Pinterestがクリエイター向けファンドへの投資を大幅に追加

競合各社がクリエイターに熱を上げる中、Pinterest(ピンタレスト)は米国時間3月28日、Creator Fundへの当初の投資を大幅に増やし、まだ評価を得ていないクリエイター層に対し現金での支援、広告のクレジット、その他のリソースとして追加で120万ドル(約1億4800万円)を投じると発表した。同社は2021年に50万ドル(約6200万円)のCreator Fundを開始すること、および新しいコンテンツポリシーとクリエイター向けツールを発表していた。ただ、Pinterestが投資を増やしクリエイターとの関わりを強化するものの、Meta(メタ)やYouTube(ユーチューブ)、TikTok(ティックトック)、Snap(スナップ)といったソーシャル大手の大がかりな取り組みに比べると、その規模はまだ小さい。

Pinterestは2021年4月にCreator Fundを発表し、同年秋には米国でクリエイターの報酬としてさらに2000万ドル(約24億6000万円)を投じると発表した。この報酬は「チャレンジ」への参加に対してクリエイターに直接支払われる。ただしこの取り組みはCreator Fundの一環ではないとされている。同社は、Creator Fundは資金と教育の両方のリソースを提供して、まだ評価を得ていない層のクリエイターを支援することに特化していると説明している(TechCrunchの問い合わせに対し、同社は新たに投資する120万ドル[約1億4800万円]のうちどの程度を現金で支援するのかについて明らかにしなかった)。

PinterestはCreator Fundの拡張にともない、四半期ごとに5週間のサイクルをコンテンツのテーマを変えてクリエイターに提供する。テーマはファッションとビューティー、ウェルネス、ライフスタイルとホーム、フードが予定されている。2022年の4サイクルのうち最初のサイクルではファッションとビューティーを取り上げ、このサイクルでは初のブランドパートナーとしてL’Oréal USA(ロレアルUSA)の後援を受ける。Creator Fundの参加者はPinterestが提供するトレーニングを受けられる他、L’Oréal USAから美容業界のインサイトとこの分野における専門家のサポートも提供される。参加するクリエイターは現在募集中だ。

Creator Fundの参加者は、現金での支援と広告クレジット、機材の提供を受け、さらにブランドパートナーになるチャンスやクリエイター向けカンファレンスへの参加、さらにPinterestのプロダクトをいち早く目にする機会もあると同社は述べている。

当初のファンド、そして以前に発表された2000万ドル(約24億6000万円)の報酬よりも大幅に増額されたが、それでもクリエイターに対するPinterestの取り組みは競合に遅れをとっている。

比較のために挙げると、TikTokは2020年に独自のクリエイターファンドを2億ドル(約246億円)で立ち上げたが、向こう3年間で10億ドル(約1230億円)以上にまで拡大するとしている。Metaも10億ドル(約1230億円)のクリエイター向けボーナスプログラムを発表した。YouTubeはTikTokへの対抗策としてYouTubeショートのクリエイター向けとして2021年に1億ドル(約123億円)のファンドを発表したが、過去3年間で合計300億ドル(約3兆6900億円)を超えるクリエイターへの幅広い投資を喧伝している。そしてSnapも最近、TikTokに似たSpotlightのクリエイターに対し、2021年に2億5000万ドル(約307億5000万円)を支払ったと述べた。

これらに対し、Pinterestはクリエイターに対する取り組みを始めたばかりだ。この1年間ほど、同社はそのプラットフォームをインスピレーションやアイデア、販売のための画像のピンボードから、動画や動画に関連する収益化の取り組みを通じてクリエイターのコミュニティに資するものにシフトしようと試みている。2021年5月にはクリエイター向け動画ファースト機能でTikTokとストーリーをミックスしたような「アイデアピン」を正式に発表した。Pinterestユーザーは、BGMやトランジション、さまざまなインタラクティブ要素など他のソーシャルプラットフォームと似たツールでクリエイティブなコンテンツを録画し、編集できる。しかしTikTokの動画とは異なり、Pinterestのアイデアピンは、例えばクリエイターがレシピやDIYの製作過程などを共有するページといった動画以外のコンテンツも組み合わせられるようになっている。

2021年秋にPinterestは、ビデオのピンを簡単にスクロールできる「Watch」タブをアプリに追加した。この取り組みがどの程度効果を上げているかは、今のところ明らかにされていない。The Informationは最近、PinterestはオンラインショッピングプラットフォームのVerishopを買収しようとしたが、Pinterestが買収されると取り沙汰される中で決断は先延ばしになったと報じた。Verishopは買収に乗り気ではなかった。

Pinterestによれば、同社Creator Fundプログラムを修了した参加者は平均で60%フォロワーが増えたという。しかし比較の基準がないので、クリエイターの実際の成果やもっと広い意味でのPinterestへの影響はなかなか理解できない。

Pinterestは、2022年後半には米国以外にもCreator Fundを拡大する計画であるとしている。

画像クレジット:Pinterest

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Spotify、ジョー・ローガン氏の騒動から2カ月経ってようやく新型コロナの注意喚起機能を追加

わずか数カ月前、ニュースを聞いたり、Twitterを読んだり、保守的な叔父と話をしたりする際には、Spotify(スポティファイ)と2億ドル(約246億5000万円)以上の独占契約を結んでいるJoe Rogan(ジョー・ローガン)氏の話題に触れずに済ますことはできなかった。1月には、270人の医師と科学者がSpotifyに対する公開書簡を発表し、Spotifyのチャートで上位を占め、ウイルスに関する誤った物語の温床として繰り返し機能しているローガン氏のポッドキャストに鑑みて、誤情報対策を講じるよう要求した。その後、Neil Young(ニール・ヤング)やJoni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)といった音楽界の大物たちが抗議の意を込めて、このプラットフォームからライブラリを引き上げたため、Spotifyは遅ればせながらプラットフォームのルールを公表することになった。そして今回Spotifyは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について語るポッドキャストに、開始する約束から2カ月経って、コンテンツに関する注意喚起を行う機能をようやく導入した。

この注意喚起は、新型コロナを取り上げたポッドキャストのエピソードの上に表示される青いバーで、リスナーはクリックして詳細を確認するよう促される。これは、2020年3月に追加された同社の新型コロナ情報ハブにユーザーを誘導するものだ。TechCrunchはSpotifyに、どのポッドキャストエピソードが新型コロナを扱っているかをどのように判断しているかを質問した。どうやら、エピソードのタイトル、説明、タグなどのメタデータに「新型コロナ」「coronavirus(コロナウイルス)」「pandemic(パンデミック)」といった単語が出てくると注意が表示されるようだが、Spotifyからはこの機能がどう働くかの回答は返ってきていない。もしこれが単なるメタデータのスキャンだとしたら、新型コロナ情報ハブ内のコンテンツはすでに揃っていたのに、なぜ丸2カ月もの時間を要したのかが不明だ。

Twitter(ツイッター)といった他のソーシャルプラットフォームは、新型コロナの誤報の拡散に対抗するために、より迅速に行動している。米国でのロックダウンが始まった数日後には、Twitterはウイルスの拡散を助長するようなツイートを禁止した。その2カ月後には、虚偽の情報を含む可能性のあるツイートに対して、新型コロナウイルス注意喚起を行う機能をリリースした。競合するApple Podcasts(アップル・ポッドキャスト)のようなストリーミングサービスでは、こうした注意喚起は行われていないが、右翼の陰謀論者とおもしろおかしく話すポッドキャスターに資金を提供しているわけではない。

Spotifyをボイコットしようという声がソーシャルメディア上でトレンドになるなど、PR上の苦労はあったものの、その反動はSpotifyのライバルを押し上げるまでには至らなかった。他のプラットフォームから徐々にその勢いを削られて始めてはいるものの、Spotifyは依然として優勢を維持している。

画像クレジット:stockcam / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

PayPalが返品サービスHappy Returnsの利用範囲を拡大、全米5000カ所以上で利用可能に

PayPal(ペイパル)は2021年買収した商品返却サービスのHappy Returns(ハッピー・リターンズ)の利用範囲を拡大し、PayPal Checkout(ペイパル・チェックアウト)を利用している売り手は追加費用なしで利用できるようにした。米国時間3月28日にPayPalは、売り手がHappy Returnsの返却・交換ポータル・ソフトウェアを無料で利用できるようにした他、化粧品チェーンのUlta Beauty(アルタ・ビューティー)との提携によって、全米1300カ所以上のUlta店舗に、Return Bars(返品カウンター)を設置すると発表した。

Ulta Beautyの拡大は、まず一部の店舗から始め、年間を通じて他の場所へも展開していく予定だ。

これは、ソフトウェア物流サービスのHappy Returnsを2021年に買収して以来初めての同社に関する大きな取り組みだ。

Return Barの設置場所は買収当時の2600カ所から、Ulta Beauty店舗を含めて5000カ所以上へと2倍近くに増えた。Return Barは全米に広く展開されており、PayPalによると、米国人の78%は半径10マイル(約16km)以内にReturn Barがあるという。

利用者はこの返品サービスを利用するために、別のウェブサイトを訪れる必要はない。売り手がHappy Returnsに対応していれば、販売サイト上で直接返品手続きを進められる。利用者にはQRコードが発行されるので、近くのReturn Barに商品と一緒に持ち込めばよい。商品を箱詰めしたり、箱やラベルを持っていく必要はない。QRコードがスキャンされると、利用者はすぐに返金を受けられる。返品された商品は再利用可能な手提げ袋に、他の返却物と一緒に入れられる。この袋は回収されて処理施設に送られるので、物流の回数を減らすことができるとPayPalは説明する。

Happy Returnsのパートナー小売店は、店舗の入り口とレジで、顧客に返品サービスのことを知らせる掲示を行う。さらに、返品した顧客にはその店で使えるクーポンが渡され、パートナー店にいる間に買い物をするインセンティブが与えられる。これはAmazon(アマゾン)が同社のパートナー店舗、Kohl(コール)などで行っているのと同様のプロセスだ。

返品サービスの利用は、この1年間にオンラインショッピングの成長にともなって増加している。PayPalによると、Happy ReturnsのReturn Barでの対面返品の利用は、2021年2月から2022年2月の間に4倍近く増えた。パートナー小売店の数も倍増し、Everlane(エバーレーン)、Rothys(ロジス)、Gym Shark(ジム・シャーク)、Mack Weldon(マック・ウェルドン)他多数が加わった。買い物客は,Ulta Beautyに加え、Staples(ステープルズ)、FedEx(フェデックス)、PaperSource(ペイパーソース)、Cost Plus World Market(コストプラス・ワールドマーケット)その他の対応店舗にも返却する商品を持ち込める。

PayPalを利用している売り手は、Happy Returnsを追加料金なしで利用できるようになるが、PayPalのチェックアウト手数料はこれまで通りかかる。売り手は、このソフトウェアとポータルを利用して、Returns Barのネットワークを利用せず自身による返品と交換の管理を行うこともできる。ソフトウェアを利用することで、自動化された返品・交換をよりユーザーフレンドリーな体験にすることができる、とPayPalは言い、売り手には返却データの詳細レポートや返品に関する顧客の問い合わせをリアルタイムで見られるダッシュボードも提供している。

Return Barを利用する売り手は返品ごとに追加費用(金額非公開)をPayPalに支払う。それでも、返品配送をまとめられ、配送料金の割引が受けれらることで売り手は費用を削減できるとPayPalは言っている。

「消費者のオンラインショッピングの頻度が高まっても、返品は「対面」で行われることが多く、売り手にとっては費用がかさむ面倒な処理です、とHappy Returns by PayPalのDavid Sobie(デビッド・ソビー)副社長は声明で語る。「Ulta Beautyとの提携は、当社の対面持ち込みネットワークを拡大し、オンラインショッパーが返品を完了するための選択肢を増やします。Return Barは、新たな顧客を店舗にもたらし、売り手はより費用効果の高い実用的な方法でリバースロジスティックを管理できます。

PayPalはHappy Returnsの買収に支払った金額を明らかにしていないが、SEC(証券取引委員会)提出書類には、これは2021年に実施された4件の買収の1つであり(Paldlyを含まない)、合計金額は5億4200万ドル(約669億円)だと書かれている。PayPalはかつてHappy Returnsに戦略的投資を行っており、2019年のBラウンド後の企業価値は550万ドル(約6億9000万円)だった。PitchBook(ピッチブック)のデータによる。

Happy Returnsのサービスは、小規模な売り手がAmazonやWalmart(ウォルマート)のようなeコマース巨人と戦いやすくために作られている。両巨人とも、AmazonはWhole Foods(ホールフーズ)をはじめとする小売店などのパートナーで、Walmartは同社の小売店舗で、顧客が対面で容易に返品できる手段を持っている。Amazonの返品窓口や店内ロッカーを設置することによる潜在的来客への期待は、Amazonの返品にくる買い物客を取り込むことで、KohlやStein Martといった小売店が敵を利用することへと繋がっている。

UltaはHappy Returnのサービスをこれまでパイロットテストしてきたが、同様に来客数の増加と購買への転化に魅力を感じていると報じられている。

画像クレジット:PayPal

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク氏が「次のTwitterを作りたい」と熱望しても心配する必要はない

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が先週末、地震のソーシャルメディアプラットフォームの構築について「真剣に考えている」とツイートした。

「Twitterが事実上、公共の広場として機能していることを考えると、言論の自由の原則を守らないことは民主主義を根本的に損なうことになる。では何をすべきでしょうか?」と、TeslaとSpaceXのCEOで億万長者、連続起業家である彼はツイートした。

このツイートを読んで血圧が上がった人は、あなただけではない。深呼吸をしよう。彼のDogeSociælXアプリが登場するのは、まだ先の話だ。

マスク氏はこれまでにも、Teslaに関するばかげたミームや考え、さらには重要情報までツイートし、米国の規制当局が眉をひそめる以上の反応を示すと、ショックを受けたように振る舞った過去がある。しかし、マスク氏がTwitterで彼の奇抜なアイデアを実行に移すとなると彼の実績はあまり芳しいものではない。

マスク氏が、次のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)になるという幻想を公言するのは、これが初めてではない。

2018年にTeslaのおかしな経営を、ジャーナリストたちに批判されたとき、彼は「Pravda」というウェブサイトを立ち上げると明言した。Pravdaはロシア語で「真実」という意味で、ロシアの歴史的共産主義者新聞(旧:ロシア共産党機関紙)の名前だ。マスク氏によるそのウェブサイトでは、読者がジャーナリストや編集者やメディア紙誌の「真実度」や「信頼度」を格付けできる。ありがたいことに、この彼のアイデアは実現しなかったが、今ではTwitter自身がメディアを評価する場になっており、ジャーナリストたちもそのことをよく知っている。

E.W. Niedermeyer:メディア批評家として有名で、客観的なジャーナリズムの擁護者であるイーロン・マスクは、Washington Postを買えばそれが自分の個人的なPR攻撃部隊になる、考えている。そう考えれば、今回の件も理解できる。

Faiz Siddiqui:マスクの衝動的で頑固な性格は、他社と違って戦闘的な姿勢を持つ自動車メーカー(Tesla)からの買い埋めを確保するための特別な戦略を必要とした。彼の記事へのコメントの求めに応じてマスクは「これで100回目だが、きみの人形使いによろしく」と言った。

E.W. Niedermeyer:公共の広場としてのTwitterの公正に関するマスクによる突然の真剣で本気の懸念は、メディアの正確さと客観性に関する2018年の懸念と同じで、彼(と彼のフォロワー)の不条理な迫害幻想を補強するための深い偽善的な策略だ。

マスク氏のTwitter生まれのアイデアが離陸するとき、それは次のSpaceXのような本物になったためしがない。

また彼の道化ぶりが際立った年である2018年、マスク氏は彼自身の「銀河系メディア帝国」を発表した。それは「Thud」と呼ばれる(最後に感嘆符が付いてもよい)コメディカンパニーだ。2021年、イーロン・マスク氏がサタデー・ナイト・ライブでホストを務めたあと、私はユダヤ教的なジャーナリズムの仕事に着手した。マスク氏がコメディメディアへの進出を企てたことを忘れていたThudの元従業員13人全員に連絡を取ったのだ。

誰もオフレコで話してくれる人はいなかった。「The Onion」の元編集者たちによって運営されたThudは失敗し、その後、履歴書の会話のネタにされました(元Theranos社員なら共感できるはずでだ)。これらのライターやデザイナーが、Thudについて振り返りたくないのも無理はない。同社のミニマリスト向けウェブサイトでは、Thud(Thudとはモノが落ちるときの「ドサッ」という音のこと)は「短命」で「その名のとおり」といわれている。

当初、マスク氏ははThudに200万ドル(約2億5000万円)を注ぎ込んだが、彼は突然その会社を去り、残された編集者たちに収益化の計画はなかった。

当時編集者のCole Bolton(コール・ボルトン)氏はVergeに対して「億万長者がバックにいるプロジェクトが突然、独立のメディアになるんだ。どうなるかわかるだろ」と語る

これまでにも、ネット上で突拍子もない発言をしてはおもしろがっていたこともあり、マスク氏が突然ソーシャルメディア帝国を作ろうとしていることに慌てる必要はないだろう(この帝国は銀河系でもないのだ!)。さらに、新しいプラットフォームの背後に大物がいる場合でも、それが軌道に乗るという保証はない。Donald Trump(ドナルド・トランプ)自身の新しいアプリ「Truth Social」は、メインストリームである4chanになる準備が整っているように思うかもしれないが、ローンチから数週間経っても、97万6985番目の待ちのままだ。また、一度入場しても、パーティーはあまり盛り上がらないようだ(「セクシーな女の子とのゴルフ」が好きな人は別だが)。

kelsey weekman:やっとTruth Socialの待ち行列を抜けたわ。

仮にマスク氏が独自のソーシャルメディアプラットフォームを構築したとしても、Twitterのようなリーチ力はないだろう。彼は7940万人のフォロワーを誇りBarack Obama(バラク・オバマ)やJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)といった人物に負けず劣らず、同サイトで最もフォローされているユーザーのトップ10にしっかりと入っている。しかし、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)やKaty Perry(ケイティ・ペリー)と違い、マスク氏はそのフォロワーを利用してヒトラーのジョークを口にしたり、Twitterの新CEOであるParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏をJoseph Stalin(ヨシフ・スターリン)に例えたりしている。注目すべきは、自由に発言することを許されないと不満を漏らしているマスク氏だが、これらの不適切なツイートはプラットフォームによって削除されなかった。ヒトラーのミームは彼自身が削除し、アグラワル氏への侮辱はまだ公開されている。

これは言論の自由の問題ではなく、あらゆるかたちの規制を嫌うマスク氏自身の姿勢に他ならない。マスク氏の約8000万人のフォロワーが彼の理論的な新プラットフォームに移行するかどうかは疑問だが、仮に移行したとしても、SECはマスク氏が共有するどのようなインサイダー情報についても責任を問うことができる。

Twitterは常にマスク氏の最も強力なツールであり、トランプ氏のように、SECがいずれ監視することになる新会社を立ち上げようとしても、何も得るものはないように思われるのだ。

これは、熱狂的な夢を実現できるほど裕福で自負心が強い権力者による脅威を心配することはない、ということではない。

結局のところ、マスク氏はトランプ氏より少しばかりビジネスが上手なのだろう。しかし、マスク氏のツイッターでの発言は、偏向的な対話しか生まず、マスク氏のツイートが市場を動かすことがあっても、とには、ただドスンと音を立てて落ちてしまうことを私たちは忘れている。

画像クレジット:Liesa Johannssen-Koppitz/Bloomberg/Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Instagram、ハッシュタグを通し社会運動を支援しやすくなる最新機能をテスト中

Instagram(インスタグラム)は、ユーザーがハッシュタグを通じて社会運動を発見し、直接支援することを容易にする新機能をテストしていると、米国時間3月28日発表した。特定の社会運動に関連するハッシュタグを検索すると、新しいオプションを通じてそれらを支援することができるようになる。

ハッシュタグのページにアクセスしたら「Support(支援する)」を選択することにより、その運動についてさらに詳しく知ることができる。「Spread the Word(言葉を広める)」ボタンも用意されており、DMでハッシュタグページを友人と共有することができる。さらに「Create a Fundraiser(募金キャンペーンを作成する)」ボタンで募金活動も始められるようになり、より簡単に支援活動を行えるようになるとしている。

「本日より、Instagram上で社会運動を見つけ、支援しやすくするための新機能のテストを開始します」と同社は、この発表についてブログ記事で述べている。「ハッシュタグは以前から、人々がInstagramで新しくサポートしたい活動を発見する場となっていましたが、今回、特定の運動に関連するハッシュタグを検索すると、それを支援するオプションが表示されるようになりました。人々はしばしば、理念に関して声を上げ、それらを高め、コミュニティを1つにするためにInstagramにやってきます。彼らはInstagramで耳にしたテーマをサポートすることを熱望しており、行動を起こすための新しい方法を常に探しています。これらのアップデートにより、より簡単にそれを実行できるようになります」。

同社は、#BlackLivesMatter、#womensrights、#climatecrisisなど、Instagramでポピュラーな運動に焦点を当てたハッシュタグを選択して新機能を展開していく。Instagramは、NAACP(全米黒人地位向上協会)、GLAAD(グラード、LGBTの人々のイメージに関するメディアモニタリングを行うNGO)、AAJC(アジア系米国人の公民権を擁護するNPO)、Hispanic Heritage Foundation(ヒスパニックヘリテージ財団)、Illuminative(米国社会における先住民の認知度を高め、否定的な見方を覆すことを目的としたNPO)など複数の組織と協議し、初期のハッシュタグのリストを選定したという。Instagramは今後も各方面団体と協力し、機能を強化していく予定とのこと。

画像クレジット:Instagram

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(文:Aisha Malik、翻訳:Den Nakano)

フリーランサーのマーケットプレイス「Malt」がコンサルタントのマーケットプレイス「Comatch」を買収

フリーランサーのマーケットプレイス業界に、統合の時期がきている。フランスのスタートアップ企業であるMalt(モルト)は、コンサルタントや業界の専門家に特化した競合マーケットプレイスのComatch(コマッチ)を買収すると発表した。Comatchはもともとドイツで始まった会社であるため、Maltはこの買収でドイツ市場も倍増させることになる。買収の条件は非公開だが、株式と現金の混合対価で行われる。

Maltは、フリーランスの開発者、デザイナーなどの技術者と、人材を求める企業をマッチングするマーケットプレイスとしてスタートした。これまでに同社はかなりの資金を調達し、欧州の複数の国々にわたり34万人のフリーランサーを集めている。

当初はフランス市場に限定されていたMaltだが、ここ数年でドイツ、スペイン、ベルギー、オランダ、スイスに拡大した。4万社の企業が1人または複数のフリーランサーを見つけるためにMaltを利用している。

同社のクライアントには、Unilever(ユニリーバ)、Lufthansa(ルフトハンザ)、Bosch(ボッシュ)、BlaBlaCar(ブラブラカー)、L’Oréal(ロレアル)、Allianz(アリアンツ)などが含まれる。このように、多くの大企業がMaltを利用したことがあるのだ。

Maltは、新しいプロジェクトが立ち上がった時に足りない分野を埋めることができる高スキルのフリーランスの仕事に特化している。現在では、開発者だけでなく、マーケティングやコミュニケーションの専門家、グラフィックデザイナーなどにも機会を提供するようになっている。

Maltのようなプラットフォームを使うことは、特にフリーランスとしてスタートしたばかりで、潜在的な顧客との大きなネットワークを持っていない場合に有益だ。また、Maltは経営上の事務処理にも役立つ。フリーランサーはMaltから直接クライアントに請求することができ、もちろん、Maltはわずかな手数料を受け取る。

Comatchもほぼ同じビジネスモデルを踏襲しているが、こちらは特に経営コンサルタントや業界の専門家に焦点を合わせている。Maltはこれまで、特に経営コンサルタントをターゲットにしていなかった。つまり、この買収によって同社は新しい業種に参入することになる。

「Comatchは、ビジネスコンサルティングのマーケットプレイスの分野におけるチャンピオンです。Maltの『コミュニティファースト』のアプローチを共有し、才能を製品やビジネスの中核に置いて、仕事の未来に対する我々のビジョンを実現する仲間として、両社の高いスキルを持ったフリーランサーの2つの世界を1つにすることを我々は熱望しており、そうなることに興奮しています」と、Maltの共同創設者でCEOを務めるVincent Huguet(ヴィンセント・ユゲー)氏は声明で述べている。

Maltは欧州で最も頼りになるフリーランサーのマーケットプレイスになりたいとも考えている。Comatchは9つの市場で1万5000人のフリーランサーを集めており、両社はCAC40とDAX40に選ばれる企業の80%と取引している。ComatchはMaltに興味深い外部成長の機会を提供することになる。

この買収後に関して、Maltはいくつかの野心的な目標を掲げている。2024年までに10億ユーロ(約1360億円)のビジネスボリュームを見込んでおり、2022年末までに150人の従業員を新たに雇用する予定だという。

画像クレジット:Malt

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)a

Spotifyが買収したPodzの技術を活用した新たなポッドキャスト発見機能をテスト導入

Spotify(スポティファイ)は2021年夏、ポッドキャストへの投資を加速させるため、ポッドキャスト発見プラットフォームであるPodz(ポッズ)を、証券取引委員会の提出書類によると約4940万ドル(約61億円)で買収した。現在、Spotifyは、ユーザーが気に入るかもしれない新しいPodcastを見つけるのを助けるために、このスタートアップの技術を活用した機能をテストしていることを、同社は認めた。

Podzはもともと「初のオーディオニュースフィード」と呼ぶもので、ポッドキャスト発見の問題を解決しようと試みていた。つまり、これは、TikTok(ティックトック)のようなソーシャルアプリで普及している形式と同様に、さまざまな番組からの60秒のオーディオクリップを、縦方向のフィードでスクロールしてユーザーに見せるものだった。同社の技術が興味深いのは、フィード用のクリップを独自に制作するために、ポッドキャストの制作者に頼らないことだ。代わりに、10万時間分の音声を学習させた機械学習モデルを使って、紹介するクリップを自動的に選択するのだ。

当時、Spotifyはこの買収を、アプリ上でより優れた、よりパーソナライズされたポッドキャスト発見体験を構築し、拡大するための手段であると宣伝していた。今回のテストでは、そのような機能がどのようなものかを初めて見ることができる。

プロダクトデザイナーであり、テクノロジーのアーリーアダプターでもあるChris Messina(クリス・メッシーナ)氏は、Twitter(ツイッター)アカウント@SleepwellCapによって初めて明らかになったこの機能のテストについてツイートし、動画を投稿した。ここで、新しい体験が実際に行われている様子を見ることができる。

専用の「Podcasts」ボタンをクリックすると、垂直方向のフィードに移動し、オーディオクリップを再生しながら番組のカバーアートを見ることができる。また、音声クリップは聞きながら文字起こしされ、クリップ内の単語が強調表示される。再生ボタンで番組を続けて聴くことができ、さらに「+」ボタンでアプリの「Your Episodes(あなたのエピソード)」リストにエピソードを追加することができる。

これはあくまでテストであることを考えると、この機能は一般公開前に変更される可能性があることに注意する必要がある。また、この機能は、Spotifyが、このようなオプションをユーザーがどのように利用するかを理解し、今後の製品開発に役立てるためのものである可能性もある。つまり、あなたのSpotifyアプリで、すぐに同じようにオーディオクリップの縦型フィードが見られるという保証はない。

Spotifyは、この体験を通じてPodzの技術をテストしていることを確認したが、発売日や計画については明言しなかった(Podzが機械学習で動いていることを考えると、Spotifyはローンチ前にもっとデータを集めてサービスを改善したいのかもしれない)。

「Spotifyでは、ユーザー体験を向上させるために、日常的に多くのテストを行っています」と、広報担当者は述べた。「これらのテストの中には、私たちの幅広いユーザー体験への道を開くことになるものもあれば、重要な学習としてのみ機能するものもあります。現時点では、これ以上お伝えすることはありません」。

Podzは、人々が好きそうなPodcastをもっと見つけられるようにするための新しい方法を構築しているいくつかのスタートアップの1つだった。多くのPodcastは30分以上あり、番組の内容やホストの個性をすばやく簡単に把握することが難しく、この新しい番組の発見という課題を克服するのは困難だった。

Podzの解決策は機械学習技術に頼ることだったが、他のスタートアップも異なるアイデアを追求している。例えば、Kayak(カヤック)の共同創業者であるPaul English(ポール・イングリッシュ)氏の新スタートアップであるMoonbeam(ムーンビーム)は、TikTokにヒントを得たアプリで、機械学習技術をブレンドした人間による編集キュレーションに依存している。垂直方向のフィード形式は、ポッドキャストに隣接するアプリでも使われている。たとえば番組というより音声ストーリーに近い99秒の音声クリップを提供するRacket(ラケット)や、Facebook(フェイスブック)のSoundbites(サウンドバイト)でも使われている。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

Apple TV+が「コーダ あいのうた」でストリーミングサービスとして初めてアカデミー作品賞を受賞

Apple TV+がNetflix(ネットフリックス)を抑え、前者の「CODA(コーダ あいのうた)」がアカデミー賞授賞式で作品賞を受賞し、ストリーミングサービスとして初の快挙を成し遂げた。

さらに「CODA」で主人公の父親役を演じたTroy Kotsur(トロイ・コッツアー)氏が助演男優賞を受賞し、男性ろう者の俳優としては初、ろう者の俳優としては「CODA」の共演者であるMarlee Matlin(マーリー・マトリン)氏の1986年の「Children of a Lesser God(愛は静けさの中に)」での受賞以来、2人目となった。脚本・監督のSian Heder(シアン・ヘダー)氏は脚色賞を受賞した。

これら3部門でのアカデミー賞は、2019年末にサービスを開始したApple TV+にとって初の受賞となる。

Wall Street Journalの報道によると、Apple(アップル)は、Child of Deaf Adult/s(CODA、映画のタイトルの由来となった、きこえない・きこえにくい親をもつきこえる子どもを指す概念)であるEmilia Jones(エミリア・ジョーンズ)氏が演じるRuby(ルビー)が、家業の漁業に加わる予定だったが、音楽の道に引き込まれていくというストーリーを描く「CODA」のオスカーキャンペーンに推定1000万ドル(約12億3600万円)を費やしたという。

Appleは、Apple TV+で現在ストリーミング配信されている「CODA」の配信権に2500万ドル(約30億8900万円)を支払い、同作は劇場でも限定公開された。同部門の他の候補には、Netflixの「The Power of the Dog(パワー・オブ・ザ・ドッグ)」が含まれていた。Netflixは過去数年の間、Martin Scorsese(マーティン・スコセッシ)監督の「The Irishman(アイリッシュマン)」やAlfonso Cuarón(アルフォンソ・キュアロン)監督の「Roma(ROMA/ローマ)」などで、いくつかの作品賞にノミネートされてきた。

Netflixはこれまでアカデミー賞の最高賞を獲得することはできなかったものの、監督賞(「ROMA/ローマ」のキュアロン監督「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のJane Campion / ジェーン・カンピオン監督)、助演女優賞(「Marriage Story / マリッジ・ストーリー」のLaura Dern / ローラ・ダーン氏)、外国語映画賞(「ROMA/ローマ」)、短編アニメ賞(「If Anything Happens I Love You(愛してるって言っておくね)」)など、合計116回ノミネートされ15部門で受賞した実績を持っている。

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(文:Catherine Shu、翻訳:Den Nakano)

マッチング系アプリの決済に関するオランダにおけるアップルの罰金総額が約68億円に

出会い系アプリの決済方法に関してオランダで独占禁止法上の命令を受けたApple(アップル)に対する罰金の額は、継続的なコンプライアンス違反で規制当局が10回連続で毎週500万ユーロ(約6億8000万円)を科して5000万ユーロ(約68億円)となり、(現時点では)最大額に達した。

しかし、消費者市場庁(ACM)は現地時間3月28日、Appleが前日に直近の提案を修正したことを受け、修正提案は「出会い系アプリのプロバイダーにとって決定的な条件となるはずだ」と述べ、より前向きにとらえている。

完全な詳細を受け取り次第、当局は市場のフィードバックを求め、提案が受け入れられるかどうか早急に決定すると述べた。しかし、その評価にどれくらいの時間がかかるか、また修正案自体の詳細については、何ら情報を提供していない。また、修正案が受け入れられないと判断された場合、Appleはさらなる罰則を受ける可能性があるとも警告している。つまり、すでに数カ月に及ぶこの騒動は、まだ終わらないかもしれない。

Appleによるこれまでの提案は、当該開発者に不合理な摩擦をもたらすとしてACMによって拒否された。

3月28日発表された声明の中で、オランダの規制当局は次のように述べている。「ACMはAppleの今回の措置を歓迎します。修正された提案は、App Storeの利用を希望する出会い系アプリのプロバイダーにとって決定的な条件となるはずです。最終的な条件についての提案を受け取った後、ACMはそれを市場参加者に提出し、協議を行う予定です。ACMはその後、Appleがこれらの確定条件を実施する際に、出会い系アプリにおいて代替の支払い方法が可能であるべきというACMの要件を遵守しているかどうか、できるだけ早く判断を下す予定です」。

「先週末までは、AppleはまだACMの要件を満たしていませんでした。そのため、10回目の罰金を支払わなければならず、Appleは最大5000万ユーロの罰金を支払わなければならないことになります」と付け加えた。「Appleが要件を満たしていないという結論に達した場合、ACMはAppleに命令遵守を促すために、定期的な罰金支払いを条件とする別の命令(今回はより高い罰金となり得る)を科す可能性があります」。

TechCrunchはAppleに対応を問い合わせている。

ACMの命令は2021年までさかのぼるが(しかしAppleによる法廷闘争により、報道は制限された)、オランダの出会い系アプリが希望すればデジタルコンテンツのアプリ内販売を処理するのにApple以外の決済技術を使用できるようにするというACMが命じた権利の付与をめぐる世論戦は1月から続いている。

この件は、ACMがこのような命令を出す権限を与えられている欧州の小さな1つの市場内のアプリのサブセットという、ほとんど滑稽なほど小さなものに見えるかもしれない。一方で、デジタル市場法(DMA)として知られる汎EUデジタル競争法の改正が進行中で、ビジネスユーザーに対するFRAND(公平、妥当、差別のない)条件、相互運用性要件の組み込み、自己参照のような反競争的行為の禁止など、ゲートキーパーである大手の「すべきこと」と「すべきでないこと」といった領域における行動基準を前もって定義することで、近い将来、最も強力なプラットフォームがEU圏内でどのように活動できるかを再構築しようとしている。

つまり、ACMの命令は、今後予想されるEUの大きな要求の縮図を垣間見せている。

DMAはAppleのApp Storeにも適用される可能性が高い。そのため、オランダのケースはEU内で高い関心を集めているが、これは少なくとも今秋以降、欧州委員会がゲートキーピングプラットフォームの事前監視に切り替える際に、執行上の大きな課題を突きつけるものだからだ(EU機関は先週、DMAの詳細について政治的に合意したが、正式な採択はまだ先だ)。

市場改革の下では、欧州委員会が科すことのできる罰則の規模はかなり大きくなり、違反が繰り返される場合には全世界の年間売上高の20%にも達する。したがって、プラットフォーム大手にとっては無視できない体制となりそうだ。

もう1つの重要な変化は、DMAが積極的に行動し、EUの競争規制当局が変更を命じる前に数カ月あるいは数年かけて遵守していないことをを証明する必要がなく、最初から遵守を求めるようになることだ。

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

スタートアップ特化のクラウド型バックオフィスサービスを展開するWORK HEROが1.4億円のシード調達

シード・アーリーフェーズのスタートアップを中心に、コーポレート専任担当がいない企業に向けたオールインワンのクラウド型バックオフィスサービス「WORK HERO」を提供するWORK HEROは3月23日、シードラウンドとして、第三者割当増資による総額1億4000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はCoral Capital、East Ventures、ニッセイキャピタル。調達した資金は、人材採用およびサービスの開発・広報にあてる。

WORK HEROは、経営者・コアメンバーが事業に専念できるよう、経理・労務・税務・総務といったバックオフィス業務をオールインワンで引き受け、運用するサービス。顧客の事業内容とバックオフィス状況をヒアリングしたうえで、ベストプラクティスの業務フローを設計し、運用を代行する。各種SaaSツールの設計やメンテナンス業務も含めて対応するほか、専門家や社員との窓口代行も行うため、リソースの限られているスタートアップが、新たにコーポレート専任担当を採用せず利用を開始できるという。顧客企業は、経営資源を戦略策定やプロダクト開発などコア事業の成長に必要な業務に集中できるとしている。

WORK HERO代表取締役CEOの大坪誠氏は、自身が携わった30社以上のスタートアップの多くにおいて、すべての経営者がバックオフィス業務に課題を感じていたものの、リソース・ノウハウ不足から手を付けられずその成長を妨げてしまっているケースを数多く目の当たりにしたという。高いポテンシャルや強い個性を持つ経営者・企業が、その本領を発揮できていない状況が社会にとって大きな損失だと強く感じ、WORK HEROを2018年9月設立したとしている。

HubSpotがポッドキャスターを支援する新プログラムを発表

最近は買い手の注意を引くことが難しくなってきた。かつてはいくつか広告に費用を払い、ブログ記事をアップすればそれでよかったのだが、これらの経路が効果的でなくなるにつれ、SaaS企業は意図するオーディエンスに到達するために、より洗練された種類のメディア制作に目を向けるようになっている。

HubSpot(ハブスポット)は先週、クリエイターに資金とプラットフォームを提供し、制作されたポッドキャストをHubSpotのウェブサイト上で配信するというプログラムを発表した。クリエーターにより幅広い聴取者にリーチする方法を提供しつつ、より多様なコンテンツへのアクセスを持つ利点を活かしたいと、同社は考えている。

「飽和状態のポッドキャスト市場で突破口を開くことは、特にゼロから始めるクリエイターにとっては非常に難しくなります」と、HubSpotのマーケティング担当SVPであるKieran Flanagan(キーラン・フラナガン)氏は、このニュースを発表した記事の中で述べている。「このHubSpot Creators(ハブスポット・クリエイターズ)プログラムを通じて、私たちはコンテンツ分野のリーダーとしての当社の立場を活用し、何百万もの組織の成長を支援するという当社のミッションを共有する新進クリエイターの知名度を向上させることができます」。

クリエイターは、同社のプラットフォームを利用してより広いリーチが期待できることに加え、聴取者の増加に応じて毎月支払われる金額が増額される仕組みになっている。HubSpotは、シード、シリーズA、B、Cというベンチャー投資の概念に準えた4つの成長段階を設定した。また、このシステムを通じて、クリエイターはエディターやプロデューサーといった人的リソースへのアクセスも得ることができる。

CRM Essentials(CRMエッセンシャル)の創設者で主席アナリストのBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、このアプローチは実に賢明なやり方であると確信している。

「クリエイターを受け入れ、彼らがストーリーを語るための手助けをすることで、HubSpotはコンテンツのエコシステムを拡張できるだけでなく、より広いクリエイターのエコシステムの一部となることもできます。このアプローチにより、HubSpotは個人やコミュニティと重要な関係を築くことができ、自社のコンテンツ戦略を他のフォーマットやチャネルに展開することにつながります」と、リアリー氏はTechCrunchに語った。

HubSpotは、2006年にインバウンドマーケティングのプラットフォームとして誕生し、ブログを使って企業の製品やサービスに対する関心を高める働きをしてきた。コンテンツマーケティングの考え方は進化しているものの、フラナガン氏はLinkedIn(リンクトイン)に掲載した新プログラム発表の投稿の中で、当初のインバウンドマーケティングの考え方は依然として共鳴を呼び、製品主導による成長の進行とともに重要性が増してきていると書いている。

もう1つの大きな要素は、これらのコンテンツの周りに、ブランドにとって重要な人々、つまりコミュニティが形成されるということだ。コミュニティは、直接的に(これらの人々の何割かが顧客になる)、あるいは間接的に(少なくともより広い世界でコンテンツを共有してくれる)、関心をさらに高める方法を生み出すと、フラナガン氏は述べている。

同社は「Content is Profit」や「(Un)Sexy」といった名称の8つのポッドキャストからこのプログラムを開始する。これらのポッドキャストのテーマは、セールスおよびマーケティングプラットフォームとしてのHubSpotのミッションに何らかの形で関連しており、HubSpotが自社の製品やサービスへの関心を高めると期待するコンテンツを提供していく。

このようなプログラムを起ち上げているのは、HubSpotだけではないことも注目に値するだろう。LinkedInはクリエイター向けに似たようなアプローチを提供している。MailChimp(メールチンプ)も同様だ。しかし、これらのプラットフォームに便乗することは、クリエイターにとって聴取者を獲得するための最良の方法なのだろうか? トレードオフとなるものは何だろうか?

ある情報筋からTechCrunchに提供された非公開のクリエイター規約書によると、HubSpotはクリエイターに対し、どれだけダウンロードされたかという数字に関係なく、毎週ポッドキャストを作成するために最低月1000ドル(約12万円)を支払うとされている。これは新人ポッドキャスターにとって好条件だと思われる。独立系の番組がそれだけの収入を得られるようになるまでには、時間がかかることが多いからだ。この最下段の「シード」層に属するポッドキャスターには、1回限りのマーケティング投資として5000ドル(約60万円)も与えられる。

しかし、ポッドキャスターは、この手早い資金投入を利用するために、いくつかの権利を放棄しなければならない。HubSpotのパブリック・クリエイター・プログラム契約によると、このプログラムに参加することによって、クリエイターは番組に対する永久的なライセンス(番組の改変や派生物の作成を含む)をHubSpotに付与することになる。また、番組ホストがその義務を果たせていないとHubSpotが判断した場合、HubSpotはホストを交代させる権利も有している。

クリエイターが番組の所有者であることは変わらないものの、HubSpotの永久ライセンスは、この資金援助に付随する条件があることを明確に示している。

「HubSpotはクリエイターの権利を尊重し、クリエイターとHubSpotの間で公平なバランスが維持されると確信しています」と、HubSpotの広報担当者はTechCrunchに語った。「HubSpotは、このプログラムから良好な状態で離脱したクリエイターに対して、独占権の放棄も検討していく予定です」。

LinkedInも最近、同様のポッドキャストネットワークを起ち上げたが、そのクリエイター契約に関する詳細な情報を公表することは拒否した。LinkedInの担当者はTechCrunch に、ポッドキャストパートナーは「彼らのコンテンツに対する完全な所有権を保持する」と述べたが、ライセンス契約については詳しく語ろうとしなかった。

ますます多くのSaaS企業が独自のポッドキャストネットワークを起ち上げる中、ポッドキャスターは、クリエイティブコントロール(創作物のクリエイティブ面における最終決定権)の価値と、これらのプログラムが提供する資金を天秤にかけた難しい決断を迫られることになりそうだ。

画像クレジット:Anastasiia Krivenok / Getty Images

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(文:Ron Miller, Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Spotify、新しいインターフェース「Car Mode」を一部ユーザーでテスト中

Spotify(スポティファイ)が新しいインターフェース「Car Mode」のテストを一部のユーザーで開始したことを、同社は米国時間3月25日、TechCrunchに認めた。このテストは、Spotifyが、運転中に再生コントロールと現在のトラックを表示する「Car View」と呼ばれる簡略化された車載用インターフェースを廃止することを発表してから数カ月後に行われた。当時、スポティファイは、車内でのリスニング体験を提供する新しい方法を模索しており、近々新しい機能を発表する予定だと述べていた。

「Spotifyは、ユーザーに最高のリスニング体験を提供できるよう常に努力しています」と、Spotifyの広報担当者はTechCrunchに語った。「我々は、一部のユーザーに新しいCar Modeをテストしていることを認めます。他のテストと同様に、より広範に変更をロールアウトする前に、我々は常にユーザーからのフィードバックを求めます」。

新しいインターフェイスは、9to5Googleによって最初に発見された。同サイトは、Android版のCar Modeのスクリーンショットを掲載した。Spotifyは、この新しいインターフェースがiOSユーザーにもテストされているかどうかについてはコメントしなかった。

スクリーンショットを見ると、Car Modeでは、音声操作で音楽をブラウズしたり、検索したりすることができることがわかる。Car Modeのトラックプレイヤー画面には、再生 / 一時停止、スキップ、シャッフル「いいね」ボタンなどのシンプルなコントロールが含まれている。また、マイクボタンもあり、Car Mode中にSpotifyのライブラリを検索することができる。また、音声操作で最近再生した音楽やポッドキャストにアクセスすることも可能だ。レイアウトはSpotifyの通常のインターフェースに似ているが、画面上に通常ある視覚的な煩雑さはあまりない。

画像クレジット:9to5Google

Spotifyはまだ新しいインターフェースをテスト中で、アクセスしたユーザーからのフィードバックを求めている。つまり、Car Modeの最終バージョンは、上で見たスクリーンショットとは異なるものになるかもしれない。

新しいCar Modeは、シームレスな車内リスニング体験を提供するためのSpotifyの取り組みの一部に過ぎない。2021年4月、同社は「Car Thing(カー・シング)」と呼ばれる初のハードウェア・デバイスを米国で限定発売することを正式に発表した。このデバイスは、Spotify Premiumの加入者と、Apple(アップル)のCarPlay(カープレイ)やAndroid Auto(アンドロイド・オート)のようにSpotifyに簡単にアクセスできるインフォテインメントシステムを内蔵していないクルマの所有者を対象としている。Spotifyは11月にCar Thingを89.99ドル(約1万円)で一般販売した。

Car Thingは、携帯電話のSpotifyモバイルアプリと接続し、携帯電話の携帯電話シグナル(または利用可能な場合はWi-Fi)を使用して、音楽やポッドキャストを車のサウンドシステムでストリーミングする。このデバイスは、USB、Bluetooth、AUXに対応している。このサービスにアクセスするには「Hey Spotify」と話しかけるか、タッチスクリーンをタップするか、ダイヤルを回すか、プレイヤー上部にある4つのプリセットボタンのいずれかを使用する。

また、SpotifyはGoogleアシスタントと連携し、運転中にハンズフリーで音楽やPodcastを聴くことができる。この機能はGoogleマップとも連携しているので、Spotifyを聴きながらナビゲーションを行うことも可能だ。そのためには、アカウントを連携して「ヘイグーグル、スポティファイを再生して」といえばいい。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Spotify、言論弾圧を受けロシアでのサービスを停止へ

Spotify(スポティファイ)は、ロシアで新たに導入された言論の自由に対する劇的な規制を受け、ロシアでの同ストリーミングサービスへのアクセスを停止する予定だ。

3月上旬、ロシア議会は、ウクライナにおけるロシアの軍事作戦について同政府が「虚偽の情報」と見なすものを共有することを犯罪とする新法を制定した。この新しい規制は「戦争」という言葉を使ってウクライナでの戦争を表現することなどを含め、軍を貶めるような言論も罰するものだ。

CNN、ABC、BBCなどの西側報道機関は、最大15年の禁固刑を科すことができるこの法律を受けて、ロシア国内での放送や事業を取りやめた。Spotifyは主に音楽ストリーミングプラットフォームだが、政治や時事問題を取り入れたポッドキャストへの投資をこのところ増やしており、その方向性はすでに多くの論争を巻き起こしている。

Spotifyの広報担当者はTechCrunchにこう述べている。「Spotifyは、ロシアで信頼できる独立系ニュースや情報を提供するために、ロシアでのサービス運用を維持することが極めて重要だと考え続けてきました。残念ながら、最近制定された、情報へのアクセスをさらに制限し、表現の自由を排除し、特定のニュースを犯罪化する法律は、Spotify従業員の安全と、さらにリスナーをも危険にさらす可能性があります」。

Spotifyはさまざまな道を検討した結果、ロシアでのサービスを「完全に停止」することを選択した。このプロセスは、同社が移転に関連するロジスティクスを確保した後、4月上旬までに完了する予定だ。Spotifyは以前、ロシアでのプレミアムサブスクリプションを停止したが、無料版アプリは引き続き利用可能だった。

世界の大部分が恐怖の目で見ている中、クレムリンは情報の流れに対する支配を強め続け、先月からの行動を、一般市民の命を奪う血なまぐさい選択による戦争ではなく、人民解放運動であると偽って伝えている。このような動きとそれにともなう法的取り締まりは、ロシア政府と対立する、侵略であるという観点を共有する国内の人々にとって深刻なリスクとなる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Den Nakano)

元TikTokコンテンツモデレーター2人が「精神的トラウマ」で提訴

TikTokのコンテンツレビュワー2人が、TikTokから不快な動画を削除するというひどい心痛をともなう作業に従事する中で、適切なサポートが受けられなかったとして同社を提訴した。NPRが最初に報じたこの訴訟は、米3月24日に連邦裁判所に起こされた

原告のAshley Velez(アシュリー・ヴェレス)氏とReece Young(リース・ヤング)氏は、それぞれカナダのハイテク企業Telus International(テルス・インターナショナル)とニューヨークのAtrium(アトリウム)という第三者企業を通じてTikTokのモデレーション作業を請け負っていた。ヴェレス氏とヤング氏は集団訴訟を模索しており、企業の慣行によって悪影響を受けたと主張する他のTikTokコンテンツモデレーターも訴訟に参加できるようになりそうだ。

訴訟では、ヴェレス氏とヤング氏が日常的に従事させられている「異常に危険な活動」の精神的リスクにもかかわらず、TikTokとByteDanceが適切なメンタルヘルスサポートを提供せず、カリフォルニア労働法に違反したと主張している。また、同社はモデレーターに対して、ノルマを達成するために大量の過激なコンテンツをレビューするよう強制し、さらにモデレーターが見たものについて法的な議論ができないよう秘密保持契約(NDA)にサインさせることによって、その害を増幅させたと主張している。

「被告は、アプリにアップロードされたフィルタリングされていない不快で攻撃的なコンテンツと、毎日アプリを利用する何億人もの人々との間のゲートキーパーである何千人もの請負業者に安全な職場を提供しなかった」と訴状にはある。TikTokとByteDanceは、このようなトラウマ的なコンテンツに長期間さらされることによる心理的リスクを知っていたにもかかわらず、労働者が過激なコンテンツに対処するための「適切な改善措置」を事後的に提供する努力をしなかった、と主張している。

訴状では、両原告が勤務日にどのように「児童の性的虐待、レイプ、拷問、残忍な行為、斬首、自殺、殺人」を含む過激で不快なコンテンツのレビューに12時間費やしたかを説明している。また、ヴェレス氏とヤング氏は、生々しいコンテンツ以外にも、ヘイトスピーチや陰謀論に繰り返しさらされ、それが精神衛生に悪影響を及ぼしたと訴えている。TikTokのコンテンツモデレーターであるCandie Frazier(キャンディ・フレイジャー)氏も12月に同様の訴訟を起こしたが、NPRの報道によるとこの訴訟はもはや前進していないようだ。

新しいTikTokの訴訟は、同じ弁護団が2018年にFacebook(フェイスブック)に対して起こした集団訴訟に続くものだ。同社は2年後、日常的にコンテンツの選別を任された結果、メンタルヘルスに悩む1万1000人以上のモデレーターに5200万ドル(約63億円)を支払うことで合意し、和解した。

画像クレジット:TOLGA AKMEN / Contributor / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

あらゆるウェブサイトを多言語化する仏WeglotがシリーズAで約60.6億円を調達

フランスを拠点とするスタートアップWeglotは、Partechを引受先とする4500万ユーロ(約60億5500万円)のシリーズA資金調達ラウンドをクローズした。同社は、ウェブサイト向けの翻訳ソリューションを構築している。この製品により、手間のかかる微調整をすることなく、また別のCMSやECプラットフォームに切り替えることなく、サイトに多くの言語を追加することができる。

そして、これがWeglotのポジショニングを理解する鍵になる。WordPress(ワードプレス)やShopify(ショッピファイ)の翻訳プラグインは、以前から存在していた。だがWeglotは、あらゆる種類のウェブ体験に対応するユニバーサルな製品を作りたいと考えている。

Weglotを活用するには、2通りの方法がある。1つ目の方法は、プラグインを使って既存のウェブサイトに追加するやり方だ。これはWordPress、Shopify、Wix、WooCommerceでWeglotが機能する方法だ。小規模の会社を経営していて、専任のウェブ開発者がいない場合は、コードを一行も書かずにWeglotをインストールすることができる。

もう1つの方法は、ウェブサイトのタグに数行のJavascriptを追加する方法だ。Weglotでは、Webflow、Squarespace、BigCommerceでこのアプローチを使用している。それに加えて、新しい言語用のサブドメインやサブディレクトリを作成するために、DNSレコードを調整する必要がある。

Weglotのサーバー上で、同社はサイトからコンテンツを自動的に検出し、取り込む。Weglotの顧客は、自動翻訳を利用して、新しい言語への対応を開始することができる。

また、同社が提供しているダッシュボードを利用することで、コンテンツを掘り下げ、よりよい翻訳を作成することもできる。プロの翻訳者にアクセスを許可し、そのインターフェースから翻訳を管理することができる。

これで、多言語サイトの完成だ。訪問者があなたのサイトをロードするときはいつでも、ウェブサイトはデフォルトでユーザーの優先言語でロードされる。また、複数のオプションを提供したい場合は、ウェブサイトの隅に言語スイッチャーを追加することができる。

翻訳はWeglotのサーバーに保存されるが、Weglotは各言語専用のサブディレクトリまたはサブドメインを作成する。こうすることで、Google(グーグル)やその他の検索エンジンは、顧客のウェブサイトの各言語版をインデックスすることができる。メタデータとキーワードも、Weglotで翻訳することができる。

このスタートアップは、必要な言語と単語の数に応じて、毎月のサブスクリプションを課金している。2021年、Weglotは年間経常収益1000万ユーロ(約13億4600万円)を達成した。2017年のシードラウンド以来、外部資本を調達していなかったスタートアップとしては悪くない。

画像クレジット:Joshua Fuller / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Den Nakano)

会社に届くすべての郵便物を電子化し自宅から一元管理、クラウド郵便サービスのatenaが1.25億円のシリーズA調達

会社に届くすべての郵便物を電子化し自宅から一元管理、クラウド郵便サービスのatenaが1.25億円のシリーズA調達

会社に届く郵便物を自宅から管理できる、クラウド郵便サービス「atena」(アテナ)を提供するN-Technologies(N Inc.)は3月25日、シリーズAラウンドとして、第三者割当増資による1億2500万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リード投資家の千葉道場ファンド、また千葉道場ファンド・Scrum Ventures・Coral Capital。2021年9月のプレシリーズAラウンド以来3回目の資金調達にあたり、累計調達額は2億5500万円となった。

調達した資金は、atenaのマーケティング活動、オペレーション投資の強化にあて、事業の成長スピードを加速する。今後も、郵便物のための出社から社会を解放し、リモートワークの推進や新しい働き方の実現に寄与する。

atenaは、会社に届く郵便物をすべて電子化することで、PCなどの端末から郵便物の内容を閲覧できるサービス(エンタープライズ企業向けには「atena Cloud」を用意)。郵便物の受け取り・管理・スキャニング・不要な郵便物の処理などの作業を、すべてシステムで一元管理が可能で、例えばリモートワークにおいて、「郵便物の確認」のためだけの出社を行うといった必要がなくなるという。会社に届くすべての郵便物を電子化し自宅から一元管理、クラウド郵便サービスのatenaが1.25億円のシリーズA調達

また、セキュリティ対策も万全に構築しており、国際認証規格「ISO/IES 27001:2013」の取得、生体認証に守られた環境の整備などを実施。国内外の上場企業やスタートアップ企業、税理士事務所などで導入が進んでおり、完全リモート化に成功した顧客が増えているそうだ。

 

Google CloudでVMのサスペンドとレジュームが可能に

米国時間3月23日、Google Cloudは仮想マシンのサスペンド / レジューム(一時停止と再開)機能を一般公開でローンチした。これまでこの機能は2年前にアルファでローンチし、開発者が利用できるオプションはインスタンスの停止とスタートだけだった。Google(グーグル)によると、今度のサスペンド / レジュームはラップトップのフタを開けたり、閉めたりする感覚に近いという。

インスタンスがサスペンド中は、それが使っているコアとRAMは課金されない。唯一支払うのはインスタンスのメモリのストレージ費用で、OSのライセンスも減額されるかもしれないとGoogleはいう。

他のクラウドにも同様の機能はあるが、Googleの主張では同社はACPI S3の標準信号を送り、その信号はデスクトップやラップトップにオペレーティングシステムが送ってスリープにしたり、RAMにサスペンドを送る場合と同じであるため、そのソリューションは非常に多種類のOSイメージと互換性がある。それどころか同社はデベロッパーに、ドキュメントのないカスタムのOSイメージで試してみることを奨めている。それらも、何もしなくても信号に応じた動作をするはずだ。

さらにGoogleの主張では、そのソリューションは他と違う。なぜならVMがサスペンドしてブートディスクから独立なら、イメージのためのストレージは動的にプロビジョンされる。従ってブートディスクにスペースがないことを心配する必要がないし、サスペンドしたインスタンスはストレージの消費量も少ない。サスペンド中にもインスタンスのIPアドレスはそのままなので、インスタンスがレジュームしたとき、メモリは単純にストレージからインスタンスのメモリに戻り、サイクルが続く。

ただしイメージのサスペンドは最大60日までで、その後、自動的に終了する。なお、そのサスペンド / レジュームは、GPUインスタンスやメモリが120GBを超えるインスタンス、E2インスタンス、そしてコンフィデンシャルVMでは無効だ。プリエンプティブルインスタンスはサスペンドできるが、サスペンション処理の間に終了するリスクがある。

しかしここでのアドバンテージは費用節約だけではない。このようなシステムはまた、必要に応じて、いくつかのインスタンスをスタンバイさせておく水平スケーリングを意味している。新しいVMをプロビジョニングするのは、時間がかかる。あなたのユースケースがそれなら、将来の道はサーバーレスかもしれない。しかし、それもまた長期のプロジェクトであるため、その間はこのようなシステムが役に立つ。

また、24時間365日稼働する必要のない開発環境にもサスペンド / レジュームを利用している企業もある。BigCommerceのエンジニアリング担当マネージャーであるAaron Humerickhouse(アーロン・ヒューメリックハウス)氏は次のように述べる。「Compute Engineのサスペンド / レジューム機能を活用することで、Compute Engineを中心とした開発環境の運用コストを削減することができました。BigCommerceでは、各エンジニアが自分の環境の『作業時間』をカスタマイズできるようになっており、各作業日の終わりに停止し、翌日の始まりに再開するようになっています。これにより、仮想マシンインスタンスの使用時間が1環境あたり平均で週168時間から週60時間に短縮され、毎月数千ドル(数十万円)のコスト削減が可能になりました。このようなコスト効率の向上は、当社のエンジニアリング組織が成長するにつれて、さらに増加すると考えています」。

画像クレジット:Sean Gallup/Getty Images/Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

クアルコムとTrimble、AndroidのGPS誤差を1m程度まで向上させる技術Trimble RTXを2022年第2四半期より提供開始

クアルコムとTrimble、AndroidのGPS誤差を1m程度に向上させる技術Trimble RTXを2022年第2四半期より提供開始

Trimble

クアルコムは、Snapdragon 8 Gen 1およびSnapdragon 888を搭載するモバイル端末向け位置情報技術”Trimble RTX”を今年第2四半期より提供開始すると発表しました。

Trimble社とクアルコムは、Trimble RTXのサービスプラットフォームを使用することで当該SoCを搭載するAndroidの位置情報の精度をこれまでの5倍に向上させることができ、モバイル機器の位置情報の精度が誤差が1m程度にまで向上すると主張しています。スマートフォンやモバイル端末の位置情報が正確になることで、サービスプロバイダーや開発者らはアプリケーションやサービス内でこれまでよりも正確な位置情報を利用できるようになります。

具体的に使用例を考えれば、たとえばカーナビゲーションシステムにおいて自車が走行しているレーンをイメージセンサーなどを使わずとも位置情報で自動的に判定し、車線変更などをドライバーに指示できるようになるかもしれません。実際、Trimbleとクアルコムは自動車OEM企業やそのTier 1サプライヤーにパートナーシップを拡大し、この高度な位置情報技術や自動運転要技術を活用する予定だとGSMArenaは報じています。

ただ、既存のスマートフォンが、この技術でより正確な位置情報を利用できるようになるかTrimbleもクアルコムも明確に回答していません。ユーザーが肌身離さず持ち歩くスマートフォンの位置情報は、あまり正確になりすぎるとかえってプライバシーに関する問題が発生する可能性があります。トイレに入っているときに、スマートフォンの画面にトイレットペーパーや生理用品の広告が表示されたら、喜ぶよりゾッとする人の方が多そうです。位置情報の利用をアプリやシステム単位でオン/オフしたり、履歴をユーザーが削除できるようになれば良いかもしれないものの、それはOSやアプリ開発者側の対応次第です。

(Source:PRNewswire。Via GSMArenaEngadget日本版より転載)

HBO Maxが同プラットフォーム上の一部番組に新たにシャッフルボタンを追加

HBO Maxは今週、同社のプラットフォームで一部のテレビ番組に新しい「シャッフル」ボタンを導入することを発表した。この新しいボタンは米国時間3月24日から世界中に展開され、ストリーミングサービスのデスクトップ版でのみ利用可能だ。この新機能は、特定のテレビ番組のエピソードをシャッフルする。例えば「フレンズ」を見たいが、どのエピソードを見ればいいかわからない場合、このボタンを使えば、シリーズの中からランダムなエピソードに移動することができる。

このボタンは「フレンズ」「ラリーのミッドライフ★クライシス」「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」「ルーニー・テューンズ」「リック・アンド・モーティ」「ティーン・タイタンズGO!」「Selena + Chef(セリーナ・シェフ)」「Whose Line is it Anyway(フーズ・ライン・イズ・イット・エニーウェイ)」「フレッシュ・プリンス」「トムとジェリー」「ヤングシェルドン」「ジ・オフィス」などの45番組で使用できるようになる。

「HBO Maxのシャッフルボタンは、他のサービスと異なり、シリーズではなくエピソードをランダムに表示するため、ユーザーに表示されるコンテンツにある程度のコンテキストを与えることができます」と、HBO Maxの広報担当者はTechCrunchにメールで語った。「デスクトップで全世界に提供され、ユーザーはシリーズの詳細ページでシャッフルボタンを選択することで、45の厳選された番組を見ることができます。偶然の発見をする要素が加わり、シャッフルボタンを選択すると、足を蹴り上げて、より早くエピソードを見始めることができます」。

同社によると、このボタンは要望の多い機能だったとのことだ。HBO Maxは、この機能をプラットフォーム上のより多くのコンテンツに拡大する予定なのか、あるいはモバイルおよびTVアプリケーションに展開するのか、詳細を明らかにしていない。

この導入は、Netflixが、自分の興味や過去の視聴習慣から気に入りそうな映画やテレビ番組を再生する「ランダム再生」ボタンを正式に発表してから、ほぼ1年後のことだ。Netflixの機能は、より幅広いコンテンツ検索が可能で、接続されたテレビ、Android携帯、タブレットで利用できる。Amazon Prime VideoHuluも、それぞれのアプリにシャッフル機能を追加することを検討している。

新機能の開始は、HBO Maxが最近、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、ハンガリー、モルドバ、モンテネグロ、オランダ、北マケドニア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニアといった15カ国への展開を開始したこと重なる。このストリーミングサービスは、本年後半にギリシャとトルコを含むさらに欧州6カ国に拡大する予定だ。

画像クレジット:HBO Max

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

ツイッター、DMで特定のメッセージを検索可能に

Twitter(ツイッター)は、ユーザーがDM(ダイレクトメッセージ)で特定のメッセージを検索するオプションを展開するとツイートで発表した。これまで、DMを検索できるのは人の名前やグループチャットのみだった。今回のアップデートでは、検索バーを使ってキーワードで特定のメッセージを検索できる。この新しい検索体験は、iOSとAndroidのアプリおよびウェブで利用可能だ。

同社は、新しい検索アップデートの動作を示すGIFを共有した。検索バーには「レストラン」「本」などと任意のキーワードを入力することができる。入力すると検索結果が「すべて」と「人」「グループ」「メッセージ」の3つのカテゴリーにフィルタリングされる。「メッセージ」タブをクリックすると、そのキーワードが出てきたすべての会話を見ることができる。

この新しい検索体験は、iMessageやMessengerといった他のプラットフォームで特定のメッセージを検索する方法と似たような仕組みになっている。

今回のアップデートは、Twitterが個人ユーザーのツイートを簡単に検索できる機能をこのほど導入したのに続く動きだ。こちらのアップデートは、11月にiOSユーザーに提供が始まった。当時、Twitterはこの新機能を将来的にAndroidとウェブのアプリに展開する予定だと述べていた。この機能を利用できるユーザーは、ユーザーのプロフィールバナーの画面右上、3つの点のメニューの横に検索アイコンを目にする。そこでユーザーのツイートを検索するのにキーワードを入力することができる。

このような検索はTwitterでもすでに可能で、高度な検索をどのように行うか知る必要があっただけだ。例えば「from:@TechCrunch Twitter」と検索すれば、新しい検索機能にアクセスできるかどうかにかかわらず「Twitter」という単語を含むすべてのTechCrunchのツイートを見ることができるようになる。新機能は、その作業をよりシンプルにする。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi