IBM Watson Healthと復員軍人省が退役軍人のがん治療でパートナーシップ

IBMのWatson Healthと復員軍人省が今日(米国時間7/19)、Watsonの人工知能を使って末期がんの退役軍人を支援する共同事業を今後も継続する、と発表した

Watsonは一般的には、ゲームのJeopardy!人間に勝ったことぐらいしか知られていないが、2016年にはオバマ政権の全米がん撲滅運動に従って、復員軍人省の精密腫瘍学プログラムに参加した。Watsonと省の腫瘍学者たちは、患者が提供した腫瘍の標本を分析し、がんのゲノムの突然変異を探究した。そのとき得た情報により、患者別の投薬や治療の方針をより精密にすることができた。

両者のパートナーシップが始まったときには2700名あまりの退役軍人を研究と治療の対象にできたが、今日の発表では省の腫瘍学者たちが少なくとも2019年までWatsonのゲノム研究技術を利用できることになった。

IBM Watson HealthのトップKyu Rhee博士はこう語る: “膨大な量の医学情報と具体的な個人のがんの突然変異を正しく関連付けることは、きわめて困難である。その意味でAIは、精密腫瘍学の対象規模を大きくすることに、重要な貢献をしてくれる。とくに復員軍人省とのパートナーシップは、アメリカで最大の総合的ヘルスシステムになる”。

2016年にこのパートナーシップが始まる前には、IBMはWatsonを、20以上のがん治療/研究機関で訓練した。そしてその初期の結果に基づき、科学者と医師によるチームが意思決定を行った。

2年間の訓練でAIに医学の学位を与えることはできないが、Watsonが人間のプロフェッショナルよりも得意なのは、データの消費だ。全米がん研究所のデータによると、アメリカのがん患者の3.5%が退役軍人と言われるだけに、大量のデータから情報を取り出す能力はきわめて重要だ。がん患者は年々増えており、2018年には新たにがんを診療した患者が170万名あまりに達した。

これだけの患者に適切な治療と処置を提供していくことは、多くの意味で数との勝負だ。そして数こそが、Watsonが得意技を生かせる領域だ。

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IBMとSalesforceがパートナーシップを締結 ― WatsonとEinsteinによる統合サービスを提供

人工知能の分野で先行する2社が手を組んだ。IBMとSalesforceがパートナーシップ締結を発表したのだ。

このパートナーシップにより、IBMはEinsteinとWatsonの両方を通じて同社のコンサルティングサービスを売り込むことができる。

今後、Watsonのビジネスから得たノウハウが直接SalesforceのIntelligent Customer Successプラットフォームにもたらされることになる。Einsteinがもつカスタマーリレーションシップのデータと、Watsonがもつ天気、ヘルスケア、金融、リテール分野の構造化/非構造化データが組み合わさるかたちだ。

「今後数年のうちに、私たちはAIや認識技術の手を借りて主要な意思決定 ― 個人、ビジネスを問わず ― を行うことになるでしょう」とIBM最高経営責任者のジニ・ロメティー氏は語る。

ロメティー氏によれば、Watsonに「触れた」ユーザーは10億人にものぼる ― 腫瘍学などの医療分野、リテール分野、税務分野、クルマ分野など、その入り口はさまざまだ(この数字に広告分野が含まれているかどうかは定かではない。たぶんそうだろうが、、、IBMはWatosonを頻繁に宣伝している)。

「EinsteinとWatsonのコンビネーションによって、ビジネスがよりスマートになり、私たちの顧客も恩恵を受けることができます」とSalesforce最高経営責任者のMarc Benioff氏は話す。「IBMと手を組むことができ、とても興奮しています ― これほどまでにSalesforceのコアバリューと共通した理念をもつ企業は、IBMの他にありません。両社にとってベストなパートナーシップだと言えます」。

Benioff氏の話は多少誇張されている部分もあるが、この2つの企業が手を組んだことによって奇妙なパートナーシップが出来上がったことは紛れもない事実だ。両社が展開する知能プロダクトがどのレベルまで統合されていくのか、そして彼らがどの程度手を取り合うのかは、まだ明らかにされていない。

