クアルコムとTrimble、AndroidのGPS誤差を1m程度まで向上させる技術Trimble RTXを2022年第2四半期より提供開始

クアルコムとTrimble、AndroidのGPS誤差を1m程度に向上させる技術Trimble RTXを2022年第2四半期より提供開始

Trimble

クアルコムは、Snapdragon 8 Gen 1およびSnapdragon 888を搭載するモバイル端末向け位置情報技術”Trimble RTX”を今年第2四半期より提供開始すると発表しました。

Trimble社とクアルコムは、Trimble RTXのサービスプラットフォームを使用することで当該SoCを搭載するAndroidの位置情報の精度をこれまでの5倍に向上させることができ、モバイル機器の位置情報の精度が誤差が1m程度にまで向上すると主張しています。スマートフォンやモバイル端末の位置情報が正確になることで、サービスプロバイダーや開発者らはアプリケーションやサービス内でこれまでよりも正確な位置情報を利用できるようになります。

具体的に使用例を考えれば、たとえばカーナビゲーションシステムにおいて自車が走行しているレーンをイメージセンサーなどを使わずとも位置情報で自動的に判定し、車線変更などをドライバーに指示できるようになるかもしれません。実際、Trimbleとクアルコムは自動車OEM企業やそのTier 1サプライヤーにパートナーシップを拡大し、この高度な位置情報技術や自動運転要技術を活用する予定だとGSMArenaは報じています。

ただ、既存のスマートフォンが、この技術でより正確な位置情報を利用できるようになるかTrimbleもクアルコムも明確に回答していません。ユーザーが肌身離さず持ち歩くスマートフォンの位置情報は、あまり正確になりすぎるとかえってプライバシーに関する問題が発生する可能性があります。トイレに入っているときに、スマートフォンの画面にトイレットペーパーや生理用品の広告が表示されたら、喜ぶよりゾッとする人の方が多そうです。位置情報の利用をアプリやシステム単位でオン/オフしたり、履歴をユーザーが削除できるようになれば良いかもしれないものの、それはOSやアプリ開発者側の対応次第です。

(Source:PRNewswire。Via GSMArenaEngadget日本版より転載)

電動スクーターの歩道走行といった危険運転を自動で禁じるテクノロジーをSuperpedestrianがまもなく実装

電動スクーターシェアリングのSuperpedestrian(スーパーペデストリアン)が、「Pedestrian Defense」(「歩行者を守る」の意)という安全システムを大規模に導入する準備を進めている。このシステムは、歩道走行や一方通行を逆方向に走っているといった危険な走行を電動スクーターがリアルタイムで検知し、修正できるようにするものだ。SuperpedestrianはPedestrian Defenseを装備した新しいスクーターを開発し、2022年中に米国とヨーロッパの25都市に展開することを目指している。同社によれば、春の早い時期までに米国と英国の歩行者の多い都市に最初に導入するとしている。

Superpedestrianは2021年7月に、精密なGPS位置情報を使ってマイクロモビリティ事業者が車両の位置を特定しリアルタイムで動きを修正するスタートアップのNavmatic(ナヴマティック)を買収した。その買収以降、Superpedestrianがこの新しいテクノロジーを市場に展開するのは、この計画が初となる。買収によりSuperpedestrianはNavmaticのソフトウェアを自社の安全システムであるVehicle Intelligence(「車両インテリジェンス」の意)に統合することができた。Vehicle Intelligenceは、危険運転の多くを制御して安全を守る機能を提供するためにAI、センサー、マイクロプロセッサを組み合わせたシステムで、危険運転の中には都市で最も嫌われる乗り方が含まれている。それは歩道の走行だ。

Superpedestrianの公共担当シニアディレクターのPaul White(ポール・ホワイト)氏はTechCrunchに対し「ニューヨークやシカゴと違ってもともと歩行者が多くない都市であっても、今は誰もが歩行者の優位性を理解しています。そのため、都市では歩道の走行をまったく認めないゼロ・トレランスのアプローチが望まれています。スクーターが歩道にあることが比較的確実にわかるというだけでは不十分です。我々はスクーターが常に適切な場所に存在するように介入し、制御したいのです」と述べた。

ホワイト氏によれば、Superpedestrianが新しい安全システムを導入する都市の多くはすでにパートナーになっているところだが、同社が獲得した、または獲得する予定の新たなパートナーもある。都市が提案を受ける際に、路上の歩行者を守るテクノロジーを実装するように企業に対して求める動きが始まっている。ホワイト氏は、例えばSuperpedestrianが現在獲得を目指しているサンディエゴとシカゴは制限が厳しくて事業者が少なく、両都市とも歩道走行禁止機能を重要な安全基準にしていると説明する。

SuperpedestrianはシリーズCで株式と債券によって1億2500万ドル(約143億2500万円)を調達しており、この資金で現在の車両の更新と新たな市場への拡大を実現する。このラウンドではJefferies、Antara Capital、Sony Innovation Fund by IGV(ソニーイノベーションファンド)、FM Capitalの他、これまでに支援してきたSpark Capital、General Catalyst、Citi(Citi Impact Fundを通じて)も投資した。Superpedestrianは債券の条件も、どの投資家が株式または債券に投資したかも明らかにしていない。

