米国のiPhoneユーザーは2020年に平均1万5200円をアプリに支出

アプリストア分析会社Sensor Towerが発表した新しいデータによると、米国の消費者は2020年、iPhoneアプリに前年比38%増の平均138ドル(約1万5200円)を使った。この増加は主にパンデミックの影響によるものだ。1年を通じて消費者は仕事、教育、エンターテインメント、ショッピングなどのためにiPhoneを使い、ユーザー1人あたりのアプリ支出額は前年比42%増と過去最多となり、年間成長率も2016年以来の高さとなった。

Sensor Towerは消費者支出の増加傾向が2021年も続くと予想し、米国でアクティブのiPhone1台あたりの消費者支出は平均180ドル(約1万9900円)に達する見通しだとTechCrunchに話した。こちらも、少なくとも部分的にはパンデミックによる増加で、特にパンデミックが焚き付けたモバイルゲームへの支出の増加が要因だ。

画像クレジット:Sensor Tower

2020年の米国におけるiPhoneアプリの支出増加は世界のトレンドを反映した。Sensor Towerによると消費者はiOSとAndroidアプリで過去最多の1110億ドル(約12兆2741億円)を、App Annieによると1430億ドル(約15兆8126億円)を使った。App Annieの分析には中国のサードパーティーAndroidアプリストアも含まれている。

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2020年の米国のiPhone消費者支出が最も多かった部門は、もちろんゲームだ。

米国ではデバイス1台あたりのモバイルゲームへの支出は2019年の53.80ドル(約5950円)から2020年には76.80ドル(約8490円)へと43%増えた。これは、44ドル(約4865円)だった2018年から53.80ドル(約5950円)だった2019年にかけての成長率22%よりも20ポイント以上高い。

米国のユーザーは支出額の大半をCandy Crush SagaやGardenscapesといったパズルゲームに使った。こうしたゲームは人々がパンデミックやそれに関連するストレスを吹き飛ばすのに役立ったかもしれない。この部門の支出額はアクティブなiPhone1台あたり平均15.50ドル(約1710円)で、カジノゲームの平均13.10ドル(約1450円)がそれに続く。こちらはコロナ禍で実際のカジノ場の閉鎖が影響した。戦略ゲームの2020年支出額も急増し、iPhoneユーザーあたり平均12.30ドル(約1360円)となった。

画像クレジット:Sensor Tower

アプリ内支出でもう1つの大きなカテゴリーはエンターテインメントだった。劇場やコンサートホールが閉鎖され、かなりの数の消費者がストリーミングアプリに向かった。Disney+はパンデミックによる都市封鎖が始まるほんの数カ月前の2019年後半に続いてHBO Maxが2020年5月に提供を開始した。

この部門のデバイス1台あたりの平均支出は過去2番目に多い10.20ドル(約1130円)で、2019年の8.10ドル(約895円)から26%増だった。参考までに、2018年から2019年にかけての成長率はわずか1%だった。

デバイスあたりの支出額のトップ5位に入った他のカテゴリーとしては、写真・ビデオ(56%増の9.80ドル、約1080円)、ソーシャルネットワーキング(41%増の7.90ドル、870円)、ライフスタイル(14%増の6.50ドル、720円)がある。

こうした支出額の増加はTikTok、YouTube、Twitchといったアプリと結びついていた。特に、Twitchでの2020年支出額は米国のiPhoneで前年に比べ680%増加した。一方、TikTokは140%の成長だった。ライフスタイルの部門では、バーやクラブが封鎖される中、消費者が都市封鎖の間に他人とバーチャルにつながろうとしたことを受けて、デートアプリが大きな成長要因となった。

全体として、2020年を特徴的な年にしたのは必ずしもどのアプリを人々が使っていたかではなく、どのくらい頻繁にアプリを使い、そしていくら費やしたのかということだった。

App Annieは以前、パンデミックがモバイルの浸透を2〜3年分進めたと指摘した。パンデミック前は1年のうちに支出が緩やかになる時期があったが、Sensor Towerは今日、特定のタイプのアプリ、特に2020年のゲームの支出に関して「季節性」の要素はなかったと指摘している。2020年はいつでもアプリに支出する年だった。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:アプリiPhoneApp StoreSensor ToweriOS

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが英語圏のSiriに2つの新たな声を追加、「女性」の声のデフォルト設定は廃止に

Apple(アップル)は、iOSの最新のベータ版で、Siriの英語版に2つの新しい声を追加し、これまで「女性」の声が選択されていたデフォルトを廃止した。これによって、Siriの設定をする人は誰もが自分で声を選択することになる。アップルの音声アシスタンスは初期状態で女性の声に設定されていることが、数年前から性差別的偏向として議論の的になっていた。

このベータ版はすでに公開されており、プログラム参加者には提供されているはずだ。

この種のアシスタントの中で、デフォルトの設定がなされておらず、ユーザーが自分で選ぶ必要があるというのは、おそらく初めてのことだろう。これは人々がデフォルトの設定に偏ることなく、自分で好きな声を選ぶことができるという意味において、ポジティブな一歩といえる。また、新たに追加された2つの新しい声は、Siriの声に求められていたバリエーションを増やし、ユーザーが自分で音声を選ぶ際に多様性を提供する。

一部の国や言語では、Siriはすでにデフォルトで男性の声になっている。しかし、今回の変更により、その選択が初めてユーザーのものになった。

「英語圏のユーザーのために2つの新しいSiriの声を導入し、Siriのユーザーがデバイスの設定時に好きな声を選択できるようになったことに、私たちは高揚しています」と、アップルは声明で述べている。「これは、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包括性)に対する責任を持ち、製品やサービスに私たちが住む世界の多様性をよりよく反映するという、アップルの長年にわたる取り組みの継続です」。

この2つの新しい声は、タレントの声を録音したものを音源として使い、アップルのNeural text-to-speech engine(ニューラル・テキスト・トゥ・スピーチ・エンジン)によって生成されるもので、実際に構成されるフレーズの中で、より有機的に聞こえるようになっている。

新しい声を聞いてみると、自然な抑揚でスムーズにつながり、とてもすばらしい。選択肢が増えることは、iOSユーザーに歓迎されるだろう。実際に使用されているボイスのサンプルは下のツイートで聞くことができる。

iOS 14.5でSiriに新たにラインナップされた米国人の声を録音してみました。声1と4が従来からあったもの、声2と3が新しく追加されたものです。

この最新のベータ版では、アイルランド、ロシア、イタリアのSiriの音声もNeural TTSにアップグレードされており、これで新技術を採用した音声は合計38種類になった。Siriは現在、5億台以上のデバイスで月間250億件のリクエストを処理し、36カ国の21言語に対応している。

新しい声は、世界中の英語圏のユーザーに提供される。Siriユーザーは16の言語で個人的な好みの声を選択することができる。

今回追加された2つの新しい声は、Siriの声の選択肢を広げる最初の試みである可能性が高い。声やトーン、地域の方言などの多様性が増えることは、スマートデバイスの包括性を高める上でプラスになるはずだ。ここ数年、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、アップルの3社には、否定的な言葉や乱暴な言葉を使った質問に対するアシスタントの回答に偏りが現れる状況を、積極的に是正しようとする動きがようやく見られるようになった。

このような状況を改善することは、社会的に公正なトピックへの対応や、全体的なアクセシビリティの向上と並んで、ボイスファーストやボイスネイティブなインターフェースの爆発的な普及を目指す上で、非常に大事な鍵となる。特に数億人の規模となると、この種の選択が重要になるはずだ。

【更新】一部の国や言語では、Siriのデフォルトが男性の声に設定されていることがわかった。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:AppleSiriiOSインクルージョン

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルがiPhoneやiPad、Watch向けにゼロデイ脆弱性に対するセキュリティアップデートをリリース

Apple(アップル)はハッカーによる活発な攻撃を受けているiPhone、iPadおよびApple Watch向けに、セキュリティ脆弱性を修正するアップデートをリリースした。

このセキュリティアップデートiOS 14.4.2およびiPadOS 14.4.2としてリリースされており、iOS 12.5.2などの旧機種に対するパッチも含まれている。さらに、watchOSも7.3.3にアップデートされる。

Appleによると、この脆弱性はGoogle(グーグル)のProject Zeroのセキュリティ研究者によって発見されたもので、ハッカーによって 「積極的に悪用された」 可能性があるという。このバグは、 すべてのAppleデバイスのSafariブラウザーで利用されているブラウザーエンジンのWebKitに存在する。

誰がこの脆弱性を積極的に悪用しているのか、また誰が被害者になったのかは不明だ。Appleはこの攻撃が少数のユーザーを対象としたものなのか、より広範なものなのかについては明らかにしなかった。同社が積極的な攻撃を受けて、脆弱性を修正するためにセキュリティのみのアップデートを実施したのは(我々が調べた限り)これで3回目だ。Appleは6月に入り、WebKitに存在する同様の脆弱性に対するパッチをリリースした。

今回のアップデートは早めに適応するのが望ましい。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:AppleiOSiPadOSwatchOSゼロデイ脆弱性

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter

TwitterがiOSアプリのタイムラインで直接YouTubeの動画を視聴できる機能をテスト開始

Twitter(ツイッター)は先日、そのアプリ上における画像の表示の仕方を改善するテストを行っていると発表したが、今度はYouTube(ユーチューブ)の動画についても同様のテストを始めることを明らかにした。Twitterのサポートアカウントに投稿されたツイートによると、同社は米国時間3月18日より、iOS用Twitterアプリのタイムラインから、直接YouTubeの動画を視聴する方法のテストを開始しているという。これによってユーザーは、現在見ているタイムライン上の会話から離れることなく、動画をクリックして再生することが可能になる。

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この変更が行われる以前には、iOS用TwitterアプリでYouTubeの動画はプレビューが表示されず、リンクをクリックして動画を視聴しなければならなかった。この場合、タイムライン上の会話から一度離れて別の画面に移動して動画を再生するか、もう一度タップしてYouTubeアプリを起動し、視聴することになる。

今回テストが始まった方法では、現在読んでいるタイムラインから目を離すことなく、画面をスクロールして動画を視聴することができる。

みんなに見てもらいたい高解像度の写真をお持ちですか?私たちはAndroidとiOSで4K画像をアップロード・閲覧する方法をテスト中です。

テストに参加されている方は、設定画面の「データ利用の設定」で高画質画像を有効にしてから始めてください。

本日よりiOSでは、Twitterの会話から離れることなく、ホームのタイムラインでYouTubeの動画を直接視聴できる方法をテストしています。

Twitterによると、この機能はまず米国、日本、カナダ、サウジアラビアでテストしてからグローバルに展開していくとのこと。また、現時点ではiOS用アプリのみとなる。すべてのTwitterユーザーがこの機能を利用できるようになる時期については言及していない。

Twitterは2021年3月初め、アプリ上におけるメディア閲覧体験の向上に取り組むことを発表していた。これには写真や動画などの共有と閲覧の両方が含まれる。例えば、先週iOSおよびAndroid用Twitterアプリで開始された画像のプレビューテストでは、タイムライン上で共有された画像がより正確にプレビューできるようになっている。これまでタイムラインに表示される画像は自動的にトリミングされるため、写真の大事な部分が見えないことがよくあった。

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Twitterは最近、AndroidとiOSの両方で4K画像をアップロードできる機能も発表した。この新機能を利用するには、アプリの「設定とプライバシー」の「データ利用の設定」画面で「高画質画像」の読み込みを有効にする必要がある。

これらの改善は、ユーザーの苛立ちを減らす観点から歓迎すべきことであるだけでなく、Twitterが新たに発表したクリエイターのためのプラットフォームになるという野望にも関連している。同社は近日中に「Super Follow(スーパーフォロー)」と呼ばれるサブスクリプション型の新サービスを導入し、クリエイターがニュースレターなど有料購読者限定のコンテンツをTwitterで公開できるようにするとしており、その中には限定公開の写真や動画も含まれることが予想される。しかし、ウェブ上のさまざまなソーシャルプラットフォームにコンテンツを拡散させていることが多いクリエイターをサポートするためには、Twitterはその写真や動画などのコンテンツを、Twitterアプリ上でシームレスかつネイティブに共有できるようにしなければならない。
Twitterは今後数日から数週間のうちに、この分野でいくつかのアップデートを行う可能性がある。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitteriOSYouTube

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フランスの競争委員会がアップルのプライバシー保護施策に対する阻止要求を却下

Apple(アップル)は、サードパーティのアプリケーションがユーザーを追跡する前にユーザーの同意を得ることを義務づけるiOSのプライバシー保護施策の導入を予定しているが、これを競争法に違反すると申し立て、阻止しようとしていたフランスの広告業界による企てを回避した。

フランスの競争委員会(FCA)は現地時間3月17日、アップルの動きを阻止するために先手を打って介入するよう求めるIAB France、MMAF、SRI、UDECAMの申し立てを拒否したと発表した。App Tracking Transparency(ATT)機能の導入が、同社による支配的地位の乱用であるとは現時点では考えていないと述べた。

しかし同委員会は「本案に基づいて」アップルの調査を継続すると述べ、同社が自社のアプリにサードパーティーの開発者よりも制限の少ないルールを適用してるのではないかという疑いについて確認するとしている。

Reuters(ロイター)によると、フランス競争委員会は同国のプライバシー監視機関であるCNILと緊密に連携し、ATTの停止要求を却下したとのこと。

CNILにコメントを求めているところだ。

アップルの広報担当者は以下のように語った。

「iOS 14で導入するApp Tracking Transparencyが、フランスのiOSユーザーの利益になると認めてくれたフランス競争委員会に感謝しています。ATTは、アプリ開発者が広告目的で他社とデータを共有したり、データブローカーとデータを共有したりする前に、ユーザーの許可を得るように義務づけることで、ユーザーに強力なプライバシー保護上の利点をもたらします。私たちは、ユーザーのデータはユーザーのものであり、そのデータがいつ、誰と共有されるかはユーザーが管理すべきであると確信しています。当社は、ユーザーのプライバシーと競争に関するこの重要な問題について、FCAとのさらなる協力を期待しています」。

アップルは2021年1月、同年の春よりiOSにATTを適用すると発表した。

関連記事:アップルのApp Tracking Transparency機能はデフォルトで有効に、早春にiOSで実装

その後、フランスのスタートアップのロビー団体であるFrance Digitale(フランス・デジタル)が、同国のプライバシー監視機関に苦情を申し立て、アップルがプライバシーに関する「偽善的」行動を取っていると非難した。

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この苦情も同様に競争上の問題を提起している。アップルは、サードパーティのアプリケーションがiOSユーザーを追跡する前に同意を得ることを義務づけるのに対し、自身のアプリケーションについてはiOSのデフォルト設定で追跡を許可するようになっているというのだ。しかしアップルは、この申し立てを「まったくの誤り」とし、ATTは「アップルを含むすべての開発者に等しく適用される」と述べた。

デフォルトで「許可しない」ようになっているiOSのATT設定は、Facebook(フェイスブック)のようなアドテクノロジー企業には非常に不評で、それらの企業は開発者のアプリの収益化に悪影響を与えると主張している。また、フェイスブックは、アップルの動きが自社の収益を著しく低下させるであろうことも認めている。

関連記事:Facebookは2021年のターゲティング広告と収入に大きな障害を予測する

一方、アップルはこれを、アドテック業界のヒステリーと間違った主張であると非難し、インターネットユーザーに忍び寄って個人情報を搾取し、利益のために人々を操ろうとする「データ産業複合体」を糾弾し続けている。

アップルが自社アプリでiOSユーザーにパーソナライズされた広告を提供できることは事実だが「パーソナライズされた広告のための限定的なファーストパーティデータの使用」と称して、ユーザーにそのオプトアウトを許可しているため、アドテック業界のデータ産業複合体よりも「高い基準」を保っていると同社は主張し、その機能が「当社を一線を画したものにしている」と強調している。

Google(グーグル)に関しても最近同じような動きがあった。2020年末に英国では、Googleが同社のChrome(クローム)ブラウザで、ユーザーがサードパーティーから追跡される方法を変更するのを阻止しようと、競争法違反の申し立てが行われた。

Googleのいわゆる「Privacy Sandbox(プライバシー・サンドボックス)」計画は、広告主からも非常に嫌われている。広告主は、Googleがユーザーを追跡する機能を廃止しながら、自らは追跡を続けることで、支配的な立場を乱用していると非難している。

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同時に、アドテクノロジー業界では、ウェブユーザーの行動を追跡する代替手段を考案するためのさまざまな取り組みが行われている。これは、市場で圧倒的なシェアを占めているChromeで、近い将来サードパーティcookieのサポートが廃止されるという見通しによって加速している。

