グーグルがAIの進化を「個人の危機」の検出と検索結果の安全に役立てる

Google(グーグル)は米国時間3月30日、AIモデルを強化してGoogle検索をより安全にし、自殺や性的暴行、薬物乱用、DVなど扱いに注意を要するクエリを向上させると発表した。同社は、利用者が明確に露骨な内容や挑発的な内容を探しているのではない場合に、AIテクノロジーでそうした好ましくない内容を検索結果から取り除く機能も強化する。

現在は、利用者が自殺や乱用といった扱いに注意を要する情報を検索すると、Googleは検索結果よりも上に関連する国のホットラインの連絡先情報を表示する。しかし同社は、危険な状況にある人はさまざまな方法で検索することがあり、人間が検索のクエリを見ればフラグが立つとわかるにしても、検索エンジンにとっては検索した人が助けを必要としているかどうかが明らかにわかるとは限らないと説明する。Googleは、MUM(Multitask Unified Model)と呼ばれる同社の機械学習と最新AIモデルのテクノロジーを利用して、自動でこれまでよりも正確に、広範囲にわたる個人の危険に関する検索を検出できるようになると説明する。MUMは人間の質問やクエリの背後にある意図をこれまで以上に理解できるからだ。

Googleは2021年に開催したSearch OnイベントでAIテクノロジーを利用して検索を再設計する計画を紹介したが、今回発表した具体的なユースケースには言及していなかった。同社は、検索する人の意図をMUMがもっと理解して、その人が調べていることについてより深いインサイトを提供し、検索の新しい道筋を示すことに力を入れてきた。例を挙げよう。ユーザーが「アクリル絵画」と検索すると、Googleはアクリル絵画について「知っておくべきこと」を示す。さまざまなテクニックやスタイル、描き方のヒント、掃除のヒントなどだ。「日用品でアクリル絵画を描く方法」のように、ユーザーが検索しようとは思っていなかった別のクエリを提示することもある。この例に関してGoogleは、アクリル絵画に関して350種類以上のトピックを特定できると説明した。

危険な状況にいる人が明らかに助けを求めているとわかる言葉を入力するとは限らないが、そのような人が検索しているかもしれないトピックをもっと理解するために、MUMが前述したアクリル絵画の例と似た方法で今後使われる。

Googleはブログ記事で「正確に認識できなければ、最も有用な検索結果を表示するシステムを作ることはできません。だから機械学習を利用して言葉を理解することが重要なのです」と説明した。

例えば、ユーザーが「シドニーの自殺の名所」と検索したとする。Googleのこれまでのシステムでは「名所」が旅行の検索クエリなどでよく使われる言葉であるため、情報を探すクエリだと理解する。しかしMUMはこれをシドニーで身投げをする場所を探している人に関連するクエリであると理解し、危険な状態にある人の検索かもしれないと判断する。そして自殺相談ホットラインなど行動に結びつく情報を表示する。もう1つ、MUMの向上が見られる自殺に関するクエリとしては「自殺の最も一般的な方法」がある。これも、これまでは情報を探す検索としか理解されなかった。

MUMによって、人間にとっては文脈が明らかでも機械にとっては必ずしもそうではない長い検索クエリもこれまでより理解できるようになる。例えば「私が彼を愛していないというと彼が攻撃してくるのはなぜ」のようなクエリはDVを暗示している。しかし、自然言語で長文のクエリは、高度なAIを使用しないGoogleのシステムでは難しかった。

さらにGoogleは、MUMはそのナレッジをトレーニングしている75言語に移行でき、このようなAIの進化を世界中のユーザーに迅速に拡大できることにも言及した。つまり、前述したような個人の危機に関する検索に対し、現地のホットラインなど信頼できるパートナーの情報を多くの利用者に表示できるようになる。

MUMがGoogle検索に利用されるのはこれが初めてではない。これまでに新型コロナウイルスワクチンの情報に関する検索を向上させるために利用したと同社は述べている。Googleによれば、今後数カ月でスパム保護機能にMUMを使い、トレーニングデータの少ない言語にも拡大していくという。MUMの向上は他にも今後展開される。

AIテクノロジーによって、検索結果から露骨なコンテンツをフィルタリングする機能も向上する。Googleのセーフサーチのフィルタリングをオフにしても、Googleはわいせつなコンテンツを見つけることが目的ではない検索から好ましくない露骨なコンテンツを減らそうと試みている。そしてユーザーが世界中で何億回も検索をする中で、アルゴリズムによって性能が向上している。

現在はBERTと呼ばれるAIテクノロジーで、ユーザーが露骨なコンテンツを探しているのかどうかを判断できるようになってきている。Googleによれば、ウェブ検索と画像検索のクエリからランダムにサンプルをとり、性的な度合いが高い検索結果かどうかを検索品質評価者が判断して分析した結果、この1年間でBERTによって好ましくないショッキングな検索結果が30%減少したという。分析からは、女性、特に有色人種の女性に不当な影響を与えるとGoogleが述べている「人種、性的指向、ジェンダー」に関連する検索で、このテクノロジーが露骨なコンテンツを減らすのに特に有効だったこともわかった。

Googleは、今後数週間でMUMの進化したAIを検索に導入するとしている。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

データサイエンティストを対象とした専用データベースのPineconeが34億円調達

Pinecone(パインコーン)が2021年の創業時に発したメッセージは、データサイエンティストのニーズに特化したサーバーレスベクターデータベースを開発するというものだった。このデータベースは同社が行っていることの中核を成すものだが、同社はAI駆動型検索を中心に、より洗練されたデータベースの用途へと向かっている。「干し草の山の中から針を見つける」データサイエンティストを支援することを目指している。

Pineconeの創業者でCEOのEdo Liberty(エド・リバティ)氏に2021年、1000万ドル(約12億円)のシードラウンドの際に話を聞いたときはちょうど、同社がデータベースを開発しながらその道を歩んでいるところだった。同氏はAmazon(アマゾン)で、SageMakerというデータベースサービスの構築に携わっていた。それからがずいぶん長い道のりだったと同氏は話した。

「シードラウンドの発表から、いろいろと変化がありました。まず何よりも10月にきちんとした有料サービス製品を立ち上げました。それ以来、採用数も収益も急増しており、本当に順調です」とリバティ氏は語る。

シードラウンドの際、データサイエンティスト向けの専用データベースを用意した理由をこう説明した。

機械学習モデルが期待するデータは、JSONレコードではなく、高次元ベクトルなのです。それは特徴のリストか、エンベッディングと呼ばれる、この世に存在するアイテムやオブジェクトの数値表現です。この形式は、機械学習におけるセマンティックの観点で、豊かで実用的なものです。

現在では、この意味優先のアプローチが顧客にPineconeを利用してもらえる原動力になっているという。「ベクトルデータベースの主な用途は検索で、しかも広い意味での検索です。ドキュメントを検索するわけですが、ここでは検索を、情報入手全般、ディスカバリー、レコメンデーション、異常検知などと考えることができます」と語った。

システムは、Pineconeデータベースのデータを処理するために設計されたリソースのセットである「ポッド」で構成されている。同社は、顧客が製品に慣れ、簡単な概念実証を行うために、1つのポッドを無償で提供している。その後、ポッドの数に応じて支払いを開始する。

リバティ氏は、同社が数十億個のオブジェクトに拡張できるよう設計したシステムに自信を持っている。「ソフトウェアが実用に耐え、実際にオーケストレーションできる範囲まで拡張することができるのです。私たちは、インデックスを作成して使用できるデータ量に明確な制限がないようにシステムを設計しました」と同氏は説明した。

サーバーレスデータベースであるため、顧客はプロビジョニングについて心配する必要はないが、処理を要するデータ量に応じて、毎月いくら使えるかをPineconeに伝える必要がある。

「ざっくりとした計算に基づき、データ容量と性能の点から、こういう用途にはXポッドで十分だろうという判断が下され、それで完了です」。後はサインアップして、コンソールを数回クリックし、APIを呼び出してインデックスを作成するだけで、すぐに使えるようになる。

リバティ氏は、成長率や従業員数を明かしたくないとのことだったが、2023年にはスタッフ(それがどういう意味であれ)が2倍になる見込みだという。注目すべきは、シード発表時の同社の従業員数は10人だったことだ。

多様性に関して同氏は2021年「リクルーターには積極的に動き(より多様な応募者を見つけるために)、すばらしい候補者を逃さないように、そして多様な候補者を連れてくるように指示しました」と話した。実際には、その結果、2022年の新規技術職採用者の(従業員総数の)50%は女性だという。

同社は米国時間3月29日、2800万ドル(約34億円)のシリーズAを発表した。Menlo Venturesがリードし、新規投資家からTiger Globalが、また既存投資家から同社のシードラウンドをリードしたWing Venture Capitalなどが参加した。これにより、同社は累計3800万ドル(約46億円)を調達したことになる。

画像クレジット:SAND555 / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッター、DMで特定のメッセージを検索可能に

Twitter(ツイッター)は、ユーザーがDM(ダイレクトメッセージ)で特定のメッセージを検索するオプションを展開するとツイートで発表した。これまで、DMを検索できるのは人の名前やグループチャットのみだった。今回のアップデートでは、検索バーを使ってキーワードで特定のメッセージを検索できる。この新しい検索体験は、iOSとAndroidのアプリおよびウェブで利用可能だ。

同社は、新しい検索アップデートの動作を示すGIFを共有した。検索バーには「レストラン」「本」などと任意のキーワードを入力することができる。入力すると検索結果が「すべて」と「人」「グループ」「メッセージ」の3つのカテゴリーにフィルタリングされる。「メッセージ」タブをクリックすると、そのキーワードが出てきたすべての会話を見ることができる。

この新しい検索体験は、iMessageやMessengerといった他のプラットフォームで特定のメッセージを検索する方法と似たような仕組みになっている。

今回のアップデートは、Twitterが個人ユーザーのツイートを簡単に検索できる機能をこのほど導入したのに続く動きだ。こちらのアップデートは、11月にiOSユーザーに提供が始まった。当時、Twitterはこの新機能を将来的にAndroidとウェブのアプリに展開する予定だと述べていた。この機能を利用できるユーザーは、ユーザーのプロフィールバナーの画面右上、3つの点のメニューの横に検索アイコンを目にする。そこでユーザーのツイートを検索するのにキーワードを入力することができる。

このような検索はTwitterでもすでに可能で、高度な検索をどのように行うか知る必要があっただけだ。例えば「from:@TechCrunch Twitter」と検索すれば、新しい検索機能にアクセスできるかどうかにかかわらず「Twitter」という単語を含むすべてのTechCrunchのツイートを見ることができるようになる。新機能は、その作業をよりシンプルにする。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグル、Chromeに過去の検索をスマートにグループ化する検索履歴ページを導入

Google(グーグル)は米国時間2月8日、Chromeのいくつかのアップデートを発表し、特に、ブラウザ上で過去の検索を再開する新しい方法を導入すると述べた。

「Journeys(ジャーニー)」と名づけられたこの新機能は、現在デスクトップ版のChromeで展開されており、過去の検索をトピックごとにスマートにグループ化することができる。この新機能は、関連する用語の検索を開始すると、ブラウザが自動的にハイライト表示する。また、ブラウザで有効にすると、新しいChrome History Journeyページに直接移動できる。

画像クレジット:Google

「Journeysは、あなたがどれだけサイトにアクセスしたかを考慮して、最も関連性の高い情報を前面に押し出し、次に試したい関連検索の有益な提案もします」と、ChromeチームのプロダクトマネージャーであるYana Yushkina(ヤナ・ユシュキナ)氏は発表で説明した。

何かを調べ始めてから、別のプロジェクトのために中断したことがある人は、以前に訪れたサイトに戻る方法を見つけるのがいかに難しいか知っている。どのブラウザの履歴リストも、しばらくするとすぐに扱いにくくなるが、これまでどのブラウザベンダーも、履歴リストにあまり注意を払っていなかった。競争が激化するブラウザ市場において、長い間手つかずだったこの領域に、各ベンダーの革新が続くと思われる。

画像クレジット:Google

Googleは、ブラウザが自分のためにこれらのクラスタを構築することに抵抗がある場合、ユーザーはこの機能を完全にオフにすることができると強調している。Googleは、Journeysはデバイス上でのみ履歴をグループ化し、クラスタはデバイス上で生成されるだけだと述べている。Googleアカウントには何も保存されない。

ところで、これらのトピックは、広告目的のクッキーを置き換えるGoogleの最新の提案であるTopics(トピック)とはまったく関係がない。これらのTopicsは、訪問したサイトを、あらかじめ設定された約300のトピックを中心にクラスタ化するもので、明らかに基本的な機能の重複が見られるが、Googleの広報担当者は、両者はまったく関係がないとのことだった。

関連記事:グーグルが脱クッキー技術「FLoC」を廃止、代わる新機能「Topics」を公表

この新機能は現在、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、オランダ語、ポルトガル語、トルコ語のOSで展開されている。

Journeysに加え、Googleはさらに多くのChrome Actionsをブラウザに導入している。これは、アドレスバーで適切な種類のトリガーワードを使用することでアクセスできる機能だ。新しいアクションには「Manage settings」「Customize Chrome」「View your Chrome history」「Manage accessibility settings」「Share this tab」そして最も重要かもしれない「Play Chrome Dino game」などがある。楽しいが、数回クリックすれば同じ目的地に早くたどり着けるのに、本当にこれだけの文字を入力したい人がどれだけいるかはわからない。

モバイルユーザーのために、Googleは、Androidでいくつかの新しいChrome関連のウィジェットを導入している。例えば、恐竜ゲームにアクセスするためのものがあり(ここにテーマを感じる)、他のものはテキスト、音声検索、ビジュアルレンズ検索機能など、ホーム画面からの検索を開始することに重点を置いている。

画像クレジット:Jaap Arriens / NurPhoto / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Yuta Kaminishi)

ニューヨークでジオフェンス令状とキーワード検索令状を禁止する法案の支持が高まる

ニューヨークで、州の法執行機関が論争の的になっている令状を使って、テクノロジー企業から住民の個人的なユーザーデータを入手することを禁止する法案が、最初に提出されてから2年後、再びチャンスを得ることになった。

この「Reverse Location Search Prohibition Act(逆位置検索禁止法案)」は2021年、ニューヨーク州議会と上院に民主党議員のグループによって再提出された。2年前に通過しなかったこの法案は、先日まず委員会に付託された。これは議場での投票が検討される前の最初の大きなハードルとなる。

この法案が可決されれば、米国の州法としては初めて、ジオフェンス令状やキーワード検索令状を禁ずることになる。これらの令状は、特定の時点に犯罪現場の近くにいたユーザーの位置情報データや、特定のキーワードを検索したユーザーの情報を、法執行機関がGoogle(グーグル)などのテクノロジー企業に提出するよう求めることができるというものだ。

ジオフェンス令状は「逆位置」令状とも呼ばれるもので、法執行機関が容疑者の特定に役立てるために、ユーザーの携帯電話やアプリから何十億もの位置情報を収集・保存しているGoogleに対し、犯罪が起きた際に一定の地理的範囲内にいた携帯電話の記録を引き渡すように、裁判官に令状を求めることができる。

ジオフェンス令状は、Google特有の問題である。法執行機関は、Googleの位置情報データベースが利用できることを知っており、Googleはそのデータベースを広告事業の推進に利用し、2021年は1500億ドル(約17兆円)近い収益を上げている。

Googleの検索についても同様だ。法執行機関は裁判官に令状を請求し、特定の時間帯に特定のキーワードを検索した個人の情報を、Googleに提供するよう求めることができる。あまり知られていないが、キーワード検索令状は広く使われており、Googleに限らず、Microsoft(マイクロソフト)やYahoo(ヤフー)からも、この種の法的手続きを用いてユーザーデータが収集されている

このような令状の使用は、電子フロンティア財団のようなインターネット人権団体から「漁猟」と呼ばれており、同財団はアメリカ自由人権協会(ACLU)とともにニューヨークの法案を支持している。この種の令状は、犯罪とは無関係の近くにいる無実の人々のデータも必ず収集するため、憲法違反と人権侵害であるとの批判がある。

TechCrunchは2021年、ミネアポリス警察がジオフェンス令状を使って、2020年に起きた警察官によるGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の殺害事件をきっかけに暴力行為に及んだとされる抗議者を特定したと報じた。その際、NBC News(NBCニュース)やThe Guardian(ガーディアン紙)の報道では、まったく無実の人々が、犯罪現場に近かったというだけで、暗黙のうちに犯罪の嫌疑をかけられていたことを明らかにした。

関連記事:ミネアポリス警察がGoogleにジョージ・フロイド氏抗議行動者特定のため個人データを要求

Googleが公表しているデータによると、ジオフェンス令状は、同社が受け取る米国内の法的要求の約4分の1を占めているという。位置情報や検索語を現実の容疑者に結びつける情報源として、Googleが法執行機関の間で広く知られるようになってから、同社は2020年に1万1500件以上のジオフェンス令状を処理したが、この慣行がまだ比較的初期の段階にあった2018年には1000件に満たなかった。

ニューヨーク州は、ジオフェンス令状全体の約2~3%を占めており、その数は数百件にのぼる。

関連記事:米国政府がグーグルに要求した令状の4分の1がジオフェンスに関するもの

ブルックリン中心部を代表するニューヨーク州の上院議員で、上院の法案を後援したZellnor Myrie(ゼルナー・マイリー)氏は、TechCrunchに次のように語っている。「私が代表を務めるブルックリンのような密集した都市コミュニティでは、単に犯罪現場の近くに住んでいたり歩いていたりするだけの何百人、何千人もの無実の人々が、個人の位置情報を引き渡すジオフェンス令状に巻き込まれる可能性があります。また、キーワード検索令状では、特定の言葉、名前、場所を検索したユーザーが特定されます。私たちの法案は、このような令状を禁止し、ニューヨーカーのプライバシーを守るものです」。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ビッグニュースに関するささやかなメモ

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター、The TechCrunch Exchangeへようこそ。

なんて1週間だったのだろう。いや、本当に。もう12月後半も目前だというのに、どういうわけかニュースは起き続けている。ホリデイシーズンなのにこの多さとは!今回はまず始めに、先週の重要なニュースに関するいくつかのメモ、次にベクトル検索と、2021年のお勧め本についてお話しする。さあ始めよう!

  • 私たちが知るSPACの終焉:Trump Media SPAC(トランプメディアSPAC)を取り巻く煙スモッグレベルの濃さに達している。またBuzzFeed SPAC(バズフィードSPAC)の取引は、あらゆる手を尽くしたが失敗し、結局は世間の評判を落とし、その価値を半分近くまで下げただけに終わった。
  • 暗号資産 vs 従来の金融商品:宗教戦争の真っ只中に割り込むつもりはない、しかしテクノロジー市場は、暗号資産企業に資金を提供して育成する方法を真剣に決めていく必要がある。そしてその答はおそらくベンチャーキャピタルではないのかもしれない。先週私たちは、OpenSea(オープンシー)のIPOへの期待が、ユーザーから歓迎されるのではなく、軽蔑されている様子を見た。公開だって?トークンを発行して暗号資産の世界に留まっていればいいのでは?なぜなら、大量の従来資金がOpenSeaに流れ込んだので、それらの投資家は、デジタル硬貨ではなく、彼らに対する投資家たちにドルで返済する必要がある。これを解決する方法は?はっきりしない、だが私は、長期的には、暗号資産企業は完全に従来の金融レールから外れたものになるのではないかと思っている。そうならない理由はない。
  • SaaSの状況:これを書かなかったことをお詫びしたい、だがソフトウェアの評価額に関する最近の記憶の中でも最も急激なマイナスの動きの1つが見られた。確かに価格はまだ高いものの、以前ほどではない。現在過剰高値のユニコーンは注意が必要だ。
  • そして最後に、Instacart(インスタカート)は社長が辞任した:入社してからわずか数カ月後で、Instacartは注目を集めた人材を手放した。The Exchangeは、11月にInstacartについて少し書いている。パンデミックでの急増が落ち着いたあと、Instacartの成長率が元に戻ったことを示す報告に注目したのだ。ゆっくりではあるが、会社は今でも成長している。しかし、成長が遅いままでは、理にかなった価格で会社を公開することはできない。この先なにが待ち受けるのだろう?わからない。

会社をメディアにとりあげてもらう方法、そしてベクトル検索

テクノロジー分野での記者になることの最も良い点の1つは、未来を説明してくれる賢い人たちと時間を過ごせることだ。私たちが、すぐにはメタバースの住民になるわけではないものの、将来的なの意味での情報処理方法を変えるテクノロジーがここにはある。

Semi Technologies(セミ・テクノロジーズ)の共同創業者Bob van Luijt(ボブ・ファン・ラウト)CEOをご紹介しよう。この企業はWeaviate(ウィビエイト)を開発している。現在すでに多く存在するスタートアップと同様に、Semiは営利目的のOSS企業だ。簡単にいえば、同社はオープンソースプロジェクトWeaviateの上にビジネスを構築しているのだ。

ボブは数時間の時間を割いて、彼の会社、非構造化データの検索市場、Weaviateの仕組みについて話してくれただけでなく、TechCrunchの2021年分の記事をスクレイピングして小さなGUIに入れて、私が遊べるようにしてくれた。

ちなみに、これは記者にあなたの会社のことを気にかけてもらうためのすばらしい方法だ。これはお気軽な作業ではない、実に手間のかかる厚意で、相手の記者が基礎の基礎から知りたがっているような場合でも、初歩的な質問に忍耐強く答え続けることなのだ。

とにかく、ベクトル検索だ。Weaviateで可能になるのは、非構造化データをすばやく検索することだ。Microsoftの説明によればベクトル検索とは「深層学習モデルを使用して、データセットを意味のあるベクトル表現にエンコードします。ベクトル間の距離はアイテム間の類似性を表します」ということになる。

ボブは例を挙げて、これをもう少し簡単に説明してくれた。従来のデータベースでは、自由の女神がニューヨーク市にあり、エッフェル塔がパリにあることを示すデータを持っているだろう。しかし、こうしたデータを取得するには、対象を正確に検索をする必要がある。Weaviateまたは関連するソフトウェアを介したベクトル検索を使用すると、データベースの中になるフランスのランドマークについて、データを表示するように依頼することができる。そして、エッフェル塔のデータが取得される。

クールだよね、とても。ボブと彼のチームが親切にもセットアップしてくれたTechCrunchのポータルをいじくり回したが、私は彼らが提案した質問に最もこころ惹かれた。このようなものだ「Alex Wilhelmが外出中にTecCrunchニュースレターを書いたのは誰か?」率直にいえば、これはその曖昧さゆえに楽しい質問だ。どのTechCrunchニュースレターのことだろう?そして「外出中」とはどういう意味だろうか?結局、検索結果は、私が休みを取ってAnnaがニュースレターを処理していることを書いたちょっとしたテキストをこのコラムからなんとか見つけることができた。

とてもすばらしい。Semi Technologiesはかなり若い会社だが、私がずっと注目している会社の1つだ。それにはいくつかの理由がある。第1の理由は、オープンソースのスタートアップはクローズドコードの同業者よりも多くの場合興味深いからだ。そして、OSSテクノロジーを使用した構築を進めている創業者は、ビジネスに対するアプローチにやや余裕があることが多いし、個人的にボブが好きなことも理由だ。

Semiとの対話から書き起こした未整理の約3000語のノートを、もう少し一貫性のあるものに整理できたら、さらにお伝えする。

画像クレジット:Semi

本のお勧め2021

先週2部構成になったベンチャーキャピタルからの推薦図書リストにかなりの時間を費やした後、私たちは自分たちのお気に入りの何冊かをリストに追加しようとしている。もちろん、本の好みは絵画の好みと同じように個人的なものだが、2021年読んだもののうち最高だったもののいくつかを共有せずにはいられない!

Annaの2021年のお気に入りは以下のようなものだ:

フィクション:

「Born to be Mild:Adventures for the Anxious」Rob Temple(ロブ・テンプル)著

記録によれば、これは私が2021年に読んだ最初の本だったが、12カ月経っても本当に私を魅了してやまない。著者のRob Temple(ロブ・テンプル)はご存知かもしれない。陽気なソーシャルメディアアカウントを運営し、書籍シリーズである「Very British Problems」(ベリー・ブリティッシュ・プロブレム)の作者でもある。だがこの本はこれまでとは違うテイストだ。それは彼の不安との闘いと、自身のコンフォートゾーンから抜け出そうとした努力についての物語だ。それは感動的で、非常に親しみやすく、とてもおもしろい──あなたが私のようなSue Townsend(スー・タウンゼント)のファンなら、あなたもこれを気に入る可能性が高い。

ノンフィクション:

「How to Read Numbers:A Guide to Statistics in the News (and Knowing When to Trust Them)」 David Chivers(デビッド・シバース)、Tom Chivers(トム・シバース)著

これは私が今読んでいる本で、まだ読み切っていないという注意はしておくものの、とてもおもしろい本だ。それはメディアからの反発を招くかもしれないが、重要なポイントを提示している。私たちがニュースで目にする多くの数字は注意深く吟味される必要があるということだ。これは、ジャーナリストとニュース読者の双方にとってすばらしい読み物になる。読者が数字の読み方に精通すればするほど、分析の精度も上がっていく。

Alexの2021年のお気に入りには以下のようなものがある:

「The Salvation Sequence」Peter F. Hamilton(ピーター・F・ハミルトン)著

最高の空想科学小説(SF)は、私たちが住んでいる世界の上に宇宙船を登場させて充実した1日にしてくれるだけではない。実際、最高のSFは、経済学から人類、科学、物理学に至るまで、あらゆるものを再定義するのだ。2021年私が読んだシリーズ「The Salvation Sequence」は、まさにそのような本だ。経済学やエイリアンへの対処から、真の人間である意味や将来の政治まで、すべてがここに含まれている。とんでもない読み物だ。次の巻が出るのが待ちきれない、そうしたらこのすごいシリーズ全体をもう一度読み返すことができる。

「A Memory Called Empire」「A Desolation Called Peace」Arkady Martine(アーカディ・マーティン)

未来を描く方法は1つではない。マーティンが描くのは、文明と野蛮の概念が、芸術と帝国に衝突する未来だ。そして記憶に。そして隠された技術と戦争に。短い説明文ではとても説明しきれないが、マーティンがSF世界に構築したものは、科学というよりもアートに近いものという他はない。これは激賞に値する。

「Black Sun」Rebecca Roanhorse(レベッカ・ローンホース)

ファンタジー小説は、ヨーロッパの封建時代の歴史を背景に描かれることが非常に多い。登場する公爵が◯◯野郎だって?農奴たちに反逆させたほうが良いぜ!そんな感じだ。そして登場したのが「Black Sun」だ。これはまったく異なる方向にファンタジーをとり込んだ作品だ。南米ならびに中米の伝統に触発されたように見えるものの、本作はジェットコースター並のすばらしさである。必読だ。

「The Last Graduate」、Naomi Novik(ナオミ・ノヴィク)著

ノヴィクは本当にすばらしい作家だ。「Uprooted」(邦訳:ドラゴンの塔)と「Spinning Silve」(邦訳:銀をつむぐもの)はどちらも傑作だった。しかし、私の個人的な意見では、彼女の最高傑作は「A Deadly Education」だ。これは2020年後半に発売された。そして、その続編「The Last Graduate」へのカウントダウンが始まった。本が出るまでの日数を数えることはめったにないが、そうせずにはいられなかったのだ。そして「The Last Graduate」はすばらしい作品だった。今まで読んだことのない主人公に出会い、すべてが歯を持つ世界に入りたいなら、これらの本を読もう。それらを読めば、幸せを味わえるだろう。

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文: Alex Wilhelm、翻訳:sako)

キーワード検索を超える「ニューラル検索プラットフォーム」開発のJina.aiが約34億円調達

ベルリンを拠点とするJina.ai(ジナエーアイ)は、ニューラル検索を利用して、ユーザーが非構造化データ(動画や画像を含む)から情報を見つけ出すことをサポートしているオープンソースのスタートアップだ。同社は現地時間11月22日、Canaan PartnersがリードしたシリーズAで3000万ドル(約34億円)を調達したことを発表した。このラウンドには、新規投資家のMango Capitalの他、既存投資家のGGV Capital、SAP.iO、Yunqi Partnersも参加し、Jina.aiの資金調達総額は3900万ドル(約44億円)となった。

Nan Wang(ナン・ワン)氏、Bing He(ビン・ヘ)氏とともにJina.aiを創業したCEOのHan Xiao(ハン・シャオ)氏は、深層学習ニューラルネットワークを使って、従来のキーワードベースの検索ツールを超えるというのがニューラル検索だと説明する。伝達学習表現学習などの比較的新しい機械学習テクノロジーを利用することで、同社の中核のJinaフレームワークはデベロッパーが特定のユースケースに応じた検索ツールを迅速に構築するのに役立つ。

「画像、音声、動画などの場合、まずディープニューラルネットワークを使って、このデータフォーマットを普遍的な表現に変換します」とシャオ氏は説明する。「ここでは、ほとんどが数学的なベクトル、つまり100次元のベクトルです。そして、マッチングアルゴリズムでは、一致する文字数を数えるのではなく、数学的な距離、つまり2つのベクトル間のベクトル距離を数えます。このようにして、基本的にこの種の方法論を使って、あらゆる種類のデータ検索問題や関連性の問題を解決することができるのです」。

シャオ氏は、Jinaが検索のためのTensorFlowに似ていると表現した(TensorFlowはGoogleのオープンソースの機械学習フレームワークだ)。人々がAIシステムを設計する際のデザインパターンをTensorFlowやPyTorchが定義したように、Jinaは人々がニューラル検索システムを構築する方法を定義し、その過程で事実上の標準となることを目指している。

しかしJinaは、同社が現在展開する製品の1つにすぎない。Jinaベースのニューラル検索アプリケーションの構成要素を開発者が共有・発見できるマーケットプレイスであるJina Hub、あらゆるディープニューラルネットワークを微調整するためのツールである、最近立ち上げたFinetunerなども提供している。

「この1年半、我々は巨大なニューラル検索タワーの基盤となる中核インフラの構築に多大な労力を費やしてきましたが、その作業は終えました。今、我々はこの大きな建物の1階と2階を少しずつ構築しており、エンド・ツー・エンドの開発体験を提供しようとしています」とシャオ氏は話す。

同社によると、Jina AIの開発者コミュニティには現在約1000人のユーザーがいる。ビデオゲーム開発者がゲームエディターの右クリックメニューに関連するゲームアセットを自動入力するために使用したり、リーガルテックのスタートアップがPDF文書のデータを利用したQ&A体験をチャットボットで提供できるようにするために使用したりと、さまざまな用途がある。

オープンソースのJinaフレームワークには、2020年5月の発表以来、すでに200人近くの外部貢献者が参加していて、同社はこのプロジェクトに関するSlackコミュニティもホストしている。

「我々がオープンソースを採用している大きな理由は、オープンソースの速度にあります。私は開発の速度がソフトウェアプロジェクトの成功の鍵を握ると考えています。多くのソフトウェアは、この速度がゼロになってしまうことでダメになるのです」とシャオ氏は説明する。「我々はコミュニティを構築し、高速に反復するためにコミュニティを活用してフィードバックを集めています。我々のようなインフラソフトウェアにとってこれは非常に重要なことです。すばやく改善するには、使いやすさやアクセシビリティなどについて、一流の開発者たちにフィードバックしてもらう必要があります」。

Jina.aiは、今回調達した資金でチームを倍増させ、特に北米での事業を拡大する計画だ。増強したチームで、Jinaエコシステム全体を広げるための研究開発に投資し、新しいツールやサービスを立ち上げる。

「テキストデータ用に構築された従来の検索システムは、画像や動画、その他のマルチメディアがあふれる世界では機能しません。Jina AIは、企業をモノクロからカラーに変え、高速で拡張性があり、データにとらわれない方法で非構造化データを解き放ちます」とCanaan PartnersのJoydeep Bhattacharyya氏は話す。「オープンソースのフレームワークを使った初期のアプリケーションでは、意思決定の改善や業務の改善、さらには新たな収益源の創出などの機会をニューラル検索が支えており、未来の兆しがすでに見えています」。

画像クレジット:Jina.ai

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi

Spot AI、通常のセキュリティビデオからより多くの情報を得るプラットフォームの構築に約25億円調達

多くの企業がセキュリティを確保し業務を遂行していくために職場空間を監視しているわけだが、セキュリティカメラは、良くも悪くも、この監視の本質的な部分を担っている。現在、あるスタートアップが突如姿を表し、さまざまなカメラで撮影された映像をより有益なものにするテクノロジーのために資金調達を行っている。Spot AIは、使用されたカメラのタイプや品質に関わらずその映像を「読み取り」、必要とする人誰もがそれらの映像を言葉やカメラに捉えられた画像で検索できるようにするソフトウェアプラットフォームを構築した。

Spot AIは、2018年以来そのテクノロジーと顧客層を静かに構築してきた。同社は現在数百の顧客と数千のユーザーを抱えており、その中にはテクノロジーを他に先駆けて導入しているSpaceXや輸送会社のCheeseman、Mixt 、Northland Cold Storageといった会社も含まれる。

現在Spot AIは、より広い範囲に製品を出荷しており、2200万ドル(約25億円)の資金調達を開示している。このうち、2000万ドル(約23億円)のシリーズAは、Redpoint Venturesが主導しBessemer Venture Partnersが参画し、また前回の200万ドル(約2億円)のシードラウンドはエンジェル投資家のVillage GlobalおよびStanford StartX(同社の3人の創設者はここの出身である)によるものだ。その他の投資家も参画しているが、名前は公表されていない。

現在、多くの企業が現在レガシーテクノロジーを使用しており、それによってギャップが生み出されているわけだが、Spot AIは、そのギャップを埋めることに狙いを定めている。今日職場の監視には、膨大な数のセキュリティカメラ(2019年における推定では米国内だけで7000万台)が使用されており、通常は建物の入り口、オフィスビル自体、工場、その他のキャンパス環境などに設置され、人の動きだけではなく動きのない物体をも監視し、また機械、出入り口、部屋など、ビジネスで使用される場所の状態を追跡している。

問題は、それらのカメラが非常に古く、アナログ設定であることであり、またハードウェアが新しいか古いかにかかわらず、そうしたビデオで捉えられた動画は非常に基本的な性質のものだという点である。そうしたビデオは単一の目的のために設定されており、インデックス化もできず、古い映像は消去され、また必要な時に機能しないことさえある。実際、セキュリティカメラの映像というものは、日頃は無視されており、実際に必要があって映像を見てみると、その映像がひどいか、まったく役にたたないことに気づく(見たいものが映っていないことを発見する)、ということがままある。優れた機能を持ったものもあるが、それらは非常に高価で、テクノロジーに疎いアナログ企業にすぐさま広く受け入れられるとは考えにくい。

これに加え、セキュリティカメラは、ビデオ監視システムの多面的で重要な役割にも関わらず、非難を受けている。この非難は、公共の場でセキュリティカメラがどのように使用されているかや(公共の安全の名の下に、そこに設置され、人々が望むかどうかにかかわらず、人々が行うすべてのことのを静かに観察し記録している)、プライベートなセキュリティビデオ映像が記録された後、どのように流用されるかという、公私両面の理由で発生している。プライベートなセキュリティビデオ映像の流用に関しては、AmazonのRingが映像を警察を共有する、といった意図的なものもあれば、意図しないものもある(企業向けのビデオシステムを構築しているスタートアップVerkadaのビデオにハッカーがアクセスしてその映像をどこか別のところに投稿した事例を参考までに見て欲しい)。

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CEO兼共同創設者のTanuj Thapliyal(タヌジュ・タプリヤル)氏はインタビューで、Spot AIは、善良な意図を持って上記の市場に参入中であると語った。セキュリティカメラはすでに重要な役割を担っているのであり、問題となるのは、セキュリティだけではなく、健康と安全を確保し業務を正常に行えるよう、より良い、より生産的な目的のために、いかにしてセキュリティカメラを使用するかを考えることだ、というのが同社の立場だ。

「(これらのカメラで捉えられた)映像データをより有益なものにし、また職場のより多くの人がそのデータにアクセスできるようにすれば、監視というアイデアからビデオインテリジェンスというアイディアへとそれを変革できるのです。これにより、重要な判断を下せるようになります」とタプリヤル氏はいう。彼はRish Gupta(リシュ・グプタ)氏とSud Bhatija(サド。ブハチジャ)氏とともに同社を創設した。同社の基本姿勢は、すでに多くのカメラが設置されているのだから、それらのカメラをより効果的に責任ある形で使用する方法を見つける必要がある、ということのようだ。

Spot AIシステムは現在3つの部分から構成されている。最初の部分は、Spot AIがオプションとしてすべての顧客に無料で提供する カメラセット で、現在はSpot AIとの契約を終了しても顧客はこれを保持することができることになっている。これらのカメラは5MP、IPベースのデバイスで、ビデオフィードの品質をアップグレードするように作られている。ただし、タプリヤル氏によると、Spot AIのシステムは必要とあれば、あらゆるカメラの映像に対応可能である。

2つ目の部分は、配置されたすべてのカメラからの映像を記録するネットワークビデオレコーダー である。これらは映像を処理し、読み取りを開始し、分類するAIチップを搭載したエッジコンピューターで、Spot AIのシステムの3つ目の部分を通して映像を検索可能なデータに変換する。

3つ目の部分は ダッシュボードで、これによりユーザーは映像をキーワードやプロセスで検索し、また現在のストリームに対しフレームを作成しそのフレーム内で何か注意すべきことが起きた時(例えば、ドアが開いている、または誰かがある領域に入った、または期待されているようにあるものが機能していないといったことまで)、通知を受け取れるようにすることができる。

ビデオサービスのこの部分は、時間の経過とともにより洗練されていく、というのが重要なポイントである(事実、ステルスモードからGAへの移行時にさえ、機能が追加されている)。そこではインターネットに接続されたデバイスを監視するためにデザインされた数多くのIoTが役目を果たす一方、Spot AIの売りは、接続されたデバイスが関係しているかどうかに関係なく、接続されているものと接続されていないものが物理的な空間でどのように移動しているかに、より注意を向けることができる、という点である。

タプリヤル氏にVerkadaについて報告されたセキュリティ問題(2021年始めにあった悪意をもったハッカーが関与した事件、および数年前に遡るが、Verkadaの従業員がビデオシステムを悪用した件の両方)について尋ねてみた。Spot AIはVerkadaがターゲットにしているのと非常に近い市場をテーゲットにしており(さらに偶然両社はともにCiscoに買収されたWi-Fiテック企業Merakiとつながりがあり、どちらも創設者はMerakiの元社員である)、Spot AIが同様の問題をどうやって回避するのか、考えざるを得なかったのだ。Spot AIの顧客もおそらく同じ質問をするだろう。

この質問に対し、タプリヤル氏は次のように答えた。「Verkadaはハードウェアを販売している企業で、彼らのクラウドソフトウェアは Verkadaのハードウェアでしか機能しません。またそれらはとても高価で、カメラ1台で数千ドル(数十万円)します(Spot AIの場合、設置費用は2200ドル(約25万1000円)からだが、カメラは無料)。またVerkadaは、アクセスコントロール、環境センサーなど、建物のセキュリティ向けのハードウェアを多く販売しています。それらは凄いソフトウェアを備えたすごい製品です」。

しかし「当社はハードウェアビジネスをしているわけではありません。私たちは映像へのアクセスや使用を容易にすることに注力しており、カメラハードウェアはお客様が望めばすべて無料で差し上げています。当社の狙いは、当社のサービスを通してお客様に映像からより多くの価値を得ていただき、それを足がかりとして、お客様からソフトウェアサブスクリプションを通じてより多くの仕事をいただく、ということです」。

またセキュリティについては、同社のコンセプトは他社とは大きく異なり「お客様間のアクセスをサイロ化し、システムへのアクセスに多重認証を必要とする」ゼロトラストアーキテクチャを中心に構築されている。

「他のテクノロジー企業のように、私たちは常に自社のサイバーセキュリティを見直し、問い直し、改善しています。私たちのゴールは、優れたウェブダッシュボードを提供し、お客様に適した最善のものを選んでいただくことです。例えば、映像のクラウドバックアップは、追加費用を払わなくてもお客様がオプトインできるオプショナルの機能です。この製品はサブスクリプションにすでに含まれているプライベートストレージやローカルストレージで機能します。これは、HIPAA要件を満たさなければならない医療関連のお客様に特に役立ちます」。

同社がセキュリティの問題に対応するための立場を取り、それにふさわしい製品を揃えているのはすばらしいことだ。このセキュリティ対応に実効性があるかは、実際試してみなければわからないし、またこれはビデオによる監視が悪用されることなく使用できるものであるという基本的な考え方に基づいている。多くの企業にとってこれは成功の見込みのないものかもしれない。とりあえず今指摘する価値があるのは、Spot AIは公共の安全や政府向けにビジネスを行うつもりはない、ということである。同社は私企業を対象に、彼らがセキュリティカメラへの投資と使用を再考してくれるチャンスに焦点を当てている。

事実、投資家に向けての主なメッセージは、Spot AIが非技術系の顧客も含め、できるだけ広い範囲の顧客を引きつけるに十分なユーティリティを備えたテックプラットフォームをいかに作成してきたかである。

「カメラを使用して日々の意思決定を行っている新規ユーザーや企業が殺到しています。レガシーベンダーが溢れかえっているこの業界では、Spot AIのソフトウェアに焦点を当てたモデルは、お客様にしてみれば、はるかに簡単な選択なのです」とRedpoint VenturesのMDであるTomasz Tunguz(トーマス・タンガス)氏は述べた。

また、Bessemer Venture PartnersのパートナーであるByron Deeter(バイロン・データー)氏は、次のように付け加えた。「本日、専有のAIカメラシステムにアクセスできるのは世界の最大手企業だけで、ほとんどの中小企業は取り残されています。Spot AIの使いやすいテクノロジーは、多くの企業(規模の大小に関わらず)による映像データの使用を促進するでしょう」。

画像クレジット:Spot AI

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

検索エンジンをよりユーザー中心なものに再構築するYou.comが約22億円のシードを獲得

元SalesforceチーフサイエンティストであるRichard Socher(リチャード・ソッハー)氏と、同氏のYou.com共同設立者たちは2020年来、これまでとは異なるタイプの検索エンジンを構築するというミッションに取り組んできた。そして米国時間11月9日、You.comはパブリックベータ版を公開するとともに、2000万ドル(約22億円)という多額のシード投資を発表した。

この新しい検索エンジンは、そこらにある検索エンジンに見られるような、縦にスクロールする検索結果のセットは使用しない。ソッハー氏とチームは、思い込みを捨て、まったく新しいものを考え出したかった。

「デザインは実際に何度も繰り返し行われました。私たちは初心者のような考え方で、検索に革新をもたらそうとしました。ある意味ではクレイジーなことですが、縦型リストでは(広告のような)他のものがどんどん散らばってしまい、20年間変わっていませんでした」とソッハー氏は筆者に語った。

You.comのチームはこの状況を打破するために、まったく違うものを作った。まず、検索結果のページは、Medium、Yelp、Redditといったさまざまなアプリにリンクされている。それらのアプリの重要度をカスタマイズすることも、特定のアプリをまったく使わないようにすることも、思いのままだ。

検索結果は、ウェブ検索結果のカテゴリーとともに、アプリ別のカテゴリーで表示され、左から右にスクロールすると、特定のアプリやカテゴリーの検索結果を見ることができるようになっている。さらに、実際に新しいタブを開かなくても、ビデオやコードスニペットなどの結果を見ることができ、タブのオーバーロードを減らしつつ時間とキー入力を節約すことができる。

気に入った検索結果があれば、それを上位に移動させられる。そうしたことをYou.comは記憶し、次回はユーザーがもっと気に入るような検索結果を提示する。

You.comで検索したサンクスギビングの添え物料理(画像クレジット:You.com)

創業者らがYou.comという名称を選んだのは、ユーザーとしてのあなたが検索エンジンに何を求めているかを表しているからだ、とソッハー氏は話す。「我々はこの名称に忠実です。それはあなたのことです。だから、あなたはここで、『もっとRedditを見たい』とか『Redditをさほど見たくない』とか選ぶことができるのです」と説明した。

近くのタイ料理店を探しているときのように、Redditからの検索結果を表示することに意味がない場合は、代わりにYelpの検索結果がトップに表示される。Yelpの検索結果が気に入らなければ、単にウェブの検索結果を表示することもできるが、このようにカスタマイズできることで、表示される検索結果にかなりの柔軟性とコントロールが生まれる。

特にニュースソースを選ぶとき、このレベルのカスタマイズによって結果が一面的になりすぎるのではないかと懸念するかもしれないが、目立たせたくない項目は消えてしまうのではなく、結果のリストの下に移動するだけだ。カスタマイズ機能を気にしないのであれば、検索エンジンに結果を表示させることもできる。

You.comはまず、開発者やプライバシーを意識したユーザーに焦点を当てている。ソッハー氏らはショッピングを主要ユースケースとして考えていたが、テストの結果、小売業者の製品カタログにリンクした場合、検索結果が実際にはカタログのページであるにもかかわらず、初期ユーザーは広告だと思ってしまうことがわかった。そこで、他のユースケースを検討することにした。

開発者は、コードスニペットのようなものを検索することができる。スニペットのセットを水平方向にすばやくスクロールし、何かを見つけてコピー&ペーストすると、Googleや、DuckDuckGoのようなプライバシーを重視した検索エンジンよりもはるかに早く作業を終えることができる。

プライバシーを気にする人のために、ソッハー氏が「真のシークレットモード」と呼ぶ機能では、IPアドレスを含むあなたに関するすべての情報が隠された状態にすることができる。この検索エンジンは、シークレットモードへの出入りが簡単にできるように設計されており、レストランを探すのに位置情報をオンにする必要がある場合は、プライバシーモードをオフにして、すぐにオンに戻すことができる。

収益化については、ユーザーのデータを第三者に売らないことを誓っているが、今は単にデザインを落ち着かせてユーザー数を増やすことを目指している。ソッハー氏は、収益化は後回しにすると話す。おそらく、いずれ広告が表示されることになるだろうが、その際には検索結果とユーザーを結びつけることなく、また検索結果があちこち散らばることがないようにするという。

例えば、空気清浄機を検索すると、その広告が表示されるかもしれないが、その広告を出している企業は、現在展開されているほとんどのオンライン広告と同様、ユーザーのデータに直接アクセスすることはない。もちろん詳細は不明だが、ソッハー氏はそのように説明する。

同社はまた、2000万ドルのシード投資を発表した。これは、ソッハー氏の元上司であるMarc Beniof(マーク・ベニオフ)氏のプライベート・ベンチャー・ファンドであるTime Venturesが主導したもので、Breyer Capital、Sound Ventures、Day One Ventures、そして業界のエンジェル投資家たちが参加した。

これまで、この検索エンジンは数千人のユーザーを対象としたプライベートベータ版だったが、11月9日からは誰でも試すことができる。Chromeを使っている人は拡張機能をダウンロードできる。

画像クレジット:you.com

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

簡単にユーザーのツイートを検索できる新機能が導入開始、まずはiOS版ツイッターから

iOS版Twitter(ツイッター)ユーザーには、個々のユーザーのツイートを簡単に検索できる新機能の提供が始まっている。この機能を利用するには、まず検索したいユーザーのプロフィール画面を表示する。すると、プロフィールバナーの右上にある3ドットメニューの隣に検索アイコンが追加されているので、そこからキーワードを入力してそのユーザーのツイート検索することができる。TwitterがTechCrunchに語ったところによると、この機能はiOSでは全世界のユーザーに提供されており、ウェブとAndroidでは引き続き、徐々に展開していくとのこと。

Twitter プロフィール上の「ユーザーのツイートを検索」ボタンが利用可能になりました(一部のユーザーのみ)。

実はTwitterでは、すでにこのような検索が可能だった。ただし、高度な検索方法を知っている必要があった。例えば「from:@TechCrunch Twitter」と検索すると、新しい検索機能が利用できないユーザーであっても、TechCrunchのツイートの中で「Twitter」という言葉を含むすべてのツイートを見ることができる。この長年用意されているTwitterの高度な検索機能は、何かキーワードを検索した後、ウェブ上の検索バーの横にある3ドットメニューをクリックすることで利用できる。検索は、日付やエンゲージメントの量などでフィルタリングできる。

とはいえ、今回から導入された簡単に利用できる検索ボタンを使えば、特定のユーザーからキーワードを含むツイートを簡単に見つけることができる。上と同じ例でいえば、高度な検索方法を知らない人は、毎日何十回も投稿されるTechCrunchのツイートをスクロールして「Twitter」という言葉を含むツイートを探すよりも、検索ボタンを使ってTechCrunchのアカウントで「Twitter」を探す方がずっと簡単だ。

もちろん、この機能によって、他人の面倒な昔のツイートを簡単に掘り起こす人が増える可能性はある。しかし、これは常にいえることだが、そもそも有害となる可能性がある内容をツイートしない(あるいは古いツイートは削除する)のが、賢いソーシャルメディア戦略である。

画像クレジット:geckophotos / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

メディカルノートによる医師向けの医療専門検索サービス「Medical Note Expert」の試験運用を開始

メディカルノートは10月11日、医師向けの医療検索サービス「Medical Note Expert」の試験運用を開始したと発表した。また利用登録者の募集も開始している。同サービスは、医師が必要とする医療情報を集約し検索しやすくすることで、デジタル時代に即した情報収集環境を構築したものという。試験運用版では一部コンテンツのみの掲載としているものの、今後コンテンツを拡充予定としている。

Medical Note Expertは、臨床や研究で必要となる多様な情報を、信頼できる医療情報に特化して素早くアクセスすることが可能な検索サービス。医学論文や診療ガイドライン、各医療学会が発信する最新情報、製薬会社の医薬品情報といった医療情報を集約しデジタル化している。さらに、一般向けの医療・ヘルスケアプラットフォーム「Medical Note」で培った医療学会との連携を元に、質の高いオリジナル記事も提供している。

専門的で最新の医療情報を必要とする医師にとって、現在は情報がインターネットに散在している状況にある。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、医療用医薬品の情報提供活動の規制強化もあり、医師が自ら情報を取得する機会も増加している。このため、医師の間ではインターネットを活用した情報収集の効率性が課題となっているという。

そうした医師による日常的な情報収集を支えるため、メディカルノートは「Medical Note Expert」開発プロジェクトを8月に立ち上げ、医療関連団体や製薬会社などの企業に協力を呼びかけ、試験運用がスタートすることとなった。

今後は、同サービスを利用する医師の意見を積極的に取り入れ、利便性を高めていくとしている。特に試験運用段階では利用実態の分析やアンケートを行い、医師の情報検索ニーズを明らかにすることを目的としている。収集したデータを元に、データソースの増強やユーザーインターフェース、検索性を向上させるとしている。

メディカルノートは、「すべての人が『医療』に迷わない社会へ」というミッションを掲げ2014年に設立。デジタルヘルスケアプラットフォーム「Medical Note」やオンライン医療相談サービス「Medical Note医療相談」を運営するほか、医療機関向けDX支援SaaS「Hospital Manager」を提供している。

Google検索がアップデートで、説明やコメントなど評価に役立つより多く幅広いウェブサイト情報を提示

Google(グーグル)は、オンラインユーザーのメディアリテラシーを向上させることを目的に、Google検索の結果に加えるいくつかの変更を発表した。2021年前半に導入した「About this result(この検索結果について)」の機能を拡張し、ウィキペディアの記述やサイト自体の説明に加え、ニュースやレビューなど、ユーザーがあまり見たことがない情報源や初めて見る情報源を、より評価するために役立つ情報が、検索結果に含まれるようになる。また、同じトピックに関する他の情報を併せて表示するなど、元の検索に関連する可能性がある他の情報源もユーザーに紹介する。

同社は2021年2月、米国で英語の検索結果に「About this result」を導入し、Wikipedia(ウィキペディア)から引用した短い説明(もしあれば)や、そのサイトが初めてオンラインになった時期、そのサイトへの接続が安全かどうかなどを表示するようになった。

関連記事:グーグルが検索結果でサイトの詳細情報もメニューで表示へ、米国での英語検索のみ

近々、このパネルがより詳細な内容にアップデートされる。ウィキペディアに掲載されているサイトの説明だけではなく、ウェブサイトが自分の言葉で自身について語っている内容も掲載されるようになる。この情報は(もしあれば)ウェブサイトから直接取得される。多くの場合、サイトは新しい訪問者にサイトを紹介する「about section」の中で、著者や出版者、目的などの詳細を記載している。この情報が抽出されて「About the Source(この情報源について)」パネルに詳細が表示されるようになる。

その下には、そのサイトが初めてオンラインになった時期がGoogleによって表示される。この情報は、そのサイトが長期間にわたって存続してきたウェブサイトなのか、それとも最近の誤報やプロパガンダキャンペーンの一環として作られた新しいウェブサイトなのかを、ユーザーが見分けるのに役立つはずだ。

画像クレジット:Google

また、Googleは、ウェブ上にインデックスされている情報源そのものに関する詳細な情報も、ユーザーに提供するようになる。ここでは、ニュースサイトやレビュー、そしてBetter Business Bureau(商事改善協会)のような信頼できる組織などで、他の人がその情報源であるサイトについて何を言っているかを分析することができる。これにより、他のソースに記された記録から、そのサイトがオンライン上でどのような評価を受けているかを知ることができる。

この「その他」のセクションでは、オープンウェブからのGoogle検索結果に基づき、そのウェブサイトに関する情報をユーザーに提供する可能性のあるページを特定すると、Googleは説明している。また、中立な視点を提供するため、その情報源となるウェブサイトによって作成や管理がなされていない有益な結果を優先させるという。

さらに、Googleは「About the Topic(トピックについて)」という機能を追加し、ウェブ検索者に、同じテーマに関するトップニュース報道や他の検索結果など、元の質問に関するより多くの情報を提供するようになる予定だ。これは人々が興味を持っているものについて、より多くの情報を得るのに役立つだけでなく、人々がいわゆる「フィルターバブル」の中で孤立してしまうのを防ぐことができる可能性もある。フィルターバブルとは、自分の好きなソーシャルプラットフォームが、人の好みを学習し、エンゲージメントを高めるために同じような情報をより多く提供することによって、自分が好む情報にしか触れることができなくなる状態のことで、ソーシャルメディア時代の深刻な問題となっている。

今回のアップデートは、米国時間9月29日に行われたGoogleの検索技術に関するライブイベント「Search On(サーチ・オン)」で、同社のトラスト担当VPであるDanielle Romain(ダニエル・ロマン)氏によって発表された。

これらの機能は今すぐに利用できるわけではないが、米国では「今後数週間」のうちに英語による検索で導入される予定だ。将来的にはより多くの国々で「About this result」を提供できるように取り組んでいると、Googleは述べている。

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グーグルがウェブサイトの写真を購入可能な商品に、「検索」に新たなショッピング方法を追加
グーグルがAIと新機能を導入して検索サービスを「再設計」
ビジュアル検索「Googleレンズ」アップデート、グーグルがAIで画像とテキストを1つのクエリにまとめる新検索方法を近々導入

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルがウェブサイトの写真を購入可能な商品に、「検索」に新たなショッピング方法を追加

Googleは、オンラインおよびGoogle検索モバイルアプリを利用した新たなショッピング方法を紹介した。近日に行われるiOS用「Google検索」アプリのアップデートでは、デバイス上での処理を利用した新しい機械学習モデルを活用して、ウェブサイト上の画像に含まれる商品を認識し、即座に「ショッピング可能」な状態にする。これにより、オンラインショッピングをするユーザーは、検索結果から洋服やアクセサリーを見たり、近くの店舗に在庫があるかどうかを確認したりすることが簡単になる。

iOS用のGoogleアプリでは間もなく、ユーザーはウェブサイト上の画像をGoogleレンズでショッピング可能な商品に変える新しいボタンを目にすることができる。ウェブサイトを見ていて、写真の中に気になるものがあれば、タップしてその商品の購入先を確認することができるのだ。この機能は、すでに画像内の商品を識別できる「Googleレンズ」の技術を拡張したもので、これまでと違う新たな文脈での利用となる。

画像クレジット:Google

Googleによると、デスクトップのChromeにも「Googleレンズ」が登場し、ユーザーは「レンズ」でウェブサイト上の画像、動画、テキストコンテンツを選択すると、同じタブで検索結果を見ることができるようになる。

別のアップデートでは、モバイル端末で服や靴、アクセサリーを見ているときに検索結果から簡単に買い物ができるようになる。

例えば「クロップドジャケット」といった検索条件にマッチする商品が、複数の色やスタイルでビジュアルフィードとして表示される。また、スタイルガイドや動画、購入場所の詳細情報なども表示される。さらにスタイル、ブランドなどで検索結果をフィルタリングしたり、評価やレビューを確認したり、価格を比較したりすることもできる。

画像クレジット:Google

この機能は、Googleが提供する「ショッピンググラフ」によって実現される。ショッピンググラフは、現在240億件以上の商品情報をリアルタイムで提供している。

また「在庫あり」のフィルターを選択すると、近くの店舗で今すぐ購入できる商品を確認することができる。この機能は、忙しい年末商戦の前に、プレゼントや子どものおもちゃを買う際に特に役立つだろう。

今回のアップデートは、本日開催されたGoogleのイベント「Search On」で発表された。同社はGoogleマップ、レンズ、検索の他の製品アップデートについても詳細に説明しており、その中には新しいAIの機能強化を活用するプロダクトもある。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

グーグルがAIと新機能を導入して検索サービスを「再設計」

Google(グーグル)は米国時間9月29日、Multitask Unified Model(MUM)と呼ばれる新技術を含むAIの進歩をGoogle検索の改善に応用することを発表した。同社のイベント「Search On」では、MUMを活用した新機能をはじめとするデモンストレーションが行われ、ウェブ検索者を探しているコンテンツによりよく結びつけると同時に、ウェブ検索をより自然で直感的に感じられるようになる。

機能の1つは「Things to know」と呼ばれ、探しているモノをもっと簡単に理解できるようにする。この機能は、人がさまざまなトピックを調べるときの一般的なやり方を理解しており、検索者が最初に見たいと思っているテーマを表示する。

画像クレジット:Google

Googleは例として「acrylic painting」(アクリル画)を検索すると、絵の描き方入門や、アクリル画のスタイル、アクリル画の描き方のコツ、アクリル絵の具の掃除の仕方といったさまざまな「Things to know」(知るべきこと)が表示される。アクリル画に関連する350あまりのトピックを見つけることができる。

この機能が提供されるのは数カ月後からだが、将来的にはMUMを使い表面的なトピックだけでなく、「家庭用品でアクリル画を描く方法」といったより深い洞察に基づくトピックをユーザーに開示することができるようになる。

画像クレジット:Google

また同社は、ユーザーが新しいクエリで検索を再開しなくても、最初の1つの検索を洗練し、拡張できる方法も開発している。

アクリル画の例でいえば、Google検索は、水たまりに絵を描くようなパドルポーリングに関する具体的なテクニックや、受講可能なアートクラスに関する情報を提供するかもしれない。それらのトピックにズームインすると、検索結果やウェブ上の記事、画像、動画などのアイデアが視覚的に豊かなページとして表示される。

画像クレジット:Google

これらのページは、Pinterestに対抗するためのものと思われる。Pinterestの画像を多用したピンボードが、人々の視覚的なインスピレーションをウェブサイトへの訪問やオンラインでの購入などの行動に結びつけることを目的としているのと同様に、検索によって人々がインスピレーションを得ることができるようになっている。

Googleによると、このページは「ハロウィンの飾り付けのアイデア」や「屋内の垂直庭園のアイデア」など、ユーザーが「インスピレーションを求めている」検索に役立ち、試してみたいアイデアを提供するとのこと。本日よりモバイル端末で試すことができる。

Googleはまた、動画検索もアップグレードしている。すでに同社は、AIを使って動画内の重要な瞬間を特定している。さらに、動画内で明確な言及がなくても、そのトピックを識別し、ユーザーがより深く掘り下げて学ぶことができるリンクを提供する機能を始めている。

画像クレジット:Google

 

つまり、YouTubeの動画を見ているときに、MUMはその動画の内容を理解して提案をしてくれるということだ。例えば、マカロニペンギンの動画では、マカロニペンギンがどのようにして家族を見つけたり、捕食者を回避したりするのかを語る動画など、さまざまな関連動画をユーザーに提示することができる。MUMは、たとえ動画の中で明確に語られていなくても、これらの用語を識別して検索することが可能だ。

この機能は、今後数週間のうちにYouTube検索で初期バージョンが展開され、今後数カ月のうちにアップデートされ、より視覚的な機能が強化される予定だとGoogleはいう。

この変更は、YouTubeの大きなリーチを活用することで、Google検索へのトラフィック増加にもつながるだろう。Z世代のユーザーの多くは、すでに旧世代とは異なる方法でオンラインコンテンツを検索していることが調査で明らかになっている。Z世代ユーザーは、複数のソーシャルメディアチャネルを利用し、モバイルファーストの考え方を持ち、動画コンテンツに興味を持つ傾向がある。「Think with Google」の調査によると、Z世代のティーンエイジャーの85%がコンテンツを探すためにYouTubeを定期的に利用し、80%がYouTubeの動画が何かを教えてくれたと回答している。その他のデータでも、Z世代は新たなアイデアやプロダクトについて、テキストやネイティブ広告といったコンテンツフォーマットではなく、動画で知ることを好むことが明らかになっている。

モバイルへの移行が検索の優位性に影響を与えているため、Googleにはこのような追加が必要なのかもしれない。今日、モバイルでのショッピング検索の多くは、Amazonで直接始まるようになっている。さらに、iPhoneユーザーがスマートフォンで何か特別なことをしなければならない場合、Siri、Spotlight、App Store、またはネイティブアプリに助けを求めることが多い。

またGoogleは、MUM技術を使ってGoogleレンズを使ったビジュアル検索を改善する方法も発表している。

関連記事:ビジュアル検索「Googleレンズ」アップデート、グーグルがAIで画像とテキストを1つのクエリにまとめる新検索方法を近々導入

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

不動産取引プラットフォーム「カナリー」運営のBluAgeが12億円調達、人材採用・プロダクトマーケティング・新規事業強化

不動産取引プラットフォーム「カナリー」を運営するBluAgeが約12億円調達

不動産情報検索アプリ「カナリー」(Android版iOS版)を開発・運営するBluAgeは9月29日、シリーズBラウンドで総額約12億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のAngel Bridge、新規投資家のNTTファイナンスおよびABCドリームベンチャーズ、ほか複数投資家。

調達した資金は、開発・営業・管理を含む人材採用やプロダクトマーケティング、新規事業に充当。カナリーの運営の強化、不動産仲介会社向けSaaSの展開など、不動産領域の「デジタルなインフラとして産業の発展に貢献する」ミッションの実現を目指す。

カナリーは、2019年6月にリリースされ累計ダウンロード数は100万件を達成。全国の不動産の賃貸・売買に対応しており、同アプリ経由での問い合わせも可能。掲載情報は管理会社や不動産業者向けのデータベースとも連携しているため最新情報が網羅されている。

不動産取引プラットフォーム「カナリー」を運営するBluAgeが約12億円調達

独Xaynが広告を表示させずにプライバシーを保護できる検索ツールのウェブ版を発表

ベルリンを拠点とするスタートアップ企業Xayn(ゼイン)は、Googleのようなアドテック大手のトラッキングやプロファイリングを利用せずに、プライバシー保護とパーソナライズを両立させた広告のない検索サービスを提供している(2020年のTechCrunchの記事を参照のこと)。同社はその製品の提供範囲を拡大し、ウェブ版(現在はベータ版)を発表した。

関連記事:オンデバイスAIでプライバシー保護とパーソナライズを両立させる検索エンジン「Xayn」

同社がモバイルアプリと同様の機能を持つ「light web version」と説明しているウェブ版「Xayn WebBeta」は、あるコンテンツに「興味がないことを意思表示するためにスワイプ」できないといった点がXaynのモバイルアプリとは異なる。

ブラウザのように見えても、Xayn自体はブラウザとも少し違う。同社が「ブラウジングエンジン」と称するXaynでは、プライベート検索だけでなく、ディスカバリーフィード(ニュースフィード)の形でコンテンツを整理して表示することで、アプリ内でブラウジングすることができる。

デスクトップのブラウザでXaynを読み込むと、XaynのAIがフィードで何を表示するかを判断するために、短いタイムラグが発生する(モバイルでも同様)。Xaynを最初に起動したとき(すなわち、AIがゼロからコンテンツをユーザーの地域に合わせてローカライズしているとき)は、すでにユーザーが何回かXaynにアクセスしてユーザー固有の閲覧シグナルをAIが利用できるときを比べて、わずかに長く時間がかかるようだ。

ウェブ版のXaynでは、コンテンツの左右に緑(好き)またはピンク(嫌い)のバーが表示されている。そのバーの横にカーソルを合わせるとホップアップ表示される、上向き(または下向き)の親指のアイコンをクリックすることで、特定のコンテンツに対する「評価する」または「評価しない」のシグナルを送ることができる。左クリックだけで「いいね!」できる、という仕組みだ。

また、フィードを増やしたくない場合は、フィードをオフにして、起動時に検索バーだけを表示させることもできる。

デフォルトでは、検索結果はコンテンツペインに、ニュースフィードと同じような長方形のグリッドで表示される。情報を求めているユーザーにとっては、少しばかり情報密度が足りないだろうか。

Xaynウェブ版(ベータ版)の検索結果ページのサンプル(画像キャプチャー:Natasha Lomas / TechCrunch)

Xaynの学習AIは、右上の「脳」のアイコンをクリックすれば、いつでもオフにすることができる。オフにすると、ユーザーが閲覧しているものが、ユーザーに表示されるコンテンツ(フィードのコンテンツと検索結果の両方)を決定するAIの学習に使用されないようになる。

全体をまっさらな状態に戻したい場合は、手動で閲覧データを消去して学習をリセットすることもできる。

ユーザーに魅力的なもう1つの要素はXaynには広告が表示されないことだ。DuckDuckGoやQwantのような他の非追跡型プライベート検索エンジンは、コンテクスト広告を表示することで収益を上げているが、Xaynには広告がない。

さらに同社は、検索業界の常識にとらわれずに、Xayn AIの検索アルゴリズムをオープンソースで提供している。

他にもウェブ版のXaynには、クリック1つで関連コンテンツが表示される「ディープサーチ」や「コレクション」というブックマークのような機能がある。ユーザーは「コレクションを作成、コンテンツを追加、管理することで、お気に入りのウェブコンテンツを集めて保存することができる」という。

Xaynは広告を表示しないだけでなく、広告ブロッカーを搭載し、第三者のサイトに表示される広告をブロックして「ノイズのない」ブラウジングを実現している。

Xaynのウェブ版は、ChromiumベースのブラウザとFirefoxにのみ対応しているので、Safariユーザーはサポートされたブラウザに切り替えてXaynを使用する必要がある。

同社によると、2020年12月に発表されたXaynのモバイルアプリは、その後世界中で25万回以上ダウンロードされている。

Xaynのモバイルアプリでは、発表から3カ月後には毎日10万以上のアクティブ検索が行われ、Xaynはブラウジングデータとユーザーの興味を示すスワイプを取り込み、このツールの価値提案の中核であるパーソナライズされたコンテンツの検索のためのAIをトレーニングし、改善している。この学習と再評価はすべてデバイス上で行われ「Xaynはユーザーごとの検索結果のプライバシーを保護している」とアピールできる材料になっている。

また、フィルターバブル(泡の中にいるように、自分の見たい情報しか見えなくなること)効果を避けるために、Xaynの検索結果には意図的な変化が加えられ、アルゴリズムが常に同じものばかりをユーザーに提供しないようにしている。

Xaynのウェブ版もモバイル版も、Masked Federated Learning(保護されたフェデレーテッドラーニング(連合学習))と呼ばれる技術を用いて、ユーザーのプライバシーを損なうことなく、ユーザーにパーソナライズされたウェブエクスペリエンスを提供している。

もちろんGoogle(グーグル)も独自の広告ターゲティング技術の改善に取り組んでいて、現在、広告ターゲティングのためにブラウザユーザーをインタレストバケットに分類するFloC(コホートの連合学習)と呼ばれる技術を試験的に導入し、トラッキングクッキーを廃止しようとしている。しかし、Xaynとは異なり、Googleのコアビジネスはユーザーをプロファイリングして広告主に販売することだ。

共同創業者でCEOのLeif-Nissen Lundbæk(レイフニッセン・ルンドベーク)氏は声明で次のように述べる。「私たちは、誤ったプライバシーと利便性のジレンマへの直接的な対応としてXaynを開発しました。このジレンマを解決できることはすぐに証明されました。ユーザーはもはや敗者ではありません。実際、私たちのすばらしいエンジニア&デザイナーチームは、アップデートのたびに、プライバシーや品質、優れたユーザーエクスペリエンスがいかに密接に結びついているかを繰り返し実証してくれます」。

「私たちは既存のものをコピーするのではなく、じっくりと検討して新しいものを作りたいと考えました。Xaynでは、積極的にウェブを検索したり、インターネット全体からパーソナライズされたコンテンツを提案するディスカバリーフィードを閲覧したりして、インターネット上のお気に入りのサイトを見つけることができます。どちらの方法でもユーザーのプライバシーは常に保護されます」。

デザイン部門の責任者であるJulia Hintz(ジュリア・ヒンツ)氏も、別の声明で次のように付言している。「Xaynのウェブ版を開発するにあたり、Xaynアプリの成功につながったすべての要素をデスクトップのブラウザウィンドウで利用できるようにしました」。

「ウェブ版にもプライバシーを保護するアルゴリズム、直感的なデザイン、スムーズなアニメーションが採用されています。ユーザーは、慣れ親しんだ環境から切り離されることなく、モバイルとデスクトップを簡単に切り替えることができます。これこそが、シームレスで強いインタラクションの鍵となる、Xaynのすばらしい利点です」。

ウェブ版のXaynでは、ユーザーの個人情報はブラウザ内に保存されるという。

ウェブ版のセキュリティについては、広報担当者が次のように話す。「デスクトップパソコンは、一般的にスマートフォンよりも安全性が低いといわれています。Xaynはプライバシー保護のために、分散型の機械学習と暗号化を組み合わせて個人データを保護しています。純粋に技術的な観点から見ると、Xaynはデスクトップデバイス上のブラウザの中のブラウザです。Xaynはそれぞれのブラウザのサンドボックス内で動作し、個人データを第三者の不要なアクセスから保護します」。

Xaynは今後、プライバシーを保護しながらパーソナライズされたブラウジングを同期する機能を追加する予定で、オンラインであればどこからでも、モバイルとデスクトップの複数のデバイスでAIの学習結果を享受できるようになる。

ブラウザでwww.xayn.comにアクセスすれば、Xayn検索エンジンのウェブ版(ベータ版)をデスクトップパソコンで確認できる。

Xaynは2021年8月、日本のベンチャーキャピタルGlobal Brain(グローバル・ブレイン)とKDDIが主導し、ベルリンのEarlybird VC(アーリーバードVC)などの既存の支援者が参加したシリーズAラウンドで1200万ドル(約13億円)を調達。累計調達額は2300万ドル(約25億円)を超えた。同社が日本をはじめとするアジアに注目しているのは確実だ。

関連記事:プライバシーとパーソナライズを両立する検索エンジンXaynが日本のKDDIやGlobal Brainなどから約13億円調達

画像クレジット:Xayn

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

Instagramがキーワードでのコンテンツ検索に対応、英語から開始し将来的には他言語もサポート予定

Instagramがキーワードでのコンテンツ検索に対応、英語から開始し将来的には他言語もサポート予定

Instagram

Instagramは8月25日、アプリ内での検索機能を改善し、キーワードによるコンテンツ検索に対応すると発表しました。

意外にも思えますが、実はこれまでInstagramの検索機能では、いわゆる画像検索的なことはできませんでした。たとえば「猫」で検索した場合、「#猫」などのハッシュタグや「猫」と入ったアカウントなどが表示されるだけで、猫の画像を見つけるには、そこから各リンク先に飛んで画像を見つける必要があったのです。

これはInstagramが、どんなコンテンツが投稿されているのかよりも、誰が投稿しているのかに焦点を当てていたとも言えるかもしれません。

これに対し新機能では、キーワードを入力すると、それに関連した画像や動画も表示されるようになります。おそらくはこちらのほうが、多くの人が検索に求める機能ではないでしょうか。

なお、InstagramのAdam Mosseri氏によると、この機能は社内では「インタレストサーチ」と呼ばれているとのこと。

ただ現状では、すべてのキーワードで画像検索ができるわけではなく、対応キーワードは今後も拡大予定としています。また、いまのところ英語での対応に重点を置いているものの、将来的には他の言語もサポートする予定です。

Instagramでは、6月には投稿内の画像から商品検索ができる機能なども発表しており、徐々に検索機能の拡充を図っている様子が伺えます。「私たちは、あなたが好きなものを見つけられるように、すべての機能をデザインしています」ともしており、今後もいくつかの機能改善が期待できそうです。

(Source:InstagramEngadget日本版より転載)

建築業界向け建材・家具検索の「TECTURE」が1.2億円調達、建築基準法対応建材の検索を可能とするアップデートも実施

建築業界向け建材・家具検索の「TECTURE」が1.2億金調達、建築基準法対応建材の検索を可能とするアップデートも実施

建築業界向けの建材・家具検索プラットフォーム「TECTURE」を手がけるtecture(テクチャー)は8月24日、総額約1億2000万円の資金調達を発表した。引受先は、Coral Capital、個人投資家を含めた8社。2019年創業からの累計調達額は1.9億円となった。調達した資金により開発体制およびデータベース構築体制を強化し、さらなる事業拡大にむけて組織基盤を強化する。また、TECTUREの検索機能アップデートを実施した。

今後の計画として、2022年春には、複数の主要専門誌5年分に相当する3500事例(約7万枚の写真)をデータベース化する予定。今後は「BtoB」の検索領域を拡大し、建物・家具・建材・設計図書・3Dデータなど空間に関するあらゆる検索・データ管理を可能にするという。またコンシューマー「toC」へ向けたマーケットプレイスの展開を予定しており、2023年には日本最大級の空間デザイン検索プラットフォームとなることを目指す。

tectureは、「空間デザインの未来をつくる」をミッションに掲げ、建築家の谷尻誠氏、編集者の佐渡島庸平氏、開発者の川田十夢氏、同社代表の山根脩平氏が、2019年2月に立ち上げた、建築デザイン領域のDX化を目指すスタートアップ企業。デザイナーの作品事例に家具・建材の商品情報を埋め込むことで、作品事例(メディア)から商品情報(カタログ)までワンストップで検索できる設計・メーカー向けプラットフォーム「TECTURE」を展開している。これまで大量の紙で検索していた家具・建材カタログや設計図書をオンライン上で効率的に管理できることから、サービス利用者数は1万5000人を超え、サービス導入設計事務所数は約200社に達しているという。

建築業界向け建材・家具検索の「TECTURE」が1.2億金調達、建築基準法対応建材の検索を可能とするアップデートも実施

TECTUREのアップデートでは、デジタルカタログとしての機能を大幅に強化し、プロユースの検索性に対応した。「建築をさがす」「家具・建材をさがす」の2つのタブで絞り込み検索を実装している。事例や家具・建材の検索性を高め、詳細検索では「防火」「防煙」「ホルムアルデヒド」など建築基準法に対応した建材を絞り込める。

また、メーカー各社の販促ならびに空間デザインや設計業務を強力にサポートするだけでなく、これから家を建てよう、リノベーションをしようと計画中のユーザーにとっても、利用価値の高いサービスアップデートとなっているという。建築業界向け建材・家具検索の「TECTURE」が1.2億金調達、建築基準法対応建材の検索を可能とするアップデートも実施

YouTubeが検索機能をアップグレード、チャプターのプレビューと翻訳付き動画が見つけやすく

米国時間8月17日、YouTubeはユーザーが探しているコンテンツを見つけやすくするための2つの機能アップデートを発表した。1つはビジュアル検索機能で、もう1つはユーザーの母国語のキャプションがある外国語の動画を見つけやすくする。

デスクトップ版では従来から、YouTubeのユーザーが動画のサムネイルの上にマウスを合わせると短いクリップが再生される。今後、この機能はモバイルにも拡張され、しかも動画内のチャプターを閲覧する機能も追加され、検索ページから、最も関心があるチャプターに直接アクセスできる。

プロダクト管理のディレクターであるPablo Paniagua(パブロ・パニアグア)氏はブログで次のように語っている。「サワードウの良いレシピを探していて、しかももっと上手に生地をこねたいと考えている人は、新しい検索結果ですべてのステップを動画で見ることができます。生地にイースト菌を入れるところから、パンをオーブンから取り出すところまで。しかも、こね方のチャプターに直行できます」。

もう1つのアップデートは、外国語の動画をユーザーに勧めるとき、母国語のキャプションがあるものだけを選ぶ。たとえば上のサワードウの例では、ユーザーの言語がアイスランド語で、その言語の動画に良いのがなければ、YouTubeはアイスランド語の字幕のある英語のビデオを勧めるだろう。今は英語のビデオだけだが、今後はもっと多くの言語に拡大するという。

画像クレジット:YouTube

また、インドとインドネシアでは、YouTubeがGoogle検索から他のサイトへのリンクで検索結果を補完する機能をテストしている。

パニアグア氏の説明によると「知りたい内容を十分に満たす良質な動画がYouTube上だけで必ず見つかるとは限らないため」だ。

Google検索にはすでにユーザーが動画の途中に飛べる機能がある。しかも2020年の終わりごろには、YouTubeの親会社Googleは、TikTokやInstagramの短編動画を推奨するモバイル検索機能を実験した。ただしその動画は、ユーザーをGoogleの中にキープするために、TikTokやInstagramの中ではなく検索ページの中で開く。

関連記事:グーグルがTikTokとInstagramのショートビデオを集約する検索機能をテスト導入

画像クレジット:YouTube(スクリーンショットはTechCrunch)

YouTubeの検索機能のアップデートが行われたが、現在、プラットフォームの検索アルゴリズムをめぐる議論にまだケリが付いていない。 Mozillaは7月、調査結果を発表して、YouTubeのアルゴリズムが依然として「低級な視聴率稼ぎコンテンツ」を宣伝していると指摘した。Mozillaはブラウザの拡張機能RegretsReporterに参加したユーザーから、データをクラウドソーシングした。ユーザーに、YouTubeの本当は見たくなかったような動画を報告してもらう機能だ。Mozillaによると、そんな悪質動画は、英語以外のコンテンツが英語のものよりも60%多い。でもYouTubeは、外国語のビデオに母国語のキャプションを付けたものの推奨などは、悪質動画の排除に役立つかもしれないがMozillaの調査報告への答えではないと言っている。

「これらの機能は何カ月もかけて開発し、ハウツーやDIYなど、ユーザーが探しているものを見つけやすいようにしている」とYouTubeはいう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:YouTube検索翻訳動画配信

画像クレジット:Olly Curtis/Future/Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ウェブアプリを検索可能にするCommandBarはエンゲージメントツールとしても人気

CommandBarを創業したJames Evans(ジェームズ・エヴァンス)氏とRichard Freling(リチャード・フレリング)氏、そしてVinay Ayyala(ヴィネイ・アイヤラ)氏は、あるソフトウェアプロジェクトに従事していたとき、ソフトウェアの中に何かの機能を見つけてアクセスしようとすると、それが意外と難しいことに気づいた。

そうひらめいた彼らは、2020年にチームを組んで、ソフトウェアをもっと使いやすくするための埋込み型検索ウィジェットの構築を開始した。

エヴァンス氏はTechCrunchに対して「このようなパラダイムは便利なはずなのですが、実際に作るのは困難でした。そこで、私たちがそれを作ったのです」と述べた。

米国時間8月9日、CommandBarはベータを脱し、Thrive Capitalがリードする480万ドル(約5億3000万円)のシードラウンドを発表した。参加した投資家は、Y CombinatorとBoxGroup、そしてエンジェル投資家のNaval Ravikant(ナヴァル・ラヴィカント)氏、Worklife VenturesのBrianne Kimmel(ブリアンヌ・キンメル)氏、StitchFixの社長Mike Smith(マイク・スミス)氏らだ。

CommandBarのB2Bツールは「command k」と呼ばれ、ソフトウェアをもっとシンプルで速くすることを狙っている。その技術はウェブアプリケーション上に置かれる検索エンジンで、ユーザーはシンプルなキーワードでそのアプリケーションの機能にアクセスできる。また、紹介などの推奨プロンプトで、新規ユーザーをアナウンスすることもできる。

Clubhouseの中のCommandBar(画像クレジット:CommandBar)

ユーザー企業は、1行のコードをペーストするだけでCommandBarを統合でき、構成ツールを使って、そのアプリケーションに関連するコマンドを迅速に加えることができる。このプロダクトは意図的にローコードとして設計されているので、顧客企業のサクセスチームが技術者のサポートなしで構成を加えれられる、とエヴァンス氏はいう。

しかし最初は売りにくかった。初期に特に難しかったのは、顧客企業がその顧客や投資家にCommandBarがやることを理解させることだった。

「電話で説明するのは難しいので、Zoom上で見てもらいました。そうすると、アプリケーションの中でそれが使われる様子がよくわかるので、販売しやすくなりました。そこから、多くの新規ユーザーを獲得できるようになりました」とエヴァンス氏はいう。

CommandBarはすでにClubhouse.ioやCanix、Stackerなども使っており、数十万のユーザーの役に立っている。CommandBarの最も多いユースケースは、新入社員などのソフトウェアの使い方の練習や訓練だ。

エヴァンス氏によると、今回得られた資金はエンジニアリングと営業とマーケティングで人を増やし、チームを大きくすることに使いたい。ベータテストは成功し、初期の顧客から好評が得られた。エヴァンス氏はその結果を、年内に予定している今後の新しいプロダクトや機能性にも活かしたいという。

Thrive Capitalの投資家であるVince Hankes(ヴィンス・ハンクス)氏は、CommandBarのプレシードの投資家の1人からCommandBarを紹介された。

彼はかねてから、B2Bのソフトウェア企業やアプリケーションに関心があり、その分野で彼が最近気になるのは、アプリケーションの単純性と機能性の間に、当然のようにテンションがあることだ。

彼によると、アプリケーションはパワーユーザーにとっても使いづらいことがときどきあるが、CommandBarはユーザー企業による構成が適切なら何でも簡単にできる。たとえばパスワードのリセットの仕方を知りたければ、「password」というワードで検索すればよい。すると、そのページへ直行できる。

「彼らのプロダクトに興味を持っている企業の種類は、とても印象的です」とハンクス氏はいう。「目立たない幅広い企業からの需要が見え始めました。実際、彼らはCommandBarを、より深いカスタマーエンゲージメントのためのツールとして使っているのです」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:アプリCommandBar資金調達検索

画像クレジット:sesame/Getty Images

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)