わずか8分でストレスを軽減できるTrippのサイケデリックVR瞑想アプリ

消費者のウェルビーイングやマインドフルネスを支援するモバイルアプリを投資家に売り込むスタートアップ企業が増えているが、中にはユーザーが周囲の世界から完全に切り離されるような、より没入感のある方法を模索しているスタートアップもある。

Tripp(トリップ)は、没入型のリラクゼーションエクササイズを開発している企業だ。それはガイド付き瞑想アプリで体験できるような種類のものと、より自由な形の体験を融合させることを目指したもので、ユーザーはVRヘッドセットの中で、フラクタル図形や光る木、惑星が目の前を通り過ぎるのを見ながら、日常から離れて自分の思考を探求することができる。

その社名が示すように、このスタートアップ企業は、幻覚剤を使わずに、サイケデリックトリップの際に感じるものを模倣した視覚と聴覚の体験を作り出そうとしている。

「幻覚剤を摂取することに抵抗を感じる多くの人にとって、これはより穏便な方法でサイケデリック体験の一部を提供できる、摩擦の少ない代替手段です」と、同社のNanea Reeves(ナネア・リーブス)CEOはTechCrunchに語った。「このアイデアは、マインドフルネスとビデオゲームの仕組みを組み合わせることで、人々の感覚を実際にハックできないかと発想したものです」。

Trippによると、同社はVine Ventures(ヴァイン・ベンチャーズ)とMayfield(メイフィールド)が主導し、Integrated(インテグレーテッド)などが参加した投資ラウンドで、1100万ドル(約12億2000万円)の資金調達を完了したという。これで同社が調達した資金の総額は1500万ドル(約16億6000万円)となった。

画像クレジット:Tripp

近年、VR関連のスタートアップ企業の多くは、投資家の熱い支持を得ることに苦労している。主なテックプラットフォームが次々とバーチャルリアリティへの取り組みを終了させ、今やFacebook(フェイスブック)とソニーだけがその分野の提供者として残ったが、彼らも依然として収益化に苦心している。その一方で、多くのVRスタートアップ企業が取り組みを続けているものの、5年前にこの分野の企業を支援していた多くの投資家は、より幅広い用途が期待できるコンピュータビジョンやゲームのスタートアップ企業に目を向けている。

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リーブズ氏によると、新型コロナウイルスの影響から、人々のマインドフルネスやメンタルヘルスに対する意識が高まったため、投資家もこの分野のプロジェクトを積極的に支援するようになったという。

Trippは、Oculus(オキュラス)とPlayStation VR(プレイステーションVR)の両方のストアにアプリを配信しており、月額4.99ドル(約550円)のサブスクリプションという形で利用できる。

同社はさまざまなガイド付き体験を提供しているが、ユーザーは「Tripp composer」を使って独自のビジュアルフローを構築することもできる。

カスタマイズだけでなく、Trippの大きな売りの1つは、消費者により深く、より早く瞑想体験を提供することであり、ユーザーはヘッドセットを装着してから8分という短い時間で、ストレスを軽減できると同社は主張する。

Trippはこのプラットフォームを、企業のオフィスでウェルネスソリューションとして活用することも検討している。現在はこのソフトウェアプラットフォームの治療器としての有効性を研究するため、臨床試験を行っているところだ。

同社によると、このアプリでは、これまでのべ200万回以上のセッションが、ユーザーによって行われたという。

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画像クレジット:Tripp

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックのVR広告参入は前途多難

Facebook(フェイスブック)によるOculus(オキュラス)のVRプラットフォームに広告を持ち込もうとしている数十億ドル(数千億円)を費やした取り組みは、幸先の良いスタートを切ったとは言えないようだ。

先週同社は、多作で知られるVRゲームデベロッパーであるResolution Games(レゾリューション・ゲームズ)のタイトル「Blaston」に初のゲーム内広告を展開する予定だった。そのわずか数日後、ユーザーから多くの苦情を受けたゲーム会社は、広告の導入を中止したことを公表した。

「プレイヤーのフィードバックを聞いた結果、Balstonはこの種の広告テストに最適ではないと気づきました」とBlastonアカウントのツイートに書かれている。「このためテストの計画を中止しました。みなさんがアリーナにやってきて、本日公開されたCrackdown Updateをプレイしてくれることを楽しみにしています」。

この広告計画で特に注目すべきなのは、サードパーティー製ゲームの中でテストしようとしていることだ。Facebookはここ数カ月間にいくつものVRゲーム会社を買収し、最も人気のあるQuest(クエスト)のタイトルを複数所有しているため、サードパーティーパートナーと一緒に広告を導入することで、これをFacebook自身ではなく、他のデベロッパーのための収益化手段を切り開く機会にすることが期待できる。

先週の発表は、Facebookが広告とユーザープライバシーのバランスに悪戦苦闘していることを喜んでいないVRコミュニティから多くの批判を浴びたが、他のユーザーがもっと気にしたのは、購入済みの有料タイトルの中に広告が出てくることだろう。BlastonはOculusストアで9.99ドル(日本では税込990円)で販売されている。

【更新】Resolution GamesはTechCrunch宛の声明で、同社の無料アプリ内で広告テストを行う可能性を示唆した。「私たちはBlastonがこのタイプの広告テストに最適でないと気づいたたことをまず申し上げておきます。代わりに、この小規模な一時的テストを当社の無料ゲームである『Bait!』で将来行う可能性を検討しています」。

Resolution Gamesが開始もしないうちにテストを断念したことは、FacebookのVR広告への取り組みにとって早期の挫折であり、Oculusプラットフォームで声の大きいユーザーが未だにFacebookに対して懐疑的であることを浮き彫りにしている。Facebookは先週のブログ記事で、VRで広告を掲載するためにどのユーザーデータが使われるのかという懸念を払拭しようと、ヘッドセットのマイクロフォンで録画された会話も内蔵トラッキングカメラが分析した画像も広告に使用されないことを明記した。

2020年Facebookは、ヘッドセットのユーザーがデバイスをアクティベートするためにFacebookアカウントが必要になることを公表した際、VRファンからかなりの反発を買った。その後も批判は続いているものの、先に発売された299ドル(日本では税込3万7180円〜)のヘッドセットOculus Quest 2は、これまでFacebookが販売したVR機器すべてを合わせたよりも多くすでに売れている。

TechCrunchはFacebookにコメントを求めている。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculus創業者が起ち上げたAI防衛企業Andurilの評価額が約5000億円超に

テック業界の因襲打破主義者であるPalmer Luckey(パルマー・ラッキー)氏が設立したAI防衛企業のAnduril(アンデュリル)は、新たにシリーズD投資ラウンドで4億5000万ドル(約497億円)の資金を獲得し、わずか4年でこのスタートアップ企業の評価額は46億ドル(約5080億円)に達した。

2021年4月には、同社が新たな投資を求めており、2020年7月に19億ドル(2093億円)だったその評価額は、40~50億ドル(4407億〜5508億円)になる見込みと報じられていた。

今回のラウンドは、エンジェル投資家であり、シリアルアントレプレナーでもあるElad Gil(イラッド・ギル)氏が主導した。同氏は元Twitter(ツイッター)のバイスプレジデントで、Google(グーグル)出身者でもあり、急速な成長を遂げる企業への投資実績がある。このラウンドには、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)、Founders Fund(ファウンダーズ・ファンド)、8VC、General Catalyst(ジェネラル・カタリスト)、Lux Capital(ラックス・キャピタル)、Valor Equity Partners(バロー・エクイティ・パートナーズ)、D1 Capital Partners(D1キャピタル・パートナーズ)も参加した。

ギル氏は今回の投資について、ブログで次のように述べている。「ほとんど組織的な刷新が行われていない旧態依然とした機関が私たちの新型コロナウイルス対策に影響を与えたように、防衛産業も過去30年の間に著しく凝り固まってきました。これらの既存企業に直接挑戦する新しい防衛技術企業は、この何十年もの間、存在しませんでした……」。

Andurilは2017年にひっそりと創業したが、トランプ政権下で税関・国境警備局や海兵隊から契約を獲得し、急速に成長してきた。Oculus(オキュラス)をFacebook(フェイスブック)に売却した後、会社から追い出された若くて野心的な創業者のラッキー氏は、一般的にトランプを嫌うテック業界において、トランプ大統領の最も著名な支持者の1人として注目を集めた。

Andurilは、長時間飛行可能なドローンや監視タワーなどの防衛用ハードウェアを製造しており、これらは同社が開発した「Lattice(格子)」と呼ばれる共有ソフトウェアプラットフォームに接続されている。このシステムは、軍事基地の安全確保や国境の監視のために使用され、同社の対UAS(無人航空機)技術「Anvil(アンヴィル)」は、敵のドローンを空から叩き落とすこともできる。

比較的安価なハードウェアとセンサーフュージョンや機械学習技術を組み合わせ、防衛分野の大手企業よりも機敏に契約パートナーを介して提供するというAndurilのミッションを、共同設立者でCEOを務めるBrian Schimpf(ブライアン・シンプフ)氏は「変革」と表現している。

「国防総省が我々と同じ問題を認識しており、エマージングテクノロジーを陸・海・空・宇宙の各領域で大規模に展開することに真剣に取り組んでいるという我々の自信が、今回の資金調達には反映されています」と、シンプフ氏は語る。

Andurilは創業当初から国防総省との提携を視野に入れており、2020年には空軍がJADC2(Joint All-Domain Command and Control、全領域統合指揮・統制)プロジェクトのための技術をテストする50社のベンダーのうちの1社として国防総省から選ばれた。JADC2は米軍のすべての隊員、機器、車両をつなぐスマートな戦争プラットフォームの構築を目的としている。

米国の税関・国境警備局との協力関係も、2020年には試験的なものから正式な認定事業へと発展した。Andurilは、米国の国境付近を自律的に監視する能力を持つネットワーク接続型の監視塔を供給している。

Andurilは2021年4月、大型機から発射可能な小型ドローンの開発で知られるArea-I(エリアI)を買収した。Area-Iの顧客には、米国陸軍、空軍、海軍、NASAなどが名を連ねており、その関係性が今回の買収を後押ししたものと思われる。

関連記事:米空軍の入札企業にOculus VR創業者設立の防衛関連企業Andurilが選ばれる

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タグ:AndurilOculus資金調達軍事国防総省

画像クレジット:Anduril

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ついにフェイスブックがOculusでVRアプリ内広告の導入テスト開始

これはまあ、時間の問題だった。

広告業界の巨人Facebook(フェイスブック)は米国時間6月16日、Oculusプラットフォーム上のバーチャルリアリティ(VR)タイトルの中に広告を掲載するテストを近日中に開始すると発表した。最初の展開はかなり限定的で、Facebookが広告をテストするのは、Resolution Gamesのシューティングゲーム「Blaston」1本からとなる。Oculus Studioタイトルとの統合は避けられないと思われるが、興味深いことに、当初ファーストパーティタイトルではこのテストは行われない。

「今のところ、これはいくつかのアプリでのテストになります。このテストの結果を見て、開発者やコミュニティからのフィードバックを取り入れた後、OculusプラットフォームやOculusモバイルアプリで広告がより広く利用できるようになる時期について、さらに詳細な情報を提供します」と同社ブログには書かれている。

ユーザーは、広告をミュートまたは非表示にしたり、現在の形で広告が表示されている理由についての情報を見ることができる。

Facebookが長い間、現在の収益を度外視して投資してきたプラットフォームにとって、これは驚くべき展開ではない。とはいえ、同社はプライバシーに関する質問がたくさん出てくることを認識しており、いくつかの質問に正面から取り組んでいる。最大の告白は、FacebookがOculusヘッドセットにローカルに保存されているデータ(デバイスのカメラからの画像を含む)を広告のターゲティングに使用することはないとしていることだ。また、あまり強調していないが「動きデータを広告のターゲティングに使用する計画はない」とも述べている。

Facebookは、そうした報道がなされる前に、スマートフォンのマイクを使って会話を監視したり、広告のターゲットを絞るのに使うことはないと宣言するブログ記事を何年も前に発表すべきだったとようやく気づいたようだ(主に、アドテックデータパートナーを通じてより優れた個人情報にアクセスできるからだが、それは本題ではない)。Facebookは、ヘッドセット上の音声会話を広告のターゲティングにしないことを明記している。

これまでVRはFacebookにとって、未来を見据えた取り組みだった。今回の動きは、ある種の採用の山を乗り越え、より積極的にマネタイズを開始する時期が近づいていると同社が考えていることを示すものだ。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:FacebookOculusVR広告

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

FacebookがPopulation: OneのゲームスタジオBigBox VRを買収

近年、仮想現実のゲームスタジを数社買収してきたFacebookが、金曜日(米国時間6/11)にシアトルのBigBox VRを買収してポートフォリオにまた一社を加えた。

このスタジオの主力タイトル「Population: One」は、FacebookのOculus Quest 2ヘッドセットのローンチ後のビッグリリースのひとつで、かなりモロにFortniteクローンだ。ゲームプレイの重要なテクニックの多くをコピーしているが、仮想現実向けに調整されており、また裏技やアートは独自化している。

これまでもそうだが、このようなゲームスタジオの買収は価額などの条件が公表されていない。CrunchbaseによるとBigBoxは650万ドルを調達しており、その投資家はShasta VenturesやOutpost Capital、Pioneer Square Labs、およびGSR Venturesなどだ。

FacebookのMike Verdu氏がブログにこう書いている: 「POP: ONEはわずか9か月前にVRシーンを席巻し、Oculusのプラットホームで上位に定着した。最大で一度に24名が接続して、仮想世界の中でプレーし争っている」。

ゲームのハードウェアプラットホームのオーナーが自分のスタジオのネットワークを作り、専用プラットホームを構築することは珍しくないが、VRの世界では、Facebookと競合する者もあまりいないので、やや状況は異なる。

Oculus Studiosのデベロッパーの多くがValveのStreamストア向けにゲームを作り続けており、それらはサードパーティのヘッドセットとでプレイできるが、Facebook以外のVRプラットホームというものがVR市場全体の中で先細りであり、しかも大衆化を狙ったFacebookの積極作戦と違って高価格だから、将来が難しいだろう。FacebookのOculus Quest 2は小売価格が299ドルで、これまでの、デバイスとのセット販売は数か月で売り切れた。

4月にFacebookは、VRシューティングゲーム「Onward」のDownpour Interactiveを買収した。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: BigBox VR

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フェイスブックがOculus Questにソフトウェアサブスクリプションプランを導入

Facebook(フェイスブック)のOculus Storeにサブスクリプション価格が導入され、VR開発者が同社のOculus Questヘッドセット上でコンテンツを収益化する新たな方法を手に入れた。

開発者は有料または無料のアプリに有料サブスクリプションを追加できるようになり、フェイスブックは標準的なパーセンテージの手数料を同時に引き上げると見られている。Oculusとそのプラットフォームの開発者たちは、最近同社が発売したQuest 2ヘッドセットの成功に乗ってきた。フェイスブックはその販売数を公表していないが、299ドル(約3万3000円)のこのヘッドセットは、すでに他のOculusヘッドセットより売れていると述べている。

サブスクリプション価格の設定は驚くべきことではないが、一部の開発者は定期的な収入を得るのに十分な数の契約者がいると考えている。フェイスブックが最初のOculus Riftを出荷したのはちょうど5年前だが、その時は消費者の早期成功をつかむまでには紆余曲折があった。同社にとっての大きな課題は、ユーザーに魅力的なものを提供すると同時に、VR開発者が持続的に活動できるようにダイナミックな開発エコシステムを構築することだった。

ローンチ時点ではすでに少数の開発者が「エクササイズ」や「瞑想」「ソーシャル」「生産性」「DJ」など、さまざまな種類のアプリのサブスクリプションを開始している。サブスクリプションに加えてこの新たな収益化の道により、ユーザーは有料アプリを無料で試せるようになる。

最大の問題は、Questのユーザーのうちどれだけが毎月のサブスクリプションを正当化するほどデバイスを利用しているかということだが、コアなユーザーを収益化したいと考えている開発者にとって、これはOculus Storeに欠けていると感じたもう1つのユーティリティでもある。

関連記事:間もなく登場するOculus Quest 2はPCの無線ストリーミングに対応し仮想オフィスも実現

カテゴリー:ハードウェア
タグ:FacebookOculusOculus Questサブスクリプション

画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:塚本直樹 / Twitter

間もなく登場するOculus Quest 2はPCの無線ストリーミングに対応し仮想オフィスも実現

この数カ月間、Oculus(オキュラス)のソフトウェア関連の話題は比較的静かだったが、Facebook(フェイスブック)のVR部門は、間もなく発売されるQuest 2(クエスト2)スタンドアローン型ヘッドセットの新機能の詳細を公表した。

Quest 2のv28ソフトウェアアップデートによって導入される新機能には、無線のOculus Linkへの対応、Infinite Office(インフィニット・オフィス)機能、120hz対応などがある。正確な開始時期は不明だが、ブログに書かれている内容からは、間近であるように推測できる。

特に注目すべきは、Oculus Linkの無線バージョンだ。これによりQuest 2ユーザーは、PCから直接、このスタンドアローン型ヘッドセットにコンテンツをストリーミングできる。これまで、もはやほぼ使い物にならなくなったRift(リフト)プラットフォームで限定されていた強力なグラフィックのタイトルが楽しめるようになる。Air Link(エアー・リンク)は、Oculus Linkの有線接続とおさらばできる機能だ。もっとも、多くのユーザーはすでに、サードパーティー製アプリとVirtual Desktop(バーチャルデスクトップ)を使った無線接続に依存しているが。

今回のアップグレードは、どうやらQuest 2ユーザーのみを対象とした新たな実験モードで、オリジナルのQuestヘッドセットは含まれないようだ。これらの新機能を使うためには、Quest 2とPCの両方でOculusのソフトウェアをv28にアップデートする必要がある。

このアップデートでは、Air Linkのリリースにともない、Infinite Officeにも新機能が加わる。キーボードとマウスをVRに取り込むことで、デスクトップ型のソフトウェアが使えるVRオフィスを展開するというものだ。Facebookは以前、VRをメインにしたFacebook Connect(コネクト)カンファレンスでこれを発表したものの、当時は詳細を明らかにしていなかった。

今回のアップデートでは、キーボード対応機能が追加される。実際にキーボードを接続することも可能だが、VRの中にもキーボードを表示できる。この機能に対応するキーボードは、1つのメーカーの1つの機種(Logitech K830)に限られるが、Facebookでは、ゆくゆく他のキーボードも使えるようにすると話している。このキーボードを持っているユーザーなら、両手の輪郭と、実際に使う位置にキーボードのレンダリング画像が表示され、タイプができる(理論的には)。またInfinite Officeでは、現実のデスクがある場所を指定できるので、ユーザーは自分の実際の位置を確認できるようになる。ただし、キーボードが使えるようになっても、現時点ではOculus Browserのアクセス程度しか行えない感じだ。

最後に、Oculusでは、120hzのフレームレートでのゲーム開発が可能になる。今はまだそのフレームレートで使えるものは何も用意されていないが、開発者の実験のための対応だとFacebookは話している。

Oculusによると、ユーザー向け新ソフトウェアのアップデートは「順次」行われるとのことだ。

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タグ:OculusバーチャルオフィスFacebookOculus Quest

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(文:Lucas Matney、翻訳:金井哲夫)

Oculus Quest 2には狭い日本家屋の間取りを大幅変更するだけの価値がある

Facebookは米国時間9月16日、VR空間を自由に移動できる6DoF対応スタンドアローン VRデバイス「Oculus Quest 2」を発表、同日より先行予約を開始した。発売日は10月13日で、価格は64GBモデルが3万7100円、256GBモデルが4万9200円となっている。

ちなみに前モデルのOculus Questは64GBモデルが4万9800円、128GBモデルが6万2800円だったので、基本スペックが進化したうえに、大幅値下げが実施されたことになる。FacebookによればOculus Questは想定以上に売れ行きが好調だったとのことだが、一般層に普及させるためにもう一段階ギアを上げてきたように思う。

今回発売に先駆けてOculus Quest 2の実機を借用したので、スペック上の変更点と実際のVR体験についてチェックしていく。

Oculus Quest 2の価格は64GBモデルが3万7100円、256GBモデルが49万200円

スペックを着実に進化させつつ巧妙にコストカット

最初にOculus Quest 2の変更点を列挙しておこう。

スペックアップしたところ

  • プロセッサーを高速化:Snapdragon 835→Snapdragon XR2
  • メモリを大容量化:4GB→6GB
  • ストレージを大容量化:最大128GB→最大256GB
  • ディスプレイを高解像度化:片目あたり1440×1600ドット→1832×1920ドット
  • ディスプレイを高速化:72Hz→72Hz/90Hz(90Hzはアップデートで対応)
  • 小型・軽量化:571g→503g
  • コントローラーをより握りやすく形状変更
  • 低価格化

スペックダウンしたところ

  • ディスプレイパネルの方式を変更:OLED→LCD
  • IPD(瞳孔間距離)調整機構::無段階から3段階に簡略化
  • イヤフォン端子の数を減少:左右にひとつずつ→左にひとつ
  • よりフィット感の強いストラップは別売りに

補足しておくと、Snapdragon XR2は処理性能的にはSnapdragon 865相当のプロセッサーだ。Oculus Questと比較するとOculus Quest 2はCPU、GPU性能が約2倍に向上していることになる。

ディスプレイはピクセル数が50%増加。リフレッシュレートも将来的なアップデートとソフトウェアのサポートにより72Hzに加えて90Hzに対応する予定だ。

変更点を総括すると、基本スペックを着実に進化させたうえで、ユーザー体験に大きな影響のない部分については大胆にコストカットしたという印象だ。もちろんすべてが進化したニューモデルを作ることもできただろう。しかり、多くの人にとって重要な「低価格」を実現するために、絶妙に設計されたデバイスだと筆者は考える。

左がOculus Quest、右がOculus Quest 2。並べてみると、ヘッドセットの本体部分がひと回り小さくなっているのがわかる

底面にボリュームボタンとマイクを配置

左側面には3.5mmイヤフォン端子とUSB-C端子を用意。Oculus Questは左右にイヤフォン端子が装備され、ケーブルが短い左用、右用のイヤフォンを装着できたが、Oculus Quest 2は右側のイヤフォン端子が廃止された

右側面には電源ボタンと電源インジケーターが配されている

ボタン、レバー、スティックの数と大まかな位置は同じだが、人間工学に基づきより握りやすい形状になっている

処理性能の向上は体感しにくい、格子模様はほぼ見えない

処理性能の向上は正直あまり体感できない。Oculus QuestとOculus Quest 2は相互互換で、現時点でOculus Quest 2専用のVRコンテンツは存在しない。Oculus Questは2019年5月に発売されたばかりで、数多くの台数が出荷されている。しばらくは、ソフトウェアデベロッパーはOculus Questでスムーズに動作することを前提にVRコンテンツを作成するはずだ。Oculus Quest 2の性能を最大限に引き出すVRコンテンツがリリースされるのは当分先の話だろう。

Oculus Quest 2のホーム画面。構成や機能はOculus Questと基本的に同じだ

「バーチャル環境」と呼ばれるテーマはOculus Questが、Quest Dome、Passthrough、Classic Home、Cyber City、Space Station、Winter Lodgeの6つ。対してOculus Quest 2は、Bubbles、Desert Terrace、夢幻館が追加されている

ただし、両者のソフトウェアのバージョン、ランタイムバージョン、OSバージョンが異なるので、Oculus Questに新しいソフトウェアが提供されたときに、未収録のバーチャル環境が追加される可能性がある

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しかし、Oculus Quest 2をかぶれば、片目あたり1440×1600ドットから1832×1920ドットへとピクセル数が50%増えたことの恩恵はすぐにわかる。「格子模様」がほとんど見えなくなっているのだ。

まだ現実と錯覚するほどの解像度には達していないが、VR空間内での没入感を大きく阻害する格子模様をほぼ除去できたのは大きな成果だ。

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DMM.comのVR動画の臨場感も大きく向上する

Oculus Quest 2のスペックダウンしたところとして「よりフィット感の強いストラップは別売りに」を挙げたが、布製ストラップの装着感については満足している。上のストラップを適切なテンションに調節すれば、ヘッドセット前方が重すぎるということはない。せっかく安くなったOculus Quest 2なのだから、標準の布製ストラップのかぶり心地を自分で試してから、「Quest 2 Eliteストラップ」(6800円)の購入を検討すればいいだろう。

適切なテンションに調整すれば、Oculus Quest 2の装着感は決して悪くない。ただ、跳んだり、しゃがんだりを繰り返すようなVRコンテンツをプレイする際には、サポート力が高い「Quest 2 Eliteストラップ」のほうが安心だろう

日本家屋の間取りを大幅に変更するだけの価値はある

VRデバイスを持っていないのなら、Oculus Quest 2はいますぐ買うべきガジェットだ。ケーブルから解放されたスタンドアローンVRの最新にして、最安のOculus Quest 2にはそれだけの魅力がある。もちろん中古市場に放出されるであろう前モデルを格安で手に入れるのもひとつの選択肢だ。

Oculus QuestからOculus Quest 2に買い替えるかどうかについては悩ましい。現時点ですぐに受けられる恩恵は格子模様の除去ぐらいなので、わざわざ買い替える必要はないかもしれない。しかし、PC用VRデバイスとしても使うのなら話は別。PC用VRデバイス「Oculus Rift S」の片目あたりの解像度は1280×1440ドット。Oculus Quest 2のほうがより高画質でPC用VRコンテンツを楽しめる。

日本家屋でVR用スペースを確保するのは難しい。しかし、Oculus Quest発売以来多くのVRコンテンツが登場し、Oculus Quest 2のローンチタイトルとして14本が発表された。部屋の間取りを大幅に変更するだけの価値はあるはずだ。

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Oculus Questの非公式アプリストアがOculusの創設者Palmer Luckey氏の支援を受ける

Facebookは昨年、当時発売間際だった「Quest」ヘッドセットのリリースに向けて、Oculusストアで販売されていたコンテンツをより厳選していくと発表し一部のVRデベロッパーの怒りを買った。PCストアフロントでのセルフサービスに慣れていた開発者らは、思わぬ形で彼らのVRアプリが十分ではないと言われる立場に追い込まれた。

SideQuestの共同創設者であるShane Harris(シェーン・ハリス)氏もそうした開発者の1人だ。自身のアプリが却下された後、回避策を練るべく奮闘した。同氏と妻のOrla(オルラ)氏は、面倒な手続きを省き、Facebookのストアでタイトルが入手できなくてもQuestデバイスにアプリを簡単にサイドロードできるソフトウェアプラットフォームの構築を開始した。SideQuestにアクセスするためにデバイスをジェイルブレイクする必要はなく、ヘッドセットを「開発モード」に変えるだけでよい。プラットフォームはすぐに軌道に乗り、開発者は自分の作品をテストすることができ、ユーザーはFacebookの洗練されたアプリストアよりも実験的で、完成度の低い作品を試すことができた。

プラットフォームのヒット作には、既存のPC VRタイトルの作業進行中Questポートの他、人気のVirtual Desktopアプリのような、Oculus Storeで売られているタイトルへのアドオンや全く新しい作品が含まれる。共同創設者であるオルラ氏によると、過去6ヶ月で800の新しいアプリがストアでリリースされたとのことだ。

アプリの利用率が大きなマイルストーンを達成し、毎月何十万人もの訪問者をサイトに集めるようになると、夫婦共同創設チームはチームを拡大するための資金を探し始めた。ベルファストを拠点とする両氏は、遠隔地ではあるが、最終的に最新クラス向けのBoostVCアクセラレーターに参加することを選び、その標準的な条件で50万ドル(約5270万円)を調達した。両氏はThe FundやOculusの創設者であるPalmer Luckey(パルマー・ラッキー)氏からも小切手を受け取った。チームは総額65万ドル(約6850万円)を調達し、その資金をエンジニア、コミュニティマネージャー、デザイナーの育成に使用している。

創設者のシェーン/オルラ・ハリス氏写真:SideQuestにて

Facebookを去ってから一握りのVRスタートアップをエンジェル投資家として支援してきたラッキー氏によると、SideQuestのソフトウェアはFacebookによる買収前に彼のチームが開発していた初期の開発者向け製品と同じ道をたどり、よりオープンなOculusプラットフォームを推進しているという。「HMDメーカーがVRのエコシステムを抑圧したり、VRヘッドセットで何を実行するかを一方的にコントロールしたりすべきではありません。またSidequestを見ているとOculus Shareの精神が見えてきます」と同氏は声明で述べている。

SideQuestは、FacebookとOculusとの関係性を維持するために最善を尽くしている。

しかしこれは同社のデベロッパー規約に従うことを意味しており、収益化の道を明らかに複雑にしている。ほとんどのアプリストアは、有料アプリの売上の一定割合を課金することで収益を得ているが、これはFacebookからの反発を受けるだろうと両氏は指摘する。SideQuestチームは収益への道として、主にストア内の有料プロモーションに頼ることになる。この道を歩むことで、将来的にどのようなサービスを提供するかについて創造的になる必要性に直面しているが、同時にアプリのダウンロード収益の全額を稼ぐ開発者にとって、ストアフロントがより魅力的になったとも両氏は捉えている。

広告収入の増加により、同社は今年初めにアダルト関連アプリをストアから削除するなど、ユーザーとの間で論争の的となっている決定を下す必要に迫られた。チームは、ストアに投稿されたすべてのコンテンツをテストし、NSFWと見なされたり、著作権を侵害したりするアプリを全て拒否している。SideQuestチームはユーザー向けストアにどのアプリを表示するかを管理しているが、アプリはストアからダウンロードされていないデバイスにAPKファイルをサイドロードする手段としても利用できる。

夫婦デュオはFacebookチームとの友好的な関係を維持するため努めていると述べているが、SideQuestによるQuestの仕事をFacebookがブロックすれば、それはほぼゲームオーバーを意味すると指摘し、この良好な関係にも非常に多くのリスクがあると認めている。

Appleのような巨大なアプリストアが規制当局の注目を集める中、ホビイストのマーケットプレイスが背景で運営されることは、FacebookがVRへの取り組みを強化する上で、予期せぬ長期的な利益をもたらす可能性がある。同スタートアップの創設者らは、自分たちの製品は関係者全員にとってポジティブな影響をもたらすものだと考えており、SideQuestは新進のVR開発者に対して、デモを改善させたり、ユーザーからのフィードバックを得たりと、プレリリース段階でこれまでになかった方法で支援提供をしているとのことだ。会談の中でシェーン氏は、SideQuestストアで人気のパズルアプリ、Cubismが最近公式Oculusストアに 「卒業」 したことを誇らしげに言及し、同時にこのアプリの開発者がSideQuestのためだけに、同ゲームの実験モードを特別にリリースしたことも明かしてくれた。

関連記事:Facebookの新VRヘッドセットOculus Quest 2は秀逸、布製ベルトとFbアカウント必須が懸念事項か

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タグ:Oculus Oculus Quest

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(翻訳:Dragonfly)

Facebookの新VRヘッドセットOculus Quest 2は秀逸、布製ベルトとFbアカウント必須が懸念事項か

Facebook(フェイスブック)のバーチャルリアリティ(VR)の夢は、同社にとって頭痛の種となっていた。CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の後押しで、同社はOculusに数十億ドルを費やし、ビジネスに巨大な複雑さを加えてきた。

一方で、設立チームに関する無数の問題、大規模な知的財産訴訟、サプライチェーンの問題、そして満足できないユーザーベースに直面していた。しかし、そういった苦労に涙を流しながらも、ある産業を強制的に成立させようとしたときに何が実現できるのかを、Facebookはテック業界に奇妙なほど痛烈な視線を投げかけている。

Facebookは、VRが我々が必要としている技術であることを誰かに確信させただろうか?そうではない。しかし、FacebookがOculus VRを買収してから6年が経過したいま、同社は意味のある完成度を感じるデバイスをリリースした。要するに新しいQuest 2ヘッドセットは、夢に十分な投資と技術者の才能を投入することで、やりがいのあるエコシステムを構築できることを示す素晴らしいハードウェアになった。発売以来、FacebookがQuestのソフトウェアを改善してきたとはいえ、ゲーム以外のプラットフォームがもっと多様になってほしいところだ。

Quest 2の特徴

  • 価格:3万7180円(64GB)、4万9280円(256GB)
  • デザイン:ツートンカラーの新デザイン
  • プラットフォーム:より強力なSnapdragon XR2プラットフォーム
  • メモリー:6GB(初代Questは4GB)
  • ヘッドセット重量:503g、前世代より10%軽量化
  • 本体サイズ:幅142.5×奥行き191.5×高さ102mm(ストラップ折り込み式)
  • ファストスイッチ液晶:72hz/1832×1920ピクセル(片目)
  • 音声入出力:スピーカーとマイクを内蔵
  • バッテリー駆動時間:2〜3時間
  • IPD(瞳孔間距離):58mm、63mm、68mmの3つの設定で調整可能
  • コントローラー:再設計された新コントローラ

前モデルが発売されてから約18カ月後が経過し、ほとんどのユーザーは今回のアップデートはマイナーなスペックアップだと考えていたかもしれないが、Quest 2は真のメジャーアップグレードであり、あらゆる面で進歩を遂げている。より軽く、より小さく、より強力で、 使いやすく、より安くなっているし。64GBモデルは3万7180円で購入できる。会社がPC専用ヘッドセットのOculus Riftのラインを終了させ、32GBモデルが1万9300円(当初は2万3800円)のOculus Goヘッドセットを終了させた数カ月後には、ある意味でQuest 2はメインストリームの成功に向けての最終製品のように感じられる。

私はオリジナルのQuestを徹底的に楽しんだが、その限界が目の前に迫っていた。ヘッドセットに搭載されているQualcomm(クアルコム)のSnapdragon 835の老朽化が原因でゲームが制限され、デバイスの有機ELディスプレイはピクセル化しすぎているように感じた。

FacebookはありがたいことにCPU、GPUとディスプレイの両方に実質的なアップデートを提供しており、Quest 2について私はあまり不満がない。Quest 2は、最近発売されたQualcomm XR2プラットフォームを採用しており、Snapdragon 835よりも安定した性能を実現している。Oculusの性能がどれだけ優れているかについてはちょっと不安だったので、QualcommのXR責任者であるHugo Swart(ヒューゴ・スワート)氏に電話をして詳細を説明してもらった。

スワート氏は、Quest 2上のXR 2チップセットの個々の実装については言及しなかったが、第1世代のQuestと比較して、同チップセットを支えるチップセットの大まかな比較を示してくれた。ハイレベルなのはやはり、XR 2はSnapdragon 835よりはるかに強力であり、CPUとGPUのパフォーマンスに関しては2倍の向上を果たしている。開発者にとって、これはタイトルの視覚的な複雑さを2倍できることを意味し、PC体験をより簡単にスタンドアロンのヘッドセットに移植することを可能にするだろう。

興奮しすぎる前に言っておくと、Quest 2のタイトルがこの性能をフルに活用する可能性は低いと思われる。2倍のパワーを持つチップセットを持つということは、実際には2つのことを意味するからだ。それは、2倍の複雑な処理が可能であることと、約半分の電力を使用しながら前世代と同じくらいの複雑な処理が可能ということになる。特にXR2がより高解像度のディスプレイを搭載していることを考えると、Facebookは開発者には前者のフル活用よりも、電力消費を抑える後者に焦点を当てるように働きかけるだろう。

その理由の1つは、完全な後継機を18カ月後に発売したこと、そして最新版をプレイしたいアーリーアダプターを怒らせないようにしたことだが、同時にOculusが複雑なソフトウェアよりもフォームファクターを最適化した結果でもある。Oculusはこのデバイスの重さを数グラム減らしたが、その一部はバッテリーのサイズを小さくしたことによるものだ。Oculusによると、Quest 2のバッテリーは設計し直され、18%小型化、29%軽量化されているとのこと。

新しいディスプレイは有機ELから、同社がOculus Rift Sで使用していたファストスイッチLCDタイプに変更された。仕様上のリフレッシュレートは72Hzだが、Oculusによると90 Hzに達する予定だという。ユーザーが最も顕著に違いを感じるのは、変更されたピクセルレイアウトではなく、前モデルよりも多くのピクセルを備える強化された画面な鮮明だろう。実際には50%以上のより多くのピクセルを表示できる。実際の使用でも、新しいディスプレイは顕著に鮮明になり、テキストの小さな段落を読むような苦痛なVR体験がずっと少なくなった。

ディスプレイのもう1つの興味深い変更点は、IPD(瞳孔間距離)がどのようにシフトされているかということだ。Quest 2の初期のリークでは「ユーザーごとに異なる顔の形を考えると、レンズ間の距離をうまく調整できないのではないか」というのが大きな懸念事項だった。Questは複数のIPD調整を可能にしていたが精度は低く、Quest 2では別の方法で調整を実現している。ボタンやダイヤルの代わりに、ユーザーはレンズを物理的に引き離して、58mm、63mm、68mmの3つの設定のうちの1つに設定することになる。

すべての人に完璧な体験を提供できるわけではないが、Oculus GoやOculus Rift Sにならって自動調整可能なIPDを完全に排除してくれたことはユーザーにとっては安心だ。

新しいコントローラは、素晴らしいアップデートが施されている。オリジナルのRiftタッチコントローラーのデザインから多くのヒントを得て、より大きなサムレスト(親指レスト)に改良されたのだ。そのほかの大きなアップグレードは、コントローラーのバッテリー効率が向上したことだ。Oculusによると、単三型電池1本で従来のQuestの4倍長持ちするという。コントローラーに関してはそれ以上の大きなアップデートはないが、コントローラーのツートンカラーに関しては、個人的にはあまり興味ははない。

ヘッドセットは、オリジナルの布で覆われた前モデルのボディーを見直し、新しくライトグレーと黒のツートンカラーのデザインで完全にハードシェル化されている。よりオモチャのような外観になったが、少し親しみやすく見える色が好きだ。初代Questよりもかなり小さく感じるし、実際に10%の軽量化は先代のヘビーユーザーにとってはメリットは大きいだろう。プラスチックシェルへの移行は、初代Riftと比べてRift Sのように安っぽく感じるのではないかと心配していたが、Quest 2では新しいデザインのヘッドセットハウジングが目玉になっている。

ヘッドストラップの腕にフィットするオンボードスピーカーは、またしてもまあまあだ。もちろん音は出るが、正直なところコンテンツに没頭することを真剣に考えるのであれば、高品質なインイヤーバッドの購入をお勧めする。

ヘッドストラップを調節可能な布製のものに再設計したことには満足していない。これは前世代よりも使い勝手が悪く、ヘッドセットの重さの再配分もうまくできない。ヘッドセットのベース重量とその包装サイズを減らすための変更だと確信しているしが、それが正しい選択だったとは思えない。Oculusは頭部を固定するための2種類のストラップを用意しており、6800円の「Quest 2 Eliteストラップ」の、PCヘッドセットの背面に小さな外部バッテリーを追加して再生時間を延ばす1万7600円の「Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き」がある。これらを使えば、ヘッドセットの重量をより最適に配分できる。

Quest 2のバッテリーの寿命については使用状況に応じて2~3時間とのこと。デバイスの利用頻度を光量するともう少し長く持つと思うが、今回のリリースでバッテリーのサイズが小さくなったことは少し残念に思える。

Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き(画像クレジット:Oculus)

Oculusのソフトウェアについて少し触れたい。これらのソフトウェアの改良は、既存のQuest所有者には明らかだ。アップグレードによってOculusのブラウザにハンドトラッキングやアップデートなどの項目が追加された。ナビゲーションからメディアコンテンツの視聴まで、ほとんどすべてが使いやすくなっている。

これらの改善はすべて、プラットフォームのいくつかの制限を強調している。ゲーム以外のコンテンツはまだ十分にはそろっていない。VRに興味を持つプラットフォームの多くはすでにVRに飽きてしまっており、別のアプリを維持する価値はないと判断しているのではないかと心配している。

個人的には、OculusがAndroidアプリのスクリーンを統合して、ゲームセッションとメディア視聴の間を受動的に行き来できるようにしてくれればいいのにと思う。Oculusのブラウザーはまずまずの出来だが、自分のスマートフォンでできることのいくつかをOculus上実行するためには、もう少し速いネイティブアクセスを期待したいところだ。なお、プラットフォームはその方向へ進む準備ができているようだ。

過去のハードウェアと比較して、このデバイスのオンボードでの明確な違いは、Facebookアカウントがヘッドセットを有効にするために必要になったことだ。Facebookは徐々にOculusを独立した組織ではなく、社内の一部門として扱うようになってきている。Facebookアカウントについては躊躇する人もいるかもしれないが、それほど驚くべき展開ではないだろう。

実際、かなりの数の人がFacebookを嫌っている。先週Netflixで公開された、まあまあなドキュメンタリー番組 「The Social Dilemma」 を見たあと、大衆文化がテクノロジー業界を取り巻く興奮と希望に回帰してきたとしても、ソーシャルメディア企業が社会に与える影響への注目が、Facebookへの嫌悪感を駆り立て続けるのではないかということがはっきりしてきた。これはOculusにとっては不利な点ではあるが、それがどの程度のものであるかは時が解決してくれるだろう。

Oculus Quest 2を買うべきか

初代Quest の発売からわずか1年余りでこのような刷新が行われるのは驚くべきことだが、新しいハードウェアは、Oculusが新しい方向性に向けて、よりアクセスしやすい単一のデバイスでビジョンを推進することに完全に焦点を当てていることを示している。

これはOculusが創業以来、VRのために行ってきた最も説得力のある議論であり、3万2978円のNintendo Switchとさほど変わらない、Oculus 2の3万7180円という価格設定は、より多くの人々にVRの道を開く可能性が高い。オリジナルのQuest所有者にとっては、このリリースはおそらく少しイライラさせられる。Facebookが初代Questの在庫を確保するのに苦労していたが、性能が大幅に向上したQuest 2ならすぐに手に入るからだ。

Quest 2は素晴らしいVRデバイスだが、私が悩んだのは素晴らしいヘッドセットが素晴らしいガジェットであるかどうかだ。今でも主にゲーマー向けであり、このVRヘッドセットは数週間にわたってメインストリームのユーザーを興奮させ、その後の人生をクローゼットで過ごす危険性もある。

画像クレジット:Lucas Matney

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(翻訳:TechCrunch Japan)

FacebookがARが日常生活になるスマートグラスを2021年に発売、Ray-BanブランドのLuxotticaともコラボ

Facebook Connectイベントでは、コンシューマー向けウェアラブルARデバイスを開発中であることが発表された。Facebook(フェイスブック)はARとVRに本格的に努力を集中し始めている。昨年までOculus Connectと呼ばれていたイベント名をFacebook Connectに変更したのもその表れだが、OculusデバイスもFacebook Reality Labsという新たなブランドの下に再編していくようだ。

今回のFacebook Connectイベント自体がバーチャル開催されたのはグッドタイミングだった。バーチャル登場したMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、「拡張現実(AR)メガネへの第一歩」として来年、かなりのAR能力を備えたスマートグラスをリリースする計画だと述べた。.

ザッカーバーグ氏はまた、Facebookは高級アイウェアとしてRay-Ban(レイバン)ブランドのLuxottica(ルックスオティカ)を発売すると述べた。ザッカーバーグ氏によればRay-Banとの提携によってコンシューマーが望むようなファッション性や多様な機能を提供することができるようになるという。

「プロダクトはまだここでお見せできるような段階になっていないが、開発と販売においてパートナーと複数年の提携契約を結び、来年スマートグラスを発表できることを報告できるのはうれしい」という。どんな機能を備えるのかなど具体的な内容はほとんど発表されなかったが、TechCrunchの取材に対して「現在開発中のプロダクトにディスプレイ機能は付属しない」と確認した。Google GlassよりもSnapが2016年にリリースしたSpectaclesに近いのだろう。

Facebookは以前から本体ソフトウェアに統合できるウェアラブルARグラスの開発を続けてきた。2018年には独自のARグラスを開発していることを確認し、ARプロダクトの責任者であるFicus Kirkpatrick(ファイカス・カークパトリック)氏は当時、TechCrunchの取材に対して「こうしたプロダクトが現実のものになるよう努力している」と答えている。

今月に入ると、現実の環境下でARグラスがどのように機能するかをテストするため、少数の特別に訓練された社員や契約社員がFacebookのキャンパス内をウェアラブルグラスを着用して歩き回るのが目撃されるようになった。これはFacebook Reality Labsが実行しているプロジェクトAria呼ばれるAR研究イニシアティブの一環だという。

今回のデモの一部ではないが、関連するARプロダクト開発の状況を示すビデオも公開されている。まだ理論的には可能性ではあるが、ビデオではARグラスが現実の光景の上にオーバーレイすることでナビゲーションを容易にしたり、ミュージックストアの店先で好みの音楽を推薦したり、出掛けに何か忘れ物をしたことを注意したりするようすが描写されている。
 
 Reality Labsの研究室内では解決できない問題も多い。外を歩き回るテスターが、こうしたプロダクトが必要とするのはどのようなセンサーなのか、収集すべきデータとすべきでないデータの判別などの問題について解決のヒントを与えるかもしれない。

Facebook自身もこのところプライバシー問題でさまざまな批判にさらされているが、Google Glassが消費者向けプロダクトとして成功しなかった理由がまさにここにあったことを想起しているかもしれない。

Reality Labsの責任者であるAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏は「我々はどんなARデバイスにせよ一般に販売される前に広範囲かつ入念なテストをテストを繰り返す」と強調した。ボズワース氏はARグラスに現在プロジェクトAriaで開発中のデバイスはまだプロトタイプの段階まで達していない。あくまで将来の製品開発の準備のためのの先行的研究だ」と述べた。このデバイスはHUD(ヘッドアップディスプレイ)も備えていないという。

【編集部追記】2019年9月のアップロードだが、Reality Labsのビデオには記事内で紹介されているシナリオがイメージ動画化されている。

Facebook Connect 2020

画像クレジット:Facebook

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

FacebookがQuest2発表に合わせてバーチャルオフィス「Infinite Office」を発表

Facebookは新しいスタンドアロンVRヘッドセットOculus Quest 2をゲーム用デバイスにとどめておくつもりはないようだ。米国時間9月16日に開催されたFacebook Connectカンファレンスではバーチャルオフィス、 Infinite Officeのデモが披露された。これはOculus Quest 2を生産性ツールとして活用するためのソフトだ。

Infinite Officeは実際にユーザーが利用できるようになるのはこの冬からだが、Oculus Browserをベースとしており、ビジネスツールとして使うために必要な機能が多数用意されている。またユーザーはこれらを自由にカスタマイズできる。例えばQuest 2内蔵のカメラからのライブ映像を見ることができるので、ユーザーは自宅の環境の上にVRオフィスを表示するすることができる。

Facebookは有力デバイスメーカーのLogitech(日本ではロジクール)との提携を発表した。これによりいくつかのキーボードがQuest 2から認識され、にキーボード画像も表示される。ユーザーはヘッドセットをつけたままテキストを入力することが容易になるという。

Facebookはこれ以外にも多数のオフィスツールを開発中だという。当初はグループの共同作業より、個人の生産性向上に重きを置くようだ。

こうしたアプリでは他のアプリやサービスとの統合がキーポイントだ。ことにQuest 2のようにメインのパソコンから切り離されたスタンドアローン・デバイスの場合にはこの点が特に重要になるだろう。

Facebook Connect 2020

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

FacebookがQuest 2向けのフィットネストラッカー「Oculus Move」発表、オンラインフィットネス業界に参入

Facebookは、Questの最新版であるQuest 2向けのスイート製品として、フィットネストラッカー「Oculus Move」を追加した。

同社の拡張現実と仮想現実の将来の計画を発表するFacebook Connectイベントの一部として米国時間9月16日に発表されたOculus Moveは、PelotonやZwiftのような企業に数億ドルと数十億の評価をもたらしたフィットネスと健康管理の流行にFacebookが参加する試みだ。

発表は、アップルが米国時間9月15日に発表したFitness+と呼ばれるフィットネスのサブスクリプションサービスに続いている。

Oculus Moveは、OculusユーザーがBeat Saberや専用のフィットネスアプリで消費カロリーを確認するためのものだ。Oculus Moveのダッシュボードを利用することで、QuestやQuest 2の所有者は、VRアプリでフィットネスの全体目標を把握できるようになる。毎日のフィットネス目標を設定できるほか、ヘッドセットを装着している間にどれくらいのカロリーを消費したか、どれくらいの時間アクティブに活動したかを確認することも可能だ。

この新機能により、FacebookのQuestヘッドセットは、Tonal、F45、Strava、Zwift、Pelotonなどのフィットネスハードウェアやソフトウェア企業と同じ市場に参入することになる。

Oculus Moveはまもなく利用可能となり、まずは現在予約受付中のQuest 2で使える。Facebookは間違いなくフィットネスハードウェアやソフトウェアをQuestデバイスの守備範囲に入れようとしている。

Facebook Connect 2020

画像クレジット:Dan Bruins

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(翻訳:TechCrunch Japan)

FacebookがOculus Riftのラインを正式に打ち切る

Facebook(フェイスブック)がRiftを正式に終了させることになった。同社は米国時間9月16日、イベント名を、Oculus Connectから新しく名前を変えたFacebook Connectのオンラインイベントで最新のヘッドセットを披露したが、PCベースのOculus Rift Sの販売を来年初めに終了することも明らかにした。

Facebookは新しいOculus Quest 2 のみを販売し、PC VRに関心のあるユーザーは、同社が2014年にリリースした 「Oculus Link」 ソフトウェアを使用すれば、自分のヘッドセットをPCに接続できる。

Oculusの広報担当者がPC VR製品ラインについてTechCrunchに送ってきた声明では「将来的にRiftやPC専用のヘッドセットを作る予定はありません」と終了したことをハッキリと認めている。

当初のOculus Riftは、Kickstarterでのキャンペーン、Facebookの買収、開発キットのいくつかの公開延期を経て、2016年初めに最初の製品の出荷を開始した。

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOが2018年に同社の3つの製品ラインである、Oculus Go、Oculus Quest、Oculus Riftを披露して以来、同社は製品提供を約束し、PCやスマートフォンを必要とせずに操作できるスタンドアロン型の提供を全面的に進めてきた。

今年、FacebookはGoとRiftの両方のラインの終了を発表した。デバイスの品ぞろえの縮小は、最新の Quest 2ヘッドセットへ注力の影響を受けたと思われるが、同社のVRヘッドセットの全製品ラインでは何カ月も品不足が続いており、その中には大々的に宣伝されているQuestヘッドセットも含まれていた。2020年のほとんどの期間、入手できないか、在庫が少ない状態だった。

2018年に戻って、TechCrunchはOculusがRift 2の社内開発を突然キャンセルしたこと、Oculusの共同創業者Brendan Iribe(ブレンダン・イリベ)氏が、同社のPCベースのハードウェアの方向性や「完全な再設計 」を棚上げにしたことへの不満を理由に、同社を去ることになったと報じた。後日、OculusがRift Sと呼ばれるより控えめにアップデートされたヘッドセットをリリースする予定であることを報告したが、これは Questのインサイドアウトトラッキング(外部センサーではなくヘッドセットに搭載されたカメラなどを使うトラッキング方式)機能を採用したものだった。

数カ月後にFacebookがRift Sを発表したとき、彼らは完全に自社開発されているQuestとは異なり、PCベースのヘッドセットはLenovoと一緒に設計・開発されていることを明らかにした。当時、Oculusの共同創業者であるNate Mitchell(ネイト・ミッチェル)氏は、その後に同社を離れているが、このデバイスを「革命というよりもRiftの進化」と分類し、このデバイスが完全な続編ではないことを示していた。

本日の発表から明らかなのは、OculusがスタンドアローンVRを拡充する方向に進んでおり、ゲーミングPCを所有するユーザーが、SteamVRのようなプラットフォーム向けに構築された既存のコンテンツやタイトルへのアクセスを、継続できるようにすることを意図している。

Oculusが、PCベースのバーチャルリアリティを同社の将来にどれだけ重要視しているかは明らかではない。Quest 2は、まもなくベータ版を終了する予定のOculus Linkソフトウェアを介してPCに接続できるが、同社がこれまでと同じペースでPCベースのコンテンツに投資を続けるとは考えにくい。

Oculusの開発者戦略責任者Chris Jurney(Chris Jurney)氏は事前説明会で、同社がPC VRコンテンツへの投資を縮小する計画があるかどうかを尋ねられたとき、「以前に発表されたPCタイトルの開発が継続していることを指摘する一方で、『Quest』のためのゲームを作ることは『開発者が主導権を握っている』と強調した。

Facebook Connect 2020

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(翻訳:TechCrunch Japan)

スタンドアロンVRヘッドセットOculus Quest 2が登場、本日予約受付開始、10月13日月発売で64GBは3.7万円

米国時間9月16日、Facebookは大型のバーチャル・イベント、Facebook Connectを開催した。これは昨年までOculus Connectと呼ばれていたものだ。内容は豊富で、VRヘッドセットのOculus Questには強力な新モデルQuest 2はほぼすべての面で改善されている。新モデル登場は以前からリーク情報が流れていたが、本物はそれ以上だった。

まずOculus Quest 2は現行モデルに比べて100ドル安く、10%軽い。またサイズも少し小さい。カラーは薄いグレーとブラックの2種類が用意される。CPUのパワーは2倍、メモリーも強化され、ディスプレイの解像度もアップしている。予約は今日から受け付ける。出荷は来月10月13日の予定だ。

日本国内でもOculusサイトで先行予約受付中で価格は配送料込みで、64GB版が3万7100円、256GB版が4万9200円。ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ などの大手家電量販店での予約受付を開始しており、税別価格は64GBモデルで3万3800円、256GBモデルで4万4800円。

新しいヘッドセットはゲームそのほかの既存のQuest向けコンテンツと完全に互換性がある。チップセットはSnapdragon XR2を採用しており、現行モデルよりはるかに強力だが、デベロッパーが早急にQuest 2専用アプリを作ることはなさそうだ。新しいCPUとGPUによる性能改善は主としてディスプレイの精細度アップとバッテリー駆動時間の延長、バッテリーの小型化に生かされたたようだ。

  1. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  2. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  3. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  4. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  5. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  6. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  7. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  8. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  9. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  10. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney

Quest 2は近くOculusが販売する唯一のヘッドセットとなる。スタンドアローンのOculus Goはすでに販売が中止されており、パソコンに接続するRiftシリーズも今回終了が発表された。

以下に昨年4月に登場した現行のQuestと比較したスペックを上げておこう(日本における価格等はOculusサイト参照)

Quest 2 仕様

価格:299 ドル(64GB)、399ドル(256GB)
カラーバリエーション:2種類
チップセット:Snapdragon XR2(メモリー6GB)
重量:503g(10%軽量化)
寸法:幅142.5×高さ102×奥行き191.5mm(ストラップを含む)
ディスプレイ:リフレッシュレート72Hz、解像度1832×1920ピクセル(単眼)、高速スイッチング液晶
音声入出力:スピーカー、マイク内蔵
バッテリー駆動時間:2〜3時間
調整可能IPD(瞳孔間距離):58、63、68mm
付属品:新型コントローラー

さらに多数のフィーチャーがあるが、詳しくは詳しいレビュー記事(翻訳中)参照していただきたい。

Facebook Connect 2020

画像クレジット:Facebook

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Ubisoftが新Oculus向けにアサクリとスプリンターセルのVRタイトルを発表

VRをめぐる最大の不満の1つは、ゲームプラットフォームの世代を悩ませているのと同じ問題、つまりコンテンツだ。ことわざにもあるように「ゲーム機のよさはゲームのよさだけ」である。しかし、米国時間9月16日に開催されたFacebook Connectイベントでは、Oculusはゲーム業界最大の2つのフランチャイズを今後発売されるタイトルに追加した。

Ubisoft(ユービーアイソフト)はこのイベントで、Assassin’s Creed(アサシン クリード)と Splinter Cell(スプリンター セル)をVRに持ち込むことを発表した。詳細はいまのところ不明だが、Ubisoftは両タイトルを「VR用に作られた新作」と呼んでおり、既存のゲームの単なる移植ではないことを示唆している。

両作品の制作は、Ubisoftの子会社であるRed Stormが指揮を執っている。Red Stormは、90年代後半からTom Clancy(トム・クランシー)のタイトルを手がけてきたゲーム開発会社だ。2017年の「Star Trek: Bridge Crew」などのVRタイトルも手がけてきた。

タイミングを含めた詳細な情報は、発売に近づいてから追ってお伝えする。それがいつであろうと。
Facebook Connect 2020

画像クレジット:Ubisoft

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Facebookが社内のAR/VR組織を刷新、Oculusの名は消える運命か

Facebook(フェイスブック)がOculus(オキュラス)ブランドからさらに離れようとしている。同社は、拡張現実と仮想現実について研究開発する社内の組織名を「Facebook Reality Labs」に変更することを明らかにした。これは、同社のAR/VR製品である、Oculus、Spark、Portalの各ブランドでカバーする組織となる。

同社のAR/VR研究部門は、2018年にOculus ResearchからFacebook Reality Labsへと名称を変更していた。その部門は現在、FRL Researchとして知られている。さらにFacebookは、同社が毎年開催しているVR開発者向けカンファレンスである「Oculus Connect」を「Facebook Connect」に名称変更し、今年は9月16日に完全にバーチャルで開催することを発表している。

OculusはFacebook内で、InstagramやWhatsAppのような注目を集める買収とはまったく異なる存在だった。独立した組織ではなくなり、社内の中核に深く組み込まれている。AR/VRの組織全体はCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の親友でもあるAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏が長年CEOを務めている。

アンドリュー・ボスワース氏

今回の名前の変更はある意味、2014年のOculusの買収以来、AR/VRの世界におけるFacebookの製品の野望が大きくなったことを示しているに過ぎない。

FacebookはもはやVRヘッドセットだけではなく、拡張現実メガネも開発しているし、Spark ARを通じてコアアプリやInstagramにARソフトウェアを統合も進めている。さらにスマートディスプレイでのFacebook PortalでAR系の機能を試している。

数年前に数十億ドルを費やし、すでにいくつかの製品を持つ部門の最後に「ラボ」という言葉を加えることは、Facebookがそこに含まれるすべてのものが、「かなり実験的」「Facebookの収益にそれほど貢献していない」ということを示しているように感じられる。これらは将来のFacebookのムーンショット(壮大な目標や挑戦を意味する言葉)になりそうだ。

今回の一連の名称変更は、おそらく一部のOculusユーザーを動揺させるだろう。Facebookの評判は、PCゲーマーの間で特に強い影響力を持っており、一部のOculusファンはOculusブランドがFacebookの中核組織の下に入ってくることを示すどんなニュースにも概して不満を抱いている。先週同社は、Oculusヘッドセットの新規ユーザーはFacebookアカウントを使って同プラットフォームにサインインする必要があり、今後はOculusアカウントを段階的に廃止すると発表している。

現時点では、OculusはまだFacebookが販売するVRヘッドセットのブランド名であり、同社はOculusブランドを手放すことはないと主張しているが、同社の方向性としては将来的にはFacebookブランドに統合するつもりのようだ。

画像クレジット:Facebook

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(翻訳:TechCrunch Japan)