両社の発表によれば、今後彼らはAPIを利用してWatsonとEinsteinの統合を進めていくという。彼らが例としてあげた用途として、Einsteinがもつ顧客データとWatsonがもつ天気データやリテール業界のデータを組み合わせることで、顧客にEメールキャンペーンをうつというものがある。

まさしく、天気データの統合はこのパートナーシップのなかで最も重要な要素だといえる。IBM傘下のWeather CompanyのサービスがSalesforceのアプリマーケットプレイス「AppExchange」に加えられるのだ。これにより、顧客に天気情報をもとにしたアップデートを提供することができるようになる。

最も重要なのは、WatsonとEinsteinを統合した機能の導入を支援するサポートチームをIBM傘下のコンサルティング企業「Bluewolf」が組織するという点だろう。両社の統合サービスは3月末から利用可能になる予定だが、すべての機能が利用できるようになるのは今年後半になる見込みだ。

この件についてSalesforceとIBMからコメントを入手することはできなかった。

AIに投資しないリスクを怖れよう

NEW YORK CITY, NY- MAY 27: IBM Watson's computer housing case.

IBM's Watson computer is best known for winning Jeopardy, unaware of time constraints, while playing against humans. Some of Watson's other features are based in problem solving across many different careers. A demonstration showed how quickly Watson is able to diagnose illnesses, and provided a real life case that took doctors and nurses six days to diagnose, and only ended with the correct diagnosis because a nurse had seen the disease before. Based on symptoms input, Watson was able to correctly diagnose in minutes. The demonstration took place at IBM Watson's New York City, New York office on May 27, 2015. (Photo by Andrew Spear for The Washington Post via Getty Images.)

【編集部注】著者のKR Sanjiv氏はWiproのCTO。

今後10〜20年間で人工知能がどのように変化するかを予測することは難しい。しかしそこには沢山のことが待ち構えている。2018年までに、ロボットが監督する労働者は300万人以上になるだろう;2020年までには、スマートマシンは3割以上のCIOにとってトッププライオリティの投資対象になる。

ジャーナリズムから顧客サービスといった様々なものが既にAIによって置き換えられつつある。それは徐々に人間の経験と能力を置き換えつつあるのだ。かつて技術の将来と見られていたことがすでにここにある、そして残された唯一の質問は、それはどのようにマスマーケットに展開してくのかということだ。

時間が経つにつれて、現在AIの先進性を活用している産業から徐々に収集されている洞察 ‐ そしてそれに伴う技術の革新 ‐ が、アプリケーションの成長の中でAIをより堅牢で便利なものとして行くだろう。AIに多額の投資をする余裕がある組織は今、さらに追随するための勢いを増している最中だ;AIで自身を活かせる場所をみつけることのできない組織は取り残される虞がある。

リスク vs 利益

ビジネスに対するAIアプリケーションのリスクが、利益よりも大きいかどうか(あるいはその逆なのか)を予測することは不可能だと主張する者も居る一方で、アナリストたちは2020年までに、すべての経済取引の5パーセントが自律ソフトウェアエージェントによって取り扱われると予想している。

AI未来は、思い切った投資に踏み切り、例えそれが挑戦であろうとも、テクノロジーを研究し、継続的開発に資金を提供する企業の肩にかかっている。それを偶然行ってしまう者もいる、例えば6年に渡ってあるプログラマーに合計50万ドル以上を払って、そのプログラマーが自分の仕事を自動化していたことを知っただけの企業のように。

AIの進歩の多くは軍事から来ている。米国政府が次年度のために要求したドローンの予算は46億ドルに上っている。現在フィールドで使用されている、人間によって操縦されるドローンを、人間の介在なしに飛行できるようなものに置き換えることが狙いだ。AIドローンは、単に目的地を指定してやればよく、防空設備をかわしながら自身の目的地に到達することができる。とはいえ任意の致死攻撃決定はまだ人間の目によって行われる。

