レーザー光を照射する靴がパーキンソン病患者をふつうに歩けるようにする

テクノロジーが多くの人の生活を快適にしてくれるささやかな例が、意外なところにもある。それは、レーザー・シューズだ。そう、男の子の玩具ではない真面目な製品だ。上図のような、小さなレーザーエミッターを取り付けた靴は、最近のテストによると、パーキンソン病患者の正常な歩行を助ける。

パーキンソン病の症状のひとつに、すくみ足がある。それは、自分には前へ進む意志はあるのに、そのための一歩を踏み出せない状態だ。その状態が数秒から一分近くも続くと、不便であるだけでなく体のバランスを崩して転倒することもある。

しかし不思議なことに、足がすくんでいる人が前方の足元に気になるものをみつけて、心がそれに集中すると、それに向かって歩こうとして、すくみ状態がなくなることがある。それは、床板でも歩道の割れ目でも、なんでもいい。しかし、そんなものがつねにあるとは限らない。常時あるようにするには、どうしたらいいか?

そこで、オランダのトゥウェンテ大学のMurielle Ferrayeの想像力から生まれたのが、レーザー・シューズだ。つま先に取り付けたレーザー照射デバイスが、約45センチ前方の床に光の線を描く。するとユーザーは、その線に向かって足を踏み出そうとする。靴が動いているときにはレーザーは消えている。足が静止しているときだけ、線が描かれる。

こんな感じだ:

21名のパーキンソン病患者でテストした結果では、レーザー・シューズによってすくみ足の発生が半分近くに減り、すくみの持続時間は半分以下になった。患者の多くが、その靴を使いたいと言い、足がすくんでいないとき光が投射されても気にならないと言った。大学のニュースリリースでFerrayeが述べている次の課題は、すくみが検出されたときだけレーザーが発光するようにすることだ。

この研究は今週、Neurology誌に発表された。

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Touch Surgeryは手術の教育訓練に拡張現実を大々的に利用、手術室で術中の医師のガイドにもなりえる

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外科医に、それぞれさまざまな特定の手術手順を教育訓練することは、費用もかかり困難だ。ロンドンのTouch Surgeryは、200種以上の手術手順の、スマートフォンやタブレットの上で行う教育訓練プログラムを作った。そしてCESでは、新しいタイプの、深く没入的な手術の教育訓練法…手術室でのアシスタントにもなりうる…を発表した。それは、スマートグラス(眼鏡)DAQRIと、Microsoftの混成現実(VR/AR)技術HoloLensを使用する。

“外科医たちと協働して今日最高の手術手順をさらに最適化およびスケールアップできれば、全世界の患者にとって安全な手術の教育訓練と実施が可能になると信じている”、と語るのはTouch SurgeryのCEO、ドクターJean Nehmeだ。“これまで、教育訓練のための出力先はモバイルデバイスだった。2017年は、新たなパイプラインにより、拡張現実のプラットホームも利用できる。

今週ラスベガスで行われているCESでは、同社はその拡張現実を初めてテストしている。

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Touch Surgeryの教育訓練コンテンツは、タップやスワイプという手術動作とはあまり関係のない手の動きでシミュレーションをするスマートフォンから、本物の手術室へ持ち込むことが重要な課題だ。外科医が手術用メスやそのほかの鋭利な器具を取り上げたまさにそのときに、これから始まる手術を助ける適切なARオーバレイが加われば(右図)、大いに助けになるだろう。

あまりにも未来的な話に聞こえるかもしれないが、手術中の外科医がHololensを装着している姿は、十分ありえるとぼくは思う。ARによるリアルタイムの教育訓練が適切なら、複雑な手術における失敗も防げるだろう。しかしただしそのときには、医師が教材や教育訓練システムの使い方を誤らないようにする、という別の課題が存在する。また、上のGIF画像を見たかぎりでは、ARが術中の手の上を浮遊しているのが気になる。

拡張現実の、手術室劇場での上映は、まだきわめて初期的段階だ。しかしそれによって手術がより安全迅速になり、合併症も減らせるなら、その将来の利便性を疑う理由はない。今は、自分が手術室に今いる執刀医になったつもりで、“ちょっとHololens持ってきて”、と言ってみたい。

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子どもの言語障害の早期発見を機械学習が支援、家庭でスマホで検診ができる

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言語障害の検診は早めに、しかも複数回やれ、と言われる。でも、すべての子どもをタイミングよく検査できる設備と要員が完備している地域は、そう多くない。しかし、ここでご紹介するMITの研究結果が正しければ、少なくとも基本的な検査は、自動化され、家庭でもできるようになるだろう。

サンフランシスコで行われたInterspeech カンファレンスで、同校のコンピューター科学者たちが、その新しいテクニックを説明した。まだ開発の初期的な段階だが、かなり期待を持てそうだ。

神経の障害のために、会話(発話と相手の言葉の理解)がうまくできない子どもたちは、ある種のテストで一定のパターンを示す。それは、複数の画像を見せ、それらについてお話をさせるテストだ。休止や、特定の時制や代名詞でのつまづき、そういった小さなことが、深刻な問題の指標であることもある。

院生のJen GongとJohn Guttag教授が作ったそのシステムは、まず、子どもたちのそんなお話の録音を多数、機械学習システムに聞かせる。そのデータ集合を細かく分析することによって、システムはいくつかのパターンを学習する。それらは、健常者のパターン、発達障害に顕著なパターン、初期の言語障害を示すパターン、などだ。それらは、これまでの研究で確証されているパターンなので、問題はない。

専門教育を受け、訓練を積んだ専門家に代わるものではないが、でも専門家をアプリに詰め込むことはできない。システムは、現状で精度も実用レベルに達しており、どんなスマートフォンからでもできる検診なので、障害の早期発見早期治療に貢献するだろう。

でも、まだまだやるべきことはある。

“大量の良質なデータにより、今後ともシステムを訓練していく必要がある”、とGongは述べている。“子どもたちの発達過程はきわめて多様だから、健常と障害の両方について、いろんな子どもたちのデータを集めることが、システムのより良質な判断力を育てる”。

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マイクロバイオームが医療と食品に対する概念に革命をもたらす

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【編集部注:本稿の執筆者、Kobi GershoniはSignals Analyticsの共同設立者で主任研究官でAlexandra V. EberhardはSignals Analyticsのサイエンス担当VPでSignals Analytics Europeのゼネラルマネジャー】

ヒトのマイクロバイオームと言う時、それは人体内に住むすべての微生物の遺伝子のことを指す。ヒトのマイクロバイオームが今、オーダーメイド医療と食事療法のあり方を塗り替えようとしている。ヒトゲノムプロジェクトの完成後、テクノロジーの進歩により病気の診断とその治療の精度は極めて高いレベルにまで押し上げられた。

マイクロバイオームのことを「新規に見つかり、ほとんど調査されていない臓器」と呼ぶ科学者もいるくらい、マイクロバイオームは我々が直面しているもっとも深刻な病気の診断と治療の方法を革新する可能性を秘めている。それらの疾患にはクローン病、糖尿病、肥満や様々なガン、急性下痢、精神障害などが含まれる。

あたかも人体だけでは複雑さが足りないかのごとく、我々一人一人は独自の微生物環境を持っている。新薬の発見と栄養摂取という観点において、それぞれの人が独自の微生物環境を持つということは人それぞれがオーダーメイド治療や摂取した食品にどのように反応するのかという点で重要になってくるだろう。かつてオーダーメイド医療は、実際のテクノロジーが追いついていなかったため法外な費用がかかり、SF映画の中でのみ存在するコンセプトに感じられた。マイクロバイオームの夢はオーダーメイド医療と個人に最適化した栄養摂取を全ての人々の手の届くものにすることだ。

それでは、人の健康状態の維持・管理や栄養摂取を専門とする企業はこの新たなテクノロジーの進歩に対して、どのように対応するのだろうか。

人の腸内マイクロバイオームのおかげで我々が若々しく、より健康的な食事をして慢性疾患とはおさらばする日が来るのだろうか?

これからマイクロバイオームが人の健康に利用される機会がどんどん増え、オーダーメイド医療を一般の人々に浸透させるために今後より多くの投資がなされるのは疑う余地がない。製薬産業はマイクロバイオーム関連のプロジェクトの発掘を行ってきたが、その中でもとりわけプロバイオティクスとプレバイオティクスの分野の成長が顕著だ。体重管理の市場はアメリカだけでも600億ドルに近い規模であり、そのうちの半分以上がプロバイオティクス関連である。プロバイオティクス商品はすでに何年もの間市場に出回っているが、FDAは自身が栄養補助食品に関してはモニターしていないことを明言しており、栄養補助食品には十分注意するよう消費者に対し警告を発している。

プロバイオティクスとプレバイオティクスをめぐってはすでに大量の文献、特許及び臨床試験が存在するが、確かな結果を消費者にもたらす食製品を開発することは製薬市場の研究チームが今度解決して行かねばならない課題である。

例えば、ViThera Pharmaceuticalsはプロバイオティクな細菌株(一部は臨床試験済み)を使って慢性疾患の治療に役立てようとしている。しかしヨーグルトなどの食品に利用可能な菌株などはマーケティングがより困難だ。ダノンのActivaやDanActiveラインの製品は歴史的に見て消化を助けプロバイオティクス細菌を摂取するのに適した食品として売り出されている。

マイクロバイオームは我々が摂取するものをどのように変化させるだろうか。

マイクロバイオームの多くはヒトの腸に焦点を絞っている。腸には高密度の微生物が生存しており、多国籍企業はこれについてさらなる知見を得ようとしている。

今年度の初めに、ワイツマン科学研究所の二人の科学者がPersonalized Nutrition Projectの元で行った研究成果を発表した。その研究では、人それぞれが同じ食物に対してもいかに異なった反応を示すかを調べたもので、この反応の違いの一因は個々人のマイクロバイオームの違いに由来するものだ。その研究で明らかになったのは、食物の人に与える影響は人それぞれで、その影響は予想し難く、栄養摂取は個々人に対して最適化されるべきだということだ。

それでは、私にとって健康的なものがあなたにとって健康的でないとすれば、どのようにして我々はどの食物が自分に健康的だと判別すれば良いのだろうか。幅広い消費者層に対応している大企業の多くが既に気づいていることは、大衆の未来はカスタマイゼーションと共にあるということだ。それらの企業は、これまで伝統的に行われてきた人口分布に基づいた分析をやめ、マイクロバイオーム分析の理解を通じた顧客分析を開始した。

ワイツマンの研究結果がもし広く受け入れられるとすれば、その結果は我々の、健康・栄養関連製品およびそれらを製造する企業、に対する考え方に大きな影響を与えることになるだろう。これまで知られていたよりはるかに多くの病気が人とその人の体内にいる微生物との相互作用により引き起こされている可能性が次々と示されている。

マイクロバイオームを使った診断

ガンとの闘いでは早期診断が有効な治療に不可欠だ。医療会社はガンや他の疾患の診断を効率化するためマイクロバイオームを利用した新しい方法を開発している。

 Metabiomicsはマイクロバイオームをガン診断に応用している企業の一つで、分子レベルの初期診断を専門としている。Metabiomicsは特に、非侵襲的な検便をベースとしてヒトの腸内マイクロバイオームを分析することに焦点を絞っており、結腸内のポリープやガンをより早期に、かつ正確に発見することを目指している。Metabiomicsの技術革新の鍵は特許取得済みのMultiTag™ DNAシーケンス技術であり、この技術によりこれまで不可能であったやり方でマイクロバイオームを解析することが可能になった。

マイクロバイオームの研究は病気の予防とコントロールに向けた新しい道を切り開くかもしれない

オーダーメイド医療のもう一つの波として盛り上がりを見せているのが糞便移植(Fecal Microbiota Transplant)である。これは、テストを受けたドナーより糞便を採取しある種の腸疾患を治療しようというものだ。研究者はIBSやクローン病などの胃腸疾患の治療に糞便移植が使えるか、その可能性を模索している。マイクロバイオームをベースにした治療法を商品化するのはなかなか大変だが、バイオテクノロジー系のRebiotixなどの企業は糞便移植の商品化に取り組んでいる。それらのバクテリアや糞便中の微生物関連製品を使い、生きたヒトの微生物を患者の腸に送り込むことで疾患の治癒を目指す。

