精子の状態を自宅でテストするツールがはやっているようだ。先週にはハーバード大学の開発した、安価かつ手軽に精子の運動能力チェックを行うアプリケーションが話題になった。そして今回紹介するYOも出荷を開始した。FDA認可のデバイスと、簡単に使えるアプリケーションをセットにして、精子の状態をチェックするものだ。
不妊の原因の40%ほどは、精子の運動不全によるものだとのこと。誰もが気になることではあるが、これまでは医院で精子を放出してチェックする必要があった。手間もかかり費用も高額なこともあり、検査に二の足を踏む人も多かった。
もちろん、これまでにも自宅で精子チェックをするためのツールは、ドラッグストアなどで売られていた。製品には「医院でのチェックと同等の正確さ」云々と記されていた。見たことがないという人は、妊娠検査キットや避妊具などが並ぶコーナーにあるはずなのでチェックしてみるといい。しかしドラッグストアで売られてきた精子検査キットでは、精子の量のみをチェックするようになっていた。実際のところ、泳動能力の方がより重要なのだ。
FDA認可キットとしてはTrakというものもあった。しかしこちらも精子の量のみを検査するもので、また価格も200ドルというものだった(今回紹介しているYOは50ドルを下回る価格となっている)。
Yoは、SpermCheckやTrakなどと異なり、ハーバード発のツールと同様の検査を行うようになっている。ともに運動精子濃度(MSC:motile sperm count)をチェックするようになっている。数ではなく、有効に機能している精子を率を判別しようとしているわけだ。
なお、衛生面を気にする人も多いことだろう。精子は専用のスライドにのせて、特別のデバイスに装着するようになっている。装着後7分ほどでテスと結果がアプリケーションで確認できるようになる。
結果について医者に相談したりしたいと考える人もいるだろうし、また運動精子濃度以外にも考慮すべきことはある。Yoについて意見を求めた医師によれば、精子の形や環境なども考慮すべきだとおことだった。たとえば周りの温度によっても精子の運動能力は影響を受ける。また熱い風呂や、スキニージーンズなども影響を及ぼすことがあるらしい。
しかし、とにもかくにも現状を理解するための、手軽でかつ安価な第一段階調査として役立つのは間違いないようだ(精子の状況が健全であれば、不妊の原因を他に求めることができる)。
YO(ともだちに「よーっ」と挨拶を送るアプリケーションと混同しないように)はAndroidおよびiOS版が提供されている。ハードウェアの方は、ロサンゼルスのMedical Electronic Systems (MES)が開発している。同社は20年前から、商用の精子チェックツールの開発を行なっている。
YOについては、以下のビデオも参考になるだろう。
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(翻訳:Maeda, H)