広く受け容れられている考え方は、堅実にやることで得られる利益よりも、取り残されて直面するリスクの方が遥かに大きいということだ。

学術面では、マサチューセッツ工科大学とオックスフォード大学といった研究機関は、人間の脳をマッピングしそれをエミュレートしようと日夜努力を重ねている。ここには2つの異なる経路が存在している ‐ 人間の脳の複雑さを再現するAIを作成するやりかたと、実際の人間の脳をエミュレートするやりかただ。これには沢山の倫理的な問題や懸念がまとわり付いている。例えばAIはどのような権利を持っているのだろうか?そしてあなたが愛する(エミュレートされている)人を収容しているサーバーがシャットダウンされたら何が起きるのだろうか?

これらの質問へは未回答のままだが、最終的には、全産業に対するAIシステムの実証済みの利便性が、全ての経済部門の主要なプレイヤーたちに、それと連携をするように拍車をかけるだろう。現在の情報技術が既存のすべての産業に実質的に不可欠であることと同様に、人工知能もそうなって行くことは誰の目にも明らかである。

計算の未来

これまでは、AIは主に特定の機能を果すための、事前にプログラムされたツールを作り上げるために使われてきた。これらは、著しく固定化されたものだった。こうした種類のAIベースのコンピューティング戦略が一般的になっている。だが未来AIは、真の意味での学習に依存することになる。言い換えれば、AIは、もはや何をしろと言われているかを理解するために、直接コマンドを与えられることに頼る必要はなくなるのだ。

現在私たちは、自動認識と学習に依存するGPSシステムや、発話を解釈するモバイルデバイス、そして私たちの意図を解釈することを学ぶ検索エンジンを利用している。とりわけプログラミングでの、AIにおける次のステップは、GoogleのDeepMindやIBMのWatsonのような進展をもたらすものになる。

DeepMindは知識ではプログラムされていない – 与えられたタスクのための手作りのプログラムまたは特定のモジュールは存在していないのだ。DeepMindは自動的に学習するようにデザインされている。システムは、最終結果に創発特性が得られるように、特に汎用性を目指して作られている。グランドマスターレベルの囲碁プレイヤーを倒せるようなソフトウェアをプログラムできる能力のような、こうした創発特性は、DeepMindがそうするようにプログラムした人が誰もいないということを知れば、さらに計り知れない深い印象として受け止められることだろう。

伝統的なAIは、対象分野が狭くそして知識を得るようにプログラムされたことだけを行うことができるが、Olli(Watsonによって支えられた自動運転車)は、モニタリングと乗客との相互作用から学習を行う。新たな乗客が推奨観光スポットを訊ねたり、目的地を明示的に指示したりするたびに、その情報は記憶され、次の人のために使われる。新しいセンサーが常に追加され、車自身が(人間のドライバーのように)仕事をするにつれ、継続的に、よりインテリジェントになって行く。

しかし、これらのAIシステムは、Googleのような企業が彼らに本当にやって欲しいと思うことを行うことができるのだろうか。例えば既存のリコメンデーションソフトウェアよりも優れている消費者の購買動向に関する予想などを?あるいは過去のパターンに関連付けることによって、動的にサプライチェーンの取引を最適化することなどを?そうしたところこそが、本当にお金のある場所なのだ。そしてそれらはゲームをしたり、運転したり、繰り返しタスクを行うよりもずっと複雑な問題なのである。

様々なAIプラットフォームの現在の実証例 – たとえばファッションの間違いを見つけたり、健康上の問題を予測するといったこと – は、明らかにAIが拡大していることを示しており、上に挙げたより複雑なタスクも、近い将来に現実のものとなるだろう。

程なく、AIは複雑な人間の意思決定プロセス、例えば投資アドバイスを与えるとか、患者に処方箋を提供するといったことなどを模倣できるようになるだろう。実際には、真の意味での学習による継続的改善によって、1次対応とより危険な仕事(トラックの運転のような)は完全にロボットによって引き継がれて、同じビジネスプロセスを繰り返す代わりに、問題解決のために人間が時間を使えるようになる新しい産業革命へと繋がって行くだろう。