英国の競争・市場庁は1月、プライバシーサンドボックスに関する多くの苦情を受けて、Googleによる競争法違反の疑いについて調査していると発表した。

この調査は現在も続いている。

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タグ:Appleフランス広告iOSiOS 14プライバシー

画像クレジット:Apple (livestream)

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

iPhone用通話録音アプリのバグで数千件の通話記録が流出

人気のiPhone通話録音アプリのセキュリティ脆弱性により、何千人ものユーザーの会話の録音が流出した。

この脆弱性は、セキュリティ研究者でPingSafe AIの創設者であるAnand Prakash(アナンド・プラカシュ)氏によって発見された。プラカシュ氏はCall Recorderという適当な名前のアプリで、電話番号を知っていれば誰でも他のユーザーの通話記録にアクセスできることを発見した。

Burp Suiteのような簡単に入手できるプロキシツールを使えば、アプリのネットワークトラフィックを見たり変更したりできるので、アプリに登録されている自分の電話番号を別のアプリユーザーの電話番号に置き換えて、自分のスマートフォンでその録音にアクセスすることができたとプラカシュ氏は報告している。

TechCrunchは専用アカウントの予備スマートフォンを使って、プラカシュ氏の発見を検証した。

Call Recorderはユーザーの通話録音をAmazon Web Services上のクラウドストレージのバケットに保存している。これは公開されており、内部のファイルが一覧表示されていたが、ファイルにアクセスしたりダウンロードしたりすることはできなかった。バケットは報道までに閉鎖されていた。

記事執筆時点では、クラウドストレージのバケットには13万件以上に相当する約300GBのオーディオ録音データが入っていた。Call Recorderによると、現在までに100万件以上のアプリのダウンロードがあるという。

TechCrunchはアプリ開発者に連絡を取り、脆弱性が修正されるまでこの記事の公開を保留した。アプリの新バージョンは米国時間3月5日にApp Storeに提出されている。リリースノートによると、アプリのアップデートは「セキュリティレポートの内容にパッチを当てる」ものだという。

セキュリティの問題を通知する米TechCrunchの最初のメールに簡単な回答があったにもかかわらず、アプリ開発者のArun Nair(アルン・ネア)氏は、いくつかのコメント要請に応じていない。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:データ漏洩iOSiPhoneCall Recorder

画像クレジット:Дмитрий Ларичев / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter

アップルがiPhone、iPad、Mac、Watchの重要なセキュリティパッチをリリース、すべてのユーザーに推奨

AppleはiPhone、iPad、Mac、Apple Watch向けの一連のセキュリティアップデートをリリースした。新機能はないが、これらはインストールすべきアップデートだ。

セキュリティ修正の一環として、iPhoneとiPadはiOSとiPadOS 14.4.1に、watchOSは7.3.2に、macOS Big Surは11.2.3にアップデートされる。旧バージョンのmacOSでは、最新バージョンのSafariをインストールして、バージョンを14.0.3に上げることができる。

Appleによると、これらは「重要」なセキュリティアップデートであり、「すべてのユーザーに推奨」だという。

これらのパッチはすべて、AppleのウェブブラウザーSafariのエンジンであるWebKitのメモリ破壊バグという脆弱性を修正する。

このバグは、この脆弱性を悪用するコードを含む悪意あるウェブページにアクセスすることで発生する。一度悪用されると、攻撃者は影響を受けたAppleデバイス上で悪意のあるコードを実行することができる。

このバグはGoogle(グーグル)とMicrosoft(マイクロソフト)から報告されているが、最近のセキュリティ上の欠陥とは異なり、悪意のあるハッカーが積極的に悪用しているとは考えられていない。

2021年2月に、AppleはiOS 14.4を公開し、「積極的に悪用」されていた3つのWebKitの脆弱性を修正した。これらの脆弱性は、基盤となるiPhoneソフトウェアに侵入するために連鎖していた。

まだアップデートしていない場合は、今すぐアップデートして欲しい。

関連記事:AppleがiOS 14.4を公開、ハッカーが悪用した3カ所の脆弱性を修正

カテゴリー:セキュリティ
タグ:AppleiOSアップデート

画像クレジット:Jack Carter/Unsplash

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルがiOS 14.5で「デフォルト」の音楽サービスは設定できないと明言

Apple(アップル)は、iOS 14.5 betaが一部で言われているようなデフォルトのミュージックサービスを選ぶことを許しているわけではないことを明言した。2021年2月にこのベータ版が公開されて以来、Siriに音楽の再生を依頼した時、どのミュージックサービスを使うかをSiriが尋ねることに多くのベータテスターが気づいた。しかしAppleは、この機能を「デフォルトの設定」とは考えていない。メールとブラウザーのアプリについては最近デフォルトの選択ができるようになった。

実際には、学習機能のあるSiriが、ユーザーの音楽を聞く習慣をより深く理解するためだという。

例えばSiriに楽曲やアルバムやアーティストを演奏するよう依頼すると、Siriはこの種のコンテンツを聴くのにどのサービスを使いたいかを尋ねる。しかし、ユーザーのSiriに対する返答によってそのサービスが「デフォルト」になるわけではない、とAppleは言っている。事実、Siriは後で同じ質問をすることがある。自分の好みがすでに設定されていると思っていたユーザーにとっては混乱を招く要求だ。

画像クレジット:iOS 14.5のスクリーンショット

さらにAppleは、iOSの設定の中にはメールやブラウザーのような「デフォルト」のミュージックサービスを指定する部分がないことも指摘した。これまでにも多くの報道がこの違いを記載していたが、それでもこの機能を「デフォルトの設定」と書いており、それは厳密には誤りである。

もう少し具体的にいうと、これはユーザーが異なるタイプのオーディオコンテンツ(音楽に限らない)を利用する際に使いたいアプリをSiriが学習するのを手助けする仕組みだ。音楽を聴くときにSpotify(スポティファイ)を使う人でも、ポッドキャストはApple Podcastsやサードパーティーのポッドキャストアプリを使いたいかもしれない。さらにオーディオブックはまた別のアプリで聴きたいかもしれない。

このようなオーディオに関するリクエストにどのサービスを使いたいかをユーザーに尋ねる時、Siriはインストールされているオーディオアプリのリストを提示してそこから選ばせる。

画像クレジット:iOS 14.5のスクリーンショット

Siriがユーザーの習慣を(ユーザーの返答や選択に基づいて)理解することに加えて、アプリ開発者は自分のアプリでユーザーが何をなぜ聴いているかについての情報を、APIを通じてSiriに伝えることができる。これによってSiriはユーザーのリクエストに対してより正確に答えることができる。なお、一連の処理はすべてデバイス上で行われる。

このオーディオ選択機能は、普段の好みとは違う特定のサービスを使うようユーザーがリクエストすることを妨げるものではもちろんない。

たとえばユーザーは「スムーズジャズのラジオをPandora(パンドラ)で流して」と言って希望のアプリを使うことができる。ただし、もしその後も音楽のリクエストにPandoraの名前を出し続けると、Siriが最初に尋ねた時にApple MusicやSpotifyなどのサービスを指定していた場合でも、次にサービスを指定せずに音楽再生をリクエストすると、Siriは再度サービスを選ぶようにと尋ねることがある。

画像クレジット:iOS 14.5のスクリーンショット

この明確化は些細なことのように思えるかもしれないが、App Storeとアプリエコシステムを巡ってこのところAppleに向けられている規制当局の監視を踏まえると、大きな意味を持っている。中でもSpotifyは、Appleが反競争的な行動をとっていると告発しており、たとえばAppleが競合する音楽サービスを運営していながらSpotifyのアプリ内購入に手数料を要求しているのは不当な先行者利益だと指摘している。

このオーディオ選択機能が最初登場したのはiOS 14.5 beta 1だったが、beta 2で削除された。それがbeta 3で復活して注目を集め見出しを賑わせ、さらにAppleの反応を呼び起こした。

厳密には「デフォルト」の設定を可能にするものではないとしても、Siriのこの新機能は、一貫したリスニング傾向を持つユーザーにとって、いずれは同じ意味になるかもしれない。こうしてiPhoneは、使いたくないときにはApple自身のアプリを使うことを強制されることなく、あなたの聴きたいものをどうやってプレイするかについてさらに賢くなっていくだろう。

関連記事:アップルがiOS、iPad OSでデフォルトのメールやブラウザアプリの変更を許可

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSSiri音楽

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonがモバイルゲームのビデオクリップを共有するGameOnアプリをiOSでもローンチ

モバイルゲームはデスクトップのようにコンテンツのストリーミングほどの需要はないが、でもAmazonはそこに、2020年に同社が買収したTwitchの支配を拡張するための市場を見ている。そこで同社は、2020年11月にAndroidバージョンを立ち上げた同社のストリーミング中心型のモバイルアプリを、AppleのAppStoreにもローンチした

ユーザーはそのアプリを使ってゲームプレイの30秒から最長5分までのビデオクリップを録画する。ゲームは録画機能のあるものなら何でもよい。録画といっても、実際にクリップが記録されるのはGameOnのライブラリで、そこへ直接記録される。そこに、後からコメントを加えたり、編集をしてからGameOnで公開したり、そのリンクを他のサイトのプラットフォームで共有することができる。

おもしろいことにGameOnのプラットフォームは、Twitchとは完全に無関係で、ブランドもチャンネルも異なる。Amazonはストリーマーたちと協力してモバイルゲームに全面的にフォーカスし、そのアプリにしかないチャレンジをアピールしている。同社によるとサービスは、1000以上のモバイルゲームに対応しているという。

開発者は最近ますます、デスクトップタイトルのより完全なモバイルへの移植を追究しているが、高度なコントロールができないため、それも難しい。しかしゲームプラットフォームがクラウドストリーミングのネットワークをiOSに持ち込もうとすると、そこではユーザーがゲームパッドでコントロールするモバイルネイティブのコンテンツとゲームの需要が増えることになる。しかしながら、実際にそうなるためには、AppStoreが今後このようなプラットフォームにもっと馴染んでいく必要がある。¥

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AmazonGameOniOS

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルがアップルのプライバシーラベル表示義務に従いiOS用アプリの更新を再開

Google(グーグル)はこの週末に、多くの主要なiOS向けアプリを更新し始めた。同社はApple(アップル)が新たに義務づけたプライバシーラベルの表示を加えなかったため、長い間これらのアプリは更新されずにいた。2021年初め、Googleはこのラベルを「間もなく」同社のアプリを更新する際に追加すると言っていたが、今のところ、Google検索、Googleフォト、Googleアシスタント、Googleマップ、Google Pay(グーグルペイ)、Chrome(クローム)など多くのアプリはまだ更新されていないままだ。

関連記事:早ければ今週にもGoogleのiOSアプリにApp Storeのプライバシーラベルが追加される見込み

Appleのポリシーに従い、開発者はプライバシーラベルを適用するまで、アプリをそれ以上アップデートすることはできない。そのためGoogleは多くの主要アプリを長い間、更新できなかった。特にバグ修正やパフォーマンスの改善を含むマイナーアップデートを定期的に配信しているGoogleのような規模の企業であれば、通常はそのようなことはない。

例えばGmail(ジーメール)は、この週末にアップデートが行われる以前は3カ月間も更新されていなかった。

iOS App StoreにあるGoogleのアプリ情報を見ると、Googleスライド、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleカレンダーは週末にアップデートが配信されている。また、この数週間で、Googleの他のアプリも、新たにラベルを追加して更新が再開された。例えば、YouTube(ユーチューブ)、YouTube TV、YouTube Music(ユーチューブミュージック)、Google ToDo(Google Tasks)、Google ポッドキャストなどだ。

我々はこのスプレッドシートで、Googleアプリの更新を追ってきた(Appfiguresはその独自のデータと照らし合わせて、我々のシートの正確さを確認している)。

2021年にプライバシーラベルの表示が適用されたGoogleのアプリは、週末にアップデートされた一連のアプリだけではない。アプリの中には、アップデートされずにラベルのみが加えられたものもあるため、見つけることが難しい場合もある。

Googleの全iOS向けアプリで、現在プライバシーラベルの表示が適用されているアプリには以下のものが含まれる。

Google One(グーグルワン)、Googleポッドキャスト、Google Stadia(グーグルステイディア)、Google Fit(グーグルフィット)、Google Fi(グーグルファイ)、Google ToDo、Google Chat(グーグルチャット)、Onduo(オンデュオ)、Project Baseline(プロジェクトベースライン)、YouTube、YouTube TV、YouTube Music、YouTube Kids(ユーチューブキッズ)、YouTube Studio(ユーチューブスタジオ)、Google Meet(グーグルミート)、Google Smart Lock(グーグルスマートロック)、Motion Stills(モーションスチル)、Google Fiberr(グーグルファイバー)、Google広告、Wear OS(ウェアオーエス)、Googleカレンダー、Google Classroom(グーグルクラスルーム)、Googleスライド、Googleスプレッドシート、Googleドキュメント、Googleドライブ、Google Play ムービー、Google Home(グーグルホーム)、Fiber TV(ファイバーTV)、Google翻訳、Google Authenticator(Google 認証システム)

Googleは、プライバシーラベルを適用するために、なぜそれほど時間がかかっているのか、理由を述べていない。当初は、毎年恒例のホリデー・コード・フリーズ、つまり多くの人々が休暇を取るため、アプリの更新を一時的に停止しているから、プライバシーラベルの適用が遅れているとしていた。

しかし、アプリの更新が止まっているのが、数週間から数カ月になるにつれて、Googleが他の大手テック企業よりもはるかに慎重で、プライバシーラベルを適用するために方法論的なアプローチを取っていることが明らかになった。その結果、同社のアプリのアップデートへの注目と監視が高まった。

実際、Googleのアプリがプライバシーラベル表示を加えて更新される度、大々的に報じられることになっている

例えば、Engadgetは米国時間3月1日、週末にGmailなどのアプリが更新されたことを報じている。

2021年1月中旬、Googleは公式にその遅延に対する注目に応え、同社のiOS用アプリは次回の更新を受ける際にプライバシーラベルの表示が適用されると、ブログ記事で説明した。しかし「更新」と「プライバシーラベルの適用」は必ずしも同時に行われているわけではない。報道によると、Gmailはすでに2月22日にプライバシーラベルが追加されていたが、今まで更新はされていなかった。

そしてプライバシーラベルの表示が加えられたアプリは、更新されたアプリよりもずっと多い。

Googleはコメントを求められても現時点で回答していない。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAppleアプリiOS

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ハッカーがほぼ全モデルのiPhoneに有効な新しい脱獄ツールを公開

Apple(アップル)が2021年2月、ハッカーによる活発な攻撃を受けていると言っていたのと同じ脆弱性を利用して、あるiPhoneのハッキングチームが、最新モデルを含むほぼすべてのiPhoneに対応した新しい脱獄(ジェイルブレイク)ツールをリリースした。

「unc0ver」チームが米国時間2月27日にリリースした最新の脱獄ツールは、iOS 11 (iPhone 5s以降)から、 Appleが2020年12月にリリースしたiOS 14.3までに対応しているという。

脱獄は、自分の携帯電話をより自由にコントロールしてカスタマイズしたいセキュリティ研究者と、セキュリティのためにiPhoneをロックダウンする必要があるというAppleとの間のいたちごっこだ。ハッカーは、Appleが実施している制限の一部を解除できる脆弱性を見つけ出し、それを利用することで脱獄ツールを構築する。脱獄することで、ほとんどのAndroidユーザーがすでにそうしているように、アプリストアを介さずにアプリをインストールできるようになる。

ツールを開発した脱獄グループはツイートで 、Appleが以前、ハッカーによって「活発に悪用されている可能性」がある3つの欠陥のうちの1つだと言及していたカーネルの脆弱性「CVE-2021-1782」に対し「独自のエクスプロイト」を使用したと述べた。カーネルを標的にすることで、ハッカーたちは根底にあるオペレーティングシステムへ深く入り込める。

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Appleが2021年に月リリースしたiOS 14.4でその脆弱性を修正したため、それ以降のバージョンでは脱獄ツールは動作しないようになった。iPhoneがハッカーによる活発な攻撃を受けていると同社が認めたのは珍しいことだったが、その際ハッカーが誰であったか、そして彼らは誰をターゲットにしていたかについてはコメントを差し控えた。また、Appleはバグを報告した研究者の名前を出すことも控えた。

同グループの前回の脱獄ツールは、iOS 11からiOS 13.5が搭載されているiPhoneをサポートしていたが、2020年はリリース後数日のうちに修正された。Appleは、これらの同じ脆弱性が悪意を持って利用される可能性があるため、脱獄グループによって発見された脆弱性を理解し、修正するために迅速に対処する。

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セキュリティの専門家は、一般的に脱獄はしないようにとiPhoneユーザーに助言している。デバイスを攻撃に対してより脆弱にしてしまうからだ。そして、iPhoneを最新のOSに更新しておくことは、脱獄を無効にするセキュリティ修正を導入する一面もあるが、あなたのデバイスを安全に保つための最良の方法の1つでもある。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:AppleiOSiPhone

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

拡張機能でカスタマイズ可能なiOSブラウザをInsightがリリース

Insight(インサイト)という新しいスタートアップが、広告やトラッカーをブロックし、Amazon上のフェイクレビューにフラッグを立て、SEOフリーの検索エクスペリエンスを提供し、メディアバイアス(偏向報道)や誤情報を指摘することで、ウェブブラウジング体験をより良いものにすることを目的としたiPhone用のウェブブラウザー機能拡張をリリースした

これらの機能はInsightのエクステンションという方法で利用でき、最初にアプリを立ち上げる時に提示される。一方、他のものはアプリ内でブラウズでき、検索、ショッピング、料理&外食、ニュース、健康、読書といったカテゴリーに分類整頓される。Insightはまた、ユーザーがそうしたエクスペリエンスをオプトインすれば、ユーザーのブラウジングに基づいてエクステンションの試行を提案する。

たとえば1つのエクステンションでGoogle、Amazon、ユーザーのTwitterやFacebook、Redditといったソーシャルメディアフィード上の広告をブロックできる。別のエクステンションはAmazon.com上のフェイクレビューを検知するためにReviewMetaと連携し、CamelCamelCamelの価格トラッカーの助けを借りて価格アラートを設定できる。また別のエクステンションでは、ダークモードエクスペリエンスの機能を提供していないサイトでその機能を可能にし、Media Bias Fact Checkでニュースの偏見をチェックし、YouTubeや他のビデオサイトでピクチャー・イン・ピクチャーのモードでビデオを閲覧するといったこともできる。

画像クレジット:Insight

Insightは合計で100近くのエクステンションをすでに構築しているが、デベロッパーでなくても自分でエクステンションを作ることができるツールも提供している。

iOS Shortcutsアプリのようなものに似ているシンプルなインターフェイスを使って、ユーザーは基本の「if」と「then」を使ってエクステンションの条件を決められる。たとえば「もしこのURLにマッチするページを開いているなら」あるいは「ドメインのこのリストにあるなら」「この他のページも表示する」といった具合だ。

これらの機能をモバイルで動かすようにするためには、ちょっとしたクリエイティビティが必要となる。AppleはデベロッパーがWKWebViewでできることを制限している。つまり、モバイルブラウザーは、デスクトップウェブで利用できるものと同じようなエクステンションを提供できない。

この問題を解決するためにInsightはスワイプジェスチャーを使ってナビゲートする一種の「サブタブ」ワークフローを作った。たとえばオンラインショッピングのとき、あなたは興味のあるプロダクトを閲覧すると、利用できるクーポンや信用できるプロダクトレビューをチェックしたり、他のサイトのショップと比較したりといったことができる。

レシピを探しているときは、検索をお気に入りの食べ物ブログのリストのみに制限できる。エクステンションを一緒に使うことができるので、食べ物ブログにある広告をブロックし、「リーダーモード」でサイトを閲覧するためにスワイプできる。

画像クレジット:Insight

これらをどう使うかはあなた次第だ。どのエクステンションをインストールして利用できるようにするか、それらをどう設定するかによる。

Insightのアイデアは、実際には医師向けのカスタム検索エンジン構築にフォーカスしていた初期の取り組みからきている。Insightのチームは2019年のY Combinator冬季セッションに参加し、信頼できるソースに医師を誘導するためにジャンクの医療コンテンツや消費者を目的とした他のページをウェブから取り除く検索エンジンを開発した。

しかし新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、状況は一変した。

「その時点まで、一緒に取り組んでいたユーザーの多くは医学生でした。パンデミックが米国に到達したとき、医学校は閉鎖され、医学生の多くが自宅に戻りました」とInsightの共同創業者でCEOのArcha Jain(アーチャ・ジェイン)氏は説明する。「我々のユーザーベースはひと晩で消えました」。

チームは内部でしばらく検討していた他のアイデアに取り組むことを決めた。

「我々が取り組んでいた問題は、医療特有のものではないと気づきました。根本的な問題は、インターネットは万能の解決法ではないということです。我々は、もしみんなが自分のブラウザーエクスペリエンスを我々が特定の人のためにしている方法でカスタマイズできるようになったらどうなるか、と考えました」とジェイン氏は話した。

そうしてInsightが生まれた。

InsightはGoogle、Uber、Calicoなどでエンジニアリングの経験があるジェイン氏、Quora、Mozilla Labs、Facebookで働いた経験がある共同創業者のAbhinav Sharma(アブヒナブ・シャーマ)氏、Newgen Softwareの元プロジェクトマネジャーShubhi Nigam氏(シュブヒ・ニガム)氏を含む小さなチームによって構築された。

InsightはY Combinator、Heartcore Capital、Altair Capitalから150万ドル(約1億6000万円)のシード資金を得ている。

長期的にはInsightは提供が始まったサービスにプロバージョンを設けるつもりだ。また、ブラウザをデスクトップにも拡大することを目指していて、デスクトップではエクステンションそのものとして機能する。

2020年12月にベータ版のテストを立ち上げて以来、アプリのアクティブユーザーで最も利用の多い上位10%のユーザーはInsightで1日あたり1000のページビューがあり、これはおそらくロイヤルカスタマーが好みのモバイルブラウザとしてInsightへシフトしたことを示している。立ち上げ前、Insightはベータ版のプロダクトのアプリストアAirportでしばらくの間ダウンロード数が1位だった。

InsightはApp Storeで無料でダウンロードできる

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:InsightウェブブラウザーiOS

画像クレジット:Insight

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

マスク着用中でもApple WatchでiPhoneのロック解除が可能に

Fitness+のAirPlayでのサポートに加えて、米国時間2月1日に配布されたiOS 14.5のデベロッパーベータでは、同モバイルオペレーティングシステムにいくつかの重要な新機能が追加されている。間違いなく最も重要なのは、フェイスカバーやマスクを着用しているユーザーのためのApple Watchによるロック解除機能だ。

この待望の機能は、これまで広く普及していなかったマスクがパンデミックにより世界各地で着用されるようになった約1年後に登場した。もちろんApple Watchは昔からMacのロックを解除する機能があったので、今回の統合はかなり理に適ったもののように思える。

iOS 14.5からApple WatchユーザーはiPhoneのFace IDとパスコードの設定より、ロック解除を選択できるようになる。この機能を有効にすると、Apple Watchは触覚によるブザーを鳴らし、装着者に端末のロックが解除されたことを知らせる。この機能を利用するにはApple Watchのロックを解除し、iPhoneに近接している必要がある。

もう、人前でマスクを下げるはない(Touch IDに懐かしさを感じている人もいるだろうが)。

この追加機能は、iOSの一般ユーザー向けバージョンのリリース時に組み込まれることだろう。また、Siriに緊急連絡先への呼び出しを依頼する機能や、開発者の許可が必要なアプリのトラッキングコントロールも含まれている。さらに新しいXboxとPlayStationのゲームコントローラーのサポートも追加されている。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleApple WatchiPhoneiOS

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

モバイルアプリが成長を続けた2020年、ダウンロード数は記録的な2180億件に、消費者支出は約1兆4900億円

新型コロナウイルスの影響もあり、2020年はモバイル市場が成長を続けた。App Annie(アップアニー)が毎年発表している業界リポート「State of Mobile(モバイル年鑑)」によると、モバイルアプリのダウンロード数は前年比7%増の2180億件となり、2020年に過去最高を記録。消費者支出も20%増加し中国、米国、日本、韓国、英国などの市場が牽引したことで、1430億ドル(約1兆4900億円)という新記録を達成した。

消費者は、Android(アンドロイド)端末だけでも、3兆5000億時間もアプリを使って時間を過ごしたことが、この報告書で明らかになった。

画像クレジット:App Annie

米国では、アプリの利用時間がテレビの視聴時間よりも増えているという変化も起こっている。現在、平均的な米国人は1日に3.7時間のTV放送を観ているが、モバイルデバイスを使って4時間も過ごしている。

アプリ利用時間の増加は米国のみに限った傾向ではなく、インドネシア、ブラジル、インドなどモバイル市場が発展途上の国々や中国、日本、韓国、英国、ドイツ、フランスなどの国々でも見られる。

また、この傾向は特定の人口層に限られるわけでもなく、年齢層を超えて見られるものだ。たとえば米国ではZ世代、ミレニアル世代、X世代 / ベビーブーマー世代は、最も使用しているアプリに費やす時間がそれぞれ前年比で16%、18%、30%増加している。しかし、世代によってそのお気に入りのアプリというのは大きく異なる。

米国のZ世代に人気が高いAndroid向けアプリは、Snapchat(スナップチャット)、Twitch(ツイッチ)、TikTok(ティックトック)、Roblox(ロブロックス)、Spotify(スポティファイ)など。

ミレニアル世代はDiscord(ディスコード)、LinkedIn(リンクトイン)、PayPal(ペイパル)、Pandora(パンドラ)、Amazon Music(アマゾン・ミュージック)を好む。

X世代 / ベビーブーマー世代はRing(リング)、Nextdoor(ネクストドア)、The Weather Channel(ウェザー・チャンネル)、Kindle(キンドル)、ColorNote(カラーノート)などをよく使っているようだ。

画像クレジット:App Annie

この報告書によると、必ずしも新型コロナウイルスが2020年に人々のアプリの使い方を変えたわけではなく、モバイルの普及はここ2〜3年で加速したという。

その結果、投資家はモバイルビジネスへの投資にも意欲的になり、2020年はモバイル企業に730億ドル(約7兆6千億円)の資金を投入し、前年比27%増となった。Crunchbaseのデータによると、2020年に世界で調達された資金総額の26%が、モバイルソリューションを提供している企業に投資されたという。

画像クレジット:Crunchbase

2016年から2020年にかけて、モバイルテクノロジー企業への世界的な資金提供は、過去5年間と比較して2倍以上に増加している。金融サービス、交通機関、商取引、ショッピングがそれを牽引した。

また、モバイルゲームの普及率も2020年には成長を続けた。ダウンロード数ではカジュアルゲームが圧倒的に多い(78%)ものの、ゲームの消費者支出の66%、消費時間の55%をコアゲームが占めている。

新型コロナウイルスによるロックダウンや感染防止のため、多くの人が自宅に籠もる中、ソーシャルな交流を提供するモバイルゲームがブームになった。たとえば「Among Us(アマング・アス)」は、2020年に米国を含むいくつかの市場で急激に人気を博した。

画像クレジット:App Annie

他のアプリのカテゴリーでも、過去1年間に大幅な利用増加が見られた。

2020年に人々が金融アプリに費やした時間は、中国以外の世界で45%増加し、米国のRobinhood(ロビンフッド)のようなアプリが世界中で投資や取引を民主化したため、モバイルでの株式市場へ参加は55%増加した。

TikTok(ティックトック)にとっても大きな年だった。

画像クレジット:App Annie

このアプリは、インドでの利用が禁止されたにもかかわらず、前年比325%の驚異的な成長を記録し、消費時間ではトップ5アプリにランクインした。また、ユーザー1人あたりの月間平均消費時間も、分析された他のほとんどのアプリよりも急速に伸び、米国では65%、英国では80%と、Facebook(フェイスブック)を上回っている。TikTokは2021年に12億人のアクティブユーザーを突破する軌道に乗っていると、App Annieは予測している。

それ以外の動画サービスも、新規参入した市場や自宅で過ごす時間の多さが重なったことで、2020年にブームとなった。人々がモバイルデバイスで動画ストリーミングに費やす時間は40%増加した。ストリーミングアプリの消費時間は、新型コロナウイルスの影響で人々が家の中に閉じこもることを余儀なくされた第2四半期に西側(南北アメリカおよびヨーロッパ)ではピークを記録した(全世界では第3四半期がピーク)。

画像クレジット:App Annie

YouTubeはこの流れの恩恵を受け、中国を除く分析したすべての市場で、消費時間が動画ストリーミングアプリの第1位になった。YouTubeの平均月間消費時間は最大で38時間以上と、2位のアプリの6倍以上になる国もあった。

もちろん、2020年のもう1つの大きな動向は、新型コロナウイルス感染拡大の中でのeコマースの利用増加だ。これにより、中国以外の地域におけるAndroidユーザーを見てみると、ショッピングアプリに費やす時間は30%以上増加し、2020年はモバイルショッピングにとって過去最大の年となった。

画像クレジット:App Annie

しかし、2020年のモバイルコマースは、従来とは違う様相も見られた。

ソーシャルショッピングが大きなトレンドとなり、Pinterest(ピンタレスト)とInstagram(インスタグラム)の全世界におけるダウンロード数はそれぞれ前年比50%、20%の伸びを示した。

画像クレジット:App Annie

ライブショッピングも中国を筆頭に成長した。中国のTaoBao Live(タオバオライブ)、韓国のGrip(グリップ)、米国のNTWRKは、それぞれ100%、245%、85%の成長を遂げた。NTWRKは前年の2倍の規模に成長し、現在ではTikTokなど他の企業もこの分野に参入しており、ある程度の市場が形成されつつある。

画像クレジット:App Annie

新型コロナウイルスの影響は、フードやドリンクの宅配アプリの利用も増加させた。米国、アルゼンチン、英国、インドネシア、ロシアでは、第4四半期にセッション数がそれぞれ前年比60%、65%、70%、80%、105%の成長を記録した。

ビジネスアプリでは、たとえばZoom(ズーム)やGoogle Meet(グーグル・ミート)などが第4四半期に前年比275%の成長を記録したが、これはリモートワークや時にはリモート学習が続いたためである。

App Annieの分析には、ダウンロード数、支出、月間アクティブユーザー数(MAU)で上位となったアプリのリストも含まれている。

画像クレジット:App Annie

年末のグラフではTikTokが上位を占めていたが、MAU数では引き続きFacebookが上回った。MAU数ではFacebookが所有するアプリがチャートの上位を独占しており、Facebookが1位、以下WhatsApp(ワッツアップ)、Messenger(メッセンジャー)、Instagramが続く。

画像クレジット:App Annie

画像クレジット:App Annie

しかし、TikTokはFacebookよりもダウンロード数が多く、消費支出ではTinder(ティンダー)に次ぐ2位となった。

リポートの全文は、今年はダウンロードではなく、オンラインでのインタラクティブ体験でのみ提供されている。このリポートでは特に明記されている場合を除き、主としてiOS App Store(アップストア)とGoogle Play(グーグル・プレイ)の両方から収集したデータを使用している。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:アプリiOSAndroid

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Google StadiaがiOSとiPadOSでも利用可能に

iOSサポートの発表から数週間後、Google(グーグル)のクラウドゲームサービスがiPhoneとiPadをサポートした。予想通り、サービスへのアクセスはウェブアプリが使用される。またグーグルによれば、今週リリースされた最新のiOSアップデートであるiOS 14.3にアップデートする必要がある。

無料または有料のStadiaアカウントで試したい場合は、iOSデバイスからstadia.google.comにアクセスする必要がある。そしてGoogleアカウントにログインし、ホーム画面にショートカットを追加してウェブアプリを開く。

その後、ゲームを起動してプレイを開始できる。ほとんどのゲームにはゲームパッドが必要となるので、iPhoneやiPadとゲームパッドをペアリングしておくといい。

iOSは専用のコントローラーだけでなく、Bluetoothを使ったXbox OneやPlayStation 4のコントローラーにも対応している。Stadiaのコントローラーを使って遊ぶこともできるが、それは必須ではない。ゲームタイトルをチェックしたいだけなら、タッチコントロールでの操作にも対応している。

Stadiaはクラウド上で動くコンソールのように動作する。プラットフォーム専用のゲームを購入する必要があり、その後に近くのデータセンターからストリーミングされる。最近の追加作品には「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」と「Assassin’s Creed Valhalla(アサシン クリード ヴァルハラ)」がある。

これらのゲームをプレイするための追加のサブスクリプションは必要はないが、オプションでStadia Proのサブスクリプションを契約することもできる。これによりプラットフォームで購入したゲームに加えて、ゲームのライブラリにアクセスすることができ、4Kストリーミングが利用できる。Stadia Proは月額9.99ドル(約1030円)だ。

他のStadia関連ニュースでは、今週初めにUbisoftが同社の無制限サブスクリプションサービスであるUbisoft+に加入すれば、Stadiaからゲームにアクセスできると発表した。現在のところ、これは米国でベータ版のみ提供されている。

関連記事:Google StadiaとGeForce NowがウェブアプリとしてiOSにやってくる

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:GoogleGoogle StadiaiOSiPadOS

画像クレジット:Google

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

iPhoneはボタンやUI要素を自動認識して視覚障がい者向けにラベル付けしている

Apple(アップル)は障がいをもつユーザーのための機能開発に関して常に努力している。iOSのVoiceOver(ボイスオーバー)は目の不自由な人にとってかけがえのないツールだ。ただし、インターフェースの要素すべてに手動でラベルが付けられている必要がある。しかしアップルは、機械学習を使ってあらゆるボタンやスライダーやタブを識別してラベル付けする新機能を公開した。

Screen Recognition(画面認識)はiOS 14に導入されたコンピュータービジョンシステムで、現在利用されている何千種類ものアプリの画像から、どんなボタンがあるかアイコンは何を意味するかを学習している。システムは柔軟性が高く、与えるデータによって、ネコや表情、そして今回のケースではユーザーインターフェースのさまざまな部分を認識するエキスパートになることができる。

その結果、どんなアプリでも、ユーザーが立ち上げてから1秒と経たないうちに画面上のあらゆるアイテムにラベルが付けられる。そして、「どんなアプリでも」は文字通り「どんなアプリでも」という意味だ。つまるところスクリーンリーダーは、写真(iOSはしばらく前から1文の要約を作ることができている)やよくあるアイコン(「ホーム」「戻る」など)からありとあらゆる場面に登場する「…」メニューのようなコンテキスト特有のものまで、目が見えるユーザーが見て、触れることのできるものすべてを認識しなければないない。

これは、手動のラベル付けが不要になるといっているのではない。デベロッパーは自分のアプリにどうラベル付をするのが良いかを最もよく知っている。しかし、アップデートや標準の変更、困難な状況(ゲーム内のインターフェースなど)によって、本来よりもアクセシブルではなくなることもある。

私はアップルのiOSアクセシビリティ技術チームのChris Fleizach(クリス・フライザック)氏とAI / ML(人工知能 / 機械学習)チームのJeff Bigham(ジェフ・ビガム)氏の2人から、この驚くほど有益な新機能の起源について話を聞いた(この内容は来年発表される論文に記載される)。

alt= スマートフォン画面にふたりの女性が微笑んでいるところとボイスオーバーがそれを説明している写真が表示されている。

画像クレジット:Apple

「私たちは自分たちがアクセシビリティに貢献できる分野を探しました、画像の説明はその1つです」とフライザック氏はいう。「iOS 13ではアイコンに自動でラベル付けをしました。Screen Recognitionはそれをさらに一歩前進させました。画面のピクセルを見て触れることのできるオブジェクトの階層を認識することを、デバイス上で1秒の何分の一かの間に行います」。

この考えは、厳密にいえば新しくない。ビガム氏が名前を挙げたOutspoken(アウトスポークン)というスクリーンリーダーは、ピクセルレベルのデータを使ってUI要素を識別する方法を数年前に試みている。しかし、そのシステムが正確な一致を必要としていたのに対して、機械学習のファジー理論とiPhoneの内蔵AIアクセラレーターを利用するScreen Recognitionは、はるかに柔軟で強力だ。

ほんの数年前には不可能だった。機械学習の当時の状況に加え、それを実行する専用ユニットがなかったことを踏まえると、システムに多大な負荷を与え、はるかに時間がかかり、バッテリーをたちまち消費させていただろう。

しかし一度、この種のシステムが可能になったとみるや、チームはプロトタイピングをスタートし、アクセシビリティの専門スタッフとテスティング・コミュニティの力を借りた。

「VoiceOverは長年、視覚アクセシビリティの先陣を切ってきました。Screen Recognitionの開発過程を見てもらえば、さまざまなチームのコラボレーションに基づいていることがわかるでしょう。アクセシビリティチームは何から何まで、そしてデータ収集と注釈付けのパートナーたち、AI / MLチーム、もちろんデザインチームも。私たちは自分たちの機械学習開発が完璧なユーザー体験に間違いなく進むためにこれをやってきました」とビガム氏はいった。

それは人気のアプリやゲームのスクリーンショットを何千枚も撮り、それぞれをいくつかの標準UIエレメントの1つとして手動でラベル付けすることによって行われた。このラベル付けされたデータを与えられた機械学習システムは、すぐに同じエレメントを自力で選り分けることに熟達した。

これはいうほど簡単ではない。我々人間は、グラフィクスやテキストの断片が何を意図しているかを理解するのがかなり得意であり、抽象的や創造的なデザインのインターフェースであってもほとんど操作に困らない。それは機械学習モデルにとっておよそ明確ではなく、スクリーンリーダーの解釈が意味を成すために、開発チームは複雑なルールや階層の組み合わせを作らなければならなかった。

この新機能が、無数のアプリを目の不自由な人たちにとってもっとアクセシブルに、あるいは初めてアクセシブルにする一助となることは間違いない。iOSの設定アプリで「アクセシビリティ > VoiceOver > VoiceOver認識」を開くと、画像説明、画面認識、テキスト認識をそれぞれオン / オフできる。

画面認識をMacなどほかのプラットフォームに移植することは容易ではないので、すぐには期待しないように。原理はしっかりしているが、モデルそのものはデスクトップに適用できない。デスクトップアプリはモバイルアプリと大きく異なっているからだ。おそらくほかの誰かがその仕事を引き受けるだろう。AIを利用したアクセシビリティ機能の可能性はまだ認識され始めたばかりだ。

関連記事:障がい者が開発段階から参加して使いやすい製品デザインを目指すFableプラットフォームとは?

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:AppleiOSiOS 14アクセシビリティiPhone

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleがGmail、ドライブ、FitのiOSウィジェットを公開、近日中にカレンダーとChromeも

Google(グーグル)は同サービスの看板iOSアプリ群をアップデート(Googleブログ)し、iOS 14の新機能であるホーム画面ウィジェットに対応した。米国時間11月19日に同社は、Gmail、Googleドライブ、Google Fit(フィット)のウィジェットを新たに公開し、GoogleカレンダーとChromeも近く対応することを発表した。ホーム画面に有用な情報を掲載したり、よく使う機能をすばやくアクセスするためだ。すでにGoogle検索アプリのウィジェットは9月(Googleブログ)から提供されている。

新しいウィジェット群はグーグル製品を日常的に使っている人にとってはホーム画面を便利にすると思われる。ただし、Gmailのウィジェットは少々もの足りない。

Googleドライブのウィジェットでは最近使ったドキュメントをタップ1つで簡単にアクセスできるのに対して、Gmailウィジェットはメールをプレビューすることができない。メールの検索や新規メッセージの作成はできるし、未読数を表示するボタンもある。もちろんアプリのアイコンに表示されるバッジ(小さな数字)を見れば、そもそもウィジェットを使わなくても自分を待っているメールの数はわかる。

画像クレジット:Google

比べてiOSウィジェットに関しては他のメールアプリの方がGmailを上回っている。Basecamp(ベースキャンプ)のメールアプリ、Hey(ヘイ)はさまざまなウィジェットを提供していてメッセージのプレビューもできる。

Gmailがメッセージプレビューを提供できないとしても、ユーザーがカスタマイズしてもっと便利にする方法があればおもしろいと思う。

例えば特定の相手、自分の上司からあるいは職場のドメインからの未読メールが何通あるかを通知するのはどうだろう。あるいは、特定のラベルに関連するメールの数とか。受信箱の設定で「重要」とされた優先トレイのメール数を通知することも考えられる。

画像クレジット:Google

一方、GoogleドライブのiOSウィジェットにはファイルと検索ボックスのクイックアクセスがある。Google Fitウィジェットでは、Heart Points(ハートポイント、強めの運動)やSteps(歩数)などのアクティビティをホーム画面から簡単に確認できる。

画像クレジット:Google

期待のGoogleカレンダーウィジェットはまだ提供されていないが、本日、グーグルはデザインのサンプルを公開した。ウィジェットはミニカレンダーとでもいえるもので、その日の予定がカラーコードされて見やすく並んでいる。タップしてカレンダーアプリを開くこともできる。

画像クレジット:Google

Chromeウィジェットも近日公開予定で、検索バー、シークレットモード、音声検索、QRコードリーダーなどがあり、現在提供されているメインのGoogle検索ウィジェットとほぼ同じだ。

GoogleカレンダーとChrome以外のウィジェットはすでに公開されている。Calendarは「今後数週間」のうちに、Chromeは「年明け」にやってくるとGoogleは述べている。

画像クレジット:Google

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogle DriveGoogle CalenderGoogle FitGoogle ChromeウィジェットiOSiOS 14

画像クレジット:Google

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 14がホーム画面カスタマイズに対応、「ショートカット」アプリの機能を修正

Apple(アップル)はiOS 14の次期リリースで、アプリのショートカット機能を変更する予定だ。iOS 14.3ベータ2では、iPhoneのホーム画面でアプリ「ショートカット」をタップしても表示されなくなる。つまり、iOS 14で、お気に入りのアプリのカスタムアイコンを作成したユーザーは、アプリが起動する前にショートカットアプリが先に開くステップで煩わされなくなる。

この変更は、MacStoriesのファウンダーであるFederico Viticci(フェデリコ・ヴィッチ)氏が発見した(Twitter投稿)。

Apple Terminalのツイートでは、このアップデートにより、アプリが開くと小さなポップアップが表示されるが、ショートカットアプリの完全な起動が省略されている実際の様子が紹介されている。

この変更はわずかなものではあるが、iOS 14のリリース時にホーム画面をカスタマイズした人には歓迎されるだろう。

2020年9月にリリースされたiOS 14は、インターフェイスに関してここ数年で最大級のアップデートだった。ユーザーはようやく、あまり使われていないアプリをAppライブラリに追いやったり、カスタマイズ可能なウィジェットをホーム画面に追加したりして、ホーム画面を好きなようにカスタマイズできるようになった。ウィジェットは本来、次の予定やToDo、今日の天気といった重要な情報をホーム画面に直接表示できるようになっていたが、すぐにもっと多くの情報を表示するために使われるようになった。

WidgetsmithやColor Widgetsといったウィジェット作成アプリにより、フォント、サイズ、色などを選択することで、自分のウィジェットをデザインできるようになった。ユーザーはユーザーはこれらのツールを使って、特定の写真を選んでホーム画面にピン留めすることもできる。

さらなるカスタマイズとしてアップルのアプリ「ショートカット」を使って自分の好きなアプリアイコンを作成するという、これまでも可能だったがあまり利用されていなかったトリックを使う。このやや面倒なやり方は、TikTokユーザーによって詳細に説明された(未訳記事)が、これがホーム画面のカスタマイズブームに火をつけた。簡単に説明すると、このトリックは、アプリ「ショートカット」の機能を使って任意にアプリに自分で用意したアイコンを割り当てるというものだ。

これにより壁紙、カスタムウィジェット、ひと握りのアイコンだけで構成される自分好みのホーム画面にマッチしたアイコンを作成できるようになった。

しかし、カスタムアイコンに対するユーザーの不満の1つが、アプリを起動するためにタップすると、その前にアプリ「ショートカット」が一度起動してしまうことだった。それは、やはりうざったい。

アップルは「ショートカット」の問題に取り組んでいるようだ。iOS 14.3のベータ版では、アプリは直接開く。

アップルがユーザーにウィジェットのラベルを隠すことを許してくれさえすれば、我々は喜んでその設定をするだろうが、残念ながら、その変更は進んでいないようだ(Twitter投稿)。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 14ウィジェット

画像クレジット:Contrast/Launch Center Pro

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルがiOS 14.2をリリース、100以上の絵文字とLiDARで近くの人を検知する新機能を搭載

Apple(アップル)は米国時間11月15日、iOS 14.2をリリースした。アップデートには複数の新機能だけでなく、いくつかの重要なバグ修正とセキュリティの更新が含まれているが、特に今回のリリースでは100以上の新しい絵文字の追加がアピールされている。

絵文字にはトランスジェンダーの旗、涙を浮かべた笑顔、つままれた指、2人が抱き合う姿、いくつかの昆虫や動物、変装した顔などが含まれている。新バリエーションとしては、サンタクロースやミセスクロースの代わりに、性別を問わないMxクロースが追加された。タキシードは男性に限定されなくなり、ベールは女性に限定されなくなっている。タキシードを着た女性とベールをかぶった男性の絵文字を一緒に送ることができる

今回のリリースでは、iPhone 12 ProとPro Maxを使う目が不自由なユーザーのためのアクセシビリティ機能も追加されている。内蔵するLiDARセンサーにより、iPhoneのカメラの視界にいる人の存在と距離を検出することができるようになっている。

目の前に6フィート以上離れた人がいる場合や人が近づいてきた場合にそれぞれ別のアラートを出す機能は新型コロナウイルスのパンデミックが収束しても有用だろう。ステレオオーディオのアラートだけでなく、人が近づくにつれて速くなる触覚パルスを設定することも可能だ。

またiOS 14.2では、新しい壁紙や、音量が大きすぎる場合のヘッドフォンのオーディオレベル通知、AirPlayのコントロールのデザイン変更といったマイナーな機能も追加されている。

アップルはHomePod Miniを発表した際、同社は家にいる別のアップルユーザーと会話ができる新しいインターカム機能について触れたが、今回のソフトウェアアップデートではiPhone、iPad、Apple Watch、AirPods、CarPlayのインターカムサポートが追加されている。

AirPodsは最適化されたバッテリー充電ができるようになった。これは、iPhoneの最適化されたバッテリー充電と同じように動作するものだ。寝る前にAirPodsの電源を入れても、フルスピードで充電されることはない。その代わりに、iPhoneに目覚める直前にAirPodsを100%に充電するように指示できるため、バッテリー寿命が改善するはずだ。

またアップルは、iPadOS 14.2とwatchOS 7.1もリリースしている。韓国とロシアのApple Watchユーザーは、最新のApple Watchで心電図機能を試せるようになっている。

アップデートの際は、必ずデバイスのバックアップをとっておこう。iPhoneまたはiPadで設定アプリを開き、上部のアカウント情報をタップし、iCloudのバックアップが最新のものであることを確認しよう。または、iOSデバイスをコンピュータに接続して、iTunesまたはFinderで手動バックアップを行うこともできる。設定アプリを開き、「一般」から「ソフトウェアアップデート」を選択することでアップデートを始めることができる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 14

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

NVIDIAがFortniteのiOS版をクラウドゲーム経由でリリースか

BBCの報道によると、NVIDIA(エヌビディア)Fortnite(フォートナイト)をiPhoneとiPadに復活させるようだ。

報道によると、NVIDIAはSafari上で動作するGeForceのクラウドゲームサービス向けのバージョンを開発したとしている。

今回の開発により、FortniteのゲーマーはNVIDIAが運営するサーバーでEpic Gamesのタイトルをプレイできるようになる。はっきりしないのは、このクラウドゲーミングサービスがゲームプレイに大きな遅延をもたらすかどうかだ。遅延はゲームプレイに影響を与える可能性がある。

Epic GamesのFortniteの新バージョンは、同社がゲーム内での支払いに関するApple(アップル)のルールを回避したため、iOSプラットフォームでは現在はダウンロードできなくなっている。

Epic Gamesとアップルは収益とルールに関して対立している。同社はゲーム内マーケットプレイスを開発しており、アップルが同社のプラットフォームを通じて行う取引に課す30%の手数料の対象となっていなかった。

この戦略はアップルの利用規約に明らかに違反しているが、Epic Gamesはルール自体が不公正であり、アップルが同社のプラットフォーム上でアプリケーションの配信を独占的に支配している一例だと主張している。

現在進行中の法的紛争は2021年5月まで内容を知ることはできず、また訴訟が解決するまでには何年もかかる可能性がある。

BBCによると、これによりほぼ1億1600万人のiOS版Fortniteプレーヤー、特にアップル製品しか使わない7300万人のプレーヤーにとって、面倒な事態となっている。

Androidとは異なり、アップルは自社以外のアプリストア経由でゲームやその他のアプリをスマートフォンやタブレットにインストールすることを許可していない。

NVIDIAはすでに MacやWindows、Android、Chromebook向けにGeForceのゲームサービスを提供しているが、BBCの報道によると、新バージョンはアップルのモバイルデバイスでも利用できるようになるという。

これが実現すれば、NVIDIAのクラウドゲーミングサービスはiOSプラットフォームをサポートする唯一のサービスとなる。Amazon(アマゾン)のクラウドゲーミングプラットフォームであるLunaも、Google(グーグル)のサービスStadiaも、Fortniteを取り扱っていない。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:FortniteAppleiOS

画像クレジット:Christian Petersen/Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter