Shopifyが小売業者向けデビットカードと分割払いプランのサポートを発表

Shopify(ショピファイ)は5月20日、同社の電子商取引プラットフォームを使用する100万人の小売業者のためのバーチャルカンファレンス「Reunite」で、いくつかの新製品と機能を発表した。

追加機能の中には「Shopify Balance」がある。最高製品責任者のCraig Miller(クレイグ・ミラー)氏は、ビジネスのニーズにより適した銀行口座を再考する試みだと説明した。「銀行が提供する伝統的な商品は全く違う世界で考案された」とミラー氏は述べる。「それらをどう設計すべきかという最初の原則に立ち返った」。

Shopify Balanceは手数料や最低預入残高のない小売業者の口座だ。ミラー氏は、口座開設「当初」の口座資金はShopifyからの入金のみだと述べた。小売業者は追加の資金を預け入れることはできないが、ログイン、資金繰り管理、請求書に対する支払いはできる。口座にはデビットカード(仮想または物理的なカード)が付いており、Shopifyはキャッシュバックの特典や、発送やマーケティングなどの費用の割引も行うと述べた。

「Buy Now, Pay Later」機能も発表した。小売業者が顧客に、利息や追加料金なしで支払いを4回均等分割にするオプションを提示できる機能だ。

同機能は、高額商品を販売する小売業者にとって特に役立つ。記録的な失業と経済的不確実性の中、「多額の借金を抱える」という不安からクレジットカードで高額商品を買うことをためらう顧客がいるかもしれない。一方で小売業者は「即座に」支払いを受けられる。「ShopifyはShopify BalanceとBuy Now, Pay Laterの両方に関して金融業界のパートナーと協業している」とミラー氏は述べたが、詳細は明かさなかった。

Shopifyは2020年後半に両方の製品をリリースする予定だ。そのほかの新機能には、「Local Delivery」オプションがある。小売業者が地域の顧客1人1人に向けたデリバリーエクスペリエンスを設計できる機能だ。また、ロボット工学を利用したフルフィルメントネットワークを加盟店に開放し、チェックアウト時にチップを受け付けられるオプションを追加した。

Shopifyが過去数カ月に実施したすべてを結びつける幅広いテーマは、小売業者が新型コロナウイルスのパンデミックに適応する際に「驚くほど急速に高まったデジタルの重要性」だとミラー氏は述べた。

このイベントは、Facebookが「Facebook Shops」を発表した翌日に開催された。Facebook Shopsによって、小売業者はFacebookページとInstagramプロファイルにデジタル店舗を加えることができる。Shopifyは実際にはこのイニシアチブのパートナーだ。小売業者は、ShopifyのプラットフォームからFacebookとInstagramの店舗を管理できるようになる。

画像クレジット:Richard Drew / AP

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eコマースプラットフォームShopifyが小売支援のモバイルアプリ「Shop」をローンチ

100万店超のオンラインストアをサポートしていることで知られているShopifyが、Shopというシンプルな名称の消費者向け買い物アプリを立ち上げる。

このアプリは実際には、Shopifyの出店者や小売業者から発送された荷物を追跡するためのアプリArriveをアップデートして名称を新たにしたものだ。ShopifyによるとArriveはこれまでに消費者1600万人が利用した。

Shopでは荷物追跡ができる他、消費者がおすすめプロダクトのフィードをブラウズしたり、各ブランドについて調べたり、ワンクリックのShop Pay精算を使ってプロダクトを購入したりできる。

ShopifyのゼネラルマネジャーであるCarl Rivera(カール・リヴェラ)氏は、Shopの導入はデスクトップコマースからモバイルコマースへのシフトであるばかりでなく、モバイルウェブからネイティブモバイルアプリへのシフトである、と述べた。そして、我々の多くがいくつかのネイティブアプリのみをダウンロードして買い物するため、独立した個々のブランドが自前でアプリを立ち上げるのは難しいのが問題だった、とも指摘した。

「当社がShopで行いたいのは、ブランドが自前のアプリと呼べるような場所を提供すること」だという。

画像クレジット:Shop

Shopは、それぞれの買い物客にカスタマイズされた商品レコメンデーションを提供する。こうしたレコメンデーションはユーザーが既に興味を示したブランド、もしくはShopifyストアで商品を購入したブランド、アプリでプロフィールをフォローしているブランドのものとなる、とリヴェラ氏は説明した。

リヴェラ氏は他のオンラインストアの商品レコメンデーションを引き合いに出し、「あなたが知らないブランド、あるいは興味のないブランドの商品フィードを提供するプラットフォームのほとんどは広告によるものだ」と指摘し、Shopは広告を一切含まず、買い物客とブランドの双方が無料で利用できると述べた。

同氏は2018年後半に「Shopifyに加わったとき」からShopに取り組んできた、とも語った。ただ、直近の新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックと、それによって引き起こされている経済危機で、彼のチーム(大きくいえばShopify)は「小売業者を最大限サポートするために我々が今日できることは何か」を自問することになった。