AIへ投資しない代償

投資の利益とリスクは、漠然としていて、不確実で、推測の域を出ないものだ。ビジネスにおいて新しいもの全てに共通する、1つの良く知られたリスクは、不確実性そのものである。だからリスクは主に、誤った投資の形でやってくる、これは金融の世界では特に珍しい話ではない。

だから他の奇妙で新しいすべてのものに対する場合と同様に、ここで広く受け容れられている考え方は、堅実にやることで得られる利益よりも、取り残されて直面するリスクの方が遥かに大きいということなのだ。

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(翻訳:Sako)

IBMのWatsonが作った人工知能映画(Morgan)の予告編ムービー

新しいもの好きなので、ハードルが低くなっていることはあるだろう。しかしこの予告編映画を人工知能が作り出したときくと、いろいろな意味でぞっとさせられる。予告編制作の対象となったのが、人工生命体を扱う映画であるのも「ぴったり」の感じだ。映画はまもなく公開されるSFスリラーの「モーガン」(Morgan)だ。創造者に反抗するAIを描いた映画の予告編を、AIが生み出すというのも興味深い。

Watsonも我々とともにあり!

ちなみにWatsonは、ホラー映画の予告編100本を分析して、ビジュアルおよびオーディオ的な特徴を見つけ出したのだそうだ。そして今回の予告編ムービーに結実させたというわけだ。背景に流れる音楽や、セリフのトーンに着目して、映画全体から予告編にふさわしいシーンを抜き出して制作したのだとのこと。

ともかく、人工知能によって制作された映画よりも、はるかにレベルの高い作品に仕上がっているように思う。

Via Engadget

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(翻訳:Maeda, H

大統領候補は誰がいい? IBMのWatson Electionsがあなたの気分に基づいて決めてくれる

ここまでの大統領選レースに悲しみ、怒り、喜び、混乱しているあなた。もし、誰に投票すべきか本当に迷っているなら、IBMが教えてくれるかもしれない。あなたの気分に応じて。

Watson Electionsは、IBMのスーパーコンピューターにとって驚くほど稀政治関連アプリケーションの一つで、あたなの気に一番合った候補者を選んでくれる。今日(米国時間5/8) ニューヨークのブルックリンで行われたTechCrunch Disruptハッカソンのステージでデビューを飾った。

もしあなたが今、怒ってむかついているなら、ドナルド・トランプがいいだろう。怒りがやや少なく、ただ悲しいだけなら、バーナー・サンダースがぴったりだ。

もちろん、今が本当に幸せな人にも、トランプは期待に答えてくれる。

Watson Electionsは、自然言語処理を利用して、各候補者が報道で語った言葉に基づいて彼らの全体的ムードを判断する。例えば、ヒラリー・クリントンはあらゆる感情表現が低く、これは彼女の中立的な言葉のためだ。

IBMの研究者、Nikos AnerousisとJinho Hwangのふたりは、ハッカソンで徹夜した後にこのアプリケーションを完成させた。

彼らは、あといくつかアプリに機能を追加したいと私に言った。その一つは、候補者が嘘をついているかどうか。あるいは、有権者の感情に基づいて、最終的に誰が当選するかを予測すること。

アプリが有効かどうかを確認するためには、まだ多くの仕事が残っている。なにしろ、一晩でひねりだされたプログラムだ。

「こうしたモデルに必要なのは、正確なトレーニングセットだ。結果を検証し、何が正しいかを確認する必要がある」とAnerousisは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IBMのワトソンは、当分人間に取って代わらない

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IBMの人工知能システム「ワトソン」が驚くべきテクノロジーの結晶であることに疑いはない。それは構造化されていない膨大なデジタルデータを検索し、際立った速さで答えを見つけ出す。しかし、人間を置き換えることは当分なさそうだ。IBMでワトソンチームを率いるJohn Kelly博士が今日(米国時間9/21)、本誌のAlex WilhemにサンフランシスコのTechCrunch Disruptで語った。

むしろこのシステムは人間を補強し、より良い決定を下す手助けをすると彼は言った。

ワトソンの純粋な知識力を披露するために、インタビューはデモから始まった。Wilhelmは、オンライン百科事典Wikipediaの正確性を尋ねる一連の質問を選んだ。わずか数秒後、ワトソンはWikipediaの全項目を精査して信頼性ある情報源であるかどうかを判定した。証拠内容を確認した後、ワトソンはWikipediaが実際に正確な情報源であるという決断を下した。

この種の能力に、スタートレックから飛び出してきたコンピューター合成音声応答を組み合わせたものは、12〜18ヶ月のうちに開発者向けに提供されるとKellyは言った。

ワトソンと聞いておそらく誰もが思い出すのは、クイズJeopardyの歴代チャンピオンたちを倒した時のことだろうが、今のワトソンはもっとはるかにすごい。Kellyによると、彼らがJeorpardy向けにシステムを作ったときは純粋に質問と答のエンジンだった。

今やワトソンは、Wikipediaデモで見せたようにあらゆるデータを消化しどんな大きな情報源でも取り組む。例えば、ある病気に関する入手可能な全文献を評価し、医師らと協議して最適な治療方法を見つけることもできる。これは、機械が医者に取って代わるのではなく、医者が正しい決定を下すのを手助けするものだ。

ワトソンはあなたのお役にたちます

IBMが2011年にあのJeopardy!出演に向けてワトソンを開発した時、それはハードウェアとソフトウェアの強力な組み合わせだった。今同社はその機械生成された全知能を元に、開発者向けに一連のサービスを作りあげた。

Kellyいわく、ワトソンボックスを作ることもできたが、クラウドに置きAPIを通じて利用できるようにすることが、このテクノロジーを広める最適な方法だと考えたという。

「ワトソンは、一つの物ではなく、様々な統計学習エンジン群の集合だと考えて欲しい」とKellyは言った。「面白いことに、あまりに強力なので売り込む必要がない」。開発者が使いたくなることは間違いない。

つい昨日、TechCrunch Disrupt ハッカソンで複数のチームがワトソンのツールを使ってハック作品を作り、その中には人工知能ニュース発見アプリのKnoもあった。

Kellyは、会社が未だに過去の重苦しい「ビッグブルー」のイメージを脱却し、開発者や投資家をワトソンプラットフォームに引きつけようとしていることを認めた。開発者の数が飛躍的に増えている一方、未だにシリコンバレーのコミューニティーを取り込めていないと彼は言う。Kellyはそれを改善するための取り組みを進めていることを示唆した。

システムは膨大な能力を有している。課題は、特定のヒジネス問題に焦点を絞ることで、同社はWatson HealthおよびWatson Financeで具体的な業界の問題にソリューションを提供しようとしている。

いずれにせよ、システムを支える技術的基盤のすごさに疑う余地はない。

「これは生まれたばかりのテクノロジーだ。これから世界を変えていこうとしている。偏見なく不完全な情報を使うことなく決断を下すところを想像して欲しい」とKellyは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SoftBankとIBMが協力してWatsonに日本語を教える…その全サービスとAPIを日本語化へ

IBMの人工知能システムWatsonは、テレビのクイズ番組で優勝し、ヘルスケアのデータ分析で活躍し、ビッグデータの啓蒙に貢献しただけでは物足りないのか、今度は日本語の勉強に挑戦している。

IBMと東京の通信大手でそのほかいろいろ複合企業で投資家でもあるSoftBankが今日、二社の協力でWatsonに日本語を教える、と発表した。IBMによると、Watsonは今後スペイン語やポルトガル語も勉強するそうだから、彼の言語能力を多国籍化することによって、このスーパーコンピュータくんが動かすいろんなサービスの市場を広げることを期待しているのだ。

Watsonが日本語をおぼえたら、IBMとSoftBank(SprintとYahoo! JapanのオーナーでありAlibabaの上位投資家の一つ)はその製品を日本の教育、銀行、ヘルスケア、保険、小売業などの業界に売っていくつもりだ。今日発表された声明によると、両社はWatsonのDeep QA技術に関するコラボレーションを開始しており、その技術はすでに3年前から、自然言語(ふつうの人がふつうに話す言葉)による質問を理解して人間が理解できる答を出力できるようになっている。

しかしWatsonはお金儲けが上手でないからIBMは、Watson Groupに10億ドルあまりを投資して、このスーパーコンピュータくんの能力を一層商用化するためのソフトウェアの開発を行う、と1年前に発表している。IBMのCEO Virginia Romettyは2013年の10月に、今後10年以内にWatsonコンピュータ関連の年商を100億ドルにまで持って行きたい、と言っている。

IBMはWatsonに日本語を教えるだけではなく、日本語にローカライズされたAPIも今後提供して行く。たぶんもっとおもしろいのは、Watsonの技術が人型ロボットPepperに統合されることだろう。それはAldebaranがSoftBankのために開発した、ヒトの感情を理解するロボットだ。

ここで想像の羽根を思い切り広げてみるなら、WatsonとPepperのあいだに生まれた彼らの愛児たちが、SoftBankが投資したタクシーアプリのすべての車を運転するのかもしれない。Uberも、うかうかしてらんないね!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今週のまとめ―iPhone 6はカメラがすごい、Amazonは新Kindle発表、IBMのWatson、いよいよ商用化

新iPhoneはカメラがすごい

先週発表されたiPhone 6/6 Plusは24時間で400万台予約受付と大人気だ。インターネットは新しいiPhoneのファーストインプレッションで花盛りだが、TechCrunch記事で反響があったのはEtherington記者のiPhone 6のカメラはやはりすごい―とうとうコンデジを捨てる決心がついたという記事だった。カメラ・フリークを自認し、自ら記事のフォトグラファーも勤めるEtherington記者は私生活でもコンデジを離さない。しかしiPhone 6をじっくり使った結論は、「これは普段使いのメインカメラになる」だった。

しかしiPhone 6/6 Plusを実際に使ってみて、低光量での写真が十分以上に使いものになることがわかった。もちろんデスクトップ・パソコンの大画面で表示すればノイズが目立つし、周辺の解像度も甘い。しかしiPhone自体のディスプレイで見た場合はすばらしくきれいだし、Facebook、 Twitter、Instagramに投稿した場合も十分な画質だ。

特に低光量で十分が画質が得られる点が決めてになったようだ。たしかにこの作例を見ても納得できる。



暗いシーンではさすがに粒子がやや荒れるが、光が十分回っていれば、犬の毛並みもはっきり写るし、花の背景もきれいにボケている。

新しいiPhoneの解像度と画質は、普通の人間の98%のユースケースで十分以上のものがある―いや、私のようなカメラ・フリークにとってさえ十分だ。コンパクト・デジタルカメラにまだ居場所があるという幻想は最終的に消えていこうとしている。

というのがEtherington記者の宣告だ。


コンパクト・デジタルカメラ、いわゆるコンデジはここ数年、スマートフォンのカメラの進化に正確に反比例して売上を落としてきた。CIPA(カメラ映像機器工業会)によると、2014年のデジタルカメラの販売台数は5000万台という予測で、2010年の1億2000万台から60%の急減だ。

この減少の大部分はコンデジによるものだ。キヤノン、ニコン、ソニーのトップ3社の場合は半減程度だが、下位メーカー中には90%減という壊滅的な例もある。iPhone 6/6 Plusのカメラがこれだけ進歩すればAndroid機も当然対抗してカメラに力を入れてくる。Panasonicは高機能コンデジにスマートフォン機能をもたせたカメラフォンMC-CM1を発表した。その意欲は買えるが、ニッチ製品という印象は免れない。来年はコンデジ市場の消滅がますます加速することは間違いない。日本の下位カメラメーカーから脱落者が出ることになるかもしれない。

iOS 8―キーボードが大人気、日本ではiOS版ATOKが登場

iOS 8のアップデート内容のまとめはiOS 8レビュー:洗練されてユーザー体験は大きく進化―制限緩和はデベロッパーのチャンスを参照。メッセージ、写真、QuickType、サードパーティー・キーボード、ヘルスケア、ファミリー共有、iCloud Drive、連携、通知と拡張、音声認識などカテゴリーごとに要点がまとめてある。アメリカではiOS 8がリリースされてからのApple App Storeの上位はキーボードアプリが占拠しているという

Swypeはキーボードに指を滑らせることで入力され、予測変換によって高い確率で正しい候補が表示される。Swiftkeyも予測変換の精度が売りだ。いずれもAndroidで人気の高いアプリだった。もちろんこれらはいずれも英語入力用だ。日本ではジャストシステムがATOKのiOS 8版を開発中だと告知しているが、詳しいことは明らかになっていないアップデート:ATOK for iOSはこちらから購入できる。料金は1500円。

Amazon、プレミアムeブックリーダー、Kindle Voyageを発表

Appleが新iPhoneを発表した直後にAmazonも新しいデバイスをリリースした。出荷は10月中の予定で、クリスマス商戦に十分間に合う。新製品はe-inkタブレットの新しいKindleとKindle Voyage、タブレットのFire HD 6、HD 7、8.9インチディスプレイとKitKatベースのFire OS 4.0を搭載したFire HDX 8.9、それに子供向けにペアレンタル・コントロールや丈夫なケースを備えたFire for Kidsだ。日本のAmazonサイトではFire for Kids以外の5モデルについて予約受け付け中

クイズ王を破ったIBMの人工知能、Watsonで誰でもビッグデータ解析ができる

アメリカの人気クイズ番組『ジェパディー』で人間のチャンピオン2人を打ち破った人工知能としてあまりにも有名なWatson人工知能の商用利用がいよいよ始まった。 IBM、Watson Analyticsを発表―Watson人工知能が万人にビッグデータ解析能力を与えるという記事によると、Watson Analyticsという新しいプロダクトは一般のビジネス・ユーザーに高度なビッグデータ解析能力を与えるという。

ユーザーは既存のビッグデータ、たとえばSalesforce.comのCRMデータなどをそのままインポートして利用できる。このサービスにはポピュラーなビジネス・ツールによって生成されるデータをインポートするためのコネクター・ツールが用意されており、データをセットすれば、ユーザーは思いつくままに自然言語で次々に質問をすることができる。またサービスにバンドルされているストーリー・テンプレートを利用して標準的な統計分析を行うこともできるという。IBMではこれまでデータサイエンティストとビッグデータ処理に通じたエンジニアのチームがなければ不可能だった高度、大規模な処理が誰でもできるようになるとしている。しかもベーシック版は料金無料というフリーミアム・モデルだ。

「このミステリー作家とその夫はシリアの古代都市ウルケシュの発掘を試みました」という質問に即座に「アガサ・クリスティー」と答える(ビデオの0:41あたり)ことができるWatsonがさまざまな知的専門分野に進出してくることを考えると、いささか不気味なものがある。

滑川海彦@Facebook Google+


IBM、Watson Analyticsを発表―Watson人工知能が万人にビッグデータ解析能力を与える

今日(米国時間9/16)、IBMは一般のビジネス・ユーザーに高度なビッグデータ解析能力を与えるWatson Analyticsという新しいプロダクトを発表した。

Watson Analyticsはクラウド・サービスで、データの収集、チェック、解析、ビジュアル化、共同作業のためのコミュニケーション・ダッシュボードなどビッグデータ処理に必要な作業はすべてクラウドで行われる。Watsonといえば、誰もが知るとおり、人気クイズ番組『ジェパディー』で人間のチャンピオン2人を打ち破った人工知能としてあまりにも有名だ。

IBMのビジネス分析事業グローバル・マーケティング担当副社長、Eric Sallは「単にブランドイメージのためにWatsonの名前を付けたわけではない」と強調する。Sallによれば、このプロダクトの特長はビッグデータに対して自然言語で分析、加工処理を行えることで、これにはまさにWatsonの人工知能テクノロジーが用いられているのだという。

Sallは「Watson Anlyticsの目的は、一般のビジネス・ユーザーに強力なビッグデータ解析能力を与えることにある。適切な意思決定のためにビッグデータを利用しなければならないことはだれでも知っている。だが、これまでそれができるのはごく一部の高度な知識とコンピューティングのインフラを持つユーザーに限られていた」と述べた。

現在、ビッグデータ解析には強力なコンピュータ資源、データサイエンティストとデベロッパーのチームが必要とされる。中でも後者を確保することは難事業だ。Sallは「このためにビッグデータ解析の結果を得るまでに、往々にして何日も、あるいは何週間もかかる。 今日のビジネスの厳しい競争環境からみてこのような遅れは許されない。また意思決定を行う人々が他のチームにいちいち処理をお願いするようではいけない」という。

Watson Analyticsはこうした障害を一挙に克服することを目指している。まずクラウド・サービスであるから、コンピューティングのインフラについて心配する必要はない。次にユーザーの望むデータ解析を自然言語で受け付けるのでデータサイエンティストもプログラマーも必要としない。

ユーザーは既存のデータ、たとえばSalesforce.comのCRMデータなどをそのままインポートして利用できる。Sallによれば、このサービスにはポピュラーなビジネス・ツールによって生成されるデータをインポートするためのコネクター・ツールが用意されているという。データをセットすれば、ユーザーは思いついた質問を次々にぶつけていくこともできるし、サービスにバンドルされているストーリー・テンプレートを利用して標準的な統計分析を行うこともできる。

もし営業データを扱っているのなら、テンプレートから標準的な分析を行うのが有効だろう。しかし、その過程でユーザーが何かを思いつけば、自由に質問することができる。Watsonは質問を理解して直ちに答えを出してくれる。Sallによれば「問題は多くのビジネス・ユーザーがビッグデータ解析の専門知識や経験に乏しいため、そもそもどんな質問をするべきなのかよく理解していないという点だ。テンプレートはこのような場合に解析を進めるための糸口として大いに役立つ」と述べた。

さらにWatson Analyticsのベーシック版はIBM Cloud Marketplaceから無期限に無料で提供される。 Sallは「ユーザーがこのサービスを利用する際の敷居を下げるために無料版を提供することにした。無料版も極めて高度な能力を持っている」と述べた。

有料のプレミアム版には、大容量ストレージや企業内データベースのデータに直接アクセスするためのコネクター、さらに高度な分析能力などの追加機能が加わる。

Sallは「これまでわれわれは紺のスーツを着たセールス部隊がCIO始めIT部門の専門家にプロダクトを売り込んでいた。一般ビジネス・ユーザーを直接のターゲットとするWatson Analyticsはわれわれにとって大きな戦略の変更だ。こうしたエンドユーザー向けプロダクトを急速に普及させるにはフリーミアム・モデルが適していると判断した」という。

Watson Analyticsにかぎらず、最近のIBMのエンタープライズ・クラウド戦略自体が、IBMが2013年に買収したインフラのプロバイダー.、Softlayerのプラットフォームを利用したプロダクトのデジタルマーケットを中心に据えるようになっている。またBluemix Platformを通じて、将来はサードパーティーのデベロッパーがWatson Analyticsをプロダクトに組み込むことが可能になる。

Watson Analyticsは今月虫にベータテストが開始され、年末には一般公開される予定だ。クラウドサービスであるので、デスクトップ、タブレット、スマートフォンなどさまざまなデバイスから利用が可能だ。しかしまだ専用のアプリは登場していない。

画像: Flickr USER ibmphoto24 UNDER CC BY-NC-ND 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+