セキュリティ研究家がこれまで集めた1000万件の(本物の)パスワードを一般公開

セキュリティ研究家のMark Burnettが、ユーザ名とパスワードのセット1000万件を収めたtorrentファイルを公開した。それは彼がWeb全域のオープンなWebサイトから集めた、比較的匿名化されているデータの集まりだ。それらのパスワードとユーザ名は古くて、その多くは使われていないと思われるが、いちばん重要なのは、Burnettがそれらを、“誰でも検索エンジンで見つけることができて、誰もがプレーンテキストで入手できる(ハッシュされていないし暗号化もされていない)ので、これまでも、コンピュータシステムに不法アクセスしようと思う者が盗もうと思えば盗めたものである”、ことだ。

彼がそれを集めたのは、彼のパスワード研究の一環としてだ。パスワードの振る舞いは不透明である。なぜそんなパスワードが選ばれたのかよくわからないし、またWeb上におけるパスワードの強度を客観的に評価する方法もない。企業はいつも、うちのパスワードデータベースは安全だと言うが、その言葉には根拠がない。しかも、いちばん多く使われているパスワードが”password”だから、そんなものが安全であるはずがない。

Burnettは次のように書いている:

学生たちやセキュリティの研究者たちから、私のパスワード研究データのコピーを求められる機会が多い。パスワードを共有することはお断りしているが、しかしそれでも、問題のない、きれいなデータ集合なら公開したいと思っていた。よく注意して選んだデータ集合は、パスワードにまつわるユーザの行為を知る手がかりになるし、パスワードのセキュリティをより強化するためにも役に立つ。そこで、1000万件のユーザ名とパスワードを集めたデータ集合を作り、パブリックドメインに公開することにした。

そのデータ集合は、ここでダウンロードできる。

Burnettはこれらのパスワードを公開するにあたり、相当悩んだらしい。まず、これは技術的かつ学術的な行為だが、それに対する法律がどうなっているのか、よく分からない。議員などに聞いても、明快な答は得られない。しかも自分の研究の一部を一般公開することには、リスクが伴うかもしれない。ジャーナリストのBarrett Brownが投獄されたことを見ても、セキュリティを扱う場合は自分の言動によほど用心しなければならない。今回の件は、違法にあたるとはまったく思えないにしても。

というわけで、1000万件のパスワードを見ながら、自分を反省しよう。今使ってるパスワードの、どこがまずいのか? ところでぼくは、超安全なパスワード“ILovePizzaAndBeerLakers2015!”を、捨てる気はないけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


超巨大なBitcoinマインの内部を見る

Bitcoinのマイニングはきれいな仕事ではない。専用のサーバが大量に要るし、文字通り専用でほかのタスクは動かせないし、冷却用に強力なファンやエアコンが要る。しかし、そんな大型サーバラックが何千も並んでいる光景は、‘きれいでない’を通り越して、もはや醜い。

Motherboardが提供している下のビデオは、中国のLiaoning Province(遼寧省)にあるbitcoinマイン(mine, 鉱山)を取材している。大きな廃工場を利用し、その中では蛇の巣のように大量のワイヤが群をなし、強力な…人が近づくと吸い込まれるという…ファンが回っている。巨大なサーバファームだが、あらゆるスペースにサーバとケーブルがあるでけで、極端に無駄がない。

このサーバファームは全ブロックチェーンの3%を管理している。超難解な問題にこんなに多くの計算機資源が投じられ、何千台ものマシンが一斉に動いている。でもそれらは、bitcoinのトランザクションのごく一部を扱っているだけなのだ。

 

〔訳注: 上のカット写真とこのビデオに写っているサーバファームとは、まったく関係ありません。こんな参考記事もあります。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ZappyLabは、科学研究のGitHubを目指す


科学者は大変だ。人類を別次元の巨大モンスターから守る(パシフィック・リムのクローバーフィールドを見よ)だけでなく、実験室の中で、再現可能な実験や技術を創造しなくてはならない。そこで、 ZappyLabの登場である。

TechCrunch Radioのピッチオフで優勝したZappyLabは、初めての製品Protocols.ioで、研究者たちが実験の「レシピ」を共有する手助けしようとしている。

「[共同ファウンダーの]Alexei Stoliartchoukは2012年1月7日に私に電話をかけ、生物学者のためのアプリを作れないかと尋ねた」と共同ファウンダーのLenny Teytelmanは言った。「そこでレシピのチェックリストのアイデアが浮かんだ。3週間後、彼に電話してこう尋ねた、『科学者に〈シェア〉ボタンを渡したら、クラウドソースによる保管庫が作れるだろうか』。あれが決定的瞬間だった」。

チームは、実験生物学、ウェブ開発、およびマネジメントの経験を持つ。自己資金10万ドルとシード資金80万ドルで会社は立ち上げられた。彼らはKickstarterキャンペーンでも5万ドル以上を集めた。

「科学者のために、ウェブだけでなくiOSとAndroidのネイティブアプリも本気で開発しているのは、われわれくらいだ。作りたいのはGitHubライクな科学コミュニケーションのためのリソース ― クラウドソースのオープンで常に最新な、科学的手法の貯蔵庫」とTeytelmanは言った。

しくみは? Teytelmanの説明によると、このサービスを使うと研究プロトコルや技術を協業的に共有することができる。例えば、Teytelmanは論文誌を読んでいて実験手順が抜けていたり、不正確に書かれているのを見ることがよくあると言う。オンラインで共有することによって、研究者同志で実験を再現したり、協業したりが、よりタイムリーに行えるようになる。

チームは、彼の大きな目標にとても興奮していた。

ワクチン、気候変動、老化、がん ― あらゆる人と物に影響を与えるもの ― の研究は、われわれのサービスがあれば、今よりはるかに早く進むだろう」とTeytelmanは語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Swatch、Appleと同時期にスマートウォッチをリリースへ―成算ありや?

BloombergBusinessのインタビューよれば、SwatchグループのCEO、Nick Hayekは4月にスマートウォッチをリリースすると語った。Apple Watchのリリースも4月と予想されているから、同時期になる可能性が高い。

しかしSwatchはテクノロジーファンに製品を売り込むノウハウを持っていない。 私がこちらの記事で指摘したとおり、Swatchグループはオメガ、ブレゲ、ハリーウィンストンなどのブランドを傘下に持つスイス高級時計産業の主要な柱だ。これらはクロワゾネ七宝焼の花瓶同様、極めて芸術的な贅沢品で、決してテクノロジーによる利便性を売り物にした製品ではない。Swatchグループは何回もテクノロジー製品を売ろうと試みているが、Tissot T-Touchを例外としてすべて失敗している。

今のところSwatchスマートウォッチについてはWindowsとAndroidプラットフォームをサポートするシンプルな製品で「自動的に充電される」という以外詳細についての情報はない。かつての自動巻き腕時計のように腕の動きに応じて回転する偏心錘を使うのか、あるいはもっと大きな錘りがケースの中を飛び回る方式を使うのだろうか? 後者のテクノロジーはUlyssee Nardinが豪華なChairman携帯で使ったことがある。セイコーもKineticと呼んで何十年も前から利用している。

しかし問題はケース中で小さな錘を動かすことで得られる運動エネルギーが極めて小さいことだ。単純な腕時計を動かすだけなら足りるが、カラー画面のスマートウォッチを作動させるのは相当に難しい。おそらくSwatchのインターフェイスは極めて限定されたものになるだろう。そもそも「自動充電」方式が可能なのかどうかも疑わしい。優秀なテクノロジー企業と提携すればあるいは可能かもしれないが、困難な開発であることは間違いない。

またAppleへの対抗意識も見逃せない。SwatchグループのCEO、Nick Hayekは4月にリリースするとしているので、おそらくApple Watchのリリースと重なることになるだろう。 またHayekはAndroidとWindows Phoneをサポートするとしたが、これはAppleという巨人に挑戦することを考えれば当然の選択だ。

さてうまくいくだろうか? 現時点では私には予想がつかない。今年は世界中の時計メーカーがスマートウォッチ市場に参入する。Montblancは時計のバンドの裏側にメッセージを表示するスクリーンを組み込んだsmart braceletを作った。一方で、MMT Horological Smartwatch Platformという高級腕時計をスマート化する独自プラットフォームも来月発表されるという。高級腕時計産業もそろそろスマートウォッチを脅威と考え始めたようだ。

Swatchの戦いは長びくだろうし、また予測しにくいものになりそうだ。スイスの腕時計産業の前途は波乱ぶくみとなってきた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

 

【以上】


研究結果:Facebookは鬱病の原因になりうる


ミズーリ大学コロンビア校の研究者らは、Facebook友達をうらやむ気持ちが鬱病の原因になるという、一部の人々をためらわせる調査結果を得た。学生700人を対象に調査した結果、「調査的利用」 ― 自分の生活を友達と比べるためにサイトを閲覧する ― をする人々は、単に友達や家族とのふれあいに使っている人々と比べて、鬱病の症状を起こしやすかった。

「ユーザーがFacebook上で友達の行動やライフスタイルに対する羨望を感じると、絶望感を示す可能性が高くなることがわかった」と、ジャーナリズム学科のMargaret Duffy教授は言う。「Facebookは多くの人々にとって非常にポジティブな情報源だが、個人の達成感を他人と比べるために使われた場合、ネガティブな効果をもたらすことがある。Facebookユーザーはこうしたリスクを認識した上で、利用する際にはこの種の行動を避けることが大切だ」。

要するに、友達のすてきなバカンスの写真を憎悪をもって見たり、友達の高価な買い物を探したりすれば、気持ちが落ち込むということだ。

もちろんこれは極く少数の限定された標本に基づくものであり、鬱病の兆候は多様であるが、結果は興味深いデータであり、ソーシャルメディアに取り付かれ、なぜ自分がそれほど不快な気分になるのか理解できない人々の助けになる可能性はある。これが理由の一つかもしれない。

本研究は、Computers in Human Behaviorという論文誌に掲載された。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


3Dプリント義手で、少年がギターを弾けるようになった

Diego Corredorはギターを弾きたかったが、生まれつき右手がなかった。義手を使ってコップの水を飲んだり、物を持ち上げることはできるがピックを持ったり弦をつまびくことはできなかった。そこへ登場したのが3D Gluckのメーカーたちだ。

チームはコロンビアに住むCorredorと一緒に、ギターを弾けるカスタム義手を制作した。実験中は手のように見える必要はなく、最終的にカバーを被せて彼の腕に固定し、ピックを把むためのクリップを付けた。チームはCorredorのために、リンキン・パークのロゴで腕を飾った。

「私たちは実用的でDiegoの充生度を高めるものを作りたかった」と3DGluckの共同ファウンダー、Andrea Monroyは言った。

e-Nableを始めとする非営利グループによる3Dプリント義肢は、50ドル以下でプリントできる非常にシンプルな手に力を入れている。Corredorの手もその程度の価格で、10代の若者がカッコいいエレキギターを弾くことができる。

via 3Dprint

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Milk Nannyは、赤ちゃんのミルクを自動的に作ってくれる

私は一人の親として、Milk Nannyのようなガジェットは、親であるための苛酷な不眠実験が5ヵ月経過した頃には忘れられてしまうであろうことを理解できる ― Diaper Genie[オムツ用ゴミ箱]やおしゃぶり禁止ルールと同じように。しかし、ガジェットおたくとして、私はこの製品を実にクールだと思っている。

それはシンプルな装置だ。システムには一定量の粉ミルクと水が保持されている。ミルクが必要になったらボタンを押すだけで、暖められたすぐに飲めるミルクが出てくる。スマートフォンから制御することも可能で、使っている粉ミルクの種類をスマホに入力しておけるので、栄養成分をリアルタイムで記録することができる。こうして親たちは、わが子がいつどれだけ飲んだかを正確に知ることができるので、燃費で頭がいっぱいのホンダ・シビックのオーナーのように、新生児の摂取量を追跡できる。

Kickstarterでの価格は149ドルからで、5月に出荷開始の予定。粉ミルクをとかすことは簡単だが、腕の中で小さな人間が泣き叫ぶ夜明け前の霞の中では簡単ではない。あと何年かすれば、Milk Nannyのような製品が、おしりふきウォーマー(冬には本当に嬉しい)やあの小さなビニール製のキリンと一緒に、欲しい物リストに並ぶようになると私は予想している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


QD LED(量子ドットLED)実用化に近づく―大幅に薄く、色再現性が高く、安価になる

デバイスを薄くするのは難事業だ。最近、バッテリーの薄型化が進んでいるが、ディスプレイは依然としてデバイス中で非常に大きな空間を占めている。eインクなどのフラットディスプレイは読書端末を除いては液晶ディスプレイを代替できない。しかし、量子ドット・テクノロジーがこの状況を大きく変えるかもしれない。量子ドット・ディスプレイはナノ結晶を利用して所望の波長の光を高効率で得るテクノロジーだ。

量子ドット・ディスプレイは画期的に薄くなり、かつ標準的なインクジェット方式で「プリント」できる。ソニー、Samsungなどのメーカーは今年のCESでコンセプトの実証モデルとなる製品を発表している。ただしこれらは量子ドット・テクノロジーをバックライトの光源に用いており、ディスプレイそのものを量子ドット化していない。これまで液晶ディスプレイと同様に映像やテキストを表示できる量子ドット・ディスプレイは存在しなかった

しかしイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究グループは、量子ドットのナノ結晶を電磁的インクジェット方式でフィルムに印刷する方式を開発してきた。これはタンパク質などの複雑な物質を合成するために用いられるテクノロジーの応用だという。 研究概要によれば―

この論文では量子ドット(QD)をナノメートルレベルで精密に制御して多層印刷することにより、発光量子ドット(QD LED)が製造できることを実証する。

つまり、量子ドット素材となるナノ結晶を多層印刷することによってほとんどあらゆる素材の表面に発光LED層を形成できるわけだ。さらに発光層を重ね、RGBの各ピクセルの発光を調整することによって極めて薄く、色再現性の高いフルカラーのディスプレイが可能となる

このテクノロジーはあと数年で商用化されるところまで来ている。デバイスの小型化に大きなインパクトを与えるだろう。こちらにさらに詳しい記事がある。

via Spectrum

〔日本版〕電子を極めて微細な領域に閉じ込めると量子的性質が現れる。量子ドットに青色LED光を当てるとナノ結晶が微細なレーザーの役割を果たし、高効率で波長が変換され、所望の色の光が得られる。現在話題になっている量子ドット・ディスプレイは、記事中にもあるように、通常の液晶ディスプレイのバックライトに量子ドットを利用した白色光源を用いるタイプのもの。スペクトルが太陽光に近いため、色再現性が向上し、省エネにも貢献する。上の記事で紹介されているのは、量子ドットそのものを直接ディスプレイに用いるQD LEDテクノロジー。参考 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


フリーソフトウェア原理主義者が作った厳格にフリーなラップトップPurism Librem 15、クラウドファンディングで好調

Purism Librem 15はフリーなラップトップで、そのフリー(free)は無料という意味ではなくて、自由の意味、“完全に自由でオープンで外部からコントロールされずあらゆるときにハードウェアのすべての側面を完全にコントロールできることが確実である”、という意味だ。いいことだよね。

Todd Weaverという人が作ったこのラップトップはCrowdSupplyでクラウドファンディングして、目標額25万ドルをすでに突破、27万ドルに達している。初期の支援者には1849ドルで提供、メモリは4GB、ハードディスクは500GBだ。がっしりしたラップトップで、 Weaverによると、“完全に自由で、ソフトウェアも完全にオープンなTrisquel GNU/Linuxオペレーティングシステムだ”。〔参考日本語ページ。〕

“Librem 15を構成する成分はどれも完全にフリーでオープンソースのソフトウェアだ。オペレーティングシステムのカーネルも、アプリケーションソフトも。ノンオープンでプロプライエタリな成分を完全に排除するのに、相当苦労した”、と彼は書いている。

なぜWeaverはこれを作ったのか?

“第一に、これまでのフリーソフトウェアラップトップに不満だった。第二に、ハードウェアとソフトウェアの暗号技術による結合が(とくにモバイルコンピューティングでは)ますます強くなっている。どんなハードウェアでも、買ってきてフリーソフトウェアをロードすればすぐ動く、という状況が崩れつつある。だから、ハードウェアの製造という最上流まで行かなければフリーソフトウェアが本当にフリーにならない。また、そんなハードウェアへのニーズは確実にあると信じている”。

Weaverと彼のチームは、組み立てとソフトウェアのロードをサンフランシスコで行い、マザーボードなどの部品はアジアで作っている。すでに小さなロットを契約し、システムの仕様や改良点などについて理解してもらっている。

“高品質でユーザの権利を尊重するハードウェアを10年前から探しているが、ひとつも見つからない。でも、ぼくと同じ気持ちの人はそんなに少なくはない。Richard Stallmanにも会って、Free Software Foundationのハードウェアバージョンを作りたい、という話もした。それからチームを作り、ハードウェアの仕様をまとめ、製造を始めた。プロトタイプが出来上がった時点で、クラウドファンディングで行こうと決めた。信念を外部資本に汚されないためにもね”。

資金募集キャンペーンはあと8日で終わるが、すでに目標額を達成している。Weaverがこれまで売ったラップトップは500台だが、フリーソフトウェアを完全にフリーに使うためにハードウェアまで作る、という考え方は面白いし、しかも確実なやり方だ。魅力的なプロダクトだから、ビジネスとして軌道に乗ればすごくクールだよね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ドイツの研究所が実際にテレポートマシンを作った??

Hasso Plattner Instituteの最新プロジェクトで“転送”されてみたい人は、まだいないと思うが、この研究所が作ったテレポートマシンでは、送信した物が一度破壊されて、3Dプリンタで再び組み立てられる。

テレポート(teleportation)とは、通常の理解では、物が別の場所へ移動することだ。そのときの送受信機と通信回線の上では、物が原子に分解されて送られ、再び元の物へ組み立てられる。…といった、ありえない方法が使われる。しかしこの研究所のテレポートでは、物がスキャンされてその3Dモデルが作られ、それが遠くの3Dプリンタへ送られて、プラスチックで再生される。その際、元の物は粉々に砕かれる。たとえば、あなたが持ってる珍しいフィギュアをテレポートすると、その物は粉にされてしまい、別の場所にその正確なコピーが作られる。その物がプリントされたら、その3Dモデルのデータも迅速に破壊される。

二台の3Dプリンタを使うが、片方はグラインダーとスキャナ役を担当し、もう片方はRaspberry Piによる受信装置が暗号化されたメッセージを受信する。このプロジェクトはScottyというたいへん可愛らしい名前で、完成品のプロダクトというよりもむしろ、新しいアートの方法を概念実証しようとする実験的なプロジェクトだ。

研究者たちはこう言っている:

Scottyは前のシステムのように物をコピーしない。破壊と暗号化が加わったことによって、その物はつねに世界に一つしか存在しない。今のプロトタイプは、単一の物質(プラスチック)しか使えないという制約があるが、アプリケーションの重要な目的二つをすでに実現している: (1)物の単一性を保持するので、友だちなどとの共有においてその物の感情的価値が保全される。(2)所有者はつねに一人なので、物を電子的に急速搬送した場合のライセンスの問題を解決する。

つまりScottyなら確実に、その物はどんなときでも一つしか存在しない。一つしかないことに伴う感情的価値や商業的価値が保全される。また、テレポートの実現性を証明する。複雑な物はこのシステムでは無理だし、生きてる猫も送れないが、アイデア自体はかなりクールだ。

研究者の一人、Stefanie Muellerが上でこう言っている: “Scottyは前のシステムのように物をコピーしない。破壊と暗号化が加わったことによって、その物はつねに世界に一つしか存在しない”。たしかに破壊的ではあるけど、でもテレポートという考えがそもそも、物理的なパラドックスという名の苦行を物に強いることではないだろうか。

出典: 3DPrint

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3DモデルのクラウドソーシングライブラリMakerbotのThingiverseにグループ機能ができた…同好のお友だちを作ろう

Thingiverseは、Makerbotが一般公開の3Dモデルを互いにシェアするために設けたサイトで、同社の好調が衰えない理由の一つでもあるが、これまでは各人が自作のモデルをアップロードするだけで、会話のようなものはほとんどなかった。そこで今回はThingiverseの新しい機能としてThingiverse Groupsというものが作られ、同好の士たちがオンラインのグループを作れるようになった。おっと、同好のメイカーたち、だね。

Makerbotのブログから引用しよう:

Thingiverse Groupsという新しい機能により、特定のトピックやデザインのタイプなどをめぐってグループを作ったりグループに参加したりできる。そしてそこで、会話をしたり、コミュニティのメンバーと“物(Thing)”をシェアしたりできる。グループを作るのは、とっても簡単だ。最新のグループや人気の高いグループを探して、そこにあなたのデザインをアップロードしてもよい。

大きな変化ではないが、でもUAV(無人機)のグループや、教育関連のグループなどがあれば、Thingiverse自身の魅力と価値も上がる。モデルやアイデアを共有できれば、3Dプリントが孤独な営みから、もっと楽しい、有意義な、長く続く営みになる。たとえばぼくは、このグループをほんの数秒で作ったが、今では世界中の親たちがアクセスしてくれるのが楽しみでたまらない。3Dプリントの楽しさが、点から大きな面や立体に変わるね。

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新しい「ドライ」心電センサーが、ウェアラブル医療機器への道を開く


ノースカロライナ大学の研究者らが、「ドライ」心電センサーを開発した。患者の心臓の状態を高精度で監視し、長時間装着することが可能だ。従来の心電センサーは、患者の皮膚との間に濡れたゲル物質を介在させる必要があり、長時間装着することができなかった。新型のセンサーは皮膚に装着され、情報を携帯デバイスに送信することによって、心臓の挙動をより詳細、高精度に監視する道を開く。

「過去数年間、他にもドライ電極が開発され、中にはウェット電極に対抗する可能性を示すものもあったが、われわれの新しい電極は、既存のドライ電極の殆ど ― あるいはすべて ― よりも信号品質が優れている」と、同大学機械・宇宙工学部准教授のDr. Yon Zhuは語った。「さらに、われわれの電極は頑強であり、それはポリマーの中に細いワイヤーを組み込んでいるからだ」

センサーは現行の心電計と互換性があるが、移動する患者にも利用できるため、ポータブル機に最適だ。価格が安いため貼ったまま忘れてしまってもよい。「センサーの原材料費は既存のウェットセンサーと変わらないが、製造プロセスを改善してさらに全体コストを下げる方法を検討している」とZhuは言った。

これは、ウェアラブルの世界にとって興味深い参入だ。Bluetoth塔載の低電力デバイスを、半恒久的な心電計と接続することによって、運動能力や心臓に障害のある患者が、自分の限界や潜在能力を知る手助けができる。従来のウェット電極と異なり、本当にウェアラブルなので、長時間、就寝中でも着用したままでいられる。本システムは、銀製ナノワイヤーのメッシュをポリマーで包むことによって作られており、大きさは25セント硬貨(約24 mm)くらいだ。

via Eurekalert

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


日本のAmazonは本物のメカロボスーツを1億円で売っている

数年前に本誌は、Kuratasというものを記事にしたことがある。そのメカロボットスーツを着ると、敵の匂いをいち早く嗅ぎつけて、BBガトリングガンを撃ち、相手を殲滅できるのだ。2012年にそれが登場したときは、誰もがおかしなジョークだと思ったが、今回は本当にそれが、日本のAmazonから100万ドルで発売された(1億2000万円)。

もちろん、その歩き方はぎごちない。近くのショッピングモールを全壊させるほどのパワーもない。時速約5マイルで移動できるが、腕は別売だ。どっちかというと、オタク向けのアート作品だが、メカ的には本物であり、したがってお値段も高い。卒業祝い、あるいは女の子なら成人〔原文: Bat Mitzvah〕のお祝いに最適だ。将来、地球と全人類を支配するロボット君主たちがこれなら、大歓迎だね。

出典: Technabob

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Mt.Goxの元CEOがドラッグの闇サイトSilk Roadの黒幕だった、という説が法廷に登場

この記事のタイトルを見て“えっ?”と思った人は多いだろう。Silk Roadの頭目といわれるRoss Ulbrichtは実は、このサイトの実のオーナーではなかった。Ulbrichtの弁護士によると、作者はMark Karpelesという人物で、昨年2月になんとなくお芝居めいた崩壊を遂げたBitcoin取引所Mt. Goxの、のちに失脚したトップだった男だ。

Motherboardの記事によると、そのことをついに認めたときのUlbrichtは、微笑んでいたそうだ。

Ulbrichtの弁護士Joshua Dratelは今日の法廷で、KarpelesががUlbrichtに罪を着せた、という説を主張したいようだ。.

Dratelは、“Silk RoadはBitcoinの価値を高めるための道具として作られ、Bitcoinとは一見関係のないサイトを作ってBitcoinの価値を操作しようとした”、と、国土安全保障省のエージェントJared DerYeghiayanのメールを読み上げながら言った。

DerYeghiayanは自分の証拠が強力であると信じ、2013年5月のKarpelesのメールを調べる許可を得ようとさえした。

裁判は今、判事Katherine Forrestにより休廷されている。彼女は、“被告らは午後おそくまでかけて、KarpelesがDread Pirate RobertsないしDread Pirate Roberts(DPR, Silk Roadの頭目の俗称)である、という絵を描こうとしていた。しかし彼らのその説は、作り物めいている”、と述べた。

Bitcoinはこれまでずっと、きわめて小さなグループがコントロールしてきたし、Silk Roadの全盛期においてもそうだった。しかし、あのKarpeles、完全に崩壊したBitcoin取引所の、どじなCEOが、ドラッグの巣窟の親玉だったって? それは、あまりにも、それらしすぎる話だから、Ulbrichtの裁判がますますおもしろくなるだけだ。

[ツイート訳: 弁護士の作戦はMt.GoxのMark Karpelesなどを本当のDPRに仕立てることのようだ。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MarkForgedで3Dプリントした工具や部品は巨人にも壊せないほど丈夫

ちょっと見ると、MarkForged Mark Oneで3Dプリントしたものは、そんなに強そうには見えない。わりと粗い感じの白とベージュのフィラメントでプリントされたレンチなどの工具は、ファウンダのGreg Markが今年のCESでデモして見せてくれたときには、仕上げがまだ行われていない、壊れやすそうな、普通の3Dプリントオブジェクトに見えた。

 

でもその、3Dプリントでできた工具を壊そうとすると、驚きが訪れる。彼が作ったレンチの3Dモデルは、国際宇宙ステーションに送られたのと同じだが、折ろうとしても折れないし、とてもしっかりしている。カーボンファイバとナイロンを使っているので軽いが、強さはスチール並だ。ぼくは何度か壊そうとしたが、カーボンファイバが一筋入っているだけなのに、ものすごく強い。

CESのステージでMarkの話を聞き、プリントされた製品を見たのは先週だ。次回はもっと本格的なレビューを書こうと思っている。

今のところ、カーボンファイバで強化された物をプリントできる3DプリンタはMark Oneだけだ。ベーシックモデルで5499ドルと高いが、設計家やメーカーがアイデアを素早くテストするための備品としても最適だ。これでYodaの頭部をプリントしたい人はあまりいないと思うが、出来上がった物の強度の点で、3Dプリントは使えないな、と思っていた人は、きっと考えを変えるだろう。

このプリンタは、本物の金属を使う3Dプリントの一歩手前まで来ている。もちろん、十分な力を加えれば壊れるが、人の手で壊すことは無理だろう。プリンセス・ブライドに登場するあの巨人フィージックですら。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


CES 2015からのベストビデオ

CESは非常に巨大なイベントだ。私たちはHardware Battlefieldを開催しつつ、コンベンションセンター中を広く歩き回りもした。そこで何時間分ものビデオを撮影したが、以下ではその中で「ベスト」なものをいくつか紹介しようと思う。

ちなみに撮影した全ビデオはこちらに置いてある。「ベスト」として選んだのは愉快なものや、ドローン・ラブがあふれたもの、あるいはいかにもCESらしいものなどだ。ぜひお楽しみいただきたい。また来年のCESで面白いプロダクト(とビデオ)を発掘したいと思っている。

CES Drone Rodeo


 

Indiegogo Going Strong


 

Parade of Drones


 

Garmin’s New Smartwatches


 

Bitcoin World


 

Panasonic’s Secrets Of Good Living!


 

Audi’s Concept Cars


 

HP Sprout


 

All About The Selfie Stick


 

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(翻訳:Maeda, H


女性用性具を3DプリントでオーダーメイドできるPYOD

えー、まず最初にお断りを。この記事の内容は人間のセックスと関連しておりまして、あなたが今お仕事中ならば、それがどんな職場であるかによっては(たとえば老人介護施設なら)、明らかにNSFWとなります。では、そうではない方々のために、始めよう!

で、PYODは、Print Your Own Dildoの頭字語であり、オーダーメイドのディルドをデザインできるツール。完成したデザインを送ると、数日後にそれが3Dプリントされて送られてくる。多くの人が、“なんでそんなことを?”といぶかるだろうが、人の心というものは孤独なハンターでありまして、そのことを思い出せば、あってもおかしくないサービスではある。

 

このプロジェクトを作ったのは、オランダのMaroeska Wijsbeekだ。

“ずっと営業やマーケティングの仕事をしてきたから、ありとあらゆるセックストイ(性玩具、性具)について知ってるけど、自分に合ったのをデザインできるのがあってもいい、と思った”、と彼女は語る。“オランダはもともと、セックストイのイノベーションに関しては世界でも最先端、と評価されているから、うちのサービスもその一つかもね。ベッドルームではいろんなことをして楽しみたい、という人が多いから、このアプリもその仲間になれる。3Dプリントのおかげで、自分の好みにぴったり合ったのを作れるのよ”。

そのハードなウェアは、簡単に洗えて衛生的だ。表面はなめらかで、くぼみなどはない。そして、生産はC国などではなく、完全に、made in Netherlandsだ。

彼女は今、サービスの本格的な企業化を目指してIndiegogoで資金を募集している。協力額36ドル以上で、(目標額10万ドルに達したら)ご自分専用のディルドを入手できる。“あんなもの、どれも同じ形だろ?”、とおっしゃる方も多いと思うが、その考えはたぶん間違っている。どこにどんなフランジを、リッジを、山をつけるか。あなたの寡黙なGreedoちゃんを、Henry Kissingerの横顔で撃つことだって可能なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Fitbit CEOのJames Park曰く「Apple Watchは脅威ではない」

FitbitはCESにてSurgeとChargeという新しいスマートデバイスの出荷開始をアナウンスした。この新プロダクトはもちろんCESにも出品されている。TechCrunchではFitbitのCEOであるJames Parkに話を聞く機会をもつことができた。話題はウェアラブル全般のことや、そしてApple Watchに関することだ。

話の中、ParkはAppleを脅威には感じていないと話している。脅威となるのかどうかについてはまだよくわからない面もある。しかしウェアラブルがファッション分野などにも分化していく中、FitbitのターゲットがAppleのターゲットとは違うところに存在すると考えているようだ。すなわち、Fitbitを欲しがる人と、Apple Watchを欲しがる人は別の層に属するという話だ。

いずれにせよ、Parkは話が上手で非常に興味深い人物だ。話を聞く機会ができたことを本当に嬉しく思う。ぜひ上のビデオをご覧頂きたい。Fitbitの新デバイスについてのレビューも近々掲載する予定だ。

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(翻訳:Maeda, H


Okuは、ニキビケアのアドバイスをしてくれるiPhone用センサー

私と同じようにニキビに悩まされている人へ。Okuが助けてくれるかもしれない。

この小さなセンサーは、皮膚を通して検査したデータに基づいて、スキンケアのアドバイスをしてくれるだけでなく、ニキビが直って消えそうな時期まで教えてくれる。価格は299ドルで、iPhoneアプリと連携して皮膚の健康状態を診断する。

製品開発は1年以上続いており、当初はずっと大きな装置だったが、今はずっコンパクトでキュートになった。

ここで予約すれば3月に出荷される予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


PCB(プリント回路基板)を数分で作る回路基板専用プリンタV-One

回路基板を作るのは楽しいけど難しい。プラスチックの板とエッチング液があれば家でも作れるが、Voltera社が今度作った回路専用のプリンタV-Oneがあれば、全工程をもっと簡単にできる。

このプリンタを作ったJames PickardとJesus ZozayaとAlroy Almeidaの三人は、全員カナダのウォータールー大学で電子機械工学(メカトロニクス工学)を専攻し、一緒に、ラピッドプロトタイピングをもっと簡単迅速にやる、という課題に挑戦した。

“このプリンタがあれば、すべてのハードウェアデベロッパがこれまでの制作工程に感じていたフラストレーションがなくなり、開発期間を数か月から数日に短縮できる”、とAlmeidaは言う。

〔ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。〕

“これまでは、回路基板ができてくるまで二週間もぼーっとして待つなんて余裕のない仕事が多かった。ホビーとしてやるときも、一部はどうしても外注になるから、けっこう高くつく。3Dプリンタが機械的なプロトタイピングに革命をもたらし始めたちょうど同じ時期に、ぼくらは回路基板プリンタのアイデアを発想し、電子工学のプロトタイピングにも同じ革命をもたらしたい、と思った”、と彼は語る。

 

プリンタの製造はアジア等でなく北米でやるつもりだ。彼らは今、ユーザの可能性のある人たちに、家庭用PCBプリンタに必要な要件を聞き取り調査している。想定しているユーザは、大学、メーカー企業、それにハードウェアスタートアップたちだ。

“VolteraのV-Oneは、紙の上の回路図のような単層の回路をプリントするだけでなく、FR4の上に二層の回路をプリントができる。このサイズと費用で二層ができるのは、これが初めてだと思う。しかも小さな部品はすべて基板上に焼結するから、半田が要らない”、とAlmeidaは述べた。

同社はラスベガス(CES)で本誌が主催したHardware Battlefieldのステージでローンチし、発売は来年を予定している。これまでハードウェアホビーを諦めていた人も、全員、大急ぎでトランジスタの勉強をした方が良いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))