サブスク型ゲームカタログアプリGameClubがAndroidにも登場

Apple ArcadeGoogle Play Passのような新たなサービスは、モバイルゲームコンテンツにサブスクベースでアクセスできるというスタイルがとられている。昨秋、GameClub(ゲームクラブ)というスタートアップもこの分野に参入した。超ヒットとなったモバイルゲームを新たな収入源とするアイデアを試すためだ。GameClubの月5ドル(約530円)のサブスクサービスはiOSで始まった。これまでに計1億回のダウンロードがあった100超のタイトルを利用できる。そして米国6月18日、Androidでも利用できるようになった。提供するタイトルは現在120を超える。

GameClubのAndroidでの展開は、ゲーム業界が無料でプレイできるF2Pモデルに大きくシフトし、ユーザーがコンテンツに最初からお金を払いたがらくなっている中でのものだ。こうした傾向により、多くのジャンルのゲームがアプリストアからの脱落を余儀なくされている。GameClubのゲームのセレクションに目新しさはなく、アプリ内購入や広告で収益を上げるタイプでもない。

GameClubの共同創業者でCEOのDan Sherman(ダン・シャーマン)氏はサービス開始当時、F2Pモデルは一握りのジャンルでのみうまくいき、アクションやアドベンチャー、アーケード、タワーディフェンスなどの復活を試みている多くのジャンルではそうでないと説明した。基本的にGameClubは永久に続くようにつくられているゲームではなく完結型のゲームを提供する。

Apple ArcadeやGoogle Play Passの仕組みと同様に、GameClubユーザーは全てのゲームにアクセスするために購読料を払う。1つの購読で最大12人がiOS、そしてAndroidの端末でゲームを楽しめる。オンラインとオフラインの両方に対応し、アプリ内購入や広告は一切ない。

iOSでは計87のゲームができるようになり、Androidでは立ち上げにあたってまずは40のゲームが用意された。しかし同社はさらにゲームをリリースし、AndroidもiOSと同じ数になる見込みだ。新しいゲームは毎週追加される。

「サブスクは健全で、さほど高価でないゲームの楽しみ方だ。うっとうしい広告やルートボックスもない」とシャーマン氏は話した。「GameClubはiOSとAndroidの全ゲーマーにこうしたメリットを提供できる唯一のサービスだ。お手頃価格で、スキルベースのエンターテイメントをほぼ全てのスマホとタブレットを通じてあらゆる場所のゲーマーに届けるべく、サービスを拡大する」と付け加えた。

GameClubのカタログはモバイルゲーミングサイトTouchArcadeの前編集主任、Eli Hodapp(エリ・ホダップ)氏が引き続き監督する。GameClubを代表するタイトルとしては、Breach & Clear、Paint it Back、Spider: Rite of the Shrouded Moon、Legendary Wars、Monster Wars、Flick Fishing、Pocket RPG、Cursed Treasure 2などがある。

これらのタイトルは契約を結んだ後にGameClubによって単に再配信されているだけではない。GameClubのデベロッパーチームはゲームが新しく感じられるよう、たとえば最新のスクリーンサイズや解像度に最適化することでアプリのオリジナルコードをアップデートしている。

AppleはiOSアプリが他のアプリを販売するのを禁じているが、GameClubはiOS上での展開が許されてきた。というのも、GameClubハブは自前のアプリストアではないからだ。その代わり、iOSユーザーは個々のGameClubゲームを直接App Storeからダウンロードしなければならない。

ただ、Appleの承認を得るのは簡単ではなかった。GameClubが言うには、立ち上げ前にアプリは127回もAppleに却下され、同社のデベロッパーアカウントは1カ月間調査を受けた。この間、AppleはGameClubの申請のレビューを停止した。

その後、調査は何の説明もなく終わった、とシャーマン氏は述べた。GameClubのレビュープロセスはApple Arcadeがリリースされた後に簡単になった、とも指摘する。しかしGameClubはこれまでにApp Storeで特集されたことはなく、おそらくこれはGameClubの性質がApple Arcadeと競合するものであるためだとシャーマン氏は考えている。

GameClubは購読者数や売上高についての情報を明らかにするのは却下した。

「我々はそうした数字は公開しない。しかしiOSアプリが昨秋リリースされて以来、あらゆるアスペクトで前年比で毎月2桁成長している」とシャーマン氏はTechCrunchに語った。「モバイルゲーミングのコミュニティの大部分は真にプレミアムなゲーム体験を求めていて、GameClubはそうした人々が探しているプレイスタイルを提供している。また、GameClubでは邪魔な広告やユーザーを食い物にするアプリ内課金、そのほか近代のモバイルゲーミングに付き物となっている煩わしいものが一切ない」と述べた。

Androidアプリの開始で、GameClubのライブラリー上では、まだプラットフォームで提供されていない12以上のベストセラーゲームが特集されている。そのうちのいくつかは初めてAndroidで提供される。Flick FishingPuzzlejuiceSwap This!Zombie Match DefenseORC: VengeanceHackycatRaid LeaderWizard Golf RPGCubed Rally RacerReturn of the Zombie KingPotatoman Seeks the Troofなどだ。リスト一覧はここでチェックできる。 

GameClubのAndroidアプリはiOSに加え、Google Playでも入手できる。 

画像クレジット: GameClub

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(翻訳:Mizoguchi

YouTubeがサイトへの誘導を強化する新広告フォーマットを発表

YouTubeにユーザーが商品をブラウズでき「購入に結びつきやすくなる」ダイナミックな広告フォーマットが発表された

ビデオ下部に表示される広告に商品の映像を表示させること可能となり、ブランドへのトラフィックを増加させる効果が期待される。このフォーマットの導入はパンデミックの発生で消費者のが実店舗に出向くを控えるようになり、広告主がeコマースによるショッピングへの関心の高まりに対処する方法を探していることに対応したものだろう。

ことにYouTubeはこの関心の変化への対応に役立つプラットフォームだと考えている。なにしろ70%の人々が商品をYouTubeで見て購入を決めたという。

新しいショッピング用広告フォーマットを使うにはまず、ブランド側がGoogle Merchant Centerフィードを動画広告と同期させる必要がある。 これにより広告主はYouTube動画に重ねて表示されるCTA(Call-to-Action、行動を促すフレーズ)広告を使って掲載したいベストセラー商品を表示し、ブランドのウェブサイトの商品リストに直接アクセスするトラフィックを生成できる。

新しいフォーマットのベータテスターにはAmerican Eagleの女性水着、下着向けブランドのAerieが含まれていた。ブランドはYouTube広告によって2020年春キャンペーンにおけるブランドの認知とアパレル自体の販売の促進を図った。「新しいフォーマットによるAerieのYouTubeターゲット広告の費用対効果は前年より25%アップし、従来の広告ミックスの9倍のコンバージョンを達成した」とYouTubeは述べている。

このニュースに関連して、YouTubeはTrueViewアクションキャンペーンを強化するビデオアクションキャンペーンを開始したこととを発表した。このキャンペーンを利用するとCTA広告をYouTubeのホームフィード、動画再生ページ、Googleの動画パートナーのサイトで表示させることができる。YouTubeによれば「次に見る」のお勧めのようなフィードに今後見る広告も含まれるようになると述べている。

この広告の初期テスターには学生が大学の奨学金を探すのを助けるサービスを提供するスタートアップ、Mosが含まれていた。YouTubeによれば「この数カ月間(のテストで)新フォーマットは、従来のYouTube広告と比較して3分の1のコストで有料契約の獲得を30%以上アップさせた」という。

ブランドは、リード生成フォームをビデオ広告キャンペーンと併用することで広告の表示によりさらに多くのリードを獲得することができる。Jeepがが韓国の法人で実施した例ではリード1件あたりのコストが84%削減され、リードが13倍に増加したそうだ。

この数カ月でブランド、特にブランドのeコマースの促進に重点を置いているテクノロジープラットフォームは、もちろんYouTubeだけではない。FacebookとInstagramは5月にShopsをスタートさせている。ジネスプロフィールをオンラインストとして利用できるようにした。消費者はFacebookやInstagramのアプリを離れることなくブランドから直接商品やサービスが購入できる。Snapchatも6月に入って、対話的広告を世界のeコマース事業者向けに強化(未訳記事)している。 ブランドはSnapchatアプリのテンプレートを利用して自動的に表示される広告を簡単に作成しプロダクトのカタログに誘導することができる。

ただしYouTubeの広告は、HuluやNBCUのPeacockなどのストリーミングサービスで使われているビデオのリモコンから注文ができるショッパブルなビデオ広告(Rethink記事)により近いだろう。YouTubeの場合は視聴者は直接注文するのではなく、クリックすると広告主の販売サイトに誘導される。

新型コロナウイルスによる各種の規制が解除されて実店舗が再開された後も、リードを発見しサイトへのトラフィックを得てオンライン売り上げを増加させようとする企業ニーズは継続すると多くのプラットフォームは考えており、YouTubeも例外ではない。

ちなみにYouTubeはこれまでこうした発表はIABのNewFrontsカンファレンスで行ってきたが、今年はオンライン開催に変更されたため、YouTubeはイベントの実施を待たずにニュースを発表した。

画像:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

EtsyのiOSアプリに壁掛けアートをARで自室に飾りサイズや雰囲気などを試せる機能追加

欲しい商品を自宅に置いたときにどう見えるかを、客が自分で確認して購入を決められるようにTargetHome DepotWayfairIKEAなどの小売り業者は拡張現実(AR)を採り入れている。米国時間6月16日、EtsyもアプリにAR機能を搭載した。iOS版のEtsyアプリが更新され壁に飾るアート作品を客が拡張現実で確認できるようになる(Etsyリリース)。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック以来、部屋の装飾品を買う客が増えていると同社はいう。Etsyによると、例えばこの3カ月間で2019年の同時期と比べて、壁飾りやアート作品の検索数が94パーセントも跳ね上がったという。同様に絵画で63パーセント、版画やイラストで54パーセント、それぞれ検索数が増えている。

家の装飾品はみなそうだが、近くにある家具との兼ね合いや部屋のカラーコーディネートとの調和などを含めて、壁に掛けるアート作品が自宅で実際にどう見えるかを想像するのは難しい。また、作品のサイズも飾りたい場所に適しているかどうか、そもそもそれを飾れる場所があるかどうかも心配なところだ。

画像クレジット:Sarah Perez

EtsyのAR機能は、そうした心配に応えることを目的としている。EtsyのiOSアプリで、Paintings(絵画)、Photography(写真)、 Prints(版画)のカテゴリーから商品を選び、商品画像の右上に新しく追加された拡張現実アイコンをタップすると、それが部屋の壁に出現する。同社によると「アート&コレクターズアイテム」のカテゴリーでは500万点を超える作品が提供されているというが、そのうち壁掛けアート作品として分類されるものがどれほどあるかは不明だ。

Etsyは、新型コロナウイルス禍が始まるずっと前の2019年初めから、AR機能の開発をしてきた。サイズや画像が標準化されたカタログにAR機能を追加できる一般的な電子商取引サイトとは異なり、EtsyのAR機能の導入は容易ではなかった。Etsyの場合、対象となるのがタイトルやタグや写真を個々の作家が独自に決めた大量の非構造化データだからだ。

この機能を構築するために、Etsyのエンジニアは3D空間に配置するアート作品の取り出しにiOSの画像処理アルゴリズムVisionフレームワークを、次に必要な場合の画像の切り出しにiOSのCore Imageを使用した。さらに、その画像に余白が含まれているかを検出し、トリミングが必要かをデバイス上で識別するための機械学習画像分類処理を実装した。利用者の環境にアート作品を配置するためにSceneKitARKitが使われてる。

アプリを起動してAR対応の商品を読み込み、iPhoneまたはiPadを動かして壁の空いている場所を探し、商品をタップすればそこに配置される。複数のサイズがある商品の場合は、商品をズームしてサイズ変更を試すことも可能だ。この機能は、長方形または正方形の商品でもっとも正常に機能するとEtsyは話している。

スマートフォンでの買い物を好む利用者が増えたことで、Etsyの販売のほとんどはモバイルで行われるようになった。2020年第1四半期の総収入は2億2810万ドル(約245億円)で、前年比35.7パーセント増となった。総利益は1億4560万ドル(約156億円)の24.8パーセント増。第1四半期は2020年3月31日までなので、この数字にはパンデミックの全体的な影響は反映されていない。第1四半期では、総売上の58パーセントがモバイルによるものだったとEtsyはいう。

このAR機能は、まだiOS版Etsyアプリではベータ版となる。Etsyによれば、Android版は現在開発中とのことだ。

画像クレジット:Etsy
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(翻訳:金井哲夫)

AppleのApp Store全体における2019年売上は約56兆円

米国の監査当局による独占禁止の調査が厳しくなっている(Axios記事)最中に、Apple(アップル)はApp Storeエコシシテムについての最新情報を発表した(Appleリリース)。通常、同社はWWDCキーノート中にApp Storeに関する数字を発表するが、米国6月15日にApp Storeエコシステムにおける2019年の売上は5190億ドル(約56兆円)だったと明らかにした。これまで発表されてきた数字よりも広範を網羅した数字であり、Appleが手数料を取るものだけでなくApp Storeが絡む全決済を含む。

Analysis Groupのエコノミストが実施した調査は、App Storeエコシステムを完全分析しようという初の試みだ。App Storeエコシステムは今や200万近くのアプリを扱っている。App Storeは2008年に始まり、毎週175カ国の5億人が利用する。ユーザーはこれまでに合計で何千億回もデバイスにアプリをダウンロードした。一方、Apple Developerエコシステムは2300万人のデベロッパーをサポートしている。

調査では、App Storeで行われる決済も調べている。これまでにデベロッパーに1550億ドル(約16兆6000億円)を直接支払ったとAppleは発表したが、その額は物理的な商品やサービスといった他のソースからの売上を含めたときの総額の「ごく一部」と調査は位置付けている。

言い換えると、例えばTargetやBest BuyのiOSアプリで買い物したときのようなApp Storeを通じた小売売上高の数字も調査では考慮されている。ここにはUberを予約したり、DoorDashやGrubhubで料理を注文したりしたときの売上高も含まれている。

Appleはデジタルの商品やサービスに関連する売上からのみ手数料をとっているため、「総額5190億ドルの85%超がサードパーティーのデベロッパーやあらゆるサイズの事業者に渡っている」と調査は指摘している。

5190億ドルの内訳を説明しよう。

物理的な商品やサービスの売上高の割合が最も大きく、4130億ドル(約44兆3000億円)と推計している。Mコマース(モバイルコマース)アプリが売上の大半を生み出し、中でも小売が2680億ドル(約28兆8000億円)で最大だった。小売部門にはTargetのような実在店舗やEtsyのようなバーチャルマーケットプレイスが含まれるが、グローサリー配達サービスは対象外だ。

他の上位Mコマースアプリとしては、ExpediaやUnitedのような旅行アプリがあり、570億ドル(約6兆1000億円)だった。UberやLyftの配車サービスアプリの売上は400億ドル(約4兆3000億円)で、GrubhubやDoorDashなどのフードデリバリーアプリは310億ドル(約3兆3000億円)だった。グローサリー配達はわずか140億ドル(約1兆5000億円)だったが、ただしこの調査は2019年新型コロナウイルス(COVID-19)前のデータに基づいている。

一方、デジタルの商品やサービスの売上高は2019年に610億ドル(約6兆5000億円)だった。ここには音楽やビデオのストリーミングサービス、フィットネス、教育、電子書籍、オーディオブック、ニュース、雑誌、デートなどのアプリが含まれる。ゲーム部門はデジタル商品、サービスの部門で最大だが、610億ドルにおけるゲームや他のアプリの割合についてはこの調査では明らかにしていない。Appleがゲーム、音楽ストリーミングサービス、ビデオストリーミングサービス、オーディオブック、電子書籍、サブスクニュースサービスを扱っていることを考える、サブカテゴリーデータの欠如は興味深いものだ。

アプリ内広告の売上高は450億ドル(約4兆8000億円)でその44%である200億ドル(約2兆1000億円)はゲーム内広告によるものだった。アプリ内広告で相当な売上をあげているゲーム以外のアプリは、大体がTwitterやPinterestのように無料のものだが、一部のアプリは MLB.comやThe New York Timesのようにサブスク型だと調査にはある。

この調査結果発表のタイミングは偶然の一致ではない。

Amazon(アマゾン)やGoogle(グーグル)の親会社Alphabet(アルファベット)、そしてFacebook(フェイスブック)とともに、米下院の独禁法調査委員会は司法委員会のテック企業の競争証明の一環として、アップルに証言するようにプレッシャーをかけているというAxiosが最近報じた。テック大企業4社のうち、アマゾンだけが議会証言に応じることを明らかにしている(The Washington Post記事)。

これに関しては、アップルは反競争的なアプリマーケットプレイスを運営していると非難されてきた。そのアプリマーケットプレイスでは自前のサービスがライバルと競争を展開している。これらの競合相手はアップルにApp Storeでの決済手数料を払わなければならない。アップルはまた、Epic Games Storeのように他のアプリがアプリ販売することを認めていない(AppleInsider記事)。OSをしっかり統合できる似たようなプロダクトを立ち上げ、競争相手を一掃するために有利な立場を利用している。例えばアップルは紛失したものを探し出すAirTagを今後リリースする予定だが、同社はファーストパーティーであり、この事実は現在この分野をリードしているTileよりも有利に働く。

そうしたことから、この調査の視点がアップルがいかにデベロッパーに恩恵をもたらしているかというところから、App Storeでは事業決済が自由に行われていることを強調するものへとシフトしようとしていることが明らかだ。いわばAppleが関わることなく業界が何十億ドル(何千億円)も生み出しているという絵を描いている。

しかしこれは、アップルの手数料を回避するために事業所が取らなければならなかったすべてのワークアラウンドを無視している。

例えばアマゾンは何年もの間、電子書籍やオーディオブック、最近ではビデオを購入できるウェブへとユーザーを誘導してきた。Spotify(Spotifyリリース)やNetflixを含む多くのトップデベロッパーは「Apple tax」を回避するためにアプリから「アプリ内ユーザー登録」をなくした(未訳記事)。結果として、ときに購読者の減少につながることもある。

調査では、こうしたワークアラウンドはデベロッパーの「選択」とみなしている。

5190億ドルの地理的分布を調べているという点でも、この調査は注目に値する。例えば中国が2460億ドル(約26兆4000億円)なのに対し、米国は1380億ドル(約14兆8000億円)だ。そして欧州の510億ドル(約5兆5000億円)、日本の370億ドル(約3兆9000億円)が続き、その他の国の合計は470億ドル(約5兆円)だ。

2019年のApp Storeに関するこの調査は新型コロナパンデミックの最中に発表され、パンデミックにより2020年以降はかなり異なる数字になることが予想される。

「App Storeは、世界で最も安全で活気のあるアプリマーケットプレイスだ」とアップルはニュースリリース内でいう。「あらゆる年齢のさまざまなバックグラウンドを持ったクリエイターやドリーマー、学習する人に、明るい未来やより良い世界を構築するために彼らが必要とするツールや情報を提供している」と述べた。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:Mizoguchi

WWDC参加に最適なApple Developer AppがMacでも利用可能に、新ステッカーなどアップデート多数

オンラインで開催されるAppleの開発者向けカンファレンスであるWWDCを控えてApple Developer Appがバージョンアップされ、Macからも利用できるようになった。同時にデザインも一新され多数のアップデートも行われている。

これはWWDCそのものを含めデベロッパーにとって有用なApple関連の情報を提供するアプリだが、参加者が完全にバーチャルとなったことを考慮して、アプリケーションの「Discover (見つける)」セクションがリニューアルされた。「これによりデベロッパーは関連あるニュース、コラム、ビデオなどを見つけやすくなった」とAppleは述べている。「見つける」セクションには、最新ニュースに加えて新機能の実装に関する推奨事項、エンジニアやデザイナーにヒントを与える情報、ビデオなど「実行可能」なコンテンツが収集され定期的に更新される。

画像クレジット:Sarah Perez

また「ブラウズ」タブも一新された。ユーザーはこのセクションではさまざまなセッション、セミナー、ビデオ、記事、ニュースが検索できる。またWWDCタブ内にすでに存在するテクノロジー、デザインを紹介する100本以上のビデオも検索できる。米国時間6月22日から始まるオンライン配信を控えてWWDCタブ自体もアップデートされた。

今回のリニューアルでは、セッションやビデオに加えて個別記事を「お気に入り」に追加できるようになった。また各種機能強化とバグ修正に加えてスクリーンショットのように新しいiMessage用のステッカーも追加された。

画像クレジット:Sarah Perez

Apple Developer AppはこれまでiPhone、iPad、Apple TVで提供されていたが、今回のアップデートでMac App Storeにも登場した。

アップデートの発表でAppleは「30年以上にわたり、世界中の開発者が人々を楽しませ、文化に影響を与え、生活を変えるような優れたアプリを生み出してきた。Apple Developer Appは開発者全員がより良いアプリを開発するための最新のテクノロジ-を学び、最新の情報を得ることを助ける」と述べている。

現在のApple Developer Appは既存のWWDCアプリの後継として2019年11月にリリースされた。 新アプリのリリースノートには「Appleのデベロッパーコミュニティーを助けるために、WWDC関連コンテンツだけでなく、デザイナー、デベロッパー向け最新ニュース、ビデオなどの主要なリソースに広くアクセスできるようにした」と書かれていた。新アプリはインド、ブラジル、インドネシアなどの新興市場で成長中のデベロッパーにAppleのリソースを提供するのが目的だった。

ただし、この認識は2019年秋のことで、2020年に入って新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックが発生して以後、デベロッパー向けアプリははるかに大きな役割を果たすようになった。

Appleは2020年3月にWWDCを対面で開催することを止めて、セッションの内容をすべてビデオで共有するオンライン開催に切り替えた。先週、AppleはWWDCの詳細を発表したが、これにはキーノート講演、テクノロジーセッションに加えてAppleのエンジニアがデベロッパーの個別の質問に直接に答えるDeveloper Labsのバーチャル版も含まれる。WWDCのスペシャルコンテンツの多くはApple Developer App経由で視聴するのが便利だ。

来週のWWDCは単に現実のイベントを補完するものではなく、オンライン開催がWWDCそのものとなる。つまりアプリにはWWDCに興味ある世界のデベロッパーが殺到することが予想される。今後数日のうちに、アプリは開催中の膨大な負荷に耐えて安定した動作を保てるよう十分な準備をすませておかなければならない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ウォルマートが打倒Amazonに向けてオンラインマーケットプレイス拡大でShopifyと提携

Walmart(ウォルマート)は米国6月15日朝、eコマースショッピングプラットフォームShopify(ショピファイ)との新たな提携を発表した(Walmartリリース)。Shopifyは現在、100万超の販売業者に使用されている。今回の提携で、WalmartのMarketplaceがShopifyの中小販売業者に開かれることになり、1200の販売業者をプラットフォームに呼び込むのが2020年の目標だ。提携により1億2000万人もの月間ビジターを抱えるWalmartのマーケットプレイスにShopify参加ブランドを持ってくることで、Walmartは参加ブランドへのアクセスをかなり拡大できる。

この提携はAmazon(アマゾン)への対抗策だ。Amazonではサードパーティーの販売業者が世界3億人超にリーチでき、発送や返品、カスタマーサービスもAmazonのFulfillment(フルフィルメント)がサポートする。

一方、Walmartはより競争力のある自前のマーケットプレイスの構築を着実に進めてきた。例えば2018年秋に、同社はWalmart Marketplaceのアイテムが同社の無料2日以内配達プログラム(未訳記事)と、店舗での返品を利用できるようになると発表した。そして今日では、WalmartはMarketplaceの成長を「戦略的な優先事項」と表現している。

今回の提携は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによりオンラインで買い物する消費者の数が過去最多となっている中でのものだ。Walmartは自社の米国eコマース事業がパンデミックによる利用増で直近の四半期に74%成長した(Fortune記事)としている。新型コロナで、客は食品や掃除用品といった必需品をオンラインで購入するようになった。Walmart本体の売上も堅調だが、同社のMarketplace事業の成長は事業全体よりも急成長した。

「顧客に提供する商品を拡充することができ、また中小の業者にトラフィックが急増しているWalmart.comへのアクセスを提供できることに興奮を覚える」とWalmart Marketplace副社長であるJeff Clementz(ジェフ・クレメンツ)氏は発表で述べている。「Shopifyは、信頼できる新チャネルを通じての事業拡大に関心のあるサードパーティーのさまざまな販売業者を抱えている。Shopifyインテグレーションにより、承認されたShopify販売事業者は販売アイテムをWalmart.comにもリストアップできる。Walmart.comではWalmartの顧客はさまざまな商品にアクセスできる」と付け加えた。

Shopify統合のローンチで、Walmartは買い物客のニーズに対応できるブランドにフォーカスする。特にWalmartの品揃えを補充するような各種商品を扱い、顧客サービスで実績のある米国拠点の中小事業者を求めている、と同社は話す。

Shopifyの販売業者はShopifyのアプリストアからWalmart Marketplaceアプリをインストールするよう案内され、利用可能かどうかをWalmartが決定する。承認されれば、販売業者は数量無制限でプロダクトをWalmart Marketplaceに加えることができ、またShopify内でプロダクトの画像や品揃えに変更を加えることも可能となる。そうした変更はすぐさま自動でWalmartのサイトに反映される、と同社はいう。

この手の統合は、今後あるかもしれないShopify買収に向けた最初のステップになり得る。WalmartがAmazonの牙城をいかに崩すかという点で、この買収シナリオはこれまでもたびたび浮上してきた(未訳記事)。しかし短期的にはShopifyの販売業者ネットワークはWalmart Marketplaceのライバルという位置付けから、Walmart Marketplaceを活発化させるものへと変わる。マーケットプレイス登録料だけでなく、マーケットプレイスのアイテムが呼び込むトラフィックと売上の増加により、Walmartの収支を押し上げるのに貢献する。

画像クレジット:Walmart

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(翻訳:Mizoguchi

米国、英国、スペインの子どもたちは、YouTubeと同じ程度の時間をTikTokで過ごしている

子どもに関するアプリの使われ方や習慣を調べた最新の調査では、YouTubeの圧倒的な優位性に大きな脅威が迫っていることが判明した。子どもたちはグーグルのオンラインビデオプラットフォーム(YouTube)と、TikTokなど他のアプリやNetflix、ならびにRoblox(ロブロックス)といったモバイルゲームで時間を使い分けるようになっている。現在4歳~15歳の子どもは毎日平均85分間YouTubeビデオを鑑賞しており、TikTokで過ごす時間は毎日平均80分に達している。同調査によると、TikTokが子どものソーシャルアプリ使用を引き上げ、成長率は2019年で100%、2020年で200%に達している。

デジタル安全性アプリの開発元、Qustodio(クストディオ)が発表した年次報告で使われたデータは、米国、英国、スペイン在住の4歳~14歳の子どもを持つ6万世帯の情報を元にしている。そのため、世界的なトレンドを反映したものではない。この調査は2019年2月から2020年4月にかけた子どもたちのオンライン行動を対象としている。新型コロナウイルス危機を考慮に入れ、4つの主要なアプリカテゴリ(オンラインビデオ、ソーシャルメディア、ビデオゲーム、教育)に焦点を当てた。

同調査によると、子どもたちが最も頻繁に利用するアプリにYouTubeが当然のごとく数えられている。

子どもたちは、4年前と比べて2倍の量のビデオを鑑賞するようになっている。YouTubeの公式アプリは13歳以上を対象としているが、それでもこの結果が得られた。これまで徹底されていない年齢制限に対して、YouTubeは2019年にFTC(連邦取引委員会)から米国の子どもに対するプライバシー規制違反を理由に、前例のない1億7000万ドルの罰金を課されている

YouTubeアプリは現在、米国の子どもの69%、英国の子どもの74%、スペインの子どもの88%に利用されている。より低年齢の子どもに向けたアプリのYouTube Kids(YouTubeキッズ)は、米国の子どものわずか7%、英国の子どもの10%でしか使用されておらず、スペインに至っては統計に値しない程度の数字でしかない。

オンラインビデオで第2位となるのはNetflixであり、米国の子どもの33%、英国の29%、スペインの28%が視聴している。

2020年初頭、米国の子どもたちはYouTubeで1日あたり86分を消費している。これは2019年の88分からわずかに下がっている。英国の子どもたちは1日あたり75分を消費しており、これも2019年の77分からわずかに下落している。スペインでは1日あたり63分となっており、同じく2019年の66分からわずかに下がっている。

予想されたことながら、新型コロナウイルスでロックダウンが続くなか、YouTubeの視聴時間は大きく増加した。例えば、4月中旬の米国では子どもたちがYouTubeに1日あたり99分を費やしている。

YouTubeの合計消費時間が減っている理由には、子どもたちがTikTokを利用する時間が増えていることも一因として挙げられている。YouTube規制の増加および関連収益の減少につれ、クリエイターがグーグルのビデオプラットフォームから中国発のこの短いビデオ専用のアプリに移動する勢いをさらに増せる可能性がある。クリエイターが増えれば、コンテンツが充実し、TikTokの魅力が高まるであろう。

昨年、TikTokはフェイスブックが所有していないアプリでは世界でベスト5に入るダウンロード数を誇り、すべての年齢層にわたって成長を続けている。

2019年5月から2020年2月まで、TikTokで子どもが過ごす平均時間は米国で116%増えて82分となり、英国では97%増えて69分、スペインでは150%増えて60分となった。

2020年2月、米国の子どもの16.5%がTikTokを使用しており、これはインスタグラムの20.4%をわずかに下回っているだけで、スナップチャットの16%をすでに上回っている。英国とスペインではそれぞれ、17.7%と37.7%の子どもがTikTokを使用している。

また、TikTokで過ごす時間はCOVID-19のロックダウン期間中に増加しており、同アプリはYouTubeで費やされる時間よりもほんの数分足りない程度にまで成長している。例えば米国では、COVID-19ロックダウン期間中に子どもがTikTokを使用する平均時間は95分に達しており、YouTubeの97分との差は2分しかない。

オンラインゲームでは、ロブロックスが圧倒的な優位を見せ、米国と英国では、それぞれ54%と51%の子どもがプレイしている。スペインでは、わずか17%にとどまるが、その代わり、スペインの子どもはBrawl Stars(ブロスタ)に熱中している。

同様に、米国の子どもの31%、英国の子どもの23%がマインクラフトを遊んでいるが、スペインではわずか15%だ。

ロブロックスは小さな気晴らしなどではない。子どもたちが画面に集中する時間を占めてきている。

2020年2月では、このゲームだけで1日あたり81分が米国で消費され、英国では76分、スペインでは64分が消費されている。平均すれば、子どもたちは他のビデオゲームアプリよりもロブロックスを約20分長く使用している。(フォートナイトはいい気味だ)

新型コロナウイルスのロックダウン中、ロブロックスで遊んだ子どもはゲームに費やす時間を延ばしており、米国/英国/スペインではそれぞれ、31%/17%/45%の増加率が見られている。ただし、ロックダウンはゲームアプリを使用する子どもの割合を増やしていないことが明らかとなった。

教育アプリ全体は、ロックダウンが始まるまでは、2019年から2020年初頭までほとんど成長していなかった。しかし、調査対象の3つの市場のうち2つでGoogle Classroom(グーグルクラスルーム)が市場を制覇し、スペインの子どもの65%がこのアプリを使用するに至り、米国では50%の子どもが使用しているが、英国ではわずか31%にとどまっている。(英国ではShow My Homework(ショーマイホームワーク)の方が人気があり、ロックダウン期間中に42%へ成長した)

報告では、増加した子どものアプリ使用率は、政府のロックダウンが解除されにつれ多少減少しても、新型コロナウイルスが蔓延する以前のレベルへ戻ることはないであろうと示唆されている。これは、Nielsen(ニールセン)社が本日発表した常時接続のTV利用に関する調査結果とも一致する。この調査でも、政府の規制が解除された後に、コロナ以前のレベルへの落ち込みは見られていない。

クストディオの報告ではこう述べられている。「今では、およそ250億台のデバイスが世界中で相互接続されている。そして、こうしたデバイスの多くが子どもたちに所有されている。」同報告はこう締めくくっている。「今日、米国の子どもは平均して毎日100分近く、YouTubeを鑑賞している。英国の子どもは毎日70分近くもTikTokで過ごし、スペインの子どもはロブロックスで毎日90分以上を費やしている。アプリの使用時間がとっくに増加し始めた世界は、もはや以前の状態に戻ることはないだろう。新型コロナウイルスはそれを加速させただけだ」。

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Category:ネットサービス

Tag:YouTube TikTok 動画配信

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(翻訳:Dragofly)

アップルがWWDCの詳細日程を発表、6月22日にはバーチャル基調講演も

新型コロナウイルスのパンデミックは、Apple(アップル)が毎年開催しているWWDC(ワールドワイド・デベロッパーズ・カンファレンス)の予定を引っかき回してしまったものの、今年は31年目となる。衛生上の理由から同社は3月、ほかの多くの企業に倣い、実際に人を集めて行うはずだったWWDC20をバーチャル開催に移行すると発表していた。本日、同社はこのバーチャル開発者会議の詳細な日程を公開した。6月22日には、多くのユーザーが楽しみにしている特別イベント基調講演もある。

アップルが発表したWWDC20の内容は、基調講演、製品の最新情報を発表するPlatforms State of the Union、100を超えるエンジニア・セッション、開発者の質問に1000名を超えるAppleエンジニアが個別に答えるDeveloper Labs(開発者ラボ)、「オールニュー」Apple Developer Forums(開発者フォーラム)と、開発者たちが毎年のイベントに期待するものとほぼ同じものになっている。

開発者フォーラムの「オールニュー」とは、6月18日にアップルのこれまでの開発者フォーラムのデザインが一新されることを意味している。開発者が、これまでのように個人で手続きを踏むことなく同社のエンジニアとバーチャル環境でつながれることに重点を置いてデザイン変更される。

同社によると、WWDC初日から1000人以上のエンジニアが質問や技術的な討論に対応できるよう待機するとのことだ。Apple Developer Program(開発者プログラム)のメンバーも、エンジニアに質問を提出して答えてもらうことができる。

同様にアップルは、今年の開発者ラボもバーチャル化する。同社のエンジニアと対面して座るのではなく、開発者が自らのアプリに採り入れたい先進的技術の担当エンジニアを指名して、予約が取れるようになる。ラボは6月23日から26日まで開かれるが、開発者プログラムのメンバーも、空きがあれば利用できる。

6月23日からアップルは、エンジニアによる100を超える技術とデザインに特化したセッションの動画を配信する。動画は毎日、米国太平洋夏時間の午前10時(日本時間で翌日午前3時)に公開され、iPhone、iPad、Apple TVの新しいApple DeveloperアプリとDeveloperウェブサイトで見ることができる。

もちろん、開発者のみならず、一般の人にとっても大きな楽しみはSpecial Event Keynoteだろう。

今年は、米国太平洋夏時間6月22日午前10時(日本時間6月23日午前3時)に予定されている。Apple Parkからのストリーミング配信が、apple.com、Apple Developerアプリ、Apple Developerウェブサイト、Apple TVアプリ、そして今回もYouTubeで視聴できる。中国では、Tencent、iQIYI、Bilibili、Youkuで視聴できる。ライブ配信の後は、さまざまなプラットフォームでオンデマンド視聴が可能になる。

開発者を対象としたPlatforms State of the Union(各プラットフォームの状況報告会)の基調講演は、米国太平洋夏時間午後2時(日本時間の6月23日午前7時)から。同社エンジニアのリーダーたちが、新機能や iOS、iPadOS、macOS、tvOS、watchOSの技術面の深い話を聞かせてくれる。この基調講演は、Apple DeveloperアプリとApple Developerウェブサイトでオンデマンド配信される。特別イベント基調講演と同じく、Platforms State of the Unionでも Tencent、iQIYI、Bilibili、YouKuを通じて中国でも視聴できる。

WWDC20に先立つ6月16日に同社は、Swift Student Challenge(Swift学生チャレンジ)の最終選考組の発表も行うとしている。

同社もこれで、自社イベントをオンラインで行おうと努力する企業のひとつに加わった。しかし、WWDCのような人気イベントのバーチャルかには難しい点もある。生のリアクション、偶然の出会い、人と人が直接触れ合っての人脈の構築、対面での技術サポートといった、同社が以前からずっと提供してきたものが失われるからだ。開発者の動画やフォーラムはいつでも見られるのだが、それでも世界中の開発者たちは同社のイベントで集いたいと願っている。

アップルによると、今年のWWDCに関するさらなる詳細はApple Developerアプリ、Apple Developerウェブサイト、または電子メールで事前に公表されるという。

スケジュールの概要をここに示すので、ご参照まで(日時は米国太平洋夏時間、カッコの中は日本時間)。

  • Special Event Keynote(基調講演):6月22日午前10時(6月23日午前2時)
  • Platforms State of the Union(プラットフォームごとの状況報告会):6月22日午後2時(6月23日午前6時)
  • Engineering Sessions(エンジニアリング・セッション):6月23日〜26日
  • New Apple Developer Forums(新Apple開発者フォーラム):6月18日に新デザインに切り替え、エンジニアのQ&Aは6月22日
  • 1-on-1 Developer Labs(個別開発者ラボ):6月23日〜26日
画像クレジット:Apple

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(翻訳:金井哲夫)

ウォルマート傘下の倉庫型大型店がネット販売の店頭受取を全国展開へ 

Walmart(ウォルマート)のオンライン食品販売事業は同社のeコマースの売上の成長に大きく貢献(Supermarket News記事)しており、新型コロナウイルスによるパンデミックの間は特に顕著だ。そして同社は今回、傘下のウェアハウス・クラブ(郊外型倉庫型大型店)のチェーン店であるSam’s Club(サムズ・クラブ)の店頭受取サービスを拡張する。米国時間6月10日、S同社は店頭受取サービスであるCurbside Pickupの全国展開を発表。全米597店舗で利用できるようになる。

それまで同社は、店頭受取サービスのパイロット事業を16店舗で展開し、ポジティブな結果を得た。パンデミックによりオンラインの購買者が増え、それ以降Sam’s Clubは全国展開を急いでいた。利用料金は、Plusより上のメンバーなら無料だ。

このサービスを利用するには、Sam’s Clubのメンバーとなり、専用のモバイルアプリから「Pick up in Club」(クラブで買う)とマークされた製品を見つけてオーダーする。そしてチェックアウトの段階で、受け取る時間を指定する。同日受取のオプションも近日中に提供される。店頭受取は親会社のウォルマートの場合と同じで、購入者が指定された場所のどこかに駐車すると、Sam’s Clubの従業員が品物を車に乗せてくれる。

一方、店の従業員はQuick Pickのようなピッカーアプリを使ってオーダーを処理する。

受け取れる時間は、月〜土曜日は午前7時〜午後9時を指定できる。日曜日は午前10時〜午後5時だ。Plusメンバーでなくても一定の時間利用できる。月〜土は午前10時〜午後8時、日曜は午前10時〜午後5時だ。

Sam’s ClubでCOOを務めるLance de la Rosa(ランス・デ・ラ・ロサ)氏は「無料の店頭受取はPlusメンバーの新たな特典だが、現在のような状況ではメンバーの全員が無接触で無料のショッピングサービスを求めている。そのために一時的にこのサービスを全メンバーが利用できるようにして、指定した時間に指定の方法で品物を受け取れるようにしている」と説明する。

もちろん同社の長期計画では、その無料メンバーシップをアップグレードしたうえで、ほかのオンライン食品販売からも顧客を奪う狙いだ。AmazonやInstacart、TargetのShiptのような強敵からも。

新型コロナウイルスのパンデミックの前ですら、オンラインの食料品販売ではウォルマートがAmazonを抜いてトップ(Winsight Grocery Business記事)の消費者お気に入りのネットショップだった。オンラインの食料品販売の無制限デリバリーサービスをWalmart+に改名する(Vox記事)という噂もある。今回Sam’s Clubに店頭受取が加わったことによって、ウォルマートの利用者が選べるショッピングの方法がさらに増えたことになる。

画像クレジット: Scott Olson

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebook Messengerにすぐに顧客へ返信できるアカウント切り替え機能追加

Facebook(フェイスブック)はMessengerに新機能を追加し、ビジネスオーナーは友達や家族とのチャットに使っているMessengerアプリを使って顧客からのメッセージに簡単に返信できるようになった。

このアップデートによりビジネス側では顧客とのコミュニケーションを単一のアプリで実行できるようになった。これまでは顧客の問い合わせに回答するためにそのつどメールなど別のアプリにログインする必要があり、この往復はビジネス側担当者の悩みのタネとなっていた。

フェイスブックが実施した調査によると、オーナー、スタッフなどビジネス側担当者の90%以上がすでにMessengerアプリを友達や家族とのチャットに利用しているという。そこでMessengerに顧客とのコミュニケーションに使えるオプションを提供することが理に適っているとフェイスブックは考えた。

MessengerアプリからFacebookページへの問い合わせに回答できるようにすることは2020年5月に予告されていた。米国時間6月9日にこの機能がまずiOS向けにリリースされ、実際に利用できるようになった(Facebookプレスリリース)ことをフェイスブックは発表している。

新機能は外出の制限、自粛によりオンラインショッピングが急拡大したため、ビジネスには顧客からの問い合わせが殺到し、応答に遅れるが生じている状況で登場した。パンデミック以前にHubspotが行った調査、90%の顧客がカスタマーサービスで重要なのは「すぐに返事があること」だと回答している。現在、顧客が企業に対して尋ねたいことは増え、顧客からの質問は以前より急増している。例えば「現在営業しているのか?」「営業時間は変更されたのか?」「これこれの在庫はあるか?」「接触なしの宅配に対応しているか?」などの質問だ。

リリース前ののテストに参加したMatt Volpert(マット・ボルパート)氏は地域のアパレル店のオーナーだが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、顧客からの問い合わせが2.5倍に増えたと語っている。そのためスタッフがメッセージに回答するのが追いつかず、遅れがちになっていたという。

新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウンのためにスタッフの一部をレイオフせざるを得なかった企業、特にスモールビジネスにとって顧客からの問い合わせに迅速に対応することは売上の落ち込みを最小限にするために最重要な課題のひとつだ。

フェイスブックは「ビジネスユーザー向けのMessengerの新しい機能はFacebookページに代わるものではない」と注意し、ページマネージャーアプリにはまったく影響を与えていない述べている。ビジネスユーザーは従来どおり、ページマネージャを使ってフェイスブックへの投稿を管理し、広告を作成し、ページインサイトを表示して統計を見ることができる。またここからメッセージへの回答を行うこともできる。Messengerに追加された新しいインボックスは返信方法のオプションを増やすことによってスモールビジネスのオーナーなどの利便性をアップさせることが主な目的だ。店舗などのオーナーは友人や家族とコミュニケーションするためにMessengerをすでに開いていることが多いが、これが顧客とのコミュニケーションにも使いやすくなったわけだ。

Messengerの新機能を利用するためにビジネスユーザー側で利用方法に変更を加える必要はない。 オーナー、担当者の個人アカウントがFacebookページに連動していれば新機能は自動的に有効になる。店のオーナーなどはメッセージに返信するときに個人またはビジネスのどちらのアカウントで返信するか選択できる。

新機能はパンデミック以降にフェイスブックが行ってきた一連の取り組みのひとつだ。フェイスブックはいち早く新型コロナウイルス対策のコミュニティヘルプ立ち上げ、利用者の安全を守ると同時に地域のビジネスの支援を図った。最近では地域のスモールビジネスに対する助成金提供ギフトカードやバウチャーなど販売ツールといったサービス追加している

Facebook Messengerのビジネス用インボックスは本日からiOSアプリで利用可能だ。数週間以内にAndroid版も公開される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国のeコマースは2020年に18%成長も小売全体の売上減をカバーできず

eMarketer(eマーケッター)が米国時間6月8日に発表した見通しによると、米国における2020年のeコマース売上高は、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの影響で18%成長する。しかしオンライン注文の増加があっても米国の小売全体が今年受ける打撃すべてを補えない、と指摘している。自動車や燃料も含めた米国の全小売の売上高は2020年に10.5%減の4兆8940億ドル(約530兆円)になるとアナリストは予測している。2016年以来の低水準だ。

この減少幅は、2009年の景気後退時の8.2%減よりも大きい。

「米国においてここ10年で最も大きな消費支出減だ」とeMarketerのシニア予測アナリストであるCindy Liu(シンディ・リュー)氏はレポートの中で述べた。「3月に人々は外出を控えるようになり、わずか数週間で小売の売上は激減した。第2四半期の売上高は2020年最少を記録し、消費者の行動が通常レベルに戻るのに数年かかるだろう」と予測した。

実際レポートでは、小売の売上は2022年までパンデミック前(2019年レベル)の水準に戻らないと予測している。

長期的には実在店舗が小売全体の足を引っ張る。今年、実在店舗の小売の売上は14%減の4兆1840億ドル(約453兆円)に落ち込む見込みだ。そしてパンデミック前の水準に戻るのに最大5年かかるかもしれない。

一方のeコマースは実在店舗の落ち込みを相殺できるほどに強くはない。落ち込みの深刻さを和らげる程度だ。2020年にeコマースの売上は18%増の7097億8000万ドル(約76兆円)となる見込みで、これは米国の全小売の14.5%を占める。

レポートでは、多くの店舗が再開しているにもかかわらず小売全体の売上が少ないままである理由を掘り下げていない。しかし明らかにこの理由の1つとして、新型コロナが引き金となった景気後退の影響が挙げられるだろう。失業や不安定な雇用は、いずれも消費者の支出抑制につながる。加えて、多くの消費者が実在店舗を避け続けていて、必要なものだけをオンラインで注文している。また消費者の多くがテレワークを続けてる中で、アパレルやアクセサリーの販売は大きな打撃を受けている。

アパレルとアクセサリーの部門は通常、eコマースで2番目に大きい。しかし消費者が必要不可欠ではないものの購入を控え、成長は8.6%にとどまる見込みだ。

一方、食品や飲料、ヘルス、ビューティー、パーソナルケアなどを含む他のeコマースの部門は大きな伸びが予想される。食品や飲料が58.5%増、ヘルス、ビューティー、パーソナルケアは32.4%増となる見込みだ。

「前例のないことがeコマースで起こっている。成長率は世界金融不況のとき以来、最大だ」とeMarketerの主任アナリストAndrew Lipsman(アンドリュー・リップスマン)氏は述べた。「オンライングローサリーショッピングやクリック&コレクトといった特定のeコマース行動は、3、4年かけてみられるところをわずか3、4カ月で飛び越した」と付け加えた。

オンライングローサリーへのシフトは、特にWalmart(ウォルマート)で顕著だ。同社は常々、オンライングローサリーがeコマース全体の売上の成長に寄与しているとしている。eMarketerのレポートではまた、Walmartが初めてeBay(eベイ)を追い抜いて米国のeコマース小売としてはAmazon(アマゾン)に続く2位の座を獲得しそうだ、と指摘している。Walmartのeコマース売上高は2020年に35%超伸びると予想され、これは米国のeコマース市場の5.8%を占める。

Target(ターゲット)、Best Buy(ベストバイ)、Home Depot(ホームデポ)、Costco(コストコ)も売上増が見込まれている。

しかし想像の通り、Amazonの成長は群を抜いている。

「Amazonはeコマース市場におけるシェアを38%に伸ばし、独占を拡大させる」とリップスマン氏は語った。

画像クレジット: Sari Montag / Flickr under a CC BY-SA 2.0 license.

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(翻訳:Mizoguchi

ジョージ・フロイド事件と新型コロナでTwitterのインストール記録が更新

Apptopia(アップトピア)とSensor Tower(センサータワー)の2つのアプリストア情報会社のデータによると、全国に広がったGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の事件への抗議運動による不穏な情勢により、Twitter(ツイッター)の新規インストール数は米国時間6月1日の週、記録を塗り替えた。両社の調査による新規ダウンロード数や記録更新時期は正確には異なるが、Twitterアプリにとって世界全体で過去最高の週になった点では一致した。

Twitterの利用増加は、そのプラットフォームが提供するニュースの即時性によるものだ。抗議者がデモ、火災、略奪、警察の残虐行為などをライブとビデオで共有する際にTwitterを利用したため、需要が伸びた。一方、抗議に参加しない人々もTwitterアプリをダウンロードして、事件の展開を直接見届け、フィルターがかけられていない最新のニュースを確認しようとした。

Sensor Towerのデータによると、Twitterの米国時間6月1日月曜日のインストール数は100万強、翌火曜日も100万近くだった。同社がアプリストアのデータを取り始めた2014年1月1日以降、1日のインストール数としては6月1日が過去最多となった。米国における今週のインストール数はピークを迎え、4年ぶりの記録となった。Sensor Towerによると、6月3日水曜日にTwitterのインストール数はわずかに減少し、アプリストアのグローバルチャートにおけるランクもわずかに下落したようだ。

一方、Apptopiaによると、Twitterは6月3日水曜日のインストール数で世界のダウンロード数が67万7000を記録し、これまでの記録を上回ったという。この記録には米国での14万インストールという過去最高記録に近いダウンロード数が含まれるほか、英国、インド、ブラジル、メキシコなどの海外市場のインストールも多数含まれている。ただしApptopiaのデータによる米国のダウンロード数は、Twitter史上過去2番目に多いインストール数だという。

画像クレジット:Apptopia

真実は、おそらく2社が発表した異なる数値間のどこかにある。Sensor Towerの数値は、いつもApptopiaより大きい。だが大きく見れば、2社のデータは全体的に同じ傾向を示す。今週の場合、どちらもTwitterのモバイルアプリのダウンロード数急増により記録的な週になったことを示した。

Twitterが米国以外の市場で多くのインストールを記録したのは奇妙に思えるかもしれないが、これは世界中が事件の展開を注視していることの現われだ。だが、これはおそらくTwitterの需要にとって完璧な嵐のようなものだ。ジョージ・フロイド氏の事件に関する不穏な情勢だけが世界中でインストールが増えている要因ではないからだ。

多くの国が新型コロナウイルス(COVID-19)に対処しており、特にブラジルは現在大打撃を受けている。それがTwitterアプリへの関心を高めている可能性もある。Twitterはニュースが推進力となる特徴があるからだ。

Apptopiaによると、ダウンロード数の記録更新に加え、6月3日には米国におけるデイリーアクティブユーザー(DAU)の記録も塗り替えた。米国では約4000万人がアプリにログインしたという。

Twitterの発表によると、2019年第4四半期の米国の「収益化可能な(monetizable)」デイリーアクティブユーザー(mDAU)は3100万人に上り、2020年第1四半期には3300万人に増えた。mDAUはデイリーアクティブユーザーと同じ指標ではない。広告が表示されるプラットフォームにログインしたユーザーを数えるためにTwitterが開発した測定基準だ。mDAUはTwitterがユーザーデータとして発表する唯一の指標であるため、比較可能なデータとしては最も性質が近い。

インストール数と利用量の急増がどの程度続くかは不明だ。Twitterが次の四半期決算で最新の指標を発表するまで詳細はわからない。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

ロックダウン解除後も米国のコネクテッドTV視聴は新型コロナ前より高水準

米国では、新型コロナウイルス(COVID-19)によるロックダウン中にテレビの視聴やストリーミングサービスの利用が急増したが、それはニューノーマルのようだ。Nielsen(ニールセン)の新たなデータがそれをうかがわせる。広範囲でロックダウンされていた期間、1週間にコネクテッドTV視聴に費やす時間は、メディア全体の利用とともに10億時間超も増加した。しかし政府による規制や外出禁止令が解除された現在でも、コネクテッドTVの利用は新型コロナ前よりも多いことがNielsenの調査で明らかになった。

スマートTVやインターネット接続のデバイス、ゲームコンソールなどを含むコネクテッドTVでは、ユーザーは従来のテレビやケーブルチャンネルよりも以上にさまざまなエンターテインメントにアクセスできる。コネクテッドTVではまた、インターネット経由のコンテンツ、ストリーミングアプリ、ゲーム、その他のビデオサブスクサービスも利用できる。コンテンツが豊富なため、コネクテッドTVの利用は新型コロナパンデミックの間に増えたが、一方で2020年5月初旬における従来のテレビの利用は2019年の水準を超えなかった。

Nielsenのデータによると、2020年3月時点で米国の世帯の76%が少なくともコネクテッドTVを1台所有していた。しかしそれは必ずしも使用量とは関係しない。コネクテッドデバイスを所有する世帯は2020年1月の1カ月で合計で125億時間視聴した。

ほどなくして米国で新型コロナ感染が拡大し、使用量は増えた。デバイスで視聴した時間は前年比81%増で、1週間あたりのコネクテッドTV使用が40億時間近く増えたこととになる。

家族が一緒に視聴するようになり、いわゆる「コビューイング」で、特にリビングルームでのデバイス使用が増えた。コビューイングが視聴に占める割合は2020年3月初めに62.5%だったが、3月末には64.1%になった。

コネクテッドTV以外では、ブロードキャスト、ケーブル、独立TVのコビューイングも2020年3月初めから5月初めにかけて2ポイント(34%から36%へ)増加した。

ただこのデータで最も注意するべき点は、コネクテッドTV使用の増加傾向が政府によるロックダウン解除の影響を受けていないことだ。家から出てより多くの場所に行けるようになったのにも関わらず、人々は家にこもってテレビを観ることを選んでいる。

2020年3月の第1週にコネクテッドTVの視聴に費やされた時間は27億時間だった。その後、外出制限が強まるにつれ視聴時間は増加し、4月6日〜12日の週は40億時間に達した。ただ5月初めまでに多くの州で外出禁止令は解除されたものの、コネクテッドTVの使用時間は1週あたり35億時間までしか減っていない。この数字はロックダウンが始まる前よりも多い。

こうしたデータは、新型コロナのワクチンが出てこない限り、そして新規感染者の数が増えている限り、消費者が外出に慎重になっているということを表しているのかもしれない。しかしパンデミックが米国の消費者行動に長期的に影響を与えていることを指摘する厳しいデータだ。

「米国の49州が経済を少なくとも一部再開しているにも関わらず、コネクテッドTVの利用が多いのは、消費者がコネクテッドTVで利用できるさまざまなオプションやコネクティビティへの関心の高さを示している」とNielsen述べた。「ゆえにニューノーマルでは、コネクテッドTVとコビューイングは新たなメディア消費方式の大きな部分を占める」としている。

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(翻訳:Mizoguchi

アップルが新たにオリジナルのポッドキャストをリリース

Apple(アップル)は5月28日に新しいポッドキャストのシリーズ「The Zane Lowe Interview Series」をリリースして、オリジナルポッドキャストへの取り組みをひっそりと拡大した。このシリーズはApple MusicとApple Podcast、RSS経由で聞くことができる。

厳密にはアップルが初めてリリースするポッドキャストではないが、エンターテインメント系のコンテンツに限定したアップル初のコンシューマー向けシリーズだ。このシリーズでは、アップルのグローバルクリエイティブディレクターのZane Lowe(ゼイン・ロウ)氏がトップアーティストに話を聞いている。これまでにBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)、Kanye West(カニエ・ウェスト)、Hayley Williams(ヘイリー・ウィリアムス)などが登場し、最新のエピソードはLady Gaga(レディー・ガガ)だ。

Apple Musicは以前にポッドキャストを公開していたが、このようなタイプのものではなかった。

現在、アップルはポッドキャストのプラットフォームを使って「Apple Keynotes」、「Apple Quarterly Earnings Call」(四半期ごとの収支報告)、「Events at the Apple Store」と自社のニュースを配信している。「Events at the Apple Store」はコンシューマー向けだが、今回リリースされたものとはジャンルがまったく異なる。これは時として有名セレブが登場するなどApple Storeのイベントに関するポッドキャストだが、大きな目的は顧客をApple Storeに呼び込むことと、アップルのデバイスとソフトウェアがアート、音楽、写真、映画の創作に使われていると示すことだ。

2019年2月にはApple Musicチームがポッドキャストで「GRAMMYs Celebration on Beats 1」として初のライブストリーミングを試みた。

これに対し、The Zane Lowe Interview Seriesは1回限りのものではない。

アップルによれば、Apple Musicにこのシリーズの新しいエピソードが定期的に公開されるという。ただし多くのポッドキャストがそうであるように、新しいエピソードの公開スケジュールは決まっていない。ロウ氏が4組のアーティストにインタビューをする週もあれば、翌週にはまったくしないかもしれない。インタビューが必ずしもニューアルバムのリリースと関連するわけではないが、大きな効果はある。

このシリーズが5月28日にリリースされた後、NewYork Timesにはロウ氏が詳しく取り上げられた(NewYork Times記事)。

シリーズのリリース時には7本のエピソードが公開された。アルバム「Chromatica」のリリースに先立って録音されたレディー・ガガの新しいインタビュー、ロックバンド「Paramore」のヘイリー・ウィリアムスが初のソロアルバムリリースにあたって受けたインタビュー、アルバム「Changes」のリリースに関するジャスティン・ビーバーのインタビュー、カニエ・ウェストの9枚目のソロプロジェクト「Jesus is King」のリリース直前に録音されたインタビューの前編と後編、Selena Gomez(セレーナ・ゴメス)の3枚目のアルバム「Rare」についてのインタビュー、そしてビリー・アイリッシュがデビューアルバム「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」を詳しく語るインタビューだ。

アップルがオリジナルのポッドキャストシリーズを立ち上げるのは、ここ数年、ライバルのSpotifyがポッドキャストにかなりの投資をしているのに続く動きだ。Spotifyは、ポッドキャストのツールを開発していたAnchorなどのスタートアップや、GimletThe Ringerなどポッドキャストネットワークを買収し、2019年の買収金額は4億ドル(約435億6000万円)に達した。その結果、Spotifyは現在、数百ものオリジナル限定ポッドキャストをサブスクリプション利用者に提供している。2020年5月時点で最も人気のあるポッドキャストのひとつは「The Joe Rogan Experience」だ。

一方、アップルの取り組みはこれまでは最小にとどまってきた。2019年のグラミー賞関連コンテンツの実験や自社の情報を発信するいくつかのシリーズ以外には、コンシューマー向けのポッドキャストをリリースしていなかった。ブルームバーグは2020年1月に、アップルはApple TV+の番組を宣伝するためにオリジナルポッドキャストの製作を検討していると報じたが、これに関してはまだ登場していない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Apple Cardが米薬局大手Walgreensと提携し50ドルの新規登録ボーナスを提供

Apple(アップル)の特典付きクレジットカードのApple Cardは、初めての新規登録ボーナスを米国の薬局チェーンであるWalgreens(ウォルグリーンズ)との提携で実施する。6月1日にアップルとWalgreensは、Apple Cardを作成・入手後30日以内にWalgreensで50ドル以上買い物をした人に、Apple CardのキャッシュバックであるDaily Cash 50ドルぶんを付与する新サービスを導入した。

期間限定特典の詳しい内容はは、アップルのウェブサイトに記載されているほか、WalgreensのiOSアプリの「Weekly Ad & Coupons」ページの下にも表示される。特典付き新規登録の締切は2020年6月30日。

Walgreensはすでにアップルと密な関係をもっており、昨秋にはApple Cardを使った買い物に3%のDaily Cashを付加する提携企業に、小売業としてはUberに続いて加わった。現在、Walgreens(傘下の薬局・コンビニエンスストアチェーンのDuane Readeを含む)、Uber(Uber Eats)、T-Mobile、Nike、およびアップルは3% Daily Cashプログラムを展開している。それ以外のApple Cardによる購入でも2%または1%のキャッシュバックがあり、前者はApple Payを使った場合、後者はApple Payが使用できない店舗に適用される。

貯まったDaily Cashは、Apple Payの支払い時に利用できるほか、iMessageで家族や友達に送ったり、Apple Cardの請求残高から差し引いたりすることもできる。

WalgreensとDuane Read(デュエイン・リード)の店舗でApple Payを使った場合に3%のキャッシュバックが受けられるのに加えて、今から7月31日までの期間は、Walgreensドライブスルーで(Apple Payではなくチタン製の)Apple Cardを使って支払った場合にも3%がキャッシュバックされる。

昨今の特典付きクレジットカードのほとんどが、サインアップ時のボーナスを付与している。一部の年会費無料のクレジットカードもそうだ。「しかし、これまでApple Cardはその手のサインアップボーナスを顧客に提供していなかった」と、クレジットカードレビューサイトのCreditCard.comが今回の特典のレビュー記事(CreditCard.com記事)に書いている。例えば、米国でアメリカンエキスプレスが提供しているBlue Cash Everybody Cardや、Capital Oneが提供しているQuicksilver Cash Rewards Credit Cardは、条件に該当すれば150ドルが請求残高から差し引かれる。

「このサインアップボーナスはApple Cardにとっては初めてだが、時代の趨勢であることは間違いない」とNerdWalletのクレジットカード専門家であるSara Rathner(サラ・ラスナー)氏は言う。「消費傾向がわずか3カ月とも劇的に変わる今、クレジットカード業界全体が顧客の勧誘、維持のために変革を起こしている。Walgreensで買い物することに対して50ドルの特典を与えることは、消費者がこの種の特典にどの程度反応するかをApple Cardが試すひとつの手段なのかもしれない。

ただし、Apple Cardにはほかにも消費者にアピールする特典がある。カードに手数料は一切かからず、発行元のGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)はユーザーのデータを第三者に売ったり渡したりしないと約束している。クレジットカードを使う特典も欲しいが、プライバシーも守りたいという消費者にとって、Apple Cardがトップクラスの人気なのはこのためだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Pinterestに写真から検索して買い物できる機能が加わる

商品をPinterestで紹介する小売業者が増える中、Pinterestは米国時間6月1日から「レンズ」機能に新たに「Shop」タブを設けた。これはユーザーがオフラインで撮った写真やスクリーンショットから、それに似たものを検索して在庫のある商品を表示する機能だ。

この新しいタブを使うには、検索バーにあるカメラのアイコンをタップし、写真を撮影するかアップロードする。するとShopタブに購入できる商品のピンが表示され、価格や在庫状況のほか販売業者の購入ページへのリンクも表示される。

レンズは、もともとはユーザーが実際の店舗や出かけた先などで見た商品を探すことを意図した機能だったが、これからはこの機能を使って家にいながらにして商品を見つけられるとPinterestは提案している。例えばランニングシューズを買い換えるなら、今履いているお気に入りのシューズの写真を撮るか、あるいはスマートフォンのカメラロールやブログなどのプラットフォームから写真をアップロードすればいい。

Pinterestによれば、カメラを使ったビジュアル検索の件数は2019年と比べて3倍ほどになっているという。このことから、買い物をする際にスマートフォンのカメラを使うことにユーザーが慣れてきたと言える。同時に、Pinterestが最近取り組んできたこととつながっている。

例えばこの半年間、Pinterestでは女性向けファッションで検出される属性の数を2倍に増やした。色、柄、生地、ドレススタイル、長さ、テクスチャー、ブランド、ネックライン、靴のヒールの高さ、場面、スタイル、シーズンなどだ。ファッション関連製品の検索では、この1年で精度が50%以上あがったと同社は述べている。

Shopタブの登場は、Shopifyとの連携に続くものだ。この連携により、中小企業は商品カタログをPinterestにアップロードして3億5000万人のユーザーにリーチできるようになった。さらに米国時間5月18日には、インフルエンサーやパブリッシャーがトレンドを紹介する「ショッピングスポットライト」を発表していた。

レンズ機能のShopタブは、PinterestがGoogle(グーグル)に対抗する手段のひとつだ。グーグルは4月に商品検索機能を変更(未訳記事)して、有料広告ではなくほぼ無料のリスティングにした。また、Googleレンズでは写真で検索して見つけた商品を購入することができる。

ShopタブはInstagramへの挑戦でもある。Instagramは写真で見つけた商品と購入者をつなぐショッピングサービスを着実に成長させ、Instagram内で購入手続きを進められるようにしている。小売大手のTargetがこの機能を5月に採用した。これはFacebookとInstagramが、FacebookページやInstagramのプロフィールから直接買い物ができる「Shop」を開始したのと同時期だ。

こうした各社の取り組みは、新しい買い物のトレンドを表している。消費者は、商品の長いリストを延々スクロールするのではなく、写真や画像をヒントに購入したいと思っている。このように画像から始まる買い物は結果として、店を見て回り、目を引くようにデザインされたディスプレイに出あうのと似た感覚の体験になる。

Pinterestの新しいShopタブは、米国時間6月1日から公開されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

たとえ盗まれても、バッテリーが切れても本人以外はビデオ撮影を中止できないParachuteの強力新機能

モバイル機器の安全を守るアプリParachute(パラシュート)で米国時間6月1日から利用可能になった新機能は、権限のない人間がiPhoneを奪ってライブストリーミング撮影を止めようとしても、止められなくするというものだ。スマートフォンの電源を切ろうとしても撮影は止まらない。George Floyd(ジョージ・フロイド)氏への警察の蛮行に対する、そして米国の司法制度にある組織的な人種差別主義に対する抗議活動が国中に広がる中でのタイムリーなアップデートだ。

フロイド氏殺害の目撃者が撮影した動画が、デモや抗議活動の引き金となった。その動画は、この事件を実証する主要な資料として、ずっと貢献し続けている。

Parachuteのアプリは、TechCrunch Disrupt 2015で最初にローンチされた際(未訳記事)には「Witness」(ウィットネス)と呼ばれ、スマホ世代の人たちの間では、長い間、緊急通報ボタンとして重宝されていた。問題に遭遇したときに緊急連絡先に警告を発することを目的に開発されたアプリで、通話、メッセージ、電子メールの送信と同時に、ライブ動画、音声、現在位置も今いる場所から直接発信できる。

またこのアプリには、ライブ動画を撮っていることを知られないよう画面を黒くして、こっそり撮影できるオプションもある。さらにParachuteは事件の撮影チャンスを高めるために、表裏両方のカメラで同時に撮影することもできる。動画はスマートフォンからParachuteのプラットフォームに送られ、スマートフォンからは撮影の証拠が消去される。緊急連絡先にリンクを送れることに加え、後に電子メールで直接送られてくるそのリンクから動画をダウンロードすることも可能だ。

しかし、ユニークな機能とは裏腹にローンチから数年間、このアプリの人気は限定的だった。アプリ情報の調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)のデータによれば、米国のアプリストアでのParachuteのダウンロード数は10万件に達していないという。Parachuteはユーザー数の公表を拒んでいるが、この1週間は米国と香港で大きな動きを見せている。

「Superlock」(スーパーロック)という名のこの新機能の導入は、Parachuteの動画記録機能に人々の興味を取り戻すための試みでもある。

Superlockは、Apple(アップル)のGuided Access(アクセスガイド)と連携して機能する。アクセスガイドは、アプリ内のチュートリアルで説明されているが、次のように設定する。iPhoneの「設定」から「アクセシビリティ」の中の「アクセスガイド」を開き、そのオプションを「オン」に切り替える。

その後、アプリに戻って電源ボタンをトリプルクリックし、画面右上の「スタート」ボタンをタップして6桁のパスコードを打ち込む。このパスコードは、今後、撮影を止めたいときに必要になる。再び電源ボタンをトリプルクリックし、先ほど設定したパスコードを入力して、画面左上の「終了」ボタンをタップする。

設定が完了すれば、電源ボタンをトリプルクリックするだけで、ParachuteをいつでもSuperlockモードに切り替えられる。電源ボタンをトリプルクリックしてパスコードを入力しない限り、動画撮影は継続され、iPhoneはロックされる。

この手順では、Parachuteで事件の撮影中に通常表示される停止用の「X」ボタンは使わない。誰かがiPhoneを取り上げて撮影を止めてしまうのを防ぐためだ。

「iPhoneのバッテリーが切れたり、壊れたり、強制再起動された場合でも、Superlockは再起動後も撮影を継続するように設定できる」とParachuteは説明している。またSuperlockは、動画のプレビューを不能にする機能と組み合わせることも可能なため、誰にも知られずに撮影ができる。

Parachuteではまた「バックグラウンドで走らせておいて、他のアプリに切り替えて使うこともできる」と同社は説明する。

権限のない人間がパスコードを推測しようとしても、誤った数字の組み合わせを短時間に何度も繰り返すと、一定時間ロックされるようになり、間違えるごとにその時間が延びていく機構が働く。これは、iPhoneで間違ったパスコードを何度も試せないように一定時間操作をロックする機能によく似ている。

Parachuteのビジネスモデルでは、事件動画の保存期間は撮影から3カ月後に切れるようになっている。デバイス、連絡先、警告、事件、ストレージの上限がないフルコースの利用料は月額9.99ドル(約1000円)。月額2.99ドル(約320円)のお得な「ライト」コースもある。

新機能は本日からiPhoneで利用できる。

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(翻訳:金井哲夫)

YouTubeがチャプター機能導入、指をずらして再生スクラブも可能に

YouTubeで長い動画中の見たい場所を探してスライドバーの赤い丸をあちこち動かして苦労したことがあるなら、これは歓迎すべき変更だろう。ビデオチャププター(Video Chapters)は視聴者がビデオ内の特定の位置にジャンプするのを助ける新機能だ。

ビデオの製作者は、タイムスタンプを利用してビデオをチャプターに区切ることができるようになった。製作者がチャプター情報を付加する必要があるためすべてのビデオでこの機能が利用できるわけではないが、視聴者のナビゲーションが容易になった。

YouTubeは4月にビデオチャプターのテストを始めたていた(Android Police記事)が、このほどデスクトップに加えてiOS、Androidでも一般公開された。

製作者がビデオの「説明」にチャプター情報を付加するとビデオチャプターは自動的に有効になる。チャプター情報はチャプター名と開始時点のタイムスタンプの組からなる。最初のチャプターのタイムスタンプは0:00だ。スペースを空けてチャプター名を続ける。1チャプター1行を使うので改行し、「2:31 第2の場面」のように次のチャプターのタイムスタンプと名称を入力する。以下同様だ。チャプター情報の入力が終わったら「説明」を保存、もしくは更新する。

ビデオチャプター機能を利用するためにはビデオにはそれぞれ10秒以上の部分が少なくとも3つ必要だ。

YouTubeではモバイルデバイスでビデオを見るユーザーのために触覚(ハプティック)なマークも入れた。動画が新しいチャプターに入るとかるい「ビッ」という振動を感じるとYouTubeでは説明している。もちろんこれはハプティック・フィードバック機能をサポートしているデバイスでのみ有効だ。

また上のGIF画像のように視覚的な「スナップ」も用いられ、チャプターによってスライドバーの表示が変化する。チャプター開始位置に正確に移動したい場合は、わずかに動かすだけでそこに「スナップ」する。ユーザーは適当なところで現在位置を動かすの止め、新しいチャプターが始まるのを待つこともできる。

今回のアップデートではビデオチャプター以外にも便利な機能が追加された。モバイルやタブレットの場合、現在位置のマーカーをスクラブ中に画面に指つけたまま上下に動かしてスクラブバーを見ることができる。今までは指が邪魔で現在位置がどこなのかわかりにくかったが、指を上下にずらしても画面から離さないかぎりスクラブを続けることができる。

YouTubeでは、この機能のテストを開始(@Podcastageのツイート)すると同時に、好意的なフィードバック(@Eric Ravenscraftのツイート)が多数寄せられた(@Philip DeFrancoのツイート)と説明している。

またYouTubeではテスト中に表示できるチャプター数をデバイスがスクリーンの大きさに応じて決定できるようにすればサポートするチャプター数を増やせることに気づいてそのように改良している。つまり多数のチャプターに区分された長いビデオを見るなら縦位置のモバイルデバイスより横位置がよいし、デスクトップの方がさらに便利だ。デスクトップでも全画面で表示すればいっそう多数のチャプターがサポートされる。

ビデオチャプター機能はYouTubeが提供するが、チャプター区分情報はビデオの製作者が入力しなければならないため、既存ビデオの大半にはまだチャプターが表示されない。しかしチャプターの動作を確認できるビデオもある。The Flaming Lips(ザ・フレーミング・リップス)や Radiohead(レディオヘッド)のコンサート、 SpotlightチャンネルのインタビューJens Larsen(ジェンス・ラーセン)のギターレッスン バーベキューチキンのレシピ機械学習についてのMITの講義などだ。

新機能によって長尺動画をナビゲーションするときの煩わしさが大きく軽減された。これはユーザーのエンゲージメントを高めるだろう。YouTubeを長いコンテンツのリソースとするのに大いに役立つことことは間違いない。コンサートではお気に入りの曲が演奏されていることろだけ見ることができるし、レシピやチュートリアルでも不要な部分をかき分けてなくてもすむ。これまでは見たい場所が簡単に見つからず、視聴を止めてしまうことも多かった。最も視聴者が見たい場所だけを簡単に見られることはトータルの視聴時間を減らす可能性もある。

YouTubeによると、チャプター機能はレコメンドやそのほかのアルゴリズムには一切影響を与えないとしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ストリーミングサービス運営のPlexが共同視聴機能を提供、同社ライブラリのほかユーザーのコンテンツを一緒に楽しめる

同じビデオを複数人がリモートで一緒に見る、いわゆるバーチャルビデオパーティーは、新型コロナウイルスのパンデミックの間に友だちや家族とつながってるための方法として人気がある。例えばNetflix Partyは、新型コロナウイルスの感染拡大で消費者が屋内避難を強いられるようになってから利用が急増した。HBOはブラウザーの拡張機能(エクステンション)のScenerをパートナーとして最大20名までの「バーチャルシアター」を提供(未訳記事)している。Instagram(未訳記事)やHousepartyなどのソーシャルアプリにも共同視聴機能がある。

米国時間5月28日にはHuluが、Huluの標準の機能としてのバーチャルビデオ体験、その名もWatch Partyを発表した。そして同日に、メディアソフトウェアのメーカーPlexが、Watch Together(一緒に見ましょう)機能をローンチした。一緒に見られるのは、同社にあるオンデマンドコンテンツのコレクションか、ユーザーのパーソナルなメディアだ。

その機能はまだベータで実験中とのことだが、PlexのユーザーはPlex上に友達を招待してテレビ番組やムービーを一緒に見れる。ユーザーがPlex上にいなければ、リンクから加わるよう招待できる。

同社によると、この共同視聴体験は同社の無料のオンデマンドムービーとテレビ番組のほかに、ユーザーの個人的ライブラリのコンテンツでも制限なくできる。ただしHuluのWatch Party機能とは異なり、チャット機能はない。Plexはただ、参加者全員に同期した状態でコンテンツを再生するだけだ。

Watch Together機能には、参加者の人数に制限がない。ただしFAQによると、ユーザーがその上でPlex Media Serverソフトを動かすサーバー用ハードウェアの性能、およびネットワークの接続の質やディスクのスピード、コンテンツの内容などで人数が決まる。「あまりたくさん参加すると再生に問題が生じる」とPlexは警告している。


いったんWatch Togetherが始まれば、ユーザーは複数のデバイスから参加したり、一度抜けたあとの再参加したりもできる。ただし、あとから新しい人を加えることはできない。HuluのWatch Party機能とは異なり、誰かがストリームをポーズしたら、全員の再生がポーズする。

ローンチの時点のPlexのWatch Together機能はiOS系とAndroid系のプラットホーム上で使える。具体的には、tvOSとiOS、iPadOS、およびAndroidとAndroid TVの各OSが動作する機器で使える。Rokuのサポートはもうすぐで、そのほかのプラットホームもそれに続く。

Watch Together機能は、ベータ中にはPlex Passを定期購入していない人を含む全員が無料で利用できる。それによってバグや機能リクエストのフィードバックが多くなることが同社の狙いだ。ただし、将来的には有料の機能になる。Plexによると、Watch Together機能は本日からベータで利用できる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Huluが最大新しいウォッチパーティ機能を発表、仮想ビューイングとチャットが可能に

Huluは米国時間5月28日、Hulu Watch Party(フールー・ウォッチ・パーティ)と呼ばれる新しい機能を導入した。視聴者同士が離れた場所で仮想的にHuluを同時視聴し、Huluアプリ内で互いにチャットできるようにする、同サービス初のソーシャル機能だ。この機能は、まずHulu.com上でHuluの「広告なし」サブスクライバー向けにテストされている。

同社は、この機能はHuluのオンデマンドストリーミングライブラリの中にある多数の映画や番組に対して使うことができると述べている。番組の詳細ページに新しい「Watch Party」アイコンがあれば、その番組はウォッチパーティーでの視聴体験が可能だ。そのアイコンから家族や友人をウォッチパーティーセッションに招待するリンクが提供される。同時に8人まで参加できる。番組を見ながら、ユーザー同士は組み込みのチャット機能を介してリアルタイムでチャットを楽しめる。

さらに、ユーザーはグループの視聴体験に影響を与えることなく、自分のタイトルの再生を制御できる。つまり、類似のサービスのいくつかが提供するのと同じ種類の、共有ストリーム体験ではないということだ。この仕様により、接続不良に悩まされているユーザーやトイレ休憩が必要なユーザーは、準備が整ってからグループに再参加できる。チャットウィンドウに置かれた「Click to Catch Up」(クリックしてキャッチアップ)ボタンを押せば、簡単にタイミングを同期できる。

Huluによれば、ウォッチパーティーセッションを開始したりセッションに参加したりするには、視聴者は18歳以上である必要があるという。

ソーシャル機能は、パンデミックの中でストリーミングサービス中での仮想ウォッチパーティーを利用できるようにする、アプリや拡張機能への関心の高まりを受けて追加された。ブラウザープラグインの1つであるNetflix Partyも、新型コロナウイルスによるロックダウンで米国の消費者が在宅避難を余儀なくされたために人気が出た(Business Insider記事)。一方、HBOは最近、ブラウザ拡張Scenerと提携(未訳記事)し、最大20人をサポートする「仮想劇場」体験を提供している。

Huluのウォッチパーティは、これらの既存オプションとは異なり、ブラウザープラグインなどいかなる種類の拡張機能も必要としない。その代わりに、この機能はMacやPCを問わず、コンピューターのHuluのウェブサイト内で利用できる。これによってHuluは、サイト上で直接共同視聴体験を提供する最初の主要なストリーマーになる。

とはいえ、ほかの動画アプリもこれまでにも共同視聴の実験を進めてきた。ストリーミングサービスのPhilo(フィロ) はかつてこのアイデア試していたことがあるが、その機能は決してテスト段階から抜け出すことはなかった。YouTube(ユーチューブ)は数年前に共同視聴アプリUptime(アップタイム)をテストした。米国で提供されている韓国と中国のドラマアプリViki(ヴィキ)は、現在(非常に面白い)リアルタイムのコメント欄を提供しいて、グループチャットのような体験ができる。Amazon(アマゾン)傘下のTwitch(トウィッチ)は、Amazonプライムビデオ向けにウォッチパーティを開始(Variety記事)した。3月にはInstagram(インスタグラム)も共同視聴機能をロールアウト(未訳記事)し、HousePartyは今月イベントの共同視聴を開始した。

Plex(プレックス)も、共同視聴を可能にする独自のWatch Together(ウォッチトゥギャザー)機能を本日開始(未訳記事)した。

Huluウォッチパーティーは、Hulu.comで本日から開始される。

【Japan編集部注]現時点では日本のHuluでHulu Watch Party機能は提供されていない。

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(翻訳:sako)