iPad Proでノートパソコン並のタイピングを可能にするMagic Keyboard

これまでの2年以上、私が出張中に書いたほぼすべての記事は、iPad ProのSmart Keyboard Folioによってタイプしたものだ。その理由は、このiPad Proのレビューを読んでいただければわかるだろう。

今回の新しいMagic Keyboardについての評価を読む前に、以前のKeyboard Folioについて、次の2つのことだけは知っておいて欲しい。

  1. 信頼性が高く、信じられないほど耐久性があり、その点では一度も期待を裏切ったことはなかった。
  2. それ以外の点は、まったくお粗末だ。

Keyboard Folioの表面は、プラスチックでコーティングされていて、少々液体をこぼしても大丈夫だが、それによってキーの応答性は損なわれていた。そのため、キーが確かに打鍵されたことを確めるために必要なフィードバックが指に伝わりにくい。そのため私は、常にすべてのキーを思い切り力を込めて叩くという方法に訴えるようになっていた。

新しいMagic Keyboardは、それとはまったく違う。ちょうど、新しいMacBook Proキーボードが、長年物議を醸してきたストロークの浅いキーボードと、まったく違うものになったのと同じだ。このMagic Keyboardによって、新しいiPad Proの使いやすさは格段に向上する。これは昨年発売されたiPad Proにも使える。

もはや、ペナペナしたキーボードに指を叩きつけなくても済むと思うと、安らかな気分になる。これまでは、長時間速いタイピングを続けていると、指先の方からだんだん痺れてくるように感じることもあった。感触がなくなってくると言ったほうがいいだろうか。それほど苦痛というほどでもなかったが、気にはなっていた。

それに対してMagic Keyboardは、16インチのMacBook Proや、新しいMacBook Airにも負けない、きれいなバックライト付きのキートップを備えた最高のポータブルキーボードを実現している。キーを押した感覚も素晴らしい。私の感じでは、ちょうど上に挙げたMacBookの2つのモデルの中間といったところか。触感はタイトで、反応も良く、正確だ。これは間違いなく、ファーストクラスのタイピング体験と言える。

ここ数日、これら3種のキーボードを並べてテストしてみたが、いずれもキーの安定性は、いくら強調しようとしてもしきれないほど。MacBook Airも、指先をキーに触れたまま、その場でゆっくりと円を描くよう動かしても、キーはほとんど動かない。しかし、その点ではMacBook Proの方が優れている。同じようにしても、さらに動きは小さく、ほとんど認識できないほどだ。

Magic Keyboardは、16インチのMacBook Proと比べると、ややフワフワした感じがある。しかしMacBook Airよりは硬めで、反発力もやや強く、ストロークも深いと感じられる。私の感じでは、タイピング音も16インチのProより大きめだ。おそらくプラスチック製のケースが、アルミニウムよりも響きやすいためだろう。ただし、それもほぼAirと同じくらいだ。キーを戻すときの感触は、Proの方に近い。それに対してAirは、少し深い感じがするが、ちょっと頼りない気もする。

というわけで、Magic Keyboardの感触は、やはりMacBook Proと同Airの中間といったところ。いずれにせよ、ProやAirのキーボードを改善するために施されたのとまったく同じ手法が成果を発揮したものとなっている。

スタンドとしての構造

私の最大の懸念は、アップルがヒンジの設計に凝りすぎたあまり、タイピングの際にグラグラするようなものになってしまっているのではないかということだった。しかしそれは杞憂だった。可動範囲が犠牲になっている感は否めないが、かなりしっかりしたものとなっている。

実際、ヒンジ自体の可動範囲はかなり狭い。開こうとすると、期待したよりもはるかに小さな角度で止まってしまう。そこからは2番目のヒンジが動き、ディスプレイを80度〜130度の間の角度で開くことができる。ディスプレイの角度を調整できる範囲は、Keyboard Folioの2段階の固定角度に近いが、Magic Keyboardでは、その間の任意の角度で止めることができる。

アップルは、テーブル上で使う場合と、膝の上に乗せて使う場合、両方のバランスを考えて、このような角度の調整範囲を決定したものと思われる。ヒンジを2段階にしたことによって重心を移動させ、傾きを抑えながら、ついに膝の上でのタイピングを可能なものとした。また、キーボードを強く叩く必要がなくなったことも、膝に乗せて使うのを容易にしている。

タイピングに関しては、このような画面角度の調整範囲でも、ほとんどのユーザーにとって、十分満足のいくものだろう。また、固い(摩擦が大きい)ヒンジは、可動する部品は多いものの、全体としてかなり頑丈にできている。私自身、12.9インチのiPad ProとMagic Keyboardの組み合わせを、キーボード部分に手をかけて持ち上げ、あちこち持ち歩くことに何の不安も感じない。ノートパソコンを持ち運ぶのと何ら変わらないのだ。途中でグラグラしたり、外れてしまったりする心配は無用だ。

さらに、iPadを空中に浮かせるような新しいデザインにより、左手でも右手でも、わずかな力で簡単に、すばやく開くことができる。これによって、Magic Keyboardはデスクトップに置いて使うドックの類にも取って代わることができる。これも、Keyboard Folioにはできなかった使い方だ。

Magic Keyboardは、物理的なタッチパッドを装備している。これはいわゆる触覚パッドではないが、表面のどの部分でもクリックできる。これはもう、ノートパソコンレベルのトラックパッドとなっている。キビキビと、期待どおりに機能するトラックパッドを設計する方法について、アップルののエンジニアリングチームが、他のどの会社のハードウェアチームより良いアイデアを持っていることを証明するものだろう。

私は、ケース自体のソフトなコーティングが気に入っているが、これと同じような仕上げの他のデバイスの表面と同様、摩耗することは避けられないだろう。トラックパッドの両側のパームレストの部分に、光沢のあるスポットができてしまうかもしれない。

ハーフサイズながら、矢印キーは反応もよく、すばらしい。

その他の詳細、注意点、そして限界

フロントカメラは、ディスプレイの左辺に位置することになるが、iPadの左側を保持する必然性はないので、カメラを取り巻く状況は改善したと言える。キーボードと画面の距離は3センチ弱ほどで、まだ理想的とは言えないが、Zoomなどでビデオ会議をする際の視線も改善された。鼻の動きばかりが強調されるようなことはなくなる。それでもアップルは、今後iPad Proのフロントカメラの位置の変更を検討する必要があるだろう。

キーボードのバックライトの明るさは適切だが、iPad Proに接続すれば「設定」で調整できる。今回のテストでは、Magic Keyboardの消費電力は大きめだったが、それを数値で示すことができるほど長くは使っていない。Facetimeで通話中に、充電しながら使ってもバッテリーが減っていくことがあった。ただ、それはその後のテストでは再現せず、そんな気がしただけかもしれない。Magic Keyboardに設けられた充電ポートを使えば、iPad Proに最大速度で電力を供給できる。これについてはテストで確かめた。

これは、アーティストが待ち望んでいたようなタイプのケースではない。Magic Keyboardは、Keyboard Folioのように、後方に回転させて逆向きに折りたたむことはできない。つまり、画面に直接何かを描く際には、ケースから外す必要がある。実際に外すのは簡単だ。まるで「ドローイングに適した角度にセットしたり、何にでも使えるようにすることができなかったので、簡単に取り外せるようにしました」と、アップルが言い訳しているかのようにも感じられる。まあ、それでもよいのだが、次のバージョンを設計する際には、もう少しマジックを働かせて、タイピングとドローイングの両方に、1つのケースで対応できるようなものにして欲しい。

ちょっと特殊な状況かもしれないが、iPad本体をいっぱいまで後ろに倒して使っているとき、数字キーを打つ際に指がiPadの底辺部分に引っかかってしまうことがある。これは私のタイピングの姿勢によるものなのかあるいは手が大きすぎるからかもしれないが、指摘しておくべきことだと思った。

Magic Keyboardは、ちょっと重い。12.9インチモデル用で700gある。これはiPad Pro本体より重いので、合わせるとiPad本体の2倍以上になる。ほぼMacBook Airと同じ重量だ。この重量が問題となるなら、11インチモデルの方がいい。また、Magic Keyboardを装着して折りたたむと、かなり分厚いものになる。

今回登場したMagic Keyboardは、昨年発売された旧モデルのiPad Proでも使える。そのモデルを持っている人にとっては、すばらしいアップグレードの手段となる。ただし、リアカメラの周囲の切り欠きは、だいぶ余ってしまうことになる。これは、iPad本体を買い換えることなく、デバイス自体を大幅にアップグレードしたかのような効果をもたらす。アップルが、iPad Proのモジュール性を重視していることの現れだろう。アップル製品以外に目を向けても、最も目立つ新機能は、最新デバイスのハードウェアに依存していて、新モデルだけに限定されのが普通だ。その点でも、Magic Keybardが旧モデルをサポートしているのは際立っている。

Magic Keyboardの価格は、11インチモデル用が$300(日本版は税別3万1800円)、12.9インチモデル用が$350(同3万7800円)となっている。この価格は、予算に組み入れておく必要がある。今や、iPad Proにとって、Magic Keyboardがベストなキーボーであることは、紛れもない事実なだけに、iPad Proパッケージの価格の一部と考える必要があるからだ。もしそうできないのなら、そもそもiPad Proは諦めたほうがいい。そこまで言っても差し支えのないパッケージになっている。

欲を言えば、角度の調整範囲は、もっと広いほうがいい。次のバージョンでは範囲が拡張されることを願いたい。それはともかく、本当にiPadで仕事をしたいと考えている人にとって、特にその仕事の中心がタイピングとなる人にとって、Magic Keyboardは必須と言っていい。ここ数年の間に、清水の舞台から飛び降りるつもりで、iPadをメインのコンピューターとして使うことにした人間にとって、これは夢にまで見たキーボードだ。欠点がないわけではないが、新鮮で、何のごまかしもなく実現されたアクセサリーであることは確かだ。ちょっと古いiPad Proでさえ、普通のノートパソコンよりも、さらに使いやすいノートパソコンにしてくれるのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPad Pro用のトラックパッド搭載Magic Keyboardが予定繰り上げ来週に出荷開始

世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの現在、サプライチェーンはあらゆる角度からのプレッシャーにさらされている。しかし、1つの製品は少なくとも予定より早く到着する。当初5月の出荷を予定していた、iPad Pro向けのトラックパッドを搭載したMagic Keyboardは、現在予約注文を受け付けており、来週には出荷が開始される予定だ。

このアクセサリの詳細はこちらから、そしてTechCrunchによるiPad Proのハンズオンレビューはこちらから閲覧できる。ようするに、Apple(アップル)はハードウェアとソフトウェアにおけるプロダクティビティのアップデートを追加することで、iPadとMacBookの境界線をさらに曖昧にしている。

このアクセサリは、iPadOS 13.4で提供されるカーソルとマウスのサポートを利用する。また「フローティング」スイーベルデザインは視野角を130度まで調整でき、バックライト付きキーには大幅に改良されたシザー構造スイッチを採用している。さらに、充電用のUSB-Cポートも追加されているが、ここではデータ通信には対応していない。

Magic keyboardは最新のiPad Proだけでなく、2018年モデルにも対応している。ただし、価格は11インチモデルが税別3万1800円、12.9インチモデルが税別3万7800円と、決して安くはない。またアップルはアクセサリメーカーと協力し、より低価格のトラックパッド搭載ケースを提供する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

iPad Proのようなデザインの新iPhoneをアップルが準備中との報道

AppleはiPhone 11 Proに代わる新型のiPhone、そしてiPhone 11の新モデル、小型のHomePodと位置追跡タグを2020年秋発表する準備を進めているようだ。Bloombergが報じている。最上位スマホiPhone 11 Proの後継モデルは少なくともiPad Proに近いデザインとなりそうだ。現在の丸いエッジではなく、スクリーンとサイドはフラットで、Appleが3月に発表した最新iPad Proで導入した3D LIDARセンサーシステムも搭載する。

新iPhoneは「フラットなステンレススティールのエッジ」でiPhone 5のようなデザインとなり、大きいバージョンのスクリーンはiPhone 11 Pro Maxの6.5インチよりもわずかに大きくなる見込みだという。また、ディスプレイ最上部にあるフロントカメラ配置している「ノッチ」を小さくするかもしれない、ともしている。

一方、リアカメラに搭載さたLIDARトラッキングシステムではプロセッサーのスピードやパフォーマンスの改善が図られており、AR性能が大幅に向上しそうだ。Bloombergによると、プロセッサーの改善はAI性能のアップも意図しているとのことだ。

秋のローンチと発売を計画されている段階だが、現在の新型コロナウイルスパンデミックによる混乱で、一部は「通常より数週間後ろ倒しで」提供されることになるかもしれない、とのことだ。

その他の製品に関するアップデートは、新しいHomePodは現行モデルより50%小型で、2020年後半の発売が見込まれている。価格的には安価になり、新HomePodリリース時にはSiriの性能も向上し、Apple以外のストリーミングサービスもサポートするとBloombergの記事にはある。その他にはApple Tagがある。これはAppleが先日、意図せずその存在を明らかにしたもので、TileのようなBluetooth位置追跡アクセサリーだ。これも2020年発売されるかもしれないという。

さらに記事ではMacBook Pro、Apple TV、低価格のiPadとiMacのアップデートも準備中と言及している。Appleのハードウェアアップデートのサイクルを考えれば、驚くべきことではない。それらのリリースについて予定はなく、新型コロナウイルス(COVID-19)がこうした計画にどのように影響を及ぼすか、はわかっていない。

画像クレジット:Qi Heng / VCG / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

最新iPad Proは旧モデルからの乗り換えるほどではないが、マウスとキーボードは快適で便利

iPad Pro

新モデルは魅力的だが、すでに所有している人にとってはそうでもない

過去18カ月間、iPad Proは私の自宅から持ち出した唯一のマシンである。私は最近まで世界中で開かれるイベントに参加するため、またサンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドンにある当社のオフィスを訪れるため、自宅を離れて何度も国内外を移動した。自宅のデスクにいないときは、常にiPad Proが私のメインのポータブルマシンであった。

乗り換えたのは、カンファレンスとStartup Battlefieldコンテストへ参加するためにブラジルへ旅行した時だった。それはほんの気まぐれだった(話は逸れるが、そのコンテストが最高だったのは、コンピュータービジョンによる牛の体重測定が優勝したことだ)。この1週間の旅行において、iPad Proが仕事用デバイスとして機能するかどうか実際に使って確かめたかった。その後、また信頼のおける13インチMacBook Proに戻ると思っていた。

ところがこの旅でTechCrunchの運営をタブレットからできるかという点において、私の考え方はすっかり変わってしまった。軽くてスムーズに手早く簡単に仕事ができ、いたるところで私のMacBookよりも進んでいることがわかったのだ。私はもう元には戻れなくなってしまった。

iPadPro

iPad Pro、2018年、ブラジル

初めのうち、iPadと私の双方にとって悩みの種が尽きなかった。その時点では共有シート、自動化ツール、新しく導入されたショートカットなどをつなぎ合わせてワークフローを再構築したことが、実用的な作業用マシンとして生まれ変わらせるのに大きな役割を果たした。また、Slide Over(スライドオーバー)、Split View(スプリットビュー)、ホーム画面などを刷新したiPadOSに伴う変更は、デバイスをより柔軟に感じられるものであり、歓迎すべきものであった。

過去の1年半もの間、iPad Proの絶対的な目玉機能について多くのことを学ぶことができた。その一方で、ラップトップよりも軽くて高速なマシンを持ち運ぶことで、得られるものと失うもののトレードオフについて知ることができた。

新しいマシンで過ごした1週間のうちにこれらはすべて整えた。

この新しい2020年のiPad Proは、2019年に発売されたモデルと大部分においてほとんど同じに見える。正方形のカメラアレイ以外は、ほとんどそっくりだといっても過言ではない。その中でも良いニュースは、初めてApple(アップル)がID認証を行って2年経った今でも超サクサクと未来的な感じがすることだ。まさにコンピューターの理想的なかたちである。軽くて、手に持てる大きさで、強力で、機能的なのだ。

私がテストした12.9インチのiPad Proには、私が今まで使用していたモデルとほぼ同じレベルで動作する新しいA12Zチップが搭載されている。Geekbench 4では、5015超のシングルコアと1万8000超のマルチコアスコアを記録した。クラスに関係なく、所有可能で最も強力なポータブルコンピューターの1つであることに変わりはない。1TBモデルには引き続き6GBのメモリーが搭載されているようだが、それより下のモデルでは4GBなのかもしれず、詳細は不明だ。

iPadPro

このバージョンには追加のGPUと「強化されたサーマルアーキテクチャ」が追加された。負荷がかかった状態では熱分散に優れているかもしれないが、iPad Proはめったに熱くならないので、私にとってはよくわからなかった。私は分解した結果が気になった。おそらく新しい排気口、配線、部品などが配置されているのだろう。もしくは何らかの回路かもしれない。

当然のことであるが、このプロセッサーが(少なくともCPUレベルでは)A12X Bionicチップに非常に近い性能を持つことは興味深い。GPUにおいても、AppleはA12Xよりも高速だというのみで、いつものように具体な倍数について言及していなかった。

このことからわかるのは、これがiPad Proを本当に「リフレッシュ」したものだということだ。新しい機能を次に紹介するが、全体的に見るとこれはある意味で「新しいモノ」であり、めったにあるものではない。ただし、ときにはアップルデバイスの真実ともいえる機能だ。ご覧いただくのは、ハードウェアの設計や実装を大幅に見直しなくても、現在ハードウェアから学び、実行できることばかりだということだ。

私がここで注意するとするなら、A12Xがいまだに非常に早く、それほどパワーが欲しいと思ったことがないことであろう。私は使いやすさを犠牲にして、スピードアップを図ることにずっと反対してきた。だからこそ今はその議論を重ねるときであるし、うまく機能しているものに不満をいうべきではないと思っている。

カメラとAR

新しいiPad Proで最も大きく変わったところは、もちろんカメラアレイだ。1000万画素の超広角と1200万画素の広角の2つを備えている。これらの機能は仕様どおりであるが、最も興味深いのは新しいLiDARスキャナの追加である。

これによって我々は、世界を一度に何層もの奥行きをもって体感できるようになるのは間違いない。我々が認識している物理的な層は、レッドウッドの年輪のようなデータの輪によって増強される。

実際のところ、その未来は我々にも到来している。たとえそれを気付いているかどうかが問題ではない。これらの層の存在を要求することにより、今すぐそのほとんどを非同期で体験することができる。どこに行くべきか伝えるために、データオーバレイが必要だって?ターンバイターンで地図を呼び出してみよう。言葉や天候の定義を知りたいって?ボイスアシスタントに聞いてみよう。

ただし、これを超えた次の時代は、受動的なコンテクストに応じた情報レイヤーが視覚的かつ聴覚的に、積極的に提示される時代なのだ。

我々はこれを拡張現実とかMR(複合現実)などと呼んでいるが、どちらも最終的にどうなるかを明らかに説明しているわけではない。拡張ヒューマンエクスペリエンスはスマートフォンから始まったが、スクリーンから透明なディスプレイ、レンズ、義眼、脳幹の結合までをチェーンでつなぐかのように、ゆっくりと小脳に近づいている。

あなたがこの現実を受け入れられなくても、私は責めはしない。ただ、私が正しくないという意味でもない。この記事をブックマークして、2030年に議論しようではないか。

ただし、短期的にはARテクノロジーの発達は主にスマートフォンのエクスペリエンスによって前進することになるだろう。そしてそれらはGoogle(グーグル)とアップルによって急速に発展している。ARをアプリやデバイスに合うハードウェアに組み込むように開発者にフレームワークを提供しているのだ。

AR体験を非常に現実的なものにするための最大のハードルはオクルージョンだ。これはあるオブジェクトが別のオブジェクトと現実的に交差することを可能にするエフェクト。「これはそれより後ろにある」と脳に伝えるためにオブジェクトを不明瞭にしたり、隠したりする。オクルージョンは共有されたエクスペリエンス、リアルな世界とデジタルな世界の相互作用、一般的な信憑性といった面白さにつながる。

これこそがiPad ProのLiDARの見せ場でもある。LiDARを使用すると、ARアプリケーションで2つの大きな前進が可能になる。

  1. 初期化の時間はほぼ一瞬:LiDARは光の速さで動作するため、放った光のパルスを読み取り、その「飛行」時間を測定することで対象物または環境の形を判定する。これはとても速い。典型的な「アプリを開いて、端末をかざして周りを見渡すが、使えるかどうかは運次第」といったAR特有のユーザーエクスペリエンスの悪さは、LiDARによって理論的に取り除くことができる。
  2. オクルージョンは自動:オブジェクトの形や相互関係を「推測」するためにカメラ、小さな手の動き、コンピュータービジョンを使用して計算を行う必要がなくなった。開発者は基本的にこれを無料で、しかも驚きの速さで手に入れることができる。LiDARがたくさんの自動運転自動車システムや半自動運転システムに使われていることには理由がある。高速で比較的信頼性が高く、強力なマッピングツールだからだ。

ARKit 3.5には、平面と表面を検出することにより、環境の完全なトロポジカル3Dメッシュを作成する機能がある。しかも、シンプルなカメラファーストのアプローチよりも高い精度で提供されているのだ。

残念ながら、私はこのシステムをテストすることができなかった。Appleによると、多くはHot LavaのようなゲームからIKEAのような家具販売用アプリへと移行しつつあるとのことだが、それを活用したアプリケーションはまだないとのことだ。2020年か遅くとも次のiPhoneに搭載される可能性が高いため、この追加機能がどれほどiPadに効果的であるのか私は興味がある。

iPadPro

唯一、iPad Proの背面カメラがポートレート写真を撮れないことには驚いたが、大きなショックは受けなかった。フロントカメラのTrueDepthだけが、このポートレートモードを搭載している。

iPad Proには、はるかに正確なポートレートモードが搭載される予定であり、LiDARアレイとカメラを利用するが、まだ準備ができていないようだ。アップルがテーマと背景との関係を理解しているにもかかわらず、ポートレートスタイルの撮影を実行できないようにする理由はない。

LiDARは非常に有望で、たくさんの将来性のあるアプリを生み出すテクノロジーだ。デバイスに外部の世界を取り込むためのより正確な方法があれば、そのうちAppleと開発者にいろいろなチャンスが広がるであろう。しかし、私はそれが一気に広がるのではなく、今後数年にわたって徐々に行われることになると考えている。

TrueDepthカメラの位置が変更されていないことには失望した。iPad Proのデザインに関してアップルが選択したものの中で、カメラを横向きモードのときに手で覆われる場所に配置したのは実にもったいない。

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私がiPad Proをポータブルマシンとして使ってきた間、ポートレートモードにしたことはほんの数回しかない。たいていはアプリが単に横向きに対応していなかったからだ。

このデバイスは横向きが前提であり、カメラにもそれを反映すべきだ。5月に出荷される「フローティング」デザインの新しいMagic Keyboardは、カメラを浮き上がらせて手元から離すことができるようになり、私はそれによってかなり使い勝手は良くなるのではないかと思っている。

キーボードとトラックパッドに対応

マウスとトラックパッドへの対応については、現時点でもかなりの人がいくつかの意見を述べている。一般的に反応は非常に好意的であり、私もその評価に同意する。アップルがボタンやアクションをカーソルに合わせる際にどれほど柔軟性があるかにはやや疑問があるのだが、全体的な効果としては信じられないほど快適で便利である。

カーソルを鋭い矢印や手のアイコンではなく、順応性のあるオブジェクトで再現したことは、タッチ環境において大いに納得できる。我々は、自分の指が鉛筆や消しゴム、ときにはボタンを押す道具として必要なツールになることに慣れている。iPadのカーソルも状況に応じて認識されるのだが、それは理にかなっている。

いまのところはMagic Trackpadしか使えないのだが、Magic Keyboardが発売されたときには、これが通常の作業フローになってくれることを期待している。

そしてキーボードのデザインについては、以前よりもはるかに高い位置にあるスクリーンを、キーボードを使いながら指で突かずに済むのは素晴らしいことだ。

Surfaceとの比較

iPad Proにトラックパッドが追加されたことで、「結局のところSurfaceは正しかったのでは?」という直感が正しかったことが証明されたようだ。今となってはほとんど毎日iPadを触っているので、私はこのことについてある時期から2、3年は考えていたことである。

この議論については2018年に評価をしたことがあるので、ここでは端的にそれを引用させていただこう。

関連記事:iPad Proレビュー:Appleの新しいタブレットは、成熟の予兆を見せ始めた

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簡単にまとめると、Microsoft(マイクロソフト)はラップトップのタブレット化に、アップルはタブレットのラップトップ化に取り組んでいて、他はよくわからないことをしようとしている。

まずはOSを切り離し、先にタブレットを開発してから元に戻る必要がある。そのことをマイクロソフトは理解することができないでいる。マイクロソフトは以前のマイクロソフトよりもはるかに有能だと思うが、しかしそれは他で議論すべき問題である。

アップルはOS Xをかなり早いタイミングで切り離し、それ以来、別の方向にゆっくり向かっている。しかし、Surface ProがiPadと同じくらい満足できるレベルのタブレット体験を提供してくれたことはない。

たしかにSurfaceのほうがより柔軟性があるかもしれない。しかし、それは統一感と確かな機能性の犠牲の上で成り立っている。それは冷蔵庫やトースターでも同じである。

今でも私はそう思っている。

基本的に、iPadがSurfaceのすぐそこまで追いついていると考えるようになった。なぜならiPadはハードウェアに焦点を当てているのでアプローチが広い。そしてWindowsはタッチ操作向けに適切に調整されたことはない。アップルは先にタッチ操作に合わせており、その後でカーソルのサポートを追加した。

前述したことを繰り返すが、私はここで「Surfaceのアプローチが悪い」と言っているわけではないので、その点は信じて読み進めていただきたい。業界のほぼ全体が別の方向に向かっていたときに、SurfaceのチームがコンバーチブルPCに最大限尽力していたことは、非常に賞賛すべきことだと思う。しかし、iPadが「Surface」化するという意見には絶対に同意しない。なぜならSurfaceのタッチエクスペリエンスはタブレットの中でも最悪であり、iPadのそれは(インターフェイスの欠点も含めて)間違いなく最高だからだ。

これは最近のコンピューターデザインにおいて、異なる両端から同様の問題を解決しようとする明確な例の1つである。

ただし、iPad Proを数年間使用して、何も問題がなかったというわけではない。

iPadPro

iPadへの期待

2020年の1月のこと、アップルに関するライター兼評論家のJohn Gruber(ジョン・グルーバー)は、iPadがその潜在能力を完全に引き出されていない理由について詳しく解説した。アップルがソフトウェアのマルチタスクの部分で失敗したというのが大筋の結論だった。その当時、ジョンや他の追随する人たちから良い指摘をされていたように思う。私にも意見があったが、思いを表明するまでには至っていなかった。しかし、今なら言える。私の意見は次のとおりだ。

iPad Proは、使いやすさよりもスピードと能力に焦点を合わせているに違いない。

MacBookやラップトップを1日か2日、もしくは10日間も置いたままにしたことがなかったか思い出してみてほしい。開けてみたら一体どうなっただろうか? アラート、通知、アップデート、メッセージの数々がお出迎えしてくれたのでは? マシンから離れていた時間の長短に関係なく、開いてすぐに作業を開始できただろうか?

iPad Proなら、どこにいても何をしていてもパカッと開いて上方向にスワイプすれば、数秒以内に最初の指示を出すことができる。めまぐるしい業界で、荒々しいビジネスをしている私たちにとって、その確かな動作は文字どおりプライスレスだ。

一方で、私が使いやすさを望んだことは一度もない。

あなたはハンマーがもっと使いやすかったらなどと思ったことはあるだろうか?そんなことはないだろう。正しく持ち、正確に打つことを覚えるだけだ。iPadの場合はもっと複雑なことにも利用できる。

現在、iPadOSは批判を許されないレベルにまでシンプルさが高められている。皮肉なことに、iPadソフトウェアチームに代わって物事をシンプル(同じアイコン、同じグリッド、同じアプリスイッチングパラダイム)に維持し、元の意図に忠実にであろうとする努力が、打って変わって一種の複雑さをもたらした。

iPad Proのマルチタスクシステムを取り巻く問題のほとんどは、プロフェッショナルのユーザーに対してアプリやワークスペースを不変に固定する方法を提供することで解決することができると思う。つまり、何年にもわたってiPadの役割であった自分のワークスペースを所有しているようなマルチタスクの方法論を「ぶち破る」能力をユーザーに提供すればいいのだ。ドックを完全に捨て去り、タップで移動できる固定されたスペースのリストを作成しよう。アプリアイコンを保護するステータスをなくし、そのスペースでまさに起こっていることを反映させよう。

これらはひどいアイデアかもしれないが、私の議論の核心はしっかりしている。タッチインターフェイスは70年代に初めて登場した。そして少なくともここ十数年間は非常に人気だ。

今日のiPad Proユーザーはタッチベースのインターフェイスには慣れており、タッチインターフェイスのないコンピューティングライフを知らない可能性が高まっている。

信じられないのなら、子供たちが6つの異なるアプリを操って、簡単なミームやメッセージをまとめて友達に送る様子を観察してみて欲しいい。子供たちはそれを1日に数十回も行うような名人なのだ。こういったユーザーはまさにタッチネイティブである。肉の味を知ってしまった子どもたちは、もうミルクを飲めなくなってしまっているのだ。

iPadPro

このデバイスは依然として絶賛せずにはいられない。とにかく、私が2018年に挙げた理由すべてにおいて、現在でも同じように強く感じている。しかしこれまでのところ、2018年のiPad Proから最新モデルにアップグレードする理由はほとんど見当たらない。Magic Keyboardに下位互換があることを考慮しても、結論は変わらないであろう。

現在iPad Proを所有しておらず、仕事に使えるか悩んでいる人には、可能だと私は答えるし、実際に私はそうしているとお伝えしよう。複雑で多面的な論説、イベント、サブスクリプションビジネスの編集面を管理しながら、さまざまな大陸やタイムゾーンで働く30人もの従業員と話している。

iPad Proとともに(飛行機で)16万kmを移動したが、一度も不具合を起こすことがなかった。バッテリーは常に十分であった。スピードは常に一定だ。キーボードは素晴らしいだけではなく、液体をこぼしても大丈夫で、さらに耐衝撃性能を備える。私がこれまで所有していたどのラップトップにも当てはまるものではない。アップル製品であったとしてもしかりである。

統合されたトラックパッドの将来性とiPadの存在理由のレベルアップにより、Magic Keyboardと新しいiPad Proは、現在の市場に出回っている中で最も魅力的なパッケージの1つになっている。

私はMacBook Airが大好きで、いくつかのモデルを壊れるまで何年も使用したことがある。現在、自分の仕事のスタイルを考えるとラップトップに戻るという選択肢はありえない。高速で信頼性が強く、強力だからだ。

タイピング、スワイプ、スケッチで入力することができ、地球上のあらゆる主要なビジネスソフトウェアを強力にサポートするマルチモードマシンを所有しているというのは尋常ではない。常によく動き、高速で、まるでイタリアのレーシングカーのように組み立てられているマシンだ。

誰が反論できるだろうか?

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(翻訳:Dragonfly)

新しいiPad Proはマウスとトラックパッドのサポートでノートパソコン化の道へ

アップルは、いくつかの新しいハードウェアに関するニュースを、プレスリリースを通してオンラインで発表した。とはいえ、すべてこの現実世界に関するものだ。今後の数週間から数ヶ月の間には、いずれも実際に手にすることができるはず。そのころにはアップルも、オンラインの世界での現実に慣れているかもしれない。MacBook AirMac miniに加えて、クリエイティブなプロ向けのiPad Proも、いくつかの新機能を装備してアップデートされた。

またiPad Pro用のオプションとして、新しいMagic Keyboardも追加された。価格は、11インチモデル用が3万1800円、12.9インチモデル用が3万7800円となっている。これは、iPadを単なるタブレットではなく、極めてポータブル性の高い生産的なデバイスに仕立てようという、アップルの長年の夢を実現するためのものと考えられる。

関連記事:アップルが新しいiPad Proを発表、iPadOSでマウスカーソルが利用可能に

この新機軸を支えるのが、新しいiPad OS 13.4だ。ノートパソコンのようなスタイルのマウスカーソルをサポートしている。新しいiPad Proは、すでにこのバージョンを搭載し、オプションのキーボードケースのトラックパッドで、カーソルが有効となる。まだiPad Proの新モデルに出資する準備ができていないという人のため言えば、この機能は、ここ2、3年の間に発売されたほとんどのiPadがサポートするはずだ。

とはいえiPadOSは、良くも悪くも、macOSではない。現にアップルも、一般的なデスクトップのカーソルとは異なったアプローチを採用したとしている。プレスリリースによれば、以下の通りだ。

Appleは、macOSでの体験をそのまま持ってくるのではなく、トラックパッドの対応はiPadのために一から作り直しました。ユーザーがトラックパッドの上で指を動かすと、ポインタが洗練された形で変形してユーザーインターフェイスの要素をハイライト表示します。トラックパッド上のMulti-Touchジェスチャーは、手を全く持ち上げることなく、システム全体で素早く、簡単に操作することができます。

iOSとiPad OSを分離することになった大きな動機として、この種のアップデートが念頭にあったのは確かだろう。こうしてiPadは、モバイルとデスクトップの間のあいまいな領域で、独自の道を切り開こうと、ますます努力しているのだ。タッチスクリーン付きのMacはまだないが、タブレットをメインのコンピューティングデバイスとして使うことを検討しているユーザーに対して、アップルは確実にその移行を容易なものにしたと言える。

新しいiPad Proは、すでに注文を受け付けている。Magic Keyboardも5月には発売予定だ。iPadOSの新バージョンも、3月24日には利用可能となる予定。このアップデートにより、システムはアップル製のMagic MouseとMagic Trackpadのおのおの最新バージョン、およびサードパーティ製のBluetoothマウスとも互換性を持つようになるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルが新しいiPad Proを発表、iPadOSでマウスカーソルが利用可能に

アップルは新しいiPad Proモデルを発表し、プレスリリースを発行した。内部仕様の強化に加えて、新しいMagic Keyboardも発表した。バックライト付きキー、トラックパッド、iPadの角度を自由に調整できるヒンジを備えたもの。

新しいiPad Proの外観は、従来のiPad Proとほとんど変わらないように見える。これまで同様、11インチと、12.9インチディスプレイのいずれかのモデルから選択できる。プロセッサとしては、8コアのA12Z Bionicシステムが搭載されている。以前のモデルでは、A12X Bionicシステムだった。

今回の新iPad Proは、デバイスの背面に、10MPの超ワイドカメラとLIDARセンサーを搭載している。LIDARセンサーは、拡張現実アプリなどで活用できる。標準レンズの12MPカメラセンサーも搭載している。内蔵マイクも改善されており、アップルでは「スタジオ品質」で録音できるとしている。

iPhone 11 Proと同様、Wi-FiとLTEも、それぞれわずかながら高速化されているはずだ。ディスプレイについては、以前のモデルと同様に120HzのリフレッシュレートとTrue Toneをサポートし、P3に対応した広色域をサポートする。

またアップルは、サーマルアーキテクチャの改善によって、負荷の重いアプリを、ピークパフォーマンスで長時間連続で実行できるようになったとしている。

ここで、トラックパッドについて話しておこう。以前に9to5macは、iOS 14ではマウスカーソルが完全にサポートされると報じた。これは実際には、この秋のiOS 14を待たずに実現されたことになる。

デフォルトでは、丸いカーソルを表示する。ただし、カーソルの形状は、何にカーソルを合わせるかによって変化する。たとえば、カーソルをテキストの上で移動する場合、縦棒の形のカーソルになる。またPagesのドキュメントで、テキスト領域のサイズを変更する場合には、左上と右下を向いた2つの矢印のカーソルとなる。つまり、デスクトップパソコンのカーソルと同じような挙動を示すのだ。

新しいトラックパッドはジェスチャをサポートし、アプリを直接切り替えたり、Appスイッチャーを開いたり、Dockやコントロールセンターをアクティブにしたりできる。サードパーティのアプリには、すでにトラックパッドをサポートしているものもある。しかしデベロッパーは、新しいAPIを利用して、さらにトラックバックのサポートを強化することも可能だ。

Magic Keyboardのキーボードは、セパレーションタイプの普通のキーボードのように見えるものとなった。USB-Cポートを備え、キーボードと、それに接続されたiPadの両方を同時に充電できる。これにより、iPadを充電しながら、iPad側のポートには別のアクセサリを接続して利用できるわけだ。

新しいMagic Keyboardは5月に発売される予定だ。価格は、iPad Proのサイズによって異なり、11インチ用が3万1800円、12.9インチ用が3万7800円となる。価格的には、かなり高価なキーボードだ。

iPad Proは3月25日に発売予定で、すでに注文を受け付けている。「仕上げ」は、シルバーとスペースグレーの2種類だ。128GBのストレージを搭載した11インチiPad Proの価格は8万4800円。同じ128GBのストレージを備えた12.9インチモデルは10万4800円となっている。いずれも1万7000円を追加すれば、Wi-Fiに加えてCellulerがサポートされる。さらに金額を追加すれば、256GB、512GB、1TBといったストレージ容量のオプションも選べる。11インチのWi-Fiモデルの場合、256GBでは9万5800円、512GBは11万7800円、1TBでは13万9800円となる。12.9インチのWi-Fiモデルの場合、それぞれ11万5800円、13万7800円、15万9800円となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPad Proに対抗するハイエンドタブGalaxy Tab S6は8月23日予約開始

今回も噂は事実だった。Samsung(サムスン)のGalaxy Tab S6はハイエンドが狙いのフラグシップタブレットとなる。S4からS6になるという製品名の付け方がやや混乱を招きそうだが(低価格のS5Eというモデルは存在する)、例によって優れたプロダクトで、iPad ProやMicrosoft(マイクロソフト)のSurfaceのライバルとなるはずだ。

実はS6というネーミングにヒントが隠されていた。ハイエンドのモバイルデバイスにはQualcomm Snapdragonが必須だが、その中でもGalaxy Tab S6が搭載する855は強力だ。これは、S5Eの670大きなジャンプになるしS4の835と比べてもさらに強力だ。強力なCPUの採用はGalaxy TabがSurfaceと同様、タブレットとノートの両用狙いであることを意味する。7040mAhのバッテリー15インチのディスプレイを15時間駆動できるという。

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649ドルという価格を考えればスマート・スタイラス、S Penが標準でバンドルされるのはナイスタッチだ。 Androidタブレットとしてはかなりの価格だが、それでもiPad Proのエントリーモデルより数百ドル安い。スタイラスはワイヤレスで充電される。またデバイスの裏側に具合よく吸着するのでうっかり失くす心配をかなり減らしている。もっと重要な点だが、ホルダーに逆向きに挿そうとして壊してしまう危険がなくなった。

iPad Proの側面に比べると磁石の吸着力はかなり弱いが、筐体にはS Penを収めるスロットが用意されている。私はS4のキーボードのフィーリングが気に入らなかったのでキーボードも新しくなったのは歓迎だ。【略】

リアカメラもリニューアルされ、デユアルカメラで一方はワイドレンズになった。ワイドレンズを搭載するもでるタブレットはS6が最初だ。ワイドレンズは123度の画角があり、人間の視野とほぼ同じ範囲を見ることができる。Sサムスンのスマートフォンカメラ同様、ニューラルネットワークを用いてシーンを認識し、最適化するなど画質の改善に努めている。

iPad Proに(それを言うならiPhoneにも)なくてS6だけにある機能としてはスクリーン裏の指紋センサーだ。Galaxy S10(やこの後発表されるGalaxy Note 10)のような超音波センサーではなく光学スキャナーを用いている。Sサムスンの説明では高度な超音波センサーを使わなかった理由はスペースの問題だというのだが、これは少々おかしい。タブレットのほうがスマートフォンよりスペースにはずっと余裕があるはずだ。

Product Image Galaxy Tab S6 4

スペースといえば、10.5インチのSuper AMOLEDディスプレイモデルは厚みが5.7mmとかなり薄い。実際S4より薄く、軽い。またサムスンはモバイル用ドックステーション、DeXを熱心にプロモーションしている。サムスンは Discordと提携して専用のゲームランチャーをバンドルする。これもApple(アップル)のArcadeに予め対抗しようとするものだろう。Discordは来月からサムスンタブレットに登場するという。

Wi-Fiモデルの予約受付は8月23日スタートでメモリー6GB、ストレージ128GBモデルが649ドル。80ドルをプラスすると8GB、256GBが手に入る。最初の予約ではキーボード兼用カバーを注文した場合半額になる。携帯網に接続できるモデルは今年末に投入される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルの新しいiPad miniはやっぱりminiだった

iPad miniを使うのは非常に楽しい。伝統的なノートパソコン向けの仕事を除けば、サイズ的にベストなタブレットだろう。これはいい。Appleが今回アップデートしてくれたことに感謝したい。

小さなminiでも、Apple Pencilが使えるようになったのは最高だ。メモを書いたり、スケッチしたりする分には、画面の面積が足りないという心配はいらない。プロのアーティストにとっては、より大きなiPadに比べて不利だろうが、持ち運び可能な落書き帳としてなら、iPad ProやAirに比べて、まったくかさばらず、手軽に扱える。

唯一の欠点は?素晴らしい新しいPencilを使った後では、miniで使える古いタイプのPencilは、ツルツルしていて滑りやすい。それに平らな面がないので、シェーディングや曲線のスケッチといった作業の際に、指を置く位置で向きを確認できない。

とはいえ、実際に描いてみれば、その感触は素晴らしく、機敏に動作する。Pencilが利用可能な他のモデルと比べても、応答性は同等で、遅れを感じることもない。

古い方のPencilに対応した訳は、デザインとコストのバランスを考えた結果だろう。平らな面を諦めれば、iPad Proに採用したPencil充電用の磁石アレイを再設計する必要もない。それは、ある意味スマートキーボード用のコネクタと同じように、かなり値が張るものだと考えられる。というわけで、新しいAirにもminiにも、第2世代のPencilは採用されたなかった。

Touch IDは、iPad ProのFace IDと比べると、古臭くてまどろっこしく感じられるかもしれない。ただし、miniの使い方を考えれば、それほど悪くない。なぜならminiは、机の上に置いてキーボードでタイプ入力するのではなく、いつも手に持ったまま、指で触って使うものだからだ。とはいえ、iPadを使い始めるには、ぎこちなく、押し付けがましい余計な操作を強いられるのは確かだ。それによって、Face IDと新しいジェスチャーが、いかになめらかに動作するかということを思い知らされることになる。

筐体ののデザインはほとんど変わっていないので、旧モデル用のケースやキーボードを持っていれば、ある程度の互換性が期待できる。ただし、カメラの位置が変わり、ボタンの位置もわずかながらズレたので、実際に合わせてみると、使えるものと使えないものがあるかもしれない。

新しいminiのパフォーマンスは、間違いなく最高だ。もちろん、iPad Proと比べれば劣るものの、新しいiPad Air(まだテストできるものを入手していないが)とまったく同じだ。少なくとも、表面的な仕様は同じであり、あえてクロックを下げて性能を落としたりはしていないと信じている。それによってminiは、そのサイズにしては非常に強力なタブレットとなっている。同じくらいのサイズの他のタブレットを完全に凌駕する。

画面はなめらかで、発色も素晴らしい。表面から奥に引っ込んだ感じもまったくない。ただ、タップしてスリープ解除することができないのは残念だ。

パフォーマンスは、その比較的高価な399ドル(日本では4万5800円から)という価格に見合ったもの。ベストを求めれば、それなりの金額を払う必要がある。

昨年、私は12.9インチのiPad Proをブラジルへの出張に連れて行った。バックアップや、代役となるマシンなしでだ。その環境でTechCrunchを運営できるか試してみたかったのだ。それには、イベントの計画から論説の執筆、その他いろいろな分野にまたがるプロジェクトも含まれている。それがあまりにもうまくできたので、結局そのままとなり、それ以降、MacBookをまともに開いたことがない。その経験については、いつか記事にするつもりでいる。そこには話しておくべき興味深い事柄が、いろいろと含まれているから。

ここでは、その文脈を含めて考えてみよう。というのも、iPad Proは強力なコンピュータであり、性能も優れているものの、タブレットとして標準的ではない方法で使うのは、正直「楽しく」ない。その点では、これまでもiPad miniは常に輝いていた。その優位はこれからも変わらない。

ゆったりしたジャケットやコートのポケットならすっぽり入る。何しろminiは重くないので、手首をひねって支えても、大きなiPadほど負担にならない。片手で十分扱えるのだ。

このような話を続けてもよいのだが、それは詰まるところ、「小型のiPad」としてのiPad miniが、2012年に登場したときの最初のレビュー以来、ここ何年も嫌になるほど言われ続けてきたことと同じになってしまう。これは本当に、Appleの現在のiPadのラインナップの中で、真っ先に選ぶべきモデルだ。もし安いモデルがいいなら、安いもの(言い方が悪ければ「最も入手しやすいもの」)を選べばいい。小さいものがいいなら、iPad miniを選べばいい。

現行のラインナップの他のiPadは、選ぶのに複雑な条件を比較しなければならない。その点、miniの選択基準は明快だ。

小型のiPadが登場することが明らかになる以前に、私は、当時まだ非常に未熟だった小型タブレットの市場を、Appleならどのように定義するのか、といった記事を書いたことがある。それは確かに定義された。他のどんな小型タブレットも、これまでのところ市場に大きなインパクトを与えることはできていない。もちろん、ブリスターパックで売られているような、やがて希少価値は出るかもしれない、粗悪なAndroidタブレットの類はカウントしない。

以下は、2012年時点の私の見解だ。

はっきり言って、小型タブレットの市場などというものは存在しない。(中略)2年前、私たちはタブレット市場を連続する全体とみなしていた。iPadなんて買う人いるのか、という話もあり、他のメーカーがコンシューマー向けタブレットを作ろうとして失敗した、といったことも語られていた。今やiPadは、他のメーカーやプラットフォームでは真似のできない大成功を収めている。

しかし、タブレット市場は1つの大海ではない。それは、互いにつながってはいるが、いくつもに分かれた水域であり、われわれは、それが形作られるのを、今まさに目にしているのだ。そしてiPad miniは、すでに「小型タブレット」の池の中でうごめいているオタマジャクシと競合するものではない。その支配を拡大していく大きな魚を目指しているのだ。

そう、これはまだ言えているだろう。

1つの大きな違いは、当然ながら今のiPad miniには、それまでにiPad用に開発された膨大な種類のアプリが付いてくるというメリットがあることだ。それらのアプリは、タブレットの中身やサービスに対する、実体のともなった本物のアクセスを可能とする。それは2012年には、まだまったく保証されていなかったことだ。われわれは、あっという間に忘れてしまう。

コンシューマー向けセグメントばかりでなく、iPad miniは産業、商取引、そして医療といった分野の用途でも、高い人気を誇ってる。カルテや患者の病歴からPOS、現場での情報確認まで、miniのサイズは、こうしたプロのユーザーに最適だ。実はそうした用途が、Appleがminiをアップデートすることを決定した大きな要因なのだ。

他のモデルと比較すると、価格的にも初めて登場したときと同じくらい高価に感じられるが、iPad miniは際立ったデバイスであり続けている。小さく、スマートで、今では途方もなく速くなり、ストレージ容量も十分だ。小さいことは、大きなアドバンテージだと私は考える。それにより、miniは、自立した存在たり得る。「ノートパソコンの代わりとしてのiPad」の議論とは無縁だ。これまで以上に多用途で、便利になったと感じられるのは事実だが、それはまったく本質ではない。私はこのminiが、改めて、非常に気に入ってしまった。そしてPencilが使えるようになったことで、魅力はさらに増している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

一部のiPad Proは曲がった状態で出荷されている

Appleは、一部のiPad Proが製造過程の問題により、箱から出した際わずかに歪んでいたことをThe Vergeの取材で認めた。Appleによると、これはiPadの性能に何ら影響を与えないという。

しかし、新しいiPad Proを買った人は、数週間以内に交換したければ、曲がっているかどうかをすぐ確認したほうがよい。返却期間が過ぎたあと、曲がったiPadをAppleが修理する予定があるかどうかは不明だ。

問題の始まりはMacRumorsの長いフォーラムスレッドに曲がったiPadの不満を訴える人が集まったことからだった。多くの人が思ったこととは異なり、これは不適切な使い方のせいではない。これは製造中の冷却過程のためだとAppleがThe Vergeに伝えた。

iPadが薄い硝子板とアルミニウムと電子部品から成っていることは事実だ。半分に折り曲げようと思えばできる。しかし、はじめから曲がったiPadがあることはちょっと驚きだ。

これは、iPadをテーブルに置こうとして安定しなかったとき特に苛立たしい。Bwrin1がMacRumorsのフォーラムに投稿した写真を下に貼っておく。

Smart KeyboardやSmart Folioを使う場合にも問題が起こるのではないか想像している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPad、ようやくUSB-Cを採用

Lightningケーブルは長い間利用されてきた。しかし今の時代、ケーブルのスタンダードはUSB-Cに移りつつある。Appleも、新しいiPadからは、ついにLightningポートを捨て去る決意をしたようだ。この決定により、iPadは一層の拡張性を手に入れることとなった。

たとえば、iPad Proを5Kディスプレイにつないで、外部ディスプレイで動画を楽しむことができるようになる。ソフトウェア的な拡張機能の詳細についてはまだ不明ながら、利用シーンを大きく拡張することは間違いないだろう。

また、USB-Cを利用するSDカードリーダーのようなデータデバイスや、イーサネットケーブルなども種々利用できるようになる。端的に言えば、iPadがラップトップ的な使い方に対応してきたということができよう。さまざまなハードウェアメーカーが、ドックなどの拡張用デバイスを投入してくることになるのだろう。

当たり前のことかもしれないが一応言っておくと、USB-Cを採用することで、さまざまな外部デバイスをバッテリーパックとして利用することができるようになるはずだ。iPadを使ってiPhoneの充電をするというようなこともできるようになる。バッテリーパックとしてみるならあまりに高額ではあるものの、いつもiPhoneとiPadを持ち歩く人にとっては、より一層便利に利用することができるようになる。

願わくば、この流れにのってiPhoneにもUSB-Cを搭載して欲しいものだと思う。ラップトップ用充電器を使ってiPhoneの充電をしたり、あるいはiPhone用の順電気を使ってNintendo Switchの充電ができたりするようになれば、間違いなく便利なことだと思う。

Apple Fall Event 2018

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(翻訳:Maeda, H

新型iPad Pro発表、薄いベゼルとFace ID採用で本体サイズ維持したまま画面大きく

日本時間10月30日に開催中のAppleイベント「There’s more in the making.」。ファンにとっては待望の新型MacBook Airが発表されたことは既報の通りだ。Appleはそこで新型iPad Proも発表した。

新型iPad Proには11インチと12.9インチの2種類のモデルが用意されている。Face ID(顔認証)に対応した代わりにホームボタンは廃止され、ベゼルが大幅に薄くなった。そうすることで、本体サイズ自体は前世代の10.5インチとほぼ変わらないのにも関わらず、画面サイズを0.5インチ大きくすることに成功した。前世代の12.9インチと新型12.9インチを比べると、本体サイズは大幅に小さくなっていることが分かる(体積ベースで25%の減少)。両モデルとも、薄さはわずか5.9ミリで過去最薄を実現した。

端子はこれまで採用されていたライトニング端子を廃止し、MacBookにも使われているUSB-C端子が採用された。この端子を使って本体端末を充電したり、5Kモニターに映像出力することができる。USB 3.1 Gen2のデータ転送にも対応。iPad上の手書きで使用するApple Pencilもより使いやすくなり、本体にマグネットで装着すると充電とペアリングが可能になった。

スペックも大幅に改善した。新型iPad Proにはオクタコアの「A12X Bionic」を搭載。Appleは新型について、処理速度は過去1年間で出荷されたラップトップPCよりも92%速く、グラフィック性能も前世代の2倍と表現した。ストレージ容量は最大1TBまで搭載可能だ。

新型iPad Proの価格は、11インチで799ドル、12.9インチで999ドルと発表された。米国での販売は11月7日からとなっている。

新iPad Pro登場は確実か、Apple Special EventをTC&Engadgetが今夜実況生放送

【新型iPad発表!?】アップル新製品発表イベント実況生放送~Engadget日本版 & TechCrunch Japan

日本時間の10月30日23時、アップルは米国ニューヨーク・ブルックリンでスペシャルイベントを開催する。既報のとおり、Face IDを搭載したベゼルレスの新iPad Proシリーズが発表される確率が非常に高い。

applespecialevent

長らくアップデートがなかったiPad miniの新モデルやMacBook Airのアップデートがあるというウワサもある。サイトから抹消されている純正ワイヤレス充電パッド「AirPower」の登場も考えられる。

TechCrunch Japanでは、このスペシャルイベントに合わせてニコニコ生放送で実況中継することが決定した。スペシャルイベントの映像自体は放映できないが、現地取材しているEngadget日本版の矢崎編集長が撮影した写真や動画を披露しながら、アップルの狙いなどを解き明かしていく。

新iPad ProはOLEDと液晶モデルがあり?新液晶「Liquid Retina」の商標申請から推測

eng-logo-2015今月26日に発売を控えるiPhone XRのIPS液晶パネルに冠せられた、新ブランドの「Liquid Retina」。このブランド名につき、アップルがアメリカと中国(香港)にて商標を申請していることが明らかとなりました。

この申請そのものに不思議はありませんが、注目すべきは商標の対象とされている製品カテゴリです。香港当局に提出された書類には「タブレット」などが含まれており、アップルの今後の新製品との関連が推測される内容となっています。

アップルの特許情報に詳しいPatently Appleによると、アップルがアメリカで提出した書類ではコンピュータや携帯情報端末、メディアプレイヤー、インターネットにアクセスできる個人向けデジタルアシスタントやスマートフォンなどが商標の対象とされているとのこと。

その一方で、香港での申請書類にはありとあらゆる製品カテゴリが網羅されており、書ききれないほど長大なリストとなっています。

そうした莫大なリストの中で、ひときわ目を引くのが「コンピュータ;コンピュータのハードウェア;携帯コンピュータ; タブレットコンピュータ」の箇所でしょう。10月30日のスペシャルイベントでの発表が噂される新型iPad Proの中に、OLEDではなくLiquid Retinaディスプレイを採用するモデルがあると示唆しているのかもしれません。

ほか、スマートウォッチやスマートグラス、VRディスプレイやARディスプレイといった製品カテゴリの申請も興味深いところです。アップルがARやVRデバイスを研究開発していることは半ば公然の事実と考えられており、関連する企業の買収「rOS」採用のARヘッドセットの発売予定など、噂はたびたび報じられてきました。

商標登録には「他人に登録されては困る」という防衛的な意味合いもあり、必ずしも製品化と結びつくわけではありませんが、膨大なリストの中には木を隠すには森とばかりに「アップルの本命」が潜んでいるのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

Apple、10月30日にまた大型イベント開催――新iPad Proのお披露目か?

そろそろ今年のハードウェア発表のシーズンも終わりだが、Appleが10月30日にブルックリンで大型のイベントを開催する。新しいiPhoneが発表されたイベントから1月半後になるわけだが、前回のイベントにスケジュールが合わなかったデバイスがお披露目されることになりそうだ。可能性が高いのは新しいiPadだろう。Mac製品のテクノロジーが紹介される可能性もある。

今回の招待状には “There’s more in the making”(もっといろいろ準備中)とある。開催時期から考えてもぴったりだが、これは有名な「最後にもう一つ…」のバリエーションだろう。Appleが最近クリーティブのプロ向けのプロダクトにまた力を入れるようになったことと関係があるかもしれない。iPad Proの新バージョンが登場するのは間違いなさそうだが、運がよければ来年初頭にリリースされるはずのMac Proに加えられる新しいテクノロジーを垣間見ることができるかもしれない。

プロ向けプロダクトの発表に加えて、今年のクリスマス商戦にぎりぎりのタイミングに間に合わせることができた新しいデバイスが登場するかもしれない。なにはともあれ、われわれはジングルベル持参で現地取材する予定だ。

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滑川海彦@Facebook Google+

iOS 12.1ベータに、新iPad Proのヒントを発見

iOS 12はまだ出たばかりだが、Appleはすでにデベロッパー向けにiOS 12.1のベータ版をテストしている。 Steve Troughton-SmithGuilherme Ramboは、新しいiPadがFace IDに対応することを示すコードを発見した。

まず、Face IDそのものに変更がある。iOS 12.1betaには、横位置画面への言及がある。iPhoneのFace IDは縦位置に限定されている。もっともこの制限に気づいていてない人も多いだろう。なぜなら、ロック画面とホーム画面は縦位置のみだからだ。

しかしiPadでは話が違う。多くの人が横位置で使っている。さらに、横位置で使う場合でもホームボタンを左に置く人も右に置く人もいる。

つまり、Face IDをiPadに持ってくるためには、複数の画面方向に対応する必要がある。このベータ版は、次のiPadに同梱されるバージョンのiOSかもしれない。

これでも足りないなら、設定の参照ファイルには 新しいデバイスのコードネームがある。このデバイスはiPad2018Fallと呼ばれていて、すぐそこにきている新しいiPadを意味していることは明らかだ。

以前アナリストのMing-Chi Kuoは、iPad ProがLightningからUSB-Cに変わる可能性を示唆していた。これは、アクセサリーに山ほどの可能性をもたらす。たとえば、外部モニターをドングルを使わずにつないで、ビデオを送りこむことができる。

iPhoneユーザーにとって、iOS 12.1では、バグ修正のほかに、グループFaceTimeが復活する。iOS 12の公開直前に削除された機能だ。まだバグが多いようなら、Appleは再度この機能を外す可能性がある。Memojiがデバイス間のiCloud同期に対応するかもしれない。Face ID付きiPad Proで便利だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

噂のFace ID搭載iPad Proは6月のWWDCで公開か。10.5と12.9型両方登場の可能性も

eng-logo-2015昨今ウワサがアツくなっているFace IDを搭載したiPad Proですが、2018年第2四半期にリリースされる可能性が高いとの噂が報じられています。速ければ、2018年6月に開催予定のWWDCにて公開されるかもしれないとのこと。

この予測は、米ローゼンブラット証券のアナリストJun Zhang氏によるもの。新型iPad Proは薄型ベゼルでホームボタンは撤廃され、10.5インチと12.9インチの両方が登場する可能性があるとされています。

Face ID搭載iPad Proが登場するとのうわさは、2017年10月にKGI証券アナリストMing-chi Kuo氏が投資家向けに語った談話を皮切りに、様々な方面から予想が相次いでいます。

例えば米Bloombergは、アップルが「iPhone Xの主要な機能を組み込み、再設計されたハイエンドのiPad」開発に取り組んでると報道。またiOS 11.3ベータ版の中に新型iPadの手がかりが見つかったとの報告もありました。

新型iPad Proは、部品調達やコスト、技術的制約のために、OLEDディスプレイではなく従来通り液晶のままとなる可能性が高いとのこと。

またFace IDを搭載するということは、現状ではiPhone Xよりも精度を下げることはアップルの方針から考えにくく、iPhone Xで導入されたTrueDepthセンサーの搭載する可能性が大。

となると次に気になるのがデザイン、さらに言えば画面上部のノッチですが、Phone XのようにTrueDepthセンサー収納のためにノッチ(切り欠き)があるのか、はたまたiPadでは四辺を均一な薄型ベゼルにしても十分なスペースがあるためにノッチの必要がないのか(そういったデザインとするのか)に関しては、時期尚早のためかウワサレベルでも不明です。

ほかサプライチェーン筋から8コアの「A11X Bionic(仮称)」チップが搭載される噂など、新型iPad Proに関しては、情報がテーブル上に次から次へと運ばれてくる状態。そのままかはさておき、なんらかの形で登場する可能性はそれなりにありそうです。

さて、iPad Proと廉価版iPadのウワサが日々流れてくる一方で、ウワサレベルの情報もゼロに近いのがiPad miniの新モデル。独特のサイズ感から根強い人気がありますが、現行のmini 4でもSoCはApple A8と、そろそろ世代交代しても良いタイミングとなってきつつあります。願わくば、こちらの後継機を待ち続けるユーザーの声にもなんらかの形で応えてほしいものです。

Engadget 日本版からの転載。

iPadをMacのセカンドスクリーンにするAstroのLuna Displayではカメラがメニューを呼び出すボタンになる

AstroのハードウェアドングルLuna Displayは、iPadをワイヤレスでMacのセカンドスクリーンにしたい、と思っていた人にとって夢のデバイスだ。今回同社はこれをアップデートして、iPadの前面カメラをいろんな状況で使える便利なボタンに変えた。これにより、画面上のユーザーインタフェイスを混雑させることなく、いろんな機能にアクセスできるようになる。

Luna Displayは小さなUSBドングルで、Macに挿入して使う。するとそれがiPad上のアプリと対話して、コンピューターのセカンドスクリーンに変える。遅延はないし、グラフィクスの醜い劣化もない。プロトタイプを試してみたが、彼らの宣伝どおりに動作し、そしてタッチ入力やApple Pencilも使える。

そして今度実装されたCamera Buttonは、AstroがLunaに新たに加えようとしたUI機能を画面から隠し、クリエイティブのプロやパワーユーザーとって、機能が増えても使いやすさを維持する。たとえば画面の明るさや表示の並べ方を素早く調節するためのメニューは、iPadの前面カメラの上に指を置くと、Lunaのアプリがサイドバーメニューをさっと出して、また指をカメラに置くとさっと隠す(上図)。

それはiPadのハードウェアのとってもクールな使い方で、面倒なアドオン・ハードウェアやBluetoothのアクセサリなどなくても、ボタンでないものがボタンになる。指を置くとき画像はぼかされるので、指紋などからプライバシーが漏れるおそれはない。カメラをその目的に使いたくない人は、iPadのボリュームボタンを代わりに使える。

結果は万々歳で、ハードウェアのおかしな使い方を毛嫌いするAppleさんも、これだけはぜひ許していただきたい。LunaはまだKickstarter上にあって、発売はしていない。支援者へのディスカウント提供は、あと1週間ぐらい続くだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

今年のAppleのハードウェアのアップデートはパワーユーザーが主なターゲット

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Appleの今年後半以降のロードマップは、高額機とパワーユーザーがターゲットらしい。BloombergのMark Gurmanが記事にした‘内部情報’はそう言ってるようだ。Gurmanの記事はいつもまともだが、とにかくiPad, MacBook AirとPro, そしてThunderboltディスプレイのアップデートを楽しみに待とう。

iPhone SEと超簡素なMacBookという昨年のシンプル指向から、今度はその逆に振り子は揺れるようだ。高機能なSurface Bookに誘惑されたかもしれない‘プロ的ユーザー’の、心を掴みたいのだ。

確かに、MacBook Proは新装してもよい時期だし、Airは(ぼくの場合のように)4年以上前の機種は確実に古めかしい。Gurmanの記事でも強調されているすこし前の報道では、複数のポートのある薄型ボディーと、その上に、便利だけれどちょっと古くも感じるFキーに代わってOLED上の“dynamic function row”(動的可変的ファンクション列)が載る、となっている。AirにはUSB-Cが載り、仕様も強化されるが、レティナディスプレイはまだだろう。

以上は、早くも今年の10月には発売されると思われるが、9月7日の発表では触れられないだろう。Gurmanの予想では、9月7日の主役はあくまでもiPhoneのニューモデル、そしてGPSや健康診断機能が内蔵されたニューバージョンのApple Watchだ。すでにベータに入っているiOS 10も、もちろん強調されるだろう。

数か月前から5KのThunderboltディスプレイをめぐる噂が飛び交っている。大量の細かいピクセルを際立たせるために、特製のGPUを使う、となっているが、その後の詳報はどこにもない。しかし新しいMacに合わせるとなると、意外と早いかもしれない。このLGとのコラボレーション製品は、写真やビデオのエディターが主なねらいで、iMacで我慢したくない連中がターゲットだ。

愛されたりがっかりされたりしているiPad Proは、スタイラス入力がサポートされるが、それがハードウェアのレベルでのサポートか、それともソフトウェアによるのか、両方か、などは不明だ。いずれにしても、この新ジャンルのデバイスを心から歓迎したアーチストなどは、今回のアップデートも歓迎するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iPad Proはパソコンの役割を担う、というのがアップルのビジョン

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皆さんお察しの通りだとは思うが、アップルCEOのティム・クックが繰り返し言っているようにiPad Proこそがアップルにとっての未来のコンピュータのあるべき姿だ。そして今日、アップルの新しいコマーシャルを見ればそのビジョンが明確に見て取れる。

そのコマーシャルで、アップルはiPad Proを始めてコンピュータと呼んでいる。コマーシャルの結びのセリフは以下の通りだ。「もしあなたのコンピュータがiPad Proだったら、そのコンピュータで何ができるか想像してみてください」

このビジョンを裏付ける様に、アップルはiPad Proが有用なデバイスたるようあらゆる手を尽くしている。スマート・キーボード、アップル・ペンシル、マイクロソフトワード、エクセル、パワーポイント、フォトショップFix、Procreate、Netflix、Safari、iBooksなどがiPad Proで利用可能だ。

個人的な経験では、周りにはiPad Proを愛用しておりコンピュータをあまり使わなくなった人がいる。一方でiPadの使用は補助的なものに留まり、コンピュータを離れる気はさらさらない人もいる。

しかし、私を含む多くの人がコンピュータを一週間離れても全ての仕事をiPadで出来たという事実は、アップルのビジョンの正当性を物語るものだ。しかしながら、古い慣習というのがなかなか変わらないというのもまた事実である。。


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(翻訳:Tsubouchi)

Jony Iveがチャリティオークションのために一台かぎりのiPad Proをデザイン…‘デザインの美術館’のためだ

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テクノロジーのコミュニティの中で生活している者にとって、本当に自慢できる物ってなんだろう? なんでそんなことを聞くの? とにかく、見せびらかして人の注目を集めたいという欲求がある人、それを健全な欲求と思える人、そして、とにかく本当に自慢できる物が欲しい、という人は、Jony Iveが特別にデザインしたこの、iPad Proに入札するとよい。それは、ある立派な目的のためだ。…少なくとも、あなたがそう思えるならば。

ロンドンのDesign Museumが、移築のための資金を募集している。今年中に、今のKensingtonから、テームズ河畔、Tower Bridgeの東側の、歴史的地区に移りたいのだ。

そのiPadはPro 12.9″タイプで、表面は陽極酸化により黄色い特殊染料の皮膜が覆っている。コバルトブルー色の革製スマートカバーもある。スエードを特製のマイクロファイバーで縫ったやつだ。Apple Pencilも必要だから、そいつは炎のようなオレンジ色の革製ケースに入っている。

iPadの裏には、レーザーで”Edition 1 of 1″と彫ってある。それが、本物の証明になる。レーザーによるエッチングは誰にでもできるが、その表面を本体と同じイエローにするのは至難だ。

せりは4月28日から始まる。主催当局は、落札価格10000〜15000ユーロ(約15000〜20000ドル)ぐらいを予想している。

黄色いiPadよりも、すばらしいビンテージの自転車や、前世紀半ばの可愛らしい寝椅子などの方がいい人は、今すでに行われているネットオークションを覗いてみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))