤー )によって組み立てられる。生産開始は2022年11月の予定で今の所順調に進んでいる、と同社は8月5日の発表で繰り返した。納車は2022年の終わりに欧米で開始され、2023年には月産5000台以上の生産能力を達成する計画だ。中国の顧客への納車も2023年には開始される予定である。

この5月にFiskerは、iPhoneを組み立てている台湾企業であるFoxconnと、新しい電気自動車を共同開発および製造する契約を締結した。ヘンリック・フィスカー氏によれば、両社は「極めて速やかに」設計を進めており、現在、トランクを開く新しい方法の特許やその他の技術革新に取り組むなど、エンジニアリングと技術の詳細に取り組んでいる。

「私たちは急激に加速しています、おそらく2021年の終わりまでにはいくつかの初期のプロトタイプが手に入ることでしょう」と彼はいう。

両社はまた、この新しいEVのデザインが都会のライフスタイル向けになることも決定した。

「万人向けの車を作ることはできません」と彼はいう。「農民向けであり、かつ都会のアパートに住む人のためでもある車を作ることはできません。これらは2つの異なる種類の車なのです。ということで、今回のEVには都会的なライフスタイルを選択しました」。

このプロジェクトPEAR(Personal Electric Automotive Revolutionの略)で生産される車両は、Fiskerのブランド名の下で北米、ヨーロッパ、中国、インドで販売される。Fiskerの8月5日の発表によれば、プリプロダクションは2023年末までに米国で開始され、翌年には増産される予定だということだ。

ヘンリック・フィスカー氏は、米国における製造拠点を明らかにしなかった。彼は最近ウィスコンシン州にあるFoxconnの製造施設を訪れ、この地域のサプライチェーンと同様に「印象的な」施設であると発言している。そして最終決定はFoxconnのものであるとFiskerは述べている。しかしFiskerは、自動車メーカーが顧客に直接販売できる州で電気自動車を生産したいと考えている。ウィスコンシン州では現在この行為は禁止されている。

「それは、私たちが店舗に出ていって電気自動車を販売するために変更しなければならない主要な事の1つになるでしょう」と彼は述べた。

業績報告

同社の第2四半期業績報告の概要は以下の通りだ。2つの重要な要素を心にとめておいて欲しい。Fiskerは2020年のこの時点では上場されていなかった。そのため前年との比較は利用することができない。この会社は基本的に収益開始前だが、グッズ販売から2万7000ドル(約296万5000円)を得ている。

Fiskerの報告によれば、前四半期から22%増加し、2万7000ドル(約296万5000円)の収益が生み出されたとされている。またFiskerは、前四半期の1億7680万ドル(約194億1000万円)の純損失と比較して、今四半期の純損失は4620万ドル(約50億7000万円)、つまり1株あたり0.16ドル(約17.6円)の純損失を報告している。第1四半期のこの大きな純損失だが、SECによる現金以外の項目を処理する方法の変更によって、第1四半期に1億3800万ドル(約151億4400万円)のワラント保証が要求されたことに起因する。公開ワラントは現在廃止されており、同社は将来の収益にこれらの影響を受けることはもうないと述べている。

第1四半期の営業損失は3300万ドル(約36億2000万円)だったが、第2四半期の営業損失は5310万ドル(約58億3000万円)となった。重要なのは、同社が「アセットライト」アプローチと呼んでいる方法を使用して現金を保持していることだ。つまり、工場を建設するのではなく、パートナーに依存するということを意味する。6月30日に終了した四半期の現金および現金同等物は9億6200万ドル(約1056億1000万円)で、第1四半期の9億8510万ドル(約1081億3000万円)をわずかに下回った。

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タグ:FiskerFoxconn電気自動車決算発表

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(文: Kirsten Korosec、翻訳:sako)

新興EVメーカーFiskerは2027年までに気候変動に影響を与えないEVの製造を目指す

電気自動車メーカーのFisker Inc(フィスカー)は、2027年までに同社初のクライメイトニュートラルな(気候変動に影響を与えない)自動車を作り上げるというムーンショット目標を掲げている。

フィスカーはまだ実際にクルマを販売していない(クライメイトニュートラルであろうとなかろうと)ので、この目標は野心的と言える。「Fisker Ocean(フィスカー・オーシャン)」と名づけられた完全電気自動車のSUVは、2022年11月の生産開始を目指していまだ開発が続けられている途中にあるが、クライメイトニュートラルになるのはこのクルマではなく、Henrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)CEOによれば、まだ発表されていない別のクルマになるという。同氏は米国時間6月8日、投資家向け報告の中でこの目標を明らかにした。

ヘンリック・フィスカー氏は、Aston Martin V8 Vantage(アストン マーティンV8ヴァンテージ)や、Aston Martin DB9(アストン マーティンDB9)、BMW Z8など、印象的なクルマのデザイナーとして有名になったシリアルアントレプレナーだ。同氏は投資家向けオンライン会見で、他にもいくつかの最新情報を提供した。フィスカー・オーシャンの航続距離は、これまで推定されていた300マイル(約483キロメートル)を超え、最大350マイル(約563キロメートル)になるという。株主に配布された年次報告書によると、オーシャンには3月の時点で1万4000件以上の予約が入っているとのことだ。

2020年10月に特別買収目的会社のApollo Global Management (アポロ・グローバル・マネジメント)との合併により29億ドル(約3170億円)の評価額で上場したフィスカーは、2025年までに4台の新型車を市場に投入することを目指している。そのうちの1台は、同社のFM29プラットフォーム・アーキテクチャーを採用した「UFO」と呼ばれる高級車になる可能性があると、フィスカーは火曜日に示唆した。

フィスカーのカーボンニュートラル計画

これまでさまざまな業界で多くの企業が、カーボンニュートラルの実現という公約を掲げてきた。ヘンリック・フィスカー氏は、そのクライメイトニュートラルという目標を達成するために、カーボンオフセットを購入するつもりはないことを、投資家に強調した。カーボンオフセットとは、企業がプロジェクトや製品でCO2削減を「主張」するために購入できるクレジットのことだ。代わりにフィスカーでは、サプライヤーと協力して、気候変動に影響を与えない材料や製造プロセスを開発すると述べている。

同社のウェブサイトでは、提案している戦略の一部が紹介されている。そこでは自動車のライフサイクルを「調達」「製造・組立」「物流」「使用段階」「廃車」という5つの段階に分け、それぞれの段階でいくつかのポイントを上げている。例えば「製造の現地化」とか「100%再生可能エネルギーの使用」などだ。しかし、このような計画を立てても、自動車生産においてクライメイトニュートラルを実現することは非常に難しい。例えば、自動車には脱炭素化が困難なことで知られる鉄鋼などの素材や部品が使われているからだ。

フィスカーによると、同社の製造パートナーはそれぞれにクライメイトニュートラルを目標として掲げており、それは自動車の受託生産会社であるMagna Steyr(マグナ・シュタイヤー)にも当てはまる。欧州でフィスカー・オーシャンを独占的に製造する契約を結んでいる同社は、欧州では2025年までに、グローバルでも2030年までにクライメイトニュートラルを実現する目標を立てている。また「Project PEAR(プロジェクト・ペアー)」と呼ばれるフィスカーが2番目に発売予定のより低価格なクルマで主要なパートナーとなるFoxconn(フォックスコン)も、今世紀半ばまでにゼロエミッションの実現を目指している。

このようなムーンショット目標は、製造プロセスの革新を促進し、他の自動車メーカーやサプライヤーが同じ目標を目指すことを助長する可能性がある。他の自動車メーカーのPolestar(ポールスター)やPorsche (ポルシェ)は、いずれも2030年を期限とするカーボンニュートラルを約束しており、Mercedes(メルセデス)はその目標を2039年に設定している。

フィスカーは、EV用バッテリーが使用できなくなった際のリサイクルや再利用の方法も考えているようだ。同社は推定15年とされる車両の寿命の全期間に渡るリースプログラムの拡張を計画しており、これが実際に導入されれば、理論上では、寿命を迎えた多くの車両をフィスカーが所有することになる。

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タグ:Fisker Inc気候変動クライメイトニュートラル電気自動車カーボンニュートラル二酸化炭素

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ローマ教皇専用車「パパモビル」もEVに、FiskerのOcean SUVを改造中

EVのスタートアップから上場企業になったFisker Inc.は現在、同社の電動SUV「Ocean」を、ローマ教皇フランシスコのために改造している。

米国時間5月21日の発表によると、同社の計画では2022年後半に、近く発売されるSUV「Fisker Ocean」を改造したローマ教皇専用車(パパモビル)をバチカンに納車する。5月20日にフランシスコ教皇とFiskerの共同創業者であるHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏およびGeeta Gupta-Fisker(ギータ・グプタ-フィッシャー)博士との会談で、最初の合意に達した。ヘンリック・フィスカー氏はさまざまなスケッチを見せ、その1つにフランシスコ教皇がサインした。新たなパパモビルに関する詳報はあまりないが、改造後のFisker Ocean SUVの画像には、全ガラス製のキューポラがある。

合意は、50年以上の歴史がある自動車メーカーがバチカンと協力して教皇を運ぶクルマを開発し、届けることを意味している。1965年のパウロ六世のニューヨーク訪問では、Ford(フォード)製の1964年型Lehmann-Peterson特別仕様が使われた。「パパモビル」という言葉は、教皇ヨハネ・パウロ二世の就任まではよく使われていた。自動車メーカーのDacia、StellantisのFiat、Jeepブランド、Mercedes-Benz、そしてRenaultなどがさまざまなローマ教皇にクルマを用意した。フランシスコ教皇は、バチカン市国の中ではドライブにFord Focusを使っていることが知られている。

「フランシスコ教皇が環境とその次世代への影響をとても気にしている、という記事を読んだことがきっかけです。教皇が乗るFisker Oceanのインテリアには、海から回収したプラスチックボトルをリサイクルして作った素材のカーペットなど、さまざまな持続可能素材が使われています」とヘンリック・フィスカー氏は語る。

Ocean SUVは基本価格3万7499ドル(約410万円)で2022年11月17日に生産を開始する。パパモビルのバージョンもほぼ同時期とされているが、具体的な日程に関する発表はない。

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フォックスコンが次期EV製造で米Fiskerと提携に暫定合意、年25万台超を生産へ
フォックスコンと米Fiskerが電気自動車製造に関する正式契約を締結

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タグ:Fisker Inc.ローマ教皇電気自動車

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フォックスコンが次期EV製造で米Fiskerと提携に暫定合意、年25万台超を生産へ

Apple(アップル)の主要サプライヤーであるFoxconn Technology Group(フォックスコン、鴻海科技集団)は、電気自動車(EV)のスタートアップが転じSPACにより上場したFisker(フィスカー)と、北米、ヨーロッパ、中国、インドで販売されるEVを開発し、最終的には製造することで暫定的な合意に達した。

FiskerとFoxconnは中国時間2月24日、覚書(memorandum of understanding、MOU)に基づく合意が締結されたと発表した。両社間の協議は今後も継続され、2021年の第2四半期中に正式なパートナーシップ契約が締結される見込みだ。

合意によると、Foxconnは2023年の第4四半期に生産を開始し、25万台超を生産の生産台数を見込んでいる。この電気自動車はFiskerブランドの製品となる。

Foxconn Technology GroupのYoung-way Liu(劉揚偉、ヤンウェィ・リュー)会長は、同社の垂直統合されたグローバルサプライチェーンと蓄積されたエンジニアリング能力を強調し、それらはEVの主要要素である電動モーター、電気制御モジュール、バッテリーの開発・製造において、同社に2つの大きな優位性を与えていると指摘した。

Foxconnが生産目標を達成したいのであれば、このサプライチェーンとエンジニアリングの迅速なスケールアップ能力は非常に重要になる。

「両社の協力により、研究開発から生産まで、わずか24カ月でFiskerの次期モデルを生産することが可能になり、新しい車両を市場に投入するのに必要な時間を従来の半分に短縮できます」とリュー会長は声明で述べた。

Fiskerによると、同社の初のEVであり、受託製造メーカーのMagna(マグナ)が製造するとされるSUV「Ocean(オーシャン)」の生産は2022年の第4四半期に開始されるという。同社は、2021年後半にはOceanの生産段階のプロトタイプを発表する予定だと述べている。

Foxconnが電気自動車製造に参戦するのは、これが初めてではない。

Foxconnは2020年1月、Fiat Chrysler Automobiles(FCA、フィアット・クライスラー・オートモービルズ)と合弁会社を設立し、中国で電気自動車を製造することを発表した。その契約の下で、各当事者はベンチャーの50%を所有し、電気自動車の開発と製造を行い、Foxconnの親会社であるHon Hai(鴻海)が「クルマのインターネット(Internet of vehicles、IOV)」と呼ぶ事業に従事する。

そして2021年1月、Foxconnと中国の自動車メーカーであるZhejiang Geely Holding Group(浙江吉利控股集団、チョーチアン・ギーリー・ホールディング・グループ)は、自動車メーカー向けの受託製造に特化した合弁会社を設立することで合意している。

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FoxconnとGeelyの合弁会社は、自動車メーカーやライドシェア企業に対して、車両全体、部品、インテリジェントドライブシステムなどの、自動車エコシステムプラットフォームに関するコンサルティングサービスを提供していく。Geelyは自動車分野での設計、エンジニアリング、研究開発、インテリジェント製造、サプライチェーンマネジメント、品質管理などの経験を提供し、一方Foxconnは製造とICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)のノウハウを提供するという。

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タグ:Foxconn Technology Group電気自動車Fisker

画像クレジット:Fisker Inc.

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)