自宅でできる精子チェックが流行中?!

精子の状態を自宅でテストするツールがはやっているようだ。先週にはハーバード大学の開発した、安価かつ手軽に精子の運動能力チェックを行うアプリケーションが話題になった。そして今回紹介するYOも出荷を開始した。FDA認可のデバイスと、簡単に使えるアプリケーションをセットにして、精子の状態をチェックするものだ。

不妊の原因の40%ほどは、精子の運動不全によるものだとのこと。誰もが気になることではあるが、これまでは医院で精子を放出してチェックする必要があった。手間もかかり費用も高額なこともあり、検査に二の足を踏む人も多かった。

もちろん、これまでにも自宅で精子チェックをするためのツールは、ドラッグストアなどで売られていた。製品には「医院でのチェックと同等の正確さ」云々と記されていた。見たことがないという人は、妊娠検査キットや避妊具などが並ぶコーナーにあるはずなのでチェックしてみるといい。しかしドラッグストアで売られてきた精子検査キットでは、精子の量のみをチェックするようになっていた。実際のところ、泳動能力の方がより重要なのだ。

FDA認可キットとしてはTrakというものもあった。しかしこちらも精子の量のみを検査するもので、また価格も200ドルというものだった(今回紹介しているYOは50ドルを下回る価格となっている)。

Yoは、SpermCheckやTrakなどと異なり、ハーバード発のツールと同様の検査を行うようになっている。ともに運動精子濃度(MSC:motile sperm count)をチェックするようになっている。数ではなく、有効に機能している精子を率を判別しようとしているわけだ。

なお、衛生面を気にする人も多いことだろう。精子は専用のスライドにのせて、特別のデバイスに装着するようになっている。装着後7分ほどでテスと結果がアプリケーションで確認できるようになる。

結果について医者に相談したりしたいと考える人もいるだろうし、また運動精子濃度以外にも考慮すべきことはある。Yoについて意見を求めた医師によれば、精子の形や環境なども考慮すべきだとおことだった。たとえば周りの温度によっても精子の運動能力は影響を受ける。また熱い風呂や、スキニージーンズなども影響を及ぼすことがあるらしい。

しかし、とにもかくにも現状を理解するための、手軽でかつ安価な第一段階調査として役立つのは間違いないようだ(精子の状況が健全であれば、不妊の原因を他に求めることができる)。

YO(ともだちに「よーっ」と挨拶を送るアプリケーションと混同しないように)はAndroidおよびiOS版が提供されている。ハードウェアの方は、ロサンゼルスのMedical Electronic Systems (MES)が開発している。同社は20年前から、商用の精子チェックツールの開発を行なっている。

YOについては、以下のビデオも参考になるだろう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

怪我の心配のないパーソナルドローンHover Cameraは空飛ぶ自撮り棒としても最適だ

自撮り棒にあきて、ナルシストのためのもっとすばらしいツールを探している人には、Hover Cameraできまりだ。この“パーソナル”ドローンは、空から見たあなたの映像を撮影してくれる。

Hover Cameraは小さな折りたたみ式のドローンで、スマートフォンのアプリでコントロールしながらあなたの回りを飛ばせると、13メガピクセルのカメラで4Kのビデオを撮る。本格的なポータブル機で、カーボンファイバー製だから丈夫だ。子どもやペットのいる人には嬉しいことに、回転翼がケースに収められているから怪我の心配がない。これはたぶん、世界でいちばん安全なドローンだろう。

アメリカと中国の企業Zero Zero Roboticsが二年がかりで開発した同機は、数か月後に発売予定だ。まだお値段の正式発表はないが、CEOでファウンダーのMengqiu Wangは、600ドル弱、と言っている。中国とアメリカで最初に発売し、ヨーロッパなどはそのあと、ということだ。

スタンフォードを卒業してTwitterなどにもいたことのあるWangは、本誌主催のTechCrunch Shanghai 2016でこの製品を披露した。使い方は超簡単で、空中に放り投げて始動し、ドローンをたたんで止める。

ドローンの共通の問題として、電池寿命は短い。現状では、約8分しか飛ばせない。発売までにはもうちょっと長くする、とWangは言っているが、電池は取り外せるから、交換用電池をたくさん持って出かける、という‘対策’もありえる。

Wangは、彼の会社がドローン大衆化の口火を切る、と信じている。そんな大衆の一人になりたいあなたなら、早速Hover CameraのWebサイトへ行って予約をしよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Shootlrは「他撮り」ができるアプリ

shootlr-selfie-2

友達にその人の写真を撮ってもらうことを何と呼ぶだろうか。自撮り(selfie)ではない…ポートレートでもない…これを「他撮り」(someone elsie)と呼ぼう。

Shootlrは、今日公開されたiOSとAndroidのアプリで、この素晴らしき写真の新世界を、大衆のものしようとしている。これは、友達があなたのために自撮りするよう説得するアプリだ。

The Shootlr app implores you to take a selfie when one of your friends ask for one.

Shootlrは、友達に頼まれて自撮りをするアプリ

しくみはこうだ。友人のSashaの写真をしばらく見ていないことを思い出したあなたは、彼女に写真をリクエストする。Sashaの電話に通知が送られ、アプリを開くとすぐにタイマーが3秒のカウントダウンを開始する。カウントダウンが終わると彼女の写真が撮られて、あなたにシェアされる。そしてもちろん、お返しのShootlrリクエストを受け取ることになるだろう。

あなたの心の中には、果たしてこれが次のInstagramやSnapchatになるのか、という疑問が渦巻いていることだろう。私は、それなりにアピールするとは感じている。友達からのオンデマンド自撮りはたしかに面白い試みだが、アプリのコンセプトにはなにかひっかかるものを感じる。特にリクエストを受ける側にとって。

「Shootlrリクエストのタイミングがよくなかったときですか?」と、Shootlrのファウンダー、Onno Spekがアプリの主要な疑問点に触れた。「通知を無視すればいいんです」。

少なくとも自分の写真を撮ることは拒否できるのだろうが、人々がこれほど自撮りすることに腐心していることを思うと、ナルキッソスの棒を取り出して美しい自分を世界にシェアすることを強要されるのは少々不気味だ。

アプリのプロモーションビデオでは、例えばランニング中に自撮りする場面が出てくる…他の人は知らないが、私は、またRunkeeper(ランニングアプリ)に何分の一インチかの差で抜かれ、汗にまみれて、安楽死したいと思っている自分の姿を最高だとは思っていない。

私が思うにこのアプリは、撮りたいときに自撮りすることと、誰かにSnapchatで自撮りを頼まれることとの、奇妙なハイブリッドと考えられる。気が利いているかって? そうかもしれないが、この会社が解決しようとしている問題が何なのか、私にはよくわからない。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

このアプリは自撮り棒を撲滅したがっている

shutterstock_252349258

アプリで自撮り棒を置き換えられるか? 残念ながら現時点でそれは叶わぬ望みだ。スマホ挟んだあの長い棒を操る写真大好きな旅行者たちの猛威は留まる様子がない。

それでもカリフォルニア州サンディエゴのデベロッパー、Ford Davisは、セルフィー(グルーピーと呼ぶ連中もいる)のためだけに余分な道具を持ち歩く必要性は、もうちょっと良いセルフターマーアプリがあれば軽減されるはずだと考えた。そこで彼は、Selfie Stickという無料の顔検出アプリを作り、顔を横に傾けるだけで手を使うことなく自撮りができるようにした。

Selfie Stick app

傾ける「だけ」とは言ったが、まだ初期段階(v1.0)にあるこのアプリは、タイマーを起動するためにかなり長い間顔を傾けることを要求する。また、傾きの検出はスマホが縦位置の時の方が、横位置よりもうまくいくようだ。というわけで、撮影するまでにかなり首の運動をすることを覚悟しておかれたい。

画面にグリーンのサークルが完全に描かれまで顔を傾けている必要がある。その後プロセスは逆方向に進み、グリーンのサークルが消えオレンジから赤へと色を変えてシャッターまでの時間を教える。

楽しい発想の作品だが、グリーンのサークルを出すために首を曲げている時間と、カウントダウンの速さはややバランスを欠いているように感じる。それに、準備運動をしている間に、どんな顔で写ろうとしていたのか忘れてしまうかもしれない。

この早期段階のアプリは誤作動も多い。Davisも、「完璧ではない」ことを認めており、何よりこれは彼一人による仕事の合間のプロジェクトだ。「資金提供はない。会社を持っているわけでも従業員がいるわけでもなく、自分は厳密にはスタートアップでもない。Macbookとおかしなアイデアを持っているだけの男だ」と彼は言っている。

このアプリを使うためにスマホを手に持たいないとすれば、当然何かで支えておかなくてはならない。だから、自撮り棒派に乗り換えを説得することは難しい。信頼できるあの棒さえあればいつどこででも自分や友達を撮れると知っているのだから。しかし、自撮り棒を持っていない人、持ちたくない人にとって、このアプリは面倒と社会的な居心地の悪さを軽減する代替手段になるかもしれない。

これまでにも、音声シャッターや、笑顔でシャッターを切るアプリなどが存在している。しかし有難いことに、このアプリはどんな顔で写るかを事前に決めていないので、どんな不機嫌な顔でも写ることができる ― 例えば、Selfie

他に、背面カメラを使っていて画面が見えない時のために、タイマーのカウントダウンや、あとどれだけ顔を傾ければいいかや、顔がフレームに入ったことを音声で知らせる機能もある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

空飛ぶカメラLilyが$14Mを調達、発売は2016年夏へと延期

screen-shot-2015-05-11-at-8-01-59-pm

これがあればどんなセルフィーでも撮れる*ドローンLilyが今日(米国時間12/18)、シリーズAで1400万ドルの資金を調達したことを発表した。投資家はSpark Capital, SV Angel, Stanford-StartX Fund, Steve Aoki, そしてJoe Montanaだ。〔*: セルフィー, selfie, 自撮り写真〕

しかし同じ発表の中で同社は、発売を2016年の夏に延期する、と言っている。

Lilyは最初、2014年5月に、その空飛ぶカメラの予約販売を(同社のWebサイトで)開始した。

Lilyのカメラは1080p60fpsのビデオを最大20分、スローモーションでは720p120fpsで撮影でき、スチルなら12メガピクセル撮れる。

しかし混みあうドローン市場で自己を差別化しなければならないLilyには、操縦者を追跡したり、彼/彼女のまわりの周回軌道を飛行する機能がある。完全防水なので、プールやビーチでも使える。

LilyのCrunchbaseページによると、同社は今回の1400万ドルの前に100万ドルのシード資金を獲得している。今回のラウンドをリードしたSpark CapitalのBijan Sabetは、Mediumのポストで、発売の遅れについて書いている:

この遅れが顧客にとって正しいことである、と確信している。これによって同社は、最良の製品を顧客に届けるための時間を稼ぐことができる。彼らがそうするものと、信じている。

気になる人は、LilyのWebサイトを訪ねてみよう。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

もしこの自撮り絵文字が正式採用されたら、私はガラケーに戻る

screen-shot-2015-08-20-at-11-30-47-am

私の好きなことの一つに、どの絵文字がUnicodeの次期候補になるかを見ることがある。素晴らしいのもあれば、時として、醜悪なのもある。

2年前,“selfie”[自撮り]という単語が辞書に追加され、 “twerk”[腰を低くして踊る]が加わるまで私を著しく不快にさせ続けた。そして、こんどは人生最悪の日がやってくる。なぜなら、そのいまいましい selfieを表す絵文字に耐えなくてはならなくなるかもしれないから。

そう、読み間違いではない。

Screen Shot 2015-08-20 at 11.15.41 AM

自撮りする行為自体が未だに物笑いの種なのだから、絵文字を追加してもそれ以上悪いことは起きないだろうって? もちろん、起きる。

01snwq5hg087kg_smallこの自撮り絵文字は、Unicode 9の追加候補であり、2016年中頃に決定される。つまり、まだ排除するチャンスがある。その他の候補はかなりまともだ(いくか例を挙げておく):

  • Face With Cowboy Hat
  • Clown Face
  • Nauseated Face
  • Rolling On The Floor Laughing
  • Drooling Face
  • Lying Face
  • Call Me Hand
  • Raised Back Of Hand
  • Left-Facing Fist
  • Right-Facing Fist
  • Bacon
  • Handshake
  • Hand With First And Index Finger Crossed
  • Pregnant Woman
  • Facepalm
  • Shrug

ご覧の通り。手のひらで顔を隠す絵文字さえある。これは私も支持できる。

Screen Shot 2015-08-20 at 11.20.14 AM

どうか絵文字の神々にお願いする。自撮り絵文字を採用しないでほしい。もし採用すれば、それは自撮りという単語、自撮り行為、 自撮り棒を見ること、等々が永遠になくならないことを意味しているのだから。

Microsoftがこの悪役を採用したのは正しい判断だった:

6-fingers

ガラケーはどれを選んだらいいだろうか?

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

セルフィー・ブームもここまで来たか―Belfieは80ドル!の自尻撮りスティック

現在では大量の自撮り写真を公開することは精神障害の一種ではないとされている。市場にあふれる自撮りグッズの数はバカバカしいほど多い。そこにまたひとつ、Belfieという自撮り棒が加わった。なんと、これは自分のお尻を撮るためのツールだという。

自尻撮りといえばお騒がせセレブ、キム・カーダシアンがInstagramに投稿した写真(下)が有名だが、レディー・ガガまでDo What You Wantでお尻を披露している。

しかし自分のお尻を撮影するのはそれほど簡単ではない。キムにしてもLife & Styleの記事によれば、何百枚も撮影した中から気に入った1枚を選び出したのだそうだ。

On.comのCTO、Kevin DeeganがはBusiness Insiderの取材に対して、「われわれはここ数ヶ月、自尻写真が急速に増大したことに気づいた。そこ自尻撮りでユーザーを助けるツールが存在してしかるべきだと考えた」と語っている。

通常のセルフィー・スティックは15ドル前後だが、このスペシャル・セルフィー・スティックは79.99ドルもする。そしてなんと現在売り切れだ! 自尻撮りにこだわる読者はこちらから予約できる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


HTC Desire Eye、前後に同機能のカメラを塔載、ソフトも自撮りに対応

HTCのDesire Eyeは同機能の13メガピクセルカメラを前面と後面の両方に備えた新しいスマートフォンだ。iPhone同様の2色LEDフラッシュも両面に装備されている。IPX67規格の防水仕様(Samsung Galaxy S5と同じ)で短時間の水没に耐えられる。

2つのレンズを使ったDuo Camera機能は外されたが、これは良い選択だろう。正直なところあれは最近のHTC端末の大きな弱点だった。本体のツートンカラーは、少なくとも遠目にはかなり魅力的だ。

HTCはこの機種をファッションショーでデビューさせるという不幸な選択をしてしまった。長くて見ているのがつらい出し物だった。モデルはそれぞれスマホを1台持っていたが、それ以外に関連性は見出せなかった。

新機種は、HTCの新しいEyeカメラソフトウェアと共に出荷される。

新しいカメラソフトウェアは「オートセルフィー」機能を備え、一定時間カメラを静止させるとシャッターを切ったり、「Say Cheese」や「Action」といった音声コマンドで写真を撮ったりビデオをスタートさせることができる。

新しいダブルカメラ機能を使って前後で同時に撮影した画像を、左右に並べて1枚にすることができる。さらに、前面カメラで撮った写真から顔だけを切り抜き、背面カメラの画像に重ね合わせることもできる。

カメラソフトウェアは、今日発表した新機種だけでなく、既存のHTC端末でも利用できる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


タグ付けされた自撮り写真は、NSAの顔写真になる

「セルフィー[自撮り]現象は、間違いなくNSAの仕事を楽にしている。オンラインにアップされた大量のタグ付き写真を、顔認識システムに流し込むだけだ。

The New York Timesは、NSA告発者エドワード・スノーデンが入手した2011年の文書に基づき、米国諜報機関の顔認識技術への依存度は、オバマ政権になって飛躍的に高まったと報じた。ソーシャルネットワークに自撮り写真をアップしてタグ付けする習慣が広まったタイミングと一致している。

同紙によると、ソーシャルメディア、Eメール、メッセージ、ビデオ会議その他のデジタルコミュニケーションで送られる大量の画像を処理するために、NSAは新しいソフトウェアを導入した。2011年文書には、顔認識ソフトウェアの技術進歩によって、NSAが世界中のターゲットを探す方法が革新されることを諜報局幹部は信じていると、書かれている。

文書によると、同局は1日に「数百万枚」の画像 ― うち約5万5000枚の「顔認識品質画像」 ― を傍受しているが、合計で何枚の画像を蓄積しているかは現時点で不明だ。NSAは顔認識技術について、諜報ターゲットの追跡に「とてつもない未知の可能性」があると説明している。

内部の顔認識ソフトウェアだけでなく、同文書によるとNSAは、商用顔認識技術、例えばPittPatt ― Googleが所有する会社 ― 等を使って収集データを処理している。

顔写真、指紋、その他の個人を特定する情報は、NSAにとって文書あるいは会話と同様に重要と考えられていると記事は伝えている。

同紙はNSAの顔認識技術の利用が、以前詳しく報じられてたものよりはるかに進歩していると書いている。去る2月、NSAおよび英国諜報機関GCHQによるウェブカム画像収集の協同プログラムが発覚した。2008~2012年に、Yahooユーザーの画像が集められ、その中には露骨な性描写も含まれていた。

New York Timesによると、NSAは米国の運転免許証あるいはパスポートの写真データベースをアクセスすることはできないが、タグ付けされたオンラインデータを無数に持つ他の情報源 ― Facebook、Instagram等々 ― にある大量の自撮り写真から、米国市民の個人情報を得ることができる。

「われわれが追跡しているのは、伝統的通信手段だけではない。ターゲットがネット上の日常生活で残したヒントを元に、正確なターゲティングに役立つ履歴や生体情報を構築できる」と2010年の諜報文書が指摘している。

New York Times記者が接触したNSA広報担当者は、Facebookその他のソーシャルメディアから、通信傍受以外の方法で顔写真を集めているかどうかのコメントを控えた。しかしその「ノーコメント」が多くをものがたったいる。

顔認識ソフトウェアは、技術の進歩と共にビッグブラザーになりつつある。もちろん山ほどのタグ付顔写真を保有するFacebookは、DeepFace projectと呼ばれるプロジェクトで独自の顔認識ソフトウェア改善に力を入れている。今年3月、Facebookは、DeepFaceが群集の中からら個人を認識する精度が人間並みになったことを発表した(平均97.25%、人間は97.5%)。

こうした企業努力がNSAの仕事を楽にすることは間違いない。Facebookの持つタグ付画像の精度が上がるほど、NSAのデータ収集は効果的になる。米国プライバシー法が、顔認識データを明示的に保護していないことも重要だとNYTは指摘している。

しかし、NSA広報によると、こうした画像は米国におけるコンテンツ通信手段の一形態と考えられているため、NSAが監視プログラムを通じて米国人の写真を集めるためには、裁判所の承認が必要になる ― メールを読んだり通話を傍受する場合と同様。しかし、国境を越えた通信 ― NSAが標的にした海外の人物の画像を米国人がメールやテキストメッセージで送るケースが相当する ― は例外になり得る。つまり、自撮り写真を送る相手と相手の住んでいる場所次第というわけだ。

ヨーロッパで、Facebookは顔認識アルゴリズムを生かしたタグ推奨機能を2012年に中止した。アイルランドのデータ保護局が実施した、ユーザーデータおよびプライバシーの透明性に関する捜査の和解手続きの一環だ。

この顔認識ソフトウェアを利用した機能は、米国を含め他の国々のFacebookユーザーには有効で、自撮り写真に手動でタグ付けする面倒な手順を迅速化している。

それはしかし、NSAにとってより価値が高くなっている可能性が高いという意味でもある。

[Image by askyog via Flickr]

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


「アメリカ心理学会が自撮り写真を精神障害に分類」というニュースは事実無根のジョークだった

〔この記事はSarah Buhrの執筆〕

アメリカ心理学会が大量の自撮り写真を公開することは精神障害の一種と認定したというニュースは、この週末、キム・カーダシアンとカニエ・ウェストの結婚式と共にソーシャルメディアの大きな話題になった。念のためにお知らせしておくが、この話は風刺サイトが掲載したジョークで、まったく事実ではない。

この釣りネタがかくまで急速に広まったのは、多くの人々が「そうであればいい」という願望を抱いていたからではないだろうか。ソーシャルメディアにひっきりなしに自撮り写真を投稿しFacebookのタイムラインを溢れさせる迷惑なユーザーがいることは事実だ。

しかし自撮り愛好家は精神障害ではないのはもちろんだが、一部のフェミニストは自撮りは若い女性の自己確立を助けるものとして積極的に評価している。その意味で、自撮りに「精神障害」のレッテルを貼ろうとするのは女性が自信を持つことを貶めようとするものかもしれない。

もちろん自撮り写真をむやみにソーシャル・メディアに投稿するのは多くの人を不愉快にさせるし、本人の評判を悪くする。しかし一部のフェミニストは自撮り写真が若い女性に自信を与える効果があるとしている。この問題では #feministselfies というタグで昨年末からTwitter上で議論が続いている

事実、Aol/Todayが今年1月に実施した“身体に関する理想と現実のイメージに関する調査によると、若い女性の65%は「自撮り写真は自信をつけてくれる」と回答している。SlateのRachel Simmonsは若い女性の自撮りは、男子には奨励されるが女子には否定されてきた社会的な自我の主張だと考えている。

もちろん、行き過ぎた自撮り中毒者となれば問題だ。Danny Bowmanというティーンエージャー(両親は心理学者)は毎日200枚も自撮りするという。彼は「いくら撮っても思うような写真が撮れないので自殺を考えた」そうだ。もちろんBowmanは極端な例だ。これは自撮り中毒というよりむしろ身体醜形障害という心理的障害の一種として考えるべきだろう。

ソーシャルメディアに自撮りを大量にアップする若い女性をバカだと笑うのは簡単だが、これは同時に、 かつてヒステリーを女性特有の症状としていたように、既存の社会規範に当てはまらない女性の振る舞いを矮小化しようとする試みの一つでもあるのかもしれない。

〔日本版:オリジナルの記事を掲載したジョーク・サイト、The Adobo ChroniclesはApple、Samsung、NokiaはAPAの認定を受けてフロントカメラを廃止すると発表という「フォロー記事」も掲載している。〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


自分撮り写真に「いいね!」してもらうために必要ないくつかの配慮

Instagram上で、16万もの自分撮り(selfie)写真を分析した結果が発表されている。分析しているのはHubSportの「Social Media Scientist」であるDan Zarrellaだ。この分野における「分析」は流行りでもある。使われているタグ、色合い、利用しているフィルターなどをチェックして、他の人に気に入って貰える自分撮り写真を撮るヒントとするものだ。ちなみに今回紹介するレポートを見る限り、自分ではよかれと思ったことがほとんど逆に作用していることがわかってしまった。自分撮りも、なかなか奥が深い。

まず、色合いについてだが、自分撮り写真においてはどうやら寒色系の色を多用する方が、暖色系の写真よりも人気を集めるらしい。青い服を着て、青緑系の背景の前に立つのが良いのかもしれない。もしかするとスターバックスのロゴの前に立つのも効果的かもしれない。人気を得るためにはハッシュタグも大切な要素で#pretty、#boy、#daily、#girl、および#hairなどのハッシュタグのついた写真が、人気を集めるケースが多いようだ。また「like」をおねだりするハッシュタグも有効らしい。たとえば#l4l、#likeforlike、#like4likeといったようなハッシュタグが、「like」のおねだり用として利用されている。

尚、ハッシュタグの多様は無駄以外の何物でもないと考えている人にとっては残念なことに、どうやらハッシュタグを多く利用すれば、それだけ「like」を取得する機会も増えるらしい。ハッシュタグの個数が30個に到達する前にグラフ上では谷間があるが、しかしそれでも、より多くのハッシュタグを付けることで、より多くの「like」を獲得するチャンスが生まれているようだ。

フィルターについての分析も行っている。この分野でも、個人的に多用しているものは人気が低いということがわかった。当方で利用しているのは「Valencia」、「Lo-Fi」、「X-Pro II」、「Hudson」、そして「Rise」だが、「like」を集めやすいフィルターは「Willow」、「Normal」、「Toaster」、「Mayfair」、「Sutro」および「Hefe」などであるらしい。ちなみに#NoFilterというハッシュタグが最も人気を集めているようだが、しかし実はそのほぼ3分の1のケースで、フィルターが用いられているようだ。そういうケースでは「Valencia」や「Amaro」が用いられることが多い様子。洗面所の鏡を使ったいかにも自然な自分撮り写真であっても、何らかのフィルター処理が加えられているケースがあるということになる。

ところで、酔っ払っているときにこそセクシーに見えるという自負があるにせよ、#drunkハッシュタグを付すのはやめた方が良いようだ。#drunkハッシュタグを付けてしまうと「like」をもらいにくくなってしまうようなのだ。自分撮りは素面のときに限るということなのだろう。よしんば酔っ払いモードであるにせよ、他の人にはばれないようにしておくのが良いようだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


今年のアカデミー賞は・・・サムスン、ジェニファー・ローレンス、そしてセルフィーに決定

このうち誰ひとりとして金の小像を持ち帰った者はいないが、Samsung、ジェニファー・ローレンス、そして何といってもスター満載の自撮り写真が昨夜のオスカーを独占したことは間違いない。少なくともソーシャルメディアによれば。

PopTipがまとめたInstagram、Facebook、Twitterでリアルタイムに交された会話の分析によると、Samsungは、アカデミー賞授賞式スポンサーに関して言及されたフレーズのトップテンのいくつかを占めた。Galaxy Note、Galaxy s5、そしてSamsung提供によるセルフィー[自撮り写真]だ。

事実、セレブ11人(メリル・ストリープ、ブラッドリー・クーパー、ジュリア・ロバーツ、ブラッド・ピット、レディー・ジェニファー・ローレンス等々)を撮った写真のTwitter界での人気はすさまじく、20分ほどの間に200万回以上リツイートされ同プラットフォームを圧倒した。オスカーに巨額なスポンサー料を払ったSamsungにとって唯一重要なのは、この歴史的セルフィーがGalaxy Noteで撮影されたという事実だ。

エレクトロニクスの巨人は、番組中5000回以上言及され、エレン[デジェネレス]によるSamsungセルフィーについての書き込みは3万件近くに上った。

これはSamsungにとって何を意味するのだろうか? 興味深いのは、Samsungがその焦点をGalaxy SラインからNoteラインへとシフトしつつあることだ。Samsungは番組中Galaxy s5も紹介した。さらには、セレブというセレブが、会場や舞台裏でSamsung製品を使ってツイートしたり、FacebookやRedditしているところが派手に映し出された。

そしてもう一つ注目すべきは、エレン・デジェネレスが舞台裏で写真を撮りツイートしていたのが[Galaxy Noteではなく]iPhoneだったという事実だろう。Samsungとしては怒るわけにもいかない。

他のソーシャルメディアに関するニュースとして、ジェニファー・ローレンスが依然この世界で最もお気に入りの人物であり、イベント中最も多くツイートされた有名人だった。「ジェニファー・ローレンスが転んだ」は、レッドカーペットの最中いちばん多くシェアされたフレーズで、この晩最も多くツイートされたフレーズトップ10にも入った。同夜のジェニファー・ローレンスに関する書き込みは、計1万8354件を数えた。

ボーナス:自分もオスカーのセルフィーに写りたいという人は、これをお試しあれ!

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


赤ちゃん向けセルフィー・アプリ登場―社会の崩壊は間近か?

赤ちゃん用セルフィー・アプリが登場したということは現代社会の末期症状を意味するのだろうか? なんと新たにリリースされたAndroidアプリは赤ちゃんが自分の自画撮りするためにデザインされている。

そう、ベビーのセルフィーだ。

このアプリは確かに可愛らしくできている。デジタル版の「いないないばー」みたいにデザインされていて、カラフルな動物のアニメがまず表示される。これで赤ちゃんの注意を惹きつけておいて、きゅっと音を立てて驚かす。そこですかさずシャッターを切るという仕組みだ。

最初の1回は面白いかもしれない。99セントだから、その価値はあるのだろう。

このアプリを開発したのはピッツバーグのAndroidスタジオ、Deeplocalで働くエンジニアのMatthew Pegulaだ。6ヶ月になる娘がおり、Baby Selfieを開発したのはAndroidのプログラミングに慣れるためだったそうだ。PegulaはもともとiOS開発が専門だったという。

私のインタビューに対して「これは最初のAndroidアプリで、週末プロジェクトだった」とPegulaは語った。最初は笑顔を感知したりするもっと複雑なプロジェクトの計画だったが、まずはBaby Selfieを最初の一歩としてリリースすることにしたという。この種のセルフィー・アプリに対しては賛否両論があるのは彼も承知している。

たとえばWashington Postはこのアプリをいやに真面目に取り上げて、「米国小児科学会は2歳未満の子供にはコンピュータ・スクリーンを見せないよう勧告している」などと言って非難している。

この記事はさらに続けて「スマートフォンによるいわゆる自画撮りなるものは21世紀の社会の病患たるナルシシズム、過度の情報共有、プライバシーの軽視を象徴するものであり、赤ん坊をこれにさらすことは避けねばならない」と論陣を張っている。The Daily Beastも似たようなもっともらしい批判をしている。

あれまあ、ご大層な。

(念のために断っておくが、この記事のタイトルはまったくの冗談だ。Baby Selfieが社会を崩壊させるわけがない)

メインストリーム・メディアがこのおもちゃアプリに過度に否定的なのは自画撮りそのものに対する根深い反感があるのだろう。しかし自分を撮影するというのは人間の自然に根ざしているとみえて、写真術が登場して以来ポピュラー行為なのだが。

iPadを取り付けたFisher-Priceのゆりかごに赤ん坊を何時間も縛り付けておくような育児法には私も反対だが、こうした愉快なアプリで数分遊ばせるのが深刻な害をもたらすとは思えない。ともあれスマートフォンのフロントカメラが社会崩壊の引き金にならないことだけは確かだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


汝のセルフィーを知るべし

【抄訳】

怒っているとき、うれしいとき、恋人の目を見つめているとき、自分がどんな顔をしてるか、ご存知かな? ロンドンのUniversity Collegeの神経科学の先生Dr. James Kilnerは、ほとんどの人が自分の顔を知らない、と言う。

Kilnerによると、一日の中で、多くの時間、ほとんどの人が自分が今どんな顔をしてるか知らないが、それにもかかわらず、実際よりも魅力的で若い顔をしていると信じている人が多い。おや、まあ、そうなの!

でもKilnerの研究によると、意外にも、自分のスマートフォンのフロントカメラの前では、良い表情になることが多いのだそうだ。

彼の研究によると、このところセルフィー(selfy, 自分で自分を撮った写真)がますます氾濫しているのは、自分が自分に関して抱いている、自分は魅力的だというイメージと、自分の写真とを、マッチさせたいと努力するためだ、という。彼が行った実験では、被験者たちにさまざまなセルフィーを見せる。より魅力的に見えるように編集されている写真もあれば、あまり魅力的でない写真もある。そして、元の(編集前の)写真を選べと被験者たちに求めると、ほとんどの人が、編集されてより魅力的になった写真を選ぶ。

空前のセルフィーブーム

携帯やスマートフォン、そしてそれに付随しているサービスやアプリが、安易にセルフィーをそそのかす。最近では、フロントカメラのない新製品の携帯はたぶん存在しない。Instagramには撮った写真を美化したり歪めたりするアプリが付いている。このようなフィルタアプリは、TwitterにもViberにも、そのほかのサービスにも付いている。瞬間写真を撮って送るSnapchatは、日常生活の中のリアルで生き生きした表情をとらえる。もちろん、本格的にPhotoshopを使う手もある。

人間には本来、自分を知りたいという欲求があることに加え、上記のような‘安易に使えるフロントカメラ’がセルフィーブームに大きく貢献している。

今や、誰も彼もがセルフィーを撮る。Obama大統領もセルフィーを撮る。Justin Bieberは自分のことをセルフィーの王様と称している。Tom Hanksは、こんなセルフィーを公開した。MerylとHilary(ヒラリー・クリントン)も。そしてTyra Banksも。こんな笑えるのも。

Instagramには、#selfieタグの付いた写真が7200万点もあり、このブームをねらったビジネス生まれている。セルフィーの流行でティーンたちのヘアにシラミが大量発生しているという説もある。

人類の歴史上初めて、われわれは自分の顔をとらえ、美化し、自分の外見を好きなようにコントロールしてお互いにコミュニケーションできる時代が訪れている。

しかも、それはもはや、単なるティーンたちの流行現象ではなく、哲学や心理学の話題にもなっているのだ。


【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))