そしてその答えの1つが、買い物客が地元の小売業者をブラウズして、どの店が発送もしくは店内購入に対応しているのかを確認し、そうした業者をサポートするために商品を購入することができる機能の提供となる。

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(翻訳:Mizoguchi

eコマースプラットフォームShopifyがFacebookのデジタル通貨Libra運営団体に加盟

eBayやVisa、Stripe、その他の有名企業などはFacebook(フェイスブック)が主導するデジタル通貨Libra(リブラ)を見捨てたが、Libra運用団体は米国時間2月21日、Shopify(ショッピファイ)という新たな加盟社を得た。eコマースプラットフォームのShopifyはLibra Associationの会員になる。少なくとも1000万ドル(約11億円)を拠出し、Libra取引の結節点となる。

現在は国際規制当局の懸念がLibra展開を阻んでいるが、もしその懸念をLibraが和らげることができたら、Shopifyはクレジットカードの手数料を払うことなく決済を処理する手段を得ることになる。Libraでは手数料ゼロ、もしくはほぼゼロとなる見込みだ。Shopify、そしてShopifyのプラットフォームでオンラインショップを運営する100万もの業者は節約できることになるかもしれない。

ShopifyはLibra Associationへの加盟の理由として、業者の手数料抑制のサポートと発展途上国への商業機会の提供を挙げた。「世界の金融インフラの大半はインターネットコマースのスケールやニーズに対応するようにつくられていない」とShopifyはいう。以下に、発表の最も重要な箇所を掲載する。

我々のミッションはすべての人にとってコマースをより良いものにすることであり、そのためにお金や銀行業務がさらに良いものになる世界の一部として、コマースをいかに改善していくか考えることに多くの時間を費やしている。Libra Associationのメンバーとして、業者やあらゆる消費者にお金が回り、またサポートできるようにする決済ネットワークを構築するために社を挙げて取り組んでいる。我々のミッションはプラットフォームで100万を超える業者の起業家としての旅をサポートするというものだった。これは、透明性のある手数料や資本へのアクセス、業者の顧客データのセキュリティとプライバシーを確かなものにすることを意味する。世界中のさらに多くの起業家を力づけるインフラを構築したい。

Libra AssociationのメンバーとしてShopifyはバリデーションを行うオペレーターになり、Libra Association評議会の投票権を得る。そして少なくとも1000万ドル(約11億1600万円)の投資をするLibraが稼ぐ利子の配当金をもらうことができる。

Libra Associationは当局の調査を受けている最中の10月に、一連のメンバーがプロジェクトを見捨て、多くのeコマース専門の会社を失った。そこにはVisaやMastercardといった従来型の決済企業や、 StripeやPayPalなどのオンライン決済企業、eBayのようなマーケットプレイスが含まれる。こうした動きは、人々がデジタル通貨を使うのに十分な場所を確保するために、果たしてLibraが適したパートナーを得られるかという疑念を引き起こした。

Libraが安全であると当局に納得させようと、FacebookはFacebook PayやWhatsApp Payといった従来の銀行送金やクレジットカードに頼ってきた決済手段に取り組んできた。

ShopifyのCEO、Tobi Lutke(トビ・リュトケ)氏は「お金や銀行業務がさらに良いものになる世界の一部としてコマースをいかに改善していくか考えることに、Shopifyは多くの時間を費やしてきた。だからこそ我々はLibra Associationのメンバーになることを決めた」とツイートした。

「Shopify(ショップ含む)をLibra Associationに迎えられることを誇りに思う。おおよそ175カ国にまたがる100万超の事業者を抱える多国籍コマースプラットフォームとして、Shopifyは Libraプロジェクトに多大なる知見や専門性をもたらす」とLibra Associationの政策・広報責任者のDante Disparte(ダンテ・ディスパート)氏は書いている。「Shopifyは、安全で透明性のある、そして消費者フレンドリーなグローバル決済の実行に向けて取り組んでいるLibra Associationの積極的なグループに加わった」

直近の雇用もまた、2者をさらに結びつけた。Facebookの決済プラットフォームと宣伝チームを率いた前プロダクトマネジャーKaz Nejatian(カズ・ネジャティアン)氏は2019年9月にShopifyの副社長兼マネー担当GMになった。

発展途上国では時として確保するのが難しい従来型の銀行口座がなければ、eコマースショップの運営はかなり難しく、不可能かもしれない。Libraではそうした業者がかなりのクレジットカード手数料なしにすぐに決済できるLibra Walletを確保できる。理論的にはローカルの実在店舗やATMで、その地で流通している貨幣で現金を引き出すことができる。

Shopifyのクレジットカードリーダー

それらの一部が実現するにしても、Libra Associationはテロリストが資金を洗浄したり、人々のプライバシーを損なったり、グローバル金融システムにおいて国のパワーを弱めたりすることはない、と米政府やEUを納得させる必要がある。フランスのBruno Le Maire(ブリュノ・ル・メール)財務相は「国々の金融自主権は金の民営化という危機に直面している。我々は欧州でのLibraの開発を認めることはできない」と述べた。

Libraは当初、2020年の開始が予定されていた。

Libra Associationのメンバーは以下の通りだ。

現在:FacebookのCalibra、Shopify、PayU、Farfetch、Lyft、Spotify、Uber、Illiad SA、Anchorage、Bison Trails、Coinbase、Xapo、Andreessen Horowitz、Union Square Ventures、Breakthrough Initiatives、Ribbit Capital、Thrive Capital、Creative Destruction Lab、Kiva、Mercy Corps、Women’s World Banking

前メンバー:Vodafone、Visa、Mastercard、Stripe、PayPal、Mercado Pago、Bookings Holdings、eBay

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Shopify上のオンライン店舗で手軽にメールマーケティングが可能に

誰でもネットショップを開けるサービスShopifyがこのところ、eコマース以外のサービスを次々と提供している。最近立ち上げた新サービスが、メールによるマーケティングのShopify Emailだ。

Shopifyのプロダクト担当最高責任者のCraig Miller(クレイグ・ミラー)氏とマーケティングテクノロジー担当部長のMichael Perry(マイケル・ぺりー)氏は米国時間11月4日、そのデモを見せてくれた。ミラー氏はそれを、「eコマースのために設計された初めてのeメールプロダクトだ」と主張している。

まずそれはShopifyの上でユーザーが開いている店舗に組み込まれているので、簡単にメールによる商品の宣伝ができる。また、そのメールが実際に売上に及ぼした効果もわかる。そしてShopifyのデータに基づいて、メールを送るべき顧客を選別できる。

ペリー氏は「自慢できるのは、われわれがメールマーケティングのプロになったことだ。いろいろ調べたところ、セグメンテーション(層別分類)の価値を分かっていない人が多い。そこでうちは、送付先の正しいリスト機能を組み込むことによってメールマーケティングの効果を高めたのだ」と語る。

Shopify Emailは現在、Shopify上の限られた店舗でテストしている。本番展開は来年の予定だ。ミラー氏によると、使用料はテストの時点では無料だが、一般公開時の料金は追って発表するそうだ。

Shopifyは最近ほかにも、ネット上ではない実店舗のためのPOSハードウェアや、広告キャンペーンのためのツールを新製品として発表している。

ミラー氏によると「うちの新製品に共通しているのは、各お店が顧客に直接売れるようにすることだ。最近は、消費者に直接という言葉が流行っているけど、それは弊社が15年も前からやってることだ」とのこと。

関連記事:Shopifyが密かにB2BeコマースプラットフォームHandshakeを買収

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Shopifyが倉庫自動化テックの6 River Systemsを約480億円で買収

急速にアンチAmazonとなりつつあるショッピングテクノロジー開発のShopifyが、倉庫の自動化と管理テクノロジーを開発する6 River Systemsを4億5000万ドル(約480億円)で買収し、販売サプライチェーンとしてさらに進化する。

これは、Shopifyが6月に開始したフルフィルメントネットワークサービスの効率化を加速させる買収となるだろう。

この買収により、ShopifyはKiva Systems在職中にAmazonのロボティクス事業を手がけた専門家を戦力にすることができる。Kiva Systemsは、後にAmazonに買収された。

ShopifyのCEO、Tobi Lütke(トビー・リュトケ)氏は声明で次のように述べている。「Shopifyは、これまでさまざまな商取引の課題に取り組んできたのと同じ方法でフルフィルメントに取り組む。それは最高のテクノロジーをまとめて誰もが競争力を高められるようにすることだ。我々は6 River Systemsと協力して、世界中のあらゆる規模の企業にテクノロジーと業務の効率化を提供する」。

この買収は、6 River Systemsに投資していたMenlo Ventures、Norwest Venture Partners、Eclipse Partnersなどの投資家によって承認された。買収金額は現金と株式で計4億5000万ドル(約480億円)。一定の条件に従って、6 River Systemsの従業員と創業者にShopifyのクラスA株式、およそ6900万ドル(約73億8000万円)相当が割り当てられる。

Shopifyは声明の中で、この買収は同社の2018年の収益に重大な影響を与えることはないと述べた。同社の支出の増加は、営業経費が1000万ドル(約10億7000万円)、無形資産償却が800万ドル(約8億5000万円)、株式報酬が700万ドル(約7億5000万円)で、計2500万ドル(約26億7000万円)と見込まれる。

Shopifyは、6 River Systemsの年間売上は2020年には3000万ドル(約32億円)になると予測している。

画像:6 River Systems under a license

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(翻訳:Kaori Koyama)

Shopify PingがアップルのBusiness ChatとApple Payに対応

昨年、ShopifyShopify Pingを導入した。これは販売業者が顧客と直接チャットで話せる、無償のメッセージングプラットフォームだ。米国時間6月26日、同社はShopify Pingが新たにアップルのBusiness Chatに対応することを発表した。

販売業者はアップルのBusiness Chatで顧客とコミュニケーションをとれるが、それだけではない。顧客はチャットクライアントからApple Payを使って抵抗をあまり感じずに直接支払いができるので、最終的に購入に至る可能性が高くなる。ここに真のメリットがある。

