マイクロソフトの新アプリReading Progressは教師、子どもの読解能力の評価を楽にするアプリ

山ほどの仕事を抱えている小学校教師にとって、児童の読解能力を測ることは骨の折れる仕事であり、通常は時間を要し強いプレッシャーのかかる1対1のテストを通じて行われる。Microsoft(マイクロソフト)の新しいアプリであるReading Progress(リーディング・プログレス)は教員の肩の荷を少しでも軽くしようとするもので、子どもたちは自宅で読書ができて、AIによる自然言語理解を利用した障害と進歩の確認もできる。

2020年はほとんどの教育プランが台なしになり、読解力は子どもたちが学校にいる時のようには向上しなかった。Amira(アミーラ)などの会社が読書の様子をAIで観察することによってギャップを埋めようとしているのに対して、Microsoftは教員のためのツールを増やそうとしている。

Reading ProgressはMicrosoft Teams(ティームズ)のアドオンで、教師がより柔軟に読解テストを実施できるようにすることで、人前で読んで失敗することを心配する児童へのプレッシャーを軽減し、読み飛ばしや言い直しなどの重要な読み上げ事象を発見、追跡することができる。

教師は児童毎に(あるいはクラス全員に)課題読み物を与え、子どもたちは好きな時間に読むことができる。テストを受けるよりも宿題をやるのに近い。アプリ内で直接動画を撮影し、音声はよくあるつまずきを観察するアルゴリズムによって解析される。

4年生のBrielle(ブリーレ)さんによるビデオ証言のように、多くの子どもがこのやり方を好むかもしれない。

ブリーレさんのように聡明で自信に満ちた少女がこのやり方の方がよいと感じているとして(彼女は自分の学年より2年上の課題を読んでいる、よくやったブリーレさん)、失読症や訛りが心配だったり、内気なだけで読むのに苦労している子どもたちにはどうなのか?自分の家で自分ひとりで自分のカメラに向かって話せることで、ずっと上手に読めるようになり、正確な評価も可能になる。

これは教師をそっくり置き換えようとするものではもちろんない。忙しすぎる教育者が優先順位をつけ、ものごとを客観的に見て追跡することに集中しやすくなるためのツールだ。これはAmiraが対面のグループ読書(パンデミック下では不可能)を置き換えようとするものではなく、よくある間違いをすばやく修正して読者を励ますというこれも有用なプロセスを提供すると同じだ。

この日MicrosoftはReading Progressに関連する情報を数多く公開した。誕生の物語と基本的概要や、プロダクトハブ解説ビデオ同社のアプローチを支持する引用などだ。この新しい教育関係プロダクトに関するまとめ投稿にも詳しく書かれている。

カテゴリー:EdTech
タグ:MicrosoftReading Progressオンライン学習Microsoft Teams

画像クレジット:Microsoft

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

フランスのオンライン学校OpenClassroomsが86.9億円のシリーズCを調達

フランスのOpenClassroomsが、Lumos Capital GroupがリードするシリーズCのラウンドで8000万ドル(約86億9000万円)を調達した。同社はフランスと英国でオンライン教育のプラットフォームを運営している。54のプラグラムがあり、終了した生徒は終了証書をもらうことができる。中には、フランス政府公認の学士号や修士号をもらえるプラグラムもある。

今回のラウンドにはGSV VenturesとChan Zuckerberg Initiative、Salesforce Venturesが参加した。これまでの投資家であるGeneral AtlanticとBpifranceも、再び同社に投資している。

OpenClassroomsには、極めて多様なプログラムがある。ウェブ開発もあれば、デジタルマーケティングやプロダクト管理、人事、営業などもある。いずれも相当ヘビーで、フルタイムでも6カ月から12カ月はかかる。しかしOpenClassroomsには契約メンターがいるため、やる気を失いそうなときは助けてくれる。

プログラム終了後の就職を同社は保証している。仕事がなかなか見つからないときには、同社がキャリアコーチと協力して、本人に合った仕事を見つける。2020年には4300名の生徒が、OpenClassroomsを受講後に、仕事を見つけたり昇進したりした。

フランスには専門教育を受けるための政府補助金制度があるため、OpenClassroomsの授業料をこの公的補助でまかなうこともできる。

同社によると、パンデミックでオンライン教育の人気が増した。現在、多くの人びとが自分のスキルのブラッシュアップや新たなスキルの習得を目指しており、そういう人たちがOpenClassroomsに頼る。同社は個人向けのプログラムの他に、1400社の企業にコースを提供している。

Capgeminiなど一部の企業は、OpenClassroomsと協力して見習い修行による職業教育を提供している。生徒たちはCapgeminiで働き、同時にスキルを学ぶ。この見習い制度は、単純な求人では必要な人材が得られない企業に好評だ。現在は1500名の生徒が見習いプログラムを受けている。

同社は経営も順調で、2021年第1四半期の収益は前年同期比で140%高かった。最近OpenClassroomsはB-Corp認定を申請した。フリークラスにはまだ余裕があるので、来週やることを探している人にはうってつけだ。

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タグ:フランスOpenClassroomsオンライン学習資金調達

画像クレジット:NeONBRAND/Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)

関西学院大学と日本IBMが授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を企業・自治体・大学に提供開始

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す関西学院大学は4月27日、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)と共同開発した「AI活用人材育成プログラム バーチャルラーニング版」(VL版)について、2021年7月より企業・自治体・大学に対し有償提供を開始すると発表した。2024年度に受講者を年間5万人に拡大するとしている。

価格は1科目につき税込2万2000円/年、同じ科目の2年目以降の再受講は税込6600円/年で履修可能となり、継続的な学習による知識の定着を目指す。2021年度は年間5000人の社会人の受講利用を見込んでおり、2021年7月より大同生命保険が本社職員1500人の受講を予定している。関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

VL版は、初学者でもAI活用の実践的な知識・スキルを体系的に修得できるよう設計した「AI活用入門」「AI活用アプリケーションデザイン入門」、「AI活用データサイエンス入門」の3科目(1科目20時間程度)で構成しており、すべてオンライン(オンデマンド)での開講となる。

これら内容は学内開講プログラムと同じで、音声や字幕によるガイダンス、講師の解説、デモ動画、オンラインでの演習、時間制限付きの課題研究、ランダムテストなどの多様な機能を有するオンライン・プラットフォームとなっているという。またプロシーズが提供するLMS「Learning Ware」(ラーニングウエア)を利用しているため、企業・自治体・大学側でのシステムの導入は必要ないそうだ。

学習者の質問に対しては、IBM Watson Assistantを搭載したチャットボットで回答する仕組みを構築しており、提携する企業・自治体に所属する社会人は、時間や場所の制限なく、いつでもどこでも何度でも受講が可能。

受講時間は、1科目あたり20時間程度。単元ごとに設定されているオンラインテスト(ランダム出題)すべてを一定の正解率でクリアすれば合格し、修了証と、オープンバッジ・ネットワークがブロックチェーンで管理するデジタル修了証「オープンバッジ」が発行される。オンラインテストの正解率、講義の早送り・スキップ禁止などの条件を解除する設定も可能だが、その場合は修了証は付与されない。またオープンバッジは、IMS Global Learning Consortium(IMS Global)が定める国際技術標準規格に準拠したものとなっている。

2022年度以降、「AI活用実践演習A(JavaによるWebアプリケーションデザイン)」「AI活用実践演習B(Pythonによる機械学習・深層学習)」「AI活用実践演習C(Webデザイン)」の3科目を提供科目として順次追加し、2024年度には合計6科目を提供する。

今後は企業や自治体をはじめ大学にも提案し、2022年度からは社会人、高校生などにも展開。2024年度には受講者を年間5万人に拡大させることで、関西学院大学と日本IBMは、AI人材の創出に貢献する。

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

関西学院大学は、「AI・データサイエンス関連の知識を持ち、さらにそれを活用して、現実の諸問題を解決できる能力を有する人材」の育成を目的に、2017年より日本IBMと共同プロジェクトを立ち上げ、「AI活用人材育成プログラム」を開発した。

関西学院大学による学術的な知見と、日本IBMのコンサルタントやデータサイエンティストによる多様なAIの社会実装の先進事例を反映した実践型プログラムとして10科目で構成しており、2019年4月より文系理系問わず全学部生を対象に開講しているという。

2021年度には「AI活用入門」「AI活用アプリケーションデザイン入門」「AI活用データサイエンス入門」の基礎3科目をe-ラーニング化しVL版として開講したところ、AIリテラシーの修得を目的とする「AI活用入門」のVL版初年度春学期の履修者は2071人に上り、学生のAIに関する関心の高さが示されたという。

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カテゴリー:EdTech
タグ:IBM(企業)AI / 人工知能(用語)オンライン学習 / eラーニング / オンラインレッスン(用語)関西学院大学(組織)教育 / EdTech / エドテック(用語)日本(国・地域)

クリエイターが食べていくためのコミュニティ立ち上げと成長の場を提供するMighty Networkが約54億円調達

創設者およびCEOのジーナ・ビアンチニ氏(画像クレジット:Mighty Networks)

クリエイターやブランドにコミュニティの立ち上げと成長の場を提供するプラットフォームMighty Networks(マイティー・ネットワークス)は、Owl Venturesが主導するシリーズB投資ラウンドで5000万ドル(約54億円)を調達した。

このラウンドにはZiff Capital Partnersと LionTree Partnersも加わり、以前からの投資者であるIntel Capital、Marie Forleo(マリー・フォーレオ)氏、Gretchen Rubin(グレッチェン・ルービン)氏、Dan Rosensweig(ダン・ローゼンズヴァイク)氏、Reid Hoffman(リード・ギャレット・ホフマン)氏、BBG Ventures、Lucas Venture Groupも参加している。この投資により、パロアルトを拠点とするMighty Networksの2017年創設からの総調達額は、6700万ドル(約72億5000万円)となった。

Mighty Networksを、Tim Herby(ティム・ハービー)氏とThomas Aaron(トーマス・アーロン)氏とともに創設したCEOのGina Bianchini(ジーナ・ビアンチニ)氏は、 コミュニティ構築のための育成環境には前からよく通じていた。以前、Ning(ニング)を共同創設しCEOを務めていたビアンチニ氏は、3年間でNingで構築されるネットワークを300万件に拡大し、全世界で1億人のユーザーを擁するまでに成長させた。

Mighty Networksでビアンチニ氏は、会員制コミュニティ、イベント、ライブオンライン学習を基礎とする「クリエイター中流階級」の構築を目指す。

「基本的に私たちのプラットフォームでは、オンラインショップを開設するようにコミュニティを立ち上げることができます」と彼女はTechCrunchに話した。「つまり、Spotify(スポティファイ)が電子商取引に対して行っているように、私たちはコンテンツだけでなく、何かおもしろいことや重要なことも同時にマスターできるコミュニティを中心としたデジタルサブスクリプションとデジタル決済を行っているのです」。

同社の主力製品であるThe Business Plan(ザ・ビジネス・プラン)は、デジタルサブスクリプションを簡単に立ち上げられる方法を新米クリエイターに提供するものだとビアンチニ氏は話す。すでに確立されているブランド、団体、成功しているクリエイターは、同社のMighty Pro(マイティー・プロ)プランが使える。ここでは、独自ブランドのiOS、iPad、Androidアプリで、Mighty Networksが提供するあらゆるサービスが利用可能になる。

パンデミックはこの事業の追い風になった。おかげで2020年はライブイベントも立ち上げた。

「私たちはヨガスタジオ、企業幹部のスピーチ教室、コンサルティングなど、数多くの事業にオンライン上ですばやく行動するための手助けができました。世界が戻りつつある今、ユーザーは、プラットフォームに組み込まれたさまざまな機能を使って、身近なメンバー、イベント、グループの発掘、さらに、ウェブだけでなくモバイルアプリを通じてあらゆるものの制作が可能になります」とビアンチニ氏はいう。

同スタートアップのゴールの中には、クリエイターとして成功するために大量のフォロワー(たとえばTikTokで100万人とか)を集める必要はないこと人々に知らしめるというものがある。1人あたり年間1000ドル(約10万8000円)のサブスクリプション料を集めるクリエイターの場合、30人の会員がいれば年間3万ドル(約325万円)になる。大儲けとは言えないが、相当な金額ではある。それが、同社が構築を目指す「クリエイター中流階級」というわけだ。

Mighty Networksには、有料で利用しているクリエイター、ブランド、コーチが現在1万人いる。会員の中には、著名なYouTubeスターのAdriene Mishler(アドリーン・ミッシュラー)、Xprize(エックスプライズ)、シンギュラリティ大学創設者Peter Diamandis(ピーター・ディアマンディス)、作家のLuvvie Ajayi Jones(ルービー・エイジェイ・ジョーンズ)、コメディアンのAmanda Seales(アマンダ・シールズ)、Girlboss(ガールボス)の創設者Sophia Amoruso(ソフィア・アモルーソ)、 そしてブランドでは、 TED(テッド)や健康管理プラットフォームMINDBODY(マインドボディー)などが名を連ねる。

「コンテンツのみではクリエイター経済は崩壊します」とビアンチニ氏。「活発なクリエイターのムーブメントは、コンテンツの作家が大手テック企業のプラットフォームからオーディエンスを借りるような、身を削る不公正な力学からは決して生まれません。そこでは、クリエイターはコンテンツを絶え間なく制作し続けるよう強要され、仮に報酬があったとしてもほんの小銭程度という世界です。クリエイターは、自分自身のコミュニティをインターネット上に持つべきです。そこでメンバー同士が集い、成果を上げて、改革が推進されます」。

Owl Venturesの専務取締役Amit Patel(エイミット・パテル)氏は、直接出会う以前から、 Mighty Networksには社として感銘を受けていたという。

「この業界で、彼らほど誠実で情熱的な信念を持つ企業はありません。Mighty Networksでクリエイターたちが有料会員制コミュニティを立ち上げ、たった30人の会員を相手にオンライン学習を提供している様子を初めて見たとき、そんなクリエイター中流階級の規模を100万人レベルに拡大する手助けをしたいと痛感しました」とパテル氏は声明で述べている。

同社は今回調達した資金を、数々のメディアタイプ、決済方式、新規市場への拡大に向けた製品開発にあてる予定だ。

2021年4月初め、オンラインクリエイターやメディア企業の収益化と顧客データ管理を支援するニューヨークのスタートアップPico(ピコ)が、プラットフォームのアップグレード版をローンチし、650万ドル(約7億円)の新たな資金調達を発表した。基本的に同社は、クリエイター市場のためのオペレーティングシステムと思われるものを開発している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Mighty Networks資金調達クリエイターオンライン学習プラットフォームコミュニティ

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:金井哲夫)

セレブが教えるオンライン講座MasterClass効果がEdTechに与える意味とは

MasterClassは、セレブが教える講座のサブスクリプションを販売する、エンターテインメントと教育の境界を行く会社だ。Serena Williams(セレーナ・ウィリアムズ)のテニス教室、Gordon Ramsay(ゴードン・ラムゼイ)の料理教室など、バーチャルだが、意欲的な内容だ。講師が直接話しかけてくるという滅多にない可能性もなくはないが(実際に起きたことがある)、基本的にはドキュメンタリースタイルのコンテンツを会員専用ページで提供する。

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その構想は注目を集めた。MasterClassは資金調達を実施中であり、評価額は25億ドル(約2690億円)だとAxiosが報じており、TechCrunchも別の情報源から確認した。しかし、MasterClassが芯で捉えたこの成功は、果たして他者が再現できるものなのだろうか。

投資家はまちがいなくそう思っている。MasterClassの共同ファウンダーが設立したOutlier(アウトライアー)は、手頃価格のデジタルカレッジコースのために 3000万ドル(約32億円)のシリーズCを今週完了した。Outlierとそのファウンダーの古巣との類似点は少なくない。この会社は事実上、MasterClassの高品質映像技術を大学教育に応用しようとしている。そしてそれは、チェスの元世界チャンピオンであるGarry Kasparov(ガルリ・カスパロフ)が立ち上げた「チェス愛好家のためのMasterClass」の記事を私が書いてからわずか1週間後のことだった。

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MasterClassのコピーが立て続けに2社、数千万ドル(数十億円)のベンチャーキャピタルを集めたことで、私はこのモデルを分野に特化させ、さまざまなニッチに適用できるのではないかと考えるに至った。2020年以来、Zoom Universityの成功を受け、EdTech(教育テック)はもっと魅力的でなくてはならないことがわかってきたが、どうすればよいかは正確なところはわかっていない。嗜好の共通する人たちのためのマイクロラーニングコミュニティを作る?それともゲーミフィケーション?向上のための学習と、単位を取るための学習とでは動機づけが異なる。Outlierが成功するためには、MasterClassのマジックを使って対面授業に匹敵する結果を出せることを大学に証明してみせる必要がある。それはより困難でかつ野心的な約束だ。

私のつたない意見はさておき、私はEdTechのファウンダー2人に、彼らがMasterClassの効果をどう見ているかを尋ね、私の直感を確認するべく話を聞いた。

言語学習のスタートアップ、Toucan(トゥーカン)のファウンダーであるTaylor Nieman(テイラー・ニーマン)氏。

私たちがToucanで活用しているこの「インビジブルラーニング」というテーマに注目するこれらのモデルのやり方は良いと思いますが、人々のとても忙しい日々から時間を奪うという、他の多くの消費者製品と同じ問題を抱えています。継続する時間との競争は、低い参加率と非常に高い脱落率に繋がります。プロダクト自身をまったくといってよいほど使わないでどんな学習結果が得られるのか、私は疑問に思っています。

高校生向けの学習プラットフォームであるFiveable(ファイバブル)のファウンダーAmanda DoAmaral(アマンダ・ドアマラル)氏。

MasterClassが、なぜ教育コンテンツはもっとエンターテインメントのように扱われるべきなのかを表していることは重要です。コンテンツ品質のハードルは以前よりずっど高くなっており、そのことがあらゆる学習に与える影響を見るのが楽しみです。

生徒のためには、彼らを総合的に支援する環境を作り、自由に共同作業出来る場所を与えることが重要です。若者たちにそういう場所が必要なことは明白ですが、学生が本当に必要としているのが何かを私たちは見失っていました。私の学校では、生徒の最悪の事態を想定したポリシーを作りました。これを変えたいのです。最善を想定し、積極的に生徒たちを守り、必要な時に行動を起こせる手段を作ります。

ともあれ、この良き日に考えるべきことがいくつかある。この記事の後半では、資金調達のことからいつかやりたくなるかもしれない求愛行動まで、ファウンダーへの戦術的アドバイスに焦点を当てる。

孔雀のダンス

孔雀のオスがメスの注意を引くためにいつ羽を広げるかはご存知だろう。スタートアップが買収されようとする時はどうだろう。先のEquityでは、Discord(ディスコード)がMicrosoft(マイクロソフト)の買収を断ったニュースを取り上げ、そもそもそんな話が存在したのか、単にこのオーディオゲーミングプラットフォームに対する投資家の関心を高めるためだったのかについて語った。

ポイント:複数の会社からの買収提案を断ったあと、オーディオ・ゲーミングの巨人はIPOを目指している

Discordはだけでなく、統合環境は一部のセクターにとって引き続きホットな話題だ。

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ベンチャーキャピタルでさえ、未来はベンチャーキャピタルだけではなくなることを知っている

カナダ・トロント拠点のフィンテックスタートアップで、企業に非希薄的融資を行うClearbanc(クリアバンク)は、企業価値20億ドル(約2154億円)で1億ドル(約108億円)調達し、ブランドを変えた。Cleacoと改名したスタートアップは、単なる資金プロバイダーではなく、サービス・プロバイダーにもなろうとしている。

ポイント:この会社は2020年、プロダクト開発に大忙しで、評価計算機やランウェイ(資金の猶予)ツールなどのサービスを立ち上げた。それはClearbancが当初標榜していた20分の条件規定所や矢継ぎ早の投資からは一歩外れていた。私はいくつかの要因を記事に書いた。

Clearcoの最近のプロダクトの多くはまだ生まれたばかりだが、会社の成否はベンチャーキャピタルに代わる資金源を探しているスタートアップの成長全般にほぼ結びついている。AlgelList(エンジェルリスト)の成長が、新たなファンドマネージャーの成長に結びついているのと同じように、Clearcoの成長はY Combinatorからのシード資金以上の融資を求めるファウンダーの成長と明らかに関連している。

画像クレジット:Iaremenko / Getty Images

チャンスを売り飛ばすな

ファウンダーへの戦術的アドバイスというテーマの続きで、マーケティングについて話そう。Parkin ConsultingのプレジデントであるTim Parkin(ティム・パーキン)氏は、スタートアップのファウンダーが騒がしい環境の中で突出するためのツールとしてマーティングをどう使うかを説明した。差別化はかつてないほど困難であり、かつ不可欠だ。

ポイント:パーキン氏はマーテック(マーケティング技術)が2021年に起こす4つの変化,について、いくつかの逸話とインフルエンサーへの投資の重要性を絡めて概説した。

画像クレジット:PM Images / Getty Images

TechCrunch周辺

TechCrunchのポッドキャスト、EquityがWebby! Meにノミネートされた。チームは勝利のために読者の協力が必要なので、こちらで投票していただきたい。あなたのサポートには1トンの重みがある。

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いつもご愛読ありがとうございます。インドおよび世界中でこの恐ろしい病に直面している読者のみなさんにお見舞い申し上げます。応援しています。

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

大学の入門コースをオンラインで提供、単位も取得できるOutlier.orgが32億円調達、コロナ禍で需要増大

大学の初心者向けコースを比較的手頃な料金でオンラインで提供しているスタートアップOutlier.orgがシリーズBラウンドで3000万ドル(約32億円)を調達したと発表した。

Outlier.orgは、CEOのAaron Rasmussen(アーロン・ラスムセン)氏が創業した。同氏は以前、MasterClassを共同創業している(MasterClassは約2697億円という評価額で新たに資金調達中だとAxiosが報じている)。MasterClassのように、Outlierも美しく撮影されたオンラインコースを提供している。ただ、学生は実際に大学の単位を取ることができるという点がMasterClassと異なる。

Outlierが2019年秋にサービスを開始したとき、ラスムセン氏は大学の教育をより手頃な授業料に、そしてアクセスしやすいものにすることが目標だと述べた。ただ、Outlierは初心者レベルの授業をオンラインに持ってくることにフォーカスしていて、カリキュラム全体ではないとも話している。

このアプローチは、完全に「ノーマル」な大学教育を学生が受けられていないパンデミックでは特に魅力的なようだ。実際、Outlierとの提携を望む大学からかなりの関心が寄せられた、とラスムセン氏は話した。特に、一部の大学は学生を集めるのに苦労しており、今後難しい経済的選択が待ち構えているため、そうした大学は提供するコースを補完するためにOutlierを活用できる。

「多くの大学が、高品質な入門クラスのアイデアを気に入っていることがわかりました」と同氏は話した。「それは我々にとって大きな疑問でしたが、多くの人が『我々は上級レベルのコースにフォーカスしたい。なのでこれは学生が適切な授業を受けられるようにするすばらしい方法だ』と話しています」。

そのためにOutlierは提携の責任者としてAnjuli Gupta(アンジュリ・グプタ)氏を雇った。グプタ氏は以前、Courseraで大学との提携を統括していた。ラスムセン氏はOutlierが大学だけでなく、高校や雇用者とも協業できるかもしれないと示唆した。

もちろん、パンデミックはOutlierにとっていくつかの困難ももたらした。当初、授業を制作し続けるために、同社はインストラクターに「文字どおり、500ポンド(約226kg)の撮影機材」を送っていたとラスムセン氏は話した。そして現在、同社は少人数の撮影クルーがすべてをセットするという制作方法を開発し、インストラクターはそのセットの中で教えている。

「セットの中にいるのはあなた、そして動きが制御される台車、どのボタンを押すかを案内する細切れのテープがあるだけです。(クルーは)遠隔からカメラを動かし、あなたが録画を始めるとクルーはフィードを通じて届くものを目にします。ですのであなたはリモートで指示を受けます」。

Outlierは現在6つのクラスを提供している。ここには微分積分学Ⅰ、ミクロ経済学、天文学、哲学などが含まれ、2022年末までに14クラスに拡大することを目指している。学生は2週間ごとに新しいグループでコースに参加でき、講義が事前に録画されたものでも受講者は同じクラスを取っている学生と一緒にコースを進む、とラスムセン氏は話した。このシステムでは学生が「遅れを取っている」場合にその事実を把握でき、サポートを提供するために学生に連絡を取ることができる。

同社はまたピッツバーグ大学との提携を5年契約に拡大した。学生は、教育内容を監修しているピッツバーグ大学ジョンズタウン校の学部から単位を取得する(ただ、一部の教職員はこの措置について良くは思っていないようだ)。そしてOutlierとピッツバーグ大学は1000人のフロントラインワーカー向けに380万ドル(約4億1000万円)の奨学金を提供することでも提携した。

Outlierの各コースは400ドル(約4万3000円)で、これは従来の大学の授業料の約6分の1だとしている。ラスムセン氏は「私自身は若い頃、授業料を捻出できませんでした」と話した。だからこそ同氏はプログラムをよりリーズナブルな授業料にする方法を模索している。奨学金、そしてKlarnaを活用した月払いプランだ(Outlierが学生の支払いにかかる利子をカバーしている)。

新たな資金調達はGV(以前のGoogle Ventures)がリードし、Unusual Ventures、GSV、Harrison Metal、Gaingelsなどが参加した。Outlierの累計調達額は4600万ドル(約49億円)となった。

「我々は教育へのアクセスと公平さを増やし、学生の借金を減らすというOutlier.orgのミッションに刺激を受けています」とGVのJohn Lyman(ジョン・ライマン)氏は声明で述べた。「アーロン・ラスムセン氏と創業チームのビジョンが、世界中の何億もの学生に、より手頃な授業料の教育へのアクセスを提供すると我々は強く信じています」。

カテゴリー:EdTech
タグ:Outlierオンライン学習資金調達

画像クレジット:Outlier

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

NFLのスター、トム・ブレイディらも投資するZoom対応のオンライン学習スタートアップ「Class」

Zoomと統合してリモート教育をもっと洗練させるEdTechスタートアップのClassが、新たに1225万ドル(約13億2500万円)を調達した。このラウンドではSalesforce VenturesとSound Ventures、そしてアメフトのスーパースターで2021年のスーパーボウルでMVPを獲得したTom Brady(トム・ブレイディ)氏が投資した。

Classの創業者でCEOのMichael Chasen(マイケル・チェイスン)氏は、SalesforceのCEOであるMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏がClassに投資を持ちかけてきたと語る。Classが起業した1カ月後の2020年10月に、Salesforce VenturesはEdTech企業やクラウドエンタープライズ企業を支援する1億ドル(約108億円)のインパクトファンドを立ち上げた。

トム・ブレイディ氏がEdTechの世界に参入していることについてチェイスン氏は、ブレイディ氏は過去にもテック業界に投資をしており「3児の父として教育を通じて人々を支援することに情熱を持っている」と述べた。

チェイスン氏は「トム・ブレイディも私も子どもが3人いて、どの親もそうだと思いますが、我々も教えたり学んだりするためのツールをZoomに追加する必要があると感じています」と補足した。

Classは1年未満で5800万ドル(約62億7000万円)を調達した。2020年9月のシードラウンドでは1600万ドル(約17億3000万円)、2021年2月のシリーズAでは3000万ドル(約32億4300万円)を調達している。今回の資金調達はシリーズAより小規模だが、これは必要に迫られてというよりは戦略的に投資家を呼び込む意図が大きかったと見られる。

調達した資金はClassを世界中のK-12や高等教育機関に展開するために使われる。ClassのソフトウェアはMac版が数カ月前に公開され、Windows、iPhone、Android、Chromebook版は今後数週間以内にベータ版を提供する予定だとチェイスン氏は述べた。提供される製品が増えれば、Classの採用に興味を示している約7500校をさらに増やすのに有利に働くだろう。

Classにとって、そしてeラーニングのソリューションを教育機関に販売するスタートアップにとっての高いハードルは、コロナ禍収束以降の実用性だ。教育機関の慣習として形式主義によりソフトウェアの採用に時間がかかるが、チェイスン氏によればClassの顧客はK-12も高等教育機関も積極的に同社のツールに予算を取っているという。Classの価格は児童・生徒・学生数に応じて年間1万ドル〜6万5000ドル(約108万円〜700万円)だ。

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チェイスン氏は2021年2月に「予算の問題にぶつかったことは一度もありません。高等教育機関はすでにオンライン学習への第一歩を踏み出して次に歩を進めようとしていますが、K-12は第一歩を踏み出しつつあるところです」と述べていた。Classの顧客は125校 / 社以上となっており、K-12と高等教育機関が半々で、顧客のうち10%は企業だ。

Zoomユニバーシティ、つまりZoomなどを使ったオンライン授業を変えようとしているスタートアップはClassだけではない。多くの企業が、せいぜいギャラリー表示でおしゃべりをしている程度の現在のビデオ会議ソリューションに疲れている学生と教員の市場に寄与しようとしている。トラクションを獲得している企業としては、Engageli、Top Hat、InSpaceの3社がある。

それぞれのスタートアップが独自の戦略と製品を有しているが、スタートアップの創業者たちはみんな、同じ質問に答えなくてはならない。コロナ禍の収束後、デジタル学習を単なる予備の手段ではなく、教育と理解のための望ましいあり方にすることができるだろうか?

この問いかけに対する追求は続いているが、Classはその答えがイエスであると信じる人々を採用するのに苦労していないことを示すニュースが発表されている。わずか9カ月で同社の従業員は2人から150人以上に増加した。

カテゴリー:EdTech
タグ:Class資金調達オンライン学習Zoom投資

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Kaori Koyama)

サイバーセキュリティ事業のFlatt Securityがセキュアコーディング向けeラーニング「KENRO」正式公開

サイバーセキュリティ事業のFlatt Securityがセキュアコーディング向けeラーニング「KENRO」正式公開

サイバーセキュリティ事業を展開するFlatt Securityは4月13日、ウェブエンジニアのセキュアコーディング習得を支援するSaaS型eラーニングサービス「KENRO」(ケンロー)を正式リリースした。正式リリースにあわせて、β版時のサービス名「Flatt Security Learning Platform」からKENROに変更した。

また、一部制限されたコンテンツを除いて、自由に試用できるトライアルを現在無料で提供している。まずはサービスに実際に触れて利用を検討してみたい、コンテンツを精査したいという場合は問い合わせるよう呼びかけている。β版期間に試用しサービスを評価したサイバーエージェントは、2021年度新卒研修において約80名規模で導入したそうだ。

KENROは、「資料に目を通して三択問題のテストを受けるだけ」といった一般的なeラーニングとは異なり、攻撃者が用いる手法を体験する「ハッキング演習」や、開発者の立場で脆弱なソースコードを修正する「堅牢化演習」を通じて、より実践的なトレーニングを一元的に受講できるという。

また正式リリースでは、「堅牢化演習」における修正対象のソースコードとして、Python、Java、Goで書かれたソースコードがダウンロード可能となっている。4月中にRubyも追加予定という。

また、学習コンテンツ中に含まれるサンプルコードに関しても、複数の言語に表示を切り替えられる。

サイバーセキュリティ事業のFlatt Securityがセキュアコーディング向けeラーニング「KENRO」正式公開

正式リリースでは、管理画面も大幅に拡充。学習の進行状況を直感的に把握できるダッシュボード機能や、未受講の受講者に通知する機能など、大規模なグループでの学習も便利に利用しやすくなったとしている。

サイバーセキュリティ事業のFlatt Securityがセキュアコーディング向けeラーニング「KENRO」正式公開

このほか、ボリュームのある学習コンテンツの中から、求める内容に素早くアクセスできるよう目次を追加するなど、受講者体験を向上するためのUI改善を実施。全体的なカラーテーマについても、白基調を採用している。

サイバーセキュリティ事業のFlatt Securityがセキュアコーディング向けeラーニング「KENRO」正式公開

2017年5月設立のFlatt Securityは、サイバーセキュリティ領域を手がける東京大学発のスタートアップ。各種パブリッククラウドやmBaaS、ウェブアプリ・スマホアプリ・ネットワーク・IoTを対象として、顧客情報の流出やデータ改ざんにつながる脆弱性がないかセキュリティエンジニアが診断する「セキュリティ診断サービス」も提供している。

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カテゴリー:セキュリティ
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新型コロナで増えるバーチャルワークアウト、フィットネスインストラクター向けサービスMoxieが約6.9億円調達

新型コロナウイルスの影響で地球上の人々が屋内でワークアウトをするようになり、家庭用フィットネス市場がブームになっている。2020年10月には、設立3年目のFuture(フューチャー)がシリーズBラウンドで2400万ドル(約26億3000万円)を調達、パーソナルトレーナー向けストリーミングサービスのPlaybook(プレイブック)はシリーズAラウンドで930万ドル(約1億200万円)を調達した。新たにこの市場に参入したMoxie(モキシー)は、フィットネスインストラクターが、ライブや録画でクラスを配信できるプラットフォームだ。ライセンスを受けた音楽プレイリストにアクセスしたり、CRMや支払い用のツールを活用することもできる。クラスの受講価格は5~25ドル(約550〜2700円)で、さまざまなサブスクリプションやパッケージが提供されている。

Moxieは米国時間4月8日、Resolute Ventures(リゾルト・ベンチャーズ)が主導した「シード+」ラウンドで、630万ドル(約6億9100万円)の資金を調達したと発表。この投資ラウンドには、Bessemer Ventures(ベッセマー・ベンチャーズ)、Greycroft Ventures(グレイクロフト・ベンチャーズ)、Gokul Rajaram(ゴクル・ラジャラム)氏などの投資家も参加した。2020年10月に行われた210万ドル(約2億3000万円)のシードラウンドと合わせて、Moxieは合計840万ドル(約9億2100万円)の資金を調達したことになる。

今回の資金を使って、Moxieはユーザーと講師をつなぐ新しいツールや、受講前のクラスのプレビュー機能などを導入し、Moxieの厳選された人気クラスにおけるユーザー体験の最適化を計画している。

Moxieは、新型コロナウイルスが流行した時代に、その利便性から同社が「指数関数的な成長」を遂げたと主張する。2021年3月には8000クラスが完了し、100万クラス分 / 月を超えたという。Moxieの独立したインストラクターは、自分でスケジュールや価格を設定し、プラットフォームで得た収益の85%を確保することができる。

同社はStride Health(ストライド・ヘルス)との提携により、インストラクターに健康保険、歯科・眼科プラン、生命保険などを提供するヘルスケア特典「Moxie Benefits(モキシー・ベネフィット)」の導入も予定している。

また、同社が計画している「Moxie Teams(モキシー・チームズ)」は、Uber(ウーバー)のドライバーがチームを結成するのと同じように、インストラクターのグループがプラットフォーム上で小さなビジネスを行うことを可能にする。

Moxieの創設者でCEOのJason Goldberg(ジェイソン・ゴールドバーグ)氏は、声明の中で次のように述べている。「Moxieは、パンデミックの際にジムやスタジオから追い出され、突然起業家となってバーチャルフィットネスという新たなフロンティアを開拓しなければならなくなった何千人もの独立したフィットネスインストラクターとともに誕生しました。現在はオンラインフィットネスが人々の生活に広く浸透しており、Moxieの成長はこのような消費者行動の変化が持続力を持つことを証明しています。Moxieのユーザーの89%は、その利便性からバーチャルワークアウトを、新型コロナウイルス収束後も継続するつもりであることがわかっています」。

Resolute Venturesのパートナーであり、共同設立者であるRaanan Bar-Cohen(ラーナン・バーコーエン)氏は、次のように述べている。「我々の投資理論は、常に今日の問題を解決する起業精神に溢れた創業者を見極めることにあります。Moxieには、ジェイソンという経験豊富な経営者がいて、インストラクターや消費者がオンラインフィットネスへの移行で経験した問題を解決する製品があり、継続的な成功のための明確なロードマップを持っていると、我々は考えています」。

ではなぜ、Moxieは新しいバーチャルワークアウトの文化に定着することができたのだろうか?ゴールドバーグ氏によると、それにはさまざまな要因があるという。

まず、MoxieがVODアプリやPeloton(ペロトン)とも決定的に異なるのが、インタラクティブなグループフィットネスのクラスをライブで提供するという、2面性のあるフィットネスマーケットプレイスであるということだ。さらに、Pelotonのように「スター」として選ばれるのを待つのではなく、Moxieではどんなインストラクターでも教えることができる。なぜなら、クラスの90%はライブのグループフィットネスのクラスであり、これらはパーソナルトレーニングではなく、ヨガスタジオやHIIT(高強度インターバルトレーニング)クラスの代わりとなっている。ゴールドバーグ氏によると、多くのトップインストラクターがこのプラットフォームで6桁ドル(数千万円)の収入を得ているという。

確かにMoxieは、ジムが閉鎖されている間に、バーチャルクラスを簡単に行うことができるという事実をうまく利用してきた。だが、新型コロナウイルス収束後も彼らは残ってくれるだろうか?おそらく、多くの人が、ジムに足を運ぶよりも便利で、実際に対面するクラスに参加するよりも敷居が高くないことに気づくだろう。加えてユーザーは、テレビのチャンネルを切り替えるように、簡単にクラスを変更することができるのだ。

ゴールドバーグ氏は、メールで次のように語っている「新型コロナウイルスにより、誰もが初めてバーチャルフィットネスに挑戦せざるを得なくなりました。それでどうなったでしょう?人々は、オフラインのジムに行くよりも便利で、よりつながりが感じられると思うようになりました。それでどうなったでしょう?Peloton以外を選ぶ人が増えたのです」。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

EdTechが勢いを拡大したY Combinatorの最新バッチ

Y Combinatorが教育関連企業への出資を徐々に増加させている。リモートで学習する人々からの新たな需要によって教育分野が拡大しているためだ。同アクセラレーターの最新バッチでは、EdTechのスタートアップ企業数が14社とこれまでで最も多く、教師の収益化アプリや宿題アプリ、ソフトウェアエンジニアを安く養成する方法など、あらゆる分野に取り組む企業が世界中から参加している。

Y Combinatorはアーリーステージのスタートアップの成功例をひも解くための情報源としては使えないが(実際にデモデイの後には敗退を祝うディナーが開催されている)、ある瞬間に起業家たちが特定の分野についてどう考えているかを示すのには十分な役割を果たしている。マネージングディレクターのMichael Seibel(マイケル・セイベル)氏によると、各セクターのスタートアップの数はY Combinatorが決めるわけではなく、各セクターの応募者の数に合わせたものだという。つまり、より多くのEdTech企業が応募したため、YCもより多くのEdTech企業を支援したということだ。

注目すべき点は、このバッチに含まれる14社のEdTechスタートアップのうち、女性の創業者によるものはUPchieveとDegrees of Freedom(の2社のみであるということだ。Y Combinatorによると、W21に参加している企業の19%が女性の創業者を擁しており、バッチ全体の創業者の10%が女性である。前回のバッチからわずかに上昇しているものの、大きな上昇とは言えない。

この記事では今回参加したEdTech企業を取り上げ、初期段階の創業者の目に映る教育の未来を紐解いていきたいと思う。

進む国際化

現在のYCバッチでは、スタートアップの50%が米国外に拠点を置いており、これは同アクセラレーターとしては初めてのことである。Y Combinatorの国際化がEdTech企業の増加の一因になっているのかもしれない。世界で最も価値のあるEdTech企業の1つである、インドのByju’sのような企業の成長が示しているとおり、教育企業への消費者支出は目覚ましいものであり、世界中の初期段階のEdTechスタートアップがこれに注目しているのは明らかである。

Y CombinatorのEdTech投資のうちわずか2社のみが米国の企業となっており、残りの企業は南米とインドに集中している。

  • Manara:中東の人材を技術系の仕事に結びつけるためのマーケットプレイス。
  • Prendea:スペイン語を話す子供たちにライブでオンラインの放課後クラスを提供するペルー発のスタートアップ。
  • Avion School:フィリピンの学生を対象に、世界各地でリモートソフトウェアエンジニアとして活躍してもらうための教育を行うスタートアップ。
  • Poliglota:ラテンアメリカ向けの語学学校。

B2Bよりも消費者を重視

現在のEdTechバッチでは、ほとんどのスタートアップが機関や企業ではなく、消費者を対象にサービスを提供している。形式的な手続きの多い公立学校よりも、子供の親を説得する方がはるかに簡単なため、機関ではなく個人の消費者をターゲットにするというのは昔から珍しいことではない。ベンチャーが要求する規模に到達するためには消費者を扱うほうが簡単であり、それが常にEdTechの真理でもある。

  • Kidato:アフリカの中間層をターゲットにした、幼稚園児から高校生までを対象としたオンラインスクール。質の高さと手頃な価格に重点を置いている。
  • Codingal:インドの子供たちがコーディングを学ぶためのアフタースクールプログラム。

しかし、パンデミックによって教育機関がEdTechサービスへの投資を強化し始めているにもかかわらず、あまり実験的なビジネスモデルが試されていないというのも事実である。

こういった企業が直面するハードルの1つはやはりコスト面である。サービスを利用するのに費用がかかる場合、特定の所得層の人々にしか教育を提供することができない。その結果誕生したのがISA(所得分配契約)である。今回のバッチでは特に存在感を放っていたISAだが、これは学生が就職するまで教育費の支払いを保留でき、就職後は借金の返済を完了するまで収入の一定割合を企業に提供するというものだ。このモデルには賛否両論あるものの、YCの卒業生であるLambda School(ラムダ・スクール)が普及させたこのシステムは、学費の前払いを普及させるための方法として確立されている。

  • Pragmatic Leaders:より費用対効果の高いMBAを構築。学生が大学院卒業後に採用されるまでコースを無料で提供している。
  • Awari:サンパウロを拠点とする同スタートアップは、ISAを利用してブラジルの学生が技術教育を受けられるよう支援している。コースはデータ分析から製品UX、グロースマーケティングまで多岐にわたる。

後述するAcadpalは、インドの学校を対象としている異例の企業である。次のセクションに移る前に、ビジネスモデルにおける最も野心的な賭けを体現している2つのスタートアップを紹介したい。

  • UPchieve:低所得家庭の高校生が24時間365日無料で利用できるバーチャルチューターを提供する非営利団体。
  • Degrees of Freedom:柔軟性があり、コミュニティを重視した低コストの高等教育を提供したいと考えているスタートアップ。受講料は約9000ドル(約100万円)

Zoom大学の継続

「Zoom大学」の苦戦は続いているものの、それでもEdTech創業者らは教育の未来がオンラインコースにあると確信している。この事実こそが、この分野のすべての企業を結びつける1本の糸だったと言えるだろう。こういった企業に賭けるということは、リモート教育が一般化することに賭けるということなのだ。

前述のとおり、多くのスタートアップが特定の層向けにオンラインコーディングプラットフォームを提供している。著者の受信トレイには「XX向けのラムダスクール」と標題されたスタートアップからのメールが常に届くため、似たようなスタートアップが次々と現れても必ずしもエキサイティングとは思えない。しかし、今回のパンデミックによって、コミュニティやネットワークがいかに学校生活を豊かにするかということが明らかになったため、こういったオンラインスクールが、雇用者や卒業生との強力なパートナーシップを築くことができれば、そこには大きなチャンスがあるのかもしれない。

  • Turing College:リトアニアを拠点とするオンラインデータサイエンススクールで、 ISAを利用して教育を手軽に提供できるよう試みている。
  • Coderhouse:アルゼンチンを拠点とするスタートアップで、世界中のスペイン語圏の人々のためにライブのオンライン技術教育を構築することを目指している。

とはいえ、大きなチャンスがあるところには多くの競争相手が存在する。スタートアップはどうにかして差別化する方法を見つけなければならない。下記はその良い例だ。

  • Unschool:高等教育と雇用結果を結びつけるため、インターンシップを保証することでインドでの修了率を高めるプラットフォームを構築している。

コースの作成から終了まで、オンラインコースがどのように行われるかというインフラに注目する企業もある。

  • Pensil:インド国内のYouTube講師による講座の収益化を支援するプラットフォーム。
  • Acadpal:インドの教師が宿題を作成、共有し、学生が課題をこなして議論するための学習アプリ。
  • CreatorOS – Questbook(クリエーターOS – クエストブック):教師がオンラインコースでより簡単に教えられるようにするため、コースをすぐに開始できるようにするための簡単なツールの提供を目指す。

結論

現在YCバッチに参加しているEdTechスタートアップは、競争相手というよりもお互いに補完し合う関係にあるのではないだろうか。Acadpalのような宿題プラットフォームが成功するには、アフタースクールでの学習をオンライン化するCodingalのような企業が資金を得ることができれば都合が良い。また高等教育と雇用を結びつけるUnschoolにとって、Degrees of Freedomのような企業は、低所得者層の学生のための重要なパートナーとなり得る可能性がある。

EdTechは急速に成長しているため、さまざまな動きの細分化はある程度予想範囲内である。このバッチの本番はまだこれからだが、初期段階の起業家たちが今どこに将来性を見出しているのか、これを知るのは非常に興味深いことである。

カテゴリー:EdTech
タグ:Y Combinatorオンライン学習

画像クレジット:Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

「量子ネイティブ」育成に向けた「Q-LEAP 量子技術教育プログラム」公式サイトが公開

「量子ネイティブ」育成に向けた「Q-LEAP 量子技術教育プログラム」公式サイトが公開

「Q-LEAP 量子技術教育(QEd)プログラム」は3月25日、公式サイトを公開した。同サイトは、経済・社会的な重要課題に対し、量子科学技術(光・量子技術)を駆使して、非連続的な解決(Quantum leap)を目指す文部科学省・研究開発プログラム「光・量子飛躍フラッグシッププログラム」(Q-LEAP)において採択された人材育成プログラムのひとつとして運営されている。研究開発課題名は「量子技術教育のためのオンラインコース・サマースクール開発プログラム」で、研究開発代表者は野口篤史准教授(東京大学総合文化研究科)。

同サイトでは、量子技術や各種の量子実験に関する定期的なオンラインコースと、各機関でのインターンシップ、また集中的なサマースクールを組み合わせたハイブリッド型式による教育プログラムを作成予定。これらコースは開催とともに動画としても公開。内容に合わせた教科書に類する教材も作成・公開予定としている。

またメンバー・講師として、日本を代表する様々な物理系の若手研究者が参画し、最先端の量子技術の講義を行う。

  • 東京大学 飯山悠太郎氏。専門:量子ソフトウェア
  • 大阪大学 生田力三氏。専門:量子通信
  • 東京大学 長田有登氏。専門:冷却原子・強磁性スピン・イオントラップ・超伝導量子回路
  • 理化学研究所 川上恵里加氏。専門:電子スピン
  • 沖縄科学技術大学院大学 久保結丸氏。専門:常磁性スピン・ハイブリッド量子系
  • 東京工業大学 小寺哲夫氏。専門:量子ドット・スピン
  • 沖縄科学技術大学院大学 高橋優樹氏。専門:イオントラップ
  • 東京大学 武田俊太郎氏。専門:光量子計算
  • 東京大学 玉手修平氏。専門:超伝導量子回路
  • 東京大学 寺師弘二氏。専門:量子ソフトウェア
  • 分子科学研究所 富田隆文氏。専門:冷却原子
  • 大阪大学/量研機構 根来誠氏。専門:NMR・量子計測・電子スピン・超伝導量子回路
  • 東京大学 野口篤史氏。専門:量子制御
  • NTT物性科学基礎研究所 橋坂昌幸氏。専門:量子ホール効果
  • 量子科学技術研究開発機構 増山雄太氏。専門:量子計測・超伝導量子回路と冷却原子
  • 理化学研究所 松尾貞茂氏。専門:超伝導・ナノ細線・半導体物性
  • 理化学研究所 山口敦史氏。専門:原子時計
  • 国際基督教大学 山崎歴舟氏。専門:ハイブリッド量子系
  • 東京工業大学 米田淳氏。専門:量子ドット・電子スピン

近年量子技術は新たな展開を迎えており、これまで見ることさえ難しかった量子が測定技術や周辺テクノロジーにより「操作の対象」となってきた。

同サイトは、量子コンピューター・量子シミュレーション・量子インターネット・量子センサーなどの応用が量子技術の成熟によって可能となってきていること、また今後10~30年という間に社会進出してくるものと指摘。

ただし、量子技術また量子を取り巻くテクノロジーを扱う技術者の育成は明らかに遅れを取っているという。同サイトのプログラムを通し、これまでの量子技術を習得するとともに、今後の未来を開拓する新たな知見の探求を呼びかけている。

「量子ネイティブ」育成に向けた「Q-LEAP 量子技術教育プログラム」公式サイトが公開

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競技プログラミングコンテスト「AtCoder」アルゴリズム実技検定初の公式テキストが登場

競技プログラミングコンテスト「AtCoder」アルゴリズム実技検定初の公式テキストが登場

競技プログラミング(競技プロ)コンテストを運営するAtCoderは2月25日、同社が定期開催している「アルゴリズム実技検定」初の公式テキスト「アルゴリズム実技検定公式テキスト[エントリー〜中級編]」が、マイナビ出版より発売されると発表した。発売日は2月27日で、価格が税込3828円。著者は岩下真也氏と中村謙弘氏。AtCoder代表取締役社長の高橋直大氏が監修を行っている。

  • 書名:アルゴリズム実技検定 公式テキスト[エントリー~中級編]
  • 監修者:高橋直大氏
  • 著者:岩下真也氏、中村謙弘氏
  • 価格:税込3828円
  • 判型:B5変形判384ページ
  • ISBN:978-4-8399-7277-6

AtCoderのアルゴリズム実技検定(Practical Algorithm Skill Test, PAST)は、「アルゴリズムをデザインし、コーディングする能力」(一からプログラムを作成する能力)を問う、実践を想定した日本初の検定。「知識型ではない」「受験者が得意なプログラミング言語を選べる」「アルゴリズム設計力・実装力を図る」という3点の特徴により、従来定量的な把握が難しかったプログラミング能力を評価することが可能となったという。

アルゴリズム実技検定公式テキスト[エントリー〜中級編]は、アルゴリズム実技検定初の公式テキストにあたり、同検定で設けられている5ランクのうち「エントリー」「初級」「中級」の出題範囲を網羅的に解説している。プログラミングの基礎知識から、各種アルゴリズムの解説、数学的な問題解決方法まで、アルゴリズム実技検定に限らずソフトウェアエンジニアに要求される知識を盛り込んだとしている。

書籍内容

  • 1章:アルゴリズム実技検定の挑戦にあたって
  • 2章:問題の解き方
  • 3章:アルゴリズムとコーディング
  • 4章:Pythonを使ったプログラミング[エントリー編](標準入出力、if、for、簡単な数学的問題)
  • 5章:基礎的なアルゴリズム[初級編](二次元配列、各種探索、再帰、数学的な問題)
  • 6章:応用的なアルゴリズム[中級編](各種探索、各種順列、動的計画法、メモ化再帰、計算量改善テクニック、累積和、グラフアルゴリズム)
  • 7章:さらなる得点を狙うために

第6回アルゴリズム実技試験を4月10日に実施

またAtCoderは、4月10日に第6回アルゴリズム実技試験を実施する。リアルタイム受験の場合は4月10日13:00〜18:00(5時間)で試験を終える必要がある。通常受験の場合は、4月10日18:00〜4月24日12:59の間に試験を開始可能。ただしこちらも、受験開始時刻から5時間以内という条件がある。

問題数は15問で、点数は100点満点。点数配分は、1問目=9点、2~3問目=8点、4~6問目=7点、7~15問目=6点。また点数に応じて獲得できるランクは、エントリー(25~39点)、初級(40~59点)、中級(60~79点)、上級(80~89点)、エキスパート(90~100点)の5段階。

問題を解くために利用できるプログラミング言語はC、C++、C#、Elixir、F#、Go、Java、JavaScript、Python、Ruby、Rust、Swift、TypeScriptなど。開発環境、エディター類は自由。コンテスト中の自作ライブラリーの使用、インターネットでの検索も認められている。詳細は「ルール」ページを参照してほしい。

  • 試験名称:第6回アルゴリズム実技検定(Practical Algorithm Skill Test。PAST)
  • 開催日時:リアルタイム受験の場合は4月10日13:00〜18:00。通常受験は4月10日18:00〜4月24日12:59(受験開始時刻から5時間)。
  • 受験方法:オンライン受験。AtCoderIDを使用し、自宅・職場など場所を選ばず受験可能
  • 試験結果:点数・ランクとして試験終了後に即時発表
  • 受験費用(一般):税込8800円/人
  • 受験費用(団体):30名以上は税込7040円/人。100名以上の場合は税込6160円/人
  • 主催・運営:AtCoder

AtCoderは、日本最大級の競技プログラミングコンテストサイト「AtCoder」を運営。20万名超(うち日本人は11万名以上)が参加登録し、毎週開催される定期コンテストには約1万名以上が挑戦するという。

その他にも、高度IT人材採用・育成事業として、コンテスト参加者の成績を8段階にランク付けした「AtCoderランク」を利用する転職・求職支援サービス「AtCoderJobs」や、IT人材のプログラミングスキルを可視化できる検定「アルゴリズム実技検定(PAST)」といったサービスを展開している。

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ミレニアル女性向けキャリアスクールのSHEが4.4億円調達、美容・金融領域の新規事業拡大

ミレニアル女性向けキャリアスクールのSHEが4.4億円調達、美容・金融領域の新規事業拡大

ミレニアル世代女性向けキャリア&ライフコーチングスクール「SHElikes」(シーライクス)を運営するSHEは2月24日、総額4億円の第三者割当増資および金融機関からのデットファイナンスを合わせ、総額4億4000万円の資金調達を実施した。

引受先は、ANRI 4号投資事業有限責任組合(ANRI)をリードインベスターとする、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND(博報堂DYベンチャーズ)、KDDI Open Innovation Fund 3号(グローバル・ブレイン、KOIF3号)。

調達した資金は、受講者と講師のマッチング自動化や商材のパーソナライズ化をはじめ、あらゆるコミュニティ体験の最適化など、「コンテンツ×コーチング×コミュニティ」という、熱狂体験の創出に欠かせない「3C」を科学し再現性高く展開するためのテクノロジーへの投資にあてる予定。

ミレニアル女性向けキャリアスクールのSHEが4.4億円調達、美容・金融領域の新規事業拡大

ミレニアル女性向けキャリアスクールのSHEが4.4億円調達、美容・金融領域の新規事業拡大

またコミュニティテックへの投資を通じて、2021年は以下を特に進めていく。

  • 新規事業:日本初・フルオンラインでトータル美容プロデュースするコミュニティサービス「SHEbeauty」(美容領域)、理想のキャリアや人生の実現のために不可欠なお金の知識の獲得を目指すサービス「SHEmoney」(金融領域)の展開
  • 既存事業:キャリア領域「SHElikes」(シーライクス)のコンテンツ拡充

2017年の創業以来、SHEはミレニアル女性向けのキャリア支援スタートアップとして累計2万人以上の女性のキャリアに伴走し、多くの女性が夢を叶える姿を見てきたという。創業から5年の節目を迎える2021年、キャリア領域だけではなく女性のライフイベント全般の課題に寄り添う「ライフコーチングカンパニー」としてコミュニティ体験を強化すべく、資金調達を実施したとしている。

ミレニアル女性向けキャリアスクールのSHEが4.4億円調達、美容・金融領域の新規事業拡大

SHEは、「ひとりひとりが自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を作る」をビジョンに据え、2017年に創業。主要事業SHElikesでは、21世紀を生きる女性たちが自分らしい働き方をかなえられるよう、ウェブデザインやウェブマーケティングなどのクリエイティブスキルレッスンやコーチングプログラム、仕事機会を提供。これまでに2万名以上が受講しているそうだ。

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トップクリエイターから学べる動画プラットフォーム「your school」を手がけるTranSeが1億円調達

トップクリエイターから学べる動画プラットフォーム「your school」を手がけるTranSeが1億円調達

TranSeは2月15日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額1億円の資金調達を発表した。引受先は、PKSHA SPARXアルゴリズム1号、W ventures、Skyland Ventures、岩崎翔太氏、大島礼頌氏。トップクリエイターから学べる動画プラットフォーム「your school」(ユアスクール)への事業投資および積極的な採用活動に取り組む。

your schoolは、エデュテインメント(Edutainment)領域の動画プラットフォームとして、TranSeが2020年10月に立ち上げた新規事業。各分野で活躍するトップクリエイターのストーリー・スキル・価値観を通した、高い体験価値の学びと選択肢の広がりを提供するという。

今後は事業投資および積極的な採用活動に取り組み、ビジョン「『動画』で個を拡張する」の実現を目指すとともに、動画という手段を起点とした個のエンパワーメントに引き続き取り組んでいく。

2018年4月設立のTranSeは、累計会員数1600名を超える国内最大級の動画コミュニティを主軸としたスタートアップ。同社取締役CSOおよびYouTubeクリエイターの大川優介氏を起点としたコミュニティ「TranSe Salon」事業、動画制作のパーソナルトレーニング「OneSe Personal」事業に加えて、your schoolを運営している。

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バーチャル理科実験プラットフォームを世界中で販売するLabsterが新たに約63億円調達

165億ドル(約1兆7260億円)の運用資産を持つベンチャーキャピタル企業のAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)は、バーチャルなSTEM(科学、技術、工学、数学)実験シミュレーションを教育機関向けに販売するEdTechスタートアップに数百万ドル(数億円)を投じた。

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コペンハーゲンに拠点を置くLabster(ラブスター)は、学校向けにバーチャル理科実験プラットフォームを販売している。同社は米国時間2月10日、著名なシリコンバレーの企業が主導するシリーズCラウンドで6000万ドル(約63億円)の資金調達を行ったと発表した。このラウンドには、これまでも同社に投資していたGGV Capital(GGVキャピタル)、Owl Ventures(オウルベンチャーズ)、Balderton Capital(バルデントン・キャピタル)も参加。Labsterはこれまでに総額1億ドル(約105億円)を調達したことが知られている。

Labsterは、多くのEdTech企業と同様、新型コロナウイルス流行の影響でリモートワークの必要性が強調される中、自分たちの有効性を見出してきた。2020年4月には、210万人以上の学生が所属するCalifornia Community College(カリフォルニア・コミュニティ・カレッジ)のネットワーク全体にサービスを提供する契約に署名。その数カ月後には、GGVのJenny Lee(ジェニー・リー)氏を取締役会に迎え、アジアでの事業を拡大するために、900万ドル(約9億4500万円)の株式発行による資金調達を行った。

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「A16z(Andreessen Horowitz)は、大きな影響力を持ち、大規模な世界的成功を収める可能性のあるテクノロジー企業への投資に非常に興奮しています」と、Labsterの共同設立者でCEOのMichael Bodekaer Jensen(マイケル・ボデカー・ジェンセン)氏は述べている。「Labsterが大規模に学習を革新するプラットフォームであるという事実が、彼らを惹きつけたのです」。

今回の新たな資金調達により、Labsterはスタッフの増員、ラテンアメリカやアフリカを含む新たな地域に向けた成長、教師をより良くサポートする新製品の開発に、投資を行うことになる。

ジェンセン氏は、Labsterがこれまでない巨額の増資を行ったことにより、同社の評価額が「劇的に上昇した」と述べている。とはいえ、まだ10億ドル(約1050億円)の大台に乗っていないことを同氏は認めており、黒字化を達成したかどうかについてもコメントしなかった。

しかしジェンセン氏は、新たな資金調達によって、このスタートアップ企業が2つの大きな目標に一歩近づいたと考えていると語った。その1つ目は、今後数年で1億人の学生にサービスを提供すること。そして2つ目は、世界中の誰もが自分でシミュレーションをカスタマイズして構築できるプラットフォームを目指すということだ。

「私たちはコンテンツ企業ではありません」と共同創設者はいう。「私たちは没入型学習のためのプラットフォームです」。

Labsterは現在、対面式の授業をサポートして強化するためのeラーニングソリューションを販売している。

教育機関が選択したサブスクリプションに基づいて、参加者の学生はさまざまな段階の仮想実験室にアクセスできる。細菌の増殖や分離の理解から、太陽系外惑星の生物多様性の探求まで、多彩な実験が想定されており、各種シミュレーションのほか、特定の概念を描いた3Dアニメーション、シミュレーションのリプレイ、クイズ問題、バーチャル学習アシスタントなどが用意されている。

画像クレジット:Labster

ジェンセン氏は、最終的にLabsterが、あらかじめ決められた学習トラックを超えて、カスタマイズ可能な没入型学習の世界に移行する可能性を示唆している。Inspirit(インスピリット)など他のスタートアップもまた、Minecraft(マインクラフト)やRoblox(ロブロックス)のようなゲーム形式による創造性を、世界中の学生たちの日々の学習にもたらすことを目指している。

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Labsterはそのプラットフォームの目標に合わせ、現在はバーチャルリアリティへの取り組みを停止している。大規模な数のヘッドセットを用意する必要があるからだ。

「VRは学習には適していますが、我々は教育機関がすでに持っているハードウェアを理解し、それに対応したサービスやソリューションを提供する必要があります」と、ジェンセン氏は語る。多くの教育機関は全学生分のヘッドセットを購入する余裕がないことをつけ加えた。

Labsterがバーチャルリアリティから離れ、没入型の学習環境を構築する方向に向いているという事実は、単なるブランディングのための決定ではなく、拡張性の高いEdTechの未来が、ゴーグルのようなものではなく、カスタマイズ可能なウェブページのようになるかもしれないということを示唆している。

「設立当初の頃は、それを構築すればすぐにすべての教師がやって来るだろうという、ちょっとナイーブな起業家精神が間違いなくありました」と、ジェンセン氏は語った。「VRは、私たちが飛びついて思ったほど革命的なものではありませんでした」。

新たな投資の一環であるLabster Portalは、教師が没入型シミュレーションを個々の生徒がどのように使用しているか、どのような授業を一緒に組み込むのが適切かを理解するためのダッシュボードだ。同社はまた、国全体や州または地域レベルで教育機関と提携することにも力を入れている。ジェンセン氏によると、契約規模が大きくなればなるほど、導入費用を節約できるため、割引額も大きくなるとのこと。Labsterは最近、デンマーク全土にその技術を導入する契約を締結した。

Labsterは現在、2000以上の総合大学、専門大学、高校にプラットフォームを提供している。

「新型コロナウイルスが収まった後、成長は鈍化するでしょう」とジェンセン氏はいう。「教育機関との会話では、ポストコロナの時代にLabsterをさらに新しく革新的な方法で活用していくにはどうすればいいかという話が増えています」。

カテゴリー:EdTech
タグ:Labster資金調達eラーニングVR

画像クレジット:MR.Cole_Photographer / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ゲームで遊びながら算数や読解を学ぶEdTechプラットフォームSplashLearnが18.8億円調達

SplashLearnはゲームをベースにしたカリキュラムで子供たちにレッスンを教える、米国に本社を置く10年の歴史を持つEdTechのスタートアップだ。同社はより多くの市場への進出を目指し、新たな資金調達ラウンドで1800万ドル(約18億8000万円)を獲得した。

今回のSplashLearnのシリーズCラウンドはサンフランシスコを拠点とする教育専門のファンドOwl Venturesがリードし、以前に同社のシリーズBに700万ドル(約7億3000万円)を投資していたAccelも新ラウンドに参加した。

TechCrunchの取材に対し、SplashLearnの共同創業者兼CEOであるArpit Jain(アルピット・ジェイン)氏は、今日の教育システムが直面している最大のハードルの1つは、子供たちが学びたいと思わないことであり、それゆえに、彼らが魅力的だと思う方法で話題を提供する必要があると語った。

同氏が立ち上げたこのスタートアップは、未就園児から小学5年生までの生徒向けに数学と読解のコースを提供している。教師やその他の専門家の指導を元に、4000以上のゲームやその他のインタラクティブな活動を開発し、子供たちにさまざまな概念を説明しているという。

デモとしてジェイン氏は、ハードルの高いアドベンチャーゲームを披露した。子供がゲームを進めるためには、足し算の概念を視覚的に適用する必要がある。「子供たちが夢中になると、学習の成果が向上します」とジェイン氏はいう。

SplashLearnのプラットフォームでは、さらに、毎日15分から20分のパーソナライズされた学習体験を各生徒に提供していると同氏は語った。

同社は、そのサービスのために保護者に月12ドル(約1250円)を請求している。また、学校では無料で利用することができる。現在、米国では3校に1校がSplashLearnを利用しているとジェイン氏は述べた。

「当社の目標の1つは、質の高い教育を無料で生徒達に提供することでした。我々のビジネスモデルは、それに取り組むことを可能にしてくれました」と同氏はいう。SplashLearnは自ら学校にアクセスし、売り込むことはしないとも。教師たちがプラットフォームを使用して、同社が提供しているものを気に入った場合は、より広く採用するために彼らが学校に働きかける、とジェイン氏はいう。同氏は他の3人の共同創業者と同様に、インド工科大学カラグプール校の卒業生である。

画像クレジット:SplashLearn

チームが最初に開発したのは、過去10年間でCourseraが進化して到達したのと同じようなEdTechプラットフォームだった。しかし彼らの以前のベンチャー企業は、当時インターネットユーザーが5000万人に満たなかったインド市場では受け入れる準備ができていなかったために、市場けん引力を得ることができませんでした、とジェイン氏は語った。

SplashLearnは今日、そのプラットフォーム上で4000万人以上の登録生徒にサービスを提供しているが、そのうちの1000万人は2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で世界中の学校が閉鎖されたために新たに参加したという。また、75万人以上の教師も同プラットフォームに加入した。

同社は現在、主に米国の生徒たちにサービスを提供しており、その市場が収益の80%を占めている。しかし現在では英国、オーストラリア、カナダ、インドを含む150以上の市場の生徒達もプラットフォームを利用している。

Owl VenturesのマネージングディレクターであるAmit A. Patel(アミット・パテル)氏は声明でこう述べている。「SplashLearnは、科学的に設計されたカリキュラムと、世界に通用する教育学的手法を独自にブレンドしたもので、デジタル学習の世界に明確な変化をもたらす態勢にあります。SplashLearnは、EdTech分野における革新的な企業を支援するという当社の目的に合致しており、教育の提供方法のパラダイムシフトを促進し、規模を拡大しています」。パテル氏は、AccelのパートナーであるAbhinav Chaturvedi(アビナブ・チャトゥルヴェディ)とともにSplashLearnの取締役会に加わる。

カテゴリー:EdTech
タグ:SplashLearn資金調達eラーニング

画像クレジット:SplashLearn

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

競技プログラミングの「AtCoder」がSOMPOホールディングスSOMPO Digital Lab主催コンテストを発表

競技プログラミングの「AtCoder」がSOMPOホールディングスSOMPO Digital Lab主催コンテストを発表

日本最大の競技プログラミング(競プロ)コンテストサイト「AtCoder」を運営するAtCoderは2月6日、SOMPOホールディングスのイノベーション部門SOMPO Digital Lab主催の「SOMPO HD プログラミングコンテスト2021(AtCoder Beginner Contest 192)」の開催を発表した。総合順位1位の者には10万円分のAmazon ギフトカードなど、順位ごとの賞品が用意されている。参加登録は後日開始する。

同コンテストは、開催時間中(100分間)に出題されるプログラミング問題に対するソースコードを提出し、獲得した得点を競うというもの。誤答を提出するたびにペナルティが加算される(同コンテストの場合は5分間)。順位は総合得点で決定される(同点の場合は提出時間の早い者が上の順位になる)。

SOMPO Digital Labは、AIやIoT技術などの先端技術に関する内製開発にもチャレンジしており、論理的思考力を持ち、手を動かしながら問題解決を行えるAtcoderユーザーに、世の中を一緒に良くしていく取り組みの仲間になって欲しいと考えてコンテストを開催するとしている。

SOMPO Digital Labは、損保ジャパンを中核とするSOMPOグループ全体のDXを推進。各グループ事業会社のR&Dを支援して顧客体験価値を向上させる商品・サービスの開発、新たなテクノロジーを活用した業務効率化、既存事業領域とは一線を画した新たなビジネスモデルの構築などに取り組んでいるという。

また、グループ内への技術展開の際には、必要に応じて社内エンジニアによるアプリケーションの内製開発や、データサイエンティストによるデータ解析も行っている。介護事業における品質・生産性向上や保険事業における既存業務効率化などの課題解決などでは、エンジニアとデータサイエンティストが協調してプロジェクトを推進しているそうだ。

AtCoderは、日本最大の競技プログラミングコンテストサイト「AtCoder」を運営。20万名超(うち日本人は11万名以上)が参加登録し、毎週開催される定期コンテストには約1万名以上が挑戦するという。

その他にも、高度IT人材採用・育成事業として、コンテスト参加者の成績を8段階にランク付けした「AtCoderランク」を利用する転職・求職支援サービス「AtCoderJobs」や、IT人材のプログラミングスキルを可視化できる検定「アルゴリズム実技検定・PAST」といったサービスを展開している。

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カテゴリー:EdTech
タグ:AtCoderオンライン学習 / eラーニング / オンラインレッスン(用語)エンジニア(用語)教育 / EdTech / エドテック(用語)競技プログラミング / 競プロプログラミング(用語)日本(国・地域)

黒人の業界リーダーがMasterClassのようなコースを提供するBeGreatTV、差別への対処法まで

「ブラックやブラウン」の講師がクラスを教えるオンライン教育プラットフォーム「BeGreatTV」は先日、Stand Together Ventures Lab、Backstage CapitalのArlan Hamilton(アーラン・ハミルトン)氏、女優のTiffany Haddish(ティファニー・ハディッシュ)氏などからの参加を得て45万ドル(約4740万円)のプレシードラウンドを終了した。

BeGreatTVの目標は、才能ある黒人や有色人種のイノベーターやリーダーから誰もが学べるようにすることだと、創業者兼CEOであるCortney Woodruff(コートニー・ウッドラフ)氏はTechCrunchに語った。

「黒人や有色人種の個人が、(自分と同じような)黒人や有色人種の人から学びたいと考えたとき、異なるビジネス分野の用語集を提供してくれて、あらゆる組織レベルでの(自分の人種の)代表者をうまくまとめたものは存在しません」とウッドラフ氏はいう。「それだけでも、今まで誰も投資していなかった、または見せてこなかった情報がたくさんあるということで、当社の市場はその分、大きくなります」。

同社のコースは、特定の業界でどのように実績を上げ、成功するかを人々に教えるために設計されており、受講者たちはその業界のビジネス面をよりよく理解できるようになる。同時に「その部屋の中で(黒人または有色人種)唯一の存在であることにともなう社会経済的、人種的な不公平に対処する方法」も教えるという。「たとえばあなたがメイクアップ業界に入りたいと思っている黒人の男性または女性だったら、世間には必ずと言っていいほど偏見があります」。

BeGreatTVが数カ月後にローンチされると(4月に開始する予定)、同プラットフォームでは、アート、エンターテインメント、ビューティーなどに焦点を当てた少なくとも10種のコース(それぞれ15エピソード程度)が提供されることになる。開始時には、L’Oréal(ロレアル)のセレブメイクアップアーティストであり、Beyoncé(ビヨンセ)のパーソナルメイクアップアーティストでもあるSir John(サー・ジョン)氏、リル・ウェインやドレイクのマネージャーでもあるBeGreatTVの共同創設者Cortez Bryant(コルテス・ブライアント)氏、ゼンデイヤのスタイリストであるLaw Roach(ロー・ローチ)氏などがコースを提供する予定だ。

ウッドラフ氏によると、ハミルトン氏とハディッシュ氏は、それぞれビジネスとエンターテインメントに関するコースも教えることになるという。これまでにBeGreatTVは、3分間から15分間までの長さの40以上のエピソードを制作している。

画像クレジット:BeGreatTV

各コースの価格は64.99ドル(約6850円)で、同社はゆくゆくは、コースの数をもう少し増やした後、オールアクセスのサブスクリプションモデルを提供する計画だ。インストラクターに関しては、BeGreatTVは彼らとロイヤリティを共有しているという。

「最終的にはこのプラットフォームに、単にブラックとブラウンだけではない、より多様なインストラクターを含めることも考えています」とウッドラフ氏はいう。しかし今のところは、「『彼女 / 彼は私たちの最初の黒人インストラクターです』というパターンを『彼女/ 彼は私たちの最初の白人インストラクターです』という方向に、プラットフォーム上で反転させようとしているのです。

BeGreatTVのチームはわずか15人で構成されているが、音楽界の重鎮Cortez Bryant(コーテズ・ブライアント)氏や俳優のJesse Williams(ジェシー・ウィリアムズ)氏のような大物が含まれている。現在、BeGreatTVはシードラウンドの終了に向けて作業を進めており、年末までには6桁のユーザー数を見込んでいるという。

MasterClass(マスタークラス)が、おそらくBeGreatTVの最大のライバルとなるだろう。Gordon Ramsey(ゴードン・ラムゼイ)氏、Shonda Rhimes(ションダ・ライムズ)氏、David Sedaris(デイビッド・セダリス)氏などが講師を務めている前者が、8億ドル(約843億円)以上のバリュエーションを得たのも不思議ではない。MasterClassの場合、年間180ドル(約1万9000円)のサブスクリプションが、同社の収益のすべてを占めている。

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「もしあなたが(BeGreatTVを)MasterClassと比較するのなら、我々はそれぞれの業界で、世界で最も優れた仕事をしている人材というだけでなく、多くの場合、パイオニアとして壁を打ち破った人々を起用しています」とウッドラフ氏は語った。「彼らは、周りに自分と似たような人間が1人もいない環境でそれを達成したのです」。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:BeGreatTV資金調達オンライン学習

画像クレジット:BeGreatTV

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Aya Nakazato)

Robloxは開発者向けアクセラレーター講座で同社プラットフォームの新たな可能性を引き出す

Roblox(ロブロックス)は今、数カ月後に予定されている歴史的な大型IPOとなるであろう公開市場への参入に向けて準備を進めている。そのような中、Robloxに295億ドル(約3兆665億円)の価値があると評価した投資家たちは確実に、Robloxの熱心なユーザーである若者たちに注目している。しかし、投資家たちの心を最も強くとらえるのは、Robloxを利用している700万人のアクティブなクリエイターや開発者たちだろう。

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2015年以来、Robloxは次世代のゲーム開発者がRobloxプラットフォームで成功できるよう支援するためのアクセラレーター講座を開講してきた。同講座は年を経るごとに拡大され、初めは1年に1クラスだったのが、現在では1年に3クラス(1クラス約40人)が開講されるまでになっている。これはつまり、毎年100人以上の開発者が、自分のゲームを世に送り出すためにRobloxから直接、アドバイスやサポート、教育、出資を受ける機会を得ているということだ。

この側面におけるRobloxの取り組みがより正式なものとなり、Robloxは2018年にアクセラレーター講座卒業生のChristian Hunter(クリスチャン・ハンター)氏を同講座の専任担当者に採用した。ハンター氏は10歳のときにRobloxのゲームをプレイし始め、13歳のときからRobloxでゲームを開発している。同氏はその経験を生かして、開発者が持つ独自の視点からアクセラレーター講座を改善してきた。

しかし、新型コロナウイルス感染症のせいで、アクセラレーター講座に関するRobloxの計画が狂ってしまった。カリフォルニア州サンマテオにあるRobloxのオフィスで開かれる3カ月間のクラスに出席するよう開発者を招待することができなくなり、リモート受講ができるように講座を見直さなければならなくなったのだ。

とはいえ、結果的には仮想世界で遊ぶゲームをプレイしたり開発したりすることに慣れていた開発者たちが、リモート受講という新しい形態に順応するのに時間はかからなかった。

RobloxのシニアプロダクトマネージャーRebecca Crose(レベッカ・クロース)氏は次のように説明する。「新型コロナ前は、みんなでいっしょに集まることができ、気軽に誰かに話しかけることができた。開発者は何か話し合いたいことがあれば、Robloxのプロダクトチームやエンジニアリングチームの誰かのところに行って、直接意見を聞けた。しかし、ご存じのように、新型コロナのせいで、私たちは頭を切り替えて、今までとは違う考え方をしなければならなくなりました」。

オフラインで開講されるクラスの構成とは異なるものの、この講座をリモート受講できるようにしたことによって、いくつかのポジティブな効果がもたらされた。たとえば開発者は、この講座のDiscordサーバーに参加して、現行クラスの受講生や以前のクラスの卒業生と話すことができ、交流したり質問したりできた。また、Roblox社内のSlackチャンネルに参加して、同社のチームに質問することもできた。さらに、Roblox社員からリアクションやフィードバックが得られるプレイテストも、オフライン開講の場合より数多く計画された。

一方、受講した開発者たちは、対面で会えない他の受講生とよく知り合うために、お互いが開発したゲームやRobloxで人気がある他のゲームを一緒にプレイする「ゲームナイト」を実施して、対面のミーティングやクラスの代わりに仮想世界で交流を深めた。

とはいえ、実際のアクセラレーター講座の内容は、リモート開講になってもそれほど大きく変わらなかった。受講者は週替わりの講演や、ゲームの設計と制作に関する講義を聴講し、Robloxのエンジニアに質問できるフィードバックセッションも毎週開催された。

その性質上、アクセラレーター講座のリモート開講は、受講者の幅を広げることになった。カリフォルニア州サンマテオまで旅行して3カ月滞在できる人だけでなく、よりグローバルで多様な層に受講の機会が開かれたためだ。これはまた、高まる需要をさらに増大させることにもつながった。

2020年の開講分には、通常の5倍というかつてないほど多くの応募がRobloxに寄せられた。

その結果、2020年クラスにはフィリピン、韓国、スウェーデン、カナダ、米国の5カ国から受講生が集まった。

英国のゲーム開発会社IndieBox Studio(インディーボックス・スタジオ)の開発者チームは、自社のゲーム開発力を強化する機会とするためにこの講座を受講した。同講座の期間中、英国と米ケンタッキー州の各地にいる同社の若いメンバーたちは、同社が開発した写真のようにリアルなグラフィックが売りのゲーム「Tank Warfare」をスケールアップさせるために時間を費やした。

Michael Southern(マイケル・サザン)氏は、「実際にリアルで会ったことは一度もないんだ。でも、お互いにやり取りするようになって、もう9年くらいになるよ。Robloxで知り合ったんだ」とTechCrunchに語った。

Roblox初期の開発者チームには、IndieBoxのように、進化し続けるRobloxのゲーミングプラットフォームを隅から隅まで知り尽くしているRoblox歴10年以上の若いゲーマーで構成されているチームが多い。

IndieBoxのFrank Garrison(フランク・ガリソン)氏は「当社のメンバーはみな2008年からRobloxを使っているが、Robloxで開発を始めたのは2019年だ。Robloxを選んだ理由は、そうだね、『すでによく知っているプラットフォームなのだから、試してみようか』という感じだったかな」とTechCrunchに話した。

開発者層が広がるにつれて、アクセラレーター講座の受講生の層も変化してきた。

同講座のプログラムマネージャーであるハンター氏は、「当初は受講生のほとんどが若い男性だったが、講座が発展するにつれて、目新しく興味深い構成のチームが数多く参加するようになっている」と語る。

2020年のクラスには、かつてないほど多くの女性受講生が参加した。たとえばあるクラスでは受講生50人のうち12人が女性だった。また、あるチームは全員女性だった。

受講生の年齢も以前は18~22歳が多かったのだが、変化してきている。

ハンター氏によると「もっと年齢の高い受講生が増えてきている。パンデミックが始まってから、講座史上初めて50代の受講生が参加した。それより前は、24歳より上の受講生はいなかったと思う。加えて2020年には、30歳以上の受講生が12人参加した」という。

また、参加チームのうち2つは親子で構成されたチームだった。

Shannon Clemens(シャノン・クレメンス)さんは、Robloxプラットフォームのことを息子のNathan(ネイサン)君から教わり、コーディングを学び、夫のJeff(ジェフ)さんも誘ってSimple Games(シンプル・ゲームズ)という開発スタジオを立ち上げた。ネイサン君の2人の姉妹と、彼の友人のAdrian Holgate(エイドリアン・ホルゲイト)君もパートタイムでスタジオを手伝っている。

「息子がRobloxのプラットフォームで体験していることを見て、自分たちでゲームを作る方法を学ぶのにとてもいい方法だと思いました」とシャノンさんはTechCrunchに語ってくれた。

シャノンさん一家が制作したゲーム「Gods of Glory」には、2020年9月のローンチ以来、Robloxプレイヤーが1350万回以上も訪れている。

ジェフさんは次のように語る。「私たち家族はみんな、ゲームを楽しむために創意工夫するのが好きで、そういうアイデアを色々と思いつくんです。『これ、試してみたらいいんじゃない?』って。だからアクセラレーター講座も『受講生に選ばれるかどうかわからないけど、まず応募してみよう』という感じで申し込んで、このように選ばれて受講することができました。最高に楽しんで受講しています」。

リモート環境によって促された変化に加えて、リモート受講がもたらした恩恵は他にもあるとRobloxは感じている。たとえば開発者は講座で学習するために早起きする必要がなくなった。

クロース氏は次のように説明する。「リモート受講により、開発者は自分に合った時間に合わせて作業できるようになった。開発者は夜遅くまで作業することが多い。そんな彼らに、朝9時に遅れず受講会場に来てもらうのは、非常に難しいことだった。彼らは、そう、ゾンビみたいに完全夜型だから。開発者が自分に合った時間で作業できるようにしたことで、疲れ切ってしまう受講生が減り、生産性も向上したと思う」。

ワクチンの普及にともないコロナ危機もいずれは終息していくだろうが、アクセラレーター講座で学んだ内容とリモート開講の利点は、今後も効果を発揮していくことだろう。アクセラレーター講座を卒業した開発者は、Robloxをはじめとするゲーミングプラットフォームの発展がこれからも続いていくことを願っている。

開発者のGustav Linde(グスタフ・リンデ)氏は、「ほとんどのゲームスタジオにとって、パンデミックは追い風になってきた。もちろん、未知のことばかりの異様な時期だと思う。でもゲーム開発者にとってはいいタイミングだった」とTechCrunchに語った。

リンデ氏が共同創業者として名を連ねるスウェーデンのゲーム開発スタジオThe Gang Stockholm(ザ・ギャング・ストックホルム)は、主にクライアントのブランドマーケティング向けゲームを、Robloxプラットフォームのみを使って開発してきた。12人で構成される同社のチームは、アクセラレーター講座の受講を機に開発納期のペースを落とし、Robloxプラットフォームならではのエリアを掘り下げ、2021年にリリース予定のゲーム「Bloxymon」の開発に打ち込んだ。

「Steam、App Store、Google Playのマーケットは飽和状態だが、Robloxは今、開発者にとって非常にエキサイティングなプラットフォームだ。さらに、Robloxは多くの注目を集めており、Robloxプラットフォームへの参入に関心がある有名企業も数多い」とリンデ氏は語る。

Robloxによると、今後のアクセラレーター講座でも、コロナ禍をきっかけに考案されたリモート開講の要素を取り入れていくつもりだという。また、現時点では英語での受講に限定されるものの、この講座を世界各地で開講できるように取り組んでいく計画とのことだ。また、将来的には英語以外の言語での開講も視野に入れているという。

アクセラレーター講座の2020年秋クラスは、2020年12月に終了した。次の2021年春クラスは2021年2月に開講する予定だ。Robloxによると、すでに2021年夏クラスの受講生を応募し始めているという。このクラスも定員は40人程度とのことだ。Robloxは、今回も多様な背景を持つクリエイターを集めたクラスにしたいと考えている。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Robloxオンライン学習

画像クレジット:Ian Tuttle / Getty Images

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(文:Sarah Perez、Lucas Matney、翻訳:Dragonfly)

Zoomアドオンのオンライン教育ソリューションを開発するClassが約31.7億円を調達

Blackboardの共同創業者であるMichael Chasen(マイケル・チェイスン)氏起業してからまだ1年に満たないClassは、柔軟にカスタマイズして生徒と教員が授業に利用できるZoomのアドオンを開発している。同社の初の製品となるClass for Zoomには管理ツールと指導用ツールがあり、ビデオ会議のエクスペリエンスを向上させる。

以前はClassEDUという名前だった同社は米国時間2月4日、3000万ドル(約31億7000万円)を調達し、調達金額の合計が4600万ドル(約48億6000万円)となったことを発表した。製品の公開前にこれほどの金額を調達したため、同社には製品を調整して改善する余裕があり検証もできる。Zoomにとって初めての小切手を書いたBill Tai(ビル・タイ)氏やEmergence Capitalなど、Zoomを早い時期に支援した多くの投資家がClassに投資している。

Classは調達した資金で現在60人の従業員を100人に増やす。また各国の需要に合うように製品を開発する。米国、ドバイ、日本、ヨーロッパの6000以上の教育機関がClassのウェイティングリストに名を連ねている。

教員はClass for Zoomの指導用ツールを使ってその場で課題やクイズ、テストを出し、リアルタイムで生徒たちに答えさせることができる。管理面では出席管理から生徒がアクティビティに参加した時間の把握まで、さまざまなツールがある。現在ClassEDUは有料のプライベートベータで、60校あまりが利用している。

画像クレジット:Class

現時点ではClassのソフトウェアはMacのみで動作するが、ベータ版は近々iPhone、Windows、Androidでも使えるようになる。今四半期末に公開の予定だ。

Classは完全にZoomプラットフォーム上で構築されているが、他のZoom用アプリのようなサードパーティ製品の統合ではなく独立した機能として動作する。Classはバックエンドのオーディオとビデオの機能には無料のZoom SDKを使い、フロントエンドのインターフェイスとエクスペリエンスは独自に開発している。他社に依存するアーリーステージのスタートアップはいずれもそうだが、プラットフォームのリスクには注意が必要だ。

一方で、リスクには価値がともなう。Zoomはなじみのある名前なので、Classを学校に販売する際のハードルは驚くほど下がるとチェイスン氏はいう。学校は2020年から使っているテクノロジーを置き換えることなく、Classを使うことで簡単により良いものにすることができると同氏は説明する。

チェイスン氏は「学校にはZoomの安定性とスケーラビリティがあり、その上に授業のツールを構築して大規模に展開していくつもりです」と述べる。同氏によれば12万5000校以上の学校がすでにZoomを使っており、十分大きいビジネスになる。Classは今のところTeamsやWebexとの統合は計画していない。

Udemyの新社長が数日前に述べた意見と同様に、ClassもEdTechの動向の変化が販売の違いに現れると見ている。

LMS(学習管理システム)の仕事に15年間携わってきたチェイスン氏は「Blackboardのセールスサイクルは6〜9カ月で、eラーニングとは何かを説明しなくてはなりませんでした。(Classでは)ピッチをする必要がありません。1カ月で商談がまとまります。セールスサイクルは製品を紹介している時間のみです」と語る。

Class、そしてeラーニングのソリューションを教育機関に販売するスタートアップにとっての高いハードルは、新型コロナ収束後の実用性だ。教育機関は昔から形式主義でソフトウェアの採用に時間がかかるが、チェイスン氏によればClassの顧客は高等教育でもK-12でも積極的に予算を取っているという。Classの価格は年間1万ドル〜6万5000ドル(約105万円〜680万円)で、クラスの人数により異なる。

チェイスン氏は「予算の問題にぶつかったことは一度もありません。高等教育機関はすでにオンライン学習への第一歩を踏み出して次に歩を進めようとしていますが、K-12は第一歩を踏み出しつつあるところです」と述べた。

関連記事:学校向けのZoomアドオンに数億円を賭けるZoom創生期の投資家たち

カテゴリー:EdTech
タグ:ClassZoom資金調達eラーニング

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Kaori Koyama)