Voxelのように他社が簡単に真似ができないようなガチの技術をコアに抱えるスタートアップとして、私が思い出すのはPayPalやBumpだ。1998年創業のPayPalはネット上のオンライン決済の嚆矢だったが、彼らは実際にはオンライン送金を行う「金融業者」などではなく、「セキュリティ企業」だと自認していたという。PayPalが創業した1990年台後半、どの金融企業もインターネットで決済などできないと思っていた。一定の割合で詐欺による被害をかぶることになるが、その被害の補償金額を利益より下に抑えこむことなどインターネットなんかでは不可能だと思っていたからだ。ところがPayPalは、初期には詐欺被害によって発生する毎月の損失に青ざめながら、オンライン詐欺に対抗するセキュリティ技術を高めた。だからこそ、このジャンルで無二の存在となれた(この辺のことはJessica Livingston著「Founders at Work: Stories of Startups’ Early Days」に詳しい)
日本のスタートアップだと、例えばGunosyが、こうしたコア技術に磨きをかけているように私には思われる。そして、まだわれわれが知らないだけで、きっと多くのスタートアップが日本に生まれつつあるはずだ。さて、11月11日、12日に開催予定のTechCrunch Japan 2013では、賞金100万円を目指してスタートアップが競い合うスタートアップバトルを行うが、この参加応募の締め切りが、明日10月18日金曜日の23時59分までとなっている。まだまだ応募受付中なので、参入障壁を着々と築きつつあるスタートアップ企業の皆さん、あるいは誰より先に走りだしたというスタートアップ企業の皆さんからには是非ご検討頂ければと思う。
と、そんな思いもあって、今年のTechCrunch Tokyo 2013では11月11日、12日の2日間を通して、小会場のほうでハッカソンを併せて開催する予定だ。昨年からイベントを共催させていただいているリクルートのMashup Awards 9のサブイベントという位置付けにはなるが、エンジニア、デザイナ、学生、腕試しをしたい起業家の皆さんにご参加いただければと思う。ハッカソン初日にチームビルディングタイムを設けるので、チームじゃなく、個人の参加でも歓迎だ。取材やキャリアチェンジのキッカケを作りたいスタートアップの方々も参加を検討してほしい。
ところで、なぜTechCrunchがハッカソン? と思う人もいるかもしれないが、上の写真にあるように、本家TechCrunchのイベントでは実は毎年かなり大規模なハッカソンを実施していたりする。例えば今年9月のサンフランシスコのイベントでも、なんと300チーム近くが参加していて、1チーム60秒のプレゼンだけでも発表が終わるのに全部で5時間以上もかかっていた。TechCrunch Tokyo 2013で、そうした規模で実現するのは難しいかもしれないけれども、世界を変えるプロダクトの多くはほんの数人の手で作られてきたというのが、この業界の面白いところ。力試しや、経験、ネットワーキングの場として是非参加してみてほしい。
イベントの会場はいつものとおり、サンフランシスコのYerba Buena Center for the Artsで火曜日の太平洋時間午前10:00〔日本時間火曜日午前2時〕スタートだ。今回のイベントについてAppleは「私たちはまだたくさん発表することがあります(“We still have a lot to cover)」と言っている。つまりかなり盛りだくさんな内容になるのだろう。
もうひとつ、Appleの次世代デスクトプOSであるOS X Mavericksの発表もこのイベントで行われる可能性が高い。いずれにせよ新しいMacBookProが店頭に並ぶときまでにMavericksは発表されるはずだ。新OSにはマルチスクリーン・サポートの改良やタブ方式の新しいFinderなどの新機能が搭載されるものと予想されている。.
11月11日、12日に東京・渋谷で開催するTechCrunch Tokyo 2013だが、今年も例年通り、イベントの目玉企画として参加スタートアップがプロダクトをステージ上で競い合う「スタートアップバトル」を開催する。優勝チームには賞金100万円と、来年米国で行われる本家のイベント、TechCrunch Disruptでのブース出展権を贈呈する予定だ。
TechCrunch Japanが、TechCrunch本家と協力して主催する1年に1度のスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2013」が、ちょうど1カ月後に迫ってきた。今年のTechCrunch Tokyoは11月11、12日の2日間、東京・渋谷で開催予定で、内外からゲストスピーカー、起業家、投資家、エンジニアなどスタートアップ関係者が集まるイベントだ。すでにチケット販売は開始しているのだが、週明けの14日月曜日に終了予定だった早割チケットの発売期間を延長させていただくことになったので、お知らせしたい。
B Dash Venturesが主催する「B Dash Camp 2013 Fall in Osaka」が大阪で開かれ、講演やパネルセッション、スタートアップのコンテストなどが2日間にわたって行われた。今回で4回目となる同イベントには国内外のネット業界で活躍する経営者や投資家、起業家などスタートアップ関係者400人ほど集まった。参加者の国籍は10カ国にのぼり、北米だけでなく、台湾や韓国、タイなどアジア各国からの参加も目に付く国際色の強いイベントだった。
Sun Microsystemsの共同ファウンダーでその後ベンチャーキャピタリストに転じKhosla Venturesを作ったVinod KhoslaがわれわれのTC Disrupカンファレンスに登場して忌憚のない意見を述べた。Khoslaによれば「大半のVC(ベンチャーキャピタリスト)にはスタートアップに適切なアドバイスをする能力がない」という。