この統合を発表した同社のブログには、売上を増やせるだろうと書かれている。「ブランドと会話をした顧客が購入する可能性は3倍近く高い。ライブチャットでブランドと顧客が個人的につながれば、信頼関係が築かれ、その顧客が再び利用してくれる可能性も高い」。

Shopify Pingを利用すると、販売業者はアップルのBusiness Chatの会話をほかのチャットのトラフィックとあわせて1カ所で管理できる。小規模な販売業者でも巨大企業と変わらないリッチなツールを利用して顧客とやりとりし、洗練されたサービスを提供できる。これは資金が潤沢にあるわけではない小さい企業には難しかったことだ。

アップルのBusiness Chatは、メッセージアプリをビジネスで使う方法として企業向けに昨年リリースされた。昨年の発表以来、Business Chatの利用は拡大していて、さらに今回の発表でShopifyの巨大なユーザーベースにアプローチできるようになる。

画像:Tim Robberts / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Shopifyが密かにB2BのeコマースプラットフォームHandshakeを買収

eコマースプラットフォームのShopifyは、小売業者が同社のプラットフォームを通じて売買できるサービスやプロダクトの拡大を続けるために買収をしていた。買収対象となったのは、卸売商品を売る事業所向けのコマースプラットフォームを提供するニューヨークのスタートアップHandshakeだ。Shopifyは短い声明文の中で買収を認めた。

「いまHandshakeはShopifyの一部だ。皆にとってコマースをより良いものにすることに注力するとき、買収はビジネスの常道だと考えている」。Shopifyは買収額を明らかにしなかったが、情報筋によると1億ドル以下とのことだ。

我々はまた、Shopifyが今月初めに社員に買収を知らせたこと、そしてHandshakeのチームがDavid Moellenkamp氏率いるShopifyの大企業向けのサービスShopify Plusの一部として動いていることを知らせるヒントの電子メールも受け取った。実際、HandshakeのLinkedIn上のプロファイルではShopifyに買収されたと書かれていて、Handshakeの創業者でCEOだったGlen Coates氏はいまShopify Plusのプロダクト担当ディレクターという肩書きになっている。

Handshakeはこれまでに約2350万ドルを調達し、PitchBookによると直近のラウンド(2016年に行われた。こちらのHandshakeではないので注意)での評価額は5400万ドル弱だった。投資家にはBoldstart Ventures、Emergence Capital、SoftTech VC、Point Nineなどが含まれる。

Handshakeが明確にとらえ、そしていまShopifyがねらっている機会は、ブランドや商品を卸売で販売する小売にとってのeコマースマーケットの終わりで、おそらくこれは消費者に主眼を置いた小売の強化に伴うものだ。

これは大きなビジネスだ。最近のレポートでは、B2Bのeコマース販売は2018年にはじめて米国だけで1兆ドルを超えた。一般消費者向けの販売と併せて、Handshakeのようなプラットフォームは小売がサードパーティのマーケットプレイスに販売を明け渡すのではなく、こうした販売を直接扱うことを可能にしている。Handshakeの顧客にはBugabooやWilliams-Sonoma、Rolandなどが含まれる。この買収はShopifyにとって絶好のタイミングだ。

数週間前、TechCrunchはMailchimpとShopifyがいかに提携関係を解消したかを報じた。この提携解消後、Mailchimpは顧客のために購入ツールをさらに構築しようと密かにeコマースのスタートアップを買収した。その点で、今回のShopifyの買収は同社がいかにスコープを拡大させるかを強調するものとなっている。たとえ買収によってAlibabaやAmazonなどとの競争に身を置くことになったとしてもだ。

イメージクレジット: alengo

 

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(翻訳:Mizoguchi)

Shopifyが小売向けハードウェアの新ラインアップを発表

Shopifyは実在小売店舗向けに提供しているハードウェアのラインアップを拡充する。

同社はオンラインストアプラットフォームでよく知られているが、実在店舗向けの販売時点情報管理ソフトウェアも提供していて、数年前にクレジットカードリーダーを立ち上げた。そして今回の新ハードウェアには、デザインを一新したTap & Chip Readerと、Dock and Retail Standが含まれ、Shopifyはオフライン店舗向けのより包括的なソリューションをつくった。

プロダクト責任者Craig Miller氏が語ったところによると、Shopifyは業界全体で見られるトレンドをとらえている。このトレンドとは、オンライン小売が転換期を迎え、事業を拡大するための次なるステップはオフラインストアを設置することだと認識することだ。Miller氏は例として寝具や家庭装飾の会社Parachuteを挙げた。Miller氏と彼のチームはParachuteのニューヨーク市にある店舗でハードウェアのデモンストレーションを行なっている。

Shopifyの最大の強みは小売のオンラインとオフラインの事業をつなぐことができること、中でも在庫を1カ所で追跡できたり、客がオンラインで注文した品を店舗でピックアップしたりできることだ、とMiller氏は指摘する。

「消費者の期待はとどまることがない」とMiller氏は語る。そしてこうした種の対応は大きな店舗では可能かもしれない。しかし小規模の小売はそうした企業向けのものにアクセスを持たない。我々はそれらをすべて行えるパッケージをつくることができた」。

ハードウェアそのものについてもう少し紹介しよう。Standではタブレット端末の取り付け、そして充電もできる。また、精算のために回転させて客の方に向けることもできる。一方、Tap & Chip Readerは他の新ハードウェアラインアップと一緒に使えるようデザインが一新され、Dockに取り付けて充電することができるようになっている。

これらハードウェアは精算カウンターの上に置いたり、あるいは店内あちこちで使ったりすることができる。

こうしたハードウェアの使用感はSquareやカードリーダーでの支払いに似ている、と買い物客は感じるかもしれない。Miller氏はSquareについて特に言及しなかったが、この手のプロダクトをつくるのはShopifyが初めてではない、と認識している。

「最初に市場投入したところが必ずしも勝者になるわけではないと、我々は信じている」とMiller氏は語った。「企業として我々は、精算カウンターまわりでさらにニーズがないかどうかなど、いくつかの仮定に挑むため、基本的にマーケットが何を探し求めているか理解するのに時間を費やしたいと考えている」。

新ハードウェアは個別に、あるいは組み合わさった小売キット(229ドル)として販売されている。

イメージクレジット: Shopify

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(翻訳:Mizoguchi)

Shopify:ブラックフライデー・サイバーマンデーの売上が1.7千億円超で過去最高

カナダ発ECプラットフォームShopifyの日本法人

Shopifyによると「売り上げの18.54%は越境ECによるもので、 インターナショナルで販売するサイトへの影響が伺える」とのこと。約175ヵ国の60万以上の企業をサポートし「国内外に関わらずにオンライン販売を手軽に始められる」ことをウリにしているShopifyならではの結果となっているのではないだろうか。

ちなみに、最も売れカテゴリはファッション・アクセサリー関連で、 60万点近くのトップス、 30万点近くのコートとジャケット、 そして20万点の靴がブラックフライデーの金曜日だけで購入された。 今年の傾向として、特に人気が上がったアイテムはブレスレットで、 14万点が購入されたそうだ。

なお、昨年と同様にモバイルでの買い物が大半を占めており、約66%はモバイルによる購入だった。

Shopifyは2017年末に日本市場への参入を果たし、この国でも徐々に存在感を高めつつある。今年の8月にShopify Japan Country Managerのマーク・ワング氏を取材した際には「ドメスティック・グローバルのどちらの販売においても最も優れたプラットフォームになることを目標にしている」と話していた。今後、国内ショップの越境ECがさらに加速することを期待したい。

世界最大ECプラットフォーム「Shopify」、日本向けローカライズを経て“より優れたグローバルプロダクト”へ

Shopify Japan Country Manager マーク・ワング氏

世界175カ国の60万以上の店舗で利用されているカナダ発・世界最大ECプラットフォーム「Shopify」。昨年末に日本市場への参入を果たしてからこの国でも徐々に存在感を高めつつある。現在では靴下専門店「Tabio」や金沢カレーの「ゴーゴーカレー」を含む数千もの国内ショップに利用されるプラットフォームへと成長した同社だが、日本市場のニーズに応えるためのローカライズにはかなり手を焼いていたようだ。

Shopify Japanトップのマーク・ワング氏は「日本は非常に難しいマーケットだ」と述べた一方で「我々をより良いプロダクトへと成長させてくれる」とも語った。日本市場参入後から続けられている徹底したローカライズにより培ったノウハウは、グローバルプロダクトとしての更なる発展にも役立っているのだという。

ワング氏は、J.P. MorganやCitigroup、Global Entrepreneurship Programで企業戦略や起業家支援を担当。2016年にShopifyのHead of Internationalization、2017年に同社のJapan Country Managerに就任した。

TechCrunch Japanはワング氏に、日本市場参入前後からこれまでの経緯や戦略、そして同社が日本EC市場をどう見ているのか、詳しく話を聞いてきたのでその内容を読者の皆さんにも共有したい。

Shopify“日本市場参入”の持つ意味

Shopifyのウリは誰でも「手軽にネットショップをオープンできる利便性」だ。ワング氏はとても丁寧に笑顔で取材に応じてくれた。Shopifyもまた、利用者にとって“技術的に”フレンドリーなプラットフォームだ。

あらゆるショップ運営社がエンジニアやプログラマーを雇わなくても、たとえコードが一行も書けなくてもオンラインストアを開設でき、世界を相手に販売を行える。そのような“簡単さ”は日本市場では特に重宝されるだろう。

総務省が2018年5月25日に発表した「通信利用動向調査」によると、13歳~59歳の年齢層でインターネット利用が9割を超えているが。だが、ワング氏いわく日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、国内リテーラー(小売業者)の若干24%しかオンラインにチャネルを持たない。

だからこそ「日本ではマーチャント(出店者)たちに対し、オンライン販売を開始し利益を向上させるためにサポート・教育の体制を強化する必要がある」とワング氏は語った。

マーク・ワング氏

「(日本では)24%のみがオンライン販売を実施しており、その半分ほどしかグローバルな販売を手がけていない。私たちのプロダクトの特徴は、ショップ開設後すぐにドメスティックおよびグローバルな販売が開始できるという点だ」(ワング氏)

そういった意味で「日本はShopifyにとって重要な市場だ」と同氏は付け加えた。

確かに、Shopifyは150カ国の言語、他国通貨にも対応しているほか、多彩なデザインテンプレートが用意されているので、日本だけでなく海外にも通用するデザインの店舗をすぐに開設することができる。

同社いわく「国内向けと海外向けのECサイトは、偽替・発送・決済の関係から、サイトを個別に構築する必要があった」というが、Shopifyは国内外のECサイトをまとめて管理できる機能を搭載している。

日本市場へ向けた“ローカライズ”

ローカライズと聞くと、言語やカスタマーサービスの対応が真っ先に頭に浮かぶとかもしれない。だが、Shopifyの日本ユーザーに向けたプラットフォームのローカライズについて話を聞いていると、「確かに」と思いクスッとしてしまう細かい部分がいくつかあったので紹介しよう。

日本では海外と違い、会計時に個人情報を入力する際に、ファーストネームではなくラストネームにあたる苗字が先にくる。住所に関しても都道府県、市区町村、町域、丁目番地、建物名、号室、といった順番は海外と逆なので、それに対応する必要があったという。

また、日本ではオンラインショップで会計を済ませている際に郵便番号をもとに住所の大半を自動的に入力してくれるが、これは日本の消費者にとって「必要不可欠なユーザーエクスペリエンスだ」とワング氏は話した。この自動入力は日本に導入後、アメリカでも同じような対応ができるようにしたのだという。細かい部分であるが、こういった部分が世界最大ECプラットフォームをより良いプロダクトへとブラッシュアップしているのだろう。

決済に関しても、日本ではクレジットカードの他にコンビニ決済という独特な方法があるのでそれに対応した。現在、日本でサポートされている主要な決済方法はPayPalやAmazon Pay、コンビニ決済、Shopifyペイメントなど。

2018年5月にローンチしたShopifyペイメントに登録すると、VISA、Mastercard、American Expressからの支払いが直接Shopifyを通して可能となり、他の決済代行のアカウントは不要となる。さらに、Shopify Pay、Google Pay、Apple Payを使用して素早いチェックアウトを顧客に提供できる。ちなみにShopifyペイメントは仲介手数料が0%だ。

ワング氏いわく、今後は「キャリア決済や後払いなどの支払い方法の導入も予定している」とのこと。

ロジスティクスに関しては、2018年7月よりオープンロジとAPI連携。ECサイトと倉庫をシームレスに連携する商品の保管・国内外への発送代⾏サービスを実現した。⽇本国内のみならず海外への発送も取り込みボタン1クリックで簡単に連携できる。

ワング氏いわくShopifyはパートナーやデベロッパーとのコミュニティーやエコシステムの構築を重視しており、「自分たちがベストではない」領域に関してはオープンロジに限らず今後も外部との連携を強化していくという。

また、FacebookやMessengerとの連携に続き、Instagramアプリ内で商品を販売できるように、日本でもニーズが増えているというInstagramショッピング機能との連携を2018年6月にローンチしている。これらのインテグレーションが簡単なのもShopifyの特徴の一つだ。

日本国内競合との差別化、今後の展開

日本には「楽天市場」といったモールがあるほか、ネットショップを無料で簡単に作成でき、ショップ開設数が50万店舗を突破した「BASE」の存在感も増してきている。だが、BASEがフリーミアムモデルを採用している一方、Shopifyはサブスクリプションモデルで利用料金は月額29ドルから。Shopifyには「Basic Shopify」(29ドル)、「Shopify」(79ドル)、「Advanced Shopify」(299ドル)の3つのプランが用意されている。全てのプランにおいて商品数・ファイルストレージは無制限になっている。

米国ではAmazonとも連携をしているということもあり、ワング氏は特に国内の競合を意識していた。Shopifyは利用料金がかかるが「ショップの成長に伴い自由にカスタマイズできる」ことが同プラットフォームの強みだという。Shopifyアプリストアにある2000以上ものアプリを使うことで、ネットショップをさらにカスタマイズすることができる

「私たちは出店者がまだ規模も小さく苦戦している初期の段階から関係を構築し、カスタマイズが必要となる段階に至るまで共に成長していきたいと考えている」(ワング氏)

また、上でも述べた通り、Shopifyはグローバルなショップ展開をサポートする。ワング氏いわく、ユーザーはそれまでドメスティックな販売に特化していたとしても、Shopifyに登録後「存在するとは想像すらしていなかった」海外需要を開拓したりすることもあるそうだ。

同氏は「以前はローカライズに力を入れていた」が「現在はドメスティック・グローバルのどちらの販売においても最も優れたプラットフォームになることを目標にしている」と語った。

グローバルな販売を目指す日本のショップ・オーナーにとって、Shopifyは今後もますます魅力的なECプラットフォームとなっていくだろう。ワング氏は今年中にも大きなニュースをいくつかアナウンスする予定だ、と話していた。

Shopify、世界のブラックフライデー通販の状況を美しいビデオでライブ中継

ブラックフライデーの消費者行動をリアルタイムで見ることは可能だろうか? 上にエンベッドしたライブストリーミングされているビデオでようすを見ることができる。

画面上で点が光るのは販売が行われた場所を示す。そこから伸びる線はその販売業者への消費者の注文がどこから来たかを表している。ご覧のとおり、ブラックフライデーは今やきわめて国際的なイベントになっている。しかしやはりいちばん光っているのは北アメリカだし、買っているのもアメリカの消費者が中心のようだ。

幻想的にさえ見える美しいビデオだが、現実の数字に換算することもできる。Shopifyサイトで表示すると、このプラットフォーム上での販売額が分単位で表示される。この記事の執筆時点で毎分30万ドル以上、注文は毎分3300件程度入っている。

Shopifyではどのカテゴリーの商品が売れているか、どの都市での購入が多いかなどのリストも公開している(やや意外だが、現在はロンドンがトップ)。さらに詳しい情報はBlack Friday/Cyber Monday micrositeで見ることができる。

〔日本版〕リンク先サイトによれば毎分35万ドル、4100件(日本時間午前5時ごろ)を記録している。売れているカテゴリーはアパレルがトップ。この記事の執筆時点ではロンドンは午後3時ごろ、アメリカは早朝ないし午前中、日本は真夜中。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Shopifyのお店が配達に宅配だけでなく郵便(UPS)の特別料金制を選べるようになった

誰でもネットショップを開けるサービスの大手で老舗Shopifyが、UPS(合衆国郵便公社)と提携して、これまで大企業だけの郵便サービスだった特別料金制を、同社のお店(‘マーチャント’と呼ぶ)に提供することになった。お客がそれらのお店で買い物をすると、郵便による配達配送、課金、追跡などが自動的に処理される。

特別料金制の事前指定型国内および国際料金では、翌日航空便や地上便も含めて送料が安くなり、またお客に提供するオプション…配達の早さや料金…をお店が選べる。それはまるで、数量のない数量割引だが、大手eコマースと競合する小規模店には便利なサービスだ。

今この特別料金制が発表される理由は、もうすぐホリデーシーズンだからだ。UPSが送料の特別料金と荷造り素材を提供してくれるだけでなく、今月末までは毎日、配達に関するご相談電話を設ける。

ShopifyのサイトにはUPSのダッシュボードがあるので、各お店はそこで配達オプションを選んで指定できる。Shopifyは宅配のDHL Expressの事前指定型特別料金も提供しており、今回のUPSとの提携で各お店の配達や送料のオプションが増える。またUPSのアクセスポイント(荷物受け取り場所)や日時指定を利用できるようになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Shopify上のネットショップがInstagramのショッピング機能の利用をもっと簡単にセットアップできるようになる

誰でも容易にネットショップを開けるeコマースプラットホームの老舗で大手Shopifyが、Instagramブームに乗り遅れまいとしている。これまでも多様なショップ機能を提供してきた同社は今度、今年のホリデイシーズンに間に合うべく、ユーザーであるお店たちにInstagramの統合を提供する。Shopifyはこれまでも、Facebook MessengerやBuzzfeedなどを統合してユーザー店の販売チャネルを増やしてきたが、今回のInstagram統合もその一環だ。

Instagramのショッピング機能をShopifyは今年に入ってずっとテストしてきたが、今回の本番展開によって多くのユーザー店にその扉が開かれる。Instagramのショッピング機能は売りたい品目にタグを付けておき、それを買いたいと思ったInstagramのユーザーはInstagramの中からそれを売ってるショップに直行して買い物ができる。ShopifyがInstagramを統合したことによって、そのためのセットアップが簡単になり、Shopify上の自分の店から単純にその店の商品として品物をInstagramユーザーに売れるようになる。

Shopifyによると、Instagramは今すでに、Shopify上のお店の来客や売上を“強力に”押し上げている。これからは商品のセットアップを、お店とInstagramを行ったり来たりしなくてもできるから、売上増に大きく貢献するだろう。

今回の展開は数千店に限定するが、それをInstagram統合のテストと見なし、今後はもっとたくさんのお店…数十万店…に提供していく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Shopifyの売上と利益が大幅増、同社上のネットショップは50万店を突破、ユーザーは全世界に広がる

Shopifyが火曜日(米国時間8/1)に報告した2017Q2の決算は、強力な数字が並んでいる: 売上は前年同期比で75%アップ、売上総利益は同じく83%増加した。売上高は1億5170万ドルでウォール街の予想を上回り、同社のサブスクリプションベース(有料会員制)の事業は7160万ドルに成長した。そのプラットホームに新規に会員登録するマーチャントが、記録的な数を数えたためだ。〔マーチャント, merchant, 商業者…Shopfy上でネットショップをやってる人たち。〕

Shopifyのユーザーであるマーチャントの数は、四半期記録としては初めて50万を突破し、ユーザーは世界の175か国に広がる。マーチャントの増加率は2012年以来平均74%を維持し、これら全マーチャントのこれまでの累計売上は400億ドルに達する。

Q2の新規登録ユーザーの地域別分類を見ると、複数の市場で大きく伸びており、北米地区56%、アジア82%、南アメリカ168%、アフリカ70%の増となった。マーチャント数(ショップ数)は50万だが、同社のショップ管理ソフトウェアのこれまでの累計ユーザー数は120万に達する。

Shopifyに店開きしているショップからの購入者は過去12か月で1億3100万人、昨年のブラックフライデーとサイバーマンデーには、同社プラットホーム上のマーチャントは全体で毎分10万ドルの売上を計上した。

Shopifyは今期、クレジットカードリーダーChip and Swipe Readerの一般配布を開始した。まだ入手していないマーチャントは無料で入手できる。また同社のCFO Russ Jonesが、新任の確保を条件に引退の意思を表明した。新任は来年中には見つかる、と同社は予想している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Shopifyの仮想ショップアシスタントKitが完全無料化、どのお店でも各種スキルを利用できる

誰でもネットショップを開けるサービスShopifyが、昨年買収した仮想アシスタントKitを全会員無料にし、その機能を、同社の‘誰もが商店主になれる’サービスの基本部分にした。それまで有料だったサービスが無料になることによって、そのカバー範囲が広がり、またShopifyのユーザーのためにできること…Kitの‘スキル’…も多様化するだろう。

Kitは、Shopify上の商店主たちのための“仮想社員”だ、と言われる。彼(彼女?)はご主人のお店に接続し、Facebookなどいろんなところにいる顧客に対応して、お店の内向きと外向き両方の雑務やマーケティングの管理を取り扱う。この仮想アシスタントにはスキルのライブラリがあり、在庫管理や、Facebook上の広告の動的調整、新しい顧客にメールを送る、ご主人のお店のさまざまな側面について報告をする、などのスキルがすでにある。そしてこれらのコントロールはすべて、Facebook MessengerやTelegram、SMSなどの対話的なインタフェイスから行える。

Shopifyによると、Kitはすでに広く採用されていて、これまでに800%増加した。またFacebookの広告からの来店は、Kitがある場合とない場合で5倍の差がある。無料になったからには、もっと多くのお店に採用してほしい、と同社は願っている。

Kitの協同ファウンダーMichael Perryによると、“ShopifyがKitに目をつけて買収しようとしたとき、われわれの眼前にあった実におもしろい課題は、‘誰かがお店を開くのを助けるのはよいけど、そこの最初の社員を5分以内に確保するにはどうするか?’だった”。彼の言うには、無料にしたのもShopifyの本来のミッションにKitが貢献できるためだ。“これはきわめて、ミッション意識に駆られての意思決定だ。われわれにも、Kitを単独で売り物にする気はまったくない”。

むしろKitが目を向けるのは、スキルのマーケットプレースSkillsで、そこを収益源にしたい。しかしその中心的な機能は無料にして、誰もが使えるようにする。現時点でスキルは20あるが、2018年にはスキルライブラリの拡大が同社の最大の課題の一つになる、とPerryは語った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

簡単気軽にフラッシュセールをやれるアプリFrenzyがShopifyから登場、そのバックエンドはもちろんShopifyだ

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ShopifyのGarageグループは同社の製品開発部門みたいなところで、今日(米国時間11/22)は新しいアプリFrenzyをローンチする。それはGrouponで有名になったフラッシュセールのアプリで、ホリデイシーズンの中でもとくに消費が集中する感謝祭にタイミングを合わせている。数を限定したセール、いわゆるlimited-release salesが最近また人気で、Yeezyのくじ引き方式は至るところでヒットしているし、Snapchatは品切れになりそうなSpectacleの自販機Snapbotを地図の上に点描している。そこでFrenzyは、人びとが、あわただしく、競争的に、あちこちでちょこっとずつお金を使うことに熱心な時期に、自分も参戦したのだ。

Frenzyは、売り手にも大きな期待感を抱かせる。消費者が買いやすいことはApple Pay並だ(あれは危険なほど使いやすい)。Frenzyのバックエンドは当然ながらeコマースプラットホームとして歴史と伝統のあるShopifyだから、わずか5分間に大量の消費者が特定の品に殺到しても、クラッシュしないだろう。〔Shopify ≒ ‘あなたもお店を開きましょう’〕

Frenzyアプリを動かすためには、売り出し企画を行うパートナーのリテイラーと協力ブランドが要る。ひとつの場所である程度の顧客ベースをカバーするから、高級専門店の品をいろいろ探している消費者や、ヘリコプターのチャーター便などのケースで便利だろう。

ぼくも熱狂的なフラッシュセールの買い物に参加して注文したことが一二度あるけど、このアプリは、いろんなことがすっきりできそうだ。買えるか買えないか心配のあまり、いらいらしてしまう買い手にも、不満感を与えないだろう。閲覧してからチェックアウトまで、わずか数タップだ。商品は大きな見やすい画像で表示される。

Frenzyの最初のセールは明日(米国時間11/23)の午後、アパレルと靴のKithで始まる。そのあと、Love Your Melon, Raised by Wolves, Off the Hookなどが週末にかけてフラッシュセールをやる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))