Superpedestrianは2020年12月に6000万ドル(約68億7600万円)を調達した。シリーズCはそれ以来の調達で、同社にとってこれまでで最大のラウンドだ。今回の資金は、Vehicle Intelligenceソフトウェアスタックの幅広い応用に関する研究開発にも使われる。ホワイト氏によれば、このソフトウェアスタックには小型の配達車両を運営するような輸送関連企業から関心が寄せられているという。

ホワイト氏は次のように述べた。「この機能は実際に都市と連携するスクーター事業を運営する上で極めて関心が高いというだけでなく、歩行者が多く密集している環境で運用されるあらゆる小型車両に関係するものです。歩行者の多い環境で人間のスケールに合わせたきめ細かい制御をすれば、歩行者のエクスペリエンスが損なわれることはありません。私は、このことが今回のラウンドで多くの参加と関心を集めたもう1つの理由であると考えています。このテクノロジーは我々のコアであるスクーター事業に寄与しますが、それだけではなく、同様の課題に取り組んでいる、あるいは自転車用レーンをふさいだり貴重な歩行者用スペースに侵入したりしないようにしたいというあらゆる小型車両にも関連するものだからです」。

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画像クレジット:Superpedestrian

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Kaori Koyama)

ソニーSpresense向けのアドオンボード「SPRESENSE用ELTRESアドオンボード」をスイッチサイエンスが販売中

ソニーSpresense向けのアドオンボード「SPRESENSE用ELTRESアドオンボード」をスイッチサイエンスが販売中

スイッチサイエンスは1月20日、LPWAとGNSSアンテナコネクターを実装した「SPRESENSE用ELTRESアドオンボード」の販売を同社ウェブショップで開始した。直販価格は1万2650円(税込)。

また同製品は、通信に必要なアンテナ(別売)を組み合わせ、ELTRES通信機能を搭載したエッジAIユニットとして利用可能。LPWA用「SPRESENSE用ELTRESアドオンボード対応 LPWAアンテナ」、GNSS用「uFL接続 15mm GPS用アンテナ」の2種類を用意している。直販価格は、LPWAアンテナが770円(税込)、GPS用アンテナは616円(税込)。

画像左が「SPRESENSE用ELTRESアドオンボード対応 LPWAアンテナ」、画像右は「uFL接続 15mm GPS用アンテナ」

画像左が「SPRESENSE用ELTRESアドオンボード対応 LPWAアンテナ」、画像右は「uFL接続 15mm GPS用アンテナ」

SPRESENSE用ELTRESアドオンボードは、ソニーセミコンダクタソリューションズが開発したIoT用ボードコンピューター「Spresense」(スプレッセンス。別売)に追加して使用する拡張ボード。最大4カ月のELTRES回線とデータ解析ツール(CLIP Viewer Lite)が付属している。ELTRESは、ソニーセミコンダクターソリューションズが開発した、長距離安定通信・高速移動体通信・低消費電力という特徴を備えるLPWA(Low Power Wide Area)の無線通信規格。ソニーSpresense向けのアドオンボード「SPRESENSE用ELTRESアドオンボード」をスイッチサイエンスが販売中ソニーSpresense向けのアドオンボード「SPRESENSE用ELTRESアドオンボード」をスイッチサイエンスが販売中

ELTRES回線とデータ解析ツール(CLIP Viewer Lite)利用料

  • 最大4カ月無料(ELTRES通信間隔:1分)
  • 別途1年間の契約により、通信間隔を1分と3分から選択可能(税込)
    ・初期登録料 1分間隔:5940円、3分間隔:4752円
    ・年間利用料 1分間隔:3960円、3分間隔:2178円

データ解析ツール(CLIP Viewer Lite)機能

  • 時系列のデータ閲覧
  • 制御用ドライバーやサンプルソースのダウンロード
  • APIによるアプリケーション連携

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

オーストリアのペット用品・アプリ開発メーカーのTractiveは1月12日、日本市場への正式参入を発表した。ペットの位置情報をほぼリアルタイムで追跡可能な「Tractive 犬用GPSトラッカー」(Android版iOS版)が日本で販売開始となった。また従来版より小型の猫専用トラッカーの準備を別途進めており、日本でも販売予定という。

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

Tractive GPSトラッカーは、本体をペットの首輪に取り付けることでペットの位置情報を追跡し、PCやスマートフォンで確認できるサービス。自宅の庭などを安全圏として指定し、指定した範囲からペットが出た際、また安全圏に戻った際に通知する「バーチャルフェンス機能」、ペットが動いている時間・休憩時間・カロリー消費量を記録して健康管理に活用できる「身体活動モニター機能」、2~3秒ごとに位置情報を更新することで、走って逃げている場合の正確な位置情報が把握できる「ライブトラッキング機能」などを搭載。現在150カ国以上での利用が可能で、欧米を中心とする50万人以上のペットオーナーに愛用されている。

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

Tractiveは今回の日本参入にあたり、まずは犬用GPSトラッカーの販売をAmazon.JPで開始している(Amazon.JP tractiveストア)。本体サイズは約71.4×28.0×17.5mmで、重量35g。4kg以上の愛犬であれば負荷なく利用できるという。バッテリー駆動時間は最長で7日間、通常トラッキング利用時は平均5日程度としている。

またトラッカー本体の価格は6900円(税込)。利用料金は、月額プラン1199円、1年プラン7499円(625円/月)、2年プラン1万1999円(499円/月)。日本語対応のカスタマーサービスの提供も開始している。

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

まるで畑のルンバ!? 作業状況をスマホで確認できる自律制御型電動トラクターDeer 8Rが2022年後半に市場投入

まさに畑のルンバ!? 作業状況をスマホで確認できる自律制御型電動トラクターDeer 8Rが2022年後半に市場投入

John Deere

米国の農機ブランド「ジョン・ディア」が、自律制御型電動トラクターの市販に向けた量産に入る予定だと発表しました。Deere 8Rと称するそのトラクターは2022年後半に市場投入される計画です。

農業機器の自動運転化は、農作業人口の減少への対策として各社研究を進めており、日本メーカーでもヤンマーやクボタ、井関農機などがトラクターのほか田植え機などの開発を行っています。テレビドラマ『下町ロケット』にも、クボタ製の自動運転トラクターが登場していました。

ディア・アンド・カンパニーのブランド、ジョン・ディアも早くから自律制御農機の開発を手がけておりトラクターだけでなくコンバイン、田植機、自走式ハーベスターといった機器に自動操舵システムを開発、GPSやAI制御を取り入れた製品開発をしてきました。

今回生産開始が伝えられた「Deere 8R」は、完全自律型トラクターとして開発されており、運転席はあるものの人が乗る必要はありません。トラクターは牽引車部分だけで、これに「チゼルプラウ」と呼ばれる部分を取り付けて畑を耕します。

農作業員は、畑にこのDeere 8Rを配置して必要な器具の取り付けなどを済ませれば、あとはタブレットやスマートフォンのスワイプひとつで指定した畑を自動的にすべて耕せます。その進行状況はやはりタブレットなどで随時確認可能。本体のカメラ映像をリアルタイムで確認したり、各種パラメーターを表示し、必要なら爪で掘り起こす深さや走行速度を変更することもできます。

本体には6ペアのステレオカメラとその映像を分析するローカルニューラルネットワークが搭載され、畑に存在する物体を認識します。また自機の位置はGPS信号によって把握し、あらかじめ設定したジオフェンスによってその行動範囲を制限します。

このような自律制御型の農機具は今後、高齢化や人口減少が予想される農業分野では間違いなく普及していくことでしょう。

(Source:John DeereEngadget日本版より転載)

Birdスクーターが危険な歩道走行を正確に検知し、ゆっくり停止させる新機能を発表

共有型マイクロモビリティを運営するBird(バード)は、スクーターのADAS(先進運転支援システム)化に乗り出した。Birdは、3年間の研究を経て、スクーターの歩道走行を検知し、ゆっくりと停止させることができる新技術を発表した。

この新技術は、現在、ミルウォーキーとサンディエゴで数百台のスクーターに搭載して試験的に運用されており、2022年初頭にはマドリッド、さらに数カ月後には世界の他の都市にも導入される予定だ。Birdのチーフ・ビークル・オフィサーであるScott Rushforth(スコット・ラッシュフォース)氏は、すべての新車にこの技術が搭載されることになり、現在から2022年初めにかけて「数万台から数十万台」の歩道検知機能付き車両が製造ラインから出荷されるだろうと述べている。

この新機能は、世界中の都市で最も不愉快で危険な、共有型マイクロモビリティの問題を解決するために設計されたもので、無線半導体や高精度測位モジュールを製造するスイスのu-blox(ユーブロックス)との提携により実現した。Birdによると、両社は共同でu-bloxのZED-F9Rモジュールの独自バージョンを開発し、特に共有型マイクロモビリティ業界のニーズに合わせて調整が施されたという。

ラッシュフォース氏はTechCrunchの取材に対し「このモジュールはGPSセンサーからの入力情報を用います。またデュアルバンドのGPSセンサーを使用しているため、GPSの中でも最も優れた性能を誇ります。その上に加えたのがRTKと呼ばれるシステムで、これはリアルタイムキネマティクス(real-time kinematics)の略です。さらにその上に、センサーフュージョンを用いたシステムを追加しました。このシステムは、車輪の移動距離やスクーターが傾いている角度など、車両自体からのデータだけでなく、これらすべてのデータを取得し、GPSの位置情報と融合させることで、GPS信号がうまく機能しない場合でも、車両の位置を極めて正確に把握することができるのです」と語っている。

歩道を走っているライダーは、モバイルアプリケーションと新しい16ビットのカラーディスプレイを介して、違反行為を音声と映像で警告されることとなり、その後スクーターはスロットルを外してスムーズに停止する仕様だ。

Birdは、2019年からさまざまな歩道検知技術を検討してきたというが、それは決してBirdだけではなかった。マイクロモビリティのライダーアシスタンスシステムの世界では、2つのグループがあるようだ。1つ目のグループは、超精密な測位とセンサーフュージョンに頼って、悪質な乗車行動を検出し、それをリアルタイムで修正する技術に頼るグループだ。Superpedestrian(スーパーペデストリアン)は最近Navmatic(ナブマティック)を買収し、同社の代表的なソフトウェアを同様の方法で活用している。

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もう一方のグループでは、Spin(スピン)Voi(ボイ)、そして最近ではHelbiz(ヘルビズ)などが、Drover AI(ドローバーAI)やLuna(ルナ)などのスタートアップと協力して、歩道や自転車レーン、歩行者などを検知するカメラを搭載している。

コンピュータビジョン企業は、位置情報を利用したスクーターのADASは、都市の峡谷や地下駐車場のようなGPSのない場所では役に立たないとしばしば主張してきたが、ラッシュフォース氏はその主張に反対している。同氏によると、u-bloxのモジュールは進化したデッドレコニング(推測航法)機能を搭載しているという。これは、基本的には以前にとらえた位置を使用して移動体の現在の位置を計算するプロセスだ。GPSが出発点となる可能性が高いため、車両が衛星の受信を完全に失った場合でも、他のセンサーに頼って、どの方向にどれだけ進んだかを判断することができる。

Birdによると、このモジュールは、車輪の速度、加速度、空間的な方向性、運動学などのデータを処理し、それらを融合することで「恐ろしいほど正確な」位置情報とセンチメートルレベルのマッピングを導き出すそうだ。これらの情報は、車両の回路基板を経由して、同社独自のOSであるBird OSに送られ、Bird OSがデータをどう扱うかを判断する。

これにより、Birdの車両は、市が定めたエリア内に正確に留まることができるだけでなく、高い位置精度を持つことで、関連するさまざまな他の機能にも対応することができる。

「もし、このような追加技術なしで、GPSだけでエリアにいると、駐車場の外にいるのに、車両はその中にいると認識してしまうかもしれません。だからこそ、このように高い精度が得られれば、駐車場での体験が確実に向上するはずです」とラッシュフォース氏はいう。

また、マイクロモビリティ企業の最大のコストの1つであるオペレーションも、車両の位置を正確に把握することで、ゴミ箱の後ろに隠れているかもしれない車両を探す時間や、GPSでは北西に位置しているのに実際には南西の角に位置しているかもしれない車両を探す時間を削減することができ、大きなメリットを得ることができるだろう。

「車両の位置を正確に把握することで、我々のビジネス全体が測定可能な形で改善されると言っても過言ではありません」とラッシュフォース氏は語る。

Birdによると、カメラを使ったものやウルトラワイドバンド(無線技術の一種で、短距離・広帯域の無線通信を行う)など、いくつかのソリューションも検討したが、拡張性の点でこのソリューションが最適であると判断したという。

ラッシュフォース氏は「これで、あまり訓練をしなくても済むソリューションができました。バックエンド側で歩道の位置データを表示するだけで、すぐに拡張することができ、1台あたり10~12ドル(約1100〜1300円)程度の追加費用で済みます」。と語る。

一方、カメラを使ったソリューションでは、ハードウェアとサービスのコストが車両1台あたり約200ドル(約2万2000円)になり、時間の経過とともに1台あたり80ドル(約9000円)まで落とせる可能性はあるが、利益を上げる方法をまだ見いだせていないビジネスにとっては、かなりの金額だ。

「もし私が未来を読める水晶玉を持っているとしたら、今後24カ月の間に誰もがこの方法を真似するだろうというと思いますよ。費用対効果を考えれば、これしかありませんから」とラッシュフォード氏は語っている。

画像クレジット:Bird

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Akihito Mizukoshi)

GPSのような月面ナビネットワークをマステン・スペース・システムズが開発中

2023年に月面に着陸機を送ることを目指しているスタートアップ企業のMasten Space Systems(マステン・スペース・システムズ)は、地球におけるGPSのような、月面でナビゲーションとポジショニングを行うシステムを開発する。

このシステムの試作機は、Air Force Research Laboratory(米空軍研究所)のAFWERXプログラムを通じてMastenが受注した契約の一環として開発されており、実用化されたら人類初の地球外ナビゲーションシステムとなる。

これまで月に向かう宇宙船には、危険を検知してナビゲーションを補助する機器が搭載されていた。共通のナビゲーションネットワークが確立されていないことも、ある程度は納得できる。人類が月面に着陸したことは数えるほどしかなく、無人探査機の着陸は何度も行われているものの、未だ月面ミッションが定期的に行われるようになったわけではないからだ。

しかし、SpaceX(スペースX)のような企業による打ち上げ技術の革新もあって、軌道やそれより先へ行くためのコストが劇的に減少しているため、宇宙はもっとにぎやかになりそうだ。多くの民間企業や国の宇宙部門が、特に月に狙いを定めている。Mastenもその1つであり、同社は月の南極にあるHaworth Crater(ハワース・クレーター)付近のサイトにペイロードを届ける業者としてNASAに選ばれた。当初2022年12月に予定されていたそのミッションは、2023年11月に延期されている。

関連記事:SpaceXが2022年にMasten製の月面着陸機「XL-1」を初打ち上げへ、月の南極点へペイロード運ぶ

他の組織も月へ行くことを目指している。その中で最大規模のものは、2024年に2人の宇宙飛行士を月面に送るNASAの「Artemis(アルテミス)」計画だ。このようなミッションは、今後数十年の間にさらに増えていくことが予想されるため、共通のナビゲーションネットワークが必要になってくる。

「地球と違って、月にはGPSが展開されていないため、月宇宙船や軌道上の機器は、基本的に暗闇の中で運用されています」と、Mastenの研究開発担当バイスプレジデントであるMatthew Kuhns(マシュー・クーンズ)氏は声明の中で説明している。

このシステムは次のような仕組みになっている。まず、宇宙船が月面にPNT(ポジショニング、ナビゲーティング、タイミング)ビーコンを展開する。PNTビーコンによって、無線信号を放送する地表ベースのネットワークが構築される。宇宙船や他の軌道上の機器は、このネットワークに無線で接続し、ナビゲーション、タイミング、位置追跡の情報を取得する。

画像クレジット:Masten Space Systems

Mastenはすでに、PNTビーコンのコンセプトデザインを完成させるというプロジェクトのフェーズIを終えている。しかし、技術的な課題の多くは、PNTビーコンを開発するフェーズIIで直面することが予想される。ビーコンは月の過酷な環境に耐えなければならないため、Mastenは防衛・技術会社のLeidos(レイドス)と提携し、衝撃に強いビーコンの筐体を作ることにした。フェーズIIは2023年の完了を目指している。

「月面における共有ナビゲーションネットワークを構築することで、宇宙船のコストを数百万ドル(数億円)削減し、ペイロードの容量を増やし、月面で最も資源の豊富な場所の近くに着陸する精度を向上させることができるようになります」とクーンズ氏は述べている。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Masten Space SystemsGPSアルテミス計画宇宙船

画像クレジット:Masten Space Systems

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GPSで迷子の犬や猫をトラッキングする「Tractive」がオーストリアから米国へ進出

犬や猫といったペットの行方を追跡するスタートアップに米国時間5月26日は、またまた大きな投資があった。オーストリアのTractiveが、Guidepost Growth EquityがリードするシリーズAで3500万ドル(約38億2000万円)を調達した。GPSを利用したペットトラッカーを開発する同社が創業したばかりの2013年以来の資金調達となる。

今回の資金調達で同社は、米国への本格的な進出を発表した。実は同社のLTEトラッカーは2020年夏に米国でも発売されたため「ソフトローンチ」は済んでいる。これまでオフィシャルな発表は何もなかったが、米国はこの製品にとって最速の成長市場になったようだ(訳注:米Amazonに多数のレビューがある)。

資金は米国を含む北米市場への拡張に向けられるが、企業の規模拡大や人員確保にも使われる予定だ。人員確保に関しては、同社はすでに北米地区担当の上級副社長とマーケティング担当副社長を任命している。

共同創業者でCEOのMichael Hurnaus(マイケル・ハーナウス)氏が、プレスリリースで次のように述べている。「Tractiveは、あなたの犬や猫のためのシートベルトのようなものです。どんなときでも、どんな場所でも役に立ちます。ペットの飼い主のみなさんの、犬や猫に対する愛情にふさわしい性能を実現しているため、Tractiveは最新の情報による最良の体験をユーザーにお届けします。仮想フェンスを設定することで日常の監視にも役に立つし、カロリー測定による肥満防止や、迷子になった犬や猫の発見も可能です」。

同社のもう1つのニュースは、新製品としてバッテリー寿命を長くしたバージョンの登場だ。Wi-Fiを使うことで、犬が家にいるときにはバッテリーへの負荷を下げる。それにより、バッテリーの寿命は旧バージョンの5倍になったという。本体価格は米国で50ドル(約5450円)、アプリは月額の会費を払う。

2021年2月には、ペット用スマート首輪のFiが3000万ドル(約32億7000万円)のシリーズBを発表している。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:TractiveペットオーストリアGPSトラッカー資金調達

画像クレジット:Tractive

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

強力なL5バンドを使う次世代GPS対応の低コスト省エネ型チップ開発のOneNavが22.8億円調達、米政府系企業と開発契約

GPSは、エンドユーザーは簡単に使えるが、それを設計するエンジニアにとっては課題が果てしないSF的なテクノロジーの1つだ。今やGPSは現代人の生活の中核にあり、Amazonの荷物の配達から、クルマやトラックの運転、国立公園で行なうトレッキングまで、私たちは数メートルの精度で監視する地図上のピンに依存している。

誕生から数十年も経ったGPSの技術は、現在、待望の近代化が進められている。米国やヨーロッパ、中国、日本などは、L5バンド(1176MHz)と呼ばれる強力な信号を使える新世代のGNSS衛星を設置してきた(GNSSは、米国の規格であるGPSなどを含む衛星航法システムの総称)。そのため第1世代のL1バンドの衛星と違って、もっと正確な地図上の位置を指し示すことができ、特に都市部など正確な見通し線が得ることが難しい場所で役に立つ。米国政府の説明によると、L5は「安全な輸送やその他の高性能なアプリケーションの厳しい要求を満たす」よう設計されている。

衛星を軌道上に打ち上げるのは比較的簡単でも、それらの信号をスキャンして座標を三角法で求める電力効率の良いチップを作るのは難しい。これまでチップのメーカーは、L1とL5の両方を同時に取り出すハイブリッドなチップを開発してきた。Broadcomは最近、同社のハイブリッドチップの第2世代機を発表した

しかしここでご紹介するOneNavは、製品の設計に関してまったく違う意見を持ち、そのことを社名でも表現している。同社は新旧の信号が混在するハイブリッドチップを避け、1つのチップがL5の単一バンドをモニターする低コストで省エネ型のデバイスを開発しようとしている。つまり社名は、1つの(one)航法(nav)で十分、ということなのだ。

同社は米国時間5月20日、Googleの親会社Alphabetのファンドだけで運用されているVCであるGVのパートナーKarim Faris(カリム・ファリス)氏がリードするシリーズBのラウンドで、2100万ドル(約22億8000万円)を調達したことを発表した。その他の投資家は、前のラウンドで投資したNorwestのMatthew Howard(マシュー・ハワード)氏とGSR Venturesだ。2年前に創業したOneNavの総調達額は、これで3300万ドル(約35億9000万円)になる。

CEOで共同創業者のSteve Poizner(スティーブ・ポイズナー)氏は、測位ビジネスの古顔だ。彼の前の企業SnapTrackは、GPSを利用するモバイルデバイス用の位置技術で、それはドットコムバブルの最盛期だった2000年の3月にQualcommが10億ドル(約1087億5000万円)の株式払いで買収した。共同創業者でOneNavのCTOであるPaul McBurney(ポール・マクバーニー)氏も、やはりGNSSの世界で数十年を過ごし、彼のLinkedInのプロフィールによると、最近までAppleに在籍していた。

OneNavのCEOで共同創業者のスティーブ・ポイズナー氏(2009年撮影、画像クレジット:David McNew/Getty Images)

L5バンドの衛星が最近特に話題になってきたので、彼らは起業のチャンスだと考えた。市場とL5技術の現状を見ると、他社よりも先を進み、レガシーなGPS技術を捨てるべきだと考えられた。その彼らの方針によって、同社のチップは「サイズは旧システムの半分と小さいが信頼性と性能はずっと高い」とポイズナー氏は主張する。それにより「位置技術をもっと多くの製品に導入したい」という。

彼は、GPSのアップグレードとワイヤレスのアップグレードを比較して、次のように語る。「L5の衛星があればL1の衛星はもう必要ありません。しかし5Gでは、依然として4Gが必要です」。L5バンドのGPSは、それまでのGPSにできたことをすべて、もっと良くできる。一方ワイヤレスの技術では、新技術が旧技術を補完する形でピーク時性能を提供する場合が多い。

ただし、米国政府はL5の信号をまだ「運用前」だと考えている。なしている。米国のGPSシステムはわずか16基の衛星が信号をブロードキャストしているが、2020年代中に目標の24基になる。しかしその他の国々もL5のGNSS衛星を展開しているため、米国政府の見方では未然形でも、消費者にとっては現状でも十分かもしれない。

ポイズナー氏によると、OneNavの目標は「GNSS分野のArm」になることだ。世界中ほとんどすべてのモバイルデバイスがArmの設計によるチップを使っているように、OneNavはL5バンドGPSチップのさまざまな設計を行い、それを他のさまざまなメーカーの製品がSoCとして組み込む。そしてそれによって「彼らのシリコンをベースとするハイパフォーマンスな位置エンジンを、彼ら自身の製品に組み込めるようになる」。

本日の同社発表によると、OneNavによる設計の最初の顧客は、米国の諜報分野のベンチャーキャピタルで事業開発団体でもあるIn-Q-Telだ。同社は曰く「今や弊社は米国の政府機関と開発契約を結んだ」という。ただし同社の顧客評価部門は2021年末ごろに完了し、OneNavの技術が実際にエンドユーザーのデバイスに搭載されるのは2022年後期だ。

位置追跡は今やベンチャーキャピタルの大きな投資対象分野であり、GPSの外縁に多様な技術の企業が群がって、GPSに欠けてい細部的技術や機能性を提供している。ポイズナー氏によると、OneNavで開発しているものに対しても、それを補完する技術として、そういう多様な周辺的技術が育つことを期待したいという。「GPSがもっと良くなれば、そういった拡張的システムに対するプレッシャーも少なくなります。ただし、マンハッタンのダウンタウンや地下鉄の中など、GPSが使えない場所は依然として残るでしょう」とポイズナー氏は語る。

ポイズナー氏にとっては、起業家精神へのささやかな復帰だ。OneNav以前の彼は、カリフォルニア州の政治に深く関係していた。SnapTrackをQualcommに売却した数年後に、彼は州議会議員になろうとして失敗した。しかし以前の、Arnold Schwarzenegger(アーノルド・シュワルツェネッガー)知事のときには、2007年に州の保険庁長官に選挙で選ばれた。2010年には知事に立候補したが、共和党の予備選で、長年eBayのトップだったMeg Whitman(メグ・ホイットマン)氏に負けた。2018年には無所属で、州保険庁長官の座を再び狙ったが、負けた。

OneNavはパロアルトに本社があり、30名ほどの社員がいる。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:OneNavGPS

画像クレジット:GPS.gov / U.S. Government

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(文:Danny Crichton、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米運輸省が政府GPSを置き換えられるか11社を評価、全ユースケースに対応できたのは1社だけ

米国防総省によって運営されている米国のGPSシステムは、ポジショニング・ナビゲーション・タイミング(PNT)として知られているものに関し、我々一人ひとりに重要なインフラストラクチャを提供している。ポジショニングとナビゲーションは地図アプリを開くたびに明らかだが、タイミングもGPSの重要な機能だ。これにより、スマートフォンやデバイスに精密なタイミングが提供され、計算プロセスが正確に同期されるようになる。

経済のより大部分がこれらのシステムに依存するようになり、GPSスプーフィングを通じてますますハッカーのターゲットとなってきている政府は、このセクターのさらなる冗長性と回復力を目指しており、GPSシステムの一部を増強またはバックアップするために商業的な代替手段を使用することを検討してきた。

米運輸省は、2018年度の国防承認法案に追加された議会の委任に基づき、既存のインフラのバックアップとして機能する可能性のある、政府所有・運営のGPSに代わる商業的な代替案の包括的な評価を行った。

この調査で検討された11社の中には、2019年に2600万ドル(約27億円)のラウンド資金を調達したSatelles、1年前のFortressからの出資1億2000万ドル(約124億6000万円)を含む総額3億ドル(約311億5000万円)近くの資金調達を行ったNextNav、Crunchbaseによると2020年に小規模なシードラウンドを調達したHellen Systemsなど、著名なポジショニングスタートアップが多数含まれていた。

457ページにわたる、異なるPNTプラットフォームを評価するために研究者グループが検討した14の基準をすべて含めた米運輸省の完全なレポートは、こちらで読むことができる。

概要としては、性能やコストに大きな差はあるものの、GPSの妥当なバックアップ機能を提供している会社は複数存在するということだ。研究者らによると、「すべて(の技術準備レベル)を満たしたベンダーは、少なくともいくつかのPNTのパフォーマンスに価値があることを実証したが、ベンダーの中でNextNav1社だけが、すべての適用可能なユースケースシナリオでパフォーマンスを実証した」と述べている。

さらに米運輸省の研究者らは「どのシステムも、GPSとその拡張機能によって提供されるポジショニング・ナビゲーションを万能にバックアップすることはできない」と述べている。GPSが満たす幅広いニーズを考慮して、彼らは「多種多様なポジショニング・ナビゲーション技術」を使用して、このインフラに冗長性と回復力を加えることを推奨している。

最後に、コストの決定は非常に複雑であることに変わりはない。異なるポジショニングシステムの動作方法を考えると、各システムの固定費と変動費は、希望するカバーエリアと必要な送信機密度に大きく依存する。研究者らは、初期の見識を提供する初期データをいくつか提供しているが、異なるシステムの費用対効果について、明確な意見を出すことはできなかった。

GPSの重要性と企業や政府が信頼性の高い代替手段を求めていることから、近年、VCはPNT分野に多額の資金を投じている。今回、機能性と実用性の点で、どのベンダーが潜在的に勢いがあるかについて、いくつかのハードデータが出てきたといえる。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:GPS

画像クレジット:MR.Cole_Photographer / Getty Images

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(翻訳:Nakazato)

ガーミンがSuica決済対応GPSスマートウォッチ「VENU SQ」発表、水中対応光学式心拍計も搭載

ガーミンがSuica決済対応GPSスマートウォッチ「VENU SQ」発表、水中対応光学式心拍計も搭載

ガーミンジャパン(Garmin)は11月19日、タッチスクリーン型GPSスマートウォッチ「VENU」(ヴェニュー)シリーズ新製品として、Suica決済対応エントリーモデル「VENU SQ」(ヴェニュー エスキュー)、「VENU SQ Music」(ヴェニュー エスキュー ミュージック)を発表した。VENU SQの価格は税抜2万4800円、VENU SQ Musicは2万8800円。予約受付開始は11月26日から。発売は12月3日予定。

VENU SQ(Shadow Gray/Slate、Orchid/Metallic Orchid、White/Light Gold)

VENU SQ(Shadow Gray/Slate、Orchid/Metallic Orchid、White/Light Gold)

VENU SQ Music(Black/Slate、Light Sand/Rose Gold、Navy/Light Gold、Moss/Slate)

VENU SQ Music(Black/Slate、Light Sand/Rose Gold、Navy/Light Gold、Moss/Slate)

VENU SQシリーズは、ウェルネスライフに欠かせないヘルスモニタリングやフィットネス機能に加え、通知機能やSuica対応のキャッシュレス決済機能などを採用したGPS搭載スマートウォッチのエントリーモデル。サイズは40.6×37.0×11.5mmで、重量37.6g。240×240ピクセルの1.3インチディスプレイ搭載。

スマート機能では、電話・メール受信など基本機能だけでなく、キャッシュレス決済機能としてGarmin Payに加え交通系ICカード「Suica」もサポート。iOS、Android対応。低バッテリー時でもSuicaが利用できるNFCモードも搭載している。

ヘルスケアをサポートするモニタリング機能では、水中対応光学式心拍計を軸として、心拍数や呼吸数、睡眠、水分補給、生理周期、Garmin独自のカラダのエネルギーレベルの指標Body Battery、歩数など、健康管理に関連する様々なデータのトラッキングが可能。心拍数は水中での計測も可能で、入浴時やウォーターアクティビティ時もモニタリングできる。

また、GPS機能による移動距離・スピードなどスポーツ時の各種計測に加え、ランニング、サイクリング、ブレスワーク、水泳、ゴルフなど20種類以上のスポーツアプリを搭載。有酸素運動、ヨガ、筋トレ、ピラティスなどプリロードされたワークアウトを使用して独自のワークアウトを作成することも可能。特定の活動中に事故を検知すると、登録された緊急連絡先にアラートを送信する救助要請機能も設定できる(Bluetooth対応スマートフォンとの接続が必要)。

音楽再生機能は、複数のストリーミングアプリに対応(VENU SQ Musicのみ)。Spotify、Amazon Music、LINE Musicなどのストリーミング配信サービスのプレイリストを含め、楽曲を時計にダウンロードできる。最大500曲の音楽ファイルをデバイスに直接保存可能。衛星受信機能としては、GPS/GLONASS/GALILEO/みちびき(補完信号)をサポート(マルチGNSS)。

バッテリー駆動時間は、スマートウォッチモード:約6日間、GPSモード:約14時間、GPS+音楽モード(VENU SQ Musicのみ):約6時間。防水機能は5ATM(50m防水)。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Garmin(企業)ガジェット(用語)GPS(用語)Suicaスマートウォッチ(製品・サービス)日本(国・地域)

モータースポーツのラップタイム短縮を目指すGarminの新しいGPSユニット

米国時間9月3日、Garminはモータースポーツに特化した999ドル(約10万6000円)のGPSユニット、Garmin Catalystを発表した。このユニットはモータースポーツのコーチのような存在になることを意図していて、ラップタイムの短縮などに役立つ。ほとんどの車にGPSユニットが搭載されているいま、さまざまな市場を探っているGarminの最新の試みだ。

標準的なGPSユニットと同様にCatalystは車のフロント部分に取り付け、ドライバーに詳しいマップを示す。ただしトラックを周回するレース用なので、経路を示すのではなく、音声によるコーチングとドライバーのパフォーマンスに関する詳細な分析を提供するようだ。

GarminプロダクトマネージャーのAdam Spence(アダム・スペンス)氏は「(Catalystは)データメトリクスを集め、ラップをスムーズに回れる位置をつないで最も速く走れるレーシングラインを作成する。これにより、実際に走ったラインに基づいて最も速く走った場合のタイムをユーザーに示し、最速タイムのラップを実際に達成できるようにする」と説明する。

このGPSユニットはさまざまなセンサーやコンポーネントを使ってトラック上のレーシングラインを生成する。1080pのビデオを撮影し、ユニット上でスピードやラップのデータなどのトラックデータと重ねて再生できるカメラなどが使われている。

ドライブ中、Catalystはそれまでのラップに基づいてドライバーにその時々に応じた指示を出すことができ、カーブのイン、エイペックス、アウトのタイミングのほか、必要な場合にはブレーキングのデータも示せるとのことだ。こうした情報は互換性のあるヘッドセットまたはBluetooth接続のカーステレオで再生できる。

データとトラックの情報は、ユニット自体に表示したり、モバイルデバイスやコンピュータに書き出したりすることができる。

このシステムは、GPSのノウハウをニッチな市場に提供しようとしているGarminの最新プロダクトだ。以前に同社は悪路を探索するような車両用として、同様のユニットであるOverlanderを発表した。写真を見る限り、OverlanderとCatalystのマウント部は同じで、Overlanderのほうが頑丈そうな感じではあるもののデザインも似ている。

  1. Catalyst_HR_1003.7

  2. Catalyst_HR_1002.4

  3. Catalyst_Adaptive_Coaching_0016

  4. Catalyst_VideoOverlays_0023

  5. Catalyst_TrueTrackPositioning_0017

  6. Catalyst_Track_Database_0015

  7. Catalyst_TrueOptimalLap

  8. Catalyst_HR_1000.17

  9. Catalyst_HR_1004.jpg

  10. Catalyst_HR_1005.jpg

  11. Catalyst_HR_1011

画像クレジット:Garmin

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

SpaceXがGPS III衛星打ち上げとブースター回収に成功

 

SpaceXはさきほど米国の新世代地球測位システムであるGPS III衛星の打ち上げに成功した。発注はGPSの管轄を米空軍から引き継いだ新設の宇宙軍だ。

打ち上げにはFalcon 9ロケットが使用された。1段目(ブースター)はSpaceXの工場で新規に製造されたもので初飛行だった。 今回はFalcon 9のブースターの回収も予定されている。2018年12月にSpaceXは最初のGPS IIIを打ち上げているが、このときはブースターは使い捨てだった。SpaceXでは「今回はブースター回収用燃料を残しながら本来のミッションを実行することができる」としている。

グッドニュースはSpaceXが今回のブースター回収に成功したことだ。正確に制御された減速噴射に成功し、大西洋を航行するドローン着陸船に無事着陸したことが確認されている。ブースターは整備され、将来のミッションで再利用されるはずだ。

宇宙軍によれば、今回打ち上げられたGPS衛星は世界の40億人のユーザーに影響を与えるような機能とセキュリティの改良が行われているという。この後、衛星は準静止軌道に入り、米国が運用している既存のGPS III衛星やそれ以前の世代のGPS衛星と連携して動作する。

SpaceXではフェアリング回収船のMs. TreeとMs. Chiefが(ネットによるキャッチではなく)海中からの引き上げを試みる。フェアリングも今後再利用される。

衛星の軌道投入には打上げから1時間半ほどかかるため、打ち上げそのものは成功しているが、打ち上げミッション全体の成否が確認されるまでにはもう少し時間が必要だ。新しい情報が入ればアップデートする。

【編集部追記】 SpaceXサイトのライブ中継によれば軌道投入は成功。今後運用試験と準天頂軌道への移動が行われる。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook