YouTubeが右翼チャンネルOANを利用一時停止と広告非掲載に、新型コロナ誤情報動画が理由

YouTube(ユーチューブ)は米国時間11月24日、右翼ケーブルチャンネルのOne America News Network(OANまたはOANN)の利用を一時停止(Axios記事)したことを正式に認めた。処分はYouTubeが規定している「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の医学的に誤った情報に関するポリシー」に違反したことが理由。この結果OANは今後1週間新たな動画の投稿が禁止され、既存の動画は期間中収益がなくなる。

Google(グーグル)傘下の動画サービスは以下の声明をTechCrunchに提供した。

このパンデミックが始まって以来、当社は新型コロナウイルスに関連する有害な誤情報がYouTubeで流布されることを防ぐ努力を続けてきました。入念な調査の結果、保証された治療の存在を主張するコンテンツを禁止している当社のCOVID-19の医学的に誤った情報に関するポリシーに違反したことに対し、OANNのビデオを削除するとともに同チャンネルにワンストライクを与えました。また、当社のCOVID-19誤情報ポリシーおよその他のの収益化ポリシーを繰り返し違反したため、同チャンネルをYouTube Partner Program(ユーチューブパートナープログラム)から一時除外し、その結果YouTubeでの収益化が一時停止されます」

同サービスにはスリーストライクポリシーがあり、最初のツーストライクにも独自のポリシーがある。上記の処分に加えて、違反したビデオはチャンネルから削除された。これはOANの最初のストライクだ。サイトには以下のように書かれている。

当社ポリシーに従わないコンテンツを2度目に発見したとき、ワンストライクが与えられます。

これは、以下の行為を1週間行えなくなることを意味します。

・ビデオ、ライブストリーム、またはストーリーのアップロード
・カスタムサムネイルあるいはコミュニティー投稿の作成
・プレイリストの作成、編集あるいはコラボレーターの追加
・「Save(保存)」ボタン使用によるウォッチページへのプレイリストの追加または削除

元の権限は1週間経過後自動的に復活しますが、与えられたストライクはあなたのチャンネルに90日間残ります。

90日期間中のツーストライク目は2週間の利用停止になる。90日期間中のスリーストライク目はチャンネルの終了を意味する。

OANは最近、Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏と彼の政権のお気に入りになった。先の選挙で長年のお気に入りケーブルネットワークだったFox Newsが、ライバルのJor Biden(ジョー・バイデン)氏勝利を伝えてからは特にそうだ。

One America Newsは、選挙結果を誤って報じた「Trump Won(トランプ勝利)」などの動画でも批判を受けている。YouTubeはそのビデオを虚偽情報を理由に削除することはなかったが、動画から広告を削除し、「我々は選挙終了後も警戒を怠りません」と記した警告を付加した。

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YouTubeが音楽ファンをターゲットにした音声重視のオーディオ広告を開始

YouTubeが米国時間11月17日、新しい広告プロダクトを発表した。それは、見るためよりもむしろ聴くためにYouTubeを利用しているビジターにマーケターが到達することを助けるものだ。

特に大きいのは音声広告だ。Google(グーグル)のブログによると、音声広告のターゲットは「夕食前のわずかな時間にワークアウトを行っていたり、最新のポッドキャストに追いつこうとしたり、金曜日の夜にバーチャルコンサートを聴いてるような」人たちだという。

音声広告は、視聴者が画面をときどきちらっと見るだけであったり、映像を完全に無視するような「音声中心の動画」用のものだ。もちろんそういう広告も音声オンリーではないが、YouTubeによると、視聴者へのコミュニケーションの大半を音声が行うという。そして映像は静止画像や簡単なアニメのことが多いとのことだ。

同社によると、初期のテストではYouTube上の音声広告のキャンペーンの75%以上で、ブランドの知名度が大きく向上したという。例えばこのShutterflyの広告では、ブランドを覚えていた人が14%増加、ターゲットの視聴者のブランド好感度が2%向上した。

しかしYouTubeは、「目を閉じても、言ってることが明瞭に理解できる広告でなければならない」と音声はメッセージを伝えるべきだと強調している。

ベータ版でローンチする音声広告に加えてYouTubeは、ダイナミックミュージックラインナップというものを発表し、マーケターがキャンペーンのターゲットをYouTube上の複数の音楽チャンネルに絞りこめるようにした。このようなチャンネルのラインナップは、ラテンとかK-POPのようにジャンルを特定したり、あるいはフィットネスなどの「関心事」で特定してもよい。

別のブログ記事でYouTubeの音楽部門のトップであるLyor Cohen(リオ・コーエン)氏は広告主に対して、彼らがYouTubeを不可欠な音楽ストリーミングプラットホームであると見なすべき理由を挙げている。

コーエン氏によると、毎月20億以上のログインしたユーザーが、1つ以上のミュージックビデオを見ている。「音楽はあなたが考える以上に中心的で前面にある存在だ。YouTubeの音楽の視聴の60%がモバイルデバイスだが、、そこではバックグランド的な視聴は行われていない」という。

しかしながら、バックグラウンドでの視聴に向いた広告サービスを立ち上げようとしている。この話はおかしいのではないだろうか。「ユーザーがいつ、どうやって音楽を聴いていようとも、YouTubeには広告主が彼らにコネクトする方法がある。バックグラウンドで音楽を消費していても効果的な広告はある。新しい音声広告では、消費者がビデオを見たり聴いたりしている瞬間に入り込むことで、その瞬間を一層充実したものにする」とコーエンは話を続けた。

関連記事:YouTubeがテレビ視聴者と広告主をつなぐ新しい広告コンテンツと効果測定ツールを導入へ

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YouTubeとTwitterが元大統領顧問の暴力を扇動する表現を削除

元大統領顧問で右翼の論客でもあるSteve Bannon(スティーブ・バノン)氏は、彼の「番組」をTwitter(ツイッター)に停止させられ、YouTubeに動画を削除された。バノン氏はFBI長官Christopher Wray(クリストファー・レイ)氏と、パンデミックに関する政府内のエキスパートであるAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)博士に対する暴力を呼びかけていた。

バノン氏は、共演者のJack Maxey(ジャック・マキシー)氏とともに、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が2度目の任期でやるべきことを論じていた。彼はレイ氏とファウチ博士の解雇を示唆したが、それに続けて「本当はテューダー朝時代のイギリスに戻りたいぐらいだ。槍の先に彼らの首を掲げて、それらをホワイトハウスの2つのコーナーに置き、国の官僚主義者たちへの見せしめにしたい」。

単なる大げさな表現に聞こえるかもしれない。「やつの首を皿に乗せて持ってこい」といっても、実際に誰かを斬首することを指していない。しかし会話はさらに続き、ますます真剣なものになった。

マキシー:昨日はちょうど、フィラデルフィアで2人のトーリー(米独立戦争時の親英派)が吊るされた記念日だ。こいつらはクエーカー教徒の実業家で、フィラデルフィアを占領していた英国人たちといわば同棲していた。こいつらは絞首刑になったが、裏切り者は必ずそうなるんだ。

バノン:そうやって革命に勝ったんだ。誰もいいたがらないことだが、革命は庭先のパーティーではない。あれは内戦だった。戦争だったんだ。

彼らにとってこれが、リンチが横行していた古き良き日への郷愁なのか、それとも実際にその日の再来を望んでいるのか。いずれにしても2人のやりとりは、YouTubeとツイッターのモデレーターにしてはひどいもので、2人のインスタントライブを止めざるをえなかった。

ツイッターは暴力の賞賛に対する規則に違反しているとして、アカウントを「恒久的に停止した」ことを認めた。ツイッターに対する上訴はできるが、自動的に回復されることはない。

ソーシャルメディアの選挙関連削除:

YouTubeは気づいて後に「Steve Bannon’s War Room」チャンネルからその投稿を削除した。同社代表は「この動画は暴力の教唆に対する弊社のポリシーに違反しているため削除した。選挙後の期間中は警戒を続けて、弊社のポリシーの執行に努めたい」と述べている。

オンラインプラットフォームはどこも、モデレーションのやり方について悩んできた。Facebook(フェイスブック)やツイッター、YouTube、TikTok、Instagramなどはそれぞれ、異なる方針を取っている。いきなり削除するところや、予告なく問答無用にハッシュタグを禁止する(未訳記事)もある。フェイスブックは米国時間11月5日に、選挙に関する偽情報を増幅しているグループを無効にしたが、そのメンバーは30万名以上もいる。

どのプラットフォームも、少なくとも何らかの方法で偽情報のラベル貼りと隔離に熱心だが、特に難しいのが動画プラットフォームだ。トランプ氏はYouTubeで、郵便投票に関する根拠のない陰謀論を詳しく述べていたが、プラットフォームはリアルタイムで事実確認して彼のチャンネルを閉鎖することはできない。テキストを用いるネットワーク以上に、動画はレビューに時間がかかるため、捕まえて印を付ける前に拡散しがちだ。

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タグ:米国大統領選挙YouTubeTwitter

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YouTubeが「トランプ勝利」道破の広告を削除するも掲載は継続

2020年の大統領選挙は米国民主主義システムの重大なテストであることはすでに証明されている。また、誤った情報まみれだった選挙から4年経った現在、主要なソーシャルネットワークを支えるシステムをテストする意味でも良い機会だ。米国時間11月4日、Twitter(ツイッター)は問題のある情報へのラベル付けが、たとえ完全に先手を打ったといえないまでも十分迅速だったことを証明した。

動画は監視がはるかに困難であると考えられており、各サイトにとっても別扱いとなっている。現在、問題になっているのは One American News Network(OAN)の 「Trump Won (トランプ勝利)」のような動画だ。11月4日午前に掲載されたその投稿は、選挙に勝ち、州や民主党は「選挙を盗もうとしている」とする大統領による以前の発言を反映している。本稿執筆時点で選挙結果は出ていない。

YouTube(ユーチューブ)の親会社であるGoogle(グーグル)は以前、選挙に関する説明文の違反について概説し、以下のような措置を講じると語った。

ハッキングされた情報、選挙や調査結果など民主的プロセスを妨害する恐れのある事項の公表などを含むコンテンツを削除する。例えば政治家候補に関するハッキングされた情報を含み、選挙妨害を意図してシェアされたビデオが該当する。他者に対して投票手続きの妨害あるいは中断といった民主的プロセスの妨害を促すようなコンテンツを削除する。た例えば投票の長い列を作り他者が投票することを困難にするよう視聴者に呼びかけること。

同社は報道機関の問い合わせに対して、問題のビデオは同社のコミュニティーガイドラインに違反していないが、同コンテンツから広告を削除したと答えた(CNBC記事)。

「私たちのコミュニティーガイドラインは、選挙に関して視聴者の誤解を招くコンテンツ、例えば投票の時刻、場所、投票に必要な資格に関して有権者を欺くコンテンツや、著しく投票意欲を削ぐ虚偽の主張を禁止しています」と広報担当者はTechCrunchに語った。「この動画コンテンツはその段階には達していません。選挙に関するあらゆる検索結果(この動画を含む)には、選挙結果が最終ではない可能性があることを指摘する情報パネルが表示されるとともに、当社は引き続き、検索結果と推奨記事の中で信頼できるコンテンツを上位に表示します。また、このビデオのように、選挙結果に関して明確に虚偽の内容を含むビデオから広告を削除します。当社は選挙後の期間も引き続き強く警戒していきます」。

現在、問題のビデオの下には「U.S. Elections(米国選挙)」と表示され、「Results may not be final. See the latest on Google(結果は最終でない可能性があります。最新情報はグーグルでご覧ください)」という注意書きでユーザーを検索ページに誘導している。別の投稿には、「aims[s] to surface videos from experts, like public health institutions, in seach results(公共保健機関などの専門家のビデオを検索結果で浮上させる)」という注記が加えられており、これはこの種の動画が検索においてCNN、Fox News、Jovem Pan、India Today、The Guardianなどの信頼できる報道機関よりも理論上優先順位が下げられることを意味している。

今後の数週間、数カ月、各プラットフォームによるこうした対応や、米国選挙史上特に不確実な時期に偽情報や誤情報に対する彼らの対応が十分だったかどうかを評価する機会がたっぷりあることは間違いない。

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タグ:YouTube米国大統領選挙

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

全米レコード協会がYouTubeダウンローダーに目を付けた

海賊行為が横行していたその昔(未訳記事)、全米レコード協会(RIAA)は日常的に削除通知を送りつけていた。私も何度か受け取ったことがある。しかし、海賊行為の追跡が難しくなり、通知はほとんど姿を消した。それでも、RIAAはいまもあのうるさいやつを出し続けている。その相手は、著作権を侵害する行為に利用される「恐れのある」ソフトウェア、例えばYouTube(ユーチューブ)用ダウンローダーなどの作者だ。

多くの開発者が利用している人気ソフトウェアに「YouTube-DL」(ユーチューブ・ディーエル)があるが、Freedom of the Press Foundation(報道の自由財団)のParker Higgins(パーカー・ヒギンズ)氏が米国時間10月24日早く伝えた(Twitter投稿)ところによれば、RIAAから脅しをかけられてGitHub(ギットハブ)から削除されてしまったという。

これはしかし、2000年代初め(未訳記事)によく出された、私たちの記憶にも残るあの削除通知とは性質が違う。あれはDMCA(デジタル著作権法)に基づいて大量に発行された通知だった。内容は「あなたのウェブサイトにはこれこれの保護されたコンテンツが含まれているため、削除してください」というものだ。もちろん、それはいまでも存在するが、ほとんどが自動化されている。例えばYouTubeなどのサイトでは、著作権侵害の動画は公開前に自動的に削除される仕組みになっている。

今回、RIAAが行ったのは、基本的にDRM(デジタル著作権管理)を回避するものを禁じた米国著作権法1201条(何人も本権利で保護された作品への利用を実質的に管理する技術的保護手段を回避することはできない)に違反するとの理由によるYouTube-DLの削除要請だ。

つまりこの法律は、単に海賊版ブルーレイディスクなどの配布を禁止するだけでなく、その前の段階でプロテクトを破ってコピーすることも違法だといっている。

その理屈を少し拡大すれば、YouTube-DLも含まれてしまう。これは、コマンドラインで使用するツールで、YouTubeのURLから動画や音声の元のデータの場所をユーザーに知らせるというものだ。当然、それらのデータはどこかのサーバーに保管する必要がある。通常、動画や音声のファイルが置かれている場所は、YouTubeのウェブプレイヤーにストリーミングされてくる。それを見れば、ユーザーは動画をダウンロードして、オフラインで見たりバックアップしたりできるわけだ。

だが、もし誰かがこのツールを使ってTaylor Swift(テイラー・スウィフト)の「Shake It Off」のオフィシャルミュージックビデオ(MV)をダウンロードしたとしたら?ショック!ホラー!海賊行為! YouTube-DLはそれができてしまう。だから削除すべき、と彼らは述べている。

いつものように、RIAAがずっと前に諦めた類似の(アナログな)状況に陥るのは時間の問題だ。例えば画面と音声をキャプチャーユーティリティーソフトを使って同じことをしたらどうなのか?ビデオカメラならどうだろう?その点でいうならカセットテープレコーダーは?これらはみな、テイラーのMVのオフラインコピーを著作権者の許可を得ずに作る際に、その動画を保護しているDRMを「回避」するために使われている。

もちろん、RIAAは著作権侵害からの保護という責務を担っているため、人々がYouTubeの公式アカウントをほじくってアーティストの全作品の高品質な海賊版を作るのを黙って見ているわけにはいかない。しかし、こうした単純なツールを追いかけ回すやり方は、古くさくて説得力のない「自宅用の複製は音楽産業を殺す」といったかけ声と同じだ。誰も耳を貸さない。もし、アーティストの作品を大量に盗むような行為を問題視するのであれば、まずはRIAA自身を立て直す必要があるだろう。同協会の恩恵で得られるストリーミングサービスの報酬は雀の涙だ。それよりは、Bandcamp(バンドキャンプ)で売った方がいい。

YouTube-DLのようなツールは、カセットテープやカメラやトンカチとも同じく、合法的にも非合法にも使える技術だ。フェアユース(公正使用)の原則によれば、こうしたツールは善意の行動のための使用は許される。例えばGoogle(グーグル)が興味を失ったために消失していまいそうなコンテンツをアーカイブにして保管したり、広く利用されている個人向けの無料コンテンツのコピーを何らかの理由で手元に置いておきたい場合などだ。

YouTubeも他のプラットフォームも同様に、明らかなそして大規模な著作権侵害を難しくする可能な限りの対策を誠実に行っている。最新のヒット曲トップ40の脇には「ダウンロード」ボタンを配置せず、代わりにその曲を購入できるサイトへのリンクが示される。コピーを自分の動画の背景に使った場合、それが自分で購入したもののコピーであっても、YouTubeには最初から投稿できないようになっている。

YouTube-DLをGitHubから一時的に削除したところで、この事態に関しては誤差以上の規模にはなり得ない問題への短絡的な対処でしかない。アカウント不正共有(未訳記事)の被害額のほうが大きいかもしれない。それや、それとよく似た他の何かが、すぐにまたもう少し賢くなって、もう少し性能をよくして帰ってきてはRIAAの仕事をさらに複雑化する。そしてそれが繰り返される。

RIAAは「モグラ叩き」ゲームの作者から、その知的財産権侵害で訴えられかねない。

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(翻訳:金井哲夫)

YouTubeがモバイルアプリを強化、新ジェスチャーやビデオチャプターリストなどを追加

米国時間10月26日、YouTube(ユーチューブ)はモバイルアプリをアップデートする。この変更によって、一部の機能は場所が移動し、新機能としてジェスチャーを使った操作などが加わったほか、ビデオチャプターなどの既存機能も変更された。

ビデオチャプターは、手動で早送りすることなくビデオの「良い部分」を見つける簡単な方法として2020年5月に導入された。クリエイターが自分のビデオにタイムスタンプを付加することで、視聴者は特定の部分にジャンプしたり、重要な場面を再度見るために巻き戻したりする作業をすばやく行うことができる。

チャプターは、作者がビデオの説明に書き込んだチャプター情報に基づき、タイムスタンプとタイトルの組を1行として自動的に作られ、セグメント0:00から始まる。

画像クレジット:YouTube

YouTubeはこの機能を拡張し、ビデオ中の全チャプターを一覧できるリストビューを追加した。それぞれのチャプターにはプレビュー用のサムネイルが付けられている。このリストビューはプレーヤー画面でチャプタータイトルをタップあるいはクリックすると表示され、リストのチャプターをタップすればビデオの好きな部分に飛べる。

サムネイルがビデオのさまざまな部分のビジュアルなガイドとなるため、これまで以上にチャプターを選択しやすくなる。

YouTubeはプレイヤーページも改訂した。キャプション(字幕)を使いやすくするために、モバイルアプリの目立つ位置にボタンを移動した。自動再生のトグルも移動し、ビデオを見ている最中にオンオフしやすくなった。この変更は近々デスクトップユーザーにも適用される、とYouTubeはいっている。

画像クレジット:YouTube

新しいプレーヤーページには他にもいくつか小さな改善が施され、配置変更されたボタンとコントロールが以前よりもすばやく反応するようになった。

ユーザーインターフェイスの変更に加え、ナビゲーションもジェスチャーコントロールの拡張によってアップデートされた。ビデオの左か右の端をダブルタップして10秒間巻き戻したり早送りしたりすることは現在でもできる。今度は、上にスワイプしてフルスクリーン表示に、下にスワイプしてフルスクリーンを解除できるようになった。

画像クレジット:YouTube

また、残り時間がカウントダウンされるのを見るより、経過時間を見たいという人のために、タイムスタンプをタップすると、2種類の数字が交互に表示されるようになった。

ほかには、YouTubeは視聴者に「おすすめのアクション」を提案し、より良いビデオ体験を得る方法を教える。例えばビデオを横位置にするよう促したり、VRの中でビデオの再生を提案したりする。今後必要に応じておすすめを増やしていく。

画像クレジット:YouTube

YouTubeは26日の発表で、ベッドタイムリマインダー機能にも言及したが、実際には2020年すでに公開されている機能だ。すでに公開済みなのになぜこれが他の変更と一緒に発表されたのか理由は不明だ(YouTubeは単なる「要約」だといっていた)。

ただし、一部のユーザーにとっては新しくない変更は他にもあった。YouTubeはTechCrunchに、ユーザーによっては発表時点ですでに新機能を手にしていたが、今週提供されるユーザーもいることを認めた。

アップデートはiOSとAndroidの両方で2020年10月26日から公開される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeがQAnonなどの陰謀論を流布する動画を禁止

YouTube(ユーチューブ)は10月15日、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)などのソーシャルメディアプラットフォームと同様にQAnon(Qアノン)などによる陰謀論(The New York Times記事)の流布を禁止するより直接的な行動に出た。

同社は声明で「現実世界における暴力を正当化する陰謀論を個人またはグループ向けに流す」動画を禁止するため、ヘイトおよびハラスメントのポリシーを拡大すると発表した。

YouTubeが特に対象とするのは、QAnonの支持者が流布する偽りの陰謀論に自らも加担していると主張し、誰かに嫌がらせや脅迫を加える動画だ。

YouTubeは、風変わりな陰謀論を助長する動画や記事を全面的に禁止する動きに関して他の主要なソーシャルメディアほどの措置を講じていない。YouTubeの措置は個人をターゲットにしているコンテンツに限定している。

「例によって文脈が重要となります。従い、そうした問題を扱うニュースやコンテンツが個人や『保護されたグループ』をターゲットとしていない限り特段の措置は講じません」と同社は声明で述べた。「当社は本日この新しいポリシーを施行し、さらに今後数週間でポリシーを強化していきます」。

これは、現実世界において暴力やテロとのつながりがますます深くなる偽情報や陰謀論の拡散に対抗するソーシャルメディアプラットフォームの取り組みの最新のステップだ。

FBIは2019年、QAnonのような陰謀論に加え、有名セレブや民主党政治家は秘密の悪魔的な児童性的虐待集団でありトランプ大統領を弱体化しようとしていると主張する陰謀論の支持者を国内のテロの脅威として初めて認定した。

Twitterは7月、陰謀論に関連する7000件のアカウントを禁止した。Facebookは先週、プラットフォーム上でのQAnon関連の資料やプロパガンダの流布を禁止すると発表した

ソーシャルメディアプラットフォームによるこうした動きは、小さすぎ、また遅すぎるかもしれない。陰謀論はすでに広く普及しており、ワシントンDCのピザ店への攻撃のような事件ですでに損害が発生している。同事件の銃撃者は刑務所入りした

YouTubeが取った最近の措置は、以前導入した陰謀論流布防止の取り組みに続くものだ。YouTubeは過去に、陰謀関連のコンテンツがお勧めに出ないようにアルゴリズムに変更を加えた

しかしTechCrunchが以前に指摘したように、それはQAnonの陰謀論が実際に根付いた2018年から昨年にかけてのことだった。

これもTechCrunchが以前に指摘したように、今では議会に候補者を出すほ(The Guardian記事)どになっており、主流の政治的信念体系になっているのは驚くべきことだ。

YouTubeは検索・発見システムからのビューが70%減少したと誇示しているが、その程度にすぎなかった。同社によれば、QAnonのコンテンツに関して、未登録チャンネルのお勧めからのビューが2019年1月から80%以上減少していることがわかった。

YouTubeは、現実世界の暴力につながる陰謀論と戦うため、今後さらに一歩踏み出す可能性があると指摘した。「陰謀論を推進するグループは常に進化しており戦術も変化しています。当社はこれに対応するためポリシーを現状に合うように更新し、責任を果たすため必要な措置を講じることにコミットし続けます」と同社は述べた。

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(翻訳:Mizoguchi

YouTube Premium加入者対象にiOSホーム画面でのビデオ視聴をテスト中

YouTube(ユーチューブ)は長い間、新しい機能や製品を一般に開放する前に、ユーザーにテストする機会を提供してきた。ただ最近の変更で、YouTubeによる一連の最新の実験は、YouTubeサービスのPremium(プレミアム)加入者に限定されている。現在、有料サービスの加入者だけがいくつかの新製品機能をテストできる。iOSユーザーがホーム画面で直接YouTubeビデオを視聴できるようにする機能などが含まれる。

明確にしておきたいが、これはiOS14でアプリ開発者が利用できるようになった「ピクチャーインピクチャー」オプションと同じではない。YouTubeによると、YouTubeのホームページをスクロールするユーザーは、この機能によりフィードをスクロールしている間にサウンドをオンにしたまま動画を見ることができる。

他の2つの実験は検索に関連している。1つは、検索したトピックを、スペイン語、フランス語、ポルトガル語など様々な言語でフィルタリングできる。もう1つは、Chromeウェブブラウザー上で動画検索する際、音声が使える。

画像クレジット:YouTube

ただし、これらのテストはいずれも非常に長くなることはない。たとえば、3つの新しい実験のうち2つは2020年10月20日に終了する。もう1つは10月27日に終わる。現時点ですべて数週間しか公開されていない。

YouTubeは過去数年間、すべてのユーザーに「TestTube」と呼ばれる専用サイトで開発中の新機能を開放していたghacks.net記事)。ただし最近では、YouTube.com/newのウェブサイトを使用して、関心のあるユーザーを一般公開前の機能に誘導するようになった。例えば、YouTubeが2017年にデザインを改めたとき、ユーザーは同じウェブサイトにアクセスしてリリース前にプレビューへオプトインすることができた。

このサイトは現在、ほかの期間限定テストの宣伝に使用されている。

YouTubeによると、機能テストのオプションは数週間前にYouTubeアプリ内でプレミアム加入者にわかるよう表示された。また、YouTubeがプレミアムサービスに関連付けた実験プログラムを実行するのは初めてだという。

同社は正式に発表していないが、XDA DevelopersAndroid Centralなど、いくつかのブログで機能追加が確認された。

ただし、androidcentralなどの一部報道とは異なり、YouTubeの意図は有料チャンネル登録者以外には一切閉ざしてしまういうことではないようだ。実際、同社のヘルプドキュメントには、この制限は「いくつかの」テストにのみ適用されると記載されている。

またYouTubeはTechCrunchに対して、そのサイトで紹介されているテストは、YouTube全体で実行されているテスト全体から見れば「少数派」にすぎないことを明らかにした。同社が実施している幅広い製品実験のすべてがそうだというわけではないということだ。

さらに、プレミアム以外のユーザーは、他のYouTubeの「調査研究」に参加する追加の機会について、通知を受けるよう登録することができる。このオプションはYouTube.com/newページの下部に表示される。

YouTubeによると新しい実験の目標は2つある。製品チームがさまざまな機能に関するフィードバックを受け取ることができること、プレミアム加入者が希望するなら早期テスターとなることができることだ。

参加を選択したプレミアムユーザーは、新機能を個別にオプトインおよびオプトアウトできるが、一度に試すことができるのは1つの実験のみだ。

一般の人々に先んじて機能や製品を試せるとなれば、それがある程度の影響力となって、より多くのYouTubeユーザーをプレミアムサービス加入に引き付ける可能性がある。これは新たなメンバーシップ特典と考えられるのではないか。広告なしの動画、ダウンロード、バックグラウンド再生など、ベースラインのプレミアム機能に加わる特別なものになり得る。

現在月間20億人以上のユーザーがいるYouTubeは、今年初めに少なくとも2000万人のユーザーを有料サブスクリプションサービス(YouTube Premium、YouTube Music)に転換したと語った。App Annieのデータによると、2020年第3四半期の時点で、YouTubeはiOSとAndroid全体で消費者支出で世界第3位のアプリだった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:YouTube

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:MIzoguchi

今や米国民の4人に1人がYouTubeでニュースを視聴、Pew Research調査

Pew Research Center(ピュー研究所)の最新の調査によると、米国成人の約4分の1にあたる約26%がYouTube(ユーチューブ)動画でニュースを確認しているという。同研究所は、Google(グーグル)傘下の動画プラットフォームであるYouTubeの利用状況だけでなく、米国でのニュース配信への高まる影響力についても調査した。驚くほどのことではないが、この調査結果によると、既成の報道機関はもはや、米国民が見るニュースを完全に支配することはできなくなっている。既成の報道機関に関連するチャンネルで「頻繁に」ニュースを視聴していると答えたのは、YouTube利用者の5人に1人(23%)にすぎなかった。これと全く同じ割合の利用者が、代わりに独立系チャンネルで「頻繁に」ニュースを確認していると答えている。

この調査でいう独立系チャンネルとは、外部との明確な提携がないものと定義される。一方、報道機関のチャンネルは、例えばCNN(シーエヌエヌ)やFox News(フォックスニュース)のような、外部報道機関と提携している。

このような2つの異なるタイプのニュースチャンネルはどちらも一般的に視聴されており、ピュー研究所によると、よく視聴されるチャンネルの、49%が報道機関と関連があり、42%は関連がない。

そして残りのわずか(9%)は、行政機関や研究組織、支援組織など、ニュースを公開している「その他の」組織のチャンネルだ。

Image Credits: Pew Research

ピュー研究所は、調査結果を検証するために、2020年1月6日~1月20日まで、1万2638人の米国成人を対象としたパネル調査を実施した。

このパネル調査の結果、米国民の大多数、すなわち72%がYouTubeは重要(59%)、もしくは最も重要(13%)なニュース視聴の手段だ、と答えた。また、ほとんどの人が、YouTubeでニュースを確認することになんら大きな問題があるとは思っていないと答えたが、誤情報、政治的偏見、YouTubeによる自動CMの遮断や検閲に対してはある程度の懸念を示した。

Image Credits: Pew Research

共和党支持者や共和党寄りの無党派層の多くは、検閲やCMの遮断、政治的偏見がYouTubeの最大の問題だと述べたが、一方、民主党支持者や民主党より無党派層には、最大の問題は誤情報とハラスメントだという人が多かった。

調査の後半では、2019年11月にYouTubeで最も人気が高かった377のニュースチャンネルと、2019年12月に再生回数の中央値が最も高かった100のチャンネルで公開された、YouTube動画のコンテンツ分析が実施された。ピュー研究所によると、この分析は人間とコンピューターの利用を組み合わせた方法で行われたという。

この分析で、10のうち4(44%)の人気YouTubeチャンネルが「個性重視」という特色を持っている、つまり、チャンネルが個人に関するものであることがわかった。これは既成の報道機関に雇われたジャーナリストである可能性もあるし、独立したホストである可能性もある。

しかし、実際は後者であることが多い。独立系チャンネルの70%が個人を軸としており、主にフォロワーを獲得した「ユーチューバー」である。実際、独立系チャンネルの57%はユーチューバーによるものであるのに対し、YouTubeで注目される前から著名だった人物を軸としたものは13%となっている。

Image Credits: Pew Research

今回は、YouTubeのニュース環境や扱われるトピックという、別の側面についても調査が実施された。

YouTubeのニュース視聴者によると、圧倒的過半数(66%)の人がYouTubeのニュース動画を見ると時事問題の理解を深めることができると述べている。また、73%が動画の大部分の情報が正確であると信じていると述べており、BGMのようにバックで流すのではなく、注意深く視聴する傾向がある(68%がそうしている)。

約半数(48%)はYouTubeで「まともな報道」、つまり、情報と事実のみを得ようとしていると答えた。一方で、51%は主に意見や解説を求めてYouTubeでニュースを視聴しているという。

あえてYouTubeでニュースを視聴する理由について問う自由回答式の質問に対する答えには、動画のコンテンツに関連するものが最も多かった。例えば、主流のニュース以外を扱っているから、とか、さまざまな意見や見解が含まれるものがあるから、といった理由があった。

Image Credits: Pew Research

ピュー研究所はまた、QAnon(キューアノン)やJeffrey Epstein(ジェフリー・エプスタイン)氏、反ワクチン運動に関する説など、ニュースチャンネルがどのくらいの割合で陰謀説に触れているかも調査した。

この調査は2019年12月に行われた。再生回数上位100のYouTubeチャンネルに投稿された3000近い動画の分析の結果、独立系チャンネルの動画の21%が陰謀説に触れていることがわかった。これに対して既成の報道機関のチャンネルが陰謀説に触れている割合はわずか2%だった。キューアノンは最もよく扱われていた陰謀説で、独立系チャンネルの動画の14%がこれについて議論している。既成の報道機関は2%である。

さらに、独立系チャンネルは、既成報道機関の約2倍の確率で、ニュースを否定的なトーンで伝えていた。

全体として、2019年12月に調査された、YouTubeのニュースチャンネルで再生回数上位100本の動画は、否定的すぎることも好意的すぎることもなかった(69%)。しかし、タイプ別に分けると、独立系チャンネル動画の37%は否定的なもので、これに比べ既成報道機関では17%だった。また、否定的な動画は好意的な動画よりも人気が高かった。すべてのチャンネルで、否定的な動画の再生回数は平均18万4000回であるのに比べ、中立的または両方が混在するトーンの動画は平均17万2000回、好意的な動画は平均11万7000回だった。

Image Credits: Pew Research

一方、2019年12月の動画再生回数に占める割合が最も大きかったのはトランプ政権に関する動画で、およそ3分の1(36%)が弾劾に関するもの、31%が銃規制や中絶手術、移民などの国内問題に関するもの、9%は国際情勢に関するものだった。他のトピックに関する動画の平均再生回数が12万2000回であるのに対し、トランプ政権に関する動画は平均約25万回再生されている。トランプ氏は調査対象の動画の中で最も注目を集めており、約4分の1となる24%の動画で取り上げられていた。

それに比べて、2020年の選挙に関する動画は、調査当時は民主党予備選が中心だったが、このトピックはニュース動画全体のわずか12%を占めただけだった。

Image Credits: Pew Research

YouTubeのニュースチャンネルが自身をどのように紹介しているのか、という点についても調査が行われた。この調査により、自身がイデオロギー的偏向を持っていることが動画コンテンツを通して明らかになっている場合ですら、圧倒的多数は政治的イデオロギーを持つことを明言していないことがわかった。

YouTubeのニュースチャンネルのうち、自身の政治的イデオロギーを説明文に紹介していたのは約12%だけで、そのうち、8%は右派寄り、4%は左派寄りだった。独立系ニュースチャンネルは党派的な言葉を使って自己アピールし、自分が右寄りであると語る傾向が強かった。

また、YouTubeのニュースの典型的な視聴者に関する人口動態も調査に含まれていた。ピュー研究所の調査によると、ニュース動画視聴者は若い男性が多く、米国成人全体の割合で比較すると、白人が少ない傾向にあることがわかった。30歳未満が米国成人全体に占める割合は21%であるのに対し、同視聴者全体に占める割合はおよそ3分の1(34%)だ。また、50歳未満は米国成人全体の55%であるのに対し、同視聴者の71%を占めている。

そして男性は、米国成人全体の48%であるのに対し、YouTubeのニュース視聴者の58%を占めていると考えられる。同視聴者のうち、半分(50%)が白人、14%がアフリカ系、25%がスペイン系である。米国では成人の63%が白人、12%がアフリカ系、16%がスペイン系だ。

今回の調査結果はすべてピュー研究所ウェブサイトから閲覧できる。

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(翻訳:Dragonfly)

Facebookライブにアップされた自殺動画の拡散防止に失敗した各SNSの理由

あるFacebook(フェイスブック)ユーザーが自分が自殺するところをライブ動画としてアップロードした。その動画がTikTok、Twitter(ツイッター)、Instagramに拡散した。YouTubeでは何千回も再生され、それにともなう広告収入を集める動画が今現在も多数流れている。ソーシャルネットワークはさまざまな努力はしているものの、拡散防止に失敗したことは明らかだ。多数の暴力的コンテンツ、フェイクニュースの拡散を防止できなかったことが思い出される。

オリジナルの動画がフェイスブックにアップされたのは2020年8月末だったが、その後、主要な動画プラットフォームにコピーされた。多くは無害なイントロを流した後で自殺の場面に移る。この手法は、はるか以前からプラットフォームによる審査をごまかすために多用されてきた。こうした動画は視聴した人々が違法な内容だ気づいて手動で通報するが、その時点ではすでに大勢が問題のシーンを見せられしまった後だ。

これはいろいろな意味で新型コロナウイルスは人工的に作り出されたものだとする陰謀論がSNSで拡散された際の手法に似ている。ソーシャルネットワークは、多大のリソースを投入してこのような陰謀論が猛威を振るうことを防ごうとしたが失敗した。

大型ソーシャルネットワークは、利用約款に違反する動画を即座に削除する高度なアルゴリズムを装備しているにも関わらず、これまでのところ規約違反動画が狙いとする最も重要な点を防ぐことができていない。多くのユーザーが過激な場面を目にしてしまっている。

Ronnie McNutt(ロニー・マクナット)氏の自殺動画が、最初にアップロードされたのは8月31日だった。システムがこの動画を削除したのは公開後3時間近く経ってからだった。その時には視聴回数は膨大なものになっており、多数のコピーが作られていた。多数のユーザーによって通報されていたにも関わらず、なぜこのような過激で暴力的かつ利用約款に明らかに違反する動画にはが長時間公開されたままになっていたのか?

先週発表されたコミュニティ規定施行レポートでフェイスブックは 暴力的あるいは性的な内容のコンテンツを審査するという報われない仕事に1日中携わる人間の担当者(多くは外部の契約者)がパンデミックのために不足していたことを認めた。

審査担当者の人員が不足していれば 、当然ながらフェイスブックとInstagramにおける自殺、自傷、チャイルドポルノなどのコンテンツの審査も遅れ気味になる。

また違法なコンテンツをみ全員が通報するとは限らないため、通報件数だけでは違法性の程度を判断することが難しい。

しかし自殺したマクナット氏の友人でポッドキャストの共同ホストを務めていたJosh Steen(ジョッシュ・スティーン)氏はTechCrunchの取材に対して次のようなメールを返しており、このライブ動画は自殺シーンのはるか以前に規約違反として通報されていたという。「彼をよく知っているし、またこのような動画がどのように処理されるかについても知識があるので、あのストリーミング動画は、何らかのかたちで介入があることを期待していたのだと信じる。これは仮定に過ぎないが、本人の気をそらすことができてさえいれば、彼が自殺をすることはなかったはずだと思う」。

この点についてもフェイスブックに取材したが、回答は「ライブストリームにいち早く介入できる方法がなかったか検討しているところだ」という型通りのものだった。ともあれ、そういう方法の確立を強く期待する。

しかし、こうした動画が一度配信されてしまうと、フェイスブックにはその拡散を防ぐ方法はない。過去にも自殺や暴力的な場面がライブストリームで放映されたことは多数ある。ただし今回、他のソーシャルメディアの対応は明らかに遅すぎだ。TikTokはこの動画を「おすすめ」ページに入れていた。無責任なアルゴリズムによって、何百万という人々がこのシーンを見ることになってしまった。なるほどこの動画をプラットフォームから完全に削除するのは難しかったかもしれないが、少なくとも「おすすめ」に入れて積極的に拡散すること防止するなんらかの手立てが取られて良かったはずだ。

YouTubeもいわば事後従犯だ。スティーン氏のグループの動画はキャプチャーされ、無数の営利目的のサイトがYouTubeにアップして広告料を稼いだ。スティーン氏は自殺動画をコピーし、広告を付加してSquarespaceやMotley Foolで流した例のスクリーンショットを送ってきた。

最大の動画配信プラットフォームがこのように無責任な態度を取り、悪質なコンテンツを排除するための方策を取らなかったように見えることは非常に残念だ。例えばTikTokは、契約違反の動画を繰り返しアップロードしたユーザーのアカウントを凍結するとしている。しかしそうしたユーザーを排除する前に、何度も繰り返される悪質な動画の投稿を許す必要があるのだろうか?

一方、フェイスブックは繰り返し通報を受けていたにも関わらず、この動画をが規約違反であると断定するのを躊躇したようだ。さまざまなかたちでの再アップロードが、禁止されることなくしばらく続いた。もちろんこれは審査のスキを突かれ、いくつかの動画がすり抜けてしまったのだとも考えられる。何千もの動画が大勢のユーザーの目に触れる前に削除されている。しかしフェイスブックのように、何十億ドル(数千億円)もの資金と何万人もの人員を割り当てている巨大企業が、これほど重大な規約違反動画を削除するために躊躇した理由がわからない。

フェイスブックは8月上旬に「通常の審査体制に戻した」と述べたとされている。しかしスティーン氏は「AIテクノロジーはパンデミック期間中に大きく進歩していた。だからライブストリーミングだから防止できなかった、あるいはその後の拡散を防げなかったというのはおかしい」と主張する。

「(乱射犯がモスクを襲った)クライストチャーチ事件で、私たちはライブ動画のバイラルな拡散の危険性についていくつか重要な教訓を得た。これは広く知らせる必要がある。ライブストリーミングが視聴された総数、共有された回数、それらが視聴された回数などだ。私はこれらの数字はライブ映像のインパクトを正しく認識する上で極めて重要だと考えている。特にどの時点でライブストリームのビューが急増したのかというデータが重要だ」とスティーンは述べている。

TwitterとInstagramでは、自殺動画アップロードするためだけに多数のアカウントが作られた。また自殺者のハンドル名を利用した多数のフェイクアカウントが作られている。一部の動画には「自殺」や「死」といったタグさえ付加されている。こうしたアカウントには、利用規約を破った動画をアップロードする以外の目的がないのは明らかだ。フェイクアカウントやボットアカウントを判別できるはずのアルゴリズムは何をしていたのか?

筆者が見つけたYouTubeチャンネルには、マクナット氏の自殺を利用して50万以上のビューを得ているものがあった。オリジナルの動画にはプリロール広告が付けられ、無害であることを装ったコンテンツとして始まるが、やがて興味を抱くユーザー向けに自殺シーンが表示される。私がYouTubeにこの動画を報告すると、プラットフォームはこのアカウントの収益化を停止し、問題の動画を削除した。しかしスティーン氏らは、何日も前に同じこと報告していた。次にこうしたことが起こった場合、あるいは別のプラットフォームで現に起こりつつあるかもしれないが、メディアが記事にしない限り、プラットフォームは責任ある措置を取ろうとしないのではないかと考えざるを得ない。

こうしたプラットフォームが目的としているのは、規約違反に対する措置をなるべく穏やかなものにして目につかないようにし、ユーザー離れを防いでビジネスへの影響を最小限にすることだ。他のソーシャルネットワークでも見られたが、もし厳格な削除措置がビジネスに悪影響を与えるようであれば、そういう措置は取られない。

しかし、今回の事態あるいは以前の事態が示すように、これはソーシャルネットワークサービスが必要とする重要な要素を欠いている。現在の状況をリアルタイムで共有できる動画配信サービスは、ビジネスとして極めて大きな利益を上げることは明らかだ。しかし同時に、恐るべき行為の映像をそのまま流してしまうというリスクをはらんでいる。

スティーン氏は「こうした(ソーシャルメディア)は非協力的であり、また正直ではない。我々の抗議に対して、ソーシャルメディアが責任ある対応をしなかったことを繰り返し見てきたことにより、改革を求めるハッシュタグ「#ReformForRonnie」を作った。何らかの変革がなければ、こうしたことはいつまでも続くだろう」と述べている。

もちろんスティーン氏は親しい友人を失い、その死を悲しんでいる人間であることは考慮に入れ必要がある。しかし友人の自殺が乱用され不当にコピーされて、故人が笑い者にされている状況に対して巨大動画プラットフォームが中途半端な対応しかしないことについて、強い不満と怒りを感じていることにも留意すべきだ。

スティーン氏はメジャーなソーシャルネットワークに対して、人々は何らかの声を上げるべきだとしてこのハッシュタグを広める運動をしている。どうすればこうした事態を防げたのか?すでにアップロードされた動画についての対応は、どのように改善されるべきなのか?どのようにすれば故人を愛した人々の意思をより尊重できたのか?もちろんこれらすべては完全に実現するのが極めて困難な課題だ。しかしそれが、プラットフォームが何も努力をしないことの言い訳になってはならない。

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タグ:Facebook YouTube

画像:Florian Gaertner / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

YouTubeがTikTok似のショートビデオ機能「YouTube Shorts」を搭載、まずはインドで提供

TikTok(ティクトック)の米国事業の運命がまだはっきりしない中、YouTube(ユーチューブ)は米国時間9月14日、「YouTube Shorts」というショートビデオの新機能を発表した(YouTubeブログ投稿)。まずインドで展開されるこの機能では、TikTok似のマルチセグメントカメラ、スピードコントロール、タイマー、カウントダウン機能など、新しいクリエイターツールを使って最長15秒の短いビデオをアップロードできる。YouTubeでは、同社が今後も増えるという膨大な音楽ライブラリーにアクセスできるため、ビデオに音楽を取り込むこともできる。

マルチセグメントカメラでは、ユーザーは複数のビデオクリップをつなげて1つのショートクリップにすることができる。スピードコントロールではYouTuberは単に「撮影」のボタンを押すよりもクリエイティブなものを制作できる。

これらのツールはその日の出来事を撮影するTikTokの動画「ではよく使われているもので、 Instagram(インスタグラム)がつい最近TikTok対抗サービスとして立ち上げたReels(リール)でも見られるものだ。

YouTube ShortsはAndroid(アンドロイド)のYouTubeアプリ内で利用でき、今後iOSにも拡大する。

画像クレジット:YouTube

YouTubeは、中国企業が所有するTikTokがすでに禁止されているかなり大きなマーケットのインドでまずYouTube Shortsを提供する。しかし早晩、他のマーケットでも展開する計画だ。ただし、それがいつになるのかYouTubeはタイムラインを示さなかった。

YouTube Shortsの提供にともない、YouTubeはYouTube Shortsを縦置き状態でスワイプできる新たな鑑賞方法も導入する。こちらもTikTokで提供されているのと同様のものだ。YouTubeはすでにショートビデオを閲覧するためのページに手を加えて新たな鑑賞方法でコンテンツを見やすくし、またショートビデオを探しやすくもしている、と話す。

今夏、YouTubeはショートビデオ機能のテストを開始する計画を発表していた(未訳記事)が、詳細については明らかにしておらず、機能の名称すら伏せられていた。当時、YouTubeはiOSとAndroidでの15秒のビデオ撮影がテストに含まれるが、かなり限定されたクリエイターが対象だと話していた。

同社はTechCrunchに、まだ初期段階のこの実験はShortsの一部であると言明している。そしてマルチセグメントカメラをグローバルで実験してきた。しかし本日の発表で新たにわかったのは、音楽やスピードコントロール、タイマー、カウントダウンを使って撮影できるということだ。

加えて、YouTube ShortsはT-Series、Believe Digitalといったパートナーからの数十万もの楽曲を扱っている。YouTube Shortsのカタログのコンテンツを充実させるべく、YouTubeはアーティストやレーベル、出版会社とも協業している。

画像クレジット:YouTube

YouTube Shortsの大規模展開のニュースは、TikTokの米国事業のM&A期限が迫る中でのものだ。Microsoft(マイクロソフト)は、買収者とはならないと発表し、報道ではOracleが有望視されているとのことだが、完全売却ではない。

TikTokが撤退する可能性があることを受け、多くのライバルソーシャルメディアプラットフォームでTikTokユーザーを取り込もうとする動きがすでにみられる。Instagram、Snapchat(スナップチャット)、そしてYouTubeも、TikTokが不安定な状態であることに乗じて自前のショートビデオプロダクトを立ち上げた。TikTokと直接競合するTriller(トリラー)、Dubsmash(ダブズマッシュ)、Byte(バイト)といったサービスも新規の顧客を獲得している。

YouTubeは、数日中に新機能がインドで使えるようになると話している。今後アクセスを拡大し、プロダクトを改善するという目標に向け、YouTube Shortsをテストと位置付けている。

もしYouTube Shortsにアクセスできる人は、「+(プラス)」のアイコン(間もなく展開されるiOSアプリではカメラのアイコンになる)をタップして「video(ビデオ)」を選ぶとビデオ撮影を開始できる。オプションのところに「create a short video(ショートビデオをクリエイトする)」があればアプリ内にShortsカメラがあることになる。しかしインドのAndroidユーザー向けには、「create(クリエイト)」のアイコンは簡単にアクセスできるようナビゲーションバーの下にきているとのことだ。

まだこの機能が利用できない人は、撮影した短いビデオ(60秒以下)のタイトルやキャプションで#Shortsをタグ付けすることでShortsに近い体験ができる。他の縦位置ショートビデオとともに、こうした機能は新しいYouTubeホームページでテストできる。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:YouTube TikTok

画像クレジット:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

YouTubeが中国の多数のアカウントを「政治的スパム」として削除

YouTubeは中国のアカウント多数を組織的な政治的影響力の行使に従事していたとして削除した。この4月から6月の四半期における中国アカウントの削除は2596件と急増している。2020年の最初の四半期の削除は227件(Googleブログ記事)だった。

Googleは脅威分析の速報である「TAG Bulletin: Q2 2020」(Googleブログ記事)で、第2四半期の状況を「削除されたチャンネルがアップロードしていたのは主として非政治的コンテンツだったが、一部のコンテンツが中国の政治に関連していた。内容はGraphikaが最近レポートしているものに似ており、新型コロナウイルスが中国で発生したものでないなど、中国側主張に対する米国の反論に関連したものも含まれていた」と述べている。

Graphikaの「スパモフラージュ・ドラゴンの復活:中国擁護スパムネットワーク再び仕掛ける」と題したレポートはこちらで読める。それによれば中国の世界的なプロパガンダ攻勢の一環として今年の初め頃から多数のスパムアカウントがYouTube、Facebook、Twitterなどのソーシャルメディア上で活動を始めていたという。

スパムネットワークは中国政府を擁護するチャンネルでビデオ画像を大量に使っていた。また中国語、英語の双方で長文の非政治的記事を掲載していた。バスケットの試合や風景、モデル画像、TikTok動画など無害な非政治的コンテンツの間に政治的記事が埋め込まれていた。つまり政治的スパムをカモフラージュしようと意図した行動と考えられる。そこで「スパモフラージュ」と名付けた。

このスパムドラゴンの活動が「復活」と名付けられた理由は昨年の秋にも同様のスパム行為があったからだ。黒幕が誰であるにせよ、発見されても気にする様子はないようだ。利用されたアカウントは新規のものもあれば休眠アカウントを乗っ取ったり盗んだりしたものもあった。今回もこうしたアカウントを大量に使って前回によく似た手法のスパム活動に利用している。ただしグーグルが指摘するとおり今回はこれに新型コロナウイルス関連のスパムが加わっているのが新しい。

6月になると、スパムコンテンツにはGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏とBreonna Taylor(ブリオナ・テイラー)氏の殺害に端を発した人種的不公正に対する抗議活動が米全土で盛んになったことが含まれるようになった。

中国のキャンペーンはロシアやイランのものと同様マルチプラットフォームだとグーグルは指摘している。これはFacebook Twitter、サイバーセキュリティ企業のFireEyeも報告していた。

チャンネルの削除は4月に186件だったのに対し、5月に1098件、6月に1312件と急増してきた。これからすると夏には大量のスパムの発生がありそうだ。注意して観察したい。

画像:Jaap Arriens/NurPhoto via Getty Images 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Amazon Fire TVにYouTube Kidsアプリが登場

YouTubeのファミリー向けバージョンで、ペアレンタルコントロールと子供向けコンテンツを備えたYouTube KidsがAmazon Fire TVに対応した。このアプリは、Google(グーグル)とAmazon(アマゾン)が相互の利益のために合意した結果、昨年YouTubeがFire TVに入り、Amazon Prime VideoがChromecastとAndroid TVに登場したのに続くものだ。

両社の合意は、YouTube TVやYouTube KIdsなどほかのYouTubeアプリもFire TVプラットフォームに対応することを意味していた。しかし、昨年9月にYouTube TVがFire TVに登場したあと、YouTube Kidsは2019年中という約束から大きく遅れた。

ともあれYouTube Kidsアプリが利用可能になり、多少リスクの小さいバージョンのYouTubeサービスを親に提供する。親は子供一人ひとりに個別のプロフィールを作り、年齢層ごとにカスタマイズして、未就学児童、低学年、高学年などに分けることができる。しかし、アプリのコンテンツは手動で選ばれるわけではない。何が年齢相応かをYouTubeの自動化システムが決定する。その結果間違いが起きることもあり、その場合は親がアプリ内のツールで通報できる。

もっとカスタマイズや管理の行き届いた選択を希望する場合は、子供が利用できるチャンネルを親が個別に選ぶこともできる。YouTube Kidsアプリは「米国時間2020年7月9日からFire TVユーザーに提供開始される」とアマゾンは説明する。Fire TV以外では、YouTube KidsはApple TVでも最近スタートした。Rokuではまだ利用できない。

YouTube Kids公開のほか、Amazonは7月9日に、米国および一部地域のFire TV Cubeユーザーが、地上波テレビの視聴とAlexa(アレクサ)を使ってチャンネルを変えることが可能になったことを発表した。ユーザーはそのために自分で地上波チューナーを接続し、Fire TV Cubeで設定する必要がある。設定が済むと、ユーザーはAlexaに頼んでチャンネルを番号や名前を使って変えることができる。

Fire TVは昨日にも、YouTuve TV、Sling TV、およびHuluライブTVという有力ライブストリーミングサービスを有力ライブストリーミングサービス(未訳記事)の追加を発表した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeがTikTokに照準、15秒のマルチセグメント動画をテスト中

YouTubeはTikTokに直接狙いを定めているようだ。米国時間6月26日、ユーザーが15秒のマルチセグメントビデオを録画できるようにするモバイルの新機能のテストを開始することを発表(YouTube Help Community投稿)した。これはTikTokのデフォルト設定の時間で、InstagramがTikTokを真似たReelsで設定されているものと同じ長さでもある。

同社によるとこのテストでは、モバイルアップロードフローに「動画を作成する」というオプションが表示されるとのことだ。

TikTokと同様に、ユーザーは録画ボタンをタップ、長押ししてクリップを録画する仕組みだ。次にもう一度タップするか、ボタンを離して録画を停止する。このプロセスは15秒相当のビデオ映像が出来上がるまで繰り返される。録画が完了するとYouTubeがクリップを結合し、1つのビデオとしてアップロードする。つまり、TikTokと同じである。

この機能の導入により、15秒を超えるモバイル動画コンテンツをYouTubeアプリ自体で録画することは不可能となる。15秒以上の動画を投稿するには、スマートフォンのカメラアプリなどで長い動画を録画後、YouTubeにアップロードする必要がある。

YouTubeはこのテストに関するその他の詳細を明かしていない。例えば、フィルター、エフェクト、音楽、AR、ビデオ速度を変更するボタンなど、短編動画のワークフローに関連するコントロールや機能が今後含まれていくのかは不明となっている。こういった機能は単にビデオの長さやマルチセグメントの録画スタイルというわけでなく、現在のTikTok動画を築き上げた重要なツールだ。それでも、YouTubeがTikTokによって普及した短いビデオ形式を視野に入れているという事実は注目に値する。

YouTubeが競合他社の機能セットを真似してライバルに対抗したのはこれが初めてではない。同社は2017年、動画の作成と共有をより簡単に行えるようにするためInstagram Storiesに匹敵するような機能を立ち上げた(未訳記事)。

しかし、このYouTube StoriesはTikTokユーザーを満足させることはできないだろう。TikTokは振付や準備したパフォーマンスを重視したコンテンツであり、パーソナルな動画ブログとは異なるものだからだ。これには別のワークフローとツールセットが必要となる。

YouTubeは、このテスト中の動画がStoriesとしてアップロードされないということは言及しているが、これら15秒の動画がYouTubeアプリでどのように見つけられるかについての詳細は明らかにしていない。

YouTubeのテストに関するこの最新ニュースは、今週開催されたIABのNewFrontsカンファレンスでTikTokが広告主に向けて行なった大々的な発表の直前に届いたものだ。TikTokは米国時間6月26日、TikTokアプリでのビジネスを検討しているブランドやマーケターを対象とした新しいプラットフォームであるTikTok For Businessをローンチ(未訳記事)した。広告主は、新サイトからTikTokの広告サービスについて学び、キャンペーンを作成およびトラッキングし、eラーニングに参加することができる。

YouTubeによると、この新しい動画テストはiOSとAndroidの両方で少数のクリエイターグループを対象に実施されている。同社の広報担当者は、このテストは短編ビデオに関して同社が実施した複数のテストの1つであると述べている。

「YouTubeは常に、求められている動画をユーザーがより簡単に見つけ、視聴し、共有し、交流することができるようにする方法を考案しています。ユーザーが短い動画を見つけたり作成したりするための様々なツールを現在テスト中です」とYouTubeの広報担当者は説明する。「これはYouTubeで常時実行している多くのテストの1つであり、テストへのフィードバックに基づいて、機能を今後より広く展開することを検討していきます」。

関連記事:グーグルがAI利用のスマート返信をYouTubeに導入、今後多国語展開も

カテゴリー:ネットサービス

タグ:YouTube 動画配信 TikTok

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(翻訳:Dragonfly)

グーグルがAI利用のスマート返信をYouTubeに導入、今後多国語展開も

Google(グーグル)のSmartReplyは、4年前にリリースされたAIテクノロジーを利用した省力化ツールで、GmailをはじめAndroidのMessagesPlay Storeのデベロッパーコンソールその他の場所で受信した内容を解析し、ふさわしい返信案の候補を表示する。 この機能をYouTubeのクリエーターも利用できるようになった。

同社の発表によれば、最新版のYouTube向けSmartReplyはビデオのクリエーターがファンのコメントに対して素早く効率的に返信できるようにすることを狙っているという

この機能はYouTubeのオンラインダッシュボードであるYouTube Studioに導入された。これは、クリエーターがビデオを管理し、統計をチェックすることなどによりチャンネルをプロモーションし、ファンとの交流を図るために設けられたツールだ。クリエイターはYouTube Studioのコメント欄からチャンネルのコメント全体を表示し、返信処理ができる。

YouTubeで多数のフォロワーを持つクリエイターにとってコメントへの返信は非常に時間のかかる作業だ。SmartReplyはこの問題の軽減を狙っている。

クリエイターは視聴者からのコメントをいちいち読んで返信を手入力せず、提案された返信案の1つをクリックして返信できる。たとえばファンが「次のビデオのテーマは何?」と尋ねている場合、SmartReply機能は「ありがとう!」や「どんどん続くよ!」といった返信を提案する。

GmailのSmarReplyは単語と短いフレーズを解析できるが、YouTube向けにの新バージョンはさらに幅広い子コンテンツ解析能力が必要だった。グーグルによればYouTubeコメントでは「絵文字、アスキーアート、言語種類の認識などを必要とした」ということだ。YouTubeのコメント投稿には略語、スラング、つづりの揺れなどが頻繁にみられる。このためYouTubeへのSmartReply実装には大きな困難があった。

Google AI Blogの記事に、こうした課題(やその他の課題)をどのように解決したがが詳しく説明されている。

SmartReplyはクリエーターが返信したいと考える可能性が高いコメントを選び、しかも適切な返信内容をを提案する必要があった。コメント内容を正しく認識するために機械学習をトレーニングするシステムが必要だったと同社は述べている。

スタートの時点はSmartReplyは英語とスペイン語のコメントで利用可能となっている。これはSmartReplyとして初のシステム言語の自動切り替えを含む複数言語サポートとなる。言語の種類や絵文字を認識するため文字符号を利用するシステムだという。

「SmartReplyはこうしたアプローチを利用しているため、この機能を今後さらに多数の言語に拡張することが可能となっている」と同社は説明する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

YouTubeが極右の著名人たちのチャンネルを停止

YouTubeが月曜日(米国時間6/29)に、人種差別的なヘイトスピーチで知られ、問題視されている人びとに対抗措置を取り、彼らの主なチャンネルを取り去った。

削除したのは6つのチャンネルで、それらは、Richard Spencerの自身のチャンネルと、関連のNational Policy Institute/Radix Journalのチャンネル、極右的で人種差別的な似非科学の唱道者Stefan Molyneux、白人至上主義の発表媒体American Renaissanceとその関連チャンネルAmRenPodcasts、そして白人至上主義者で元Ku Klux Klan(クークラックスクラン)のリーダーDavid Dukeだ。

YouTubeのスポークスパーソンはTechCrunchに提供した声明でこう述べている: 「YouTube上のヘイトスピーチを禁ずる厳しいポリシーがあり、そのポリシーに何度もひどく違反していれば、いかなるチャンネルでも終わらせている。ガイドラインをアップデートして、至上主義的コンテンツへの対応を改善した結果、ビデオの削除は従来の5倍に急増し、25000あまりのチャンネルを弊社のヘイトスピーチポリシーへの違反で終了させた」。

同社によると、それらのチャンネルは、外部のヘイトコンテンツへのリンクや、法で保護されている集団に関して劣等性を主張することを禁じているルールに違反した。

極右や白人ナショナリストたちに対するYouTubeの最近の大掃除の前には、今月初めの、Proud Boyの創業者Gavin McInnesのアカウント停止がある。最近アカウントを停止された者の一部は、まだ生きているTwitterアカウントを使って月曜日の午後にYouTubeのチャンネルを失ったことに文句を言っている。

関連記事: Facebookがナチのシンボルを使ったトランプ大統領の選挙運動広告を削除

YouTubeが極右アカウントを持つ著名人たちに対して同社のルールを強制したその同じ日に、TwitchとRedditも、ヘイトに関する自分たちのルールに違反したコンテンツに対抗措置を取った。Amazonが所有するゲームストリーミングサービス(Twitch)は、月曜日(米国時間6/29)にトランプ大統領のアカウントを停止し、1年前と最近のトゥルサにおける集会での彼の発言を問題視した。また、何年間もハラスメントや人種差別の抑止の失敗を批判されてきたRedditは、r/The_Donaldをはじめ2000のサブレッディトを一掃すると発表した。r/The_Donaldはヘイトで充満していることで悪名高く、トランプはそこで、自分の立候補を発表した。

関連記事: Twitchがトランプ大統領のアカウントを停止、Redditも「The_Donald」と関連サブレディットを追放

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YouTubeがサイトへの誘導を強化する新広告フォーマットを発表

YouTubeにユーザーが商品をブラウズでき「購入に結びつきやすくなる」ダイナミックな広告フォーマットが発表された

ビデオ下部に表示される広告に商品の映像を表示させること可能となり、ブランドへのトラフィックを増加させる効果が期待される。このフォーマットの導入はパンデミックの発生で消費者のが実店舗に出向くを控えるようになり、広告主がeコマースによるショッピングへの関心の高まりに対処する方法を探していることに対応したものだろう。

ことにYouTubeはこの関心の変化への対応に役立つプラットフォームだと考えている。なにしろ70%の人々が商品をYouTubeで見て購入を決めたという。

新しいショッピング用広告フォーマットを使うにはまず、ブランド側がGoogle Merchant Centerフィードを動画広告と同期させる必要がある。 これにより広告主はYouTube動画に重ねて表示されるCTA(Call-to-Action、行動を促すフレーズ)広告を使って掲載したいベストセラー商品を表示し、ブランドのウェブサイトの商品リストに直接アクセスするトラフィックを生成できる。

新しいフォーマットのベータテスターにはAmerican Eagleの女性水着、下着向けブランドのAerieが含まれていた。ブランドはYouTube広告によって2020年春キャンペーンにおけるブランドの認知とアパレル自体の販売の促進を図った。「新しいフォーマットによるAerieのYouTubeターゲット広告の費用対効果は前年より25%アップし、従来の広告ミックスの9倍のコンバージョンを達成した」とYouTubeは述べている。

このニュースに関連して、YouTubeはTrueViewアクションキャンペーンを強化するビデオアクションキャンペーンを開始したこととを発表した。このキャンペーンを利用するとCTA広告をYouTubeのホームフィード、動画再生ページ、Googleの動画パートナーのサイトで表示させることができる。YouTubeによれば「次に見る」のお勧めのようなフィードに今後見る広告も含まれるようになると述べている。

この広告の初期テスターには学生が大学の奨学金を探すのを助けるサービスを提供するスタートアップ、Mosが含まれていた。YouTubeによれば「この数カ月間(のテストで)新フォーマットは、従来のYouTube広告と比較して3分の1のコストで有料契約の獲得を30%以上アップさせた」という。

ブランドは、リード生成フォームをビデオ広告キャンペーンと併用することで広告の表示によりさらに多くのリードを獲得することができる。Jeepがが韓国の法人で実施した例ではリード1件あたりのコストが84%削減され、リードが13倍に増加したそうだ。

この数カ月でブランド、特にブランドのeコマースの促進に重点を置いているテクノロジープラットフォームは、もちろんYouTubeだけではない。FacebookとInstagramは5月にShopsをスタートさせている。ジネスプロフィールをオンラインストとして利用できるようにした。消費者はFacebookやInstagramのアプリを離れることなくブランドから直接商品やサービスが購入できる。Snapchatも6月に入って、対話的広告を世界のeコマース事業者向けに強化(未訳記事)している。 ブランドはSnapchatアプリのテンプレートを利用して自動的に表示される広告を簡単に作成しプロダクトのカタログに誘導することができる。

ただしYouTubeの広告は、HuluやNBCUのPeacockなどのストリーミングサービスで使われているビデオのリモコンから注文ができるショッパブルなビデオ広告(Rethink記事)により近いだろう。YouTubeの場合は視聴者は直接注文するのではなく、クリックすると広告主の販売サイトに誘導される。

新型コロナウイルスによる各種の規制が解除されて実店舗が再開された後も、リードを発見しサイトへのトラフィックを得てオンライン売り上げを増加させようとする企業ニーズは継続すると多くのプラットフォームは考えており、YouTubeも例外ではない。

ちなみにYouTubeはこれまでこうした発表はIABのNewFrontsカンファレンスで行ってきたが、今年はオンライン開催に変更されたため、YouTubeはイベントの実施を待たずにニュースを発表した。

画像:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国、英国、スペインの子どもたちは、YouTubeと同じ程度の時間をTikTokで過ごしている

子どもに関するアプリの使われ方や習慣を調べた最新の調査では、YouTubeの圧倒的な優位性に大きな脅威が迫っていることが判明した。子どもたちはグーグルのオンラインビデオプラットフォーム(YouTube)と、TikTokなど他のアプリやNetflix、ならびにRoblox(ロブロックス)といったモバイルゲームで時間を使い分けるようになっている。現在4歳~15歳の子どもは毎日平均85分間YouTubeビデオを鑑賞しており、TikTokで過ごす時間は毎日平均80分に達している。同調査によると、TikTokが子どものソーシャルアプリ使用を引き上げ、成長率は2019年で100%、2020年で200%に達している。

デジタル安全性アプリの開発元、Qustodio(クストディオ)が発表した年次報告で使われたデータは、米国、英国、スペイン在住の4歳~14歳の子どもを持つ6万世帯の情報を元にしている。そのため、世界的なトレンドを反映したものではない。この調査は2019年2月から2020年4月にかけた子どもたちのオンライン行動を対象としている。新型コロナウイルス危機を考慮に入れ、4つの主要なアプリカテゴリ(オンラインビデオ、ソーシャルメディア、ビデオゲーム、教育)に焦点を当てた。

同調査によると、子どもたちが最も頻繁に利用するアプリにYouTubeが当然のごとく数えられている。

子どもたちは、4年前と比べて2倍の量のビデオを鑑賞するようになっている。YouTubeの公式アプリは13歳以上を対象としているが、それでもこの結果が得られた。これまで徹底されていない年齢制限に対して、YouTubeは2019年にFTC(連邦取引委員会)から米国の子どもに対するプライバシー規制違反を理由に、前例のない1億7000万ドルの罰金を課されている

YouTubeアプリは現在、米国の子どもの69%、英国の子どもの74%、スペインの子どもの88%に利用されている。より低年齢の子どもに向けたアプリのYouTube Kids(YouTubeキッズ)は、米国の子どものわずか7%、英国の子どもの10%でしか使用されておらず、スペインに至っては統計に値しない程度の数字でしかない。

オンラインビデオで第2位となるのはNetflixであり、米国の子どもの33%、英国の29%、スペインの28%が視聴している。

2020年初頭、米国の子どもたちはYouTubeで1日あたり86分を消費している。これは2019年の88分からわずかに下がっている。英国の子どもたちは1日あたり75分を消費しており、これも2019年の77分からわずかに下落している。スペインでは1日あたり63分となっており、同じく2019年の66分からわずかに下がっている。

予想されたことながら、新型コロナウイルスでロックダウンが続くなか、YouTubeの視聴時間は大きく増加した。例えば、4月中旬の米国では子どもたちがYouTubeに1日あたり99分を費やしている。

YouTubeの合計消費時間が減っている理由には、子どもたちがTikTokを利用する時間が増えていることも一因として挙げられている。YouTube規制の増加および関連収益の減少につれ、クリエイターがグーグルのビデオプラットフォームから中国発のこの短いビデオ専用のアプリに移動する勢いをさらに増せる可能性がある。クリエイターが増えれば、コンテンツが充実し、TikTokの魅力が高まるであろう。

昨年、TikTokはフェイスブックが所有していないアプリでは世界でベスト5に入るダウンロード数を誇り、すべての年齢層にわたって成長を続けている。

2019年5月から2020年2月まで、TikTokで子どもが過ごす平均時間は米国で116%増えて82分となり、英国では97%増えて69分、スペインでは150%増えて60分となった。

2020年2月、米国の子どもの16.5%がTikTokを使用しており、これはインスタグラムの20.4%をわずかに下回っているだけで、スナップチャットの16%をすでに上回っている。英国とスペインではそれぞれ、17.7%と37.7%の子どもがTikTokを使用している。

また、TikTokで過ごす時間はCOVID-19のロックダウン期間中に増加しており、同アプリはYouTubeで費やされる時間よりもほんの数分足りない程度にまで成長している。例えば米国では、COVID-19ロックダウン期間中に子どもがTikTokを使用する平均時間は95分に達しており、YouTubeの97分との差は2分しかない。

オンラインゲームでは、ロブロックスが圧倒的な優位を見せ、米国と英国では、それぞれ54%と51%の子どもがプレイしている。スペインでは、わずか17%にとどまるが、その代わり、スペインの子どもはBrawl Stars(ブロスタ)に熱中している。

同様に、米国の子どもの31%、英国の子どもの23%がマインクラフトを遊んでいるが、スペインではわずか15%だ。

ロブロックスは小さな気晴らしなどではない。子どもたちが画面に集中する時間を占めてきている。

2020年2月では、このゲームだけで1日あたり81分が米国で消費され、英国では76分、スペインでは64分が消費されている。平均すれば、子どもたちは他のビデオゲームアプリよりもロブロックスを約20分長く使用している。(フォートナイトはいい気味だ)

新型コロナウイルスのロックダウン中、ロブロックスで遊んだ子どもはゲームに費やす時間を延ばしており、米国/英国/スペインではそれぞれ、31%/17%/45%の増加率が見られている。ただし、ロックダウンはゲームアプリを使用する子どもの割合を増やしていないことが明らかとなった。

教育アプリ全体は、ロックダウンが始まるまでは、2019年から2020年初頭までほとんど成長していなかった。しかし、調査対象の3つの市場のうち2つでGoogle Classroom(グーグルクラスルーム)が市場を制覇し、スペインの子どもの65%がこのアプリを使用するに至り、米国では50%の子どもが使用しているが、英国ではわずか31%にとどまっている。(英国ではShow My Homework(ショーマイホームワーク)の方が人気があり、ロックダウン期間中に42%へ成長した)

報告では、増加した子どものアプリ使用率は、政府のロックダウンが解除されにつれ多少減少しても、新型コロナウイルスが蔓延する以前のレベルへ戻ることはないであろうと示唆されている。これは、Nielsen(ニールセン)社が本日発表した常時接続のTV利用に関する調査結果とも一致する。この調査でも、政府の規制が解除された後に、コロナ以前のレベルへの落ち込みは見られていない。

クストディオの報告ではこう述べられている。「今では、およそ250億台のデバイスが世界中で相互接続されている。そして、こうしたデバイスの多くが子どもたちに所有されている。」同報告はこう締めくくっている。「今日、米国の子どもは平均して毎日100分近く、YouTubeを鑑賞している。英国の子どもは毎日70分近くもTikTokで過ごし、スペインの子どもはロブロックスで毎日90分以上を費やしている。アプリの使用時間がとっくに増加し始めた世界は、もはや以前の状態に戻ることはないだろう。新型コロナウイルスはそれを加速させただけだ」。

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Category:ネットサービス

Tag:YouTube TikTok 動画配信

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(翻訳:Dragofly)

YouTubeがチャプター機能導入、指をずらして再生スクラブも可能に

YouTubeで長い動画中の見たい場所を探してスライドバーの赤い丸をあちこち動かして苦労したことがあるなら、これは歓迎すべき変更だろう。ビデオチャププター(Video Chapters)は視聴者がビデオ内の特定の位置にジャンプするのを助ける新機能だ。

ビデオの製作者は、タイムスタンプを利用してビデオをチャプターに区切ることができるようになった。製作者がチャプター情報を付加する必要があるためすべてのビデオでこの機能が利用できるわけではないが、視聴者のナビゲーションが容易になった。

YouTubeは4月にビデオチャプターのテストを始めたていた(Android Police記事)が、このほどデスクトップに加えてiOS、Androidでも一般公開された。

製作者がビデオの「説明」にチャプター情報を付加するとビデオチャプターは自動的に有効になる。チャプター情報はチャプター名と開始時点のタイムスタンプの組からなる。最初のチャプターのタイムスタンプは0:00だ。スペースを空けてチャプター名を続ける。1チャプター1行を使うので改行し、「2:31 第2の場面」のように次のチャプターのタイムスタンプと名称を入力する。以下同様だ。チャプター情報の入力が終わったら「説明」を保存、もしくは更新する。

ビデオチャプター機能を利用するためにはビデオにはそれぞれ10秒以上の部分が少なくとも3つ必要だ。

YouTubeではモバイルデバイスでビデオを見るユーザーのために触覚(ハプティック)なマークも入れた。動画が新しいチャプターに入るとかるい「ビッ」という振動を感じるとYouTubeでは説明している。もちろんこれはハプティック・フィードバック機能をサポートしているデバイスでのみ有効だ。

また上のGIF画像のように視覚的な「スナップ」も用いられ、チャプターによってスライドバーの表示が変化する。チャプター開始位置に正確に移動したい場合は、わずかに動かすだけでそこに「スナップ」する。ユーザーは適当なところで現在位置を動かすの止め、新しいチャプターが始まるのを待つこともできる。

今回のアップデートではビデオチャプター以外にも便利な機能が追加された。モバイルやタブレットの場合、現在位置のマーカーをスクラブ中に画面に指つけたまま上下に動かしてスクラブバーを見ることができる。今までは指が邪魔で現在位置がどこなのかわかりにくかったが、指を上下にずらしても画面から離さないかぎりスクラブを続けることができる。

YouTubeでは、この機能のテストを開始(@Podcastageのツイート)すると同時に、好意的なフィードバック(@Eric Ravenscraftのツイート)が多数寄せられた(@Philip DeFrancoのツイート)と説明している。

またYouTubeではテスト中に表示できるチャプター数をデバイスがスクリーンの大きさに応じて決定できるようにすればサポートするチャプター数を増やせることに気づいてそのように改良している。つまり多数のチャプターに区分された長いビデオを見るなら縦位置のモバイルデバイスより横位置がよいし、デスクトップの方がさらに便利だ。デスクトップでも全画面で表示すればいっそう多数のチャプターがサポートされる。

ビデオチャプター機能はYouTubeが提供するが、チャプター区分情報はビデオの製作者が入力しなければならないため、既存ビデオの大半にはまだチャプターが表示されない。しかしチャプターの動作を確認できるビデオもある。The Flaming Lips(ザ・フレーミング・リップス)や Radiohead(レディオヘッド)のコンサート、 SpotlightチャンネルのインタビューJens Larsen(ジェンス・ラーセン)のギターレッスン バーベキューチキンのレシピ機械学習についてのMITの講義などだ。

新機能によって長尺動画をナビゲーションするときの煩わしさが大きく軽減された。これはユーザーのエンゲージメントを高めるだろう。YouTubeを長いコンテンツのリソースとするのに大いに役立つことことは間違いない。コンサートではお気に入りの曲が演奏されていることろだけ見ることができるし、レシピやチュートリアルでも不要な部分をかき分けてなくてもすむ。これまでは見たい場所が簡単に見つからず、視聴を止めてしまうことも多かった。最も視聴者が見たい場所だけを簡単に見られることはトータルの視聴時間を減らす可能性もある。

YouTubeによると、チャプター機能はレコメンドやそのほかのアルゴリズムには一切影響を与えないとしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook