リファラル採用SaaSのMyRefer、タレント・アクイジションSaaS「MyTalent」のベータ版をリリース

リファラル採用プラットフォームを提供するMyReferは、欠員補充などの短期的な採用ニーズを充足させる短期的な「リクルーティング」ではなく、中長期を見据えて会社を成長させるために転職潜在層から優秀なタレントを持続可能に獲得する「タレント・アクイジション」を実現するHRX(Human Resource Transformation)構想を発表した。

第1弾として、採用候補者との「つながり」を管理することで、掛け捨て型の採用から積立型の採用活動に変えるタレント・アクイジションSaaS「MyTalent(マイタレント)」のβ版を本日、2022年2月7日より提供開始する。

MyTalentでは、採用候補者のタレントプール構築、アプローチ、持続可能な仕組み化までを一元管理。過去の採用候補者で当時見送りとなった人材、社員の紹介での候補者、退職社員、ホームページの問い合わせなどから登録があった人材など、あらゆる応募チャネルから形成されるタレントデータを蓄積する。また、採用サイトへの来訪やメール反応から興味スコアを自動計測したり、過去の辞退・不合格理由からメールテンプレートを設計、ファン度をもとに最適なスカウトメールを送信、採用率向上を目指すという。

人材情報を蓄積していくタレント・アクイジションの時代へ

海外のHR市場では、欠員補充などの短期的な採用ニーズを充足させるために人材紹介や求人広告から母集団を形成して選考する短期的なリクルーティングではなく、中長期を見据えて会社を成長させるために転職潜在層へ採用マーケティングを行い、優秀なタレントを持続可能に獲得するタレント・アクイジションの概念が一般化してきているという。

代表の鈴木貴史氏は「日本企業がより競争力を高めるには、人をベースに事業を作り、優秀なタレント人材を獲得することが最重要課題です。その上で企業成長を促進させるために、候補者を資産化して戦略的にタレントを獲得、育成する『タレント・アクイジション』へと変革していく必要性を感じ、本件のリリースに至りました」と語った。同社は、リファラル採用SaaS「MyRefer」、タレント・アクイジションSaaS「MyTalent」を皮切りに、戦略的採用マーケティングを支援するプラットフォーム構想を進めていくという。

「デスクを持たない労働力」管理HRプラットフォームのSnapshift、市場拡大に向け約51.9億円調達

このいわゆる「大量自主退職時代」には、多くの現場作業員(看護師、トラック運転手など)が新型コロナウイルス感染流行をきっかけに自分の生活を見直しており、その一方で旧来の企業はこの新しい世界秩序に苦心している。従業員はまた、より良いコミュニケーションも求めているため、このようなコミュニケーションをアプリ化することは理に適っている。

フランスを拠点とするSnapshift(スナップシフト)は、レストラン向けのスタッフ管理ウェブソリューションとしてスタートし、Bpifrance(ビーピーアイフランス、フランスの政府系投資銀行)とFemmes Business Angels(フェム・ビジネス・エンジェルズ)から390万ユーロ(約5億1000万円)の資金を調達した。しかし、この会社は明らかに賢いアイデアを思い付いていた。そしてそれは、私たちが今、生きている時代に合わせて作られたようなものだ。

今やこのHR(人的資源)プラットフォームは、いわゆる「デスクレスワークフォース(デスクを持たない労働力)」を管理するためのプラットフォームとして生まれ変わった。これは、かつてブルーカラーやフロントラインワーカーと呼ばれていた人々のことを指す今風の言葉である。

Snapshiftは今回、4500万ドル(約51億9000万円)のシリーズAグロースエクイティ資金を調達した。このラウンドはHighland Europe(ハイランド・ヨーロッパ)が主導し、既存投資家であるBpifranceとUL Invest(ULインベスト)も参加した。

Snapshiftは、2021年に同社のサービスに対する「大きな需要」があったことを受け、現在はSubway(サブウェイ)、Pizza Hut(ピザハット)、Spar(スパー)、Amorino(アモリーノ)、Biocoop(ビオコープ)、Fitness Park(フィットネスパーク)、Columbus Cafe(コロンブス・カフェ)、Carrefour(カルフール)など、6000社以上の顧客を抱えているという。

今回の資金調達は、欧州のレストラン、ホテル、小売業など、すべての中小企業にサービスを拡大するために使用される予定で、スペインが最初の国際ターゲット市場となる。

Snapshiftのオリジナル製品は、スタートアップ企業やレストランの起業家であるOlivier Severyns(オリヴィエ・セヴェリンス)氏が、自身のスタッフ当番表を管理するために作ったものだった。その後、同氏は他の企業向けにSnapshiftを起ち上げることを決めた。現在では70名以上の従業員を抱えているが、2022年には150名に増員することを目指している。

セヴェリンス氏は、次のように述べている。「私たちの使命は、中小企業が人事関連のあらゆる事柄を理解し、最適化するための支援をすることです。給与管理やスタッフのスケジュール管理を簡素化し、刻々と変化する社会法や雇用法などの複雑な問題についてガイダンスを提供します。Snapshiftの顧客の多くは、新型コロナウイルスが招いた持続的な人材確保の問題から影響を受けています。Snapshiftの製品によって、顧客は管理システムを近代化し、信頼と透明性を促進することで、従業員にとって『働きがいのある会社』にすることができるのです」。

Highland EuropeのパートナーであるJean Tardy-Joubert(ジャン・タルディ・ジュベール)氏は、次のように述べている。「私たちは、広範なホスピタリティおよびサービス業界で、Snapshiftが解決しているまさにそのようなペインポイントに悩む無数の企業と話をしました。多くの業界が、ますます深刻さを増している人材不足の問題に直面している今、Snapshiftのミッションクリティカルなプラットフォームを他の業界に導入する大きなチャンスがあると、私たちは確信しています。オリヴィエと彼のチームが、このような短期間で成し遂げたことに非常に感銘を受けています」。

セヴェリンス氏は「当社の最大のライバルはExcel(エクセル)です。当社の顧客の80~90%は、Excelから初めてのデジタルスケジューリングソリューションに移行しています」と付け加えた。

しかし、SnapshiftにはSkello(スケロ)とPlanday(プランデイ)というSaaSの競合企業が存在する。

同じくフランスを拠点とするSkelloは、これまでに5440万ドル(約62億7000万円)を調達しており、デンマークのPlandayは、7310万ドル(約84億2000万円)を調達している。このように、HR機能をシンプルなアプリにするための競争が繰り広げられているのだ……。

画像クレジット:Snapshift founder Olivier Severyns

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フロントラインワーカーのためのチャット&人事アプリFlipがユーザー数100万人突破で約34.5億円を調達

共同創業者兼製品責任者のGiacomo Kenner(ジャコモ・ケナー)氏、CMOのAnn Kathrin Stärkel(アン・カトリン・スターケル)氏、創業者兼CEOのBenedikt Ilg(ベネディクトイ・ルグ)氏、CFOのGeorg Renz氏(画像クレジット:Flip)

世界の労働人口の8割以上約27億人はコンピューターの前で日々を過ごしていないため、テクノロジーに関しても格差が激しく、彼らをユーザーとして対象としたIT投資は1%程度と言われている。それが、スマートフォンやアプリの台頭で急速に変化しており、米国時間2月2日、その流れを受けてビジネスが好調なスタートアップの1社が、このチャンスに飛びつくべく、資金調達を発表している。

フロントラインで働く人々が互いにチャットしたり、マネジメントチームから連絡を受けたり、シフトの入れ替えなどの人事活動を行うためのコミュニケーションアプリを作っているFlip(フリップ)は、3000万ドル(約34億5200万円)を調達したそうだ。ドイツのシュトゥットガルトに拠点を置き、主にドイツ語圏のDACH地域(ドイツ・オーストリア・スイス)で利用されているこのスタートアップは、この資金を利用して、まずは英国をはじめとする新しい市場に進出する予定だと、CEO兼創業者のBenedikt Ilg(ベネディクト・イルグ)氏は述べている。

Notion Ventures(ノーション・ベンチャーズ)とベルリンのファンドHV Capital(HVキャピタル)が共同でこのラウンドをリードし、これまでの出資者であるCavalry Ventures(キャバルリー・ベンチャーズ)とLEA Partners(LEAパートナーズ)、そしてVolkswagen(フォルクスワーゲン)会長Matthias Müller(マティアス・ミューラー)氏をはじめとする多くの個人出資者が参加している。

Meta(メタ)のWorkplace、Microsoft(マイクロソフト)のTeamsCrew(現在はSquareが所有)、Blink(ブリンク)Yoobic(ヨービック)When I Work(ウェン・アイ・ワーク)Workstream(ワークストリーム)など、世界の労働者の同じ分野、そしてコミュニケーションに関する同じユースケースを対象としたアプリが市場に多数存在している。実際、2月2日、Snapshift(スナップシフト)という、主に人事側に焦点を当てたフロントラインの仕事アプリも資金調達を発表したばかりだ。

しかし、混戦のように見えるこの分野には、3つのことがいえる。第一に、この市場は十分に大きく、断片的であるため、長期的にいくつかの強力なプレイヤーが混在する可能性があるということ。第二に、この市場はまだかなり新しいので、各プレイヤーが進化や革新を遂げる可能性はまだたくさんあるということ(イルグ氏は、FlipのアプリがGDPRの規則に厳格に準拠していることが、他の企業がGDPRに準拠していると主張するも、実際には準拠していない際に、同社がビジネスを獲得するのに役立っていると述べている)。また、かなり基本的な部分でも、同社はユーザーインターフェースや操作性だけでなく、アプリのサイズ、携帯電話上で占有する容量、使用するために必要な帯域幅など、アプリを使いやすくしている。

「私はFlipを始める前にPorsche(ポルシェ)で製造の仕事をしていたので、マネジメントとのコミュニケーション不足など、その気持ちはよくわかります」とイルグ氏はいう。「私たちは、画面数も少なく、ダウンロードして使用することに関して、この分野で最もシンプルなアプリケーションです。これが、エンドユーザーのために私たちが作って提供したい製品の精神です」。と語る。

そして三つ目は、成功のためにはクリティカルマスが重要だとすれば、Flipは実際に前面に躍り出ているということだ。

McDonald’s(マクドナルド)、Rossmann(ロスマン)、Edeka(エデカ)、Magna(マグナ)、Mahle(マーレ)など、現在までに200社、約100万人のユーザーを獲得している。パンデミックにより、最前線で働く人たちが突然、人々の意識の中心に現れた瞬間、Flipの収益は急上昇し、2021年は6倍になったとイルグ氏は語った(このスタートアップは、実際の収益や評価額を公表していない)。

この分野を追っている人は、先々週、WorkplaceがMcDonald’sを顧客として発表することを望んでいたものの、それを控えていたという話を書いたことに気づいたかもしれない。FlipのMcDonald’sとの契約人数は、現在約6万人。McDonald’sはすでにFlipと公の場で協働していることを考えると、Workplaceとの契約がどうなるかは興味深いところだ。いずれにせよ、この案件がいかに大きな意味を持つかは明白である。

今日のアプリは、主に雇用主が、日中動き回っている、通常は1つの場所で働くことのない、より広範囲の従業員とコミュニケーションをとるために使用されている。また、従業員同士も、主に生産性向上のために、シフト交換や給与明細の確認など、コミュニケーションをとるためにアプリを使うが、仕事に直接関連する機能を実行するために使うわけではない。この分野は、Yoobicのようなライバルが機能を構築している分野であり、イルグ氏は、Flipもその可能性を検討し始めていると述べた。

Notion VenturesのJos White(ヨス・ホワイト)氏は「Flipは、デスクを持たない社員1人ひとりが、自社のコミュニケーションプロセスに真に参加する機会を提供します。このような社員を積極的に取り込むことには、大きな可能性があります。Flipが英語圏の市場で拡大する際に、我々の専門知識と経験でサポートできることを楽しみにしています」と声明で述べている。

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アジアのHRテックプラットフォームDarwinboxがTCV主導で約81.9億円調達、ユニコーンに

投資家が「アジアのSaaS化」と呼ぶトレンドを、人事テックプラットフォームDarwinbox(ダーウィンボックス)がリードする中、同社は新たに7200万ドル(約81億9400万円)の資金調達ラウンドで評価額を3倍以上に引き上げ、ユニコーンになった。

Technology Crossover Ventures (テクノロジー・クロスオーバー・ベンチャーズ/TCV) は、Netflix(ネットフリックス)、Meta(メタ)、Spotify(スポティファイ)、Airbnb(エアービーアンドビー)などの企業を支援することで知られる投資家で、ハイデラバードを拠点とするこのスタートアップのシリーズD資金7200万ドルをリードした。

Lightspeed Venture Partners(ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ)、Sequoia Capital India(セコイア・キャピタル・インド)、Salesforce Ventures(セールスフォース・ベンチャーズ)、3One4 Capital(スリーワンフォー・キャピタル)、Endiya Partners(エンディヤ・パートナーズ)、SCB 10Xなどの既存投資家もこのラウンドに参加し、Darwinboxの調達額は過去最高の1億1000万ドル(約125億円)を超え、10億ドル(約1137億円)を超える価値を持つことになったと、創業6年の同スタートアップは述べている。

Darwinboxは、クラウドベースの人材管理プラットフォームを運営している。このスタートアップの名を冠したプラットフォームは、従業員の「採用から退職まで」のサイクルニーズ全体を管理する。Starbucks(スターバックス)、Domino’s(ドミノピザ)、最近デカコーン化したSwiggy(スウィギー)、Tokopedia(トコペディア)、Zilingo(ジリンゴ)、Kotak(コタック)など数百の企業が、新入社員の入社手続きや業績、退職率の把握、継続的なフィードバックループの確立のためにこのプラットフォームを利用している。

今回の資金調達は、Darwinboxが力強い成長を遂げた1年に続くものだ。共同設立者のChaitanya Peddi(チャイタニア・ペディ)氏は、TechCrunchのインタビューで、世界中の企業が従業員と連携し、従業員にサービスを提供するツールを探すのに奔走したパンデミックがDarwinboxの成長を加速させたと語っている。

同スタートアップによると、2021年の収益は2倍になり、全体の収益の約20%を占める東南アジア地域では3倍に成長したという。

チャイタニア・ペディ氏、ジャヤント・パレティ氏、ロヒト・チェンナマネニ氏の3人(写真左から)は、2015年末にDarwinboxを共同設立した。(画像クレジット:Darwinbox)

このスタートアップは、社員同士がつながりを保つためのソーシャルネットワークや、電話からすばやく音声コマンドで休暇申請やミーティングの設定を行うAIアシスタントなど、フルスタックのサービスを提供しており、Gartner(ガートナー)のエンタープライズ向けクラウドHCMのマジック・クアドラントにアジアのスタートアップとして唯一取り上げられるなど、その地位を確立している。

Darwinboxの顧客の3分の1は、以前はOracle(オラクル)やSAP、Workday(ワークデイ)などの定評あるプラットフォームを利用していた人々であることも、この幅広いサービスによって説明できるかもしれない。

TCVのジェネラルパートナーであるGopi Vaddi(ゴピ・ヴァディ)氏は「我々は、非常に共鳴的な製品で大規模な産業を根本から変革しようとしている、先見性のある創業者を後ろで投資できることにとても興奮します」と、声明の中で述べている。

「また、非常にインパクトがあり、急速に進化するHRテクノロジーの分野でまさにそれを実践している優れたチームを支援し、グローバルHCMリーダーへの道をともに歩んでいけることをうれしく思っています」。と語る。

Lightspeed Venture PartnersのパートナーであるDev Khare(デヴ・カレ)氏は、Darwinboxは、アジアから世界へ向けて構築しているスタートアップのコホートの一部であるという。「私は、アジアのSaaS化を強く信じています。アジア向けのSaaS企業の市場には引き合いが増えており、5年前に観察したものとは大きく変わっています」と、同氏は2019年にLinkedInに投稿している。

「なぜアジア向けSaaSがカテゴリーとして存在する必要すらあるのか、疑問に思われるかもしれません。なぜ米国や欧州のベンダーがここで支配し続けることができないのでしょうか?私の考えでは、これらの欧米のベンダーは実際に支配したことはなく、市場のトップをかすめただけなのです。インドやアジアで実際に起こっていることは、パッケージ・アプリケーションのユーザーではなかった企業や、テクノロジーを利用するユーザーではなかった従業員(ブルーカラー労働者など)が、紙ベースのマニュアルプロセスからSaaSへと直接飛び越え始めているということです」と彼は書いている。

Darwinboxは、今回の資金をチームの拡大とグローバル展開のさらなる推進に充てる予定だ。また、製品ラインナップを拡充し、企業が自社の人事テックエコシステムにプラグアンドプレイできるような補助的なサービスやソリューションを多数追加することも目指している。

同社は、他のスタートアップとの合併や買収によって、これらの製品のいくつかを追加することも視野に入れていると、ペディ氏は述べている。

画像クレジット:Darwinbox

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

韓国の人事自動化プラットフォームflexが約329億円の評価額で約36.7億円のシリーズBを獲得

韓国を拠点とする人材管理プラットフォームのflex(フレックス)は、米国時間1月17日、評価額2億8700万ドル(約329億円)で、3200万ドル(約36億7600万円)のシリーズBラウンドを完了したと発表した。これで合計調達額が4200万ドル(約48億2500万円)に達することになった、今回の資金調達は、Greenoaks(グリーンオークス)が主導し、DST Global Partners(DSTグローバル・パートナーズ)が参加した。

同社のミッションは、企業が手作業の人事業務プロセスを自動化して合理化し、より人材に集中できるようにすることだ。同社の自動化ツールは給与計算、電子署名サポート、入社・退社手続き、人材分析などにおいて、グループ間でシームレスなデータフローを実現し、従業員の体験を最適化する。また、2022年第1四半期には、パフォーマンスレビュー(業績評価)とタレントリレーションズマネジメント(人材関係管理)ツールも発表する予定だ。

「flexでは、HRを『Human Resources(人事)』ではなく、『Human Relations(人間関係)』と定義しています。私たちは、人事チームが従業員を管理し、サービスを提供するために世界クラスのソフトウェアがふさわしいと考えています。しかし今日、多くの組織がいまだにスプレッドシートやレガシー製品を使っていることは明らかです」と、flexのCEOであるHaenam Chang(ヘナム・チャン)氏は述べている。

設立2年のこのスタートアップは、今回の資金を、需要に応じた事業の拡大、人事オートメーションやSaaS製品の開発、従業員の増員などに充てる予定だ。

シリーズBの資金調達は、多くの製品の発売と新規顧客の獲得により、2021年と比較して約10倍の収益成長を達成したことを背景に行われた。同社は、主にIT分野の中小企業にサービスを提供してきた。しかし、2022年、中小企業の新しい業界をターゲットにすることで、対応可能な市場を拡大する計画だ。なお、ユーザー数や顧客数については、質問されても明らかにしなかった。

現在、flexは、過去20年間の技術進歩への適応が遅れていた人事機能とプロセスを近代化するSaaSソリューションを提供することで、韓国での成長に注力している。同社は、韓国における人材管理の文化的ニュアンスと人事規制を深く理解しているため、韓国企業に合わせた製品群を提供するのに有利な立場にあると述べている。

「一部の企業は、従業員を把握し、管理方法を改善するためのソリューションを導入していますが、ほとんどの企業が、従業員に関するその場限りの決定を下す際に、直感や不十分なデータに依然として依存しています。flexでは、従業員データの信頼できるソースと、従業員を管理するための豊富なツールセットでお客様を支援し、個人と組織のパフォーマンスを最大化させます。私たちの目標は、単に優れた人事ソフトウェアソリューションを提供することではなく、企業が最も重要な資産である従業員をよりよく把握・管理できるようにすることです」とチャン氏は述べている。

GreenoaksのJosh Cho(ジョシュ・チョウ)氏は「韓国は世界で最も大きくダイナミックな経済の1つですが、歴史的に企業が従業員を管理し給与を支払うためのネイティブなソリューションがなく、企業は不満を抱えながら独自のソリューションを開発しなければなりませんでした。flexは、国内初の次世代人事情報システムおよび給与計算プラットフォームを急速に構築しています。私たちは、企業がパフォーマンス管理から採用、給与計算など、すべての人事機能を1カ所で処理できるようにするエンド・ツー・エンドの製品に関する彼らのビジョンに期待しています」と語っている。

画像クレジット:metamorworks / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Akihito Mizukoshi)

正社員としての契約を与えることでフランスのフリーランサーに安定をもたらすJump

フランスのスタートアップJump(ジャンプ)は、アンブレラ型企業(一時的な契約業務に従事するエージェント契約者を雇用する会社のこと)の業界を破壊しようとしている。それら企業は、従来のフリーランスの仕事に新たに代わるものを提供している。彼らは労働者を正社員として雇用することで、労働力の安定性と正社員契約のメリットを得ることができる。しかし、労働者は独立性を保ち、複数のクライアントと仕事をしたり、自分で直接契約を交渉したりすることができる。

Jumpが従来のそれら企業と異なるのは、既存のサービスよりもはるかに低コストで、より自動化されている点だ。ユーザーは自動でアカウントを作成でき、最初の請求書も自動で送信されるため、Jumpのスタッフと話す必要もない。

登録すると、クライアントに自分への直接支払いではなく、Jumpへ支払いをするよう依頼し始めることができるようになる。ユーザーはいつでも未払いの請求書や、Jumpのアカウントにある金額を確認することが可能だ。

Jumpのユーザーは、給与明細書を作成し、給与を受け取ることができる。また、フランスの通常の正社員契約なので、国民健康保険制度に登録され、老後の生活資金を貯めることもできるのだ。顧客との関係がうまくいかない場合は、法定合意解約を申請し、失業手当を受ける権利を得られるようになる。

同社は、Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)を中心に450万ドル(約5億1200万円)のシードラウンドを実施した。Kima Ventures(キマ・ベンチャーズ)と16人のエンジェル投資家もこのラウンドに参加しており、Nicolas Brusson(ニコラス・ブルソン)氏、Hanno Renner(ハンノ・レナー)氏、Laurent Ritter(ローラン・リッター)氏、Thibaud Elziere(ティボー・エルジエ)氏などが名を連ねている。

従来のアンブレラ型企業は、年間売上高の一部を徴収する。価格はさまざまだが5%、7%、場合によっては10%になることもある。例えば、Jumpの共同設立者でありCEOのNicolas Fayon(ニコラス・フェイヨン)氏は、かつてITGに勤務していたが、ITGでは売上に対して6%から8%の手数料を徴収していた。また、ITGにさらに2%の追加料金を支払うことで、経費を管理し、給与を最適化することもできる。

Jumpは現在、月額79ユーロ(約1万円)の定額制でサービスを提供している。顧客は、Axa(アクサ)の社会人・個人向け生命保険、Alan(アラン)の健康保険、フリーランスマーケットプレイス(Malt、Talent.io、LeGratin)、その他いろいろなサービス(Simbel、Secret、HelloPrêt)など、サードパーティのサービスにもアクセスすることができるようになる。

これまでに、Jumpは何百人ものフリーランサーと仕事をしてきた。これまでの請求は300万ユーロ(約3億8400万円)にのぼる。開発者、不動産業者、ドライバーなど、多くのフリーランサーがこの製品の恩恵を受けることができるだろう。また、フランスに子会社を作りたくない外資系企業でリモートワークをしている人たちにとっても特に便利なため、アンブレラ型企業にとっては大きな市場機会があるだろう。

画像クレジット:Romain Dancre / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ジョブシェアリングの人材をマッチングするマーケットプレイス「Roleshare」が約6300万円を調達

共同創業者、共同CEOのRoleshare – Dave Smallwood(ロールシェア・デイブ・スモールウッド)氏とソフィー・セターレ・スモールウッド)氏、CPOのPolly Howden(ポリー・ハウデン)氏、CTOのAhmad Mousavi(アフマド・ムーサビ)氏

現代の雇用動向や、パンデミックの影響もあり、従来のフルタイム雇用とフリーランスの間のギャップが大きくなっている。いわゆる「ジョブペアリング」は、フルタイムのポジションを2人で分割し、当事者のキャリアの継続性を犠牲にすることなく労働時間を短縮するというものだ。

Roleshare(ロールシェア)は、プロフェッショナル同士をマッチングする人材マーケットプレイスで、2人が1つのフルタイムの仕事に応募して共有することができる。Roleshareは、グローバルなロールシェアリング市場を構築するために、英国のスーパーエンジェル投資家を中心に55万ドル(約6300万円)以上のプレシード資金を調達しており、現在は「大規模な複数セクターの組織」との提携を開始することになった。

同社のアイデアは、企業が優秀な人材を維持すると同時に、新しい人材を獲得することができるというものだ。

Roleshareの共同創業者であり、共同CEOであるSophie Setareh Smallwood(ソフィー・セターレ・スモールウッド)氏は、電話で私にこう語ってくれた。「ジョブシェアリングは、以前から存在していました。女性が仕事に積極的に参加するようになった70年代に普及し始めました。民間企業ではこれまで、子育てとの両立など、限定的な目的で行われてきたことです」。

戦略的な役割を担う上級職は、実際には「パートタイムで働く」ことができないため、ジョブシェアリングが興味深い解決策になると彼女は話してくれた。

「しかし、簡単に解決できるものではありませんよね?2人の人間が一緒になって仕事の責任を分担するというのは、対人関係の要素がありますからね」。

Roleshareは、企業が自社の職務を「ジョブシェア」できるかどうかを調べ、候補者をマッチングすることで、これらを簡単に実現できるとしている。個人が自分の仕事を追加するのは無料(明らかに企業への「トロイの木馬」)だが、企業が追加するのは有料だ。つまり、一部の職務をジョブシェアにしようとしている企業にとって、人材の流動性を提供していることになる。

同社は、ワークライフバランスや仕事上のストレスを軽減することができるため、ジョブシェアをしている従業員はしていない従業員よりも30%生産性が高いという英国の研究結果を引用している。また、企業内の多様性やスキルを高め、ビジネスの継続性を高めることができるという。

「私たちのソリューションは、MIT Sloan Management Reviewで『第3の道』と評されました」とスモールウッド氏はメールで教えてくれた。

また「競合状況は幅広い(タレントマーケットプレイス / フレキシブルワーキング/ ナレッジワーカー+ギグエコノミー)」が「tandemploy(タンドゥエンプロイ)、duome(デュオーム)、jobpairingなどの一部のプレイヤーを除いて、直接的な競合企業はあまり多くありません」と付け加えた。

世界経済フォーラムによると、2027年には労働力の50%がフリーランスになると言われている。MIT Sloan Management Review/Deloitte(デロイト)の調査によると、経営者の約90%が外部の労働者を労働力の一部と考えているという。

また、セターレ・スモールウッド氏は「私たちをユニークにしているのは、私たちのチーム(元PayPal、Facebook、ebay)、そして私たちのストーリーです。Roleshareは、私が必要としていたときには存在していなかったので、それを構築するためにFacebookを辞めました。当社は、企業が社内外で特定の役割を担う人材をペアで調達できる唯一の人材マーケットプレイスであり、当社のプラットフォームは双方の人材をマッチングさせ、共同で応募して役割を共有します。また、人材が自分の既存の仕事をシェア可能な状態で掲載することで、ダイレクトソーシングの形をとることができるのもユニークな点です」。と付け加えた。

Roleshareは、Ian Hogarth(イアン・ホガース)氏、Azeem Azhar(アゼム・アジャール)氏、Gabbi Cahane(ギャビ・キャハーン)氏、Brendan Gill(ブレンダン・ギル)氏、Thish Nadessan(ティシュ・ナデサン)氏など、ヨーロッパの多くのエンジェル投資家が支援している。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ジョブシェアリングの人材をマッチングするマーケットプレイス「Roleshare」が約6300万円を調達

共同創業者、共同CEOのRoleshare – Dave Smallwood(ロールシェア・デイブ・スモールウッド)氏とソフィー・セターレ・スモールウッド)氏、CPOのPolly Howden(ポリー・ハウデン)氏、CTOのAhmad Mousavi(アフマド・ムーサビ)氏

現代の雇用動向や、パンデミックの影響もあり、従来のフルタイム雇用とフリーランスの間のギャップが大きくなっている。いわゆる「ジョブペアリング」は、フルタイムのポジションを2人で分割し、当事者のキャリアの継続性を犠牲にすることなく労働時間を短縮するというものだ。

Roleshare(ロールシェア)は、プロフェッショナル同士をマッチングする人材マーケットプレイスで、2人が1つのフルタイムの仕事に応募して共有することができる。Roleshareは、グローバルなロールシェアリング市場を構築するために、英国のスーパーエンジェル投資家を中心に55万ドル(約6300万円)以上のプレシード資金を調達しており、現在は「大規模な複数セクターの組織」との提携を開始することになった。

同社のアイデアは、企業が優秀な人材を維持すると同時に、新しい人材を獲得することができるというものだ。

Roleshareの共同創業者であり、共同CEOであるSophie Setareh Smallwood(ソフィー・セターレ・スモールウッド)氏は、電話で私にこう語ってくれた。「ジョブシェアリングは、以前から存在していました。女性が仕事に積極的に参加するようになった70年代に普及し始めました。民間企業ではこれまで、子育てとの両立など、限定的な目的で行われてきたことです」。

戦略的な役割を担う上級職は、実際には「パートタイムで働く」ことができないため、ジョブシェアリングが興味深い解決策になると彼女は話してくれた。

「しかし、簡単に解決できるものではありませんよね?2人の人間が一緒になって仕事の責任を分担するというのは、対人関係の要素がありますからね」。

Roleshareは、企業が自社の職務を「ジョブシェア」できるかどうかを調べ、候補者をマッチングすることで、これらを簡単に実現できるとしている。個人が自分の仕事を追加するのは無料(明らかに企業への「トロイの木馬」)だが、企業が追加するのは有料だ。つまり、一部の職務をジョブシェアにしようとしている企業にとって、人材の流動性を提供していることになる。

同社は、ワークライフバランスや仕事上のストレスを軽減することができるため、ジョブシェアをしている従業員はしていない従業員よりも30%生産性が高いという英国の研究結果を引用している。また、企業内の多様性やスキルを高め、ビジネスの継続性を高めることができるという。

「私たちのソリューションは、MIT Sloan Management Reviewで『第3の道』と評されました」とスモールウッド氏はメールで教えてくれた。

また「競合状況は幅広い(タレントマーケットプレイス / フレキシブルワーキング/ ナレッジワーカー+ギグエコノミー)」が「tandemploy(タンドゥエンプロイ)、duome(デュオーム)、jobpairingなどの一部のプレイヤーを除いて、直接的な競合企業はあまり多くありません」と付け加えた。

世界経済フォーラムによると、2027年には労働力の50%がフリーランスになると言われている。MIT Sloan Management Review/Deloitte(デロイト)の調査によると、経営者の約90%が外部の労働者を労働力の一部と考えているという。

また、セターレ・スモールウッド氏は「私たちをユニークにしているのは、私たちのチーム(元PayPal、Facebook、ebay)、そして私たちのストーリーです。Roleshareは、私が必要としていたときには存在していなかったので、それを構築するためにFacebookを辞めました。当社は、企業が社内外で特定の役割を担う人材をペアで調達できる唯一の人材マーケットプレイスであり、当社のプラットフォームは双方の人材をマッチングさせ、共同で応募して役割を共有します。また、人材が自分の既存の仕事をシェア可能な状態で掲載することで、ダイレクトソーシングの形をとることができるのもユニークな点です」。と付け加えた。

Roleshareは、Ian Hogarth(イアン・ホガース)氏、Azeem Azhar(アゼム・アジャール)氏、Gabbi Cahane(ギャビ・キャハーン)氏、Brendan Gill(ブレンダン・ギル)氏、Thish Nadessan(ティシュ・ナデサン)氏など、ヨーロッパの多くのエンジェル投資家が支援している。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Akihito Mizukoshi)

従業員の福利厚生として学生ローンの返済に力を入れるGoodlyには追い風

写真はCEOのグレゴリー・プーリン氏(左)と、共同設立者でGoodlyのCTOであるヘマント・ヴァーマ(右)(画像クレジット:Goodly)

創業3年目のサンフランシスコに拠点を置くスタートアップGoodly(グッドリー)は、5人のチームと、2019年に確保した150万ドル(約1億7000万円)という限られた資金、最近では、長年人事を担当し、Airbnb(エアービーアンドビー)で従業員体験のグローバルヘッドを務めたBeth Axelrod(ベス・アクセルロッド)氏から得た非公開の資金で着実に事業を展開している。

企業が従業員の福利厚生として学生ローンの非課税返済を提供することをとにかく簡単にすることを目指している同スタートアップは、収益性が高い。同社は、保険会社のNFPや大手のWillis Towers Watson(ウィリス・タワーズ・ワトソン)など、数多くのブローカーと独占的な関係を築いている。しかし、企業がリモートワークや従業員のメンタルヘルスを維持することに必死になっていたパンデミックの間、同社の製品は必ずしも注目されてこなかった。

2022年が近づくにつれ、この状況が変わるかもしれない。それには2つの理由がある。1つは、2021年の統合歳出法に規定されているもので、従業員1人あたり年間最大5250ドル(約59万円)まで、学生の借金返済のために雇用者が拠出できるというものだ。会社からの拠出金は、雇用主にとっては税控除の対象となるが、従業員にとっては課税所得から除外されるため、企業にとっては拠出金を支給する金銭的なインセンティブがより大きくなるようだ。

2つ目に、何百万人もの学生ローンの借り手に対して20カ月以上にわたって一時的に学生ローンの支払いを猶予してきた学生ローン救済措置が1月31日に終了するため、2月からは連邦政府のローンの支払いが通常の(そして通常よりも厳しい)金利で再開されることになる。これは、しばらく棚上げにされていた問題が急に前面に出てくることを意味しており、競争の激しい雇用市場においては、企業は注意した方がいいかもしれない。

共同設立者でCTOのHemant Verma(ヘマント・ヴァーマ)氏とともに、Parker Conrad(パーカー・コンラッド)氏の会社Rippling(リッピング)の初期の従業員の一人であった、GoodlyのCEOであるGregory Poulin(グレゴリー・プーリン)氏は、彼らがさらに掘り下げることを決めた場合、説得力のある提案を持っている。今週初めにプーリン氏が私たちに語ってくれたように、5250ドル(約59万円)は大した額ではないように思えるかもしれないが、時間が経てば驚くほどの金額になる。

「私たちが担当している平均的な企業では、加入者1人あたり月に100ドル(約1万1300円)程度の拠出が最も一般的です」と1日あたりのコーヒー1杯分のコストに例えて語ってくれた。しかし、雇用者拠出金を学生ローンの元本に直接充当することで、問題となるローン期間中の複利の問題を解決することができる。

プーリン氏によると、一般的な返済期間は約10年だが、Goodlyは従業員のローン残高に応じて、その返済期間を3〜4年短縮することができるという。これは、我々が目にしているデータと完全に一致しているわけではなく、実際には返済期間は平均して20年近くになるが、Goodlyを利用することで1年でもローンの支払いを減らすことができれば、雇用主にとっては十分使える特典だ。

参考までに、このスタートアップの技術は非常に単純だ。Goodlyのユーザーにはそれぞれアカウントが与えられ、ダッシュボードで学生ローンを管理・追跡することができる。そこから従業員は、経済的な相談や、返済を最適化するための最良の戦略などのコンテンツにアクセスすることができるというものだ。

プーリン氏は、特に人気のある機能として、従業員が友人や家族を招待して、学生ローンのための寄付を行うことができることを挙げている。この機能は、クラウドファンディングと同様の機能で、親や祖父母が1回限りの寄付や定期的な寄付を行うことができるというものだ。「もちろん、その寄付者は、支払いが他のことに使われるのではなく、その学生ローンに向けられているという安心感を持つことができます」と彼は言う。

Goodlyは、2018年の立ち上げ直後にY Combinator(Yコンビネーター)を通過した。プーリン氏は、ダートマス大学在学中に実父が急死し、その後、8万ドル(約910万円)の学生ローンを借りなければならない状況に陥ったことが、この事業を立ち上げるきっかけになったという。

それから数年経った今でも、彼の支払いは月に900ドル(約10万円)以上になるそうだ。

残念ながら、ほかにも似た問題を抱える多くの仲間がいる。昨年の時点で、米国には4500万人の債務者がいて、その合計額は1兆6000億ドル(約182兆円)近くにのぼり、そのうちの多くの人にとって、学生ローンの返済は大きな負担となっている。「学生ローンを抱えている人は、多くの意味で二流の市民であるという二層構造の職場を作っているのです。なぜなら、30歳になると、学生ローンを抱えている人の退職金の額は、学生ローンを抱えていない人の半分程度になってしまうからです。」とプーリン氏は語る。これにより住宅購入や結婚、出産を遅らせる原因になっている。

Goodlyが展開を進め、2022年に学生ローンが再び注目を浴びるようになれば、より多くの企業がこの問題を認識し、従業員がこの悪循環を緩和できるよう、より多くの支援を行うようになると考えられる。

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(文:Connie Loizos、翻訳:Akihito Mizukoshi)

人材管理を自動化する中国のHRテックスタートアップMokaが約113億円を調達

人材管理をソフトウェアで容易にしたいと考えている、中国で6年目のスタートアップのMoka(モカ)は、米国時間11月2日、1億ドル(約113億円)のシリーズCラウンドを獲得したと発表した。

本スタートアップは、採用から既存の社員の維持まで、人材管理の全プロセスを自動化することを目指している。例えば、採用候補者からの面接後のフィードバックを自動的に収集し、その情報をデータベースに保存することができる。また、社員が履歴書に変更を加えると、新しい機会を検討していることを示唆する注意を雇用主側に知らせることができる。

今回の投資は、Tiger Global(タイガー・グローバル)が主導し、Blue Lake Capital(ブルー・レイク・キャピタル)、Hillhouse Capital(ヒルハウス・キャピタル)のアーリーステージ部門であるGL Ventures(GLベンチャーズ)、GSR Ventures(GSRベンチャーズ)、GGV Capital(GGVキャピタル)が参加した。

今回のラウンドは、MokaがシリーズBラウンドで4300万ドル(約48億8300万円)を調達してからちょうど1年後に行われた。同社は「ユニコーン」の地位を獲得したと述べているが、正確な評価額については公表していない。ゲームやショートビデオなどの消費者向けインターネットサービスが規制強化に直面する中、企業の生産性向上に貢献するスタートアップ企業への投資家の関心が高まっていることを反映しているのだろう。

Mokaは、Tencent(テンセント)、Xiaomi(シャオミ)、McDonald’s(マクドナルド)、Arm China(アーム・チャイナ)など、1500社以上の有料顧客を獲得しており、年間の継続率は110%を超えているという。スタンフォード大学の卒業生であるLi Guoxing(リー・グオクシン)CEOは、以前の講演で、Mokaの製品は中国のインターネット企業の間で特に人気があると主張していた。

画像クレジット:MokaのCEO、Li Guoxing

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(文:Rita Liao、翻訳:Akihito Mizukoshi)

中小企業向けHRプラットフォームPersonioが約306億円調達、人事業務プロセスの自動化にも進出

この20カ月間でHRテクノロジーはスポットライトを浴びてきた。新型コロナウイルス(COVID-19)で私たちの働き方が変わったことで、仕事環境において人を管理する方法も変わらなければならなかったからだ。米国時間10月11日、中小企業に特化してこの問題に対処する方法を提供し大きなビジネスを構築してきた、ミュンヘンを拠点とするスタートアップ企業であるPersonio(ペルソニオ)が、同社のサービスに対する強い需要を受け、次のステップに向けて2億7000万ドル(約306億円)の資金調達を発表した。今回のシリーズEにより、Personioの評価額は63億ドル(約7140億円)に跳ね上がり、現在ヨーロッパで最も価値のある人事関連のスタートアップ企業の1つとなっている。

今回の資金調達は、Greenoaks Capital Partners(グリーンオークス・キャピタル・パートナーズ)が主導し、新たな投資家であるAltimeter Capital(アルティメット・キャピタル)とAlkeon(アルキオン)も参加している。このラウンドには、Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)、Accel(アクセル)、Meritech(メリテック)、Lightspeed(ライトスピード)、Northzone(ノースゾーン)、Global Founders Capital(グローバル・ファウンダーズ・キャピタル)など、以前からの支援者も参加している。IndexとMeritechは、2021年1月に行われたばかりの同社の前回のラウンドを主導した。当時のシリーズDラウンドの評価額は17億ドル(約1920億円)で、10カ月で3.7倍に成長したことになり、Personioの成長の速さを物語っている。

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Personioは現在、ヨーロッパの中小企業(通常、従業員数10~2000人)を対象に、採用・入社手続き、給与計算、欠勤管理などの主要な人事機能をオールインワンのプラットフォームで提供している。1月の時点では3000社だった顧客数は、現在5000社に達している。Personioは、今後もさまざまなツールを拡充していく一方で、CEOのHanno Renner(ハンノ・レナー)氏が「ピープルワークフローオートメーション(人事業務プロセスの自動化)」と表現する分野にも進出していく予定だ。

基本的にこれは、Personio以外のアプリケーションで行う人事関連の作業において、人事情報を自動入力したり、それらのアプリケーション内でアクションを起こしたりすることで、手作業では時間がかかっていた作業をスピードアップすることを目的としている。例えば、雇用契約書の作成・発行や、入社や退職時に特定のアプリへのアクセス権を切り替えるといったことが可能だ。

Personioのプラットフォームが、企業が大規模で多面的なプラットフォームを用意するのと同じように、中小企業のニーズに合わせて連携する一連のHRツールであり「中小企業のためのWorkday」と捉えられるとすれば、同社が現在追加している自動化ツールは、中小企業向けのUiPath(ユーパス)やServiceNow(サービスナウ)に対する答えだと捉えられるかもしれない。つまり、機械学習やロボティック・プロセス・オートメーションなどの技術を使って、人事関連のタスクに関わる忙しい反復業務を取り除くことができる。

「12ヵ月間取り組んできましたが、今では5000人のお客様にプロダクトをそのまま使っていただいて、そこから学んでいます」とレナー氏はインタビューで答えている。この問題の核心は、異なる領域にあるソフトウェアをより迅速に連携させることにある。例えば、内定者に契約書を発行する必要があるときに、ここで時間をかけてその内定者が別の会社で契約するようなことにならないに、また、解雇された従業員が会社のITシステムに侵入できるようなことがないようにする必要がある。「人事プロセスは人事部だけではありません。人事プロセスは人事にとどまらず、他の機能や部門にも影響を与えます。遅延は時間を無駄にするだけでなく、有害な結果をもたらす可能性があるのです」。

Personioはこれまで、中小企業向けの製品を開発することで、中小企業という収益性の高い顧客層を開拓してきた新興企業グループの一員であることをアピールしてきた。中小企業は、ヨーロッパだけでも2500万社以上あり、全企業の99%以上を占めている。しかし、中小企業はさまざまな業種や関心事によって細分化されており、IT予算も非常に少なかったり、もしくはまったくなかったりするため、見過ごされがちだ。

人事の世界では、それがさらに深刻な状態だったとレナー氏はいう。ほとんどの中小企業は、人事関連のデータをエクセルのスプレッドシートや、ただの紙で管理していたりする。「私たちが日々目にするのは、中小企業の70%が何らかのHRソリューションを持っていないという状況です」と彼はいう。

しかし、デジタルトランスフォーメーションが中小企業を完全に見過ごしていたわけではなく、先進的な中小企業は販売、財務、CRMソフトウェアを徐々に導入していきている。そしてその流れが人事に関する考え方にも「波及」してきていると彼はいう。

Personioは、このことが顧客に自動化を売り込む際にも役立つと考えている。一般的な中小企業では、平均して約40種類のアプリを使用しており、その多くが人事システムからのデータを必要としていると同社は推定している。Personioは、これらのアプリケーションに連動性を提供することで、これらのアプリケーションの動作を高速化することができると考えている。

同社にはまだまだ多くの成長余地が残っている。Personioが対象としている中小企業(従業員数10〜2000人)の数は170万社であり、これはまだ市場のごく一部に過ぎないからだ。

つまり、新しい自動化製品が軌道に乗るかどうかにかかわらず、Personioにはまだ成長の可能性が高いということであり、同社が必要とする前に都合よく調達された今回の資金は役に立つだろう。新技術の導入により、将来的には人事部門以外の中小企業にも自動化サービスを提供できる可能性が出てきたため、今回の評価額の大幅な上昇は、中小企業に人事部門を進出させるための大きなチャンスであると同時に、その多様化にも関係していると考えられる。

「小規模企業は欧州経済を支える存在ですが、従来の企業では長い間、十分なサービスを受けられず、見過ごされてきました。Personioは、従業員のライフサイクル全体にわたって人事業務プロセスを簡素化し、大手企業がもっていた機能を広く普及させ、生産性を一段階向上させてくれました」とGreenoaks(グリーンオークス)の創業者兼マネージングパートナーであるNeil Mehta(ニール・メータ)氏は語っている。「私たちは、世界有数のプライベート・テクノロジー企業の多くとパートナー関係にあることを幸運に思っていますが、Personioのチームは、まだ彼らのミッションに着手したばかりだと確信しています。「人事業務プロセス自動化」のカテゴリーを立ち上げることで、ヨーロッパ中の企業にさらに多くの価値を提供することができるでしょう。私たちは、Personioのスリリングなステージに参加できることを誇りに思うとともに、今後も末永くパートナーであり続けたいと思っています」。

長期的には株式公開も視野に入れているが、ここで強調したいのは、その「長期的には」の部分だ。Personioは現在5億ドル(約560億円)の資金を調達しているが、レナー氏は次のステップを考えるのは少なくとも18〜24ヵ月後だと述べている。「公開を急いでいるわけではありません」と彼は語っている。

画像クレジット:metamorworks / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、Akihito Mizukoshi)

ラクスルが第4の新規事業発表、ITデバイスとSaaSを統合管理し情シスを支援する「ジョーシス」

ネット印刷で有名なラクスルだが、他にも事業を展開していることをご存知だろうか。同社は「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げて、デジタル化が進んでいない伝統的産業の構造を変え続けている。

同社は印刷系事業の「ラクスル」の他に、物流のプラットフォーム「ハコベル」、広告のプラットフォーム「ノバセル」(タクシー内などでこちらのCMを目にする人も多いだろう)を展開しているが、本日9月1日、4つ目の事業として、ITデバイス&SaaSの統合管理クラウド「ジョーシス」の正式リリースを発表した。コロナ禍でテレワークが進み、負担が増える情報システム部門を支援すべく、パソコンなどの備品購入から、キッティング(購入端末の初期設定)、入退社にともなうSaaSアカウント管理などを自動化するプラットフォームを提供する。

ラクスル自身が感じた課題をサービス化

本質的な業務が存在するのにも関わらず、突発的な事象の対応に追われ、業務推進が滞るのはどこの部署でもあること。ラクスル代表取締役社長の松本恭攝氏によれば、ジョーシスは、ラクスル自身の悩みから生まれたという。「新型コロナウイルス影響でクライアントのマーケティングコスト削減が起こり、ラクスルの売上は減少。他方、自社においてもテレワークやSaaSの導入が急速に進み、制度設計からライセンス管理まで、情報システム部門の業務は肥大化しました。他社も同様の状況になっているのではと調査したところ、IT管理業務関与者は相対的に離職率が高く、結果的に外注への依存度が高まっていることがわかり、ジョーシスの立ち上げを決めました」と語る。開発には、シリコンバレーでの活躍も目覚ましいインドを主体としたグローバルチーム体制を敷いている。

人事系SaaSと連携し、従業員ごとにデバイスとSaaSを一元管理

ジョーシスでは、人事労務サービスと連携し、従業員ごとにITデバイスやSaaSの登録状況が管理できる。テレワーク推進以降、退職者のアカウント解除が甘かったことが原因で情報漏洩する事例などもあり、これを防ぐため、人事にともなうアカウントの管理漏れ防止機能も整備。接続サービスは現在約40程度、年内で100を目指すという。オンプレシステムについても、項目を追加し管理していく機能により、ジョーシスでの管理一本化を図っていく。

また、オンラインストアでは、創業から100年以上、B2B市場におけるデバイス販売とアフターサービスでは約40年という長い歴史を持つTooと提携しており、業界最安値クラスでITデバイスの購入が可能だ。その後の納品、倉庫保管までフォローされ、ジョーシス以外で購入したデバイスについてもクラウドで管理することができる。

本サービスは、社員100名以上の管理コストが高いレイヤーをターゲットにしている。一方で、多くの企業に取り入れてもらえるようにと、スタンダードプランでは従業員50名以下であれば無料で使えるとのこと。アドバンスプランでは基本機能に加えてオンライン棚卸しとチケット管理(ヘルプデスク)を追加。スタンダードプラン、アドバンスプランともに料金はいずれも個別見積もりとなっている。キッティングは1台あたり5000円から、保管は1日1台あたり20円からとのこと。

「ウィズコロナにおいても出勤とリモートワークのハイブリッド勤務は継続するでしょう。デバイス管理の必要性はますます増えていくと考えられ、ジョーシスも普及していくと思います」と松本氏は語る。コロナ時代のDXに奔走する情シスたちの、救世主になるか。

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企業が「自分で作る」給与計算プロダクトのインフラを提供するZealが約14.3億円調達

Zealの共同創業者であるプラナブ・クリシュナン氏とキルティ・シェノイ氏(画像クレジット:Zeal)

組み込み型フィンテック企業であるZealは、個別化された給与計算製品を構築することができるプラットフォームの開発を継続するために、シリーズAで1300万ドル(約14億3000万円)の資金を確保した。

今回のシリーズAには、Spark Capitalが主導し、Commerce Venturesの他、MarqetaのCEOであるJason Gardner(ジェイソン・ガードナー)氏とCROのOmri Dahan(オムリ・ダーハン)氏、Robinhoodの創業者であるVlad Tenev(ウラジミール・テネフ)氏、UltimateSoftwareの役員であるMitch Dauerman(ミッチ・ダウアーマン)氏とBob Manne(ボブ・マンネ)氏、Namelyの創業者であるMatt Straz(マット・ストラズ)氏などの個人投資家が参加した。今回のラウンドにより、同社は2020年の160万ドル(約1億7500万円)のシードラウンドを含め、総額1460万ドル(約16億400万円)の資金調達を行ったことになると、CEOのKirti Shenoy(キルティ・シェノイ)氏はTechCrunchに語っている。

ベイエリアに拠点をかまえる同社の原点は、シェノイ氏とCTOのPranab Krishnan(プラナブ・クリシュナン)氏が2018年に設立したギグエコノミー向けの決済処理スタートアップPuzzlだった。PuzzlはY Combinatorの2019年のグループに参加していた。2人は、何千人もの1099型契約社員(米国の契約労働者の種類)の一部をW2従業員(雇用契約にある一般的な従業員)契約へ移行させたのち、会社の方向を大きく変更する必要があった。

ADPやPaycorなど、大量の給与を自動で処理してくれる給与計算ソフトを探したが、どれもシェノイ氏とクリシュナン氏が求めていた、労働者への日払いや収入の構成要素の細かなカスタマイズなどの機能に対応していないことがわかった。

他の企業が同じ問題に直面しないように、彼らは顧客企業が独自の給与計算製品を構築し、従業員に毎日給与を支払うことができるような給与計算向けAPIを開発することを決めた。従来、企業は時代遅れの他社製給与計算ツールを重ね合わせ、そのための相談・使用料に数百万ドル(数億円)を費やしていた。ZealのAPIツールは、バックエンドの支払いロジスティックを管理すると同時に、給与計算のプロセスをより現代風にわかりやすくし、給与計算の責任を引き受けてくれる」とシェノイは述べている。

現在、企業はZealを利用して大量の従業員に給与を支払い、支払いデータを自社のネイティブシステムに保管している。その上、BtoBのサービスを販売するソフトウェアプラットフォームを提供する企業は、Zealを利用して独自の給与計算製品を構築し、顧客に販売している。

クリシュナン氏は「私たちの使命は、当社の税務・決済技術を米国のすべての給与明細に適用し、米国の従業員が正確、かつ効率的に給与を受け取れるようにすることだ」と語る。

米国には2億人の従業員がおり、年間8兆8000億ドル(約967兆3900億円)以上の給与が処理され、1万1000の税務管轄区では年間2万5000件以上の税法変更が行われている。

一方、シェノイ氏はIRS(米国内国歳入庁)のデータを引用し、中小企業の40%以上が年に1回以上の給与支払いのペナルティを支払っていることを示している。これが、Zealの最新プロダクトであるAbacusグロス / ネット計算ツールの原動力の1つとなった。Abacusは、給与計算の会社が所得税の支払いを遵守しているかどうかを確認するために使用できる。

同氏らは今回の資金調達により、チームを強化し、企業との取引実績を確保するためのコンプライアンス対策を強化したいと考えている。

「当社は、より多くの企業との契約を獲得し始めており、毎日数百万ドル(数億円)を動かしている。この分野は長い間手つかずであったため、多くの企業が迅速に対応できるプロバイダーと仕事をしたいと考えている」とシェノイ氏は述べている。

シェノイ氏は、今後5年から10年の間に、より多くの企業が事細かくカスタマイズできるユーザー体験を提供するモデルへ移行すると予測している。従来はADPのような企業が主流だったが、企業は自社のデータを管理し、顧客が1つのプラットフォームですべての給与関連業務を行えるようなプロダクトを作りたいと考えるようになるだろう。

今回の投資の一環として、Spark CapitalのパートナーであるNatalie Sandman(ナタリー・サンドマン)氏がZealの取締役会に参加した。同社は以前、AffirmやMarqetaといった他の組み込み型フィンテック企業に投資しており、彼女はこの分野にはAPIが切り開くことができる新しい体験があると考えている。

サンドマン氏は、Zenefitsで働いていたときに、給与計算を構築する痛みを自分でも感じていた。当時、同社は同じようなことをやろうとしていたが、接続するためのAPIがなかったのだ。データを転送するためのスプレッドシートは存在したが、1つでも間違った控除があると、それが結果的に税金のペナルティに繋がってしまう。

シェノイ氏とクリシュナン氏はともに「顧客にこだわり」、顧客がどのように給与計算製品を作りたいのかを理解するために、スピードと思慮深さのバランスを保っているとサンドマン氏はいう。

彼女は、新入社員をオンライン型にすることは、従来のスプレッドシートよりも価値をもつ製品に新入社員を組み込むことを意味するような、オーディエンス主導の人事へのマクロ的な変化を見ている。

「APIが賃金や控除の方法に柔軟性を与えることは至極当然のことだと思う。従業員が雇用主への信頼を失うこともある。給与計算は、雇用主と従業員の関係において最も信頼度に影響を与えるエリアであり、人はそのニーズを解決するために透明性と堅牢なソリューションを求めている」とサンドマン氏は語る。

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(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

グラミン日本・SAPジャパン・MAIAがシングルマザーなど女性対象の就労支援・デジタル人材育成プログラムを提供開始

グラミン日本・SAPジャパン・MAIAがシングルマザーなど女性の就労支援・デジタル人材育成プログラム「でじたる女子」を提供開始

グラミン日本SAPジャパンMAIAは8月25日、生活困窮者への経済的自立支援を目的として、デジタルプラットフォームを活用し雇用機会をマッチングさせる就労支援およびデジタル人材育成のためのプログラム「でじたる女子」を開始した。

コロナ禍において、職を失った非正規雇用労働者は2021年7月時点で5万人を超え2020年12月時点より約35%増加(厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について」)。その中でもシングルマザーの7割が雇用や収入へのマイナス影響を経験しているという(新型コロナウイルス 深刻化する母子世帯の暮らし―1800人の実態調査・速報)。また、就労機会の減少に伴い、実務を通じたスキルアップやキャリアアップのチャンスが失われつつある。

このような社会的な背景のもと、2021年4月より運用を始めた「ソーシャル・リクルーティング・プラットフォーム「SAP Fieldglass」(エスエーピー・フィールドグラス)を活用し、女性のITスキル向上に特化したMAIAのデジタル人材育成プログラム「でじたる女子」を新たに提供することとなった。

同プログラムは、シングルマザーを含む女性を対象に、MAIAが提供するeラーニングを通じて「RPA」「AI-OCR」「CAD」「デジタルマーケティング」などIT関連スキルの習得機会を提供する。その後、グラミン日本とSAPジャパンが提供するSAP Fieldglassを活用し、対象となる女性と提携企業との雇用機会のマッチングを実施する。グラミン日本は、同プログラムを利用する女性向けに、無担保での少額融資、金融教育を提供する。

グラミン日本・SAPジャパン・MAIAがシングルマザーなど女性の就労支援・デジタル人材育成プログラム「でじたる女子」を提供開始

グラミン日本は、バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス博士が設立した、貧困層に無担保で小口融資を行うグラミン銀行の日本版として2018年設立。「貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会へ」をビジョンに掲げ、貧困や生活困窮の状態にある方に低利・無担保で少額の融資を行い、こうした方が起業・就労によって貧困や生活困窮から脱却し自立するのを支援するマイクロファイナンス機関となっている。

これまでの金融ではカバーされなかった人、例えば働く意欲はあっても今は生活が苦しい母子家庭や若者に、生活資金ではなく、「起業や就労の準備のためのお金」を融資するとしている。

MAIAは、「人生100年時代に、『自分らしく生きる』未来を、共に創造する」をビジョンに掲げ、RPAなどIT人材教育や女性の働き方改革に尽力。ITツールの専門スキルを持つ女性が、様々なIT導入から開発・運用、最終的には企業内での自走化までをトータルでサポートするという。

地方創生事業では、地産地消モデルとしてDX化の推進を図り、地域における女性の雇用創出、地域企業の生産性向上の実現を目指している。

ワークフローの理想的な進め方を自動で取得し新入社員研修を簡易化するTangoが約6.3億円を調達

Tangoの創業者。左からダン・ジオヴァッキニ氏、ケン・バブコック氏、ブライアン・シュルツ氏(画像クレジット:Tango)

Ken Babcock(ケン・バブコック)氏と共同創業者のDan Giovacchini(ダン・ジオヴァッキニ)氏、Brian Shultz(ブライアン・シュルツ)氏が、ワークフローの理想的な進め方を自動で取得し、チームがトップパフォーマーから学べるようにするChromeの拡張機能Tangoを立ち上げようと思い立ったのは、2020年3月に彼らがハーバード・ビジネス・スクールに通っている頃だった。

「この機会は、多くの企業が分散してリモート化するようになった、パンデミックによってもたらされた。多くのチームリーダーが、おそらく初めてリモートで社員を入れるようになり、採用後の時間を短縮していた。もはやオフィスで直接人にお願いする機会はなくなり、新入社員トレーニングの多くは社員自身のデバイスまかせとなっていた」と、CEOのバブコック氏はTechCrunchに語っている。

彼らは、ロサンゼルスを拠点とするTangoを設立するためにビジネススクールを退学し、米国時間8月24日、同社のワークフロー・インテリジェンス・プラットフォームのために、570万ドル(約6億2600万円)のシードラウンド獲得を発表した。このラウンドには、Wing Venture Capitalがリードし、General Catalyst、Global Silicon Valley、Outsiders Fund、Red Sea Venturesが参加した。また、Yelpの元役員であるMichael Stoppelman(マイケル・ストップペルマン)氏、Uberの元データ部門責任者であるJai Ranganathan(ジャイ・ランガナサン)氏、KeepTruckinのCEOであるShoaib Makani(ショアイブ・マカニ)氏、Awesome People VenturesのJulia Lipton(ジュリア・リプトン)氏などのエンジェル投資家も参加した。

Tangoは、特にカスタマーサクセスやセールスイネーブルメントに携わる従業員が、1つの情報を探したり、タスクを手伝ってくれるのに適切な同僚を探したりするのに費やす時間を、1週間のうち20%程度削減することができるように設計されている。この技術は、ユーザーのワークフロー(アクション、ページへのリンク、URL、スクリーンショットなど)を記録し、それをビデオで順を追ってドキュメントに変換することで、チュートリアルを作成する。

以前、共同設立者たちはブートストラップで会社を運営していたが、Tangoがプロダクト主導の成長戦略をとることができるよう、プロダクトチームとグロースチームを拡大し、プロダクト開発に注力するためにシード資金を調達することを決めた、とバブコック氏は語っている。現在、チームには13名の社員がいる。

2020年の開始以来、Tangoは9月の公開に向けて、データや機能を把握するための10のパイロットを準備した。バブコック氏によると、Tangoには無料版だけでなく、追加機能を提供するプレミアム版や法人向けも用意されている。

「大きな問題は、統合と、コンシューマーのコンテンツがある場所で人々と繋がることだ」とバブコック氏は述べている。「私たちは、ドキュメント作成の負担を軽減しており、すでにWikisやその他の資料を備えている企業に対しては、それらのシステムにいかに自分たちのプロダクトを組み込めるかを学んでいる」。

Wing Venture CapitalのパートナーであるZach DeWitt(ザック・デウィット)氏は、3年前に共通の友人を通じて同社と出会ったという。

彼の会社は、斬新なデータセットをアクセス可能にするアーリーステージのBtoBのスタートアップ企業に投資している。Tangoの場合は、企業やビジネスのために、ユーザーがワークフローを分析できる新しいデータセットを作成していた。

10年前の20個から150個のSaaSアプリを使用している平均的なテック企業では、どのアプリを使用すべきか、それらをどのように使用すべきか、ユーザーが行き詰った場合はどうするか、何もデータを取得していない場合はどうするかなどいくつものパターンが考えられる、とDewitt氏は述べている。Tangoはバックグラウンドで動作し、ビジネスを成功させるための基盤となるユーザーのワークフローをキャプチャしてくれる。

「私はそのアプローチに圧倒された」と彼は付け加えた。「Tangoのチュートリアルを提供できるよう、多くの人が行き詰まるカ所を理解し、むしろ予測しなくてはいけない。また、知識を共有する人たちを社内で称えることで、会社の文化を変えることもできる。このアイデアは、行き詰まっている人、新入社員など複数の人たちにメリットがある。これは強力だ」。

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(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

勤怠管理や社会保険申請とも連携可、従業員・組織情報を一元化できる「マネーフォワード クラウド人事管理」

勤怠管理や社会保険申請とも連携可、従業員・組織情報を一元化管理しペーパーレス化する「マネーフォワード クラウド人事管理」

「お金のプラットフォーム」を構築し、個人・法人すべてのお金の課題解決を目指すマネーフォワードは7月26日、「マネーフォワード クラウド人事管理」の正式提供開始を発表した。これは、企業の従業員情報の収集管理のペーパーレス化、従業員・組織情報の一元化を行うサービス。中堅企業向けバックオフィス統合ソリューション「マネーフォワード クラウドERP」のラインナップのひとつに加わる形となる。

マネーフォワード クラウドERPは、変化を恐れない企業のための進化し続けるERP(統合基幹業務)をコンセプトとして、中堅企業向けに2020年10月にリリースされ、対応業務領域の拡大を進めてきた。そこに加わったマネーフォワード クラウド人事管理は、従業員や組織の情報を一元化する人事管理システムとなっている。

人事業務を紙の書類ベースで行っている企業は多く、表集計ソフトなどで一部デジタル化をしていても、情報の変更があるごとに改めて入力したり転記する必要が生じる。マネーフォワード クラウド人事管理を使うことで、入退者の手続き、従業員の氏名の変更、育休の手続きなどの人事業務で発生する従業員情報の収集や変更がオンライでできるため、そうした手間がなくなる上に、「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウド社会保険」など、他の「マネーフォワード クラウド」サービスやグループ企業が提供するサービスとの情報共有がされるため、これらと連携したクラウド型の統合業務ソリューションを構築できるという。

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オンラインキャリアカウンセリング「ミートキャリア」を運営するfruorが4500万円のシード調達

オンラインキャリアカウンセリング「ミートキャリア」を運営するfruorが4500万円のシード調達

オンラインでプロのキャリアカウンセラーに気軽に相談できる「ミートキャリア」(meetcareer)を運営するfruor(フルオル)は6月2日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として4500万円の資金調達を実施した。引受先はW ventures、ベンチャーユナイテッドほか、複数の個人投資家。

近年、少子高齢化の影響もあり、労働人口の減少という課題を日本社会は抱えているため、どのようなライフステージにある人でも活躍することや生産性をアップさせることが求められている。その反面、ライフステージが変わると、キャリア形成を維持できない、活躍の場が限られるようになるといった課題も生じている。

fruorでは、ライフステージの遷移によって当人が感じる「モヤモヤ」を、気軽に相談する場としてミートキャリアをスタート。仕事上の意欲の低下や離職を、プロのキャリアカウンセラーという第三者視点のアドバイスにより食い止めることに成功してきた。

特に、働く意欲がありつつ、就業時間の点で制約のあるワーキングマザーは、もっと働きたいのに働けないというワークライフバランスが変わったことに対応しきれず自分で自分の評価を下げてしまいがちだが、ミートキャリアでは定年まで走り続けることや転職がキャリア形成のすべてではないこと、ジョブ型雇用への切り替え、副業、フリーランスへの移行といった幅広い選択肢を提示。サービス開始から1年半で相談件数は1000件を超え、利用者による評価は10点満点中9.3点、1年以内のリピート率は30%以上と高い。

ミートキャリアには、1回75分のオンラインキャリア相談と、メールで行うテキストプログラムがあり、オンラインキャリア相談では現状の課題整理と、課題解決のための選択肢や情報の受取、アクションプランの設定が行える。テキストプログラムは、キャリアサポーターとの1対1でメールのやり取りを行う中で、自己分析、転職準備、副業チャレンジ、復職準備といった、これからの目標設定や行動への準備をじっくりと行える。

調達した資金は、主にサービス開発、ユーザー拡大に向けたマーケティング活用に用いられる。

シードラウンドにあるfruorでは、「終身雇用制の崩壊、ジョブ型雇用への移行、副業の促進などを受けて人材の流動性が高まる中、企業と個人の関係変化は急加速している。個人のキャリア自律が求められることからパーソナライズされたキャリア支援も必要となる。ミートキャリアにより、社会課題を解決し、だめもが自分に合った働き方ができる社会の実現に向けて邁進したい」と、今後の展開を明らかにしている。

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グローバル学生特化型プラットフォーム「JPort」のSPeakが8000万円調達、就活のボーダーレス化実現目指す

グローバル学生の就活オンラインメディア「JPort Journal」やグローバル人材とのマッチングサイト「JPort Match」など、グローバル学生特化型プラットフォームを運営するSPeakは5月20日、第三者割当増資による約8000万円の資金調達を発表した。

新規引受先として迎えたのは、ANRI、East Ventures、LAUNCHPAD FUND、河合聡⼀郎⽒などの個⼈投資家。また、既存投資家のライフタイムベンチャーズを追加引受先とした。累積調達額は1億円超となった。調達した資金は、コア人材の獲得、コミュニティの強化、HRTech事業の拡大に用いる。

SPeakは国内において人種・国籍のダイバーシティを推進し、グローバル新卒特化型プラットフォーム「JPort」を運営している。その背景には、少子高齢化による生産年齢人口の減少、日本の国際化に加え、国が「留学生30万人計画」「スーパーグローバル大学」といった施策を行い留学生が急増しているにもかかわらず、日本の「就活」が独特なため、グローバル学生やミレニアル世代にとってハードルが高いといった課題がある。

さらに近年のコロナ禍により、グローバル学生の就職活動・企業人事の新卒採用活動ともにオンラインに場を移していることから、サービス拡充が急務となった形だ。資金調達完了後、SPeakではコアメンバーとCxO候補の採用を開始する。

第三者割当増資に際し、代表取締役CEOの唐橋宗三氏は、「ボーダーレスな社会を実現するためにSPeakを創業した。今回の資金調達で、当社のビジョン・ミッションに共感いただいた素晴らしい投資家の方々とともに、人種・国籍のダイバーシティ&インクルージョンを推進していきたい」と抱負を述べた。

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「柔軟な働き方は福利厚生をセットにして初めて成功する」プリペイドカード型福利厚生のmiiveが5000万円調達

「柔軟な働き方は福利厚生をセットにして初めて成功する」プリペイドカード型福利厚生のmiiveが5000万円調達

リモート環境にも適した福利厚生サービス「miive」(ミーブ)を手がけるmiiveは2月17日、総額5000万円の資金調達を発表した。引受先は、サイバーエージェント・キャピタル、ジェネシア・ベンチャーズ。

調達した資金は、同社ビジョン「世界で最も優しいプロダクトを創る」の実現に向け、開発・人材採用に投資する。事業をより一層加速させ、福利厚生市場をリードしていくテクノロジー企業として、邁進していくとしている。

なおmiiveは、4月下旬に正式版リリース予定。サービス開始に先立ち、現在事前登録を受け付けている。

福利厚生に力を入れる企業が増加する中、利用するための仕組みやコンテンツが20年前と変わっていない

代表取締役の栗田廉氏がmiiveに取り組むことになった背景には、健康経営シフトや働き方改革の効果が広がっている影響があるという。特に、経済産業省による健康経営優良法人制度の認定数(中小規模法人)が2016年度は300社程度だったものが、2018年度3000社と大幅に増加したことを挙げた。福利厚生に力を入れている企業が増えており、従業員の健康に対する投資が当たり前になり、贅沢品から必需品に変わりつつあると指摘した。

また福利厚生は、投資効果が高い点を紹介。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が、グループ世界250社約11万4000人に健康教育プログラムを提供し、投資に対するリターンを試算した際、健康経営に対する投資1ドルに対して3ドル分の投資リターンがあるとの調査結果が得られたという。

「柔軟な働き方は福利厚生をセットにして初めて成功する」プリペイドカード型福利厚生のmiiveが5000万円調達

健康経営の推進について」(令和2年9月 経済産業省 ヘルスケア産業課)より

日本においても健康経営の効果に関する調査結果が出揃いつつあり、9割以上の企業が生産性向上、企業イメージの向上、離職率の低下などの効果を上げているとした。

栗田氏は、その一方で、コンテンツの部分が20年前と変わっておらず、改善の余地があるという。「2025年には、ミレニアル世代が労働者の8割以上が占めるようになる。この層にはすでに刺さらなくなってきている」とした。

UX、使い勝手でも課題がある。例えば従業員がスキー場のリフト券の割引を使うという場合、利用する従業員人数分の領収書を発行してもらい総務に申請。その後総務が福利厚生のアウトソーシング企業に郵送するなどの手間が発生する。

1年に1回以上福利厚生を利用する者は2~4割程度で、1年に1回も利用しない者は7~8割に上るそうだ。

栗田氏は、これらを受け、福利厚生サービスに関する予算枠があるのなら、その枠内で企業と従業員の両方に有効な利用法を提供できないかと考えたという。

またリモートワークの定着をはじめとする働き方改革の中、従来の社食やオフィスの自動販売機といった規模の大きなものではなく、従業員の働き方や働く場所に合わせて必要になるとして、プリペイドカード型福利厚生として、miiveに取り組み始めたと明かした。

場所・時間を問わず、リモートワークでも利用しやすいコンテンツ

栗田氏によると、「miiveが従来の福利厚生サービスと異なる点は、コンテンツの柔軟さと場所・時間を選ばない点」にあるという。

miiveでは、企業からプリペイドカードを従業員に発行し、これを経由する形でポイントとして福利厚生を従業員に支給。従業員は、このポイントを使って各種コンテンツを利用できる。ポイント利用先としては様々なVisa加盟店を用意しており、企業が自社の方針に合わせて利用先をカスタマイズし、福利厚生として精算できるようになっている。

ポイント利用先としては様々なVisa加盟店を用意しており、企業が自社の方針に合わせて利用先をカスタマイズできる

ポイント利用先としては様々なVisa加盟店を用意しており、企業が自社の方針に合わせて利用先をカスタマイズできる

また福利厚生として計上するには、国が定めた要件に従う必要があり、例えばコンビニはじめ何らかのサービスでポイントを食事用途で利用する場合、従業員自身が利用額の半分を負担しなければならないという。

これに応えるため、miiveのプリペイドカードは従業員自身のクレジットカードからもチャージできるようにしている。1枚のカードに、企業のポイントと従業員自身のチャージ分の2種類のマネーを内包しており、先の食事用途の例であれば、福利厚生として計上されるようこれら2種類が利用金額の50%ずつ引き落とされるという。

コンテンツについては、Visa加盟店の中から企業がカスタマイズし自由に設定でき、管理画面からいつでも追加・変更可能だ。食事・ファッション・ジム・エステなどを用意しており、身だしなみをキチンとしてほしいなど導入企業の意図を反映できるようになっている。ちなみにmiive自身の場合は、従業員に健康的な食事をとってほしいと考えて、食事用途を「厚く」しているそうだ。

柔軟な働き方や働き方改革は、福利厚生をセットにして初めて成功する

miiveでの1カ月あたりの支給ポイントは、様々なニーズに柔軟に対応できるよう5000~1万ポイントを想定しているそうだ。従業員による自発的な福利厚生の利用は、給与アップに比べ満足度の向上や離職率の低下に対して高い投資対効果が見込めるためという。

またmiiveの場合、例えば部活手当はじめ、自社コンテンツを従業員が利用した場合ポイント還元を優遇したり、ベビーシッター手当を用意したりなど、企業ごとに独自の福利厚生を簡単に構築できる点を挙げた。

柔軟な働き方に関する課題として、同僚間のコミュニケーションの低下や、従業員が企業に大切にされていないと感じる傾向が挙げられるようになっている。この状況に対して、栗田氏は「柔軟な働き方や働き方改革は、福利厚生をセットにして初めて成功する」と考えているという。早期から柔軟な働き方を採用している企業の場合、社内コミュニケーションの活性化など独自の福利厚生にも取り組み、従業員の満足度を高めているからだ。

部活手当など、企業ごとに独自の福利厚生を簡単に構築できる

部活手当など、企業ごとに独自の福利厚生を簡単に構築できる

企業独自の福利厚生の場合、立て替え申請や領収書のとりまとめ、経理の振込といった手間や時間を要するといった課題があるが、従業員による申請などはアプリによって行えるため、企業側の負担もmiiveにより一切なくなるそうだ。

従業員は、アプリ上で申請を行うだけでよく、もし承認されなかった場合はその理由が即座に表示される

従業員は、アプリ上で申請を行うだけでよく、もし承認されなかった場合はその理由が即座に表示される

従業員間の承認もアプリ上で即座に実施。立て替えなどのとりまとめが行いやすい

従業員間の承認もアプリ上で即座に実施可能。立て替えなどのとりまとめが行いやすい

また福利厚生は税務メリットも大きいものの、従業員にとっては申請などが面倒といった点が利用機会の低減につながっていたため、これもmiiveによって解決できるとした。

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