ビジネス動画編集クラウドVideo BRAINのオープンエイトが動画活用実態レポートを発表

ビジネス動画編集クラウド「Video BRAIN」のオープンエイトが動画活用実態レポートを発表

プレゼン向けビジネス動画編集クラウド「Video BRAIN」(ビデオブレイン)を運営するオープンエイトは9月13日、テキストと動画だけでは伝わりにくいビジネスコンテンツの調査を行い、動画活用の実態とVideo BRAIN導入による定量成果を発表した。

企業での社内向けや取引先に向けた資料での動画の活用が進んでいるが、動画制作は外注するのではなく「スピーディーな実行の決め手は内製化」とオープンエイトは断言する。同社による調査結果の一部がこのたび公開されたので紹介しよう。

調査概要

  • クロス・マーケティングによるアンケートモニターを使ったインターネット調査(期間は2021年5月7日から5月10日、対象者は一都三県、二府四県、東海三県居住の会社勤務者、サンプル数14272
  • オープンエイト調査(2021年1〜3月期)

テキストと画像だけでは伝わらない内容トップ5は、自社HPやSNSの情報(66%)、自社製品・サービス説明(65%)、採用コンテンツ(62%)、社内向け情報発信(62%)、取引先への提案資料(60%)。

動画制作の目的は、上位からプレゼン資料、商品・サービス紹介、マニュアル、営業資料、広告・キャンペーン、採用・求人、施設紹介、ニュース、IR・PR、CSR、その他。

動画活用を開始した理由は、上位からオンラインでのコミュニケーション増加、静止画や文章での表現の限界、プレゼンの強化、他社の影響、対面で説明する機会の減少、静止画や文章より投資対効果が高い、採用力の強化、メディアやSNSに利用、経営からの指示、チームの提案力強化、社内横断業務で必要。

動画活用と制作を行わない理由トップ3は、予算が採用されていない、見当判断の知見が社内にない、体制が整っていないという(オープンエイト調査)。

米Huluがオンデマンドサービス月額料金を10月8日から約110円値上げ

2020年のLive TVサービス値上げに続き、Hulu(フールー)は今、再度の値上げを準備中だ。10月8日からオンデマンドプランのHulu、Hulu with No Adsの価格を上げる。しかし2つのLive TVプランで月額10ドル(約1100円)を超える前回の値上げと違って、今回の値上げ幅はわずか1ドル(約110円)だ。

つまり広告が入るバージョンは月額5.99ドル(約660円)から6.99ドル(約770円)に、Hulu with No Adsは月額11.99ドル(約1320円)から12.99ドル(約1430円)にアップする。この新料金は既存会員と新規会員のどちらにも適用される。10月の値上げは同社のLive TVサービスや、HuluがDisney+とセットになっているプランには影響しない(Disneyは2019年にComcastの持分を買収してHuluを完全子会社化した)。

今日ではHuluはDisney+とESPN+とともに月額13.99ドル(約1540円)で提供されている。HuluのライブTVのマーケットに含まれていない人にとって、Hulu独立サービスの価格でのわずかな変動ではセットサービスが魅力的なものに映るかもしれない。

Huluのオンデマンドサービスは同社の会員数の大部分を占めている。2021年8月に発表されたDisneyの会計年度第3四半期決算では、Huluのオンデマンドのビデオサブスクの会員数は前年同期比22%増の3910万人に達した。その一方でLive TVサービス(オンデマンドサービスを含む)の会員数はわずか同9%増の370万人にとどまった。合計でHuluの会員数は同21%増の4280万人だった。

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しかしながらこの数字はDisney+よりも緩やかな成長だ。Disney+の会員数は2020年第3四半期の5770万人から、2021年第3四半期には1億1600万人へと大幅に増加し、前年比成長率は100%を超えた。

Disney+のESPN+を含め、同社の消費者直接取引事業の会員数は第3四半期末までに計1億7400万人近くになった。

しかし、Huluは会員数でDisney+の後を追っているが、ユーザー1人あたりの月間事業収入(ARPU)ではDisney+を上回っている。

第3四半期にARPUは、Disney+ Hotstar会員との混合割合が前年同期よりも増えたために、4.62ドル(約510円)から4.16ドル(約460円)へと減少した、とDisneyは述べた。一方、HuluのオンデマンドサービスのARPUは11.39ドル(約1260円)から13.15ドル(約1450円)へ増加し、Live TV サービス(+SVOD)は68.11ドル(約7510円)から84.09ドル(約9270円)へと成長した。

Huluのオンデマンド事業には、使用権が与えられたコンテンツと、新作品「Nine Perfect Strangers」「Only Murders in the Building」「Vacation Friends」のようなオリジナルのプログラムが含まれる。同社はまた、9月1日に何千ものHotstar Specialsとボリウッドのヒット作品を加えたばかりだ。

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画像クレジット:Hulu

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Netflixが初のグローバルファンイベントをバーチャルで9月25日開催、今後のコンテンツをチラ見せ

Netflix(ネットフリックス)は、とっておきのニュース発表やオリジナルコンテン初披露などを行う、9月25日に開催されるグローバルのバーチャルファンイベント「Tudum」を発表した。Netflixで再生ボタンを押すと耳にする音にちなんでつけられたTudumは、映画や特別番組など同社の70を超える作品に出演したスターや制作に携わったクリエイターが登場する。

「当社初のグローバルイベントTudumの目的はシンプルです。世界中のNetflixファンを楽しませ、ファンに敬意を表するというものです」と同社の広報担当はTechCrunchへの電子メールで述べた。

イベントでは「Stranger Things(ストレンジャー・シングス 未知の世界)」「Emily in Paris(エミリー、パリへ行く)」「The Witcher(ウィッチャー)」「The Crown(ザ・クラウン)」「Cobra Kai(コブラ会)」「Bridgerton(ブリジャートン家)」などNetflixの最も人気の番組の制作者やスターとのインタラクティブなパネルや会話が繰り広げられる。また「Red Notice(レッド・ノーティス)」「Don’t Look Up(ドント・ルック・アップ)」「Extraction(タイラー・レイク -命の奪還-)」「The Harder They Fall(ザ・ハーダー・ゼイ・フォール: 報復の荒野)」「The Old Guard(オールド・ガード)」といった人気映画も特集する。

一部の大手企業は新型コロナウイルス感染症パンデミックの間に自前のバーチャルイベントの開催を始め、ライブストリームされるプログラミングへとシフトしたが、Netflixはそのうちの1社にすぎない。例えばDisney+は5月にNational Streaming Dayを記念したイベントを開催した。この手のイベントは、企業がオリジナルコンテンツを披露する新しい方法となっている。それまではさまざまな対面式のファンイベントを開催していた。

Netflixの今回の新しいファンイベントやGeeked Weekのような同種のものでは、同社は独自にイベントを開催できるため、オリジナルコンテンツを宣伝するのに他のプログラミングやコンベンションには頼らない。またNetflixにとって人気の復活番組を宣伝したり今後投入するコンテンツをチラ見せすることで、Tudumはさらに多くの会員を獲得する手段となりそうだ。

3時間にわたって開催されるTudumイベントのバーチャルライブストリームは米国時間9月25日土曜日の東部標準時間午後0時(日本時間9月26日午前2時)に始まる。YouTube、FacebookそしてTwitchで放映される。また、東部標準時間午前8時(日本時間9月25日午後10時)から韓国とインドのオリジナルシリーズ、映画、そしてアニメコンテンツを披露する特別先行上映も行う。

Netflixのイベント発表は、2020年にサービスを拡大し、新機能を追加したのに続く動きだ。同社は最近、ユーザーが今後のリリースを追跡できるようにする新しい「Play Something」シャッフル機能と、ユーザーが好むコンテンツを自動的にダウンロードする「Downloads For You」機能を導入した。今後に関してはというと、ゲーミングの促進がモバイルで始まり、iPhoneとiPadのアプリに空間オーディオをもってくる計画だとNetflixは述べた。

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画像クレジット:Sam Wasson / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

デジタル映画コレクションのMovies AnywhereがAI利用のライブラリー整理機能を追加

Movies Anywhere(ムービーズ・エニウェア)は複数サービスを横断してデジタル映画のコレクションを管理できるアプリだ。このほど、同アプリは膨張するライブラリーを整理しやすくする機能を追加した。

米国時間8月24日、Movies AnywhereはAIを利用した新機能「My Lists」を公開している。ライブラリーの映画をジャンル、俳優、シリーズ、テーマなどさまざまな要素に基づいて自動的にグループ分けする。

巨大なライブラリーを持つデジタル映画コレクターも、この機能を使えば、作品探しはNetflix(ネットフリックス)などの最新ストリーミングサービスと同じように推奨作品をスクロールしていくだけでよくなる。つまり、これまでのように購入順やアルファベット順に並んだ購入済み作品の無限に続くページをスクロールしていく代わりに、コンテンツが見つけやすいように整理されたリストをざっと見るだけでライブラリーに入っているもの簡単に見つけられる。

例えばあるシリーズの全作品を購入している場合、専用の列にまとめて表示される。これまで同じシリーズの作品の間に別の作品が挟まれた状態で探さなくてはならなかったのと比べて大きな改善だ。

「アクションスリラー」などの特定のカテゴリーや「強い女性の友情」などといった中心テーマの作品をたくさん持っていることに気づくこともあるだろう。映画の他の上映作品を絞り込むのに役立つかもしれない。

こうしてアルゴリズムが生成したリストは、編集することも可能で、タイトルを追加、削除したり、リスト全体を削除することもできる。

画像クレジット:Movies Anywhere

自分でリストを作ることもできる。お気に入りや家族と見たい映画のリストなど、好きなようにコレクションを編成できる。この機能は、買ったけれどもまだ見る時間を作れていない映画の「今度見る」リストを作るのにも使える。

Movie Anywhereアプリは何年も前からあるが、2017年の新プラットフォーム移行後、現在はDIsney(ディズニー)、Universal(ユニバーサル)、WB(ワーナー・ブラザーズ)、Sony Pictures(ソニー・ピクチャーズ)、および20th Century Fox(20世紀センチュリー・フォックス)が共同運営している。デジタル映画コレクターに向けた最大のセールスポイントは、さまざまなサービスから購入した映画をすべて一か所で管理できることだ。たとえばiTunes(アイチューンズ)、Vudu(ヴードゥー)、Prime Video(プライム・ビデオ)、YouTube(ユーチューブ)、Xfinity(エックスフィニティー)などが提供するデジタル・ダウンロードもそうだ。これまでは、あるタイトルを買ったかどうかを知るために、アプリからアプリへと切り替えなくてはならなかった。

My Listsは、アプリを最新であると感じさせるために同社が追加してきた数多くの機能の1つだ。たとえば2020年は、Screen Pass(スクリーンパス)というデジタル映画貸し借り機能を導入しており、その前にはユーザーが最大9人の友だちと鑑賞できる Watch Togetherという共同鑑賞機能を公開した。

新しいMy Listsは、Movies Anywhereのモバイルアプリ、デスクトプ版、およびストリーミングデバイスのナビゲーションバーで本日から利用できる。

関連記事:友人に映画を貸し出す「Screen Pass」機能をMovies Anywhereが正式公開
画像クレジット:Movies Anywhere

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

オンライン生放送学習コミュニティ「Schoo」など社会人教育SaaSのスクーが約7億円のシリーズD調達

オンライン生放送学習コミュニティ「Schoo」など社会人教育SaaSのスクーが約7億円のシリーズD調達

大人たちがずっと学び続けるオンライン生放送学習コミュニティ「Schoo」(スクー)を手がけるSchooは8月25日、シリーズDラウンドにおいて、総額約7億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のBonds Investment Group、インキュベイトファンド、SMBCベンチャーキャピタル、鎌倉投信・フューチャーベンチャーキャピタル、山口フィナンシャルグループ傘下の山口キャピタル。

調達した資金により、Schooや2021年6月に提供を開始した高等教育機関DXプラットフォーム「Schoo Swing(β版)」(スクー スウィング)のサービス向上に向けた人材採用やマーケティング投資を行う。また、地方エリアへの遠隔教育普及によって実現する「未来の暮らし」の確立も推進するという。

Schooは、2012年のサービス開始以来「未来に向けて、社会人が今学んでおくべきこと」をコンセプトとした生放送授業を毎日無料提供している。過去の放送は録画授業として約7200本を公開している。法人向けには社員研修と自己啓発学習の両立を実現する「Schoo for Business」を提供。

また、個人と法人合わせての登録会員数は約65万人にのぼり、導入企業実績は2000社を突破するなど、昨今のデジタル化の影響を受けて事業は急拡大を続けているという。

Netflixの実写版「カウボーイビバップ」11月19日より世界配信決定、公式Twitterも始動

Netflix(ネットフリックス)による名作アニメ「カウボーイビバップ」の実写化は、アナウンスされてから今か今かと待ち望まれていたが、ついに配信日が決定した。全10話の第1シーズンは、2021年11月19日に配信開始となる。

Netflixはまだ予告編を公開していないが、初めて「カウボーイビバップ」をまともに見ることができる写真を多数公開した。それらの画像にはJohn Cho(ジョン・チョー、スパイク・スピーゲル役)、Mustafa Shakir(ムスタファ・シャキール、ジェット・ブラック役)、Daniella Pineda(ダニエラ・ピネダ、フェイ・ヴァレンタイン役)が扮するキャラクターたちと、かわいらしいコーギーの姿が写っている。

アニメ作品の実写化は、あまり評判がよくないことが多い(「攻殻機動隊」を原作にした「Ghost in the Shell」が頭に浮かぶ)。今回の「カウボーイビバップ」は、Netflixにとっても十分に作品の良さを伝えなければならないというプレッシャーがあるが、見る限り期待できそうだ。最初に公開された画像を見ると、主要キャストはとてもよく似合っているし、1998年の原作アニメに関わった主要なクリエーターたちも参加している。伝説的な作曲家で、オリジナルのサウンドトラックを担当した菅野よう子氏が復帰し、オリジナルアニメの監督を務めた渡辺信一郎氏も監修として参加した。

製作は2019年に開始されたが、ジョン・チョーが撮影現場で膝を負傷したため、8か月間中断された。撮影は最終的に、ニュージーランドで2021年3月に完了した。

画像クレジット:Netflix

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Kris Holt(クリス・ホルト)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

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画像クレジット:Netflix

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(文:Kris Holt、翻訳:Aya Nakazato)

NetflixがiPhoneとiPadで空間オーディオ導入へ、同業他社に対抗

もしあなたがAirPods ProあるいはAirPods Maxを使っているのなら、モバイル端末でのNetflix視聴がこれまでよりもう少し投入感ある体験になる。Redditユーザーによる発見を受け、Netflix(ネットフリックス)は米国8月18日、iOS 14で動くiPhoneとiPadで空間オーディオのサポートを開始したと認めた。

Netflixはこの機能の導入でHBO Max、Disney+、Peacockのようなストリーミング競合他社の仲間入りを果たす。その一方で、Amazon Prime VideoやYouTubeといった人気のアプリはまだこの機能を取り入れていない。ただし、同機能はすぐには導入されない、とNetflixは述べた。アップデートのお知らせがきたユーザーはコントロールセンターで同機能のオン・オフができるようになる。

直近では、Appleが空間オーディオを売り込んでいる。同社は2020年に開かれたWWDC会議でAirPods Proで空間オーディオを利用できるようにすると発表した。そして2021年のWWDC会議では、追加料金なしでApple Music購読者に空間オーディオとロスレスオーディオでストリーミングを提供すると明らかにした。この機能の追加ではダイナミックヘッドトラッキングもサポートしており、頭の動きに応じてサウンドを調整する。Apple MusicアプリのAndroid版も空間オーディオとロスレスオーディオをサポートしている。2021年2月にSpotifyはハイエンドなサブスクSpotify HiFiを展開すると発表した。このサービスはロスレスオーディオが利用できるものだが、発表以来新たな動きはない。

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Netflixは7月、オリジナルの映画やテレビシーリーズに加えて、モバイルゲーミングにも取り組み始めたことを明らかにした。すでに「Black Mirror:Bandersnatch」や「Stranger Things」ゲームのようなプロジェクトでインタラクティブエンターテインメントを実験している。

「当社は、オリジナルの映画やアニメ、台本なしテレビなどへの拡大と同じく、ゲーミングを新たなコンテンツ部門ととらえています」と同社は四半期決算発表で述べた。

空間オーディオはビデオゲームプレイヤーの間で人気だ。なので、今回のアップデートでiPhoneとiPadでのビデオストリーミング体験が向上する一方で、おそらくゆくゆくは同様の機能が今後展開される同社のモバイルゲームでも利用できるようになる。

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

YouTubeが検索機能をアップグレード、チャプターのプレビューと翻訳付き動画が見つけやすく

米国時間8月17日、YouTubeはユーザーが探しているコンテンツを見つけやすくするための2つの機能アップデートを発表した。1つはビジュアル検索機能で、もう1つはユーザーの母国語のキャプションがある外国語の動画を見つけやすくする。

デスクトップ版では従来から、YouTubeのユーザーが動画のサムネイルの上にマウスを合わせると短いクリップが再生される。今後、この機能はモバイルにも拡張され、しかも動画内のチャプターを閲覧する機能も追加され、検索ページから、最も関心があるチャプターに直接アクセスできる。

プロダクト管理のディレクターであるPablo Paniagua(パブロ・パニアグア)氏はブログで次のように語っている。「サワードウの良いレシピを探していて、しかももっと上手に生地をこねたいと考えている人は、新しい検索結果ですべてのステップを動画で見ることができます。生地にイースト菌を入れるところから、パンをオーブンから取り出すところまで。しかも、こね方のチャプターに直行できます」。

もう1つのアップデートは、外国語の動画をユーザーに勧めるとき、母国語のキャプションがあるものだけを選ぶ。たとえば上のサワードウの例では、ユーザーの言語がアイスランド語で、その言語の動画に良いのがなければ、YouTubeはアイスランド語の字幕のある英語のビデオを勧めるだろう。今は英語のビデオだけだが、今後はもっと多くの言語に拡大するという。

画像クレジット:YouTube

また、インドとインドネシアでは、YouTubeがGoogle検索から他のサイトへのリンクで検索結果を補完する機能をテストしている。

パニアグア氏の説明によると「知りたい内容を十分に満たす良質な動画がYouTube上だけで必ず見つかるとは限らないため」だ。

Google検索にはすでにユーザーが動画の途中に飛べる機能がある。しかも2020年の終わりごろには、YouTubeの親会社Googleは、TikTokやInstagramの短編動画を推奨するモバイル検索機能を実験した。ただしその動画は、ユーザーをGoogleの中にキープするために、TikTokやInstagramの中ではなく検索ページの中で開く。

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画像クレジット:YouTube(スクリーンショットはTechCrunch)

YouTubeの検索機能のアップデートが行われたが、現在、プラットフォームの検索アルゴリズムをめぐる議論にまだケリが付いていない。 Mozillaは7月、調査結果を発表して、YouTubeのアルゴリズムが依然として「低級な視聴率稼ぎコンテンツ」を宣伝していると指摘した。Mozillaはブラウザの拡張機能RegretsReporterに参加したユーザーから、データをクラウドソーシングした。ユーザーに、YouTubeの本当は見たくなかったような動画を報告してもらう機能だ。Mozillaによると、そんな悪質動画は、英語以外のコンテンツが英語のものよりも60%多い。でもYouTubeは、外国語のビデオに母国語のキャプションを付けたものの推奨などは、悪質動画の排除に役立つかもしれないがMozillaの調査報告への答えではないと言っている。

「これらの機能は何カ月もかけて開発し、ハウツーやDIYなど、ユーザーが探しているものを見つけやすいようにしている」とYouTubeはいう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:YouTube検索翻訳動画配信

画像クレジット:Olly Curtis/Future/Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Disney+の第3四半期の契約者数は予想を上回る1億1600万人、アジア市場が下支え

Disney(ディズニー)のストリーミングサービスの新規契約者は、新型コロナウイルスによるロックダウンとマスク着用義務が終わったのに伴い第2四半期のはじめは伸び悩んでいたが、成長率は改善しつつある。同社は米国8月12日、爆発的な第3四半期決算を発表し、その中でDisney+の契約者数の増加はアナリストの予想を超えたことが示された。ウォールストリートが予想していた1億1450万人を超え、前年同期比100%超の伸びを示した。

Disneyの決算はまた、あらゆる数字が予想を上回った。売上高は予想の167億6000万ドル(約1兆8510億円)に対し170億2000万ドル(約1兆8800億円)、1株あたり利益は予想の55セント(約60円)に対して80セント(約88円)だった。しかもDisneyのテーマパークが営業を再開した。

パンデミックはストリーミングを含め多くの業界で成長メトリクス予測を狂わせた。競争がますます激しさを増している業界にあってNetflixに対抗できる数少ない競合相手の1つとして、Disney+はかなり確立された存在だが、新型コロナの影響でいくらかの浮き沈みはあった。パンデミック初期には、ストリーミングは上昇傾向にあった。今年3月、Disney+はサービス開始からわずか16カ月で契約者数1億人を超えた。その際、Disneyの取締役は2024年までの契約者数は2億6000万人という予想に向けて順調だと述べた。

しかしDisneyの第2四半期決算では、経済再開がDisney+の数字に影響を及ぼした。人々は家にこもる代わりにすべきことがあり、ワクチンも広範に接種できるようになったためだ。そうしてDisney+の契約者数は、アナリストの1億930万人という予想に対して1億360万人にとどまり、その結果株価は下落した。

新型コロナが誘発した新規契約者数への効果が鈍化したのは同社だけではなかった。Netflixも年初は新型コロナ、そして制作の遅れやリリーススケジュールのようなものへの広範囲にわたる影響のために契約者数の伸びは低調だった。

しかし契約者数で再び予想を上回ったNetflixの直近の四半期は、Disney+も同様に伸びるかもしれないことを予感させた。そうした成長を支えたのは、アジアでのマーケット拡大だ。昨年のインドとインドネシアに続いてDisney+ Hotstarの提供が6月にマレーシアとタイで始まった。

ただ、Disney+のHotstarバージョンは低価格であるため、ユーザー1人あたりの月間売上高(ARPU)の減少につながった。第3四半期のARPUは、前年同期よりもDisney+ Hotstarとのミックスが多かったために、4.62ドル(約510円)から4.16ドル(約460円)へと減少した、とDisneyは説明した。

Disneyの他のストリーミングサービス、HuluとESPN+では同様の傾向はみられなかった。

Huluの購読ビデオサービスのARPUは前年同期の11.39ドル(約1260円)から13.15ドル(約1450円)に増え、ライブTVサービス(+SVOD)は68.11ドル(約7520円)から84.09ドル(約9290円)になった。ESPN+サービスも4.18ドル(約460円)から4.47ドル(約490円)へと増加した。

全体的に契約者数の増加もみられた。ESPN+は前年同期比75%増の1490万人に達し、Huluの契約者総数は21%増の4280万人となった。

「当社の消費者直接取引事業はかなり好調です。四半期末時点のDisney+、ESPN+、 Huluの契約者総数は1億7400万人近くで、今後多くの新コンテンツがプラットフォームに加わります」とDisneyのCEO、Bob Chapek (ボブ・チャペック)氏はプレスリリースで述べた。

同社の消費者直接取引事業は、契約者数や広告収入の増加などHuluの好業績のおかげで売上高は57%増の43億ドル(約4750億円)となり 、営業損失は6億ドル(約660億円)から3億ドル(約330億円)に減少した。

こうした売上増や損失減は、プログラミングや制作、マーケティング、テクノロジーのコストによるDisney+の大きな損失で相殺された。ただしDisney+の損失は契約売上高の増加と「Cruella」のDisney+ Premier Accessリリースの成功でいくぶん抑制された(Disneyの会計四半期は7月3月までであり、そのため「Black Widow」の米国でのリリース後の爆発的な人気や、スター女優スカーレット・ヨハンソン氏による訴訟の影響はこれらの数字には反映されていない)。

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画像クレジット: Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Salesforceは配信メディア「Salesforce+」発表、ビジネスコンテンツのNetflixを狙う

Salesforce(セールスフォース)はSlack(スラック)を280億ドル(約3兆1000億円)の巨大買収を行ったばかりで、その過程で多額の負債を生み出したが、それは多額の資金を支払ったことが理由ではない。

米国時間8月10日、このCRMの巨人は、Salesforce+(セールスフォースプラス)でストリーミングメディアに参入することを発表した。Salesforce+は、ビデオに焦点を当てた今後のデジタルメディアネットワークであり、同社の発表によれば「世界中の視聴者にDreamforce(ドリームフォース、Salesforceの年次コミュニティ会議)の魔法をすばらしいスピーカーとともにお届けします」というものだ(それがすばらしいものであるか否かは、見る人の目で決まるが)。

2020年来Salesforceは、各企業が完全なデジタルエンティティへの迅速な変革を行おうと苦労しているところを目撃してきた。Slackの買収は、進化する市場に対するSalesforceの対応の一部だが、同社は、24時間体制でビジネスコンテンツを提供するオンデマンドビデオサービスでさらに多くのことができると考えている。

Salesforceの社長でCMOのSarah Franklin(サラ・フランクリン)氏は、公式投稿の中で、彼女の会社は「新しいデジタルファーストの世界で成功する方法を再考する必要があった」と述べている。その答は、より大きなSalesforceコミュニティを、新しいライブおよび録画されたビデオの強化でまとめることに関係しているようだ。

Salesforceのグローバルブランドマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるColin Fleming(コリン・フレミング)氏によるQ&Aの中では、彼はそれを会社がずっと共有してきたコンテンツを進化させる方法だと述べている。「パンデミックを受けて、私たちは人びとがコンテンツを消費しているメディアの状況を調べ、その結果B2Bの場におけるホワイトペーパーの時代は、もはや人びとにとって興味をひかないものであると判断しました。私たちはクッキー不要の未来を見つめています。そして消費者の世界を見て、Salesforceのためにそれを振り返り『なぜ私たちもこれについて考え直さないのか』と問いかけています」とQ&Aの中で語っている。

会社が注ぐ労力は小さなものではない。Axios(アクシオス)によれば、立ち上げを支援するために、プロジェクトには「50人の編集主幹」がいて「Salesforceの何百人もの人々が現在Salesforce+に取り組んでいる」とのことだ。

特に注目すべきは、Salesforceには短期的にはSalesforce+の収益化計画がないということだ。このサービスは無料で、外部の広告は掲載されない。Salesforce+は、9月のDreamforceとともに公開され4つのチャンネルが提供される、それらはニュースとアナウンス用のPrimetime(プライムタイム)、トレーニングコンテンツ用のTrailblazer(トレイルブレイザー)、サクセスストーリー用のCustomer 360(カスタマー360)、業界固有の情報提供用のIndustry Channels(インダストリー・チャンネルズ)だ。

同社は、この発表をDreamforceと組み合わせることで、Salesforceが作り上げてきたものへの関心を引きつける役に立つことを期待している。Dreamforceでのお披露目後、Salesforce+は興味深い領域へと進む予定だ。それにしても、Salesforceの顧客やその大規模なビジネスコミュニティは、同社が「あらゆる役割、業界、基幹業務に魅力的なライブコンテンツとオンデマンドコンテンツ」と呼び「魅力的なストーリー、思慮深いリーダーシップ、専門家のアドバイス」と表現するものをどれくらい本気で望んでいるのだろうか?

Salesforceは、歴史上最も成功したSaaSファーストの企業と見なされているため、人びとが耳を傾けたいと思っているという意見はあるかもしれない。5月の最新の四半期決算報告では、同社は前年同期比23%増の59億6000万ドル(約6597億円)の収益を発表し、年間収益予想は250億ドル(約2兆7670億円)に近づいた。同社はまた、多額の現金を生み出している。しかし、現金を豊富に持つからといって、この新しいストリーミングの取り組みが、リターンも限られた膨大なコストがかかる金食い虫となるのではないかという疑問を消し去ることはできない。

このサービスは、LinkedIn(リンクトイン)フィードにビデオ形式で命が吹き込まれたもののように聞こえるかもしれない。少なくとも、これはおそらく史上最大のコンテンツマーケティングスキームだが、ビジネスユニットとして、または将来のその他の収益化計画(広告など)を通じて、それ自身で利益を得ることができるのだろうか。

CRM Essentials(CRMエッセンシャルズ)の創業者で主席アナリストであるBrent Leary(ブレント・レアリー)氏は、Salesforceがこの冒険で広告収入に注目し、すべてをSalesforceプラットフォームに結び付けようとしているのだという。「顧客は、個別のショーのスポンサーになったり、ショーを宣伝したり、場合によってはショーでコラボレーションをしたりすることができます。そうしたオプションをROIで追跡しながら、ショーから生成された各種の引き合いに直接結び付けることができます。これをすべて1つのプラットフォームで行うことができるのです。そして、コンテンツは添えられた広告とともに続きます」とレアリー氏はTechCrunchに語る。

それがこの冒険の最終的な目標であるかどうかはまだわからないが、Salesforceは、少なくとも現実の世界ではDreamforceコンテンツに対する市場の欲求があり、最後にライブイベントを開催できた2019年には10万人以上が関わったことを実証している。こうした文脈を考慮すると、パンデミックにより、ほとんどの従来のカンファレンス活動はデジタル運営に移行した中で、Dreamforceおよび関連するタイプのコンテンツをビデオ形式で1年中利用できるようにすることは、ある程度意味があるだろう。

実は、会社がマーケティング予算への大幅な追加を正当化する方法を興味深く見守っている。ビデオ製品からのROIの計測は、直接収益化されない場合には、それほど簡単ではない。そして遅かれ早かれ、それはビジネスに直接的または間接的な影響を与えるか、ベンチャーの目的に関して株主からの質問に直面する必要に迫られることになるだろう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:SalesforceCRM動画ストリーミング

画像クレジット:MediaNews Group/The Mercury News/Getty Images

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(文: Alex Wilhelm、Ron Miller、翻訳:sako)

ネットフリックスが「SpaceX」のオール民間人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」のドキュメンタリーを9月配信

ネットフリックスが「SpaceX」のオール民間人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」のドキュメンタリーを9月配信

Netflix

Netflixは、SpaceXが計画する、民間人だけで構成されたクルーによる初めての有人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」をドキュメンタリー・シリーズとして配信すると発表しました。『Countdown: Inspiration4 Mission to Space』は5話構成となり、最初の2エピソードが9月6日に配信されます。

Netflixはこれまでもいろいろなドキュメンタリーを製作していますが『Countdown: Inspiration4~』は、現在進行している出来事をほぼリアルタイムで追いかける格好になることから、制作側にはチャレンジングな番組になりそうです。

9月6日配信の2エピソードでは、船長の役を担うパイロットでオンライン決済企業Shift4 PaymentsのCEOでもあるジャレッド・アイザックソン氏をはじめとするクルー達の訓練の様子を追ったものとなる一方、最終回は長編エピソードとなり、離陸から帰還までを宇宙船Crew Dragon内の映像も盛り込んで振り返る構成になるとのこと。Inspiration4ミッションの打ち上げ予定日は9月15日ですが、様々な理由で打ち上げが延期になる可能性があります。そのため、フライトの様子を含む最終エピソードの配信日もNetflixは9月下旬とだけ記しています。

なお、このドキュメンタリーは監督のJason Hehir氏をはじめESPNで『The Last Dance Michael Jordan』を制作したチームが携わっています。またNetflixはInspiration4のクルーをフィーチャーした子ども向け単発番組『A StoryBots Space Adventure』も制作します。この番組では子ども達からの質問にクルーが答え、宇宙飛行とはなんぞやといったところを子ども達に指南するとのこと。配信日は打ち上げ予定日の前日、9月14日。

(Source:Hollywood ReporterEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceX / スペースX(企業)動画配信 / 動画ストリーミング(用語)
Netflix / ネットフリックス(企業・サービス)民間宇宙飛行(用語)

女優スカーレット・ヨハンソンがディズニーを訴訟、映画「ブラック・ウィドウ」の公開方法で

アベンジャーとしてのScarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)の最盛期がバックミラーの中で遠ざかっていくような今日この頃、「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」のスターは、契約違反でMarvel(マーベル)のオーナーであるDisney(ディズニー)を訴えた。訴状は今週、ロサンゼルスの高等裁判所に提出され、スタジオがスターとの合意に反して、映画を劇場公開と同時にDisney+でも公開したと申し立てている。

訴状は感情を混じえず次のように述べている。「ヨハンソン氏、ディズニー、マーベルそしてハリウッドの誰もが知ってるように、『劇場公開』は映画館に限定された封切のことである。ディズニーもこの約束をよく知っていたはずだが、その誓約への違反をマーベルに指示し、同作をそれが映画館で封切られたまさに同じ日にDisney+のストリーミングサービスで公開した」。

パンデミックは少なくとも短期間、映画が公開、消費される方法を抜本的に変えた。2020年、ディズニーとその他のスタジオは、映画をいきなりストリーミングで公開する方法を選んだ。映画館は必須のビジネスではないとして閉館され、映画館で観ることができる場合でも、遅れることが多く、観客数に減少が生じた。それを補う方法として、ストリーミングが選ばれた。最近では両者の違いが確定的なものとなり、映画館が再開しても同日ストリーミングが提供されている。

TechCrunchが入手した訴状のコピーによると、ストリーミングサービスに関するヨハンソン氏の懸念はパンデミック以前のものだ。訴状によると、ディズニーがストリーミングサービスであるDisney+を立ち上げたとき、ヨハンソン氏の代理人たちは、「ブラック・ウィドウが単独で劇場公開されることの確約をディズニー / マーベルに求めた。しかしそのときディズニーは、Disney+の会員数を増やすことに躍起になっていた。

訴状は2021年5月のマーベル主任弁護士からのメールを引用している。

映画の公開に関するスカーレットの前向きの意思を、私たちは完全に理解します。そして彼女の要求のすべては、映画が、私たちのその他の映画と同じく、広く劇場で封切られるという前提に基づいています。私たちは、それが計画の変更であることを理解し、これについて議論し、理解に到達する必要があります。その要求は、一連の(非常に巨額の)興行収入に基づいています。

(訳注:劇場公開への固執は「ストリーミングでの公開は、映画館の来館者そして興行収入を減らす」という前提に基づいている)

一方、ヨハンソン氏の弁護士であるJohn Berlinski(ジョン・ベルリンスキー)氏は、TechCrunch宛の声明で次のように述べている。「ディズニーが『ブラック・ウィドウ』のような映画をDisney+に直接公開して会員を増やし株価を上げようとしていることは公然の秘密だ。同社は新型コロナウイルスを口実に、その後ろに隠れてそれを行っているが、映画の成功の主因であるアーティストとの契約を無視し、その近視眼的な戦略を推し進めることは、彼らの人権を犯すことでもあり、それを法廷で証明しなければなりませんn。ハリウッドの才能がディズニーに対して立ち上がり、契約を尊重する法的義務があることを明らかにする行為は、ディズニーに対する最後のケースではないだけでなく、他のどんな企業に対しても行われるべきことです」。

この声明では、ディズニーが「新型コロナウイルスの後ろに隠れて」と述べているが、2020年に公開方式を考え直さなくてはならなくなったのはディズニーだけではない。残る疑問は、パンデミックは映画公開の意思決定において情状酌量の余地のあるものなのか、ということだ。本裁判の結果は、パンデミック後の大作の公開方法に対して、スタジオに大きな影響を与えるだろう。

更新:ディズニーは訴訟に対して次のようにコメントしている。

本件には、訴訟としての利害実体が何もありません。この訴訟は、新型コロナウイルスによるパンデミックの、恐ろしくまた長期にわたるグローバルな影響に対する思いやりのない無視であり、そのために特別に悲しくまた痛ましいものであります。私たちはヨハンソン氏の契約を完全に遵守しており、さらにまた「Black Widow」をPremier Access(Disney+プレミアアクセス)でDisney+上に公開することは、彼女がこれまでに受領した2000万ドル(約22億円)に加えて、さらなる報酬獲得を大きく強化するものであり、訴訟に値する被害は何1つありません。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Disney+Disney映画新型コロナウイルス裁判動画ストリーミング

画像クレジット:Amy Sussman/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Netflixがゲーム分野への拡大を表明、追加料金不要でまずはモバイル向けから

先週、Netflix(ネットフリックス)のゲームに対する野望を示唆する報道があった。同社は2021年第2四半期の業績報告で、いくつかのことを認めた。まず、最初はモバイルに「主に注力」し「Black Mirror Bandersnatch(ブラック・ミラー:バンダースナッチ)」のようなインタラクティブなプロジェクトや「Stranger Things(ストレンジャー・シングス)」のオリジナルゲームのようなコンテンツの拡大を目指すとのこと。今後配信されるタイトルは、定額制サービスの一部として追加料金なしで利用でき、映画やテレビについてもベースを維持していくと、Netflixは明言している。

「オリジナル映画やアニメーション、脚本のないテレビへの進出と同様に、ゲームは当社にとって新たなコンテンツカテゴリーの1つであると考えています」と、同社は株主へ宛てた書簡で述べている。

2020年はNetflixにとって大きな年だった。誰もが家に閉じこもり、映画館も閉鎖されていた中で、このストリーミングサービスは3カ月で1600万人の新規顧客を獲得した。予想どおり、2021年はそのペースが劇的に落ち、新規顧客数においては苦戦が続いている。同社の決算報告によると、第2四半期の加入者数は150万人と、予想指標の100万人を実際には少し上回った。しかし、この数字は、全世界で398万件の新規顧客を獲得した2021年第1四半期から大きく減少している。

Netflixでは、2021年第3四半期の新規加入者数が、前年同期の220万人から350万人に増加すると予想している。もしそうなれば、過去2年間の新規加入者数は合計5400万人になると同社は説明する。成長のペースは落ちいてるものの、Netflixの業績は全体的には順調だ。当四半期の収益は、依然として前年同期を上回り、19%増の73億ドル(約80250億円)となった。

Netflixの発表した数字によると「Shadow and Bone(暗黒と神秘の骨)」は今期の人気シリーズで、1カ月足らずで5500万以上の「メンバー世帯」にストリーミング配信されたという。この数字に基づいて、同番組はすでに第2シーズンの制作が決定している。DCコミック原作のTVドラマ「Sweet Tooth(スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年)」は、配信開始から1カ月で6000万世帯にストリーミング配信された。また「Too Hot to Handle(ザ・ジレンマ:もうガマンできない?! )」や「The Circle」などのリアリティ番組シリーズや、犯罪捜査番組「The Sons of Sam」なども人気を博した。映画では、Zac Snyder(ザック・スナイダー)監督の「Army of the Dead(アーミー・オブ・ザ・デッド)」が配信開始から1カ月で7500万世帯の視聴を記録。また「The Mitchells vs. The Machines(ミッチェル家とマシンの反乱)」は5300万世帯にストリーミング配信され、これまでで最大ヒットのアニメーション映画になったと、Netflixは説明している。

Netflixによると、新型コロナウイルスの影響による制作の遅れにより、2021年の前半はコンテンツが「軽め」になったが、年内の残りの期間はペースが上がるとのこと。同社の第3四半期のラインナップには「La Casa de Papel(ペーパー・ハウス)」「Sex Education(セックス・エデュケーション)」「Virgin River(ヴァージンリバー)」「Never Have I Ever(私の”初めて”日記)」などの新シーズンに加え、Jason Momoa(ジェイソン・モモア)主演の「Sweet Girl(スイートガール)」「Kissing Booth 3(キスから始まるものがたり3)」、Mary Elizabeth Winstead(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)主演の「Kate(ケイト)」などの実写映画が含まれている。さらに、Lin-Manuel Miranda(リン=マヌエル・ミランダ)の新曲が収録されるアニメーション映画「Vivo」も配信される予定だ。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したBilly Steeleは、Engadgetのシニア・ニュース・エディター。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflixゲーム動画配信

画像クレジット:Sam Wasson / Getty Images

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(文:Billy Steele、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

新ストリーミングサービス「CNN+」は2022年初頭よりライブとオンデマンドコンテンツを提供

CNNのストリーミングサービスという噂は本当だった。このネットワークが披露したCNN+サービスは、既存のテレビ放送とはまったく異なるライブとオンデマンドの番組のブレンドして提供するという。スタートは、2022年の第1四半期の予定。料金は未発表だが、上級役員のAndrew Morse(アンドリュー・モース)氏はVarietyのインタビューで、最初は広告入りの無料放送はないと述べている。

CNNは元々ニュースのネットワークであるため、主役は想像どおりライブ配信だ。CNN+の計画では1日8時間から12時間のニュース特集と「ライフスタイル」テーマの素材をベテラン、新人入り混ぜて作成する。著作者やエキスパートとのリアルタイムの議論もできる。それはCNNの通常のニュースのデジタルのレプリカではない。それと毎日付き合う別の理由がある。

オンデマンドの方は当然ながら、「Anthony Bourdain:Parts Unknown」や「United Shades of America」といったCNNの既存のコレクションが主になる。インターネットサービス専用のオリジナル番組や動画もいずれ登場するが、その詳細の発表は年内のもっと後になる。

モース氏が公式に語ったところによると、同じWarnerMediaの中でもCNN+はHBO Maxにバンドルされることはない。ただしVarietyの情報筋からは、WarnerMediaとDiscoveryの合併が実現次第、HBO MaxやDiscovery+のバンドルも「ありえる」という展望が聞こえてくる。

モース氏の考えでは、CNN+のローンチは1980年のTVサービス以来、同ネットワークの最大のプロダクトになる。またそれは、エンターテインメントとニュースの境界を曖昧にする新形式を実験するチャンスでもある、と氏は述べている。

疑問はもちろん、視聴者の食いつきだ。CNNは故Anthony Bourdain(アンソニー・ボーディン)氏の番組のような長編で成功しているが、人びとが月額料金を払ってまでそれを見るかどうか。そしてまた、ストリーミングサービスの過剰という現象もある。ストリーミングは見すぎだけど、CNNだったらもう1つ金を払ってもよい、という視聴者がどれくらいいるだろうか。

編集部注:本記事は最初Engadgetに掲載されている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:CNN動画配信

画像クレジット:CNN+

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hiroshi Iwatani)