車載ホログラフィック・ディスプレイ開発の英国Envsicsが約53億円調達、Jaguarランドローバーへの搭載目指す

VR(拡張現実)技術の実現可能なビジネスモデルとはどんなものか、まだ世間は模索を続けている状態だ。そんな中、英国のあるスタートアップは、車の中に大きな市場があると見定め、ホログラフィック・ディスプレイとというかたちで賭けに出た。米国時間10月7日、言うなればその「ビジョン」を実現させる戦略的投資家による巨額投資の発表に漕ぎ着けた。

Envisicsは(エンヴィシクス)は、コンピュータービジョン、機械学習、ビッグデータ解析、ナビゲーションといったテクノロジーを自動車用のホログラフィック・ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)のためのハードウェアに統合し、マップ表示やナビゲーションガイド、危険の警告などの情報をドライバーに示す高度な「ダッシュボード」を提供する。同社は本日、シリーズB投資5000万ドル(約53億円)の調達を発表した。

同社の創業者のJamieson Christmas(ジェイミソン・クリスマス)博士はインタビューの中で、この投資は2億5000万ドル(約270億円)を上回る評価額の段階で実施されたと話している。前回のラウンドによって評価額が「大幅にアップ」したとのことだが、イングランドでロンドンの北西に位置するミルトン・キーンズを拠点とするEnvisicsは、これまで評価額を公表していなかった。

この資金は、すでにこのスタートアップに協力してきた、韓国のHyundai Mobis(現代モービス)、米国のGeneral Motors Ventures(ジェネラル・モーターズ・ベンチャーズ)、中国のSAIC Motors(上海汽車集団)、自動車販売と関連サービスで財を成した米国Van Tuyl Group(バン・タイル・グループ)のファミリーオフィスであるVan Tuyl Companiesからなる企業の強力な戦略的投資家グループによってもたらされた。

Envisicsは、すでに数社の自動車メーカーと手を組み、その技術の車両への導入を進めている。まずは市場のハイエンド層を狙い、「インドのTata Motors(タタ・モーターズ)が所有するJaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)のモデルに搭載する」とクリスマス氏は話す。その技術を組み込んだ車の量産は2023年から開始される予定だ。

ARスタートアップ各社の足元が揺らいでいるこの時期にあって、今回の投資はEnvisicsの価値を認めるものとなるばかりか、同社の事業が関わる幅広い市場も評価されたことになる。

クリスマス氏がホログラフィック・ディスプレイの世界に足を踏み入れたのは、同氏が創業した最初のスタートアップであるTwo Trees(トゥー・ツリーズ)でのことだ。この会社は、Microsoft(マイクロソフト)とそのHoloLens(ホロレンズ)に抵抗できる優れた技術を探していたARグラスの企業Daqri(ダクリ)によって2016年に買収された(Forbes記事)。

クリスマス氏は、Daqriがヘッドセットに力を入れていた間も、ホログラフィック・ディスプレイを自動車メーカーに売り込む機会を引き続き探り続けていたという。事実、買収された時点でTwo Treesは、すでに自動車メーカー数社を顧客にしていた。

それが2年後の2018年、Envisicsのスピンアウトにつながった。前の企業と同じく、同社は英国のスタートアップとして創設されたが、今回は自動車へのホログラフィック技術導入に特化している。

それは結果的に適時の判断だった。結局Daqriは、ビジネス用途に軸足を置いたことで失敗し、すでにARには厳しい状況になっていた中で資金が底をついて2019年9月に倒産(未訳記事)してしまった。Daqriだけではない。当時犠牲になった企業には、特許や資産を売却に追い込まれたOsterhout Design Group(オスターハウト・デザイン・グループ)とMeta(メタ)がある。

Envisicsは燃え盛る舞台からの脱出に成功したと考えるなら、それは間違いなくフライパンから炎の中に飛び込むのと同じだった(紛らわしい火の比喩で申し訳ない)。自動車セクターには巨額の資金が投入され、次世代の輸送手段として期待が集まる自動運転車で、熱い競争が繰り広げられている。

もしあなたが、ARはまだビジネスとしての着地点を発見していないと考えていたとしても、自動運転車は、彼らの目標地点のずっと彼方にある。人間と同等の信頼できる判断が下せる完全な自動運転車が登場するのは、まだまだ何年も先のことだと多くの専門家は口をそろえる。そもそもその実現性を危ぶむ専門家もいる。

そこで、Envisicsのような技術の出番となる。同社のツールは人間のドライバーに取って代わるものではなく、人間の運転を支援するものであり、今から、最終的に自動車が自律走行をできるようになる未来までのいくつもの段階で同社などの技術は極めて重要で、また面白い役割を担い続けることになる。想像できる範囲内でも、自動車そのものの発達と共に進化していく余地は非常に大きい。例えば今、重要なデータを提供してくれるものが、将来、人が運転しなくてもよくなったときには気の利いた娯楽を提供してくれるようになるかもしれない。

「現代モービスは、2025年の量産を目指して、自動運転に特化したAR HUDをEnvisicsと共同開発しています」と現代モービスの上級副社長兼CTOのSung Hwan Cho(チョ・ソンファン)氏は声明の中で述べている。「私たちは世界の自動車メーカーに向けて、安全性を高め、ドライバーの集中力を削ぐことなく利便性をもたらす次世代型AR HUDを積極的に提案していきます」と続ける。

「GMは、Envisicsのホログラフィック拡張現実ヘッドアップ・ディスプレイ技術に大変に感銘しました」とGM Venturesの社長Matt Tsien(マット・チエン)氏は話す。「この技術は、Cadillac LYRIQのような将来のEVの手放し運転を支援する機能など、さまざまな安全機能や高度に統合された直感的なアプリケーションにより、自動車内の体験に革命をもたらします」

「私たちは、Envisicsの革命的ホログラフィック技術の商品化という冒険の旅に参加できることを、とても嬉しく思っています。そして、彼らと手を組み、中国国内および国際市場の次世代の自動車に、高度なAR HUDを展開できることを心待ちにしています」と、SAIC Capitaiの投資ディレクターMichael Cohen(マイケル・コーエン)は自身の声明で語っていた。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Envisics、イギリス、HUD、資金調達

画像クレジット:Envisics

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(翻訳:金井哲夫)

米住宅省が住宅広告におけるFacebookの広告ターゲティングを差別として告訴

米国の住宅都市開発省は米国時間3月28日、Facebookを住宅に関する差別で告訴した。訴状によると、Facebookは同社の広告ターゲティングツールで公正住宅法(Fair Housing Act)に違反した。そのツールは、売り手が掲載物件を人種や性、出身国などによって制限することを許しているという。

この告発は、昨年8月に行われた調査の結果に基づいている。調査は公式の苦情に対応して行われ、その苦情は住宅販売者や家主が人間のさまざまなカテゴリーで広告をターゲティングできる(従って差別もできる)と非難している。

Ben Carson住宅都市開発省長官は声明で次のように述べている。「Facebookは人間の特性や住所に基づいて人びとを差別している。コンピューターを用いて個人の住宅の選択を制限することは、人に門前払いを食らわすような差別でありうる」。

一方Facebookは、本誌に宛てた声明で「その決定は意外だ」と言っている。続けてFacebookのスポークスパーソンは「住宅都市開発省の訴状に詳説されている差別に対応するための『有意義な措置』を講じた」と言っている。

その説明はこうだ。「昨年弊社は、誤用されるおそれのある何千ものターゲティングオプションを排除し、そして先週は、全米公正住宅連盟やACLUなどの団体との歴史に残るような協定により、住宅やクレジットや求人などの広告をFacebookに掲載するやり方を変えることになった。弊社は真剣に解決方法を見つけようとしているが、住宅都市開発省は、ユーザーデータのような機密情報への、安全対策を欠いたアクセスに固執している。弊社は今日の展開(告訴されたこと)に幻滅しているが、今後もこれらの問題に関して人権問題の専門家たちとの協働を続けていきたい」。

先週、FacebookはACLU, Outten & Golden LLP、および全米通信労働者組合との合意により、法的問題を回避した。その交渉は、1964年の人権法第8条の遵守に関わるもので、Facebookは住宅と求人の広告から性と年齢と人種に基づくターゲティングを取り去り、(住宅と求人の)案件リストのためのワンストップポータルを新たに作ることになった。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

WayRayのホログラフィックAR HUDにポルシェなど自動車メーカーが800万ドルを投資

巨大にして古い体質を引きずる自動車産業は、次世代の自動車技術を開発してもらおうと、革新的なスタートアップに望みと夢を託してきた。そのいちばん新しい物語のページが、先日(9月18日)、開かれた。チューリッヒに本社を置くホログラフィーを使った拡張現実技術(AR)とハードウエア(運転者の視界に映像を投影するヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)に使われる)を開発する企業WayRayが、ポルシェが主導するシリーズC投資として800万ドル(約9億円)の資金を調達した。これには、現代自動車、以前から同社に投資を行っているアリババ・グループ、招商局集団、JVCケンウッド、さらに政府系ファンドも加わっている。

WayRayは、この資金の使い道として、来年を目処に自動車メーカーにディスプレイ技術をOEM供給すること、長期的には、建築用の窓のような自動車用以外のディスプレイを開発する計画を示している。

WayRayは設立から約5年になる。製品は広く紹介されているものの、まだプロトタイプの段階に留まっている。しかし、その評価額は非常に高い。WayRayに近い情報筋によると、現在の評価額は5億ドル(約560億円)にのぼる。だが、WayRayの創設者でCEOのVitaly Ponomarevは、来年に予定されている製品の出荷が始まれば、その額は2倍になるだろうとインタビューで話している。

「私たちの製品の寿命はとても長いものです」とPonomarevは言う。「私たちは今、自動車業界への部品の認定供給業者になろうとしてるところですが、それには時間がかかります。来年にはティアツーサプライヤーになることを目指しています。年が開けるとすぐに契約が結ばれ、私たちの評価額に影響してくるはずです」。さらに彼は、すでに「すべての大手自動車メーカー」と接触していると話していた。

(資金に関して付け加えるならば、同社は公式には1億1000万ドル(約124億円)を調達していることになっているが、我々の情報筋によると、非公式に1億4000万ドル(約157億円)を、今は支援していることを伏せておきたい投資家から受け取っているという)

自動車用のHUDの市場価値は、昨年の時点で5億6000万ドル(約630億円)と見積もられていたが、2023年までには10億ドル(約1120億円)を超える見通しだ。WayRayのような企業は、コンチネンタルやパナソニックといった企業と頭を付き合わせて、彼らの要求に応えるシステムを作ることになる。これには2つの役割がある。ひとつは、運転者のアシスト。もうひとつは、乗客(または自動運転車の運転席に座る人)に情報や娯楽を提供することだ。

Ponomarevは、2週間以内に、それらのケースに対応するアプリ開発用のSDKを発表すると話している。

企業としてのWayRayは、AIに強く、とくにコンピュータービジョンと車内の安全システムの技術に優れた2つの国にまたがっている。WayRayの研究開発の大部分を占め、最初の(プロトタイプ用の)工場が置かれたのはロシアのモスクワだ。もうひとつの拠点が、現在はスイスのチューリッヒにある。最近までローザンヌにあったのだが、ドイツの国境に近く、複数の自動車メーカーが拠点を置いているチューリッヒに移転した。WayRayは、製品を製造する最初の工場をドイツに構える予定もある。2番目の工場は上海に作られる。現在、上海には営業所があるだけだ。

TecCrunchでは、今年のCES会場でWayRayを見つけて、その技術について簡単な記事を紹介したが、その画像の鮮明さや広さは、HUDの可能性を信じる私たちを勇気付けるものだった。すでにいくつものHUDメーカーが製品を販売しているが、言わせてもらえば、NavdyiScoutなど残念なものが多い。 しかしWayRayは、そうした多くのメーカーとはアプローチの角度が違う。反射式画面や埋め込み型ディスプレイではなく、ホログラフィックAR技術に特化している。

それにより、同社の専門はソフトウエアのみならず、最新のレーザー技術や材料科学(新しいポリマーを開発している)にまで広がったとPonomarevは話す。ホログラフィックHUDを研究している企業はWayRayだけではないが、WayRayがもっとも進んでいると彼は信じている。「特許の面から言えば、私たちが世界でナンバーワンです」と彼は言う。このシステムは、現在作られているものに比べて、20分の1のサイズにまで小さくできる可能性がある。

WayRayは、現在、埋め込み型のHUDシステム、つまり車両に組み込むための技術とハードウエアにフォーカスしているが、それは最近になってからのことだ。今年の初めまで、ユーザーが自分で買って好きな車両に取り付けられる、後付け型のハードウエアも同時に開発していた。

後付け型ハードウエアの問題点は、基本の技術がかならずしも同じでなくても、過激な競争になることだ。「中国など、世界中の何十社もの企業が参入して、後付けHUDビジネスを破壊してしまいます」とPonomarevは言う。「理由は単純です。中身に(独自の)技術がないからです」

後付けハードウエアのもうひとつの問題点は、販売チャンネルを作らなければならないことだ。

「小売りチェーンを通ることで、大きなマージンが取られてしまいます」と彼は言う。「しかし、OEMチャンネルに競争相手がひとつもなかったなら」……これはWayRayが主張する現在の状況だが……「それは金の鉱脈です。顧客は、一緒に仕事ができる時間が作れるまで、私たちのことを列を作って待っていてくれます。敷居が高い(一から始めて新しい技術分野を切り開き自動車産業に参入する)のが難しいところですが、良い面がとても大きく広がっているので、私たちは後付け型から埋め込み型に切り替えました。私たちは、それに相応しい技術を持っています」

それでも、WayRayが成功を実感できるようになるまでには、乗り越えなければならないハードルがある。自動車の内装には物理的にさまざまな違いがあり、それによってホログラフィック・ディスプレイの挙動は変わる。それに、本体はできるだけ小さく、映像はできるだけ大きく映し出すというハードウエアの開発には、つねにその2つの駆け引きによる緊張が付きまとう。

もうひとつ、その車種に、これを受け入れる準備ができているかどうかを考慮する必要がある。高度なドライブシステムや複数のセンサーなどを備えた車種なら、WayRayのシステムから出力される映像のレンダリングが高速に処理されるだろうが、そうではない車種では、WayRayのシステム自身が必要なデータを収集する方法から考えなければならない。それには、より複雑で高価な技術が必要になる。

しかし、そうした困難な問題に取り組んだとしても、見返りは大きい。

ポルシェは、WayRayの技術を、単に運転車のアシストに使ったり、すでに高い性能を有する車のオマケにするだけでなく、いずれはもっと多くのサービスを提供したいと考えている。たとえば、アリババを使った電子商取引だ。

「私たちが手を組むことで、お客様がポルシェに期待している基準での顧客ソリューションを提供できるようになると確信しています」と広報担当者は話している。

「WayRayは、宇宙工学、ハードウエアとソフトウエア開発といったしっかりとした経歴を持つユニークな専門家集団です」と、ポルシェの取締役会副会長であり財務IT担当取締役員のLutz Meschkeは、声明の中で述べている。「彼らの革新的なアイデアと製品には、非常に大きな可能性があります。これを基に、私たちはカスタマイズされたポルシェのソリューションをお客様に提示できるようになります。だからこそ、私たちはこの戦略的な投資を決断したのです」

また、長期的にその技術の応用に対する投資も拡大している。

「WayRayは、ホログラフィックARディスプレイ・システムのハードウエア開発、ソフトウエア開発の両方において、卓越した専門性を有しています」と現代自動車グループの最高イノベーション責任者であり執行副社長の池永朝(ヨンチョウ・チ)博士は声明の中で話している。「現代とWayRayの協力により、私たちはAR技術を利用した、まったく新しいエコシステムを確立し、ナビゲーション・システムの強化だけでなく、スマートシティーやスマートビルディングのためのARプラットフォームも構築することになります。それは、現代自動車グループは新事業でもあり、将来的に、私たちの車を運転されるお客様に、革新的な顧客エクスペリエンスを提供します」

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(翻訳:金井哲夫)

米住宅・都市開発省、Facebook広告を公正住宅法違反で告発

米国時間8月17日、住宅・都市開発省(HUD)はFacebookが家主や住宅販売者の公正住宅法違反を助長しているとして告発状を提出した。同省の訴えによると、Facebookの広告設定は売り主が特定の利用者層をターゲットすることを可能にすることで法を無視できるようにしている。

HUDによると、Facebookの広告設定には、特定の人種、宗教、性別、出身国などさまざまなカテゴリーに属する個人を排除するしくみがあり、これは1968年の公民権法の一環で定められた規則に違反していることは明白であるという。

「公正住宅法は住宅差別を禁止しており、マウスのクリックひとつで居住の選択肢を制限あるいは拒否する行為もその一つだ」と住宅・都市開発省のAnna María Farías次官補(公正住宅・機会均等担当)が同省の発行した声明で言った。「Facebookが収集した膨大な個人データを使って広告主の差別を助長することは、人を門前払いするのと同じことだ」。

Facebookは速やかに苦情に反応した。同社はテクノロジーが誤って利用される可能性が残っていることを認めつつ、濫用を減らす努力を進めていると主張した。

「Facebookに差別の居場所はない。ポリシーが厳格に禁止している」、とFacebook to The Washington Postに送った声明で語った。「この数年、われわれは濫用の防止を強化してきた。告発内容は認識しており法廷で回答する。今後もHUDと直接協力して彼らの懸念事項に対応していく所存だ」

この告発は長年の念願だった。National Fair Housing Allianceなどの団体も、すでにこの件でFacebookと法廷で争っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

視界に「速度」「位置情報」──HUD付きスマートヘルメットをJDIが発表

eng-logo-2015JDI(ジャパンディスプレイ)は、バイク用のスマートヘルメットを開発しました。HUD(ヘッドアップディスプレイ)を内蔵し、オートバイで走行しながら視界の中に速度やGPS、着信・メールなどの情報を投影することができます。

このスマートヘルメットは、車載HUDに採用されているユニットの小型化により実現。オートバイをはじめとするモータースポーツでは、スピードメーターなどの確認時に視線を移す必要がありますが、HUDを組み込んだことで、走行時の視線を維持した状態で情報を確認できます。

現時点ではコンセプトモデルであるものの、2019年に同様の機構を備えた製品の発売を目指しているとのこと。また、オートバイやモータスポーツだけでなく、サバイバルゲームや建設現場・警備などさまざまな分野で活用できるといいます。

ソニー・東芝・日立の中小型ディスプレイ事業を統合して設立したJDIは、「モノづくり」から「コトづくり」への転換を掲げ、B2Cへの参入を表明。自社のディスプレイ技術を活かしたユニークな新基軸の製品・サービスを投入し、経営再建を図りたい考えです。

Engadget 日本版からの転載。

Navdyの後付HUDカーナビをお勧めする―数ヶ月テストしたが圧倒的に便利

自動車に搭載される情報システムの発達は目を見張るばかりだ。AppleやGoogleのスマートフォン機能を内蔵する新車も数多く登場している。しかしこうしたシステムに共通する大きな問題は数秒にせよドライバーの注意を道路から逸らすところにある。Navdyから発売された後付可能なダッシュボードHUD〔ヘッドアップディスプレイ〕はこの問題を根本的に解決する。数ヶ月にわたってNavdyをテストした結果、このことはますますはっきりしてきたと思う。

デザイン

Navdyは最近大幅に定価を下げて499ドルとした。当初の800ドルから比べればだいぶ手頃になったとはいえ、後付デバイスとしては決して安くない。しかしハードウェアには十分に高級感がある。フィニッシュも含めて品質には問題ない。肝心のフロントガラスへの表示だが、光学像は明瞭かつ完全に透明で道路を見通すのに全く妨げにならない。

このハードウェアで気にいったのはセットアップが簡単なこと、さらにダッシュボードからの取り外し、再取り付けが簡単なことだ。昨今の治安ではこういう高価なデバイスを外から丸見えの状態でダッシュボード上に残したまま車を離れたい人間はいないだろう。泥棒の注意を引くに決まっている。磁石を内臓した取付ベースはあまり目立たない。ディスプレイ本体を取り付けるとカチリと気持ちのいい音を立てるので正しくセットされたことがわかる。

ダッシュボードのマウントは電源部も兼ねており、OBD-IIプラグにケーブルで接続される(OBD-IIの位置は車種によって異なるが、多くの場合ハンドルの下だ)。この接続により電力と同時に車速など各種の車両情報が供給される。車速はHUDによりフロントガラスに表示される。

フロントガラスに表示される情報の主要部分はスマートフォンから来る。ユーザーはセットアップの際にBluetootでスマートフォンをペアリングしておく必要がある。最初のペアリングを済ませた後はNavdyは安定して私のiPhoneを認識した。ハンドルに取り付けるダイヤル式のマニュアル・コントロールの動作も安定していた。これもBluetoothでNavdyに接続するが、数秒でセットアップできるし、多くの同種のメーカー・オプションよりも使いやすいと感じた。

いちばん重要な点だが、HUDの画像自体は明るくクリアで多色利用のマップ、メニューは外界の照明条件によらず非常に見やすい。自動車の通常のフロントガラスに投影されているに過ぎないことを考えれば驚くべき画質だ。Navdayの素晴らしさは写真やビデオではなかなか伝えにくい。実はHUDの投射角度はドライバーの位置に最適化されているので同乗者も正確には判断できないだろう。ここは私の言うことを信頼してもらうしかないがNavdyのディスプレイは優秀だ。

ソフトウェア

Navdyのソフトウェアは単純で使いやすいことを目標にしている。そしておおむね成功しているといっていいだろう。 Navdyのソフト自体は極めて複雑だが、それは背後に隠されており、ユーザーはメニューからオプションを選択するだけでよい。ユーザーは自宅を含め、スマートフォンのナビに登録された地点をダイヤルを回して簡単に選択できる。

通話や通知の着信は多少の程度の差はあるが(デフォールトでは少なく設定されている)HUDに表示される。

ターン・バイ・ターンのナビを利用している場合、曲がり角が近づいてくるとNavdyの画面にそれが表示される。ビジュアルが巧みにデザインされており、曲がるべき地点までの距離などが直感的に判断できる。これは単に距離を数字で表示するずっと分かりやすい。【略】

Navdyのソフトウェアでいちばん優れているところは、ユーザーがいちいち操作する必要がほとんどないことだろう。通常の場合、ハンドルに取り付けたダイヤルを操作することもまずない。スマートフォンのNavdyアプリで必要な行き先を順次入力しておけば、HUDは自動的にナビを表示してくれる。

アップデートはOTA

ソフトウェアは専用アプリを通じて携帯網を通じてアップデートされる。Navdyはユーザーからのフィードバックを重視しており、プロダクトは頻繁に改良されている。すでにv1.1というメジャー・アップデートが行われており、新しいメニューや音声で目的地を検索するなどの機能が追加された。【略】

またNavdyのナビ情報のソースはGoogleであるため、頻繁なアップデートと将来に向けての継続性が期待できる。この点は他のプロダクトにない重要なメリットだろう。

結論

数ヶ月にわたってNavdyをテストしてきた結果、機能も信頼性も十分だと判断する。私の車は CarPlayを装備しているが、Navdyaはこれに較べても大きなステップアップだ。従来の車載ディスプレイに較べてNavdyのHUDは道路から注意をそらすことが格段に少ない。使い勝手もユーザー・フレンドリーであり、運転中に目的地を変更したりハンズフリーで通話したりするのもはるかに楽だ。このプロダクトは完全ではない(たとえば私が通常使うルートに較べて脇道に入り込む頻度が高いように思う)。しかしHUDが付属するというので新車を買うのに較べてNavdyの後付HUDは圧倒的なコストパフォーマンスだと思う。

〔日本版〕NavdyはKickstarterで爆発的な人気を集めた製品だが、日本では道交法の確認を取っておらず利用できなかったという情報がある。記事にもあるとおりHUDナビは通常タイプのディスプレイに較べて格段に安全性が高いため一刻も早く国内で利用できるようにすべきだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

海軍の研究者たちが拡張現実用のHUDを内部に収めたダイバー用ヘルメットを開発…安全性と作業性のアップ

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合衆国海軍の研究者たちが作ったダイバー用のヘルメット内ディスプレイは、“アイアンマン”に似ている。とくに、主人公Starkの初期のプロトタイプに。この発明でダイバーの安全性と仕事の効率は上がるが、なにしろ外見がクールだ。

海に潜ることは楽しい体験だけど、仕事としてのダイバーは難しくて孤独な作業だ。マスクで視界が制限され、手には厚いネオプレン製のグラブをしている。だからプロのダイバーにとっては、仕事をやりやすくしてくれるものなら、何でも大歓迎だ。とくに、位置を確認したり、衛星やソナーからのデータを見るためのディスプレイが、手首から消えてしまえば本当にありがたい。

研究チームのリーダーDennis Gallagherが、プレスリリースでこう言っている: “HUD〔ヘッドアップディスプレイ〕をダイバーのヘルメットの中に直接置き、外部のディスプレイを不要にすることによって、ダイバーは映画‘アイアンマン’の主人公みたいになる。見たいものは何でもヘルメットの中にある”。…アイアンマンは今や、こういう場合に使う比喩の定番なのだ。

Simulation of what an augmented reality view through DAVD could look like.

DAVDの拡張現実の画面をシミュレートするとこうなる。

情報をDAVD(Divers Augmented Video Display)に送るのは、頭上の船(からの鳥瞰画像)だったり、将来的にはヘルメットに内蔵するカメラやミニソナーだったりする。夜間や濁った水中などでは、とくにこのディスプレイが重宝するだろう。

DAVDは両目で見る立体画像なので、奥行き感がある。本物のARには、欠かせない要素だ。戦闘機などでもHUDを利用しているが、今回の、加圧スーツに収める水中用の無線バージョンは、きわめてユニークだ。

現状はまだプロトタイプだが、Naval Surface Warfare Center Panama City Divisionのチームは、まずファーストレスポンダー(災害等初期対応要員)が使えるようにし、今後は民間のダイバーにも提供していきたい、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマートヘルメットのSkully、Indiegogo最速で目標額を調達し100万ドルも突破

運転時に利用するヘッドアップディスプレイの人気は相当のものであるようだ。車の16ピンデータポートにつなぐものも、オートバイ用ヘルメットに搭載するものも相当な人気であるらしい。

ヘルメットタイプのSkully AR-1はIndiegogoでキャンペーンを展開中だが、目標額達成の最短記録を樹立したのだそうだ。単価は平均して1425ドルほどだが、45時間で100万ドルを集めてしまった。目標額は25万ドルだったが、アメリカ国内43州および海外24ヵ国からの申し込みがあったのだそうだ。キャンペーン終了までにかなりの期間を残しているが、現在は既に114万ドルを超えている。

ちなみに1399ドルでSkully AR-1を入手できるとしたものが一番人気であるようだが、これには400人以上からの申し込みが集まっている。

ヘルメットの詳細については以前の記事を見ていただきたいが、各種センサー、マイクロプロセッサー、そしてカメラなどを使ってターンバイターンのGPSなどをヘッドアップディスプレイとして表示する。開発者たちはこれを「シナプスプラットフォーム」と呼んでいる。さまざまな情報は、ライダーから10フィートほど前方に表示されるイメージになる。無段階自動焦点方式(automatic infinitely variable focal distance)により、どちらを向いても明瞭に表示される仕組みとなっている。

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(翻訳:Maeda, H


安全運転ヘッドアップディスプレイNavdyの予約が最初の週で100万ドルを突破

音声とジェスチャーでコントロールするヘッドアップディスプレイNavdyは、画面を見ているときでも運転者の目が路面から逸れないようにしてくれる。同機の予約キャンペーンが、最初の1週間で100万ドルを超えた(1台299ドル)。

NavdyのCEOでファウンダのDoug Simpsonによると、こんなすごい反応は予想しなかったし、その意外感がむしろチームを元気づけている。先週のピーク時には、ほぼ1分に1台注文が殺到し、また自分のアプリをNavdyに統合したいというデベロッパからの問い合わせのメールが、同社の受信トレイを常時満杯にしている。

同社はAppleやBeats、Jawboneなどにサプライチェーンサービスを提供しているPCH Internationalと協働しており、PCHのアクセラレータHighway 1から孵化した企業だ。だからSimpsonは、生産(量産)に関しては何ら問題がないとし、相当大量の予約でも十分に対応できる、と言っている。同社はサンフランシスコと中国でPCHと協働し、来年はじめの発売を予定している。

Simpsonによると、自動車関連のOEMが数社、Navdyを自動車に最初から標準で搭載することに関心を示している。

このデバイスは、車の16ピンのデータポートに接続して使用する。そしてユーザのスマートフォンとBluetoothで接続し、電話機を手に持つことなく、音声とジェスチャーで電話、テキスト、ナビへの質問などができるようになる。iOSまたはAndroidのアプリで、このデバイスのセットアップを行う。

40%のディスカウントで買える予約キャンペーンの期間は、あと21日ある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))