オーダーメイド医療の開発とヒトのマイクロバイオーム特有の性質の組み合わせにより製薬企業大手にとっては、近傍領域の産業が真似のできないような装置を開発する機会が到来している。

マイクロバイオーム系企業のEnteromeとEvolve Biosystems

微生物は体を病気から守り免疫力を増強するので、マイクロバイオームの技術革新と疾患予防分野はとてもよくマッチしている。疾患予防は医療会社にとっては巨大なマーケットであり、2020年までにプロバイオティクスの市場規模は500億ドルを超えるだろう

しかしながら、消化器系の健康のためのプロバイオティクスだけがマイクロバイオームを使った予防医療のアプリケーションという訳ではない。

マイクロバイオームの研究では治療と診断が鍵となるアプリケーションである。

現時点では商業化可能な製品はないかもしれないが、この領域での技術革新を推し進めている医療会社は依然多い。そう言った企業であるEnteromeEvolve Biosystemsは、マイクロバイオーム関連の疾病・疾患を治療、診断する目的でマイクロバイオームに目を向けている。 

Enteromeはパリを拠点する、ヒトの腸を専門に扱う企業である。同社は炎症性腸疾患や、糖尿病や肥満などの代謝性疾患の治療を目指している。Enteromeの中で最も開発の進んでいる治験薬であるEB 8018は、同社のメタゲノミクスプラットフォームの強みを生かし、腸内マイクロバイオームを標的にする。そのような腸内マイクロバイオームはクローン病の発症に重要な役割を果たしていることがわかっているからだ。

一方でEvolve Biosystemsが扱うのは妊娠である。幼児における呼吸器や胃腸の疾患、s過剰なアレルギー反応の発症と母親の腸内マイクロバイオームには高い相関があることが判ってきたからだ。同社の目標は、向こう半年の間に同社独自のプロバイオティクスに基づいた生物的治療システムを開発して幼児のマイクロバイオームの健康状態を改善することだ。

製薬市場の研究者は特許や臨床試験以外にも学術論文の重要性を認識して、その利用方法や競合他社の技術革新という点においてマイクロバイオーム市場がどこに向かっているのか見極める必要がある。

マイクロバイオームは製薬、医療、健康管理と栄養摂取の領域に渡って何度も登場するトレンドであり続けるだろう。また、この度のワイツマンの研究結果が示しているのは、我々は自分たちが摂取する食品や製品においてマイクロバイオームが果たしている役割について、まさに理解し始めたところだということだ。個人各々が自分の持つ微生物に基づいて個人に最適化した健康管理と栄養摂取プログラムを持つ日が来ることを想像して見て欲しい。我々各人が科学に基づき最適化され、新規薬物療法にどう反応するのか、摂取するものからどのような恩恵を得るのかを理解するようになるのだ。

マイクロバイオームの将来

イクロバイオームの研究は病気の予防とコントロールに向け、新しい道を切り開くかもしれない。健康な人たちや症状の無い患者は病気の予防に向けて行動を起こすことにそれほど乗り気ではなく、特に症状が進んでいない状態では、病気の進行を遅らす取り組みにも消極的である。ジョンソン&ジョンソンやダノンなどの企業はマイクロバイオームにおける市場を牽引しており、将来的にはもっと多くの会社がこの領域のイノベーションに参画してくるはずだ。マイクロバイオームは既に消費者の毎日の行動に影響を与え始めており多様な商品を通じて生活に浸透して来ている。

健康維持から本当の意味での病気の予防とその進行の阻止にその役割を移行してゆくことは簡単には行かないだろう。しかし現実においてはマイクロバイオームは我々の生活のあらゆる局面にインパクトを及ぼす可能性を秘めている。それは病気の診断や健康な体内微生物群の維持、もしくは直接・間接的な微生物関連の疾患を予防するための早期診断であるかもしれないが、マイクロバイオームは結果的に我々の平均寿命に影響を及ぼす可能性を秘めている。実際にはそれがどのように我々の生物学的寿命と進化に影響を及ぼすのかというのが大きな問題である。ヒトの腸内マイクロバイオームのおかげで、我々が単に長く生きるということを超えて、若々しくあり続け、健康的食生活を送り慢性疾患を克服する日が来るのだろうか。その答えはイエスである。
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(翻訳:Tsubouchi)

EmoWatchは、Apple Watchであなたの気分が :) か :( かを教えてくれる

emowatch

Siriは様々な仕事をうまくこなすが、あなたが元気かどうかはあまり気にかけない。今日(米国時間4/10)公開されたEmoWatch,は、iPhoneとApple Watchの新しいアプリはそこに注目し、人の感情の状態を追跡する。

The EmoWatch app identifies and tracks users's emotions from their voices, regardless of language, by analyzing vocal properties

EmoWatchアプリはユーザー声で感情を分析する。言語によらず音声の性質だけを分析する。

基本的にEmoWatchは、Smartmedical CorpEmpath技術を紹介するためのデモアプリだ。「アプリ」とは言ったが、あまり高度なものではない。iPhoneアプリは、かろうじて使えるというレベルだ。正直なところ、よくiTunes App Storeのレビューを通過したと思うが、一応やるべきことはやる。Apple Watchと接続して、一日の気分を(グラフで)表示する。文字通りそれだけしかしない。Apple Watchを持っていない人は混乱するに違いない。なぜならiPhoneアプリからは何をすべきか全くヒントが与えられないから。

究極のミニマリズムが私を魅了したことはたしかではある。

殆どの魔法はサーバー側の見えない所で起こっている。まずユーザーの声をサンプリングする。2~3秒間、一文を読み上げるかどうかの短い時間でよい。次にその音声データを、抑揚、高さ、速度、音量等いくつかの面から分析する。

この技術は純粋に人の声だけを見るもので、使う単語にはよらない。アプリは、4つの「次元」で感情を測定する:喜び、悲しみ、怒り、冷静。理論的には、どんな言語履歴を持つユーザーにも適用できると同社は言っている。

アプリも興味深いが、私はEmpath APIがデベロッパーに公開されていることの方に注目している。APIは、話者の気分をリアルタイムでフィードバックするもので、いくつも面白い応用が考えられる。もしこの技術が正確なら、このAPIは既存の様々健康監視アプリにとって重要な追加機能となり、さらに多くの利用場面が想定される。この技術はロボティクス(ロボットが皮肉を理解するのを手助けするのだろうか)やコールセンター(顧客の怒りの程度を検出する等)でも利用されている。

もちろん、この分野で戦っているのはEmpathだけではない。Good VibrationsBeyond Verbalも類似の機能を提供しているが、私の知る限り、いずれもEmpath APIほどのリアルタイムフィードバックは提供していない。

正確性に関しては、気分分析技術がどこまで機能するのか、詳しくテストすることはできなかったが、概して大きくは外れていなかった。今日私はややストレスを感じていたが、アプリはそれを検出して、私が元気一杯ではないと判抽した。本稿を書いている間私はGrapefruit Sculpinを飲み、リラックスして音楽を聞きながら仕事をしている。そしてこの記事の「公開」ボタンを押せば週末だ。アプリが私の気分を申し分ないと報告するのも当然だ。

【日本語版注:開発元のSmartmedical Corpは日本企業】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

医師にメッセージを送って相談することのできるFist Opinion、140万ドルを追加調達

First Opinionが140万ドルの資金を調達したようだ。出資したのはTrue VenturesおよびFelicis Venturesなどだ。今回の分を含め、調達額は合計で260万ドルとなった。これまでにはGreylock、Yuri Milner、および500 Startupsなども出資を行っている。

サービスはiOSアプリケーションで提供される。医者にメッセージング経由で医者に質問を投げることができるというものだ。今回の資金調達と同時に、アプリケーションも新バージョンとなった。このFirst Opinionでは、月に一度は無料で相談を投げることができる。追加で質問があるときは、同じ医師を相手に3つまでの質問権がパッケージされて12ドルよりとなっている。今回のアップデートにより、24時間制の対応が可能となっており、質問への回答はたいてい9分以内に為されているとのことだ。

昨今のヘルスケア関連サービス(RiseThriveOn、およびTalkspaceなど)と同様に、First Opinionも予防ケア系を意識したサービスだ。

ファウンダー兼CEOのMcKay Thomas曰く、もともとは妊婦を対象としたサービスをイメージしたものだそうだ。とくに陣痛が起こり始めて、医者にいくべきなのかどうかを判断したいお母さん向けを考えていたのだそうだ。そうして考えるうち、不眠症や頭痛、不安神経症などの場合にも使えるだろうと考え始めたのだそうだ。

プライバシー面に配慮して、First Opinionの利用登録についてはファーストネームとメールアドレスのみを入力するようになっている。試してみたところでは、医者にメッセージを送ることができるようになるまでに必要な時間は5分程度だった。ちなみに利用したのは深夜の時間帯だったことも申し添えておく。

テスト利用時にマッチングされた相手方のドクターはAnkitaという方だった。これまでにFirst Opinionを使って、1500以上もの質問に答えてきたのだそうだ。これを機会に、疲労感に悩まされる最近、血液中の鉄濃度検査などを行った方が良いのかどうかについて尋ねてみたりもした。30分ほどの間、メッセージ交換を行い、いろいろと疲労感を感じる原因などについて教えてもらうことができた。

結局のところ、血液検査をして見るほうが良かろうというアドバイスをもらった。実のところ、長らく検査すべきなのだろうと思いながら放置していたのだった。しかしメッセージングセッションにて、医師に確認すべき要点まで指摘されたので、病院に行ってみるしかあるまい。

調達資金は、共同ファウンダー兼CTOであるJay Marcyesの医師-患者マッチングプログラムの高性能化を行うのに利用したい意向であるらしい。彼は以前PlancastPathでも働いていた経験をもつ。迅速に、かつ有効なマッチングを行うようなアップデートを行いたいとのこと。今のところ、利用者が医師を希望してからマッチングの完了までに15分以上かかるケースもあるようだ。これを30秒にまで短縮したいという考えを持っているのだそうだ。

こうした機能改善を睨んで、First Opinionは医師であり、かつCOOでもある、フィラデルフィアで活動していて、Wharton SchoolのMBAをもつVik Bakhrと協同して、いつでも迅速かつ有効な回答を引き出すことのできるマッチングプログラムを開発しているとのことだ。

Thomas曰く「かかりつけの医者を訪問するうち85%は無用の行為なのだそうです」とのこと。たいていは「もっと体調が悪くなったらいらっしゃい」という言葉を聞くために、30ドル以上を支払っているのだとのことだ。

First Opinionを使ってメッセージのやり取りをすれば、医者に行く必要があるのかどうかを判断するのに役立つことだろう。時間に追われることの多い現代人に、それでもともかくやりくりして医者にいくべきなのかどうかという判断材料を与えてくれる。

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(翻訳:Maeda, H


プログラミング教育用トイ・ロボットのPlay-i、140万ドルを調達していよいよ来夏より出荷開始

これからは世の中にさらにテックの要素が増えていき、そして仕事でも一層テック系の素養が必要となってくる。それであってみれば、子供たちにコンピューターサイエンスやエンジニアリングを教えていくことが大切だ。と、そういう考えを当然のことだと考える人も多い。しかしアメリカでは10校のうち9校までがプログラミングの授業を行っていない。コンピューターサイエンスやテクノロジーに親しませ、積極的に関わっていくことができるようにするためには、たとえば他の言語を学ぶのと同様に、早期に始めることが非常に大切なことなのだ。もちろん、内容は楽しいものでなければならない。

コーディングのスキルを身に付けるのには時間もかかり、大人になってからではかなり難しくなってしまう。但し、子供を椅子に縛り付けてコーディングの勉強をさせるのもまた難しいことだ。もちろんコンピューターサイエンスの理論を覚えこませようなどというのも無駄に終わる可能性が高い。これに対処しようと動き出したのが、GoogleでConsumer Payments部門の長を務めた経験をもつVikas Guptaだ。子供たちが楽しくプログラミングを学ぶことのできるPlay-iというプロダクト(プログラムでロボットを動かす)を生み出したのだ。

共同ファウンダーにAppleでiPodソフトウェアチームを率いていたSaurabh Guptaおよび,
Frog Designでエレクトロニクスプロダクトおよび玩具のデザインおよび製造を行っていたMikal Greavesを加えて、Play-iの開発を行った。開発にあたっては、子供たちが「遊べる」ものを作ることを心がけたのだそうだ。こうした考えに沿って生まれてきたのがBoとYanaという2つのロボットだ。プログラムで制御できる、インタラクティブなトイ・ロボットだ。

Play-iは昨年、Google Ventures、Madrona Venture Groupなどから100万ドルの資金を調達してプロトタイプの開発を行った。現在もまだ細部を詰めている段階ではあるが、全体的な学習システムはほぼ完成し、ついに商用リリースの目処がたつところまでやってきた。来年には販売を開始する予定で、そうなればiPadで動作するPlay-iを使って、BoやYanaと一緒に遊ぶことが出来るようになるわけだ。

iPad用アプリケーションには、アクションシーケンスや、簡単なコマンドが用意されていて、それを並べてロボットを動作させることができる。たとえば手のようなパーツを叩いたり、あるいは手を振るように動かしたり、握手するような動きを行うことができる。3つのタイヤを備えたBoは部屋の中をあちこちに動きまわることができるし、ライトを点滅させたり、木琴を演奏したり、あるいはYanaを揺らしてライオンのように吠えさせたり、さらにはロボット2台を対話的に動かすことなどができる。実際に動いたり音楽を奏でたりするおもちゃを通じて、自分のプログラムがいったい何を引き起こしているのかということを学習していくことができるのだ。

また、単にロボットが動くのを見て愉しむ段階をこえて成長しても、このPlay-iを楽しめる仕掛けが用意されている。すなわちPlay-iで使うことのできるコマンドは、JavaやPythonなどといったプログラミング言語を用いて作成されたものなのだ。こうしたプログラミング言語を活用して、自分だけのコマンドを作ることもできるわけだ。これにより、さまざまな年齢層でBoおよびYanaとのコミュニケーションを愉しむことができるようになっており、いろいろなレベルでプログラム開発を行っていくことができる。

おもちゃを使ってプログラミングを学ぼうというコンセプトは、このPlay-i以外にも昔から存在するものだ。Play-iについての以前の記事でも指摘されているように、この分野にはCargo-Bot、Move the Turtle、あるいはBee-Botなどの先輩プロダクトがある。比較的新しい分野だとはいうことができ、いろいろなプロダクトが今後も参入してくることとなるだろう。こういうプロダクトに対するニーズも、最近になって生まれてきたものだ。教育会全体としてもSTEM教育に関心があつまりつつあり、それもあって若年層に対するテック教育のためのツールが探し求められるようになった背景もある。この分野は、今後ますます発展していくことになるのだろう。

もちろん共同ファウンダーたちは、このBoとYanaのことをとても気に入っている。しかし一般の消費者が興味を持ってくれるのか、あるいは商品を手にとってみたいと思ってもらえるのかについては慎重な姿勢ももっていた。すなわち11月半ばにクラウドファンディングでのプロジェクトを立ち上げて、一般の人の反応を探ってみたのだ。反応は上々で、しかもアメリカ以外の国の人も関心を持っていることが判明した。

Kickstarterでの31日間のキャンペーンにて、Play-iは目標の5倍となる140万ドルの資金を調達した。また、そのうちの2万6000ドルは、学校や経済的に恵まれない子供たちを対象とした施設に対してPlay-iを寄贈することを目的とした寄付として出資された。出資者はイギリス、カナダ、ドイツ、オーストラリア、インド、フランスなど多数の国にわたり、全体の30%以上がアメリカ国外からのものだった。

プレオーダーの件数も1万を超え、出荷は来年の夏から開始される見込みだ。それまでの期間は、製品の最終仕上げと、販売パートナーの獲得を行っていく予定なのだそうだ。Gupta曰く、Play-iをサイトおよび実店舗の双方を通じて販売していきたい考えであるとのこと。但し詳細についてはまだ決まっていないらしい。

今後もまだまだ新しい情報が出てきそうなPlay-iのホームページはこちら。またファウンダーのインタビュー動画を下に掲載している。

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(翻訳:Maeda, H